【猟書家の侵攻】雪女と狙撃手
●とある羅刹達の集落周辺にて
とある山岳地帯。そこに猟書家幹部「今川義元」が姿を現す。
「どうやらこの先に羅刹どもが住んでいる集落があるらしいな」
「そのようです。義元様」
その場にいた雪女の一人が義元の言葉に反応した。
「では、我々はこれより羅刹の集落を襲撃いたします」
「集落にいる羅刹どもを狩りつくせ。1人も逃してはならんぞ?まぁ、我も遠距離より狙撃する故、誰一人とて逃れる術などありはしないが」
「はっ、それでは・・・」
雪女たちが出撃していく。その様子を見ながら義元も弓の準備を始めた。
「あ奴らには我が盟友信玄殿が憑装しておる。作戦遂行は問題ないはずだが・・・。念には念を入れておかねばな」
●グリモアベースにて
「皆さま、お集まりいただきありがとうございます。サムライエンパイアで猟書家幹部に動きがありました」
集まった猟兵達にそう告げたのは炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)。
「幹部の名前は『今川義元』。生前は『海道一の弓取り』として名を轟かせた存在だそうです」
サムライエンパイアでも有名な戦国武将であった存在がオブリビオンとなってクルセイダーの配下となったのだ。
「義元はどうやら生前の盟友でもあり魔軍将であった『武田信玄』の魂を「超・魔軍転生」という秘術で召喚し、配下のオブリビオン達に憑装させているようです。配下は『雪女』雪華。雪女の集団ですね」
その雪女の集団に魔軍将が憑装した事で雪女の力が全体的に強化されているようだ。
「義元は山岳地帯にある羅刹の集落を襲撃しているようです。羅刹達を皆殺しにし、その強靭な肉体を使って新たな配下を作り出そうと画策していると思われます」
羅刹達が義元の配下として蘇ったらクルセイダーの目論む「江戸幕府の転覆」という野望の大きな足掛かりとなってしまう事だろう。
羅刹達が全滅する前に義元を何としても撃破せねばならない。
「作戦としては配下の『雪女』雪華を撃破しながら切り込み、その後方にいる義元の元まで辿り着き決着をつける、という形になります」
そこで瑠美は一旦話を止め、表情を引き締め直し猟兵達に忠告した。
「義元は弓での狙撃を間違いなくしてくると思われます。雪女との交戦中に狙われる可能性は高いでしょう。ですが、残念ながらこちらからそのタイミングで反撃する事は叶わないでしょう。しかもその一撃は『仕留めの矢』という命中箇所を破壊する攻撃。当たれば猟兵とて無事では済まないはず。各自何らかの対策をお願いします」
瑠美の必死な表情からその攻撃を万一受けた場合の被害はかすり傷、とはいかない事が容易に想像がついた。最悪義元の所まで辿り着く事が出来ないかもしれない。
「現地では羅刹の皆さんに協力を仰いでいただければ力を貸してくれるはずです。戦力としては皆さんより劣りますが、現地の地形に詳しいはず」
現地の地形を利用すれば狙撃にも対処は可能であろう。
「それでは、皆さん。くれぐれもお気をつけて。ご武運をお祈りしております」
瑠美に転送され猟兵達は羅刹達のいる山岳地帯へ急行するのだった。
●再び羅刹達の集落にて
「敵襲だ、雪女達が集落に攻めてきている。男衆は集落前で迎撃するぞ!」
羅刹達は雪女の襲撃に急ぎ迎撃を始める。だが、その羅刹の中の一人、指揮を執っていた者の隣にいた男がぐらりと倒れ伏した。
「な、狙撃!ど、どこからだ・・・?」
目を凝らしてもその姿は見えない。その間にも次々と矢は放たれ、羅刹達がその餌食となっていく。
「こ、このままでは・・・もたない。どうすれば・・・」
苦悩する羅刹達の前に光が立ち昇り、その光の中より何者かが姿を現す。それが羅刹達にとって救世主となる存在達である事は直ぐに証明される事となる。
黄昏空
MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。このシナリオは猟書家関連シナリオ、2章構成でお送りします。オブリビオンの集団の背後で狙撃する猟書家「今川義元」の元まで辿り着き、直接戦闘に持ちこんで撃破してください。
第1章は『雪女』雪華との集団戦です。雪華は「超・魔軍転生」によって魔軍将「武田信玄」を憑装し全体的に強化されています。
また、この集団戦の際に注意していただきたいのは『戦闘中は猟書家「今川義元」による超長距離射撃が次々と放たれて来る』事です。この射撃は「仕留めの矢」という命中箇所を破壊する攻撃。対策が必須となって来るでしょう。(尚、第1章で直接「今川義元」へ攻撃は出来ません。あくまでこの章で戦うのは『雪女』雪華です)
第2章は猟書家「今川義元」との直接対決です。今川義元は猟書家としての力を制限されてしまう恐れのある「超・魔軍転生」による憑装は行っていません。
また第1章のようなこちらの射程外からの遠距離狙撃は行ってきませんので、その点は安心して下さいね。
このシナリオにはプレイングボーナスがあります。
全章共通:羅刹達と協力して戦う(猟兵ほど強くはありませんが、周辺の山岳地形を熟知しています)
【要注意】第1章のみ:今川義元の遠距離狙撃への対策を行う事(サラッとでいいのでプレイングに盛り込んでください。ない場合は最悪「不採用もしくは失敗」となります)
今回、このシナリオは普段の当方のシナリオ運営のスケジュールとは大きく異なる進行でお送りします。具体的には早ければOP公開の日に1章完結、次の日に2章完結、くらいのは速攻勝負のつもりです。執筆のタイミングで手元にあるプレイングを採用していきます。もしそのタイミングで手元にプレイングがなければ、サポートを積極的に使用して進めていきます。それ故、全てのプレイングを採用は出来ない事を予めお伝えさせていただきます。
戦争開始前に出来る限り猟書家の侵攻を食い止めておきたい為の措置です。よろしくお願いします。
第1章のプレイング受付はOP公開と同時に開始し、執筆は28日(水)から開始するつもりでいます。
それでは皆さんのご参加、お待ちしております。
第1章 集団戦
『『雪女』雪華』
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POW : 氷柱散華
【巨大な氷柱】による素早い一撃を放つ。また、【自壊させて大量の氷柱や氷刃にする】等で身軽になれば、更に加速する。
SPD : 雪華輪
自身が装備する【冷気吹き出る雪結晶】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
