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猟兵よ、己が武を天下に示せ!

#封神武侠界

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#封神武侠界


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「ぐはっ!?」
 鮮血が、彼の者の腕と共に中空へ投げ出される。痛みにもがくこともできず次なる刃が兵士の命を奪う。返り血を受けた血の気が引いた不死の兵士は言葉もなく生前愛用していた武器を構え、次なる獲物へと不気味なほど静かに歩いていく。
 静かなる不死者の軍団に恐れ戦くは小規模な街の領主だ。
 本日は御前試合として多くの勇士が参戦し、突然の襲撃に快くはせ参じてくれた。
 だが結果はどうだ。
 勇士たちも、抱える私兵も、そのすべてが言葉なき殺戮者によって蹂躙され物言わぬ血袋へと変えられていく。
「こ、こんなときに噂の武侠英傑がいてくれれば……っ!」
 その言葉を最後に街に残る最後の命の炎は消え去った。

「これが、新たに発見された世界で私が見た予知の内容だ」
 怒りに震えながら銀髪のエルフ、イライザ・フェブルウズは猟兵たちに告げる。
 この街で開催された御前試合は多くの人で盛り上がり、本来ならば大成功に終わっていたはずだったろうが、とあるオブリビオンに襲われて滅亡してしまうのだ。
「当然街にも私兵を蓄えるなどの自衛手段を持ってはいたのだが、我々猟兵のようなユーベルコードを扱う強者『武侠英傑』と呼ばれる存在がいなかったのは予知の内容通りだ」
 つまり、猟兵がいればこの惨劇を防ぐことができるという裏返しでもある。
 イライザは敵の首領については予知で見ることはできなかったが、襲って来る敵が『僵尸兵士』であること、彼らはより強力なオブリビオンの命令に従うだけの傀儡であること、数は多いが猟兵たちで十分対処できる数であることを告げる。
「もちろん敵の首領がどのような能力かわかればよかったが、少なくとも配下の僵尸兵士がいなくなれば自然と姿を現すだろう。そこを叩いてほしい」
 そしてイライザは少しだけ表情を柔らかくして次の言葉を続ける。
「今回の転送先は襲撃まで時間があるようでね、事前に武侠英傑として御前試合にエントリーしておけば、いざ敵の襲撃があっても大きな混乱なく戦線に参加できるだろう。もしかしたら偶然猟兵同士の戦いになるかもしれないが、それもまた数少ない経験として模擬選気分で戦うといいだろう」
 勝っても負けても恨みっこなし、ここでの戦いをあまり引っ張らずに本番のオブリビオン戦に臨んでほしい、とイライザは締めくくった。
「それでは転送を始める。参加してくれる猟兵は前に出てくれ」


札付ノワール
 初めましての方は初めまして!
 そうでない方はお久しぶりでございます!
 新世界発表に合わせて復活しました札付きノワールでございます。
 さて、今回の依頼は御前試合で街を盛り上げ、そんな街を襲う僵尸兵士を撃破し、襲撃の首謀者を叩くというシンプルな内容です。
 中でも第1章はプレイングの内容次第では猟兵同士で戦う可能性もあります。そう言った対戦があってもいいよと言う方は『対戦○』逆に猟兵同士で戦うのは遠慮したい方は『対戦×』と表記をお願いします。表記なしの場合は『対戦○』だとこちらで判断します。
 あくまで可能性があると言うことなので、対戦相手がモブでも許してくださいね!
 それではみなさんのプレイングをお待ちしております!
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第1章 冒険 『御前試合』

POW   :    パワーで魅せる。

SPD   :    スピード・テクニックで魅せる。

WIZ   :    作戦の巧みさで魅せる。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 プレイングは断章が公開されてからお願いします。
 
 街の人にとって数少ない娯楽ともいえる御前試合。
 当然、そこには人も集まり、金も行き交う。
 多くの人でにぎわう街に、猟兵たちは降り立つ。
 興奮に彩られた街に猟兵たちも自然と笑みがこぼれ、この街を守らねばと気持ちを新たにするだろう。
 だがまずはその武を天下に示そうではないか。
 それがこの後に控える惨劇を回避するために必要な事なのだから。
 
鍋島・小百合子
WIZ重視


なんと闘気に彩られた戦場であろう…
猟兵達と武を競える良い機会じゃ

「肥前が女武者・鍋島小百合子!お相手いたす!」
試合前にて我が薙刀の演舞を観客一同に披露(パフォーマンス)
戦前に祈りの願掛け、自らを鼓舞す
御前試合にて猟兵と相対すれば全力でこれをお相手す
相手の太刀筋を見切りつつ回避や薙刀での武器受け防御・反撃(カウンター)に活かす
攻め時にはUC「勇者乃武器」発動にて勇気の光を宿せし薙刀による我が武技を披露(なぎ払い、乱れ撃ち、切り込み、継戦能力、パフォーマンス併用)

勝っても負けても悔いが残らぬよう戦に礼節を尽くす


アルカ・ルカルト
【SPD】『対戦○』アドリブ歓迎

チャイナ服にゴッド多節棍の装い(https://tw6.jp/gallery/?id=81368)でノリノリ楽しみに挑むのじゃ。
やーやーわしこそは自称音楽神でやっとるアルカ・ルカルトなのじゃ!
ひとつお手合わせよろしく頼むのじゃ~!(拱手)

ゴッド多節棍を使って攻撃を受け流したりカウンターを狙ったり、四節棍からのヌンチャクチェンジを見たりの魅せプレイじゃ!
相手がユーベールコードを使ってきた場合のみ【神速】もちょこっと使って場を盛り上げるのじゃ~!



 街を治める領主の長い話には聞く耳持たず、観客たちはまだかまだかと勇士たちの戦いが始まるのを心待ちにしている。その抑えられた気持ちは既に熱気となって会場を包み爆発する瞬間を待っているようにも錯覚する。
「なんと闘気に彩られた戦場であろう…」
 鮮やかな朱色の武者鎧と腰に下げた小太刀に、紫の飾り布が結ばれた薙刀を持つ黒髪の女武者――鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)は熱気に当てられたかのように頬を紅潮させている。今回の御前試合では同じ猟兵と戦うことができると既に聞いている小百合子は、めったにない経験に喜びを隠せないでいた。
 そんな小百合子とは真逆の位置の門にいるのは緑のチャイナ服に多節棍というこの世界出身ならばなじみ深い装いの少年が立っていた。とは言っても上半身は鍛えられた腹筋が見えるほどに肌を露出しているのは少々人目を惹く格好だろう。
「いやー、思ってた以上の熱気じゃのう……こりゃ魅せ甲斐があるというものじゃ」
 二人の猟兵が気合を新たにするその瞬間、大きな銅鑼の音が鳴り響き、観客の歓声が爆発音のように解き放たれ、それぞれ二人を遮っていた闘技場の門が開いていく。
「やーやーわしこそは自称音楽神でやっとるアルカ・ルカルトなのじゃ! ひとつお手合わせよろしく頼むのじゃ~!」
 拱手をするアルカの口調は軽く、しかし発する闘気は間違いなく勇士のそれ。
 小百合子は薙刀を振るい、返礼とばかりに演舞を披露する。
 体は踊るように、薙刀は生き物のように、長い髪も意思を持つかのように踊り舞う。
 観客を魅了し、自信を鼓舞する舞は薙刀の先端がアルカに向いたとき、ピタリと演舞と共に止まる。
「肥前が女武者・鍋島小百合子! お相手いたす!」
 その言葉を合図に始まりを告げるどらの音が響く。
 先んじて動いたのは多節棍を鞭のようにしならせたアルカだ。
 風を切る音と共に、小百合子の頬をかすめていくが、小百合子の眼はしっかりとアルカを捉え、反撃の薙刀を一閃する。
 金属同士がぶつかり合いう音が響き、薙刀はいつの間にかヌンチャクに姿を変えて受け止められていた。小百合子は内心驚きつつも冷静に薙刀を引き戻そうとすると、その表情が驚愕に代わる。
 ヌンチャクで絡めた場所を支点にして、アルカは薙刀の上に立ち、さらにそこから跳躍して空中に投げ出されたもう一つのヌンチャクを手に襲い掛かってきたのだ。
「見た目に騙されるとは未熟未熟~」
 アルカの武器は本来ならば四節棍なのだが、時には二つに分離して二本のヌンチャクで戦うこともできる、その名も『ゴッド多節棍』なのである。
「仕掛け武器を見抜けぬとは、確かにわらわもまだ未熟よのう」
 再び金属音が甲高く響く。
 二本のヌンチャクは小百合子が逆手に抜いた小太刀によって阻まれていたのだ。
 雰囲気が変わったことを察知したアルカは跳躍し間合いを広げる。小百合子は裂帛の気合と共にユーベルコードの発動を行った。
「我の心に灯す勇気の心と共に!…いざ参る!」
 その瞬間、空気が震え観客の歓声も一時的に止まる程の闘気が闘技場を包んだ。小百合子の薙刀が光り輝くオーラに包まれたのはそれと同時の事であった。
 下手に受ければその上から叩き潰される。
 アルカはその光り輝く薙刀を見て解放された破壊力を察する。ならばとアルカは大きく深呼吸を一つ。相手の本気にはこちらも本気でかからねばならないだろう。そう判断したアルカは先ほどまでの柔和な笑みを消し、真剣な表情で小百合子を睨みつける。
「さて、と。やるかの~」
 相変わらず口調は軽いが、発せられる闘気が段違いなことを小百合子は肌で感じていた。互いの本気がぶつかり合うという事実は観客も気づいたのであろう。二人の動きを一瞬たりとも見逃すまいと固唾を飲んで見守っていた。
 次の瞬間、アルカの姿は掻き消えていた――否、あまりの速さに消えたように見えたのだ。小百合子の周囲からは壁を、大地を、圧倒的な速度で駆ける音だけが届いていた。
 強く大地を蹴る音が小百合子の耳に届くと、輝く薙刀を横薙ぎにふるって自身の後方を薙ぎ払った――がそこにはアルカの着ていたチャイナ服の切れ端が浮いているだけであった。
「危ないところじゃったが、これで決まりじゃ!」
 背中を見せた小百合子に対して、アルカが全力でゴッド多節棍を叩きつけ――ようとしたところまでが小百合子の思い描いていた作戦であった。
 振り抜いた薙刀から更なる輝きが増し、それは推進力となって大きく弧を描いて小百合子の体を一回転させる。当然薙刀の先には攻撃態勢に入ったアルカがいる。
 防御できる体勢でもなく、回避なども不可能。これは間違いなく直撃の軌道であることをアルカは冷静に分析していた。
 来るべき衝撃にアルカは目を閉じると、寸でのところで薙刀はその動きを止めていた。
「これで決まり、でよいかの?」
「ぬぅ……負けじゃ負けじゃ! 降参じゃ!」
 不敵な笑みを浮かべる小百合子に対し、敗北を悟ったアルカは両手をあげて降参を叫ぶ。
 声を出すことすら忘れていた観客たちは一瞬の攻防で呆気に取られていたが、噂に違わぬ武侠英傑の埒外な迫力に興奮の叫びをあげた。
 そうして記念すべき第一の勝負は鍋島・小百合子の勝利に終わったのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ユーフィ・バウム
『対戦○』

ここが封神武侠界ですか
武を示せというならば、お見せしましょう

御前試合では、素手戦闘で戦います
【力溜め】つつの【暴力】【グラップル】で
格闘戦での打ち合いで挑みます。
【怪力】の打撃は、たとえ手数で負けても、【鎧砕き】の
重い一撃で押す

相手からの攻撃には、基本【見切り】、
致命的な一撃を避けた上で
【オーラ防御】【激痛耐性】で耐え抜くスタイル
野生が鍛え上げた体は屈しませんとも

さぁ、まだまだここからですよっ!
好機を伺い、【野生の勘】でその”機”を掴み、
【ダッシュ】、【空中戦】で飛んでからの
必殺の《トランスクラッシュ》!

