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銀河帝国攻略戦④~ウィル・フォース

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●グリモアベースにて
「皆様、ようこそおいでくださいました。皆様を召集する事態。即ち、オブリビオンによる事件……普段ならば。
 既にお聞き及びの事とは存じますが、遂にオブリビオン:フォーミュラーが姿を現しました。
 舞台はスペースシップワールド。復活した銀河帝国の脅威にさらされる宇宙世界。
 そして、その銀河帝国の皇帝が現れたのです」
 スキエンティアは、そこで一度言葉を区切る。
 表情筋など存在しないのではないかと思わせる程にピクリともしない表情でありながら、強い意思を湛えた眼差しで猟兵達を見回して。

「ここまでお伝えすれば、聡明な皆様の事ですから何をすべきかは分かって戴けたものと思います。
 えぇ。オブリビオンをメッタメタのギタギタに叩きのめし、銀河帝国を崩壊に導く……のは最終目的。その為にもまず皆様には、解放軍へ合流しようとしている戦艦の護衛をして戴きます」
 表情は相変わらず変わりなく、ただ声音と視線にとても冗談とは思えないような真剣さを込めながらも、スキエンティアは続けた。

「護衛というと少々語弊があるかもしれませんね。
 正確には防衛。この宇宙船へ銀河帝国の騎士が強襲を仕掛け、宇宙戦艦のコアマシンを破壊しようとしているのです。
 放置すれば、味方となるはずだった戦艦をみすみす沈める事になるでしょう。
 そこで、皆様の出番というわけです」

 そこで言葉を区切り、スキエンティアは再度猟兵達を見回す。
「皆様には、この宇宙戦艦で敵を待ち構え、侵入してきた所を迎撃して戴きます。
 相手も防衛戦が行われることは承知の上でしょうから、余程練らなければ奇襲は難しいでしょう。
 しかし、皆様であれば例え正面からであっても、帝国の騎士に引けを取らないと信じております。
 どうぞ、よろしくお願いいたします」
 そう告げて、スキエンティアは再度、深々と頭を下げた。


氷川 仁
 大規模作戦、銀河帝国攻略戦、第二段となります。 氷川 仁(ひかわ じん)です。
 今回は解放軍に合流しようとしている宇宙戦艦を防衛して戴きます。
 本シナリオの攻略対象は「④帝国工作員のテロを阻止せよ」です。
 皆様の多彩なプレイング、お待ちしております。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●戦場について
 コアマシンに通じる路の前に設置された、二十メートル四方ほどの広間です。
 ここが即最終防衛ラインと言うわけではありませんが、敵に背を向ければ一方的に不利な状況になると理解しているオブリビオンは、猟兵たちを殲滅してからでないとコアマシンへは向かいません。
 障害物はなく、人工重力によって地に足を着けて戦うことが可能です。
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第1章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

キア・レイス
障害物の無い広間で戦い、銃手としては戦いにくいフィールドだ。
ただ、なければ作ればいい【防御陣地作成】でトーチカを作る、3個ほど大小サイズ違いのものをできるだけ離して建て簡易の障害物に、もちろん一応中にはいれるようにする。

これだけあれば遮蔽物としては十分だ、敵と距離を離しやすくなったり視線を切る、上方から攻撃できるといったこともできる、敵も条件は同じなので一概に有利になったとは言いにくいが。

敵と相対したら援護射撃に徹する、銃弾を浴びせ続け敵の動きを封じよう。
上手くトーチカで視線を切り見失わせ死角から射撃したり、フックショットを利用してトーチカの上に乗り上から弾幕を張ったり、縦横無尽に駆け回る。


