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大天使は飛来する僕と共に

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ブラキエル #オウガ・フォーミュラ

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#猟書家
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#オウガ・フォーミュラ


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 迷宮災厄戦で姿を現した猟書家と呼ばれる存在。
 彼らはオウガ・オリジンから奪った力を利用してオウガ・フォーミュラを名乗り、幹部を引き連れてこれまで猟兵達が平和にした世界の侵略を始めていた。
 アックス&ウィザーズもその一つだ。
 ここには大天使ブラキエルが訪れ、「天上界への到達」を企てていた。
 猟兵達はこれまで、猟書家幹部達、またはその意思を継ぐオブリビオンと交戦を重ね、彼らによる侵略を防いでいた。
 その結果……。
「骸の月を消滅させることができたけれど、ここからが本当の勝負ね」
 セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が言う様に、オウガ・フォーミュラとの最終決戦が始まる。
 野望を絶たれたブラキエルは調律の森と呼ばれるエルフ達の住む場所にも出現が確認されている。
 ブラキエルは多数のオブリビオンを呼び出し、エルフ達を虐殺し、根絶しようとしているようだ。
「そんな行為、絶対に許されるわけはないわ」
 セレインは何としてもブラキエルを食い止め、エルフ達を助けたいと話を聞く猟兵達へと訴えかけるのである。


 骸の月は完全に沈黙し、大天使ブラキエルは虚空を仰ぐ。
「我が友よ、君の願いは叶わなかった。君は『書架』へと帰るがよい。我は、天上界の扉を開く僅かな可能性を実行しよう……」
 天上界への帰還が叶わなかった彼は手に持った剣を虚空へと消し去る。
 そして、月面から舞い降り、彼は僅かな望みにかけてアックス&ウィザーズへと降り立っていく。
「……もっとも、ヴァルギリオスさえ見逃し、あまつさえ封印された愚か者共が、今更地上の危機に扉を開く事もあるまいが……」
 諦観にも似た言葉を呟いてはいたが、各地を力で侵攻を開始するブラキエルの行為は無差別大量虐殺に他ならない。
 彼が降り立ったのは、アックス&ウィザーズ某所にある調律の森。
 かつて、猟書家幹部の意思を引きついたオブリビオンの侵攻を受けたこの森のエルフ達は、またもオブリビオンの攻撃にさらされることとなる。
「族長、オブリビオンです。また我らの森を……!」
 エルフ達が目にしていたのは、多数の「空飛ぶタツノオトシゴ」。
 ブラキエルが纏う大天使の光輪より呼び出されたそれらは、通常の個体とは違って岩の腕を装備しており、ユーベルコードの破壊力が増していた。
 タツノオトシゴらは仲間を呼んでさらに数を増やし、輝く光で自らの力を高め、祈りを捧げるポーズで予言を行って支援と攻撃を同時に行う。
 支援と攻撃の両方に秀でたこのオブリビオンは、数で攻め来ることもあって侵攻にうってつけの軍団と化す。
「総員、迎え撃て」
 エルフの長の指示もあり、エルフは一斉に弓矢をタツノオトシゴの迎撃を開始する。
 相手は木々を薙ぎ倒し、エルフ達の力を奪い取ろうとしてくる。
 エルフ達だけではとても森を守り切ることは不可能だが、駆けつけた猟兵達であれば殲滅は十分可能なはずだ。
「またも来てくれたか……」
「どうか、私達に力をお貸しくださいませ……!」
 助けを乞うエルフ達と協力体制をとる猟兵達。
 まずは彼らと協力し、攻め来る「空飛ぶタツノオトシゴ」を殲滅すべく攻撃を開始するのである。


なちゅい
 猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
 当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。

 今回のシナリオは、拙作「過去は炎で猛りて」の舞台だった「調律の森」です。猟書家率いるオブリビオンの群れから森を守り、猟書家「大天使ブラキエル」の討伐を願います。
 このシナリオを含めて大天使ブラキエルを「20回」倒せば、完全に滅ぼすことができます(それ以上の余剰成功分は何かいいことがあるかもしれません)。
 各章のプレイングボーナスは以下の通りです。

 ・第1章のプレイングボーナス……援軍と共に戦う。
 ・第2章のプレイングボーナス……鎧の隙間を狙う/アイテムを使う。
 ・第3章のプレイングボーナス……先制攻撃に対抗する。

 今回のシナリオの第1章は2日昼から5名様程度での一括執筆を予定しています(場合によってはサポートの皆様の力をお借りしたいと思います)。
 章間はプレイングの幅を広げる為の情報を加筆します。
 その最後に、次の締め切りに関しまして記述させていただきますので、ご確認の上でプレイングを頂けますと幸いです。
 なお、第1章に断章執筆の予定はありません。

 シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
 それでは、行ってらっしゃいませ。
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第1章 集団戦 『空飛ぶオトシゴ』

POW   :    仲間を呼ぶ声
自身が戦闘で瀕死になると【仲間の空飛ぶオトシゴ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    未来の予言が聞こえた気がする
自身が【何となく祈りを捧げているような動作をして】いる間、レベルm半径内の対象全てに【不吉な予言】によるダメージか【幸運の予言】による治癒を与え続ける。
WIZ   :    力を受け取る
全身を【輝く光】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。

イラスト:羽月ことり

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

白神・チグサ(サポート)
 キマイラのUDCエージェント×マジックナイト、18歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、負傷したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



ヴィヴィ・ジーヴ(サポート)
キマイラの力持ち×精霊術士、15歳の女。
名前はヴィヴィ、一人称は自分の名前でビビ。表記はどちらでも。

服の下はフクロウ。
腕はハーピー(鳥の羽)、器用な作業は少しだけ苦手。
「あまりお手手は見ないでね、女の子の秘密よ。」

《力持ち》
素早いの、苦手。お目目くらくらする。一撃ドーン、が得意よ。

《精霊術士》
困った時は精霊さんに聞く!

