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哎呀!? 阻止! 中華悲劇的呪泉!!

#封神武侠界

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#封神武侠界


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●黄泉がえりし悪意
 封神武侠界の仙界にある数多の洞穴。そのひとつ……封印を施された封穴を遠目からじっと見つめる影。
「ああ……ようやく……ようやく見つけたぞ……」
 封神台よりこの世に舞い戻ってきた瑞獣の仙女は口元に妖艶な笑みを浮かべて呟く。一見すれば白き衣に身を包んだその姿は美しいの一言。だが、布の下、その下半身は既に白骨と化している。
「妾のこの身が元に戻れば……再び人の世に君臨することも叶おうぞ」
 そのためには――失われた身を再生させて、大量の人の生命力で以て固定するしかない。
「ふふふ……さぁ参るぞ」
 その第一歩となる封印された宝貝(パオペエ)。それを奪取すべく、瑞獣の仙女『屍仙女』は配下の『死告鳥』たちを連れて、封穴へと乗り込んだのである。

●グリモアベースにて
「というわけでめちゃくちゃ大変です! 封印された宝貝が強奪されました!」
 サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)はグリモアベースで集まってくれた猟兵たちに向けて叫んだ。
「あ、宝貝ってご存じですか? 最近見つかった封神武侠界の仙人が使う仙術兵器なんですけどね」
 仙人の力が込められているおかげでとってもすごい効果をもたらすアイテムなのだが、こう、人が創る関係でやっぱり失敗作とかもできるわけだ。
「そのひとつ、『呪泉楔』がオブリビオンと化した仙女に狙われたんです」
 呪泉楔は遥か昔に想像されて、危険すぎるがゆえに封印されていたもの。それを瑞獣の仙女『屍仙女』が奪取して使おうとしているのだ。
 もちろん仙界としても無防備にしていたわけではない。その封穴には仙人が住んでいるので有事には対処することになっている。それなりの実力を持つ仙人だ、1対1なら奪われるようなことはない……のだが。
「仙人と屍仙女が1対1で戦っている間に、配下の『死告鳥』たちが呪泉楔を奪って逃げる作戦でして」
 数の暴力には対抗しきれず、呪泉楔は強奪されてしまったというわけだ。

「今から行っても奪われた後になっちゃうので、こういう作戦で行きたいと思います!」
 サージェが予知をもとに作戦を告げる。
「まず、呪泉楔を使おうとしている屍仙女を倒してください!」
 今から行っても呪泉楔を奪われた後ではあるが、屍仙女は仙人に後を追われないように足止めしている。その場へ乱入して、まず屍仙女を倒す。
「その後、死告鳥たちを追いかける流れで!」
 死告鳥を追いかけるその道中で、呪泉楔がもたらす副作用が立ち塞がる。それを乗り越えると、死告鳥たちがいる水源へ辿り着く。死告鳥は戻ってくると思っている主、屍仙女のために呪泉楔を必死に守ろうとする。
「これを戦闘で撃破、呪泉楔を奪取してください。出来るならその場で破壊しちゃってもオッケーです!」

●で、呪泉楔って?
「で、肝心の呪泉楔の効果なんですけども……これがまた」
 ここでちょっと困った顔をするサージェ。
「えーとですね。源泉に埋め込むとなんと、『一回だけどんな願いでも叶える温泉』を作り出すことができるんです」
 ただし効果は時間制限付き。その温泉が枯れるまでだ。これだけを聞くと『あれ? 言うほど酷い効果じゃないじゃん?』とか思うかもしれないが、実は裏がある。
「代償が大きすぎるんです。呪泉楔を埋め込んだ源泉は3日のうちに枯れます」
 つまり、水源がひとつ滅ぶことになる。水源が滅ぶということは環境がひとつ死ぬ可能性をはらむということだ。
「ついでに副作用的なものがありまして。水が枯れるまでの間、水源の下流にいっぱい『呪いの泉』が出来ちゃうんですよねー」
 面倒なことに呪いは『恒久的』に効果を発揮する。
「何でも封神武侠界に伝わる、呪いの泉しかない伝説的な郷を再現するのだとか」
 その郷にある数多の泉は、この世に在る、あるいは在った、ありとあらゆる生物が溺れ死んだ記録があるという。
「で、呪いが発現するとその溺れた生物に変身しちゃうらしいんですよねーあっはっは」
 サージェは笑っているが、結構笑い事じゃない。何故なら呪いの泉に浸かってしまったが最後、姿が変わってしまうということなのだから。本来はその郷の泉にしかない呪いを、呪泉楔は疑似的に再現してしまう。
「猟兵でも例外はありません。変身します」
 めっちゃ気を付けてください。
 そう言ってサージェは猟兵たちを送り出すのでした。

●封穴の中
 いまだ戦闘を繰り広げている屍仙女と仙人。
「くふふふ……仙人よ。もう諦めよ。妾に食われてしまえば楽になるぞ?」
「バカなことを! アレは世の中に出してはならぬのだ!」
 仙人の放った雷が屍仙女を捉えるが、屍仙女はたいしたダメージを受けた様子もなく、再び立ち塞がる。
(くっ……余力を残したままでは勝てぬか……!)
 この後、追いかけることを考えるならここで死力を尽くすのは完全に悪手だ。しかし、この場でこの仙女を取り逃がすわけにはいかない。
(どうする……どうする……!?)
 一進一退の攻防を繰り広げつつ、やめるわけにもいかず。
 そこに差したのは一筋の光明。
「む……何者だ?」
 屍仙女が振り返る。そこにいたのは仙人に向けて拱手をしている猟兵たち。
「加勢か。ありがたい!」
 すぐさま屍仙女と仙人の間に割り込む猟兵たちに仙人が叫ぶ。
「すまない! 一時(いっとき)、時間を稼いでほしい! 呪泉楔に対する術式をこの封穴に残った気を通じて施す!」
 そうして、仙人は猟兵たちに戦いを預けて洞穴の奥へ。
「くふ……活きのいい。まずはお前たちから妾の贄としてくれようぞ」
 屍仙女もまた標的を猟兵たちに変更して、宝貝・芭蕉扇を構える。
 猟兵たちもまた、屍仙女に向けて武器を構えるのであった。


るちる
 まいどです。お世話になってます、るちるです。
 上様ー! どうしてこんなフラグメント用意したの上様ー!
 そんなわけで、シリアスとギャグとコメディを程よく混ぜた感じの封神武侠界シナリオをお届けします。

●全体
 3章構成の通常依頼です。章ごとに場面が転換しますので、地形効果を利用する場合はご注意ください。リプレイに関しては、シリアスからコメディまでプレイングの雰囲気に沿った形になると思います。ベースの雰囲気はら〇ま1/2です、ご参考に(版権には十分にご注意ください)

●1章
 ボス戦です。『屍仙女』と戦います。戦闘場所は宝貝を封印していた洞穴の中。
 この洞穴は仙人の住居でもあるため、宝貝効果で中は明るく、激しい戦闘でも崩れない強度を保っています。また『青龍偃月刀』を振り回す程度の広さはあります。しかし、洞穴なので太陽光は届かないという構造になっています。
 基本はバトルですが、かといってシリアスである必要はないのでご安心ください。

●2章
 冒険です。一転してコメディな雰囲気になるかと思います。そう、イメージは呪〇郷での修行だよ。
 山腹から水源に続く洞穴に乗り込みますが、入り口から水源までのありとあらゆる場所に呪いの泉が湧いています。天井とか壁面を走ると何故か落下します、注意して。
 サージェがOPで脅していますが、1章をクリアすれば仙人の術式が完成します。その効果で、呪いの泉の効果が一時的なものになります。詳細は2章開始時に説明します。

●3章
 集団戦です。『死告鳥』たちと戦います。水源のある場所は大きな空洞となっており、空中戦も可能です。
 呪泉楔は既に水源に埋め込まれていますが、願いの叶う温泉は作成途中。完成するまでの間に死告鳥を倒して、呪泉楔を回収すればOKです。なお、この場所に呪いの泉はありません。
 こちらもバトルですが、シリアスである必要はないのでご安心ください。

 2章と3章は開始時に、状況説明の冒頭追加を行います。また、プレの受付開始についてはタグにてご案内します。

 それでは皆さんの参加をお待ちしておりまーす。
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第1章 ボス戦 『屍仙女』

POW   :    白骨仙女
自身の【美しい上半身の肉】を捨て【絡み合う白骨の身体を持つ怪物】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
SPD   :    雲身变化
自身の身体部位ひとつを【雲】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    宝貝「芭蕉暴嵐撃」
自身が装備する【芭蕉扇】から【暴風】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【窒息】の状態異常を与える。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クトゥルティア・ドラグノフ
※アドリブ共闘大歓迎

す、姿が変わるってなかなか怖い効果だよ。
水源を滅ぼされるのもたまったものじゃない。水に暮らす私たちにとってそれは不味い!
水を大切にしないなら、水の怖さを知ってもらうよ!

