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大天使最終決戦!~其は天に至る道

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ブラキエル #オウガ・フォーミュラ

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●堕ちた天使
 アックス&ウィザーズ。
 猟兵達の度重なる猛攻により、猟書家達が生み出した骸の月は、ついにその力を失った。
 これでもう、この世界で新たなるオブリビオン・フォーミュラが誕生することはない。だが、それでもオウガ・フォーミュラ、大天使ブラキエルは、未だ天上へ至ることを諦めてはいなかった。
「我が友よ、君の願いは叶わなかった。君は『書架』へと帰るがよい。我は、天上界の扉を開く僅かな可能性を実行しよう……」
 その日、世界の各地に骸の月より大天使が降臨した。彼の目的は、ただ一つ。地上の危機を演出することで、扉の方から開いてもらうことだ。
「もっとも、ヴァルギリオスさえ見逃し、あまつさえ封印された愚か者共が、今更地上の危機に扉を開く事もあるまいが……」
 だが、それでも万に一つの可能性があるのなら。人を、命を、あらゆる存在を手に駆けることに、彼は何の躊躇いも持たなかった。

●最終最後の侵略
「アックス&ウィザーズで、ついに骸の月を押し返したみたいね。皆の努力が集まって、大きな力になったみたいな?」
 しかし、最後の最後に大仕事が残っていると、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)はグリモアベースに集まった猟兵達に告げた。オウガ・フォーミュラである大天使ブラキエル。彼は未だ天上界へ到達することを諦めてはおらず、最後の手段として無差別殺戮を行おうとしているのだとか。
「折角、ここまで頑張って来たのに、ラストで人が死にまくるとか冗談じゃないっしょ。まあ、そういうわけで、まずはブラキエルの送り込んで来たオブリビオンから蹴散らして欲しいってわけ」
 最初に現れるのは、冒険者の姿をしたオブリビオンだ。邪霊によって堕落した者達の成れの果てで、彼らには既に冒険者としての誇りなどない。
 おまけに、彼らは岩の腕を装備しており、凄まじいパワーで襲ってくる。数も無駄に多いので、これに対抗するには、こちらも数を揃えるしかない。
「え~と……これはラッキーってやつなのかな? 襲われる街に、たまたま冒険者のパーティが来てるみたいなの。で、そのパーティの人達は、前に私達の仲間とも一緒に戦ったことがあるらしいのよね」
 彼らは猟兵に恩義を感じているので、声を掛ければ一緒に戦ってくれるだろう。どうやら、以前の冒険で入手した財宝も持って来ているようで、それが次なる戦いを攻略する鍵となるらしいのだが。
「岩の腕を装備したオブリビオンを全部倒すと、今度は指揮官みたいなやつが現れるわ。こっちは岩の腕じゃなくて、無敵の鎧を装備しているみたいね」
 無敵の鎧を構成するのは、絶対物質ブラキオン。この物質は、どのような攻撃でも破壊することはできない上に、外部からのあらゆる攻撃を遮断する。そのため、倒すには『鎧の僅かな隙間を狙う』しかないのだが……どうやら、冒険者達の持っている財宝が、この鎧を突破する鍵になるらしい。
「まあ、それが何なのかは、私にも分からないんだけどね。あれこれ悩んで考えるより、実際に聞いてみた方が早いかも」
 なお、この指揮官のオブリビオンは『黄祷師』ナトリといって、パラディンを優先して狙う性質がある。これはブラキエルの意思とは関係なく、ナトリ自身の考えによるところが大きいようだが。
「『黄祷師』ナトリを倒せば、いよいよブラキエルとの決戦ね。攻撃は割とシンプルな感じだけど、絶対に先制で攻撃を仕掛けて来るから、対策なしだと何もできないままやられちゃうかも……」
 圧倒的な攻撃力、攻防一体の絶対防御、攻撃を受けた後も残る状態異常。ブラキエルが使うのは、どれも厄介な技ばかり。これらに対して、ユーベルコードでの対処は間に合わないので、どうにかして攻撃を凌ぎ、反撃でダメージを与える他にない。
「ブラキエルもオブリビオンだから、倒された傍から復活するみたいだけど……ある程度の数を倒されると、もう復活できないみたいね。だいたい、20回くらい倒せばOKかも」
 折角、帝竜から守り抜いた世界を、再びメチャクチャにされてなるものか。猟兵の底力を、大天使ブラキエルに思い知らせてやろう。
 そう言って、パトリシアは猟兵達を、アックス&ウィザーズの町へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 大天使ブラキエルと、ついに対決する時がやってきました。
 彼だけでなく、彼の配下も厄介な連中ばかりなので、冒険者達と協力して乗り切ってください。

●第一章
 『堕落者たち』との集団戦になります。
 彼らは岩の腕を装備しており、攻撃力が飛躍的に上昇しています。
 そのまま戦うと苦戦は必至ですが、町を訪れている冒険者達と一緒に戦うと、プレイングボーナスが得られます。

●第二章
 『黄祷師』ナトリとの戦いになります。
 彼女は『絶対物質ブラキオン』で作られた無敵の鎧を装備しているため、鎧の僅かな隙間を狙って攻撃しなければ、ユーベルコードを含めたあらゆる攻撃が無効化されます。
 鎧の僅かな隙間を狙うか、あるいは冒険者達がくれたヒントを基に、彼らの持っているアイテムを上手く利用できれば、プレイングボーナスが得られます。

●第三章
 大天使ブラキエルとの直接対決です。
 この戦いは、猟兵達のみで勝利しなければなりません。
 ブラキエルは必ず先制攻撃をしてきます。
 先制攻撃に対処すればプレイングボーナスが得られますが、相手よりも先にこちらがユーベルコードを使うことはできませんので注意してください。

●冒険者達
 かつて『天空の黄金郷(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=30983)』で、猟兵達と一緒に戦った冒険者パーティです。
 メンバーは人間・男(パラディン)、ドワーフ・女(バーバリアン)、エルフ・男(アーチャー)、フェアリー・女(シーフ)の4人。
 それぞれの種族、ジョブのユーベルコードは、彼らも使用することができます。
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第1章 集団戦 『堕落者たち』

POW   :    【悲嘆】の盾と【失望】の剣(人間)
【自分の悲嘆話、或いは失望感を込めた盾】が命中した対象に対し、高威力高命中の【自分と同じ目に合わせようと振るう剣撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    【強欲】なる斧と【執着】する腕(ドワーフ)
【装備している高級な斧】から【価値ある物を狙う為の一撃】を放ち、【怯んだ対象から価値の高い武具を強奪する事】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    【情欲】の弓と【嫉妬】の矢(エルフ)
【麻痺毒、または媚毒を塗った矢】による素早い一撃を放つ。また、【服を脱いで、相手に素肌を見せびらかす】等で身軽になれば、更に加速する。

イラスト:楠木なっく

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

水島・可奈
こんなところでやられてたまるものか!
虐殺などさせるわけにはいかない!
【WIZ:対エルフ】
人間・男(パラディン)の方に矢の攻撃とかから守ってもらいながらチャンスをうかがいに行くよ。
万が一私に流れてきたら(ダッシュ、ジャンプ、スライディング)で回避を狙いつつよけきれないのは(オーラ防御、破魔)で防御。

それだけだとジリ貧になるから相手のヒットストップや隙を伺う形でルクス・ブレイカーを敵エルフに発射!(クイックドロウ、援護射撃、鎧砕き)
パラディンさんを巻き込まないように攻撃!
他の堕落者たちを巻き込めれば御の字だけどね!