《好き》
美味しいもの、食べる事、大好き!
あとね、ビビ、空中浮遊でふよふよするの好きよ。

◆集団戦
沢山いるなら、ビビ、得意かも。
ひゅ~ってお空飛んで行ってね、急降下で、ドーンっ!
怪力の技能を足に溜めて、着地のついでに足場も割っちゃおう。
鹿の足で蹴り飛ばしたり、ぼんぼん投げたりするよ。


中村・裕美(サポート)
副人格・シルヴァーナ
『貴方はどんな血を流すのかしら』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
特徴 長髪 のんびり 社交的 惨殺ナイフを愛用 実は胸が大きい
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)

裕美のもう一つの人格で社交性と近接戦闘特化。
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】。その容赦の無さで敵に【恐怖を与える】、ちょっぴり猟奇的かもしれないが、そこはご愛嬌
槍を使うことがあれば、相手を【串刺し】にします
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー

あと、虫が苦手




 アックス&ウィザーズ、調律の森と呼ばれるエルフの住まう森。
 そこに降り立った大天使ブラキエルは早くも侵攻を開始し、纏う光輪より多数の岩の腕を生やした「空飛ぶタツノオトシゴ」を出現させていた。
「これはいけませんねぇ」
 白い衣装を纏い、白い髪を肩まで伸ばしたキマイラ女性、白神・チグサ(淡雪に舞う・f32016)はこの状況をかなりマイペースな目線で眺める。
「森を襲うなら、ビビも許さないよ」
 深い森の育ちであるヴィヴィ・ジーヴ(いつも誰かのお手伝い・f22502)は空から襲い来るタツノオトシゴが森の木々を破壊しようとする行為に、むすっとして、介入を決めたようだ。
「ついに、猟書家との決戦ね」
 二重人格を持つ中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)だが、今は副人格であるシルヴァーナが表に出る。
 それによって、髪は白く、瞳を赤く変化させた裕美。その手に握るナイフが陽光を受けて煌めく。
 森からはエルフ達もオブリビオンの迎撃の為にと、木々の枝や地上から弓を構えて早速矢を撃ち出す。
 対するオブリビオン、空飛ぶタツノオトシゴらは岩の腕を使い、生ある者全てを殴り倒そうと接近してくるのである。


 空飛ぶタツノオトシゴは単体だと脅威とは言えない存在だ。
 ユーベルコードによって輝く光で相手から体力を奪ったり、祈りのポーズによって広範囲にダメージを与えたりすることはあるが、厄介なのは危機に陥ると数を増やし、回復支援と行いつつ攻撃を仕掛ける点にある。
「それじゃ、いくよ」
 戦闘モードに切り替わったチグサは、先程までのゆるふわした印象からはきはきとした物言いへと変わっていた。
 彼女は懐から取り出した短剣型の魔法剣『白影』に施された術式を展開していき、「解放」、「蓄積」、「吸収」の3つの作用によって自らを強化する。
 相手が数を増やすなら、それより早くこちらも相手を倒すまで。
 チグサは周囲へと毒を仕込んだ針手裏剣を投げ飛ばし、さらに『記憶消去銃』から魔弾を発射してタツノオトシゴを撃ち貫く。
 数が増える前に手早く殲滅せねば、相手を倒せなくなるだけでなく、こちらの体力を残らず吸い尽くさせる恐れすら出てしまう。
 しかも、ブラキエルは最初から多数を呼び寄せた上、岩の腕を生やすことでそれらのユーベルコードを強化している。
「沢山いるなら、ビビの出番だよ」
 ひゅ~と鳥の羽で飛び上がったヴィヴィは得意とする【対空戦闘】に臨み、岩の腕で殴り掛かり、あるいは体当たりしてきたタツノオトシゴを鹿の足で蹴り飛ばして見せる。
 ヴィヴィは岩の腕をつかみ、敵陣で大きくそのタツノオトシゴを振り回して思いっきりぶつけ、敵を地面へと叩き落としていく。
 しばらく、彼女は敵を思いっきり投げ飛ばし、敵の数を減らしにかかっていた。
「「…………」」
 ただ、タツノオトシゴは新たに得た岩の腕を振るうだけでなく、祈りを捧げて不吉な予言を紡ぎ、あるいは輝く光を纏って飛び込んでくる。
「単調な攻撃ね」
 ただ、相手は岩の腕にしろ、光を纏った体当たりにしろ、敵は一直線に裕美目掛けて接近してきた。
 裕美は【残像】を纏ってそんな敵の虚を突き、『惨殺ナイフ』でその体を【切断】していく。
「こちらの方がお望みかしら」
 光纏う敵が突っ込んできたのに合わせ、裕美は『ドラゴンランス』で相手の体を貫き、仕留めて見せた。
 周囲では、エルフ達も絶え間なく矢を射続けて殲滅しようとするのだが、「空飛ぶタツノオトシゴ」はなおもその数を増やす。
「「………………」」
 傷つきながらも、不吉な予言を紡ぐオブリビオンらは仲間の傷を回復しつつ、攻撃するエルフ達の体力をじわじわと奪っていくのである……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「また攻めてきたのね。返り討ちにしてあげるわ」

森の中で【迷彩]【目立たない】で隠れて十分な距離を取る。
敵が森を破壊しつつ前進するなら良く見えるわね…。

後は敵を視認しながら10秒集中、ユーベルコード【千里眼射ち】
レベル二乗の距離の射撃で着実に一体ずつ仕留めるわ。

距離を詰めてきたら【逃げ足】で一時離脱。
あとはエルフたちと協力しつつヒットアンドアウェイね。




 数で圧倒しようとしてくる「空飛ぶタツノオトシゴ」達。
 猟兵やエルフ達が苦戦する中、金髪のヤドリガミ、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)が駆け付けていた。
 ヴィオレッタは以前もこの調律の森の危機に駆け付けており、その時は森のエルフ達と協力することでオブリビオンを討伐することができた。
「また攻めてきたのね。返り討ちにしてあげるわ」
 今回もまた、全ての敵を討伐する気概でその戦いに加わるヴィオレッタだが、森の中で自らに【迷彩】を施し、【目立たない】様に身を顰める。
 そして、彼女はしばし、戦いの状況を注視していた。
「敵が森を破壊しつつ、前進するなら良く見えるわね……」
 確かに、サポーターとして戦う猟兵や森のエルフ達がタツノオトシゴを片っ端から地面へと落ちしていくのだが、それでも仕留めきれなかった敵が森の木々を殴り倒し、先へと進んでいたのだ。
 それらの敵を視認していたヴィオレッタは、合成弓『射貫き打ち抜く鋒矢』を引いて集中する。
 彼女のユーベルコード【千里眼射ち】はしばしの集中を要する。
 10秒という時間は短いようで長い。特に、破壊活動を続ける敵はその間も森の木々を1本、また1本と殴り倒す。
 ただ、狙った相手に対しては、一撃必殺。ヴィオレッタの飛ばす矢は確実に空飛ぶタツノオトシゴを貫通し、その歪んだ生を奪い去る。
 次なる敵がまたヴィオレッタへと迫る。彼女は近場にいたエルフへと声をかけて。
「いったん距離をとってから迎撃を再開しましょう」
「は、はい……」
 森が破壊されるのを見ながら後退せざるをえない状況に、エルフ達も悔しがってはいたが、近づかれたら不利なことを彼らも重々承知している。
 そんなエルフ達と共に、ヴィオレッタはヒットアンドアウェイを続け、少しずつその数を減らしていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユーフィ・バウム
森を、世界を守るため
エルフ達と協力し、オトシゴ達に立ち向かいましょう
【勇気】全開、【気合い】フルチャージです!

