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アトランティス・パニック~大汚染を阻止せよ、スナーク〜

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #クリティアス #ミュータントヒーロー #ヒーローチーム #アトランティス #猟書家

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●ヒーローズアース・アトランティス文明 海洋都市『メロディア』
 アトランティス文明の都市の一つ「メロディア」に今、未曾有の危機が訪れようとしていた。原因不明の汚染を撒き散らす海洋生命体が都市に接近しつつあるという情報が確認できたからだ。
 すぐさまメロディア都市上層部は地上文明のヒーローチームに救援を要請。現地のミュータントチームと共に迎撃態勢を整えてきた。これも文明同士の交流が成し得た恩恵であろう。
 だがそれが今回は裏目に出た。敵の接近が確認されると、地上文明から派遣されてきたヒーロー達が急にもがき苦しみ始めたからだ。

「大変です! 次々とヒーロー達が……これは、溺れていきます!」
「馬鹿な……適応光線の効果が効いていないだと!?」
 メロディアのヒーローの報告にリーダーのミュータントヒーローは瞠目する。アトランティスのミュータントチームは身体を変異させ海底環境に適応しているが、地上からヒーロー達は軒並み溺れてしまい、海底都市に避難していく。
 その様子を高笑いしながら笑う巨大生物がいた。巨大なる頑健な甲羅を持ち、汚染水を垂れ流すその者こそ、猟書家クリティアス。侵略者の時代、海洋汚染への怒りから地上文明に襲い掛かった海神の眷属だった者である。
「ハハハハッ、これぞ侵略蔵書『ガベッジ・オーシャン』の力! そして海洋を汚染する者達への怒りの力よ!」
 そう強く言い放ち、自身が生み出した海洋型オブリビオン達を混乱するミュータントチームに放っていく。その姿は下半身はシャチでありながら、包帯を巻いた赤子の天使が生えている、まさしく異形の怪物だった。
 ヒーローチームが全滅させればメロディア全体を汚染させるつもりのクリティアス。目的は「超生物スナーク」を生み出す「スナークトライアングル」を生み出す為だ。
 そのためならば、自身が海洋汚染することも辞さない。もはやクリティアスに海神の眷族だった面影はない。ただ、汚染された海洋の怒りを代弁するものだった。

「地上文明への怒りを思い出せ。さもなくば死ね!」

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「このままではメロディアのヒーローチームはじり貧じゃろーのー」
 グリモア猟兵メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は厳しい戦況に顔を顰める。いや、美しいアトランティスの海に汚染水を垂れ流す猟書家クリティアスへの嫌悪感かもしれない。
 だがその力は本物である。侵略蔵書「ガベッジ・オーシャン」の力で深海での活動を支えるアトランティスの超技術「適応光線」を無効化に成功している。これによって、地上文明の多くのヒーロー達が活動不能に追い込まれてしまった。
「唯一ミュータントヒーローだけが身体を変化させて適応しておるが、敵が多すぎる上に猟書家もおるからのー。分が悪いというわけじゃのー」
 クリティアスが生み出した海洋型オブリビオンは、シャチの下半身に、包帯巻きの赤子の天使が生えているという歪な形をしている。だが深海の活動は問題はなく、数も多い。
 ただ深海活動に不安がある猟兵も、メロディアのミュータントヒーローが張り巡らすフィールド内ならば陸と同じように戦える。メロディアのヒーローチームと連携して大量のANGEL達を打ち倒し、元凶のクリティアスを倒して欲しいとメイスンは依頼する。
「この戦いでも超生物スナークではなく、猟兵組織としての秘密結社スナークの名を轟かせてほしいのー」
 そう言ってメイスンは転移術式を展開する。超生物スナークを生み出すという、スナークトライアングル阻止の為、猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員として、いざ出陣する。


ライラ.hack
 海洋汚染、ダメ。絶対。
 どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。

 このたびはヒーローズアースのオウガ・フォーミュラとなった、ミストレス・バンダースナッチ麾下の猟書家クリティアスとの戦いとなります。
 まずはシャチと合体し「海洋型オブリビオン」となった「ANGEL」との戦いです。クリティアスの侵略蔵書の力でアトランティスの超技術「適応光線」を無効化してきますが、ミュータントヒーロー達の側であれば陸上と同様の活動ができるようサポートが受けられます。うまく連携していきましょう。
 またANGEL達を全滅できないと、クリティアスが汚染された海水を纏い、パワーアップします。この状態では、何らかの汚染海域を突破する手段が必要となります。

 以下、特殊ルールとなります。
 プレイングボーナス(全章共通)……ミュータントヒーローのヒーローチームと共闘する、もしくは猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る(敵がスナークの名の元に恐怖を集める企みを妨害します)。

 以上です。地上文明への憤怒から海洋汚染をばら撒こうとしている危険な猟書家を是非倒して下さい。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『ANGEL』

POW   :    悪を滅ぼせ!
【悪タイプ特効の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【(自称)聖なる】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    アクをホロぼせ!
召喚したレベル×1体の【ANGEL】に【聖なる翼(自称)】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
WIZ   :    AクWoほロoBせ!
自身が戦闘不能となる事で、【しがみついた】敵1体に大ダメージを与える。【輝かしき正義をたたえる言葉】を語ると更にダメージ増。

イラスト:塒ひぷの

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ヒーローズアース・アトランティス文明 海洋都市メロディア近海
 地上文明から救援に来たヒーロー達を救出し、海洋都市に避難を完了したメロディアのミュータントチーム。だがその間に、猟書家クリティアスが生み出した海洋型オブリビオン達はメロディアを包囲するように展開している。
 その姿はまさしく異様。包帯の赤子の天使「ANGEL」がシャチと合体したかのような異様なバイオモンスターと呼べる存在は、ミュータントチームを見下し、最後通牒を行う。
「地上文明の怒りを忘れた者達は悪である。スナークトライアングルの贄になるは当然である」
「アトランティスの悪に鉄槌を! 超生命スナークの礎となれ!」
 戦闘のANGELが宣告すると、後ろに続く大量のANGEL達も続いての大合唱である。天使の羽と不気味な赤子が生えたシャチの大群など、見たこともない。
 そんな海洋型オブリビオンの圧倒的な数と禍々しい気配に、ミュータントチームの飲まれそうになる。このままでは持ちこたえられない、そうリーダーであるアレク・ウィルソンは自分が犠牲になっても、仲間を奮い立たせる決意をする。

