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「強さ」に君は何を思うか

#スペースシップワールド #猟書家の侵攻 #猟書家 #バトラー・サファイア #クリスタリアン #漿船

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#漿船


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●漿船トゥーハンブラ
 星瞬く宇宙が窓の外に広がる。そこは静かだった。
 だから囁きにも似たメゾソプラノの声は透き通って聞こえてくる。
「漿船『トゥーハンブラ』……ようやく会えましたね」
 執事服を着たその女性はバトラー・サファイア――猟書家だ。漿船に存在する転送装置を使い、プリンセスの元から単身乗り込んだ。
「私達の元に戻る時が来たのですよ……えぇ、わかっています。あなたが名残惜しく感じるものは――全て、私が消してあげましょう」

●強くなるために
「オレ、強くなりたい!」
 少年、グレンは常々そう言っていた。
 強くなりたい――しかし、何をすればいいのかよくわからない。
 適当に漿船内を駆け回ったり、棒切れを剣に見立てて振ったりしたが、強くなっているのかどうか。
 強くなるためのトレーニング方法は大人もよくわからないらしい。
 強くなりたい。その願いだけが悶々と募っていく。

●スペースシップワールド・6thラウンド
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は今日も悪夢を視た。最近は色が少し変わってきたようだ。
 青い悪夢。もう少し言えば、サファイア色の悪夢。
「漿船が猟書家に襲撃される悪夢を見てしまいました!」
 猟書家という言葉を聞いて反応する猟兵が少しは増えたようだ。猟書家が各世界に出現してからもう半年が経つ。まだ戦いは続いているのだから、猟書家も手強い相手ということだ。
「襲撃するのは『バトラー・サファイア』ですね。彼女は漿船に仕込まれた転送装置を使い、漿船へ侵入するようです! 襲撃を止めるために皆さんには漿船へ乗り込んで頂きたいのですが、肝心の転送装置の位置が掴めていません。そこで、漿船に住んでいるクリスタリアンの方と交流して親睦を深め、転送装置探しに協力してもらってください!」
 漿船に住むクリスタリアンは漿船と意思疎通を図ることができる。そこで、転送装置の位置を漿船から教えてもらおう、という話だ。
「皆さんに向かってもらう漿船は『トゥーハンブラ』といいまして、そこにグレン君という男の子がいます。グレン君は強くなる方法を知りたがっているようですので、教えてあげると皆さんの捜索活動にも協力してくれると思います!」
 グレンは10歳の少年だ。手厳しい指導はしなくてもよい。精神論から入るも良し、基礎の基礎から入るも良し。ちなみにサイキッカーの素養が若干あるらしく、ごく簡単な魔法なら使えるようになる可能性がある、とのことだ。
「バトラー・サファイアの活動がちょっと活発になる気がします! なんとなくですけど! では、宜しくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 バトラーさんのCVは何となく沢城さんじゃねぇかなぁって。

●フラグメント詳細
 第1章:日常『平和のための軍事訓練』
 グレンという少年が強くなりたがってます。
 軽く稽古をつけてあげて強くなったことを実感させてあげるといいのではないでしょうか。
 精神論でもいいです。魔法を教えてあげるのでもいいです。

 第2章:ボス戦『バトラー・サファイア』
 ベッドは投げないと思います。
 ナイフは投げます。

●MSのキャパシティ
 のんびりやります。以上!
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第1章 日常 『平和のための軍事訓練』

POW   :    肉体や気合いでどうにかする

SPD   :    速さや技量でどうにかする

WIZ   :    魔力や賢さでどうにかする

👑5
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

厳・範
半人半獣形態なお爺。他世界も見て回るようになったので、ここに来た。

さて、強さな…。どうして強くなりたいと思ったのか、聞いてもいいか?
拙い返答でもかまわん。ただ、それを忘れないようにしろ。
あと、睡眠と食事は忘れるな。強さの根幹になる。

見たところ、(走り回りで)基礎体力はあるように思うが…。
稽古つけるか。人間形態になって、姿形的には同等になり、後に彼なりに活用できるようにもする。
棒切れを剣に見立てるのもいいが、近しい鎗もいいと思うぞ(焦熱鎗見せながら)。突き、なぎ払い…リーチがあるぶん、相手より有利にたてたりするしな(手本見せて)


