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安寧は昏き底

#封神武侠界

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#封神武侠界


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 洞穴の奥は仙界に繋がっている。それは秘密でもなんでもない、村の誰もが知っているただの事実だ。昔から何度も行き来があったし、ヤンも村を訪れた仙界の住人たちを実際に見たことがあった。
「――あのときなんで、弟子にしてくれ! って頼めなかったかな。意気地なしだったよな、オレ」
 ヤンは剣を佩いた偉丈夫の姿を思い出して、ため息をつく。何度も頼もう、頼もうと思いながらも踏ん切りがつけられないまま、偉丈夫は仙界へと帰ってしまった。次に村へ来てくれたら今度こそと思い続けて早一年。あの時を最後に、仙界からの訪問自体が途絶えてしまった。
「何グチグチ言ってるのよ。そんなんじゃ、頼んでも弟子になんてしてもらえないわよ」
 そんなヤンを、両手を腰に当てた少女が、目を吊り上げて叱咤する。向こうが来ないなら、こちらから仙界に行こうと言い出した、メイという無茶な幼馴染である。彼女は怜悧な術師になりたいのだと言っていた。こんなにお転婆なのにと思ったけれど、殴られるのが目に見えているから黙っていたら、なにか言いなさいよと叩かれたことを覚えている。
「ほら、もうすぐ洞穴でしょ。わたしを守るって言うなら、しゃっきりしなさいよ」
「そんなこと言ったっけ……」
 少女に引きずられるようにして、少年たちは再び洞穴に向かって歩き出す。

 そうして意気揚々と(?)仙界を目指した二人だったのだが、結局、仙界どころか洞穴にたどり着くことも出来ずに、村へと帰ることになった。
「だから、あれは絶対に魔物だよ。あんな荒野の真ん中に家族連れがいるわけ無いだろ」
「わからないじゃない。ヤンの意気地なしっ!」
「はいはい、メイのは蛮勇って言うんだよ」
 洞穴近くで、怪しい人影を見つけたヤンがメイを引きとどめたのである。幼い二人の子供を連れた父母という、あまりに場違いな家族が荒野にいたのだ。その姿を見た瞬間に怖気を覚えたヤンは、メイがなんと言おうとも引き返すと心に決めた。
(「多分、あの魔物がいるから、仙界の人たちが来れなくなったんだろうな」)
 そんな事を考えていたら、本音が思わず口から漏れた。
「……あのとき弟子入りして修行していたなら、あいつらを倒すことも出来たのかな」
 メイは俄然、ヤンの言葉に食いつく。
「今からでも遅くないわ。仙界に行って、弟子にしてもらうんでしょう? ほら、行くわよ」
「だから無理だって」
 ほんとはヤンだって仙界に行きたいから、メイの誘いに乗ったのだ。でも、幼馴染を危険に晒すわけにはいかないと思う。
(「……これもメイの安全を言い訳にしているだけなのかな」)
 少年は村へと引き返す道すがら、ずっと悶々と悩んでいたのだった。


「子供なんて無茶をするものよ。私もちょっとはしゃぎすぎて、犯罪シンジケートに本気で追いかけられたりしたこともあったしね」
 シルヴィー・ルルー(プラグマティック・ハッカー・f30358)が物騒な枕を置いて話し始める。
「封神台が破壊され、オブリビオンたちが溢れ出した封神武侠界において、仙界と人界を分断しようと企てている奴らがいるの。交流を止めることによって文明の発達を止め、仙界と人界のそれぞれを個別に蹂躙しようって考えている奴らがね」
 仙界と人界はいくつもある洞穴で繋がれているのだが、その洞穴のひとつをオブリビオンが塞いでしまったのだ。洞穴の中には首魁であるオブリビオンが潜み、周囲にも配下たちが近づく者たちを亡き者にしようと潜んでいる。だが、このまま洞穴が塞がれて交流が途絶えた状態を、おめおめと許すわけにはいかない。
「最近、現場の洞穴に一番近い人界の村に住む子どもたちが、仙界に行こうとして洞穴に近づき、魔物を見たって話よ。幸い無事に帰ってきたその子たちに、洞穴の場所や周囲の状況を聞くといいと思うわ」
 子どもたちは強い仙人や武侠に憧れを抱いているらしい。優秀な武侠である猟兵が稽古に誘えば、親しくなって話を聞くいいきっかけになるだろう。
 そうやって得た情報をもとに、洞穴に潜むオブリビオンを討伐してほしいというのが、シルヴィーからの依頼の全容だった。
「まあ、一言で言ってしまえば、洞穴の掃除をしてきてねで終わってしまう話なんだけど」
 そこで言葉を切ったシルヴィーが、にやりと笑う。
「あなたたちなら洞穴に潜むオブリビオンを打ち破るくらい、造作も無いでしょう? ついでに冒険をして親に怒られた子どもたちを元気づけてきてよ。もしかしたら、未来の英傑が生まれるかもしれないしね」


Oh-No
 こんにちは、Oh-Noです。

●目的
 洞穴に潜むオブリビオンを討伐する。

●シナリオの流れ
 1章:子どもたちに稽古をつけつつ、情報収集。
 2章:洞穴の周囲をうろつくオブリビオンを撃破。
 3章:洞穴に潜む首魁を撃破。

●情報収集について
 子どもたちと良い関係を築ければ、問題なく教えてくれます。情報をどう引き出すかについては気にしなくて構いません。
 いい感じの一日師匠になってあげてください。

●子どもたちについて
 12歳くらいの少年少女です。仙界に行こうとしたことを怒られて、すこし凹み気味。
 二人を相手にしてもいいですし、どちらか一人に専念して相手をしていただいても構いません。
 ヤン:少々、悩みすぎる少年。運動神経が抜群。
 メイ:怖いもの知らずな少女。頭の回転が早い。運動神経も悪くない。