開幕早々水色月光、水中に捕まえて切り刻んであげる!
いくら固かろうが、私の【戦闘知識】から導き出された急所狙いの【怪力】乗せた斬撃を耐えられるかな?
攻撃は【野生の勘】で【見切る】よ。
といっても、水中では満足に動けないでしょ!
陸上生物が水性生物に水中で勝つには、相手の三倍以上実力がいるんだよ!
貴女にそれだけの腕が果たしてあるかな!




 『屍仙女』を目の前にしてクトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)は油断なく構えながらグリモア猟兵の言葉を思い出す。
(す、姿が変わるってなかなか怖い効果だよ)
 呪いの泉の効果はなかなかに厳しい模様だ。しかしそれよりも何よりも。クトゥルティアにとっては危惧すべきことがある。
(水源を滅ぼされるのもたまったものじゃない。水に暮らす私たちにとってそれは不味い!)
 それは彼女の生態にかかわることなので、看過するわけにはいかない。
「水を大切にしないなら、水の怖さを知ってもらうよ!
 と屍仙女に対して、『銀陽』を構えるのであった。

「くくく……活きのいい」
 そう言って笑う屍仙女に。
「蒼き彗星にその涙あり。廻る星たちにその涙あり。冥暗に流れる白の流星に、母なる海の祝福を!」
 先手必勝と言わんばかりに、クトゥルティアが放つのは【水色月光】。周辺を完全に包み込む水塊を展開して、その場を一時的な海と化す。
「む……!」
 迫りくる水塊に対して屍仙女が体の一部を雲身変化させるもそれごと水に飲み込まれる。
「切り刻んであげる!」
 水塊の中に屍仙女を捉えたクトゥルティアは高速遊泳で以て接近。
「私の斬撃を耐えられるかな?!」
 クトゥルティアが持つ戦闘知識、そこから導き出された急所狙い&怪力による激しい斬撃を繰り出し、屍仙女を斬り付ける。
 ただ攻撃するだけでなく反撃に備えるクトゥルティア……だが。
「といっても、水中では満足に動けないでしょ!」
 クトゥルティアの目論見通り、彼女の動きで対流も発生している水塊の中では、屍仙女は思うように動けない。
(陸上生物が水性生物に水中で勝つには、相手の三倍以上実力がいるんだよ!)
 つまり、水棲に一日の長があるクトゥルティアが断然に有利と言うわけだ。
「貴女にそれだけの腕が果たしてあるかな!」
 クトゥルティアが叫びとともに銀陽を叩きつける。その攻撃に耐えきれず、水塊の中で崩れていく屍仙女。
「え? 終わった……?」
「くくく……まさか」
 クトゥルティアの声に応える声は水の中から。だがその姿は見えない。
「確かに我が身はその斬撃には耐えられぬ。されど……鉄が雲を斬ることも叶わぬ」
 咄嗟に自身の体の核になる部分を雲化した屍仙女はいまだ水の中に漂っている。雲も水分なれば、水を斬れねば屍仙女を斬ることはできない。

 屍仙女に対するファーストアタックは痛み分け。
 しかし、封神武侠界であっても猟兵の、否、自身の力は十二分に通じることをクトゥルティアは証明したのである。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒木・摩那
こんにちわ。猟兵です。
仙人さん、助太刀に来ました。
早々に倒して、宝貝を奪い返しましょう。

屍仙女は初めての相手ですが、なかなかの強敵ですね。
太陽光が無いとどこまでも復活しそうなので、まずはそこを抑えたいですね。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
まずは【先制攻撃】で敵の芭蕉扇をヨーヨーで【武器落とし】からの【念動力】で回収します。
そして、洞窟の天井をUC【墨花破蕾】で黒蟻に変換して、屍仙女を上方から襲わせるとともに、穴を開けて、太陽光を洞窟に取り込みます。
あとは手鏡で光の微調整して、屍仙女の再生を防ぎます。




 戦闘の口火を切った猟兵を横目に。黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は素早く『屍仙女』の横を通り抜け、この地を守っていた仙人の下へ駆けつける。
「こんにちわ。猟兵です。仙人さん、助太刀に来ました」
「ありがたい。助かった」
 拱手しながらそう告げる摩那。猟兵たちの介入でどうにか体勢を立て直した仙人は摩那に礼を告げる。
「早々に倒して、宝貝を奪い返しましょう」
 と屍仙女に向き直った摩那の背に仙人の申し訳なさそうな声が届く。
「すまないのだが……この場を任せても構わないだろうか?」
 曰く。宝貝『呪泉楔』が強奪されてから時間が経っている。このままでは呪泉楔を使用され、水源に対する楔となれば取り返しのつかないことになりかねない。
「今ならば、封印の地であったこの洞穴と呪泉楔がまだ気が繋がっている」
 それを経路(パス)として、仙術を流し込む。そうすれば呪泉楔の、楔としての効果が十全に発揮できないはずだ、と。
「後で追いかけるにも経路を辿れば。今なら間に合う。頼む!」
「任されました」
 仙人の必死な願いを背に受けて。摩那は快諾の頷きを返すのであった。

「くふ、ふふふ……猟兵よ、妾に食われる心積もりは出来たか?」
 先のダメージを白骨仙女にて再生させた屍仙女が悠然と嗤う。
(屍仙女は初めての相手ですが、なかなかの強敵ですね)
 それでも猟兵たちには、仲間の間のネットワークと予知がある。事前に得た情報を整理して戦いに挑むならば。
(太陽光が無いとどこまでも復活しそうなので、まずはそこを抑えたいですね)
 作戦は決まった。
 『超可変ヨーヨー『エクリプス』』を手にして、摩那は戦闘態勢に入る。

 しかし。
「ふ、ふふ……!」
 摩那が動くよりも早く。屍仙女が宝貝・芭蕉扇を振るう。突如巻き起こる暴風。
「くっ……!」
 風に飲み込まれ、体が浮きそうになる摩那。激しい風に呼吸も徐々に奪われていく。
(しかし、これはあの宝貝の力……!)
 そう、この暴風は屍仙女の力ではあるが、起点はあくまであの芭蕉扇。ならば、アレさえ無ければ。
「……はっ!」
 狙いを定めて鋭く腕を振るって、その手からエクリプスを飛ばす摩那。暴風に翻弄されないようにエクリプスの質量を調整、風にブレる軌道を念動力で補正して。通常ではありえない、だけれども摩那にとっては想定通りの動きでエクリプスを屍仙女に叩きつける!
「くぁっ!?」
 屍仙女の芭蕉扇を持つ手に直撃、そして握りが甘くなった芭蕉扇にエクリプスのワイヤーが巻き付き。くんっ、と摩那が引き寄せれば屍仙女の手から芭蕉扇が零れ落ちる。途端に止む暴風。
「舐めた真似を!」
 いまだ宙にある芭蕉扇に手を伸ばす屍仙女。しかしその手が届くよりも早く。
「させません!」
 摩那が念動力で芭蕉扇を捉え、ぐんっと自分の方へ手繰り寄せる。
「返せ!」
 先ほどまで見せていた仙人然とした態度をかなぐり捨てて飛び掛かってくる屍仙女をするりとかわして、摩那が駆ければ、摩那と屍仙女の位置が逆転する。
「今度はあなたの力を封じさせてもらいます」
 摩那がそう言った直後。彼女が立っている地面を中心に墨が紙に染みるように『黒』が広がる。
「地に潜みし精霊よ。物に宿りて我に従え。姿さずけよ」
 摩那の詠唱に応じて黒が広がる速度が加速する。その侵食は【墨花破蕾】の効果。洞窟の壁を、天井を蟻酸を持つ黒蟻の群れへと変じていく。そして天井から屍仙女に襲い掛かる黒蟻。
「おのれ! 斯様な真似……!」
 降り注ぐ大量の黒蟻を振り払う屍仙女に。
「本命はこちらです」
 摩那は自分の頭上を指し示す。そこには、黒蟻の侵食で以て開いた穴。そこから漏れだすのは……太陽光だ!
「……!」
 思わず飛びのく屍仙女。しかしそれを追従するように摩那が手鏡で光の角度を調整する。
「これであなたの力は封じました!」
「ちっ……!」
 摩那の言葉に舌打ちする屍仙女。
 太陽光を気にするあまり、動きが鈍った屍仙女へ摩那のエクリプスが再度直撃するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マル・メイリュン
屍仙女とやら、アタシがきっちり封神してやるからさっさと首出しな!

とまあ、威勢よく啖呵切るアタシだけど実は戦闘からっきしダメ
魔王はやっぱ自分の城でドーンと座ってないとダメだねアハハ

まぁ、あんたが好き勝手出来ないように苦手なアレ、用意したげるよ?

