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銀河帝国攻略戦④~見た目が既にテロですけど?!

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●コアに迫るピンクの影
「ふんふんふーん♪」
 鼻唄混じりで、ピンクのツインテールの少女……あ、いや、全然少女じゃなかった、ピンクのツインテールの年増が、宇宙船のコアマシンに向けて歩いていた。
「おい、今、乙女に対してなんて言ったオメェ?」
 別に地の文に突っ込んだわけではない。
 不幸にも彼女に遭遇して、その姿に突っ込みをいれてしまった警備員に対しての台詞である。
「銀河で一番ラブリーなマリーちゃんに対する敬意が足りないぞっと♪」
 ぶりっ子なポーズとウインクをしつつ、不幸な警備員を惨殺する自称美少女宇宙海賊。
 彼女はそのままコアマシンを破壊しようと先に進んでいった。

●年増のテロを阻止しましょう
「というわけで、世にも恐ろしいテロ行為が行われようとしているのだわ!」
 こちらは本当にラブリーな美少女グリモア猟兵である湯上・アリカ(こいのか荘のアリカさん・f00440)です。
「うん、最初から説明するとね、これは銀河帝国との戦争の一環なのよ」
 ヘロドトスの戦いでワープドライブの力を得たことで多くの宇宙船が解放軍に合流して銀河帝国に立ち向かおうと準備を始めた。それに対して銀河帝国側は合流前の船を狙って攻撃を仕掛けてきている。
 そんな現在の状況をまずアリカは語る。
「これからみんなに行って欲しいのは、解放軍への参加を決めた勇敢な宇宙船なのよ。
 でもそこに、宇宙船のコアマシンを破壊しようとして、単独で帝国からエージェントが送り込まれてきたの」
 アリカの力でこれから、そのエージェントが必ず通る、コアマシンに通じる最後の扉の前に転送されるので、そこで迎え撃って欲しいとの事。
「現れる敵は、美少女アイドル宇宙海賊♡キャプテンラブリーマリーという奴なの。
 あ、美少女とか完全に自称なのだわ。見た目はケバくてババァ無理すんなって感じのヤバい年増なのよ」
 アリカさんもかなり辛辣である。
「でも単独で乗り込んでくる辺り、実力だけは本物なのよ。既に警備員の犠牲も出ているの。みんなが最後の砦なのよ!」
 どうか勇気ある人たちの乗る宇宙船を守ってあげて欲しいのよ、と最後に頭を下げるアリカだった。


雅瑠璃
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 というわけでこんにちは、またはこんばんは。
 雅です。

 戦争の状況も進み、また新たなシナリオが出るようになりました。
 というわけでここでは、解放軍に加わる事になる宇宙船のコアを守っていただく事になります。
 詳細はオープニングの通り。
 敵は年増ですが強敵です。
 またしても色物っぽい敵ですが、真面目な戦争シナリオです。たぶん。

 というわけで、プレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『キャプテンラブリーマリー』

POW   :    今、乙女に対してなんて言ったオメェ?
【年齢を言われる等してガチギレモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ラブリー♡スレイブショット
【ウィンク♡】【投げキッス♡】【可愛いポーズ♡】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    ラブリー♡オンステージ
【渾身の自作ラブソング】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は暴星・メテオです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ピンクの脅威が迫る
「さてさてー、この先にコアマシンがあるはずよねん?」
 ラブリーマリーは、鼻唄混じりのスキップで、無人の通路を悠々と進んでいた。
 ここまでの間に警備員は物理的に黙らせてきているため、あとはコアを壊して帰るだけの簡単なお仕事。
 ……の、はずだったが。
「あらん? まだこんなに邪魔物がくるのん?」
 猟兵たちがそこへ転送されてくる。
 それを見て足を止めたラブリーマリーは、自称アイドルスマイルを猟兵たちにむけた。
「いいわぁ♪
 それじゃ、マリーちゃんのドッキュン☆ラブパワーで、みんなもおねんねさせちゃうぞっと♥️」
 年増の投げキッスが猟兵たちを襲うのだった……。
江戸川・律
『レプリカクラフト』で大量の仕掛け罠を作成して妨害します

早々に設置を終え
艦長と共に管制室で監視カメラの映像を見ながら頭を抱えます
アレはほんとなんだ?すげぇ痛々しいんだけど…
ごめん聞いても分かんないよな…
館内アナウンスのマイクを貸してくれ
年齢言って馬鹿にするからさ

