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掴もうぜ! クッキング宝貝!

#封神武侠界 #猟兵の食欲全開シナリオ #トンチキシナリオ #どうしてこうなった

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 人界と仙界の交流により仙術武侠文明が発達した、古代の中国世界。
 それが『封神武侠界(ほうしんぶきょうかい)』である。
 その仙界の片隅で、今、世界の崩壊を招きかねない大事件が勃発していた。

「ふぇっふぇっふぇっ! この暗黒料理仙拳で、貴様を打ちのめしてくれよう!」
「ぅぐぐ……っ! 我が生涯かけて編み出した満漢全席曼荼羅闘法が通じないっ!?」

 黒いコック服の男とパンダの料理仙人が、光と闇の料理を作りながら決闘をしていた。
 だが、光側のパンダ仙人は明らかに圧倒されていた。

「どうした? いつもの勢いがないじゃないか?」
「とぼけるな! さっきまであった私の宝貝『虹色お料理道具セット』が何者かに盗まれているんだ! お前の仕業か!」
「ふぇっふぇっふぇっ! だからなんだ? 宝貝がなければ、貴様はただのパンダ! ここで我が暗黒料理の虜となってひれ伏すが必定よ!」
「なんだと! あれは正しく使わねば、人界と仙界の両方が滅びかねない宝貝……! まさか、それを知ってて奪ったのか!?」
「だから何だって言うんだ! 貴様の宝貝で、吾輩の究極暗黒料理がようやく完成するのだ! 盗み出した弟子達とは、後で別の場所で合流する手筈になっている。だからそこで貴様は、この世界が滅ぶ様を突っ伏して眺めているといい! ふぇっふぇっふぇっ!」

 黒いコック服の男が、パンダ仙人の頭を踏み付けて屈服させる。
 パンダ仙人は、自身の無力さを痛感しつつも、何も出来ずに地面に這いつくばったままだた。

「新しい世界、封神武侠界のことはもう聞いたかなっ?」

 蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)はグリモアベースに集まってくれた猟兵たちへ、早速、今回の任務内容について説明を始めた。

「今、仙人たちが住まう世界側……つまり仙界にある『海腹雄山』という場所で、光の特級料理人であるパンダ仙人と、闇の特級料理人であるオブリビオンが決闘しているよっ! 料理で!」

 ……うん?
 まぁ、新世界でのカルチャーショックは多々あることだ。
 気にせずに説明を続けてもらおう。

「光と闇の料理対決は熾烈を極めていたんだけど、闇側が弟子達に、パンダ仙人の宝貝である『虹色お料理道具セット』を盗み出させたことから流れが変わっちゃった! 今まさに、パンダ仙人は絶体絶命のピンチだよっ! まずはパンダ仙人を助けてあげてっ!」

 その後は宝貝を持ち逃げした闇側の弟子達を追跡し、各個撃破して目的の品を奪還すれば任務達成だ。

「あ、宝貝は破壊できるならしてもいいけど、下手すると周囲に甚大な被害を及ぼしかねないから取り扱い注意っ! 今回は壊さずに、パンダ仙人に届けてあげてねっ?」

 レモンの忠告を胸に刻みこんだ猟兵達は、いざ、新天地の封神武侠界へ旅立つ!


七転 十五起
 なぎてんはねおきです。
 幻想中華世界『封神武侠界』での冒険が今始まります!
 あとお察しの通り、 #猟兵の食欲全開シナリオ です。

●概要
 暗黒料理人のオブリビオンに、パンダ仙人が打ちのめされたところから開始します。
 猟兵達はパンダ仙人を救出し、暗黒料理人のオブリビオンを撃破して下さい。
 純粋に戦闘で圧倒しても勿論問題ありませんが、料理対決も挑めます。
 猟兵達が美味しい料理を作ると、出来具合によってオブリビオンが爆発します。
 パンダ仙人いわく、そういう原理の決闘らしいです。

 第二章以降の情報は、断章加筆時に公開します。
 お楽しみにっ!

 それでは、皆様のクッキングバトル的プレイングをお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『暗黒料理人』

POW   :    暗黒料理・天
【超暗黒料理人】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【ながらも食欲を掻き立てる暗黒料理】を放ち続ける。
SPD   :    暗黒料理・人
【暗黒料理によって完全に支配下に置いた者達】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    暗黒料理・地
【暗黒料理】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【から無限に食材が湧き出る環境に変え】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アルミィ・キングフィッシャーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

箒星・仄々
料理の暗黒面に魅入られたのですね
お可哀そうに

私はこう見えて
嘗ての依頼で魔力漢方を披露した身
薬膳料理で勝負です!(きりっ

仙界で材料集め
ランさんに乗って一っ飛び…雲も憧れますけれど
騎乗しながら竪琴爪弾き
仙界の気を借り受け魔力と為して練り上げます

帰還後
山芋やナツメ、鶏肉を
アルダワ製の万能蒸気鍋で煮込みます
リートを時計へ戻しタイマー代わりにセット

お鍋が完成までの間に魔力調理
杏仁と寒天を風で宙に浮かべたまま
炎で溶かし沸騰させて
水で覚まし
そっとお皿に乗せれば真ん丸の杏仁豆腐です
シロップをかけて

そして懐中時計から流れ込んだ魔力が
風炎水こと気血水を整える超薬膳スープの完成です

貴方の内から暗黒を祓います!


天・音
料理は人を幸せな気分にするものネ。
他人をいじめたら料理人の看板下ろすのがヨロシネ。

【アドリブOK】
料理勝負するなら負けてられないヨ。
ワタシのソデの中にはあらゆる料理を作り出せる調理具が揃ってるヨ。
ここにいる人すべての希望にお答えするネ。

注文をすべて聞いたらいざ、料理開始ヨ。
邪魔しようものならワタシのユーベルコードで
邪魔しようとするものを封じ込めてしまうネ。

さて、暗黒料理を食べたアナタ達にこの本当の極上料理を
腹がはち切れるほど食べさせてあげるネ。

料理は真心。心を込めて作った料理を食べれば
きっと正気に戻ってくれると思うヨ。


巨海・蔵人
「今回は新しく見つかった世界で暗黒料理と対決です。暗黒料理、虜になっちゃうくらいおいしいと噂、どうか負けないように応援お願いします、と」
出発前にプロジェクトディーバで、応援お願いして、暗黒料理との対決動画、配信開始するね。


暗黒料理は危ないみたいだからね、僕も本気モードでいくよ、
皆を庇えるように全部たべるよ。
ちゃんと残さず、おいしく頂かないと暗黒料理だってかわいそうだからね。

え?料理対決。
だ、大丈夫。僕もおいしい楽しいお料理動画やってるから、流行りのでとっくす?
暗黒料理に効くかはわからないけど、油っこそうだから、さっぱりした酢の物とか胃を休めるのに優しい味の茸雑炊とか用意するね。
パンダの画イイね



 猟兵達が封神武侠界へ転送されると、目の前には今にも力尽きそうなパンダ仙人が鍋の前でうずくまっていた。
「ハァ……ハァ……、宝貝がなくとも……私の特級料理人の誇りと仙術があれば……っ!」
 だが、パンダ仙人は立ち上がろうとして目眩を起こして身体が後ろへ倒れそうになる。
 そこへ、パンダ仙人を体全体でキャッチして支えたのは、黒猫ケットシーの箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)だった。
「よくぞ私達が来るまで耐え凌いで下さいました。あとは我々が暗黒料理人を打倒してみせましょう」
「ど、何処のどなたかは存ぜぬが、やむを得ないか……! 私の仇を……取ってくれ……!」
 箒星によって、地面に優しく寝転されたパンダ仙人が力尽き、深い眠りに就いてしまった。
 突如として乱入した猟兵達に、暗黒料理人が訝しがる。
「なんだ、貴様等はぁ! この暗黒料理仙拳の恐ろしさを理解できないようだな?」
 脅しているつもりなのだろう、鍋と包丁をガチガチぶつけて音を鳴らす暗黒料理人。
 しかし、箒星は臆せず、そのまま宣戦布告を言い放った。
「私はこう見えて、嘗ての依頼で魔力漢方を披露した身です。あなたは料理の暗黒面に魅入られたのですね。お可哀そうに。ここはひとつ、薬膳料理で勝負です!」
「ふぇっふぇっふぇっ! 片腹痛いわ! いいだろう、暗黒薬膳料理を披露し、貴様を屈服させてやる!」
 暗黒料理人は、既に調理済みの暗黒料理を箒星へ皿ごと投げ付けた。
 当然、料理を回避してみせる箒星。
 しかし、彼の背後に落ちた暗黒料理が、地形に作用して変化をもたらした。
「驚きました……あらゆる食材が無限に湧き出てきます!」
 これが暗黒料理人のユーベルコードのひとつ、『暗黒料理・地』!
「見よ! 我が料理が大地に堕ちた時、そこは様々な食材が湧き出る環境へ変化するのだ! 貴様へのハンデとして、その食材を使用する権利をくれてやる!」
「ありがとうございます。仙界中を飛び回らずに済みました」
 暗黒料理人の行為はフェアプレイ精神からか、それとも驕りからか。
 何れにせよ、これで猟兵達は好きな食材や調味料をすぐに入手できるようになった。

 かくして、暗黒料理人vs猟兵の料理バトルが幕開けした。
 この戦いに参戦するのは箒星だけではない。
 僵尸の超級料理人であり仙人でもある天・音(僵尸の超級料理人・f32729)も、この戦いに身を通じる猟兵のひとりだ。
「料理は人を幸せな気分にするものネ。他人をいじめたら料理人の看板下ろすのがヨロシネ。それに、料理勝負するなら負けてられないヨ!」
 今は僵尸の身だが、生前からの夢である料理人の夢を叶えた天の腕は、猟兵に覚醒するほどまで鍛え上げられている。
 天の言葉に、暗黒料理人はユーベルコードで答えを示した。
「それはまるで、吾輩の料理が人を苦しめているかに聞こえるがな? だが、実際は違う! いでよ! 暗黒料理に魅了されし者等よ!」
 暗黒料理人は、何処からともなく彼の料理によって支配された人々を呼び出した。
 彼らは何処か虚ろな表情でゾンビのように呻きながら暗黒料理人を取り囲んでゆく。
「あんこくりょーり、ばんざーい……!」
「あなたのりょうりはぁ、せんかいいちぃ……!」
 明らかに自我喪失寸前の彼らを見た天は、こうして入られないと臨戦態勢に移行した。
「ワタシのソデの中にはあらゆる料理を作り出せる調理具が揃ってるヨ。更に、ここにいる人すべての希望にお答えするネ」
 手帳とペンを片手に、呼び出された人々の希望の料理を聞き出しまくる天。
 その姿は誠実さと真心が滲み出ていた。

 そんな中、もうひとりの猟兵が調理の準備をしているのだが……?
「はいどうも、蔵人君チャンネルの蔵人君です」
 眉が大きく、ぼさぼさの髪の気弱そうな大男が、おっとりめにカメラの前で話しかけていた。
 巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)は今回の任務の内容を録画して、自分の拠点としているキマイラフューチャーで動画としてネットpにアップする腹づもりらしい。
 本来はユーベルコード『プロジェクトディーバ』を使おうかと考えていたが、グリモア猟兵からの忠告で止めざるを得なかった。
『ユーベルコードは事前に使用することは出来ないし、こっちが複数のユーベルコードを使うと敵がパワーアップするのでオススメできないよっ!』
 蔵人は今回が猟兵活動が初めてであり、まだ猟兵の基礎知識であり大前提が身についていなかったようだ。
 ということで、今回は調理中に使用するユーベルコード1つだけに絞り、生配信ではなく動画用の撮影ということで任務に望んでいる。
 蔵人は前口上を終えると、今回の動画の趣旨について話し始めた。
「今回は新しく見つかった世界で暗黒料理と対決です。暗黒料理、虜になっちゃうくらいおいしいと噂ですが、果たしてどんな味なんでしょうか? どうか負けないように応援とチャンネル登録、あとこの動画の高評価をお願いします」
 蔵人はまず、暗黒料理人が作り終えた料理を勝手に手を付け始めた。
「おい、こら! 何を勝手に食べ始めているのだ!?」
「え、だってフードファイトでしょ? それに料理は出来たてが美味しいし、暗黒料理だって同じかなって」
 蔵人はビクビクしながらも、暗黒料理人が作り終えた水餃子をバクバク食べていった。
「うーん、確かに美味しい。皮がモチモチで肉の餡から出る脂の旨味も濃厚。何だかクセになりそう。これは猟兵じゃなかったら心を奪われかねませんね」
 ちゃんと食レポしつつ、暗黒料理を次から次へと完食してゆく蔵人。
 これに驚いたのは暗黒料理人だ。
「き、貴様……! 我が料理を褒めながらも心が何故染まらない?」
「ちゃんと残さず、おいしく頂かないと暗黒料理だってかわいそうだからね」
 本心からの言葉であった。
 だが、これには他の猟兵達に暗黒料理を食べさせないと庇う、蔵人の優しさからの行動でもあった。
 さらにいえば、食べることでユーベルコードを発動させ、フルスペックモードに移行。
 いつでも料理以外の戦闘が発生しても対応できるようにスタンバイしているのだ。
 対して、褒められた暗黒料理人は嬉しさで顔がニンマリしている……!
「我が腕を褒め称えるとは目が高い! だが、料理対決なら料理で我輩を屈服させよ!」
「え? 料理? うーん、動画内で僕もおいしい楽しいお料理動画やってるから……だ、大丈夫、の、はず」
 自信なさげに蔵人は調理場へ向かってゆくのだった。

 そうこうしているうちに、まずは箒星の料理が完成した。
「蒸気魔法薬膳料理です。どうぞお召し上がり下さい」
 グツグツと煮え滾る鍋の中で、具材が踊るように煮込まれている。
「山芋やナツメ、鶏肉をアルダワ製の万能蒸気鍋で煮込みます。魔力を籠めて調理したこの鍋は風炎水こと気血水を整える超薬膳スープ。これで、あなたの暗黒面を体内から払ってみせましょう!」
 対して暗黒料理人の薬膳料理は、どう見ても火鍋であった。
「激辛こそ万病に効く料理! 発汗を促すことで新陳代謝を活性化させ、気血水を整える最強の鍋だ!」
 奇しくも鍋対決になった両者。
 互いの料理を口に運んだ、次の瞬間……!
「「グワーッ!?」」
 両者、身体が爆発!
 自分が負けたと思うと、料理バトルではダメージとして爆発が発生する!
 つまりこれは、相打ちだ!
「なんてことでしょう! 辛さだけではなく、旨味と酸味が入ることで味の奥深さが出て飽きが来ないです!」
「魔力による調理はよくわからんが、この料理が上手いことだけは分かる……!」
 両者、初戦からボロボロになる激しい競り合い!
 と、ここで箒星は追撃を仕掛ける。
「実は、杏仁豆腐もありますよ? 杏仁と寒天を風の魔法で宙に浮かべたまま炎の魔法で溶かし沸騰させて、水の魔法で熱を冷まして固めれば、真ん丸の杏仁豆腐です。シロップを掛けてお召し上がり下さい」
「うん、さっぱり分からん! だが美味そうだ。受けて立つ!」
 暗黒料理人が杏仁豆腐をぺろりと完食すると、突然、その身体が垂直へ打ち上がった!
「うーまーいーぞーぉ!」
 空中で花火の如く全身が爆ぜる暗黒料理人!
「ぐはッ! よく分からんが、なんてキメの細やかな杏仁豆腐なのだ!」
「続いてはワタシの番ネ? 良い飯は良い心、そして良いチカラになるネ。いっぱい食べるがヨロシヨ」
 天が作り上げたのは、本格中華料理のフルコース……満漢全席だ!
「さて、暗黒料理を食べたアナタ達に、この本当の極上料理を腹がはち切れるほど食べさせてあげるネ」
 天は暗黒料理の虜になった人々を救うべく、彼らにも己の料理を振る舞い始めた。
「料理は真心。心を込めて作った料理を食べれば、きっと正気に戻ってくれると思うヨ」
 そして彼女の料理を楽しまない者は、その動きが極端に鈍くなるユーベルコードが発動してしまう。
「うぅ~む~ま~いぃ!」
 暗黒料理人が超スローモーションで爆発していた。
 他にも、暗黒料理の虜となった人々が、何故か次々に自爆してゆくではないか!
「ちょっと待つネ!? なんで爆発する必要アルネ!?」
 天は目を見開いて驚愕してしまう。
 だが、今回の仙人同士の料理対決は、己の負けを認めると身体が爆発する謎仕様。
 爆発はするが、命を落とすのはオブリビオンだけらしい。
 その証拠に、正気に戻った人々は怪我ひとつなくピンシャンして元気そのものだ。
「こ、これが……猟兵の任務アルカ! ビックリしたヨ!」
 初回から濃い任務内容だと悟った彼女は、暗黒チャーハンを渋い顔で平らげていた。
 薄味だったらしい。爆発はしなかった。
 一方、蔵人はカメラを回しなら、他の猟兵達の料理対決をベストアングルで撮影中だ。
「あ、そろそろ僕の出番、かぁ……」
 自信なさげに調理場に立つ蔵人。
「う~ん、暗黒料理に効くかはわからないけど、中華料理って全般的に油っこそうだから、さっぱりした酢の物とか胃を休めるのに優しい味の茸雑炊とか用意するね」
 手早くシンプルに料理を進めてゆき、熱々のまま暗黒料理人の前に提供する蔵人。
「ど、どうぞ。召し上がれ。えぇと、流行りのでとっくす? ってこの世界じゃ聞いたことないか。要は毒気を抜く料理だよ。冷めないうちにどうぞ」
「ふん! 酢の物に雑炊だとぉ? 我輩は病人ではないぞ?」
 文句を言いながらも暗黒料理人は料理を無言で食べ進めてゆく。
 そして――。
「優しい味いいぃぃぃーッ!」
 派手な爆音を立てつつ、暗黒料理人は大爆発したのだった……。
「うーん、これは僕の勝ちってことでいいのかな? あ、見てみて? 寝転がってるパンダ仙人の画、カワイイね? 良くない?」
 勝負が終わると、自分の動画のために新世界のレヴューを始める蔵人であった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ビスマス・テルマール
【蒼脂双晶】
新世界でガチの料理アニメじみた体験する事になるとは