私は前衛として立ち回りますので、
エルフさん達には援護をお願いしますね
後ろに回る相手などを狙っていただければ――

さて、風の【属性攻撃】を宿す武器で
【空中浮遊】し、オトシゴ達を
【なぎ払い】、もしくは【衝撃波】を浴びせ
多くの敵を撃ち落としていきましょう

共に戦う猟兵と連携し、効率的に立ち回れるように
相手は瀕死になると仲間を召喚するようですが、
ならば召喚する暇もないように骸の海に返します

敵の攻撃は【見切り】避けます
あるいは【オーラ防御】で弾いて隙を作り
【カウンター】の《轟鬼羅刹掌》で砕きますよ!




 調律の森では、、猟兵とエルフ対オブリビオン「空飛ぶタツノオトシゴ」の攻防が続く。
 一部では押されかけた状況もある森の戦いに、日焼けした肌の銀髪少女が馳せ参じる。
「森を、世界を守るため、エルフ達と協力し、オトシゴ達に立ち向かいましょう」
 長い髪をツインテールとしたユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は、率先して敵に対するべく前へと出て。
「私は前衛として立ち回りますので、エルフさん達は援護をお願いしますね」
「わかりました!」
「了解した」
 自身の後ろへと回ろうとする敵などを狙ってほしいと願うユーフィは、エルフ達の声を背に受け、【勇気】全開、【気合い】フルチャージで敵……「空飛ぶタツノオトシゴ」と対していく。
 早速、ユーフィは【風属性】を宿す武器の力で、【空中へと浮かび上がる】。
 岩の腕を振るってくるタツノオトシゴへと向かい、ユーフィは『ディアボロス』の一撃でその体を叩き割っていく。
 それだけではない。体を光らせて突撃してくる敵に対し、ユーフィは大きく刃を振るって巻き起こした【衝撃波】を浴びせかけ、多数の敵の体を寸断し、撃ち落としていく。
 数多く倒すユーフィは敵の的となる。一時は数体から同時に攻撃されていた彼女は敵の動きを【見切って】回避に努め、避けられぬと判断すれば全身に【オーラ防御】を展開して岩の腕や体当たりを弾いて見せた。
「その隙、もらいます!」
 仰け反った相手が再び攻撃へと出る僅かな間に、ユーフィは拳に鬼の力を宿して。
「破鎧の拳……受けてみよ!」
 どんなものも砕く【轟鬼羅刹掌】。【カウンター】として叩き込まれた一打にタツノオトシゴは岩の腕も砕かれ、地面へと落下していく。
 さらに、ユーフィを狙っていた1体へは多数の矢が突き刺さる。援護射撃を行ってくれるエルフ達も狙いを合わせ、オブリビオンを射落としていた。
「皆さん、一気に行きましょう!」
 ユーフィは周囲で戦う猟兵達とも攻撃を合わせ、敵を叩く。
 瀕死になれば、タツノオトシゴは新手を呼び寄せてしまうと聞いていたユーフィは、なおも大きな刃を振りかぶって【衝撃波】を発し、タツノオトシゴらを骸の海へと還していく。
 戦う猟兵達は力を振り絞り、戦線を押し返す。
 オブリビオンの群れは新手を呼ぶことができず、その数を急速に減らしていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『テンペスト』

POW   :    ストームブリンガー
【無尽の射程を持つ鎖に繋がれた三振りの黒刃】で攻撃する。[無尽の射程を持つ鎖に繋がれた三振りの黒刃]に施された【行動を阻害する暴風領域:騒嵐襲風を生む力】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
SPD   :    ブラストノッカー
【騒嵐襲風の要である角と黒刃から強烈な迅風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ブレススターラー
攻撃が命中した対象に【暴風領域:騒嵐襲風を局所的に作り出す結界】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【あらゆる行動の制御を乱し狂わせる暴風】による追加攻撃を与え続ける。

イラスト:shirounagi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はルーダス・アルゲナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 数で調律の森を攻め、木々の破壊を進めようとしていた岩の腕を持つ「空飛ぶタツノオトシゴ」の群れ。
 それらをなんとか討伐することのできた猟兵と森のエルフ達ではあったが、まだ第一陣を凌いだに過ぎない。
 なぜなら、まだこの地に降り立った大天使ブラキエルは姿すらも見せてはいないのだから。
「かやつらを退けたか」
 どこかでその戦いを見ていたはずのブラキエルが呟く。
 どうやら、あのオブリビオンの集団は囮であり、別方向からエルフ達の集落を目指していたようだ。
 猟兵達は先程の戦場の後始末をエルフ達へと託し、大天使ブラキエルを捉えるべく声のした方へと急ぐ。
 しかしながら、その行く手を遮るように空から最強の腹心が立ちはだかる。
「ここは通さぬ……」
 それは、全身が真白な竜。
 鳥を思わせる手足や翼を持ち、鎖に繋がれた三振りの黒刃を供えた暴風竜「テンペスト」である。
 その名の通り、こいつはユーベルコードによって暴風を巻き起こして襲い掛かってくる他、三振りの黒刃は無尽の射程を持つ鎖のおかげでどこまで敵を追いかけるというから恐ろしい。
 また、攻撃特化というわけではなく、暴風による結界はあらゆる行動の制御を狂わせてしまう。
 非常に強力なテンペストではあるが、大天使ブラキエルはこいつへと「絶対物質ブラキオン」と呼ばれる「未知の単一原子でできた鎧」を与えてしまった。
「絶対物質ブラキオンを得た我は倒せぬ……」
 通常の手段では、その鎧の僅かな合間を狙うしか本体にダメージを与える手段はない。
 早くブラキエルの元までたどり着きたい猟兵達はテンペストの攻略に頭を悩ませる。
 そんなメンバー達の傍へ、多数の木の葉を抱えたエルフの男性がやってくる。
「森の『浄化の香木』に茂る葉だ。これを使えば……」
 それは、「世界樹イルミンスール」から株分けされた『聖なる木』。
 魔術的な力を持つ木に茂っていたこの葉は、「絶対物質ブラキオン」に対する切り札となるのだ。
 この葉をブラキオンに触れさせることができれば破壊できるが、その為に相手が展開する暴風を突破せねばならない。
「暴風とブラキオン……二重の守りを破らねば、我は倒せぬ……!」
 勝ち誇った表情で暴風と黒刃を展開するテンペスト。
 聖なる木の葉を握る猟兵達は改めて策を巡らし、絶対の守りに包まれたブラキエルの腹心と対する……。

(第2章は、3日22時からの一括執筆を考えております。
 2章からのご参加も歓迎です。メイン参加者の状況によっては第1章と同様にサポートの方のお力を借りる予定です)
コーデリア・リンネル(サポート)
 アリス適合者の国民的スタア×アームドヒーローの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

内気な性格のため、三点リーダーや読点多めの口調になります。
ですが人と話すのが嫌いでは無いため、
様々な登場人物とのアドリブ会話も歓迎です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ミロ・バンドール(サポート)
大人向けな依頼は不採用にしてください

