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サ終の王子様目撃談

#UDCアース #感染型UDC

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#UDCアース
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#感染型UDC


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「私見ました、本当にベラ様だったんですよ、人形たちもぞろぞろ連れてました。私がびっくりしてると『見つかっちゃったねダァリン』って言って指を立ててシーってしたんです! それで、電気街の地下に消えたんですよ」
「嘘乙」
「夢ツイなら最初にそう書いといてよ」
「シーってされたのに秒で呟いちゃうのかよ」
「まあ本当だったら呟いちゃうでしょ」
「マナーの無いコスプレイヤーだったんじゃないの?」
「でもそんなに再現度高いなら見たいよね」
「ベラ様ってベラトリクス・オリオンでしょ? あのソシャゲ、絵は本当に良かったよね~、あっという間にサ終しちゃったけど、二次がすごい盛り上がったじゃん」
「なっつ、レイヤーもいっぱいいたからそういう人いてもおかしくないよね、宅コスで外出ちゃったのかな」
「まあ、わりと普段着でいける服ではあったよ」
「オタク特有の感覚麻痺ワロ、さすがにあれ普段着は無理ある。耳尖ってるし」

 その日、SNSのタイムラインに冗談のような噂が流れた。電気街で、サービス終了してしまったソシャゲのキャラクターが実体を持って現れたというのだ。
 ベラトリクス・オリオン。そのゲームの設定では召喚士で、自動人形や巨大な獣を召喚、使役して戦うイケメンだ。主人公のことを『僕のダァリン』などと呼ぶので、関係性オタクの特に女性に受けがよかった。サービス終了して公式からの供給は絶望的であったので、突然降って湧いた与太話を燃料に、SNSはにわかに沸いた。

●「感染型UDCが噂で増えはじめてるヨ」
 集まった猟兵達を見回したロバート・ウォン(東方妖怪の猟奇探偵・f30564)は語りだした。
「感染型UDCは噂で増えるUDCネ、それを見た人間、それを噂話やSNSで広めた人間、その広まった噂を知った人間全ての『精神エネルギー』を餌として、大量の配下を生み出すヨ。特にSNSは話が広がるのが早くてたまらないネ。まあ、今大流行のモチーフじゃなかったからまだ間に合うケド……対処しないと、致命的なパンデミックを引き起こしかねないヨ」
 ほらこれ、とロバートが見せた端末にCGで描かれたイケメンが表示されている。
「ベラトリクス・オリオン。ゲームのキャラクターなんだケド、今回目撃されたのはその姿を利用した感染型UDCヨ。スマホ中毒と相性がいいみたいだし、誰でも知ってるキャラだと嘘くさすぎるカラ絶妙な知名度のキャラを選んだみたいネ。よくやるアル。止めないと配下を増やし続けるネ。手遅れになる前に阻止して欲しいヨ」
 そう言うと、ロバートは転移の準備を始める。
「スマホを利用したUDCだからネ。おそらく呪物になったスマホが存在するはずヨ。そこにベラトリクスがいるだろうネ。しっかり見つけて、倒してきチャイナ」


星野ユキヒロ
 星野ユキヒロです。UDCアースはやりやすくてよい。
 今回は三章構成です。

●一章
 集団戦です。ベラトリクスの配下である偽りの心を授けられた人形を倒してください。噂を広めた目撃者は生きて帰れましたが、噂が広まった今、人形たちは攻撃的になっています。一般人に被害者が出ないように素早く倒しましょう。能天気にうろうろしている第一発見者が襲われそうになるので未然に助けてください。

●二章
 冒険です。ベラトリクスが目撃された電気街の地下は怪奇現象により変貌しています。その中で呪物スマホを探してください。

●三章
 ボス戦です。ベラトリクス・オリオンとの戦闘になります。彼を倒せば呪物は破壊され、感染は止まるでしょう。

 皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『偽りの心を授けられた人形』

POW   :    我が身を砕かせ敵を討つ戦術
【相手の攻撃に対し、理論上最も有効な反撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    限界を知りつつもそれを超える要求
【身体耐久力の限界を超えて操る邪神の眷属】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    その身を犠牲に得る情報
【全身】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、全身から何度でも発動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「えっと……昨日は確かこの辺で……おかしいなあ、お店の入れ替えが一日であるわけないし……」
 電気街の地下へ行く階段を探して、大人しい外見の女性が右往左往していた。何度も訪れた場所のはずなのに、階段を下りた先の風景が違うことに戸惑っているのだ。
 キリキリ……キリキリ……
 女性が振り向くと、そこには昨日ベラトリクスが連れていた人形が佇んでいた。
「あっ! ベラ様の……すみません、ベラ様はどこに……。え?」
 その人形の瞳は、何の感情もなくただ光を無機質に反射した。女性はようやく気が付く。本当の人形が動いているって、普通じゃない……!
鶴岡・佳那
「『人形』って色々な価値観から生まれるので、研究するのは面白いのですけどね。伝承や創作なら兎も角、本当に人を襲うのはちょっと勘弁」

