4
その剣は誰がために(作者 平岡祐樹
5


#ダークセイヴァー  #同族殺し  #ワインシリーズ 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ダークセイヴァー
🔒
#同族殺し
#ワインシリーズ


0



「うむ、やはりあの街のワインはいつ飲んでも最高であるな」
 グラスの中に入った血のように赤いワインをシャンデリアの光にかざし、壮年の男は長い犬歯を口の端から出して控えめに笑う。その向かいに座っていた小太りの男は神妙な面持ちで話し出した。
「そのワインだが……二度と手に入らなくなる可能性があったことを知っているか?」
「……どういうことだ」
 唐突かつ不吉な話題に壮年の男の顔色が変わる。
「『ブリギット』の奴を知っているか?」
「ああ、あの辺境伯の女か。そいつがどうした?」
「あいつがその街を襲撃した」
 小太りの男の発言に壮年の男は血相を変えてグラスを置き、立ち上がろうとする。その行動を小太りの男は両手で制した。
「落ち着け話は終わってないぞ。……その行いは猟兵の奴等に阻止され、奴も完全に消失させられた。ワインも作り手も無事だ。……一部の建物に損壊が出たらしいがな、そこは我々にとっては大した問題じゃあない」
「……猟兵の手、というのは不愉快な話ではあるが、まあ今回は感謝するとしよう。……しかしわざわざ済んだ話を出すほど世間話には困ってはないであろう?」
 壮年の男は長い息を吐くと元通りに座り直し、話の先を促す。小太りの男は重々しく息を吐き、話を再開させた。
「ああ。問題なのは我々が作った不文律を破ろうとした者が現れた……という点だ」
 美味しいワインを守るため、ヴァンパイア達は「わざと」そこへの進軍や重税を取り止め、あえて支配する者を決めない空白地帯にしている。それを正面から堂々と無視する者がいる可能性はこれまであり得ない話だったのだ。
「……同じことがまた起きるかもしれない、と?」
「その通りだ。そして現にやらかしそうな奴を少なくとも1人は知っている」
 そうして小太りの男が投げた紙には玉座に腰掛ける男の姿が描かれていた。それを見た壮年の男は眉間に皺を寄せる。
「……確か、自分が持っていた国を再興する、とか宣っておったか」
「ああ、この街の存在を知ったら……自国の資金源にしようと出兵すると思わんか?」
 壮年の男は小太りの男の懸念を「考え過ぎだ」と、笑い飛ばすことは出来なかった。
「それで、お前は此奴をどうしたいと」
「……其方の子飼いに昔我々の手を煩わせた、中々に高名だった騎士がついていると思い出してな」
「ああ」
 言われて思い出したのか、壮年の男は視線を宙に一旦向けてから小太りの男へと戻す。
「そういえばそんなのもいたな。我の手によって目の前で守るべき主君や国民が一人一人惨たらしく殺される様を見て発狂し、獣のように成り果てた奴が。……ひょっとして?」
「お主にほんのちょっとばかしの傷をつけたのだろう? この程度の相手なら軽く捻れるのではないか?」
「痕すら残らない傷であったがな」
 小太りの男の言い分に壮年の男は苦々しい笑みを浮かべながら首を傾げ、唸る。
「……だが確かにな。我が領に猟兵が入ってきた時の備えにしておきたかったが……このワインの行く末がかかっているとなれば仕方ない。向かわせてみるとするか」
「おお、その言葉を聞きたかった」
「ちなみに報酬は? 我の手を煩わせるのだ高くつくぞ」
「何を言っておる。その手元にあるワインよ」
 小太りの男の言葉に壮年の男は自分の手にある、すでに半分ほど飲まれたワイングラスの中身に視線を向け、肩を落とした。
「……前払いか。通りで高評価の年のものを出してくると思ったわ、謀りおって貴様」
 そして2人は互いに声をあげ、愉快そうに笑うのであった。