 だがそんな犠牲はいらないとばかりに、アトランティスの深海に現れる一つの集団。それこそが、この絶望の状況を斬り開く猟兵組織だ
「来てくれたか、秘密結社スナーク!」
 アレクはそう言ってミュータントチームを率いて、猟兵達を自身のフィールドに引き入れる。ミュータントチームは「適応光線」と同等の能力を展開することができ、陸上行動を可能にする。
 ただ人数制限は厳しく、大量の地上文明のヒーロー達と連携するには難しかった。だが少数精鋭の猟兵達ならば行けると言わんばかりに、能力を発揮してサポートする。
「スナークは秘密結社にあらず。超生命である」
「スナークを語る悪に鉄槌を! 海洋を汚す悪に裁きを!」
 だが海洋型オブリビオンのANGEL達は猟兵達を認めはしない。超生命スナークを生み出すスナークトライアングル創造を邪魔する者は悪と決めつけ、襲い掛かる。
 その姿は正義とは程遠い。だが自身の正義を証明するのは戦いの上でのみ。汚染を食い止めるべく、猟兵達の戦いが始まる。
メンカル・プルモーサ
…なんでサメじゃないの……まあいいや…
…スナークの方から来た猟兵だよ…助けに来たよ…
…さて、自爆戦法は厄介だけど弱点もある…あいつらの動きを止めるからそこを仕留めて貰えると助かるかな…
【戦術構築:奸計領域】を発動…遅発連動術式【クロノス】によりオブリビオンに反応して周囲の海水と共に凍結させて拘束する術式罠を各所に設置…
…接近とがみつきを妨害するよ…ここをミュータント達に攻撃して仕留めて貰おう…
…強引に爆発することでダメージを与えて来る場合は海水を凍らせて氷の壁を作って防御…自爆するなら近寄らせなければ効果は薄い…
…後はミュータントチームと連携して術式装填銃【アヌエヌエ】で銃撃していくとしよう…


バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携OK

No! 海を汚しては、海産物にダメージが!
海産物の身でありながら、海を汚染するなど許せマセーン!
海洋を守る正義の秘密結社、スナーク! 参りマース!

ヒーローチームのフィールドの中からオブリビオンを睥睨しマスガ……珍妙デスネー、深海で炎を使うとは。
流石に食指は動きマセーン、なのでジェノサイドでOKデスネー!

取りこぼさないよう討ちマショー。フルバースト・マキシマム展開!
遠くはグレネードランチャーやガトリングガンで木端微塵にして、
無理やり近づいてきたらチェインハンマーを発射して粉砕しマース!

ご安心を、エブリワン!
ワタシの防衛圏に存在するオブリビオンは殲滅するであります!



 猟書家クリティアスが生み出した海洋型オブリビオン。それは海洋生物とオブリビオンを融合させ、アトランティスのような深海でも適応光線なしでも活動できるようになった者達のことである。
 そして今いるANGELの群れはそれにあたる。海のギャングと名高いシャチと融合し、その攻撃性と獰猛さはさらに増したように感じられる。
「スナークを語る悪に鉄槌を! 海洋を汚す悪に裁きを!」
 そしてANGELが持つ独善性は変わることはない。むしろ悪化していると言っても過言ではなく、自己の正義の為に他者を排することは正義だと思い込んでいる。
「…なんでサメじゃないの…」
 そう言って落胆の表情を浮かべるのはメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)である。ちょっとサメ映画でのパニックも想像していただけでに少し残念に思う次第であった。
 だがそうも言っていられない。メンカルとてミュータントチームリーダーのアレク・ウィルソンを筆頭としたサポートがなければ深海での活動は厳しい。
「…まあいいや……スナークの方から来た猟兵だよ…助けに来たよ…」
「助かる。だがどう掃討する? かなりの数だぞ」
 アレクがトーンが低くなりながらメンカルに相談するのも無理はない。ANGEL達はさらに翼の生えたANGEL達を召喚し、数を増やしているからだ。
 醜悪に「アクをホロぼせ!」を滅ぼせという光景は一種のホラー要素も兼ね備えている。それがいつでも突撃準備万端とばかりに待機しているのだから顔も引き攣るというわけだ。
「…さて、自爆戦法は厄介だけど弱点もある…あいつらの動きを止めるからそこを仕留めて貰えると助かるかな…」
 アレクがどういう意味か問う前にANGEL達が突撃を開始する。本来ならば突破されることも考えなければならない圧倒的劣勢ではあるが、メンカルは一切動じてはいなかった。
 彼女の仕込みはすでに終わっている。能力「戦術構築:奸計領域(ウェルカム・キルゾーン)」と遅発連動術式【クロノス】の発動はすでに終えている。
「この深海なら…これが効果的か」
 ANGEL達が海洋都市メロディアの方角へ進路を取って、メンカルが張り巡らしたテリトリーに入り込んだ瞬間、術式罠が発動する。ANGELのオブリビオン反応のみに呼応するように術式を組み込んでいたものが自動発動を始める。
 周囲の海水と共に凍結させる術式がクロノスの効果によって遅延発動する。実際にはメンカルが発動していたものが時間差で発動するものであるが、これで動きを拘束できる。
「今だ、行くぞ!」
 今ならば接近とがみつきを妨害されて、攻撃することができない。そこにアレク率いるミュータントチームが攻撃を開始する。身体を変形させて、凍結した部分を狙い、次々とANGEL達を粉々にしていく。
 自爆するならば近寄らせなければ効果は薄いと用意してい置いた氷の壁の術式も適時発動させて、ANGEL達を接近させることはない。アレク達の死角を狙おうとする敵は、術式装填銃【アヌエヌエ】の凍結術式を込めた弾丸で射抜いていく。
「……邪魔はさせないよ……」
 そう言ってメンカルはミュータントチームの攻勢サポートに徹する。自爆や爆発によって凍結が解除されないように気を付け、予兆が見られた敵には容赦なくアヌエヌエの狙撃が炸裂していく。
 だが依然とANGEL達の数が多く、包囲は続く。この状況を打開するべく、一人のバトルメイドが意気揚々と参戦をする。
「No! 海を汚しては、海産物にダメージが! 海産物の身でありながら、海を汚染するなど許せマセーン!」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は義憤に燃えていた。海の恵みを享受する海産物が海を汚すことの愚かさに。己の腹を満たすであろう海産物が汚れるということに。
 そんな矛盾を受け入れてはならないということでこのアトランティスまでやってきたのだ。ならば熟練の猟兵として、海を汚す天使であろうとも、シャチと合体したオブリビオンであろうとも蹴散らすのみである。
「海洋を守る正義の秘密結社、スナーク! 参りマース!」
 そう言いつつも、バルタンはしかとミュータントチームのフィールドの中からANGEL達を睥睨していた。そしてその天使達がこの海の中にも関わらず炎を纏っていることに怪訝を示す。
 どんな炎なのかは健闘も突かないが、悪を滅ぼすといっていたからその類なのだろう。だがバルタンは色合いからしてもどうにも気に入らない気持ちが湧き出る。
「流石に食指は動きマセーン、なのでジェノサイドでOKデスネー!」
 そして能力「フルバースト・マキシマム」を発動、全力全開の攻撃を開始するバルタン。すでに敵をロックし、メンカルやミュータントチームは除外を完了している。
 遠くの敵はグレネードランチャーの水中起爆による魚雷爆撃・ガトリングガンの弾幕射撃がANGEL達のシャチの身体を木っ端微塵にしていく。仮にその弾幕を掻い潜ってきても心配ご無用である。
「取りこぼさないよう討ちマショー!」
 片手に構えていたチェインハンマーを怪力で振り回して、炎が飛び火してくる前にANGELの頭部を粉砕するバルタン。その表情は包帯の赤子など全く気にしない、歴戦の戦場を潜り抜けた者が出す顔であった。
 その殲滅力に頼もしさを覚えるアレク。すでにメンカルと連携して包囲の一角を崩しつつあるところに、この攻撃殲滅力はありがたいというものだ。
「ご安心を、エブリワン! ワタシの防衛圏に存在するオブリビオンは殲滅するであります!」
 そのバルタンの言葉に嘘偽りなどなし。現にANGEL達の群れを大きく粉砕し、すでにメロディアを囲む敵戦力は大いに態勢を崩しつつあった。