 それでは、よろしくお願いいたします。
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第1章 日常 『未来の英傑』

POW   :    一切手加減なしで、厳しい指導を行う

SPD   :    簡単で実践的な技を教えてあげる

WIZ   :    理論や歴史についての講義を行う

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

雨咲・ケイ
オブリビオンか絡んでいるとなると、
彼らが無事に帰って来れたのは
幸運だったのでしょうね。
ですが、親御さんを心配させるのは
いけませんよね。

【SPD】で行動。

拱手で挨拶してから、ヤンくんに
接触しましょう。

私はまだ人にものを教えられる立場では
ありませんので、一緒に鍛錬しましょう。
何事も基礎が大事なので、【グラップル】と
【功夫】の基本をみっちり行いましょう。
私が去った後も日々の鍛錬を続けて下さいね?

鍛錬が終わったら洞穴について聞きましょう。
仙界に向かうのは基本を身に付けて、
もうちょっと成長してからの方が良いでしょうね。
そう、あの幼馴染さんを守れるようになってから……
ですね。

アドリブ等歓迎です。



 雨咲・ケイ(人間の宿星武侠・f00882)は、春の陽気を感じながら村外れに向かう道を歩いている。たまにすれ違う村人たちの顔は穏やかで、長閑なものだ。仙界との交流はオブリビオンによって絶たれているものの、それ以外に村への直接的な被害がないせいだろう。切実な問題だとは、まだ認識されていないに違いなかった。
 そんな雰囲気だったから、子どもたちも軽い気持ちで洞穴に向かってしまったのかもしれない。
(「子どもたちが無事に帰って来れたのは、幸運だったのでしょうね」)
 なにしろ、オブリビオンに武侠などではない一般人、それも子供が遭遇したのだ。
(「だからといって、子どもたちが洞穴に行ったと聞かされた親御さんの肝がいかに冷えたか、察するに余りあることです。親御さんを心配させるのはいけませんよね」)

 ヤンは野原で木剣を振り回していたが、近づくケイに気付いて手を止めた。見慣れぬ顔が何の用かと、訝しんでいる様子を隠しもしない。
 ケイは気にする素振りもなく傍により、ヤンが大人であるかのように、恭しく拱手する。
「お、おう」
 ヤンはまさかそんな丁寧な挨拶を受けるとは思っていなかったのだろう、慌ててたどたどしい拱手を返してきた。
(「ちゃんと礼を知っているのですね」)
 微笑ましさに口元を緩ませて、ケイは口を開く。
「君がヤンくんでしょう? 鍛錬をしていたのですか?」
「そうだけど……、ん、あんた、武侠だろう? もしかして、オレに稽古をつけてくれるってのか?」
「残念ながら、私もまだ未熟な身。とても教えられる立場ではありませんから、一緒に鍛錬をしましょう」
 そうしてケイは黙々と鍛錬を始めた。身体をほぐしてから、得意の組み技や、功夫の基礎を淡々と繰り返す。ヤンはケイの動きを見様見真似でなぞっていた。
 時にはケイが自分の鍛錬の合間にヤンの動きを修正したり、あるいは二人で組み合って技の動きを確認したりしているうちに時間が過ぎていく。
「何事も大事なのは基礎ですよ。私が去った後も、日々の鍛錬は忘れずに続けてくださいね」
 鍛錬の合間にケイが掛けた言葉に、ヤンは素直にうなずいていた。

 そして鍛錬を終えたあと、ケイは仲を深めたヤンから、洞穴に向かったときの顛末を聞き出した。隠さずに自らの失敗を語ったヤンに対して、無事で何よりでしたと言ってから、最後のアドバイスを贈る。
「仙界に向かうのは基本を身につけて、もうちょっと成長してからのほうが良いでしょうね。そう、あの幼馴染さんを守れるくらいになってから……ですね」
「おとなしく守られてくれる奴じゃないけどね」
「それでも、ですよ」
 ヤンは任せてと笑った。ケイは少年の笑みに心強さを感じながら、別れを告げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィッダ・ヨクセム
UCでハイエナは喚ぶぜ?
代償は、受けるとも
だが…威嚇に吼えさせるだけだ
俺様より2倍でかいんでね、いるだけで威圧感あるだろ
それが狙いだ
ゴゴッと炎ばら撒く様子魅せつけたら
俺様つえー獣使いにでも見えねェかな
稽古がてら実践もどきな決戦を持ち掛ける
ほら、掛かッてこいよ餓鬼共

武器は青龍刀、蒼天牙撃を構えて、悩み過ぎは隙だらけだッて教えてやるわ
使うの初めてなんで手加減の見極めは、野生の勘でカバーだ
まあなんとかなるだろ

…刺突と横薙ぎ、動作がでかいぶん
お前ら避けきれねェなんてことはないだろ?
自信を持てよ、攻撃を見切れる奴らは強くなる素質があるから
俺様ただのヤドリガミなんでヒトではねェな
仙人よりは化け物の類だわ



 巨大なハイエナという、いかにも凶悪な獣の傍らで、自らは両腕を組んで胸を張る。
 フィッダ・ヨクセム(停ノ幼獣・f18408)は、一日師匠を務めることになった子どもたちの前で、偉大な師匠だと見せるためのセルフプロデュースに余念がない。
 さらに顔を横に向けさせたハイエナに、低く響く咆哮を上げさせた。それも咆哮とともに膨らんだ炎を吐き出すような、派手な一撃をだ。
(「これだけやれば、俺様もつえー獣使いに見えるだろ」)
 少年ヤンは唇をきゅっと結んで、少女メイをかばうように腕を広げている。ただ、メイは大きな瞳を輝かせて今にもハイエナに飛びつかんばかりだから、傍目には庇っているというより、その場に押し留めているように見えた。
 子どもたちにとって見れば、フィッダはただ其処にいるだけで、稀にしか見たことのないような武侠であったろう。それでもフィッダが演出をしてしまうのは、彼がまだ経験の浅いヤドリガミであるがゆえに、自信を持ちきれていないことの現れかもしれない。
 ともあれ、掴みは十分である。腕の仕草でハイエナをその場に伏せさせて、子どもたちに呼びかける。
「よう、お前ら強くなりてェんだろ? 俺様が稽古をつけてやるぜ。ほら、掛かッてこいよ餓鬼共」
 二人の子どもたちは視線をフィッダへと向け、構えた武器で応えた。