WIZ : 我が身は雪と共に在りて
肉体の一部もしくは全部を【吹雪】に変異させ、吹雪の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
イラスト:リタ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
片桐・公明
事前に戦場となる集落周辺の地図を入手し、頭の中に叩きこむ
目的は敵弓兵の狙撃位置の予測
【POW】
敵UCに対して、こちらもUCを利用して踊るように回避しながら接近し
妖刀の一刀で敵を斬り伏せる
五感を研ぎ澄ますと同時に[オーラ防御]を応用することで
周囲の警戒は怠らない
狙撃を感知したら敵の攻撃を強引にでも中止し、大きく回避する
1発目は敢えて撃ち落としたりせずに地面や建物に着弾するのを待つ
矢の方向と記憶した地図から敵弓兵の位置を予測し羅刹に伝聞する
「周囲からの殺意に警戒しながら敵に戦うのは流石にしんどいわね。」
「今度やってみようかしら。」
終始真剣に戦う
(絡み、アドリブ歓迎です。)
「本当はもっと詳細な地図が手に入れば良かったのだけど…仕方ないわね」
グリモア猟兵からなんとかこの場周辺の地形の情報を得た片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)。時間があればより詳細な情報を手に入れられただろうが、今は一刻を争うようだ。
公明が現地へ転送された時に眼前に広がっていた光景は、倒れ伏す羅刹達とそれを蹂躙する雪女たちの姿だった。
「かなり深刻な状況のようねっ!」
不意を突く形で雪女の背後に回り込んだ公明は、妖刀による一撃を加える。
「まだ生きてるわよね?」
「え、援軍…なのか?ありがたい。見えない所から狙撃を受けているようなのだ、かなり危険だぞ」
「ええ、そのようね。まずはその狙撃者の位置を特定しないとね…」
倒れ伏す仲間を庇おうと雪女に立ち塞がっていた羅刹が、援軍の姿を見てホッとする。
「雪女は牽制するから、その間に怪我人を連れて建物の影に避難して?」
「あ、あぁ、分かった」
雪女は先ほど公明に背中から攻撃をされた為、間合いを詰められるのを警戒している。だが、今はその方が好都合だ。公明は『Mathem842』と『臥龍炎』を取り出し二丁拳銃で雪女を牽制する。雪女の冷気攻撃を回避しながら弾丸を撃ち込む。僅かな時間であったが羅刹達の避難完了までの時間稼ぎには事足りた。
「もう大丈夫だ!さぁ、あんたも」
「ええ、同じ位置にずっと立っているのは得策じゃないわね」
公明も素早く近くの物陰に隠れる。
(流石に超遠距離狙撃を連射、までは出来ないみたいね)
雪女との交戦時間は体感ではそれなりの時間経過があったが、実際はわずかな時間。その間に狙撃がなかったのは不幸中の幸いだろう。
「ちょっと聞きたいのだけど、この辺りの地形の情報が知りたいのよ。教えてもらえる?」
「地形か?」
「ええ。敵弓兵の狙撃位置を予測したいの」
「あぁ、なるほどそう言う事か。この周辺はな…」
羅刹も公明の意図を把握しこの周辺情報を素早く公明に伝える。公明は事前に頭に叩き込んだ情報と照らし合わせ情報を更新していく。
「ありがとう、助かったわ」
羅刹達のおかげでより詳細は情報が得られたことで狙撃に有利な場所は目星がついたが、完全には絞り込めない。やはり打って出て、一度相手に撃たせる必要がありそうだ。
「よし、イチかバチか…」
こちらが物陰に隠れた事で、忍び寄ってきていた雪女の前に躍り出る公明。慌てて雪女が氷柱を放つが、それをUCを使って回避する公明。
流れるような動きで雪女の間合いに踏み込んだ公明は妖刀の一刀で切り伏せた。
その直後に微かな風切り音が聞こえた気がした公明、大きく回避し地に伏せる。間髪入れず、公明が立っていた位置の真後ろにある建物に風穴が開く。
敵を倒した直後の一瞬気の緩みやすいタイミング、ここを相手も狙ってくるだろうと予想していた。そう思い全神経を集中していた公明は、その一撃を躱す事に成功する。
「敵の位置が判明したわ、この方角よ!」
候補に挙げていた内の一ヵ所がやはり狙撃位置だったようだ。
「それにしても、周囲からの殺意に警戒しながら敵に戦うのは流石にしんどいわね」
こういう戦い方は結構神経をすり減らすものだ。
(今度やってみようかしら)
狙撃者の元へ急行しながらそんな事を思った公明だった。
大成功
🔵🔵🔵
鹿村・トーゴ
もう何度今川の大将と戦ったやら…執念てのは怖いね
ま、オレも同族皆殺しとか到底受け入れらんねーし何度でも逆らってやるとも
>羅刹
オレも同族、助太刀するよ
敵の弓は神業だ
岩でも大きな木でも緩衝になるものを挟んで投げ槍や弓、投石器で雪女達を狙おーぜ
思いっ切り投げてくれたらオレが【念動力】で援護する
逃げる人達にも隠れながら行けって
羅刹に追い風の強い箇所や遮蔽物の位置など聞いて
UCで敵UCの吹雪を相殺可能なら追い討ち【追跡/暗殺】
岩、家屋の隙間に隠れたら念動力でバラしあぶり出す
本体相手にはUC解除し手にしたクナイで掻き切る
>今川の矢
【野生の勘/聞き耳】警戒し気付けば避難呼び掛け【かばう/激痛耐性】
アドリブ可
(もう何度今川の大将と戦ったやら…執念てのは怖いね)
鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)はこれまでに何度も件の義元と交戦して来ている。オブリビオンとなった存在は過去の存在であり、既に一度死した身。オブリビオンとなってからの記憶は再度蘇った際にはリセットされている事がほとんどである。
今回に関しても以前にトーゴが戦った時の記憶を相手は持っていないだろう。だが、そこは問題ではない。襲撃される側にとってはその時その時こそが重要な局面なのだから。
「ま、オレも同族皆殺しとか到底受け入れらんねーし、何度でも逆らってやるとも」
トーゴとしては、自身と同じ羅刹が毎回被害に遭うこの状況を決して見過ごせないのだ。今度だって同族を救い義元を討つ、と決意しトーゴは転送の輪へ飛び込んだ。
転送されて直ぐ、トーゴは目の前で雪女と交戦する羅刹達の戦列に加わる。
「オレも同族、助太刀するよ!」
「っ?!あぁ、ありがたい!恩に着る!」
負傷した羅刹達に襲い掛かろうとする雪女達。その姿を見たトーゴは忍者としての素早い身のこなしでを相手を翻弄する。
(どこだ、どこから放ってくる?)
