書を狩る兵達ー虚ろなる宝玉
「……コイツは、マジかよ」
そう、ヴェルニス魔法学校考古学課の学生、ジルベルト・ウィンズは浮遊する「天空城」の壁画を見て呆然とする。
かつて勇者たちによって葬り去られたこの世界の絶対悪である『帝竜』の頂点、A&Wのオブリビオン・フォーミュラ――帝竜ヴァルギリオス。
その復活が、古代の編纂型魔術によって描かれた壁画には示されていたのだから。
「こ、これは一刻も早く有力者に知らせないと……何?」
有力者を動かす為壁画の情報を更に読み取ろうとしたジルベルトは、更なる驚愕に包まれる。
――蘇ったヴァルギリオスは、昨年の五月に既に葬られている。と、壁画の続きには記されていたのだから。
「……嘘だろ?あの帝竜相手にこんな快進撃……何者なんだ、この猟兵(イェーガー)ってのは?」
そう、蘇ったヴァルギリオスを斃した存在は、かつて相打った勇者すら軽く凌駕する個と群の実力の持ち主だと理解するのに時間はかからなかった。
「……いや、とにかく絶対悪であるヴァルギリオスを撃破した相手だ。恐らくはよこしまな相手ではないのだろうが……」
そこで、壁画に綴られていく猟兵の情報を読み解き終えたジルベルトは、そこで扉に突き当たる。壁画が描かれている廊下の先が目の前の扉へと繋がっていたようなのだ。
「これ以上は何があります――ッ」
そうして扉を慎重に開けたジルベルトは、目の前の光景によって驚愕を越えて忘我の域に至る。
そこにあったのは、ヴァルギリオスの力を宿した究極の宝玉『ヴァルギリオス・オーブ』によって錬成された様々な武装の山だったからだ――
「同じ時期に、A&Wを担当する猟書家の一人『財宝妖精ブラクテ』がその「天空城」にあるヴァルギリオス・オーブを材料とした武装を回収するために侵入しているんだ」
猟書家は幹部級オブリビオンほどではないが、それぞれ強力なオブリビオン。
鉢合わせしたらジルベルトの命はないと言って良いだろう。
「ジルベルトさんの救出と『財宝妖精ブラクテ』のヴァルギリオス・オーブ武装の回収を阻止するための撃破。これが今回の依頼の概要だよ」
そうして弓の弦を弾いてグリモア猟兵の一人、リオン・ゲーベンアイン(純白と透明の二つの無垢を司る弓使い・f23867)は周囲に幻術を応用してホログラフの如く画像を投影する。
「今回の敵はまず『財宝妖精ブラクテ』の配下である『シュヴァルト』を『天空城』内に潜んでいるジルベルトさんを探しながら各個撃破していき、その後『財宝妖精ブラクテ』の元へ強襲を賭ける作戦だよ」
ジルベルトも「天空城」を発見して単独で乗り込めるという猟兵ほどではないが実力はある。彼の援護を受けるのも潤滑にこの依頼を達成する要素となるだろう。
「それとね、ヴァルギリオス・オーブを素材とした武装を格納している宝物庫の座標は把握してあるんだ。今回の依頼はその宝物庫に転移するから、そこで好きな武装を選んで戦いに挑めばさらに有利に戦えると思うよ」
ヴァルギリオスの力を宿したオーブ、それで作られた武装となればかなりの力を宿しているだろう。
「もし手に入れた武装が気に入ったならそれを持って帰っても大丈夫だからね」
そう言ってリオンは弓を弾いて光弾を放ち、宝物庫に繋がるゲートを顕現させた。
黒代朝希
ヴァルギリオス・オーブで作られた武装が欲しいか―!