●攻防一体、放て魔弾!
 冒険者。それは、このアックス&ウィザーズ世界において、人々の憧れであり英雄でもある。
 冒険する理由は、人それぞれであるにしろ、彼らの行為は人々を助け、そして国を発展させる。富や名声を求めての冒険であったとしても、彼らの軌跡は前人未到の地を開拓し、凶暴なモンスターを討伐し、人々の拠り所となっている。
 特に高潔な思想の持ち主であれば、時に勇者の再臨と呼ばれる者がいてもおかしくはなかった。だが、そんな冒険者達と同じ姿をしている者達が、今や何の罪もない町の人々を、無差別に虐殺せんと暴れ回っていた。
「ハハハハ! やっぱり、弱い奴を殺すのは楽しいなぁ! どいつもこいつも、絶望しやがれ!」
「グハハハハ! そして、身包みは全て置いて行け! 死出の旅路に、財産など不要だろうからな!」
「あ~、でも、イケメンだったら殺さないであげるわね。その代わり、私の奴隷として一生こき使ってあげるけど♪」
 人間、ドワーフ、そしてエルフ。かつては高潔な冒険者であった彼らの姿は、もはや見る影もない。町を守る兵士達は既に倒され、残された希望は、この町を偶然にも訪れていた冒険者のパーティだけである。
「大丈夫か? 俺が盾になるから、今の内に町の人達を逃がしてくれ」
「オッケー! やれるだけ、やってみるよ」
 パラディンの青年が、盗賊でもあるフェアリーを敵の攻撃から庇いつつ言った。正直、このままではジリ貧である。数の上でも質の上でも、勝機は万に一つもない。
 ああ、このまま自分達の冒険は、ここで終わってしまうのか。ともすれば、そんな言葉が青年の脳裏に浮かんだが……どうやら、天はまだ彼らを見捨ててはいなかったようだ。
「こんなところでやられてたまるものか! 虐殺などさせるわけにはいかない!」
 敵のエルフが放った矢を叩き落しながら現れたのは、水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)。彼女は手にした銃を正面に構え、堕落したエルフの女に狙いを定めた。
「あら、ご挨拶ね。その物騒な得物で、私の弓と勝負するつもりかしら?」
 もっとも、拳銃を前にしても、エルフの女は微動だにしない。弓と銃では、普通に考えて銃の方が有利に思われるのだが……どうやら、女の方にも秘策があるようだ。
「それじゃ、悪いけど本気を出させてもらうわね。このスピードに、ついてこられるかしら?」
 そういうや否や、女エルフは服を脱ぎ捨て、下着一枚の恰好になった。なんとも煽情的な姿だが、見惚れている場合ではない。
「……っ! 速い!?」
 咄嗟に避けたものの、敵の放った矢の一発が可奈の腕を掠めた。たったそれだけで、彼女の腕は指先まで痺れて動けなくなり、銃のトリガーを引くことさえ難しくなってしまった。
(「致命傷は避けたはずなのに……掠っただけで、これほどの効果があるなんてね
……」)
 さすがは、強化されたオブリビオン。彼らが装備している岩の腕は、純粋なパワーを上げるだけでなく、能力も強化しているようだ。
「早く! 俺の後ろに隠れるんだ!」
「うん、わかったよ。申し訳ないけど……時間を稼いで!」
 咄嗟に、パラディンの青年の後ろに隠れたことで、可奈は辛うじて続く攻撃を避けることができた。
「うふふ……口ほどにもないわね。さあ、出てきなさい、仔猫ちゃん♪」
 今のところ、青年が無敵モードになって矢を防いでくれているので、可奈がやられる心配はない。しかし、確かにこのまま防戦一方ではどうにもならない。ならば、ここは起死回生の一撃に賭け、一気に形勢を逆転するまでだ。
(「よし……指の感覚も戻ってきた。後は、矢と矢が飛んでくる間の隙を狙えれば……」)
 青年の後ろで銃を握り締め、可奈は必殺の一撃を叩き込む機会を狙う。
 どれだけ素早くとも、相手の武器は弓だ。そして、弓は銃と違い番えなければ次弾が撃てない。つまり、相手が弓を射る音がしてから次の弓を番えるまでの時間が、攻撃を仕掛ける最大のチャンス。
「今だ! 魔力解放……この一撃は、過去を浄化する私たちの輝き!」
 女エルフが弓を放つのと、可奈が飛び出して銃を撃つのが同時だった。彼女の銃から放たれたのは、大地さえ抉らんばかりの極太ビーム。当然、弓矢程度ではどうにもならず、女エルフは自らの放った矢と共に、光の奔流の中へと消えて行く。
「きゃぁぁぁっ! そ、そんなぁぁぁぁっ!!」
 断末魔の悲鳴を上げながら、堕落した女エルフは消し飛んだ。可奈の放ったビームは周辺にいた他の敵も巻き込んで、やがて大空の彼方へと、吸い込まれるように消えて行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

フレミア・レイブラッド
わたしはみんな(冒険者達)と会うのは初めてだけど、よろしくお願いするわ!

【吸血姫の契り】を発動し、冒険者達と自身を超強化。
全員に【念動力】の防御膜を張って支援し、冒険者に指示を出して連携。

パラディンには最前線で敵の攻撃を引きつけて【無敵城塞】。
ドワーフは引きつけられた敵を【グラウンドクラッシャー】で強襲。
エルフは弓矢及び【千里眼射ち】で敵の牽制及び味方の援護。
フェアリーは【シーブズ・ギャンビット】でわたしと一緒にエルフに奇襲。

状態異常を持つエルフを真っ先に倒し、物理の残り二人を片付けるわ。

わたし自身は魔力弾【誘導弾、高速詠唱】で遠距離の敵を牽制し、魔槍で一体ずつ連携して仕留めて行く戦法で動くわ


フォルク・リア
冒険者達に
「久しいね。積もる話でもしたいところだけど。
また、君達の力を借りたくてね。」

ファントムリキッドを発動
冒険者達には
ドワーフが地形破壊で敵の進行を乱す事を中心に
人間は無敵城塞で防御を固め
地形に影響されないエルフ、
飛び回るフェアリーに攻撃を担って貰う。
自身は液体となって攻撃を躱し
高温水、水刃等での攻撃。氷となり足止め、
霧状となっての幻惑等で冒険者を支援。
また、地形を破壊したドワーフを飛翔して回収、
次の攻撃場所まで移動させる。

敵を攪乱したところで背後に回り
冒険者達と挟み撃ちにし攻撃。
「さて、仕上げだ。数は其方が上でも
冒険者としての矜持を持つ者が最後には勝つと言う事だ。」
と仲間を頼もしく思い。


イスラ・ピノス
遂に来たねオウガ・フォーミュラ!
仕上げの戦い協力するよ

でもまずは協力して貰う方だったりしちゃうね
冒険者の人たちにも一緒に戦って貰うようお願いするよ

それで戦い方は…これが良いかなーと思うんだけど冒険者の人たちは大丈夫かな
それじゃ事前に説明はしておいてのシェイプ・オブ・ウォーター!
岩の腕は水の中じゃ重いよー?
冒険者の人たちへのケアを優先しながら一緒に叩いていこう!慣れればいけるいける♪
手持ちの武器やソーダ水槍で狙ったり、渦潮で敵の攻撃を邪魔していくよ

邪霊とのお付き合いもそこまでだよ



●導かれし戦士達
 町を襲う冒険者の群れ。第一陣は撃破できたものの、敵の数はまだまだ多い。
「くそっ! やつら、倒しても倒しても沸いてくるぞ!」
「むぅ……このままでは、さすがに妾達だけでは限界か……」
 パラディンの青年に続ける形で、ドワーフの少女が大斧を下ろして呟いた。もっとも、ドワーフ故に外見は少女であったとしても、実年齢は相当に重ねている可能性もあるのだが。
 どちらにせよ、このままでは、いずれ押し切られてしまう。そもそも、個々人の戦闘能力で考えた場合、敵の方が上手なのだ。
 いよいよ、覚悟を決める時が来たか。4人の冒険者達は、意を決して敵の軍勢に飛び込んで行こうとするが……果たして、そんな彼らを止めるかの如く、唐突に後ろから声がした。
「やあ、久しいね。積もる話でもしたいところだけど。また、君達の力を借りたくてね」
 謎の声に、4人が一斉に振り返る。そこにいたのは、かつて彼らと共に戦った、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)に他ならなかった。
「おや、あなたは……。どうやら、我々にも運が回ってきたようですね」
 エルフの青年が、弓を番えながらニヤリと笑った。フォルクの実力は、共に戦った彼らだからこそ知っている。そしてなにより、この場に馳せ参じた猟兵は、フォルクだけとは限らないわけで。
「遂に来たねオウガ・フォーミュラ! 仕上げの戦い協力するよ」
「わたしはみんなと会うのは初めてだけど、よろしくお願いするわ!」
 この世界を危機に陥れんとする猟書家の親玉。それを倒すべく、イスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)とフレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)もまた、協力を申し出てくれたのだ。
「やったぁ! 猟兵の人達がこれだけいれば、もう絶対に負けないよね!」
 小躍りするフェアリーの少女。彼女の期待に応えるためにも、ここはひとつ、堕落した冒険者達のオブリビオンに、猟兵の力を存分にぶつけてやるとしよう。