オーラを目いっぱい込めたヒップアタック
最後は、培った肉体そのもので勝利を掴みます


朱・小雨
僕達が行けば救える人がいるんだろう?勿論行くとも。
まずは御前試合か。小白(虎)は隅で待っていろ。

さて、お前が勇士か?胸をお借りする。良き試合をしよう(拱手)
僕は世辞でも強いとはいえないが、勝ちを狙いたい。
速攻も悪くないが、今回は相手の隙を突くことを考えよう。
大人からすれば僕は小柄だし、足と小回りで一旦回避に専念しよう。
相手が焦れるか疲れるかで隙が突けるようになったら【UC】で距離を詰めながら攻撃。

これに勝ち負けはあまり関係ないだろうけど、どんな結果であれいい勉強になるだろうさ。



 第二試合の開始を告げる銅鑼が鳴り響く。
 闘技場の中心で相見えるのは、褐色の肌に最低限の部分だけを守った体積の小さな服に身を包んだ少女――ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)と緊張が抜けないといった面持ちでユーフィを見つめる少年――朱・小雨(人間の宿星武侠・f32773)だ。入場してきた門の隅っこでは彼の相棒である虎の小白が不安げなまなざしで小雨を見つめていた。
「胸をお借りする。良き試合をしよう」
 拱手で礼をする小雨、ユーフィもそれに倣って拱手で返す。
「よろしくお願いしますね」
 どこかぽやんとした口調のユーフィに対し、小雨は冷や汗を止められずにいた。それもそのはずだ。二人の実力は圧倒的なのだ。今まで猟兵として経験を積んできたユーフィに比べれば、小雨は最近猟兵になった身。勝てる要素などほぼ無きに等しい。
 だが、それでも尻尾を巻くわけにはいかない。この戦いは必ず良き経験として自信を成長させるだろうし、何より最初から負けるつもりならば万が一の勝利も掴めない。
 わずかな勝機を模索しながら、小雨は剣を構える。
 対するユーフィも相手が格下であることは既に察している。だが、それでも勝つつもりで挑戦してくる相手に手を抜くほど密林の部族の戦士は優しくないのだ。
 先に動いたのはユーフィだ。
 渾身の力を溜めて、小雨に掴みかかろうとする。その速度は見た目の愛らしさから想像できないほど獰猛で激しいものであった。猛獣を前にしている気分になりながらも、小雨は紙一重でユーフィの掴みを回避していく。
 一度でも捕まったら終わりだと言うことを念頭に置き、小雨は反撃の隙を探し続ける。時には牽制の攻撃で隙を作ろうとするも、ユーフィには届かず、逆に捕まれそうになる危機を迎える。
 咄嗟にバックステップで大きく距離を空けてユーフィの手から逃れる小雨。距離を空けさせまいと跳躍して詰めていくユーフィ。
  均衡が崩れれば一瞬で勝負がつくという緊張感は観客にも伝わっており、ハラハラとした表情で勝負の行く末を見守っていた。静かな、見逃せない攻防はいつまで続くのか、果たして終わりが来るのか、そう思わせるほどに二人の攻防は続いていた。
 だが、ここで好機が訪れたのは小雨の方である。自分たちだけが音を発する静かな戦いの中で異質な物音が聞こえた。それは銅鑼を鳴らすための棒をうっかり落としてしまった兵士の声とともに響いた。もちろんすぐに周囲の人間から小声で注意されていた。
 その時、ユーフィの視線が音の方へと向いたのだ。鋭敏な戦士のセンサーがわずかな音も逃さずその正体を探ろうとしてしまったのだ。時間にして刹那にも満たないわずかな隙――仕掛けるならばここしかないと小雨は全力の剣戟を見舞う。
 ほぼ零距離で放つ、時速数十キロの剣戟は十字にユーフィを斬り裂く。
「そん……な」
 驚愕の声をあげたのは小雨であった。
「野生が鍛え上げた体は屈しませんとも」
 薄手の生地にしか見えないユーフィの衣服に届く前に、光のオーラが防御壁となって剣戟を完全に止めていたのだ。そしてその動揺は十分すぎるほどの隙を生じさせてしまった。
 その隙を、好機を逃すほどユーフィは甘くはない。ここで勝負を決めんと小雨を蹴り飛ばす。地面を数度バウンドし、痛みに苦悶の声をあげる小雨だったが、すぐに体勢を立て直すがそこにユーフィの姿はなく、空高く跳躍していた。
「鍛えられた肉体を、めいっぱい叩き込みますっ!」
 体をオーラで包み、一つの光の塊となってユーフィは小雨に向かって隕石のごとく襲い掛かる。避けようにも体を走る激痛に身をよじらせるの精一杯である。
 光の隕石は大地に突き刺さり、砂嵐のような土埃と共に闘技場を大きく揺らす。
 風が吹き、土埃が晴れるとそこにはユーフィに肩で支えられながらも立ち上がっている小雨の姿があった。
「僕の……負けです」
 息も絶え絶えと言った姿に勝負は決まったことを悟る観客たち。彼らの祝福するような歓声はユーフィのパワーを称えてか、それとも小雨の健闘を称えてか。
「負けたけど、勉強になった……次は負けない」
 未だ消えぬ小雨の闘志に、ユーフィは満足そうに微笑むのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
対戦○

ええと、礼にはじまり礼に終わる、だっけ?
それじゃ、よろしくお願いしますっ!(礼)

光刃剣と精霊剣の二刀流で対峙するよ
最初から全開っ!
【空中機動】での【空中戦】で飛び回るよ
風はわたしの友達だからっ!
そのまま、すれ違いざまに【二回攻撃】でヒット&アウェイっ!
回避は【第六感】を信じて
動きを【見切り】【フェイント】で【残像】を生み出して攪乱回避だね
舞うように攻撃と回避するよ

せっかくの御前試合だから、ちょっと派手な方がいいかな?
【高速詠唱】で隙を減らして…
わたしの十八番、エレメンタル・ファランクスっ!
威力は絞って、でも見た目綺麗に…

さぁ、すべてを撃ち抜くよっ!

勝っても負けても、笑顔でお礼だね


テラ・ウィンディア
対戦〇
対戦希望
シル(f03964

こういうのも久しぶりだな?
全霊を以て挑ませて貰うぞ



是までの戦いと癖は痛い程知ってる
それはシルもだろうけど
だからおれはおれが持つ全てを尽くす!
【属性攻撃】で全身と武器に炎を付与
UC起動
【戦闘知識・第六感・残像・空中機動・盾受け】
是までの経験
己の持つ直感と空中機動能力
避け切れないのは盾で受けダメージを抑え
【弾幕・遊撃・砲撃】
ガンドライド展開
激しい銃撃弾幕を展開してその動きを制限させ

【二回攻撃・早業・串刺し・重量攻撃】
距離を詰めて剣と太刀による連続斬撃から
槍に切り替えての刺突
そして一回転しての重力を脚に纏わせての踵落としで大地に叩き落さんとする!

是が今のおれの全霊だ!



 次なる試合へと進行し、向き合う二人の猟兵。
 片方は不敵な笑みを浮かべ、もう片方は驚きの表情を見せていた。
「こういうのも久しぶりだな? 全霊を以て挑ませて貰うぞ」
 黒と赤を基調としたワンピース型のローブに身を包むポニーテールの少女――テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は赤い刀身の宝剣を構えながら対戦相手である少女を見やる。
「まさかテラが出場してるなんて思わなかったよ。でも負けないからね!」
 相対するはテラの姉であるシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)である。シルはテラとは対照的な白を基調としたワンピース型ローブに青白い光刃を六色を放ち光る二振りの光の剣を手に構える。
「ええと、礼にはじまり礼に終わる、だっけ? それじゃ、よろしくお願いしますっ!」
「おぉっとそうだったな。よろしくお願いします!」
 そして二人の試合開始を知らせる銅鑼の音が大きく鳴り響いた。
 同時に二人は動き出すがその動きは対照的だ。
 シルは空へと飛翔し、二振りの剣を巧みに操ってテラへと攻撃を仕掛けていく。
 対するテラは地面にひびが入る程の強い踏み込みで槍を構え、体の周囲と宝剣に赤い炎と超重力フィールドを展開する。
「グランディアよ…全ての存在がもつ原初の力よ。我が身に宿り力と成せ…!グラビティフィールド…展開!」
「私も最初から全開っ!」
 空から奇襲するシルと地上で待ち構えるテラの最初のぶつかり合いは――重力によって軌道を変えシルの双剣を盾で受けていたテラが優位に立つ。
 まともに食らえばただでは済まない。そう判断したシルは風と共に後退するが、そこは勝手知ったる姉の事だ。テラもその動きを読んで重力の向きを変更してバネのように凄まじい勢いで飛び出すように追撃する。
 その周囲にはいつの間にか三つの銃身を持つ浮遊自走砲が展開されており、それぞれが射撃を行ってシルの逃げ場を塞いでいく。
 だが、展開を呼んでいるのは何も妹だけではない。
「風はわたしの友達だからっ!」
 反転して真っ向からテラと打ち合う構えを見せた突風のように空を駆けるシル。迫りくる砲撃はほぼ勘を頼りに避け、すれ違いざまにテラの体を傷つけていく。
 地面をこすりながら再び相対する二人。だが、一瞬たりとも止まることなく次の攻防が始まる。
 再び浮遊自走砲で牽制し、逃げ道を塞ぎながら弾きだされる赤い弾丸。シルは両手を掲げ奥の手を高速詠唱で隙を削りながら、迎撃の形をとる。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ…。我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」
 それは元素と言える四つの属性による魔力の奔流。しかもその数はまるで津波と錯覚するほどに大量に発射され、回避しようもなくテラの体を撃ち抜いていく。
 しかし、テラ自身も盾や攻撃による相殺でダメージを最小限に抑えながら魔力の津波を突き抜けていく。一つ一つの威力が低いことに違和感を覚えつつもテラはまっすぐに進んでいく。
 色鮮やかな攻防に観客たちは言葉を失いそうになりながらも、少女たちを応援する、かたや赤き少女を。かたや青き少女を。
「抜け……たっ!?」
 テラがやっとの思いで抜け出した先では、シルが光の双剣を構え振り下ろそうとしていたのだ。回避はすでに不可能。防御もままならない――ならば攻めるまで。
 右手の宝剣に左手は腰に差していた無銘の刀を持ち、姉の振るう双剣に立ち向かう。火花が散り、金属と光刃がぶつかり合う不思議な剣の舞に観客は息を飲む。
 次の瞬間、テラは両手に持った二振りの剣を投げつけシルの意表を突く。その隙に炎が具現化したような真紅の槍を出現させて三弾攻撃を狙うも、僅かに体を逸らしたシルには当たらない。
「是が今のおれの全霊だ!」
 言いきると同時にテラは槍を支点にして一回転して大きく足をあげる。その下にはこれまでの三弾攻撃を凌いで隙を晒した姉の姿。
 渾身の力と重力を込めた踵落としによる四段目の攻撃がシルを襲う――が、その蹴りは大地に深く突き刺さっただけで終わる。
 シルは着弾の瞬間に嵐のような突風を瞬間的に生み出してテラの体勢をわずかにだが逸らしたのだ。
「今回は、お姉ちゃんの勝ちだよ!」
 双剣の連続攻撃を防御できずにその身へと受けたテラはその場に倒れ伏した。
「あー悔しい! でも楽しかったな!」
「そうだね!」
 激しい戦いの後、二人は笑顔で握手をして互いの健闘を称えたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

コミュニ・セラフ
【パンドラ】対戦〇
※同じチームメンバーとの模擬戦を希望します。

ふんむ、同じ猟兵同士で戦うまたとない機会ですに。全力を振り絞って戦いますかに。

手加減はせず、楽しむかに!
私の持ち味は相手の攻撃も構わず豪金棒で攻撃をする捨て身の一撃ですに。相手が攻撃をするタイミング、その時が相手にとっての一番の隙ですに。
こちらは攻撃を当てさえすれば奪取の指輪で体力を回復し、相手が様子を見れば筋肉によって回復していきますに。敵のダメージは海蛇の加護と鎧により、電気と魔法を封じるに。

相手が警戒して攻めなくなったら、私が豪金棒を振り回してくれるに。そして、相手の目が慣れたり、相手が攻撃をしようとしたところでUCを行うに!