トーゴは雪女を翻弄しつつ怪我人を他の羅刹達が避難させる時間を稼ぐ。
「敵の弓は神業だ!オレが時間を稼ぐ間に怪我人を避難させる人は隠れながら移動してくれ!」
「あぁ、分かった!」
トーゴのアドバイスに従い、怪我人を背負った羅刹達は物陰に隠れながら移動を開始した。
「よし、後は…。迎撃に出るメンバーは聞いてくれ!岩でも大きな木でも緩衝になるものなら何でもいい。ブン投げてくれればそれをオレが援護する。そいつをバリケードにして雪女達を狙おーぜ!」
「おぉ!そうか、バリケードを作れば…。よし、皆、やるぞ!」
数人掛かりで持ち上げた大岩や大木を羅刹達がブン投げる。それをトーゴが念動力で援護し、自分達と雪女達の前に大きなバリケードが出来上がった。
「よし、ここから反撃開始だ!」
「おおぉっ!」
トーゴの声に応え羅刹達も反撃に移る!遮蔽物ごしに投げ槍や弓、投石で雪女達に攻撃を仕掛け始めた。
だが、こちらが態勢を整える事を相手は良しとはしないだろう。必ずこっちに攻撃を仕掛けて来るはずだ。
雪女と交戦しつつも周囲の物音に全神経を集中させる。
「…っ!やっぱりか!皆、伏せろっ!」
近くにいた羅刹を庇い地面へ伏せるトーゴ。その頭上を風切り音が通過していく。間一髪だったようだ。
「た、助かった。ありがとう」
「物陰から身を乗り出すのは気を付けた方がいい。相手の恐ろしさは何度も経験してる」
(さて、敵の弓への対処は出来た。後は雪女達をなんとかしなきゃな…)
雪女達は遮蔽物ごしの一方的な攻撃に痺れを切らしたようだ。自身の体を吹雪に変えこちらを凍てつかせようと試みて来た。
「!?なら相殺してやる!燈の花は刀の禍に転じて靡け黄の菜花…、菜靡の術な!」
自身の武器達を菜の花の花びらに変え、吹雪にぶつける!ある程度層を形成した花びら達は吹雪の一撃をかろうじて耐え凌いだ。
一撃を耐えきられた雪女は吹雪の状態を解除する。
「その隙を逃すもんか!」
素早く接近したトーゴのクナイが実体かした雪女の首を掻き切った!
大成功
🔵🔵🔵
スピレイル・ナトゥア(サポート)
精霊を信仰する部族の巫女姫です
好奇心旺盛な性格で、世界をオブリビオンのいない平和な状態に戻して、楽しく旅をするために戦っています
自分の生命を危険に晒してでも、被害者の方々の生命を救おうとします
技能は【第六感】と【援護射撃】と【オーラ防御】を主に使用します
精霊印の突撃銃を武器に、弾幕を張ったり、味方を援護したりする専用スタイルです(前衛はみなさんに任せました!)
情報収集や交渉のときには、自前の猫耳をふりふり揺らして【誘惑】を
接近戦の場合は精霊の護身用ナイフで【捨て身の一撃】を繰り出します
マスター様ごとの描写の違いを楽しみにしている改造巫女服娘なので、ぜひサポート参加させてくださると嬉しいです!
春夏秋冬・ちよ(サポート)
風景画が趣味のお節介な旅老猫
優しいお婆ちゃん猫で猟兵としての経験は浅いですが、アルダワの学生としてとても長い間戦い続けた歴戦の戦士です
口調はステシをベースに優しいお婆ちゃんをイメージ
動物と会話して道や情報等を得ます
UCは竜を疑似再現、その力を借りる物
何の竜の力かは状況、やりたい事によって指定を
(例:火竜・刃竜・筋肉竜等々 真面目からネタまで可)
戦闘は素早い身のこなしで回避重視、杖か閉じた傘(又はUC)による鋭い攻撃
所謂蝶のように舞い、蜂のように刺す
得意技はUCで騎乗か飛行してのランスチャージ
一人称追加・おばあちゃん
禁止事項
真の姿の解放(覚醒)
UC『凶夢の魔竜騎士』二種の併用
公序良俗に反する行動
「山岳地帯…なのね、ここは。戦いが終わったら少し周りを見てみたいわ。風景画に良さそうな場所があるかもしれないし」
春夏秋冬・ちよ(旅する老猫・f19400)は転送された先の景色を見渡す。ちよは33cmの猫。それ故に周りの景色はどこも壮大に見えるものだ。まずは猟書家幹部とやらを倒してからになるが…。
「周囲を見て回るのですか?私も興味があるから、終わったら散策してみようかしら?」
スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)もちよと同じような感想を抱いた。
「あら?もしかして…」
「旅とか、お好きですか?私もです」
偶然であるが、ちよもスピレイルも旅が好きなようだ。
意気投合した2人、戦いの後の楽しみが出来た。なら、今はまず目の前の戦いを終わらせるのみ、である。
「私、おばあちゃんなのもあるけれど、羅刹さん達を救出するには向いていないのよね…。羅刹さん達の方はお任せしても大丈夫かしら?」
「ええ、大丈夫です。ちょうど私の方は援護や救助を得意としていますし」
「ありがたいわ。それならおばあちゃんは少し、雪女さん達を懲らしめに行ってこようかしらね」
「お気をつけて。…さぁ、皆さん、危ないので避難しましょう。私が援護しますので」
戦い方がちょうど上手く噛み合わさる形となった。ちよが打って出て、スピレイルが後方支援という役割分担が出来た。
ちよが建物の影から雪女達の方へ歩み寄っていくのを確認し、スピレイルは精霊印の突撃銃を手に羅刹達の避難を促す。
敵陣へ切り込んだちよ。その背丈故か義元の狙撃も自身へは当たらない、どころか気が付かれていない可能性もある。まさか、義元も猫が戦場へやってくるなど想定していなかっただろう。それもただの猫なら戦況を覆すことなど出来ないから放置であるだろうが…。生憎とちよは猟兵の一人だ。この戦況を覆す力も持っている。
「これ以上羅刹さん達を傷付けるのはやめてくれないかしらね?」
一瞬目の前に現れた二本足で立つ老猫が自分に語り掛けてきたのを唖然とした表情で見つめた雪女。
「…、義元様の命は絶対。引く事はありません」
「…そう、残念ね。じゃあ、おばあちゃんも猟兵の一人として行動させてもらうわね」
ちよはUCを発動させる。
「術式展開、再現するは竜の牙」
手に持った傘に火竜の力を顕現させる。その様子を見た雪女も敵意をむき出しにしちよへ攻撃を仕掛けて来る!雪女は体の一部を吹雪に変えてちよに襲い掛かったのだ。
吹き付ける吹雪、小さな猫のちよなど、ひとたまりもあるまい。…そう思っていた雪女だが。
「あらあら…ちょっと寒いわね。この傘がなかったら凍えてしまう所だったわ」
火竜の力が顕現した傘はちよを吹雪から守っていた。
「なっ、馬鹿なっ」
「じゃあ、今度はおばあちゃんの番ね」
慌ててちよに向け小さな氷柱を生成し放つ雪女。だが、その氷柱をちよは素早く回避する。
素早いフットワークで徐々に雪女との間合いを詰めていくちよ、その手には閉じた傘が。
「少しお灸を据えさせてもらうわよ?」
火を纏った傘の先端が雪女を穿つ。高熱に雪女の体は耐えきれず蒸発、骸の海へと還っていった。
「さて…次の子はどこかしらね」
グリモア猟兵の話では雪女達には魔軍将という存在達が憑りついたような状態のようだ。今の子のようにこちらの話は聞いてもらえないかもしれない。