 フィッダが構える武器は、蒼を基調として彩られた青龍刀である。使い慣れた武器、どころか初めて持ち出した武器だが、天性の勘の良さで危なげなく操っている。
「坊主、ほらよッ」
 フィッダは青龍刀をまっすぐに突き出した。ヤンは払うか、避けるか迷ったのだろう。突き出した剣の腹で中途半端に刃を受けた。その瞬間、フィッダは突き出した柄を捻り、剣に柄を絡めてヤンの手から弾き飛ばす。
「迷ッてんじャねェよ。つうか、迷える程度に見えてんなら、大したもんだがよ」
 そうヤンを見下ろして言いながら、背後に忍び寄っていたメイの足を、見もせずに払って転ばせる。
「少しはこの思いッきりがいい嬢ちャんを見習ったらどうだい。自信もてよ、坊主には強くなる素質があると思うぜ。……じゃ、一旦休憩だな」
「……むぅ」
 剣を拾って座り込んだヤンは、憮然とした表情で問いかける。
「アンタ、何者だよ。やっぱり仙人なのか?」
「俺様ただのヤドリガミなんで、ヒトではねェな。仙人てか、化け物の類だわ」
 答えるフィッダは飄々としたものだ。
 呼ばれたきり出番がなく、草原に寝そべっていたハイエナが大きく欠伸をした。気持ちの良い、春の午後の一幕である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シエル・マリアージュ
「仙界に興味があるの?」
 子供達に優しく声をかけ、それなら周りの人が心配しないように強くならないとね?と言って稽古に誘います。
 影を踏まれないように相手の影を踏む影踏みで稽古。
「二人同時でいいよ?素早く、私を捕まえるのはどっちかな?」
 素早くという言葉で子供達の意識を速く動くことに誘導、でも速いだけで単調な動きじゃ勝てないことに気づくかな?
 子供達が慣れてきたら、少し無理をすれば届きそうな影を囮にしてフェイント、このピンチを二人で乗り越えられるかな?
「二人ならきっと強くなれるね」
 稽古を終えたら、みずみずしい桃でも食べながら、洞穴の周りで見かけた怪しい人影の人数や特徴などを聞いてみましょう。



「仙界に興味があるの?」
 シエル・マリアージュ(天に見初められし乙女・f01707)がそう問うたとき、少女は食いつくように猛然と、少年はどこか遠慮がちに小さく頷いた。
「わたし、仙界に行って、術を身に着けて仙人になりたいの。だって、格好いいじゃない?」
「オレは強くなれれば、それでいいんだけど。でもやっぱり、仙界のほうが強い人がいるんだろ?」
 子どもたちの反応を、そうなんだ、とシエルは優しく受け止める。
「それなら、周りの人が心配しないで済むくらい強くならないとね。どうだろう、私と一緒に少し稽古をしてみない?」
 そんなシエルの提案に、メイはやっぱり一も二もなく頷き、ヤンはいかにもしょうがないなという体で付いてきたのだった。

 シエルが提案した稽古は、自らの影は踏まれないようにしながら、相手の影を踏むという影踏みである。実演してみせたあと、シエルは二人に向けて大きく手を広げて言う。
「二人同時にかかっておいで? 素早く先に、私を捕まえるのはどっちかな?」
「もちろん、わたし!」
 すかさず、メイが真っ直ぐにシエルの影を目指して飛ぶ。だが、そんな見え見えな動作は、シエルでなくても簡単に躱せるだろう。
「もらった!」
 と追撃してきたヤンも含めて、シエルは軽快な二連のステップで攻撃を躱した。
(「さて、『素早い』だけの単調な動きじゃ勝てないことに気づくかな?」)
 様子をうかがいつつ、いい動きを見せたらすかさず褒めながら、シエルは段々と難易度を上げていく。次第に二人は息を合わせることを覚えてきたようだ。最初はヤンが勝手にフォローしているだけだったが、次第にメイがヤンのフォローを前提に動き出してきたように見える。
「いい調子だね! じゃあ、私も本気を出そうかな。このピンチ、乗り越えて見せて!」
 そしてシエルは、フェイントまでも繰り出して、二人の間をすり抜ける。
「わっ、無理するなよ、メイ!」
「ヤンは諦めるのが早いのよ!」
 なんやかんやと喧しい二人だが、シエルからは二人の相性は悪くないように見えた。
「二人なら、きっと強くなれるね」
「それ、ずっとメイの面倒を見なきゃいけないってこと?」
「逆でしょ!」
 稽古を終えた後には、みずみずしい桃を木陰で頬張った。お供には、先日の二人による冒険譚。脱線しがちなそれを苦笑して聞きながら、シエルは二人が見かけたというオブリビオンの情報を集めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『面影鬼』