さてと船と連動させた俺の罠達のお披露目と参りましょうかね

『ペンは剣よりも強し』の先読みに加え
罠使い+情報収集+地形の利用+戦闘知識+早業+ロープワークを併用

ワイヤートラップから
殺意高めの銃火器連動型トラップ
宇宙空間に放り出す落とし穴系
古典的なタライまでなんでもござれ

設置罠と合わせ絶妙なタイミングで遠隔で起動していきます

アドリブ歓迎です


刑部・みさき
はわ、かいぞくさんだ☆
うみじゃないけどかいぞくさんだ!
えへへ、かっこいいっ♪

でもでも、おたからさんはあげないよ?
アリカさんにおこられるもんっ

♪うちゅーのうみは、たこさんのうみー♪
ざっぶーん☆

●WIZ重視で戦闘
気の抜ける『催眠術』入りの『歌唱』を
ラブソングに被せ(マリー自身の?)共感を妨害
投げキッス等は『野生の勘』で見ない

歌は《おおなみとおひさまのうた》のトリガーでもあり
「深海属性の津波」の水圧で通路上のマリーを押し流す
『念動力』制御で被害をマリーへ集中させる様努力

●挙動 ※アドリブ歓迎
「コアマシンあげちゃダメなのよ」というアリカの言いつけ厳守
無垢故に年齢を弄る発想はなく敵呼称も「かいぞくさん」



●最後の通路にはトラップだらけ?
「なんとか、間に合ったかな……」
 真っ先に転移されてきた江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)は、自身のユーベルコード【レプリカクラフト】を使い、簡易ではあるが通路にトラップを仕掛けてきていた。
 もっと余裕をもって待ち構えることができたなら、トラップの量も質も上げれただろうし、その時はこの船のブリッジから監視カメラ越しに愉快なことになっているラブリーマリーを見て笑いたかったのだが……さすがにグリモア猟兵の予知もギリギリになったので、そこまでのことはできない。
「おつかれさまー。もうすぐかいぞくさんくるよー♪」
 先行して転移してきたのはもう1人、刑部・みさき(おひさまのゆりかごぷかぷかまぁめいど・f05490)もだ。ちなみにここに送り出したグリモア猟兵とは旧知の仲である。
「アリカさんにいわれたし、かいぞくさんに『こあましん』はあげないもんっ」
 日焼けしている健康的な体つきを見る限り、そんな子供ではないはずなのだが、彼女の言動はとにかく幼く無邪気だった。
「あ、きた! うみじゃないけどかいぞくさんだ!
 えへへ、かっこいいっ♪」
 なので、みさきはラブリーマリーの姿を見かけた時、無邪気にそんなことを口にする。
「あららん。なかなかかわいい事言ってくれるじゃないのん。でもでも、マリーちゃん的には、カッコいいよりもかわいい方が嬉しいぞっ?」
「あ、でもでも、おたからさんはあげないよ?
 アリカさんにおこられるもんっ」
「あらあら、残念。でも今回はお宝じゃなくって、この船そのものをいただきに来たのよん?」
 わりと精神年齢的に波長でもあっているのだろうか……?