 同族殺し。
 オブリビオンにも関わらず、オブリビオンを狙い殺す、猟兵と似ているようで決して相容れない存在である。
「かつて守るべき都と共に深淵の闇に沈んだ聖騎士がオブリビオンとなって復活し、ヴァンパイアの手の者となって動いているそうです」
 ルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は厳しい表情を浮かべながら、ダークセイヴァーの地図に指し棒を擦らせていた。
「ただ、彼が向かっているのは人類砦でも闇の救済者の拠点でもなく……別のオブリビオンの城です」
 問題のオブリビオンはかつてヴァンパイアによって滅ぼされた国の王で、自身の国の再興を目指して周辺地域で生き残っている人類を集めているという。
 だが、どれだけ人類側の立場を自称していても蛙の子は蛙。オブリビオンはオブリビオン。
 そのオブリビオンも自らの支配下に置いた人間達に「自分達が酷い目に遭っているのは悪目立ちしている闇の救済者や猟兵達のせいだ」と唆し、その活動に関わったと難癖をつけて無実の民を捕らえて拷問にかけたり、上位の存在への生贄に捧げたりとやりたい放題をしている。
「使用人達は王の言葉を頑なに信じており、説得は無理無茶無謀の3点セットです。そのため普通に行くだけでは門前払いどころか苛烈な攻撃に遭うことでしょう。……そこで今その地に向かっている『同族殺し』を利用します」
 厳重に警備された城を「同族殺し」に強襲してもらい、その混乱に乗じて警備役である使用人達を蹴散らし、王の元に雪崩れ込む。
 そのため一時的に同族殺しと共闘の形を取ることになる。
「くれぐれも領主を倒すまで、同族殺しに戦闘を仕掛けるような真似はしないでください。今回の作戦は同族殺しの力無しで解決出来るような簡単な物ではありませんので」
 そして王の首を取った後は……同族殺しの死に水を取ることになる。
 彼の者の武具は既に朽ち、身体も光翼もすでに闇に蝕まれてなお、同族殺しは闇を掃うべく戦い続けている。
 彼の行動原理はオブリビオンとなっても変わってはいない。……どれだけ闇を払ったとしても別の闇が勢力を拡大してしまうだけで。
 狂ってしまった彼にそれを伝え、理解させることは難しい。
 だからこそ悲しき騎士に引導を渡すのも必要なことなのだと、ルウは力説した。
「どれだけ戦っても求めるものは手に入らない彼の戦いに、私達が終止符を打ってあげましょう。……よろしくお願いします」





第2章 ボス戦 『賢王『ジョン』』

POW ●旭日昇天
自身の身長の2倍の【国造りの権能を持つ天空神】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD ●捲土重来
【国や民、自身に敵意】を向けた対象に、【国そのものの重み】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ ●国士無双
対象のユーベルコードを防御すると、それを【民の分だけ保有して奪い】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「……今宵はやけに外が騒がしいな」
 手元にある書物をめくりながら呟かれた王の言葉に側近が脂汗をかきながら答える。
「申し訳ありません。本日は暴れているネズミが少し多いようで……」
「そうか。ならば良いが……それにしては時間がかかっているようだな」
 言外の問いに側近の汗が滝のように噴き出る。
「た、確かにそうでございますね。……ちょっと様子を見て参ります!」
 理由をつけて逃げるかのように小走りで王の間から退席しようとした側近は、普段は開かれない式典用の大扉ごと斜めに切り裂かれた。
 玉座へと繋がる敷物に血が染み込む中、ボロボロになった聖騎士が崩れ落ちた扉を乗り越える。
「やけに大きなネズミであるなぁ、テヘロよ」
 呆れた王の言葉に謝りの言葉を述べる前に、側近の顔は聖騎士によって踏み潰されていた。
 王はため息を吐くと書物を音を立てて閉め、聖騎士と扉の影から恐る恐る覗き込む猟兵達を視界の正面に見据えた。
「其方ら。我が王宮を血で染めることがどれだけの大罪であるか分かっての行いか?」
 王からの問いかけに誰かが答える前に聖騎士は抜き払っていた剣を構え直し、無言で突撃していった。
「……どうやら考えもしない馬鹿がいるようであるな。ならば、その身をもって知らしめてやるとしよう」
 そう告げるとともに、反逆者に罰を与えるための巨人が玉座の影から立ち上がった。
ミラディ・エルシェ
大罪と言うけれど。
王命に拠らぬ血が流れる時は、革命や謀反の佳境時。
貴方を斃せば罪も消えようさ。

天候操作で外は吹き込む様な雷雨に。
屋内の金属質の物の配置も確認。

鼠か。死を運ぶ者に喩えてくれるとはね、恐縮だよ。
鼠らしく小細工も弄す。全て使わせて貰う!
UCで実体化と雷化を繰り返し、敵の攻撃は雷化ですり抜けながら、一撃離脱を心掛けよう。
国の重みも空の雷には関係あるまい?

既に、貴方への道は通っている。
金属と水、そして血をも利用した通電路。
そして…外の雷鳴をカモフラージュに、通電路を利用して瞬間転移し、踏み込むッ!!
雷速の4連撃を当てられるか否か。
光の速度の読み合い、瞬間思考でフェイントも織り交ぜ、制す!