POW   :    ここは桃源郷
【己が何者であったかを忘れさせる桃の香】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
SPD   :    もはや帰れぬ桃源郷
戦場全体に、【強い眠気と記憶障害を誘発する桃の木】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    失われた桃源郷
【強い風とともに、闘争心を失わせる桃の花、】【困難に立ち向かう克己心を失わせる桃の実、】【生への執着心を失わせる桃の木の枝】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 健康な子どもたちだったからこそ、生還することが出来たのではないか。子どもたちから得た情報に従ってオブリビオンを発見したとき、猟兵たちはそんな感想を抱いた。
 視線の先にいる家族は、理想的な家族像が具現化したような、そんな空気を纏って佇んでいる。こんな荒野の只中で、穏やかに語り合い、笑い合っている。むせ返るような甘い香りを漂わせ、平穏とは何かを体現している。
 ――そして彼らは、幸福の情景に当てられた迷い人を、優しく受け入れるのだ。
 それは人生に疲れた者たちにとって甘美な誘惑だ。傷ついた心に染み渡り、籠絡せんとする毒だ。
 たしかに幸福を希求する者たちの望みを叶えることもあるだろう。けれど、それは薄っぺらな解であり、刹那のまやかしにすぎない。
 囚われたものは何も変わらず、ただ停滞し、腐り落ちていくだけ。そのさまをあの家族、いや、あの鬼は暖かく見守るのだろう。そして最後には、洞穴の奥に潜む首魁へと捧げられるに違いない。
「あら、お客様かしら」
 微笑む婦人。
「お疲れでしょう。ささ、こちらに座って桃でもどうぞ」
 礼儀正しい主。
「ねえねえ、お話を聞かせてよ!」
 純真な子どもたち。
 ここは偽りの桃源郷。傷ついた人々を捕らえ、家畜と化す檻である。
シエル・マリアージュ
「邪魔ですね。あの子たちの夢のためにも」
長期戦は避けたい相手、一気に仕留める。
自分の姿を隠すように「葬焔の胡蝶」で呼び出した蝶の群れを3つに分け、一群の蝶は敵の正面から囮として攻撃を仕掛けさせ、二群の蝶を敵の後方に回り込ませて敵を前後から挟撃して消耗させ、敵の数に合わせて合体強化した三群の蝶と共に自ら敵の側面から斬り込んだら、そのまま駆け抜け残った敵からの反撃を避けるようにする。
UCを封じられるのは厄介なので、攻撃時に深追いしないよう心がけ、敵からの反撃を封じる事や攻撃を避けることを重視して立ち回る。


フィッダ・ヨクセム
うわ、甘ッたるい匂い…折角のモモも、台無しだ
此処に長居するほうが疲れるわ

眠気は…生憎、代償に使い潰したんで知らねェな
おい、UCの馬鹿にも働いて貰う時間が来た
騎乗して出口を特定してやりてェけど
俺の鼻もダメだが、バスもどうせダメだろう
記憶障害まで出たら退ける、だけを目的に留めよう

話?お前、ハイエナ怖くねェのかよ
ゲラゲラ突然笑うんだぞ?それに、こいつはブレス攻撃が凄く得意
俺様の魔力は全力で炎に変換させて使わせる
怯んだなら、一気に間合いを詰めるぜ?
それから、顎の力が凄く強い(勢い良く噛めって合図)

…あのなあ、通りたい奴がいるんだよ
気軽にずぶずぶ足止めしてんじャねェ、停めるのは俺様(バス停)の仕事だ!


雨咲・ケイ
むぅ、こういうアプローチを仕掛けてくる敵は
少々苦手ですね……。
ですが、ヤンくんとメイさんの未来が
関わっていると考えるとそうも言ってられません。
きっちり片付けましょう。

【POW】で行動。

「折角ですが、その桃を頂くわけにはいきません。
桃も良いのですが、こちらの薔薇はいかがですか?」
と【念動力】で【破魔】の力を乗せた
スノーホワイトの薔薇の花吹雪を起こし、
桃の香を吹き飛ばします。
そして、そのまま
「あなた方の正体は既にお見通しですよ。
本性を現したらどうですか?」
と挑発してから【魔斬りの刃】で
薙ぎ払っていきましょう。

アドリブ等歓迎です。



 偽りの桃源郷へと踏み込んだフィッダは、そのあまりの異臭に顔をしかめた。
「うわ、甘ッたるい匂いを漂わせやがッて……。これじャあ、折角のモモも台無しだ」
「いえいえ、慣れましたら堪らなく芳しい香りですよ。荷物をおろして、ごゆるりとされては如何?」
 フィッダの呟きが聞こえるような距離ではまだないのに、礼儀正しい主人の声が耳元に返ってくる。主人の言う荷物とは、フィッダが肩に担いだ、古ぼけたバス停のことだろう。
 不思議なことだが、フィッダが近づく以上に家族までの距離が離れていく気がする。彼らはその場に留まっているだけなのに。
「いや、此処に長居するほうが疲れちまうね。通らせてもらおうか」
「せっかくおいでになられたお客様をもてなしもせず帰しては、当家の恥でございます」
 いつの間にか猟兵たちの周囲には桃の木が乱立し、家族の姿も見えなくなった。それでも変わらず、互いの声は届いているが……。
「……帰す気はねェッてことだな。上等だ。おい、馬鹿のてめェにも働いてもらう時間が来たぜ」
 召喚した巨大なハイエナに笑いかけながら、ひらりとその背に跨った。
「てめェらも乗んな!」
 ついでだと、ケイとシエルの二人に呼びかけて、ハイエナの背を親指で示す。
「好意に甘えさせてもらいますね」
「感謝を。助かります」
「気にすんな。バスなんざ、乗客乗せてナンボだからな」
 動き出したハイエナは、すぐに風となって走り始めた。

