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ひつじがめーめー三ゴボー~もふもふは終わらない?

#グリードオーシャン #戦後 #メガリス #トンチキシナリオ

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●せんごしょりだにゃーん!
「にゃーん、みんなせんそーおつかれさまなんだよ!」

 エインセル・ティアシュピス(生命育む白羽の猫・f29333)がまずはみんなを労うべく取り出したのが一口チョコであった。疲れた時には甘いものって聞いたからとしっぽを振って袋の中にたんまり入ったのを手掴みしてもらう。
 とはいえ労うだけではないのだが、戦争疲れも取れない中できてもらったならこういった気遣いは忘れないように!と飼い主から教わったらしい。躾がしっかりしている。

「あのねあのね、ついのおーしゃくさんがもってたメガリスをとってきてほしいにゃーん」

 例によってエインセルのおこさまことばを噛み砕いてわかりやすく説明するとこうである。
 『王笏』カルロス・グリードは『終の王笏島』にこれまでに手に入れたあらゆるメガリスを保管していた。
 猟兵たちの活躍により『王笏』の討伐こそ成されたものの、未だ尚そのメガリスの多くが島に隠されており、島の一箇所にある廃墟と化した神殿に安置されているそれをコンキスタドールの残党が掘り出し、使用しようとしているのを予知したらしい。
 今回猟兵たちに頼みたいのはそのメガリスの回収、及びメガリスを使用しているコンキスタドール残党の掃討である。

「えっとね、もこもこ~!ってしたひつじさんがもってるメガリスがね、えーっと、えーっと……にゃーん、かんじのよみかたがわかんにゃい。よんでもらっていーいー?」

 まだ生まれたばかりの子猫には漢字が難しかったらしい。
 猟兵たちに文字を見せて読んでもらうだろう。

「『獣王の冠』?」
「じゅーおーのかんむり!ありがとにゃーん!そうなの、そのじゅーおーのかんむりっていうのがね、どんなどうぶつさんでもいうこときかせるよー!っていうすごーいメガリスなの!でもいまはちからがよわくなってるから、『ライオンライド』のユーベルコードとおんなじぐらいなんだけど……」

 なんだけど?と猟兵が首を傾げるとエインセルが緊張した面持ちでこう言った。

「その『ライオンライド』でひつじさんがのってくるのがね、ぞうさんよりおっきいひつじさんなんだにゃーん。すっごくおっきいの!もこもこのもふもふなの!
 もふもふはましょーだ、ってぼくのかいぬしさんがいってたから、いぇーがーのみんなはもこもこもふもふにまけちゃわないようにきをつけてほしいにゃーん!
 にんたいりょく?っていうのがだいじだって!」

 象より大きい羊とはこれ如何に。それ何て突然変異?三つ目島の原始の石版触ってない?それとも何かメガリス食べた??と宇宙猟兵顔不可避の者もいれば、そんな巨大なもふもふ……ゴクリ、なんて強敵なんだ……!と戦慄した者もいたかもしれない。
 もちろんいなかったかもしれない。

「それとねそれとね、"もふもふにはもふもふを"ってぼくのかいぬしさんいってたにゃーん。さきにいっぱいもふもふしてたらがまんできるってきいたんだ!
 もしもふもふできないのつらいつらいーだったら、ぼくのこともふもふしてってね!ぼくもふもふされるのだいすきだからだいかんげーだよー!」

 ぽん!と子猫の姿になってエインセルは両手両足を広げる。
 多分そうじゃないとは思うが……と思いつつも子猫なりの精一杯の気遣いのようなのでもふもふしていってもいいししていかなくても良い。
 ともあれ、猟兵たちはメガリスの回収に戦争が終わったばかりのグリードオーシャンへ向かったのであった――。


御巫咲絢
 注意:このシナリオはトンチキシナリオです!
 またもふもふネタかよ!って思われそうだけどここまできたならとことんもふもふを貫いた方がいいかなって思いました。
 こんにちはこんばんはあるいはおはようございます、初めましての方は初めまして御巫咲絢です。
 当シナリオをご閲覧頂きありがとうございます!御巫のシナリオが初めてだよーって人はお手数ですが先にMSページをご一読の上ご参加くださいますようお願い致します。

 というワケで遅くなりましたが「【Q】『終の王笏島』を調査」のシナリオをお届け致します。
 以下各章補足になります。

●第一章
 廃墟神殿を進んで頂きます。神殿に住まう呪われた亡霊共があれやこれやと妨害してきますので上手いことくぐり抜けてください。
 亡霊のタイプとかはプレイングに書いてありましたらそれに合わせて描写させて頂きます。

●第二章
 コンキスタドールの残党『ヤマゴボー星人』との戦いです。
 ぶっちゃけ戦闘力は大したことありません。倒したらおいしく頂いてもいいかもしれませんね!

●第三章
 メガリス『獣王の冠』を頭に戴いたボス『ボブのふわふわの宝物』との戦闘です。
 『獣王の冠』のユーベルコード『ライオンライド』と自身が持っているユーベルコードを併用し、象よりでかいもこもこふわふわ(ここ超重要)の羊に乗って攻撃してきます。

●メガリスについて
 『獣王の冠』と呼ばれる、あらゆる獣をその意志に関係なく従わせることができるメガリスです。
 現在はもうその力も衰えており、ユーベルコード『ライオンライド』と同等の効果しかありません。
 回収に成功した場合、プレイングでご要望があれば『所属旅団』への持ち帰りが可能です。

●プレイング受付について
 『4/5(月)8:31~』から受付を開始致します。
 開始日以前に戴いたプレイングは全てご返却致しますので悪しからずご了承ください。
 お気持ちが変わらなければ受付開始後にご再送くださいませ。
 また、締切はおおよそ人数が5,6人ぐらい集まった頃に最初に戴いたプレイングの失効日から逆算してまたお知らせさせて頂きます。

 それでは、皆様のプレイングをお待ち致しております!
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第1章 冒険 『廃墟神殿に隠されたお宝を探せ!』

POW   :    深海人めいた怪物を力づくで追い払って、お宝の下へ進め!

SPD   :    欲に取り付かれた亡者を駆け足で振り切って、お宝の待つ先へ!

WIZ   :    セイレーンの様な亡霊を知略で潜り抜けて、お宝に辿り着け!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●亡霊蔓延る廃墟神殿
 ――め~……

 ――めえ~……

 感じるものは感じるだろう。ここに良くないものが棲み着いている気配を。
 それはセイレーンのような姿だったり、サメのような姿だったり、グリードオーシャンらしい亡霊もいれば――恐らく何も知らず、あるいはここに宝が眠ることを嗅ぎつけたのか入り込んだはいいがそのまま帰れず死者の仲間入りしてしまったかつての賞金稼ぎ等、様々な霊が廃墟内をうろついている。

 ……でもさあ、何で羊の鳴き声が定期的に聞こえるんですかね?
灰神楽・綾
【不死蝶】
お言葉に甘えてここに来る前に存分にもふらせてもらった
いやぁ実にいいもふもふ具合だったね

英気を養ったところで張り切って神殿探索行ってみよー
廃神殿ってなんだか神秘的でいいよね
廃墟となる前はどんな姿で
どんな人たちが居たのだろう…と妄想膨らむ
せっかくだから今のうちに写真撮っておこうっと
ほら梓、焔と零と一緒に並んで並んで

うわぁ、すごいよ梓、サメだよサメ
水も無いのにすいすい空中を泳いでいるよ
そういえば戦争でも見たことなかったな~サメ
あははと笑いながら梓と一緒に逃げ回り

はいはーい了解
梓の腕を引っ掴み、UC発動
約500km/hを超える速度で飛翔してサメを撒くよ
振り落とされないように気を付けてね、梓


乱獅子・梓
【不死蝶】
うむ、ご利益がありそうな素晴らしいもふもふだった
焔と零は可愛いがもふ度は皆無だからな…
あっ、そんな不機嫌になるなってお前ら(おーよしよし

闇雲に進むだけじゃ効率悪いな
そこら辺に転がっている瓦礫をUCでドラゴンへと変化させる
メガリスの在り処に関する情報を聞き出しながら奥へ進むぞ
観光に来たようなテンションだな綾…

…ん?
何故だろうか、♪ズンズンズンズンって
世にも恐ろしいものが現れそうなBGMが脳内に流れてくるような…
脳内BGMが最高潮に達した時
目の前に現れたのは サ メ

サメの亡霊だー!?
思わず綾と一緒にダッシュで逃げる
おい、綾!呑気に笑ってないでこの状況を何とかしろ!
ぎゃー!!(引っ張られ



●奴はどこでも現れる
「いやあ、実にいいもふもふ具合だったね……」
「うむ、ご利益がありそうな素晴らしいもふもふだった……」

 お言葉に甘えて思う存分子猫のもふもふを満喫してから訪れたのは灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)とその相棒、乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)。
 手がもふもふ具合を覚えるぐらいにはもふもふさせてもらい、もふもふチャージは完璧である。
 信じる者は救われるので、ご利益ありそうと信じ続けていればもしかしたらと技能【幸運】Lv30程度のご利益が起きたりするかもしれないしそうじゃないかもしれない。
 ともあれ、これだけ存分にもふもふチャージをしていれば象よりでかいというもこもこ羊であろうと屈することはないハズだ。
 しかし、もふもふ度皆無故にここにくるまで構ってもらえなかった梓の愛竜『焔』と『零』は不機嫌そうである。

「あっ、そんな不機嫌になるなってお前ら。おーよしよし」

 でも構ってあげたら途端に機嫌が良くなりましたね。仔ドラゴンだもんね。
 というワケで英気を養ったところで張り切って神殿探索開始です。
 入り口付近にはまだ亡霊の姿はなく、その廃れた有様の中に残されたかつての日々の名残を感じ入ることのできる余裕はありそうだ。

「廃神殿って何だか神秘的でいいよね」
「まあ、わからんでもない」
「廃墟となる前はどんな姿でどんな人たちがいたのだろう……と妄想が膨らむね」
「妄想??想像じゃなくて???」

 まあ、どっちもある意味似たような意味なのでセーフだと思います(?)
 グリードオーシャンにはこのような廃墟神殿や廃墟でなくてもかつての世界の残滓とも呼べる遺跡とかそういったものはまだまだあるので、島を訪れる度にそういうものに巡り会えたら想いを馳せるのは悪いことではないだろう。

「あ、せっかくだから今のうちに写真撮っておこうっと」
「観光に来たようなテンションだなお前!?」
「ほら梓、焔と零と一緒に並んで並んで」
「いやあの一応目的メガリス回収だからな!?」