宝貝『鏡界陽焔陣』を発動
これだけ広ければ芭蕉扇の暴風とやらもすぐには届かないんじゃないかな?
ついでにあんたの陣地たる洞穴もあっという間にお天道様の燦々輝く真昼間

アタシ以外の奴と戦う際に白骨仙女とやらに気軽になれないねえ?
残念⭐️無念⭐️また来世!!

えっ、アタシ?
こんな透明な壁の迷宮、迷わず抜けれるとでも!(ドヤァ)

アドリブ、連携など歓迎


萬・道
我ら退治屋が先を越されるとは
噂の猟兵とやら、腕は確かなようだな

※封神武侠界に元からいる立場の人間です

すまん、遅くなった
この場にたどり着いた猟兵以外の退治屋は俺だけか

屍仙女とやら、お前の正体が白骨なのは分かっている
全力でかかって来い

敵を挑発し、あえて陽の光が差さない場所へ誘い込む
相手が本気を出し、十分な「脅威」となった時点で
切り札のユーベルコード「太陽剣」を使う

「技を借ります、天師範!」

陽の光が差さないはずの足元から、まぶしい太陽光が敵の全身を焼く

「言っておくが、逃げ場は無いぞ」

とはいえ、地力は猟兵たちの方が上
功夫が足りないのは、俺のほうか




 度重なる攻防によって、ついに立ち位置が逆転。入り口を猟兵に塞がれ、『屍仙女』が洞穴の奥へ追い込まれる。だが、あまりに奥へもいくことはできない。
 何故なら、仙人たちの前にもまた猟兵たちがいたからだ。

 屍仙女の行く手を遮るのはマル・メイリュン(大魔王様からは逃げられない?・f32740)と萬・道(マンドー・f32802)。
「屍仙女とやら、アタシがきっちり封神してやるからさっさと首出しな!
 開口一番、啖呵を切るマル。その横にいた道は。
(我ら退治屋が先を越されるとは……噂の猟兵とやら、腕は確かなようだな)
 自身よりも素早く、この事態に対処していた猟兵たちに内心舌打ちをする。この場にたどり着いた猟兵以外の退治屋は道のみ。封神武侠界に元からいる武侠英傑としては、何か思うところがあるのかもしれない。
 されど、今は目の前の敵。
「屍仙女とやら、お前の正体が白骨なのは分かっている。全力でかかって来い」
 道もまた、マルに続いて屍仙女を挑発する。
 狙いは……相手の本気を引き出すこと。

「くふ、くふふふ……よかろう」
 マルと道の挑発に、屍仙女の体がゆらりと揺れる。
 いずれにしても、奥にいる仙人は倒さねばならないのだ。
その思いが屍仙女に白骨仙女化をもたらす。洞穴に仄かに漂う太陽光。されど、『ダメージなど気にしなければ問題ない』。行動できる体力とダメージとを比べて、行動できる体力の方が多ければ。
「妾が倒れる前に……お主たちを排除すれば問題なし」
 絡み合う白骨の身体を持つ怪物と化した屍仙女が道へと襲い掛かる。

 だが、これこそ道の狙い! 相手が脅威となることが彼女には必要だったのだ。

「技を借ります、天師範!」
 そういって放つのはユーベルコード【太陽剣】。道の足元からまぶしい太陽光が放たれる。
「なっ?!」
「言っておくが、逃げ場は無いぞ」
 咄嗟に飛び退こうとする屍仙女に、道が告げる。その言葉の通り、放たれた太陽光は暗い洞穴の中を満たすように広がっていく。
「おのれっ!」
 ならば、と道を吹き飛ばすべく、屍仙女がその手にある芭蕉扇を振るおうとする。
 だが、それは戦況を見守っていた……否、絶好の好機を狙っていたマルが許さない。
「まぁ、あんたが好き勝手出来ないように苦手なアレ、用意したげるよ?」
 と告げたならば、素早く行動に移る。
「なにを……!」
「疾っ!」
 屍仙女に応えることなく、マルが振るうのは【宝貝『鏡界陽焔陣』】。直後、洞穴の中が不可思議な力で太陽光が燦々と降り注ぐ透明なミラーハウスで出来た迷路へと変ずる。魔王としての膨大な魔力も無限に吸い取る宝貝のフルパワー。その効果は絶大。
「これだけ広ければ芭蕉扇の暴風とやらもすぐには届かないんじゃないかな?」
「ぐっ……ちぃぃっ!!」
 どこからか響いてくるマルの声に、慌てて芭蕉扇を振るう屍仙女。しかし、巻き起こした暴風もそれがもたらす窒息効果も鏡界陽焔陣によって迷路の中を迷い、道にもマルにも届かない。
 こちらの攻撃は届かない。しかし、暗いはずの洞穴に太陽光が満ちている。白骨仙女による副次効果で徐々にその身を焼かれていく屍仙女。
「白骨仙女とやらに気軽になれないねえ? ってもうなってたか! 残念⭐️ 無念⭐️ また来世!!」
「貴様らぁぁぁぁぁぁ!! あぁぁぁぁぁっ!!!」
 怨嗟の声をあげながらその身を焼かれ続ける屍仙女がついに絶叫をあげる。このまま死ぬか……あるいは術を解くか。解いたとしてもこの迷宮を抜けられるかは別である。
 あれ? マルさんどうするの?
「えっ、アタシ? こんな透明な壁の迷宮、迷わず抜けれるとでも!」
 ドヤ顔であった。たぶん真実だろうきっとおそらく。
 そんな様子をどうにか合流した道が見つめる。
(地力は猟兵たちの方が上……功夫が足りないのは、俺のほうか)
 それは退治屋としての誇りか、あるいは彼女の性質か。

 ともあれ、この場はマルと道の勝利である。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

上城・桂悟
なんでヤバい物って壊されずに封印されるんだろうな……。いや壊せなかった可能性もあるけど。まあ大事になる前に止めないとな

現場に着いたら仙人に拱手をした後で助太刀に入る。こういった風習や礼儀作法は大事だって兄さん達に教えられたからな

主に水や風の属性攻撃、衝撃波を使って高速詠唱や全力魔法も入れて戦っていく。味方がいるようなら援護射撃で支援。タイミングを見計らって【凍結領域】も使っていく
敵の攻撃は見切りやオーラ防御で対応。もし窒息状態になっても無酸素詠唱で攻撃を試みるが無理はしない

他の人との絡み・アドリブOK




 『屍仙女』のユーベルコード白骨仙女。その弱点を的確についた猟兵たちの攻撃に、その身は防御力を無視して太陽光に焼かれていた。
「おのれっ……おのれっ……!」
 白骨化した怪物から元の仙女然とした姿に戻り、怨嗟の言葉を放つ屍仙女。

 ――もはや、この地にいる価値無し。

 そう、目的の宝貝は既に配下が得ているのだ。仙人という憂いを残せば後々面倒にもなりそうだが、我が身が力を取り戻せば何ら問題はない。
 この場からの戦略的撤退。それのみを目的に、どうにか猟兵たちのユーベルコードから逃れた屍仙女。

「なんでヤバい物って壊されずに封印されるんだろうな……」

 しかし、その背に上城・桂悟(静かに佇む蒼月・f04997)が言葉を投げかける。それは『逃さない』と言外に告げている。
「……!」
 羅刹の形相で振り向き睨みつける屍仙女に対しても、普段の様相を崩さずに桂悟は悠然と立つ。
「いや壊せなかった可能性もあるけど。まあ大事になる前に止めないとな」
 そう言って風の属性を宿す銀の短剣『Boreas』を構える桂悟。そう、大事を止めるためには屍仙女ごときで足止めを食らっている場合ではない。

 仲間の猟兵たちが屍仙女を押し留めている間に。
 実は、桂悟は仙人を洞穴の奥、呪泉楔が封印されていた場所まで送り届けていた。拱手を行い、万が一があってはいけないと、礼を尽くした桂悟の申し出を仙人は快諾してくれたのだ。
(こういった風習や礼儀作法は大事だって兄さん達に教えられたからな)
 良好な関係の兄たちをふと思い出しつつ、役目を終えた桂悟は再び戦線に戻ってきたのである。