 桃の木で出来た迷路を駆けていて感じるのは、高揚感ではなく強い眠気だ。そしてひとたび眠気に身を任せれば、己のことが曖昧になっていく。そうやって人を永遠に惑わせようというのだろう。
「眠気は……生憎、代償に使い潰したんで感じねェな」
 だがフィッダは現在、眠りたくとも眠れない状態だ。偶然ではあったが、都合がいい。
 目指す先はあの家族。きっと迷路の中枢にいるに違いない。けっして逃さぬようにと、張った巣の中心で待つ蜘蛛、あのオブリビオンはそういった存在であろう。
(「むぅ、このようなアプローチを仕掛けてくる敵は少々苦手ですね……」)
 ハイエナの背で揺られながら、ケイは敵の手練手管に表情を曇らせる。目前の敵は、こちらの心を搦め手から攻めてくるような相手だ。この敵に比べれば、強大な力を振るわれようと、真っ向から勝負を仕掛けてくるタイプのほうがまだやりやすい。
(「ですが、ヤンくんとメイさんの未来に関わってくると考えると、放置はできません」)
 ここで敵を討伐しなければ、二人が仙界にたどり着く未来は訪れないだろう。村もきっと、緩やかな衰退へと向かっていくはず。だから、この敵は必ず片付けなければならないのだ。

 進めど進めど、迷路は続く。
(「俺の鼻は効いてねえ。バスもダメだな。記憶障害が出る前になんとかしてェが」)
 フィッダは相棒を駆って、懸命に奥を目指していた。
 ただ、焦りはない。求めるものは出口ではなく、敵の懐に入り込むこと。自分たちを絡め取ろうとするならば、相手とて迷路の奥に誘い込みたいはず。
 必ず敵の元に至ると信じ、迷路の中を駆け抜ける。
 そして、ついにたどり着いた迷路の中枢で、家族たちは柔らかな空気を纏って待ち構えていた。
「まあ、お帰りになられなかったのね。でも、そんなに怖い顔をしないで」
 婦人が齧り付きたくなるような立派な桃を手に微笑む。
「せっかくですが、その桃を頂くわけにはいきません。桃も良いのですが、こちらの薔薇はいかがですか?」
 ハイエナの背から飛び降りたケイは、自らの襟元に挿した白い薔薇一輪を抜き取ると、婦人に捧げるようにゆっくりと突き出した。
 婦人は受け取ろうと手を伸ばすが、手が届く前に旋風が巻き起こり、薔薇の花弁が散っていく。それだけではない。散った花びらは、風に舞っているうちにその数を増やし、花吹雪となって桃源郷を洗い清めるように広がっていった。
 雪のように白いその薔薇が放つ香気は、邪気を祓い、心身を癒すという。甘ったるい桃の香りが吹き飛ばされ、薔薇の芳しさが場に満ちた。
「あなた方の招待はすでにお見通しですよ。本性を表したらどうですか?」
 ケイは練った気を腕先に込め、手刀として放ち、婦人の腕に傷を負わせる。

「その犬はなに? ねえ、教えてよ」
「あ? お前ら、ハイエナが怖くねェのかよ」
 人懐っこく笑う子どもたちに、フィッダは唇を釣り上げて、獰猛な笑みを向けた。
「こいつ、突然ゲラゲラ笑うんだぞ? それに吐く息も恐ろしくてなァ!」
 口を真上に向けて深く息を吸い込んだハイエナが、頭を下げて顎門を目いっぱいに開いた。そして口の奥から、フィッダが持つ全ての魔力をつぎ込んだ炎が溢れ出た。
「……やだ、怖いよぉ!」
 少女はまるで、ほんとうにただの子供であるかのように怯えてみせる。
(「演技が上手なこッた」)
 その様子を見て、フィッダは小さく舌打ちした。だが追撃の手は止めず、すかさず相棒のハイエナに距離を詰めさせる。
「それだけじゃねェ、顎の力もトンデモねェんだぜ!」

「なんということだ。この桃源郷に争いなどふさわしくない。どうか、落ち着いてください」
 主人は狼狽した様子で呼びかけてくる。だが、その間にも周囲の桃の木からは、散る花が、放たれた実が猟兵たちを狙って飛ぶ。主人の様子はあくまで演技でしかないのだろう。
「あなたたちは邪魔にしかならない。あの子たちの夢にとっても」
 シエルもオブリビオンを一気呵成に制圧せんと動き出していた。長期戦では敵を利するのみ。一息に勝負をつけようというのだ。
「灰は灰に、葬送の焔は万物を灰燼に帰す」
 空間を包むように広げたシエルの手のひらの間から、青い蝶が生まれ飛び出した。その一羽一羽が、浄化の炎が青い蝶の姿を為したものだ。
 飛び出した蝶は三群の葬列となって分かたれた。一群はそのまま主人へと真っ向から、二群は二手に分かれて背後へと回り込ませる。
「この美しい桃源郷を燃やそうというのですか! お止めなさい!」
「こんなものが桃源郷だなどと、私は認めません」
 シエル自身も蝶の群れの陰に身を隠しながら、抜き放った剣を手に距離を詰めた。オブリビオン『面影鬼』の攻撃は、身体は傷つけないが、心を折ろうとしてくる。面影鬼の姿も弱い相手にしか見えず、吐く言葉も躊躇わせようとするものばかり。
 けれど、それで揺るがされる程度なら、此処に至る道程の途中で力尽きていたはず。落ち着いた心で、シエルは刃を振るう。
 青い炎の蝶は、飛び交う桃の花や実、枝を燃やしながら、主人へと殺到していく。小さな蝶たちが重なって大きな蝶となり、鱗粉のように飛び散る火の粉が邪悪なすべてを浄化した。
 そして、主人の上へ舞い降りる蝶ごと二つに斬り落とすかの如く、シエルは高く振り上げた刃を垂直に落とした。
 シエルはそのまま止まることなく敵の傍を駆け抜けて、変わらず続く桃の木からの干渉を避けきった。