 と言いつつちゃんと愛竜の仔ドラゴン2匹と一緒に並んで写真撮られる辺りノリのよい梓であった。
 そんな感じで綾が満足行くまで写真を撮りつつ奥へ進んでいく二人。一応亡霊がいるんですけどねここ。写真いくつか心霊写真になりませんか?
 瓦礫が障害物となったところを避けつつ進んでいくのだが……一向に先に進んでいる気配がしない。
 闇雲に道を進んだところで効率が悪く埒が明かない、ということで――

「"誇り高き竜と成れ"」

 梓はユーベルコード【万物竜転(サムシングドラゴン)】を手頃な瓦礫に向けて発動した。
 凡そ103m半径内の無機物を竜と変え、意思疎通を可能にするユーベルコード、これの特筆すべき点はその無機物がこれまでそこに佇み続けた過程そのものを記憶として保有した状態で竜化させるということ。
 つまり、このような廃神殿において一番手っ取り早い情報源に他ならないのである。

『我に言葉を齎したのは汝らか』
「ああ。ここにあるというメガリスを探していてな、先に進みたいんだ。知っていることを教えてくれ」
『良かろう。先に進むならば――』

 と、最適解を教えてもらった二人は無機物ドラゴンに感謝を告げて先に進もうとする……のだが。その前にと無機物ドラゴンが引き止めてくる。

『……亡霊には注意することだな』
「ああ、対策はバッチリしているさ。ありがとうな」
『いや、そういうことではなく……"奴らは例えどこでも現れるからな"……素早く逃げ切る術を持っておくことだ。かつてここを訪れた賞金稼ぎが何人も奴に喰われては亡者の仲間入りをした』
「それは中々ヤバそうな幽霊だね。気をつけておくよ」

 奴って一体何なんだろうな、と思いつつ。今度こそ綾と梓は先へ進む。
 教えてもらったルートを辿ればびっくりする程するすると進み、景色が先程よりもがらりと変わってきた。
 そう、まるで死を纏ったかのような不気味な空気。あちこちに転がる白骨と化した屍……
 そして何より。

 \ズンズンズンズン……♪/

「……ん?」

 何か脳内で変な曲が流れ出したような感覚を覚えて梓が首を傾げる。

「梓?」
「……何故だろうか世にも恐ろしいものが現れそうなBGMが脳内に流れてくるような……」
「何それ」
「何それって言われても」

 そう問われてもそうとしか言いようがない梓はどうしたもんかと頭を掻く。

 \ズンズンズンズンズンズンズンズン♪/

 しかし段々その脳内に流れてくるBGMは大きく反響し段々と盛り上がりを見せ始める。
 嫌な予感が梓の脳を過ぎった。
 脳内BGMはんなこと知らんがなと言うかのように最高潮に達し――はっ、として梓が前を見ると。

 目の前には、なんと!

「…………」

 サ メ が い た。
 何か亡霊っぽくヒレが幽霊っぽいひゅーどろどろ的なうねりをみせているがしっかりサメだった。

「サメの亡霊だ―――――――――――――――――っっっ!?!?!?!?!?!」

 思わず綾の腕を引っ掴んで梓はダッシュ!!猛スピードで逃げ出した!!

「待て待て待て待て何でサメの亡霊みたいなのがいるんだよ!!!あの無機物が言ってたのこれか!?!?」
「うわぁ、凄いよ梓。サメだよサメ。水もないのにすいすい空中を泳いでいるよ、凄くない?」
「そんなサメがいてたまるか!!!!!!!!」

 梓が必死の形相で走る一方、綾は楽しそうにあははと笑いながら疲れを見せない足取りでついていく。この温度差で風邪を引きそうなレベル。
 二人が全力ダッシュで逃げるのをサメは猛スピードで追いかける、しかも何か気づけば随分数が増えている。
 具体的に言うと二人のレベルを合計すると丁度ぴったりぐらいだろう数のサメの亡霊が二人を追いかけていたのだ!!!

「おいおいおいおいおいおいおい何でこんなに数が増えてんだよ!?!?!?!?」
「わあ、戦争でちょくちょく聞いたサメの群れとの戦いみたいな感じになってきたね。そういや戦争では見たことなかったな~サメ。あはは」
「おい綾!!!!呑気に笑ってないでこの状況をなんとかしろ!!!!!!!!」
「はいはーい、了解。"あんまり好きじゃないけどね、この姿"」

 そう笑う綾の背からめき、と音がしたかと思えばまるで蝙蝠のような大きな黒翼が姿を現す。
 ユーベルコード【オクスブラッド・エンペラー】によりヴァンパイアの姿へと姿を変えたのである。紅い蝶をその身に纏いながら、綾は梓の手を掴み――

「振り落とされないように気をつけてね、梓」
「ちょっと待て何をする気dぎゃ―――――――――っっ!!!」

 言うや否や梓を連れて綾は飛翔、その飛翔速度たるや時速にして凡そ515km!!
 確かに普通の人間だったら振り落とされてもおかしくない、というか猟兵でも振り落とされてもおかしくはない速度で綾はサメの亡霊の群れを撒いていく!!
 相棒の悲鳴等気にも留めずサメすら届かぬ圧倒的速度で振り切った結果、二人は無事に廃神殿の奥へと進むことができたのであった……

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャロン・アイテール
廃墟、神殿、お宝……
ゲームのような舞台で、まさに僕にピッタリの舞台じゃないか?
ではさっそく、攻略を始めるとしよう。
隠されたお宝を見つけられるかもしれないよ!?

まるでゲーム攻略配信を始めるかのように解説しながら廃墟を進んでいく。
亡霊に囲まれてちょっとピンチになっても、動画が盛り上がるならオッケーと言う方針。
しかし本当に危なくなったら服に仕込まれた光学迷彩を発動させて危険から逃れる。

UCを使用して廃墟を進む様子を配信し、自分の活躍やピンチの様子を視聴者に応援してもらうことで自身を強化する。



●【ホラー注意】島にある廃墟神殿を攻略したった【実況プレイ】
「さてさて、それでは配信始めるよ~」

 ユーベルコード【グッドナイス・プレイヴァー】を使用して実況プレイをしようとしているのはシャロン・アイテール(電脳忍者配信者・f28974)。
 早速「わこつ~!」「ktkr」「\キャーシャロンクーン!/」と次々コメントが寄せられている。
 バックにどどんと映された廃神殿にフォーカスを当てればさらにコメントが続々と。

「今回のダンジョンはこちら。廃墟、神殿、お宝……ゲームのような舞台でまさに僕にぴったりの舞台じゃないか?では早速、攻略を始めるとしよう……隠されたお宝を見つけられるかもしれないよ!?」

 見つけられるかも、ではなく本当に見つけないといけないのがグリモア猟兵の依頼だが、盛り上がる為の言い回しというものは存在している。
 wkwktktkとかがんばえ~とかコメントが流れていく中シャロンは意気揚々と最初の一歩を踏み出した。

「さて、こういった廃墟はだいたい瓦礫だったり穴が空いていたりで道を遮っていることが多いものなんだけど――おっと、早速だ」

 言った矢先か、床が完全に崩れて大穴が空いている道に出くわすシャロン。

「結構大きいし底も深そうだ。落ちたらひとたまりもないかも……遠回りするか、ワンチャン賭けて飛び越えるか。だいたいこの二択になるんだけど――ここは忍者のジャンプ力を見せてあげようじゃないか?」

 やる気満々の強気な笑みを見せるシャロン。「mjd!?」「シャロンくんカッコいい流石忍者カッコいい」と心配や応援のコメントが入り混じる!
 しかし応援のコメントがあればある程【グッドナイス・プレイヴァー】によりシャロンの身体能力はぐんぐん上がっていくワケで、この程度の大穴を飛び越える等もともと忍者である彼には尚更造作もないことなのだ。
 軽やかなジャンプで大穴を飛び越えれば「おおおおおおおおお!!!」と感嘆のコメント弾幕の嵐。

「これで最初の難所は乗り越えたよ。さあどんどん進んで行くよ~!」

 その後もシャロンは意気揚々と次々に様々な障害物を乗り越えていく。瓦礫然り大穴再び然り、さらには亡霊に囲まれすらもした。
 だが、多少の危機でやられてしまう程猟兵という埒外の存在は軟ではないのだ。

「おっとここまで亡霊がたくさんいるとヤバいね。忍者らしく隠密行動で切り抜けよう……」

 と言ってシャロンは服に仕込まれた光学迷彩を起動、姿を消して音を立てぬように亡霊の群れをくぐり抜けていく。
 霊感がなければ亡霊が見えない人がいるように、亡霊も気配がわからなければ見えることはない。
 冷静な行動に感嘆のコメントが流れる中、見事亡霊の群れを乗り切り地下への階段を見つけた。

「お、階段がある。これはこのまま降りていった方が良さそうだ……まだ体力あるし、休憩挟まずにこのまま枠延長でお送りするよ~」

 疲れを感じさせない足取りで、シャロンは階段の奥へと進んでいった――。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・【POW】使用
・アド/絡◎

■行動
(巨大羊に乗ったカルロスさんを想像中)
強力そうですが楽しげな品ですし、何とか頑張ってみましょう。

『FBS』を四肢に嵌め飛行、足場の影響を防ぎ、気を付けて進みますぅ。
『効果弱め・効果時間長め』の『秘薬』を摂取し【霊結】を使用、急な亡霊の出現等で驚かない為の『精神力』と、仕掛け等を発見する為の『知覚力』を強化しておきますねぇ。
不意打ちさえなければ、『襲ってくる亡霊』は『霊刀』で切り捨てれば良いですし、危険が無いようであれば放置、『メガリスの種類』を知り、もふもふに惹かれてきた方は連れて行っても良さそうでしょうかぁ?