 戦闘態勢に入った桂悟を見て、屍仙女も戦いを避けられないことを悟る。
「此処で……倒れるわけにはいかぬ、いかぬのだ!!」
 宝貝「芭蕉暴嵐撃」。屍仙女の手にある芭蕉扇から、激しい――これまで戦闘と比べても最大級の暴風が放たれる!
「……」
 しかしそれに動じることなく。桂悟が返したのは詠唱ひとつ。高速詠唱によって瞬時に風の壁を形成する。
「ついでだ」
 と。その風の壁に全力で魔力を込めて魔法強度を上昇。芭蕉扇の暴風を真正面から受け止める!
「くっ、貴様ぁぁぁ!!」
 狂乱したかのごとく芭蕉扇を振るい続ける屍仙女。追加される暴風の渦に徐々に威力が増して桂悟の風の壁を押していくが。
「何とかのひとつ覚えってやつだな」
 桂悟は風の壁を維持しながら、もう片方の手でBoreasを振るう。放たれるのは『新たな術』――風すらも斬り裂く衝撃波。それが空中を疾走って暴風を細切れに斬り裂き、そして風そのものを霧散させていく。
「な……な……」
 自慢の暴風を斬り裂かれて一瞬放心する屍仙女。

 その隙を逃す桂悟ではない。

 桂悟の手の内に精霊が変化して水晶で装飾された蒼いロッド『aquamarine』が顕れる。
「凍てつく白銀の世界をここに!」
 詠唱とともに桂悟は杖に宿る水の魔力を最大解放。紡がれた魔力が【凍結領域】となって、先の暴風にも負けないほどの激しい吹雪がこの場の全てを凍らせていく!
「……!?」
 反応が遅れた屍仙女にそれを回避する暇などなく。洞穴の中を吹き荒れる吹雪が屍仙女を捉えて逃がさない。そして吹雪が屍仙女を中心に収束して、ひとつの氷塊を作り出す。
「火照った体には、ちょうどいいよな?」
 そう告げる桂悟の言葉は軽口のようで、しかしそれは勝利宣言だ。
 Boreasによる銀の剣閃が氷塊を叩き割れば、凍り付いた屍仙女の体が氷ごと砕け散る。太陽光が無くとも、屍仙女が再生する力は最早失われている。
「まずはひとつ」
 骸の海に還る屍仙女を確認して桂悟が呟く。

 宝貝・呪泉楔を奪取した黒幕『屍仙女』はこうして猟兵たちの手によって倒された。彼女の思惑は果たされることなく、洞穴の闇に溶けていったのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『不思議な泉』

POW   :    邪魔な敵を泉の中に蹴り落とす

SPD   :    泉を迂回したり、飛び越えながら移動する

WIZ   :    いい効果が出ることに期待して、あえて泉の中に入る

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●経緯
 屍仙女を倒し、ひとまずの脅威を拭い去った猟兵たちは洞穴の奥へ向かう。
「すまない。本当に助かった。ありがとう」
 仙人が拱手をして猟兵たちに告げる。どうやら宝貝『呪泉楔』を辿る術式はひと通りのカタチを成したようだ。
 仙人の手により、呪泉楔と繋がる気の経路(パス)が視えるようにしてもらった猟兵たちは呪泉楔を追う。

 仙人はここに残る。
 どうやら呪泉楔は既に近くの水源、とある高山の中腹まで辿り着いているという。このまま追いかけたとしても呪泉楔が使われてしまっては意味がない。
 そのために呪泉楔の力を抑え込む術式を重ねるために。

 この術式により、猟兵たちは2つの利点を得た。
 ひとつは呪泉楔が使われたとしても、楔が水源に定着するまでの時間が数倍に伸びる。すなわち、定着までの間に呪泉楔を破壊すれば、大事にはならずに済む。
 もうひとつは道中に現れるであろう呪いの泉の効果も抑えることができる。これが『永遠』から『一時的』に変更される。

 ちなみに『なんで今まで壊さなかったのか?』と聞いてみたところ。
「まぁ。その、なんだ。すごい道具って研究したくなるじゃないか」
 と言っていました。その研究の成果がこの術式たちである。だが事がここに至っては破壊も辞さない、と仙人は口にした。研究よりもこの世界の方が大切だからだ。

 そして猟兵たちは、死告鳥と呪泉楔を追いかけるべく、洞穴を出たのであった。

●シリアスはここまでだ
 そんなわけで辿り着きました、件の山の中腹。
 目の前にある洞穴の奥にここら一帯の水源がある。その自然の力を呪泉楔に奪われるわけにはいかない!

 けれども、洞穴の床の至るところに出現しているのは呪いの泉であった。こう、泉が乱立しすぎてて、足の幅くらいしか地面が残っていない。うっかり足を滑らすとどこかの泉に落ちることは必至だ。
 ならば、壁か天井……と思ったけど、上からも雫が滴り落ち、壁も水で濡れている。油断すれば足を滑らせて泉に真っ逆さま。これはひどい。

 そして何が怖いかって、この呪いの泉に浸かったが最後、その泉で溺れたであろう生物に姿が変わってしまうことだ!
 物理法則など知ったことか。ここは仙人の国だ、不思議なことが起こり得るんだ! もうやだここ。

 そんな感じで呪いの泉を突破せよなミッションが発動したのである!


※シナリオ補足※
 呪いの泉の効果を避けるには以下のいずれかが必要です。
 ・空を飛ぶ
 ・完全防水で挑む

 呪いの泉の効果によるデメリットは以下の通り。
 ・姿が動物など他の生物に変わるので装備がいつも通りに使えないものが出てくる
 ・しゃべれない

 ただし、身体能力とユーベルコードと技能はいつも通り使えるので、戦力の低下はほぼありません。
 例)空手突きはできなくなるけど、同じ威力の突進が行える
 例)しゃべれないけど何故か詠唱が出来てユーベルコードが放てる
 例)武器は持てないけれども、念動力で操っていつも通りに攻撃できる
 などなど。

 呪いの泉に浸かってどんな生物(生物なら何でもOK)になるかはプレイングで指定してください。体のサイズは、猟兵時の大きさor変身した生物の元の大きさ、どちらか選べます。
 例)巨人だと、巨人サイズのわんこが可能です(わんこサイズのわんこも可能です)
 例)フェアリーだと、フェアリーサイズの象が可能です(象サイズの象も可能です)

 呪いの効果はこの章限定、あるいは次の3章までのいずれかを、3章のプレイング時に選択してください。

 というわけで呪いの泉のデメリットはほぼありません。全力でギャグに振り切っても大丈夫なシーンとなっております。
 この章だけの参加もウェルカム。お待ちしております。
クトゥルティア・ドラグノフ
※アドリブ共闘大歓迎

まあ、父さんからのと自身の遺伝子の関係で予想はしてたよ?
でもね、いざなってしまうと困惑するよね
(イタチザメ・サイズは元動物サイズ)
なんで呼吸できているのかは、気にしたら負けなんだろうね。
というかサメが溺れるってなにこの泉!?
というか鮫は海の生き物じゃん!!

よし、この話はやめよう!たぶん答えはでない!
サイコキネシスで自分を浮遊させて、擬似的に空中遊泳して突っ込むよ!
ええい、伊達にサメの遺伝子持ちじゃないんだよ私!
邪魔するなら食べちゃうぞお!!
気分はB級サメ映画のサメだよ!
元に戻るためにも、【野生の勘】に従って最短を突っ切るよ!!



●セリフは全てモノローグ
 そこにいたのは1匹のイタチザメであった。大きさ、元のイタチザメサイズ。それが呪いの泉の側でぴちぴち跳ねていた。
 その体の色素感とかカラーバランスとかどっか見たことあるなー? 実はクトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)である。どうやら速攻で泉に落ちたらしい。
(まあ、父さんからのと自身の遺伝子の関係で予想はしてたよ?)
 どの泉が何の効果を持っているかわからないのに、この未来を予想していたというのなら、よほど宿命めいたモノをもっていたのだろう。因果ってやつかもしれない。
(でもね、いざなってしまうと困惑するよね)
 困惑しないほうがおかしいと思います。

 ともあれ、そこにいたのはサメになったクトゥルティアである。

(なんで呼吸できているのかは、気にしたら負けなんだろうね)
 空気中でも生きているサメ。普通では考えられない状態であるが、そもそも呪いの泉も普通じゃないので、たぶんその辺に秘密がある……はず?
 しかし、そこでクトゥルティアは重大なことに気づいた!!

(というかサメが溺れるってなにこの泉!? 鮫は海の生き物じゃん!!)

 でも姿形が変わったということは、この泉でサメが溺れたという事実があることを示す。海の生き物であるサメがおそらく内陸地であろう、伝説的な郷までどうやって辿り着いたというのか……!
(よし、この話はやめよう! たぶん答えはでない!)
 速攻で考えを放棄するクトゥルティア。気を取り直して、前に進むことを考える。
 とりあえずユーベルコードは使えるようだ。さっそく【サイコキネシス】を使って、ふわりと浮かび上がるサメのクトゥルティア。【サイコキネシス】で自分を前に引っ張っていけば、疑似的に空中遊泳できるという寸法である。
(ええい、伊達にサメの遺伝子持ちじゃないんだよ私! 邪魔するなら食べちゃうぞお!!)
 気分はB級サメ映画のサメ。
 そんな感じで野生の勘を頼りながら、目的地まで一直線に泳いでいくクトゥルティアなのでした。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒木・摩那
屍仙女を倒して、術式も完成して、呪いの泉の効果が弱まったのは吉報です。
あとは問題の宝貝を取り返すだけです。

既に洞窟の中には至るところに呪いの泉ができて水浸しのようですが、空を浮かべば問題なし。
マジカルボード『アキレウス』に乗って、洞窟を進めば楽々突破です。

しかし、そこは大自然の驚異が!
洞窟の上から鉄砲水が出て、ずぶ濡れです。

まったくひどい目に会いました……
って、服とか装備が脱げてる!
なんかもこもこしてる!