なお、アイテム化する際は自分の費用を払ってくださいね。
プレイングボーナスは
『ジルベルトと協力する』
に加えて
『宝物庫から取り出したヴァルギリオス・オーブで作られた武装を用いて戦う』
の二つです。
ヴァルギリオス・オーブで作られた武装についての種類は何でも存在しますので、好きな武装をプレイングにお書きください。
ジルベルト・ウィンズ
ウィンズ男爵家の婿養子。26歳。アリル・ウィンズとは義理の兄妹の関係にある。
考古学において目覚ましい活躍を受けて男爵家に婿入りした賢人。
最近の研究テーマとして帝竜の伝説を追っていたところ「天空城」の噂を聞き、捜索に出かけたところこの事件に巻き込まれる。
第1章 集団戦
『シュヴァルト』
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POW : プラント・イクリプス
肉体の一部もしくは全部を【植物】に変異させ、植物の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
SPD : ダルウィテッド・バース
自身の【切断されると増殖する体質】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ : フォール・リユニオン
【花】から【花粉】を放ち、【死者と再会する幻覚】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:水島
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
第二『静かなる者』霊力使いの武士
一人称:私 冷静沈着
武器:白雪林
オーブ武装:鍵のような刃文がある打刀(分類的には魔鍵)
帝竜戦役時には、まだ猟兵ではなく…彷徨っていた時期ですかね。そこらへん、わりと曖昧なのですよね、『我ら』。
しかして、危機は放っておけないのですよ。
…何故か惹かれたのですよ、これに。
私に紐付くUCは、どうしても武器が固定されるのですよね。…ですから、これを活用するには…。
二回攻撃で、早業指定UCで射かけた後、このオーブ武装で手早く斬りかかること。
花ごと凍りなさいな。死者と再会する幻覚なぞ、常に一緒にいる悪霊に効くと思わないことです。
「帝竜戦役時には、まだ猟兵ではなく…彷徨っていた時期ですかね。そこらへん、わりと曖昧なのですよね、『我ら』は」
そう呟くのは帝竜戦役後に見つかった世界、『カクリヨファンタズム』にて認知された猟兵の権能が一つ、『悪霊』の内『志を同じくする他者同士が複合し、一つの肉体に複数の人格が宿った』存在、多重人格者と悪霊の属性を相乗させた『複合型悪霊』として帝竜戦役後に覚醒した猟兵、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)。
「しかして、危機は放っておけないのですよ」
四人はとあるオブリビオンに殺害されるも『グリモアベース』と『カクリヨファンタズム』が接続して『悪霊』という権能が認知されて以降、四人で一つの存在にして猟兵として再び生を受けた彼らは今回『アックス&ウィザーズ』にて活動する件のオブリビオン、猟書家が一人『財宝妖精ブラクテ』を屠るべく一足早く「天空城」の宝物庫へと転移していった。
「成程、流石に来れは壮観な光景ですな」
剣、槍、弓、斧、槌、杖――その他にも様々な『武器』と言う概念に変容されたヴァルギリオス・オーブの山。
それは価値の分かる者であったら卒倒しているだろう。その中で、武装が置かれていた跡を『彼』は見る。
「……成程、ジルベルト殿は何個か確保した後にこの宝物庫を出ていかれたのでしょうな」
そう呟きながら『複合型悪霊』の内の人格が一人、『静かなる者』が数あるヴァルギリオス・オーブで作られた武装の中、手に取ったのは鍵のような刃文がある打刀。
「恐らくは、アイテムの分類としては『魔鍵』になるのでしょうか……何故か惹かれたのですよね、これに」
そうして『静かなる者』がヴァルギリオス・オーブで錬成された『魔鍵』を懐に仕舞うと同時、『財宝妖精ブラクテ』の配下である植物竜『シュヴァルト』が宝物庫に侵入する。
しかし、刹那にその植物竜の頸がポトリと落ちる。
「情報漏洩、のためには申し訳ありませんね……しかし、私に紐付くUCは、どうしても武器が固定されるのですよね……ですから、これを活用するには」
そう植物竜の頸を落とした透明にして万色の魔鍵を弄びながら『静かなる者』は宝物庫の周辺に他の『シュヴァルト』がいないことを確認した後、オーブ武装が収められている部屋から飛び出していく。
「花ごと凍りなさいな。死者と再会する幻覚なぞ、常に一緒にいる悪霊に効くと思わないことです」
そうして宝物庫の方へと進もうとしていた『シュヴァルト』を発見し次第強襲し、『静かなる者』が司る氷の属性を以て氷漬けにしていく。
その冷気、属性魔術に長けたオブリビオン・フォーミュラにして帝竜であるヴァルギリオスの特徴を反映したかのような強力な属性魔術の増幅を以てしても強力なものであった。