●冒険者の矜持
 町を守るべく立ち上がった、たった4人の冒険者達。彼らを救うべく、馳せ参じた猟兵は合わせて3人。戦力的には一気に充実したわけだが、それでも数の上では、まだ敵の方が上回っている。
「さて……とりあえず、どうやって攻める? また、俺が正面に立って、攻撃を引き付けるか?」
 自ら囮を買って出るパラディンの青年。確かに、彼の能力から考えて、それが最良の策ではあるのだが。
「そうしてもらえると助かるね。ただ……それだけでは、あの数を相手にするのは不十分だろう」
 そういうわけで、今回はこちらでもフォローする。そのために必要なのは、他でもないイスラの能力だ。
「……なるほど、そういう作戦なんだね。オッケー、任せておいて!」
 軽く打ち合わせた後、まずはイスラがユーベルコードを発動させる。彼女が天に向かって手を掲げれば、途端に大量のソーダ水が雨となって降り注ぎ、おまけに猟兵や冒険者達を巨大な泡で包み込んだ。
「うげっ!? な、なんだ、こりゃ……ごぼごぼ……」
「ちょっ……!? ど、どうして、いきなり水中に……がぼぼ……」
 当然のことながら、周囲が深海と同じになれば、堕落者達は溺れてしまう。彼らの中に、水中行動に特化した種族はいない。故に、こうなってしまうと呼吸もできず、ただ一方的にやられるしかない。
 それでも、中には果敢に泳いで向かってくる者もいたが、地の利がこちらにある以上、もう彼らには敗北の未来しかないわけで。
「そうはさせぬのじゃ! せりゃぁぁぁっ!!」
 ドワーフの少女が戦斧を振るい、大地をブチ割って亀裂を生じさせた。すると、その亀裂に周囲の水が吸い込まれ始め、流れに乗って敵まで吸い込まれて行ってしまった。
「なるほど、やるわね。だったら、更にダメ押しと行きましょうか」
 続けて動いたのは、フレミアだ。彼女はイスラやフォルクとは異なり、水中という環境ではそこまで好きに動けるわけではない。
 だが、そんな状況を打破する方法の一つや二つ、彼女はとっくに用意していた。水中戦が不得意なのは、相手も同じ。ならば、先にこの環境を制した者が、戦闘においては圧倒的なイニシアチブを得ることができる。
「フレミア・レイブラッドが血の契約を交わします。汝等、我が剣となるならば、吸血姫の名において我が力を与えましょう」
 血の契約。それは、一時的に契約を結んだ対象を、吸血鬼へと変える禁忌の技。勿論、実際は肉体的な面だけを一時的に吸血鬼化させて強化するに過ぎないので、対象への悪影響はないのだが。
「わわ! なんだか、すっごい力が湧いて来たよ!」
「正直、光よりは闇に近い力の気もしますが……現状では、些細なことでしょうね」
 とにかく、今は目の前の敵を排除することが先決だ。フレミアの指示でエルフの青年が矢を弓に番えて放てば、その矢は水中でも勢いが殆ど殺されることのないまま、敵の女エルフを正面から射抜き。
「敵は混乱しているわ。今の内に、私達も仕掛けるわよ」
「オッケー! 任せといて!」
 フレミア自身は、フェアリーの少女と共に敵陣へと果敢に飛び込んで行き、擦れ違い様に魔槍で貫く!
「ごぼぼ……こ、このままでは……」
「がぼがぼ……ぜ、全滅させられ……うごご……」
 何もできないまま蹂躙されることで、ようやく危機を悟ったのか、残る堕落者達は一斉に逃げ出そうと背を向けた。が、しかし、岩の腕が重過ぎて満足に泳げず、地を這って逃げようにも猟兵達がそれを許さない。
「お、おい……そういえば……ごぼっ!」
「あら? なんだか、一人足りない気が……がぼぼ……」
 ここに来て、堕落者達はフォルクの姿が見えないことに気が付いた。まあ、それもそのはず。彼は自らの肉体に水霊を宿し、その肉体を液状化させることで、深海という環境に溶け込んでいたのだから。
「……っ!? ごぼぼぼ……」
 ある者は、フォルクの見えない一撃によって首を裂かれてそのまま息絶え。
「つ、冷た……がぼっ! こ、今度は熱っ……ごぼげぼ……」
 また別の者は、氷に、熱湯にと変幻自在に姿を変えるフォルクによって、完全に翻弄されてしまう始末。
「よ~し、邪霊とのお付き合いもそこまでだよ」
「どうせなら、最後は派手に締めた方がいいわよね?」
 一人、また一人と数を減らして行く堕落者達を、最後はイスラが特大の渦潮で巻き上げ、フレミアがそこに無数の魔力弾を叩き込む。哀れ、高々と打ち上げられた状態で……イスラがユーベルコードを唐突に解除したから、堪らない。
「「「うわぁぁぁぁぁっ! 落ちるぅぅぅぅっ!!!」」」
 深海は瞬く間に空中となり、水圧の枷から解き放たれた堕落者達は、今度は重力に引かれて地に落ちた。もはや、彼らは完全に虫の息。猟兵達と冒険者達の連携によって、殆ど何もできないまま、徹底的にやられてしまった。
「さて、仕上げだ。数は其方が上でも。冒険者としての矜持を持つ者が、最後には勝つと言う事だ」
 それでも生き残っていた者には、フォルクがきっちり止めを刺しておくのも忘れない。ここで彼らを見逃せば、どうせまた碌でもないことをしでかすに違いない。
 どれだけ強い力を持っていても、志を失った者に勝利の女神は微笑まない。冒険者でありながら、単なる略奪者へと堕ちた堕落者達には、最初から敗北の未来しか存在していなかったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クロエ・アスティン
アックス&ウィザーズに巣くう猟書家との戦いもここで最後にするであります!
まずは、あの堕落した冒険者モドキを退治するために現役の冒険者様達に協力をお願いするであります!

自分が相手取るのはドワーフの冒険者。同じドワーフの血を引くものとしても放っておけません!
自分の装備はどれも女神様の加護の掛かった大事なもの。盗られるわけにはいかないであります。
斧の一撃を避けるためにも【戦乙女の鎧】でスピード特化でいきます!
自分が気を引き付けている間にフェアリーの冒険者様にUCで攻撃していってもらい、
相手が武器や防具を落としたら戦槌でどんどん叩いてやっつけるでありますよ!

※アドリブや連携も大歓迎


亞東・霧亥
※アーチャーと共闘

屈強なドワーフから放たれる一撃は脅威だが、欲に目が眩んでいては相手にならん。

【UC】
一番高価な品となれば無限竜素材で出来たナックルだろう。
分身は皆、それを装備した姿で襲い掛かるが、攻撃を食らったとしても分身は怯まないし盗られもしない。

アーチャーには【千里眼射ち】を使ってもらい、分身に翻弄される敵の気を引いてもらう。

俺はアーチャーに気を引かれた敵の死角から『目立たない』ように『忍び足』で近付き『暗殺』を試みる。
具体的には『怪力』と『グラップル』を用いて、首を『部位破壊』する(へし折る)。



●火事場泥棒にお仕置きだ!
 猟兵や冒険者達が、その身を以て町を守っているのと同時刻。
 人々が逃げ出した家屋の中から、こっそりと現れた背の低い男。よくよく見ると、それは堕落者達の生き残りである、ドワーフの男に他ならなかった。
「ヘッヘッヘ……。今日も、たんまりと戦利品が手に入ったぜ。さぁて、それじゃズラかるとするか」
 彼が何をしていたのかといえば、要するに火事場泥棒である。他の連中に戦いを任せ、自分だけ財宝を手に入れようとする辺り、彼が冒険者としては、とことん堕落していることを物語っている。
 だが、だからこそ、同じドワーフとして彼の所業をクロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は許せなかった。
「そこまでであります! これ以上の狼藉は、自分が許さないでありますよ!」
 まともに戦うならまだしも、戦いそっちのけで泥棒とは何事か。こんな救いようのないやつ、絶対に許せないと憤慨するクロエだったが、ドワーフの男は薄汚い笑いを浮かべるだけだ。
「おやおや、可愛らしいお嬢さんだ。だが……邪魔をするってんなら、ちょいとばかり、痛い目に遭ってもらうぜ?」
 どうせなら、その衣服を全ていただいてしまおう。そうして、丸裸にされてしまえば、もはや何もできないだろうと、堕落したドワーフが斧を片手にクロエへと迫る。
「戦女神様、自分に力をお貸しください! ――ヴァルキリーズアーマー!」
 しかし、振り下ろされた斧が直撃する瞬間、クロエは一瞬にして聖なるビキニアーマー姿となり、相手の攻撃を回避した。
 この姿になれば、とりあえずスピードで負けることはない。もっとも、迂闊に近づいて聖鎧を奪われてしまっては元も子もないので、なかなか攻撃を仕掛ける機会がないのだが。
「グハハハハ! どうした、お嬢ちゃん? 逃げ回るだけか?」
 回避一辺倒のクロエに対し、堕落したドワーフは余裕の表情で笑っていた。自分が絶対に攻撃されないと、そう信じているからこそなのだろうが。
「……痛っ!? な、なんだ、こいつは!?」
 突然、鎧の隙間に突き刺さった矢を見て、男ドワーフは思わず叫んだ。
 まさか、伏兵としてスナイパーが隠れていたのだろうか。当然、そのまさかである。彼の意識がクロエに集中している隙を狙い、弓使いのエルフの青年が、正確無比な射撃で射抜いたのだ。
(「さて、これで相手もこちらに気づいたか。ならば……」)
 そして、物陰からその様子を伺っているのは、亞東・霧亥(夢幻の剣誓・f05789)だった。何を隠そう、先程の弓矢による攻撃は、彼がエルフの青年に指示したものだったのだから。
「くそったれ! どこからの攻撃だ!?」
 矢を引っこ抜き、堕落した男ドワーフは、周囲に意識を警戒させ始めた。ならば、ここは更なる撹乱だ。
 敢えて敵の前に姿を晒し、無防備に近づいて行く霧亥。当然、斧による一撃が彼を襲うが……しかし、それは霧亥の身体をすり抜けてしまい、同時に霧亥自身も霧散してしまった。
「な、なんだ、こりゃ? 偽物か?」
 驚愕する男ドワーフ。正確には、その虚像は偽物ではなく残像なのだが、超高速で移動する霧亥の動きを捉えられないドワーフ男には、どちらであっても同じこと。
「くそっ! ちょこまかと……!!」
「残念だったな。それも残像だ」
 幾度となく斧を振るうドワーフの男。しかし、当然のことながら、攻撃は全く霧亥に当たらない。そして、霧亥だけに意識を集中させてしまえば、それは更なる危機を呼ぶことになるわけで。
「おおっと! こっちも忘れてもらっちゃ、困るよ?」
「ぐわっ! し、しまった、目が!?」
 咄嗟に現れたフェアリーの少女が、擦れ違い様にドワーフの目を突いたのだ。これでもう、相手はしばらくの間、視力が元に戻らない。ならば、この機会を逃してはならないと、クロエが戦槌で敵を滅多打ち!
「この聖鎧は、女神様から授かった大切なもの! 絶対に、奪われるわけにはいかないであります!」
「ぐぇっ! か、勘弁してくれ! 俺が悪かっ……ぎゃぁっ!」
 命乞いの言葉さえ聞かず、クロエはひたすら敵を殴り続けた。これには堪らず、堕落したドワーフの男が逃げようとしたが、そこはエルフの青年がさせはしない。
「逃がしませんよ」
 敵の足元に、立て続けに牽制の矢を放つ。それに驚いて足を止めてしまったのが、堕落したドワーフの運の尽き。
「いかに屈強なドワーフであろうと……欲に目が眩んでいては相手にならん」
「なっ……!? ぐ、ぐぇぇぇ……」
 気が付くと、背後に回り込んでいた霧亥が、堕落したドワーフの首を怪力で締め上げていた。
「ぐ……ぐる……じい……」
 いかに強靭な肉体を持つオブリビオンであったとしても、物事には限度というものが存在する。霧亥の怪力で締め上げられ、堕落したドワーフは、文字通り虫の息であり。
「……これで終わりだ」
 最後は、渾身の力を込めた一撃で、相手の首を圧し折った。抵抗する時間さえ与えることなく、霧亥は一切の容赦もなしに、堕落者の息の根を止めたのだ。
「片付いたな。……いや、全てはこれからか」
「そうですね。でも……どんな強敵でも、負けないであります!」
 堕落者達を全て倒し改めて呟く霧亥と、それに続くクロエ。
 この堕落者達は、ほんの小手調べに過ぎない。彼らが全滅したと知れば、敵はより強力なオブリビオンを送り込んで来るだろう。
 その時は、改めて撃破するだけだ。襲撃の第一波を乗り越えた猟兵達はあったが、次なる戦いは既に目と鼻の先まで迫っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『黄祷師』ナトリ』