ジーク・エヴァン
【パンドラ】
オブリビオンも襲来するけど、御前試合か
普段は背中を預けてる仲間と戦うって考えると、スッゴくワクワクしてくるよ

試合で怪我させるわけにもいかないから鞘をしたまま戦おう
…角砕きだからこれでも危ないけどまあ猟兵なら大丈夫か
戦うのはコミュニさんか叢雲さんが良いけど他の猟兵でも誰であっても全力でいく
二人の強さは分かってるから尚更俺の強さをぶつけたいし戦いたい

俺の強みは防御力だ
竜眼の盾で盾受けからのカウンターやオーラ防御で受け、怪力を活かして角砕きで攻撃したりシールドバッシュで吹き飛ばそう

相手がUCを使ってきたら俺も全合体した【巨竜退ける砦盾】で真正面から受けてたつ!
俺の最大防御で止めてみせる!



 興奮冷めやらぬという面持ちで観客たちはどんどんヒートアップしていく。早く次の試合を見たくてたまらないのだろう。
 闘技場に立つ新たな対戦者は互いに見知った相手であった。
「ふんむ、同じ猟兵同士で戦うまたとない機会ですに。全力を振り絞って戦いますかに」
 ニヤリと獰猛な笑みを浮かべるのはスケイルアーマーに毛皮の外套、幾本もの金棒まとめた長大な豪金棒を軽々と肩に担ぐコミュニ・セラフ(女傑なる狂天使・f12530)と。
「戦うのはコミュニさんか。彼女の強さは分かってるから尚更俺の強さをぶつけたいし戦いたい」
 全身をフルプレートの金属鎧で身を守り、竜の瞳を彷彿とさせる赤い宝石のついた大楯と、竜の角を折ることに特化した鉄塊剣――今回は鞘に収めているが十分な破壊力はある――を持つ少年、ジーク・エヴァン(竜に故郷を滅ぼされた少年・f27128)だ。
 試合開始を告げる銅鑼が鳴り響くとコミュニは大きく振りかぶって両手で持った豪金棒を叩きつける。そこには回避されたり無効化されたりした時の対策を考えないある種捨て身の攻撃。故にその威力は大地を割り、鉄をも砕く破壊力を生み出すのだろう。
 単純ゆえに対処の難しい攻撃に対してジークの取った選択は、同様に全力で大楯をぶつけることであった。知己の間柄故、初手から全力攻撃を仕掛けてくることはわかっている。ならばジークは持ち前の防御力でコミュニの暴力の嵐を受け止め続けるしかない。
 豪金棒が大楯に打ちつけられると、人間が発生させたとは思えない大音量の金属がぶつかり合う音が響く。しかもそれは一度では終わらず何度も何度も行われるのだ。少しずつ、ジークの足が地面を抉りながら後退していく。
 だがどんな豪傑でも息継ぎと言うものは必要だ。それも並の人間では扱えない豪金棒を何度も振るえば自然と攻撃が緩む瞬間が訪れるのは仕方のない事だ。
 ジークはその緩みを見逃さなかった。金棒が当たると同時に大楯を前に出してコミュニへと叩きつける。体勢が崩され大きな隙を晒すコミュニに向かい、ジークは角砕きを手に大きく振るう。
 鞘で殺傷力が落ちていようとも、その鉄塊は龍の尊厳たる角をへし折ることに特化した物。豪金棒ほどではないにせよ重く、そして硬い。
 隙を晒したとはいえ、コミュニにも防御する間くらいはある――その細腕でだ。
 骨が軋む嫌な音と激痛が左腕から体中を駆け巡るコミュニ。しかし、彼女の猛攻はそれでは止まらない。ジークの攻撃を隙として大楯の隙間から豪金棒による反撃を試みたのだ。だが響いたのは再び金属同士がぶつかり合う音。ジークの防御が間に合ったのだ。
 ジークは再び大楯を構えコミュニの攻撃を受け止める体勢をとる。対するコミュニは左腕から血を流し、先ほどまでの両手持ちによる強力な攻撃ができないかのように思えた。
 するとコミュニは左腕に力を込めると、その筋肉の収縮によって無理矢理に止血を行い、持ち前の超回復力によって瞬く間に傷を回復させたのであった。
「さすがはジークだに」
「このままでは千日手ですかね」
 圧倒的な防御力でコミュニの攻撃を受け止め続けるジーク。反撃を喰らわせてもその超回復力によってすぐに傷を癒すコミュニ。
 ならば手を変えるまでと言わんばかりに、コミュニは豪金棒を振り回す。ただ振り回すのではなく、今度は虚実織り交ぜながらの連撃だ。弱い打撃、強い打撃、打撃に見せかけた誘い。ジークもコミュニから視線を外すことなくすべての攻撃を的確にさばき防御していく。
 どれほどの時間が経ったのだろうか、手を変え品を変え、二人の攻防はいつまでも続きそうに思えてきた正に千日手だ。
 だが、何度めかの攻防で遂に均衡が破られる。
 ジークが大楯を落としてしまったのだ。それもそのはず。コミュニは傷と共に体力を回復させる速度でジークを大きく上回っており、何度も打撃を受けた大楯を持つ手は徐々にだが間違いなく消耗を強いられていたのだ。
「来たれ!竜の一撃を受け止めし鉄壁の軍勢よ!我と共に、集いて竜の進撃を弾き返せ!」
 それは巨大な盾であった。必殺の一撃を見舞おうとするコミュニの眼前にはいくつもの大楯が出現し一瞬の後に合体して今まで以上の防御力を誇る長大な盾が生まれていた。
 だが、少しだけ遅かった。
 ジークは盾を合体させて防御力を高めたが、その合体の隙に大楯の内側へとコミュニの侵入を許してしまったのだ。
「あっ」
「潔く散るが良いにぃ!」
 コミュニは身をかがめて一気にジークとの距離を詰めて肩に掴み上げると、そのまま全力で強力な絞め技を繰り出したのだ。ミシミシとフルプレートの鎧が悲鳴をあげて砕けていき、内部の肉や骨まで捻り潰さんとする。
「こ、降参! 降参です! 本当に命が散ってしまいますよ!」
 豪快な戦いが終わり観客は大歓声を上げて二人を祝福する。勝者はどこまでも自身の力を押し通し続けたコミュニの手に渡ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

劉・涼鈴
よーっし! まずは顔見せってトコだね!
武器もユーベルコードもなしで軽くやろう!

【気合い】を入れて【覇気】を漲らせれば、紅い闘気がぶわー!
人がいっぱい見に来てるんだから、やっぱ派手に盛り上げないとね!(パフォーマンス・存在感)
いっくぞぉおおおお!!

【ダッシュ】で踏み込んで打撃戦だ! おりゃおりゃー!
猟兵になる前から【功夫】を積んでたんだ、ユーベルコードなしでも私は強いぞ!

【ジャンプ】や【スライディング】も活用してアクロバティックに戦う!
相手の攻撃を【受け流し】て、体勢を崩したところを引っ掴んで【怪力】でぶん投げる(投擲)!
どっせーい!


荒谷・つかさ
成程、事情はわかったわ。任せて頂戴。
御前仕合……猟兵以外も参加するのであれば、相応の加減はしないといけないかしらね。

普通に手ぶらで参加
武器の持ち込みはなし、ユーベルコードも使わない
使うのはこの鍛え抜いた肉体とそれに宿る「怪力」、磨き上げた格闘の技のみ
基本的にはずっしりと重心を落として半身で構え、相手の武器を捌きながら一気に懐に踏み込んで当身、或いは拳の一撃で一気に決める
拳法家が相手であれば、突き出された手足を絡めとって関節技に持ち込むのも面白いかも
猟兵が相手でコードを使われたとしても、真っ向から「怪力」と技のみで挑む

たまには、普通の戦い方もしないとね。
(※鍛え具合が普通とは言ってない)



 いくつもの闘いがあった。
 猟兵たちの戦いはどれも激しく、華麗で、すさまじく、観客を魅了し満足させていた。
 その戦いもこれが最後となると一抹の寂しさも感じるというものだ。
「よーっし! まずは顔見せってトコだね!  軽くやろう!」
 そんな空気を吹き飛ばすような元気な声を発するのは銀髪のチャイナ服に牛の角を生やしたキマイラの少女、劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)だ。
「あら、軽くでいいの?」
 鈴が鳴るような澄んだ声が響く。その先には額から赤い角を生やした巫女装束の少女、荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)が立っていた。
「つかさ姉ぇ! まさかつかさ姉ぇと戦うなんて思ってなかったよ! こりゃ全力で行くしかなーい!」
 その瞬間、涼鈴の体から赤い闘気が嵐のように渦巻いて発生する。わかりやすい気合の現れにつかさは表情を変えることなく半身に構えて涼鈴を待ち構える。
「どっちの鍛錬が上かはっきりさせましょ」
 次の瞬間、大地を蹴り砕くような音とともに涼鈴が間合いを詰める。詰めるというよりその速度、勢いはもはや突撃だ。慌てて試合開始の銅鑼を鳴らす兵士をしり目につかさは柳のように涼鈴の闘気を受け流している。
 二人がぶつかるその時、同時に突き出された拳同士が轟音をあげてその威力のすさまじさを現す。轟音は次々に繰り返され、人間の拳同士ではなくなにかの武器を打ち合っているのではないかと錯覚するほどの重い音の応酬だ。
 不意に涼鈴が跳躍して頭上からつかさを狙う形へと攻め方を変える。空中で一回転してからの踵落としは、交差した両腕になんなく受け止められる。だが次の瞬間にはつかさの腕が開き、涼鈴の足を掴まんと迫る。慌てて足を引き距離を開ける涼鈴。
 純粋な格闘技のぶつかり合いは、今までの猟兵の戦いからすれば地味な物だろう。だが、二人の華奢な体に似つかわしくない力と技の応酬は、見る物を奮い立たせ自然とその拳を熱く握らせる。
 再び弾丸のような速さで距離を詰める涼鈴。今度は滑り込んでその小さな体をさらに低くしての連撃だ。決して高身長とは言えないつかさも下からの攻撃には対応が難しいだろうと踏んだのだ。
 両手で身体を支え、その体勢のまま何発も蹴りを放つとつかさの服や頬を涼鈴の足がかすめていく。
 ―――ズン。
 その音と共に闘技場が、大地が、軽く揺れた。
 それはつかさの放った震脚によるものだ。文字通り大地を震わせたその一撃は、鍛え抜かれた驚異的な筋力があるからこそ為せる非常にすさまじい踏み込みだ。
 咄嗟に避けた涼鈴は慄くどころか、逆に歯を見せて笑い、再び距離を詰めての連撃をつかさへと繰り出す。
 先ほどは殴り合いであったが、今度は掴みあいだ。相手の体、服、どこでもいいから掴むことができればそこから投げ技や寝技に移行できるが、涼鈴からすればこれは分の悪い賭けだ。
 なぜならつかさはまだ一歩たりとも動いていないのだ。その場に足を付けたまま涼鈴の攻撃を全て捌き切っていることから二人の実力差が伺える。
 ユーベルコードを使えばもう少しいい勝負ができたであろう。だが、二人は使わないし、そのつもりもない。なぜならそれは二人が昔からの知己の間柄だからと言えるだろう。
 互いに鍛え上げた武技をぶつけあい成長を確かめ合う。それは言葉なき二人のコミュニケーションともいえるのだ、ゆえに本気のユーベルコードは使わない。純粋な実力のみで二人はぶつかり合うことを打ち合わせることなく決めていたのだ。
 そしてその時は来た。
 涼鈴の攻撃を受け流したつかさの体勢がわずかにぶれる。針の穴を通すようなわずかなブレであったが、その瞬間を涼鈴は待っていたのだ。
「どっせーい!!!!!」
 つかさの右腕を掴み、全力の背負い投げを狙う涼鈴。だが動かない。崩せない。そこから先に進めない。まるで大きく根を張った巨木のようにつかさの足は大地から離れない。そしてそれはつかさの反撃を許す絶対的な隙を晒すことになる。
 左手で涼鈴の後頭部を掴み、右腕から引きはがす。
「今回は私の勝ちね」
「くっそー。次こそは勝ってやるからね!」
 そのままつかさは全力で涼鈴の頭を大地に叩きつけて、その意識を一瞬で刈り取った。
 派手さはない純粋な武芸のぶつかり合いは、荒谷・つかさその人に軍配が上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『僵尸兵士』