 これを見たクリティアスはANGEL達の包囲を解き、一個の塊となって軍勢を立て直す必要性を強いられる。これほどの突破力とトラップがあっては攻勢維持は難しいからだ。
 だがANGEL達は大きく数を減らし、ミュータントチームにとっては一気に殲滅するチャンスとも言える。メロディアを守れるか、その分岐点に差し掛かろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

源波・善老斎
汚染への憤りから自らも汚染をはたらくとは、呆れて物も言えんわい。
態々出てこんでも、骸の海でやっておればよかろうに。

いかに我輩といえど、水中では不利を認めざるをえん。
ここはミュータントヒーローの面々を頼るしかあるまい。
行善天拳奥義が一、【都留木笥未陣具】!
即ち、都て木の笥に留まり、未だし陣に具えるべし!
地上同様に動けるよう、後方から援護給われぬか相談するぞい。
助力さえあれば、我が【功夫】による発勁で奴らの炎すら掻き消せよう。

まあ、そんな事せんでも効かんがの。
我輩の名は善老斎、悪である筈がなかろう?
勿論冗談じゃが、奴らにはそれで充分よ。
つまりじゃ……危険を正すが我が至道なれば、齎す輩に語る舌なし!


シーザー・ゴールドマン
やあ、秘密結社スナークから来させてもらったよ。
しかし、海洋汚染を怒った海神の眷属が今では自ら汚染を撒き散らすとは。
何とも滑稽で哀れな話だね。

『レヴィアタンの顕起』を発動。そのあらゆる環境に適応する権能を以て、海中でも自在に動く。あと、無敵防御。

ANGELたちの群れに向け、海中で無数の魔力刃が吹きすさぶ大竜巻を発生させて、それに巻き込んで滅ぼします。
(属性攻撃×範囲攻撃×全力魔法×斬撃波)



 ANGEL達の悪の滅びを望む大合唱が、海洋都市メロディアの近海に木霊する。正義の軍勢が悪に破られたのだから、その怒号はさらに強くなっている。
 シャチと合体して海洋型オブリビオンになっている故に余計に化け物感が出ているANGEL軍団。もはや肉食の天使といっても過言ではない外見をしている。
 それが一個軍団として集結し、メロディアに攻撃を仕掛けようとしているのだ。さすがにミュータントチームといえども、これをまともに受ける戦力は存在しない。
「汚染への憤りから自らも汚染をはたらくとは、呆れて物も言えんわい」
 そうやって首をコキリッと鳴らすのはケットシーの源波・善老斎(皓老匠・f32800)。謎の武術「行善天拳(あんぜんてんけん)」の遣い手である仙猫である。
 剣呑な表情でANGEL達を見つめる善老斎であるが、その眼光は鋭い。人知れず民を守ってきた彼にすれば、ANGEL達の蛮行は見て見ぬ振りはできないものだ。
「態々出てこんでも、骸の海でやっておればよかろうに」
 そうは言うものの、善老斎の嘆きも無視にANGEL達は突っ込んでくる。その手には悪を燃やす炎を宿しており問答など無用と言わんばかりだ。
 とはいえこのアトランティスの環境下では善老斎といえども、ミュータントチームの力を借りざるを得ない。水中で不利を悟るが故にやるべきことは決まっているのだ。
「いま準備しておる故、暫し待たれよ」
「あ、ああ。あの数相手に豪胆なことだ」
 そう言って発動するのは行善天拳奥義が一、「都留木笥未陣具(ツルボクス・ミチング)」。ヒーローチームが展開する深海活動を可能にするフィールド「自体」に椅子代わりに腰掛け、アレクに相談する。
 口伝に曰く「都(すべ)て木の笥(はこ)に留め、未だし陣(いくさ)に具えしむ」。アレク達も何のことかわからないが、迫り来るANGEL達にも動じない善老斎の相手を務める。
「なに、即ち、都て木の笥に留まり、未だし陣に具えるべしじゃ!」
 地上同様に動けるよう、後方から援護給われぬか相談する時間が欲しかったわけだ。それを得ることが出来れば、善老斎とて怖いものはない。
 ミュータントチームの深海フィールドの助力さえあれば、後は善老斎の功夫で何とかなる。その水をも操る拳で軽やかな舞を舞うが如く、ANGEL達を撃退していく。
「まあ、そんな事せんでも効かんがの。我輩の名は善老斎、悪である筈がなかろう?」
 その拳を振るいながら、悪特攻の炎を消し差しながら、行善天拳を振るうケットシー。もはや水を得た魚のように次々とANGEL達を粉砕していく様はまさしく一騎当千だ。
 勿論善老斎の言葉は冗談ではあるが、ANGEL達にはそれで充分であっただろう。独善的な正義を振りかざす相手には、こちらも独善的な拳を持って応えるまで。
「つまりじゃ……危険を正すが我が至道なれば、齎す輩に語る舌なし!」
 あとは己が修める行善天拳が語ると言わんばかりに、その功夫を振るっていく善老斎。ANGEL達は炎を宿すことなく散っていくのは技術なき故かもしれない。