POW   :    黄の欲望~イエローデザイア~
【力強さに反応する黄の炎彩の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【黄色の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    勇者の行進~ブレイブマーチ~
【天使の祝福を受けた武具】で武装した【かつて帝竜に挑んだ勇者】の幽霊をレベル×5体乗せた【虹の橋】を召喚する。
WIZ   :    黄式魔術【9】~ナインブレイズ~
自身の【黄の炎彩の炎】が輝く間、【炎から放たれる火の魔術】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。

イラスト:ゆきひら

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●聖騎士を狙う者
 堕落した冒険者のオブリビオンは、真の冒険者達と、そして猟兵達の力によって撃破された。
 だが、戦いはまだ終わらない。大天使ブラキエルの呼び出した、堕落者達を率いる存在。絶対物質によって作られた鎧を纏い、『黄祷師』の異名を持つ女魔導士が、ついに姿を現したのだ。
「へぇ、少しはやるじゃない。でも、そうでなければ面白くないわ」
 ナトリという名の女魔導士、いや『黄祷師』の視線は、猟兵や他の冒険者達ではなく、パラディンの青年だけに向けられていた。どうやら、個人的にパラディンを狩る理由があるようだが、その真意までは分からない。
 もっとも、それで彼女を放置して良いわけではないので、ここで倒さねばブラキエルには到達できない。そのためには、彼女の身に着けている鎧の隙間を狙って攻撃するか、あるいは冒険者達が持っている財宝の力を利用するかだ。
「これは……!? なるほど、どうやら以前に手に入れた、この輝石が役に立ちそうですね」
 冒険者の直感から、本能的に何かを悟ったのだろう。
 エルフの青年が懐から輝石を取り出せば、そこから放たれた輝きが、一瞬だけナトリの身に着けている鎧の力を無効化したのだ。これには、ナトリも驚愕したが、しかし直ぐに気を取り直し。
「まさか、そんなものまで持っているとはね。これは、ますますあなた達を生かして帰すわけには行かなくなったわ」
 鎧が再び力を取り戻したところで、改めて杖を高々と掲げる。大天使ブラキエルにより力を授かった者として、猟兵と冒険者達の双方を始末するために。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●プレイングボーナス
 第二章では、以下のどちらかの条件を満たせば、プレイングボーナスが得られます。

『鎧の僅かな隙間を狙う』
『輝石の力を利用する』

 鎧の隙間を狙う場合、何らかの方法で命中率を上げなければ、まず当たらないので注意してください。絶対物質で作られた鎧を着ている限りは無敵なので、普通に攻撃しただけでは、足止めを食らわせることさえできません。
 輝石の力を利用する場合、冒険者達が輝石の光をナトリに浴びせるので、その後の数秒間だけは鎧の効果が無効化されます。ただし、それでナトリが怯むようなことはありませんので、チャンスを正しく利用できないと反撃を食らったり、あるいは冒険者達を攻撃されて輝石の力を使わせてもらえなかったりする可能性があります。
 プレイングボーナス取得の条件を得られなかった場合、ナトリにはユーベルコードを含めたあらゆる攻撃が、殆ど効果を発揮しないので注意してください。
亞東・霧亥
執拗な奴も絶対不快だ。

『忍び足』と『ダッシュ』を駆使した特殊な歩法で複数の『残像』を作り、奴を包囲し的を絞らせない。
残像を盾に『目立たない』よう観察。
『医術』と『救助活動』の知識から心臓の正確な位置と距離を割り出し、どの隙間を狙えば効果的か見定める。

【UC】
極小まで縮み、奴の視界から死角へと高速移動。

見定めた隙間に飛び込み、『属性攻撃』で両拳に無限竜の強力な電流を纏わせて心臓に叩き込み『部位破壊』する。

「心室細動は対象の行動力や思考能力を著しく阻害する。これで皆も、多少は殺り易くなるか?まあ、そのまま死に至るのがベストだが。」

※アドリブ、共闘可



●極小の一刺し
 大天使ブラキエルの尖兵として、猟兵達の前に現れた『黄祷師』ナトリ。彼女の纏う絶対物質で作られた鎧は、あらゆる攻撃を遮断する厄介な代物だ。
「この鎧があれば、あなた達には絶対に負けない……はずなんだけどね。面倒な石の力を使われる前に、殺してあげるわ」
 さすがに、輝石の危険性は彼女も理解しているのか、そう簡単には攻めさせてくれない。こちらが攻めるよりも早く、ナトリは黄色い炎を出現させると、そこから無数の鬼火を分裂させて放って来た。
「ほらほら、逃げなさい。早く逃げないと、黒焦げよ」
 右手の黄焔から放たれる多数の炎。それらは、まるで意思を持っているかのように、狙った相手をどこまでも追いかける。
「……執拗な奴も絶対不快だ」
 焔の動きを紙一重で見切りつつ、亞東・霧亥(夢幻の剣誓・f05789)は走る速度を上げた。
 当然、これだけで攻撃を避けることは不可能だ。しかし、彼には秘策がある。それまでの間の時間稼ぎとして、少しでも敵の目を引きつけられれば、それで良い。
「残像!? なかなかやるわね……でも!」
 再び、敵の手から放たれる焔。ユーベルコードの作用によって、ナトリの攻撃回数は、平素の9倍にもなっている。さすがに、これだけの手数で攻撃を繰り出されれば、単なる加速による残像だけれは、誤魔化しきることも限界だ。
「あははは! どんなに速く動いても無駄よ。残像も本体も、まとめて焼けば問題ないんだから!」
 既に勝敗は決したと、ナトリは余裕で笑っていた。スピードを武器にする相手に対して、手数の多さで勝負する。確かに、それはセオリーな戦い方でもあり、故に霧亥の勝機はないと思われたのだが。
「……あら? おかしいわね。完全に焼いたはずなのに、死体が残らないなんて」
 全ての残像が消えたところで、ナトリは奇妙なことに気が付いた。
 霧亥を倒したはずなのに、その死体が残っていない。炎の魔術で攻撃こそしたが、それでも火力は人間を一瞬で灰になるまで焼ける程のものでもない。
 どれだけ原型を留めない状態まで焼いたところで、何らかの燃えカスは残るはず。ところが、霧亥がそんなものさえ残さずに、綺麗サッパリとナトリの前から消えてしまったのだ。
「撹乱するだけして、逃げたのかしら? まあ、別にいいわ」
 そちらが撤退したのであれば、こちらは思う存分に虐殺ができる。もはや、霧亥に興味はないとばかりに攻撃の矛先を変えようとするナトリだったが……果たして、その判断は少しばかり、時期尚早であったようだ。
「……っ!? がはっ……ごっ……!?」
 突然、顔面が蒼白となり、ナトリはその場に崩れ落ちた。いったい、何が起きたのか。その答えは当の本人である、ナトリ自身も分かってはおらず。
「……勝負あったな。貴様の心臓の動きを阻害させてもらった。しばらくは、呼吸をすることさえ困難なはずだ」
 気が付くと、目の前には消えたはずの霧亥が立っていた。訳が分からず困惑するナトリだったが、そんな彼女に向けて、霧亥は淡々とした口調で言い放った。
「心室細動は対象の行動力や思考能力を著しく阻害する。これで皆も、多少は殺り易くなるか?」
 本当は、これで殺せるのがベストではあったが、さすがに一撃必殺を行うには、少しばかり威力が低過ぎたようだ。それでも、十分な戦果は出せたと続ける霧亥のことを、ナトリは胸元を苦しそうに抑えながらも睨みつけ。
「ど、どうして……。この鎧は、絶対物質で作られているのに……」
 外部からの攻撃は、全て遮断されるはずだ。それはそうなのだが、内部からの攻撃であったらどうだろうか。
 霧亥が突いたのは、その盲点。残像による撹乱は、見せ技に過ぎない。実際は、残像を残しつつ、自らの身体を縮小させるユーベルコードを使用して、相手の鎧の隙間から内部に潜り込んだのだ。
 その上で、心臓の位置を正確に割り出し、強力な電流をお見舞いした。惜しむらくは、心臓の位置を割り出すのに用いたのが医学や救助に関する知識だったため、確実に殺すための部位に電流を流すことができなかったことか。
 本当に大きなダメージを与えるならば、暗殺術の知識を駆使した方が良かったのかもしれない。だが、それでも心臓に電流を流されたショックは極めて大きく、ナトリはしばらくの間は立つこともできないまま、その場に蹲って悶絶することになってしまった。

成功 🔵​🔵​🔴​

イスラ・ピノス
相手のお得意は火かぁ
隙間狙いは水没させちゃえばあるいはだけれども、
ここは冒険者の人たちに引き続きお願いをだね!