とりあえず、目的の探すのは口八丁で。
「コスプレ仲間が人形のコスして先に来てる筈なんですが、見ませんでしたか?」
「なんか人形が動くパフォーマンスの噂を聞いたんですけど、知りませんか?」
「友達から電気街で迷子ってメールが来たんだけど、私もそんな詳しくなくて。迷いそうな場所ってわかります?」
ハズレ情報を引かないことを祈りつつ。

第一発見者が犠牲者になる前に人形を倒すためにも、なるべく攻撃重視で戦う感じかしら。場所が場所なので多少の騒ぎは何とでも誤魔化せるでしょうし。



「『人形』って色々な価値観から生まれるので、研究するのは面白いのですけどね。伝承や創作なら兎も角、本当に人を襲うのはちょっと勘弁」
 電気街に降り立った巫女服の女性は鶴岡・佳那(民俗学的いぇ〜が〜(仮)・f32756)だ。民俗学専攻だった彼女はともすればちょっとしたフィールドワーク気分になりそうなところを任務任務と気を取り直し、道行く人に聞き込みを始める。
「コスプレ仲間が人形のコスして先に来てる筈なんですが、見ませんでしたか?」
「えっ、見てないけど許可ないなら家からコスしてくるのやばくないですか?」
「これは普段着です」
「ええ……」
 口八丁手八丁。怪しむ視線もなんのそので次々と聞き込みを続けて行く佳那。
「なんか人形が動くパフォーマンスの噂を聞いたんですけど、知りませんか?」
「友達から電気街で迷子ってメールが来たんだけど、私もそんな詳しくなくて。迷いそうな場所ってわかります?」
 フィールドワークで得られる情報は玉石混合。手に入れた情報を頭の中で丁寧に精査して、彼女は今地下への階段を下りた。
「いやああ、こないでぇ!!」
 すると、若い女性の悲鳴が聞こえる。おそらく、第一発見者の女性だろう。
「ここまでややこしい場所なら多少の騒ぎも問題なしですね」
 悲鳴とともに聞こえてくるギリギリとぎこちない稼働音に向かって駆けていく佳那。
「汝、無名の王よ。マハーバーラタの伝承を骨に、我が祈りを肉に。試練を乗り越えし力により、悪性を穿つことを冀う」
 呼びかけに応じて召喚された無名の王の霊は人形の一体に槍を突き立てるが、人形はその身で槍を受け、同じ動きで攻撃を返してくる。
「な、何!? 何が起こってるの!?」
 襲われていた女性は突然の戦闘に目を白黒させている。
「安全な場所でじっとしていてください!」
 人形の攻撃をさばき、王にマントラを唱えさせながら佳那は女性の前に立ちはだかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

まったく……ネットでうっかりバズると、
てんで碌なことになりゃしないね。
ネット上の火消しはこの際少し置いといて、
まずは現実の火の粉を振り払わないとな!

同じソシャゲでコス人気が高かったキャラに
『変装』しながら、SNSで知った風を装って助けに入るよ。
「例のツイ主さんですよね!アタシも気になって来ちゃいました!」
とかなんとか軽く『演技』しながらも『コミュ力』で緊張をほぐし、
「それにしてもここに来るまで迷っちゃって、『今何時でしょう?』」
とさりげなく【時縛る糸】を迫る人形
……を操る邪神の眷属へ飛ばし、動きを止める。
その間に一緒に逃げる体で第一発見者の彼女を避難させるよ!



「まったく……ネットでうっかりバズると、てんで碌なことになりゃしないね。ネット上の火消しはこの際少し置いといて、まずは現実の火の粉を振り払わないとな!」
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はカッコいい衣装に身を包み颯爽と地下に降りた。
 多喜が扮しているのはベラトリクスが登場していたソシャゲの女性キャラ。頼れる姉御で女性プレイヤーの人気も悪くなかったキャラのコスだ。
 多喜は隅っこで震えている第一発見者の女性の姿を認めると、人懐こい笑顔を浮かべて駆け寄る。
「例のツイ主さんですよね! アタシも気になって来ちゃいました!」
「あ、その恰好……」
「わかります? さすが」
 コミュ力のなせる業か、憧れのキャラの恰好も相まって女性の緊張が解けるのは早かった。脚さえ動けば逃げることができる。まずは一般人の無事が先決だ。
 キリキリ……。
 後ろで人形たちの近づく音が聞こえる。振り向いたらきっと襲ってくるに違いない。
「それにしてもここに来るまで迷っちゃって、『今何時でしょう?』」
「えっ、そういえば何時だろ……うわっ通知えぐい!!」
 状況を考えればそれどころではない時間の話。その発言は時縛る糸の発現を促すものに他ならない。糸は人形たちとそれを操る何かの力に絡みつき、動きを止めた。
「ほらほら、時間なんかどうでもいいって! 逃げるんだよ!!」
「えっ!? 今何時だってお姉さんが聞いたのにぃぃ!!!?」
 急に口調を崩し女性を抱え上げる多喜。スマホを片手に抱え上げられた女性の叫びが、ドップラー効果を起こしながら遠ざかっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「噂を拾い集めて痕跡を辿るのですね…頑張ります」
聞き耳で拾い集めた噂や音を頼りに進む
噂がより凶悪で荒唐無稽な内容になる方向を目指して進む