後は、体型的な天敵『狭い通路』さえなければ。



●ボク悪い●●じゃないよ、は多分大体信頼していい奴
『汝らの王たる我、カルロス・グリードより全てのコンキスタドールに命ずる』
『め~』
『……』
『め~♪』

 ……と、そんな感じで獣王の冠を使って巨大羊に乗っているカルロス・グリードを想像する夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。
 羊を撫でて羊がご満悦そうにしているところまで受信した。そう、もふもふはオブリビオン・フォーミュラでさえ虜にする魔性を持ち合わせている――!
 とかそういう話はさておき、今回の目当てであるメガリスは強力そうだが楽しげな品であると思った。そして何よりそこまででかい上ふわふわもこもこだともふもふを摂取していたとしても一度は触ってみたくなる。

「何とか頑張ってみましょう」

 その為にも準備は念入りにしなければならない。
 まずは『FBS』を四肢に嵌め、飛行することで足場の影響を防ぎ効率化を図る。次に『FTS』からがさごそと取り出したのは特性の『秘薬』である。
 必要に応じて秘薬の強度を使い分けるための管理用ラベルを確認。効果は弱めだが、その分効果時間が長いタイプのようだ。

「"大いなる豊饒の女神、その鴻大なる知と力をお貸しくださいませ"」

 自らが信仰する豊饒の女神への祝詞を謳い上げてから一気に飲み干すとユーベルコード【豊乳女神の加護・霊結(ミタマムスビ)】が発動。
 これは体型(主に胸)に影響が出るが、その分薬の強度と時間に応じて自身の行動の成功率を上げるユーベルコードである。
 急な亡霊の出現等ハプニングで驚かない為の精神力、仕掛けられているであろう罠等の妨害ギミックを発見する為の知覚強化が目的だ。
 ただでさえないすばでぃなるこるがさらにちょっとないすばでぃになったところで準備は万端、いざ奥へと進んでいく。
 飛行移動しているおかげで落とし穴や崩落等は気に留めずに進めるし、罠も早くに検知して遠回りか解除の為のスイッチがあればそれを見つけて何なく回避。非常に滞りなく進行していく。
 もし亡霊が襲ってきても霊刀『純夢天』を鞘から抜いて斬り捨てればあっというまに浄化完了である。今のるこるに敵も障害もほぼほぼ存在していなかった。
 奥へ進めば進む程亡霊の数も増していくが、知覚を向上させた上に女神の加護を受けたるこるの霊感は研ぎ澄まされており、不意打ちを狙っているのにも気づいて逆に奇襲を仕掛けたりと次々亡霊を斬り捨てていくのだが――

『ひえっ!待ってボク悪い亡霊じゃないよ!』

 と、どっかで何か聞いたことあるようなセリフを宣う亡霊が1匹……1匹でいいのだろうか。とりあえずそんな亡霊がいた。
 声からして少年ぐらいだろうか?よくアニメである人魂みたいなまん丸い外見の亡霊がぷるぷる震えている。

『危害を加えるつもりないから見逃してぇ……』
「ふむふむ……私も必要があるから応戦しているだけなので、戦うつもりがないのでしたらそれで大丈夫ですよぉ」
『ホント?ありがとう!ボクここに凄くもふもふでもこもこのおっきいひつじがいるって聞いてきたんだ!お姉さんもそうなの?』
「そうなんですかぁ?私はここにメガリスがあると聞いてやってきたのですが……」
『うん、メガリスでその大きい羊に乗れるんでしょ?ボク知ってるよ!』
「ふむふむ……」

 るこるは少しだけ考える。危害を加えるつもりもないし、ただメガリスを知っておりかつもふもふに惹かれてやってきただけであるなら……もしかしたら協力してもらえる可能性はありそうだ。

「でしたら、私と行き先は同じみたいですねぇ。よろしければ一緒にいきませんか?きたばかりで道の把握ができているワケではありませんので、一緒にきてくれると心強いですぅ」
『えっいいの?わーいやったー!ありがとう!それならいい近道知ってるよ~!』

 なんとフレンドリーな少年亡霊、近道の案内までしてくれる。何かどっかのクエストに出てくるぐらいフレンドリーで協力的である。
 そうして早速案内してくれたはいいのだが……

『ここだよ!ここ~』

 案内してくれた通路が、それはもう、めっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃくちゃ狭かったのである。

「……ううーん……」

 るこるは自分の胸と通路を交互に見る。
 そう、狭い通路は発育がすこぶる良すぎて服が見つからない程のナイスバディである彼女にとっての最大の天敵なのであった!
 さらに今は秘薬を飲んだことによりさらに胸のサイズは増加している!狭い通路が通れるかと問われれば――否!!

「(うーん。まあ、案内してもらいましたし……)」

 とりあえず、入るだけ入ってみようと通路に足を踏み入れたら案の定胸が非常につっかえたので申し訳ないがと断って別の道を探すことにしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シホ・イオア
お宝さがしも重要だけど亡霊さん達をこのままってわけにもいかないよね。
というわけで癒し系として祈りを込めて破魔と浄化もがっつり込めて亡霊退散!
「輝石解放、サファイア! 浄化の雨よ、降り注げ!」
あ、除霊は覚えたてだから効果薄くて痛かったらごめんね?
空を飛びつつUCで雨を降らしていくつもりだけど
敵の妨害もありそうだなぁ。
シホは目立つしね。
その時は残像で避けるか結界術で安全地帯を作るかして対応。

お宝探しは……亡霊さん達が集まってるところが妖しいのかな?
お話が聞ける亡霊さんがいるといいけど。

アドリブ連携歓迎。



●癒し系(浄化)
 さて、メガリスを求め先へ進む猟兵たちであるが、当然奥に進めば進む程亡霊の蔓延る数も増えるものだ。
 亡霊だけでなくゾンビやスケルトン、かつてここにメガリスを探しに訪れたであろう冒険者や海賊たちの成れの果てもあちらこちらに湧いている。
 シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)はそんな廃神殿の現状を重く受け止めていた。

「お宝探しも重要だけど……亡霊さんたちをこのままってワケにもいかないよね」

 目的のメガリスを手に入れたらそれではいおしまい、と言うワケには行かない程にこの廃神殿は亡霊亡者共の巣窟と化している。
 だからこそかの『王笏』もここにメガリスを隠しておけば奪われるまいと見たのであろうが、その王笏がいなくなった以上そうして保管する必要もないし……
 というワケでシホは癒し系として(!?)破魔と浄化の祈りを込めて亡霊退散することにした。

「"輝石解放、サファイア"! "浄化の雨よ、降り注げ"!……あ、除霊は覚えたてだから効果薄くて痛かったらごめんね?」

 ユーベルコード【ホーリーレイン】により自身の周囲、凡そ半径100m内に浄化の水球を溢れさせながらシホは飛翔する。
 浄化の雨がぱしゃん、ぱしゃんと当たる度、その清浄なる力によって亡霊たちは苦痛に呻くことなくかき消える――のだが、たまーにシホの言った通り効果が薄くて「いって!!」とか叫ぶ亡霊やゾンビもいたりする。
 いやゾンビって痛み感じるのか正直怪しいんですけども。

『あだだだだだだだだ!!!おまはんなにしてくれてんねん!!』

 あまりにも痛いのでブチキレた亡霊がシホめがけて突貫!
 しかし元から自身が目立つ自覚があった彼女が何も用意していないワケがなく、結界術で生成された見えない壁に頭をぶつけて消えていった。

「ごめんね、今度会う時は痛くないようにするからねー」

 二度目があるかどうかはわからないが、痛がらせてしまっては癒し系の名が廃るというもの。シホは除霊技術を上げることを心に誓ったのであった。
 そうして廃神殿中の魑魅魍魎を浄化しながら進んでいくシホは、その中でも亡霊が集まっているところが怪しいと見、覗いては収穫がないのを確認して亡霊たちの浄化を繰り返す。
 とはいえ、当然敵意がなければ無闇に手を出すつもりはない。

「うーん、お話が聞ける亡霊さんがいるといいんだけど」

 確かに亡霊が一番ヒントを持っていそうだけど率先して浄化してくる人に近づく奴はいるのだろうか。

『ひいっ!待ってくれえ!俺は危害を加えないから浄化するのはやめてくれぇ!!』

 いたわ。
 たまたま逃げ遅れたっぽくて命乞いしているように見えなくもないが、その亡霊は何卒と手を合わせてシホに懇願する。
 見た目からしてメガリスを求めてやってきた海賊のような容貌だ。

『あんたもここにあるメガリスを探してきたんだろ!?お宝は地下にある!!多分!!地下への進み方を教えるから浄化だけは勘弁してくれえ~!!』
「えっホント?……うーん、でもここに留まって地縛霊化するのはあんまりよくないと思うよ?」
『メガリスを見るまで成仏はできねえんだあ!頼むよぉ~~!!』
「じゃあ、メガリスさえ見れたら成仏してくれるんだね?」
『する!!する!!約束する!!!一度でいいからもこもこの羊に乗ってみたいんだよ!!!この通りだ!!!』

 空中で土下座して必死に頼み込む海賊亡霊。そこまで言うんだから嘘ではないだろうとシホはその頼みを承諾することにした。

「わかった、メガリスを見つけるまでは協力関係ってことでいいかな?」
『ああ!!ありがとう!!!ありがとう!!!あんたは話のわかる妖精だなあ!!』
「じゃあ早速だけど、地下への進み方を教えてもらっていいかな?」
『おう、こっからまずまっすぐに進んでだな――』

 と、ある意味で探索の前任者とも言える亡霊から知識を得たシホは、そこからびっくりする程さくさくと道を進んで行くことができたのであった。
 亡霊なので羊に乗りたくてもすり抜けていくのではないかと思うのだが、そこにツッコミが入る環境では残念ながらなかったようである……

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『ヤマゴボー星人』

POW   :    大地の加護(ゴボー・ホリ)
非戦闘行為に没頭している間、自身の【周囲の時間の流れ】が【緩やかになり】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
SPD   :    大地の民の祭(ゴンボ・ヌキ)
技能名「【ダッシュ】【逃げ足】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ   :    大いなる大地の恵み(ヤマゴボー・ヨーシュ)
【紫色の果実】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を紫色に染め】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●何がどうしてこうなった
 さて、神殿の奥というか地下に進んできた猟兵たちを待ち受けていたのは――

「ゴボーっ!!猟兵たちの侵入でゴボー!!逃がすなゴボー!!」

 ズダダダダダ、と勢いよく囲んでくるコンキスタドール残党『ヤマゴボー星人』、そして何故か広がる緑溢れる牧草畑であった!
 ……何で牧草広がってんの??

「ここを隠れ蓑にし巨大羊の餌の牧草を育てていたのを聞きつけるとは流石猟兵抜け目がないゴボー!」
「しかーし!カルロス様亡き後もコンキスタドールは不滅ゴボー!!」
「なのでお前たち全員ささがきにして豚汁の具として煮込んでやるゴボー!!」

 色々とツッコミどころしかない。
 何故こんな廃神殿の地下で牧草畑を耕せているのかとか、猟兵たちの目的はメガリスであって牧草ではないとか、ささがきにして豚汁の具にするとおいしいのはそっちの方では?とか……

 もしかしたら、倒したらささがきにして豚汁の具にしてみるのも本当に良いかもしれない。
シャロン・アイテール
何なんだよここは!?
ゴボウは嫌いじゃないけど、こいつらは食べたくないな。
だって顔がついててなんか怖いし……

さて、逃げ足が速いようだから、挟み撃ち作戦で行くよ。
え、僕一人で大丈夫だよ(誰かと行うのももちろん歓迎!)
「意識転送アプリ【Ciaron-Emulator】」起動。
忍者鎧「赤鬼の鎧」を自律行動させてヤマゴボー星人を追い詰めるよ。
僕はその間に畑に落とし穴を急いで掘って、牧草でうまい具合に隠すよ。
それが終わったら敵を落とし穴に誘い込んで、不意打ち攻撃だ!