 なお、このやり取りには、律は頭を抱えている。
(「アレはほんとなんだ? すげぇ痛々しいんだけど……」)
 さすがに聞いたところで答えはないと思って口にはしなかったが、ラブリーマリーの姿には痛々しさしか感じないのだった。いや、普通はそうだろう、みさきが特殊なだけで。
「……歳いくつなんだよ」
 で、ついついぽろっと、馬鹿にしたような声がこぼれてしまった。
「ああん? 何か言ったかテメェ?」
 先程までのぶりっ子はどこに行ったのか、豹変して率を睨み、つかつかと近づいてくるラブリーマリー。
 狙っていたのかたまたまなのかは定かではないが、律は見事にトラップゾーンに彼女をおびき寄せることに成功していた。
「まー、ちょうどいいし、俺の罠達のお披露目と参りましょうかね?」
「え?」
 ラブリーマリーの脚が、無造作にワイヤートラップをひっかけた。
 じゃきんじゃきんじゃきん。
 それと同時に音を立てて壁に設置した仕掛け銃が起動する。
 だだだだだだだだだだ……。
「あばばばばばばばばば?!」
 殺意高目な銃火器トラップが火を噴き、マシンガンの連射が一斉にラブリーマリーに襲い掛かった。
「あああああ、危ないじゃないの、ハチの巣になるところだったわ?!」
 割とかなり喰らっているようだけれども、急所は何とか外しているラブリーマリーである。
「うわー……いたそう」
 これにはみさきもドン引き。
「まだまだ。最後はこれだよね?」
「あン? まだ何か……あいたーーーっ?!」
 ごいーーーーーんと大きな音を立てて、ラブリーマリーの頭に金だらいが落ちてきた。まるで往年のコントのように。
「て、テメェ……」
 さすがに怒り心頭のラブリーマリーだが、そこに場違いなくらい空気を読んでいない明るい声がかかる。言うまでもなくみさきだ。
「おうたうたってあげるから、おこっちゃダメだよ?」
「な、何言って……」
「♪うちゅーのうみは、たこさんのうみー♪」
 ここで唐突に歌いだすみさき。しかもその歌詞もよく意味が分からない。
「♪きらめくしぶき、かがやくかぜ、しあわせあふれる、にんぎょひめ♪」
 ただ、歌詞の意味が分からなくても、歌の意味はよくわかる。歌とともに、みさきの周りに水が具現化していくからだ。
「そーれ、ざっぶーん☆」
 この歌は、みさきのユーベルコード【おおなみとおひさまのうた】なのである。
「きゃーーーーーーー?!」
 やがて現れた水は決壊し、そのまま通路を押し流す津波となった。
「覚えてなさいよーーーーーーーー?!」
 そのまま通路を流されていくラブリーマリー。
「あー、水の罠か……もっと時間あったら俺も仕掛けられたんだけどなぁ……」
 図らずも、律が仕掛けたトラップから続く一連の流れの最後の攻撃のようになったみさきの歌で、ラブリーマリーは、コアマシンから引き離され、2人は他の猟兵が来るまでの時間を稼ぐことに成功したのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 年甲斐も無く、あのような態度や姿を取るとは……。いや、年を重ねた方は、こうした態度や姿をしてはいけない、というつもりは無い。ただ、コミュニティやTPO次第では困惑してしまう、といった方が正しいだろうか。とりあえず、こいつをさっさと倒してしまうとしよう。
 我は「無理するな婆さん」と挑発(暴言気味だが)するぞ。攻撃を仕掛けてきたら、【第六感】と【残像】で巧みに避けてかく乱し、竹城落葉を手に持ち【2回攻撃】と【早業】を利用した『支柱一閃』で攻撃しよう。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で攻撃を仕掛けるぞ。海賊と元武将、どちらが強いか、一つ勝負と行こう。


瑠璃光寺・未子
ミコ:
ず、随分と奇抜な格好……悪夢に出てきてしまいそうだ
ミコは恐ろしくて仕方がないぞ…(泣きべそかきながら怯え)
ミ、ミモリ、こやつをどうにかしておくれ

ミモリ(【戦う執事さん】で出現した別人格の執事):
お嬢様をお泣かせになる者はたとえ自称乙女のご婦人でも容赦いたしません!
そもそも乙女というのは、こちらに居らせまするミコお嬢様のように可憐で純粋なお方に使う言葉!
そう、銀河で一番ラブリーなのは我らがミコお嬢様なのでございます!!!

(熱弁しながら【お麗しゅうお嬢様】使用、今めっちゃべそべそ泣いているけれど、持ち前の若さと[存在感]は健在で年増の心に[恐怖を与える]のだ!)

アドリブ・連携大歓迎


ヴェロニカ・ウィンター
これは…見苦しい……同じ女として生まれた見過ごせないわね
きっちり引導を渡してこの世の未練を断ち切ってもらいましょう(合掌
【POW】
基本は仲間の援護に回る形で立ち回り
相手がUCを使用してきたら前に出るわ
こちらUCを使用してマントから武装を取り出す
今回は狭い艦内で相手を確実に捉える「アイビスブーメラン」よ!
オバさんの「ラブリー♡スレイブショット」の動きを【見切り】で読んで【投擲】で撃ち落とすわ
…ウィンクやセクシーポーズから何が飛び出してきてるのかは不明だけど
きっと命中する技なんだから何かしら撃ち落とせるはずよね!


