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学園抗争・ヘブンオアヘル

#デビルキングワールド

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#デビルキングワールド


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 ここは、デビルキングワールドの小国のひとつ、『砕魂(サイタマ)王国』。沸き立つ血の池と田園風景のコントラストが美しい、風光明媚な美しき悪魔の国である。
「計画通り……だな。だが、まだ目標額にはほど遠い」
 若き悪魔たちが通う学び舎、王立砕魂第一高校の生徒会室に、硬質な男の声が響く。声の主は目にも鮮やかな白学ランに身を包んでおり、頭上に輝く光輪と背中から生える光の翼もまた、衣服と同色の純白。その特徴的な容貌から、青年は堕天使と推測できた。
「生徒会に納付したDをすべての評価基準とする、新しい形のスクールカースト……容姿も運動神経も、コミュ力も関係ない。力の弱い悪魔も、知恵を絞り悪事を為すことでカーストの上位に立てる。素晴らしいじゃないか」
 この堕天使――秩序の悪徳『キリツエル』は、秩序による完全支配を目論むオブリビオンである。彼がこの学園に訪れてからというもの、学園の秩序はすべて魔界通貨「D」の納付額によって定められる『Dカースト制度』に塗り替えられた。昨日までの底辺陰キャが、学年最高額を納付して一躍人気者に――そんな夢を求めてカースト下位の悪魔たちはこぞって悪事に勤しむようになり、稼いだDを生徒会長であるキリツエルに貢ぎ始めたのである。
「この調子で一刻も早く、儀式『暗黒大学園祭』を遂行せねば。そのためには、更なるDが必要だ……Dを集められん無能な学生は、学園に必要ない!!」
 黒縁眼鏡をクロスで丹念に磨いてかけ直し、キリツエルは堆く積み上げられた通貨の山を見上げた。
「さあ、行ってこい! Dの納付は、全生徒の義務である! 納付期日は絶対遵守だと言い聞かせろ!」
「アイアイサー!」
 キリツエルに命じられ、骸骨姿の悪魔たちが槍を手に学園の各地へと散っていった。


「やあ、よく来てくれたな。早速だが、これからデビルキングワールドに向かってくれないか? オブリビオンが悪魔の学校を支配して、大量の金銭を集めているらしい」
 ある日のグリモアベースにて。招集に応じた猟兵たちの前で、ガーネットはグリモア片手に状況を説明し始めた。
「悪魔たちが通う魔界学園に、ある日オブリビオンが転校生としてやってきた。そいつは学校を仕切っていた悪魔の番長を叩きのめすと……あろうことか生徒会長として君臨し、学園を統治し始めたんだ」
 いかに手練れの悪魔番長といえど、骸の海からやってきた本物の悪、オブリビオンの前では無力だったというわけだ。
「聞くところによると、デビルキングワールドの貨幣「D」には魔力が宿っているという。一種の魔法アイテムだな……。生徒会長はDを大量に集めることで、カタストロフ並みの大規模な魔術儀式を引き起こそうとしているらしい」
 そのオブリビオン――秩序の悪徳『キリツエル』は生徒会室に居座り、そこに大量のDをため込んでいる。今回はオブリビオンを撃破し、集められたDを奪い返すことが主な任務となるだろう。
「生徒会長は、一般の悪魔を従えて警備員として利用している。生徒会室にたどり着く前に、彼らの妨害が待っているだろう……悪魔は多少のダメージでは死にはしないが、警備の数がかなり多いため出来れば戦闘は避けた方がいい。口八丁手八丁で言いくるめたり、一般生徒や掃除の業者を装うなどすれば、無理なく生徒会室を目指せるだろう」
 尚、奪い返したDの処分方法は猟兵に一任される。どういうことかというと、
「学園の近所に、そこそこの規模のアーケード街がある。作戦終了後は、そこでDをパーッと散財するといい。居酒屋とか衣料品店など、人間界の商店街にある施設は一通り揃っているらしいから」
 楽しんでくるといい、とガーネットは微笑んだ。ただし……品物や料理のラインナップは、魔界基準のセンスになるだろうけれど。


弥句
 こんにちは、弥句です。今回はデビルキングワールドで発生したオブリビオン事件のシナリオをお送りいたします。

 舞台はデビルキングワールドの小国『砕魂(サイタマ)王国』。ある学園に転校してきたオブリビオンが権力を掌握、校則を改竄してこの世界の通貨「D」を集めています。Dはそれ自体が魔力を帯びており、大量に集めることでカタストロフ(世界崩壊)に匹敵する規模の魔術儀式に利用することが可能となります。猟兵の皆様にはこれより現地の学園に乗り込み、事件の黒幕となるオブリビオンを撃破していただきます。

 第1章は集団戦ですが、変則的なルールになっています。敵はオブリビオンではなく、一般住民の悪魔です。ボスに金で雇われた、バイトの警備員的なものだと思ってください。彼らはボスの部屋に至るまでの道を守っているので、何らかの手段で彼らをどかしたり、出し抜けば攻略成功となります。
 第2章はボス戦で、生徒会室での戦闘となります。室内には徴収されたDが大量に保管されています。このボスは鬼畜なオブリビオンなので、全力でしばき回してください。
 第3章は日常パート。猟兵や学園の悪魔と連れ立って、最寄りのアーケード街へ遊びに行くことができます。敵から奪い返した金を使って、派手に遊びましょう。カラオケやゲームセンター、服屋やファストフードなど、人間界の商店街にありそうな施設は大抵あります。
 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『デビルスケルトン』

POW   :    デビルスピア
【槍の穂先】が命中した対象を燃やす。放たれた【槍から伸びる】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ボーンフレイム
対象の【骨】に【炎】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[骨]を自在に操作できる。
WIZ   :    デビルファイア
レベル×1個の【青色に輝く魔】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちはオブリビオンが巣食うという学園に潜入し、生徒会室を探すために早速行動を開始した。
 この学園の廊下はなぜかやたらとだだっ広く、白いセンターラインが校舎の端から端まで引かれている。バイクか車でも走るのだろうか……。
「ム、そこの怪しい奴。止まれい!」
 校内を探索する猟兵を見つけて、骸骨のような容姿の悪魔がやってきた。青白い炎を纏った悪魔達はオブリビオンではなく、キリツエルに命じられて校内を巡回しているアルバイトの一般市民である。まずはこいつらを何とかしなければ、Dを保管している生徒会室へは辿り着けないだろう。
化野・花鵺
「学校…悪の生徒会長…せぇふくと改造せぇふくがいっぱい…ぱらいそすぎるぅ」
制服に目が眩み話半分で参加

「しゅごい、素でもしっぽや羽のせいで改造せぇふくっぽいぃ。尊みが深すぎるぅ」鼻押さえ
「…ダイジョブダイジョブ、聞いてたよぉ。ここはデビキンだから骸魂以外壊しちゃダメ」
暫く周囲確認し状況把握

ルートは野生の勘で通り抜けしやすそうな場所をなんとなく選択
化術で上納金を納めに行く一般生徒の振り
「あのぉ、ちょっとあなただけに相談したいことがあってぇ…ダメぇ?」
上目遣いでもじもじ誘惑
物陰に誘い込みUCで寝かせたら引き剥がした制服で芸術的に縛り上げ放置
「せぇふく縛り…うふ」