黒木・摩那
猟書家は手強いですね。
叩いても叩いてもどこからか湧いて出てくる。
1匹見たら、あと5匹はいる、みたいな。

ともかく粘り強く退治していかないといけません。

さて、転送装置の位置を知りたくば、技を教えてほしいということで、ギブアンドテイクですね。

ここは己の肉体を使う鍛錬である【功夫】の基礎を授けましょう。
武術以外にも健康長寿のためにも有用です。

功夫の基礎は足腰です。足さばき腰さばきといった下半身の動きが大事なんです。
道に輪を描いて、ツイスターゲームよろしく動きの基本を教えます。


神咲・七十
アドリブ・連携お任せ

やはり、強くなるならどんな形でも持久力が重要だと思います。
なので体力をつけたり、集中力を身につけたりが重要・・・らしいです。

まずは何か目標を決めてそれに合わせて強くなろうとすればいいと思います。その目標を達成できれば強くなったという実感も湧くと思いますよ。

そしてそれ以外で私が確実に重要だと言えるのがこれです。
甘い物・・・は、私とか一部の人だけですね・・・。
はい実際はこっち、「果汁の甘さいっぱい・栄養満点野菜ジュース」(てんてかて~ん)・・・です。
継続して鍛えること、そして強さが必要になった時にその力を十分に使えるように健康な状態を維持することが大事だと思います。(こくこく)


クオン・キマヴィス
【POW 肉体や気合いでなんとかする】
—ふと考える。今自分は何をしているのだろうかと。
猟書家の襲撃を止める為に漿船
に乗り込んだはいいものの、気付けばグレンという少年の稽古をつけている。何故なのか

何度もこちらに挑みかかってきては軽くあしらわれてしまうグレン。何度も躓いては転んだ。既に身体は擦り傷だらけになってしまっている。

「・・・どうしてそうまでして、強くなろうとするの」

それでも立ち上がり、真っ直ぐ私を見つめ返す光の灯ったその瞳に

「—あなたが強くなりたいと思うその理由は、何?」

私は知らず知らずのうちに、興味を持ってしまったのかもしれない


ニクロム・チタノ
スペースシップワールドかぁ、ボクの育ての母がクリスタリアンだからこの世界に来て見たかったんだ・・・
グレンくんボクはキミとそんなに年は変わらないけど反抗の力がある
力は日々の修練や揺るがない確固とした信念からくる
ただ強くなるだけじゃなく自分の信じる目標が必要なんだ
ボク口下手だから伝わり難いかもしれないけど強い力は正しいココロがあってこそ、力を手にしても圧政者になっちゃダメだよ?
キミにも反抗の竜チタノの加護と導きを
いつか一緒に反抗しよう



●強さとは
 漿船はスペースシップワールド世界の最古の旧式移民船。宝石の船体を持つそれは、機械仕掛けの宇宙船にはない温かみを感じさせる。
「斯様な船があるとは……わしもまだまだ、井の中の蛙か」
 宇宙とは遥か空の上――天上に等しき世界かと思っていたが。厳・範(老當益壮・f32809)は船に触れ、見聞の狭さを知る。
「これが、クリスタリアンの船、漿船……」
 全く知らない船なのに、ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は不思議な懐かしさを覚えていた。
 この船に住んでいる者達はクリスタリアン。ニクロムの育ての母と同じ種族だ。その彼らがオブリビオンに狙われている。反抗するには十分すぎる理由だった。
「猟書家は手強いですね。叩いても叩いてもどこからか湧いて出てくる。1匹見たら、あと5匹はいる、みたいな」
 猟書家を嫌悪の代表格に例えて黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)はため息をついた。
 骸の月ある限り、猟書家は勢力を拡大していく。元を断つためには、猟書家が引き起こす事件を一つでも多く、粘り強く解決する必要があった。
「さて、この事件を解決するためにも、探してみましょう、グレン君とやらを」