レイラ・エインズワース
祇条・結月(f02067)サンと

戦艦一隻が堕ちレバ、多くのヒトの未来が奪わレル
勝てなくてもおんなじ、未来が消えてなくなっちゃウ
そんなコトはさせたくないカラ
一緒に行けて頼もしいナ、祇条サン

本体たる角灯を揺らし、呼び出したるは相手と同じ過去の夢
かつての創造主、エインズワース当主たる魔術師
サァ、悪い騎士サマを倒そうカ
魔術師の雷撃魔法を【高速詠唱】で代理詠唱
謡うように【全力】の魔力を放つヨ
敵の行動には死霊術で妨害
【呪詛】の篭った霊たちは、貴方を先へは進ませナイ
祇条サンの作ってくれた隙には攻撃を叩きこむヨ
庇われたらすっごく心配するカモ
私ヨリ、自分の身を大事にしてネ!

アドリブ・絡み歓迎ダヨ
好きに動かしてネ


祇条・結月
レイラ(f00284)と

このままじゃ色んな人の居場所がなくなっちゃう
それに、この船が居場所だって人もいるはずだから
僕も頼りにしてる。よろしくね

基本はヒット&アウェイ、攻撃は【逃げ足】で振り切りしつこく絡みついてペースを乱して、隙を作っていくよ
僕を無視してレイラを狙うようなら【援護射撃】で妨害、行動を通す隙を作っていく

敵陣に侵入してくるような相手だ
威圧も兼ねて積極的に「旗」を立ててくるだろうけど、それを狙う。二回目は立てさせず、≪術式封鎖≫
ここにお前の居場所はない

大きな火力はレイラにお任せ
それを確実に通すためにも、必要なら【かばう】
心配かけたいわけじゃないんだけど…うん、そこはごめん

アドリブ歓迎




 コーッ、ホーッ。
 宇宙服を兼ねた全身鎧から吸気される酸素を吸い、呼気を吐き出す。
 銀河帝国に生を受け、騎士として仕え、そして滅びたこの身。
 華々しい戦場ではない。騎士の成す事でもない。しかし、与えられた任務を果たす事こそがこの身の存在価値。
 反乱軍の宇宙戦艦には容易く潜り込めた。否、容易すぎる。如何に卑小な反乱軍と言えど、警護が皆無という事はあり得ない。
 となれば、予測は簡単な事だ。
 目に映ったソレは、予測から確信へと移るのに十分。
 騎士を待ち受けていたのは、コアマシンに通じる路を遮るように築かれたトーチカ。
 それを作り出したキア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)は、トーチカの銃眼から騎士にアサルトライフルの狙いを定めている。
 そして。

「多くの人の未来のタメ。ここは通しまセン」
「この船だって人々の拠り所なんだ。やらせないよ」
 トーチカを背に、立ちはだかったのはレイラ・エインズワース(幻燈リアニメイター・f00284)と祇条・結月(キーメイカー・f02067)。
 レイラを庇うように一歩前へ出た結月へと、騎士は一度視線をやり、築かれたトーチカを見て、そして最後にレイラへと視線を送った。

「成程。貴様らが怪しげな力で、我らの行動を予測している事はデータに在った。
 ならば、こうして防衛の手段をとる事も容易いという事か……だが」
 右手に携えた光剣、そして新たに左手に念動力で形成した帝国の旗。
 騎士はそれらを構え、最前に立つ結月へと光剣の切っ先を向け。

「それでどうにかなる程、この身は甘くはない」
 そう告げると同時、一瞬で結月の眼前へと光を放つ刃が迫る。
 前衛に立ちながら、付かず離れずの戦闘を行おうとしていた結月にとって、向こうから距離を詰めて来るというのは慮外の事態。
 光刃を防ごうと翳した忍者手裏剣、クナイ・ダートが甲高い音を立てて跳ね上げられ。