相手により化術+残像でのすり抜けも行う



● 制服フェチがやってきた

「学校……悪の生徒会長……せぇふくと改造せぇふくがいっぱい……ぱらいそすぎるぅ」
 大きな狐の尻尾を揺らしながら、化野・花鵺(制服フェチの妖狐・f25740)は学園の内部を探索中。今回は魔界の学園が現場ということもあり、学校制服に目が眩んだ彼女は話半分で参加したのだ。
「しゅごい、素でもしっぽや羽のせいで改造せぇふくっぽいぃ。尊みが深すぎるぅ」
 周囲を見回せば、そこらじゅう制服姿の悪魔学生だらけだ。悪魔だけに体格、体形は様々で、それぞれの体に合わせてカスタマイズされた服を着こなす悪魔学生の集団は、さながらファッションショーのようである。そんな尊い空間にいられる喜びを噛み締める花鵺であるが、もちろん猟兵の本分を忘れたわけではない。
 霊符を取り出し、花鵺は化術で学園の一般生徒へと変化した。掲示板に目をやると、学園の施設を案内する見取り図が確認できた。生徒会室のある校舎を確かめると、さっそく花鵺はその場を離れて移動することにした。
 野生の勘を頼りに、普段あまり人が行き来しない通路を進んでいく。教師らしき人影を見つけると、残像を駆使して素早くすり抜ける。見取り図通りに進めば、生徒会室までは迷わず行けるだろう。そこまではよかった。だが、階段を上ろうとしたところでデビルスケルトンと鉢合わせしてしまったのだ。
「この先は生徒会室だ。Dを納めに来たのか?」
 槍を手にしたデビルスケルトンの体からは、絶えず青白い炎が噴き出されている。
「はい。2年1組、化野・花鵺ですぅ」
 1学年が何クラスあるか分からないので、取り合えず1組と名乗っておけば間違いはないだろう。
「では生徒手帳を見せてみろ」
「えっ! て、手帳……」
 服装は変化の術でごまかすことはできた。だが、この学園の生徒であることを証明する生徒手帳までは短時間で偽造することができなかったのだ。
「あのぉ、ちょっとあなただけに相談したいことがあってぇ……ダメぇ?」
「は? な、何かな……」
 このままではまずいと思った花鵺は、咄嗟の判断で切り抜ける方法を思いついた。上目遣いでもじもじと誘惑するような視線を送れば、ピュアーなデビルスケルトンはあっさりと引っかかった。そのまま花鵺に誘われるまま、ホイホイと物陰へと連れていかれる。
「さて……ヌシの夢はいつ醒めるかのぅ。ホーッホホホホ!」
「!?」
 これぞ、妖狐の真骨頂。本性を現した花鵺がくるっとトンボ返りすると、デビルスケルトンの目の前に世にも恐ろしい奇怪な幻影が次々に現れた。
「ぎゃふっ!? うーん……」
「せぇふく縛り……うふ」
 剥ぎ取った制服を使って、昏倒したデビルスケルトンを縛り上げる。鮮やかな手並みだ。まだ目覚める様子のない彼を掃除用ロッカーの中に押し込めると、花鵺は軽い足取りで階段を上っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

茜谷・ひびき
金でカーストを作り上げるとか、良心のブレーキがあれば絶対にやらねぇことやりやがってんな……
だからこそオブリビオンなんだろうが
儀式魔術抜きにしてもこういうのは見逃せない
ちょっと行ってくるか

一般生徒のふりでもしようかな
警備員さん、怪しまないでくれよ
俺はちゃんとワルいことしてDを集めてきたんだ
高校の時に使ってたスクールバッグを片手に話すぜ

バッグの中身は見せられないが、それっぽい悪事自慢は出来る
こう見えて俺もワルだ
行く手を遮る気に入らないやつ(※オブリビオン)は容赦なくぶっとばすし
必要とあれば放火も厭わない(実際色んなものよく燃やしてるしな)
ちゃんとそれっぽいことして貢献してるから、見逃してくれよな!



● 静かなる熱血漢

「ここか、オブリビオンが支配する学園っていうのは」
 UDCアースからやって来た青年茜谷・ひびき(火々喰らい・f08050)は、高く聳える悪魔学園の校舎へと足を踏み入れた。
「金でカーストを作り上げるとか、良心のブレーキがあれば絶対にやらねぇことやりやがってんな……だからこそオブリビオンなんだろうが」
 おそらく、生徒会長キリツエルにはこの学校をより良くしていこう、という理念などは無いのだろう。キリツエルの言いなりになった学生たちは、勉強や部活もそっちのけで血眼になってD集めに奔走している。今の学園には、歪んだ秩序による閉塞感とギスギスした競争意識が蔓延している。
「儀式魔術抜きにしても、こういうのは見逃せないな」
 悪魔達の平和な学園生活を取り戻すために、ひびきはさっそく件の生徒会室を探し始めた。
「ん、そこのキサマ。こんなところで何をしている?」
 一人で校舎内を彷徨いていたひびきを不審に感じたのか、2体のデビルスケルトンが槍を手に近づいてきた。
「さっそく来たか……」
 警備員はオブリビオンではないので、迂闊に叩きのめすわけにもいかない。ここは穏便に済ませようと、ひびきは一芝居打つことにした。Dを納付しに来た、一般の生徒を装って警備員に話しかける。
「警備員さん、怪しまないでくれよ。俺はちゃんとワルいことしてDを集めてきたんだ」
 高校時代に使っていた紺のスクールバッグを見せると、デビルスケルトンはしげしげとひびきの全身を眺め始めた。
「お前、ワルなのか?」
「ああ、行く手を遮る気に入らないやつは容赦なくぶっとばすし、必要とあれば放火も厭わない」
 オブリビオンとの戦いではバリバリの武闘派と化すひびき。ブレイズキャリバーとして地獄の炎を操ることもできるし、言っていることは嘘ではない。
「放火! そいつはゴクアクだ!」
「その調子で、どんどんDを稼ぐがいい!」
 放火の武勇伝をもつというひびきに感服したのか、二体のデビルスケルトンは廊下の両端に身を寄せると、槍を持って直立の姿勢になった。通っていい、ということだろうか。
「もういいか? じゃ、通らせてもらうぜ」
 バッグを肩に掛けると、ひびきは悠々とその場を立ち去っていった。二体のデビルスケルトンがひびきの名前と学年を確認し忘れたことに気づいたのは、それから数分経ってからのことだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リュアン・シア
悪魔の国って、初めて来たわ。
悪魔って、悪に憧れざるを得なくなったいい子達なんでしょ? 法律を律儀に守るために必死になるなんて、なんだか可愛いわね。まぁオブリビオンに協力するのはどうかと思うけど。

学園の廊下が車道仕様なのは、校舎内を車やバイクで走るという悪事を働くためなのかしら。
止まれと言われて止まらないのはワルイコト?
何にしてもこのコ達は一般市民だから、叩きのめすのもねえ。
いいわ、じゃあ広い廊下に大量に悪魔が集まったところで、彼ら全員に微笑みかけて【ひとときの誘惑】。
私、今度この学園に採用されることになった教師なの。さあ、道を空けて。
ふふ、悪魔を誘惑するなんて、なかなかの悪女でしょ。



● 学園ものにセクシーな女教師は欠かせない

「ここが、デビルキングワールドね。悪魔の国って、初めて来たわ」
 多重人格者、とUDCアースで呼ばれる超人類――リュアン・シア(哀情の代執行者・f24683)は新しく学園に赴任した教師、という設定で今回の潜入作戦に臨んだ。魅惑的な黒いドレス姿の麗人は、気品を感じる優雅な所作で廊下を歩いていく。それもその筈、リュアンの主人格である女性シアは、さる滅亡した小国の皇女だったのである。
「学園の廊下が車道仕様なのは、校舎内を車やバイクで走るという悪事を働くためなのかしら」
 この学園の廊下はなぜか車道並みに幅が広く、ご丁寧に白いセンターラインまで引かれていた。魔界には、意思を持つバイク型のモンスターが生息するという。デビルキング法の下、学生がそういった乗り物で廊下を走ることも想定してあるのかもしれない。
「失礼ですが、ここからは身分証の提示をお願いします」
 リュアンが生徒会室に続くエリアに差し掛かると、前方から槍を手にした警備の悪魔が集まってきた。4人組の悪魔は、一様に剥き出しの骨の体から青白い炎を噴き上げている。彼らはデビルスケルトンと呼ばれる種族だ。
「私、今度この学園に採用されることになった教師なの。少し、校内を見学させてもらっていたのよ」
「教師……? 臨時採用の教員が赴任する情報は、入っていないが……」
 前情報なく突然やって来たリュアンを、デビルスケルトンは訝し気に眺めている。
(何にしてもこのコ達は一般市民だから、叩きのめすのもねえ)
「さぁ、私を見て。私が嘘をついているように見える?」
 ユーベルコードの力を解き放ち、催眠効果をもつ視線で、声で、そして微笑で悪魔達を誘惑する。精強な悪魔のガードマンといえど、リュアンの【ひとときの誘惑】には抗えず。4人は皆魅了の力の前に屈することとなった。
「そ、そんなことは……」
「いいコね。……さあ、道を空けて」
 有無を言わさぬリュアンの佇まいにたじろぎ、デビルスケルトンたちは容易く道を開けてしまう。そんな彼らを蠱惑的な視線で一瞥すると、リュアンは堂々と生徒会室への道を進んでいった。
(ふふ、悪魔を誘惑するなんて、なかなかの悪女でしょ)
 悪魔さえも手玉に取る美しき代執行者、リュアン。彼女の次なるターゲットは、秩序の悪徳を名乗る堕天使だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

校舎…
邪神潜む世界や幽世世界の学校に訪れた事あったけど
悪魔達の学校か…いろんな学校があるな…
ともかく…首魁をさっさと倒そう…やれやれ…

あのなぁ…貴様等如きに止まれと言われて
止まる訳には行かないんだよ…さっさとここを通せよ…
忙しいんだよ…殺すぞ…!