「成程、属性魔術に長けたものなら。そうでなくともただこのオーブで出来た武装を手にしたら大きな力となるでしょうね」
そう呟きながら『静かなる者』は自身の有する白い雪のような長弓、『白雪林』を介した氷属性の射撃を用いる。
刹那に、『シュヴァルト』はその強烈な氷撃によって凍てついて砕け散った。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
ヴァルギリオス・オーブ…中々に興味深いですね(帝竜の眼球を狩り続けた盗賊
「ご主人サマの故郷で起きた戦争だっけ?メルシーと会う前から凄い戦いしてたんだねー☆」(銀髪少女形態
…まーな
武装
そうですね…魔力増強用の杖でも貰いますか
UC起動
3体を合体させ
更に合体した三体で3マンセル
一体はメルシーを乗せ
【属性攻撃・迷彩】
光属性を竜達と己達に付与
光学迷彩で存在を隠し散開
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の捕捉と共にマッピング
ジルベルトの居場所の把握
常にシーフフォンで竜達の情報を集め見つけ出せば合流
必要時は【念動力】による念動障壁で護衛
【捕食・二回攻撃・切断】
交戦時は襲い掛かり喰らい尽くす
帝竜の力を見るがいい
「ヴァルギリオス・オーブ……中々に興味深いですね」
そう呟きながら宝物庫へと転移してきたのは黒いコートを翻した盗賊の猟兵、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)。
「ご主人サマの故郷で起きた戦争だっけ?メルシーと会う前から凄い戦いしてたんだねー☆」
そこへいかにも恋愛脳な口調の少女の声がカシムの傍に響く。
黒き魔術盗賊の腕を組んでいるのは柔らかそうな銀髪に蒼い瞳が特徴的な美少女。
その正体は「賢者の石」で構成された機神――つまりは、サイキックキャバリアの一種。
しかし『彼女』はただのサイキックキャバリアではない。彼女は自我を持ち、カシムを主と湛えて行動する一人の少女。
彼女の名前は界導神機『メルクリウス』。曰く、盗賊の庇護者にして原初の両性具有存在、即ち完全存在である『賢者の石』とのことだ。
そんな彼女が魔術盗賊であるカシムを主と仰ぐのはある意味でおあつらえ向きと言えるであろう。
「……まーな、多分ヴァルギリオスは戦闘力とは別の部分でオウガ・オリジンと同じくフォーミュラの中でも埒外ではあったんだろうけど……ともかく、あの八岐の属性竜の力を扱えるっていうんならそこまで悪い話じゃない」
そう言ってカシムが手にしたのは魔力増強用の杖。
「それにしても凄いオーブだね。属性魔術の反応が段違いだよ」
「ヴァルギリオスの能力は『八つの属性を操ること』だからな。そりゃ属性に纏わる事象との親和性は段違いだろうよ」
そうしてカシムは帝竜戦役にて獲得した幹部級オブリビオン能力再現ユーベルコードの一つ、『帝竜眼「ダイウルゴス」(ブンメイヲシンリャクシユウゴウスルモノ)』を発動。
文明と融合して侵略するダイウルゴスを召喚し、それを合成して一つの巨大なダイウルゴス三体へと変容させていく。
そうして三体のダイウルゴスにメルシー共々騎乗するカシム。
更に他にも召喚したダイウルゴスに光属性を付与することで光学迷彩を施し、敵に猟兵の転移を悟られることなく天空城を散策させていく。
「見つかったか……ああ話しかけるな。この世界の住民が帝竜を見かけたらパニックになる。だからこそこちらから出向く」
カシムがアース系世界にて手にしたスマートフォン。それを魔法と盗賊技能を使って改造した『シーフフォン・カシムオリジナル』の通信を切ると、カシムはすぐさま報告されたジルベルトがいた場所の周辺へ向かう。
やがて、物陰に潜んで隠れているジルベルトの気配を感じ取ったカシムはダイウルゴスを帰還させる。
「やぁ、会いたかったよ」
「ッ!誰だ……!?」
そう睨みつけるジルベルトの眼光。
「ああ、俺はアンタがこの城の壁画で読み取った『猟兵』って存在の一人さ」
「……『猟兵』、だと?」
そうジルベルトが訝し気に呟いた理由は、『猟兵』を名乗る存在が今この天空城に現れたことに限るだろう。
何せ帝竜とは勇者たちが総出で群竜大陸に攻め込み、そこで相打ちとなった程の埒外の存在。
故に、その帝竜相手に快進撃を仕掛けた『猟兵』と言う存在は、如何なる存在なのか想像がつかないのだ。
「なら、証拠を見せますよ」
「……な、ぁ!?」
そうして召喚するは帝竜が一柱、ダイウルゴス。
それを従えるかの如く召喚した目の前の少年は、この光景を作り出しただけでも正に埒外の存在としか言えないもので――
「……信じよう、アンタらが蘇ったヴァルギリオスを滅ぼしたんだな?」
「ああ、何なら目を抉った」
そう呟く盗賊の少年に畏敬の念を滲ませながら、ジルベルトは『猟兵』という生命体の埒外へとこの日邂逅した――
大成功
🔵🔵🔵
蒼・霓虹
わたしはこんなのを
【プチキュリオス(ヴァルキュリオスのぬいぐるみ型魔法媒介)】
こんな可愛らしいのもあったのですね
でも、宝物庫にあったと言うか事は……
[POW]
と考えている暇は無さそうです
【高速詠唱】で攻撃力重視でUC発動
真の姿に、そして