口調はステシの基本通り
強がって一匹狼を気取った態度ですが、連携にはきちんと応え
最善の結果のために努力します
いわゆるツンデレ

基本的な戦闘スタイルは敵の力を削ぎ、次の味方の行動へ繋げるサポート役で
次いで重視する行動が敵の押さえです
技能の各種耐性(これは先制攻撃ボスにも適用)や
武具改造を活かし、戦場の状況に合わせたスタイルを模索します

保護対象には耐性技能を利用して盾になり
UCは誰かが望まない犠牲になるときは差し控える傾向

*備考
・精神攻撃にはとても弱い(ヘタレると寝言時の口調)
・ギャグ展開に巻き込まれやすい、弄られOK

※キャラぶれ気にしないので、お気軽に弄って下さい


リダン・ムグルエギ(サポート)
「餅は餅屋。後の戦いはお任せするわね
「お、今の映えるわね!ヒュー

キマフュ特有のノリの服飾師

見た人の五感を狂わす「催眠模様」の入り衣装を作って配る事で
仲間や一般人の防御底上げと敵の妨害を実施したり
依頼に即したなんらかのブームを生むことで敵に特定の行動を躊躇させたり
等を得意とする
「戦闘開始前に自分のやるべき仕事の準備を終えている」事が多い純支援キャラ

依頼本編では戦いの様子等を撮影・配信したり
キャーキャー逃げたり
合いの手を入れてたりしています
単独戦闘には不向き

ミシンや針、布等も所持
その場で他依頼参加者に合わせ衣装アレンジも

MSのセンスで自由に動かしてOK
エロだけは厳禁




 アックス&ウィザーズ、調律の森。
 エルフ達が住まうこの森にも大天使ブラキエルが降り立っており、他地域同様にエルフを殲滅しようと侵攻を開始。
 先にやってきた猟兵達がブラキエルの召喚した岩の腕持つ「空飛ぶタツノオトシゴ」と交戦していたのだが、敵はもう1体、強力なデウスエクスを呼び寄せていて。
「ここは通さぬ……」
 ブラキエルへと至る途中で、行く手を阻むように居座っていたのは、真白な体毛を持つ「テンペスト」だ。
 暴風竜とも呼ばれ、荒ぶる風と三振りの黒刃を携えたこの竜は、ブラキエルより「絶対物質ブラキオン」なる鎧を与えられていた。
「単一原子でできたあの鎧……かなり厄介ね」
 宇宙山羊族の女性、個性的なデザインの衣装を纏うリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)がその鎧に着目するのは、彼女がデザイナーだからだろうか。
 その鎧はどんな攻撃をも弾き、無効化してしまう。
 狙うなら鎧の隙間しかないのだが、テンペストは暴風の結界を展開して相手の攻撃を阻害することができる。
「……手強い相手ですが、何とかするしか……、ありませんね」
 フリフリな衣装を着用したアリス適合者の少女、コーデリア・リンネル(月光の騎士・f22496)は策を巡らし、鎧や暴風を突破して攻撃する手段を考える。
 少し距離を置き、左目を眼帯で覆ったダンピールの少年、ミロ・バンドール(ダンピールの咎人殺し・f10015)は一匹狼といった佇まいで露出した右目でテンペストを見つめていた。
(「……騒々しい奴だ」)
 奥にいるはずの大天使ブラキエルもそうだが、荒ぶる風を操るテンペストもミロには耳障りに感じたらしい。
「ゆくぞ、猟兵。その体、引き裂き、切り刻んでやろう」
 この場の3人を排除しようと、テンペストは翼を広げて迫ってきたのだった。


 飛来してくる真白な竜テンペスト。
 大天使ブラキエル最強の腹心であるこのオブリビオンは暴風を飛ばしてくる。
「そこだ」
 当たれば、それだけで暴風領域による結界が発生し、敵の近くにいると暴風によっていかなる行動も妨げられてしまう。
 飛んでくる暴風はコーデリアと向けられており、彼女もそれを避けようと必死だ。
「……相手が、攻撃を妨げる……なら」
 小さく息を吸い込むコーデリアは、森へと歌を響かせる。
 その荒ぶる風を鎮める穏やかな歌声は、森の草花や木々、鳥や獣たちも聞き惚れる。
「この歌声は……」
 風を放っていたテンペストの耳にもその歌声は入ったようだ。
 ただ、歌声に耳を傾ければ、コーデリアの思惑通り。
 彼女のユーベルコード【ショウ・マスト・ゴー・オン】はこの歌を聴き続けていたいという感情を与える。
 ただ、それも時間に限りがある。コーデリアは目配せして周囲の猟兵達へと攻撃を促す。
「お、今の映えるわね! ヒュー」
 ただ、リダンはそんなコーデリアの姿を絶賛しており、攻撃する素振りを見せない。
 その歌声を絶賛し続けるリダン。ただ、その働きはこの一帯にちょっとしたブームを生む。
「さあ、ショーは続くわ」
「…………!」
 リダンの働きかけはユーベルコードによるもの。
 【トレンドコンダクター・GOATia】は高めた【流行操作】の技術でコーデリアの歌が好きだという感情を強めたのだ。
 それは、鎧纏うテンペストも同じ。なぜなら、鎧は耳まで遮ってはいないのだ。
「ううっ……」
 小さく笑うリダンが視線を送る先には、ミロがいて。
「……敵の動きが鈍った?」
 敵の抑えを得意とするミロだが、この場にいる猟兵がうまく抑えてくれていることで、攻撃に出る。
 彼のユーベルコード【炎獄の風】は味方を巻き込んでしまう。
 その為、ミロはユーベルコードを使わずに攻め込み、『魂のジビット』の鎖を鳴らす。
 現状、敵の鎧に対する有用な攻略手段を見出すことのできぬミロは、相手を拘束することで時間を稼ごうと考えたのだ。
「これなら……」
 ミロは持ち前の【ロープワーク】スキルで、仲間の歌に聞き惚れているテンペストの体を縛り付ける。
 しかしながら、我に返ったテンペストが攻撃に転じるのは素早く。
「ブラストノッカー、その身で味わうといい」
 縛られたままでもテンペストは角と黒刃から強烈な迅風を発し、周囲にいる猟兵達へと攻撃を仕掛けてくる。
 対するメンバーは多少傷ついてしまうが、足止めは十分。
 なぜなら、敵の纏う「絶対物質ブラキオン」に対する有効な策を用意した猟兵達がこの場へと駆けつけてきたからだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アリス・フェアリィハート
アドリブや連携等も歓迎です

オウガ・オリジンさんの力を
奪い強大になった
オウガ・フォーミュラさん…

『この世界の為にも…
そこに暮らす
エルフさん達の為にも
侵攻を止めなきゃ…!』

自身の剣
『ヴォーパルソード』を手に
【第六感】【早業】【見切り】【残像】【オーラ防御】等を
駆使し
攻撃が命中しない様に
回避・防御しつつ
剣からの【衝撃波】【誘導弾】等の
遠距離攻撃や
【破魔】を込めた【属性攻撃】
【なぎ払い】等の剣戟で戦闘

状況を伺い
機が訪れたら
UC発動
花びらの中に『聖なる木の葉』を紛れ込ませておき
敵に衝嵐をぶつけると共に
間接的に
ブラキオンに木の葉を
触れさせます

『どんな攻撃も通じない鎧でも…この葉は効果があるんですよね…!』


ユーフィ・バウム
その風、貫いて見せましょう
『浄化の香木』に茂る葉を武器にくくりつけます

暴風を突破するには、さらに勢いのある風となって!
風の【属性攻撃】を宿す武器で【空中浮遊】し、
暴風を突っ切ります!
多少の黒刃は、自慢の【オーラ防御】で弾き、
【激痛耐性】で堪える!