ネフラさんサポート宜し……チャイナ服似合いますね

●POW
事前に機材や料理の材料持参し
海産物以外の下処理はネフラさんに
お任せ

わたしは海産物を『切り込み&なぎ払い』各種捌き

中華味噌と白味噌と薬味でそれぞれ
鯵、秋刀魚、鮭、鮪、海老、蟹、甘海老のなめろうを『料理』し

その他

下拵えして貰った野菜やキノコも加え『パフォーマンス』しつつ『早業』で
火を使う所は『属性攻撃(火&油)』も併用しUC調理

鮭のなめろうチャーハン
鯵のなめろう餃子
甘海老や鮭のなめろう春巻き
秋刀魚の房総揚げ
鯵のさんが焼き
なめろう丼等々を作り
相手に料理勝負

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


ネフラ・ノーヴァ
【蒼脂双晶】
アドリブ共闘OK

たまには中華の味も楽しみたいと思ってね。形から入ったほうが良いかな?白いチャイナドレスを着ようか。
材料を切るくらいはするので宜しく頼むよビスマス殿。

野菜などを見切りでより美味い部分に選別しながら切っていく。キノコを串刺しにする感触は楽しいと思わないか?などと興に入ったり。
そうだ、UDCアースから美味い日本酒を持ってきていてね。氷温熟成純米大吟醸のお高いものだとか、これを振る舞ってしまおう。

暗黒料理人の皿もなるほど美味い。しかしこちらの料理もなかなかのもの。さあ、ひと泡吹くが良い。

もし奴が料理以外の攻撃を仕掛けてくるならUC葬送黒血で対抗、燃やして料理してやろう。



「料理といえば、わたしの出番ですね」
 自信満々で暗黒料理人の前に進み出たるは、クリスタリアンの少女ことビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)である。
「しかし、新世界でガチの料理アニメじみた体験する事になるとは……。ネフラさん、今回はサポート宜し……」
 同行者のネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)をみやったビスマスは、思わず言葉を失った。
「ふむ? どうしたのかな、ビスマス殿?」
 ネフラは白地に金糸刺繍が眩しいチャイナドレスをいつの間にか着ていた。
 ビスマスは目をパチクリさせながら尋ねた。
「チャイナドレス、似合いますね。てか、何処で着替えたんです?」
「細かいことは気にしては駄目だ。それよりも、たまには中華の味も楽しみたいと思ってね。今回の依頼同行もそれが理由だ。ならば形から入ったほうが良いかな、と思い立ち、こうして白いチャイナドレスを着込んでの参戦というわけだ」
「なるほど……気合が入ってますね……!」
 ビスマスは納得した。
「それでは、早速、下ごしらえから始めましょう。ネフラさん、海産物はわたしが担当しますので、野菜をお願いできますか?」
「ああ、材料を切るくらいはするので。宜しく頼むよ、ビスマス殿」
「ふぇっふぇっふぇっ! 凡人共は料理に時間が掛かりすぎる! 吾輩の腕に掛かれば、その程度、ユーベルコードで30秒で終わるわい!」
 暗黒料理人は上から目線で威圧してくるが、2人はどこ吹く風の様子。
 ビスマスは海産物を、ネフラは野菜を包丁で丁寧に下拵え。
「キノコを串刺しにする感触は楽しいと思わないか?」
 ネフラはシイタケの傘を包丁の切っ先で刺突しながら悦に浸っている。
 ビスマスは鯵、秋刀魚、鮭、鮪、海老、蟹、甘海老といった様々な海産物を中華味噌と白味噌と薬味でそれぞれ叩いて合えてゆく。
 これは……!
「わたしといえば、勿論なめろうです!」
 ビスマスのソウルフードといえば、なめろうである。
 そして、このなめろうが奇跡を起こす!
「ネフラさん、下拵え、ありがとうございました」
「なに、こういう時間もわるくはない。そうだ、UDCアースから美味い日本酒を持ってきていてね。氷温熟成純米大吟醸のお高いものだとか、これを振る舞ってしまおう」
「私は飲めませんけど……料理に使えそうですね!」
 ビスマスはおもむろになめろう各種を手に取ると、精神統一を開始。
「なめろうの可能性は無限大です、それを今……この場で振るいますね」
 カッとビスマスの目が見開かれたかと思えば、超高速で調理を始めたではないか。
 この光景に、暗黒料理人が驚愕!
「馬鹿な! あれは特級料理人しか使えないはずのユーベルコード! 貴様、さては特級料理人か!」
 暗黒料理人の問いに、ビスマスは即答した。
「バレてしまいましたか。そうです、通りすがりの猟兵にして特級料理人です。覚えておいて下さい!」
 ドンッ!と一斉に卓上へ料理が出揃う。
 鮭のなめろうチャーハン!
 鯵のなめろう餃子!
 甘海老や鮭のなめろう春巻き!
 秋刀魚の房総揚げ!
 鯵のさんが焼き!
 なめろう丼、等々!
 たった10秒でなめろうアレンジ料理のフルコースが完成した。
「これが……『世界的沖膾全席(グローバルナメロウフルコース)』です。さあ、召し上がれ!」
「くう! なんて食欲をそそる香りだ! ならばこっちも食してみよ!」
 暗黒料理人は何故かマッハで飛び回りながら、たちまち料理を完成させていった。
「喰らえ! 暗黒かた焼きそば!」
 真っ黒な餡が掛かったかた焼きそばの皿がネフラ目掛けて投げ付けられてきた。
 ネフラはそれをキャッチすると、そのまま平然と食し始めた。
「ふむ、なるほど。確かに暗黒料理もなかなか美味い。しかし、ビスマス殿の魂の料理には到底及ばないね?」
「なにィッ? 一口食べれば魅了されるはずの暗黒料理が通じない!?」
 再び驚愕する暗黒料理人。
「さあ、これらを食べてひと泡吹くが良い」
 ネフラはビスマスの作った料理を暗黒料理人へ突き出す。
 ならばと、暗黒料理人は差し出されたフルコースに手を伸ばした。
 次の瞬間、オブリビオンに電流が走る……っ!
「こ、これは……! 生のなめろうも味噌の風味と海鮮の旨味が調和しているのは当然のこと、揚げたり焼いたりすることで、食感が変化して違う顔を見せてくれるのか! なんという万能感ッ! これは、これは……!」
 暗黒料理人の身体が、不意に空中へロケットのように飛び上がる!
「うぅぅまァァァいィィッ!」
 負けを認めた暗黒料理人の身が、大輪の花のごとく盛大に爆ぜた。
「たぁまや~ってね? しかしまだ火力が足りないのでは? 私から弔いをくれてやろう。何、遠慮はいらない」
 指先を包丁でざっくり切り裂いたネフラは、溢れる『黒い血』を空中に放った。
 それは漆黒の炎となって空を焼き、暗黒料理人を盛大に焼き焦がしていったのだった……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミフェット・マザーグース
ティエル(f01244)と一緒に助けに来たよ
りょ、料理でけっとう? クッキングバトル? おいししさたいけつ?
パンダ仙人がぜったいぜつめいで、しゅういにじんだいなひがい!?

ミフェットは、戦いはイヤだから、料理対決でいいなら、料理対決したいけど
ホントに料理対決? だれが食べて、なにを対決するの……かな?

不安しかないけど、料理対決してみるよ! ミフェットが作るのはパンケーキ!

UC【一人ぼっちの影あそびの歌】
ユーベルコードでズルをするならミフェットも応えるよ

♪でてくるでてくる おいしい食材
でてくるスピードはやすぎて 料理をする手がまにあわない!
でてくるりょうがおおすぎて カミもつかってドンドン料理!


ティエル・ティエリエル
ミフェット(f09867)とパンダさんを助けに来たよ!!
お料理勝負だって!ミフェットのパンケーキ力(ちから)を見せつける時だよ♪

フレーフレーと応援しながら、最後にミフェットが焼いたパンケーキに
お気に入りのハチミツをたっぷりと掛けて完成だ☆
料理対決なら審査員も必要だよね♪ボクが食べてあげるよ!

ようし、まずは暗黒料理人の中華饅頭からだ!
むぅ、悪くはないけど甘さが足りないね♪
その点、ミフェットのパンケーキは自然豊かな甘さが口いっぱいに広がって究極のパンケーキになってるよ☆
うまいぞーと口からビームじゃなくて、レイピアから【お姫様ビーム】もどかーんと発射しちゃうね♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 料理バトルは、普段、戦闘が苦手な猟兵でも参戦しやすいという利点がある。
 しかし、突飛な内容に最初から理解が追い付くとは限らない。
「りょ、料理でけっとう? クッキングバトル? おいししさたいけつ? パンダ仙人がぜったいぜつめいで、しゅういにじんだいなひがい!?」
 金色の目をぐるぐる回すミフェット・マザーグース(沼の歌声・f09867)は、情報量の多さに困惑していた。
「ミフェットは、戦いはイヤだから、料理対決でいいなら、料理対決したいけど。ホントに料理対決? だれが食べて、なにを対決するの……かな?」
「ダイジョーブ♪ さっき、暗黒料理人が花火みたいに打ち上がってたよ☆ 互いの料理を食べて、負けを認めなければいいんだよ!」
 今回、アシスタントとして同行するティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)がミフェットを励ます。
「むむむ! これはミフェットのパンケーキ力(ちから)を見せつける時だよ♪」
「え、ええ!? 不安しかないけど、わかった、料理対決してみるよ! だってパンケーキなら、ミフェット、だれにもまけないよ!」
 むんっと気合を入れたミフェット。
 彼女はこう見えて、とある喫茶店で接客を行っており、彼女の作るパンケーキは常連客に大人気なのだ。
 対して、暗黒料理人は自分の周囲を『全ての食材が無限に湧き出る環境』に作り変え、豊富な物量で料理を次から次へと作り上げてゆく。
 これにミフェットは頬を膨らませて抗議した。
「あー! ずるっこ! ユーベルコードでそっちがずるっこするなら、ミフェットだってやるよ!」
「ふぇっふぇっふぇっふぇっ! 力づくで解決するつもりか? よかろう!」
 暗黒料理人は攻撃に備えて身構えた。
 だが、飛んできたのは武器ではなく歌声だった。

 ♪でてくるでてくる おいしい食材
 ♪でてくるスピードはやすぎて 料理をする手がまにあわない!
 ♪でてくるりょうがおおすぎて カミもつかってドンドン料理!
 ♪ミフェットのパンケーキはとってもすぺしゃる!
 ♪ひっさつ! 9だんかさねのフルーツましましクリームかためだー!

 ミフェットの歌声はユーベルコード『一人ぼっちの影あそびの歌』となって、暗黒料理人のユーベルコードを模した効果を発揮!
 それどころか、周囲が同じ効果のユーベルコードとせめぎ合い、徐々に打ち消されてゆくではないか!
「そんな! こんな子供の歌声に吾輩の暗黒料理のパワーが負けるのか!」
「ふふーん! ミフェットのお歌のパワーを見たかー! えっへん☆」
「もー、なんでティエルがとくいげなのー?」
 キャッキャと2人はじゃれ合いながら、パンケーキ作りは進んでゆく。
 ミフェットの触手のような髪がフライパンを左右に持つことで、9枚同時にパンケーキを焼けるのだ。
 勿論、器用に全てをひっくり返し、よく両面に火を通したら、自分の両腕でパンケーキを重ねている間に右側の触手で生クリームを固めに泡立ててゆく。左の触手ではフルーツをカット。
 ひとり3役を同時にこなすミフェットに、ティエルの応援の熱がこもる。
「フレー! フレー! ミーフェット! フレー! フレー! パンケーキ!」
 和気あいあいと調理する猟兵側の様子に、暗黒料理人もはたと考え込む。
「ううむ、相手は子供。ならば菓子を作って懐柔させる手もあるな?」
 手持ちの材料を無駄なく調理してゆく暗黒料理人。
 しばらくして、両者の自慢の一皿が完成した。
「できたよ! ミフェットとくせいの、パンケーキマウンテン、フルーツましましクリームかため!」
 9段重ねのパンケーキは、固めの生クリームがしっかり土台となって支えることで直立を維持している芸術品だ。
 フルーツというアクセサリーを身に纏った全容は、まるで高貴な令嬢の如き綺羅びやかさを誇る。
 対して、暗黒料理人は飲茶セットだ。
 定番の桃饅頭に甘い焼き菓子など、子供受けしそうな茶請けが勢揃いしている。
「料理対決なら審査員も必要だよね♪ ボクが食べてあげるよ!」
 そういって、有無を言わさずに桃饅頭へ飛び付くティエル。
 フェアリーの身体では、人間の一口サイズが自分の顔の大きさと同じくらいのサイズ感になってしまう。
「ようし、まずは暗黒料理人の中華饅頭からだ! あむっ! ……むぅ、悪くはないけど甘さが足りないね♪」
「なにっ? もっと甘さを求めるのか! だがこれ以上はお茶との相性が……」
「甘ければ甘いほどいいに決まってるんだよ☆ その点、ミフェットのパンケーキはパーフェクト♪ いつもの喫茶店で出されるパンケーキの味だー!」
 生クリームに顔を突っ込んで食らいつくティエルは、心底美味しそうにパンケーキを食べ始める。
 暗黒料理人も上の段からそっと一枚取り分けると、恐る恐る口に運ぶ。
「……ハッ! あ、危なかった! また爆発しかけたが、なんとか耐えきってみせたぞ……! これは危なかった……!」
 肩で息を切る暗黒料理人に、ティエルが悪魔の誘惑を迫る。
「もっと美味しくなる方法があるよ? そ・れ・は! このボクお気に入りのみかんの花の蜂蜜!」
 トロォ~リと柑橘香る蜂蜜をパンケーキに垂らして食して、ようやくミフェットのパンケーキは究極形態へと昇華するのだ!
「う~ん♪ これこれっ! ミフェットのパンケーキは自然豊かな甘さが口いっぱいに広がって、まさに究極のパンケーキになってるよ☆」
「う、ううううぅッ!」
 暗黒料理人が振るえている!
 必死に爆発しまいと堪えているのだ!
 だからティエルが、その背中を“後押し”する。
「もー強情だね? だったらボクが代弁するよ☆」
 むむむーっと気合を入れ直したティエルが、目をカッと見開いて叫んだ。
「ミフェットのパンケーキ、すっごく美味しいぞぉーっ!」
 テンション爆アゲのティエルに異変が起きる!
 ペカーッと両眼からユーベルコードのお姫様ビームを照射してみせたのだ!
「ええーっ!? ミフェットのパンケーキって、目からビームだせるんだ!」
 作った本人もこれにはビックリ!
 そして、ビームを浴びた暗黒料理人が一番驚いていた。
「どんな原理だそれーっ!?」
 ちゅどーんっ!とド派手に爆音を立てながら、暗黒料理人の体が盛大に炎を撒き散らすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
神機
UCひっそり発動

今回は料理勝負か!
美味しいご飯が食べれるのはいい事だがそれで人を傷つけていいわけないぞ!

ってヘカテ…?(魔力を同調させろと言われてしたのに何故か子猫がいなくてあれれ?