〈彩虹(戦車龍形態)〉さんに【騎乗】して【操縦】し【第六感】で【瞬間思考り】で【見切り】回避し【悪路走破&推力移動】で掛けながら【オーラ防御】を……あら、プチキュリオスが反応して火と雷と毒のバリアが
もしや……〈虹彩雷「ツァイホレイ」〉をプチキュリオスに持たせ【高速詠唱&貫通攻撃&属性攻撃(火&雷&毒)】で【全力魔法】
虹の雷だけでなく
火や毒の雷が
[アドリブ大歓迎]
「ヴァルギリオス・オーブですか……同じ竜としてはその強大さが分かってしまいますね」
透明にして万色の宝玉を用いて作られた究極の属性武装、それらが保管されている宝物庫へと足を運んだのは同じく『竜』を猟兵の起源とする少女、蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)。
世界を滅ぼす絶対悪である『帝竜』と邪神と戦った守護神である『竜神』という決定的な違いこそあれど、『帝竜』の頂点に立つ八岐の属性竜たるオブリビオン・フォーミュラ、ヴァルギリオスの力を『竜』と言う起源が共通点となっている蒼はその肌で感じていた。
「さて、宝物庫に在る武装を用いて猟書家とその配下と戦うよう指示されたわけですが……ん?これは……!」
蒼が手にしたのは――小さなヴァルギリオスを模したぬいぐるみ。
それはぬいぐるみ型の魔法媒介。名付けて『プチキュリオス』。
それは可愛らしくデフォルメされており、他のアース系世界ならある程度の需要はありそうな愛らしさを有していた。
無論の事、それは只のぬいぐるみではない。
『プチキュリオス』を介して行使された魔術。それに宿された属性を安定させながら限界以上に増幅して行使することが可能な特級の魔法媒介である。
「こんな可愛らしいのもあったのですね……でも、宝物庫にあったという事は……」
Q:というか、宝玉からどうやってぬいぐるみを作り出すの?
A:オブリビオン・フォーミュラの力を宿した宝玉だぞ?ある程度の理の無視はできるんじゃね?
「ともかく、この『プチキュリオス』を自分は選びましょう……それにしても、見た目はデフォルメされているとはいえ本当に可愛らしいですね」
そう『プチキュリオス』のフカフカの生地や綿の感触を楽しみながら蒼は宝物庫を出て『シュヴァルト』の掃討に挑む。
「――『トゥルーライズ・コンクルージョン』!!」
そうして『プチキュリオス』をわきに抱えながら蒼が発現するのは真体開放型ユーベルコード。
彼女の猟兵――生命体の埒外としての本質は融合した二柱の竜神の力。その機械化した竜神の姿を搭乗、あるいは自らの人間としての姿を融合させるというものだ。
現在、蒼は戦車の姿の如き竜体を有する竜神『彩虹』と下半身を融合させて同調し、猟兵の権能の一つ『戦車乗り』としての騎乗の技能を用いて天空城内を疾走しながら、真の姿となって得られた力の敵の加護貫く雷たる『虹彩雷「ツァイホンレイ」』をすれ違う様に会敵した『シュヴァルト』に叩き込む。
そうやって数十の植物竜を加護を無視して敵を焼く雷を用いて一通り葬り去っていった蒼。
休息する時間を確保した竜神の少女は、戦車竜との融合をいったん解除して『プチキュリオス』を手にする。
「……デフォルメされて、本人……いえ本竜ではないとはいえ、世界を滅ぼす力を持ったオブリビオン・フォーミュラには見えませんね」
そう言って赤子に高い高いするように両手で持ちながら、『プチキュリオス』をまじまじと見る蒼。
「なんて、貴方に行っても分からないでしょうが」
そう呟きながら『プチキュリオス』を仕舞おうとする――
『ああ、待て竜神の娘。余は汝に話がある』
そこへ、目の前のぬいぐるみが語り掛けてきたら誰だって驚く……猟兵ならともかく。
「あ、貴方は……」
『余はヴァルギリオスであってヴァルギリオスでないもの。ヴァルギリオス・オーブにヴァルギリオスの表層的な人格……帝竜としての世界を滅ぼす本能を宿さず、かの帝竜の人格だけが宿った存在……ああ、所謂スワンプマンと言う奴だ』
そう語る『プチキュリオス』の言葉は尊大であったが、自らを討った猟兵の一人である蒼に敵対的な様子はない。
『余はヴァルギリオスの人格を宿しているだけで帝竜ヴァルギリオスとしての魂や本能と言うべきものは有していない。極論言えば同じ人格を有した別竜の敵なだけだ』
「つまり、自分達猟兵に敵対はしないと……しかしなぜ今になってそのことを?」
『汝が『竜神』という竜としての元型を有する猟兵が真の姿を用いて戦い、その影響を余の身体は間近で受けた。それによって竜としての共鳴が起こった結果、ヴァルギリオス・オーブから余はヴァルギリオスとしての人格をつい先ほど得たのだ』
そう説明を終えた『プチキュリオス』は天空城内を見渡す。
『自我を得た礼だ。汝の手伝いをしてやろう』
告げると同時、『プチキュリオス』は蒼の霊力に最適化された八属性の魔力を流し込んで強化させていく。
『余は最早オブリビオンではない。猟兵の手伝いをするのも一興よ』
「……ええ、よろしくお願いします」
そう呟いた蒼は、再び戦車竜と融合して『プチキュリオス』と一緒に天空城内を進んでいった――
大成功
🔵🔵🔵
ニクロム・チタノ
ジルベットさん、ようやく見つけたよ?