テンペストにたどり着いたらまず武器の一撃を浴びせ、
世界樹の力で絶対物質の力を破壊します

守りを砕き接敵したなら――
もう離れられると、思わないことですっ
我が《戦士の手》は、
組んでこそ力を発揮するっ

【怪力】で地上に引きずり込みつつ
【暴力】【功夫】の拳を浴びせ続ける
地面が迫ったら、テンペストの巨体を【力溜め】た
投げを打ち、豪快に地面というマットに沈めましょう!


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「暴風の障壁を突破すればいいのね?」
他の猟兵たちの動きを見て、敵の注意がそれたらユーベルコード【クォンタムハンド】。
遠距離射撃は無理でも聖木の葉を量子結合の手でぺったり張り付けてあげる。
「直接お届けよ?」

鎧が剝がれれば後は攻撃よ。
サーフブレイドに乗ったサイキックキャバリアで空中戦を挑むわ。
[空中戦][空中浮遊][滑空][サーフィン]で距離を取りつつ、[スナイパー]付きの弓矢で射撃。
敵の無限射程攻撃は短剣で[見切り][武器受け]、最後は[オーラ防御]で凌ぐわね。




 岩の手を生やした「空飛ぶタツノオトシゴ」の群れを討伐した猟兵達。
「オウガ・オリジンさんの力を奪い強大になったオウガ・フォーミュラさん……」
 そこに加わるのは、水色のエプロンドレスを着用し、大きな水色リボンが目を引く金髪少女、アリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)だった。
「この世界の為にも……、そこに暮らすエルフさん達の為にも、侵攻を止めなきゃ……!」
 強い意気込みを見せるアリスら猟兵達は大天使ブラキエルの元を目指すメンバー達は、すでにサポートメンバーが交戦する真白な竜「テンペスト」と遭遇することになる。
「ブラストノッカー、その身で味わうといい」
 鎖で縛られながらも、テンペストは角と黒刃から迅風を巻き起こし、メンバー達を傷つけていた。
 「絶対物質ブラキオン」と呼ばれる「未知の単一原子でできた鎧」でできた鎧を纏う敵には通常の攻撃が効かない。
 しかしながら、駆けつけたメンバー達はこの森のエルフから、奥地にある『浄化の香木』……『聖なる木』に茂った葉を託されていた。
 その葉をブラキオンに触れさせられれば破壊することができるようだが、テンペストは暴風を巻き起こして猟兵達の接近を妨げることもできる。
「暴風の障壁を突破すればいいのね?」
 長い金髪を纏めたヤドリガミ女性、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は勝気な笑みを浮かべて敵との距離をはかる。
「その風、貫いて見せましょう」
 一方、銀の長い髪をツインテールとしたユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は大型武器『ディアボロス』に『浄化の香木』の葉を括り付け、敵に向かって飛び込んでいくのである。


 テンペストはサポーター達の抑えを振り払い、新手の猟兵達へと向かってくる。
「今度はお前達だ」
 暴風竜が解き放ってくる暴風は、ユーベルコード【ブレススターラー】によるもの。『ヴォーパルソード』を手にするアリスは【第六感】でその暴風の接近を感知して【見切り】、【残像】と【オーラ防御】を合わせて直撃を避ける。
「直撃してしまえば、それだけで攻撃できなくなってしまいます……!」
 一度その攻撃を浴びれば、自身を中心として発生する結界内で満足に行動できない暴風が巻き起こり続けてしまう。
 テンペストに攻撃させぬよう、アリスも握る剣を振り払い、【衝撃波】、【誘導弾】を飛ばして牽制するが、敵は悠然とブラキオンで受け止めて。
「効かぬ……」
 不敵に微笑むテンペストは、ブラキエルより与えられた鎧に絶対の信頼を持っている。実際、アリスの攻撃ではほとんどテンペスト本体にダメージを与えることができていない。
 そこに飛び込むのは、『ディアボロス』に【風属性】を宿して【空中浮遊】していたユーフィだ。
「暴風を突破するには、さらに勢いのある風となって!」
 彼女は暴風を突っ切ってテンペストへの接敵を試みる。
 ただ、テンペストの攻撃は暴風だけではない。三振りの黒き刃は射程無制限の伸びる鎖がついており、ユーフィを一度捕捉すれば逃さず、細切れにせんと切りかかってくる。
「多少の黒刃なら……」
 ユーフィもそのくらいの攻撃であれば想定の範囲内。
 全身に展開する自慢の【オーラ防御】で刃を弾き、痛みは【激痛耐性】で耐えて見せる。
 そこで、ユーフィに気をとられるテンペストへと、ヴィオレッタやアリスが仕掛ける。
 現状、遠距離射撃ではあの鎧は突破できない。ヴィオレッタはそう考えて。
「不可視にして不可触の手よ、来たれ」
 ユーベルコード【クォンタム・ハンド】によって、彼女は見えない量子結合の手を出現させていた。
「――もの言う花たちの噂話は……あらゆる世界に広まっていくのです……」
 アリスもまたユーベルコードを使う。
 【フラワリーズ・フェイトストーム】は、自らの武器を花びらへと変える。
 その花吹雪はテンペストへと襲い掛かるが……。
「無駄だ……!」
 やはり、ブラキオンに遮られて有効打を与えることができない。
 しかしながら、彼女達は無策でユーベルコードを使っているわけではない。
「どんな攻撃も通じない鎧でも……この葉は効果があるんですよね……!」
 花びらの中に、アリスは『聖なる木』の葉を紛れ込ませており、間接的にブラキオンへと触れさせようとしていたのだ。
 ヴィオレッタも敵の意識が衝嵐へと向いている間に、ヴィオレッタも見えない手を操る。……聖なる木の葉を持たせて。
 そして、いつの間にか、ユーフィがテンペストへと迫っていた。
 彼女は『浄化の香木』の葉をつけた『ディアボロス』で一撃を浴びせかけようとする。
「――――!!」
 同時に迫るアリスの花吹雪に紛れる木の葉、そして、ヴィオレッタの操る木の葉持つ量子結合の手。
「直接お届けよ?」
 勝利を確信するヴィオレッタ。
 3つの葉がほぼ同時に触れたことで、ブラキオンは弾け飛び、崩壊してしまう。
「なに……!?」
 これには、テンペストも驚きを隠せず、黒刃を、暴風を操る手を止めて呆然としていた。
「守りを砕き接敵したなら――もう離れられると、思わないことですっ」
 ユーフィの【戦士の手】は組んでこそ力を発揮する。
 彼女は【怪力】でテンペストの巨体を地上へと引きずり込みつつ、【暴力】、【功夫】の拳を敵へと叩き込んでいく。
「そう簡単に倒せると思うな……!」
 テンペストとて、アックス&ウィザーズに存在していた竜だ。ブラキオンがなくとも体を覆う羽毛のごとき鱗も頑丈な鎧となる。
「鎧が剝がれれば、後は攻撃よ」
 ヴィオレッタはサイキックキャバリア『ゲファレナー・エンゲル』へと乗り込む。
 サーフブレイド『ヘクスベーゼン』にキャバリアを乗せ、ヴィオレッタは【空中を浮遊】して【滑走】する。
 相手が落下している状況もあり、ヴィオレッタはテンペストから距離をとりつつ、敵の頭上を狙う形で弓を射っていく。
 体に矢を受け続ければ、テンペストもさすがに我に戻って。
「まだ……だ!」
 三振りの黒い刃をそれぞれ操り、敵は攻め来る猟兵達を切り刻まんとする。
 遠距離にいても、無限の射程を持つ鎖がヴィオレッタを逃さない。
 黒い刃を【見切った】彼女は【短剣を使ってそれらを受け止め】、防ぎきれぬ攻撃は【オーラ防御】でしのぐ。
 ただ、遠距離へと意識が向かえば、近距離の守りは疎かになる。
 アリスは刀身に【破魔属性】を籠め、テンペストの体を大きく【なぎ払う】。
 迸る血は、テンペストの傷が小さくないことを物語る。
 その巨体を【力を溜めていた】ユーフィが掬い上げて。
「これで……ダウンですっ!」
 豪快に森の地面へと叩き付ける。
「がはっ…………」
 大きく目を見開くテンペストは、そのままマットへと沈む。
 意識がなくなったオブリビオンは全身を淡く光らせ、そのまま消えてしまったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『大天使ブラキエル』