POW   :    僵尸兵器
【生前に愛用していた武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    僵尸鏡体
【硬質化した肉体】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、硬質化した肉体から何度でも発動できる。
WIZ   :    僵尸連携陣
敵より【仲間の数が多い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。

イラスト:鹿人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 プレイングは断章が公開されてからお願いします。
 公開予定、3月29日。
「りょ、領主様!」
 御前試合が終わり、その感想を領主が述べている頃にその声は響いた。
 声の主は青い顔で領主の座る席へと滑り込んでくる。
「なんだ、今何しておるかわからんのか!」
 領主の叱責。しかし、兵士の報告は止められない。
「火急の件でございます! 矢も火矢も効果のない謎の兵士がこちらへ迫っており、城壁の兵たちは恐怖に駆られ逃げ出すものが続出!」
 今度は領主が青ざめる番であった。この街には大した兵器もなければ騎馬兵もいない。
 矢で射かけることこそが最大の防衛手段だったというのに、それも効果がないとすれば仕方のない事だ。
 だが、希望は既にある。
 噂に違わぬ強さを発揮し見せつけてくれた武侠英傑がここにいるのだから。
「頼みます! 街のために皆様の力を貸していただきたい!」
 猟兵たちはこの願いに快諾する。むしろようやく本番が来たのだ。断る理由はどこにもない。
 さぁ、猟兵たちよ。天下に示せ。
 物言わぬ死の兵たちに、猟兵の、武侠英傑の力と言うものを。
シル・ウィンディア
ふぅ、体もあったまったことだし
めいっぱい、頑張りますかっ!

【空中機動】で空へ舞い上がって【空中戦】で敵と対峙するよ
腰部の精霊電磁砲の【誘導弾】を【一斉発射】して惹き付けるね

こっちを向いたら
光刃剣と精霊剣を二刀流に構えて高速で敵陣に突入っ!
【二回攻撃】で【なぎ払い】を行いつつ
一撃離脱っ!

旋回しつつ遠距離は精霊電磁砲、近距離は光刃剣と精霊剣で攻撃だね

敵の攻撃は【第六感】を信じ【瞬間思考力】で最適な回避を行うよ


うーん、敵の数が多いなら…
本命は、先ほどもお見せしたエレメンタル・ファランクス!

【高速詠唱】で隙を減らして
【魔力溜め】を【多重詠唱】で行って使用をするよ
さっきと違って本番用だよっ!!



 青白い肌にボロのような黒衣。その手には様々な武器を持った不気味な軍勢がゆっくりと街へと迫ってくる。そんな絶望すべき光景を前に笑顔を絶やさない一人の少女が降り立つ。
「ふぅ、体もあったまったことだし、めいっぱい、頑張りますかっ!」
 海のような青い髪に、蒼玉の瞳。その手には輝く光の剣を二振りと、腰につけられた精霊電磁砲に身を固めたシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)が、風のように空へと舞い上がり、電磁砲の照準を僵尸兵士たちの先頭部分へ向ける。
 歩みをやめない僵尸兵士たちへシルはタイミングを合わせ、電磁砲を発射する。いくつもの光の弾丸が僵尸兵士の体を穿ち、砕いていく。しかし、その攻撃で腕が吹き飛ぼうとも、下半身を消滅させられようとも、這いながら進行を続けていく。まさに痛みを感じぬ不死の軍団だ。
 それでもシルは空中から電磁砲での砲撃を続けていくと、まるで何かの指令を受けたかのように周辺の僵尸兵士たちが一斉にシルへと視線を向ける。各々の武器を構え、投擲にてシルを叩き落とさんと凄まじい勢いで武器の雨が降り注ぐ。
 シルは旋回しながら高めた思考力で最適な回避ルートを選択し、時には勘を頼りに投擲された武器たちを回避しながら地上へと降りていく。その手には光刃の剣と、精霊の力が束ねられた光の剣を構えて近接戦へと移行していく。
 武器をなくした兵たちはその手でシルを捕まえようと迫るも、その腕自体を斬り裂かれる――が、腕がなければ体で動きを止めようとわずかに残った腕で羽交い絞めにしようとしてくるのだ。
 しかも中には武器をまだ残していた兵士もいたようで、時には兵士の隙間から、時には兵士ごと貫いてシルの命を奪わんと襲い掛かってくる
 それはあまりにも冒涜的でかつ予測不可能な連携攻撃であった。死した肉体を無理矢理に誰かが動かしているのだろう。普通ではありえない波状攻撃がシルに降りかかる。
 だがそれでも隙はある。敵のやり方は肉体を文字通りに利用しての攻撃だと言うことが理解できれば、瞬間的に高めた思考力により予測して回避、ないし兵士の体ごと斬りすてていく。可能な限り隙を削り、小刻みに僵尸兵士たちの体を斬り捨て、時には精神力によって姿を変える光刃剣の特性を生かして大きく薙ぎ払い、さらには距離を空けて精霊電磁砲による遠距離攻撃で次々に僵尸兵士を撃破していく。
「わわっ!?」
 その時、不意にシルの足が何者かに引っ張られて尻もちをついてしまう。それは上半身どころか頭と腕が辛うじてつながっている程度の体しか残していない僵尸兵士の撃ち漏らしであった。
 すぐに足元の僵尸兵士の頭を潰し、腕をはぎ取るが時すでに遅し。好機を読み取る思考が残っていたのか、今まで以上の圧力で僵尸兵士たちがシルに襲い掛かる。もはやいくら思考力を高めたとしても『無傷の回避は不可能』の答えしか浮かばない。
 ならば、傷を負ってでも脱出すればいい。頭の片隅に浮かんだ考えにこそ活路があると信じ、シルは魔法陣を展開。自身の足元に強力な炎の柱を発生させて自身の体をわずかに焼きながらも僵尸兵士たちを巻き込みながら空中へと脱出する。
「敵の数が多いなぁ……」
 シルは距離を大きく開けて再び大地に立つ。すると空中に魔法陣が展開され、そこに凄まじい量の魔力が収束していく。僵尸兵士たちはさせるものかと、今までとは違い全力疾走でシルへと迫りくる。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ…」
 赤の魔法陣、青の魔法陣、緑の魔法陣、黄の魔法陣。
 それぞれの魔法陣に魔力が集まる。本来であればこれほど大規模な魔力を収束させるには長い詠唱と集中が必要となるであろう。だがシルは高速詠唱の技術でこれを補い、さらに多重詠唱により幾重にも魔法陣が重なっていく。
 それは御前試合で見せたものと同じであるが、試合の時とは違って、人を魅せる目的はない。つまり、これこそがシルのユーベルコードの真の姿と言っても過言ではない。
「我が手に集いて、全てを撃ち抜きし光となれっ!!」
 束ねられた幾重もの魔力砲撃が僵尸兵士たちをのみこんでいく。それは肉体を破損させて行動不能にするなどと言う生易しいものではない。魔力の奔流にさらされた僵尸兵士たちは文字通り耐え切れずに消滅していく。
 不死の軍勢の一角が完全消滅したことにより、シルは満足げに笑みを浮かべて次の戦場へと飛び立っていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

荒谷・つかさ
あの子との試合で身体も温まったし……ええ、任せておきなさい。
矢の通じない体、一体如何程のモノなのか。
この私が確かめてあげるわ。

一口に武器と言っても色々あるけど
剣、槍、斧、弓……大体の武器は懐に潜られたり、利き腕の反対側に回られると攻撃しづらいという弱点がある
例外は暗器だけど、使う時には妙な動きがある(変な間合いでの突き等)から察知は可能
これらを念頭に置いての格闘戦を仕掛ける
一気に飛び込んで正拳の一撃
武器を持つ腕を捻じり上げ、関節を破壊
ブリッジで担ぎ上げて背骨を始めとした体幹を粉砕等々
コードは使わず、鍛え上げた肉体(「怪力」)と技のみを以て不死の兵を蹂躙して回る

さあ、次はどいつが相手かしら?



 不死の軍勢尚街へ迫る。
 治まらない圧力で街へと向かっていく僵尸兵士らの前に巫女服に身を包んだ角を生やした少女が現れる。ともすれば浄化の力で僵尸兵士を昇天させるかのようなたたずまいを感じさせるがそれは違う。
「矢の通じない体、一体如何程のモノなのか。この私が確かめてあげるわ。」
 己の肉体に絶大の信頼を置く羅刹の少女、荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)には己の肉体で戦うという選択肢以外は存在しなかった。もはやこの戦いも如何に己の鍛え抜いた肉体と技のみで乗り切れるか確かめる場と捉えている節すらあった。
 まず飛び出したのは槍や薙刀などの長物で武装した兵たちが現れる。単純な射程の長さは十分なほどの有利を僵尸兵士に与えることだろう、だが次の瞬間その考えが間違いであったと思い知らされるのであった。
 知覚できぬほどの素早い動きで目の前の兵士へと距離を詰めるつかさは腰を深く落とし、渾身の力を込めての正拳突きを見舞うと、その兵士の体は吹き飛ぶどころかその場で砕け散ったのである。威力が後方へと逃げる前に圧倒的なパワーが僵尸兵士の体を破壊しつくしてしまったのだ。
 慌てているようには見えないが、どこか呆気にとられた様子で残った兵士たちが槍を突き刺してつかさを狙うもすぐに後方へ体を逸らしたつかさには当たらない。それどころか、重なった槍や薙刀の穂先に触れたかと思うとそのまま地面に叩きつけて刃を粉砕する。これには僵尸兵士も対応に困ったのか一瞬だが動きを止める。つかさはその隙を突いて再び距離を詰めて武器を持つ兵士の腕を持って関節を極めてそのままねじ切る。
「なるほど、ただ硬いだけね」
 そう呟くつかさ。一般兵の矢が効かなかった理由に特別なユーベルコードの存在を考えていたのだが、実際は痛みに怯まない死者であるという事、そして死後硬くなる人間の体の特性を生かした防御力であったと言うことを看破した。
 種がわかればどうと言うことはない。動けないほどに体を破壊するか、跡形もなく消し飛ばすかすればいいだけだ。
 それがどれだけ難しいことなのかは言わずもがなではあるが、圧倒的怪力と、それを活かす技を持つつかさであれば先ほどのように容易に行える。
 問題は数の不利だけはどうにもならないと言うことだ。
 いっぺんに襲い掛かられてしまえば、中途半端な破壊しかできず、残った手足だけが動いてつかさの動きをからめ捕りに来るだろう。そうならないためにつかさの取った行動は至極単純であった。
 邪魔されないうちに素早く完全破壊する。
 距離を詰め蹴りで頭部を破壊すると、そのまま踵落としへ移行して体を叩き潰し、近づかれればブリッジの姿勢を取り内部の骨を粉砕骨折させて、どうあがいても動けない体へと変え、遠距離から武器の投擲や矢による射撃が行われれば、近場の兵士の体を盾にしてやり過ごしたかと思うと、今度はその兵士を投げつけて反撃する。時には不自然な動きでつかさに攻撃を仕掛ける者もいたが、その不自然さから暗器の存在を看破され披露する前に潰される。
 まさにちぎっては投げちぎっては投げと、八面六臂の大活躍を見せるつかさであった。
 何より恐ろしいのはこれが肉体の強さと技の冴えのみで行われる純粋な格闘戦と言うことだ。僵尸兵士を操っているであろう黒幕からの焦りが伝搬したのか、徐々に攻撃の手は弱まりつかさを避けるように引いていくのであった。
「案外つまらなかったわね」
 そんな光景につかさは涼しい顔で僵尸兵士を追いかけるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

朱・小雨
行こう小白。
試合ならともかく、こっちで負けては師匠に何と言われるか。

しかし多勢に無勢。纏めて倒せる技もなし。なら単騎で戦える程度へ数を絞るまで。
遠くからの【斬撃波】で数を減らしつつ通路のような狭い場所へ誘導。集団と長物の長所を潰す。
相手が絞れたら反転。【ダッシュ】で間合いを詰める。
攻撃は来るだろうが【見切って】避けてやるとも。御前試合の彼女と比べれば可愛いもんだ。
剣の間合いに入ったらそのまま斬りかかる。切り伏せれば次の相手へ、受け止められたら【UC発動】
その乾いた体はさぞ燃えるだろうな。そのまま灰になれ。


アルカ・ルカルト
◆WIZ◆アドリブ、連携歓迎

準備運動はばっちり、本番の開始じゃな!