敵に出会ったらまず制圧射撃で足止め
一般人や第一発見者が避難する時間を稼ぐ

もう周囲に人的被害が出ないと判断したら敵に吶喊しUC「アルラウネの悲鳴」
敵が攻撃しようと近づこうが逃げようと遠ざかろうが、一定の範囲を保って音波の範囲攻撃を続け敵を粉砕する
敵の攻撃は第六感や見切りで躱す

「魂のない貴女達なら、攻撃を優先するだろうと思いましたから。私と言う敵を認識している限り、その身が砂と化すまで狂音の中に居続けるだろうと。ごめんなさい…次は愛される貴女達でありますように」



「噂を拾い集めて痕跡を辿るのですね……頑張ります」
 電気街に舞い降りた桜色のパーラーメイド、御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)は氾濫する人々の声に耳を澄ませた。今日何をしよう、何を食べよう、どれそれの新作がもう入っているんだって……そんな何気ない会話の間に、まるで児戯のような荒唐無稽で物騒な噂がちらほらと混ざっている。
(ねえねえ、あの呟き見た? あのアカウント、秒で呟くような廃なのに、ベラ様に会いに行くって言ったきりぜんぜん更新されないんだって)
(キャラがいい奴でもそのコスしてるのがそうとは限らないからさ……消されちゃったんじゃないかって……)
(捕まると人形にされちゃうとかだとそれっぽいよね……)
 UDCの影響で噂が歪んでいるのだ。よりうさん臭く、グロテスクになっていく噂を追う桜花はとうとう地下街へたどり着いた。
 階段を降り、いくつか曲がり角を曲がったところで、人形に追いかけられている女性を目撃、軽機関銃で制圧射撃を行い、走る女性と人形たちの間が開く時間を稼ぐ。女性は一度だけ桜花のほうを見たが、人形たちが足止めされていることに気が付くと軽く会釈してそのまま駆け抜けていく。彼女のことは、他の猟兵に任せられる。女性の姿が見えなくなって、足音が聞こえなくなったタイミングで桜花は人形たちの前に立ちふさがった。
「ドゥダイーム、マンドラゴラ、アルラウネ……全ては同じ物ですの。その絶叫、どうぞ味わってくださいませ」
 人の形の植物が放つのによく似た絶叫が、桜色の喉から放たれ、地下街の店のガラスをびりびりと震わせた。
 感情のない人形たちは音波の中を無表情で進み、粉砕されて粉になる。まるで自ら身を投げ続けるレミングスのようだった。ときおり桜花まで到達するほどの硬度を持った人形が攻撃を繰り出してくる。その攻撃を第六感や見切りで躱し、トンと人形の背を押す桜花。繰り返し音波に晒された人形は、先に破壊されたものと同じく塵に帰った。
「魂のない貴女達なら、攻撃を優先するだろうと思いましたから。私と言う敵を認識している限り、その身が砂と化すまで狂音の中に居続けるだろうと。ごめんなさい……次は愛される貴女達でありますように」
 桜色の髪がたなびく地下街に、人形たちの残骸が粉となってもうもうと舞い上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キング・ノーライフ
一応創作から生まれた神だからな
そうやって創作を利用されるのは中々に腹が立つ
さっさと破壊するとしよう

「さて、危険な花に蝶は引き寄せられると聞くが本当だな。だが安心するがいい、我が来た」と堂々と言いつつ要救助者を【誘惑】する事で恐怖心を和らげるか
この娘もこういうのが好きそうだしな

娘に「首魁は召喚士だったな?」と確認、対抗の意味で【神は神を呼ぶ】で邪神召喚。強欲の海の主カルロスから解放した邪神が眷属ごときに遅れを取る訳はないが【ノーライフ】での【制圧射撃】で援護はするか