POW   :    岩腕
単純で重い【岩石でできた巨大な腕】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    絶対物質ブラキオン
【「絶対物質ブラキオン」の鎧】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、「絶対物質ブラキオン」の鎧から何度でも発動できる。
WIZ   :    大天使の光輪
自身が装備する【大天使の光輪】から【破壊の光】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【徐々に石化】の状態異常を与える。

イラスト:藤本キシノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 空飛ぶタツノオトシゴの群れ、そして飛来する暴風竜テンペスト。
 それらを撃破した猟兵達が向かう先、調律の森を翼で浮遊して進む男の姿があった。
「骸の月、我が配下、腹心、我をも骸の海へ還すか」
 体に纏う大天使の光輪。タツノオトシゴに確認された岩の腕、テンペストが着用していた絶対物質ブラキオン……。
 この男こそ、アックス&ウィザーズを進行しているオウガ・フォーミュラ「大天使ブラキエル」で間違いない。
「これで我が目的が果たせるとは思えぬが、僅かな可能性に賭ける他ない」
 部下を失ったブラキエルだが、もはや彼に失うものなどない。
 骸の月が沈黙した地点で、彼の目的はほぼ絶たれてしまっている。
 ならばこそ、なりふり構わぬブラキエルはその強大な力をもってアックス&ウィザーズに住む民の命を奪いつくすのみ。
 この調律の森に現れたブラキエルを放置すれば、エルフ達を蹂躙するのは間違いない。
 遠目にブラキエルの姿を確認していたエルフ達は抵抗しようとするが、ブラキオンに阻まれてダメージすら与えることができない。
 なすすべないエルフ達を救う為、そしてオブリビオンの目論見を打ち破る為、続々と猟兵達が駆け付けてくる。
 大天使ブラキエルの前へとようやくたどり着いた猟兵達は、そいつを止めるべく構えをとっていく。
 この場でブラキエル倒しても、相手は命を一つ失うだけに過ぎない。
 しかしながら、その回数が重なることで、ブラキエルを完全に滅ぼすことは可能だ。そうなれば、アックス&ウィザーズに平和が訪れることだろう。
「天上界へと至るべく、一縷の望みをこの戦いに」
 猟兵達が攻撃に出るよりも速く、ブラキエルは動き出す。
 ――その強大な力で世界を蹂躙する為に。

(第3章は、6日13時からの一括執筆を考えております。
 3章からのご参加も歓迎です。メイン参加者の状況によっては1,2章同様にサポートの方のお力を借りる予定です)
ユイナキ・オーヴァゲイン(サポート)
 ジャイアントキャバリア『オーヴァゲイン』に乗る元実験体で、16歳の少女。
普段の口調はやや機械的で丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
独り言は淡々と(私、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)

 研究所と戦場しか知らないため日常生活に疎い。自分の意思より他者の命令を優先し、対応も機械的。
ぬいぐるみなど、もふもふした物に触れると安心する人間らしい一面も持つ。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ジェイソン・スカイフォール(サポート)
おもに「正当防衛」「衛生小隊」を使ってメイン参加者の援護を行います。

▼行動例

「下がってください!」
メイン参加者が不利な状況に登場し、かばう。ボス敵の相手を引き受け、味方が態勢を立て直すための機会をつくる。

「救護します!」
衛生小隊にボス敵の牽制を命じ、その隙に、負傷したメイン参加者を安全圏に撤退させ、応急手当を行う。必要に応じて「生まれながらの光」で治療する。




 調律の森へと現れたオブリビオンの群れ。
 それは、1人の男によって引き連れられたものだった。
 しかしながら、オブリビオンの群れは全て、先に戦っていた猟兵達の手によって討伐されている。
「骸の月、我が配下、腹心、我をも骸の海へ還すか」
 それらを率いていたのは、猟書家と呼ばれ、オブリビオン・フォーミュラである大天使ブラキエル。
 半裸といえる程に素肌をさらしながらも、背に生えた大きな翼、輝かしい光輪で体を覆うその男は、猟兵達を視界に入れながらも、森の木々を倒しながらエルフ達の住まう集落を目指していたようだ。
 その侵攻を止めるべく、2人の猟兵が駆け付ける。
「猟兵になって初めての敵、オブリビオン……」
 1人は、ジャイアントキャバリアを駆る少女、ユイナキ・オーヴァゲイン(ヒト型兵器接続者/唯無・f31873)。
 コクピット内から強大な敵の姿を視認したユイナキ。
「……討伐を開始します」
 そのオブリビオンを放置すれば、いかなる事態を引き起こすのかといったことは考えず、彼女はただ機械的に任務を遂行しようとする。
「大天使ブラキエル……これ以上、行かせはしません!」
 何処かの軍人と思しき容姿、そして口調のジェイソン・スカイフォール(界境なきメディック・f05228)は敵の侵攻を阻むべく立ちはだかる。
「我はもはや歩みを止めぬ」
 身に纏う光輪を輝かせるブラキエルは迷うことなく、ジェイソンの方へと真っ直ぐ向かってくるのだった。