ボクは猟兵なんだ、あの植物ドラゴンから助けるために来たんだ!
これが宝玉
突然剣に変わったよ
よし、今回はこれで戦うよ
蒼焔で燃やしてしまえば再生は出来ないね?
トドメはこの宝剣で刺してあげる!
「ジルベットさん、ようやく見つけたよ?」
「ジルベルト、何だけどな……アンタも猟兵か?」
そうカシムと合流し、確保した安全地帯にてジルベルトと邂逅したのはニクロム・チタノ(反抗者・f32208)。
「ジルベルトさんってそう言えばウィンズ家のお婿さんなんだよね?アリルさんとはお知り合い?」
「ああ、出奔したウィンズ家次女のアリルって子か……いや、俺が婿入りした時はその子はもう家を出ていたよ」
「成程ねー。あ、そうだこれ、宝玉」
そうニクロムが懐から取り出したのは原形、つまりは宝玉のままのヴァルギリオス・オーブ。
「……宝玉の姿のもあったのか?」
ジルベルトは『ヴァルギリオスの力を宿した武装』の原材料がヴァルギリオス・オーブという宝玉だという事は知らない。
故に、ジルベルトの学者としての知的好奇心がくすぐられ、まじまじとその透明にして万色の宝玉を見つめていく。
すると、急に宝玉が変形していき剣となったではないか。
「こうやってヴァルギリオスの力を宿した武器ってのは作られるのか?」
「いや、ボクがこのヴァルギリオス・オーブに念じて変形させただけ。と、そろそろ猟書家配下の『シュヴァルト』が全滅しそうだね。ボクはこの剣を使って残りの残党を全滅させることにするよ」
そう言い残してニクロムは剣を振り回しながら安全地帯から飛び出し、『シュヴァルト』を全滅させるべくユーベルコードを起動させていく。
「――『意思決定はキミの中に(チタノトライデント)』!」
――『攻撃の重力波』が『シュヴァルト』の護りを吹き飛ばし――
――『護りの蒼焔』が『シュヴァルト』の攻撃を焼いて無効化していき――
――『無重力の水晶の雨』が『シュバルト』の身体を浮かせ、降り注ぐ水晶の雨で貫いていく――
「そして、このヴァルギリオス・オーブが変容した剣を使った土属性の魔術で!」
土属性と重力は密接な関係にある。大地の集合体、即ち地球型惑星から地球上の重力は生じる。
故に、土属性魔術を用いる事で重力は操作できるのだ。
そうしてヴァルギリオスの土属性によって増幅された重力。
それを媒介として発現した縮退現象により、猟書家『財宝妖精ブラクテ』の配下、『シュヴァルト』は全滅したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『財宝妖精ブラクテ』
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POW : 財宝の竜<グランツ>
自身からレベルm半径内の無機物を【合体させ、巨大な財宝竜】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD : 収集欲<ベギーアデ>
【財宝】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[財宝]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ : 竜の眼<アオゲ>
【【竜眼の宝珠】の呪詛】によって、自身の装備する【3秒以上視続けた財宝】を遠隔操作(限界距離はレベルの二乗m)しながら、自身も行動できる。
イラスト:なかみね
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ナミル・タグイール」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
馬県・義透
『静かなる者』のままにて。
そういえば、八属性だとは聞いたことがあるのですが。その中に『風属性(疾き者の対応属性)』がないのは…何故でしょうね?