鉄塊剣を振り回し見せつけながら
【恐怖与える殺意の瞳】で一般悪魔を睨みつけ
[殺気と威圧で恐怖を与えて]敵群も攻撃を追っ払おう

おい待てそこのお前待てよ…生徒会室まで案内しろよ…
なぁ…おい…ッ!

一人の一般悪魔の肩を[怪力]で鷲掴みして[逃亡を阻止]し
拷問具で脅しながら生徒会室まで案内してもらおう…

…嘘ついて違う所連れてったりしたら…解るよな…な?



● 担当教科・世界史(?)

「校舎……邪神潜む世界や幽世世界の学校に訪れた事あったけど悪魔達の学校か……いろんな学校があるな……」
 つばの長いハットを被った、長身の影が一人学園の廊下を往く。その女、仇死原・アンナ(炎獄の執行人あるいは焔の魔女・f09978)は処刑人一族に名を連ねる者。数々の世界を渡り歩き、たどり着いたのは悪魔の世界。此度のターゲットは、この学園を支配する生徒会長である。
「ともかく……首魁をさっさと倒そう……やれやれ……」
 外套の下、アンナの背後から顔を覗かせるのは『錆色の乙女』なる巨大な剣。拷問器具『鉄の処女』をモチーフとした装飾が施された、鉄塊のごとき剣である。
「むっ。そこの女、止まれ! 身分証を見せてもらおう」
 アンナが放つただならぬ気配を察知し、警備の悪魔達が現れた。彼らは長槍で武装し、全身から青白い炎を噴出させている。デビルスケルトンと呼ばれる、アンデッド系の悪魔族である。
「あのなぁ……貴様等如きに止まれと言われて止まる訳には行かないんだよ……さっさとここを通せよ……忙しいんだよ……殺すぞ……!」
 苛立たし気に吐き捨てると、アンナはさっそく『錆色の乙女』を抜刀。この学園の廊下はやたら広く設計されており、このような大型武器を思う存分振り回せるのは幸運なことだった。
「……なら見せてやろう。これが私の身分証だ!」
 殺気の籠った視線【恐怖与える殺意の瞳】で悪魔達を睨みつけながら、アンナは愛用の鉄塊剣を横薙ぎに振るう。
「なんだこの女!?」
「いっ。一時退却だーっ!」
 ユーベルコードの効果もあり、鬼気迫る勢いのアンナに恐れをなした悪魔達は一斉に退却の準備にかかった。だが、アンナはその内の一体に素早くにじり寄ると、肩をガッチリと掴んでこう告げた。
「おい待てそこのお前待てよ……生徒会室まで案内しろよ……なぁ……おい……ッ!」
 デビルキングワールドの住人はユーベルコードを行使でき、他の世界の種族より戦闘力が高めとなっている。だが、歴戦の猟兵であるアンナの前ではそんな彼らも赤子に等しい。
「そしてお前らの生徒会長に伝えろ。これから特別に課外授業を開いてやる。世界の拷問と処刑の歴史について、ユーベルコードで教えてやるとなぁ!……嘘ついて違う所連れてったりしたら……解るよな……な? 」
「は、はいいい!!」
 哀れな虜囚となったデビルスケルトンAは、アンナのプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも生徒会室への道を案内するのだった。全身を包んでいる青い炎は、今にも消え入りそうなくらいの弱火になっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蓮・紅雪
同行者:アイビス
UDCアースにもあったわよね、埼玉。
似たような田園風景…でもないわね(血の池を見て)

ここが学校ね?
ふふ、一体どんな『よい子』が待っているのかしら。

正面から堂々と入って行ったら、呪詛を乗せた衝撃波を最大出力で撃ち出すわ。
精神のみに作用するから怪我はないと思うけれど、凄まじい恐怖に苛まれるでしょう。
特に『よい子』には効果テキメンよ。

どうかしら?悪いことをすれば喜ぶと聞いたのだけれど。
こちら側につかなければ、もっと恐怖を撒き散らすわよ?(恐喝しながら進んで行く)
仲間は多いに越したことはないわね。
学校は仲間を作る場所だと聞いたことがあるわ。
まさに学校を満喫という感じよね。

アドリブ歓迎!


アイビス・ライブラリアン
同行者: 紅雪(f04969)
サイタマ学園……
UDCアースにそのような地名がありましたね
関係はないのでしょうが……不思議ですね

倒さなくても良いそうですが、紅雪が楽しそうなので
倒していきましょうか
立ち回りは念動力、衝撃波で敵の攻撃を
受け流したり逸したり、紅雪が戦いやすいように調整

しかし紅雪を学校という機関で学ばせる、というのも
考えた方がいいでしょうか。社交性を養うという面で…(ぶつぶつ)

アドリブ歓迎



● 青春を取り戻すために

「資料によると、この悪魔の国は砕魂(サイタマ)王国という名前だそうです」
「UDCアースにもあったわよね、埼玉。似たような田園風景……でもないわね」
 周囲に田園が広がるのどかな通学路を、二人の少女猟兵が並んで歩いている。傍から見れば、名門お嬢様学校の生徒に見えなくもない。だが、これから彼女ら――蓮・紅雪(新雪・f04969)とアイビス・ライブラリアン(新米司書人形・f06280)が向かうのは、悪魔達が通う魔界学園なのである。
 田園の中にはグラグラと沸き立つ真っ赤な血の池が点在しており、そこから立ち昇る瘴気が明らかに人間界とは異なる空気を醸し出していた。
「関係はないのでしょうが……不思議ですね。さあ、学校に着きましたよ」
「ここが学校ね? ふふ、一体どんな『よい子』が待っているのかしら」
 牢獄めいた頑丈な造りの校門をくぐり抜けて、アイビスと紅雪は王立砕魂第一高校の敷地内へと足を踏み入れていった。
「で、まずはどこから回っていくのですか?」
「隠密とかは得意じゃないし……普通に正面からいくわ」
 紅雪は何食わぬ顔で校舎の中へと入り、見取り図をもとに生徒会室へと突き進んでいく。アイビスは特に静止や反論をすることもなく、紅雪の判断にすべてを委ねて静かに同行するのみだ。
「中は意外に広いのね……」
「図書館はどこにあるのでしょうか。気になりますね」
 一般生徒に成りすますといった工夫も特にしていなかったため、二人はすぐに警備員たちに見つかってしまった。あまりに堂々とした態度だったので、逆に警備の悪魔が対応に困ったほどだ。
「ここが教室……今は授業中なのかしら」
「ちょっと、ちょっと! 部外者が何やってるんですか!」
 ある教室の中を覗き込んでいた紅雪とアイビスに、デビルスケルトン達が慌てて声をかけた。尤も彼らからすれば、不審な部外者がいたのでマニュアル通りの対応を取っただけに過ぎないのだが。
「来たわね、『よい子』達」
 紅雪が愛刀の鯉口を切ると濃密な妖気が刃から漏れ出し、たちどころに彼女の周囲を漂い始めた。
「こいつ、刀を持ってるぞ!」
「侵入者を制圧する!」
 デビルスケルトンは警戒レベルを一段階引き上げ、槍を構えて二人を威嚇。骨だらけの体に宿った青白い炎が、勢いを増していく。
「どうかしら?悪いことをすれば喜ぶと聞いたのだけれど」
 紅雪は最大限に引き上げた妖刀の呪詛を、衝撃波に乗せて一直線に撃ち出した。刀で斬りかからずとも、精神のみに作用する呪詛は対象に凄まじい恐怖を与えるだろう。
「くっ……なんというプレッシャー!」
 槍による刺突を繰り出してくるデビルスケルトンの動きは、明らかに精彩を欠いていた。叩きつけられる呪詛に気圧されたのか、攻めあぐねている様子だ。本気の殺意が込められない攻撃ならば、躱すのは容易い。
(倒さなくても良いそうですが、紅雪が楽しそうなので倒していきましょうか)
 アイビスは紅雪が攻撃を受け流しやすいように、念動力と衝撃波を使い分けてサポートに徹している。あえてユーベルコードを使わず力をセーブし、戦況を注意深く窺っているのだ。
「こちら側につかなければ、もっと恐怖を撒き散らすわよ?」
「くっ、この娘からはまるでラスボスのようなオーラを感じる……敵に回すのは危険だ」
 デビルスケルトン達は紅雪の呪詛に当てられ、精神的に極度に疲弊した状態に陥ってしまった。例えるならば、まるで恐ろしい魔王の前に引きずり出された時のような気分である。結局悪魔達は攻撃を中断し、生徒会長のもとまで二人を案内するという方向で話は落ち着いた。
「仲間は多いに越したことはないわね。学校は仲間を作る場所だと聞いたことがあるわ。まさに学校を満喫という感じよね」
 少し強引な方法だったが、紅雪が学校というものに興味をもったことは収穫だったかもしれない。何せ幽閉生活が長かったため、同世代の者と関わるのは猟兵の活動以外で殆どないのだ。
「しかし紅雪を学校という機関で学ばせる、というのも考えた方がいいでしょうか。社交性を養うという面で……」
 紅雪を社会に適応させるために、一度教育機関に預けてみるのもいいかもしれない、と密かに思案するアイビスであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『秩序の悪徳『キリツエル』』