「取った」
 泳いだ結月の体へと、騎士が左手に携えていた帝国旗が振るわれ。
 その柄に突如加えられた衝撃が、結月が攻撃範囲から逃れる隙となり。

「私を忘れて貰っては困るね」
 それを為したのは、銃眼から覗くレイラのアサルトライフルから放たれた銃弾。
 念動力で構成されているが故、実体こそなくともその存在は物質に準じ。
 だが、振るわれた旗は結月を捉えそこねこそしたものの、その地に突き立つ。
 ここは既に帝国の領土であると宣言するかのように。

「くっ……ここは、お前の居場所じゃない!」
「そう、ここは人の未来の立つ場所ヨ。貴方たち過去の場所じゃナイ。
 人の未来を守るタメ。来たれ我が創造主、エインズワース」
 斬りかかる結月。庇われるように立つレイラは、己の役を果たそうと自身の創造主を過去から召喚する。
 現れた狂気の魔術師。その詠唱をレイラが謡うように代行し、瞬く間に構築された全力の雷撃魔法が、結月を迎え撃とうとした騎士へと降り注ぐ。
 咄嗟に飛び退いた騎士が立っていたのは、帝国旗の立っていた場所。
 天に示すかのように誇示されていた帝国旗に、雷撃が落ちるのは自然な事だった。
 念動力で構成された旗であろうと、その雷霆に撃ち抜かれては霧散する他無く。

「貴様……!」
 己の仕える帝国の旗を汚された騎士の怒りもまた、自然な事。
 迫る結月を無視し、騎士は掌中に再度生み出された帝国旗を、レイラへと投擲しようと振りかぶり。

「させない!」
 結月の叫びが、振るわれようとした騎士の腕を縛り付ける。
 正確には、騎士の手首に嵌められた錠が、振るわれようとした騎士の腕を拘束、帝国旗を霧散させた。
 そして、そこへキアの放った弾丸が襲い掛かる。
 光剣を振り回しその銃弾を斬り払う騎士だったが、己の拠り所たる帝国の旗を害された事による動揺は並大抵の事ではない。
 そして、その隙に再度構築されたレイラの使役する魔術師の雷霆が、騎士を白光の中に呑み込んだ。

「……ここまでとは」
 目も眩む閃光が晴れた後、そこに有ったのは未だ二本の足で立つ騎士の姿。
 しかし、全身を包む鎧は雷霆に撃ち抜かれた事により焼け焦げが残り。
 咄嗟に張ったダークフォースバリアさえも貫いて、レイラの雷霆魔術は確実に騎士へとダメージを与えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネグル・ギュネス
懲りない輩だ
なら徹底的に叩きのめしてやる!

【SPD】
敵が素早く動き、電撃を放つならば、私は其れを悉く見切る!
ユーベルコード【勝利導く黄金の眼】を使用!

左眼を黄金に変え、敵の未来を予測して回避し、反撃を加えてやる!

電撃には残像、衝撃波で対抗!

さあ、貴様の寿命が先か
私の限界が先か!

貴様の剣と、私の刀
どっちが上か!


どちらがより強いか、勝負といこうじゃあないか!

【他仲間と絡み、連携歓迎
アドリブ大歓迎】


ステラ・ハーシェル


正面から堂々と、お互いの顔が認識出来る所まで行く。

「私の名はステラ・ハーシェル……この先に行きたければ……押し通れ」

名乗れば寿命を削り、戦う価値がある。名乗り返さずとも、刀をぶつければ自ずと相手が分かるものだ。
【涙垂れ過去を穿つ】による高速移動と突きで攻撃を仕掛ける。更に【残像】と【フェイント】、【殺気】を混じえ敵が私に釘付けになるようにする。そうすれば味方側が防衛や攻撃の為の準備が出来るだろう。相手の攻撃を【見切り】で回避を試みる。完全に回避できずとも、致命傷を避ける様に動き、隙があれば【2回攻撃】で追撃を行う。


ラニューイ・エタンスラント
◎なるほど、宇宙にも騎士って奴は居るのね。少しばかり驚いたわ。血統覚醒で攻撃するわ。飛ぶ斬撃ってのは厄介だけど、お互いを念動力の鎖で繋ぐ?なら、それで相手を引っ張ってぶん殴ってやるわ。