我ら、雷属性は四人総意属性ですし…。
さて、あれが此度の猟書家ですか。
先程までの掃討で、使い方は慣れました。ですから、氷雪と水の属性強化に使いましょう。
そう、一の矢を指定UC、二の矢を水属性霊力矢にして。
3秒とは言え、見つめる必要があるのでしょう?その3秒も与えてやる気はしませんよ。
凍ったのなら、中断しそうですけどね。
この武器は持ち帰りましょうか。何だかんだで、使い方がいろいろ考えられそうなので。
対応なくとも、それはそれで考えるのが楽しい…と『疾き者』が。
「そういえば、A&Wのフォーミュラである帝竜ヴァルギリオス……その能力が『単純なフォーミュラの出力で行使される属性攻撃』だというのは聞いたことがありますね」
『複合型悪霊』たる悪霊の猟兵、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は手に入れたヴァルギリオス・オーブで作成された武装の内『鍵のような刃文がある打刀』の魔鍵を握りしめながら、天空城に現れた猟書家『財宝妖精ブラクテ』に切りかかっていく。
そんな激闘が始まった中で『複合型悪霊』の内の人格の一人、『静かなる者』はふとこんな疑問を覚える。
「八属性だとは聞いたことがあるのですが。その中に『風属性』がないのは…何故でしょうね?」
風――それはアース系世界の東洋では万物流転という概念を司り、西洋では叡智と剣を司る属性。
そして、ヴァルギリオスが操る八属性の中には火、水、土の四大の内の三属性が存在する。
つまり、風属性が欠番しているというのは余程ではないが違和感を覚える事。それは世界を過去からの浸食者であるオブリビオンから守ると言う責務を負った者達――彼らはは専攻でなくとも、魔術に関してある程度の知識を大なり小なり蓄えているのが『猟兵』と言う存在だ。
「(風属性は『疾き者』の対応属性なので、そこを鑑みても素通りは出来ないのですけどね……)」
『複合型悪霊』としての戦力的にも無視できない考察を抱きながら、『静かなる者』は『財宝妖精ブラクテ』の『【竜眼の宝珠】の呪詛を他の財宝に放ち、その財宝を遠隔操作する』という宝物遠隔操作型ユーベルコード『竜の眼<アオゲ>』による魔術攻撃を氷雪と水の属性強化を用いた射出系魔術を以て迎え撃っていく。
「――『四天境地・『雪』』」
凛と、冷気と共に世界を凍てつかせていく言の葉。
それは、『凍結』と言う概念を極めた異能――『時間停止』ならざぬ『時間凍結』。
時を凍結させて世界の現在全てを凍てつかせて、停止させる異能によって財宝を遠隔操作して放たれる魔術も――『財宝妖精ブラクテ』そのものも、凍結していく。
「3秒とは言え、見つめる必要があるのでしょう?その3秒も与えてやる気はしませんよ……凍ったのなら、中断しそうですけどね」
『竜の眼<アオゲ>』ごと『財宝妖精ブラクテ』を無力化した『静かなる者』は、猟書家の眉間を穿つために『白雪林』の弦を引いていく。
「(この武器は持ち帰りましょうか。何だかんだで、使い方がいろいろ考えられそうなので)」
そして、水属性をヴァルギリオス・オーブから作られた魔鍵によって増幅された霊力矢が白い雪のような長弓から放たれる。
「(対応なくとも、それはそれで考えるのが楽しい……貴方らしいですね。『迅き者』)」
『静かなる者』が心中で呟いた直後、『財宝妖精ブラクテ』の眉間に霊力矢が突き刺さった――
大成功
🔵🔵🔵
ニクロム・チタノ
現れたね、ジルベ・・・ルトさん(危なくまた間違えるとこだった)一緒に戦いましょう
ゴルディウスを弓矢に変えるので相手の注意を惹き付けてください、その間に反抗の妖刀を解放します!
反抗の剣はいままでにない超重力を生み出す
あの財宝竜、デカイね?
でもその分重量はあるんじゃないかな?
オーブが土属性の宝剣に変わったおかげで重力が増してるよ
反抗の剣と宝剣の二刀流でその財宝竜破壊してあげる!