まず、わし自身も含め味方の猟兵を対象に【サウンド・オブ・パワー】で皆の戦闘力増強を図るのじゃ。
『空中浮遊』で敵の手が届かず且つ歌声が聞こえやすいポジションから血沸き肉躍る、熱い戦いの歌を高らかに『歌唱』するぞい!
ついでに皆を『鼓舞』する掛け声もいれて更に士気アップを狙うのじゃ。

さあて、力が湧いてきたところでわしもひと暴れするかの!
双剣「シエラ」「シエロ」を手に取り僵尸兵士達と戦うのじゃ。
『軽業』を活かして軽い身のこなしでいくのじゃー!



 猟兵たちの活躍により、確実にその数を減らしていく不死の軍団。
 それでもまだかなりの数が残っており、油断できない状況であることに、藍色の髪にオレンジの瞳の少年、朱・小雨(人間の宿星武侠・f32773)は十分に理解したうえでの険しい表情で僵尸兵士の軍勢を睨みつける。
「試合ならともかく、こっちで負けては師匠に何と言われるか」
 肩につかまる相棒の小白を撫でながら、小雨はこの敵をどうすべきか思案する。まず単純に小雨には大多数の敵をまとめて攻撃する手段がない事、単騎で多数を相手にする経験がまだ乏しいという事などなど、そのまま攻めれば危険なことを理解していた。
「お困りのようじゃの」
 難しい顔で有効な手を考える小雨の真上から、緊張感のない声が響く。そこには緑色の腹部を露出したチャイナ服を着た金髪の青年アルカ・ルカルト(音楽系ショタジジイ・f16458)が浮いていた。
 お互いに御前試合で名前は知っていたが、会話をするのは初めてということで少し緊張気味の小雨に対して、カラカラと笑顔を絶やさないアルカはずいぶんと対照的に映ったことだろう。
 だが、一人でできないことは二人でやる。単純だが重要なことを思い出して小雨は現状の説明と共に共闘を申し出る。
「ならこうすればどうじゃ?」
 侵攻を続ける不死の軍勢。その横腹を突くように移動した小雨たちはそれぞれの配置につく。まず小雨は斬撃を衝撃波として無数に放ち、無警戒の僵尸兵士たちを強襲する。しかし、距離を保ったまま遠距離から斬撃破で攻撃をし続けて、決して敵の間合いの内側に入らないように意識しながら攻撃を行う。
 反撃に矢が飛んでくるが十分に距離を空けている小雨には当たることはない。次第に焦れてきたのか僵尸兵士の一団が本体から分かれて小雨のいる方へと迎撃に向かう。
 小雨はこれを確認した後、自身の後方にある雑木林へと逃げ込んだのだ。僵尸兵士たちが後を追って中に入れば頭上から激しい音楽が鳴り響く。しかしすでに死したる僵尸兵士たちにはもう音楽に共感するほどの知能は残っていないためか、その音楽が何のために奏でられているかを理解できなかった。
 それはアルカが歌う鼓舞の歌であった。
 聞く者に勇気を与え、共感する者には大きな戦闘力増加の効果がある特殊な歌だ。聞くだけで血沸き肉が躍る気分に小雨はアルカの実力に驚嘆していた。続いて小雨は木が邪魔で孤立し始めた僵尸兵士立ちに向かって攻撃を開始する。
 ある程度の大きさの雑木林の中では多数の長物やその数を活かした戦いには向かない。ゆえに多勢に無勢とはなりづらくしかもアルカの歌による戦闘力向上も相まって、小雨の剣が僵尸兵士の腕を飛ばす。それだけで終わらなければ、首を飛ばし脚も斬り捨てる。
 中には突きを多用して反撃する個体もいたが、御前試合で戦った少女の鋭い攻撃に比べれば僵尸兵士の攻撃奈欠伸が出るレベルだ。
「彼女はもっと強かったぞ!」
「確かにそうじゃな!」
 ひとしきり歌い終わったアルカが賛同の言葉と共に舞い降りてその両手に使い慣れた双剣を携えて小雨の横に並ぶ。お互いに格上の相手をしたもの同士という共通点からか、奇妙な共感がそこに生まれていた。
 だが僵尸兵士も一方的にやられているだけではない。邪魔な木を斬り捨てたり枝葉が体を傷つけようとも構わずに攻めを繰り出してくるのはやはり厄介極まりない。樹木により妨害が減ればその分だけ統制のとれた動きで二人を追い詰めていく。
 その時、遂に僵尸兵士の一体が小雨の腕を掴んだ。圧倒的な膂力はそのまま小雨の腕を握りつぶさんと力強く握られ、鮮血が小雨の腕から飛び散る。すると返り血を受けた僵尸兵士は突然燃え上がって灰になるまで一瞬で焼き焦がされた。
 小雨の体内から溢れた血液が、地獄の炎を生み出して僵尸兵士を炭化させたのだ。一般的な火矢では到底届かない地獄の炎による火力は僵尸兵士の乾いた体を燃料にしてよく燃えた。それだけでなく、フキで明日炎を操り小雨は次々と僵尸兵士たちを焼いていく。
 この炎は何を燃やすかどの程度燃やすか、そのすべてを小雨の思考一つで決定できる特殊な炎だ。故に樹木は一切燃えず敵だけを燃やすことができていた。
「ハッ。食欲の失せる焼肉じゃの!」
 炎にまかれる僵尸兵士を次々に斬り捨てていくアルカも調子を上げる。
 器用に樹木の間を軽業のように低空飛行で華麗に攻撃を回避しながら僵尸兵士たちをバッタバッタと斬り裂いていく。
 敵が多勢ならば地形を利用して数を減らす。アルカの提案した作戦はこの上なく単純であったが効率的に敵を倒すことに成功していた。こうして少数ずつではあるが、この作戦を繰り返すことで二人は僵尸兵士を次々に倒していくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

劉・涼鈴
キョンシーがいっぱいだ!
むむむ、マンガとかドラマじゃ腕伸ばしてぴょんぴょんしてたけど、意外と動くぞ!

【怪力】で覇王方天戟を叩き付ける! どっせーい!
体勢を崩したトコで頭を引っ掴んで【劉家奥義・祝融禍焔掌】!
アンデッド系には炎! 燃えろー!

偃月刀と打ち合いだー! おらおらおらー!
敵がいっぱい背負ってる武器を引っこ抜いて、別の敵に投げつける!
戟をぶんぶん振り回して【なぎ払い】!
足払いですっ転ばして【覇気】を纏った【踏みつけ】!
地面ごと踏み砕いてやる!
地面に戟を叩き付けて起こした【衝撃波】で浮かせたところを引っ掴んで地面に叩き付ける! ぶっ潰れろ!!



 物言わぬ死の軍勢を前になぜか目をキラキラさせながら眺める牛角を持つチャイナ服の少女が一人。
「キョンシーがいっぱいだ!」
 映画や漫画、特にカンフー映画を好むこの少女――劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)は恐ろしさなど微塵も感じさせない表情で僵尸兵士たちにむかって長大な方天戟を持って突っ込んでいく。
 その小さな体に似つかわしくない凄まじい怪力を込めて方天戟を大地へ叩きつけると凄まじい破壊音とともに大地が揺れる。体勢を崩した僵尸兵士に向かって距離を詰めると、その頭を燃えるような赤い闘気を纏った手でひっつかみその闘気を一気に流し込む。
「燃え尽きろ!」
 同時に掴まれた兵士に爆炎の終焉が訪れる。その爆発は頭部だけでなく上半身すべてを吹き飛ばすほどの威力を持っており、ビクビクと痙攣しながら残った下半身が倒れ伏す。爆炎はその一体だけでなく、周辺の僵尸兵士にも飛び火しており、効いているのかどうかはわからないがその体を燃やしながらも涼鈴に襲いかかってくる。
「アンデッド系には炎! 燃えろー!」
 事前に火矢が効いていないという情報もあったのだが、その程度の火力と比べてはいけないのが彼女の使う劉家拳というものだ。飛び火した炎も兵士の体を焼くには十分すぎるほどの火力を持っており、やはり一般兵との力の違いが圧倒的であることを示していた。
 方天戟で大地を揺らし、拳で爆破していく涼鈴の前にいくつもの武器を背中に差した一際不気味な僵尸兵士が何人も現れる。涼鈴はようやく中ボスか? と方天戟を構えなおす。
 先手を取ったのは僵尸兵士、偃月刀の一振りで涼鈴を狙い、回避されればその隙に剣を抜いて追撃する。これは死することで人間の限界を超えた膂力を持つ僵尸兵士だからこそできる戦術と言えよう。片手では操れぬ重い武器ですら軽々と操り、開いた手で小回りの利く武器を使う。単純だがこれほど恐ろしい戦い方もそうそうないだろう。
「むむむ、マンガとかドラマじゃ腕伸ばしてぴょんぴょんしてたけど、意外と動くぞ!」
 だがその程度でやられる少女ではない。偃月刀と剣による連携攻撃も涼鈴の方天戟でまとめて破壊され、隙を見せれば返す刀で吹き飛ばされ、新たな武器を抜こうとすればその前に涼鈴に奪われて踏み砕かれてその武器を投げつけることで他の僵尸兵士への攻撃手段とする。
 破天荒かつ効率的なその闘いは少々奇をてらった程度の僵尸兵士の戦術は意味をなさないのだ。すると破壊し損ねた手足が地面を這いながら涼鈴に迫りその足を掴んで動きを止める。
「およ?」
 僵尸兵士の手は握るだけで骨が軋み筋肉が裂かれるほどの握力であった――はずだ。
「邪魔だよ!」
 その前に蹴り飛ばされてしまっては残念ながらわずかな隙を生む程度の活躍しか見込めなかった。だが、それでも十分だと他の僵尸兵士が殺到してくる。それでも涼鈴は不敵な笑みを崩さない。
「どっせーい!!!」
 涼鈴が方天戟を地面に叩きつける。誰もいないその場への攻撃は一見ただの悪あがきに見えなくもないがそうではない。叩きつけられた場所から衝撃波が迸り襲い来る僵尸兵士たちの体勢を一斉に崩したのだ。続いて涼鈴は方天戟を振り回して竜巻のように僵尸兵士たちを巻き込みながら薙ぎ払っていく。
 遂には涼鈴に挑むのは非効率と考えたのか逃げ始める兵士も出始める始末だ。
「逃がすかー!」
 そこで先ほども使っていた『劉家奥義・祝融禍焔掌』だ。
 逃げ始める兵士を掴んで爆破し、飛び火した爆炎で残りも燃やし、追いかけながらこれを繰り返すことで大多数の僵尸兵士が灰となって消えていった。
 涼鈴は他に残っている兵士を探すため、次の戦場へと駆け出していくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

コミュニ・セラフ
【パンドラ】
ふぅ、先はいい戦いでしたに。
機会があれば付き合ってもらいたいに。

今回は、ジークさんの本領が発揮するための下準備しようかに。彼のUCは敵を多く巻き込む範囲型・・・ならば!