 猟兵達が平和にした世界へ、侵攻を行うオブリビオン・フォーミュラ。
 そのうちの1体、大天使ブラキエルは自らの目的を果たすことができなくなり、力で侵攻を開始していた。
「我の行く道には殺戮あるのみ」
「ここで止めて見せます」
 ぶつかるブラキエルとジェイソンは互いに一歩も引かない。
 輝く光輪の前に、ジェイソンは攻防一体の構えをとり、格闘術を叩き込んでいく。
 僅かな間、ジェイソンの攻撃はブラキエルを圧倒しているかにも思えたが、やはり敵は強大すぎたと言うべきか。
「この光、抑えられはせぬ」
 光輪から放たれる眩い光は破壊の力となり、ジェイソンへと浴びせかかる。
「う、うううっ……!」
 膨大なエネルギーを浴びたジェイソンはその身が焼け付きそうなほどのダメージを受けながら、その身が徐々に石となるのを感じて自らに応急処置を施さざるを得なくなってしまう。
 そのジェイソンの前へと、ジャイアントキャバリアを操縦するユイナキが出る。
「その体、いただきます」
 ユーベルコード【グリードイーター】は相手を捕食することができる。それによって、相手のユーベルコードをコピーすることができる。
 喰らいつくジャイアントキャバリアへと、ブラキエルは岩石でできた巨大な腕を現して。
「させぬ」
 力任せに殴りかかってくる敵へと、ユイナキもまたキャバリアから巨大な岩の腕を現して殴り返す。
 その一打は周囲の木々や地面をも破壊するほどに圧倒的。
 ユイナキが歴戦の猟兵であれば、しばらく持っただろう。ただ、彼女の力はまだ成長途中。巨大な岩の腕はすぐに姿を消してしまう。
 そこに再び、ジェイソンが立ち塞がる。
「自分達はこの場を死守すればいい、なぜなら……」
 ジェイソンが振り返る方向からは、ブラキエルの連れていた配下を倒した者達、そして、新手の猟兵達が駆け付けてきていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


(訂正)×オブリビオン・フォーミュラ→○オウガ・フォーミュラ
 大変失礼致しました。
アリス・フェアリィハート
アドリブや連携も歓迎です

『貴方がブラキエルさん…
エルフさん達に
ひどい事をしてまで
天上界に至ろうなんて
そんな事させません…!』

【POW】

敵の先制攻撃は
【第六感】【見切り】【早業】【残像】等
総動員し
自身のオラトリオの翼で
【空中戦】【空中浮遊】で
直撃する前に
いち早く空に飛翔
回避を試みます

『力押しの攻撃なら…何とか回避も出来そうかもです…!』

回避成功したら
ヴォーパルソードで
『虚無属性』の【属性攻撃】、【なぎ払い】等の剣戟や
剣からの【衝撃波】【誘導弾】等の遠距離攻撃を
【二回攻撃】や【時間差攻撃】と組合せ
多角的に攻撃
UCで大ダメージを狙います

敵の攻撃は
【第六感】【見切り】【残像】【オーラ防御】で
防御・回避


ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「先制攻撃を仕掛けてくるのよね?」

大天使が仕掛けてくるのはユーベルコードをコピーする攻撃。
あら、私も仕掛けるつもりなのはユーベルコード【因果応報の鏡】
お互いコピーするのなら、どちらも何も起こらない千日手かしら?

なら、あとは地力の勝負よ。
弓矢【射貫き打ち抜く鋒矢】から[スナイパー][誘導弾]付きの射撃攻撃。
敵の攻撃は[逃げ足1]でかわしつつ、いつも通り短剣【揺らぎ逸らす刃】で[武器受け]して命中しても[オーラ防御]で凌ぐわ。

「天を舞うものは地に堕ちるが定め、よ」


プリンセラ・プリンセス
連携・アドリブ可

「天上界。寡聞にして存じませんが、天使の世界とでも言うべき場所でしょうか」
警戒はしつつ天上界についての情報を得ようとする。

相手のユーベルコードはカウンター。
攻撃してくるなら非ユベコ攻撃。○第六感の回避、○激痛耐性○勇気○覚悟で防御。
反撃として●皇竜閃燼黒光破を詠唱ノートを使用して筆記詠唱とし口頭詠唱無しで放つ。
「竜の吐息、受け止められるものならば!!」
受け止めて即座にコピーしたとしてこちらは照射し続けている、それにカウンターとして放つにしても詠唱しなければ威力が上がらず、詠唱している隙きは与えるつもりはない。
照射が終わってから詠唱するようなら軽機関銃で遠距離攻撃。


バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

救援要請を受諾して参りマシター!
加勢いたしマース! と、現場に急行したワタシデース!
この森、この世界は守るであります!

相手はオウガ・フォーミュラ、躊躇していては勝機はありマセンネ!
『陸海空対応型滑走靴』で一気に距離を詰めて、肉薄しマース!
岩腕の一撃はファルシオンで受け流しマス!
空中を滑空すれば地形が破壊されても足場に不足なく、踏ん張りが効かない分は宙を滑空して軽やかに飛び回り、ブラキエルを翻弄しマース!

奴の大振りが地面に叩き込まれた瞬間、その隙がカウンターの時であります!
その身体を、《剣刃一閃》で一刀両断にしてあげマース!
このまま骸の海にお帰りくだサイ、ブラキエル!