ってぬあああ!?こしょばいぃ!

「何をしてますかこの腐れ神機ぃっ!」(そしてメルシーに襲い掛かる黒髪美少女!暴行手段はお任せ!

へ…ヘカテなのか…!?


よしヘカテ!火力調整手伝ってくれ!
【料理】
まず
味噌焼きおにぎり(けんさん焼き・弁慶焼き
蟹料理
蟹味噌鍋
ソフトシェルクラブ
蟹炒飯
を作るぞ!
火加減はヘカテにお願いだ

というか…一応おれは料理はそれなりにできるんだからなヘカテ?

因みに暗黒料理も美味しく食べるぞ

いただきます!


カシム・ディーン
神機

UC即発動

美味しいご飯食べれるらしいからお腹空かせ

「うん!今のメルシーのマイブームは美少女吸いだよ!」(テラ吸い炸裂!

お前馬鹿なの!?

(尚、ヘカテのお仕置きは喰らうっぽい

さて…僕はあんまり料理自信はありません

「でもご主人サマ割とグルメだよね?」
そりゃ不味いのより美味しいのが好きですし


「折角なら作ろうよー」
しょうがねーな
【料理・属性攻撃】
なら…ドラゴンステーキ(塩胡椒で味付け)
牛丼(牛肉をバターと醤油で味付けして焼いてご飯に乗せ
を提供します
お肉は善い物を選び火力調整
焼き加減も調節

【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の動きと癖の把握

【念動力・二回攻撃・盗み攻撃・切断】
念動光弾と
連続斬撃の連携



「美味しい料理を食べられるって聞いてきました。早く作れよ」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は転送されてくるやいなや、暗黒料理人の前で皿を箸でちんどん鳴らし始めた。
 暗黒料理人は初っ端からカオス開幕で混乱している!
「メルシー、お前も腹減っただろ? って、なにしてるんです?」
 見れば、相棒のへんてこキャバリア(少女形態)が、同行するテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の黒髪に顔をうずめて深呼吸をしていた。
「うん! 今のメルシーのマイブームで主食はね? 美少女吸いだよ! すーはーすーはー!」
「お前馬鹿なの!?」
 すかさずカシムはメルシーの背中をドロップキック!
 だが鋼の意志を発揮するメルシーはテラを離そうとしない。
「無駄にキャバリアの耐久度をここで発揮すんな馬鹿!」
「ってぬあああ!? こしょばいぃ! 誰か助けてぇっ! ヘカテ、ヘカテはどこだ! 魔力同調しているはずなのに、姿がない……!」
 まさか味方によって絶望させられるとは思ってなかったテラ。
 そこへ、黒髪の少女が駆け寄ってきた。
「何をしてますかこの腐れ神機ぃっ!」
 右ストレートからの足払いで空中へ浮かせて、からのグラップルで更に空中へ浮かせてからの対空ハメ技コンボ!
「しゃがみ弱キックからの中威力の投げ技、そして対空宙に超必殺技へ繋ぐんですね理解ります」
 カシムの解説が光る。
 案の定、壁ハメでエアリアル技が直撃したメルシーは、某超人プロレスラーの必殺技がごとく逆さまになって頭を地面に減り込ませていた。
「へ、ヘカテなのか……!?」
「ええ、この馬鹿と哀れなモルスが人型になったことの影響で、私もこの姿になってしまったようです……」
 くッと唇を噛みしめる元キャバリア。
 その顔立ちは絶世の美少女であった。
「とにかく、ここは料理で敵を圧倒しましょう、テラ!」
「そ、そうだな! 今回は料理勝負だったな! 美味しいご飯が食べれるのはいい事だが、それで人を傷つけていいわけないぞ! 覚悟しろ、暗黒料理人!」
 ようやく流れを修正したテラは、調理場へと向かっていった。
 一方、メルシーの様子を見守るカシム。
「おーい、大丈夫か? 僕、料理得意じゃないのでお前の力を借りたいんだが?」
「え、本当っ? ご主人サマ、グルメだもんねっ? よーし、メルシー頑張っちゃうゾ☆」
 主のオーダーにはしゃぐメルシー。
 だが減り込んだ頭をブチッと引きちぎって、股から顔を再生させたり手足をうねうねと作り変える様は、こいつが賢者の石で出来たスライムなんだなぁと思い知らされるカシムであった。

「ヘカテ、火加減は頼む! どんどん作ってゆくぞ!」
「はい! さすがテラです、手際が良いです!」
 食材はカニを選んだ。カニ三昧だ。
「蟹の味噌焼きおにぎりに蟹料理、蟹味噌鍋、ソフトシェルクラブ、それに蟹炒飯か。大したものだな?」
 暗黒料理人も唸る品数と手際の良さであった。
 その頃、カシムとメルシーはというと?
「肉を焼くって、男の子だよね♪」
「まぁ、僕にはこれが限界なんですよね……」
 アックス&ウィザーズ産のドラゴン肉を鉄板でジュージュー焼いていた。
 焼き肉だって立派な料理だ、とカシムは言い張っている。
「あ、メルシー、米は炊けたか?」
「うんっ! メルシーのお腹の炉の中でホクホクに♪」
「お前、なんちゅーとこで炊いてんだ! また宝物を取り出すときみたいな真似はやめろよ!? さすがの僕ぼあれは引いたぞ!」
「ちぇーっ!」
 今日のメルシーは暴投気味であった。
 暗黒料理人も相手のレベルを見てか、町中華のメニューのようなオーソドックスなもので対抗してきた。

 その後、何故か両陣営はフツーに料理を食べてほっこりしていた。
 爆発は両陣営せず、つまり実力は拮抗していた。
「悪くなかったぞ! 暗黒料理!」
「今回は引き分けですか」
「猟兵の料理もやるじゃないか!」
 両者に奇妙な友情が生まれたとか、生まれなかったとか……?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミリィ・ライジング
【ライジング兄妹】

そこまでだよ!
そこの料理人、私と【料理】で勝負しなさい!

調理前に台所や食材などを【掃除】。
美味しい料理を作る為に衛生面は大切だからね。

長ネギと解したカニの身を炒め、味を調えたら、一旦お皿に。
卵黄と卵白を分けて、卵白はメレンゲ状に仕上げる。
「ちょっと変わったカニ玉を作ろうと思ってね」

フライパンに味付けしたメレンゲと卵黄を混ぜ合わせた物を流し入れて、
形を丸く整える。

先ほどの炒め物と隠し味を散らして、弱火で蒸し焼きに。
隠し味の蒸し餅は【目立たない】様に入れておくよ。

焼けたら玉子を折って、
仕上げにエビチリ用ソースを掛けて、出来あがり。

「オムレツじゃないよ? ちゃんとしたカニ玉だから」


ビリー・ライジング
【ライジング兄妹】

ミリィは料理で対抗するつもりなら、
俺は戦闘で足止めしておくか。

UCを【高速詠唱】して、騎士たちを召喚。
召喚した騎士たちはパンダ仙人を【かばう・盾受け・武器受け】で、
守るように指示をする。

俺は【存在感・大声・挑発・恐怖を与える】で、敵の気を誘導させる。
「来いよ、料理人。それとも俺が怖いのか?」

攻撃を【読心術・瞬間思考力・第六感・見切り】を活かして、回避。
そこから敵に動かれる前に【先制攻撃・武器落とし】で武器を弾き飛ばし、
【2回攻撃・吹き飛ばし】で蹴り飛ばす!
「ミリィと仙人に近付くんじゃねぇ!」



 金の髪と赤い瞳の二卵性双生児であるライジング兄妹は、満身創痍の暗黒料理人を前に身構えた。
「そこまでだよ! そこの料理人、私と料理で勝負しなさい!」
 妹のミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)が、暗黒料理人に指を突き付けて宣言した。
 これに暗黒料理人は首を縦に振った。
「くっ……! ここまで苦戦を強いられてきたが、今回こそは吾輩が勝ってみせる!」
「よく言うぜ。ボロボロの状態でな?」
 敵の強がりを兄のビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)が見抜く。
「念の為だ。ミリィは料理で対抗するつもりなら、俺は戦闘で足止めしておくか」
 ビリーはすかさずユーベルコード『不屈の疾風(キングダムブルー)』を行使した。
「荒れろ疾風。不屈の騎士よ、守護を命ずる!」
 すると、ビリーの周囲に96人の騎士が召喚された。
「ミリィと仙人の護衛を頼む!」
 召喚された騎士達は無言で盾を掲げ、パンダ仙人とミリィを守る肉の壁を形成してゆく。
 一方、ミリィは丹念に調理器具や調理場の清掃を念入りに進めていた。
「美味しい料理を作る為に衛生面は大切だからね。消毒よし、ゴム手袋よし、マスクよし!」
 完全装備のミリィは、ようやく調理に移行した。
 トントントンとリズミカルにネギを刻む音が戦場に響く。
「ビリー、手が空いてるなら蟹を茹でて身をほじってよ?」
「けど、戦闘が……」
 ビリーは暗黒料理人がいつ襲い掛かってこないか気が気でない様子。
 だが、ミリィはニッコリ笑顔のまま、蟹をビリーに差し出して鍋へ視線を向けていた。
「大丈夫よ。暗黒料理人だって必死に調理中だもの。それにこの騎士の守りを突破できるとは思えないわ」
「そういうことなら……」
 可愛い妹の頼みを無碍に断る理由など、兄には皆目存在しない。
 ビリーは熱湯から飛び出そうとする蟹と格闘しながら、どうにか剥き身を用意することが出来た。
「ほら、出来たぞ。何を作る気なんだ?」
「ちょっと変わったカニ玉を作ろうと思ってね」
 ミリィは丁寧に卵黄と卵白を分けた後、卵白でメレンゲを作るべく撹拌し続けている。
 ふんわり真っ白なメレンゲを作ると、今度はフライパンに味付けしたメレンゲと卵黄を混ぜ合わせた物を流し入れて、形を丸く整えてゆく。
 そこへ先ほどの炒め物と隠し味を散らして、弱火で蒸し焼きにするのだ。
「隠し味て、これ、切り餅を賽の目状に刻んだやつじゃねぇか」
「それを蒸したやつなの。もう、ネタバレは禁止! 隠し味なんだから秘密にしなきゃ駄目なの」
 妹に諭され、今度こそ完全に手が空いた兄。
「……本当に料理で勝負するつもりなのか」
 不意打ちで襲ってくるかと思っていたのだが、暗黒料理人は己の暗黒料理に強いこだわりがあるようだ。
 故に、それ以外の攻撃を仕掛けるつもりがないのが、ビリーにありありと伝わってきた。
 と、ここでミリィが仕上げに入る。
「焼けたふっくら卵を二つ折りにして、仕上げにエビチリ用ソースを掛けて、出来あがり!」
 出来上がった一皿に、暗黒料理人が感心の言葉を漏らした。
「ふむ、オムレツか。シンプルながらも調理者の腕が直に反映される一皿で勝負とは潔い!」
「えっと、オムレツじゃないよ? ちゃんとしたカニ玉だから。そっちは何を作ったの?」
 ミリィの視線の先には、巨大な肉の塊が皿の上に鎮座しているのが見て取れた。
 暗黒料理人がニタリと微笑む。
「これぞ、究極の小豚の丸焼きである! 鳴き声以外は全て食べられるように調理したのだ! ふぇっふぇっふぇっふぇ! これぞ我が全力の一皿!」
「なんて料理だ、見ているだけで俺の腹が鳴ってきたぜ……!」
 ビリーが生唾を飲み込んで耐え凌いでいる。
 早速、互いの料理を実食するミリィと暗黒料理人。
「うん、ジューシーな肉汁を中に閉じ込めて焼いてるから、表面はパリパリなのに中はしっとり柔らか! 確かにすごい料理の手腕ね?」
 でも、と付け加える。
「私の勝ちよ!」
「グワーッ!」
 暗黒料理人の身体が盛大に爆ぜた!
「この玉子のふわふわ加減に絡まるモチモチ食感! 蟹の旨味もしっかり活かされている! なんて幸福感溢れる料理……! 吾輩の料理にない要素が、ここに……!」
 遂に暗黒料理人が膝を付いた!
「ぎぎぎ……っ! かくなる上は、やはり力づくで!」
「へぇ? ようやく俺の出番か?」
 ルーンレイピアを鞘から抜き払い、剣呑に低く身構えるビリー。
 一方、暗黒料理人は立っているのがやっとの状態。
 勝敗は目に見えていた。
「どうした? 来いよ、料理人。それとも俺が怖いのか?」
「ああ、怖いよ。吾輩の料理が通用しない奴ほど怖いものはない! 故に!」
 暗黒料理人はミリィの方へ飛びかかる!
「貴様ではなく女を始末するッ!」
「てめぇ! ミリィと仙人に近付くんじゃねぇ!」
 騎士達へ目配せをして、その盾で包丁の一撃を受け止めさせる。
 そこから敵に動かれる前に、ビリーは己の剣で暗黒料理人の右腕を刺し貫けば、激痛で思わず暗黒料理人は包丁を地面に落とした。
 更にビリーの回し蹴りが、暗黒料理人の頚椎へクリーンヒット!
 ゴリッという感触が足の甲から伝わってきた。
 痛烈な延髄蹴りが直撃した暗黒料理人は、そのままあっけなく仰向けに卒倒すると、しばらくして息絶えてゆく。
「ふぇっ、ふぇっふぇっ、ふぇ……! 今ご……宝貝は……きさま、らの……手の届かぬ、場所まで……逃げおおせた、ろうよ……」
 この言葉にビリーは舌打ちをした。
「こいつ、時間稼ぎが目的だったのか! 自分の弟子が十分な逃走距離を稼げるだけの時間を!」
 事切れて身体が霞となって消失してゆく暗黒料理人。
 料理勝負には勝ったが、最初から戦略的には暗黒料理人のほうが上手だったと、猟兵達とパンダ仙人は思い知ったのだった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『市中追跡行』

POW   :    豪快に追いかけるぜ!

SPD   :    軽快に走るよ!

WIZ   :    痛快に決めてやる!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 事態は想定よりも悪化していた。
 師である暗黒料理人が、宝貝を盗んだ弟子の逃走のために足止めをしていた。
 今頃、逃げた弟子は数十里先まで逃げ果せただろう。

 しかし、パンダ仙人は諦めていない。
「宝貝がなくとも、我が生涯かけて編み出した満漢全席曼荼羅闘法で調理した一皿を食べれば、ひと駆け千里は余裕で走れる! さあ、好きな料理をいくらでも作ってあげよう! 遠慮せずに言ってくれ!」
 猟兵達は思わぬごちそうに歓喜した。

 更にパンダ仙人いわく、盗まれた宝貝『虹色お料理道具セット』には“所持者の料理をしたい欲求を刺激する”弊害があるらしい。
 つまり、逃げた弟子達は道中、何かしら料理を振るまわざるを得なくなる!
 この情報を辿れば、暗黒料理人が漏らした『合流地点』とやらが何処か分かるはずだ。

 やるべきことは決まった。
 ならばまず、目の前の究極の一皿を戴くとしようか。
ネフラ・ノーヴァ
【蒼脂双晶】 アドリブ、共闘OK

うむ、パンダ殿には飲茶セットをお願いしよう。そうだ、翡翠餃子と桃饅も是非。お茶で喉を潤せばいざ追跡へ。

WIZ
チャイナドレスの上にストレリチア・プラチナで白金の甲冑を纏えばビスマス殿と共に低空を飛ぶ。弟子とはいえ料理人、道中で作られる料理はさぞ美味しそうなにおいを漂わせているだろう。追跡、情報収集を駆使し地形を併せて辿っていけば見つけられるはず。