事が終われば首魁の事を聞いておくか
設定から弱点も見えるやもしれんしな
「今回の事は忘れろとは言わん、ただ我の事だけ覚えておけばいい」



「一応創作から生まれた神だからな。そうやって創作を利用されるのは中々に腹が立つ。さっさと破壊するとしよう」
 女性が駆け込んだ先に、堂々たる立ち姿で男が立っていた。彼の名はキング・ノーライフ(不死なる物の神・f18503)。小説から生まれた言葉が広まり、その名前から生まれた概念から神になった存在。若き神だ。
「さて、危険な花に蝶は引き寄せられると聞くが本当だな。だが安心するがいい、我が来た」
「あっ、えっ……? ふわ……」
 女性を抱き寄せ、あごに手を添え上向かせるキング。この娘はこういうのが好きそうだと思ったが案の定……キングの金の瞳に見つめられ、彼女は今まで追われていた恐怖を完全に忘れたようだった。
「首魁は召喚士だったな?」
「は、はい……♡」
「邪神とて神、神が神を呼べぬ理由がない」
 キングがすいと手を挙げると、そこには無数の触手を操る少年の姿をした邪神が顕現していた。
「強欲の海の主カルロスから解放した邪神が眷属ごときに遅れを取る訳はないが……」
 少し遅れて追ってきた人形たちに邪神をけしかけ、自身は超科学の銃、ノーライフで援護射撃をする。
 邪神の戦闘は戦闘ではない。ただ蹂躙があるだけだ。ほどなく人形は一体残らず粉々に砕け、触手に食い荒らされていく。
「さて、娘よ。我が敵のことを教えてはくれまいか?」
 その場の無事を確認し、キングはベラトリクスの情報を得る。創作から出でた存在として、その情報には弱点も含まれていることを熟知しているのだ。
「今回の事は忘れろとは言わん、ただ我の事だけ覚えておけばいい」
「あの……、お、お名前を……」
「名前か。機械たる不死の王。それだけ覚えておいてもらおう。この言葉を追えば我がどんな存在か自ずと知れよう」
「機械たる不死の王……様」
 彼女がキングの概念が発生した小説にたどり着くのはそう遠くはない。しかし、これは別の物語である。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『呪物回収【易】』

POW   :    街中を駆け巡り、虱潰しに呪物を探します。

SPD   :    怪しい痕跡を探し、それを頼りに呪物の場所まで辿ります。

WIZ   :    一般人から情報を聞き出します。何も知らない人からは怪しい目で見られるでしょう。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「呪物になったスマホが存在するはず」
 猟兵たちを送る前に、グリモア猟兵はそう口にしていた。おそらく、それを突き止めなくては噂の元を断つわけにはいかないだろう。
 猟兵たちは、歪んで変貌した地下街を探索し始めた。
ミルケン・ピーチ(サポート)
『ミルケンピーチ、参上!』

常識的だけどやられ属性の17歳の桃姫、無邪気で元気な6歳のぺしぇ、体育会系褐色ギャルのアカリの三人のボディの内依頼に合わせた誰かで出撃
口調は
『桃姫:私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』
『ぺしぇ:自分の名前、くん、ちゃん、だよ』
『アカリ:あたし、相手の名前+ちゃん、~っす、~っすよ、~っすね、~っすか?』
マスクのミルケンはほぼ喋りません

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません

公序良俗に反する行動はそういう依頼でない限りしません
後はお任せ、よろしくお願いします!


葉隠・翠(サポート)
『ニンニン!忍者りょくきゃ…緑影でござる!』
 人間の化身忍者×シーフ、16歳の女です。
 普段の口調は「古風(拙者、~どの、ござる、ござろう、~でござろう?)」、時々「普通(わたし、あなた、呼び捨て、だ、だね、だろう、だよね?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「わわわっ……忍者さんです……」
「むむ? その恰好。本当にこの地下にはこすぷれいやーとやらがうろついているのでござるな」
 変化し、曲がりくねった地下街でミルケン・ピーチ(魔法少女ミルケンピーチ・f15261)と葉隠・翠(緑影・f22215)は出会った。
「コスプレじゃないです……猟兵です……って言っても説得力はないと思いますけど……忍者さんもコスプレじゃないんですか?」
「ニンニン! 忍者りょくきゃ……緑影でござる! 拙者も猟兵でござるよ!」
「あ、そうだったんですね(噛んだ……)」
 ヒーローマスクと面頬。驚きのマスク率だ。二人は自分の今まで得た情報などを交換しながら、曲がりくねった地下道をくまなく探検した。呪物はスマホだという。ならば、古いスマホを扱う店にそれがある可能性は高い。似たようなジャンク品がひしめく電気店が、変化前ならひとところに固まっていたのだろうが、バラバラに点在する地下道。そこに一般人の男が一人、キョロキョロしながらうろついている。
「ここどこ……? 一昨日来たときはこの店こんなところになかったはずなんだけど……」
「あら……あの人迷子じゃないですか?」
「迷宮化した地下に閉じ込められてしまったと見えるな」
 ミルケン・ピーチ、今の体は花園・桃姫――は困った人は放っておけない性格だ。調査の途中だが、まごついている一般人に近づいて行った。
「あの、大丈夫ですか?」
「ん? おわっ、すごい股上スカート……知らないキャラだな……ごくり……じゃなかった、あの、出口、どっちかわかりますか? どこから来ました?」
「あっ、は、はずかしい、あんまりまじまじと見ないでください!」
「はいはい、忍者にお任せでござるよ。出口を知りたいなら風を読もうでござる」
 指を濡らして風向きを知ろうとした翠だが、おかしな何かが風を阻んでいるのを感じる。
「悪を斬る事疾風の如し……でござる!」
 高速の忍者刀と苦無による二つの斬撃が空間を斬ると、不思議なことに風が流れ始めた。そちらに向かって歩いていく間に、ピーチは呪物スマホの話を迷子の男に聞きこむ。どうやら、サ終の前に出たキャラクター限定モデルがあって、それのベラトリクスバージョンにプレミアがついているらしい。
「情けは人のためならずでござるな!」
「そうですね、困っている人を助けるのは大事なことだと思います!」
 男を地下街の外に続く階段まで送り、二人は呪物の捜索に戻っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【コス継続】