 猟兵達が船を巡っていると、とある部屋から「えい!」だの「やぁ!」だの威勢のいい声が聞こえてきた。覗けばそこには、棒を刀に見立てて振り回す少年の姿。
「あの子ですか? 教えてもらった少年君は」
「そのようだ」
 神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)とクオン・キマヴィス(黒絢の機巧少女・f33062)が部屋に入り、他の者も後に続く。少年、グレンは「こんにちは」と少し驚きを見せながらも丁寧に挨拶した。
「……筋は悪くない。見たところ、基礎的な体力もあるようだ」
「わかるの!? 毎日走ってるからね! 強くなるために!」
「強くなるため……か。よければその理由、教えてもらえぬか?」
「それは……姉ちゃんを、守るため」
 範が問うと、グレンは俯きがちで自信なさげに答える。
「オレ、母ちゃんも父ちゃんも死んじゃってるから……だから、オレが姉ちゃんを守るしかないんだ。宇宙にはとても怖い化け物がいるっていうから……オレがやっつけるしかないんだ!」
「そうか、良い志だ。強くなろうと願うならば、それを忘れないようにしろ」
 範は孫を褒める祖父のようにグレンの頭を優しく撫でる。グレンは誇らしそうに笑みを零していた。
「さて、私達はちょっとやることがあってこの船に来たのですが……あなたの力を少し貸して頂きたいんです。もちろんタダでとは言いませんよ? 私達は何を隠そう猟兵……戦いのプロですから、強くなる秘訣とか、色々教えてあげられますよ。まさにギブアンドテイクですね」
「本当!? 教えて! オレにできることなら何でもするから!」
 摩那が条件をちらつかせるとグレンは二つ返事で了承し、ここに即席の道場が開かれることとなった。