どうしましょう……

摩那はうさぎになった!



●まさかの
 それは一瞬のことであった。

 ――大自然の脅威ってこわい。

 そう思った黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)の姿はうさぎでした。

●どうしてこうなった?
 そう、順調だったのだ。
(呪いの泉の効果が弱まったのは吉報です)
 めっちゃ笑顔で脅してきたグリモア猟兵。その話から状況が変わったのは好ましい。屍仙女を倒して、仙人の術式も完成して、状況がこちらへ転がり込みつつある。
(あとは問題の宝貝を取り返すだけです)
 目の前には呪いの泉が数多あり。既に洞窟の中は至るところが水浸しだが、浸からなければ問題ない。ゆえに、空を浮かべ場問題なし!
 耐火耐爆各種対応可。空中も滑空可能なマジカルボード『アキレウス』に飛び乗って空中を突き進む摩那。
「楽々突破です」
 決して気を抜いた発言ではない。目の前の状況に的確に、最適な手段を持ち出した、ほぼ完璧な作戦だ。

 ……洞穴を埋め尽くすほどの鉄砲水が無ければ。

「うそーっ?!」
 それは摩那にしては非常に珍しい悲鳴だったかもしれない。しかし、それほどまでに理不尽であった。なにせ、閉鎖的な空間が水で埋め尽くされれば、回避のしようがない。なので、その鉄砲水に巻き込まれて押し流される摩那。理不尽を呪う声のひとつもあげたくなるというものだ。

(まったくひどい目に会いました……)
 ずぶ濡れになった摩那は顔に伝う水滴を拭おうとして……異変に気付いた。

 目の前に摩那の服とか装備とかが落ちていた。装備が落ちているのはわかるのだが、何故服が落ちているのか。
 そこで気付いた。
(って、なんかもこもこしてる!)
 顔を拭おうとしている手がとってももこもこしていた。むしろもふもふであった。近くにあった泉へ向かって、落ちないようにそっと覗き込んでみる。
 そこにいたのは……真っ白なうさぎさんでした。

●どうしましょう?
 摩那は うさぎに なった !!

(どうしましょう……)
 思わず首を傾げると泉に映っているうさぎも愛らしく首を傾げる。間違いなく自分らしい。
(とりあえず……進みます)
 どうやら呪いの泉の効果は重複しないらしい。
 念動力で装備とか服とかを持ち上げながら、摩那うさぎはぴょんぴょんと泉の間を駆け抜けていくのでした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上城・桂悟
知らないものは調べたくなるか、確かに言われてみれば納得だな。さて、呪泉楔を持ち去った奴を追いかけるとしよう。……少し不安を感じるのは気のせいか?

事前に【水霊の加護】を発動して召喚した水精霊に水泳や遠泳で支援してもらおう。泉を避けるより泳いだ方が手間が省けそうだしな
……突然泉に落ちて動物に変身して、水精霊にびっくりされないようにその辺りのことはあらかじめ伝えておく。俺が変身しても支援は頼んだ

変身する動物は柴犬(大きさは犬サイズ)
これ、小さくなってるから余計に距離を進むことになるのか?……まあ、とにかく先に進むしかないか

他の人との絡み・アドリブOK



●件の洞穴を前にして
「知らないものは調べたくなる、か、確かに言われてみれば納得だな」
 上城・桂悟(静かに佇む蒼月・f04997)は仙人の言葉を思い出していた。
 危険なものなら壊してしまえばいい、というのは非常に合理的な視点。その一方で仙人の言い分もまた理解できる。
「さて、呪泉楔を持ち去った奴を追いかけるとしよう」
 桂悟は改めて洞穴の中、その暗闇を見つめる。
「……少し不安を感じるのは気のせいか?」
 そこはかとなく感じる何か。それが既に何人か飲み込んだ泉の呪いのせいなのか、あるいは別の予感なのかは、わからない……?

●洞穴に入ってみて
 桂悟の前にあるのは数多の泉であった。泉と泉を区切るかのように地面が露出しているが、その幅は桂悟の肩幅半分あるかどうか。
 それを確認した後、桂悟が求めたのは【水霊の加護】であった。
「水霊よ、少し力を貸してくれないか?」
 と桂悟が呼びかければ、それに応じる水精霊。ふよふよと桂悟の周りを漂って彼に加護を与える。
 しかし、ここで何故水精霊を呼んだのか……!

(泉を避けるより泳いだ方が手間が省けそうだしな)

 泳ぐんですか!?
 グリモア猟兵がここにいたら、そう言って全力で二度見していたに違いない。

 しかし合理的ではある。何故なら呪いの泉の効果は仙人によって一時的なものに変換されている。色々と確認したところ、姿が変わることによる影響はあっても、それ以上の、例えばユーベルコードが使えなくなるといった影響は出ないようだ。
 であるならば、影響は見た目だけ。
「……俺が変身しても支援は頼んだ」
 桂悟が水精霊に話しかける。突然泉に落ちて動物に変身した際、びっくりされないように、といった配慮である。
 言葉の前に間があった、ということは一応落ちることを前提にはしていない、と思う。

 準備が整い、桂悟が歩きだす。一応、露出している地面を伝っていけば特に問題なく、奥までいけるはずだ。……はずだが。なんかすごく濡れてる上にぬかるんでる。どうしてこうなった、というくらい足場が悪い。
 桂悟に油断は無く、この状況を軽んじていたわけでもない。それでも。

 ……ずるっ。

 何かの引力か、足を滑らせた。
「……」
 諦観にも似た溜息が漏れて、そのまま泉にスライドインしていく桂悟。

 次に浮かび上がってきたのは桂悟の髪の色をした柴犬。咄嗟に、あるいは本能的に? ぷるぷるぷるっと身を震わせて水滴を振り落とす。
(……あー)
 泉に映った自分の姿を見て、変身した動物が何かを確認する桂悟。視線が身長180.2cm(確認時)のものから体高40㎝(だいたい)になっていたので小動物だろうな、という推測はあったが、ばっちり柴犬であった。

 そこでふと気づく。 
(これ、小さくなってるから余計に距離を進むことになるのか?)
 洞穴の奥を見る。落ちる前に見ていた距離から全然変わってない。ということは、後は体の大きさというか歩幅の問題。
(……まあ、とにかく先に進むしかないか)
 しかし柴犬になった利点もあった。なんと道幅が自分のサイズである。これなら走っていくことも可能かもしれない。
 仮にまた泉に落ちたとしても、どうやら呪いの泉の効果は重複しないらしい。そのまま水精霊の加護で泳ぎ切ってしまえば、ショートカットにもなる。ちなみに水精霊は事前に教えてもらっていたので、変身にびっくりして帰るようなことはありませんでした。
(よし、いくか)
 そんなわけで、ある意味人の身よりも順調に進む桂悟でした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マル・メイリュン
あははは♪
真打は遅れてやってくるってね!

こんな怪しい泉に大魔王たるこのアタシが嵌ったら、そりゃ世界の損失だけ
ここは部下どもの犠牲のもとにだなー
クリアしてやんぜ

炎の魔王軍で呼び出した手下共を片っ端から蹴り落として実感していきゃサークルってもんさ
獅子に虎にとなかなかカッコいいじゃねーか!
うーむ、アタシも一発とびこんでみっか!

大魔王に相応しい姿にって
なんだこりゃ!?
なんでパンダなんだよ、ふざけんな!
こら! やり直させろってコンチクショー!

笑うなてめーらー!