佐之上・権左衛門
【POW 】(アドリブ・絡みばっちこーい/敵の姿を見てげんなりしなから)・・・チェンジで。
というか場違いにも程があるでしょう、だからとっととお帰りください。
といってUC【揺らめく人型の何か】で問答無用でぶっ飛ばす。その後は 余り目線をも合わせるのが嫌なのか左腕のガトリングシールドと左指のニードルアタッチメントで【スナイパー・毒使い・麻痺攻撃・援護射撃・一斉射撃】、時折【揺らめく人型の何か】を使いながらの遠距離戦を。

回避は【残像・第六感】で頑張ってみる。


ガイ・レックウ
【POW) で判定
「…年考えろ…まじで。無理すんな…おばさん」

多分的確に傷をえぐっていくかもな…あれは…ないな
【オーラ防御】と【見切り】で防御を固めつつ、ドラゴンランスによる【串刺し】と刀による【怪力】を乗せた【2回攻撃】を叩き込んでいくぜ

「無理すると腰を痛めるぞ、おばさん」
そういった後にユーベルコード【炎龍一閃】で斬撃を叩き込むぜ!!


ユウカ・セレナイト
【連携歓迎・アドリブOK】


……つまり、勝負ね!
アナタは美貌(?)で皆を挫き!
私はこの歌で皆を鼓舞する!
ええ、ええ、そういうことならばもちろん、受けて立ちましょう!

【すべての夢見る者たちへの賛歌】で皆を癒すわ
成長の喜び、新たな世界の発見、心通わせることの幸福を高らかに
彼女の歌に負けぬよう、想いを込めて歌い上げ
皆を【鼓舞】していきましょう
夢も、希望も、未来も
年m……こほん、失礼、年齢を言うのはタブーですものね!
過去の残滓たるオブリビオンのアナタには、決してないものでしょう?

ええ、ええ、どんなにあの美貌(?)が皆さんの心を病もうとも!
その全てを私の歌で癒してみせるわ!
安心して最後まで、戦ってね!


ルミナール・セピアネス
【SPD】
相手は色んな意味で痛々しい海賊かぁ。まぁ外見はアレでもあちこち荒らし回ってるらしいしああいうのを捕えるのが賞金稼ぎのお仕事ってね!

ここはスピード勝負で撹乱してみようかな?怒ったら速く動く相手を狙うみたいだけどそれならターゲットをこちらに向けされることが出来そうだしね。

「高機動モードに移行、コードアクセラレイター!」
高機動ユニットを装着して女海賊の周囲をグルグル回って注意を向けさせて他の猟兵が動きやすいようにするよ。
攻撃のチャンスがあればこちらも装備している大口径ガトリング砲やアームズフォートで一気に攻撃!
「盛大にぶっ放すのってやっぱり気持ちいい……!」


御門・セツ
うーん、情報では自称美少女で見た目がケバくてやばい年増の敵と……
とにかくコアマシンの方へ向かえばいいか。
単身乗り込んでくるぐらいだし、どれぐらい強いのか楽しみだな。

まぁ、コアマシンには指一本触れさせる気はないし。
見た目で油断や手加減することもないから。

いつも通りの接近戦だけど、強化状態になっても対処できるかな。
最悪、船が少々壊れてもグラウンドクラッシャーで壁を壊したりして
隙を作るとかするしかないね。
どれぐらい強いか良く解らないし、ここを抜かれるわけにもいかないから
油断なく戦おうか。