「次の子は話を聞いてくれるといいのだけれど…」
襲われている羅刹達にこれ以上被害を出させない為にも、戦わねばならないだろう。心優しい老猫はため息をつきながら次の雪女の姿を探すのだった。
「どうやら、あの方の方も上手くいっているようですね」
建物に身をひそめながらスピレイルは突撃銃で近寄って来る雪女を迎撃する。雪女が放った小型の氷柱を銃で撃ち落としていく。
幸いにしてちよが切り込んでくれたおかげでそちらへの対応に追われているのか、スピレイルの方へ向かってくる雪女の数は多くない。
周囲で他の猟兵達も行動しているのもあるだろう。徐々に負傷者の避難は進んで行っている。
(もうじきこの周辺にいる方々の避難は完了しますね。あと一息です)
今一度気を引き締め直すスピレイル。物陰からの攻撃をしている間も、時折遠くから弓が狙撃していると思われる音が聞こえてくる。
キマイラである彼女は人間の聴覚よりも鋭敏だ。音を聴きつけたら素早く物陰に隠れるようにしている。
先程別れた優しそうな老猫が無事であってくれる事を信じ、スピレイルも自分のすべき事を成していく。
「援護感謝する、お嬢さん。これでこっちは避難は完了した」
羅刹達が自分達を支えてくれたスピレイルに感謝の意を述べる。
「この戦況を打開するまでは安心は出来ませんけれどね。ですが、良かったです」
それならばそろそろ自分も打って出る番だろう。先程から弓が飛んでくる方向はある程度定まっている。そちらへ進むのは得策ではないだろう。
「今飛んでいる方向には進むのは危険なのですけれど…、目の前の敵へ回り込む道はあるでしょうか?」
「あぁ、それなら、この先にあるぞ」
上手く回り込めそうな道を羅刹達が知っていた。
「では、私は回り込んで倒してきます。ご無理なされない範囲でここをお願いしますね」
「わかった、どうか無事で。先程の老猫も、大丈夫…だよな?」
「ええ、もちろんです。この後に楽しみもあるのですから、無事ですよ。それでは」
スピレイルは身を潜めながら雪女の背後に回り込む為、移動を開始した。
義元の狙撃を躱し、上手く背後に回り込めたスピレイル。背後より突撃銃で銃弾を叩き込む。炎の精霊の力を宿した弾丸は雪女への対処にもってこいだった。が、流石にそれだけで致命傷は与えられなかったようだ。
反撃で雪女が巨大な氷柱を生成し始める。それを第六感で感じ取ったスピレイルは自身の前方にUCで炎の精霊を呼び出す。巨大な氷柱と炎の精霊が衝突し…。氷柱は破壊された。
「なっ、あの一撃を?!」
唖然とする雪女の隙を突く形でスピレイルは一気に間合いを詰める。護身用ナイフを持ったスピレイルが駆け抜け…捨て身の一撃が深く、雪女に突き刺さる。
「これで、ひとまずこの場は何とかなりそうでしょうか」
唖然とした表情のまま倒れ込み骸の海へと還っていく雪女を見て、スピレイルはそう呟いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
さて、何とかやってみましょう。
まずは羅刹さん達に協力のお話を。
人手の不足する場所と、その場の地形を聞いた上で『FBS』を四肢に嵌め飛行して向かいますねぇ。
『FMS』によるバリアで羅刹の皆さんを保護、【乳焔海】を発動し、周囲の雪女さん達に広域への[範囲攻撃]を仕掛けましょう。
相手の武器は『氷柱』とのことですから、それ自体を溶かしてしまえば対処になりますし、細かくすれば溶けるのも早まりますぅ。
また、この『波動』に『矢』を巻込むことで、私に届く前に焼け落ちるか、威力は低下しますので『FSS』のシールドで防げるでしょう。
後は『FRS』の[砲撃]で追撃、確実に叩いて参りますねぇ。
ラモート・アンゲルス
「再役割『護り防ぐ者』」
お姉さんの姿から三対の六枚翼の騎士に姿を変える。
武器は阻み徹する盾と燃ゆる六枚翼と侵犯を滅す篝火(白剣)のみ。
篝火を豪快に振るい剣とフレイルで敵を弾き飛ばしつつ、UCにより敵の視点から攻撃を読み切り対象します。今川の弓矢は吹き飛ばした雪女で防ぎます。
「さて、何とかやってみましょう。まずは羅刹さん達に協力のお話をした方がよろしいでしょうかぁ」
そういうと羅刹達に現状の把握に乗り出した夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。羅刹達から人手不足となっている場所、及びその場所の地形を詳しく聞き出す。
その後、聞き出した場所へ向かう為小箱より戦輪を取り出し四肢にはめるるこる。
その様子を見たもう1人の猟兵もそれに続く。
「こちらも同行しましょう」
ラモート・アンゲルス(生きた概念・f18548)は転送直後のお姉さんの姿から三対の六枚翼の騎士に姿を変えた。アンゲルスは概念が肉体と自我を持った存在。その時その時で最適な姿へ変わる事が可能なのだ。2人は飛行しつつ現場へ急行する。
暫くの飛行の後、るこるとアンゲルスの2人は羅刹から聞き出した戦域へと舞い降りた。
確かに羅刹の情報通りこちらの方は怪我人が多く、雪女達への対処が足りていないようだ。
「再役割『護り防ぐ者』。羅刹達の守りは任されました。貴殿は敵の殲滅をお願いします」
「はい、それでは私の方は砲撃をメインに雪女さん達の撃破を優先しますねぇ」
るこるは砲撃による雪女殲滅を、アンゲルスは羅刹達の防衛を、それぞれメインに行動を開始する。
るこるの方ではアンゲルスから比較的距離がある羅刹達の元へバリアを発生させる円盤を放ち、バリアを形成するようにした。
バリアで守っている間はしばらく敵の攻撃も凌げるだろう。その間に他の羅刹達をアンゲルスが護衛し、安全な場所まで退避させるのだ。
一方、アンゲルスの方は義元からの狙撃に対しても対処を行う。るこるが砲撃で敵の数を減らしてくれるだろうが、元より戦局が不利な戦場だ。敵の数はまだそれなりにいる事だろう。
その隙をついて狙撃されては守り切れない。その為の対処をアンゲルスの方でも行っておくつもりだ。
「では、攻撃を開始しますねぇ。覚悟してくださいぃ」
るこるは再び飛翔しその状態からUC【豊乳女神の加護・乳焔海】を発動させる。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの理をここに」
るこるを取り巻く様に女神の波動が辺りを覆う。その範囲内にいた雪女達が苦しみ始めた。
よく見ると体が徐々に溶け始めているのだ。るこるのUCは範囲内の敵を燃やす事が可能だ。乳白色の炎に包まれ、それに耐えきれなかった雪女は次々と消滅していく。
かろうじて耐えている者もいるが、上空にいるるこるへ攻撃が届かない。氷柱を作り出してもそのたびに辺りに充満する波動により溶けてしまうのだ。
「耐えきっている方も何人かいるようですねぇ。では、その方達には砲撃を…」
るこるの両腕に装着された固定砲台が2門が火を吹く!