「グレンくん、ボクはキミとそんなに年は変わらないけど反抗の力がある。どうしてかわかるかい?」
 ニクロムが語るのは、心技体の心に相当する手解きだ。反抗という概念を詳らかにするのは時間がかかりすぎるが、その根底を伝えることはできる。
「力は日々の修練や揺るがない確固とした信念からくる。ただ強くなるだけじゃなく自分の信じる目標が必要なんだ」
「そういうことですねー。お姉さんを守るというのは、立派ですけど漠然とし過ぎているところもあります。何か、もう少し手近な目標を決めて、それに合わせて強くなろうとすればいいと思いますよ。その目標を達成できれば強くなったという実感も湧くと思いますし」
 自分の実力を測る手段がない、というのがグレンの目下の悩みでもあった。姉を守るという目標は星々のように遠く掴みにくいものであり、直近の危機、バトラー・サファイアは時期尚早も甚だしい。
 階段を一段ずつ昇るという地道な作業が大切なのだ。
「ボク、口下手だから伝わり難いかもしれないけど強い力は正しいココロがあってこそ、力を手にしても圧政者になっちゃダメだよ?」
「わかった!」
「キミにも反抗の竜チタノの加護と導きを」
 グレンの力はきっといい方向に振るわれるだろうと信じ、ニクロムは祈っていた。
「強くなるならどんな形でも持久力が重要だと思います。なので体力をつけたり、集中力を身につけたりが重要……らしいです」
「強さの根幹は健全たる己の体――睡眠と食事は忘れるな」
「はい!」
 七十、範の教えにグレンは元気よく返事する。
「食事と言えば、私が確実に重要だと言えるのがこれです」
 がさ、と七十が荷物から取り出したのはキャンディー袋。グレンはまじまじと見つめるが、それは何てことない市販品のキャンディー。
「甘い物……は、私とか一部の人だけですね……。はい、実際はこっち」
 グレンが本当に信じてしまいそうだったので、七十は冗談を程々に、縦長のボトルを取り出した。
「てんてかて~ん、『果汁の甘さいっぱい・栄養満点野菜ジュース』……です。継続して鍛えること、そして強さが必要になった時にその力を十分に使えるように健康な状態を維持することが大事だと思います。そのために野菜や果物をたくさん食べる……のが大変だと思ったら、このようにジュースにしてみてください。飲みやすくて良いですよ」
 七十はボトルのキャップを外してこくこく飲み始める。そろそろ甘さも足りなくなってきたところ。丁度いい補給だった。
「野菜ジュース……姉ちゃんにお願いしてみよっと」
 グレンは呟きながら教えを頭の中にメモ書きした。
「はい、ここからは技術のお時間です。私からは、己の肉体を使う鍛錬である『功夫』の基礎を授けましょう。健康長寿のためにも有用ですからね」
 摩那はグレンが教えを受けている間、床にいくつもの輪を並べて描いていた。参考にしたのはとある世界のパーティーゲーム。なかなか困難な姿勢を強いられるそのゲームの動きは、応用すれば下半身の鍛錬に役立つ。
「功夫の基礎は足腰です。足さばき腰さばきといった下半身の動きが大事なんです。まずは、その二つの輪に両足を置いて」
 摩那の指導の元、功夫の訓練が始まった。
「両手を前について、右足をその隣の輪へ動かしましょう」
「こ、こう……?」
 グレンは体を震わせながら、何とか指定された輪へ足で触れる。体の柔軟性の面では少し難があるようだ。
「はい、それでは元の位置に戻して、今度は左足を。辛ければその手前の輪でもいいです。無理をして体を壊しては元も子もないですからね」
 今は届かずとも、鍛錬を続けていればいつか届くようになる。それは七十やニクロムが説いた目標の達成に他ならない。
「はい、次は右手を上げながら、左足を――」
 摩那の指導はしばし続いた。基本部分は全て教え、グレンもなかなか疲れたようだ。
「最後は武器の稽古といくか」
 範はいつの間にか半人半獣形態から人間形態へと変わっていた。姿を似せることで、彼自身の動きをグレンが活用しやすくするためだ。
「棒切れを剣に見立てるのもいいが、近しい鎗もいいと思うぞ」
 と、範は焦熱鎗を見せ、戦闘時の構えを取る。グレンは彼には随分と大きな鎗を興味深く見つめて、範の構えを真似ようとしていた。
 まだ体幹がしっかりしていないのか棒切れの先が少しふらふらしていたが、なかなか飲み込みは早そうで。
「突き、なぎ払い……リーチがあるぶん、相手より有利にたてたりするしな」
 それぞれの動作を確認しやすいようゆっくりと行い、グレンに真似をさせる。棒の新しい使い方を知り、グレンの表情が輝いてくる。それはごくささやかではあるが、新しい知識、技術を得た向上の実感だ。
「いい機会だ、誰か手合わせでも……貴殿はどうだ?」
「私か? ……構わんが」
 範に声を掛けられ、それまで輪の外で見守っていたクオンが出てくる。相手は子供だ。今、ようやく戦いのイロハのイを覚えたような未熟者相手だが――和を乱すのも良くないと。
 返答までの間にはそんな考えが混ぜ込まれていた。
 クオンは鉄塊剣を取る。子供相手に随分と豪快な得物だが、命を懸けて戦場に立つ身だ。訓練用の武器など持ち合わせているはずもなく。
 二人は正対し一礼。クオンが待ちの姿勢でいると、
「やぁっ!」
 グレンは範の動きを思い出しながら突っ込んでくる。まだまだ実戦形式では動きが馴染まずぎくしゃくしていたが、それでも目は真剣だった。
 クオンは刃の側面で軽くあしらった。それこそ撫でるくらいの意識だったが、グレンの小さな体は地面へ突き倒されていた。
「まだだ!」
 擦り傷ができても立ち上がる。クオンは手加減しなかった。戦いとは厳しいものであると教えなければならない。強くなる――力を得るということの意味を示さなければならない。
 何度も倒れ、立ち上がる。他の者達は何も言わず、ただグレンが倒されていくのを見守っていた。彼らもわかっているのだ。力の意味を。
「どうしてそこまで立ち上がってくるの……お姉さんは、そんなに大事?」
「大事だ! 姉ちゃんはいっつもオレに優しいんだ!」
 傷だらけになりながらも、瞳の光は消えていない。
 グレンは良く言えば年相応に子供らしく、悪く言えば稚拙だ、とクオンは思った。強くなる理由が単純すぎる。世界には、もっと強欲で執念深い者達がいくらでもいる。そんな彼らと戦い勝利するためには、おそらく二つも三つも殻を破らないといけないだろう。
 だがその姿、見てみたいとも思う。底抜けに純粋な精神に、クオンは知らず知らずのうちに興味を持ってしまったのかもしれない。
 クオンとグレンの手合わせ稽古は、範が程よいところで声を掛けて終了した。