 そんな味方の奮闘を見届けるように現れたのはシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)だ。余裕の笑みは強者であることを印象付け、アレク率いるミュータントチームにも安心感を与える。
「やあ、秘密結社スナークから来させてもらったよ」
「助かるよ。おかげで戦況は大分よくなっている」
 アレクの言葉に偽りはない。海洋都市メロディアを全包囲するほどいたANGEL達は、いまや突撃形態も半壊状態に陥るほど、数を減らしている。
 善老斎が前線で猛烈に拳を振るって突撃の勢いを減らしているのも効いている。ここでシーザーが攻撃に加われば、うまくいけば一網打尽にできると細く笑む。
「しかし、海洋汚染を怒った海神の眷属が今では自ら汚染を撒き散らすとは。何とも滑稽で哀れな話だね」
 猟書家クリティアスの所業に対して、皮肉の笑みしかでないシーザー。現在の侵攻自体がもはや矛盾を孕み、本末転倒なやり方となっているからだ。
 だがそれでこそオブリビオンなのかもしれないとも納得はしている。だからこそシーザーは容赦など一切する気はなく、ここで殲滅するのみだと手をかざす。
「五日目に創られた最強の生物。その力だ」
 能力「レヴィアタンの顕起(デウス・マレ)」を静かに発動させる。曰く、その硬い鱗と巨大さから、いかなる武器も通用しないとされる、最強の水棲生物レヴィアタン。
 そのあらゆる環境に適応する権能を身体に宿し、海中でも自在に動くシーザー。ANGELが同胞の天使を召喚して迎撃に当たるものの、その絶対無敵の防御を崩すことは能わない。
「温い攻撃だ」
 そう言った瞬間に、まるでジェット機のような機敏な動きを海中で見せるシーザー。すり抜け様にオーラセイバーで斬り刻むことで血の海を作り出し、さらにANGEL達を引き込む。
 血が怒りを呼び、正義の鉄槌を下せ、悪を滅ぼせと叫ぶANGEL。だが秘密結社スナークとして力を振るうには十分なフィールドである。
「偽善とは滅ぶ為にあるものだよ」
 シーザーはオドの魔力を活性化させて、ANGEL達の群れに海中で無数の魔力刃が吹きすさぶ大竜巻を発生。それは集団で固まっているが故に避けられることのない死の嵐であった。
 シャチの肉体ごと天使達の羽は散り、肉体はバラバラに刻まれて血は海へと消える。正義を謳う天使の軍勢はその圧倒的な魔力を持って滅んでいった。

「すごいな……、これが秘密結社スナークの力か」
 そう言ってアレク達ミュータントチームが口から漏らすのも無理はない。あれほど絶望的な防衛戦にも関わらず、その天使達はもういない。
 ANGFL達は善老斎の拳とシーザーの魔力嵐によって完全に消滅させていた。それほどまでに強力な攻撃であったのは言うまでもない。
 これで海洋都市メロディアが汚染される危険はとりあえず去った。だが脅威は続く。その先にいる、強烈な気配を発する猟書家を倒さなければ本当の危機は去らないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『クリティアス』

POW   :    深海激怒ティマイオス
【海を汚染した地上文明に対する怒り】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
SPD   :    海洋憤懣ヘルモクラテス
自身の【頑健な甲羅】から【大津波と共に汚染に蝕まれた海洋生物たち】を放出し、戦場内全ての【敵を海に沈め、海洋生物以外の水中活動能力】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
WIZ   :    侵略蔵書「ガベッジ・オーシャン」
【猛毒と化した汚染水を垂れ流す姿】に変身する。変身の度に自身の【体から溢れる汚染廃棄物】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。

イラスト:須田デジタル

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はマローネ・ティーフゼーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 シャチと合体した海洋型オブリビオン「ANGEL」は見事に猟兵達に一網打尽となった。その性質上、悪を見ては止まらない性質も災いしたのであろう。
 その様子を歯噛みして督戦していた猟書家クリティアスは怒りで顔を歪ませる。その巨体を象徴する巨大な甲羅は、その心情を現すかのように汚染物質をまき散らす。
「海洋文明に味方する小癪なヒーロー共め! 秘密結社スナークだと、笑わせてくれる!」
 その巨体は自身のみでも海洋都市を粉砕するのに相応しいものだった。それに合わせて海洋汚染を引き起こす汚染水も垂れ流すのだから、たまらない。
 幸いANGEL達の援護はないものの、その怒りの力は凄まじいものがある。それこそが自らが愛した海洋の怒りが原初にあるのか、もはや聞く耳はもたないだろう。
「超生物スナークの誕生を邪魔する者! 地上文明の復讐を阻む者! すべて死ね! 穢れて堕ちよ!」
「来るぞ、スナーク諸君! 私達も出来る限り援護はする! 頼むぞ!」
 そう言ってミュータントチームのリーダーのアレク・ウィルソンは気を張る。それほどまでに目の前の敵は強大だが、深海活動を可能とするフィールドを張り巡らせる。
 かつては海神の眷属として、高潔なる戦いを挑んだ者。その果てに汚濁の化身となった猟書家クリティアスとの深海決戦が始まる。
百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生

正義感が強く困っている人は見過ごせない

UCは業火の一撃、灼熱の束縛に加えて
自分たちが押し切られそうになったらオーバーヒートバッシュ
🔴の数が多い場合はバーニングリベンジャーだ

攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる

逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター
こいつがボスか…
みんな大丈夫?助けにきたよ!

そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!

技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態

アドリブ絡み歓迎

影朧などの場合は説得もしたい


リン・ベルナット(サポート)
 「ヒーロー参上!悪党は覚悟してね!」


方針
仲間と協力できる時は協力するよ!

冒険の場合は考えるより行動するよ!なせばなる!

日常の時も体を動かせるような事をしたいね。

戦闘の時は身体能力を生かしてアクティブに戦うよ!
敵の攻撃はダッシュしたりジャンプで回避するか、バトンロッドを使った武器受けでの防御で対処するね。

ユーベルコードは敵によって適時使い分けて戦うよ!
集団戦なら纏めてドーン!って感じで戦うし、ボス戦なら強力な一撃をドカン!と叩き込んだりするね!