●炎の魔王軍……?
 洞穴の前に響く声。
「あははは♪ 真打は遅れてやってくるってね!」
 マル・メイリュン(大魔王様からは逃げられない?・f32740)の高笑いである。
「こんな怪しい泉に大魔王たるこのアタシが嵌ったら、そりゃ世界の損失だけ」
 とはマルのお言葉である。そこまで断言されると確かにそうか、と思ってしまうのが威厳というものである。
「ここは部下どもの犠牲のもとにだなークリアしてやんぜ」
 と理不尽極まりない作戦で突入するマルでした。 

 というわけでマルの【炎の魔王軍】、つまりマルの配下モンスターが先陣を切っていく。正確にはマルに片っ端から泉に蹴り落とされていく。というか、炎属性のモンスターを泉に落とすとか鬼か。あ、魔王だった。
 で、泉から這い上がってきた配下たちを見るマル。
「獅子に虎に、となかなかカッコいいじゃねーか!」
 たぶん当たり(?)の泉。その結果に意外とご満悦なマル。次々と泉に落ちるものだから、炎の魔王軍が動物の魔王軍に変わっていく。まぁ戦闘力とかには影響ないんだけれども。
 そんな光景を見渡していたマルであるが、不意に腕組みをする。
「うーむ……」
 何かを悩んでいるようだ……?
「アタシも一発とびこんでみっか!」
 どうしてそうなった? そんなツッコミの暇も止める暇もなく、泉にダイブするマル。
 ざっぱーん、と派手な音がする。

 そして泉から上がってきたのは……パンダであった。
 全力で吼えるパンダ。
(大魔王に相応しい姿に……って、なんだこりゃ!?)
 と叫んでいるように見える。みえる? 魔王様の力なのか、配下には伝わっている……気がする。ちなみに動物になるとしゃべれないのが数少ないデメリットです。(なんでパンダなんだよ、ふざけんな! こら! やり直させろってコンチクショー!)
 と大暴れするパンダ。ちなみに愛らしい姿のパンダだが、実際には意外と狂暴らしい。爪とかめっちゃ鋭いし。ある意味魔王というか、マルに当てはまる動物?
(笑うなてめーらー!)
 周りで笑っている配下(まだ動物になっていない)に、八つ当たり気味に爪をぶん回すマルでした。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 集団戦 『死告鳥』

POW   :    死告旋翼翔
【翼を広げ、回転しながら繰り出す】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【多くの死告鳥】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    死告嵐
【翼】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ   :    死求鳴
【人の死を求める鳴き声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●向かった先は
 この辺一帯の水源となっているとある山の洞穴。水源の水源、とも言うべき、初めて水が地上に顔を出すその地点が洞穴の終着点に有る。
 宝貝『呪泉楔』は既に水源に打ち込まれている。その副作用でその道中は呪いの泉だらけになっていたが、ここを猟兵たちはどうにかこうにか突破。被害がなかったとは言わないが、仙人の呪い弱体化術によってその被害は最低限に抑えられている。

 たどり着いたその地点は大きな空洞。山中のどこにこのような空間が、とも思うが、これもまた呪泉楔の力の余波なのかもしれない。
 そしてこの場には大量の『死告鳥』たちがいた。地に留まっている者もあれば、空を舞っている者もいる。
 共通しているのは、主の帰還を待ってこの地を守っていることだ。もはや帰らぬとは知らずに。
 その様は哀れなれど、呪泉楔は刻一刻と水源の力を吸い取り、願いを叶える温泉を作り出そうとしている。
 だが、まだ最中。今ならばまだ間に合う。

 辿り着いた猟兵たちは、死告鳥たちを退治すべく、相対するのであった。

※シナリオ補足※
 戦場は不思議空間となっている大きな空洞です。広さはあるようなないような。キャバリアを呼んでも大丈夫と思ってください。もちろん空中戦も可能です。
 呪泉楔の完全な破壊はシナリオ完結時になりますが、ユーベルコードを叩き込むことによって破損させることは可能です。真っ二つになっても呪いの効果だけ残ってるとかそんな感じです。
 後は、戦闘開始時に2章の変身効果を引き継ぐか、引き継がないかをプレイングの冒頭にお願いします。以下の略号でOKです
・引き継ぐ→★(例:犬の姿で戦う)
・引き継がない→×(例:犬になっていたが、普段の猟兵の姿で戦う)
黒木・摩那

ウサギになったといっても、マジカルボード『アキレウス』があれば移動は楽々ですよ。
ただ、武器が無いのは困りましたね。
ここは己の体で勝負です。

死告鳥達にボードに乗って突進。
洞窟の壁や天井を使った【ジャンプ】を駆使して【敵を盾にする】しながら、【功夫】で戦います。
うさぎパンチやうさぎキックとはいえ、【重量攻撃】を籠めるので威力はなかなかですよ。

ボードも中継点に使ったりして、敵を翻弄しつつ、こちらに集まってきたところでUC【万散鏡花】を使い、一網打尽にします。

呪泉楔にも余った光の刃を食らわせてあげます。



●ふらいんぐ・まなびっと
 『死告鳥』が舞う水源のある大きな空洞。その唯一の出入り口である穴から、ひゅん、と勢いよく飛び出してきた影がある。空飛ぶサーフボード『マジカルボード『アキレウス』』に乗って颯爽と現れたのは……うさぎさん。いや、呪の泉の効果でうさぎになった黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)であった。
(ウサギになったといっても、『アキレウス』があれば移動は楽々ですよ)
 と耳をぴこぴこ。気分は波乗りラビットな摩那だが、ひとつだけ困ったことがあった。
(武器が無いのは困りましたね)
 こればっかりは呪いの悪影響と見るべきか。しかし、幸いにして戦闘力とか能力とかそのものが落ちている気配はない。
(ここは己の体で勝負です)
 自分を信じて空を滑るようにして、摩那は死告鳥に接近する。

 接近してくる摩那を見て死告鳥たちが鳴く。それは人の死を求める鳴き声にして、死告鳥たちの戦闘力を増強する響き。それに共感して十分に増強された翼で以て、摩那目掛けて四方八方から飛翔する死告鳥たち。
 しかし、摩那の脚は軽やかにアキレウスを蹴る。つまりジャンプ!
(まず、ここ)
 とくるっと空中で回転してから、とすっと着地したのは洞窟の壁。そこからうさぎの脚力でさらに素早くジャンプ。
(とぉー!)
 その勢いのままに、接近していた死告鳥にうさぎキック! そして、そのまま死告鳥を盾にして他の死告鳥へ突撃アタック! 死告鳥をジャンプの足場にして飛び上がれば、2匹は地面へと落下していく。
(ふふ、功夫が足りませんね!)
 今日の摩那は功夫うさぎでした。封神武侠界が見つかってからばっちり功夫を収めているあたりがとても摩那らしい。
 それはさておき。
 うさぎと侮るなかれ。鋭いジャンプの勢いを乗せつつの重量攻撃。うさぎになっても威力は変わらないものだから、見た目以上の破壊力が死告鳥を吹き飛ばしているのだ!
 そんなわけで、文字通り死告鳥を足場にしつつ蹴り落としつつ、ジャンプで縦横無尽に空を飛び交う摩那うさぎ。次にすたっと降り立った場所は、空中滑空を続けていたアキレウスの上であった。
 制御を自分に戻して速度を上げれば、仲間たちを落とされた『摩那』という脅威を排除すべく、死告鳥たちが摩那の後を追って飛ぶ。
 そこで摩那は華麗にターン。すると眼前には自分を追いかけて集まっていた大量の死告鳥たち。
(分散。構え、目標を設定……散開!)
 そこへ【万散鏡花】発動! 念動力で眼前に構えた『魔法剣『緋月絢爛』』の刀身が光り……そして万華鏡が描く景色のごとく、光る刀身が渦巻状に広がる! 直後、死告鳥たち目掛けて飛翔する光る刃たち。幾何学模様を描いて複雑に飛翔する光る刃をかわすことはできず、斬り裂かれ、落下していく死告鳥たち。
 すると……見えた。反転かつ視界を塞ぐ死告鳥たちがいなくなったことで開いた宝貝・呪泉楔まで射線が。
(余った光の刃を食らわせてあげます)
 いまだ自身の周りに浮遊していた光る刃の残りを全投擲。水源に埋まる呪泉楔、その本体のみを幾度も貫く【万散鏡花】。
 ビシッ、と派手な音がして、呪泉楔に大きなヒビが入るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上城・桂悟

……とりあえず思ってたよりひどいことにならなくて何よりだ。(ずぶ濡れになって)
さてどうにか人の姿に戻れたし、後はこいつらを倒して呪泉楔を破壊するだけだな

水や風の属性攻撃を高速詠唱や乱れ撃ちを使って敵の群れに撃ち込んでいく。仲間が近くで戦っているなら、援護射撃で支援する
敵の攻撃は見切りや第六感で回避。敵の数が多いから囲まれたり、孤立しないように気をつけないと

【水蛇変化】は攻撃と防御の両方で使用。周囲に影響を与える技なのでそれが出ないように注意。それと余裕があるなら、呪泉楔にも攻撃して壊しておくな

他の人との絡み・アドリブOK




 既に戦闘が始まっている水源のある大きな空洞。その場へ新たに訪れた猟兵の姿を認めて、『死告鳥』たちは敵意を向ける。
 死告鳥たちの視線の先にいたのは、上城・桂悟(静かに佇む蒼月・f04997)であった。
「さて、後はこいつらを倒して呪泉楔を破壊するだけだな」
 と呟いた桂悟であるが、その姿はずぶ濡れである。さもありなん、まともに泉に落ちたのだから。しかし、呪いの泉の効果が切れてどうにか人の姿に戻れたようだ。
(……とりあえず思ってたよりひどいことにならなくて何よりだ)
 とか思っていたのは秘密である。