噂を歪めて現実まで歪めようってか、
それにスマホとSNSを使うたぁね。
スマホに頼っているんなら、
逆にあぶり出してやろうじゃないのさ!

まずは軽く周りにガソリンを振りまくよ。
こんな事すると悪目立ちするかもだけど、
おまじないみたいなもんさ。
そうして裏垢から【ヌwitter】を通じて、
目撃情報関連の呟きに一見乗るような発言をリプするよ。

……そこから巧妙にソシャゲの運営批判やらで別方面に炎上させて、
話題の軌道修正に躍起になってもらうとしようじゃないの。
そしてその裏で通信の流れを『ハッキング』して『情報収集』。
その呪物が発信源だろうから、
じわじわと追い詰めていくよ!



「噂を歪めて現実まで歪めようってか、それにスマホとSNSを使うたぁね。スマホに頼っているんなら、逆にあぶり出してやろうじゃないのさ! よーしよし。じゃあ軽くガソリンをね……炎上には火種が必要だから」
 姐さんキャラのコスを纏った多喜はスマホから大音量でキャラソンを流し、軽快なダンスを始める。この地下道は別にストリートパフォーマンスが認められているわけではない。地下からでられずイライラしていた一般人はすぐに異変に気付き、しかし何か言うわけでもなく一心不乱にスマホを叩き始めた。
「ふぅ……あはは、ありがとうございましたーっ!!」
 ひとしきり踊り終えると、全速力で女子トイレに駆け込み個室に鍵をかける。
「よーしよしよし、たきりゅん裏垢……と。燃えてる燃えてる!」
 SNSは、突然の無許可コスダンサー目撃談で燃えに燃えている。
「私も見ました……運営がちゃんとしてないからサ終するし、コスもTPOがわきまえられてないんじゃないですか……っと」
 多喜はコスダンサー目撃談に巧妙に運営批判を織り交ぜて、ベラトリクス目撃談に沸くタイムラインにノイズを起こす。
「おっ、ちょっと落ち着き始めてたのに急にベラ様目撃談が増え始めたね……焦ってると見た。話題の軌道修正に躍起になってるところを……ハッキングして……視えた!!」
 バーンと女子トイレのドアを開けて駆けだす多喜。発信源のスマホの位置が分かったのだ。あとはそこにたどり着くだけだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御園・桜花
「迷った人を逃がし数多の人形を倒した今なら。此処に居るのは私達とUDCだけ、と言っても良いかと」

「CCDと携帯電話の関係は今はほぼ否定されているけれど。農薬が全く関連ない此の場所で、貴方達が近付くことに忌避を感じるなら。UDCの発する熱源や無線周波数が、全く関係ないとは言えないのではないか、と思うのです」
UCで蜜蜂に周囲を探って貰いつつ、蜜蜂が行きたがらなかった場所を自身で重点的に探索

「力業ですけれど、此のくらいしか思い付きませんでしたから。ローラー作戦なら、それはそれで最終的な効果は見込めると思いましたの」

「終わることへの忌避は、死への恐怖に通じますもの。分からなくはない、とも思うのです」



「迷った人を逃がし数多の人形を倒した今なら。此処に居るのは私達とUDCだけ、と言っても良いかと」
 さっきまで何か不満げにスマホをいじっていた集団がいたが、それもきちんと誘導して逃がした桜花は満を持して情報収集に集中することにした。
「おいで蜜蜂、花の蜜をあげましょう。私の代わりに追い駆けて、全てを見て聞いてくれるなら。CCDと携帯電話の関係は今はほぼ否定されているけれど。農薬が全く関連ない此の場所で、貴方達が近付くことに忌避を感じるなら。UDCの発する熱源や無線周波数が、全く関係ないとは言えないのではないか、と思うのです」
 ぶぶん、と桜色のパーラーメイドの呼び声に応え、蜜蜂たちが召喚される。主の命に応え、地下道を隅々まで探索して回る。そんな蜜蜂たちが行きたがらない場所。それこそが彼女の目当てだった。
「力業ですけれど、此のくらいしか思い付きませんでしたから。ローラー作戦なら、それはそれで最終的な効果は見込めると思いましたの。終わることへの忌避は、死への恐怖に通じますもの。分からなくはない、とも思うのです」
 生き物の本能というのは馬鹿にできたものではないのだ。怯えて戻ってきた蜜蜂の一匹をそっと指先で撫で、禍々しい最奥へ彼女は足を進めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キング・ノーライフ
【アドリブ・連携可】
スマホを探すだけなら【賢王の目】でスマホのGPSに【ハッキング】を仕掛けて探していけばいいが余計な邪魔が付いてくるようだな。