それじゃおいでそーちゃん!
そーちゃんを前に出して冒険者の人たちを守りながら輝石の使用を応援するよ
使用タイミングはお任せしちゃうのと希望あれば従うね
そーちゃんが消耗したら再召喚!

輝石の光の効果は数秒
うまく効いたらすかさずそーちゃんとで攻撃!
盾に突き出してる分、位置的にもすぐに仕掛けられると思うから思い切りパンチ&武器攻撃!
同時にクリーピングコインとそーちゃんクリーピングコインも雨みたいにたたきつければ
無効時間中に更に隙間に攻撃も出来ないかな
無効の間に一気に倒しちゃうか鎧壊すの目指すよ!



●中身なんてオマケです
 黄色の焔を自在に操り、強者の魂を求めて狩るナトリ。
 一般の冒険者からすれば、なかなか厄介で恐ろしい相手だ。しかし、イスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)からしてみれば、彼女はむしろ絶好のカモだった。
「相手のお得意は火かぁ。隙間狙いは、水没させちゃえばあるいはだけれども……」
 何を隠そう、イスラの得意技は水を使ったユーベルコード。火が水に弱いのは周知の事実だが、しかしそうなると、より確実に勝てる方法を模索したくもなるわけで。
「それじゃおいでそーちゃん!」
 とりあえず、セオリー通りにソーダ水の巨人を召喚した。水辺ではないので、巨人の背丈はイスラの2倍程度までしかないが、それでも戦力としては十分だ。
「くっ……! まさか、水で来るとはね。でも、魔術の相性が勝敗を決める絶対的な要因でないことを、今から教えてあげるわ!」
 それでも、ナトリは全く諦めることなく、黄色い焔を発射して来た。強者に反応して追尾する炎は冒険者達を無視し、この中では一番強いであろうイスラを狙って飛んでくるが、そこまではイスラの読み通り。
「させないよ! そーちゃん、防いで!」
 咄嗟に、ソーダ水の巨人を盾にすることで、イスラは敵の攻撃から身を守った。
 水に炎をぶつければ、炎の方が消えてしまう。実際は体積にもよるのだが、ナトリの炎よりもソーダ水の巨人の方が大きいため、質量の差から一方的に鎮火されてしまうのだ。
「よ~し、そーちゃん、反撃開始!」
 炎さえ鎮火できれば、怖いものはなにもない。守りから攻めへと転じ、イスラは巨人にナトリを攻撃させる。当然、鎧の力のせいで打撃は全く通用しないが、それでも触れることはできるわけで。
「よし、捕まえた! もう逃がさないよ」
「しまった! これじゃ、炎が!?」
 ソーダ水の巨人の身体で、ナトリの全身を飲み込んでしまう。鎧によって防御されているため、捕縛以上の効果はないが、それでも冒険者達にナトリを攻撃させるためには十分だ。
「今だよ! 輝石の力を発動させて!」
「助かります。さあ、これでどうですか?」
 エルフの青年が輝石を高々と掲げれば、その光はナトリを煌々と照らし、鎧の力が無効化されて行く。さすがに、これは拙いと察したのか、ナトリも強引にソーダ水の巨人の体内から脱出するが。
「逃がさないよ! そーちゃん、攻撃続行!」
「しまっ……あぐぅっ!?」
 濃度を高めて粘土を増した水の拳で、ソーダ水の巨人がナトリを正面から殴り飛ばす。鎧の効果が失われた今、衝撃はそのままナトリへと伝わり、彼女の身体を天高く吹き飛ばしたのだ。
「まだまだ! 次はこれだよ!」
 好機は逃さないと、更にコインで攻撃するイスラ。鎧の上からでは、コインによる攻撃など大したダメージにはならないが……隙間を狙って攻撃すれば、どうだろうか。
「痛っ! ちょ、ちょっと、止めて……あぅっ!? す、隙間からコインが!?」
 本来であれば、正確に狙わなければ鎧の隙間など攻撃できない。しかし、イスラの投げたコインは、自在に空を舞う魔法のコイン。それも、1枚ではなく何枚もあるため、狙いの粗雑さはコインの意思と圧倒的な物量によって補えるのだ。
「痛い、痛い! こ、こんなはずじゃ……ぎゃぁっ!!」
 最後は、両目にコインが突き刺さり、ナトリは思わず杖を放り出して顔面を覆った。そして、それでも壊れない絶対物質。攻撃無効化の能力は失われても、壊れないという性質だけは失われないらしい。
(「うわぁ……。鎧が無事で、中の人が先にやられちゃうとか……これって、防具としてはどうなんだろう」)
 鎧が本体、中身はオマケ。そんな扱いをされているナトリの姿に、イスラは思わず残念そうな視線を向けたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロエ・アスティン
どうやらパラディンに執着しているみたいでありますね。なら、自分が相手であります!

火の魔術を「盾受け」で防ぎながら、また、防ぎきれないものは鎧の「火炎耐性」で軽減しつつ「激痛耐性」で我慢であります。
この程度の攻撃では、戦女神様に仕える聖騎士たる自分は倒れないでありますよ!と挑発してこっちに意識を集中させます!

相手が寿命を削るか味方を攻撃するかで一瞬手を止めたところで反撃であります!
冒険者様達に輝石の光を浴びせてもらい、鎧を無効化したところを
【戦女神に捧げる聖なる祈り】で戦乙女姿に変身しながら槍を構えて「ランスチャージ」をお見舞であります!

※アドリブや連携も大歓迎




 猟書家の目論見とは別に、パラディンを突け狙うナトリ。そんな彼女を前にして、クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は敢えて自ら囮に出た。
「どうやらパラディンに執着しているみたいでありますね。なら、自分が相手であります!」
 何を隠そう、彼女もまた戦女神の加護を受けた聖騎士なのだ。当然、ナトリからは積極的に狙われるのだが、果たして大丈夫なのだろうか。
「あら、可愛らしい騎士さんね。でも、聖騎士だったら、容赦はしないわよ」
 その魂を、大人しくこちらへ捧げるがよい。そう言って、ナトリはクロエの周囲に黄色の焔を撒き散らす。火傷の痛みに耐えるクロエだったが、これは早くも危険な状態だ。
(「くっ……! 炎のせいで、周りの空気から酸素が失われて来たであります……!!」)
 燃え盛る焔は周囲の空気さえも焦がし、クロエの意識がだんだんと薄れて行く。どれだけ痛みに耐えたところで、足を止めれば、そこで窒息死させられてしまう。
「ま、まだまだ……。この程度では、戦女神様に仕える聖騎士たる自分は倒れないでありますよ!」
 それでも、なんとか周囲を走り回りつつ敵の攻撃を引き付けることで、クロエはなるべく焔が冒険者達を襲わないように立ち回った。
 敵のユーベルコードは、代償として味方への誤射か、あるいは寿命の削減を要求するもの。どれだけ強大なオブリビオンであろうとも、寿命を削る程の苦痛が生じれば、その一瞬だけは無防備になるはず。
「このっ……! 小さい身体で、ちょこまかと!!」
 ナトリが苛立ち紛れに叫んだことで、クロエはチャンスが到来したことを悟った。すかさず、相手の懐に飛び込んでハンマーの一撃を食らわせるも、当然のことながら、それは鎧に防がれて通用しないが。
「残念ね。その程度の攻撃じゃ、この絶対物質は……」
「それはこっちの台詞であります! 冒険者の皆様、今でありますよ!!」
 自分の役目はあくまで囮。本命は、冒険者達の持つ輝石の力に他ならない
「なっ……! あなた、最初からそのつもりで!?」
 ナトリが気づいた時には既に遅く、彼女の鎧は輝石の光を浴びせられて、力を失ってしまった後だった。
 こうなれば、完全に攻守交代だ。囮を止めて攻めに転じ、クロエが今度こそ本気の鉄槌を下す。
「――いと気高き戦女神、戦いの地に立つ我らに加護を……我の生命を光に……」
「そ、そんな! この娘、まだ本気を出していなかったっていうの!?」
 戦女神の加護を受けた鎧を纏い、戦乙女さながらの姿になったクロエが、光の槍を叩き込む。一時的に力を失った鎧では、彼女の攻撃を防ぐことはできない。
「きゃぁぁぁっ!!」
 衝撃が鎧を通して直に伝わり、ナトリは光の帯を残しながら、盛大に後ろへ吹っ飛んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
【創造支配の紅い霧】を発動。

濃密な霧を展開し、霧の魔力で実体を持つ自身と冒険者達の分身一組と実体の無い分身を多数、姿を隠す岩壁等の遮蔽物を多数「創造」。

先ずは自身と冒険者達の実体の無い分身で攪乱し、遮蔽物に紛れて敵に接近。
実体の無い分身を囮に見せ、「実体がある=本体」を敵に印象付け。

接近したら実体有りの分身組が敵がギリ対処できる程のタイミングで奇襲。
敵がそれに対して余裕無い状態で対応し、実体がある相手を倒して安堵した瞬間を狙い、更に逆から本命の本体組が奇襲。

対応できないタイミングで輝石の力で鎧を無効化し、全員で全力攻撃。
わたし自身も魔力を【限界突破】まで【力溜め】した魔槍の一撃を叩き込むわ!