るこるのUCにかろうじて耐えていた雪女達はそれ以上の攻撃を受け、なす術もなく消滅していった。
そこへ義元のものと思われる矢が!るこるは素早くビームシールドを何層にも重ね、展開した。
UCに接触した矢は威力を軽減しているものの、流石に部位破壊するほどの威力の矢だ。一番最初に矢に衝突したビームシールドで凌ぐ事は出来たものの、ビームシールドに罅が入った。
「威力が削がれて、尚この威力、ですかぁ。あまり何度も食らうのは得策ではないかもしれないですねぇ」
幸いにしてビームシールドは8個ある。一撃で破壊はされなかったのでしばらくはもつであろうが、念には念を入れておいた方がいいだろう。
素早く雪女達を殲滅するよう意識するるこるであった。
「さて、こちらは何とかなりそうですが…。あの方の方はどうでしょうか?」
役割分担をした以上、各々の役割を全うするだけではある。雪女達の数もかなりを減らしているので羅刹達の防衛の方も邪魔が入りにくい状況になっているはずであるが。
「今は、とりあえず殲滅を優先、ですかねぇ」
一方その頃アンゲルスは…。負傷する仲間に肩を貸し避難する羅刹の前に立ち、敵を迎撃していた。
アンゲルスは盾を構え、次々と襲い来る雪女の操る雪結晶を防ぐ。アンゲルスの盾も彼女と同様元々概念より生み出された物。それ故か、見た目よりも数倍の守備範囲を持っている。
「利きませんよ、そのような攻撃は」
「…何故、あの位置の攻撃が防がれるの?」
雪女側としては、盾のカバー出来ないはずの範囲から仕掛けた雪結晶までも見えない壁にぶつかったかのように粉砕されて消えていくという、摩訶不思議な状況を体験していた。
そして盾を持たない方の手に持つ武器も…やや不思議な形状をしていた。刀身が揺らめいてまるで松明のような両刃剣、そうかと思えばフレイルへと変形し相手を吹き飛ばす。まさに概念から生まれたアンゲルスらしい、姿を変える武器なのだ。
護衛していた羅刹達が安全圏に到達したのを確認し、その場にいる敵の排除に回る。
「そろそろこちらから仕掛けさせてもらいます」
盾を構えた防御体制から一気に攻勢に出たアンゲルス。雪結晶を両刃剣が切り裂き、間合いを詰めたアンゲルスはフレイルで雪女を後方へ弾き飛ばした。
その雪女に対しアンゲルスはUCを発動させる。
「『』を欺くことなど出来はしない」
アンゲルスは雪女の視界を盗み見た。雪女は弾き飛ばされながら、後方のある一点を見ている。そう、自分達の後方より援護射撃をしている今川義元、という自分達の主のいる場所を。
雪女にとって不利な状況である今、頼るべき存在の所在を確認するのは自然の流れであった。そこをアンゲルスは突いたのだ。
「なるほど、その方向ですか」
相手がこちらの視界外の超遠距離攻撃とはいえ、放ってくる方向が完全に特定出来れば、そちらをマークすればいいだけ。
狙撃手にとってその待機位置が特定されるのは致命的な事なのだ。幸いにして敵の視覚を盗んでの行動故、義元どころか盗み見られている雪女にさえアンゲルスの行動はバレていないだろう。
雪女の視覚より矢が放たれてくるのが見えた。アンゲルスはその射線上へ雪女を吹き飛ばす!
吹き飛ばされた雪女は主の矢にて穿たれ、骸の海へと還っていく。
「次の護衛対象は…あちらですか」
るこるがバリアで守ってくれている羅刹の元へ急行するアンゲルスだった。
不利な状況であった戦場だったが、るこるとアンゲルスの活躍により雪女の侵攻を阻止し逆に殲滅する事に成功するのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『今川義元』
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POW : 仕留めの矢
【大弓の一矢】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : 鷹の目
【大弓】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【癖】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ : 飛鳥墜とし
対象のユーベルコードに対し【、蹴鞠の要領で体勢を崩すほどに強烈な蹴り】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:鴇田ケイ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ケーレス・ネメシア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
猟兵達は雪女の群れを突破し義元の元まで急行していた。負傷した羅刹達は彼らの拠点へ避難が完了し、動ける者達は猟兵達と共に進行していた。羅刹達のおかげで狙撃されにくい箇所を移動しながら義元まで接近出来たのだ。
「まさか、信玄殿が憑装した雪女達を全滅させるとは…」
猟兵達も義元の姿を目視で確認出来る位置までやって来た。もう得意の超遠距離射撃も不可能であろう。
「…ならば、我が一人残らず討ち取るのみ。覚悟せよ」
猟書家幹部、今川義元が猟兵達の前に立ち塞がる!
今こそ決戦の時だ。
公明は戦える羅刹達と共に義元へ接近戦を挑む!
「そうはさせるか!我が弓にて射抜いてくれるっ!」
まずは先頭を走る公明に狙いを定めた義元。大弓を引き絞り…、矢を放つ!
だが、近接戦闘を得意とする公明にそのような攻撃は通用しない。
「狙ってくる位置はまるわかりなんだよっ」
相手の足元、目線、射撃体勢など…、判断材料はいくらでもある。近接戦闘は『いかに敵の間合いに踏み込み、自分の間合いまで詰めるか』が勝負なのだから。
公明の戦闘センスと積み上げて来た経験、それが義元を上回ったのだ!
義元が弓を引き絞った時点で、公明は得られた情報から放たれる矢が描く軌跡は見て取れた。矢を放たれる瞬間にはその軌跡上から回避し、飛んで来た矢を自身の後方の羅刹達に当たらぬ様に妖刀で叩き落す。
「さっきからこそこそしやがって。『海道一の弓取り』も大したことないなぁ」
「なんだとっ!我を愚弄するかっ!」
妖刀を手に肉薄してくる公明に弓は通じない。塞がった両手の代わりに足技で必死に迎撃しようとする義元。
だが、義元にとって敵は公明だけではない。公明には圧倒的に及ばないものの羅刹達も詰めて来ているのだ。羅刹達の刀、槍を必死に回避しもはや防戦一方の義元。
「どうしたんだい?得意の弓はもう撃って来ないのかい?」
「くそっ、おのれっ!」
激高する義元、その頬を何かが掠っていく。ツツ―っと自身の頬を伝う血に、攻撃が掠った事を理解した。敵の攻撃は全て回避したはず。いや、今のは近接武器の類ではない。
「っ、まさかっ!おのれっ、我を狙撃するか!」
「さて、最初の一発は挨拶代わりよ」
狙撃したのは公明だった。そう、今まさに妖刀で義元に切りかかっているのは実は公明の分身。UC【邪悪なる別人格】を予め発動していたのだ。
殺意を抑え一射しては、移動する。義元にこちらの位置を把握させないためだ。
「これはさっきあんた達がやった戦法だよ」
こうして冷静に状況を眺められる立ち位置にいる公明には、義元がいかに翻弄され追い詰められていくかが手に取るようにわかるのだ。意趣返しともいえる。
先程の戦い、神経をすり減らすかのような戦いを強いられた。今度はこちらの番だ。
(目に見える脅威と目に見えない脅威。奴はどのように対応するかしら)
本体である狙撃者の公明は冷静に対処を続ける。分身との息は無論ぴったり。上手くこちらが狙撃しやすいタイミングで体を逸らしてくれる。仮にこちらの攻撃が当たらずとも、攻撃によって義元は神経をすり減らしていくだろう。
「さぁ、この状況、覆してごらんよ『海道一の弓取り』。お手並み拝見、と言う奴だ」
切り結ぶ公明の分身が義元を挑発する。「出来るものならやってみろ」と。
それに反論する隙も与えない遠近両方の攻撃の嵐に、悔し気な表情の義元。得意の弓は封じられ、分身の公明の攻撃をなんとか蹴りで迎撃はしているものの、その体には切り傷が目に見えて増えていく。
もはや先程の雪女達との戦いの時とは状況が逆だ。じわりじわりと二人の公明は義元の心身を疲弊させていくのだった。
==================================
(MSより)
操作ミスによりプレイング部分の送信を先にしてしまいました。申し訳ありません。
ここより本来のリプレイとなります。
===================================
(読みやすさの為、再度断章を記載の後、リプレイの掲載を開始します)
猟兵達は雪女の群れを突破し義元の元まで急行していた。負傷した羅刹達は彼らの拠点へ避難が完了し、動ける者達は猟兵達と共に進行していた。羅刹達のおかげで狙撃されにくい箇所を移動しながら義元まで接近出来たのだ。
「まさか、信玄殿が憑装した雪女達を全滅させるとは…」
猟兵達も義元の姿を目視で確認出来る位置までやって来た。もう得意の超遠距離射撃も不可能であろう。
「…ならば、我が一人残らず討ち取るのみ。覚悟せよ」
猟書家幹部、今川義元が猟兵達の前に立ち塞がる!