ポルターガイストや呪い等の直接攻撃は【見切り】や【呪詛耐性】で対処、なんなら【浄化】もつけて後から来る者を助けてやるか。
シャッターとかの道を塞ぐ妨害には【贄の名残】と【空中浮遊】の併用で通気ダクトとか隙間を通っていくとしよう。
他の猟兵が居れば口調を変える【演技】とかしてからかう遊びも出来るが一人なら見せる相手も居らんしさっさと抜けるか。
件のスマホを見つけたらノーライフで離れて破壊するとしよう。近くで破壊すると罠が発動しかねんからな。


マホルニア・ストブルフ(サポート)
◇ベース口調は【私、お前、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?】。勿論協力者には丁寧に接するし、礼儀は重んじるよ。時々【照れ隠~】の口調で相槌を打ったりするわ。こんなふうに。

知覚端子を周囲に張り巡らせて情報収集するよ。
その他使える技能は使っていくわ。

戦闘かい? アサルトライフルで制圧射撃しながらサポートしたり、レヴィアスクの斬撃で戦うよ。
ユーベルコードの詠唱描写は省略でも構わないよ。後はよろしくね。

☆アドリブ連携OK



「さて……スマホを探すだけなら賢王の目でスマホのGPSにハッキングを仕掛けて探していけばいいが余計な邪魔が付いてくるようだな」
 女性を逃がしてより地下に潜ったキングは、地下道に満ちる禍々しい気配に気が付いていた。この地下道を歪めている力。無機物がひとりでに動いて、道を塞いで戻れなくなっている路地。キング自身には呪詛の耐性があるため効かない。
「あとから来るものもいるだろう。浄化のひとつでもしてやるか」
 彼の及ぼした浄化で歪んだ通路が真っ直ぐに直されていった。そんな通路の奥から、光り輝く者が歩いてくるのに気が付くキング。何者だ? いや、奇怪な恰好をした一般人もちらほらと見た。先入観に囚われるのも芸がない。もし猟兵ならひとつからかってやるか。
「こんなところに来てはいけませんよ。怖いものがたくさんいます。たとえば、僕とか?」
「むっ、お前がベラトリクスか? こんな顔だっただろうか」
「なんだ、やはり猟兵で合っていたか。くだらない道化とこの王が似ていないなど、当然のことだ」
「そっちも猟兵か。まったく。戯れもほどほどにだぞ」
 光を身に纏い、知覚端子を周囲に張り巡らせて情報収集しながら歩いてきたのはマホルニア・ストブルフ(構造色の青・f29723)。機動ソリューションの攻勢エンジニアだ。
「それで? そっちも何か嗅ぎつけてこちらに来たのだろう?」
「ああ、エンジニアだからね。機械関係は得意なのさ。だけどずいぶんおかしな力場で歪まされていたから、物理的に阻まれている感じが強かったんだ。この浄化はお前によるものか? 助かった」
「フン、よいぞ、思う存分王を称えるがいい」
 軽口を叩きながら歩を進めると、シャッターが完全に閉まっている袋小路にたどり着く。
「食らった物の力を使うか」
 蛙の水かきと舌と脚力をもつ美女に変化したキングは狭い隙間に入り込み、反対側からシャッターを開ける。
「かわった能力だこと、すごいわ……」
 マホルニアはその光景に目をぱちくりさせた。
 ほどなく彼らは一つのジャンク屋にたどり着く。ガラスケースに陳列されるプレミアモデルのスマホ。その中に、あきらかにおかしな雰囲気を放っているものが一つあった。
「離れて破壊するとしよう。近くで破壊すると罠が発動しかねんからな」
「わかった。サポートするよ」
 超化学の銃ノーライフを構えるキングに、マホルニアもショートバレルのアサルトライフルをガラスケースに向けた。
 二人がかりの弾幕がガラスケースを粉々に砕き、目的のスマホが空中に飛び出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『『きみを喚ぶ』ベラトリクス・オリオン』