●ダブル・フェイク!
 絶対物質ブラキオン。それにより構築された鎧は、あらゆる攻撃を通さない。
 だが、実際はどうだろうか。猟兵と対峙した『黄祷師』ナトリは、気が付けば度重なる攻撃のダメージによってボロボロにされていた。
(「お、おかしいわ! この鎧は無敵のはず! やっぱり、あの冒険者達さえいなければ……」)
 実力こそ猟兵に劣るものの、彼らの持つ輝石の力は、やはり脅威だ。ならば、猟兵と事を構えずに、最初から冒険者達だけを倒せば良いのではないか。そう、ナトリが考えたときだった。
「え……? なにこれ、霧?」
 突然、周囲に紅い霧が漂い始めたことで、ナトリは異変を察知した。
 これは拙い。何が拙いのかは分からないが、彼女の本能が危険を伝え、それに呼応するかの如く黄焔が揺れる。
「全てを満たせ、紅い霧……。夢も現実も、全てはわたしの思うまま。ようこそ、わたしの世界へ」
 遠く、霧の向こう側から現れた人影。それは、この霧を辺りに漂わせた張本人である、フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)に他ならなかった。
「現れたわね、猟兵! でも、もう邪魔はさせないわ!」
 これ以上、何かをされては堪らないと、ナトリは問答無用でフレミアに炎を浴びせた。が、それはフレミアの身体をすり抜けると、完全に明後日の方角へと飛んで行ってしまった。
「幻影!? だったら……」
 周囲をくまなく探すナトリだったが、濃霧のせいでフレミアの本体が見つけられない。そんな中、無防備に突っ立っている冒険者達の姿を見つけ、今度はそこに焔を放つも。
「……また、幻影!?」
 現れた冒険者達も幻影だったことに、ナトリはますます焦りを感じ始めた。
 これは同じだ。先の戦いで、残像により撹乱された時と。
「こうなったら、全部まとめて相手をしてあげるわ!」
 手数の多さだけを武器に、ナトリはとうとう、辺り構わず炎を撒き散らし始めた。それらの大半はフレミアの生み出した幻影をすり抜けてしまうが、その内の一つが、ついにフレミアと冒険者達に直撃した。
「やったわ! これで……!?」
 確かな手応えを感じて歓喜するナトリ。しかし、どこか様子がおかしい。猟兵も、冒険者達も倒したはずなのに、この違和感はいったい何か。
「え……? そ、そんな! どうして、私の鎧が!?」
 ナトリが気が付いた時には、既に全てが遅かった。冒険者達を始末したにも関わらず、鎧の力が抜けている。つまり、それはナトリの攻撃が冒険者達に命中しておらず、輝石の力を使われたということに外ならず。
「質量を持った……幻影!?」
 ここに来て、ナトリはようやくフレミアの意図を察し戦慄した。
 魔性の紅い霧の中は、フレミアが自由に存在を具現化することができる空間だ。その性質を利用し、フレミアは最初に実体のない幻影を具現化させた。そして、最後に『実体のある偽物』を具現化することで、見事にナトリを騙したのである。
 真実を隠すのは、二つの嘘の間が丁度良い。ナトリが振り返った瞬間、そこには魔槍を携えたフレミアが立っており、彼女の投げた紅い槍が、ナトリの腹を容赦なく貫いた。
「あ……あぁ……。そ、そん……な……」
 最初から最後まで、完全に騙されたことに驚愕しつつ、ナトリの身体が消滅して行く。絶対物質の鎧は確かに無敵かもしれないが、それを纏う者に慢心があれば、戦いのおいては決定打とはならないのだ。
「これで取り巻きは片付いたわね。さて、後は……」
 魔霧を解除し、天を仰ぐフレミア。未だ姿は見えないが、彼女は霧の晴れた空の先に、確かに大天使の羽ばたきを聞いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『大天使ブラキエル』

POW   :    岩腕
単純で重い【岩石でできた巨大な腕】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    絶対物質ブラキオン
【「絶対物質ブラキオン」の鎧】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、「絶対物質ブラキオン」の鎧から何度でも発動できる。
WIZ   :    大天使の光輪
自身が装備する【大天使の光輪】から【破壊の光】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【徐々に石化】の状態異常を与える。

イラスト:藤本キシノ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●絶対なる大天使
 堕落した冒険者達と、黄色の焔を操る魔術師。それら全てを退けたところで、唐突に雲が晴れ、合間から光が差し込んで来た。
「ああ、やはりここでも駄目だったか。あくまで、我の行く手を阻むか、猟兵よ」
 雲の切れ間より降臨せし大天使。岩石を操り、絶対物質を駆使するその存在は、正に堅牢なる巨石の如く。
 だが、岩の力からは想像できない程に、彼は俊敏かつ強大だ。その能力はシンプル故に強力で、まともに受ければ無事では済まない。
「我に残された手段は、もはやこれしかない。故に……我の障害となる者は、全て排除させてもらおうか」
 広げた翼より放たれる、圧倒的な威圧感。さすがに、この大天使と冒険者達を戦わせるのは酷だろう。ここは猟兵達の力だけで、彼を倒す他にないのだ。
 絶対先制、絶対防御、絶対破壊……。どれを取っても、ブラキエルはあらゆる面で、猟兵達の上を行く。彼の持つ絶対性を覆せぬ限り、この先の戦いに勝機はない。
 だが、それでも勝たねばならないのだ。かつて帝竜から守りぬいたこの世界を、今度は猟書家の手から守り抜くために。
 最後の審判を下されるのは、果たして猟兵か、それとも堕ちたる天使の方か。正真正銘、大天使との最後の戦いが幕を開けた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●プレイングボーナス
 第三章では、大天使ブラキエルが必ずユーベルコードを先に使用して来ます。
 この先制攻撃に対して、猟兵がユーベルコードで対処しようとしても間に合いません。
 ユーベルコード以外の方法で先制攻撃に対処し、それが有効であると判定された場合のみ、プレイングボーナスが得られます。
クロエ・アスティン
真打の登場でありますね……けど、決してここは引かないであります!

「全力魔法」の「結界術」で「破魔」の力を宿した結界を構築するであります!
ありったけの魔力を込めてこの一撃だけは耐えきって見せるであります!

ぼろぼろになった結界に対して、すぐさま第二射を行ってきますが、今度は間に合うであります!
【戦女神様の大盾】を構えて破壊光線を真正面から「盾受け」します!
たかが盾と侮らせたりはしません!女神様の加護を受けたこの盾はどんな攻撃だって跳ね返してみせるであります!

※アドリブや連携も大歓迎


水島・可奈
【真の姿解放!】(アドリブや絡みも歓迎)
……ブラキエル、貴方はなんて愚かな……それだけの強き力を持ちながら猟書家に身を堕とすとは……
おまけに思考停止し、未来を考えず虐殺など……
貴方のような『堕天使』に裁きを与えるは天使の使命。
階位『力天使』カナエル。参りましょう。

先制攻撃は物陰に素早く隠れ回避(ダッシュ、ジャンプ、スライディング)し自分に当たりそうな部分は『オーラ防御』で防ぎましょう。万が一かかってしまったら『破魔』で対応です。
しかし基本的にそのようにしてはジリ貧……そこで相手の光のヒットストップを狙い身を出し【指定UC】を放ちます。

私の光は全てを浄化する楽園の光……堕天使よ、終わりの刻です。



●戦女神と力天使
 雲の切れ間より降臨し、地上に降り立った大天使。だが、その肩書は既に過去のもの。今の彼は、己に与えられた天の使いとしての役割を忘れ、目的のためならば人々の命さえも軽んじる、世界の敵に他ならない。
「真打の登場でありますね……けど、決してここは引かないであります!」
 大盾を構え、クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)は目の前に立つブラキエルを見据えた。
 均整の取れた美しい顔に、ギリシア彫刻を思わせる完璧な肉体。一点の汚れもなく研ぎ澄まされた翼は、見る者に神々しささえ感じさせる。
 だが、それでも今の彼は、世界を破滅に導かんとする猟書家なのだ。その美しい姿の裏に邪悪な意思を感じ取り、水島・可奈(少女自由に夢幻を掴め・f01117)は、ともすれば嘆きの言葉を叫ばずにはいられなかった。
「……ブラキエル、貴方はなんて愚かな……。それだけの強き力を持ちながら猟書家に身を堕とすとは……。おまけに思考停止し、未来を考えず虐殺など……」
 人を守り、そして導くのが天使の役割だとすれば、今のブラキエルは完全に神への離反者であり、なによりも人類の……否、この世界に生きる全ての命にとっての敵なのだ。
「なんとでも言うが良い。我は既に天上の神さえも見限った。我が世界の敵だというのであれば、それを討たず猟兵に討たせる神々こそ、怠慢を断罪されるべき存在ではないか?」
 しかし、そんな可奈の言葉も嘆きも、ブラキエルには届かない。ともすれば、彼は責任を天上の神々へと押し付ける形で、論旨のすり替えさえ行う始末。
「……分かりました。貴方のような『堕天使』に裁きを与えるは天使の使命。階位『力天使』カナエル。参りましょう」
 もう、己の姿を偽る必要もない。覚悟を決め、可奈は自らの肉体に憑依している天使の力を解放した。天使として、人に仇成すためではなく、人界を守るために力を行使すべく。
「なるほど、それが汝の真の姿か。ならば、我も一切の情けをかける必要はなさそうだ」
 同じ天使だからこそ、遠慮は無用。可奈と対峙するブラキエルの翼が大きく開き、大天使の後輪が輝きを増して行った。