POW   :    此処のルールに従ってもらおう
【改竄した校則が書かれた生徒手帳】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    校則違反で没収する
【翼から放たれる高命中の光矢】が命中した物品ひとつを、自身の装備する【没収品置き場】の中に転移させる(入らないものは転移できない)。
WIZ   :    この場の皆に問う、正しいのは何方だ?
【秩序を以って悪徳を為す】という願いを【学校関係者全員】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はオネスト・ファッションです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


● 独裁者
 
 PM15:50――
 王立砕魂第一高校、生徒会室。堕天使キリツエルは一人、ホワイトボードに向かって油性マーカーを走らせていた。
「さて、次はどのような校則を定めるか」
 今や学園の絶対支配者となった彼に、異を唱える者などいる筈がない。生徒会メンバーは言うに及ばず、学校長以下教職員たちもこのオブリビオンの手駒に過ぎない。学園の秩序維持のため、手足となって働いてくれるだろう。
 このまま予定通り、従来の方針で生徒にDを集めさせる。そして、十分な量に達した段階でサバト『暗黒大学園祭』を開催するのだ。
「四天王クラスの強力な悪魔を召喚し、支配することができれば兵力を大幅に増強できる。……僕のユーベルコードならばそれが十分可能だ」
「た、大変です! 会長っ!」
 血相を変えて生徒会室に駆けこんできた悪魔の男子を、キリツエルは冷ややかな目で一瞥する。
「何事だ。騒々しい……」
「そ、それが……校内に侵入した不審者が、デビルスケルトンを退けてこちらに向かっているんです!」
 呼吸を整え、やっとの思いで言葉を絞り出す男子学生。その言葉に反応し、黒縁眼鏡の奥で赤い目が鋭さを増した。
「侵入者だと。他校の悪魔か、それとも勇者の一行か?」
「そ、それが……目撃者によると世代も服装もばらばらで。最近噂の猟兵なのではないかと……」
 猟兵の存在。それはキリツエルにとって最大のイレギュラーだった。彼の計画を阻止しうるのは、魔王でも勇者でもない。異世界からの来訪者たる猟兵だ。彼らは異分子であるがゆえに、この世界の法に影響されることはない。
「猟兵……世界を渡り歩くユーベルコード使いとやらか。秩序を乱す存在は、看過できんな。断じて!!」
 振り向きざまにキリツエルが投擲したマーカーが、壁に深々と突き刺さる。やがて幾つかの足音とともに、彼らはやって来た。
 未知の武装を携え、埒外の力を操る転校生。対するは、学園の絶対権力者。秩序の悪徳、白衣の暴君。果たして強制退学となるのはどちらだ? 天国か地獄か――ジャッジメント(審判の時)!!

 ※Dが貯蔵された生徒会室での戦闘となります。室内は蓄積された魔力の影響からか空間が歪んでおり、複数人が戦闘を行うのに十分な広さとなっております。キャバリアやドラゴンを召喚するのも、もちろん可です。
 プレイング受付は、4/17の8:30からとさせていただきます。それ以前に送信された場合は、一旦流れることになりますのでご了承ください。
茜谷・ひびき
どれだけ真面目そうに見えてもお前がとんでもなく邪悪な輩なのは分かってんだよ
今すぐぶっ飛ばしてやる

しかし相手は生徒会長でここはあいつが支配する学校
校則は簡単に覆せないだろう
武器を没収されるのは厄介だが……
それなら没収されないもので戦えばいい

刻印を起動
俺の身体を武器として相手に殴りかかりに行くぜ
刻印自体は俺の身体と同化してる
振るうのも俺の手足だ
光矢が命中しようとこれは没収出来ねぇだろ

ダメージ自体は【激痛耐性】で耐えるぜ
そのまま勢いで突き進み、あのムカつく面をぶん殴ってやる
一度殴れたらこちらのものだ
相手の習性に合わせて何度も攻撃を叩き込む

生徒会長に殴りかかる不良みたいで、ちょっと絵面がアレだな……!


リュアン・シア
あらあら、何だか凄くそれらしくて可愛いわね、キリツエル君。七三ヘアに黒縁眼鏡がよくお似合い。
あ、私、一応新任教師の設定でここまで来たから、そういう感じでヨロシクね、生徒会長さん。生徒会長といえど生徒だし、教師に評価されるといいわ。この国の、この学園の秩序を乱しているのはあなたよ。独裁者なんて演じちゃって、仕方ない子ね。落第点をあげる。

さて、いきましょうか。
残像を残して瞬足移動し、憐花切で一太刀を。私、速いのよ。
――畏れなさい。落第点と一緒に、【君だけの痛み】をあなたにあげるわ。
あなたが最も恐れるものは何? 自分自身と向き合ういい機会よ。先生、ちゃんと近くで見ていてあげるわね。


化野・花鵺
「キャアァァアア!ハク・ラン!ハク・ラン!フゥウゥゥウ!」
狐、手首を返すヲタ芸入れ絶叫した

「いやん、悪徳生徒会長で眼鏡で白ランとか属性盛り過ぎぃ」
狐、転げ回った

「はぁぁ、はぁぁ。GJそこのトルソー。堪能したっ!あとは…その白ラン置いて塵になれぇ!」
胸に手を当てサムズアップした狐、問答無用で襲いかかった

「たかが悪徳を為すに口実を求むるか。なんと心弱きこと。悪徳とはな、望みのままに己が力を奮って行うものぞ。ヌシは随分と弱者じゃの。ゆえにただのトルソーとして滅する羽目になる。行け、管狐!そのトルソーを喰い尽くせ!」
中身を喰い尽くさせ白ラン強奪を試みる