おや、残された料理か、あまり辛くないものであれば味見程度に食べてみるかな。


ビスマス・テルマール
【蒼脂双晶】
事は一刻を争うでしょうし
その事を踏まえて飲茶セットを
パンダさんにお願いします

究極の域まで行く
飲茶と言うのにも興味ありますし

●POW
わたしとネフラさんに『属性攻撃(匂い探知機)』込めた『オーラ防御』を『範囲攻撃』で付与

トリニティ・ナメローズマバアで
『早業』で三色の鎧装を纏い
暗黒料理人の弟子達が残した
料理の匂いと料理を追跡基準と
する為に低空『空中戦』で

ネフラさんも飛行系を使うでしょうし
スピードを彼女に合わせ『第六感』も駆使し『情報収集』しつつ追跡

万が一残された料理を食べなきゃ
ならないなら食べますが

でなければ

味に興味ありますし
追跡の邪魔にならない程度に
頂きます

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎


箒星・仄々
人界仙界を滅ぼされて堪るものですか
弟子さんたちを捕まえましょう

パンダさんのお料理をいただいて…
とっても美味しいですね!
携帯用に肉まんもいただきますね

折角ですので
驚異の速度で駆けるのを楽しみます
これが神足通なのでしょうか

まずは一番近い村か町へ向かい
竪琴を奏でながら
料理をふるうさすらいの料理人たちの噂を聞き込みます
ご存じありませんか?
動物さん達にも尋ねます

風の魔力で
遠方の噂話や美味しい料理の香りを運んでもらうことも
試みます

手がかりがない場合は
肉まんぱくりで駆けて次に近い町村へ

是を繰り返し
噂を聞きこんだり手がかりを得たら
その方角へ進み
徐々に行先を絞り込んでいきます



 料理対決では勝利を収めた猟兵達だったが、全ては暗黒料理人の思惑の中だった。
 ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は状況判断で事の急性さを受け止めていた。
「事は一刻を争うでしょう。その事を踏まえて、パンダさんには飲茶セットをお願いします」
「うむ、私もビスマス殿と同意見だ。パンダ殿には飲茶セットをお願いしよう。そうだ、翡翠餃子と桃饅も是非」
 ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)も凛とした所作でパンダ仙人へ申し出た。
 これにパンダ仙人はすぐさま準備に取り掛かる。
「謝謝! 特級料理人の凄腕を披露してご覧入れよう! そこの黒猫君は何が良い?」
 注文を聞かれた箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、逡巡後にビスマスとネフラの顔を見て答えた。
「私も同じものをお願いします。人界仙界を滅ぼされて堪るものですか。早く力をつけて、弟子さんたちを捕まえましょう」
「ありがとう、その意気に答えられるような上手い飲茶セットを作るから、10秒待ってくれ」
 特級料理人のユーベルコード『ウォー・アイ・満漢全席!』は、たった10秒で料理を完成させる驚愕の効果を持つ。
 パンダ仙人は猟兵ではないため、猟兵の特級料理人よりかは品数がかなり劣るも、味は全く引けを取らない。
「お待ちどうさま! 温かい烏龍茶に肉まん、リクエストされた翡翠餃子と桃饅、そして海鮮春巻きだ!」
「ほう、これは彩鮮やかで目にも楽しいな」
 出来上がった料理にネフラは文字通り目を見張った。
「たった10秒で茹で作業や焼き作業をこなしてしまうのは、ユーベルコードならではですね」
 ビスマスも同じ特級料理人として、パンダ仙人の料理に興味津々の様子。
「では、早速いただきましょうか~」
 箒星が海鮮春巻をフーフーと息を吹きかけて冷ました後、一口パクリと喰らいついた。
 すると突如、箒星の全身の黒毛が逆立ったではないか!
「これは美味しいです! 思わずビックリしてしまいました!」
「毛が逆立つほどの美味さ!? ネフラさん、私達も!」
「ああ、これは期待できそうだな」
 ビスマスとネフラは、熱々の翡翠餃子と桃饅を頬張った。
 途端、2人の身体が128色のグラデーションで発光!
「な……ッ! 美味い、美味すぎるっ! この羊脂玉の身体がゲーミング羊脂玉になってしまうほどの衝撃ッ!」
「これが本場の特級料理人の味ですか!」
「時間は惜しいですが、これを残すのも忍びないです! 完食してから追跡しましょう!」
 箒星も黒猫から128色猫になったまま、ネフラとビスマスと一緒に飲茶セットを完食していった。

「ごちそうさまでした。不思議と身体が軽くなりました! あ、携帯用に肉まんを持っていかせていただきますね」
 発光が収まった箒星は、まるで生まれ変わったかのごとく毛並みがピカピカになっていた。
 身体の疲労感もさっぱりと消え去り、体の奥から活力がとめどなく湧き出している。
 それはビスマスもネフラも同様で、凄まじい覇気を互いに放っていた。
「では行きましょう、ネフラさん。盗人は宝貝の影響で無性に料理をしたくなるのなら、意外とまだ遠くへ行っていない可能性がありますよ」
「良い着眼点だ、ビスマス殿。弟子とはいえ料理人、道中で作られる料理はさぞ美味しそうなにおいを漂わせているだろうからな? 仄々殿はどうする?」
 ネフラの問いに、箒星は麓の集落へ指差していた。
「料理を振る舞うのなら、第三者に振る舞うのが自然でしょう。自分で食べるにも限界がありますので。だとすれば、ここから一番近いあの集落へ向かったのではないでしょうか?」
「ふむ、なるほど。仄々殿の慧眼に感服だな。では、まずは集落で情報収集をしようか」
 こうして3人は山を降り、麓の集落へ急行する。
 その道中で3人は料理の効果を実感する。
「凄いです! これが神足通なのでしょうか!」
 箒星は四足でシュタタタッと大地を蹴って疾走する。
 後ろへ流れてゆく景色に感動を抑えきれず、どんどんスピードを増して山を駆け下りていった。
 対して、ビスマスとネフラはユーベルコードで低空を高速飛行してゆく。
「チャイナドレスに『ストレリチア・プラチナ』で具現化した白金の甲冑とは、我ながら、なかなかこの世界の空気に似合った姫騎士姿になったな」
「よくお似合いですよ、ネフラさん。わたしはいつもの鎧装ですけどね」
『Namerou Hearts tuna! banana! Avocado!』
 ベルト型の変身ドライバーから聞こえる謎の電子音声。
 ビスマスは『トリニティ・ナメローズマバア』による三色鎧装を身に纏い、料理の匂いを感知するセンサーをフル稼働させていた。
 2人とも地表に漂う“残り香”を追うため、敢えて地表スレスレをカッ飛ばしているのだ。
「やはり、あの集落へ匂いが続いています!」
「では急ごう。果たして、どんな料理を作ったのやら?」
 ネフラは別の期待も胸に秘めつつ、箒星と共に集落へ降り立った。

「料理をふるうさすらいの料理人たちの噂をご存じありませんか?」
 竪琴を奏でる吟遊詩人を装い、集落の民から弟子達の行方の情報を掻き集める箒星。
「小鳥さん達も知りませんか? ふむふむ? ありがとうございます~!」
 動物と意思疎通が可能な箒星の情報網は、人間以外からも得られる。
「おふたりとも、分かりました。この集落から弟子達は散り散りに逃げていったようですが、やはり市場で食材を買い込んでいった上に、周辺集落へ向かっていったようです」
 合流した猟兵達は、互いの情報をすり合わせてゆく。
「仄々殿が得た情報と此方もほぼ同じ内容だ。西と東と南へそれぞれ分かれて逃げたらしい」
「いくら仙術が使えるからって、大荷物を抱えたままの移動は目立ちますからね。目撃情報がかなり集まったのは幸いでした」
 ネフラとビスマスは、麻婆豆腐をハフハフ言いながら食べていた。
「ああ、これか? 弟子達が作った料理らしい。辛いものが得意ではないのだが、そんな私でもこの辛さはちょうどいい塩梅だ。ふふ、味に目覚めてしまいそうだな」
「私の方は激辛ですよ。痺れる辛さも加わってヤミツキになりそうです!」
 ネフラは爽やかな辛さを、ビスマスは汗ばむほどのパンチのある辛さをそれぞれ堪能していた。
「料理を食べたことで、この辛味の香りを記憶しました! ……くんくん? この唐辛子の香りは……おふたりとも、こっちです!」
 ビスマスは鎧装のセンサー感度が増していることに驚きつつ、追跡を再開。
「では、風の魔法で香りを手繰ってみましょうか」
 箒星はより香りを濃く感じやすくするため、魔法で大気の流れを操作し始めた。
「どうやら、次の目的地はあの集落のようだ。携帯してきた肉まんを食べて、更に活量を得つつ追い詰めてゆこうか」
 ネフラの言葉に、3人はパンダ仙人の肉まんを頬張り、128色に輝きながら仙界を爆進するのだった!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

カシム・ディーン
美味しかったですねー
ってそういえば宝貝ってのを取り返すんでしたっけ
「ご主人サマってばー☆忘れてたの?」
まぁな
とは言え最後まで付き合うとしますか
という訳で精力がついて美味しいのを宜しく(ちょこんと二人で正座

存分に味わった後は
「よし!次はヘカテちゃん吸…!!(うほっ…いいパンダ☆」
パンダ吸い炸裂!
お前は何やって!…(何か美少女が集まってパンダ吸いしてるしっ!

僕もちょっとだけ…

ぬああ…これが少年少女に大人気のパンダ力…!(もふもふ

春のパンダ祭り!

【情報収集・視力】
何だか体が軽い!
よしスピーディに追跡です!
「メルシーもお料理が行われてる場所を探索だ☆」
きっといい匂いがしてるはずです!いくぞー!!!


テラ・ウィンディア
お料理!
おれは希望はないぞ!パンダさんの得意技で頼む!(寧ろ絶技たる料理を楽しむ構え

ヘカテも一緒に食べようぜー

【料理】でどんな技術と食材の選び方とか勉強も兼ねるぞ
シルやリオにも美味しいご飯食べさせたいしな

食後
「メルシー…貴方いい加減に…ってテラぁ!?」
(パンダまっしぐら!パンダ吸い炸裂!

もふもふ…もふ…(ほわわ

「て、テラまで…でも…もふもふ…!」(ヘカテ陥落!

春のパンダ祭りだ!

よし!元気が出てきた!追跡開始だ!

ヘカテ
精霊魔術で精霊を使役
死霊魔術で霊達も
美味しそうなご飯を作ってる所を探索


おれ達もいくぞー
そして自分達でも空を飛びながら探索開始だ
いい匂いと視認で人が集まってる所も探すぞー!!!



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)とテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、パンダ仙人の振る舞う料理を堪能している真っ最中だ。
『おれは希望はないぞ! パンダさんの得意技で頼む!』
 テラがそうリクエストしたためか、パンダ仙人は張り切って満漢全席を2人の前に振る舞い始めた。
「前菜の次は水餃子と春巻きの飲茶、メインディッシュは豚の丸焼きに刀削麺、デザートは杏仁豆腐だ!」
「すごいな! たった10秒でとんでもない品数が出来上がるぞ!」
 特級料理人の手腕を目の当たりにしたテラが、年相応の反応ではしゃぐ。
「味も一級品ですね。ボリューミィなコースなのに、ついつい手が伸びてしまいます」
「本当、いくらでも食べられちゃうね、ご主人サマ♪」
 カシムとその相棒メルシーもまた、パンダ仙人の料理に舌鼓を打っていた。
 テラも相棒ヘカテを美少女化させると、自身の隣へ招く。
「ヘカテも一緒に食べようぜー。あとパンダ仙人の料理の様子を記録してくれ!」
「了解です。でも、録画してどうする気ですか?」
 ヘカテの疑問に、テラは鼻下を擦りながら照れくさそうに答えた。
「決まってるだろ、料理の勉強だ! 姉妹のシルやリオにも美味しいご飯食べさせたいしな」
「テラ……!」
 ヘカテは主の気配りに感動を覚えた。
「そういうことなら、余すことなくパンダ仙人の絶技を録画してみせましょう! むんっ!」
 両眼を見開いて、パンダ仙人の手元を凝視し始めるテラ。
 だが、その背後に忍び寄る銀色の影が……!
「よし! 料理を堪能した次はメインディッシュ! ヘカテちゃん吸いだー☆」
「いやだから馬鹿なのか!?」
「止めないで、ご主人サマ! ヘカテちゃんの黒髪、サラサラでいい匂いなんだよ♪」
 カシムの制止を振り切ったメルシーは、ヘカテの後頭部に顔を埋めて深呼吸を開始!
「うへへへへへへへ!」
「ンぎゃああァァァっ! いい加減にして下さい、この腐れノータリンイカレポンチうんこメルシー!」
「ちょっとメルシーの形容がひどくね?」
 ヘカテの暴言にテラもドン引きだ。
 メルシーもヘカテの髪から顔を離して呆然としている。
「おいヘカテ? 腐れノータリンイカレポンチうんこは、ちょっと言いすぎじゃないか? メルシーがショックで固まってるぞ?」
「え? メルシーが腐れノータリンイカレポンチうんこなのは間違いないないですけど、普段はこんな暴言でめげるような豆腐メンタルじゃなかったはずです!」
「すいません、うちの腐れノータリンイカレポンチうんこがご迷惑おかけしてすいません……!」
 保護者のカシムまでもが、相棒のことを腐れノータリンイカレポンチうんこと認めてしまった。
 一方、腐れノータリンイカレポンチうんこが確定したメルシーは、パンダ仙人をじっと見詰めているではないか。
「……ウホッ♪ いいモフモフ♪」
 じゅるり、と口端から溢れるよだれをすする。
「ヒャッハー! もう我慢できない! 吸わないか?(唐突なイケボ)」
 メルシーはパンダ仙人のモフモフボディに突貫!
「フゥ~~~~~~~~~~~~~~やりますねぇ!」
 ご満悦のメルシーの様子に、テラとヘカテも目を輝かせる。
「ズ、ズルいぞ! ヘカテ! おれ達もパンダ仙人を吸うぞ!」
「そ、そうですね! 独り占めはよくないです!」
 2人もパンダ仙人の身体にまとわりつくと、ふわふわな体毛に揃って悶絶する。
「メルシー、お前は何やってんだ? 他の2人も戻ってきてください!」
 困惑するカシム。
「すいません、迷惑なら迷惑って言ってくれて良いんですよ?」
 カシムがパンダ仙人に尋ねると、当の本人(本パンダ?)はグッと親指を立てて言葉を返した。
「大丈夫だ。よく近くの集落の子供らにもさせてるのでな? お兄さんもよかったらどうだい?」
「やだ、イケパンダ……!」
 トゥンク……と胸がときめくカシム。
「ではお言葉に甘えて……」
 カシムが恐る恐るパンダ仙人の体毛に顔を押し当てる。
 途端、鼻腔に広がる干し草の香りとモフモフ体毛に、カシムは一瞬で蕩けていった。
「ぬああ…これが少年少女に大人気のパンダぢから……! まさに、春のパンダ祭り!」
「元気が出たなら、宝貝探しもしやすくなるだろ? 頑張ってくれよ?」
 パンダ仙人のこの言葉に、全員がハッと我に返った。
「……そういや、宝貝なんてものを見つけるのが今回の任務でしたね」
「ああ、そうだったな……料理食ってパンダ仙人をモフって終わりじゃなかったな」
 カシムとテラは冷静になると、パンダ仙人の身体から離れた。
「ご主人サマってばー☆ 今まで忘れてたの?」
「まぁな。そういうお前も忘れてただろ、この腐れノータリンイカレポンチうんこ?」
「いやーん☆ ぷっさんに潰された頭があれば、もっと聡明だったのにー!」
 メルシーの弁明に、カシムは内心で『いやそれはないわー』と全力で否定していた。
「とりあえず、あっちから料理の気配がします! 今度は何が食べられるんでしょうか? 楽しみです! 早く行きましょう、テラ!」
 ヘカテは真面目に追跡する傍ら、逃亡した暗黒料理人の弟子が作った料理の気配をキャッチして食す気満々だ。
 隠して、2人と2体は、全身を七色に輝かせながら、一路西へとバビューンと駆け抜けていったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ティエル・ティエリエル
ミフェット(f09867)とパンダさんの料理をご馳走になるよ♪

まずは、盗まれた宝貝を追いかける前に腹ごしらえだね♪
さっきは甘い物をいっぱい食べたから……ようし、ここは辛い料理に挑戦だ!
ボクももう10才でオトナだからね!辛いモノもへっちゃらだよ♪

パンダさんが作ってくれたのは大豆の麻婆豆腐(甘口)だ☆
一口ぱくりと食べるとからーい!けど、おいしー☆
身体の中からぽかぽかしてきてこれならばびゅーんと飛んでいけそうだね♪

街中で聞き込みしながら進んで、料理してる怪しいヤツを見つけたら
UCで狼君も呼び出して追いかけっこを手伝ってもらっちゃうよ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


ミフェット・マザーグース
ティエル(f01244)と一緒に追いかけっこ!
ええっ、追いかける前に、ゴハン?
いいのかな……いいんだよね?

そわそわするけど、マイペースなティエルは料理に興味津々だし、ミフェットもホントはこの世界の料理も気になるし……
えっと、ぽーず、……包子、中華まん?が食べてみたい、です

一つ食べて、美味しさにびっくりして髪の毛がびよーんってなっちゃった!
すぐにカラダがホカホカして、ホントにすっごく早く走れそう!

ティエルと一緒に〈コニュ力・情報収集〉で手がかりをつかんで、怪しいやつを見つけたら、オオカミ君にももらった中華まんを一つあげるね。がんばって!