これより反抗を開始する
どうか反抗の竜チタノの加護と導きを
「現れたね、ジルベ……ルトさん」
危うくまたジルベルトの名を間違える所だったニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は、猟書家『財宝妖精ブラクテ』の姿を視界から外さずに魔界の金塊から鋳造された球である【”金剛輪転”ゴルディウス】を弓矢に変える。
「それで?あの悪趣味な金色野郎はどうすりゃいい?」
「相手の注意を惹き付けてください、その間に反抗の妖刀を解放します!」
「了解だ!」
ジルベルトはそのオーダーを聞き届けると同時、鞭をしならせて『財宝妖精ブラクテ』の目を打ち据える。
彼もまた考古学のフィールドワークの内である程度の力量を兼ね備えている。ならばこそ、猟書家『財宝妖精ブラクテ』の実力がどれ程の物かは一目で理解することが出来た。
故に、彼がとった行動とは撃破が可能な存在が準備する時間を稼ぐこと。
時間稼ぎなら、ある程度以上の力量を持った冒険者かそれに伍する実力者は行うことが出来る。
「ッ!あぶねぇ。そろそろ出来ないか!?」
しかし、猟書家『財宝妖精ブラクテ』も格下に時間稼ぎされて面白いわけがない。故に本気を出すことでジルベルトを屠り猟兵達との戦闘に向かおうとするのは自然の成り行きと言えるだろう。
だからこそこう言おう――『一手遅い』、と。
「――『ならば反抗の覚悟を示せ(アブソリュートチタノ)』」
瞬間、解き放たれるは反抗の妖刀。
その妖刀はただ鋭く抜き放たれるだけでなく――ただ、只管に『重い』。
ヴァルギリオス・オーブ製の宝剣、それに宿るヴァルギリオスの究極至高の属性攻撃。
それを介して練り上げられた土属性の魔術術式は反抗の妖刀と究極の属性宝剣の二刀流、その二振りの剣戟に莫大な重力を付与する――
だけでなく。
「あの財宝竜、デカイよね?でもその分重量はあるんじゃないかな?」
地面にめり込むよう叩きつけられる財宝竜こと『財宝妖精ブラクテ』。
ニクロムは剣戟に重力を付与するだけでなく猟書家その者の重量を増すことで封縛、引いてはその莫大となった自身の重量で自壊させていく。
やがて、膨大な重力と自壊による損傷が行き着く所に行き着いた結果、動けなくなった『財宝妖精ブラクテ』。
その傍に現れるは、反抗の妖刀と究極の属性宝剣の二振りを構えた少女。
「これより反抗を開始する――どうか反抗の竜チタノの加護と導きを」
瞬間、二つの至宝とも言える剣が振るわれる――
大成功
🔵🔵🔵
蒼・霓虹
貴方が猟書家ですか?残念ですが、わたし達の目の黒い内は、貴方の思う通りには行きません
[POW]
猟書家が財宝竜を喚ぶ事を前提で
〈彩虹〉さんを〈彩虹(特機形態)〉に変形させ【操縦】し【空中浮遊&推力移動】で掛けながら、可能ならジルベルトさんの援護を受けつつ
【激痛耐性&オーラ防御】で備え
敵の攻撃を【第六感】で【瞬間思考力】で【見切り】回避しつつ
【砲撃&レーザー射撃】の【弾幕】を【属性攻撃(凍結)】で【威嚇射撃】で牽制し
【高速詠唱】でUCを【属性攻撃(マリオネット)】をプチキュリオスさん通して込め、財宝竜に穿ち遠隔【操縦】し
財宝竜とわたし達で【集団戦術】で
猟書家を潰します
[アドリブ絡み掛け合い大歓迎]
「貴方が猟書家ですか?残念ですが、わたし達の目の黒い内は、貴方の思う通りには行きません」
『余の首が八つ揃っている内もな』
そう猟書家『財宝妖精ブラクテ』の前に立ちふさがるのは蒼・霓虹(彩虹駆る日陰者の虹龍・f29441)と魔法少女のパペットの如く彼女の傍で浮遊する『プチキュリオス』の二名。
その二名の姿を視界に捉えた猟書家はユーベルコード『財宝の竜<グランツ>』を起動させ、無機物を合体させて巨大な財宝竜へと造り直していく。
「やはりそう来ますか。ならこちらも行きますよ、〈彩虹〉さん、プチキュリオスさん!」
『無論だ、行くぞ!』
そう言って蒼は下半身を戦車竜と合体させ、恐竜に跨るかのように竜神へと化す。
そこへプチキュリオスが蒼の起動させたユーベルコードを自身を介することでそのユーベルコードに内包された属性を莫大な純粋度までに増幅させる。
プチキュリオスは哲学定義からみればヴァルギリオスのスワンプマンだ。だが、その人格に宿されている属性魔術の巧みな扱い方は彼を史上最強の魔法媒介として蒼のユーベルコードを増幅させている。
では、その蒼のユーベルコードに内包されている属性とは何なのか?それは――
「――『虹の架け橋「アークラムダッシャー」』!」
刹那に解き放たれるは、彩虹のキャタピラ部位から発射れる虹のレール。それは猟書家が変生召喚した財宝竜に命中すると、虹のレールから小型の虹色ビームラム装備の小型突撃用戦車が発進して財宝竜へと融合していく。
融合していく小型突撃用戦車と財宝竜を訝し気に見る猟書家『財宝妖精ブラクテ』。
だが、次の瞬間に財宝妖精の支配下にあったはずの財宝竜が創造主たる猟書家に牙をむいたではないか。
『成程、余の内部で増幅させたのは『虹』の概念……つまりは『幻』に由来する属性。それを彼奴の使い魔に流し込んで支配権を奪ったわけか』
そう蒼が使った注入型支配権略奪系統のユーベルコードに感心の言葉を漏らすプチキュリオス。それによって味方にした財宝竜を自身が騎乗する戦車竜と並べて蒼は
「それでは、止めと行きましょう!」
『油断はするな、かつてのヴァルギリオスは万全の状態からあの『帝竜戦役』にて敗北した。それは汝たち猟兵にも当てはまらないとは限らぬのだ』
そう蒼を宥めながらもプチキュリオスは八属性のブレスを八つの首から解き放って、猟書家『財宝妖精ブラクテ』を蒼と財宝竜と共に骸の海へと還していく――
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
ジルベルトが調べたこの城の構造について情報共有
トラップを仕掛けるのにいい場所も確認
(財宝竜を見上げ
でかさでマウントとろーとかさせねーですよ
メルシー!