 そこに響き渡る死告鳥たちの鳴き声。それは人の死、すなわち桂悟の死を求める鳴き声。それに共鳴した死告鳥たちの体に力が漲る。強化された翼で以て、空で絡み合うように飛翔しつつ、桂悟めがけて急降下する死告鳥たち。
「そうはさせるか」
 水晶で装飾された蒼いロッド『aquamarine』を構えて、桂悟が高速詠唱で水魔法を唱える。杖の先端、月のような円環から放たれる水の魔弾。乱れ撃ちのごとく飛翔する水の魔弾はさながら弾幕のように展開されて、接近してくる死告鳥たちを次々と撃ち落としていく。
 桂悟を杖を振るえば、巻き起こった風が魔力を帯びて周囲を薙ぎ払う風の刃と化す。死告鳥たちを巻き込みながら広がっていく風の刃は、周囲で戦っている仲間の支援射撃にもなる。
 桂悟に接近してきた死告鳥たちのほとんどが彼の魔法によって撃ち落とされているが、それでも何体かは魔法の弾幕を突き抜けて接近してくる。そして振るうは鋭い爪。
「……っと」
 その動きも冷静に見切って身を翻し、いとも容易く回避する桂悟。ひとつ、難点をあげるとするなら、桂悟ひとりに対して死告鳥たちの数は多い。一度攻め込まれると態勢を立て直す時間が必要だ。身を翻して、爪をかわしつつ、しかし囲まれないように、桂悟は巧みに自身の身を戦場に置く。
 その様子に『追い込んだ』と死告鳥たちが獲物をしとめる時の、嬉しそうな声をあげる。
 だが、桂悟が誘い込んでいた、とは思っていない。

「一時の間、水蛇に変われ!」

 声を張り上げて詠唱するのは桂悟の水魔法【水蛇変化】。周囲の無機物を変化させるがゆえに、影響を考えて最後まで温存しておいた、攻防一体の奥の手。彼の声に応じて、周辺の岩や土といった無機物が無数の水で出来た蛇に変化する。そして、桂悟を襲おうとしていた死告鳥たちに地上から壁から絡みつく。周囲の死告鳥たちの動きを止めた桂悟が素早く視線を周囲に巡らす。長時間の使用は影響が大きすぎる。勝負は一瞬。
「いけ!」
 桂悟が無数の水で出来た蛇たちを全周囲に放ち、視界に収めた死告鳥たちの全てを飲み込んでいく。包囲網を突破しながら、カウンターのごとく周囲にいた死告鳥たちを倒す桂悟。

 そして包囲網を突破した桂悟が【水蛇変化】を解除しようとしたその瞬間。
 周辺の岩や土が変化したことによって、水源の水位が下がり、水が湧き出ていた箇所に刺さっていた楔――呪泉楔が顕わになっていた。
(あれだな?)
 周辺の地形が元に戻るまでの一瞬を突いて、水の蛇が呪泉楔を締め付ける。そしてその一撃が呪泉楔に入っていたヒビをさらに大きくしたのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クトゥルティア・ドラグノフ
× アドリブ共闘大歓迎

な、なんとか元の姿になるの間に合ったよ……
さあ、最後の締めといこうか!

ずいぶん綺麗な人だけど、倒させてもらうよ!
【戦闘知識】を活用して有利に立ち回りつつ、【野生の勘】で攻撃や隙を【見切り】、ここぞというときに【切り込み】離脱のヒット&アウェイで動くよ。
相手がUC使ってくるならこっちも【カウンター】でUC!
突進に合わせてサイキックの大腕でホールドからの、直下型DDTで頭部を粉砕してあげる!




 徐々に激しくなる『死告鳥』との戦い。それが繰り広げられる水源のある空洞へ辿り着いたクトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)はまずひと息つく。
「な、なんとか元の姿になるの、間に合ったよ……」
 サメから元に戻ったクトゥルティアは気を取り直して、目の前の状況を確認する。どうやらここが最後の戦闘場所のようだ。
「さあ、最後の締めといこうか!」
 と戦線へ駆けだすのであった。

 クトゥルティアの姿を認めて、死告鳥が鳴く。そのまま翼を広げて回転しながら突進してくる死告鳥。
「ずいぶん綺麗な人だけど、倒させてもらうよ!」
 その突進を野生の勘で察知していたクトゥルティアはさくっと見切って身を翻す。すれ違いざま『銀陽』で切り込み、そして素早く間合いから離脱する。ヒット&アウェイの要領で突進してくる死告鳥たちへ確実にダメージを与えていくクトゥルティア。
 その状況に焦れた死告鳥たちが一度距離を取って、上空から急降下の助走をつけて再度突進。一撃必殺の攻撃を放ってくる。
「それならこっちも!」
 相手の大技を察知して、クトゥルティアが反撃の態勢に。【月腕滅崩撃】で作り出したサイキックエナジー製の大腕を死告鳥の突進に合わせて叩きつけ、死告鳥をホールドする。
「これで!」
 そのまま逃がすことなく、直下型DDTで頭部から地面に死告鳥を叩きつけるクトゥルティア。再び素早く距離を取って後続の攻撃を回避する。
 回避しつつ、大技で攻撃を返すという方法で徐々に死告鳥たちの数を減らしていくクトゥルティアであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

琥珀川・れに(サポート)
※アドリブ好き過ぎて全てお任せ


「貴族たるもの余裕を忘れてはいけないな」
「やあ、なんて美しい人だ」

ダンピール貴族
いかにも王子様っぽければねつ造歓迎さ
紳士的ジョークやいたずらも好きかな

敵も味方も性別か見た目が女性ならとりあえず一言は口説きたいね
ナンパではなくあくまで紳士的にだよ?

実は男装女子で
隠しはしないが男風源氏名レニーで通している
その方がかっこいいからね

戦闘スタイルは
・剣で紳士らしくスマートに
・自らの血を操作した術技
が多い
クレバーで余裕を持った戦いができれば嬉しいよ
早めに引くのも厭わない

説得系は
キラキライケメンオーラやコミュ力で
相手を照れさせてみせよう


ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
かつてオブリビオンに滅ぼされた都市で自分一人だけ生き残ってしまった過去を悔いており、人々を守り、被害を防止することを重視して行動します。

●戦闘において
「露払いは私が努めよう」
(敵に)「貴様らの技で、私が倒せるのか……試してみるがいい」

・牽制攻撃
・敵の攻撃から他の猟兵や一般人を守る
・敵の攻撃を回避してカウンター
・ついでに敵の強さを解説する
など、防御的・補助的な行動を主に得意とします。

メイン武器は「黒剣」です。

他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。


二條・心春(サポート)
『皆さんのお役に立てるよう、頑張ります!』
『助けに来ました。もう大丈夫ですよ』
UDCアースで学生をしながら猟兵の活動もしている、自分にちょっと自信がないけど心優しい普通の少女です。落ち着いて礼儀正しいですが、可愛いもの、特に動物を見るとテンションが上がります。基本的に誰にでも敬語で話します。
基本戦術としては、「UDC管理用タブレット端末」を使い、心を通わせたUDCの霊を召喚して「対UDC用量産型直槍」や「対UDC用特殊拳銃(試作型)」を使い一緒に戦います。また、一般人は優先して助けます。
戦闘以外では、タブレット端末を使って情報収集や探し物をしたり、聞き込みを行います。




 水源あるいは源泉に埋め込むことで効果を発揮する宝貝『呪泉楔』。その効果は『一回だけどんな願いでも叶える温泉』を作り出すことができるというもの。だがその反動・代償でその水源あるいは源泉は枯れてしまう。
 強奪された呪泉楔は既に水源に埋め込まれ、しかし封印を守っていた仙人の術式によってその効果が成就するまで通常の数倍かかるようになっている。
 今、このタイミングで呪泉楔を破壊すればまだ間に合う。
 最早戻ることのない主を待つ『死告鳥』たちがその最後の障害なのだ。


 猟兵の攻撃で徐々に数を減らしていく死告鳥たち。
 しかしいまだ戦意を失わず、人の死を求めて甲高い鳴き声を放つ。周囲の死告鳥たちもまたそれに同意するように鳴き声を上げて。その極彩色の体に力を漲らせていく。
 その姿はさながら空を舞う猛禽類のごとく、新たに踏み込んできた3人の猟兵たちに狙いを定めて。