もちろん他の猟兵さんと、一緒になったら協力するよ



 直前のカオスなやり取りを目の当たりにしたミフェット・マザーグース(沼の歌声・f09867)は困惑していた。
「ええっ、追いかける前に、ゴハン? 食べるとからだがピカピカ光っちゃう? いいのかな……いいんだよね?」
 ミフェットは同行者のティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)へ無言で同意を求める。
 だがティエルは、フェアリーサイズの小さな体を空中浮遊させながら、元気いっぱいにパンダ仙人へリクエストしていた。
「まずは、盗まれた宝貝を追いかける前に腹ごしらえだね♪ さっきは甘い物をいっぱい食べたから……ようし、ここは辛い料理に挑戦だ!」
「マイペースだー!?」
 ミフェットはティエルの自由奔放さにビックリ!
「って、ティエル? 辛いたべもの、大丈夫なの?」
 心配するミフェットに、ティエルはえっへんと胸を張ってみせた。
「ボクももう10才でオトナだからね! 辛いモノもへっちゃらだよ♪」
「それなら、いいんだけど……」
 ミフェットは『10才ってオトナだっけ?』とツッコミたい気持ちを抑えつつ、パンダ仙人に向かって告げた。
「あの、ミフェットもホントはこの世界の料理も気になるし……えっと、ぽーず、……包子、中華まん?が食べてみたい、です」
「分かった、今すぐ作ろう。それに遠慮はいらないさ。この私を助けてくれたお礼も兼ねているわけだし、好きなだけ食べていってくれ!」
 パンダ仙人のユーベルコードが炸裂すれば、たった10秒で激辛麻婆豆腐と包子盛り合わせを完成させてみせた。
「はいお待ちどうさま!」
「ちょっと待って?」
 ミフェットは麻婆豆腐を一口だけ食べてみる。
 舌が痺れるような辛さがミフェットを襲う!
 身体が震えるほどの刺激に、友人想いのミフェットがパンダ仙人へ声を振り絞った。
「ごめん、なさい……麻婆豆腐、おこさま用の甘口に……作り変えて、くれませんか? これはミフェットが、頑張ってたべるから……」
 自身もここまでの激辛は慣れていないはずだが、友人にこれを食べさせたらショックで気絶しかねないと勘案した上での苦渋の決断であった。
 パンダ仙人も色々と察したようで、ティエル用に辛味を抑えた麻婆豆腐を作り直してみせた。
「ミフェットも麻婆豆腐を頼んだんだね! ボク達、これでオトナだね☆」
「う、うん……! そうだね!」
 ミフェットは涙ぐみながらも、その辛味の虜になりつつあった。
(すごくからい! でもなんでだろう? もっと食べたくなるほど美味しい!)
 自分がリクエストした包子も頬張る。

 ――その時、ミフェットに電流が走る!

「辛さのおかげで、肉汁の甘さがすごくはっきりとわかるよ!」
 髪の毛っぽい触手は、あまりの衝撃にピーンッと逆立ってしまう。
「そしてまた麻婆豆腐に戻ってからの、包子の肉汁でお口の中をリセット! すごい! 無限にたべられる! 身体もぽかぽかしてきたし、ホントにすっごく早く走れそう!」
 ミフェットの全身がプラチナの輝きに包まれる。
 その輝きは、まるで夜空に輝く一等星のごとし。
 一方、ティエルはお子様用の甘口麻婆豆腐に悪戦苦闘中だ。
「からーい! でもおいしー☆ でもやっぱりからーい!」
 辛さは控えめでも、各種スパイスはそのまま。
 舌が痺れる感覚に、ティエルは水を飲みながら少しずつ口の中へ料理を運んでゆく。
「むむっ? なんだか身体の中からぽかぽかしてきて、これならばびゅーんと飛んでいけそうだね♪」
「わーっ!? ティエルの身体が虹色にひかってるー!?」
 256色に輝く妖精ゲーミングティエル、ここに爆誕!
「すごーい! ボク、ちょー身体が光ってる☆ 聞いたことあるよ! 猟兵は無敵になると、全身がピカピカ光るらしいよ♪」
 何処の配管工の話なのだろうか……?
 或いは、何でも吸い込むピンクの丸い生物の方だろうか?
 とにかく、料理を食べてパワーアップしたことは間違いないだろう。
 早速、2人は盗人の追跡を開始。
「よーし! オオカミくん、ボクと一緒に宝貝を盗んだ悪い奴を追跡だよ!」
 ゲーミングティエルは召喚したオオカミ君にも麻婆豆腐を食べさせ、その巨躯を極彩色に輝かせた。
「オオカミ君までー!? ミフェットは七色じゃないけど……パワーアップ、できたのかな?」
 試しに軽く走ってみようと、大地を一歩踏み出す。
 すると、凄まじい膂力が下半身から足の裏へ伝わり、拳銃の弾丸めいた加速度でミフェットは山を降りていった!
「わーっ!? ミフェット、流れ星になってる! すごいすごいっ!」
 全ての景色を置き去りにできそうな感覚を味わった彼女は、何処まで走れるかワクワクしながら追跡を開始。
 その後ろからゲーミング猟兵と化したティエルとオオカミが追走。
「ティエル、追いかけっこだよ! 先頭の景色はミフェットのものだけどね!」
「待て待てー! ボクも今、すっごく疾いぞー! 絶対はボクだー☆」
 どだだだーっと2人は中華大陸を駆け抜けてゆくと、ほうぼうの村落で料理を振る舞っては去ってゆく謎の料理人の情報をかき集めてゆく。
「ねーねー? なんか東へ突き進んでいるけど、このままだと海にでるねー?」
 ティエルの疑問に、ミフェットはハッと息を呑んだ。
「お船に乗って、南へ行ったのかも? さっきの村で、南には大きな港のある街があるって言ってたよね?」
「きっとそこだー! 急いでそこへ向かおう☆」
「オオカミ君、この肉まん食べて、もうひとがんばりしてね?」
 ミフェットがオオカミに肉まんを食べさせると、2人はぴかぴか輝きながら海岸線に沿ってひたすら南下してゆくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビリー・ライジング
【ライジング兄妹】

暗黒料理人の時間稼ぎで距離を稼がれたのは不覚だったが、
お前の宝貝は必ず取り戻す!

ラーメンを食べて、ミリィと共に弟子を追跡だ。
「ごちそうさま! 何だか、やる気がみなぎってきたぜ!」

『料理を振るまう』という事は、
料理を求めてる人々の所にいるかもしれないよな……路地裏か?

「逃げ道としては最適な目立たない場所、それに乞食たちも多い。
そんな場所に逃げたとしたら、宝貝の弊害をもろに受けるだろ?」

路地裏を【目立たない】ように進みながら、
【視力】を凝らして、料理を提供している弟子がいないか捜索。

道中、飯を持っている乞食がいたなら、
そいつから「どこから飯を手に入れたか」を聞いてみるぜ。


ミリィ・ライジング
【ライジング兄妹】

試合には勝ったけど、勝負では負けたみたいだね。
私、足の速さには自信があるから、任せなさい。

……このカニ玉、シンプルだけど美味しい。
「私も創意工夫を凝らしたけど、このカニ玉には負けたわ……」

目立たないように路地裏に逃げたかもしれないか……。
路地裏の乞食さん達に【情報収集】したり、
【慰め・奉仕】で乞食から情報を引き出してみるよ。

「……それとも、私達に対して、教えたくないの……?」
(上目づかい&涙目で【誘惑】)

料理してる弟子たちを見つけたら、すかさず【ダッシュ】!
UCで化身も召喚して、土の【属性攻撃】で足止めよ!

「逃がさないよ! 天晴、奴の動きを止めて!」



 先の戦闘が暗黒料理人の時間稼ぎだったと知り、ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)とミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)は共に肩を落としていた。
「試合には勝ったけど、勝負では負けたみたいだね、ビリー」
「みたいだな、ミリィ。暗黒料理人の時間稼ぎで距離を稼がれたのは不覚だった」
 だがビリーの表情に諦めの色は窺えなかった。
「だが安心してくれ、パンダ仙人! お前の宝貝は必ず取り戻す!」
「そうよ、私、足の速さには自信があるから。ここは任せなさい」
「そのためにも、まずはラーメンを作ってくれ!」
「私はあんかけカニ玉をお願いね」
 ライジング兄妹の注文を受け、パンダ仙人がユーベルコードで迅速に調理を始める。
 ものの数十秒でラーメンとあんかけカニ玉を完成させて見せれば、2人はその早業に目を見張った。
「凄いユーベルコードだ! だが問題は味だ。いただきます!」
 ビリーが出来たて熱々のラーメンを勢いよくすする。
「うッ!?」
 ビリー、言葉を詰まらせて身体を強張らせた。
 ミリィは慌ててパンダ仙人に水を要求し、ビリーに差し出した。
「急ぎ過ぎ! 気持ちは分かるけど、もっとよく噛んで食べないと……」
「ううん、違うんだ。美味すぎて言葉が出てこなかった!」
「なにそれ……?」
 呆然とするミリィをよそに、ビリーは一心不乱に麺をすすり上げる。
「なんてコシのある麺なんだ! シンプルな鶏ガラスープが麺とよく絡んで、さっぱりした後口なのに何杯でも食べられそうだ!」
 夢中になるビリーの様子に、ミリィは目の前のあんかけカニ玉を注視する。
「……このカニ玉も、そんなに美味しいのかな?」
 恐る恐るレンゲでカニ玉をすくって口の中へ。
 すると、舌の上で卵の甘みとふわふわな食感が絶妙なハーモニーを奏で始めたではないか!
「……このカニ玉、シンプルだけど美味しい。私も創意工夫を凝らしたけど、このカニ玉には負けたわ……」
「おい、ミリィ? なんかお前、光ってないか?」
「そういうビリーだって……」
 パンダ仙人の料理を食べたことで、仙力が一時的に2人に宿った。
 その影響なのか、体全体がオーロラのようにグラデーション発光してしまってるのだ。
「なんだか目に悪いが、力が湧いてくる! ごちそうさま!」
「五感も研ぎ澄まされてるみたい。あっちに何か妙な気配がするわ。行ってみようよ」
「え、おい待てって! って疾いな!?」
 西へ飛び出していったミリィの背を、ビリーは慌てて追い掛けていった。

 たどり着いたのは、いわゆる貧民街だ。
 迷路のように住居が立ち並び、裏路地が入り組んでひとつの街を形成しているのだ。
「逃げ道としては最適な目立たない場所、それに乞食たちも多い。そんな場所に逃げたとしたら、宝貝の弊害をもろに受けるだろ?」
 ビリーは、盗んだ宝貝によって誰かに料理を振る舞うのなら、腹を空かせた人々が集う場所へ犯人は向かうのではないかと推察していた。
「となると、このあたりの物乞いの人たちに料理を振る舞った可能性があるわね? ちょっとそこのお爺さんに聞いてみるわ」
 ボロボロの身なりのお爺さんが、路上で胡乱なまま寝転がっていた。
 そこへミリィが顔を覗き込ませて声を掛けた。
「突然ごめんなさい。ちょっと聞きたい事があるの。ついさっき、ここで料理を振る舞った人とか見掛けなかった?」
「うんにゃ? アンタら、あのお嬢ちゃんの知り合いかい? だったらあとでお礼を言ってくれ。久々に満腹になれて助かった、ってなぁ?」
 どうやらビリーの推察は的中したようだ。
「爺さん、その飯はどこでもらって食ったんだ?」
「あぁ? この街の中央市場だ。もうお嬢ちゃんはいないけどな?」
「どっちに行ったか教えてくれないかなぁ? その娘にどうしても会いたいの……!」
 ミリィの潤んだ上目遣いでの懇願が、物乞いの老人の心を揺さぶる。
「えぇと、確か、南の大きな港町に向かうって言ってたな?」
 老人は、晋国南部の有名な交易港の街の名前を教えてくれた。
「ありがとう、お爺さん! 一段落したら、またここに戻って、今度は私がカニ玉作ってあげる!」
「急ぐぞ、ミリィ。きっと奴らはその貿易港で合流するつもりだ!」
 こうして、ライジング兄妹は、チカチカ七色に輝きながら一気に中華大陸を猛ダッシュで南下してゆくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天・音
謝謝。せっかくだからワタシも美味しいご飯をいただくネ。
あ、大丈夫ヨ。ワタシこう見えてご飯は食べられるヨ。

【アドリブOK】
料理をしたくなるなら、近くの食事処から
噂を探っていけば足取りはわかりそうネ。

それに、料理したくなるとしたら…
うん、きっと道中で行き倒れそうになった人も居たりするかもしれないネ。
その人にご飯を振る舞って助かった人いるかもしれないヨ。
その人達にどの方向に向かったか聞いておけば良いネ。

これで人が助かったのならある意味人助けみたいだケド
ワタシハ容赦しないネ。


巨海・蔵人
■行動指針(アドリブ歓迎
ソーシャルディバとして造られたので、それっぽい行動はテンションが上がる性分。
経験不足なのを自覚しているので仲間補佐に周ります。
「いやぁ、料理バトルで勝てるとはね
、でも普通に戦うのは、どうかなぁ?」
仲間に小型端末を預けて、大丈夫そうならこの世界の人たちにも配布してもらおう。
後で回収すれば大丈夫だよね?
移動は僕のユーべるコードで出来るし、上手くいけば情報も集めれるからね、
何か運ぶ物があれば僕が出来るよ。
「だから、僕がここでパンダさんの雄姿を動画にしたり。
思いつく限りの、後僕が知らない料理も、おいしく堪能するのも待機であって…」
駄目かな、食べたら出ないとね、どすどすどたどたと



 僵尸でも、聖者と同じように料理を食すことが出来る。
 天・音(僵尸の超級料理人・f32729)はまず、パンダ仙人にその旨を伝えた。
「謝謝。せっかくだからワタシも美味しいご飯をいただくネ。あ、大丈夫ヨ。ワタシこう見えてご飯は食べられるヨ」
「シンプルに炒飯はどうだろうか? 早くて美味いぞ」
「良い選択ネ。なら炒飯をお願いするヨ」
 天はパンダ仙人に10秒で炒飯を作ってもらい、できたて熱々を頂きながら首を傾げていた。
「そういえば、さっきから何やってるアル?」
 厨房の奥で大男が調理補助を行っているのだ。
 巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)は動画用に撮影しながら答えた。
「いやぁ、料理バトルで勝てるとはね。でも、通常戦闘は経験ないから、裏方に回ろうかなって……」
 そう告げると、蔵人は天にソーシャルディーヴァ用の小型端末を差し出した。
「この世界にも、僕のネットワークを広げてもらえれば、多少は戦えるはずなんだ。よかったら協力してくれると嬉しいな」
「なるほどネ。つまり、この金属のなんやかんやを色んな所にばら撒けばヨロシ?」
「うーん、ちょっと違う気もするけど、まぁいっか。なるべく人の多いところに置いてもらえると助かるよ」
「わかったヨ。それじゃ、ワタシは早速行ってくるネ」
 64万色の輝きを放つ僵尸が、あっという間に山を超えて遠ざかっていってしまった。
 それを見送る蔵人は、早く自分のネットワークが構築されないか、うずうずしていた。
「あ、端末、後で回収したほうが良いよね? 回収、出来るかな……?」
 今更になって不安を覚える蔵人である。
「そういえば、君は探しに行かないのか?」
 パンダ仙人の疑問はもっともで、蔵人はさっきからパンダ仙人の愛らしい姿をカメラに抑えようと必死にアングルを探っていた。
「え? 僕のユーベルコードは瞬間移動。ネットワークさえ構築されれば、ある程度は好きにこの大陸を端から端まで瞬時に移動できちゃうよ」
「なんと。如何様な仙術の持ち主なのやら?」
 異世界のユーベルコードは、まだこの封神武侠界では物珍しい。
 パンダ仙人はどんな原理か気になる様子。
「仙人よりも仙人らしい事をやってのけるのだな、猟兵は?」
「僕はなりたてなんですけど……だから裏方に徹しますね。つまり、僕がここでパンダさんの雄姿を動画にしたり、パンダ仙人が思いつく限りの僕が知らない料理も、おいしく堪能するのも待機であって……」
 蔵人の言葉に、パンダ仙人は思わず苦笑いしてしまうのだった。

 一方、天は、ライジング兄妹が調査した貧民街とは別の、すぐ近くの貧民街で聞き込み調査をしていた。
「なるほどネ。行き倒れてる人を見付けたら、すかさず料理を作って腹を満たしてやっていたとはネ?」
 聞けば聞くほど、弟子達の行動は善行ばかり。
 行き倒れを救った、お金がなくて食料が買えない家族への施し、孤児達への給食などなど。
「これで人が助かったのならある意味人助けみたいだケド、ワタシハ容赦しないネ……」
 弟子達の行動は、全て宝貝がさせている事なのだ。
 そこにオブリビオンの意思は介入しないし、出来やしないのだ。
「自分のエゴを押し付けるのハ、単なる悪事よりも悪質ネ。倒して止めない駄目ヨ」
 ソーシャル端末を無造作にばらまきながら、天もまた南の貿易港を目指して駆け出していった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『暗黒料理異形象形拳伝承者『遍喰らい』』