嶋野・輝彦
削り役、捨て石そんな人間が必要なら俺の役目だよ

【第六感】で帝国騎士の動きを予測
【先制攻撃】【だまし討ち】【覚悟】【激痛耐性】でダメージ顧みず突撃
【怪力】で攻撃が外れない様に押さえ込みながら
【零距離射撃】【捨て身の一撃】【鎧砕き】で攻撃

自爆特攻のつもりかって?素人がやる事だ、そのくらいで上等だろ?
その後も【怪力】で帝国騎士を逃げられない様に抑え込みながら(【第六感】で相手の動きを察知した方が逃げられにくいならそれも入れる)
【零距離射撃】【捨て身の一撃】【鎧砕き】で
【覚悟】と【激痛耐性】で耐えて耐えて耐えて攻撃
我慢比べだ、付き合えよ

死にかけたら置き土産に戦場の亡霊
削ったぜ、後は頼んだ


花盛・乙女
神通力を使う騎士が相手か。
剣の道にあって斯様な斬撃を弄する敵がいるとは、世界は広いものだな。
よかろう、剣士花盛乙女、参る。

とはいえ飛ぶ斬撃や高速移動というのは相対するにはいささか不利か。
『残像』や『ジャンプ』、『第六感』を駆使して回避と攻撃を行う。
狙いは首、次に腕だ。首を落とせればそれで終わる。
腕を落とせば神通力も使えまいよ。

【黒椿・乱形果】を使い、もう一人分の聴力と嗅覚も使い、回避はより機敏に対応しよう。
他の猟兵に狙いにも気付ければ回避の手助けにもなるだろう。

黒椿の奴めはたまに封を解けば生意気ばかり言う。
だが喜べ。此度の騎士は貴様も私も食ったことのない異界の騎士だ。
さぁ、楽しむとしようか!


叢雲・秋星
「この身が伐る悪と見た…勝負だ。」

本体である刀、黒瘴を手に脇に構える。戦闘時は【妖剣解放】を使用、赤黒い怨念を纏う。その際、鍔のシリンダーから銀の弾丸を装填、剣の本領を解く。
「銀弾装填…行くぞ。」
【殺気】を纏い、剣戟には怨念による【呪詛】が付き纏う。受けた傷は、斬った傷への【生命力吸収】で補う。離れれば【衝撃波】で攻撃、敵の攻撃は【オーラ防御】で威力を抑え込む。
「この身が伐るはその首に非ず、その罪を濯ぐ…!」
他猟兵との連携は不得手だが可能ならば全力で行う。

アドリブ、ダメージ描写歓迎


シャノン・ヴァールハイト
人工とは言えど、地に足を着けて戦えるのはありがたい。
ここまでおぜん立てをしてくれた以上、当方は自分が出来る事を全力で行うのみだ。

他の参加者の方と可能な限り連携を行わせて貰う。
具体的には、UCを使用してインペリアルブレイドやインペリアルフラッグから味方を守る盾役がメインの予定だ。
ただし、インペリアルブレイドに関しては防いだ後に繋がる鎖を、技能『怪力』を利用して手前に引き寄せるなどして行動の邪魔を行ったり、味方のUCを当てる手伝いをしたい。
ダークフォースバリアに関しては、技能『武器受け』『激痛耐性』『怪力』『吹き飛ばし』を利用して味方に近寄るのを邪魔する

アドリブに関しては気にせずドンドンして欲しい




 レイラ達三人の連携によって、ダメージを受けた騎士。
 しかし、決して軽い訳ではないその影響を表には出さず、戦意も衰えず。
 その視線は、別の通路を守っていた為駆け付けた猟兵たちへと注がれた。