 ――猟兵たちの活躍によって、面影鬼は削られ、桃源郷は燃え尽きようとしている。
「お止めください、我々は平穏に暮らしているだけなのです。なぜこんな酷いことが出来るのですか」
 それでもなお、面影鬼は哀れそうに慈悲を乞うのみ。そうしつつ、猟兵たちに僅かでも隙があれば絡め取ろうと虎視眈々と狙っている。
 その姿を見て、フィッダは呆れたように肩をすくめた。それから肩に抱えたバス停を地面に突き立てて、心からの想いを叫ぶ。
「……あのなあ、此処を通りたい奴がいるんだよ。気軽にずぶずぶ足止めしてんじャねェ。停めるのは、俺様の仕事だ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

火土金水・明
「偽りの桃源郷も、そろそろ幕を下ろしましょう。」「あなた達も、いいように利用されているだけではないですか。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『面影鬼』達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「私の役目は少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



 桃源郷に住まう一家は、散りゆく桃の花を沈痛な面持ちで見つめている。けれど、その姿に騙されてはならない。奴ら面影鬼は、猟兵達によってどれほど痛めつけられていたとしても、ひとたび心に隙を見せればすかさず浸け込んでくるだろう。
 長身な魔女、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は七色に輝く杖を構えて、何も気負わず、静かに告げた。
「偽りの桃源郷に、そろそろ幕を下ろしましょう」
「わたしたちにとっては、本物に他ならない。偽りなどと言わないでくださいませ!」
 情けを乞う主人に取り合わず、明は杖に魔力を込めた。
「……ッ!」
 それを見た主人が腕を振ると、壊れゆく桃源郷に強風が吹き、桃の花びらを散らして明へと吹き付ける。けれど、桃の花吹雪が明を覆い隠した一瞬後、そこに明の姿はない。
「それは残像に過ぎません」
 慌てて声がしたほうを振り返る面影鬼たちの前で、明は込められた魔力が煌々と光る杖の先を高く掲げていた。
「――我、求めるは、冷たき力」
 呟かれた力ある言葉に応じて、荒れ狂う氷の矢となった魔力が解放された。数百本にも及ぶ、あまりに多大な矢は戦場を駆け巡り、面影鬼の世界たる桃源郷を、そして面影鬼たち自身を、凍てつかせ、切り裂いていく。
「ああ、わたしたちの平穏が……」
 嘆く面影鬼も、いつしか凍りついて口を閉ざし。
「あなた達も、いいように利用されていただけではないですか」
 あくまで淡々と呟かれた明の言葉を引き金にして、粉々に砕けて風に溶け、偽りの桃源郷とともに散っていったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『屍仙女』

POW   :    白骨仙女
自身の【美しい上半身の肉】を捨て【絡み合う白骨の身体を持つ怪物】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
SPD   :    雲身变化
自身の身体部位ひとつを【雲】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    宝貝「芭蕉暴嵐撃」
自身が装備する【芭蕉扇】から【暴風】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【窒息】の状態異常を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 面影鬼を打ち破った猟兵たちが洞穴の奥底へと歩みを進めた先で、敵の首魁は堂々と彼らの到着を待ち構えていた。
「桃源郷はお気に召しませんでしたの?」
 そう言って、艶やかに笑う女の姿は美しい。
 けれど、彼女の登場とともに漂い始めた臭いは、偽りの桃源郷の甘ったるい臭いよりもいっそう酷いものだ。まず感じる死臭、それに続けて鼻にツンと来る、何らかの香の臭い。死臭を打ち消そうと薫き込めているのかもしれないが、役に立っていないどころか、逆効果となっている。
 死臭も香も、出処は女からだ。それはそうだろう。女が美しいのは上半身だけで、下半身は白骨をむき出しになった屍に他ならないのだから。
 ――そう、女は死した瑞獣の仙女、屍仙女である。屍仙女は美しい完全なる姿を取り戻すため、人々の生命力を喰らうのだ。偽りの桃源郷も、屍仙女が生命力を搾り取るための装置だったのである。
「きっと素敵な安寧の中で、微睡むように滅んでいくことができましたのに。そんなに急いでわたくしに生命を捧げたかったのかしら。せっかちな方ね」
 ここで屍仙女を逃せば、屍仙女は再び仙界と人界を行き来する者たちを毒牙にかけ、その生命力を貪らんとするだろう。必ずや、討ち滅ぼさなければならない。猟兵たちはそれぞれの得物を強く握りしめた。
ジュウラ・ガイロストール
【翼獣】
あら、辛気臭いことね
夢も希望もないこの蟻地獄で、楽しいのは貴方だけなのでしょう?
目立たないように気をつけつつ、殺気は隠さずいきましょう

良い所知り合いの大型犬
振り落とされたりしない事を祈りつつ、背中を借りておきましょう(土足で)
手綱と鞍を付けている貴方が悪いわ?
(装備している手綱を掴んでUCを発動)
遊撃のレーザー射撃で、欠損部分を射抜き続けるつもり
空中戦闘へ持ち込むのもいいけれど、美しさの欠片もない骨身は壊すだけつまらないもの。ワンちゃんは骨がお好きでしょう。
……犬じゃない?ハイエナ?ふぅん(興味ない)

仙女だろうとなんだろうと、地獄送りという案は
私は大賛成、怪物は夢の向こうに行くべきよ


フィッダ・ヨクセム
【翼獣】

うーわ、別の意味で鼻曲がりそう
どちらにしても最悪
生き物には過ぎた毒だろこれ
じわじわ溶かすように食らッて美味しい思いをするのはてめェだけだな

滅びを選ぶのは今を生きるものだけの特権でね
大抵のやつが死と隣り合わせなハズがねェんだよ
…屍晒しても尚、仙女は死ねずでお困りなら、届けてやるぜ?
昏き冥府の向こう側へなあ(UC発動)