POW   :    春夏秋冬(ひととせ)
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【化生・悪魔・異形の捕食行為を模した型】の威力と攻撃回数が3倍になる。
SPD   :    前後左右(なかぬき)
【化生・悪魔・異形の捕食行為を模した型】が命中した部位に【気(エナジー)】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
WIZ   :    東西南北(よもひろ)
手持ちの食材を用い、10秒でレベル×1品の料理を作る。料理毎に別々の状態異常・負傷・呪詛を治療する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 中華大陸の南端に位置する巨大な貿易港。
 大陸全土から様々な品が行き交うこの場所で、暗黒料理人の弟子達――暗黒料理異形象形拳伝承者『遍喰らい』達は、とある倉庫街の一角で落ち合っていた。

「うまく此処まで逃げ切れたわね!」
「師匠、大丈夫かなぁ……?」
「あの師匠なら大丈夫よ! 私達より強いもの!」
「そ、そうよね? もう少ししたら、師匠がここにやってきて……」
 その時、弟子のひとりが誰かの足音に気が付いた。
「こっちに来るよ! きっと師匠だ!」
「師匠~! まんまと宝貝『虹色お料理道具セット』一式持ってきました!」
「道中、料理の創作意欲が止められなくて、無差別に他人へ料理を振る舞っちゃたけど! しかも至ってフツーの美味しい料理!」
「仕方がないよ、これ持ってる状態で料理することを拒否したら、私達の身体は爆発四散しちゃうんだもん」
 わいわいと話し合う弟子の前に現れたのは……暗黒料理人を撃破した猟兵達だった。
「そんな! 師匠が斃されたの!?」
「なんて酷いことを!」
「こうなったら、みんなで師匠の仇を取るよ!」
「幸い、私達には宝貝がある! 溢れる創作意欲を拳法に乗せて……」
「猟兵達の腹を暗黒料理で破裂させてやるんだから!」
 暗黒料理異形象形拳とは、料理の作法や技巧を拳法として体現した武術である。
 その真髄は、なんと!
『戦ってると思ったら、いつの間にか料理を食わされた上に満腹になってダメージを受けてた』という謎の効果を持つ!
 更に、彼女達は気功の達人でもあり、差mざまな捕食者の型から繰り出される単純な戦闘力も侮れない。

 猟兵達は、給餌される暗黒料理をひたすら平らげ続けるか、真っ向勝負を挑むかの二択を迫られた。
 さあ、食うか闘うか、猟兵達のご注文は、どっち!?
(なお、宝貝は破壊せず、パンダ仙人の元へ返却するべし)
巨海・蔵人
■覚醒
パンダさんのおかげだ。
僕も、多分分かった、光の料理の力が、少しだけ、この手にも
(今回は使わないけど)

■今まで
(パンダさんに色々教えて撮影したり。後、ゲストにパンダって絶対美味しい)
ユーベルコードで追い付くよ、遠隔で端末操作して、パンダさんを称える歌で

■本当はパンダさんと一緒だったらもっと映えた
僕は暗黒料理とフードファイト、相手の回復用のも全部まとめて頂くよ。
腕位増やせばいいし、鯨系の人参考にしてもりもり食べるよ。
僕は気づいた対決しなければ、食べるだけなら爆散しないって!
回避はここに来たのと同じように遠隔で動画再生して、ついでに隙があったら宝具も回収して同じようにパンダさんに届けてしまうよ



 巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)は、仲間にバラ撒いてもらったネット端末を経由して、港町まで瞬間移動してきた。
 その顔は、最初の頃と比べると格段に凛々しくなっており、今回の任務を通しての成長を窺わせる。
「パンダさんのおかげだ。僕も、多分分かった、光の料理の力が、少しだけ、この手にも……」
 猟兵達が暗黒料理人の弟子達の居場所を突き止めている間、蔵人は自身のチャンネルの動画ネタの撮影を行っていた。
 その際に、パンダ仙人から光の料理の極意についての教えを説かれ、その撮れ高に心を震わせていた。
「やっぱりゲストに人語を喋るパンダって美味しすぎだよね。猟兵活動の特権ってやつだね。思わずソーシャルディーヴァらしく、即興で歌も作れちゃったし」
 蔵人は突然、パンダ仙人を称賛する歌を披露した。

 ♪白と黒のニクいアンチキショウ~
 ♪料理が10秒で作れるよ~
 ♪可愛さが限界突破して~
 ♪世の中パンダしか勝たん~
 ♪しかも武術も一流だ~
 ♪存在自体が既にミラク~ル
 ♪Wow Wow Wow~
 ♪Yws Do it~
 ♪パンダ仙人 フォーエバー
 ♪パンダ仙人 マーベラース

 歌いながら港町を次々と瞬間移動して駆け抜けてゆく蔵人。
 これが彼のユーベルコード『君に言祝ぐ、一片の声』の効果だ。
 蔵人が現場に到着すると、既に他の猟兵が料理バトルを勃発させていた。

「うわ、あちこちで既に戦いが始まってるね。僕も頑張るぞ」
 気弱な蔵人がいつになく強気な姿勢を見せる。
 パンダ仙人との邂逅が、彼のハートに闘志の炎を宿したのだ。
 蔵人がまず行ったのは……動画撮影だった。
「はい、引き続き、ここ『封神武侠界』で起きたお料理宝貝盗難事件を追って、やってきました最南端の貿易港。蔵人君チャンネルの蔵人君です。これから宝貝を取り戻してきますので、皆さんの応援コメントお待ちしてます。もしよかったら、チャンネル登録と動画の高評価をポチッと押してくださいね」
 前口上を述べたあと、カメラを回したまま弟子達と接触する蔵人。
「はい、ということで、この方達が今回、パンダ仙人からお料理宝貝を盗んで此処まで逃げてきた、暗黒料理人の弟子達こと、暗黒料理異形象形拳伝承者『遍喰らい』の皆さんです」
「え、ちょっと、何……?」
 突然の撮影に困惑する弟子達。
 だが、蔵人が猟兵だと悟るやいなや、その態度を一気に硬化させた。
「師匠の仇を此処で討つわ! 私達の暗黒料理を喰らって昇天しなさい!」
「どうやら、僕は暗黒料理とフードファイトをすることになりそうです。大丈夫、パンダ仙人の教えが僕の胸の中にある限り負けません。がんばります……!」
 蔵人はそそくさとテーブルと椅子に腰を落ち着けると、目の前にカメラを固定してスタンバイ完了。
「さあ、来い! 君達の暗黒料理を平らげてあげるよ!」
「望むところだわ! 暗黒料理満漢全席フルコース、とくとご賞味あれ!」
 弟子達は宝貝の影響で料理をしたい欲求が刺激されている。
 フルコースを作らせることで、自然と彼女達を消耗させるように蔵人は無意識に仕向けていた。
「まずは前菜よ! 棒々鶏!」
「続いてナマズのあんかけ姿揚げ!」
「まだまだこれからよ! かき玉スープ!」
「口直しの桃饅頭なんて如何かしら?」
「今日のメインディッシュは、子豚の丸焼きで決まり!」
「刀削麺もあるわよ!」
「デザートの杏仁豆腐もお忘れなく!」
 弾幕のように押し寄せる料理の数々!
 これらは全て弟子達の気功が籠められており、食べた相手を爆発もしくは一定時間操ることが出来てしまうのだ。
 何たる恐ろしい満漢全席フルコースか!
 だが、蔵人はバイオモンスター。
 彼は身体の形状を自由に変えられるのだ。
「爆破されても問題ないくらいに巨大な肉体に変身すれば、ダメージは抑えられて食べる量も増えるよね」
 料理を平らげるたびに、蔵人の身体が倍々に肥大化してゆく。
 その間にも全身を爆破され続けるのだが、肥大化による肉体の再生がダメージを凌駕している!
「もしかしたら、これ、ユーベルコードに出来るかも……? まぁ、今は食べることに集中しようっと」
 今後の戦術のヒントを得つつ、蔵人は弟子達のフルコースをペロリと平らげてしまった。
「う~ん、まだまだ物足りないや。弟子の皆さん、あとフルコースを200人前で……いや、それで足りるかな……?」
「「も、もう無理~!!」」
 作っても作っても、爆破を何度しても一向に倒れるどころかパワーアップする蔵人に、とうとう弟子達がギブアップを宣言した。途端、宝貝のエネルギーが彼女達の肉体を一気に破壊、爆散させてしまった!
 唐突な爆破オチに、蔵人は呆然としてしまう。
「あー、200人前の満漢全席フルコースが……うん、でも、無事に宝貝のひとつを回収できたよ」
 赤色の金属鍋を回収した蔵人は、にっこり微笑みながらその場から去ってゆく。
「パンダ仙人もこの場にいたら、もっと映えたんだけどなあ。とにかく、これは早くパンダ仙人に届けなきゃ」
 蔵人は再びパンダ仙人讃歌を口ずさみながら、中華大陸を瞬間移動してゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ネフラ・ノーヴァ
【蒼脂双晶】
うむ、ここは最後まで料理勝負と行こう。
ビスマス殿の料理が出来上がれば奴らに食べさせる。こちらの方が美味いぞ等と「挑発」して皿をサーブしていく。
しかしこの食わせ合い、私はフードファイトの訓練をしているわけではないのだよな。「大食い」を駆使しつつ、初戦で使った日本酒で食欲増進、胃が苦しくなったらUCヴィーナス・マーキュリーで内部を水銀化させて容量を広げる手を試してみよう。

事が済めば、パンダ仙人にはマンゴープリンなど食後のデザートを作ってもらいたいな。なに、甘味は別腹だよ。


ビスマス・テルマール
【蒼脂双晶】
ある意味では宝貝が呪いじみてません?フードファイトは必ず勝ちますが

事後にパンダさんに
スイーツでも頼みましょうか

●POW
事前に内気功の真似事ですが
わたしとネフラさん(ネフラさんのUCの補助に効果的なら彼女に)の胃に『激痛耐性』を付与した『オーラ防御』を覆い備え

一方的に此方だけが
と言うのも不公平なので
貴女達にはわたしのなめろう料理を

相手の料理も『大食い&早業』で迎え撃ちUCで『属性攻撃(火&油)』で『料理』し

さんが焼きや房総揚げを相手のお口に『範囲攻撃&鎧無視攻撃&貫通攻撃』で『大食い』させ

【宇宙南国コロニー産ハワイアンなめろう】をコッペパンサンドにしたのも

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎



 弟子達と猟兵達の戦いは、貿易港の至るところで勃発している。
 そのうちのひとつ、ネフラ・ノーヴァ(羊脂玉のクリスタリアン・f04313)とビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)のコンビは、真っ向勝負のフードバトルの真っ最中だ。
「イヤーッ燕の巣の春巻き!」
「イヤーッカニシュウマイ!」
「イヤーッ小籠包!」
 飛び交う暗黒料理が弾幕めいて猟兵達へ殺到!
 コワイ!
 だがネフラは押し寄せる料理をテーブルマナーをきちんと守りながら、しっかりと賞味していた。
「うむ、ここは最後まで料理勝負と行こう。貴殿達が料理をしながら闘うならば、私達は料理を食べながら戦おう。ふむ、味は申し分ない。やるじゃないか」
 繰り出される料理と共に放たれた捕食の型の拳法!
 実際には直接殴ってこないのだが、少しでもネフラが怯めば、彼女の腹が内側から食い破られたかの如く爆裂四散してしまう!
「ビスマス殿に進められた内気功、試しておいて正解だったようだ」
「お役に立てたのなら光栄ですよ、ネフラさん」
 ビスマスは敵の料理をつまみ食いしつつ、まな板の上の具材をひたすら包丁で叩いていた。
 何を作っているのか?
 決まっている。なめろうだ。
 なめろうを作っている!
「私達の胃粘膜を守れればと思いまして、体内へオーラ障壁を張り巡らせてみたのですが、上手くいきましたね」
 なんたる発想の転換!
 オーラ防御は通常、結界のように外からの攻撃を弾き換えず見えない壁として利用する事の多い技能だ。
 だが、ビスマスは胃壁をオーラ障壁で覆うことで、暗黒料理の影響力とダメージを極小にまで抑え込むことに成功したのだ。
 この機転は、さすが特級料理というジョブが発見される前から、なめろう料理を戦略に取り入れてきたビスマスの一日の長といったところか。
 ネフラもしたり顔で答えた。
「私もユーベルコードで、胃を水銀に変異させているよ。これで胃を拡張できるのでね」
 つまり、ネフラは今、とんでもない胃下垂状態であった。
 弟子達も、ペースが全く衰えないネフラとビスマスに、焦りの色が見え始める。
「駄目! 手を止めたら爆発するのは私達よ!」
「で、でも……もう、限、界……サヨナラ!」
「11号ぉぉぉーッ!」
 根性が足りずに力尽きた弟子のひとりの肉体が、線香花火のように一瞬で火花を散らして燃え尽きていった。
 その光景に、ビスマスは思わず苦笑してしまう。
「ある意味では宝貝が呪いじみてません? フードファイトは必ず勝ちますが……」
 ビスマスは悟った。
 あれを不用意に破壊したら、この貿易港が未曾有の混乱に陥るだろうと。
 これは素直にパンダ仙人へ返却しなくてはならない。
 むしろパンダ仙人しか上手く扱えない宝貝なのだろう。
「ってことで、一方的にご馳走になるのも悪いですので、私のなめろう料理フルコースを皆さんに味わってもらいますよ。なめろうの可能性は無限大です!」
 ビスマスも特級料理人のスキルを遺憾なく発揮し、10秒でなめろう料理フルコースを100品以上も仕上げてきた。
「シンプルななめろうは勿論、さんが焼きや房総揚げ、それに高級な鯛と白子のなめろうなどもご用意してますよ。そういえば、私の鎧装に鯛のモチーフはまだなかったような気がします。縁起物のなめろう……いいですね、強そうです。ちょっと候補として検討してみましょうか。名付けるとしたら、ディメンジョン・カチドキメデタイショーグンとか……和風な鎧装になりそうですね」
 うんうん、と夢を膨らませながら、出来上がった料理を弟子達の口の中へ直接サーブしてゆくビスマス。
 意外とやってることがエグかった!
「うん、流石はビスマス殿だ。なめろう料理と一口に言えども、こんなにバリエーション豊かなのか。いやはや恐れ入るね。ほら弟子達? もっと頑張るんだ。こちらのなめろう料理の方が美味いぞ?」
 ネフラも弟子達を挑発し、体力の消耗を促すナイスコンビプレー!
 次第にひとり、またひとりと弟子達が脱落してゆき、遂に残すはあとひとり!
「わ、私は諦めない! 暗黒料理で人々を支配して、世界を料理で操ってみせる!」
「料理は誰かを支配するものではありません! それをこの一皿に託します!」
 ビスマスは故郷の味こと『宇宙南国コロニー産ハワイアンなめろう』をコッペパンに挟むと、何故か腰にドライバーをセット!
「ネフラさん!」
「ふむ? あれをやるのか。付き合おうじゃないか、ビスマス殿!」
 ネフラも席から立つと、ビスマスと共に天高々と垂直跳躍!
 コッペパンを空中に投げたビスマスは、ネフラとともに急降下!
 投げ付けたコッペパンは、弟子の口を塞いで強制摂取!
 そこへ浴びせられる、特に意味のない必殺のダブル猟兵キックが炸裂した!
「アバーッ! なめろう料理恐るべしーッ!?」
 理不尽に蹴り飛ばされた弟子は、紅蓮の炎と共に大爆発!
 その爆発を背に、ネフラとビスマスは今日一番にカッコいいポーズで決めてみせた。
「さて、宝貝を回収だね。おや? 黄色い包丁?」
 ネフラは地面に転がる黄色の包丁を拾い上げた。
「盗まれた宝貝は『虹色お料理道具セット』というくらいですし、もしかしたら7種類の調理器具セットなのかもしれませんね」
 ビスマスの推察にネフラは合点がいった。
「なるほど。だがひとつだけであれほどまでの呪詛……。これは然るべき相手が保管するべきだろう」
 2人は再び、中華大陸を大急ぎでトンボ返りして、パンダ仙人の待つ山奥へ向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ビリー・ライジング
【ライジング兄妹】

成程。たらふく食わせて、ダメージを与える武術か……。
「じゃあ、頂こうか。食べるのは『別の俺達』だがな」

UCを発動させて、分身達を【切り込み】。
分身達に料理を食べさせて、本体の俺に料理が回らない様にする。
「もっともっと食べさせろ! その量じゃ、俺達は満足しないぞ!」

敵が俺達の分身に夢中になってる間に、
本体の俺は【限界突破】で【力溜め・魔力溜め】しておき、
【全力魔法・属性攻撃(炎)】の【なぎ払い・2回攻撃】だ!
「ミリィ、合わせる! 遠慮なく、行け!」


ミフェット・マザーグース
ぼーりょくはんたい!ミフェットは料理勝負で挑むよ!
ティエル(f01244)と一緒に闇料理人とけっちゃくをつけるよ!