「さて、今日の動画は『凶暴なゴボーvsシャロンくん』だよ。観ていってね~」



●【実況プレイ】凶悪なゴボーvsシャロンくん【ゴボーとは】
「……何なんだよここは!?」

 地下にしてはありえない光景にシャロン・アイテール(電脳忍者配信者・f28974)は目を丸くせざるを得なかった。
 そりゃ地下なのに牧草畑が広がっててゴボー星人がどこどこと押しかけている図を見たら誰だってそうなるとも言うのだが。
 それにごぼう自体は嫌いではないが、こいつらを食べたいとも流石に思わない。

「顔がついててなんか怖いし……」
「ゴボーッ!?こ、このちゃーみんぐな顔が怖いゴボー……!?」

 ショックを受けるヤマゴボー星人だが、チャーミングか否かについては確かに賛否両論な気もするのは確かであった。

「このかわいらしさがわからんとは何て不届き者ゴボー!我らの健脚でいかに愚かなことを言っているか思い知らせてやるゴボー!!!」

【大地の民の祭(ゴンボ・ヌキ)】により超人的な健脚を得たヤマゴボー星人共、一斉に突進!
 しかしわかりやすいぐらいにまっすぐすぎて目視で躱せてしまった。躱されたら躱されたでズドドドド、と畑を一周し始めるので流石にシャロンは何これ、と再び言いたくなる。
 が、ある意味動画としては間違いなく面白いであろうので枠の配信を決意。

「さて、今日の動画は『凶悪なゴボーvsシャロンくん』だよ。見ていってね~」

 動画撮影ドローンで牧草畑を駆け抜けるゴボー星人にフォーカスをかけたら「草」「なぁにこれぇ」といったコメントが早速並のように押し寄せ大草原化している。これは再生数が伸びそうだ。

「見てもらったらわかるけどあのゴボー、めちゃくちゃ逃げ足が速いようだから挟み撃ち作戦でいくよ……え、どうすんのって?僕一人で大丈夫だよ。何故ならこれがあるから!」

 ばばーん、と見せるように発動したのはユーベルコード【意識転送アプリ【Ciaron-Emulator】】。
 このアプリにより自身の装備する忍者鎧『赤鬼の鎧』に自らの意識の一部を転送し、自律行動させてヤマゴボー星人たちを追い詰めようという算段である。
 旗から見るとこんな速度ではとても追いつけない!と思うかもしれないが忘れてはならない、このような華奢で可愛い美少年の姿こそしていれどシャロンは忍者。
 ヤマゴボー星人の健脚スピードに遠隔操作する鎧で追いつくことなど――造作もないのである!

「ゴボ―――――――っっ!?!?」

 結果、ズドドドドドドと鎧がとんでもない速度で追いかけてくるある意味ホラーな光景にヤマゴボー星人たちはびっくりして逃げ惑い始めたではないか。
 その様子も視聴者からしたら大草原である。面白い図なのは変わりないからなあ。

「逃さないよ~?」
「ご、ゴボッ!?」

 そして忍者鎧が追いかけている反対側からシャロンが攻めていく!鎧と合わせて挟み撃ちをしかけられヤマゴボー星人たちは平静を保てない様子できょろきょろと見回し脱出経路になりそうな方を探し始める。
 あと数秒でこのまま捕まろうというところでなんとか見つけたのか二人の間を縫うように抜け出していく!

「っ、しまった!」
「ゴーッボッボッボッボッボー!甘いぞ猟兵!!」

 まるで勝ち誇ったかのようなヤマゴボー星人たちをこのまま見逃してしまうシャロン。
 視聴者がはらはらとした様子で見守る中、このまままんまと逃すことになるのか――そう思われた矢先、シャロンはふっと笑ったのだ。

「甘いね」

 そう呟いたその時、ヤマゴボー星人たちの向かった方向からまるで地面が崩れるかのような音と共に派手に土煙が上がり、牧草畑の一部が途端に姿を消す。
 いったい何が起こったのか?動画撮影ドローンが飛んでカメラを向けると、そこには巨大な落とし穴があった。
 ヤマゴボー星人たちが折り重なるようにその中に落ちてぷるぷるしている。
 そう、文字通り挟み撃ちは密かに仕掛けた落とし穴へと"追い詰める"為の戦術であったのだ。
 こんな大きい穴いつの間に掘ったのかと言われると、忍者であり猟兵であるのだから猛スピードで掘って仕掛けるなど造作もないことであろう。
 凶悪なゴボーvsシャロンくんはシャロンくんの勝利を迎えたところで枠の終了時間となった――!

成功 🔵​🔵​🔴​

シホ・イオア
羊ってさ、ゴボウとか食べるんじゃないの?とか
ヤマゴボー星ってどこだろー?とか
気になることはあるけど餌を育ててるなら羊の場所も知ってるよね。

「輝石解放、ルビー! 愛の炎よ、舞い踊れ!」
百の炎を面で展開し制圧射撃1
紫に染まった牧草と地面ごと真っ赤に燃やす。
敵の動きが鈍ったら誘導弾で確実に当ててダメージを蓄積。
とどめは収束した炎をぶつけるよ。
敵の攻撃は空中戦と残像を駆使して回避。

お供の亡霊さんには危ないから結界術で避難してもらう
時間があればフェアリーランドに入ってもらうんだけどね。

アドリブ連携歓迎。



●ごぼうも草なので食べるだろうなあ、きっと
「わあ、何か凄いね……?」
『おいおい何だあこりゃあ、こんな場所が広がってたかあ……??』

 シホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)と彼女に同行を申し出た海賊亡霊は揃って首を傾げる。
 そして目の前に立ちはだかるヤマゴボー星人たち。

「今度は亡霊と一緒にちっこい猟兵がきたゴボね!」
「フェアリーだからって舐めてかかるとやられるゴボ!気を引き締めるでゴボよ!」

 どう見ても顔がついて服を着ているだけのごぼうがぞろぞろと囲むように次々現れてくる。

「(うーん。羊ってさ、ごぼう食べるんじゃないの?)」
『(流石にわからん……)』
「(ヤマゴボー星ってどこだろー?)」
『(どこだろうなあ)』

 色々とツッコミたいところが多すぎるが相手が至って大真面目な様子なのでひそひそ話で済ませてから。

「気になるところはあるけど、餌を育ててるなら羊の場所も知ってるよね?」
「知っていたところで敵に教える奴はいないゴボよ!」
「猟兵は我らコンキスタトールの敵ゴボ!覚悟するゴボ!」

 紫色の果実を構えるヤマゴボー星人たち。完全に包囲されており、このまま集中砲火を受ければ果汁塗れは免れないだろう。
 投げつける構えを見せた時点でシホは即座に結界を展開し防ぐと、透明な障壁にべっちょりと紫色の汁が飛び散った。
 外れたら外れたで牧草を見事なまでに紫色に染め上げ、元の色はどこへやらとすら思わせる程に紫色で辺りが染まり始めていた。

「ゴボーっ!!中々防ぐゴボね!だが我々の力もその分増すのだゴボー!!」
「いつまでその様子を保っていられるゴボ~~!?」

 自らの装いすら紫に染め上げながら好戦的意欲を見せるヤマゴボー星人たち。
 このまま防戦一方でいるワケにもいかないと、シホはそろそろ反撃に出る決意をする。

「時間があればフェアリーランドに入ってもらうんだけど……そうも言ってられないね。亡霊さん、絶対にここから出ないでね」
『お、おう!無理すんなよ嬢ちゃん!』

 亡霊を守る為に術式を展開したまま、シホは結界の外へと飛翔。
 それを見たヤマゴボー星人たち、格好の的だと揃って紫色の果実を投げつけるがフェアリーの素早さを甘くみていたのか、それらは全てあっさりといなされて。

「"輝石解放、ルビー!愛の炎よ、優雅に舞い踊れ"!」

 反撃に放たれたのは愛を具現した炎を放つユーベルコード【ハート・ロンド】。
 凡そ数にして101個の愛の炎が辺りを舞い踊り、時には合体し、紫色に染まった牧草と地面を全て燃やし尽くしていく……!

「ゴボ―――――っ!?巨大羊の餌が!!!!」

 その餌を紫色にしていたお前らは一体何なんだ、とツッコミを入れたくなるがこの際もう置いておこう。
 牧草の延焼が広がれば、ヤマゴボー星人たちにも当然その炎の魔の手は伸びていくワケで。
 軽く尻辺りに延焼して慌ててあたふた走り回ったり頭燃やされてのたうち回ったりと戦いどころではない状態に陥る。
 それを好機としてシホはさらに誘導弾を発射、確実にヤマゴボー星人たちにダメージを与えていき、先程の四面楚歌のような状態とは一転し単騎無双の光景が繰り広げられていた。

『さ、流石嬢ちゃん……容赦ねえぜ……!』

 海賊亡霊がごくりとつばを飲み込んで見守る中、シホはとどめに炎を収束させてヤマゴボー星人の群れを一気に焼きゴボウへと仕上げていった……

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
成程、『天麩羅』等を考えておりましたが、『豚汁』も良いですねぇ。
御土産になりそうですぅ。

『FBS』を四肢に嵌め飛行、上から『隠れ場所』等の地形を把握しますねぇ。
そして【秤濤】を使用し[範囲攻撃]、『魅了』と『超重力波』による[2回攻撃]を行いますぅ。
『波動』の速さや『範囲』を考えれば、多少動きを遅らされても問題無く捉えられるでしょうし、『非戦闘行為』に没頭されるなら、そのまま『攻撃』では無く[料理]を開始して下拵えを始めれば良いでしょう。
後は『超重力波』による[重量攻撃]か『刀』による斬撃で順に仕留めますねぇ。

ところで『この方々を魅了する』と、一体どうなるのですかねぇ?