「それでは、お願いしますね」
「わかった! 『トゥーハンブラ』に呼び掛けてみる!」
 摩那が事情を説明すると、グレンは快諾してトゥーハンブラと交信を始める。しばし目を閉じ、口元で何か小さく呟いているようだった。
「……転送、装置は……広場の……わかった。ありがと! 転送装置があるのは東の広場だって!」
「案内してくれますか? 私達が戦って、倒しちゃいますので」
「うん! こっち!」
 グレンは小走りで部屋を出ていく。5人は後を追い、バトラー・サファイアとの決戦の場所へ向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『バトラー・サファイア』

POW   :    ナイブスストーム
【サファイアでできた無数の暗器】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    アカンプリッシュメント・オブ・アサシン
レベル分の1秒で【麻酔針】を発射できる。
WIZ   :    サファイア・フラッシュ
【サファイアの肌】から【蒼く眩い閃光】を放ち、【目を眩ませること】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:白菜ポンズ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エリル・メアリアルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●舞い戻れとサファイアは言う
 住民達の憩いの場である東の広場は、その時は珍しく人気が無かった。
 そこへ現れたのはバトラー・サファイア――猟書家だ。
「漿船『トゥーハンブラ』……ようやく会えましたね。私達の元に戻る時が来たのですよ……えぇ、わかっています。あなたが名残惜しく感じるものは――全て、私が消してあげましょう」
 居住区までそう遠くはないだろう、と足を踏み出したその時だ。俄かに駆け足の音が大きく響いてくる。
「こっち! ――あっ」
 グレンと猟兵がバトラー・サファイアと邂逅する。漿船トゥーハンブラの命運を分ける戦いが今、始まる――。
厳・範
人間形態で。

グレン殿には感謝を。さて、ここからは我らの仕事よ。
グレン殿にナイフが行きそうなら、焦熱鎗で弾きつつ。
強さとはな、生き残ることも含むのよ。

猟書家とやらと戦うのは初めてだが…やることは変わらんのよな。
わしは、仁獣たる麒麟。世界を守るために戦う。ただそれだけよ。

さてと。仙術にて相手の気配を察知できるように術を組む。
わしの目は眩むかもだが、気配は読める。それで回避を試みよう。

それに…【使令法:鯊魚】で呼び出したこやつらに、目眩ましは効かんぞ。貴殿をどこまでも追いかける。
この船の乗員を皆殺しなぞ、させるか。


ニクロム・チタノ
ここからは反抗の時間だ
罪もないクリスタリアン達をやらせはしない
グレンくん、反抗は一人の力だけじゃなし得ない
特に猟書家みたいな強大な敵には、みんなのアシストも重要な仕事だ!
キミにボクの真の名を明かそう
ボクの名、紅明日香の名を以て
眩い閃光を放ってもムダだよ、チタノヤタテは八つの蒼焔の盾がある
八つの重力槍で貫いてあげる!
これより反抗を開始する
どうか反抗の竜チタノの加護と導きを