僵尸兵士をできるだけ数多くの敵を私に釣って、敵を集めてやるに。
その為には今までの耐久力だけでは足りない。私のもう1つのUCを使って更に更に体力回復を強化して戦うに!できるだけ、数多くの敵を私の攻撃に巻き込み、私に注目させてやるに。

海蛇の指輪により雷を纏い、嵐を呼ぶ。そしてあらん限りの大声、私の声帯をフルに使って叫んでやるに! 相手が3倍の強さになろうと、相打ち上等で戦う!押し通り、筋を作り筋を通すに!


ジーク・エヴァン
【パンドラ】
遂に来たか、オブリビオン
さっきはコミュニさんに負けたけど、お陰で身体も温まってる
さあ、見せてやる
俺達、猟兵の力を!
コミュニさんは勿論、奴らの攻撃が背後にいかないよう、結界術を多重詠唱して守ろう
今回はコミュニさんが奴らを引き付けてくれるからしっかり張ろう
奴らは硬質化した身体を持ってる
なら、それを無視した攻撃をすればいい

【討竜聖装】を発動!

コミュニさんが集めてきた敵を崩すため、防御を無視した聖なる力を斬撃波に乗せて放つ!(破魔、神罰、属性攻撃)
白竜の翼から放つ燐光でコミュニさんや周囲の人達を癒し、更に勢いをつけて奴らを押し返すぞ!



 僵尸兵士の軍団は今もなお街に向かって歩みを続けている。
 そんな僵尸兵士立ちに対し、単騎で駆けよる影が一つ。
 焦茶色の長い髪にスケイルアーマーの女傑、コミュニ・セラフ(女傑なる狂天使・f12530)だ。そのかなり後方には真新しいフルプレートの板金鎧に身を包んだジーク・エヴァン(竜に故郷を滅ぼされた少年・f27128)が控える。
 まずコミュニが僵尸兵士の一角に異常に重く固い豪金棒を振り下ろして強襲する。運悪くその攻撃を受けた兵士は文字通りヒキガエルのようにぺしゃんこにされてしまっていたことから、その怪力が御前試合の時よりも冴えわたっていることが伺える。横薙ぎにふるえばそれだけで数体の兵士が薙ぎ払われ吹き飛ばされる。
 敵を薙ぎ払いながら、コミュニは自身の指に輝く指輪へと意識を向ける。それは海蛇の加護によって彼女自身に雷を纏わせ、嵐を呼ぶ魔法の指輪。
 先ほどまでの晴天が嘘のようにどんよりとした雲に包まれ、激しい雷雨となって辺りに降り注ぐ。
「雑魚供ぉー! このコミュニさまが全部相手してやるに! かかってこーい!」
 拡声器を使わずとも辺り一帯に届く大声量の宣言は僵尸兵士を操る黒幕の耳にも届いていたのだろう。先ほどから街を襲撃するどころか猟兵に悉く邪魔をされて苛立っていたのか、この挑発は存分に効いたようである。僵尸兵士たちの虚ろな瞳が一斉にコミュニへとむけられる。
 恐ろしいまでに連携の取れた波状攻撃でコミュニの体を傷つけていく。対するコミュニも攻撃を受けようが防がれようが、構わず豪金棒を振り回す。
 それはまるで血戦であった。
 持ち前の回復力と再生力で防御すらせずに攻撃を受けては反撃するコミュニと、もとより防御よりも攻撃の指令しか下されていない僵尸兵士の戦いはまさに獣同士の戦い。だが、いくら再生力と体力に自信があると言ってもコミュニは生きている人間で、しかもジークは未だ戦線の外で最低限の防御魔法でコミュニを援護する程度だ。
「数だけでは勝てぬに、全て羊が相手ではに!」
 だがコミュニは折れない、倒れない、屈しない、原型が残る程度に加減した攻撃を与えた敵にルーン文字を付与していくコミュニ。このルーンは吸収した体力をコミュニへ送るもので、しかも一つ付ければ周囲に感染して無限に体力吸収が可能となる反則じみたユーベルコードだ。今回のように無尽蔵の体力で、かつ数を頼りに攻めてくる僵尸兵士とはこの上なく相性のいいものであった。
 それでも倒す数よりも増える数の方が多いのが現状である。いくら体力が無尽蔵に回復するとは言っても失った血で意識は朦朧とし、四肢が飛べば治療に時間がかかるのは当然だ。徐々にだが、確実に包囲は狭まりコミュニは危険な状態へと陥っていく。
「コミュニさん!」
 合図が来た。
 それは後方に待機していたジークの声だ。
 その言葉をきっかけにコミュニは包囲を突破することに集中し、見事成し遂げる。傷だらけの血だらけで見るも無残な姿にジークは待たせてしま多せてしまったことを謝罪しようとするも――
「後は任せたに」
 コミュニの言葉でそれを飲み込む。
 今は謝っている場合ではない。せっかく稼いでくれた時間と一か所に集中しすぎてしまった僵尸兵士がこっちへ殺到しているのだ。今はただ己の役割を果たすのみ。
「来たれ。祈りを剣に、覚悟を鎧に、激情を盾とし、我は討竜の聖者とならん……!」
 ジークの足元から光の柱が立ち上る。その輝きは思わず目を閉じてしまうほどの輝きで聖なる力を開放していく。
「人剣同体!ゲオルギウスッ!」
 光の柱が割れ、そこにジークの姿はなかった。
 正確には白銀の鎧に長い黒髪の青年に姿を変えていたのだ。聖なる力と聖剣でもって悪しき龍を討伐した討竜聖者、ゲオルギウス。それが今の彼の名だ。
 ゲオルギウスとなったジークはその手に携えた聖剣を両手で握り、横薙ぎに一閃する。それは白色の美しい布が通り過ぎたような軌跡を描いてコミュニが誘導した僵尸兵士たちを両断する。さらにその聖なる力によって浄化されるように次々とゲオルギウスの斬撃を受けた僵尸兵士たちは灰となっていく。
 そしてゲオルギウスの姿は霞となって消え、元に戻ったジークがそこに立っていた。
 視線を戦場へ戻せば、そこにいたはずの僵尸兵士たちはすべて灰となって風に舞っていた。
「コミュニさん、誘導ありがとうございました」
「なんの、ジークさんもグッジョブだに!」
 そう言って二人は拳をぶつけあうのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

テラ・ウィンディア
ああ
判るぞ…見事な武だ
だが…おれも多少は自信がある
だから…挑ませて貰おうか!

UC発動
【属性攻撃】
炎を全身と武器に付与
【戦闘知識】
敵集団を見据え効率的に殲滅する為の位置取りと撃破順を分析
【空中機動】
超高速で距離を詰めて襲い掛かり
【二回攻撃・早業・串刺し】
剣と太刀による連続斬撃から槍に切り替えて他の敵を串刺しに
【弾幕・遊撃】
ガンドライド展開
銃撃により周囲の敵を殲滅
敵の攻撃は
【見切り・第六感・残像・盾受け】
飛び回りながらも残像を残しながら回避して避け切れないのは盾で受け止めて

可能な限り一撃で仕留めるよう努める
硬くなったからって易々と耐えられるとは思わない事だぞ?

コピられたら優先的に撃破も考慮する



 不気味な黒衣の集団の中に、可憐で苛烈な黒衣の少女が舞い踊る。
 全身に炎を、御前試合でも見せた重力フィールドを纏い、縦横無尽に僵尸兵士を斬り裂いていく黒髪の少女、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)。
 それは速さと重さが両立した激しい攻撃だ。僵尸兵士がいくら生前達人級の腕前を持っていたとしても今のテラには届かない。鋭い反撃を避け、捌き、撃ち砕くテラはどこか恍惚とした表情で戦場の只中にいた。
 重力を操り、超高速で僵尸兵士たちの中を駆け巡る。今まで何度も経験してきた闘いの知識を総動員し、時には空中から、時には地上に降り立って炎の双剣を振りかざす。それは非常に効率的な戦いであった。反撃を受けづらく、そして自身が邪魔されずに暴れられる場所を確保、連続攻撃から槍に切り替えての怒涛の攻撃、撃破する順番さえも計算に入れて戦うテラに死角はなかった。
 だがただでやられるほど僵尸兵士達も甘くない。体が動かなくなる寸前までテラに襲い掛かる姿はまさに不死の軍勢。一般的な戦場ではまず見られない不気味な統率が取られた連携に、テラの行動範囲はすこしずつだが狭まっていく。
 そして遂に僵尸兵士の振るった無数の刃がテラに降り注ぐ。しかし、その姿は陽炎のようにゆらりと揺れて最後には消えていく。残像を残したテラは再び僵尸兵士たちへと切りかかる。
 それでもすべてを倒し切るにはまだ足りない。僵尸兵士のなかでも一際多くの武具を身に纏った個体が何体も現れてそれぞれの手に長年愛用していたのであろう長物を手にする。慣れた動きでテラとの距離を詰めて攻撃の波が押し寄せる。
 さすがに達人級の攻撃が何度も来られては、今まですべて回避できていたテラも防戦に回らざるを得ない。しかも死人故に体も硬くなっており攻撃が徐々に通りづらくなってきたのだ。しかし、まだテラには届かないのだ。
「ああ、判るぞ…見事な武だ」
 一つ、首を落とす。
「だが…おれも多少は自信がある」
 二つ、一刀両断す。
「だから…挑ませて貰おうか!」
 三つ、灰になるまで燃やしつくす。
 一撃ごとに必殺の覚悟を持って、強力な個体ですら一撃のもとに屠っていく。ここまで来れば後は狩り放題と言えるだろう。強力な個体ですらテラの勢いは止められず、次々に撃破されていく僵尸兵士たち。惜しむらくは数の上で圧倒的に不利だと言うことであろうか。
 防御を固くし、テラの攻撃で少しでも長く生き残って時間を稼ぐ体勢に移行し始めたのだ。時間がかかればその分多くの兵士がテラの横を抜けて街へ近づくことができてしまう。一人で戦っているという点においてのみ、テラが不利と言えるのであった。
 次の瞬間、テラの隣を抜けていく兵士が倒れる。それはガンドライドと呼ばれる浮遊型自走砲台だった。テラの頭上に展開されたそれは目標を街へ一目散な兵士へと合わせて何度も銃撃を繰り返す。近距離の敵はテラ自身によって、遠距離の敵はガンドライドの銃撃によって蹂躙されていくのであった。最早隙も穴もない状態となったテラはその勢いを殺すことなく僵尸兵士たちを撃破していくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鍋島・小百合子
POW重視
真の姿解放!
【輪舞】の者と行動

神聖たる試合の場を汚さんとする亡者共には天に代わりて成敗せねばな
わらわ達猟兵の手でな!