俺には……名を喚んでくれる男がいる
それだけで死なない理由は十分だ(小さな幸福感情)今は忘れてもいい
ジュウラ、背中に土足で乗んな降りろ!
ひとまず吼えて怒るけど砲撃手段として運搬してやるわ

攻撃は全力で行う炎のブレス攻撃か、自前の爪と牙による物理攻撃
回避よりは物理で受けるし、かばう



「あら、辛気臭いことね。夢も希望もないこの蟻地獄で、楽しいのは貴方だけなのでしょう?」
 ジュウラ・ガイロストール(旋律の駆け手・f30194)の気怠げな瞳の奥から、静謐な殺意が揺らぎ溢れだそうとしている。ジュウラを包む影も、主の感情が漏れ出たかのように、ゆるゆると揺らめいていた。
「そんなことありませんのよ。お客様は、心からおもてなしいたします。ただ、そうですわね、夢や希望なんて語る方には不向きだったかしら。見かけによらず活きが良い、白い貴方のように」
 屍仙女はそう笑うが、歪められた唇の向こうに悪意が透ける。
「うーわ、別の意味で鼻曲がりそう」
 悪態をつくフィッダは、嫌悪感を隠そうともしない。偽りの桃源郷も、洞穴の奥に潜んでいたこの屍仙女も、耐え難いほどに醜悪だ。
「じわじわ溶かすように食らッて、美味しい思いをするのはてめェだけだな」
「心外ですわね。優しい終末に導くかわりの正当な報酬だと言ってくださいな」
 もとより言葉が通じるとは思わない。フィッダが何に憤っているのか、欠片たりとも彼女に伝わることは無いだろう。
「滅びを選ぶのは、今を生きる者だけの特権でね。大抵のやつはな、死と隣り合わせなハズがねェんだよ」
 だが、たとえ何も意味がなかったとしても、叫ばずにはいられないのだ。
「……屍晒してもなお、死ねずにお困りだッていうのなら、届けてやるぜ? 昏き冥府の向こう側へなァ」
 そしてフィッダは膨れ上がる妖気とともに妖怪鬣犬へと姿を変え、一際高く吠えた。
 ――男の姿が脳裏を過ぎる。自分の名を喚んでくれる男だ。男の存在だけで、生きる理由には十分すぎる。その有難みを今一時忘れても構わない。フィッダはささやかな幸福感を捨て、駆け出そうとした……。
「ちょうどいいところに、手頃な背中があるわね。ちょっと借りるわ」
 が、背に掛かった軽い荷重がフィッダの足を止める。すでに声で誰かはわかっていたが、首をひねって狼藉を働いた奴の姿を視野に入れた。
「ジュウラ、土足で乗ッてんじャねェ、降りろ!」
「手綱に鞍まで付けているだなんて、乗って欲しいんでしょう? 貴方、隠さなくてもいいのよ?」
 言葉にならない苛立ちが唸り声となって漏れる。それを噛み潰し、フィッダは姿勢を低くし、地面を深く抉って飛び出した。
「……チッ、振り落とされても知らねェからな!」
「わざと落とすのは止めてね?」
 ジュウラは手綱を掴み、揺れる背の上で姿勢を安定させ、自らの背後にまるで翼のように影を具現化させる。
 ジュウラの眼は前方の屍仙女を見ている。屍仙女は今や、美しかった上半身すらも捨て、絡み合う白骨の怪物へと姿を変えていた。
 こちらを喰らわんとする執念が、その姿には現れている。美しさをかなぐり捨ててでも獲物を殺し、生命を貪ろうとする欲望を全身から放出している。
 ジュウラの影なる翼は、屍仙女の殺意を跳ね返す鏡のように大きく広がって光り輝き、幾条もの光線を放った。光線は緩く曲がる軌道を描いて、屍仙女の骨の身へと殺到していく。
「美しさの欠片もない骨身を壊しても、つまらないもの。ワンちゃんは骨がお好きでしょうし」
「犬じャなくてハイエナなんだよ!」
「……犬じゃない? ハイエナ? ふぅん」
「二度と忘れんなよ!」
 背に乗る相棒が興味なさそうに相槌を打つ間に、フィッダと屍仙女の距離が詰まり、
「おらよッ!」
「まったく、乱暴な方たちね……!」
 鬣犬の爪と、禍々しい骨が交錯した。防御力に振り切った互いの身体がぶつかって重い音を奏で、離れる。すかさずフィッダが放つ火炎の息が骨の身を包み、ジュウラが放つ光線が降り注いだ。
「……光は、嫌いよ」
「わかっているわ、もっと欲しいってことよね?」
 飛び上がった屍仙女が骨の腕をジュウラに打ち付けて落とそうとするが、跳ね上がったフィッダが己の身体を割り入れてかばう。
 ジュウラは両手でフィッダの手綱と鞍にしがみつきながらも、背の翼から放つ光線は止めない。
「いい姿になッたじャねえか、てめェに冥府はきッとお似合いだぜ」
「そうね、地獄送りには大賛成。仙女ならぬ怪物は、夢の向こうに行くべきよ」
 ロデオに興じているような二人はこうして屍仙女の反撃を封じ込め、容易には削り得ぬ怪物の骨身を着実に削っていく――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

雨咲・ケイ
私はあなたのようなやり方が大嫌いなんです。
ですから、あなたを骸に海に送る事に
何の躊躇いもありません。あしからず。

【POW】で行動。

それにしても酷い臭いですね。
この臭いはスノーホワイトの薔薇の香気で
凌ぎましょう。

敵が白骨仙女に変じたら
「なるほど、まさにあなたの精神を
象徴するような姿ですね」
と挑発。

敵の攻撃は【盾受け】と【グラップル】で
受け流していきましょう。
攻撃を凌いだら【破魔】と【浄化】の力を
乗せた銀霊縛鎖を【投擲】して【捕縛】します。
動きが止まったら【功夫】による近接攻撃を仕掛け、
更に【異勁外式】を放って畳み掛けます。