NG
犯罪とか他人が嫌がる行為はしないよ。ヒーロー的にも絶対にNGだもんね。後、公序良俗に反するようなこともNGだよ。


佐那・千之助(サポート)
「手が要るか?」
入り用ならば、なんなりと。

ダークセイヴァー出身のダンピール
困った人を放っておけない
いつも人への敬意と好意を以て接する
よく言えばお人好し。たまに騙されていることは秘密。
可愛い動物や甘いものに懐柔されやすい

戦闘は前衛、盾役向き。治療も可能。
焔(他の属性は使えない)を黒剣に宿し斬り込んだり、遠くの敵でも焔を飛ばして燃やしたり。
負傷は吸血や生命力吸収で持ち堪える

平和主義なので戦わずに済む敵なら平和的解決
かわいい敵は抱いてもふりたい
想い人がいるので色仕掛けは効かない

物語に合わせて諸々お気軽に、どうぞご自由に。
よき手助けができれば嬉しいです。


源波・善老斎
その怒りは理に適えども、行いは道を違えり。
それがオブリビオンの性ならば、海神じゃろうと倒すしかあるまい。

いかに身の丈に差があろうとも、我が積年の【功夫】あらば痛手を与えることはできよう。
しかしその隔たりが大きくなるほど、覆し難くなるのもまた事実。
故に、恐るべきはその巨躯をしてなお増大させる、力の根源たる怒りじゃ。
然らば……行善天拳奥義が一、【拉気掌】!
即ち、掌にて気を拉くべし!
かの神の気勢を削ぐとともに能力を封じ、他の者の助けとしよう。

たとえ正気に非ずとも、尽きせぬ苦衷は真なれば、この海の民にも伝わったじゃろう。
世の害なるを正さんとするところは我輩も同じ故、想いは我らに預け、安らかに眠らん。


メンカル・プルモーサ
…猛毒の汚染物質とはまた…面倒だな…
…深海で活動出来るようにはなっても汚染までは対応していないだろうし…
(ミュータントチームに)…重奏強化術式【エコー】で強化した復元浄化術式【ハラエド】で汚染を浄化するから…その間に攻撃をお願い…
…まあ傷を付けられれば変身を繰り返すのだろうけど…
…何度も変身を見せられればこちらも対応ぐらいは編み出せる…
…【崩壊せし邪悪なる符号】を使って変身を解除…元の姿に戻してしまうよ…
…変身を封じたら浄化術式をミュータントチームの武具に付与…
自分は浄化の魔力の乗った術式組紐【アリアドネ】で防御や拘束での支援をする事で連携を取ってクリティアスを追い詰めて行くよ…



 海洋文明アトランティスの都市メロディアに住む市民は恐れ慄いていた。自分達を滅すると豪語する猟書家クリティアスの放つ怒気に本気を感じ取っていたからだ。
 地上文明に向ける怒りも本物であり、それに組する者に対しても容赦はしない。何より超巨大と称してもいいクリティアスの体躯を見て、それが可能だということも恐怖を促進させていた。
 このまま超生物スナークを生み出す、スナークトライアングルの一部となってしまうのか。だがそんな不安を断ち切るべく、秘密結社スナークの猟兵達はクリティアスに立ち塞がる。
「その怒りは理に適えども、行いは道を違えり」
 アレク・ディクソン達ミュータントヒーローチームが生み出すフィールド内で、源波・善老斎は相手を見据える。激怒の権化のような山の如きクリティアス。
 確かに海洋汚染をした地上文明には悪があったかもしれない。だがすでにクリティアスは道理を外れ、己が悪と成り果てていることすらも気づいていない。
「それがオブリビオンの性ならば、海神じゃろうと倒すしかあるまい」
 善老斎とクリティアスとの体格差は歴然としている。体格を変化させるミュータントヒーローですら及ぶものではないだろう。
 さらに海を汚染した地上文明に対する怒りの感情を爆発させることで、そのサイズは大きくなりつつある。だが善老斎は自身の積み上げてきた功夫を信じている。
「しかしその隔たりが大きくなるほど、覆し難くなるのもまた事実」
 功夫によって痛手は与えることはできるであろう。しかしクリティアスを凌駕できるとなれば話は別になる。
 こちらが思った以上の反撃を受ける可能性もあるかもしれない。故に、恐るべきはその巨躯をしてなお増大させる、力の根源たる怒り。突くべきはそこである。
「然らば……行善天拳奥義が一!」
 ミュータントチームのフィールドと共に一気に接近し、懐に入った善老斎が放つのは奥義「拉気掌(ロウキショウ)」。特殊な生命エネルギー「老斎包気」を込めた掌底がクリティアスの身体に突き刺さる。
 そこから放たれる気功波はクリティアスの装甲を貫き、内部へと浸透していく。そしてそのダメージは身体ではなく、他者や対象自身に危険を及ぼす心へと向かう。
「即ち、掌にて気を拉くべし!」
 その気功波はクリティアスの力の根源たる怒りに向けて多大なるダメージを与える。気勢を削ぐとともに巨大化と戦闘能力の拡張を止め、減衰させていく。
 自身の攻撃が決定打になりえないことは重々承知している善老斎。だが、この弱体化は他の者の攻撃の援護になる。
「たとえ正気に非ずとも、尽きせぬ苦衷は真なれば、この海の民にも伝わったじゃろう」
 そしてその善老斎の援護に応える秘密結社スナークの猟兵達あり。援軍として駆けつけた百地・モユル(ももも・f03218)と佐那・千之助(火輪・f00454)だ。
 二人の炎使いであるが、この海でも使えるのはミュータントチームの張る特殊フィールドのおかげだ。それによって十二分の力を発揮することができる。
「こいつが猟書家か……みんな大丈夫? 助けにきたよ!」
 モユルの気質は熱血で好奇心旺盛、そして本が好きな小学生である。だが正義感が強く困っている人は見過ごせない、真っ直ぐな性格が特徴だ。
 故に海洋汚染を繰り広げようとするクリティアスを許すことができるはずもない。そしてメロディアの人々を救う為に、ヒーローチームと共に戦うことに迷いなどあるはずもない。
「燃ゆる命の炎、見せてやるぜ!」
 善老斎の気功波によって動きが止められている今がチャンスと言わんばかりに、モユルは能力「業火の一撃(フレイムインパクト)」を発動する。紅蓮に輝く高熱の炎がDXヒーローブレードに宿る。
 己の最大限の力、敵を粉砕する為に一撃にすべてを込める。そしてクリティアスの甲羅にヒビを入れたところから、紅蓮の炎が入り込んでいきその身体を燃やす。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「スナークトライアングルなんて許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!」
 敵は強大な上に巨大。さらに汚染物質はモユルの身体を蝕むかもしれない。それでも己のありたっけの勇気と覚悟を持ち、気合いを入れてその炎を流し込み続ける。
 それを邪魔を思ったのか、クリティアスは手足を払って追い払おうとするが、ヒーローブレードで受け止める。そしてその後ろからは千之助が続く。
「手が要るか? 入用なら何なりと」
 ダークセイヴァー出身のダンピールであり、困った人を放っておけない性格。千之助はあの闇と絶望が染まる世界の中では信じられないくらい、お人よしに育った。
 そしてその力を振るうのは弱者の為。故にメロディアを守るのも、善老斎やモユルを助けるのも、人への敬意と好意を以て接するが故である。
「本当なら平和的に解決したかったが、やむを得まいの」
 そう言って能力「黒風鎧装」を発動し、髪が染まり真紅の瞳を宿すヴァンパイアのような真の姿を解放する千之助。漆黒の旋風を纏い、威圧を増しながら焔を黒剣に宿し、斬り込む。
 狙うはモユルが生み出した亀裂。そこに黒剣を叩き込んで漆黒の旋風でより亀裂を大きくしていく。さらに焔を流し込んでいき、さらに延焼を強いものにしていく。
「がああああああああああああああああ!」
 まさしく炎の競演といってもいいだろう。モユルの紅蓮の炎と千之助の黒い旋風を纏った焔は容赦なくクリティアスの身体を焼いていく。
 それを止めようとしてもモユルは強力な攻撃を受け止め、千之助も強固な防御力で受け止め、可能な限りダメージを与え続ける。その様子に善老斎は哀れみすら覚える。
「世の害なるを正さんとするところは我輩も同じ故、想いは我らに預け、安らかに眠らん」
 それは純粋なる思いやりの心でもあった。クリティアスが生前やり遂げたことを顧みると今やっていることは矛盾でしかない。