「ラジャー☆」(変身解除
機神搭乗
どれ…名付けてヴァルギリオス・ロッドの力を試すとしますか
「判りやすいねー」
UC発動
バリア展開
攻撃力強化
【属性攻撃・念動力】
バリアの属性を強化!更に念動障壁を重ねて防御強化
此方から接近して
【スナイパー・二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
バリアの効果で凍結
ハルペーで切り刻みながら
纏った財宝も存分に強奪!
…そういえばお前…いい宝を持ってましたね
そいつもいただくとしますか
竜の眼…帝竜眼には及ばずとも役に立つかもしれませんしね!
「(ジルベルトが調べたこの城の構造について情報共有済み……トラップを仕掛けるのにいい場所も確認済み……)」
そう心中でつぶやきながら手負いの状態の猟書家『財宝妖精ブラクテ』を追う為天空城内を駆けるカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)。
そこに立ちふさがるのは、先程蒼が支配権を奪ったのとは別に構成された財宝竜。そしてその財宝竜を盾にするようその背後に立つ猟書家。
「でかさでマウントとろーとかさせねーですよ……メルシー!」
「ラジャー☆」
そうして変身を『解除』していくメルシーこと『界導神機『メルクリウス』』。
少女の姿が世界に溶けるように掻き消え、顕現するのは5mの銀色の身体と金色の機械翼、そして錬金術の大鎌を有するサイキックキャバリアの姿。
「どれ……名付けてヴァルギリオス・ロッドの力を試すとしますか」
「判りやすいねー」
そうコックピットに搭乗した自らの主に茶々を入れる『界導神機『メルクリウス』』。
「と言っても、下手に複雑な名称を与えても混乱するだけですよ……そして、ヴァルギリオスの力を宿しているっていうんならこのユーベルコードを」
コックピット内で取り出したのは強奪した帝竜ワームの水晶巨大眼球に他の数多の帝竜の眼球の魔力を収束させた竜神兵器、『帝竜眼』。
「――『万物の根源よ…帝竜眼よ…竜の中の竜…世界を蹂躙せしめた竜の王の力を示せ…!』」
その帝竜の力を集束させ、引き出した帝竜の力。こと今回に限って言えばこれ以外に在り得ないだろう。
「――『帝竜眼「ヴァルギリオス」(セカイヲジュウリンセシオウノナカノオウ)』!」
『界導神機『メルクリウス』』を軸として展開されるは八属性のバリア。
それは『触れた者を毒にするバリア』、『攻撃を反射し燃やすバリア』、『触れた者を凍結するバリア』の三つの権能を有するバリアにて自身の防御力も含めた力を引き出す属性防御結界展開型自己強化ユーベルコード。
「しかし流石はフォーミュラのユーベルコードだ。シンプルに強い」
「クロムキャバリアのフォーミュラもこんな感じなのかなー?」
「多分あのアホ衛星がカギだろうけどな……」
そんなやり取りを交わしながら、展開された八属性のバリアを『ヴァルギリオス・ロッド』と言う親和性が最高な触媒を介して強化していくカシム。
「……そういえばお前……いい宝を持ってましたね。そいつもいただくとしますか」
やがて凍てついて動けなくなった猟書家に歩み寄り、手を眼窩に添えるカシム。
「竜の眼……帝竜眼には及ばずとも役に立つかもしれませんしね!」
――そして、財宝妖精の、眼球を抉る。
その攻撃がトドメとなったのか、骸の海へと還っていく猟書家『財宝妖精ブラクテ』。
事後処理の話をしよう。
ジルベルトは無事にヴェルニスの街へと帰還。そこで銀剣騎士団に話を通してヴァルギリオスの力を宿した武装は無事にかの騎士団へと納められた。
その武装が猟書家か、あるいはA&Wの次なる物語に関連するかは、また次の話。
大成功
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