「露払いは私が努めよう」

 そう告げて前に出たのは黒剣を携えた黒騎士、ギャレット・ディマージオ(人間の黒騎士・f02429)。その背に守るのは一緒に踏み込んできた二條・心春(UDC召喚士・f11004)と琥珀川・れに(男装の麗少女 レニー・f00693)ことレニーの二人。
 ギャレットが剣を構えると同時に、死告鳥たちが急降下してくる。その速度と数は普通であれば、剣1本で対処しきれるものではない。
 だが。
「我が黒剣の姿は一つではない」
 呟きとも宣言ともつかぬギャレットの言葉に応じてギャレットの振るった黒剣が変形する。【黒刃鞭】の名の通り、黒い鞭となった黒剣の切っ先が鋭く長く伸びる。狙いは当然死告鳥。
「……!?」
 不意を打たれた死告鳥数匹が黒剣に貫かれ、霧散して空気に溶けていく。そのまま突き進む黒剣の切っ先を、しかし後続の死告鳥たちは身を翻して回避しながら、なおも速度を緩めず……翼を広げ、回転しながら繰り出す突進――死告旋翼翔を繰り出しながらギャレットに迫る死告鳥。
「……ッ!」
 小さな呼気とともに、素早く鞭状の黒剣を手繰り寄せるギャレット。そのまま剣の形に戻すと同時に死告鳥の爪を受け止める。しかし押し寄せる死告鳥たちの爪の全てを防ぎきることができず、黒い鎧に爪跡が刻まれていく。
 だがそれでも。
「それを許すわけにはいかない」
 後ろに抜けようとした死告鳥たちに対して、ギャレットは再び【黒刃鞭】を放つ。その一撃は死告鳥を捉えることなく空を切るが、牽制となって心春とレニーを守る。
「随分と素早い。見た目によらず、獰猛なようだ」
 数度の攻防で得た分析。ギャレットの言葉は後ろで態勢を整えている心春とレニーに向けて。

 死告鳥の数が多い。いかにギャレットが守りに優れた騎士であっても、その守りをかいくぐる個体が出てきてしまう。
 それは必然、心春たちを狙うが、彼女らとてただ立っていたわけではない。戦う準備は整っている。

「来て」
 その言葉は『UDC管理用タブレット端末』を手にした心春のもの。心春の呼びかけに応じて彼女の直槍を代償に。現れたのはライオンの顔を持つ竜型UDCの霊フンババ。心春のユーベルコード【召喚:守護竜】による召喚である。
「私達が必ず……!」
 その傍らで心春もまた『対UDC用特殊拳銃(試作型)』を構える。銃口は自身を狙う死告鳥に。
「……っ」
 一瞬の躊躇。それは好戦的な死告鳥の勢いに押されて。
 されど銃口は逸らさず、引き金を引く。放たれた炎を纏った弾丸が心春を斬り裂こうとしていた死告鳥に直撃して、その身を焼き尽くす。
「……はぁっ、はぁ」
 思わず息を止めていたのか、新鮮な空気を求めて心春が息を継ぐ。その間も死告鳥たちは待ってくれない。さらにもう一体が心春に迫り。
 よぎるのは自身がいつも口にしている言葉。

 ――『皆さんのお役に立てるよう、頑張ります!』

 本当は自分にちょっと自信がないけれども。今は気丈に振舞う時、と心春が構えた銃口が死告鳥たちからブレることはない。構えた銃に宿る『使役するUDCの力を借りる』能力。それで以て隣にいるフンババの力から、再び炎を纏った弾丸を作り出せば、眼前に迫る死告鳥を焼き尽くす。
 その様子を見届けたフンババもまた咆哮をあげる。すると水源から水が竜巻のごとく立ち上がり、死告鳥たちを巻き込んでいく。この水を操る咆哮と炎を纏った牙こそが守護竜たるフンババの力なのだ。
 フンババを伴った心春がギャレットの背を守るように立ち、協力して死告鳥たちを倒していく。

 そして。
「やあ、なんて美しい人だ」
 その声はレニーのもの。
 ギャレットの守りをかいくぐった1体の死告鳥。それが振るう爪を紙一重でかわしながら死告鳥に急接近して、レニーは死告鳥の顔、いや耳元でささやく。

 ――敵も味方も性別か見た目が女性ならとりあえず一言は口説きたいね。

 とはレニーの談である。大切なのは『ナンパではなくあくまで紳士的にだよ?』という部分だ。
 ゆえに見た目麗しい死告鳥が目の前にいるのなら、王子様がアプローチをかけない理由は無い。
「一曲いかが……っとと」
 続いてダンスに誘うも、死告鳥は翼を広げて打ちつけることでレニーを振り払おうとする。
「残念。僕はお気に召さなかったようだ」
 翼に続いて爪の一撃を回避しつつ、心底残念そうな声をあげながら態勢を整えるレニー。その手に構えるのは『エペ ド ルーン』、刀身にルーンをあしらった細身の魔法剣である。
 レニーを貫こうと再び鋭く突き出された死告鳥の爪。その横を躍るように、すり抜けるように回避して、今度はレニーの剣が鋭く走る。切先が死告鳥の急所を一撃で貫けば、霧散していく死告鳥。
 しかしいまだ死告鳥の数は多数。
「多勢に無勢とはいうものの……貴族たるもの余裕を忘れてはいけないな」
 そう言ってレニーは再び『エペ ド ルーン』を構えて。レニーは迫りくる死告鳥たちを剣を振るって貫いていく。


 態勢が整うにつれて、そして連携によって、死告鳥たちの数の暴力を圧倒的な力で押し返していく3人。死告鳥たちはギャレットたちに致命傷を与えることができず、逆に自分たちの数を次々と減らしていく。
 その時、ひと際高い声で死告鳥が鳴く。その声に導かれるように、心春たちの攻撃範囲から後退していく死告鳥たち。
「これ、は……?」
 その様子を確認したレニーが思わず呟く。だがその言葉に仲間が反応するよりも早く。

 死告鳥たちが息を合わせて一斉に襲い掛かってくる! それはさながら1体の生き物のごとく。

「……! 私の後ろへ!」
 【黒刃鞭】の鞭剣で先頭の死告鳥を叩き落しながら、素早く前に出たギャレットが【無敵城塞】を使って死告鳥たちの進路上に立ち塞がる。直後、死告鳥たちが次々と激突していくが超防御モードとなったギャレットはその波を押し留めるがごとく、その場から動かない。
 死告鳥たちの突撃が鈍ったその瞬間を逃す心春ではない。
「お願い」
 心春が声をあげればフンババが咆哮する。水源から新たに巻き上げられた水が大きな水弾と化して死告鳥たちの真上から叩きつけられる。そこに心春の銃が弾丸を放つ。水の温度すら操って、水弾に飲み込まれた死告鳥たちを纏めて凍結させていく心春。
 結果、空中で動きを止める死告鳥たち。その刹那を捉えたのは……レニーだ。
「もらった」
 ぐっ、と脚に力を込めて。大きく息を吸い込むレニー。

 ――沸き立つ血を燃料に僕を生まれ変わらせよ。

 【輪廻決行】発動。レニーの意志に従って血流が全身を駆け巡り、レニーの能力を通常の6倍まで引き上げる。
 直後、空を疾風のごとく駆けるレニーはその手に構えた『エペ ド ルーン』で氷漬けの死告鳥たちを斬り裂き、砕き、氷の破片にして屠っていく。氷塊を貫くその様はさながら稲妻のごとく。
「素敵な舞踏会だったけど、フィナーレだ」
 再びレニーの声が響くまでおよそ1分弱。空を、氷を、死告鳥を斬り裂いたレニーは着地すると。
「後はお任せしていいかな?」
 反動で気を失う前に、レニーは心春にそう告げて。
「はい。任せてください」
 心春がフンババを労いつつ、こくんとレニーに頷きを返し。
「安心して休むといい」
 ふらりと体が傾いだレニーをギャレットが受け止めれば、そのまま意識を手放すレニー。その様子に心春もほっとひと息をつく。どうやら3人とも無事のようだ、と。

 宝貝『呪泉楔』を巡る戦い。
 それは、呪泉楔を守っていた『死告鳥』たちは猟兵たちの手で全て倒されたことで、終幕となったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



 宝貝『呪泉楔』を強奪しようとした『屍仙女』とその配下『死告鳥』たちは猟兵たちによって退治された。呪泉楔は効果が成就しきる前に回収され、辺りの水源に与えた影響もどうにか一時的なもので済んだようだ。
 そして回収された呪泉楔は、元あった封印の洞穴まで運ばれ、仙人の目の前で猟兵たちによって破壊されたのである。
 こうして、危険な宝貝を巡るひとつの戦いは無事終焉をみた。猟兵たちの活躍で封神武侠界における憂いのひとつが無くなった、のである。

最終結果:成功

完成日:2021年04月20日


挿絵イラスト