●光の蒼海
「グレン殿、感謝する。ここからは我らの仕事よ」
 範はグレンの前に出て、左手で庇うように制する。
「だね。ここからは反抗の時間だ。罪もないクリスタリアン達をやらせはしない」
 ニクロムは冷静に見えて、内なる反抗心は最大火力。ニクロムには一つの決意があった。
「グレンくん、反抗は一人の力だけじゃなし得ない。特に猟書家みたいな強大な敵には、みんなのアシストも重要な仕事だ!」
 猟兵の力だけではこの場に辿り着けなかったかもしれない。
 グレンは強くなりたいと願っていた。だが彼にはすでに、猟兵達をこの場へ導く心の強さを持ち合わせていた。
「キミにボクの真の名を明かそう。ボクの名、紅明日香の名を以て――これより反抗を開始する。どうか反抗の竜チタノの加護と導きを」
 真の名を語るニクロム。その体は淡い銀の光に包まれ、宿るチタノヤタテの霊が召喚された。蒼みを帯びた霊体がニクロムの前に浮かんでいる。
「邪魔者がいましたか……」
 バトラー・サファイアは猟兵達と一瞥すると、明らかに存在感の異なるグレンに目を付けた。ジャケットの内側に手を滑らせてナイフ状の暗器を一本引き抜き素早く投擲。眉間を狙う。
 急な挨拶だ。範は人間形態の二本の足をどっしり据え置きながら焦熱鎗で的確に暗器を弾く。落下した暗器はそのまま床を滑って壁に当たった。
「強さとはな、生き残ることも含むのよ」
 敵を滅ぼすことのみが強さではないと。強大過ぎる敵を前に、命を繋ぐこともまた強さ。
 しかしながらグレンとバトラー・サファイアでは差があり過ぎる。故に壁となりグレンを守るのが範の役目であり、それは一般のオブリビオンとの戦いと何ら変わらない。
「猟書家とやらと戦うのは初めてだが……やることは変わらんのよな」
 範は一歩強く前に出る。
「わしは、仁獣たる麒麟。世界を守るために戦う。ただそれだけよ」
「守るとは……簡単に言ってくれますね」
 バトラー・サファイアは徐に右の袖口に指を掛けた。それは気合を入れるための動作かときや。
 範は殺気を感じ、仙術で気配察知の術を組む。
 両者の発動はほぼ同時だった。バトラー・サファイアの肌から蒼い閃光が放たれ、その場にいる者の目を眩ませる。直視すれば目が潰れるほどの烈光は世界を崩し、一面を蒼の海に変えた。
 蒼はバトラー・サファイアが支配する。暗器を手に、視界の閉ざされた者達へ襲撃を――。
「ムダだよ」
 バトラー・サファイアが飛び込んだところへチタノヤタテの霊が持つ八つの蒼焔の盾が壁となって立ち塞がり、暗器の突きを防ぐ。ニクロムは光の中でも迷うことなくバトラー・サファイアの前へと躍り出ていた。
 八つの盾はニクロムの世界を守っていた。バトラー・サファイアの攻撃を跳ね返した霊は即座に八つの超重力槍をカウンターで突き出した。
 両腕、両足にそれぞれ二本ずつ、綺麗に刺さり、水晶の体が深く削れていく。
「う……っぐぅ」
「この船の乗員を皆殺しなぞ、させるか――来たれ海のもの」
 範は目を手で押さえて光を防ぎつつ、察知した気配を元に水でできた透明な羽衣が生えたサメを召喚する。光の中は蒼海だ。サメは自在に泳ぎ回り、手負いの匂いを嗅ぎつける。
 槍に突かれて後退ったバトラー・サファイア。まだ致命傷ではない。痛みが残る体ながらサメの襲撃を回避すべく跳び回って暗器の迎撃を見せる。直線的に飛んでいく暗器は、しかし羽衣を得たサメの泳ぎを捉えることができない。
 サメの大群の前に、バトラー・サファイアはもはや一匹の小魚だった。広場の端まで追い込まれて逃げ場を失ったバトラー・サファイアに、サメ達は容赦なく牙を食い込ませた。
「いやああぁぁっっ!!」
 ギザギザのついた鋭利な牙が水晶の体に突き立てられ、ガリ、ゴリと食い込んで突き刺さった。執事服がノコギリで引き裂かれたように乱雑に千切れ、抉れた体が暗く光る。
 広場が姿を取り戻した時、バトラー・サファイアは蜂の巣のような体を晒していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クオン・キマヴィス
言葉を交わす必要なんて無い。