 調律の森を自ら侵攻せんとするオウガ・フォーミュラ、大天使ブラキエル。
 その圧倒的な力にサポートメンバー達が押されかけていた中、数人の猟兵達が介入してくる。
「救援要請を受諾して参りマシター! 加勢いたしマース!」
 緑髪のサイボーグ少女、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)はハイテンションに駆け付ける。
「いくら来ようとも、我は止められぬ」
 その存在感を示すブラキエルを長い金髪に水色のエプロンドレス姿のアリス・フェアリィハート(不思議の国の天司姫アリス・f01939)が毅然とした表情で見つめて。
「貴方がブラキエルさん……。エルフさん達にひどい事をしてまで天上界に至ろうなんて、そんな事させません……!」
 続いて、ドレス纏う某国の姫、プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)はブラキエルに警戒を強め、気になっていたことを問う。
「天上界。寡聞にして存じませんが、天使の世界とでも言うべき場所でしょうか」
 しかしながら、ブラキエルは小さく首を振って。
「至れぬ天上界の回顧に意味などあろうか」
 僅かな望みに賭けて侵攻を行うはずのブラキエルだが、もはや諦観すらした感すら抱かせる。
 ブラキエルの目的は確かに「天上界への到達」であったが、その為の手段としてアックス&ウィザーズに生きる民の殲滅を選んだ彼はそれを達成させるまで止めないのだろう。
「先制攻撃を仕掛けてくるのよね?」
 本体を希望の宝珠とするヤドリガミ、ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は藍と紫の瞳で、強大な力を持つオブリビオンを注視する。
「問答は無用。如何なる道だろうと、例え目的地に至らぬとも、我は進む他ない」
「相手はオウガ・フォーミュラ、躊躇していては勝機はありマセンネ!」
 歩みを止めることのない大天使ブラキエルに対し、バルタンは履いた『陸海空対応型滑走靴』で近づいていくのである。


 ブラキエルは猟兵達に先んじて、先制攻撃ができる。
 瞬時に現した岩の腕は、近場にいたバルタンへと振るわれた。
 バルタンは抜いた『ファルシオン』で殴打を受け流す。
 ただ、その威力は衰えず、地面へと叩き付けられる。周囲の森の木々や地面は粉砕されてしまうが、バルタンは滑走靴の出力を上げて宙を滑空し、軽やかに飛び回ってブラキエルを翻弄する。
 その拳は、今度はアリスへと襲い掛かった。
「力押しの攻撃なら……何とか回避も出来そうかもです……!」
 【第六感】で岩の腕の接近を察したアリスはそれを【見切り】、【早業】で【残像】を駆使して回避に当たる。
 残像が残る間にアリスはオラトリオの翼で【飛び上がり】、同じく破壊される周囲を破壊するほどの衝撃から逃れていた。
 岩の腕はさらに、プリンセラを狙う。今度はユーベルコードとしてでなく、持ち前の力で殴り掛かってくる。
 ただ、プリンセラはブラキエル自身に起こる変化を見逃さない
「ブラキオン……カウンターを狙ってますね?」
 ならば、ユーベルコードを使った戦法は悪手。プリンセラは【第六感】で岩の腕を避け、時には【勇気】と【覚悟】を抱いて避けられぬ腕を防御する。
 先程仲間が対処していたユーベルコードを伴う一撃に比べれば、威力は激減してはいるが、それでも体に走る痛みは小さくない。プリンセラは【激痛耐性】をもって、しばしその攻撃に耐えていた。
 続いて、ヴィオレッタにも岩の腕が向かってくる。
 彼女もすぐ、相手がブラキオンによる反撃を待っていることに気付いて。
「あら、私も仕掛けるつもりなのはユーベルコード【因果応報の鏡】なの」
 敢えて、自らの戦術をさらすヴィオレッタ。愛銃『平和を作るモノ』を構えた彼女のユーベルコードもまた、相手のユーベルコードをコピーしてカウンターを狙うものである。
「お互いコピーするのなら、どちらも何も起こらない千日手かしら?」
「その程度の手で、我は止まらぬ」
 ならばと、ブラキエルは待ちの戦術を解き、その身に纏う光輪を輝かせて破壊の光を放射してきた。
 光放つ【大天使の光輪】は、周囲にいる敵全てにダメージを与え、体を徐々に石化させてしまう。
 バルタンやアリスは宙を舞って回避、防御に努める。
 その間、ヴィオレッタは【逃げ足】でその光を避け、短剣『揺らぎ逸らす刃』で光を【受け止め】、あるいは【オーラ防御】で対処して直撃を防ぐ。
 プリンセラはというと即座に反撃に出ており、『詠唱ノート』を使用して筆記詠唱としており、口頭詠唱無しでユーベルコードを放つ。
 ――ボルト・レード・ペック・ラスタ 朱焔の竜よ吼え哮れ 覇王の契約の元に 全て灼き滅ぼす黒炎を纏い 我が剣となりて全ての敵を絶ち斬れ。
「竜の吐息、受け止められるものならば!!」
 【皇竜閃燼黒光破】は詠唱時間によって威力が上がる。
 プリンセラはその手間を事前に筆記という形で費やし、強大な破壊力の光線をほぼノータイムで放つことができる。
「く……」
 さすがのブラキエルも、ユーベルコードのコピーを狙ってブラキオンで受け止めたくとも鎧の展開が間に合わない。
 手段もあって一発限りの決め技に近いが、威力は絶大。
 おまけに、詠唱に時間がかかるというデメリットがある為、すぐに発したところでさほど威力がないという点もプリンセラは織り込んでいた。
「猟兵、侮れぬ力だ……」
 オウガ・フォーミュラもその一撃で無事とはいかない。
 大ダメージを追った敵に向け、アリスが『ヴォーパルソード』を握って切りかかっていく。
「攻撃に、転じさせはしません」
 【空中戦】に臨むアリスは、刃に【虚無の属性】を付与し、直接【なぎ払い】を行う他、【時間差】による【連撃】を行って敵を翻弄し、傷を増やす。
 懐に入られたブラキエルは、岩の腕と光輪の光で応戦するが、ユーベルコード程の威力は出せない。
 またそれらの攻撃は大振りであり、猟兵達は距離をとって一時攻撃を凌ぐ。
 大ダメージを与えたプリンセラは攻撃を止めずに『5.56mm軽機関銃』を掃射して詠唱を邪魔しようとし、アリスも剣に力を籠めて放つ【衝撃波】に【追尾性能】もつけ、確実に敵へと斬撃を見舞っていく。
 ヴィオレッタもまた距離をとっており、弓矢『射貫き打ち抜く鋒矢』に矢を番えて。
「天を舞うものは地に堕ちるが定め、よ」
 ブラキエル目掛け、ヴィオレッタは高い【スナイパー】スキルで矢を射放ち、うまく【誘導】するよう軌道を描いた一射がブラキエルの体へと突き刺さっていく。
 それに相手が怯めば、バルタンが駆け寄って。
「このまま骸の海にお帰りくだサイ、ブラキエル!」
 振り上げた『ファルシオン』で、バルタンは敵の体を一刀両断してみせた。
「まだ、まだ終わらぬ……」
 ――この場の命が尽きようとも、まだ復活できる。
 ブラキエルはそう語りつつも調律の森からその姿をかき消していったのだった。

 調律の森を無事に守ることができた猟兵達。
 その被害は決して小さくないが、アックス&ウィザーズの危機が払拭できたわけではないし、別世界では戦争も始まっている。
「あなた達の使命は把握しております」
「森は無事でさえあればまた育みます。今はより危機迫る人々の元へ」
 エルフ達に見送られ、猟兵達は新たな戦場へと向かっていく……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月08日


挿絵イラスト