「ユーフィ殿!試合の後じゃが大丈夫かえ?」
真の姿たる黒鋼甲冑に身を纏い、UC「勇者乃甘味」発動
試合後に差し入れにともろうた「ももまん」なる饅頭を腹に詰めれば己が勇気を解放して亡者共と相対す
基本は【輪舞】の者らとの連携を意識
不浄なる者共には破魔と神罰の力を込めし薙刀で祓ってくれるわ(なぎ払い、範囲攻撃、串刺し、属性攻撃、切り込み併用)
基本は攻めの姿勢、敵の攻勢時には【輪舞】の状況次第で防御態勢に切り替え
敵からの攻撃には残像を纏いながらの撹乱もしくは薙刀での武器受け防御


ユーフィ・バウム
【輪舞】の方々と

それでは天下に示しましょうか、
猟兵の武というものを――!

「ええっ、小百合子さんが一緒なら!」
”勇気の実”をひとつまみ。
【気合い】全開にて臨みます

敵には炎の【属性攻撃】を宿す武器にて荒々しく
【衝撃波】【なぎ払い】を駆使し
多くの敵を巻き込むようにして打ち込む
【輪舞】の方々と連携し、隙を作らないようにして

敵からの攻撃は【見切り】【カウンター】を叩き込む
仲間の窮地には【かばう】ことで活路を拓く
大丈夫、私は頑丈ですし――
心強い友と共闘するのです、【勇気】が湧いていく!

【オーラ防御】【激痛耐性】で耐えつつ、
【鎧砕き】の攻撃をねじ込み、
倒せそうな敵には《轟鬼羅刹掌》をめり込ませ数を減らします



 確実にその数を減らしつつある漆黒の軍勢。
 だがその勢いは決して侮ることはできず、遂には街の眼前にまで攻め立てられてしまう。城壁上の兵士たちは既に姿はなくたった二人の勇士が城壁に佇んでいた。
「神聖たる試合の場を汚さんとする亡者共には天に代わりて成敗せねばな。わらわ達猟兵の手でな!」
 赤い武者鎧が光を放ち漆黒の鋼甲冑へと取り換え自身の真の力を引き出す鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)は長い黒髪を逆立たせるほどの力を発揮して薙刀を構える。
「それでは天下に示しましょうか、猟兵の武というものを――!」
 銀髪に日焼けした肌、その体には似つかわしくない大型の武器を担ぐ少女、ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は勇気の実と呼ばれる食したものに勇気を沸き立たせる魔法の果実を一つまみ食べる。
 そして二人は同時に城壁から飛び降り、門へと向かう僵尸兵士たちへと立ち塞がる。先に前へ出たのはユーフィだ。その長大な武器――ディアボロスに搭載されたエンジンを起動し、その刀身に炎を纏わせて大きく遠心力に任せて振り抜いていく。それは人の大きさでは受けきれぬ勢いを持っておりディアボロスに触れた兵士はそのまま全身の骨を砕かれながら高火力によって炭化する。
 独楽のように回転しながら僵尸兵士を薙ぎ払っていくユーフィ。もちろんそんな豪快な攻撃をしていれば撃ち漏らしも発生してしまうだろうが、そこを真の姿を開放することで大幅に強力な力を発揮できるようになった小百合子が埋めていく。
 不浄なる僵尸兵士を破魔の力と神罰が籠められた薙刀にて一振りすれば、耐えきれるわけもなく灰となって消えていくのだ。
 だが、同じ戦い方がずっと効果的であるとは限らない。遠心力を頼りに戦うユーフィの体が徐々にぶれ始める。ディアボロスの攻撃に合わせて何体もの僵尸兵士が束となって抱え込み、その勢いを削いでいったのである。
 次第に回転が遅くなり攻撃の手が緩んでしまったユーフィの下にそれぞれの手に薙刀や槍と言った武器を構えた僵尸兵士が殺到する。ユーフィも武器を離し徒手にて反撃に応じるのだが、間合いの広さで劣るユーフィが攻撃を捌き切れなくなる場面も増えてくる。眼前の槍を回避し、それを掴んで間合いを詰めようとするユーフィの上から別の兵士が飛び出す。内心で舌打ちしながら、ユーフィは迫りくる痛みに耐えようと体に力を入れる。
 しかし、その攻撃は間に入った小百合子の薙刀によって防がれ、返す刀の一撃で屠られる。
「ユーフィ殿!試合の後じゃが大丈夫かえ?」
 小百合子の薙刀が特に効果が高いのか、大きく薙ぎ払えば兵士たちは抵抗もなく灰へと還っていく。その隙に小百合子はユーフィへと駆け寄ったのだ。
「ええっ、小百合子さんが一緒なら!」
 そこで小百合子はユーフィに一つの菓子を分け与える。それは一見して桃のように見える饅頭だった。試合の後、小百合子の戦いに感動した待ち人から差し入れにもらっていたものをここでユーフィに分け与えたのだ。
 真心がこもった暖かい桃饅頭は一つ食えば勇気が再び溢れ、二つ食べれば力が湧く。三つ食べれば無双の力が二人の体に宿ることだろう。
 戦いの中の小休止によって、二人の勇気と戦闘力は倍増。残る僵尸兵士たちは少しでも傷を残そうと各々の手に武器を持って襲い掛かってくる。
 だが、背中合わせに戦う二人の連携の前には歯が立たず、ユーフィの防御の上から突き崩す拳が、小百合子の神聖な薙刀が、邪悪な軍勢を次々と撃破していく。
 ある程度の時間が過ぎれば、そこに殺到していた僵尸兵士はそのすべてを撃破され、街へ向かおうとする物言わぬ不気味な軍勢は完全消滅したのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『屍仙女』

POW   :    白骨仙女
自身の【美しい上半身の肉】を捨て【絡み合う白骨の身体を持つ怪物】に変身する。防御力10倍と欠損部位再生力を得るが、太陽光でダメージを受ける。
SPD   :    雲身变化
自身の身体部位ひとつを【雲】に変異させ、その特性を活かした様々な行動が可能となる。
WIZ   :    宝貝「芭蕉暴嵐撃」
自身が装備する【芭蕉扇】から【暴風】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【窒息】の状態異常を与える。

イラスト:らぬき

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 プレイングは断章が公開されてからお願いします。
 公開予定、4月3日。
「忌々しい猟兵たちだこと……!」
 配下の僵尸兵士が全滅したことにより美しい姿の瑞獣が姿を現す。
 だが、よく見れば裾の間から下半身が骨と化しているのが見える。
「この醜い脚を元に戻すためには、多くの命を奪い喰らわねばならぬというのに……本当に邪魔な奴ら」
 半死半生の瑞獣、屍仙女はその手に持つ芭蕉扇を軽く振るえば、突風が駆け抜ける。
「この妾、自ら相手をしてあげるわ! その命、妾の美しさのために捧げなさい!」
シル・ウィンディア
美しさの為って、それの為に人を襲うの?
そんなこと、やらせないからっ!

真の姿を開放っ!背中に2対の光の翼を展開、体は青白いオーラを纏っています

それじゃ、わたしも全力でいくよっ!

【空中機動】での【空中戦】を挑むよ
回避は【第六感】を信じて【残像】を生み出しつつの攪乱回避

対UC
風の攻撃なら…
【オーラ防御】で体全体を覆って【属性攻撃】で風属性を付与
【オーラ防御】内を空気で満たして対抗だね

攻撃は二刀流の光刃剣と精霊剣で切り裂いていくね
【フェイント】を交えた【二回攻撃】

攻撃・回避しつつ詠唱を行って…
【限界突破】の【魔力溜め】を行って
【全力魔法】での《指定UC》!

わたしの限界突破の一撃、遠慮せずにもってけ!



 美しき上半身と、不気味な下半身を持つ屍仙女の前には、怒りに燃える青髪の少女シル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)が立ちふさがっていた。
「妾の美しさのため、その命頂こうぞ!」
「美しさの為って、それの為に人を襲うの?」
 もちろん、と屍仙女は答える。それは怒りに燃えるシルの心に更なる燃料を投下した。あまりにも自分勝手な理由で、しかも他人の命を奪おうとするものを許せるほど、シルは甘い人間ではない、
「そんなこと、やらせないからっ!」
「ハンッ! 生意気な小娘だこと!」
 その時、青き疾風が辺りを包む。
 それはシルの体にまとわりつき、青白いオーラとなって体を守る。そして溢れる魔力が形となって二対の翼も現れる。まるで青き天使のようであった。その美しさは屍仙女を嫉妬の炎で燃やすには十分なほどの神々しさを持っていた。
 二人は同時に空へと飛びあがり、闘いが始まる。
 シルは光刃剣と精霊の力が宿った剣の二振りを構え、屍仙女は芭蕉扇を構えぶつかり合う。芭蕉扇は振るうだけで風が舞い、刃となってシルの体を傷つけていく。だが対するシルも致命傷を過去の戦いの中で培ってきた第六感を信じて動くことで回避していく。見切っての行動ではない為か、シルの体に刻まれる傷は徐々に増えていく。
 次第に焦り始めたのか。致命傷を与えられないことにしびれを切らした屍仙女が大きく飛翔してシルと距離を空けて、芭蕉扇を大きく振りかざす。
「風よ! 妾の僕となって彼のものに生き地獄を遭わせよ!」
 ゴウッ! という音と共に芭蕉扇を振るうと、その変化はすぐにシルの体に訪れた。それは周囲の空気が一瞬のうちに掻き消えたのだ。生き地獄、すなわち窒息状態を与える宝貝・芭蕉扇の真の能力であった。
(い、息ができない! いったん離れなきゃ!)
 まともに戦える状態でないシルはすぐさま距離を空けて逃げ出す。ようやくの思いで範囲外へ逃れると大きく息を吸って求めていた酸素を取り入れる。その様を屍仙女はにやにやと面白いものを見るかのようにシルを嘲笑っていた。
「まるで陸にあがった魚のように無様であったぞ小娘。妾に近づきたければ、この真空の壁を超えるしかない。来れるか? 呼吸のできないこの空間の中へ」
 屍仙女はその気になれば、自身の周囲以外すべてを真空状態にすることができるだろう。故に空気のある場所から一気に突き抜ける作戦はおそらく成功しない。シルが考えている間も屍仙女の真空の刃が飛んでくる。どうやってあの空間を攻略すべきか考えに考えを巡らせていた。
(ん……? 自分の周囲?)
 そこでシルは思いつく。屍仙女は自身が呼吸するための空間を自分の周囲に作っているのだろう。だからこそ動かずに遠距離攻撃だけに終始している。動きすぎて自分が呼吸できなくなったら笑い事ではないからだ。
 ならば同じことをすればいい。シルはそう決断すると魔力の防御壁で自分の体を包んで真空の壁に向かっていく。防御壁で完全な密閉状態を作ることでわずかではあるが防御壁内の空気で呼吸はできる。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ」
 必殺の一撃を与えるため、シルは少ない空気で呪文の詠唱を始める。それに驚いたのは他でもない屍仙女だ。なぜ呼吸できない空間で言葉を紡ぐことができるか理解できず、その動揺が動きにも現れる。
「悠久を舞う風よ、母なる大地よ」
 真空状態を自身の周囲すべてに展開しても、シルは双剣を振るって屍仙女を追い詰めていく。
「暁と宵を告げる光と闇よ…」
 フェイントを交えつつ行われるシルの連撃に、屍仙女は翻弄され始める。焦りから攻撃も雑になりシルの生み出した高速の残像すら慌てて攻撃する始末だ。
 残り空気は少なくとも、限界を超えて呪文の詠唱を続けるシルは、屍仙女の眼前にて溜めていたすべての魔力を開放し、必殺の一撃を放つ。
「六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
 火・水・風・土・光・闇の六つの属性が折り重なった極大の魔力が砲撃となって放たれる。全身で魔力の奔流を受け止めた屍仙女は光の中へ消えていく。そしてかなり離れた距離で砲撃から逃れ去っていくのが見えたが、今のシルには追いかける余力は残っていなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユーフィ・バウム
【輪舞】
《真の姿》を解放!
ここからはレスラー「蒼き鷹」としてお相手しますわ

【輪舞】の盟友と連携し、【功夫】にて
積極的に打ちかかっては追い詰める
雲に身体部位を変じようと、【属性攻撃】を宿す拳で
実体を捕えて見せますわ

さぁ、この程度ですかっ
【挑発】し誘い出す相手の攻撃には
【見切り】、致命を避けた上で【激痛耐性】に加え
【オーラ防御】をめいっぱい張って堂々と受けきる

受け切ったなら、【鎧砕き】のラリアットで返す!
受けて返す。これが、レスラーの戦い方ですわ

隙を見出してはしかと【怪力】で組み付いては飛んで
《蒼翼天翔》にて地面に投げ落とし、友の追撃を誘う
――小百合子さん、今ッ

決着後は、信頼する友へハイタッチを。


鍋島・小百合子
POW重視
真の姿解放!
【輪舞】の者と行動

美のために人を食らうとは醜き輩ぞ
その野望打ち砕いてくれるわ!