「鼠か。死を運ぶ者に喩えてくれるとはね、恐縮だよ」
 強風によって流されてきた雨が床を濡らす中、ミラディは扉の残骸を勢いよく飛び越えて玉座の間へと踏み入る。
 玉座の間に明らかに金属質の物はなく、鎧や杖がワンチャンあるかもしれないが、どちらも遠目で判断がつくほどの光沢はなかった。
「其方ら。我が王宮を血で染めることがどれだけの大罪であるか分かっての行いか?」
「大罪と言うけれど。王命に拠らぬ血が流れる時は、革命や謀反の佳境時。貴方を斃せば罪も消えよう」
 騎士の持つ朽ち果てた剣が煌めき、そこから破魔の力を帯びた斬撃波が放たれる。
 だが割って入ってきた巨人に当たる時にはもうその光は深淵の闇に飲まれて燻んでいた。
「……どうやら考えもしない馬鹿がいるようであるな。ならば、その身をもって知らしめてやるとしよう」
 そう王が高らかに告げた瞬間、騎士は体をおかしな方向へへし曲げられながら床に這いつくばらされた。
 それはミラディも同じで、骨や筋肉が軋むのを感じた瞬間に彼女は部屋から消え失せていた。
「……所詮口だけか。やはり命は惜しいとみえる」
 長い顎髭をいじる王が見守る中、全身を始めた巨人が腕を大きく振りかぶる。
 しかしその拳は騎士の体を潰す前に止まった。壁にはめ込まれたステンドグラスが照らされた瞬間に、雷と化したミラディが巨人の体を駆け巡ったのである。
 人体と違い、不定形である雷にどれだけ重りを載せても何の支障も起きない。
 さらに騎士が扉を斬り払ったおかげで玉座の間に吹き込んだ雨水や床に染み出した騎士や国民の血によって巨人までの通電路は完成されている。
「既に、貴方への道は通っている。国の重みも空の雷には関係あるまい?」
 頭頂部から抜け出して人間体を取り戻したと同時に一太刀を浴びせかけ、体の異変を感じ取ったら雷化ですり抜けつつ痺れさせる。
 光の速度の読み合い、瞬間思考でフェイントも織り交ぜた一撃離脱の繰り返しに巨人は何もさせてもらえない。
「鼠らしく小細工も弄す。全て使わせて貰う! On y va!!」
 そして四度目の電流が走った瞬間に巨人の体は崩れ落ち、玉座の間に満ちていた圧が消え失せた。
 すると腕や鎧がおかしな形状になっているにもかかわらず、騎士は何事も無かったかのように立ち上がった。
「やめろって言っても聞かないんだろうねあんたは」
 流れ弾を喰らわないよう、騎士の背後で実体化したミラディは肩をすくめつつ、王の次の出方を窺うのであった。
成功 🔵🔵🔴

陽殿蘇・燐(サポート)
バーチャルキャラクターの寵姫×国民的スタア?いいえ、これでも(元)ラスボスな悪女NPCよ。
基本は高性能スマホを利用して、配信しつつの行動になるわね。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用するし、多少の怪我は厭わず積極的に行動するの。これでもバーチャルキャラクターだもの。
悪女たるもの、その行為は健全な世界あってこそなのよ。だから他の猟兵に迷惑をかける行為はないわ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしない。配信垢BANされちゃう。
あとはおまかせ。よきに計らいなさい(思い出した悪女ムーブ)


キマフュ出身なので、トンチキでも適応していきます。


「ふむ……我らが神の像をいとも簡単に砕くとは。だが所詮はそこらの石を固めて作り上げただけの虚像。其方らのような力一辺倒な蛮族には相性が悪すぎたか」
 王は長い顎髭に指を通しながら首を傾げる。そこに悲壮の色は微塵も感じられない。
「しかし殺された民が無駄死にで終わらぬよう、ここで其方らの野望を潰えさせてみせよう」
 その言葉に、陽殿蘇・燐(元悪女NPC・f33567)は思わず眉を顰めた。
 遅れて駆けつけた分、燐は猟兵達や騎士による戦闘の痕を見てきた。だがそこに猟兵達や騎士によって殺された者達の死体は残されていなかった。後の処理を一切せずに城に踏み込んだはずなのに。
 人骨が無造作に積み上げられた墓地とは呼べない代物もあったが、恐らくそれは真実を知らずに踏み込んで捕らえられ、神への生贄に捧げられた哀れな犠牲者の遺骨だったろう。
「本気で人々を幸せにしたいと思っている変わり者であれば、少しは考えてあげたところでしたけど……」
 燐は扇を開き、口元を隠す。その上から覗く青い瞳には王に対する侮蔑の感情が満ち満ちていた。
「死者に仮初の命を与えて自分の都合の良いように動かし、生者には無実の罪を着せて自己満足のために処刑する……そのような国にかける情など持ち合わせておりませんわ」
 そう燐が告げると同時に、棒立ちになって震え出した騎士の鎧の隙間から深淵の闇が溢れ出す。その行為に燐は目を丸くし、泡を食った。
「ちょっと……ナイトモードにしないとちゃんと映らないじゃない!?」
 燐は慌ててドローンを呼び戻し、設定を変える。その間にも石造りの城は闇に蝕まれ、どんどん朽ち果てていったが王の座る玉座だけはまるで特殊な空間かのごとく、闇が届くことはなかった。
成功 🔵🔵🔴