今こそ決戦の時だ。
片桐・公明
【SPD】
分身前衛、本体後衛の形を維持して戦う
分身は羅刹を率いて接敵
妖刀による接近戦と挑発することで相手の注意をこちらに引き付ける
分「さっきからこそこそしやがって。『海道一の弓取り』も大したことないなぁ。」
本体は敵が感知できないギリギリの距離から拳銃で狙撃する
殺意を抑え、常に周囲を動き回ることで、狙撃位置を特定できないようにする
戦い方は先の雪女との戦い方を意識したものである
本(目に見える脅威と目に見えない脅威。奴はどのように対応するかしら。)
分「お手並み拝見、と言う奴だ。」
(絡み、アドリブ歓迎です。)
公明は戦える羅刹達と共に義元へ接近戦を挑む!
「そうはさせるか!我が弓にて射抜いてくれるっ!」
まずは先頭を走る公明に狙いを定めた義元。大弓を引き絞り…、矢を放つ!
だが、近接戦闘を得意とする公明にそのような攻撃は通用しない。
「狙ってくる位置はまるわかりなんだよっ」
相手の足元、目線、射撃体勢など…、判断材料はいくらでもある。近接戦闘は『いかに敵の間合いに踏み込み、自分の間合いまで詰めるか』が勝負なのだから。
公明の戦闘センスと積み上げて来た経験、それが義元を上回ったのだ!
義元が弓を引き絞った時点で、公明は得られた情報から放たれる矢が描く軌跡は見て取れた。矢を放たれる瞬間にはその軌跡上から回避し、飛んで来た矢を自身の後方の羅刹達に当たらぬ様に妖刀で叩き落す。
「さっきからこそこそしやがって。『海道一の弓取り』も大したことないなぁ」
「なんだとっ!我を愚弄するかっ!」
妖刀を手に肉薄してくる公明に弓は通じない。塞がった両手の代わりに足技で必死に迎撃しようとする義元。
だが、義元にとって敵は公明だけではない。公明には圧倒的に及ばないものの羅刹達も詰めて来ているのだ。羅刹達の刀、槍を必死に回避しもはや防戦一方の義元。
「どうしたんだい?得意の弓はもう撃って来ないのかい?」
「くそっ、おのれっ!」
激高する義元、その頬を何かが掠っていく。ツツ―っと自身の頬を伝う血に、攻撃が掠った事を理解した。敵の攻撃は全て回避したはず。いや、今のは近接武器の類ではない。
「っ、まさかっ!おのれっ、我を狙撃するか!」
「さて、最初の一発は挨拶代わりよ」
狙撃したのは公明だった。そう、今まさに妖刀で義元に切りかかっているのは実は公明の分身。UC【邪悪なる別人格】を予め発動していたのだ。
殺意を抑え一射しては、移動する。義元にこちらの位置を把握させないためだ。
「これはさっきあんた達がやった戦法だよ」
こうして冷静に状況を眺められる立ち位置にいる公明には、義元がいかに翻弄され追い詰められていくかが手に取るようにわかるのだ。意趣返しともいえる。
先程の戦い、神経をすり減らすかのような戦いを強いられた。今度はこちらの番だ。
(目に見える脅威と目に見えない脅威。奴はどのように対応するかしら)
本体である狙撃者の公明は冷静に対処を続ける。分身との息は無論ぴったり。上手くこちらが狙撃しやすいタイミングで体を逸らしてくれる。仮にこちらの攻撃が当たらずとも、攻撃によって義元は神経をすり減らしていくだろう。
「さぁ、この状況、覆してごらんよ『海道一の弓取り』。お手並み拝見、と言う奴だ」
切り結ぶ公明の分身が義元を挑発する。「出来るものならやってみろ」と。
それに反論する隙も与えない遠近両方の攻撃の嵐に、悔し気な表情の義元。得意の弓は封じられ、分身の公明の攻撃をなんとか蹴りで迎撃はしているものの、その体には切り傷が目に見えて増えていく。
もはや先程の雪女達との戦いの時とは状況が逆だ。じわりじわりと二人の公明は義元の心身を疲弊させていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
無事発見の様ですねぇ。
それでは、始めましょうかぁ。
『FMS』をご案内下さった羅刹の皆さんの周囲に展開、バリアによりガードしますぅ。
そして【万華】を発動、全身を『雷』に変換しますねぇ。
相手は幹部猟書家、実態の曖昧な『雷』であっても『矢』が当たればダメージを通してくる可能性は高いですが、この状態であれば『光速での移動と回避』が可能ですから、攻撃より回避に重点を置いてのヒット&アウェイで仕掛けますぅ。
『FRS』『FSS』は義元さんを囲うように展開し複数方位からの[砲撃]、更に変化した私自身による『雷撃』と『FBS』による斬撃を合わせ、注意を散らしつつ確実に叩いて参りますねぇ。
心身をすり減らす義元へさらなる追撃が襲い掛かる。
(無事発見の様ですねぇ。それでは、始めましょうかぁ)
るこるはこの場まで案内してくれた羅刹達に小箱より取り出した円盤を展開する。これで義元の必殺の一矢でも来ない限りは羅刹達は安泰であろう。
羅刹達への安全対策を行ったるこるは続けてUCを発動させる。
「大いなる豊饒の女神、その象徴せし欠片の一つを我が身へ」
UC【豊乳女神の加護・万華】により、るこるの全身は雷へと変換されていった。
「くっ、今度も猟兵はまた面妖なっ」
義元は牽制の為にるこるへ向け一射する。だが、義元のその一撃は雷となったるこるの光速の動きによって回避される。器用に二本を番え放った矢も虚しく空を切り裂く。
(どうやら速度はこちらの方が上のようですねぇ…。後、気を付けるべきは『仕留めの矢』くらいでしょうかぁ)
光速移動を一旦中止したるこる、義元はそれをるこるがスタミナ切れでも起こしたのかと勘違いした。
「ふっ、そのような動きは長くはもたなかったようだな。その隙を見逃すと思うな!」
今まで放った一撃よりもより強く引き絞られる弦。そしてるこるを穿とうとする必殺の一撃が放たれた!