「前も見た顔だ。懲りるって事を知らないのか、お前たちは」
「……悪いが、この身は貴様を知らん。だが、我々には我々の意思があるのだ。そちらが引けぬように、この身も引けぬ」
 以前にも帝国騎士との戦闘経験のあるネグル・ギュネス(ロスト・オブ・パストデイズ・f00099)。
 しかし、その帝国騎士と、この騎士とは同じであって同じではない。
 骸の海に捨てられた帝国騎士という過去が、その時と今とを共有する事はない。
 どちらも等しく過去ではあるが、全くの別存在でもあるのだ。

「私の名はステラ・ハーシェル……この先に行きたければ……押し通れ」
 腰に刺したサムライブレイド、ミルファクの鯉口を切りながら一歩前へ踏み出し、騎士へと名乗りを上げたのは、ステラ・ハーシェル(星屑のサンダーボルト・f00960)。
 名乗れば寿命を削り、戦う価値がある。名乗り返さずとも、刀をぶつければ自ずと相手が分かるものだ、と。

「……名乗りには感謝しよう。だが、この身に貴様ら反乱軍に名乗る名など無し。
 邪魔をするならば容赦せん。押し通らせて貰う」
 繰り返そう。この騎士は過去だ。骸の海に捨てられた、帝国騎士という過去。
 名は無い。意思もかつてのものが焼き増しされただけ。
 それがオブリビオン。忘却された過去の存在なのだから。

「お前たちの意思など知らない。お前はこの身が伐る悪。それだけだ」
 そう、問答を斬って捨てたのは叢雲・秋星(悪を削ぐ太刀・f02120)。
 自身にとって、このオブリビオンは人に害為す悪。それ以上でも以下でもない。
 最早問答無用。秋星は妖刀、宵星・黒瘴を抜き放ち、脇に構え。
 秋星の構えを見た騎士の身に、鮮血の如きオーラが纏わりつく。
 そして、次の瞬間には、猟兵たちの視界から騎士の姿は消え失せていた。

「見えている!」
 だが、今の姿は見えずとも、未来の姿をネグルの黄金瞳は捉えていた。
 頭上から振り落とされた光剣を、ネグルの手にした桜花幻影が受け止め、その柄に付いた鈴が、りん、と鳴る。
 だが、騎士の攻撃はそれだけに止まらなかった。ネグルの左目に映ったのは、光剣が放つ光を流星の様に残し攻めかかる騎士の姿。
 見えていようが、関係などない。全て斬って捨てるとばかりの連撃の未来。

「っ!」
「任せろ!」
 息を突かせぬ十八連撃。見えている事と、対処しきれるかどうかは別物。
 赤黒の電撃の放射を纏った斬撃は、残像で躱そうにもそれごとネグルを薙ぎ払わんと荒れ狂い。
 あわや刃に掛かりかけたネグルを庇ったのは、袈裟に振られた刃を手甲で受け、その身を焼く雷撃の苦痛を無視して全力で騎士を弾き飛ばした、シャノン・ヴァールハイト(死者の声を聞き、招く者・f10610)だった。

「地に足が付くならば……! 場を整えて貰った以上、当方は自分が出来る事を全力で行うのみ!」
 斬りかかったはずの刃を弾かれ、体勢を崩す騎士。
 だが、弾かれた事で生まれた間合いを利用して、光剣から斬撃が飛ぶ。
 念動力を纏ったその斬撃は、腕を振り抜いた体勢のシャノンへと一瞬で飛来。
 渾身の怪力で振り上げた腕は戻らぬまま。胴へと向かう斬撃を防ぐのには、生じた隙が大きすぎた。