体内の動力炉の出力を最大まで上昇させてバトラー・サファイアに接近する。

こちらに向かって放たれた無数の暗器は鉄塊剣で【吹き飛ばす】。取りこぼしは右手首に内蔵された小銃で撃ち落とす。

攻撃が止んだ一瞬の隙をついて跳躍、奴の頭目掛けて剣を叩き付ける。

けれどこの一撃は、きっとあらゆる手段を以てして防いでくると思う。

――だから本命はの攻撃は、こっち

UC起動、【惨禍の爪】

先鋭化された左手のマニピュレータでバトラーサファイアの心臓を貫く

「この距離なら、外さない」

(連携、アドリブ大歓迎です)


黒木・摩那
わざわざ遠いところから来てもらって悪いんですけど、骸の海に帰ってもらいます。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
バトラーの暗器はヨーヨーの【衝撃波】から【武器落とし】【なぎ払い】でまとめて叩き落します。
ヨーヨーの軌道を【念動力】で操作して、バトラーの腕をワイヤーで絡めたところでUC【獅子剛力】を発動。
大車輪でぐるんぐるんに回して、床に一撃。さらにもう一撃を【重量攻撃】マシマシで
叩きつけます。

さすがは漿船。床が固いから、叩きつけ甲斐がありますね。



●骸の海へお帰り
 迷惑な客にはお帰り願おう。摩那はヨーヨーを手にバトラー・サファイアの元へ疾駆する。横ではクオンが体内動力炉の出力を最大まで上昇させて並走している。
 言葉を交わす必要はない。結末は己で示せ、と鉄塊剣を手に取っていた。
 バトラー・サファイアは暗器を手にするが感触が鈍い。傷が神経系に触れているか――バトラー・サファイアは暗器をそのままばらばらと落とし、念動力で操作し切っ先を揃えた。
 暗器は一斉に放たれる。放射状に飛んだそれらは斬撃刃の如く三日月を描く。
 クオンは腕に力を籠めた。薙ぎの一撃を以って暗器を打つ。刃をぶつけられた暗器が真横に方向を変え、放物線を描いて飛んでいった。
 摩那もまた、ヨーヨーを放ち衝撃波を撃っていた。しなるワイヤーがヨーヨーの機動力を底上げし、薙ぎ払った一投がドミノ倒しの如く端から暗器を弾いていく。
 バトラー・サファイアは暗器の追撃を試みようとしたが、視界が霞み、念動力が安定しない。震えながら浮き上がる暗器を撃ち出すことができずにいた。
「さて……そろそろ骸の海に帰ってもらいます」
 空中で回転するヨーヨーを念動力で操作し、バトラー・サファイアの左腕を絡め捕るとそのまま引っ張り出した。
「ぐ……あぁっ!!」
 手首をワイヤーで締め上げられ、そのまま千切れてしまいそうなところ、摩那はぐるんぐるんと大車輪させてバトラー・サファイアを思い切り床に叩きつけた。
 潰れた声を上げるバトラー・サファイアだがまだ終わらない。重量による威力増加を加えてもう一撃。叩きつけると同時にワイヤーを解放すると、バトラー・サファイアの体はゴムまりのように跳ねていく。
 空中でバランスを失ったバトラー・サファイアへ、クオンは跳躍。食いしばる険しい表情のバトラー・サファイアへ剣を真上から叩きつけて――。
「ぐうぅっ!!」
 だが攻撃はバトラー・サファイアの必死の防御に阻まれる。両腕が断たれても頭は守る。意地が刃を防いでいた――かに見えた。
 だがそれはフェイントだ。剣を振る手は右手一本。防御されるのを見越して左手は空けておいた。
「この距離なら、外さない」
「――!!」
 左手の爪を尖鋭化させて放つ必殺の一撃。超至近でしか発動できないが、鼻が触れあいそうなほどに迫った今なら、当たる。
 バトラー・サファイアが攻撃の出所を見る間もなく、クオンの左手がバトラー・サファイアの胸元を抉り、砕いて貫通した。肘がバトラー・サファイアの体に埋まってしまうほどに深く。
 核のようなものを潰した感触があった。それもまた水晶。手の中は粉々で形はもうわからないが。
 クオンが腕を引き抜くまでもなく、バトラー・サファイアの体はバラバラに砕け散っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月16日


挿絵イラスト