POW   :    お気に召すまま
【スマートフォンから喚ぶ『巨大獣型の怪物』】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    テンペスト
レベル分の1秒で【スマートフォンから無数の『齧る小型怪物』】を発射できる。
WIZ   :    じゃじゃ馬ならし
攻撃が命中した対象に【スマートフォンから喚ぶ『怪物』の咬み傷】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と喚び出される『不可視の怪物』】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠憩・イリヤです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「僕のダァリンがこんなにたくさん。まったくドキドキしてくるね」
 呪物スマホの画面から、尖った耳を持つハンサムな青年が具現化した。
「僕はベラトリクス・オリオン。きみを喚ぶ召喚士さ。さあ、愛し合おう。命のやり取りでね」
キング・ノーライフ
核となるスマホを放置しているのはおかしいと思っていたが、なるほど。
核その物という事か。なら倒せば終わりと分かりやすい。

召喚士ならば似たUCで真っ向から打ち崩してプライドを壊していこう。
【鼬川の指輪】で鼬川を呼び出して【風刃】で対抗する。

こういう的の大きいのは強大な一撃で屠るに限る、攻撃力を特化して仕留めろ。それまでの間は我が【見切り】ながら【時間稼ぎ】をしてやろう。倒したら後は術士に一撃くれてやるとしよう。

広くても限度のある地下街の中で巨大な物を呼び出しても使いにくい。それを理解しなかったのが敗因よ。そして勘違いしているようだがな、我は召喚士ではなく王。呼び出した者たちより我が一番強いのだ。


マホルニア・ストブルフ
アドリブ・連携OK
詠唱省略でお願いします。

あれが例の"王子様"か。現実世界にグラフィックがよく反映されているんだな――と、そんなことはどうでもいいな。仕留め損ねた呪物のスマートフォンを破壊しないとね。
五感での探知が可能な知覚端子を展開して【情報収集】。相手や攻撃がどこから来ても・どこにいても検知出来るようにするよ。UCにより高めた【瞬間思考力】で収集した情報をさばきながら。
光学粒子の【迷彩】で身を潜めつつ、アサルトライフルの【制圧射撃】で他の猟兵のサポートをしようか。
――おや、そんな所から――来るのは知っていたがね。
スマートフォンから放たれた異形の対処も忘れずにね。


数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
【コス継続】

ようやく会えたねぇ、
ヒッキーのイケメンさんよ。
アンタのその姿、他の邪神がその姿を借りてるのか、
それともそもそもあのソシャゲがアンタの「罠」だったのか……。
ま、直接そのスマホに教えてもらう事にするよッ!

そう、スマホにはスマホ。
アタシのスマホから『ハッキング』を仕掛けて、
ベラ様の動きを牽制するよ。
わらわら出てくる小型の怪物どもは、電撃の『属性攻撃』を乗せた
『衝撃波』の『範囲攻撃』で弾き散らす。

ま、ハッキングも『フェイント』さ。
思念波の腕を伸ばし、召喚システムを封じる!
アンタ自身の身体も維持できるかねぇ!

……公式レイヤーのサプライズイベントって誤魔化せるかな?


御園・桜花
「人に好かれ、憧れた貴方が邪神の手先に塗り替えられる…お可哀想に」
「今の貴方には理解できないでしょうけれど。本来の貴方は違う方でした。表面上は、言動は、確かに似ているのでしょうけれど。奪われた貴方のアバターを、取り返させていただきます」

高速・多重詠唱で弾丸に雷属性乗せ制圧射撃
敵の足止めして仲間の攻撃の隙を作る
敵の射程圏内でのガチ殴り合いと同じ状態になっているので、特に被害の大きい仲間から優先的にUC「癒しの桜吹雪」使用
「傷付く以上に癒せば立って居られますもの…お覚悟を」