 だが善老斎の言葉も虚しく、多大な火傷を負いながらもクリティアスは危機を脱する。そうなればさらなる攻撃を仕掛けようとする者もいる。
「ヒーロー参上! 海を汚す悪党は覚悟してね!」
 そう言って現れたのはリン・ベルナット(スポーツヒーロー・f17042)。高い身体能力を生かし、ヒーロー活動を続ける少女である。
 善老斎が隙を作り、モユルと千之助が畳みかけてダメージを負った今こそが叩き時だ。その好機を逃さず、連携してこそこの強大なる敵を倒すことができるというものだ。
「投げて投げて投げまくるよ!」
 リンが発動するのは能力「投槍乱投(ジャベリン・バラッジ)」だ。クリティアスの甲羅すらも容赦なく粉砕する投げ槍を、目に止まらない速さで連続投擲していく。
 ミュータントチームのフィールドを飛び移るように動きながら、その有り余る身体能力を生かし投げ込んでいくリン。その様はまさしく一人で包囲集中砲火を仕掛けているようであった。
「おのれええええ! 舐めるなよおお!」
 そう言ってクリティアスは侵略蔵書「ガベッジ・オーシャン」を開いて能力を発動する。猛毒と化した汚染水を垂れ流す姿になり、身体が肥大化していく。
 まるで脱皮するかのようにその身体に与えた傷は回復していき、リンの投げ槍に対抗しようとする。遠距離攻撃故にリンに対しては影響はないが、体から溢れる汚染廃棄物はとても厄介なものだ。
「うーん、キリがないよ!」
「…猛毒の汚染物質とはまた…面倒だな…」
 リンが悩んでいる間に様子を伺っていたメンカル・プルモーサはクリティアスとその猛毒の汚染水を観察する。接近するにはあまりにも危険すぎると一目でわかるほどの色合いをしている。
 アレク達ミュータントチームによって深海でも活動できるフィールドがあるとはいえ、汚染に対する耐性までは期待できない。リンの投擲攻撃に加え、さらなる打撃力を加えなければクリティアスの再生能力を上回ることはできないだろうとメンカルは判断する。
「アレク……わたしに考えがある。あなた達は攻撃をお願い…」
 そう言ってメンカルは術式の威力や効果を強化する重奏強化術式【エコー】を発動させ、強化した浄化復元術式【ハラエド】をアレク達に付与する。それは汚染や穢れ、毒、呪詛、汚れ、侵食等を浄化して、対象を正常な状態へ戻す術式である。
「了解だ!」
 それを理解したアレク達はメンカルやリン達のフィールドを張る班に分かれ、クリティアスに突撃する。猛毒さえなければアレク達とてその拳やミュータント能力による破壊を炸裂させることができる。
 それに加えてリンの投げ槍も突き刺さり、クリティアスはさらなる変身を余儀なくされる。だが変身を繰り返すということは、メンカルにその侵略蔵書「ガベッジ・オーシャン」を見抜く時間を与えるということだ。
「…何度も変身を見せられればこちらも対応ぐらいは編み出せる…」
 そういって発動するのは魔術「崩壊せし邪悪なる符号(ユーベルコード・ディスインテグレイト)」を発動。情報を分解する魔術を超音波のように乗せてクリティアスの方向に放つ。
 それは侵略蔵書「ガベッジ・オーシャン」を効力を相殺し、変身を解除するものであった。元の姿に戻ってしまったクリティアスは付与されたダメージにのたうち回ることになる。
「…今だよ…」
「今だね!」
「今だ!」
 メンカルとリン、アレクの掛け声と共に集中攻撃が敢行される。リンの投げ槍が甲羅を穿ち、アレク達ミュータントチームは浄化術式を付与された武具で亀裂からクリティアス本体を叩いていく。
 そしてメンカルは浄化の魔力の乗った術式組紐【アリアドネ】で防御や拘束での支援をする事で、攻撃チームと連携。クリティアスの傷を抉り、追い詰めていく。

「おの、れえええええええ! これしきでええええええ!」
 だがクリティアスもしぶとい。何とかメンカルのアリアドネの拘束を破り、リンの投げ槍の範囲外まで高速で泳ぎ切って難を逃れる。だがその甲羅の破片は辺りに散らばるほどの損害を受けているのは一目瞭然である。
 さらに怒りの感情も削られ、火傷によるダメージも軽くない。それは巨大なるクリティアスを倒す為の大きな一歩だ。汚染を巻き散らす猟書家、それを着実に追い詰め、猟兵は最後の一手を放とうとしていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

チル・スケイル(サポート)
※これはおまかせプレイングです

「皆さん、よろしくお願いします(お辞儀)」
「…(仕事の時間)」

竜派ドラゴニアンのクールな女性です。普段の口調は『私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』誰にでも礼儀正しく接します
戦闘中は 『私、あなた、~さん、言い捨て』不要な発言はしません

戦闘スタイルは魔法による射撃が主体。氷の魔法を操りますが、それ以外の属性は使いません

侮辱や暴言、報酬の踏み倒しなど、敬意に欠ける行為を嫌います

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
あと寿司が大好きです

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!