●輝ける力
 堕ちたる者とはいえ、それでもブラキエルは大天使の肩書を持つ強大な存在。人間はおろか、エルフやドワーフ、そして妖精や精霊の類でさえ、彼と真っ向から勝負して敵う者は存在しない。
 それは、天使の力を行使できる可奈であっても同じだった。確かに、階級的にはブラキエルの大天使よりも、可奈に憑依している力天使の方が上だろう。だが、それでも肉体が人間である以上、猟書家として生前の何倍もの力を得て降臨したブラキエルには、正面から挑んだところで勝ち目はない。
「弱者を無駄に苦しめる趣味はない。汝らには、我に仇成したことに対する、相応の罰を以て償ってもらおうか」
 ブラキエルが光輪から光を放てば、それは瞬く間に周囲へと広がり、触れた家屋を破壊する。咄嗟に、物陰に隠れた可奈だったが、その間にも破壊の光は町の建物を砕き続け。
「くっ……! こ、この程度で、退き下がるわけにはいかないであります!!」
 同じく、懸命に破滅の光へと抗うクロエだったが、さすがに僅かばかりの時間で構築した結界だけで、その全てを無効化することは不可能だった。
「気合いだけで、我の光に耐え切ったか。だが、その身体では、次の攻撃には耐えられまい」
 クロエの結界を破壊し尽くしたところで、ブラキエルの光輪が再び輝き始めた。それを待っていたとばかりに盾を構えようとするクロエだったが、何故か両腕が石のように重たくなって動かない。
「これは……石化の呪詛でありますか!?」
 ありったけの魔を祓う力を結界に込めていたが、それでも破られてしまった以上、浴びた光の分の呪詛は受けてしまう。身体を蝕む速度は決して早くはないものの、攻撃や防御の要である腕、移動に必要な足などを一部だけでも石化されられれば、その分だけこちらの行動が制限されてしまう。
「抵抗は無意味だ。汝も死して書架に帰り、我の友となるが良い」
 再び光を放たんとするブラキエル。今度こそ、本当におしまいか。覚悟を決め、それでも最後まで諦めることなく、クロエは大盾を持ち上げようと踏ん張るも、非情にも先程よりも更に強い光が周囲を余すところなく覆って行き。
「……っ! これは!?」
 だが、果たしてその光はクロエを石に変えることなく、むしろブラキエルの光輪の輝きを打ち消さんばかりに、彼だけを狙って降り注いだではないか。
「過去にしがみつくものに断罪を――そして、現在(いま)に生きるものに祝福を」
 光と共に、上空より告げたのは、天使の翼を広げた可奈だった。彼女の放つ光は、天使の力を宿した浄化の光。そして、光と光がぶつかった場合、より強い輝きを持つ方が、弱い光を飲み込んで行く。
「なるほど、やるな。さすがは力天使(ヴァーチュース)……大天使(アークエンジェル)たる我よりも、上の階級を持つ者ということか……」
 翼で光を防ぎながら、ブラキエルは歯噛みした。
 この光の中で、力を高めた可奈と戦うのは得策ではない。ならば、せめてクロエだけでも始末せんと、強引に光の矛先を変えて来たが。
「それを待っていたであります!」
 ようやく、盾を持ち上げ終えたクロエが、それを以てブラキエルの攻撃を真っ向から受け止めたのだ。
「愚かな。そのような玩具で、我の攻撃を受け止めるなど……」
 このまま押し切れば勝てると、ブラキエルは一瞬だけ判断したが、直ぐにそれが誤りであると知ることになる。
「女神様の加護を受けたこの盾は、どんな攻撃だって跳ね返してみせるであります! すべてを跳ね返せ! ――ヴァルキリーズシールド!」
「なんだと!? まさか、まだそこまでの力を残していたとは……!?」
 放たれた光を、クロエの盾が跳ね返した。その威力は、ブラキエルの放った光と全く変わらない。文字通り、一切の相殺を行わず、そっくり全てを反射するのが彼女の盾が持つ真の力。
「これが、世界を守り、人々を救う……」
「……猟兵の力であります!!」
 更に強まる二つの光。浄化と破壊。相反する二つの光の奔流に飲み込まれ、ブラキエルは受け身さえ取れないまま盛大に後方へと吹き飛んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

プリンセラ・プリンセス
連携・アドリブ可

先制攻撃は○第六感○幸運○見切り、馬に○騎乗しての機動回避。命中する場合は○オーラ防御○激痛耐性で耐える

皇軍砲兵、構え!を使用。
召喚砲兵は自分より後方に召喚展開。
自分はそれを悟られないように○グラップル○切り込み○決闘で近接戦闘を挑む。
砲兵に指示した属性は聖邪。そうセイクリッドダークネス。
その○一斉発射された砲撃であればプリンセラは回復し、ブラキエルはダメージを食らう。
後はブラキエルに砲兵隊を狙われぬよう、近接戦闘でこちらが押し切られぬよう○時間稼ぎをし、○覇気でこちらに注意を向けさせ、頃合いをみて○斬撃波乗せの○二回攻撃で押し切る。



●聖と邪の演武
 大天使。それは、天より遣わされし偉大なる使者。
 猟書家に堕ちたる者とはいえ、ブラキエルとて大天使であることに変わりはない。先の戦いでは不覚を取ったが、それでも未だ倒される様子はなく。
「やはり、一筋縄では行かないようだな。だが、この程度の抵抗は予想済みだ」
 翼を広げて舞い上がれば、ブラキエルには余裕の表情で下を見下ろした。
 消耗していないわけではない。しかし、彼は巨石と岩を司る大天使。この程度で退くほど、柔な身体もしていない。
「そこまでです! あなたの暴挙は、この私が止めてみせます!」
 そんなブラキエルの前に現れたのは、愛馬に跨ったプリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)。憎き帝竜より守り抜いた世界を破壊させぬため、そして祖国を再興するためにも、この天使に世界を壊させるわけにはいかない。
「たった一人で我に挑むか。その心意気は良し。だが……少しばかり、身の程というものを知るべきであろう」
 高所から一気に間合いを詰め、ブラキエルの拳がプリンセラを狙う。何の変哲もない、純粋なまでに破壊へ特化した打撃。面倒な能力こそ持っていないが、それだけに秘められた破壊の力は地形の状態を変えてしまう程に高い。
 愛馬を走らせ、相手の攻撃を避けんとするプリンセラだったが、如何せんスピードではブラキエルの方が早い。頭では攻撃が来ることを理解できていても、それを避けるための身体能力が追い付かない。
「くっ……! まだ、この程度では……!!」
 馬上から吹き飛ばされ、それでもプリンセラは辛うじて踏み留まった。幸運にも、急所に食らうことは避けられたようだ。衝撃も可能な限り緩和したので、とりあえず戦えないことはない。
 攻撃をしのげば、今度はこちらの番である。格上の相手には、質で敵わなければ物量で戦う他にない。
「皇軍よ、我が命において――」
 総勢、100体近い数の近衛魔術砲兵部隊。それらを町の瓦礫の裏に召喚しつつ、プリンセラは二振りの剣を手にブラキエルへと突っ込んだ。
「はぁぁぁっ!!」
 全身に凄まじい覇気を纏い、負傷さえ顧みず突撃する。その攻撃を、岩の腕で軽々と受け止めるブラキエルだったが、そこまではプリンセラの読み通り。
「今です! 全皇軍、砲撃開始!!」
 ここぞとばかりに、後方に待機していた皇軍に、一斉砲撃を行わせたのだ。
 これには、さすがのブラキエルもどうにもできず、ただ後退する他になかった。それでも、巧みにプリンセラの身体を盾にして、自分への被害を軽減しようとしたようだが。
「馬鹿な! 傷が……回復しただと!?」
 砲撃を浴びたプリンセラは、なぜか受けた傷が回復していた。
 皇軍の砲撃に宿る属性。それは聖と邪、二つの融合。味方に当たれば聖の力により回復を促し、敵に当たれば邪の力によって負傷させる。攻防一体の砲弾の雨は、ブラキエルに逃げ場を与えない。
「どこを見ているのですか? あなたの相手は、私です!」
 全快となったプリンセラが、再び斬り込んで両手に握った剣を振り下ろす。今度は避ける暇もなく、ブラキエルの身体はプリンセラの手によって、十字の形に斬り裂かれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イスラ・ピノス
大天使、当然強いだろうけど出来るだけのことはしないとね!

腕を叩きつけに来るからには近づいて仕掛けるのは間違いなし
技能に『きち』知らせの指輪にも頼ってタイミング計り、回避に集中するよ
素早く飛んでくる相手に間に合わない分も覚悟の上、その分はソーダオーラの弾ける勢いと受け流しで補って
地形破壊の余波があればオーラ防御で身を守ると同時にそれも味方に高くとぶ!

空飛ぶ天使様に挑むからにはこっちも飛べないとね
先制をかわせたらソーダパワージェネレーションで戦闘態勢!
ソーダオーラも引き続き全開でいくよ
ちょっと僕も目を回しちゃいそうなんだけどこの姿なら速さだって簡単には負けないからね
空中での格闘戦!挑戦だよ!