「血染めの白ランも、趣があって良いわいな、ホホホ」



● ROUND1

「来たぜ、生徒会長」
 ひびきの体内に埋め込まれた『朱殷の刻印』が起動し、赤い花が綻ぶように胸の上を光のラインが広がっていく。
「どれだけ真面目そうに見えても、お前がとんでもなく邪悪な輩なのは分かってんだよ」
「その紋様……魔術装置を直接体に取り込んだのか?」
 対するキリツエルも全身に魔力を行き渡らせ、光の翼は輝きを一層増していく。両者は戦闘態勢に移行し、生徒会室に緊迫した空気が満ちた。
「武器の類は持っていないぜ。没収されるかもしれなかったからな」
「では……腕の一本でも切り落とすとしようか。処遇はそれから考えてやる」
 どこまでも高圧的なその態度に、ひびきは拳を固く握りしめる。
「お前だけは許せない。今すぐぶっ飛ばしてやる!」
「……やってみろ、人間ッ!」
 両者の殺気が膨れ上がり、ビリビリと大気が震える。眩い白と鮮烈な緋色。残像を描いて、二者が激しく交錯した。
「おらぁっ!」
「フンッ!」
 部屋じゅう盛大にDを飛び散らせながら、目まぐるしい打撃の応酬が展開される。リーチではひびき、手数ではキリツエルが優る。
 ボディを抉り取るように繰り出すひびきのブローをキリツエルが受け流し、コンパクトなモーションでカウンターの膝蹴りを放つ。連撃フィニッシュの隙に光矢を差し込むことで距離を保ち、容易に接近させてはくれない。
「っ……!」
 ガードを固めつつ前へ、前へ。被弾を怖れることはない。敵のクセを覚えるため、傷口を焼く痛みに耐えながら貪欲に食らいついていく。
「男の子がケンカ?――あらあら、何だか凄くそれらしくて可愛いわね、キリツエル君。七三ヘアに黒縁眼鏡がよくお似合い」
「キャアァァアア! ハク・ラン! ハク・ラン! フゥウゥゥウ!」
 遅れて生徒会室になだれ込んできたのはリュアンと花鵺、これで形勢は3対1だ。
「あ、私、一応新任教師の設定でここまで来たから、そういう感じでヨロシクね、生徒会長さん」
「いやん、悪徳生徒会長で眼鏡で白ランとか属性盛り過ぎぃ」
「新手か。だが何人来ようが同じだ!」
 大人の余裕を見せつけるように、軽い調子で挨拶を交わすリュアン。一方で花鵺は、一人で何事か叫びながら床で悶絶している。どうやら自分の世界に浸っているようだ……。
「さて、いきましょうか。生徒会長といえど生徒だし、教師に評価されるといいわ」
 どちらが立場が上か、教えてあげる。リュアンは転がる花鵺を横目に愛刀『憐花切』の鯉口を切ると、音も無く地を蹴った。
「準備はいい? 合わせていくわよ」
「ああ!」
 リュアンが加勢に入ったことにより、猟兵側の手数と選択肢は大幅に増えた。ひびきの直線的で力強い打撃に、妖剣士の幻惑的な太刀筋が加わる。リュアンの参戦から93秒後。初めてひびきの攻撃が有効打となってキリツエルを捉えた。
「カハッ――」
 短い呼気が口から洩れ、キリツエルが体をくの字に曲げた。それが呼び水となって、ひびきは速射砲のごとく連鎖的に拳打をぶち込んでいく。フィニッシュブローでダウンを奪ったが、キリツエルは素早く復帰して追撃を逃れた。
「はぁぁ、はぁぁ。GJそこのトルソー。堪能したっ!あとは……その白ラン置いて塵になれぇ!」
 しばし悶えていた花鵺だったが、やおら起き上がると胸に手を当ててサムズアップ。どことなく不穏な空気――すると彼女の眼が、鋭く輝いた。
「たかが悪徳を為すに口実を求むるか。なんと心弱きこと。悪徳とはな、望みのままに己が力を奮って行うものぞ。ヌシは随分と弱者じゃの。ゆえにただのトルソーとして滅する羽目になる」
 化け狐の本性を現した花鵺が、隠し持っていた竹筒を取り出して封印を解き放った。
「行け、管狐! そのトルソーを喰い尽くせ!」
 竹筒から出現したのは、狐の妖物『管狐』。もはや白ランの着用者であるキリツエルに興味は失せた。奴はただの小物。ならば、あとは喰らい尽くし戦利品を奪い去るのみ!
「血染めの白ランも、趣があって良いわいな、ホホホ」
「――秩序を乱すこの者どもに、死の制裁を与える。体育部隊、出撃!」
「「「我ら体育部隊、ここに!!」」」
 体育部隊とは、運動部顧問の悪魔教師らで構成される治安維持チームのことである。キリツエルの号令に応じ、竹刀やバット、テニスラケット等の長物で武装した体育部隊が瞬時に戦場に現れた。
「この場の皆に問う、正しいのは何方だ?」
「勿論キリツエル様です! キリツエル様が創る理想の学園のために。我ら体育部隊一同、秩序を乱す輩を征伐します!!」
 花鵺が放った管狐が空中を乱れ飛び、それを迎え撃つ体育部隊と熾烈な空中戦が始まった。体育部隊はそれぞれの得物を振り回して管狐を叩き落そうと奮戦しているが、管狐は複雑な軌道を描いて飛び回り、なかなか的を絞らせない。教師たちの手足に噛みつき、顔を引っ掻くことで戦意を奪い、瞬く間に彼らを無力化していった。
「ああなってしまったら、教師の面目も丸潰れね」
 投降した体育部隊をため息交じりに一瞥すると、リュアンは鋭く踏み込んだ。
「そこかァ!!」
 白光を纏った回し蹴りでリュアンを迎撃するキリツエル。だが、蹴り足の先にリュアンの影は既になく。
「この国の、この学園の秩序を乱しているのはあなたよ。独裁者なんて演じちゃって、仕方ない子ね。落第点をあげる」
 宮廷舞踏のごとく円を描いてキリツエルの死角に回り込み、愛刀を薙ぎ払った。斬撃が、純白の詰襟を横一文字に切り裂く。鮮血に染まる視界の中、キリツエルが幻視したのは『最も恐れる光景』。
 ――畏れなさい。落第点と一緒に、【君だけの痛み】をあなたにあげるわ。
「あなたが最も恐れるものは何? 自分自身と向き合ういい機会よ。先生、ちゃんと近くで見ていてあげるわね」
「こ、こんな結果は……有り得ない! この僕が、更迭されるなど!!――うぉおおおお!!」
 キリツエルは今、リュアンの妖剣術による幻覚の只中にあった。錯乱状態となった彼の光は暴走し――翼から放たれた光矢は雨となって、彼の頭上に降り注いだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

貴様が首魁か…上から下まで白い奴…!
面倒だからささっと片付け暗黒大学園祭を中止にしてやる!
我が名はアンナ、処刑人也!!!

…貴様のDカーストとやらで救われた者もいるかもしれない
だがそんなのでも救われない救いようのない
真の超底辺陰キャがいるのを知らぬようだな…
灯台下暗し…真の超底辺陰キャ共よ集え!

【公開処刑】により虐げられた者達を召喚し
[悪のカリスマで陰キャ共の闘争心]を湧きあがらせて
[集団戦術]でカースト頂点に君臨する敵をボコボコに痛めつけよう

そして敵に程々に熱いタールを浴びせ
その上に白い羽を塗しタール羽の刑で辱めてやろう…

強制退学の時は来たれり…
登校せずにお家で一生勉強するんだな!



● ROUND2

 猟兵と学園の支配者、堕天使キリツエルとの激闘は続く。続いて生徒会室に現れたのは、ダークセイヴァーからの刺客。室内に風が吹き込むと、アンナが板金鎧の金属音とともに駆け込んできた。
「貴様が首魁か……上から下まで白い奴……!」
「そういうお前は、僕を拷問にかけ処刑すると息巻いているらしいな。己の立場を弁えよ!」
 全身黒ずくめと白学ラン、対照的な二人が相対する。キリツエルは不快そうに鼻を鳴らすと、人差し指をアンナへ突き付けながら言い放った。
「その板金鎧と刀……服装規定に抵触する。それにここに至るまでの校則違反の数々……到底許容できるものではないな。出番だ、風紀委員会!」
 自身に付き従う悪魔学生達を呼び出し、アンナへと一斉にけしかける。キリツエル本人の戦闘能力も高いが、いつでも配下を呼び出して命令に従わせ、戦わせることもできるのだ。
『――校則に基づき、貴様を処罰する。覚悟しろ!』
 制服の袖に腕章をつけた風紀委員たちが手にしているのは、警棒や木刀といった凶器だ。治安維持のためなら、暴力の行使も厭わないらしい。
「面倒だからささっと片付け暗黒大学園祭を中止にしてやる! 我が名はアンナ、処刑人也!!!」
 風紀委員の攻撃を鉄塊剣『錆色の乙女』で受け止め、血液から生み出したギロチン状のカッターを飛ばして反撃を繰り出す。悪魔の体は他世界の生物と比べて頑丈だ。多少傷つけても、死に至ることはないだろう。
「勘違いするな! 僕のDカースト制度が、負け犬だったこいつらを救ってやったんだ!」
「……貴様のDカーストとやらで救われた者もいるかもしれない。だがそんなのでも救われない、救いようのない真の超底辺陰キャがいるのを知らぬようだな……! 灯台下暗し……真の超底辺陰キャ共よ集え!」
 アサエモン・サーベルで周囲の敵を切り払いながら、アンナが生徒会室の隅へと声をかけた。すると、名状しがたい負のオーラを纏った集団が、生徒会室の隅からヌッと姿を現したではないか。
『……ハァァァァ……』
 深いため息をつきながら現れた彼らは、どんな方法を使っても目標額を納付できなかった者たち。勉強も運動もダメ、要領が悪く喧嘩も苦手……アンナはそんな、何をやらせてもうまくいかない者たちの妬みと嫉みの感情を利用する。
「お前たちの願いを叶えてやろう。これより処刑を行う……陰キャ達よ、今こそ立ち上がれ!」
『陽キャ共ガ……憎イイィィ!!』
 アンナに統率され、超底辺陰キャ達が一斉に風紀委員へと襲い掛かった。彼らが醸し出す負のオーラは凄まじく、近づくだけで対象に不快感を与えて戦意を削いでしまうほどだった。
『ぐわーーーっ!?』
 陰キャ学生達の突撃によって風紀委員はなぎ倒され、前衛の守りが強引に切り開かれた。そこへ、掃除用の青いバケツを手にしたアンナが猛スピードで疾走する。
「生徒会長キリツエル、貴様をタール羽の刑に処する!!」
「何……ッ」
 陰キャ達が一斉に飛び蹴りをかまし、キリツエルは躱しきれず床に転倒する。そしてアンナはそこに、バケツの中身――熱したタールをぶちかけた!
「ぐおおおおっ!!!」
「強制退学の時は来たれり……登校せずにお家で一生勉強するんだな!」
 異臭を放つ高温のタールに塗れ、苦悶の叫びを上げるキリツエル。そんな彼の頭上から、白き羽毛がキラキラと舞い散り降りかかった。まるで、神からの罰を告げる天使からのメッセージのように。 

成功 🔵​🔵​🔴​

蓮・紅雪
同行者:アイビス
秩序を乱しているのは一体誰かしらね、私利私欲で行動しているだけの生徒会長さん?
その集めたDで何を企んでいるのかしら。
おいたが過ぎると眼鏡を叩き割るわよ?