●改めて戦闘開始
「ったく、えらい目にあったわぁ……マリーちゃんのラブリーなドレスが、もうボロボロのずぶぬれ。あらやだ?! 濡れ透けでセクシーになっちゃうかしらん?」
 怒っているのかぶりっ子しているのかよくわからないが、先ほど津波に流されたラブリーマリーは、再びコアマシン目指してやってきていた。
 もちろん、そこには続々と後から転送されてきた猟兵達が待ち構えている。
「あらーん、ずいぶん数が増えちゃってー?
 そんなにマリーちゃんの濡れ透けが見たかったかしらん?
 いやーん、えっちー♡」
 そんなことを言いながら、身悶えするラブリーマリーに、猟兵達は当たり前だがドン引きだった。
「ず、随分と奇抜な格好……悪夢に出てきてしまいそうだ……ミコは恐ろしくて仕方がないぞ……」
 そのうちの1人、瑠璃光寺・未子(ヒトリカゴメ・f06597)などは、泣きべそをかきながらすっかり怯えている。
「年甲斐も無く、あのような態度や姿を取るとは……。いや、年を重ねた方は、こうした態度や姿をしてはいけない、というつもりでは無いが……状況は考えてほしいといった方が正しいか」
 その傍らにいる竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)はもう少し冷静だった。冷静ついでに言っていることは割と辛辣ではある。
「これは……見苦しい……同じ女として生まれとしては見過ごせないわね」
 仮面の淑女たるヴェロニカ・ウィンター(アイビス・f12756)に至っては、率直な感想を口にしていた。
「きっちり引導を渡してこの世の未練を断ち切ってもらいましょう」
 そんなことを言って合掌する始末である。
「色んな意味で痛々しい海賊かぁ……」
 ルミナール・セピアネス(クレイジートリガー・f13615)は呆れ顔である。
 宇宙の賞金稼ぎである彼女は、それでも相手は宇宙海賊を名乗っているのだし、外見はアレでもあちこち荒らし回ってるらしいし……と自分を納得させていた。外見がアレなのは一切否定していない。
「うーん、自称美少女で見た目がケバくてやばい年増の敵と……」
 意外と、御門・セツ(狂い華・f02799)はラブリーマリーの見た目を気にしている様子はなかった。
「単身乗り込んでくるぐらいだし、どれぐらい強いのか楽しみだな」
 むしろ、戦いを楽しみにしている様子である。
 もっとも、戦闘力しか見てもらえないのは、ラブリーマリー的にはかえって屈辱だろうが……。
 一方の男性陣はというと。
「……チェンジで」
 むしろ辛辣なのは、男性陣の方かもしれない。
 ゲンナリとした表情であっさりチェンジを希望したのは、佐之上・権左衛門(トレンチコートのバーバリアン・f00239)である。気持ちはわかる。
「というか場違いにも程があるでしょう、だからとっととお帰りください」
 気持ちはとても分かるが、言いたい放題であった。
「……年考えろ……まじで。無理すんな……おばさん」
 もう1人の男性、ガイ・レックウ(流浪の剣士・f01997)にしてもそうだ。気持ちはよくわかるが、実に辛辣である。
「……あれは……ないな」
 多少はラブリーマリーの心を抉る意図はあったかもしれないが、でもやはり本音ではある。本音で、あれはないと思っているのが、権左衛門同様のゲンナリした表情からも伺える。

「オメェら、なんつった、ああン?」
 辛辣な言葉のコンボが続き、すっかりガチギレモードのラブリーマリーである。
 ただでさえ先程のトラップ連発で頭にきているというのに。
「まぁ、まぁ、そんなに怒らないでくださいな」
 そんなラブリーマリーに救いの手が。
「ああン?」
「つまりは、勝負ですね!
 アナタは美貌(?)で皆を挫き! 私はこの歌で皆を鼓舞する!
 ええ、ええ、そういうことならばもちろん、受けて立ちましょう!」
 この場にいる最後の1人のユウカ・セレナイト(すべての夢見る者たちへの賛歌・f13797)だけは、年齢や見た目の事は触れずに、美少女アイドル宇宙海賊(自称)の自尊心をくすぐるような事を言ってきたのだ。なお、美貌にクエスチョンが付いていたのは見なかったことにしてほしい。
「あららん? なーに、このラブリーマリーちゃんさまにアイドル勝負を挑もうっていうのかしらん?
 あとで泣きべそかいても、知らないわよーん?」
 そして、あっさり乗せられて、先ほどまでの険悪さを棚に上げて、またぶりっ子しだすラブリーマリーである。
 もちろんユウカ(とセツ)以外の6人はゲンナリしているが。
 ともあれ、先ほどの険悪な雰囲気が消え去ったので、これを狙ってのことだとしたらユウカもなかなかやるものではある。天然かもしれないけれども。