アドリブ等歓迎です。



 仮初の美しさをかなぐり捨てて、己が身の白骨を露わにした屍仙女は、まさに地の奥底に相応しき姿となった。誰の眼にも化物と映る、浅ましき姿だ。
「なるほど、まさに貴方の精神を象徴するような姿ですね」
「この身体を見せたからには必ず殺す、殺すわ。そして生命を啜り、美しき我が身を取り戻す……!」
 黒髪を揺らして駆けるケイが投げかけた挑発で、屍仙女は簡単に激昂した。丁寧な言葉遣いすら忘れてひび割れた声で叫び、硬い白骨の腕をケイに叩きつけんとする。
 ケイは打ち込まれた屍仙女の腕を、小さな盾の表面で受けて滑らせながら、敵の懐へとさらに踏み込んだ。
(「……それにしても酷い臭いです」)
 間近に迫った屍仙女から、混沌とした臭いが一層強く漂う。だが顔をしかめている暇もない。
 ケイの顔面を蹴り上げようとする膝は動き始めで抑え込み、振り払おうとする力には逆らわずに自ら跳ぶ。
 ――ケイの懐から邪気を払うという白い薔薇の清涼な香気がこぼれ出て、白骨の動きが強張った。出来た隙はわずかだが、付け込むには十分。ケイの手から投げ放たれた白銀の鎖が、屍仙女の身体を絡め取る。
「私はね、あなたのようなやり方が大嫌いなんですよ」
「……この程度ッ!」
 もがけどもがけど、破魔の力が込められた鎖は簡単には緩まない。握った鎖をケイが手放すこともない。
 鎖を強く手元に引き付けて、再び屍仙女の懐へと潜り込み、軽く握り込んだ右の掌底で腰骨を打つ。そして、そのままぴったりと掌底を当てたまま、零距離からの一撃。
「ですから、あなたを骸の海に返すことに何の躊躇いもありません。――あしからず」
 踏み込んだケイの足元が爆ぜる。練り上げられた闘気が掌底より浸透し、絡み合う白骨を震わせる。その一撃は屍の魂魄すらも霧散せしめんとする勢いで、白骨の身体を吹き飛ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神楽坂・神楽
随分と見事にやられておるようじゃな。
もはや覚悟を決め、さっさと自ら骸の海に還ってしまった方がまだマシかもしれぬぞ?

もっとも、それができる潔さがあれば今回のようなことはしでかしておらぬか。
どれ、わしが引導を渡してやるとしよう。

全身に纏った《氣》で敵の攻撃を弾きつつ、一気に接近。
UCで【属性攻撃】を選択。太陽光の力を込めた脚や拳でもって敵の関節を破壊する。

さて、お主は人の命を喰らおうとしておったのだ。
当然、逆に自身が喰われることくらいは想定しておったのだろう?
わしの《刻印》は悪食でな。
お主のような骨ばかりでも綺麗に平らげてくれるぞ。

――だから、自ら還った方がマシだと言うたのよ。



 傷ついた白骨の全身を晒しながら、それでも屍仙女の眼窩の奥には昏い情念が渦巻いている。わずかでも隙を見せれば、喰らいついてくるだろう。それは手負いの獣の剣呑さだった。
「随分と見事にやられておるようじゃな。もはや覚悟を決め、さっさと自ら骸の海に還ってしまったほうが、まだマシかもしれぬぞ?」
 だが屍仙女の前に立つ神楽坂・神楽(武術指導員・f21330)は、迸る殺気に気圧されもせず、面白がるように笑い、気安い調子で話しかける。
 心を逆撫でするような言葉を投げつけられた屍仙女は、絡み合った白骨をギチギチと鳴らし、眼窩の奥の昏い色を一層深くした。
(「ま、そんな潔い性質をしておれば、此度のようなことはそもそも企まぬか」)
 そんな屍仙女の様子を見て、神楽は小さく肩をすくめ、無造作に一歩を踏み出す。半身になって軽く腰を落とし、拳を前へ構えた。
「……どれ、わしが引導を渡してやるとしよう」
 そして言うが早いか、噴き上がった氣を全身に纏って、一気に屍仙女の間近へと踏み込んだ。
 叩きつけられる白骨を小さく持ち上げた腕で逸らし、あるいは膝で受け止める。
「ちょろちょろとしつこいわね……ッ」
 化物の姿を露わにした屍仙女は、絡み合う白骨を伸ばして遠い間合いから攻撃を仕掛けてくるが、神楽は積み重ねた功夫で一歩ずつ着実に間合いを詰めた。
 白骨の下へ潜り込み、打ち付けられた一撃を払い、突きを身を捻って躱す。その間に右手へと練り上げられた氣が、太陽の輝きとなって煌々と光を放つ。
 それは本来であれば、洞穴の奥深くにけっして届かぬ輝きだ。
「やめて、それを近づけないで……!」
 迫りくる太陽の輝きに、屍仙女の声が上擦る。
「お主は人の命を喰らおうとしておったのだ。当然、自身が逆に喰われることくらい想定しておったのだろう?」
 神楽は近づくほどに密度の上がる攻撃を苦もなく捌き、屍仙女の懐に潜り込んだ。
「わしの『刻印』は悪食でな。お主のような骨ばかりでも綺麗に平らげてくれるぞ」
 屍仙女が飛び退こうとするよりも早く、輝く拳を白骨の身体へと叩きつけ、その中枢を破壊する。
「――だから、自ら還った方がマシだと言うたのよ」
 そして神楽は、滅びゆく屍仙女に背を向けて、冷たく告げたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月25日


挿絵イラスト