●きっとたまたまそっちの気がある奴に当たっただけだと思われる
「成程、天麩羅等を考えておりましたが、豚汁も良いですねぇ……お土産になりそうですぅ」
「この猟兵我々を食べる気ゴボー!?」

 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の献立を考える様子に戦慄するヤマゴボー星人。

「しかし我々を食料として標的にするとは目の付け所が鋭いゴボね……そう、我々ヤマゴボー星人!食物繊維とミネラルは他のゴボー星人共なんぞとは比べ物にならないぐらいの量が含まれているゴボ!」
「お通じバリバリ!善玉菌も退路湯発生!糖分吸収も緩やかに、血糖値の急激上昇も抑えられてがん予防にも超有効!」
「そして何より新鮮で噛みごたえのある触感!我々に勝てるゴボー星人もごぼうもありはしないでゴボー!!」
「それは素晴らしいですねぇ。栄養価の高い野菜は体に良いですからぁ」

 食べられたいのか食べられたくないのか、どっちなのか。
 それはさておき本当においしそうなアピールをされたので、るこるはますます良いお土産になりそうだと思った。顔がついているごぼうを食べたがる人がいるかどうかと言われると微妙なラインだが……

「ともあれ、どうあっても通す気がないのでしたら、相応の対応をさせて頂きます」

『FBS』を四肢に嵌め、るこるは宙へと浮き上がる。
 空中から俯瞰すれば、隠れることのできる地形も把握した上で攻撃が可能だ。
 そして宙に飛べばヤマゴボー星人もるこるがどういう攻撃に出ようとしているのかを察して動く!

「ゴーッボッボッボッボ!わかるゴボよ、空中から我々を一網打尽にしようとする作戦でゴボね!甘い!甘い!!たまねぎ並に甘いゴボ!!!さあ皆の衆、大地の加護を祈るゴボ――――――!!!!!」

 ――ゴーッボッボーゴーボッボー♪ゴーッボッボーゴーボッボー♪

 何か謎の歌を歌って踊り始めたヤマゴボー星人。るこるははて、と首を傾げようとして――違和感に気づく。
 体が重い?いや違う、"鈍らされている"のだ。ヤマゴボー星人のユーベルコード【大地の加護(ゴボー・ホリ)】による効果だろう。
 非戦闘行為に没頭することで自らを有利に運び、一切の攻撃を受け付けなくなる地味に厄介なものだ。
 故に今の奴らに攻撃は通用しない。……だが。

「なら、"料理"の下拵えを始めるとしましょうかぁ」

 相手がごぼうなのでと自らの行動を"攻撃"ではなく"料理"と定義づけることでこのユーベルコードの突破を試みたるこる。下拵えの準備とユーベルコード【豊乳女神の加護・秤濤(ハカリノナミ)】を発動!
 乳白色の波動でヤマゴボー星人たちについた泥を洗いにかかる!

「ゴボ――――――っ!?」

 その範囲、凡そ周囲1040mにまで及ぶ乳白色の波動は牧草も巻き込んでヤマゴボー星人たちの魂を釘付けにし、重力空間で地面という名のまな板に押し付けた。
 後は霊刀『純夢天』で一人ずつ丁寧にささがいては水に漬けていくだけである。
 しかしふと思った。

「(『この方々を魅了する』と、一体どうなるのですかねぇ……?)」

 【秤濤】には魂を魅了する効果がある。そしてそれは生命であり、心があるならば誰であれ豊饒の女神の加護により虜にするのである、が……果たしてこのヤマゴボー星人を魅了したらどうなるのか。

「ご、ゴボ……さ、ささがくなら……優しく丁寧に……あっでも女神様にならどれだけイタいことされても……♥」
「…………」

 ――うん、見なかったことにしよう。そうしよう。
 るこるはそっと目をそらして他のヤマゴボー星人から先にささがきにしていった。この完全に虜になってるヤマゴボー星人は果たして綺麗にささがかられたのか、それは彼女のみぞ知る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

灰神楽・綾
【不死蝶】
あっ、さっきのサメの写真撮り忘れてた
大量のサメが迫ってくる写真とかバズること間違いなしだったのに

わぁ、地下にこんなのどかな場所があったなんて
今回は忘れないうちに撮っとこ
コメント『牧草地にゴボウ立ってたんだけど』(草わらわら

前戦った時は逃げ回ってたから面倒だったけど
今回は向こうから来てくれるのなら話は早い
UC発動し、反応速度とスピードを高めて待ち構え
敵が射程圏内に入ってきた瞬間
両手に構えたDuoでザクザクと斬り倒していくよ
はい、ささがきー 千切りー 斜め切りー

何だか本当に豚汁食べたくなってきちゃった
やったぁ、梓お母さんの豚汁ときんぴらごぼうだ
どうする?このヤマゴボー星人持って帰る?


乱獅子・梓
【不死蝶】
あー、ひどい目に遭った…
一歩間違えば亡霊の仲間入りだったのに、こいつときたら…

ヤマゴボー星人…過去にも何度か戦ったことがあるが
こいつら、その度に俊足で逃げ回っていたような…
今回はちゃんと猟兵に立ち向かってくるとは
えらいじゃないか、成長したな
何となく子を見守る親のような目線

敵がこちらに向かってダッシュを始めた瞬間にUC発動
成竜の焔の広範囲・高火力のブレス攻撃で迎え撃つ
一度高速で走り出してしまえば
止まりたくてもそう簡単には止まれないだろう
こんがり焼きゴボウの完成だ
…まぁほぼ炭だが

じゃあ今日の夕飯は豚汁にするか
あときんぴらごぼうも作ろう
…いや、ちゃんとスーパーで安心安全のゴボウを買ってくる



●安心安全の有機野菜を食べたいものです
「あ――――……酷い目に遭った……」

 先程のサメ亡霊と逃亡劇を繰り広げたことにより乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は既に体力を消費しぐったりしていた。
 一方相棒の灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)はあ、と思い出したように声を上げる。

「さっきのサメの写真取り忘れてた……大量のサメが迫ってくる写真とかバズること間違いなしだったのに」
「(一歩間違えば亡霊の仲間入りだったのにこいつときたら……!!)」

 マイペースな調子の相棒に梓は頭を抱えながらも綾と愛竜たちを引き連れて奥へ進み、牧草広がる地下とは思えぬ光景――一部大穴が空いていたり草が燃え尽きていたりするが――に遭遇。

「わあ、地下にこんなのどかな場所があったなんて。今回は忘れないうちに撮っとこ」

 一部の惨状なんて最初からなかったかのように自然とスマホのカメラで牧草畑の光景、にヤマゴボー星人が入っている様子をぱしゃり。
 バズり目的にどこに挙げるのかと言われると多分イェスタじゃないかな。イェスタって何って言われるとイェーガースタグラムの略。

「『牧草地にゴボウ立ってたんだけど(草わらわら』……っと」
「マジで観光にきたようなテンションだな綾……」

 スマホからぴこんぴこんと通知音が鳴り始めてにこにこしている相棒に梓は再びため息をついた。

「ゴボっ!まだ猟兵たちがいたでゴボか!!もういい加減にして欲しいゴボよ!!」

 若干涙目のヤマゴボー星人の生き残りたち、ええいままよとユーベルコードを発動して真正面からぶつかってくるが梓も綾もひょいっと回避。
 梓たちはこいつらと戦うことがこれが初めてではなく、動きは覚えがあるのだが……

「何度か戦ったことがあるがこいつら、その度に俊足で逃げ回っていたような……今回はちゃんと猟兵に立ち向かってくるとは偉いじゃないか、成長したな」
「めちゃくちゃ暖かい眼差しッ!?お前は我々の母親ゴボか!?」
「誰がお母さんだ誰が!」
「先にそういう目で見たのはそっちゴボ!!!!」

 正論である。

「ええーい!!いいからお前らをぶっ飛ばしてやるゴボ!者共かかれ――――――!!」

 再びダッシュで突撃してくるヤマゴボー星人。
 相手が二人なのを踏まえ、戦力を分散させざるを得ないような陣形で二方向から襲いかかるつもりのようだ。
 とはいえ向こうからきてくれるのなら話は速い、応戦すれば良いだけなのだから。
 そしてこの二人は単独での戦闘力も決して侮れぬ猟兵であり、ヤマゴボー星人は結果として失策だったと言えるだろう。

「"紅き竜よ、世界を喰らえ"!」

 こちらに一目散にかつ真っ直ぐに突っ込んでくるヤマゴボー星人を迎え撃つように、梓はユーベルコード【為虎添翼(ベルセルクフレイム)】を以て愛竜『焔』を一時的に成竜へと成長させる。
 大きくなった『焔』の口から放たれる広範囲にして高火力の業炎の吐息でカウンターされたヤマゴボー星人はこんがり綺麗に次々焼かれていく――!
 まあそれもそうだ、一度高速で走り出してしまえばそう簡単にブレーキはかけられないのだから、炎の中に突っ込まざるを得ないのだから。
 ウルトラこんがり焼けた焼きごぼうの完成です。……ほぼ炭だけど。

「はい、ささがきー、千切りー、斜め切りー」

 一方綾は愛鎌『Duo』に自らの血を付着させ、ユーベルコード【ヴァーミリオン・トリガー】を発動。
 ヤマゴボー星人の驚異的なスピードにもさくさくと反応し得るスピードと反応速度を得た状態でざっくざっくと切り飛ばして返り討ちにしていた。
 ざっくざっくと切り刻まれていき、豚汁ときんぴらに最適なサイズになっていくのを見ると考えてもいなかったのに段々と食欲が湧いてくる。

「何だか本当に豚汁食べたくなってきちゃった」
「じゃあ今日の夕飯は豚汁にするか、あときんぴらごぼうも作ろう」
「やったぁ、梓お母さんの豚汁ときんぴらごぼうだー。どうする?このヤマゴボー星人持って帰る?」
「…………いや、ちゃんとスーパーで安心安全のごぼうを買ってくる」

 綾は別に食べることに抵抗はなさそうだが、自分も食べるし愛竜たちも食べるのだからと考えるとこの完全にただの材料と化したヤマゴボー星人たちを食べる気には全くなれない梓であった……

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ボブのふわふわの宝物』

POW   :    本当は怖い皆の輪(マワルジンギスカン)
攻撃が命中した対象に【触れると燃え移る消えない炎】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【次々と発生する「様々な意味での炎上」】による追加攻撃を与え続ける。
SPD   :    耕され永年私財となるべし(メリディアンボイス)
命中した【艶やかに囁くような声】の【調べ】に、【欲する言葉を与えられた者】が【所有する価値あるものが、血肉を喰らう宝石】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ   :    ボブと羊と不思議な壷(ジャラフワダブルアップ)
【燃えて爆ぜ散る宝石壺の内容物】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を輝き燃える宝物で満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ミアミア・メメアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●象よりでかいなんてもんじゃねえんだが!?
「ふぉふぉふぉ。喧しいゴボーの声がいつにもまして喧しいと思ったら猟兵かえ」

 そう言って悠々自適そうにしているコンキスタドール『ボブのふわふわの宝物』。
 そう、それは像どころか某ゴ●ラ級にでかいもっこもこの羊に乗って、そのふわふわっぷりにのほほんとしてすっかりやる気とは程遠い表情で眠そうにしていた。

 ……誰だよ象より大きいっつったのは。象どころじゃねえでかさだが!?