「貴方が、本当の貴方を知りたいと願うなら。何かの手先でなく、また戻られると良いでしょう。お休みなさい、良い夢を」
鎮魂歌で送る



「ようやく会えたねぇ、ヒッキーのイケメンさんよ。アンタのその姿、他の邪神がその姿を借りてるのか、それともそもそもあのソシャゲがアンタの「罠」だったのか…。ま、直接そのスマホに教えてもらう事にするよッ!」
「おや、その姿。良く知っている『彼女』だねぇ。僕に合わせて着てくれたのかな? 粋なことをするダァリンだ。その衣装が傷つくのは惜しいけどっ」
 多喜のコスチュームを見て、ベラトリクスは懐かしそうに目を細めた。そして眼前にスマホをかざして『何か』を召喚した。空気がゆらりと不自然に揺れる。多喜は自分もスマホをかざし、ハッキングするとともに電撃の衝撃波で謎の存在を弾き飛ばす。死角からひとつ、齧る小動物が多喜の脚に噛みつき、傷が――ついていなかった。
「桜よ吹雪け、命よ巡り巡りて人々を癒す慈雨となれ」
 それは高速・多重詠唱で弾丸に雷属性を乗せ制圧射撃をしていた桜花のとっさに放ったユーベルコードだった。
「傷付く以上に癒せば立って居られますもの……お覚悟を」
 桜花のユーベルコードは相手が多喜を傷つけるまさにその瞬間治癒していた。故に無傷。
「ありがと! メイドさん!!」
「いえいえ。当然のことですもの。見えない存在だけでなく小動物がいます、お気をつけて!」
 多喜と桜花は背を守り合って向かってくる召喚獣たちを次々と退けた。
「そっちのダァリンみたいなメイドさんは知らないな。別のゲームのキャラかい?」
「人に好かれ、憧れた貴方が邪神の手先に塗り替えられる……お可哀想に。今の貴方には理解できないでしょうけれど。本来の貴方は違う方でした。表面上は、言動は、確かに似ているのでしょうけれど。奪われた貴方のアバターを、取り返させていただきます」
 不思議そうに首をひねるベラトリクスに真っ直ぐな視線を向け、言い放つ桜花だった。
(あれが例の"王子様"か。現実世界にグラフィックがよく反映されているんだな――と、そんなことはどうでもいいな。仕留め損ねた呪物のスマートフォンを破壊しないとね)
 キングとともにスマホにたどり着いたマホルニアは他の猟兵たちとの戦闘を繰り広げるベラトリクスの姿を認め、五感での探知が可能な知覚端子を展開して情報収集を行った。ユーベルコードにより高めた瞬間思考力で収集した情報を捌く。そして同時に自らを光学粒子の迷彩で隠していた。離れ業だ。
(――おや、そんな所から――来るのは知っていたがね)
 ベラトリクスのスマホからあふれ出す小型の召喚獣をアサルトライフルの制圧射撃で沈黙させる。狭い路地は見えない獣と小さな獣の屍で足の踏み場もない状態だった。
 そのただ中。
「核となるスマホを放置しているのはおかしいと思っていたが、なるほど。核その物という事か。なら倒せば終わりと分かりやすい」
 キングはベラトリクスだけを見据え、対峙していた。
「僕と決闘したいのかい? ダァリン。お気に召すまま気の向くままに。僕はいつでも相手になるよ」
 ベラトリクスの呪物スマホから、のしりと大きな巨大獣が召喚された。丸太のように太い腕が相手をへし折りたがっている。
「鼬川。ここへ」
「へぇ、ダァリンも召喚をするんだ。いいよ、召喚バトルと洒落こもう!」
 キングの呼びかけに呼応して召喚されたのは従者鼬川瞬太。鼬の耳と尾をもつ獣人だ。
「こういう的の大きいのは強大な一撃で屠るに限る、攻撃力を特化して仕留めろ。それまでの間は我が見切りながら時間稼ぎをしてやろう。喜ぶがいい。鼬川、我が許す。切り刻めっ!」
 キングの神力で覚醒した鼬川のカマイタチは、見えない獣、噛みつく小型の獣を捌く主を曲がりくねって避け、巨大獣を一撃で切り裂いた。
「やるね、ダァリン。立派な召喚士じゃないか、ならば次は……っ!!?」
 心折れずに再び召喚を試みるベラトリクスの動きが止まった。
「ま、ハッキングも『フェイント』さ。思念波の腕を伸ばし、召喚システムを封じる! アンタ自身の身体も維持できるかねぇ!」
 多喜の思念波の腕が、彼のスマホをがっちりと捕らえて動けなくしていたのだ。
「卑怯とは言うまいね。アンタの過去、浚わせてもらうよ!」
 ザザとベラトリクスの姿にノイズが入る。
「だ、ダァリン……」
「広くても限度のある地下街の中で巨大な物を呼び出しても使いにくい。それを理解しなかったのが敗因よ。そして勘違いしているようだがな、我は召喚士ではなく王。呼び出した者たちより我が一番強いのだ!」
 キングの一撃が、呪物スマホの画面を貫き粉々に粉砕した!!
「貴方が、本当の貴方を知りたいと願うなら。何かの手先でなく、また戻られると良いでしょう。お休みなさい、良い夢を」
 桜花の歌う鎮魂歌が響く中、子供の手が粘土細工をまた使えるように丸めなおすかのように、歪んだ地下街が元の形に戻っていく。
「結局目立っちゃったねえ……公式レイヤーのサプライズイベントって噂で誤魔化せるかな?」
「私はこのまま光学迷彩でお暇するけど、お前たちはそちらのほうがいいかもな。ではご機嫌よう」
「問題ない。王が通るのだ。誰であろうと道を開けよう」

 猟兵たちが立ち去った後、SNSでは公式のサプライズイベントだったとかサ終したゲームがイベントやるわけないだろとかしばらく沸いていたようであったが、すぐに新しい話題に興味が移って行って、誰も地下道の召喚王子の話はしなくなったのだった。その裏に猟兵たちの戦いがあったことは、彼らだけが知っていればいい。今日もSNSのタイムラインは人々の感情を乗せ、目まぐるしく流れていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月20日


挿絵イラスト