クリティアス。
お怒りはごもっともかもしれマセンガ、現在進行形で海洋汚染をしているのはアナタデスヨー!
環境保護団体スナーク、参りマース!

と、啖呵を切ったは良いのデスガ。サイズが大きく甲羅も硬い。
手勢の生物や廃棄物を吐き出すので、近づいても攻撃に専念するのは難しそうデース。
……閃きマシタ!

「六式武装展開、雷の番!」
巨大化していくクリティアスの真正面から突撃して、その大きな口の中にダイブしマース!
Oh,体内も安全ではないようデスガ、表よりは軟いデスネ!
電撃出力全開! 内蔵式・換装式の武器を一斉発射!
内側から大暴れしマスヨー!
確か、そうそう。ハラワタをブチマケロー! デース!


シーザー・ゴールドマン
超生物スナークね。我々秘密結社スナークの強さに肖りたいのかな?
ハハハ、可愛いものだね。

身に纏うオドの濃さが増す。(『アイオーンの隔絶』の発動)
クリティアスのUCを含むあらゆる攻撃を受けて戦闘力を増強しつつ、敵UCによる回復も許さぬ一撃を与えられる力が溜まるのを待ちます。
(戦闘知識×見切り)
溜まったら極大の魔力弾を。(範囲攻撃×全力魔法)
UCにより生命力吸収も付与されたそれはクリティアス自身の生命力を周囲の海を浄化する力に変換しつつ破壊しましょう。(浄化)