厄介なユーベルコードを使うみたいだから、周りに学生が残っているようなら先に沈黙させておきましょうか。
怪我をさせても悪いから衝撃波と氷魔法で対処しましょう。

アイビスの攻撃に合わせて死角へ移動しつつ、UC発動。
全力で堕天使に肉薄して一撃お見舞いするわ。
後は出来るだけ接近戦で自身に注意を引きつつ戦いましょう。
アイビスや他の猟兵から注意を逸らすことが目的よ。
そして狙う――眼鏡。
何故かしら、壊さないといけない気がするのよね。

アドリブ歓迎!


アイビス・ライブラリアン
同行者: 紅雪(f04969)
力で支配することを秩序というのは
お粗末な話だと思いませんか?
ともあれ、紅雪が学べそうにない学園には
幕を閉じていただきましょう

各属性魔法で牽制
残っている学生がいるなら、合わせて気絶させます
紅雪に気を引いてもらっている間に魔力を溜めます
ある程度溜まったところでUC発動
瀕死ほどに加減はさせていただきました

あとは紅雪に眼鏡を割っていただければ
……何故か割りたくなってしまうのは
学術的に研究されているのでしょうか……

アドリブ歓迎



● ROUND3

「なんということだ……僕が築き上げた学園の秩序が、崩壊していく。認めん、認めんぞーーッ!!」
 猟兵たちから立て続けにダメージを受けたキリツエルは、それまでの冷静さを失いつつあった。自ら定めた秩序を破られると引くほどキレる節があったのだが、形勢が不利になったことでそれが顕在化してきたようだ。
「力で支配することを秩序というのはお粗末な話だと思いませんか? ともあれ、紅雪が学べそうにない学園には幕を閉じていただきましょう」
「秩序を乱しているのは一体誰かしらね、私利私欲で行動しているだけの生徒会長さん? その集めたDで何を企んでいるのかしら。おいたが過ぎると眼鏡を叩き割るわよ?」
 紅雪とアイビスの指摘も、もっともである。キリツエルが現れる前から、この学園は特に荒廃していたわけではない。俗にいうスクールカーストも無いわけではなかったが、それもあくまで普通の学校の範疇であった。
「貴様らには関係ない……おい! こいつらを摘まみだせ」
 キリツエルの命を受け、武装した学生と教員たちが二人を包囲する。紅雪はそっと黒紅の刀に手をかけ、アイビスは四大元素の書を静かに紐解いた。
『全員、突撃ぃー!!』
 武装した部活顧問の『体育部隊』と、カーストA級学生で構成された『風紀委員会』の残存戦力が、合同で猟兵に襲い掛かる。
「峰打ちでいいかしら……」
 木刀による打突を捌き、鮮やかな峰打ちで手足を打ち据えて敵を無力化していく紅雪。衝撃波を放って複数を纏めて吹き飛ばし、足元を魔法で凍らせれば立ち上がることもままならなくなる。
 一方でアイビスが選択したのは、雷属性魔法だ。相手を気絶させるのが目的ならば、威力を落とした電撃で事足りると彼女は判断した。指先から迸った紫電に打たれ、敵兵は糸の切れた人形のように次々と倒れ伏していく。
「紅雪、少し時間を稼いでもらえませんか。紅雪が頑張っている間に、魔力を溜めたいのです」
「……心得たわ」
 アイビスが放った火炎弾を、キリツエルは自らの光翼でガードし拳打で相殺していく。その隙に、紅雪は勢いよく駆けだしつつ鬼の呪いの力を解き放った!
「――我は呼ぶ、小さき絶望」
 紅雪の周りに、薔薇の花弁のごとき血晶が浮かび上がっていく。鮮やかな銀髪に変じた羅刹の少女は、自らの血を塗り強化した黒刀でキリツエルに斬りかかった。
「……やっぱりその眼鏡、無性に割りたくなるわね」
「命の次に大事な眼鏡だ。もし壊したら弁償してもらうぞ……お前の命でなァ!」
 紅き血晶が舞う中で、羅刹と堕天使は激しい攻防を繰り広げる。刀を持った相手とも素手で渡り合うあたりは、流石ボス級のオブリビオンといったところだろうか。
 しかしトップが戦っているというのに、配下の学校関係者たちはよろよろと起き上がり、あろうことか退却の準備を始めたではないか。
『……もう嫌だ。これ以上は耐えられない……』
『なんでこんな痛い思いしてまで、Dを稼がないといけないんだ……』
「待たんか、貴様ら! 敵前逃亡は校則違反で銃殺刑だぞ!」
 紅雪の斬撃をいなしながら、配下に呼びかけるキリツエル。しかし、彼の言葉はもはや届くことはないだろう。
『もううんざりなんだよ……! これならまだ、あんたが来る前のほうがずっとよかった!』
 それまで付き従っていた人々が退室し、そして誰もいなくなる。孤立無援の生徒会長のみが一人、部屋に取り残されることとなった。
「どうやらみんなの支持を失ったみたいね。私も、あなたのいる学園では学びたくないわ」
「クソッ……目標額まで、まだ足りないんだぞ!! 猟兵、キサマらさえいなければっ……!?」
 素早く距離を詰め、キリツエルの黒縁眼鏡へ目掛けて刀の柄尻を叩きつける紅雪。バリンという乾いた音とともに、スクエアレンズは脆くも砕け散った。
「グワッ! 目が、目がぁぁぁ!!」
 破片が目に入ったのか、たまらず悶絶するキリツエル。その隙に、後方で控えていたアイビスは既に魔力のチャージを完成させていた!
「――下校の時間です、キリツエル様。守らなければ、校則違反です」
 アイビスが術式を構築し終えると、四大元素の書の見開きから地水火風の魔力が瞬時に爆ぜた。エレメンタルバースト――その最大瞬間火力は、目を見張るものがあった。
「ぐわぁぁぁーーーっ!!!」
 轟音とともに、キリツエルの体が勢いよく後方に吹き飛ばされる。四大属性を組み合わせた攻撃魔法の破壊力は凄まじく、彼の体は生徒会室の窓ガラスを突き破っていった。
 後に、白い人型の飛翔体がプールへ落下していく様子を目撃したという情報が、用務員の男性から寄せられている。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『今日も元気に『一日一悪』』

POW   :    今日も元気に一日一悪

SPD   :    今日も速やかに一日一悪

WIZ   :    今日も知的に一日一悪

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵たちの活躍によって生徒会長キリツエルは討たれ、学園の平和は取り戻された。キリツエルは既に骸の海へと還ったが、明くる日の職員会議で正式に彼の退学処分、および除籍が正式に決定した。
 学生名簿からも抹消されたことで、名実ともにキリツエルは学園から姿を消すことになったのである。
 学園をオブリビオンの支配から解放した功労者、猟兵たちの噂は瞬く間に知れ渡り、全校集会で生徒一同に紹介されるなど、熱烈な歓待も受けた。
 そして、放課後。忌まわしきDカースト制度から解放された学生たちは、クラブや委員会などそれぞれの場所での活動を再開した。勿論、さっさと校門を出て最寄りの商店街に遊びに行こうという帰宅部も中にはいる。
 そして、猟兵たちがこの世界に滞在できる時間も、残りあと僅か。キリツエルが収集していたDの扱いについては、猟兵に一任されている。ならばいっそ、有効に使って地域の経済を潤すというのが人情というものではないか?
 どうやら、商店街の施設は人間界とあまり変わらないようだ。ファストフードや居酒屋といった飲食店をはじめ、カラオケボックスやゲームセンターなどの遊興施設。書店や衣料品店などの専門店も勿論存在する。ただし、ここは悪魔の世界デビルキングワールド。
 どんな商品やサービスがあるのかは、訪ねてみてのお楽しみといったところだろうか?

 ※三章は、学園から最寄りのアーケード街で楽しく過ごす日常パートとなっております。「一日一悪」とありますが、買い食いや寄り道遊びといったレベルの『校則違反』ならばプレイング上なんの問題もありません。
 成人の方ならば居酒屋で軽く一杯……というのもいいかもしれませんが、未成年の方の飲酒喫煙は不採用とさせていただきます。
 それでは、Dをパーッと使って楽しんじゃってください!
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

終わったね…これで平和になった…
みんな穏やかに…なんて言うとでも思ったか…!