あなたも料理人なら、お師匠をやっつけたミフェットと勝負したいでしょ?
情報集めのときに街でお土産に買っておいた、料理の材料を大放出!
ミフェットが作るのは、ぽーず! 中華まんだよ!!
パンケーキ作りでつちかった甘さと中華まんのほくほく感の合わせわざ!
どっちが美味しい料理をいっぱい作れるか勝負!

UC【一人ぼっちの影あそびの歌】
闇料理人のわざを使うならミフェットも真似っ子しちゃうよ
ヘンな効果はカットして、正々堂々と料理勝負だよ!

……あれ? そういえば、ティエルはどこだろう?


ティエル・ティエリエル
ミフェット(f09867)と一緒にパンダさんから盗んだお料理セットを取り返しにきたよ!
むむっ、でもあっちの子も白黒でちょっとパンダさんっぽいね!

ミフェットは料理勝負を挑むみたいだからボクは応援だ!空中でポンポンを振って応援するよ♪
フレーフレー、ミーフェット♪おいしいおいしい、ミーフェット♪

頭上から見てたらミフェットが打ち消したUC以外にもずるっこしてるのがいたからボクが妨害だ☆
こっそり近づいておっきく開いた袖から【妖精姫のいたずら】を使って服の中に飛び込むよ♪
ずるっこしてる子はこちょこちょの刑だー!それそれそれー♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です


ミリィ・ライジング
【ライジング兄妹】

戦ってる最中に料理を食べさせられて、
ダメージを受けるって、どんな拳法なのよ……。

そちらが気功の達人なら、私は五行の達人よ。
「全ての万物は五行で成り立つ。それは暗黒料理も例外ではないよ!」

戦ってる最中に料理を食べてしまっても、【呪詛耐性・激痛耐性】でダメージを抑えて、【カウンター】で手裏剣や護符で反撃。

UCは【高速詠唱・属性攻撃(五行)・破魔・結界術】で強化を重ねて、
ビリーの攻撃のタイミングに合わせて、放つ。
「お兄ちゃん、今だよ!」



 弟子達は猟兵と遭遇するなり、宝貝を持って貿易港のあちこちへ散っていた。
 それを追いかけるのは、ビリー・ライジング(輝く黄金・f05930)とミリィ・ライジング(煌めく白銀・f05963)の双子兄妹、そしてミフェット・マザーグース(沼の歌声・f09867)とティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)の仲良しコンビだ。
「げ! 行き止まりだ!」
「まずいって! 猟兵が来ちゃったよっ?」
 弟子達は土地勘のない場所での逃走が裏目に出て、袋小路に迷い込んでしまった。
 そこへ揃い踏みする猟兵4人!
「追い詰めたぞー! パンダさんから盗んだお料理セットを取り返しにきたよ! むむっ、でもあっちの子も白黒でちょっとパンダさんっぽいね!」
 ティエルの感想に、思わず他の三人がプッと吹き出してしまう。
 これに弟子のひとりが噛み付いた。
「こらー! 誰がパンダっぽいだって!? 大声で笑ってみなよ、すぐに私達の暗黒料理を口の中にねじ込んでやる!」
「成程。たらふく食わせて、ダメージを与える武術か……」
「いや待ってビリー? 冷静に考えてみれば、戦ってる最中に料理を食べさせられて、それでダメージを受けるって、どんな拳法なのよ……」
 納得するビリーにツッコミを入れるミリィ。
 一方、ミフェットはこの場の空気を抑えるべく、抗議の声を上げた。
「ぼ、ぼーりょくはんたい! ミフェットは料理勝負で挑むよ! それで、ティエルと一緒に闇料理人とのけっちゃくをつけるよ!」
 元々、戦闘を嫌うミフェットは、あくまで料理での対決を望む。
「あなたも料理人なら、お師匠をやっつけたミフェットと勝負したいでしょ?」
 これに弟子達が即座に乗っかった。
「助かった! だって料理を作ること拒否すると、私達は自爆しちゃうからね!」
「正々堂々、暗黒料理で勝負よ!」
 意気込む弟子達に、ミフェットは珍しく闘志(料理用)を滾らせた。
「のぞむところだよ! ミフェットが手伝ってるきっさてん仕込みのおーぎをみせてあげる!」
 あちょーっと気炎を上げながら、弟子達と火花を散らすミフェット。
 その頭上で、フェアリーのティエルがエールを送っていた。
「フレー! フレー! ミーフェット! 頑張れ頑張れ! ミーフェット!」
 随分と和やかな決戦になりそうな雰囲気だ。
 だが、ここでライジング兄妹が気が付いてします。
「なぁ、ミリィ? もしかしなくても、あの弟子達、俺らが料理を邪魔したら勝手に自爆するんじゃ……?」
「え、ええ。私も今そう思ってたところだわ……」
 ただ、周囲への巻き添えを考えれば、不用意な爆発は控えるべきだろう。
 やむなく、両陣営は料理バトルへ突入したのだった!

「じゃあ、頂こうか。食べるのは『別の俺達』だがな?」
 ビリーはユーベルコード『絆の剣風(ソードビリジアン)』を発動させると、3人の分身が出現した。
 普段は与えられた属性とビリーから受け継いだ剣技で無敵を誇る分身達だが、今回は剣技ではなく胃袋を無敵にしている。
「どんなに食べても胃もたれしない上に、無尽蔵の大食漢の俺の分身達だ! 付与属性はさしずめ『暴食』か? なんだか中二病くさいけどな」
 食べる人数を増やすことで、本体にまで暗黒料理が届かないようにする作戦だ。
 その作戦は効果てきめんで、3人が本体をガードしながら、身を挺して暗黒料理をひたすら貪ってゆく。
「流石は無敵のフードファイターな俺の分身たち! デブにデブにデブ! 面構えが違うぜ! ほらほら、もっともっと食べさせろ! その量じゃ、俺達は満足しないぞ!」
「「おかわり!」」
「「ひぃぃっ! 少々お待ちをー!」」
 ハイペースで要求されるおかわりに、弟子達は攻撃する暇を見いだせないほど調理に専念せざるを得ない。
 その間に、ビリーは力を溜めて必殺の一撃に備える。
 兄の動きを気取られないようにするべく、ミリィも行動を開始した。
「そちらが気功の達人なら、私は五行の達人よ。全ての万物は五行で成り立つ。それは暗黒料理も例外ではないよ!」
 陰陽師でもあるミリィは実力行使で弟子達の排除を試みる。
「芽吹け樹木よ、燃えよ火炎、震えよ大地、煌めけ金剛、湧けよ水流……」
 詠唱を行いつつ、口元に異物が入らないように立ち回るミリィ。
 牽制で手裏剣を投げ付け、とにかく接近させないようにと懸命に弟子達に立ち向かう。
「お兄ちゃん、今だよ!」
「ミリィ、合わせる! 遠慮なく、行け!」
「うん! 生まれし陽の力よ、全てを撃ち抜け! 陰陽五行・五芒相生砲!」
「ルーンレイピア! フレイムエンチャント!」
 五行の光線と炎の斬撃が、弟子達を跡形もなく葬り去っていった。

 目の前でドンパチやってる光景を眺めつつ、ミフェットは背中に背負っていたリュックの中身を簡易調理台の上に並べてゆく。
「ミフェットが作るのは、ぽーず! 中華まんだよ!!」
「ほう?」
 弟子達の視線が鋭くなる。
「包子は私達の得意料理。それにあえて挑もうっていうの?」
 弟子のせせら笑いをミフェットは跳ね返す。
「さっき、足取りを追っている最中にお土産で材料を買い込んできたんだよ! その時、色んな人から料理の素晴らしさをおしえてもらったよ! ミフェットはまけない! パンケーキ作りでつちかった甘さと中華まんのほくほく感の合わせわざ! どっちが美味しい料理をいっぱい作れるか勝負だよ!」
「いい度胸だね! 包子の一日の長の差を思い知らせてやる!」
 こうして、ミフェットと弟子達は料理バトルへもつれ込む。
 その頭上でひたすら応援に専念するティエル。
「フレーフレー、ミーフェット♪ おいしいおいしい、ミーフェット♪」
 だが、そんなティエルにも別の弟子の魔手が迫る!
「その小さな体に熱々の小籠包をブチ込んであげる!」
 白い湯気を放つせいろの中にティエルを閉じ込めようとする弟子達。
 しかし、ティエルは見の危険を察すると、ばびゅーんっと更に高く飛び上がって回避!
「こらーっ! 応援中を狙って襲ってくるとかずるっこだよ! そんなずるっこ達には、お仕置きだー☆」
 小さな体で素早く空間を駆け巡り、弟子達の服の隙間に潜り込んでしまうティエル。
「ちょっと! 出てきなさいよ!?」
 身じろぐ弟子に、ティエルはわくわくしながらお仕置き開始!
「いやだよー☆ それじゃ、服の中からこちょこちょしちゃうぞー☆ せーのっ!」
「きゃははははははっ!?」
 弟子の服の中を縦横無尽に駆け巡るティエル!
 そのむず痒さは、もはやすべての思考を放棄させる程の破壊力を持っていた。
 つまり、弟子達から料理したいという思考すら放棄させてしまう事を意味する。
「え、ちょっとっ? こんな最後はイヤだーっ!」
「わわっ! しーらないっ!」
 ティエルは慌てて服の外へ逃げ出した数秒後、弟子達は笑いながら自爆して骸の海へ沈没してしまうのだった。
「……なんか、勝手に自爆してる? そういえばティエルはどこ行ったんだろう?」
 まさか友達の仕業だとは思いもしないミフェット。
 髪に擬態した触手もフル活用して、どんどん包子を量産してゆく。
「ほら出来たよ! みんな食べtモゴゴ……」
「こっちも暗黒包子の出来上りdアムム……」
 クロスカウンター気味に両者の口に熱々の包子がねじ込まれる。
 そして両陣営ともハフハフタイムに突入。
「豚の脂身をまぜてるんだね! とってもジューシーな包子だー!」
「なるほど、野菜の甘味を活かしてきたか! 小技を駆使するとは、この娘、只者じゃない!」
 ミフェットと弟子達、激しい包子の殴り合いが続く。
 だが、ミフェットは気が付いてしまった。
(もしかして、弟子のみんなの包子って、体力回復のユーベルコードが練り込まれてる??)
 ミフェットの体力が常に回復しているのだ。
 間違いなく、弟子達のユーベルコードの効果によるものだ。
 対して、弟子達は胃もたれに苦しんでいる様子。
(……もしかして、気が付いてないの!?)
 本来は、自分達の回復用ユーベルコードである包子を、今はミフェットが食べ続けているということになる。
 とんだドジっ娘たちにミフェットは目眩を覚えた。
 ちょっと罪悪感を感じるけど、これは利用するしか無いだろう。
(弟子達のずるっこを、おうたでなくそうと思ってたけど、これはちょっと『そーていがい』ってやつだった!)
 なんか可哀想になってきたので、ミフェットは歌を歌ってあげることにした。

 ♪ららら ほかほかぽーず! おいしいぽーず!
 ♪けんこうにいいもの たくさんつかうよ!
 ♪ららら おっきなぽーず! ちいさなぽーず!
 ♪なかみはにくじる たっぷりでるよ!
 ♪アドリブいれていい? いいよ?
 ♪ぱらりらぱらりら~ しょーろんぽー!
 ♪ただしすいぎょーざ あなたはタイキックね!

 途中でミフェットもどうすればいいのか分からなくなり、歌詞の内容が思考のブラックホールへ吸い込まれてゆく。
 仕方がないので、弟子達の作った包子をミフェットは彼女達に差し出した。
「ミフェットと闇料理人は敵同士だけど、料理で競い合ったライバルだから! これで胃もたれが治るはず!」
 弟子達は自分達の包子を食べ、みるみるうちに回復した。
「な、なんて優しい女の子なんだ!」
「敵である私達に情けをかけてくれるなんて……!」
「天使かな? うん天使だね?」
「一生付いていきます! お嬢と呼ばせて下さい!」
「ええーっ!?」
 なんか懐かれた。
 弟子達は「ユーベルコードで呼び出してくれれば、いつでもどこでも世界の垣根を超えて、お嬢のもとへ駆けつけます!」と告げると、自主的にどっかへ消えていってしまった。
「……えっと、どうしよ? えぇ……?」
 彼女達を召喚するユーベルコードを本当に作るべきか、ミフェットはその場でしばし悩むのだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
序盤
UC常時起動
技能を駆使してまず

技能を駆使してヘカテと連携して戦って
後拳法の練習に一緒に運動

よし!程よくまたお腹空いた!

という訳で食べるぞー!

「一体宝貝の力で出来る料理とはどれ程のものなのですか…!」(美味しい物にハマった機神

【料理】
どうやって作ってどんな工夫しているかも確認しながら食べるぞ

何時か再現してシルとリオに食べさせるんだ

という訳でちゃんと食レポもするぞ
なんかそういうのするとよりご飯が美味しくなるらしいからな!

折角だからおれも料理を振舞うぞ…ん-…よし!!

(尚、和食がメイン。炊き込みご飯に…今回は鮭とイクラを使って…ちゃんちゃん焼きとのっぺい汁を作って振舞おうかな。

ヘカテもどうぞだ



「うおおおっ! 回復なんて無駄だー!」
「なんのこれしき! 私達の暗黒満漢全席の品数をナメるなー!」
 真っ向からバトっているのはテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)!
 その隣の謎の美少女は三界神機『ヘカテイア』がユーベルコード“対人魔術戦闘機構『三叉路の女神』(ヘカテノマホウショウジョモード)”で変身した姿だ。
 ツーマンセルに弟子達が絶えず料理を作っては食べて傷を癒やし、また殴り合いを始めているのだ。
「いい感じにお腹を減らすつもりが、ついつい本気でバトっちまったな!」
 テラは楽しそうに体術を弟子達に繰り出す。
「これでどうだー!」
 後ろ回し蹴りが弟子の一人の胸元をしたたかに打ち付け、レンガ造りの壁へ叩き付けた。
「どうだ! 武術はおれのほうが上だぞ! このままやっても勝ち目はないと思うけど、まだやるか?」
 圧倒的な武力を振るうテラ相手に、弟子達が顔を見合わせた。
「うぐ……ッ! なんて強いんだ!」
「どうする? 正攻法じゃ勝てそうにない!」
「だったら、ここは料理で勝負よ!」
 弟子達はユーベルコードで瞬時に調理を行うと、テラの胃袋を暗黒料理ではちきれさせようという作戦に切り替えた。
 テラはようやく本題に移ったかと、ニコニコしながら料理を催促する。
「暴れたから、おれはもう腹ペコだ! じゃんじゃん持ってこい!」
「私もがんばります!」
 美少女モードのヘカテもフードファイトに参戦!
 2人は運ばれてくる中華料理をひたすら口の中で咀嚼してゆく!
「このエビチリは辛いな! けど辛いだけじゃなくて海老の旨味をちゃんと活かして、味が奥深いぞ! 花椒の痺れる刺激と香りも食欲をそそるな!」
「これはアヒルの皮の春巻きですか。パリパリの皮の食感と香ばしい風味が、春巻の皮の中から口いっぱいに広がって美味しいです!」
 食レポも死角がない2人は、快調に弟子達の料理を喰らってゆく。
「嘘でしょ? あの量をペロリとか猟兵の胃の容量ってどうなってるのよ!」
「手を止めちゃ駄目! 爆発して死にたいの!?」
「そうだったわ! いずれ相手もギブアップするはず! 爆発するのは、あいつらの腹の方だよ!」
 弟子達は懸命に料理を続けてゆく。
 テラはその調理の光景をつぶさに観察してみるが……。
「早すぎて分からないな!?」
「まぁ、10秒で100品を作るような早業ですからね……」
 ヘカテはカニシュウマイを頬張りながら苦笑いを浮かべる。
「残念だ、一緒に来れなかった姉妹達に後で作ってやろうと思ったのにな?」
「テラ、料理できるのですか!?」
「出来るぞ、ヘカテ! そうだ、せっかくだからおれも和食を作って対抗するぞ!」
 思い立ったが吉日。
 テラは弟子達の料理を食べつつ、五目炊き込みご飯と鮭とイクラを使ったちゃんちゃん焼き、そしてのっぺい汁を作ってゆく。
「随分とローカル色の強いものを作るんですね……。おうどんやお味噌汁など簡単な和食を作るのかとばかり思ってました……」
 ヘカテが驚きながら桃饅頭を両手で持って頬張っていた。
 12歳の少女が作るには手が込み過ぎている品々が完成すると、弟子達にテラは振る舞い始めた。
「優しい味ぃ~!」
「これが異世界の料理……!」
「なにこれ、美味しいわ!」
 いつしか勝負はどうでも良くなってゆき、最終的には弟子達はヘカテに宝具を返却することにした。
 爆発を促す危険な代物を持ち歩きたくないとのことらしい。
「私達はそのうち、未練がなくなれば消えてゆくから……それまでは、困ってる人に料理を振る舞って人助けするわ」
「そうか……達者でな!」
 半透明になった弟子達の足元を案じながら、テラとヘカテは去りゆく彼女達を見送るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
なんか走ったらまたお腹が空きました

ランニングも良い物ですね

「飛んでた気がするけどね☆」

という訳で美味しいご飯がまた食べれる気がします(二人でちょこん

性的に食べるのもありだがここはグルメを気取りますよ

「食後のデザートは美少女吸いだね☆」(色々キマってやがる。ターゲットは敵だけに非ず(!