襲い来る仕留めの矢をるこるは、そう、何事もなかったかのようにひらりと回避する。
「なっ…」
絶句する義元。そう、彼はその一撃をワザと撃たせられたのだ。そう気が付いた時には既にるこるが目の前に迫っていた!
迎撃しようと構える間もなく、気が付いた時には義元は腕を切り裂かれる。
るこるを必死に目で追う義元は、その手に光の刃を持っている事に気が付いた。
「いつも間にあのような武器を」
先程は持っていなかったはずだ。「回避だけではない、攻撃も仕掛けて来るつもりだ」と義元の中で警戒感がさらに増した。だが、対処のしようがない。
(確かにあの一撃は「当たれば」こちらも被害が出ていたかもしれませんねぇ。ですが、回避を優先で動けばなんとかなりそうですぅ)
わざと放たせた仕留めの矢。通常の矢を射る時との挙動の差は明らかだった。これで以後はるこるにはもう、矢での攻撃は通用しないであろう。
「義元さんの手は出尽くしたでしょうかぁ?では、ここからは反撃させてもらいますねぇ」
るこるは小箱より取り出した武装を義元を包囲するように展開していく。ビームシールドは一部、先程の戦闘で損傷はしているが、ビーム砲は健在だ。それ以外にも浮遊する砲門16台が獲物を狙うように義元に狙いを定める。
「くそっ!叩き落してくれるっ!」
砲門を撃ち落とそうとする義元に再びるこるが迫る。手に持った戦輪から発生したビームの刃に全身の雷の一部を付与し斬りつける。ヒット&アウェイで切り込み義元を攪乱、その隙を突いて包囲したビーム砲と砲門が一斉攻撃を行う。
るこるが脳波で操作する砲撃は一糸乱れず、まるで指揮された砲撃部隊が攻撃するかのように義元へ攻撃を叩き込んでいく。
義元は行動を封じられどんどん消耗していく事となるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
鹿村・トーゴ
大将のお出ましか…
(羅刹達に)アンタ達は敵より高所を取れて風向きも良い身を隠せる場所、よく知ってるだろ
そこから投石とかで敵へ妨害をして欲しい
アイツ見た目は人間だけど羅刹を根絶やしに、とか恨んでる亡霊だからな…勘付かれた即逃げてくれ
オレも奴の獲物の羅刹
前に出れば囮になれる
今川の大将、羅刹の里は落とさせない
下っ端のオレで悪りィが相手して貰う…!
声掛け気を引き正面から手裏剣を打ち【だまし討ち】
別口で【念動力/投擲】で羅刹達の投石に紛れてクナイを撃つ
UCの発動条件のため命中させたい
外したら素早さ活かし接近、近距離クナイで斬り付け
敵UCは【視力/野生の勘】で避け
被弾は【激痛耐性】今は攻撃に注力
アドリブ可
「とうとう大将のお出ましか」
負傷しながらも猟兵達と交戦を続ける義元、その姿に執念を見たトーゴ。その凄まじき執念は何度蘇ろうとも変わらないようだ。
トーゴと共にこの場まで来た羅刹達に目配せし小声で声を掛ける。
「アンタ達は敵より高所を取れて風向きも良い身を隠せる場所、よく知ってるだろ。そこから投石とかで敵へ妨害をして欲しい」
「あぁ、それは構わないが…。お前はどうするつもりなんだ。まさか一人で立ち向かうつもりか!?」
「オレも奴の獲物の羅刹。前に出れば囮になれる」
「自殺行為だ!俺達も助太刀に…」
「駄目だ!アイツ見た目は人間だけど羅刹を根絶やしに、とか恨んでる亡霊だからな…。勘付かれたら、即逃げてくれ!」
「し、しかし…」
「オレだって猟兵だ。それに…アイツとは何度も戦ってきているな」
1人で向かおうとするトーゴを必死に引き留めようとする羅刹達だが、トーゴの意志が固い事が、覚悟が伝わって来て口を閉ざす。
「分かった…。無事でな」
「あぁ、アンタ達もな」
羅刹達がその場を立ち去ったのを確認し、義元へ歩を進める。トーゴの姿を見て獲物を狙う獣のような表情を浮かべた。
「貴様、羅刹だな。貴様達を根絶やしにするのが我の、我の望みだ」
今の義元には羅刹達の命を奪った後の事はもはや頭にない。「根絶やしにする」という執念だけが彼を突き動かしていた。
「あぁ、そうだ。オレはアンタが狙ってる羅刹の一人だよ。今川の大将、羅刹の里は落とさせない」
「貴様さえ、貴様達さえっ!」
ギリギリと大弓を引き絞る義元。今までの経験からトーゴは仕留めの矢が放たれようとしている事を感じ取った。後は放つタイミングさえわかれば、躱せるはずだ!トーゴは今までの自分の経験を信じた。
「下っ端のオレで悪りィが相手して貰う…!」
「ぬかせっ羅刹ごときがっ!」
義元より必殺の矢が放たれる!目を見開き、野生の勘を頼りにトーゴはその一撃を紙一重で躱す。摩擦で頬が切れたのか焼けつくような痛みがあるが、今は攻撃に集中するトーゴ。回避した態勢のまま義元へ手裏剣を放った!
一撃を放った直後なだけに義元はそれを回避する事が出来ない!深手ではないが義元の体に手裏剣が突き刺さる。
「くっ、このような飛び道具などに我がっ!」
「次の一撃は放たせないっ!」
忍者故の身のこなしで手裏剣を放った直後に態勢を整えたトーゴは、一気に間合いを詰める!
「させるかっ!」
手裏剣を引き抜いた義元は素早い蹴りでトーゴを迎撃する。蹴りを腹に食らいトーゴは弾き飛ばされるが、受け身を取りダメージを軽減した。
「まさか、あの状態から間合いを詰めて来るとは…恐ろしい奴め。だが、接近戦でも我は対処は可能だ。どうする、羅刹の小僧」
(…そろそろ、頃合いか。頼むぜ皆)
「今だ!やってくれ!」
トーゴは声を張り上げる!すると頭上より多数の投石が義元を目がけて落ちて来た。
「なにっ!」
そちらへ視線が向いた隙を突き再び手裏剣を放つトーゴ。
「そう何度も同じ手が…。ぐっ、な、なに…」
手裏剣を回避したはずなのに体に痛みを感じた義元。どこからともなく飛んで来たクナイが自身に突き刺さっていた。しかも何かがジワリと自身の中に流れ込むのを感じる。
「く、まさか…これは毒…か」
「オレ達の作戦勝ちだ。今川の大将」
再びトーゴはクナイを手に義元へ切りかかっていった!