亞東・霧亥
【UC】
何かにぶつかる等の衝撃を受けると破裂し、仕込んだトリモチが扇状に広がる仕掛け罠を、非常に精巧な食べられない草餅にして王座にぶちまける。
「121㎥内に積まれた草餅がいくつ出来るか?頑張って計算してくれ。」
俺には草餅の雪崩が起こる事しかわからない。

器用に草餅の雪崩を避けて『暗殺』を試みる。
相手に対して敵意も殺意も無い。
己の振るう刃に感情は一切乗せず日常生活の如く淡々と行う。


「大口を叩いた割にはなんと悠長なことか。殺された民が無駄死にで終わらぬよう、ここで其方らの野望を潰えさせてみせよう」
 深淵の闇によって居城が朽ち果ててもなお、王は平然と頬杖をついて戦局を見守る。放った騎士自身をも蝕む猛毒めいた闇を前にし、猟兵達の攻勢は明らかに鈍っている。
 口ではああ言ったが城も民も形は違えど時間があれば再び取り戻すことが出来るが、自らの命に代わりはきかない。ここは急いて事をするべきではない、と王は考えていた。
 だがその視線はあまりに真っ直ぐ向けられ続けた。
「121㎥内に積まれた草餅がいくつ出来るか?頑張って計算してくれ。俺には草餅の雪崩が起こる事しかわからない」
 雷と闇によって穴が開いた天井によじ登っていた霧亥がコツコツと流れ作業で拵えた緑色の丸餅が立方体の構えのまま降り注ぎ、王の脳天を捉える。
 王に当たった物だけでなく、玉座や床に当たった物も落ちた衝撃で破裂した単純計算で20万個近い量の草餅は中に詰め込まれていたトリモチを扇状に広げて王を玉座に縫い付けた。
「ぬう……小癪な、真似を……!」
 痛む頭を撫でることすら許されない王の体から闇が漏れ出し、トリモチを抉っていく。そして直後に炸裂した光を食らうと、粘り気のある物体は存在そのものを完全に消失させられた。
「なるほど、玉座に仕掛けがあったのではなく自らの体の中に溜め込んでいたのか」
 騎士の闇も一緒に晴らされ、トリモチから解放された王が玉座から立ち上がったところで霧亥は静かに広間内に侵入する。
「何だったのだこの変な緑色の物体は……」
 草餅を知らない様子の王は憤慨しながら広間全体に強烈な圧をかける。すると闇に飲まれず破裂してもなかった草餅が一斉に爆散して辺り一面にトリモチをばら撒いた。
「我を玉座に縛り付け、袋叩きにする算段だったのだろうが……甘いな。調子に乗ってばら撒いた結果二度と近づけぬほどに床を埋め尽くすことになろうとは……なんと皮肉なことか」
 だが王の死角についた霧亥はつま先立ちで、トリモチとトリモチの間にある微かな隙間を渡っていた。
「こうなれば遠方から当たるどうかも確証のない斬撃や魔法の弾を飛ばしてくるしかないか。さあ次はどんな足掻きを見せてくれるか」
 高らかに笑った王の右肩に手をかけた霧亥は左の肩に向けて手持ちの短剣を突き刺した。
 そこに敵意も殺意も無い。己の振るう刃には感情を一切乗せず日常生活の如く淡々と行うのみ。
「足掻きというよりも強いて言うなら……単なる嫌がらせかな」
 刺された勢いのまま王は玉座に座り直される。
 刺す直前に霧亥が座面に添えた草餅が王の体重で炸裂し、まるで失禁したかのように履き物全体に広がった。
成功 🔵🔵🔴