貯まりに貯まったDを校庭に集めて
[悪のカリスマ]発揮し生徒達に呼びかけよう

それでいいのかお前達?
デッカい悪になりたいのだろう?
二度とない青春を楽しみたいのならば…
ここにあるDを…奪い取れるだけ奪え!早い物勝ちだ!
さぁ先生もご一緒に!一度しかない人生もとい魔生を楽しんで!

学校の皆さんに呼び掛けて[闘争心]を煽って
D争奪戦を行わせよう…

そうだ!それでこそ悪魔だ!
貴様等のあるべき姿だ!!醜く奪い無様に散財するがいい!

彼らが奪い合う様子をしっかり見ながら嘲笑ってあげよう…

はぁー楽しかった…
何か食べて帰ろう…



● レインメーカー

「――ではアンナさん。キリツエルとの戦いを終えて、現在の心境をお聞かせください」
 のんびりと一人で校内を散策しながら各部活動を見物していたアンナは、通りがかった放送部員に声をかけられた。放送室の録音ブースへ案内されたアンナは、現在校内放送で使用するインタビューの真っ最中である。
「終わったね……これで平和になった……みんな穏やかに……」
 やや緊張した面持ちで、ゆっくり言葉を紡いでいくアンナ。撮影機材を手にした放送部員が、羨望の眼差しでアンナを見つめている。だが、アンナが彼らの取材を引き受けた真意は他にあった。
「なんて言うとでも思ったか……! 私にはまだ最後の仕事が残っているんだ。今から、学校に残っている人を校庭に集めなさい!」
「ええっ……!?」
 そう、集められたDの処分方法については、猟兵に一任されているのだ。やがて放送部員のアナウンスにより、多くの悪魔学生が校庭に集められた。

「うぉおおーーっ! イェーガー! イェーガー!」
 黒髪を風になびかせて校舎の屋上に佇むアンナに向かって、熱烈なコールが浴びせられる。放送部員からマイクを受け取ると、アンナは眼下の生徒たちに向かって語り掛けた。
「お前たちをこき使い、苦しめていた性悪生徒会長は、私達が仕置きしておいた。奴はもう、二度とこの学園に現れることはないだろう。お前たちは今まで通り、部活やら勉強やら恋やらに励むがいい」
「キャーー!」
「だが……それでいいのかお前達? デッカい悪になりたいのだろう? 二度とない青春を楽しみたいのならば……ここにあるDを……奪い取れるだけ奪え! 早い物勝ちだ!」
 生徒会室からかき集めてきた札束を鷲掴み、アンナはそれらを勢いよく校庭へばら撒く。上空からヒラヒラと舞い散る紙幣に歓声をあげると、若き悪魔たちは我先にとDに飛びついた。
 今はまだヒヨッコレベルに過ぎない彼らだが、いずれは研鑽を積んで悪のカリスマを身に着け、魔王あるいはそれを補佐する四天王へと成長していくのだろう。デビルキングワールドの未来を担うのは、他でもない彼らなのだ。
「さぁ先生もご一緒に! 一度しかない人生もとい魔生を楽しんで!」
 校庭での騒ぎを聞きつけて、教職員たちも何事かと集まってきた。Dはそれ自体が強力な魔力を秘めており、それをばら撒くということは悪魔達にとって抗いがたい誘惑だった。今や生徒も教師も入り乱れ、揉みくちゃになりながらDをかき集め奪い合っている。
「そうだ!それでこそ悪魔だ! 貴様等のあるべき姿だ!! 醜く奪い無様に散財するがいい!」
 アンナは見事に悪魔達を扇動することに成功し、屋上から何度も紙幣をばら撒き続けた。その様子はビデオカメラにしっかり収められ、翌日のお昼の放送で全校に流されたという。
「はぁー楽しかった……何か食べて帰ろう……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

化野・花鵺
「1日1悪ぅ?…マーベラスッ!ここはどんなぱらいそ、いやデビキンかッ!ふふふふふ、これは妾も腕を振るわねばなるまいて」
狐、破顔した

「ホーッホホホ、あるだけせぇふくを持ってくるのじゃ。金ならある、金ならあるぞぇ」
狐、報償金で制服を買い漁った

「なかなか鴨が来んの…来たッ」
買い漁った制服でパンパンになった大型リュックを背負った狐、化術で子供になって物陰に隠れ銭湯に制服で来る輩を待ち受けた

「んとねぇ、ママがパパにこれ持ってきなさいってぇ」
狐、銭湯に入り込み、制服男性客の服はかっぱらって魔女っ娘衣装に入れ換え、女性制服客の衣装は野球部ユニフォーム等に入れ換え強奪
使用済み制服山程抱えUC使用し逃走した



● 幻術のワルな使用法

 一日一善ならぬ、一日一悪。それが学園で定められた『今月の目標』である。どうにも良い人すぎる悪魔達を保護するために制定されたデビルキング法に基づき、悪魔達は今日も嬉々として悪事に勤しむ。
「1日1悪ぅ? ……マーベラスッ!ここはどんなぱらいそ、いやデビキンかッ! ふふふふふ、これは妾も腕を振るわねばなるまいて」
 そしてここに、どんな悪事を働こうかと思案する猟兵が一人。悪魔達をアッと驚かせ、なおかつ自身の欲望を満たす方法を閃いた花鵺は、早速学園から最寄りの商店街へと足を向けた。

「らっしゃっせぇ~」
 ――安っぽい入店ベルと共に、初老の悪魔が気の抜けた挨拶で出迎えた。花鵺が訪れた場所は、昔ながらの空気が漂う個人商店。それも、各校の制服や学校指定の鞄、靴などを取り扱うスクールグッズの専門店である。……ただし、悪魔的センスのなせる業か、陳列された品物はみな攻撃的な装飾や奇抜なディテールが施されていた。
「ホーッホホホ、あるだけせぇふくを持ってくるのじゃ。金ならある、金ならあるぞぇ」
 戦利品のD札束をカウンターに積み上げ、片っ端から注文していく花鵺。持参したカバン一杯に買い漁った制服を詰め込むと、花鵺はホクホクの笑顔で店を後にした。

 ――日没もそろそろ近づいてきた頃。花鵺は、銭湯に出入りする客を自販機の陰から観察していた。そのままの姿ではただの不審者となるため、化け術を駆使して『かくれんぼ』中の子供を装うのだ。
「なかなか鴨が来んの……」
 やきもきしながら、粘り強く待ち続ける。そして遂に、花鵺が待ちわびた瞬間が到来したのだ。部活帰りらしき、スポーツバッグを担いだ悪魔男子学生のグループがぞろぞろと現れ、吸い込まれるように銭湯の出入り口を潜っていく。
「……来たッ!」
 素早く後をつけて店内に入り、一直線に目指すは男湯の脱衣場。今まさに着替え中だった学生たちの前に現れると、父親とともに入浴に来ていた子供を装って話しかけた。
「ねーねー」
「んぁ? どこの子供だ」
「――んとねぇ、ママがパパにこれ持ってきなさいってぇ」
 学生たちの目の前に『魔女っ娘衣装』を突き出した瞬間、花鵺は化け術の奥義を発動させた! とんぼ返りと共に、その場に居合わせた全員に幻術をかけたのだ。
「ホーッホホホホ! 掛かったなッ!」
 謎の高笑いが聞こえたかと思いきや、意識が急速に遠のいていく。学生たちが最後に見た光景、それはスモークの中から現れた魔法少女が可憐な仕草で魔法を唱える姿。魔法の発動と同時に彼らの衣服は少女と同じ魔女っ娘衣装に変じ……彼らは微睡の中に落ちていった。
「うーん、zzz……………」
「ホッホッホッ、作戦大成功! ――さて、ついでに女湯も狙うかのぅ! セーラー! ブレザー!」
 昏倒したターゲットから持てる限りの制服を奪い取ると、花鵺は嬌声を上げながらその場を後にした。代わりに用意した衣装(安っぽい造り)とすり替えておいたのが、せめてもの慈悲というべきか……。ともあれ、彼女なりの『一日一悪』を見事成し遂げたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