「いっくわよーん♡ ラブリー♡オンステージ♪」
 アイドル対決といわれて気を良くしたラブリーマリーは、早速、渾身の自作のラブソングを歌いだす。
 ラブソングとは言うけれども、それは、全人類は宇宙一可愛いラブリーマリーちゃんを崇めて当然ね、という感じで、あくまでも自画自賛の、自分の取り巻き達しか聞かない歌わないようなシロモノだった。
 もちろん、普段はそういうイエスマン的な配下しか相手にしてくれないので、悲しいかなラブリーマリー本人は、この歌が猟兵たちの共感を得られないことには気づいていないのである。
「マリーちゃん、サイコー♡」
 自分でそんなことを言っても誰もコールはしない。誰の共感も得られてないわけなのだが、確実に猟兵たちの心にダメージは入っていった。
 が。
「さあ歌いましょう、希望を乗せて!」
 そこにユウカの優しい歌声が、ラブリーマリーの自分本位な歌を打ち消すように響いてくる。
 成長の喜び、新たな世界の発見、そして心通わせることの幸福を高らかに歌い上げるユウカの【すべての夢見る者たちへの賛歌】が、皆の心を癒していく。
「な、なにィ?! どーゆーこよよっ、マリーちゃんの歌よりそんな小娘の歌の方がいいっていうのっ?!」
「夢も、希望も、未来も、年m……こほん、失礼、年齢を言うのはタブーですものね!
 過去の残滓たるオブリビオンのアナタには、決してないものでしょう?」
「んなっ?! 今なんて……」
 ユウカの歌に皆が共感していくさまを見せられ、そしてユウカからの歌のダメ出しをうけて、ラブリーマリーもさすがに言葉を失った。
「さぁ、皆さん。今ですよ!
 ええ、ええ、どんなにあの美貌(?)が皆さんの心を病もうとも!
 その全てを私の歌で癒してみせるわ!
 だから、安心して最後まで、戦ってね!」
 そういって、さらに高らかに歌いだすユウカである。

「オーケィ! ああいうのを捕えるのが賞金稼ぎのお仕事ってね!」
 ユウカの歌声に乗って、真っ先に飛び出していったのはルミナールだった。
「高機動モードに移行、コードアクセラレイター!」
 ユーベルコード【コードアクセラレイター】によって転送されてきた高機動ユニットを身にまとい、ラブリーマリーをかく乱させるべくその周りを高速で飛び回る。
「ええい、ちょこまかとー?!」
 それを捕らえようと動こうとするラブリーマリーだが、彼女自体は周りの猟兵を動かすための囮。その隙を狙い、他の猟兵達も動く。

「無理するな婆さん」
「無理すると腰を痛めるぞ、おばさん」
 のっけからふたりがかりである。
 奇しくも同じような台詞とともに、落葉とガイが揃ってラブリーマリーに突っ込んでいく。
 落葉は、自らの残像を生み出しながらラブリーマリーの攻撃をかわし、自身の名と同じ竹城という、サムライブレイドのような鉄の棒(バールのようなもの)を手に早業で【支柱一閃】を叩きこむ。鉄の棒であるはずのそれなのに、本当に刀のようにラブリーマリーの身体を切り裂き、鮮血が溢れた。
 ガイもまたドラゴンランスと刀の二刀流で攻撃を仕掛ける。ドラゴンランスを構えての刺突でラブリーマリーのお腹を串刺しにし、そこに怪力で振るわれた刀が斬りつけた。【炎龍一閃】の炎を纏って。
 痛撃を与えた2人はそのままヒットアンドアウェイで間合いを取る。

「いたああああああああい?!
 何しやがるオメェらああああぁぁぁぁァ?!」
 続けての大ダメージにぶりっ子を維持できなくなってきたラブリーマリーは、【ラブリー♡スレイブショット】で落葉とガイを狙って仕返しをしようとする。
 何とかもう一度ぶりっ子をし、可愛いポーズ♡でウィンク♡からの投げキッス♡を放った。ただでさえ年増なのに、ぼろぼろの服に血だらけなので、絵面的にはかなりきついが、とにかく放たれてしまったものは仕方ない。
 投げキッスの唇型のエネルギー弾が2人を襲おうと飛んでいく。
 が、しかし。
「そう来ると見切っていたわ!」
 そこで前に出てきたのはヴェロニカだ。周りを援護しようと立ち回っていた彼女は、【ファイトバードネスト】を使い、マントの中からブーメランを、名付けて『アイビスブーメラン』を取り出して、投げキッスの射線上に投げつける。
「きっと命中する技なんだから何かしら撃ち落とせるはずよね!」
 はい、撃ち落とせました。
「ぐぐぐぐぐぐぐ……マリーちゃんのラブが届かないなんてえええぇぇぇ」