「ん゛め゛〜〜〜〜」

 サイズに見合った野太い鳴き声である。
 そんな羊の上に乗った『ボブのふわふわの宝物』はそのもふもふの極上さにうたた寝寸前である。あくびまでしよる。
 そう、見ただけでわかるもふもふの暴力と言っても過言ではない程、肉眼で理解できるもふもふオーラを、それは放っていた……!

 もふもふに抗う準備は良いか、猟兵たちよ!
サクラモフウサギ・モドキ
【メガリス希望】
ぷいぷい!(「獣王の冠」は人間含め全生物を従える自分にこそふさわしいと自負している。思い込んでいるだけ。)

ぶ……!(巨大な羊をありえないものを見る目でながめるでかいうさぎ)
ぷい!(一度目のぷいで相手に対抗して超もふもふ形態に進化し)
ぷい!(二度目のぷいで熱に対して耐性を得る)
ぶーっ!(相手のユーベルコードで炎上したまま体当たりで炎上に巻き込もうとするうさぎ)

一般うさぎレベルの知能なのでSNS的な意味での炎上は気にしない気がする。



●もふもふ VS もふもふ
「ふあ~……正直寝たいんじゃが……」

 メガリス『獣王の冠』を頭に戴き、もふもふの乗り心地に眠気MAXの『ボブのふわふわの宝物』。
 主の代わりにゴ●ラ級のもふもふ羊が全力で威嚇してくるが、大きくなってもやっぱり可愛いものは可愛い。確かにちょっと怖いが。

「ぷいぷい!」

 そんな羊(の姿をしたコンキスタドール)と羊(一応サイズは規格外であるが本物)に立ち向かうべくとてててやってきたのはサクラモフウサギ・モドキ(ちもしぃさん・f23238)!
 森ですくすくと育った可愛らしいうさぎの猟兵が今、規格外サイズの羊に勇敢に立ち向かう。
 もちろん、そのもふもふっぷりは決してあちらに劣りはしない!正直ここに他の猟兵がいたらサクラモフウサギちゃんをもふもふしたい衝動に駆られてもおかしくはない素晴らしいもふもふである。

「ぶ……!」

 とはいえその羊にサイズはうさぎとしての視点からしても"ありえない"ものであった。信じられないといった顔で羊を見上げるサクラモフウサギ。
 昼寝をキメようとしていた『ボブのふわふわの宝物』はそれに気づいて重たいまぶたをゆっくり開く。

「んあ?なんじゃウサギかぇ……」
「ぷいぷい!」
「何……?"『獣王の冠』は人間含め全生物を従える自分にこそ相応しい"……?ふぉふぉふぉ、これは面白い冗談を言うウサギじゃのう」

 何でうさぎの言葉がわかるんだろうかと言われると多分これもメガリスパワーなのかもしれないし自分が羊の姿をしているからかもしれない。

「まあそこまで言うなら相手をしてやろうかのう……いくぞ羊よ」
「め゛~!」

 意気揚々と羊が一歩足を踏みしめるとずぅぅん……と強い衝撃が地面を走り、サクラモフウサギはその衝撃でこてんと転がった。
 流石に一般うさぎと変わらないサイズなのでそらそうなる。
 だが、体勢を整えている間に『ボブのふわふわの宝物』のユーベルコード【本当は怖い皆の輪(マワルジンギスカン)】の炎上を誘発し続ける不沈の炎をサクラモフウサギを包んでしまう!
 何ということだ!このままでは彼女のもふもふの毛並みが酷いことに!だがそれぐらいで怖気づくような覚悟でここにきたワケではない、それを証明するようかのように今、サクラモフウサギのユーベルコードが発動する!

「ぷい!」

 【PUIPUIモフウサギVMAX(ランクアップモフシーズチェンジ)】!
 一鳴きする度にサクラモフウサギのPUIPUIニューロンが著しく増加し、彼女を劇的に変化させるユーベルコードである。
 これによりまずどうなったかというと、ゴ●ラ級サイズの羊に勝るとも劣らぬ巨大うさぎに変身!!でかい!最早説明不要ッ!!
 『ボブのふわふわの宝物』も流石にこれには眠気が覚めたので目をぱちくり。それはそう。

「ぷい!」

 もう一回鳴くことでPUIPUIニューロンがさらに増加!すると何と、さっきまで燃えようとしていた毛並みが途端に燃えなくなった!
 PUIPUIニューロンの力により火炎耐性を見につけ自己治癒で毛並みのふかふかさをキープしたのである。うさぎたるものもふもふは大事である。

「め゛~~~っ!!!」

 これはヤバいと本能で悟ったのか、巨大羊が主を守るようにその身を固める。
 不沈の炎は今もサクラモフウサギを焼き続けるが、熱と炎に対しての耐性を得た彼女には痛くも痒くもない。尚一般うさぎレベルのち脳しかない為SNS的な意味での炎上は気にしないし恐らく起こらない。
 つまり今の自身が炎上している状態を如何にするかが問われるワケであるのだが……言わずともおわかり頂けるだろう。
 今の彼女にとって、これはまさしく"武器"そのものなのだと……!

「ぶ――――――っ!!!」

 サクラモフウサギ、気合十分の捨て身タックルの如き体当たり!
 何と賢いうさぎであろうか、触れることで燃え移るという特性を利用し体当たりで相手にも押し付ける手に出たのだ!賢い!このうさぎ賢いぞ!!偉い!!

「め゛~~~~~~!?!?」

 巨大羊は自分の毛並みが燃えていくことにあたふたあたふた、じたばたじたばた暴れ始める。

「こ、これ落ち着け、落ち着かんか……アーッ!?」

 あんまりにも暴れるものだから、『ボブのふわふわの宝物』は羊の背からころりと冠ごと落ちてしまった。
 とはいえ別に深い水路みたいなのはなくあってもせいぜい浅いものなので、多分後でユーベルコードを解除してまたのそのそ登ると思われる……が!

「ぶ――――!!!」
「ぎゃ―――――――!!!?」

 それを好機とばかりにサクラモフウサギが時間の許す限り追いかけ回したのでしばらく追いかけっこするハメになったのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
(下拵え済の牛蒡をお土産に分けて)
こ、これはまた凄いもふもふですねぇ。
可愛いですぅ。

それでは、折角ですしもふもふを楽しませていただきましょう。
『FBS』を四肢に嵌め飛行、【愛玉摩】を発動しますねぇ。
これで、羊さんの攻撃や【UC】も『もふもふ愛』の下に破壊して無効化可能ですし、ボブさんや羊さんを傷つけなくても、もふもふを堪能し続ければ『浄化』が可能ですぅ。
後は『浄化』が完了するまで、ひたすらもふもふを楽しませていただきますねぇ。

メガリスですが、実物を見て効果を拝見していれば、後程(=シナリオ終了後)【宝創】で複製を作れますから、『入手希望者が他に居なければ』ということで?


シホ・イオア
ひつじさん、大変なお知らせがあります。
ヤマゴボー星人がささがきになって豚汁の具をゲット。
豚はいないけどひつじはいるな……って人が来るかもよ?
降伏した方がいいんじゃない?
(シホは焼いたけどゲットはしてません。お腹はすいたけど。)

ふわふわを堪能したいけどコンキスタドールが邪魔。
きっちりコンキスタドールだけを狙っていきたい。
「輝石解放、エメラルド! 雷の獅子よ、わが敵を噛み砕け!」
全力魔法に神罰などダメージソースになりそうなスキルは全て込めて狙い撃つ。
誘導弾も使えば回避も難しいでしょ。
今回も亡霊さんは結界術で保護。
メガリスをゲットして約束を守らなきゃね。
ちゃんと成仏するんだよ。

アドリブ連携歓迎。



●合理的にもふもふを楽しむ為の戦術
 下拵え済のごぼうをお土産に分け終えて、ついに巨大羊と対峙した夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)はそのあまりにもの大きさに目を丸くする。

「こ、これは……また凄いもふもふですねぇ……可愛いですぅ」

 そう、もの凄いもふもふである。そしてとんでもなくでかくなって鳴き声も相当の野太さになっても羊は羊である。
 つまり可愛い。可愛いは正義なのだ。

『なんてこったい、こいつぁすげぇや……こんなでかい羊がいるなんてよ……!』
「凄いね、もふもふが波のようだよ……!」

 時を同じくしてやってきたシホ・イオア(フェアリーの聖者・f04634)と彼女に同行している亡霊もびっくりであり、同時にこのもふもふを堪能できたらどれほど良いかと想像を膨らませずにはいられない。

「なんじゃなんじゃ、また猟兵たちかえ……?寝かせて欲しいんじゃが」

 『ボブのふわふわの宝物』は先程追いかけ回された疲労を回復するべく寝る気満々であった。『獣王の冠』のユーベルコード【ライオンライド】により生命力を共有している故か、羊も眠たそうにあくびをした。
 こんなでかいサイズの羊があくびしたらどうなるかというと、並のサイズは軽く吹っ飛ぶのである。

「わっ」

 当然フェアリーであるシホにはより強く影響があるワケで、あわてて結界術を展開して干渉を防ぐ。

「亡霊さんはシホがいいよって言うまでここで待っててね。ちゃんと約束は守るからね」
『おう、気をつけてな嬢ちゃん。……あーもふりてえ~!!』

 亡霊がもふもふ欲のあまり(何故か)唾を飲み込んで見守る中、シホはコンキスタドールへと宣戦布告を始める。

「ひつじさん、大変なお知らせがあります」
「何じゃ」
「ヤマゴボー星人がささがきになって豚汁の具をゲット」

 と言っているがシホはお腹は空いたけどゲットはしなかった模様。焼いたけど。

「豚はいないけどひつじはいるな……って人がくるかもよ?降伏した方がいいんじゃない?」
「こんなクソでかい羊を食用にする奴がいたら相当な物好きじゃが??」

 言われてみれば確かにそうだがこれだけ大きい羊だったらしばらく食事に困らないので食料にしようとする人はいるのも事実であった。
 そこはともあれ、シホは何とかして降伏勧告をしたい気持ちがある為交渉に出ているのである。
 何故なら?そう、羊のもふもふをなるべく損なわずにいたいからである。さっきちょっと炎で焼けたけどそれでも尚もふもふは健在だ。
 しかし『ボブのふわふわの宝物』は当然それを受け入れるつもりはないワケで、それならそいつだけきっちりと狙って仕留めなければならない。