●激突の空
 この世界を破滅から救うため、猟兵達は戦い続ける。相手がいかに強大な存在であっても、彼らは決して諦めない。
「大天使、当然強いだろうけど、出来るだけのことはしないとね!」
 イスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)にとっても、それは同じこと。かつては、帝竜からも世界を守り抜いたのだ。相手が大天使だろうとなんだろうと、人々に仇成す存在であれば、猟兵として迎え撃つのみ。
「汝は精霊か? それとも人間か? 随分と、不思議な身体をしているようだが……」
 ソーダ水で構成されるイスラの肉体。それを見たブラキエルが興味深そうな表情をしたが、それで油断をするわけにはいかない。
(「相手の武器は腕……近づいて仕掛けるのは間違いなし」)
 接近戦に備え、イスラは指輪をした方の手を握り締めた。持ち主の危機を知らせ、力を貸してくれる指輪。その力を以て、相手の攻撃を予測し回避する。それが彼女の作戦だったが、ブラキエルとて腐っても大天使。
「……遅いな。その程度の速度で、我と張り合えると思ったか?」
 単純だが強力な拳の一撃が、情け容赦なくイスラを襲う。残念ながら、スピードでは完全に相手の方が上だ。攻撃を読んで避けようにも、要求される回避速度に身体能力が追い付かない。
「……っ!!」
 地形をも破壊する凄まじい衝撃がイスラを襲い、彼女の身体を高々と跳ね上げた。 だが、そこはソーダすいの肉体を持つイスラ。闘気を纏って可能な限りのダメージを軽減しつつ、肉体を液状化させることによって、砕け散った箇所を瞬時に修復し。
「まだまだ! この程度じゃ、やられないよ!」
 叫ぶと同時に、彼女の体内で何かが爆ぜた。ソーダ水の泡だけではない。雷を吸収するという泡のオーラ。そこに含まれる電気の力が、彼女の力を高め、空中を飛翔することさえも可能としているのだ。
「なんと、翼もなく空を飛び回るとは……」
「驚いた? この姿なら、速さだって簡単には負けないからね」
 先程とは比べ物にならないスピードで、イスラは一気に間合いを詰める。泡が爆ぜる度に放出される電流は強力な磁場を生み出し、翼もなしにイスラの飛行を可能としている。
 それは単に空を飛ぶだけでなく、彼女の瞬発力を高めるのにも役立っていた。弾丸以上のスピードで迫る今の彼女は、いかにブラキエルとて捉えきれるものではなく。
「そこっ! よそ見しない!!」
「くっ……! なんという速度なのだ!!」
 慌てて拳を繰り出すも、残念ながらイスラの方が少しだけ速い。ブラキエルの拳がイスラの身体を砕くよりも早く、イスラの拳がブラキエルの胸元へと突き刺さり、彼を地上へと叩き落した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フレミア・レイブラッド
帝竜から守ったこの世界。貴方達からも守ってみせる!

敵の先制に対して、重力属性の魔術【属性攻撃、高速詠唱、全力魔法】で数十倍も岩腕に重力圧を掛け、更に【念動力】で敵の動作時に重心を崩す様に一点集中でバランスを崩し、敵の岩腕による攻撃を回避。

岩腕の破壊力が絶大なら、下手に防御するよりも制御を失わせる方が良い。
どんなに強力でも当たらなければ意味が無いわ。
重い岩の腕を何倍にもされた上にバランスを崩されて当てられるかしら?

敵の攻撃を凌いだら引き続き敵の攻撃を魔術と【念動力】で凌ぎつつ、魔槍で攻撃。自身の魔力を【限界突破】まで集束【力溜め】した【神槍グングニル】を叩き込んであげるわ!

さぁ、最後の勝負よ!



●断罪の槍
 地上に叩き落され、瓦礫の中から起き上がったブラキエル。その肉体は、既にかつての美しさはなく、翼も要所で抜け落ちていた。
「まさか、猟兵がここまでの存在だったとはな……。彼らを甘く見たのが、我の誤算か……」
 だが、それでも負けるわけにはいかない。書架へと帰った友のためにも、悲願を成就させてみせると立ち上がるブラキエル。そんな彼の前に現れたのは、紅き神槍を携えた少女だった。
「帝竜から守ったこの世界。貴方達からも守ってみせる!」
 そのためには、禁忌の力にさえ手を出そう。フレミア・レイブラッド(幼艶で気まぐれな吸血姫・f14467)。美しき吸血姫は、その身に宿した魔性の力を以て、堕ちたる天使を迎え撃つべく立ちはだかる。
「次は汝が相手か。しかし、その細腕で、我の攻撃を受けられるか?」
 翼こそ抜け落ちていたが、それでも肉体的には未だ余裕があるのだろうか。万物を砕く力を持った拳で、ブラキエルはフレミアのことを殴り飛ばそうとしたのだが……次の瞬間、まるで見えない何かに躓いたかの如く、バランスを失って正面に倒れた。
「くっ……! な、なんだ、これは!?」
 両腕が、否、全身が自分の物ではないかの如く重たい。辛うじて持ち上げることは可能だが、これでは振り回すだけでも一苦労。翼もそれは同様で、いくら力強く羽ばたいたところで、彼の身体を再び空へと浮かび上がらせることはなく。
「どんなに強力でも、当たらなければ意味が無いわ。重い岩の腕の重さを何倍にもされた上に、バランスを崩されて当てられるかしら?」
 目標を外して地形だけを破壊したところで、フレミアが不敵に笑っていた。
 攻撃を避けようにも、身体能力が追い付かねば大なり小なり食らってしまう。ならば、最初から回避を捨てて、攻撃で迎え撃てばよい。
 ユーベルコードでの迎撃は間に合わなかったが、それで十分。一転集中にて重力圧をかけることで、相手のバランスを崩せれば、それで構わない。
「おのれ……小癪な真似をしてくれる!!」
 ようやく、ブラキエルが仕掛けに気づいた時は既に遅し。神槍を構えたフレミアは、それを何ら躊躇うことなく、ブラキエルの胸元目掛けて投げつける。
「全てを滅ぼせ、神殺しの槍……。消し飛びなさい……! 神槍グングニル!!」
 正に、攻撃は最大の防御だ。神をも殺す紅き一撃は、ブラキエルの胸元を深々と貫き、そのまま町の教会の壁へと叩きつけた。
 それは、さながら堕ちたる天使に、神々が下した審判の如く。神殺しの槍の名は伊達ではなく、ブラキエルに今までにない深手を負わせたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

亞東・霧亥
真の姿を解放する。

・先制対策
数多の『残像』を囮にして的を絞らせない。
その間に研ぎ澄ました『集中力』と培ってきた『戦闘知識』から岩腕を観察。
瞬間的な『怪力』と『グラップル』を用いて、迫る岩腕の軌道を逸らすために見定めた箇所を『部位破壊』する。

破壊された地形、降り注ぐ瓦礫の影に隠れる。
【UC】
過去の激戦から書架の王『ブックドミネーター』に変身。

時間凍結氷結晶を纏い、戦闘知識の量に比例した戦闘力増強と飛翔能力を得て、死角から死角へ飛び回りながら、隙間に『属性攻撃』による『不意打ち』を行う。

(書架の王の声音で)「僕が君に引導を渡すよ。さよなら、ブラキエル。」

※アドリブ、共闘可



●書架へ帰れ
 いかに強大な力を持った大天使といえど、ここまで連戦を繰り返せば消耗する。
 猟兵と相対する度に、ブラキエルは常に裏をかかれ、そして負傷を蓄積されていった。もう一撃、何か強力な攻撃を食らえば、彼は今度こそ消滅させられてしまうだろう。
「やはり、我の悲願は叶わぬのか……。いや、まだだ。まだ、諦めるわけにはいかぬ……」
 しかし、それでも決して退くことなく、ブラキエルは再び立ち上がった。その覚悟は見事。だが、それで世界を破壊する免罪符にさせるわけにはいかないと、亞東・霧亥(夢幻の剣誓・f05789)もまた真の姿を解放する。
「次は俺が相手だ。さあ、この速度……捉えられるものなら、捉えてみろ!」
 今まで、数多の戦いによって蓄えて来た戦闘知識。それらを総動員して敵の動きを見極めながら、霧亥は俊敏な動きで撹乱する策に出た。さすがに、この状態の彼に攻撃を当てるのは、ブラキエルとて困難であろうと思われたが。
「なるほど、我に狙いを定めさせぬつもりか。だが……それならば、纏めて駆逐すれば良いだけの話……」
 敢えて、霧亥を直に狙うことなく、ブラキエルは彼の立っている足場を含めた、地形そのものを狙って拳を振り下ろす。地形諸共、霧亥を崩落に巻き込んで、厄介な足の速さを止めるつもりだ。
「……させるか!」
 咄嗟に、自らも拳を繰り出し、霧亥は地形が砕け散る際の衝撃を相殺しようとした。もっとも、ユーベルコードの一撃に対して、それだけではあまりに力不足。完全に衝撃を殺すことはできず、彼の身体は衝撃によって吹き飛ばされ、瓦礫の中へと叩き込まれた。
「これで終わりか? まさか、汝の力は、その程度なのではあるまいな?」
 いつまで経っても瓦礫の下から現れない霧亥に、業を煮やしてブラキエルが尋ねた。
 霧亥が、この程度で死ぬはずがないことは、ブラキエルとて承知している。さあ、次はどのような手で来るのかと、身構えつつ待つブラキエルだったが。
「……っ! 汝は……その姿は……!?」
 瓦礫を押し退け、現れた者。その姿を見たブラキエルは、思わず驚愕した。
 それは霧亥ではなく、彼が至上の友とした、書架の王の姿に他ならなかったのだ。
「僕が君に引導を渡すよ。さよなら、ブラキエル」
 書家の王の声で、霧亥は告げた。かつて戦った強敵の姿と力を借りる技。それを以て、霧亥はブラキエルに肉薄するが、ブラキエルは何故か抵抗することをしなかった。
「……なるほど、君か。君に討たれるのであれば……我も、悔いなく逝けるというものだ」
 既に、肉体が限界であることを察していたのだろうか。
 ともすれば微笑を浮かべつつ、ブラキエルは霧亥の攻撃を受け入れた。否、彼にとっては書架の王に攻撃されたのと、同じことだったのかもしれない。
 堕ちたる天使の、最後のあがき。その終幕として、かつての友に討たれることは、彼の者にとっての贖罪を意味してしたのかもしれない。
 かくして、天上へ至ろうとする反逆の大天使は、自らもまた書架へと帰ることになった。これが最後のブラキエルではないだろうが、それでも猟兵達の手によって、脅威はまた一つ退けられた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年05月12日


挿絵イラスト