「ミ、ミモリ、こやつをどうにかしておくれ……」
 戦闘の最中でも、未子はまだ泣きべそをかいてへたり込んでいた。
 そんな彼女の傍らに、執事の姿が浮かび上がる。ユーベルコード【戦う執事さん】によって別途出現した未子の別人格を纏った忌神だ。
「お嬢様をお泣かせになる者はたとえ自称乙女のご婦人でも容赦いたしません!」
「ンな?! し、しらないわよ。そっちが勝手に泣き出したんだもん、マリーちゃんのせいじゃないし!」
「だまらっしゃい!」
 執事人格のミモリは、未子とは違い堂々とラブリーマリーに言葉を叩きつける。
「そもそも乙女というのは、こちらに居らせまするミコお嬢様のように可憐で純粋なお方に使う言葉!
 そう、銀河で一番ラブリーなのは我らがミコお嬢様なのでございます!!!」
「ななななななな?! 何言っちゃってるのよぉ?!
 銀河で一番は、マリーちゃんに決まって……」
「投げキッスも届かなかったではありませんか!」
「うぐっ」
 痛いところを突かれたと言葉に詰まるラブリーマリー。
「そ、そう言う問題だったかしら……?
 あ、でも、その子見てるとなんか揺らいで……」
 ラブリーマリーは、ミモリと未子にある種気圧されたのか、だんだんと言葉に勢いがなくなっていく。
 実は、未子自身はまだべそをかいてへたり込んではいるけれども、ミモリが熱弁している間にもう一つのユーベルコードが発動していたのだ。
 それは【お麗しゅうお嬢様】という、未子の圧倒的な庇護欲を高め、それを見た相手に罪悪感を与えて動きを止めるというもの。
 普段のラブリーマリーならば効かなかっただろう。しかし今は、さんざんダメ出しをしてくれたユウカの歌声がずっと響いているというアウェーな状況で、しかも渾身の投げキッスをかき消されたというショックを受けた直後だから、一瞬でも自分よりラブリーだなんて思ってしまい、動きを止めてしまった。
 そんな状況を見て、ミモリの忌神は、仲間に目配せをした。

 その合図に応えて動いたのは、権左衛門とルミナールだった。
「やれやれ、あまり目線を合わせたくもないんだけどねぇ」
 といってユーベルコード【揺らめく人型の何か】で生み出した見えない人型の力を送り込んだのを皮切りに、左腕のガトリングシールドと左指のニードルアタッチメントで一斉射撃をぶち込んでいく。
 ルミナールも、もう牽制で動き回る必要はないと判断し、装備している大口径ガトリング砲やアームズフォートで一斉砲撃を叩きこんでいく。
「盛大にぶっ放すのってやっぱり気持ちいい……!
 2人からの一斉砲撃で、瞬く間にラブリーマリーはハチの巣にされていくが。
「あばばばばばばば?! ま、また私のラブリーな衣装が穴だらけにー?!」
「タフな年増だねぇ……」

「なるほど、このタフさはさすが単身乗り込んでくるだけの事はあるのか」
 全身ハチの巣になってもまだ動いているラブリーマリーを見て、別方向に関心するセツであった。
「見た目や言動で油断できないってのはよくわかったよ。
 でも、コアマシンには指一本触れさせる気はないし、これ以上やらせるつもりもないから、一気に決めようか!」
「え? ちょ、ちょっと待っ……?!」
 セツはそういうと、ハチの巣になってフラフラのラブリーマリーに向かってバトルアックスを構えて一気に飛び込んでいく。
「これでトドメ!! ずばーっといってどかーんと終わらせるよ!」
 大きく振りかぶってラブリーマリーに真っ向から叩きつける【グラウンドクラッシャー】の重い一撃。
 宇宙船の廊下ごと叩き壊すような強力な一撃には、さすがにタフさを誇っていた(本人的には誇りたいのはそこではなかっただろうが)ラブリーマリーも耐え切れなかった。
「あ、ああ……こんな、ところで、マリーちゃんが、……やられる、なん……」
 クレーター状に凹んだ廊下の爆心地の真ん中で、うずくまるように倒れたボロボロのラブリーマリーは、その言葉を最後に完全に沈黙する。

 かくして、ラブリーマリーによるコアマシン破壊テロは、こうして防がれた。
 なお、最後のセツの攻撃で破壊された廊下については、今後の航行には特に影響もないのでお咎めなしだったことは付け加えておこう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月04日


挿絵イラスト