「め゛~~~!」

 ご主人に何手出そうとしてんだおめー、と言いたげに羊が鳴いたかと思うと、のそっと立ち上がってどっすんどっすんと駆け回り始めた。
 狙いは定めさせんぞと言いたげである。
 その上から『ボブのふわふわの宝物』は持っている宝石壺から内容物をばら撒き、あちこちを輝燃する宝物で満たしていく。
 輝き燃えるそれは段々とフィールドを覆い、全体的な気温が上昇していく――つまり、春の気候であったならば夏レベルになり、地下であれば地上レベルの気温にはなるのだ。
 それが段々広がっていけば当然暑い!!と思わずにはいられなくなってしまう事態が待っている。
 もふもふを堪能するにおいてそういった事態は当然避けたい。だがもふもふは狙いたくない。ならばどうするか。
 簡単だ、ピンポイントでコンキスタドールに当たるようにすればいいワケだ。

「"輝石解放、エメラルド! 雷の獅子よ、わが敵を噛み砕け!"」

 シホはユーベルコード【ライトニング・ファングブレイカー】の雷の魔弾に持てる術式・能力を全て乗せて『ボブのふわふわの宝物』めがけて放つ。
 誘導弾の術式を噛ませている以上、ほぼ確実に羊をかすめることなく敵だけ狙えるハズだ。

「むう、追いかけてくるようじゃな。これ羊、きりきり走らんか」

 『ボブのふわふわの宝物』は自らのユーベルコードによるフィールドで強化されていることを利用し、羊に延々と走らせて逃げる、とにかく逃げる。
 魔力が切れるまで走り続けさせようという魂胆であろうか。だがそうは問屋が卸さない。

「"大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、愛らしきもの達に祝福と眠りを"……追いかけているところすみませんが、もふもふを楽しませて頂きますねぇ」

 『FBS』をつけて浮遊したるこるがユーベルコード【豊乳女神の加護・愛玉摩(モフモフナルヘイオン)】を発動し羊に一直線、そのふっかふかでもっふもふの毛並みを全身で堪能し始めた!
 ただもふもふしているように見えるが、これはるこるの持つもふもふへの愛に豊饒の女神の加護が相乗効果を発揮し、対象を一切傷つけることなく浄化することのできる対もふもふ限定の平和的解決ユーベルコードなのだ。
 ……いや平和的解決というよりは戦闘中でも合理的にもふもふを堪能する為のものと言えるかもしれないが本人がそれで満足なら良いんじゃないでしょうか!

「はぁ……見た通りの気持ちよさですねぇ……もふもふですぅ……♪」

 もふもふもふもふもふもふもふもふ…………
 もふもふされればされる程、ゴ●ラ級の羊は心地よさを覚えたのか気持ちよさそうに鳴き声を上げてうとうととし始める。
 当然、走っていたのが突然止まれば先程まで逃げていたモノが近づいてくるワケで。

「こ、これ羊!しっかりせい!敵の攻撃がすぐそこまdぎゃ―――――――――っ!!!」

 雷の魔弾が見事に命中し、自分の輝き燃える宝物フィールドの中に『ボブのふわふわの宝物』は落ちていった。

「よし!シホもふわふわ堪能するっ!!」
『おい嬢ちゃんずりぃぞ!!俺ももふもふするぞ!!!』

 それを確認したらシホは猛スピードで羊に接近、フェアリーの体躯では到底抱えきれないもふもふの海の中に溺れ行き、亡霊はそれを羨ましがるあまり結界から飛び出して自らも羊に突貫した。

「わあ……ふっわふわ……気持ちいいなあ……!」
『ああ……このもふもふに触れたんなら成仏せずにはいられねえぜ……!』
「はふ……幸せですぅ……」

 肝心のコンキスタドールとメガリスそっちのけで全員がしばらくもふもふを堪能していた。
 とはいえ一応相手の戦力は着実に削れているので問題ありません!むしろ仕事と私事を完璧に両立させた見事な戦術であると言えるでしょう!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

灰神楽・綾
【不死蝶】
うわぁ、話に聞いていたよりもだいぶ大きい羊だねぇ
草いっぱい食べてこんなに成長したのかな
このコンキスタドールも忘れず写真に…
あっ、大きすぎてフレームに収まらない
もうちょっと後ろに下がったら……
チェッ、しょうがないなぁ

メガリスの回収の為とはいえ
眠そうにしている相手を倒すのって
何だか可哀想な気もするけど、ね

梓のドラゴンたちが大きい羊さんを攻撃してくれるから
俺は本体のお相手をしよう
梓たちの邪魔はさせないよ
UC発動し、水属性のナイフを生成
飛んでくる敵の壺の内容物に向かって
ナイフを投げつけて迎撃、相殺を狙う
時にはEmperorをバットのように構え
カッキーンと内容物を打ち返して敵にぶつけちゃおう


乱獅子・梓
【不死蝶】
いや、デカッ!?
しかもここって地下のはずだよな…?
いったい地下何階なんだ、ここ…
おい、綾!写真撮影は中止!さっさと戦うぞ!

このデカ羊はライオンライドと同じということは
こいつらは生命力を共有していることになる
つまり、デカ羊だけを狙っても
本体にダメージを与えられるわけだ

UC発動し、炎属性のドラゴンたちを召喚
デカ羊に向かって一斉に体当たりだ!
ドラゴンたちの身体がもふっと埋まっていっても想定内
…何だか気持ち良さそうだなあいつら
そこから炎属性のブレス攻撃を放つ!
それだけ立派なもふもふなら、さぞよく燃えるだろうな
燃やす前にそのもふもふに直に触っておきたかったなとは少し思う



●やっぱりもふもふというものはいくらでも触りたくなるものでありまして
「ひ、酷い目に遭うたわ……」

 大分疲労が溜まっている『ボブのふわふわの宝物』。ユーベルコードで羊と生命力が共有されていることが仇になり、これまでの猟兵たちの攻撃により大分消耗していた。
 羊もちょっとぐったりして、というかもふもふしてもらったからか眠くなってきているが、その毛並みは決してそのもふもふ感を損なうことはなくいまだふわふわのふかふかである。

「うわあ、話に聞いていたよりも大分大きい羊だねえ……」
「いやでかっ!!!?でかすぎるだろ!!!しかもここって地下のハズだよな……!?」
「草いっぱい食べてこんなに成長したのかな?」

 灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)と乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)のコンビも流石にその大きさには目を丸くせずにはいられない。
 象より大きいとは聞いていたがまさかゴ●ラ級とは誰が思ったか。誰も思っていないだろう。きっと。
 しかし地下なのにこれだけのサイズの羊が佇んでいられるのも中々凄い光景であるが。

「……いったい地下何階なんだ、ここ」

 確かに地下に進んできてはいるがどこまで地下まで潜っていたのかのかふと気になった梓であるが、それは戦いに関係ないのでひとまず置いておくことにして、冷静に敵の分析を始める。

「(このでか羊は【ライオンライド】と同じということは、生命力を共有していることになる……つまり、でか羊だけを狙っても本体にダメージを与えられるワケだ……)」

 これだけ大きいのだから当然的としては最適以外の何者でもない。ならばコンキスタドール本体を狙うよりは羊を攻撃した方がこちらの消耗も少ないだろう。
 可愛くてもふもふふかふかそうなのがよくわかるので罪悪感を覚えないワケではないが。

「よし、綾……」
「あっ大きすぎてフレームに収まらない……」
「」

 そうと決まればさっさと戦闘開始だ、と思ったら隣で綾がどうやってこのでか羊をフレーム内に収めようか真剣な顔で調整している!

「もうちょっと後ろに下がったら……」
「おい綾!!!!写真撮影は中止!!!!!!!!!さっさと戦うぞ!!!!てか写真撮ってる場合じゃないだろ!!!!!!」
「ちぇっ、しょうがないなあ」

 写真に収められなかったのが心底残念そうな顔をした綾であった。残念ながらイェスタに挙げられる写真は先程のヤマゴボー星人で今日は最後になるかもしれないしそうじゃないかもしれない。

「で、どうするの?」
「でか羊を狙って攻撃する。生命力を共有しているから本体にそのままダメージが行く」
「じゃあ大きい羊さんは梓に任せて、俺は本体のお相手をしようか。……メガリス回収の為とはいえ眠そうにしている相手を倒すのって何だか可哀想な気もするけど、ね」
「これが眠そうに見えるかえ???」

 思わずツッコミを入れる『ボブのふわふわの宝物』。顔が非常にぐったりしているだけで眠気は吹っ飛んでいるようだ。眠いのは羊だけらしい。

「寝ようと思ったら散々な目じゃわい!さっさと帰れ!!」

 持っている壺から再び内容物をぽいぽいと投げつけてくる『ボブのふわふわの宝物』。
 このままでは先程と同じように輝き燃えるフィールドに染まってしまうのであるが――

「それ、かっきーん」

 何と綾がその内容物を愛器『Emperor』のハンマー部分で打ち返した!見事なホームランの軌道を描いたその内容物は丁度術者本人の頭の上に直下!

「あっづ!!!!!!!!?!?!?」
「め゛!?!?!」

 フィールドを展開できなかった為ただの危険物となった内容物、そのあまりにもの熱さに『ボブのふわふわの宝物』は羊の上をごろごろ転がり、その痛みが伝わって羊も蹲る。

「"集え、そして思うが侭に舞え!"」

 その間に梓のユーベルコード【竜飛鳳舞(レイジングドラゴニアン)】で召喚された炎属性のドラゴン104匹が巨大羊に突貫!
 一匹一匹がそのふかふかもふもふの中に埋もれていく!とても何か幸せそうな顔でドラゴンたちが次々もふもふに突撃していっては幸せそうにもふもふの海に沈んでいくぞ!