茜谷・ひびき
よし、あとはパーッと遊んで帰るだけだな
せっかくだし、ちょっと奮発してみようか

目指すのは書店だ
良さそうな本があればどんどん買っていきたいな
でも、この世界の本ってどんな内容なんだろう

「こどもでも出来る爆弾の作り方」
「簡単! 現金輸送車免許の取り方」
「悪魔武器のしつけ方」
……実用書は駄目だな
UDCアースに持ち込んだら絶対摘発される

それなら小説や漫画を……
平積みになってるやつを適当に手に取るが、こっちはなかなか面白い
推理ものなんか犯人視点のやつばっかりだぜ
しかも犯人が勝ってる

いや、こういう作品は俺の世界にもあるけれど……
フィクションなら、格好いい悪党が勝つのも悪くない
数冊買って帰ろう
読むのが楽しみだな



● 街角の本屋さん

「よし、あとはパーッと遊んで帰るだけだな」
 夕暮れ時の商店街を歩くひびきの表情は、晴れ晴れとしていた。強敵との戦いを終えて任務を無事達成し、ひとときの安息と解放感に浸っているのだ。
「せっかくだし、ちょっと奮発してみようか」
 手元には、生徒会長キリツエルから奪還したDが何万かある。ここでDを消費すれば、商店街の活性化に少しは貢献できるだろう。読書好きのひびきが興味を示した場所といえば、勿論書店である。
「なんか意外だな。店の造りは人間界とあまり変わらないのな」
 店の中に入ると、まずは雑誌や売れ筋の新刊を陳列した棚が目についた。当然ながら、働く店員も利用する客も悪魔だらけである。
「でも、この世界の本ってどんな内容なんだろう……なになに?」
 最近売り上げを伸ばしている実用書が平積みで置かれ、目立つようにPOPで紹介されている。『夏休みの宿題にうってつけ! こどもでも出来る爆弾の作り方』『簡単! 現金輸送車免許の取り方』『かわいいペット! 悪魔武器のしつけ方』等々、デビルキングワールドでの生活には役立ちそうなものだが、UDCアース出身のひびきには馴染みの薄いものばかりだ。
「UDCアースに持ち込んだら絶対摘発されるな」
 爆弾の製造方法を書いた本など、間違いなく発禁モノだ。実用書は参考にならないと判断したひびきは、それならエンタメ本はどうかと次のコーナーへ向かう。
「小説と……あっちは漫画コーナーか」
 帯に映画化決定と書かれた、ハードカバー小説を手に取ってみる。実在した魔界盗賊の、若かりし頃を描いたものらしい。なかなか面白そうだ。作者は推理小説も執筆しているのだが、こちらは特に犯人視点の描写が秀逸とのこと。
 他にもアウトローの生きざまを赤裸々に描いたノワール小説や、悪魔や呪いを題材としたダークなコミックが大人気らしい。人間界では異色、異端とされがちな要素だが、デビルキングワールドではやはり悪の魅力に焦点を当てたものがウケるのだろう。
「いや、こういう作品は俺の世界にもあるけれど……フィクションなら、格好いい悪党が勝つのも悪くないかな」
 気になった漫画や小説を何冊か購入して、ひびきは書店を後にした。本を買うと、家に帰るまでの道がなんとなく楽しくなる。直ぐに読みたいと逸る気持ちを抑えながら、ひびきは帰り路を急いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイビス・ライブラリアン
同行者: 紅雪(f04969)
紅雪、似合っていますよ
……ただ、終わってから着る必要はなかったのでは?
紅雪が楽しければよいですが……

アーケード街は普通なのですね
さて、古書や歴史書を扱っているお店を探してみましょうか
探しながら食べ歩いてみるのはいかがですか?
少しでもDが消費できるかもしれません

……タイムカプセルですか?
Dを埋めてしまっては埋蔵金になってしまうのでは?
紅雪がやりたいというのであれば、手伝いましょう
(何重も張った結界術を構築しつつ)

アドリブ歓迎


蓮・紅雪
同行者:アイビス(f06280)
本で読んだ知識だけだから、本物の学校に入れたことは新鮮だったわ。
しかも学生服を着ることになるとは思ってもみなかったわね。
(茶色のブレザー、緑のプリーツスカート、黒ハイソ、一式頂きました)
アイビスもよく似合っているわ。

アーケード街は意外と普通なのね。もっと地獄的風景を期待したのだけれど。
それにしても、この大量のDをどう使ったものかしら?
珍しい古本や高級茶葉があると良いのだけれど……。
(本屋やお茶屋へ赴いて品質に愕然)

……わかったわ。
タイムカプセルよ、アイビス。
校庭に埋めるアレをやりましょう。
(間違った知識でカプセルに入れた大量のDを埋める)

アドリブ大歓迎!



● 安らぐひと時

 アイビスと紅雪の姿は、学園のカフェテリアにあった。学園を支配していたオブリビオンを無事撃破し、二人で軽食を摂りながら休憩していたのである。
 学園の救世主となった少女猟兵に何人かの生徒が話しかけてきたが、紅雪が人見知りするためアイビスの簡単な挨拶と自己紹介のみに留まった。
「本で読んだ知識だけだから、本物の学校に入れたことは新鮮だったわ。しかも学生服を着ることになるとは思ってもみなかったわね」
「紅雪、似合っていますよ。……ただ、終わってから着る必要はなかったのでは? 紅雪が楽しければよいですが……」
 学園の好意で、女子用制服一式を紅雪のために譲ってもらったのである。茶色のブレザー、緑のプリーツスカート、そして黒ハイソックスのコーデは魔界にしてはセンスが良く、なかなか可愛らしい。
「実はまだ、学園でやりたいことが残っているのよね。タイムカプセルよ、アイビス。校庭に埋めるアレをやりましょう」
「タイムカプセル、ですか」
 タイムカプセル。学校を卒業していく生徒たちが記念に埋めていき、何十年か経って同窓会の日に掘り起こすというアレである。箱の中には思い出の品物や、『未来の自分』に向けた手紙を入れることが多い。
「余ってしまったDは、埋めてしまいましょう」
「Dを埋めてしまっては、埋蔵金になってしまうのでは? それに、タイムカプセルというのは埋めた人がまた掘り起こすものですよ。まあ、紅雪がやりたいというのであれば手伝いましょう」
 こうして、二人でトランクに詰めたDを校庭に埋める作業が始まった。スコップで穴を掘り、中にトランクを置いたらまた丁寧に土を被せていく。最後にアイビスが結界術を何重にもかけたことで、ひとまずDの封印は完了した。
 のちに学園では、夜な夜な校庭の一か所が不気味に発光する現象が目撃され、学園七不思議のひとつとなった。魔女の亡骸が埋まっているとか、魔王を殺した勇者が財宝をそこに隠したといった様々な噂が作られたが、強固な結界に阻まれ何人も土を掘り返すことはできなかったという。

「アーケード街は意外と普通なのね。もっと地獄的風景を期待したのだけれど」
 学園を立ち去った二人は、その足で最寄りの商店街へと向かった。中世ヨーロッパ風の石畳の街並みなのだが、コンビニやカフェなどが立ち並ぶ、少し不思議な風景だ。
「それにしても、この大量のDをどう使ったものかしら?」
 Dを詰めたタイムカプセルを校庭に埋めはしたが、手元にはまだかなりのDが残っている。
「珍しい古本や高級茶葉があると良いのだけれど……」
「では、古書や歴史書を扱っているお店を探してみましょうか」
 歴史的、資料的価値の高い古本ならばかなりの値打ちがあるはずだ。道行く悪魔に聞き込みをして情報を集めた結果、二人はようやく裏通りにある古書店を見つけることに成功した。
「――あら、いらっしゃい。学生さん?」
 辿り着いた場所は、美しい女悪魔が一人で経営する店だった。そこは古書店でありながらカフェも兼ねており、店内は古本の匂いと茶葉の匂いが入り混じった、何とも言えない不思議な空気で満ちていた。
「お茶でもいかがかしら? 当店お勧めのオリジナルブレンドをどうぞ」
 話によると彼女は魔女の血を引いているらしく、薬草の調合知識を生かして作ったお茶を提供しているのだという。
「美味しい……!」
 戦いの疲れが吹き飛び、体の細胞が生まれ変わっていくような感覚さえ覚える。そのお茶の、今まで味わったことのない悪魔的なまでの美味しさに紅雪は驚嘆した。
「気に入っていただけて何よりね」
 夢中でお茶に舌鼓を打つ紅雪を見て、悪魔は満足そうに微笑んだ。
「デビルキングワールドの歴史を綴った本ですか。この世界を知る、貴重な資料ですね」
 アイビスが手に取ったのは、かつて砕魂を支配した偉大な魔王の資料。そして、彼に戦いを挑んだ勇者との戦いの記録が記された本である。
「――お茶のお代わりが欲しくなったら、いつでも言ってね。お勉強の役に立つ本が見つかるといいわね」
 女主人はそう言い残すと、店の奥へ去っていった。
「少し時間を頂いてもいいですか、紅雪? もう少し、本を吟味したいので」
「ええ、構わないわ。私も、何か本を探したいし」
 閉店までのひと時、二人だけの時間がゆっくり流れていく。壁に架けられた古い時計が、静かに規則的に時を刻んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月29日
宿敵 『秩序の悪徳『キリツエル』』 を撃破!


挿絵イラスト