「そんな気はしてたよ、畜生め」
 避ける事も、防ぐ事も出来はしなかった。そう、シャノンには。
 シャノンを庇ったのは、羅刹紋を明々と輝かせ、腕を十字に組み斬撃を防いだ嶋野・輝彦(人間の戦場傭兵・f04223)。
 その第六感で騎士が離れ際に攻撃を放つことを察知し、ダメージを受ける事を覚悟でその只中へと踏み込んだのだった。
 だが、念動力を纏った刃は輝彦へと命中した瞬間、爆発。
 輝彦の体へ爆発の衝撃で打ち据えた上に、念動力の鎖で縛り上げ、騎士と輝彦の体が繋がれる。

「へっ、趣味の悪い鎖だなぁ……オイ!」
 爆発によるダメージはある。だが、耐えきれない程ではない。
 そう判断した輝彦は、己の体を前へと投げ出すように駆け出した。
 自分は素人なのだから、それくらいしなければならない。
 だが、覚悟を決めて駆け出した輝彦のすぐ横を、二つの影が並んで走る。
 その身をヴァンパイアと変じたラニューイ・エタンスラント(ダンピールの聖者・f05748)。
 手にした極悪刀【黒椿】を煙の化生へと変えた花盛・乙女(誇り咲き舞う乙女花・f00399)。

「宇宙にも騎士が居るなんて。少し驚いたわ。
 でも、力はどうかしら?」
 ラニューイは輝彦と騎士を繋ぐ鎖を手に握り、騎士を渾身の力で引く。
 その膂力は凄まじく、引かれた騎士の体が一瞬宙に浮くほど。
 そして、その一瞬が命取りとなる。
 泳いだ体勢を立て直す間に、三人は騎士へと肉薄。
 ラニューイは掴んだ鎖を拳を握りながら引き寄せ。
 輝彦の鮮血を以って励起した刻印から齎された捨て身の一撃が。
 ヴァンパイアとなり跳ね上がった戦闘力のままに振るわれる拳が。
 騎士の胴へと叩き込まれ、その身に纏う鎧を貫き。
 幾度かの鈍い音と共に、あばら骨を砕いた感触が、ラニューイと輝彦の拳に伝わった。

「仕事だ、働け」
「ヒヒ、相変ワラズ色気ノナイ奴ダ」
「相変わらず生意気な口を利く。
 だが喜べ。此度の騎士は貴様も私も食ったことのない異界の騎士だ」
「ソリャイイ。ドンナ味カ楽シミダ」
 乙女に振るわれた、煙の化生と変じた極悪刀【黒椿】が、騎士の首へと纏わりつく。
 その煙が触れた瞬間。直感的に危機を感じた騎士は、煙を払おうと全身からオーラを放つ。
 まだ動けはしない。腹部にほぼ同時に二連撃を受けた衝撃は、騎士の機動力を大きく削いでいた。
 そして、動けぬ騎士を尻目に、乙女が振り抜いた柄に合わせて煙が棚引き。
 それと同時。凄まじい擦過音を騎士の首元で立て、極悪刀【黒椿】は騎士の首元のオーラを斬り剥がして。

「過去の化身よ……今、還る時だ……秘剣・パーシアス……!!」
「銀弾装填…この身が伐るはその首に非ず、その罪を濯ぐ…!」
 オブリビオンの犠牲者の悲壮感を纏ったステラ。
 妖刀としての本領を解き放ち、赤黒い怨念を纏った秋星。
 前後から瞬時に距離を詰めた二人の刃は、乙女によって無防備にされた騎士の喉元へと向かい。
 正面から首の真ん中を貫いたステラの刃が。
 延髄から入り斬り抜けた秋星の刃が。
 二人の刃が、帝国騎士の喉元で交差し。
 兜に収められた騎士の首が、宙を舞い、地へと転がった。

 こうして、解放軍の宇宙戦艦は守られた。
 一隻、また一隻と集う解放軍。この宇宙の平和を取り戻す為、その力を結集させ銀河帝国を打倒すべく星の海を往く。
 一つ一つの力は及ばずとも、幾十、幾百の力で強大なる一を打ち砕かんと。
 決戦の日は、近い。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月06日


挿絵イラスト