「……何だか気持ち良さそうだなあいつら」
「もふもふだもんねえ」

 もふもふはドラゴンすらも虜にする。恐るべし。

「はっ、痛みに転がっている場合ではなかったわ!おのれ猟兵!わしの安眠を邪魔するでない!!」

 そうは言ったが遅いような気もするが、これ以上ドラゴンを近づけさせるかと『ボブのふわふわの宝物』は再び内容物を次々投擲。
 ドラゴンたちをはたき落とそうと試みるが、梓は命令を変えることなく引き続きドラゴンたちに突撃させる。
 何故ならもちろん、綾という相棒のフォローを完全に信頼しているからこそに他ならない。

「梓たちの邪魔はさせないよ」

 綾のユーベルコード【マスカレード・ブレード】によって投げつけられた水属性のオーラを纏ったナイフが内容物と衝突。
 炎と水の相反する属性がぶつかることで発生する水蒸気の中から、ただのナイフと内容物になったものが地面にからんからんと落ちていく。
 あちらがいくら内容物を投げつけようと、綾はそれらすべてを水のナイフで相殺し続ける。

「はい、もう一回かっきーん」
「あ゛――――――――っ!!!!!!!!!!」

 さらにはまたもや『Emperor』で打ち返したら今度は『ボブのふわふわの宝物』の顔面にヒット!のたうち回る!
 我が相棒ながら容赦がない、と梓は思いながらドラゴンたちに追加で指示を出した。
 104匹のドラゴンは皆もふもふの海の中から大口を開けて――

「め゛!?め゛~~~!?!?」

 嫌な予感を感じたでか羊、今更ながらじたばたと暴れてドラゴンを振り落とそうとするが既に遅い。
 何よりドラゴンの持つ膂力はいくらでかい羊が暴れたところでしがみつく程度は余裕である。

「それだけ立派なもふもふなら、さぞ良く燃えるだろうな……!一斉攻撃ッ!!」
「め゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛~~~~~~~~!!!!!!」

 刹那、梓の号令によって104匹分の火炎のブレスがでか羊を業火で包み込んだ。
 当然、上に乗っている『ボブのふわふわの宝物』も必然的に巻き込まれる上、生命力を共有している故に2匹?1人と1匹?分のダメージを受けて断末魔のごとき悲鳴を上げる。
 燃え盛る巨大なもふもふ――

「……燃やす前に直に触っておきたかったなと少し思った。今」
「確かに。まあもう後の祭りだけど」

 もふもふチャージはしっかり済ませていたけど、それはそれこれはこれ。
 さっさと戦闘に入ったはいいけど、やっぱりちょっとはもふっとけばよかったという少しばかりの後悔の気持ちが心の片隅に置かれてあった――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャロン・アイテール
「わあ、すごいもふもふ!
寝っ転がったら気持ちよさそうだけどね……」
我慢して戦うよ。
UCで機械兵器を召喚して、巨大羊を撹乱します。
羊さんにとっては小さいから小さい虫程度のダメージしか無いと思うけど、近くを飛び回ったら邪魔に感じるよね。
そうやって時間稼ぎをしつつ、ボスの背後へ忍び寄り暗殺術で奇襲を仕掛けるよ。
忍者鎧をつけているから、爆発物が飛んできても避ければそこまでダメージは心配しなくて大丈夫だろう。
「隙あり! 油断してると痛い目にあうよ!」
「ふふふ、シャロンくんの忍者鎧はその程度の攻撃は効かないのだよ」
メガリスは、巨大な羊が出てきたら近所迷惑だな……と思っているので他に希望者がいれば譲ります。



●【配信】美少年忍者 VS ゴ●ラ級巨大羊【実況プレイ】
 さて、盛大にもふもふを燃やされた巨大羊は体力もほぼほぼ限界に近づき、非常にぐったりしている……が!

「め゛え゛~~~~!!」

 大きく鳴き声を上げ、ぶるぶると身震いしたかと思うとすっぽーん!と焦げた毛が一気に抜け落ちる。

「め゛っ!!」

 そして勢いよく力んだらなんと、新しく毛が生えてふかふかに元通りになったではないか!

「め゛、め゛~~……」

 ただし毛だけ。毛だけである。主を乗せたままその場にのびーんと転がってぐったりしているのは変わらない。
 一応野生の羊は夏と冬で毛の生え変わりがあるので恐らくさっきめちゃくちゃ焼かれたのを冬から夏になったんだと体が反応したのかもとかそんな理屈が一切通用しない一瞬にしての生え変わりである。
 羊としてのプライドの為せる技か(?)というかこの羊マジでメガリス何か食ってねえか?と思わずにはいられない。
 巨大羊が地面にぐでんとしている姿はさながらまるでベッドのようだ。

「わあ、すごいもふもふ!」

 そのもふもふにはシャロン・アイテール(電脳忍者配信者・f28974)も思わず釘付けである。

「寝っ転がったら気持ち良さそうだけどね……」

 そう、きっとまさに文字通りの夢見心地に違いないと確信が得られる程目視するだけでわかるもふもふ。
 だがシャロンは猟兵、ぐっとその欲望を堪えて戦う構えを見せた。

「ま、まだくるのかえ……」

 メガリス『獣王の冠』は尚無傷の状態で『ボブのふわふわの宝物』の上に戴かれていた。
 生命力を共有している故にこちらもまたぐったりした表情でいそいそと壺を取り出し臨戦態勢、羊も主に従ってのっそりと立ち上がり、最後の気力を振り絞る。

「め゛、め゛え~~~!」

 威嚇する羊。しかしその鳴き声も最早弱々しい。
 シャロンはユーベルコード【エレクトロレギオン】で小型の戦闘用機械兵器を召喚しけしかける。
 機械兵器、その数にして355機がレーザーを発射したり砲弾を連射したりするが、そのサイズ差は圧倒的であり羊にとってはかゆい程度でしかない。

「め゛~……!」

 かっゆいなこの野郎!と言いたげに前足でぐしぐしと自分の体をかくだけで一撃で消滅する程度の耐久力しかない機械兵器たちは次々に落ちていくが、それでもまだまだ存在する。
 その数を活かした攪乱戦法で巨大羊の周囲を飛び回っては痒みを与えるだけで十分な戦力削ぎに繋がるのだ。

「ううむ鬱陶しいのう……!さっさと終わらせたいんじゃが……ん?」

 内容物をぶちまけてやろうと目を凝らす『ボブのふわふわの宝物』の視界にシャロンの姿はいなかった。

「むむ、おかしいのう。さっきまでそこにおったハズなんじゃ、が――」

 その時『ボブのふわふわの宝物』は背筋に寒気を走らせる。羊にも共有されぶるりと震え上がると機械兵器たちがぴゅーんと飛ばされていった。
 が、機械兵器がなくなったところで既に遅い。
 何故なら、この美少年系電脳忍者は既に背後に回り込んでいるのだから!

「隙あり!油断してると痛い目に遭うよ!」
「し、しまっ……おのれ猟兵!この冠と羊は渡さんぞ!!」

 壺から内容物を至近距離で投げつけるが、忍者たるもの回避に距離は選ばないのでその大半を躱し、当たったとしてもシャロンの身に纏う忍者鎧がそれらのダメージを全て防ぎ切る。

「ふふふ、シャロンくんの忍者鎧はその程度の攻撃は効かないのだよ」
「お、おのれぇ!何じゃお前は!」
「見てわかるでしょ、忍者だよっ!」

 シャロンの忍者手裏剣が至近距離で放たれる!
 万全の状態の彼とは違い、『ボブのふわふわの宝物』は既にもうそれを避けられる程度の機敏な動きができる体力すら残っておらず、手裏剣をその身に受けたコンキスタドールの体は砂となって崩れ落ちた。

「め゛~~~~~!!!」

 それにより巨大羊も叫びを上げて光に包まれ、その姿を消していった。
 その場に残ったのはメガリス、獣王の冠ただ一つ――と、地下でありながら広がる牧草畑――一部めちゃくちゃになってはいるが――ーのみであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●エピローグ:メガリスは誰が?
 無事コンキスタドールを討伐し、メガリス『獣王の冠』は猟兵たちの手によって確保された。

「はい、亡霊さん」

 まずはシホが同行してもらった亡霊との約束を果たすべく、彼にメガリスを渡す。
 メガリス故の特殊な力か、亡霊のような実体なき身体でもその冠を頭に戴くことはできるようで。

『ああ、ありがとうな嬢ちゃん。羊ももふもふできたし、これで安心してあの世に行けるぜ……もう死んでるけどな!』
「うん、ちゃんと成仏するんだよ。またどこかで会えるといいね」
『そうだな、生まれ変わったらまた嬢ちゃんみたいな強くて愉快でいい奴に会いたいもんだ……それじゃあな』

 未練を果たした亡霊が消えていき、再び獣王の冠は猟兵たちの手に戻ってくる。

「うーん、持って帰れるらしいけどどうする?シホは亡霊さんがちゃんと約束守ってくれたからもう大丈夫なんだけど……」
「そうですねぇ。私はこうして実物を見て効果も拝見していれば、【宝創】で複製を作れますから。大丈夫ですよぉ」

 他に希望者がいなければ持ち帰るのも検討する、とるこる。

「…………(うーん、巨大な羊も一緒に出てきたら近所迷惑だな……)」

 シャロンの脳裏には何故か冠と羊がセットになっていた。いや、先程コンキスタドールが羊は渡さんとかのたまっていたせいであるが。

「僕はいいよ。欲しい人がいるなら譲ってあげて」
「ぷい!ぷい!!」

 とそこで欠かさずぴょいんぴょいんと跳ねてアピールするサクラモフウサギ。
 メガリス欲しそうにぴょいんぴょいんと飛び跳ねてはぷいぷい鳴いている。

「うさぎさん、このメガリス欲しいの?」
「ぷい!」

 ふんす、とふんぞり返ることで肯定の意を示すサクラモフウサギ。
 何故なら彼女は自身こそが全生物を従える獣の王であると信じて疑っていないからに他ならない。

「あ、これ冠被ってもらったらいい感じに絵になりそう」
「うさぎだからって許可なしに写メるなよ……?まあでもそうだな、せっかくだから被ってみたらいいんじゃないか?」

 バズりの気配を察知してスマホを取り出す綾を諌めながら、梓が冠をサクラモフウサギの頭に乗せる。

「ぷい!ぷい!!」

 サクラモフウサギはそれは嬉しそうにぴょいんぴょいん跳ねて、近くにあった適当な岩に乗って再びふんぞり帰った。
 その様子はとても可愛らしく愛らしい。

「おおー、王様とっても似合ってるよ。写真撮ってイェスタに挙げていい?」
「ぷい!」
「あ、僕もせっかくだから撮っとこう。動画のおまけ画像で使っても大丈夫?」
「ぷい!」

 良きにはからえ、とサクラモフウサギはご機嫌そうな顔で綾とシャロンにぱしゃりぱしゃりと写真を撮られる。
 その図はとても微笑ましいもので思わずこの場にいる全員が口元を緩ませる。

「シホ、うさぎさんがこのまま持って帰っていいんじゃないかなって思うよ」
「そうですねぇ。とっても似合ってますし」
「当初の依頼そのものは成功したしな。うさぎの王様、いいんじゃないか?」

 帰投するまでの間、持ち帰れることが嬉しかったのかサクラモフウサギはずーっと『獣王の冠』を頭に被せていたそうな。
 めでたし、めでたし。

最終結果:成功

完成日:2021年04月30日


挿絵イラスト