大成功
🔵🔵🔵
六代目・松座衛門(サポート)
ヤドリガミの人形遣い×UDCメカニック。人形を用いて異形(オブリビオン)を狩る人形操術「鬼猟流」の使い手です。
ヤドリガミの特徴である本体は、腰に付けている十字形の人形操作板です。
普段は「自分、~君、~さん、だ、だろう、なのか?)」と砕けた口調で、戦闘中は言い捨てを多用します。
UCは全て人形を介した物で、非常に多数の敵を相手にする場合以外は、人形「暁闇」か、その場にある生物を模った物を操り戦います。
人形「暁闇」:「鬼猟流」に最適化された人形で、自律しません。操作糸を介した操作の他、ワイヤーガンやフレイルのように扱いつつ、UCを発動させます。
機械的な仕掛け(からくり等)に興味があります。
ラモート・アンゲルス
「夷であるとはいえ汝に敬意を払い、その終わりを委ねよう。鬼として終わるか。人として終わるか」
姿および装備は一章から継続。
返答次第で武器を変え、鬼ならば容赦なくフレイルで叩き潰し、人ならば正々堂々戦い剣でその首を刎ねる。
「夷であるとはいえ汝に敬意を払い、その終わりを委ねよう。鬼として終わるか。人として終わるか。汝はどちらを選ぶ?」
六枚翼の騎士姿のアンゲルスが義元に問いかける。
「貴様、裁定者にでもなったつもりか!ふざけるな!」
毒の回った体でそれでも執念で立ち上がりアンゲルスへ矢を放とうとする義元。
「まだ、抗うか。ならば問いに応えるまで叩き伏せるのみ」
大剣にもフレイルにも変化する武器を手にアンゲルスは攻撃態勢に入る。
「ならば、自分も助太刀させてもらおう。今川義元、この『鬼猟流』が相手になってやる!」
六代目・松座衛門(とある人形操術の亡霊・f02931)がアンゲルスと共に攻撃を仕掛ける。
松座衛門は腰に付けた十字形の人形操作盤を巧みに操り人形を起動させた。
「暁闇、『鬼猟流』の実力、かの武将に見せてやろう!いけっ」
戦闘用に最適化された人形である暁闇は多節棍を手に義元へ肉薄する。
義元は自身に向かって接近するアンゲルスと暁闇に向け、素早く矢を放った!
暁闇は松座衛門の巧みな操作によりかろうじてその矢を回避するが、アンゲルスは回避が間に合わないと判断し剣で矢を弾いた。
「ふ、そちらの人形は回避したか…。だが、そちらの裁定者気取りは『当たった』ようだな」
「この程度の威力の矢、防ぎきれる。何も支障はない」
「それはどうかな?我の矢は受ければ相手の動きの癖を見破る。貴様の動きは見切った」
「そのような体で何とかなるとでも?ならば、喰らうがいい!」
切り込んでくるアンゲルスに不敵に笑った義元は矢を番える。
「見切ったと言っただろう!」
義元が放った矢はアンゲルスにまたも吸い込まれるように迫って来る。先程と同じように剣で弾くが…。
「な…、威力が増しているのか?」
先程受けた時よりも重く感じる。これは一体…。
「我が矢を一度受けた者は、次に喰らう際はさらなる威力を持ってその身に受ける事になる。覚悟せよ、先程の言葉、後悔させてやろう」
「っと、自分を忘れてもらっては困るな!やれ、暁闇!」
多節棍で義元の次の一射を妨害する松座衛門。
「くっ、邪魔をするかっ人形遣い!」
攻撃を妨害され苛立たし気に叫ぶ義元。
「大丈夫か?」
「あぁ、問題ない…が、こちらの動きが読まれてしまうのは厄介だ」
アンゲルスが今の状況の打開策を模索しようとしたその時、背後より声が掛かる。
「俺達が力になる。さっきはアンタには助けてもらったしな。今度は俺達の番だ」
「貴殿ら…。だが…、いや、ここは力を借りる事としよう」
声を掛けて来たのは羅刹達だ。彼らは雪女達との戦闘の際アンゲルスに命を助けられた者達だった。今、命の恩人のピンチに居てもたってもいられなくなったようだ。
「貴殿らは全力で守ろう。あの者の身動きを止めるまでのしばしの間、よろしく頼む」
「あぁ、任された!今こそ恩義を返す時だ!行くぞ!」
勇ましい雄たけびと共に羅刹達が矢を放つ。前衛として戦う暁闇の動きをサポートするような牽制射撃だ。
「っ!援護か、ありがたい。ならば、行くぞ暁闇!その身に刻め!演目『疾風』!」
松座衛門がUCである【鬼猟流 演目其ノ一「疾風」】を発動させた。神業のような松座衛門の人形操作によって暁闇は超高速の連続攻撃を義元に繰り出した。
「ぐっ、なんだこの速さはっ!これでは弓で対処しきれん!」
暁闇の連続攻撃に防戦一方、じりじりと押されていく義元。
「今こそ、勝機か。貴殿ら、チャンスを作ってくれた事、感謝する」
「あぁ、アンタの武運を祈ってるぜ!」
弓を使う暇のない義元の姿を見、アンゲルスも再び攻勢に入る。羅刹達を守るように構えていた盾を収め、武器を手に義元へ切り込んだ!羅刹達の激励はアンゲルスの突進をさらに加速させる。
「お、おのれ…このままでは…!?」
暁闇の攻撃に防戦一方の義元、その腹に強烈な一撃が叩き込まれた!
「ぐっ、き、貴様。…そうか、我が弓が使えぬから…」
吹き飛ばされ倒れ込んだ義元、顔を上げればその先にいたのはアンゲルスだった。
「形勢逆転だが、まだやるのか?義元さんよ」
「ま、まだだ…。我はまだやられたわけではない」
ふらつきながらも立ち上がる義元。だが、アンゲルスと松座衛門、双方から見ても義元のその発言は最後の足掻きでしかないように感じられた。
「なら、あと一息!やるぞ暁闇!」
「そろそろ決着です。覚悟しなさい」
暁闇とアンゲルス、1体と1人の連続波状攻撃になす術もなく攻撃を喰らい続ける義元。
もう矢を放つ余裕などない。足技も今や他の猟兵によって傷つけられたダメージと全身に回っている毒のせいでダメージを与えるには程遠い。ほぼ執念だけで動いているようなものだ。
だが、そんな義元の執念も目の前の圧倒的な力に屈する事になる。もう動く事さえ出来なくなり、地に倒れ伏した。
その義元へアンゲルスが再び問いかける。
「先程の問いを繰り返そう。鬼として終わるか。人として終わるか。どちらを選ぶか、答える気になったか?」
「…我は、我は、クルセイダー殿の配下、今川義元だ!羅刹どもを葬り去るまで死ぬ事などあり得ぬ!」
「そうか…。悪鬼としての最後を選ぶか。ならば悪鬼よ、滅せよ!」
アンゲルスのフレイルが無慈悲に義元に叩き付けられ…。
断末魔を残し、猟書家幹部『海道一の弓取り』今川義元は骸の海へと還っていった。
こうして山岳地帯で発生した今川義元による事件は幕を下ろす。
猟兵達が駆けつける前に負傷し雪女達によって命を奪われてしまった者達は居たものの…、その後は1人も欠ける事無く事を終結させる事が出来た。
天へと召された羅刹達を弔った後、残された羅刹達に見送られながら猟兵達は帰還するのだった。
【完】
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