リリ・アヌーン
アドリブ連携歓迎よ
ソロは避けたいわね

私も猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員と名乗りヒーローチームに
共闘願います

歌と威厳のある言動で
皆に勇気を与えるわ

「大切な人が困っている時、何もしない人なんている?私は黙っていられないわ。怖くて動けなかった子も来て。今こそ一緒に立ち上がるのよ」

UCを全力魔法と
多重詠唱を乗せた
労働歌風のリズムと
歌声で発動し歌い続ける

制御が難しいぶん
祈りと幸運を込めた
2回攻撃
仲間のサポートがあると
助かるわ

炎の竜巻による暴風で
汚染水や廃棄物を吹き飛ばし炎で干上がらせて
回復や変身を
阻止しながら継続ダメージ

「くっ、やっぱりコントロールが難しいわね……!でもお願い……
届いて……!」



 猟書家クリティアスは大いに追い詰められていた。その破損した甲羅からは汚染物質が垂れ流しになり、その肉体からは生命力たる己の身体の血が深海へと滲みだす。
 この痛みは地上文明に戦いを挑んだ時以来だと思った。そしてその無謀な戦いで生命を散らしたのは、地上文明がばら撒いた汚染物質であった。
 それが今のクリティアスの力になっているのはまさしく皮肉と言えるのか。だが負けるにはいかないと、海洋都市メロディアを破壊せんとありったけの咆哮を放つ。
「皆さん、よろしくお願いします」
「あ、ああ。君は随分と落ち着いているな」
 ミュータントチームのアレク・ディクソンが感嘆するのも無理はない。あれほどの威圧を放つクリティアスに対してもチル・スケイル(氷鱗・f27327)は変わらずに冷静で、こちらにお辞儀をしていたのだから。
 竜派ドラゴニアンであり誰にでも礼儀正しく接するクールな女性。だがその瞳はしっかりとクリティアスを捉え、その動きを見据えている。
「我が憤怒! 汚染で死んだ海洋生物達の怒りを知れ!」
 そんな声と共に頑健な甲羅から大津波と共に汚染に蝕まれた海洋生物たちを放って飲み込もうとするクリティアス。幸い深海適応に対してはアレク達が守ってくれるが、海洋生物達が襲い掛かってくる。
 アレク達が拳や武器で迎撃するが、チルも負けてはいない。突撃杖『ストゥーマ・フシロ』による氷の魔法弾を連射して汚染に巻き込まれないように海洋生物達を屠っていく。
「……」
 そして寡黙ながらも、クリティアスに狙いを定める。能力「氷術・狙(アイススナイプ)」を発動させる為に、海洋生物達の死骸を盾に、クリティアスの死角へと回り込む。
 幸い、ミュータントチーム達の派手な立ち回りと、クリティアスが巨大な為に素早く動くチルを視界で捉えるのは難しい状況。それも計算に入れながら狙撃杖『カシュパフィロ』を構える。
(一撃で)
 その内心と共にチルは氷の魔法弾を撃ち込む。狙うはクリティアスの甲羅の中でも亀裂が入り、火傷がひどい身体の部分であった。そこに弾丸が入り込み、火傷で酷くなっていた組織を凍らせる。
 そしてもう一度の狙撃でその氷を打ち砕き、周辺組織を根こそぎ砕く。その範囲攻撃じみた破壊にクリティアスの悲鳴が木霊する。大津波が止まり、海洋生物達が生み出されなくなったところで、秘密結社スナークの猟兵達が動く。
「超生物スナークね。我々秘密結社スナークの強さに肖りたいのかな? ハハハ、可愛いものだね」
「私も秘密結社スナークの一員よ。アレクさん達、共闘をお願いします!」
 のたうち回るクリティアスを嘲笑うかのようにシーザー・ゴールドマンが睥睨する。身に纏うオドの濃さが増し、その威圧はミュータントチームすらも怯むほどだ。
 そしてそのミュータントチームに勇気を与えんとするのはリリ・アヌーン(ナイトメア・リリー・f27568)だ。その美しきエルフは普段の接客業から親しみやすい雰囲気を出しながらも、力強い口調で話す。
「大切な人が困っている時、何もしない人なんている? 私は黙っていられないわ。怖くて動けなかった子も来て。今こそ一緒に立ち上がるのよ」
 クリティアスの悲鳴と威圧に足がすくみそうになっているミュータントチームを、リリは歌と威厳のある言動で勇気を与え、奮い立たせる。だがそれを圧しようとクリティアスは侵略蔵書「ガベッジ・オーシャン」を起動する。
 猛毒と化した汚染水を垂れ流す姿に変身し、態勢を立て直そうとするも、リリは怯まない。能力「アマデウス」を多重詠唱を乗せた労働歌風のリズムと歌声で発動させ、歌い続ける。
「お願い、私達を守って……!」
 そのリリの祈りと共に炎の竜巻による暴風で汚染水や廃棄物を吹き飛ばし炎で干上がらせる。そうすることによって負傷の回復や変身を阻止しながら継続的にダメージを与えようとする。
 だがこの術は非常に制御が難しい。しかも深海で炎の竜巻を起こし、維持することはかなりの出力が要求されるのでリリにとっても相応の負担となる。
「くっ、やっぱりコントロールが難しいわね……! でもお願い……届いて……!」
 それを可能としたのはミュータントチームを筆頭としたアレクのフィールドのおかげだ。炎の竜巻を貫通させる為にフィールドを道のように作り、通り道とする。
 そうすることで周囲の汚染物質は干上がり、クリティアスは変身をすることができなくなる。そこに飛び込むのがオドを膨れ上がらせたシーザーだ。
「来たまえ」
 能力「アイオーンの隔絶(デウス・アルムム)」を発動させてることによって、オドにあらゆる攻撃を吸収させる能力を付与させたシーザー。受けた攻撃をそのまま戦闘能力に置換する能力は、汚染物質だけではなく、リリの炎の竜巻すらも吸収する。
 そして膨れ上がる戦闘能力を蓄え、シーザーはクリティアスに接近する。シーザーが待つのは、回復も許さぬ一撃を与えられる力が溜まる瞬間である。
「小童があ!」
 シーザーを叩き潰さんと巨大な手足による攻撃を繰り出すクリティアス。それを両腕で受け止め、オドに力を流し込んだ瞬間、シーザーは来たるべき時が来たと感じる。
 カウンターのように放たれた極大の魔力弾は、そのままクリティアスの片腕を破壊し、身体へと突き刺さる。頑強な甲羅を粉砕し、生命力吸収も付与されたそれはクリティアス自身の生命力を周囲の海を浄化する力に変換しつつ破壊していく。
「ぐああああああああああああ!」
 己の力の源である汚染が浄化されていくのを感じ、クリティアスは絶叫を上げる。ただでさえ甲羅を破壊されて、傷は深まる一方なのだ。
 もはや満身創痍なのは誰の目にも明らか。そしてその穢れた生命が終わる好機を嗅ぎつけたのか、バルタン・ノーヴェの瞳が鋭く光る。
「クリティアス。お怒りはごもっともかもしれマセンガ、現在進行形で海洋汚染をしているのはアナタデスヨー! 環境保護団体スナーク、参りマース!」
「舐めるなよ、小娘が……! 我が憤怒、見るがいい!」
 バルタンの戦意を感じ取ったのか、クリティアスも最後の力を振り絞る。海を汚染した地上文明に対する怒りによって戦闘能力が急激に膨れ上がり、そのサイズも今までで最大に巨大化していく。
 これにはバルタンも予想外と言った感じで驚く。啖呵を切ったは良いが、窮鼠猫を嚙むというようにクリティアスは追い詰めれたことで最大能力を発揮した。
「サイズが大きく甲羅も硬そうデース」
 リリやシーザーによって手勢の生物や廃棄物は粗方浄化・焼却されているとはいえ、あの巨大化した手足と体当たりを喰らえばバルタンと言えどひとたまりもない。
 近づいても攻撃に専念するのは難しそうだと判断した瞬間、バルタンに電流走る。それは巨大化して大きく開く口を見たからであった。
「……閃きマシタ! 六式武装展開、雷の番!」
 そして能力「荷電粒子体(チャージパーティクルボディ)」を発動するバルタン。迸る電撃が全身を覆い、自身のボルテージによって戦闘能力を上昇させる。
 高速とも呼べる飛翔能力でミュータントチームが作り出した道を疾駆して向かうのは、巨大化していくクリティアスの真正面。突撃した先にある口へと、躊躇なくダイブしていく。
「な、何!?」
「Oh、体内も安全ではないようデスガ、表よりは軟いデスネ!」
 クリティアスの戸惑いを無視して、バルタンは体内の状況を確認する。体内もまた汚染物質に満ち溢れており、長居をすればバルタンと言えども朽ち果てるほどの汚染濃度である。
 だからこそ最速で済ませる。バルタンは電撃出力全開し、内蔵式・換装式の武器を一斉発射して体内からクリティアスの攻撃していく。
「ぐぎゃあああああああああああ!」
 クリティアスの絶叫と共に電撃を巻き散らしながら、クリティアスの体内を移動するバルタン。まさしく大暴れしながらその内部を駆け抜けていく。
 そしてバルタンが目指すポイントはクリティアスをぶち抜く出口、チルが凍らせて破壊した組織のポイントでもある。そしてその先にある胎動する内臓を発見して、バルタンは獰猛なる笑みを浮かべる。
「確か、そうそう。ハラワタをブチマケロー! デース!」
 バルタンは武器兵器を乱射して、心臓を破壊し、そのまま身体を突き抜ける。チルが破壊したポイントは甲羅も破壊されており、組織も脆くなっていて貫通は容易であった。
 そして重要臓器を破壊されたクリティアスは盛大に吐血し、その瞳からは光が失われていく。その表情は大きな無念が刻まれている。
「届かない、のか……私の、怒り、が……」
 手を伸ばした先には海洋都市メロディアがあった。だが攻撃目標であるそのアトランティスの都市に到達することなく、クリティアスは跡形もなく消滅して、海の藻屑と消えていったのだった。

 猟書家クリティアスがまき散らした汚染物質は、海洋都市メロディアの浄化装置によって残らず消えていくだろう。それは先人が地上文明から受けた汚染を取り除いた知恵の結果であった。
 皮肉にもそれを理解しようとしなかったクリティアスは自身の憤怒と共に滅びを迎えた。それを成した秘密結社スナークの猟兵達に、アレク率いるミュータントチームは敬礼をする。
 それは多くのヒーロー達の模範とも言える、多くの人々を救ったヒーローの姿そのものであったのだから。巨大な敵に果敢に立ち向かったスナークの名は記憶と共に残るだろう。誇るべきヒーロー達として。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年04月29日


挿絵イラスト