取り合えず僕はさっぱり系を頼みますか

胃に優しいタイプでお願いします

「メルシーはスパイシーなのがいいな♪」

一応どういう工夫と素材について確認しながら食べます

ん-…自分でも作ってみるかな

まぁ
今回はしっかり食べないといけないらしいので存分に堪能しましょう

「メルシーも存分に堪能するぞ☆この食べ物エネルギー効率いいし☆」



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は上空から飛来して弟子達の頭上を飛び越す。
 そのまま軟着陸を果たすと、小走りで戻ってきた。
「なんか走ったらまたお腹が空きました。たまにはランニングも良いものですね」
「いや走ってたの今だけだよね? てか、さっきまで飛んでた気がするけどね☆」
「うるせえ、実際お腹空いたのは事実ですよ」
 相棒のメルシーのツッコミに、カシムは目を細めて反論した。
「てことで、美味しいご飯がまた食べれる気がします。だから早くお前たちの暗黒料理とやらをじゃんじゃん持ってきやがれです」
「メルシーも食べるー☆」
 2人は公園のベンチに腰掛け、簡易テーブルの前で料理を催促し始めた。
「「ごーはーん! ごーはーん! ごーはーん!」」
「うっざっ! でも私達の暗黒料理を真っ向から食べようとするその心意気は善し!」
「お腹はちきれさせて死ぬか、私達の料理で洗脳されるか、どっちが先かなぁ?」
「泣いて後悔しても知らないわよっ? みんな、行くわよっ!」
 弟子達は10秒ごとに100皿近くを作り上げ、カシムとメルシーの前へ提供し続けてゆく。
「なるほど、これだけの量なら、食欲だけで他の三大欲求のうちの2つを抑制できそうですね」
「特に性欲はね☆ あ、メルシーはデザートに弟子ちゃん達に顔を埋めて美少女吸いするね♪」
「いや、あいつら、勝負に負けると消えるぞ?」
「んじゃ~あとで幼女化したモーくんを吸うね☆」
 別の場所で戦っている神機が、謎の悪寒に見舞われたのは言うまでもない。
 その後も、ひたすら食べまくるカシムとメルシー。
「あ、今度はさっぱりしたものを作って下さい」
「メルシーはスパイシーなのがいいな♪」
 弟子達はここに来て焦りの色が見え始める。
「あいつら、かなりの品数を食べてるのに、なんでギブアップしないのよ!?」
「料理のリクエストしてくる余裕があるなんて……!」
「だ、大丈夫よ! かなり腹も出てるし、限界が近いはず!」
 弟子達は今度こそ打ち止めと信じて、各々が100皿近くを仕上げてきた。
「さあ、これでどう!?」
 全力の料理1000皿ノックを前に、流石に怯むと思いきや、カシムとメルシーは平然としていた。
「不思議といくらでもイケちゃうんですよね」
「メルシーも存分に堪能するぞ☆ この食べ物エネルギー効率いいし☆」
 すると、突然2人は念動障壁に包まれながら、大空へと飛翔してゆくではないか!
 その凄まじい速度は、かなりのエネルギーを消費していると推察できるものだった。
「ふう、ひとっ飛びしたら、またお腹が空きました」
「まだまだ食べるぞー☆」
 着陸した2人は、また料理に手を付け始めた。
「そう言えば、この酢豚、どうやって作るんです? 10秒で作られると、工程とか素早すぎて見えないんで教えてくれませんかね? あとで自分で作りたいんで」
「ご主人サマが作った料理、食べてみたーい♪」
 批評家のような目付きて、カシムは酢豚を口に運んでいた。
 メルシーは火鍋を平らげ、満足気に笑っている。
 弟子達は猟兵コンビの規格外の食べっぷりに、遂に敗北宣言を行った。
「宝貝は返すわ……。爆死したくないもの。あと、これが酢豚のレシピよ」
 弟子の一人は青い中華鍋とメモ用紙をカシム達に手渡すと、幽霊のようにすぅ……と消え始める。
「なんかもう疲れたわ……料理、ちゃんと残さず食べなさいよ? じゃあね?」
 一生涯分の料理欲を出し尽くさせたためか、弟子達は思いの外にスッキリした顔で骸の海へと還っていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

槐・白羅
UC常時発動
攻撃回数半減
装甲強化

安心しろモルスよ
今回の戦いは武を以て制圧するのとは違うようだ
「だからってなんでまたこの姿に…さっさと戻して叩き潰せば…!?(な、なんだこの香りは…!は、腹が呼応しているだと!?」

うむ
俺も荒野を旅してきた身だ
色々食べてきたが
時に効能より味を楽しみたくなる時もある
「だからってカカオ濃度1000%超えチョコは洒落にならなかったぞ…!」
うむ、興味を持ったお前が齧った時には焦ったぞ
…其処まで悪くないと思うがな(味覚許容範囲極大

取り合えず
お子様ランチと大人様ランチを頼む

頂きます

「ぉ…ぉおおお…!な、なんだこれは…!」(お子様ランチに屈する死神。全力もぐもぐ

うん、善い物だ


天・音
アドリブOK

ようやく追いついたネ。
まぁお腹が破裂してもワタシは平気だけド
そうも行かないネ。

【戦闘】
料理はいただくけど、食べた分燃やしてしまえばいいネ。
運動…それもあるけド、こういう手段ヨ。
(ユーベルコード発動。すなわち火力調整符を剥がして)
もっと持ってくるネ。
ちなみに美味しいヨ。でも胃袋に入ったそばから燃焼していくネ。

攻撃するならワタシも本気で攻撃するヨ。
焼き尽くしてあげるからネ。


箒星・仄々
宝貝を取り戻し
世界と人々を守ります!

弟子さん達も
料理の暗黒面に魅入られておられるのですね
お可哀そうに
海へお還しします

そちらがその気なら…

探索中に購入した道士っぽい服を着て
後ろ手にすっくと堂々と対し

貴女方にも魔力漢方の神髄を味わって頂きましょう…!

UCで自身の気血水を整え
呼吸法で酸素を多く取り入れ
燃焼力を増し
消化力もupし
食すのに万全の状態に

更に暗黒力を体内を駆け巡る炎水風の魔力が浄化

闇を緋蒼翠のエネルギーが迎え撃ち駆逐している
という感じでしょうか

食べる程に私が元気になっていくのを見て
弟子さん達は自ずと敗北を悟り
海へ去っていくでしょう

ご馳走さまでした

終幕
鎮魂の調べ
腹ごなしも兼ねて長めに演奏します



 猟兵達の活躍で、いよいよ宝貝を盗んだ弟子達のグループも残りひとつだけになった。
「ようやく追いついたネ。観念して大人しく宝貝を渡すネ?」
 天・音(僵尸の超級料理人・f32729)は蒼白い手を差し出し、弟子達に降伏勧告を行った。
 だが、弟子達は宝貝である紫色の肉切り包丁で、徹底抗戦の構えだ。
「これさえあれば、究極の暗黒料理を完成させられる!」
「はいそうですかって渡すわけないでしょ!?」
 勧告を拒絶した弟子達の態度に、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は悲しそうに言葉を投げかけた。
「お弟子さん達も料理の暗黒面に魅入られておられるのですね。お可哀そうに。ですが、私達は宝貝を取り戻し、この世界と人々を守ります! そちらがその気なら……」
 箒星は羽織っていたマントをバサァッと脱ぎ捨てた。
 マントの下には、情報収集中に購入した黄色と黒のコントラストが眩しい道士服を着込んでいた。
「貴女方にも、師匠を打ち負かした魔力漢方の神髄を味わって頂きましょう……! さあ、骸の海に還るお時間です!」
 箒星の異様な威圧感に、弟子達はゴクリと喉を鳴らす。
「なに、あの黒猫……? 只者じゃないわ!」
「師匠を打ち負かした張本人なら、負けられないよ!」
「いいわ、望むところよ! 料理で決着を付けようじゃないの!」
 弟子達と箒星がバチバチと視線をぶつけて火花を散らす傍らで、槐・白羅(白雷・f30750)は同伴している幼女に急かされていた。
「おい白羅! とっとと敵を蹴散らすぞ!」
「まぁ待てモルス。神機の姿に戻ろうとするな。安心しろ、今回の戦いは武を以て制圧するのとは違うようだ」
「だからってなんでまたこの姿に……さっさと戻して叩き潰せば……!?」
 モルスと呼ばれた幼女は、オブリビオンマシン……つまり体高5mのキャバリアがユーベルコードで変身させられた姿なのだ。
 闘争を前にモルスは血気盛んになるのだが、主の槐には思惑があった。
「モルスよ、気付かぬか? この芳しい香りを?」
「香り? そう言えば奴らが懸命に料理を作って……ん?」
 モルスは、鼻腔の奥をくすぐるスパイシーな芳香に衝撃を受けた。
「な!? 急に腹が! 全身の脱力感が、この身を苛む……!」
 機械ではなく生物の体を手に入れたモルスにとって、空腹とは初めて味わう感覚だった。
「だったら、料理を食べるといいヨ。まぁお腹が破裂してもワタシは平気だけド、そうも行かないネ。上手く調節して完食目指してゆくネ?」
 天は席に付かず、あえて立食スタイルで運ばれてきた料理に口を付け始めた。
「ワタシも超級料理人ネ。料理で勝負するなら、全部喰らってあげるヨ。ただし、胃袋に入ったそばから燃焼していくネ」
 天は自身に張り付いている火力調節符を引き剥がして投げ捨てると、その全身が一気に紅蓮の超絶火炎に包まれていく!
 ユーベルコード『複製火竜乾坤圏・全力開放形態』!
 防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受けるこのユーベルコード、今はちょうど太陽光が建物に遮られた日陰にいるため、炎による再生能力がきちんと機能しているのだ。
「仕方ないから、本気だすネ。超アツイから覚悟するがいいヨ!」
 差し出された料理を口に放り込んだ途端、天の胃袋で燃焼(物理)されてゆく!
「それ食べてないでしょ!?」
「燃焼って意味が違う!」
 弟子達のクレームに、天は呆れながら溜息を吐いた。
「違うヨ。ちゃんと味わってるネ。ちなみにとても美味ネ。ただ火の入り加減が雑だヨ。中華鍋の使い方がまだまだ下手ネ?」
「だ、駄目だしをしてくるなんて、本当に味わってるっていうの!?」
 天の鋭い指摘は、弟子達の改善点を次々と洗い出してゆく。
「……この炒飯だけでも、20個の駄目だし出来たネ。今度やったら、料理じゃなくてアナタを燃やすヨ? 焼き尽くしてあげるからネ? あ、攻撃してきても同じヨ?」
「アイエェェ……!」
 弟子達は師匠よりも厳しい天の教えに、すっかり萎縮してしまっていた。
 この光景に、槐の頬が思わず緩む。
「うむ、やはり食は人生の愉しみとして必要不可欠だな。俺も荒野を旅してきた身だ、色々食べてきたが……時に、効能より味を楽しみたくなる時もある」
「だからってカカオ濃度1000%超えチョコは洒落にならなかったぞ……!」
 モルスは興味本位でかじった劇物じみた黒塊を思い出して下を出していた。
「うむ、興味を持ったお前が齧った時には焦ったぞ? だが……其処まで悪くないと思うがな?」
「白羅の舌は馬鹿舌だと、あの時に思い知ったぞ……!」
 モルスは白目を剥いて空の果てを見詰めていた。
 そこへ運ばれる中華風お子様ランチ!
「私が作りましたよ~」
 箒星の魔力漢方料理をベースに、弟子達の料理をアソートした合作だ。
「炎の魔力、水の魔力、風の魔力をこの料理で摂取することで、食した方の気血水を整えます。それにより、正しい呼吸法が身につき、酸素を体内へ多く取り込むことが出来ますよ。すると燃焼力を増し、消化力もupです! 胃もたれぜずに料理を楽しめる万全の状態を保ち続けられますよ~!」
 箒星自身も、自身の作った牛骨スープ麺を食べてパワーアップしている。
 元気ハツラツ、料理を作る手も活力に満ち溢れている!
「更に! 暗黒料理の闇のエネルギーを、私の料理の緋蒼翠のエネルギーが迎え撃ち駆逐します! これで暗黒料理の中毒性を無効化できます! さあ、お弟子達も、私の料理を食べてみて下さい!」
 箒星の魔力漢方料理を弟子達は箸を付けてみた。
 次の瞬間、弟子達の脳天に衝撃が走る!
「美味しい! 美味し過ぎてびっくりしたんだけど!」
「あァ……身体の中から浄化されていくのが分かるわ……!」
「味付けもクドくないから、いくらでも食べられちゃうよ!」
 浄化されていく弟子達が、ひとり、またひとりと昇天して姿を消してゆく。
 そして、猟兵側も昇天しかける存在がここに。
「ぉ……ぉおおお……! な、なんだこれは……!」
 中華風お子様ランチに、モルスは夢中になっていた。
 姿だけではなく、嗜好も幼女のそれに近くなっているようだ。
 前のめりでお子様ランチを口に運んで咀嚼してゆくモルスを悦に浸って眺める槐は、伊勢海老の紹興酒蒸しを齧り付いていた。
「うん、善い物だ……見事な腕だ。称賛に値する」
 ひとりマイペースに、普段通りに食事を楽しんでいた。
 顔色ひとつ変えない食事っぷりに、弟子達はある感情が胸の奥に湧き上がる。
「料理で褒められるのって、やっぱイイね……」
「さっきも宝貝の影響力で一般人に料理を振る舞ったけど、悪い気はしなかったなぁ」
「ああ、そっか。私達、料理が楽しくて超級料理人になったんだった……」
「それなのに、料理で人を支配するなんて……」
 己の過ちに気が付く弟子達は、戦意を喪失したのか、存在を消失させていった。
 これに焦ったのは、残された弟子達だ。
「このままじゃ負けちゃう! そうだ、ガス管を破壊して、あの猟兵の炎に引火させれば、私達もろとも猟兵を木っ端微塵に!」
「もうそれしかない! 死なばもろとも!」
「みんな、行くよ! 必殺! 『春夏秋冬(ひととせ)』!」
 化生・悪魔・異形の捕食行為を模した型の拳法が、料理と共に手近なガス管に向かって放たれる!
 このままでは、周囲は大爆発してしまいかねない!
 だが、天は最初からそれを警戒していた!
「それ、お見通しヨ! 焼かれて木っ端微塵になるのはそっちネ!」
 炎の昇竜のような凄まじい一撃が、残りの弟子達を瞬く間に灰燼に帰してしまった!
 残された宝貝を天は回収し、これで猟兵達は勝利を確信した。
「ごちそうさまでした。さて、それではお弟子さん達のための鎮魂曲を奏でましょうか」
 箒星は竪琴を爪弾き、弟子達の冥福を祈った。
 立場や形が変われば、きっと料理で意気投合できたかもしれなかった。
 やるせなさを胸に抱きながら、いつもよりも眺めに箒星は奏でていた……。

 こうして、7つのお料理宝貝は、所有者のパンダ仙人の手元へ再び戻っていった。
 封神武侠界での初の事件は、こうして幕を閉じた。
 だが、これからこの世界でオブリビオンが更に跳梁跋扈するであろう。
 今後もこの世界に足繁く通う予感を抱きながら、猟兵達は各々の帰路に着くのであった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月22日


挿絵イラスト