「陽の聖光で剥き出しの骨身を炙り出してくれよう!」
真の姿たる黒鋼甲冑に身を包めばUC「精錬降魔刀」発動で「太陽」の属性を持ちし魔刀(野太刀型)を創造
その性能に信を置き、【輪舞】の者との連携を意識した立ち回りを心がけ
属性攻撃で「太陽」の光を放ちては仲間の攻撃の隙を作り、
勢い余る鎧砕きの強撃を叩き込む(破魔、神罰、切り込み、部位破壊併用)

ユーフィ殿が投げ入れたもうた好機を攻めと受け止め、咄嗟の一撃による横一文字一閃の追撃を担う
ーー任された!ユーフィ殿ッ!

決着がつけば、信の置ける友との合いの手に応ずる



 夜の帳が落ち、辺りは漆黒の世界となっている。その中を傷ついた屍仙女は歯噛みしながら街へ向かっていた
「妾が美しき半身を再び得るためにこの時を待ったというのに……!」
 自身の野望が果たされることなく終えようとしているこの状況に、屍仙女は地団太を踏む。
「あぁ、早くあやつらの血肉を喰らい、この忌まわしく醜い下半身を美しい姿に戻さねば!」
「美のために人を食らうとは醜き輩ぞ。その野望打ち砕いてくれるわ!」
「何者じゃ!?」
 醜いと言われ、青筋を立てて怒りを露わにする屍仙女。その先には長い黒髪に漆黒の武者鎧に身を包んだ美しき女武者、鍋島・小百合子(朱舞の女丈夫・f04799)ともう一人。
「お答えしますわ! あなたの醜き野望を撃撃ち砕くのは我が盟友、鍋島小百合子! そしてこの青き鷹でしてよ!」
 そこには真の姿であるプロレスラー・青き鷹へと変じたユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)であった。銀髪は、その名の通り青へと変わっており、肌の色も健康的な小麦色から綺麗な白肌へとなっている。
「許さぬ……許さぬぞ……! 妾を醜いと言ったものは絶対に生かしてはおけん! 例え、一時でもこの美しい上半身を捨てることになろうともぉぉぉぉぉぉ!!!」
 そこには上半身の肉すらも捨てて、骨のみの瑞獣となった屍仙女が立っていた。弱体化したようにも見えるが、その身から発する邪気は数倍に膨れ上がっており、下手な実力では返り討ちに合うことを二人は察していた。
 二人は同時に駆け出し、挟み込むようにして屍仙女を責め立てる。しかし、攻撃が通らない。単純に屍仙女の防御力が高くなっており、生半可な攻撃ではいくら連携を重ねても効果がなかったのだ。
 ならば生半可な攻撃でなければよい。ユーフィは小百合子が攻撃し、その隙を突こうとする屍仙女に向かって渾身の力を込めて拳を繰り出す。しかし、その攻撃は空を切るだけだった。いや、正確に言えば屍仙女を殴ろうとした箇所が雲に変わっており、ユーフィの攻撃を無力化していた。
 さらに雲はユーフィの炎や水を纏った属性攻撃すらもすり抜けて首に巻きついていく。気が付けば、ユーフィの首には屍仙女の手が絡みつき、そのままへし折ろうと力を込めていたのだ。
「ユーフィ殿!?」
「も、問題ありません! この程度ですかっ」
 苦しそうなな顔を浮かべながらもユーフィは必死にオーラを首の回りに纏って骨を折られるのを防いでいる辛うじて片手の防御が間に合ったおかげか、完全に首は極まっておらず、なんとか耐えることができていたのだ。
「ならば! 我は生む、世の摂理を体現せし降魔の刀…この手に!」
 それは太陽のような輝きを持つ刀であった。邪気を払う聖なる陽光を携えた小百合子はユーフィを掴む腕に向かって振り下ろす。すると再び雲に変じて無効化しようとした屍仙女は突然苦しみだしてユーフィを開放して距離を空ける。
「貴様! その刀、まさか太陽に通ずる力を持っていたのか!?」
 多種多様な属性を生み出せる小百合子の精錬降魔刀であったが、太陽の属性を選んだのは全くの偶然であった。その偶然がユーフィを助け、今こうしてユーフィ、いや青き鷹の反撃を許す絶対的な隙を晒すことになったのだ。
 首絞めのお返しとばかりに、屍仙女の首へラリアットを繰り出すと、その勢いに吹き飛ばされる屍仙女をさらに追いかける。今度は腰部分にタックルをぶちかまし、その勢いのまま空中へ高く飛びあがる青き鷹。
「お見せいたしますわ、私のフェイバリット・ホールドを!」
 それはプロレスにある投げ技であった。相手を前から担ぎ上げ背中から叩き落とすボディ・スラムの体勢。青き鷹は掴んだままそのまま地面へと降下していく。
 超加速と重力とともに大地へと向かう屍仙女。今の状態で雲に変じて逃げよとすれば散り散りになって元の姿に戻ることができなくなるほどの勢いであったため、逃げ道を封じられた状態だったのだ。
 そして大地へ叩きつけようとする瞬間――
「――小百合子さん、今ッ」
 大地へ沈もうとする屍仙女を追撃する指示。小百合子はハッとなって陽光を蓄えた刀を構えタイミングを合わせる。
「――任された!ユーフィ殿ッ!」
 横一文字一閃。そして大地への一撃。二つの衝撃をまともに受けて大きく土埃が舞う。
 土埃が晴れると、そこに屍仙女の姿はなかった。どうやらギリギリのところで雲に変じて姿をくらませたのだろう。
 しかし、十分すぎるほどのダメージを与えることには成功したことで、二人は見事な連携を祝してのハイタッチを交わすのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

劉・涼鈴
仙人って基本霞食ってるような人じゃないの?
骨になったり生き物食べたりしなきゃなんて、さてはお前、仙人ランクが低いんだな!(挑発)

戟をぶん回して突撃だー!
【怪力】で叩き付けて骨ごとブチ砕いてやる(鎧砕き)!
十倍の防御力なら百倍の攻撃力でぶっ叩く!
骨だけど関節技とか効くかな? 引っ掴んで【グラップル】でべきっとへし折ってみる!
【功夫】も足りてないけど、何よりカルシウムが足りてないよ!

太陽は作れないけど、私の闘気(覇気・気合い)は負けないくらい燃えてるぞ!
掌打を叩き付けて、内側から闘気の大爆発!
高熱で脆くなった骨をぶん殴って木っ端微塵だ!



 仙人って基本霞食ってるような人じゃないの? という疑問を持ちながら、チャイナドレスに牛の角と耳を持つ少女、劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)は屍仙女に対して方天戟を手に構えをとっている。対する屍仙女も、今まで数度猟兵の予想外な行動で痛い目を見ているので涼鈴に対しても慎重に距離を空けている。
 そこで涼鈴がハッとする。
「さてはお前、仙人ランクが低いんだな!」
 屍仙女の表情が引きつる。いきなり何を意味不明なことを言ってるんだこの小娘は、と侮辱された憤りを必死に抑える。冷静に対処が必要な場面でこの言葉、やはり猟兵は油断ならないと屍仙女は芭蕉扇を構える。
「黙ってるってことは図星だな! おばさん!」
「ぶっ殺すぞ!! このガキぃぃぃぃぃ!!!」
 一瞬にして怒りの頂点まで膨れ上がった屍仙女の感情はとどまることを知らず、その美しい上半身をどろどろと溶かしながらその中の骨のみとなって涼鈴へ襲い掛かる。心に傷を負って怒り狂う屍仙女の攻撃はすさまじく、激しい。
 骨のみとは思えない怪力を発揮する屍仙女に対し、涼鈴は方天戟を振り回して対抗する。骨ごと砕かんとする涼鈴の攻撃は、細身の骨とは思えないほどに堅くひびを入れることすらままならない。何度撃ちつけようとも方天戟では攻撃が通じないと涼鈴は判断して、あっさりと方天戟を投げ捨てる。
「骨だけど関節技とか効くかな?」
 まるで猿のような奇抜な動きで屍仙女の攻撃を掻い潜った涼鈴は、腕拉ぎ十字固めの形で屍仙女の右腕を捉える。例え単純な防御力が高まっていても、関節部分まではそうはいかない。ゴキリと嫌な音がした後に思いのほか簡単に屍仙女の右腕の骨は引きちぎられ、そのまま灰となって消えていった。
「お、効果あり!」
「ぎぃっ!? 小娘がぁぁぁぁ!!!」
 屍仙女は左腕で涼鈴の頭を掴んで引きはがして投げ飛ばすと、次の瞬間には先ほど灰になったばかりの右腕の骨が再生し、元に戻ってしまう。だが、再生には体力を使うのか、先ほどまでの凄まじい攻撃は少しだけだが鈍くなっていた。
「功夫も足りてないけど、何よりカルシウムが足りてないよ!」
「黙れ黙れ黙れぇ! 人の逆鱗に触れておきながらよくもそんなことが言えるわ!」
 そこで涼鈴はキョトンとした顔をする。本人としては思ったことを言っただけで挑発の意図はなく、その言葉が偶然屍仙女のデリケートな部分を踏み抜いていただけだった。天然の行動が最も恐ろしいとはまさにこのことか。
 再び屍仙女の猛攻が始まる。関節を狙おうにも相手がそこを警戒しているためか中々に手が届かない。
「太陽さえなければこの状態のわらわは無敵! いくら砕かれようともすぐ再生して必ず貴様の命を啜ってやる! 夜に戦いを挑んだことを後悔するがいい!」
 猛攻に耐えかねたのか、別の意図があるのか、涼鈴は一度距離を取って屍仙女を見据える。両腕を腰で溜めて、気合を入れる。
「太陽は作れないけど、私の闘気は負けないくらい燃えてるぞ!」
 同時に赤い闘気が涼鈴の体から噴きあがる。その輝きは確かに太陽とは別種の輝きだろう。だが、生命力あふれる命の光を見せつけるその行為は、それだけで屍仙女が求めたものを目の前にぶら下げるに等しい行為であった。
「どこまでも妾の神経を逆なでする小娘ね! いい加減に死になさい!」
 すでに何度も見せた怒りに任せた攻撃。涼鈴は致命傷になりかねない攻撃だけ避けて、屍仙女に肉薄していく。そして自身の間合いの内側に捉えると、あふれ出た闘気のすべてを右拳に集めて屍仙女へとぶつける。
「燃え尽きろ!」
 刹那にして屍仙女の上半身が吹き飛ぶ。闘気の炎はそのまま下半身まで下っていき、その全身を灰になるまで焼き尽くすのであった。だが、涼鈴は気づいていなかった。先に砕けた骨の方が本体となって這う這うの体で逃げだしていたことに。
 大きなダメージを与えることに成功したが、止めを刺しきれなかったことに気づかず、涼鈴は勝利のポーズを決めていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

荒谷・つかさ
ふうん、あんたが黒幕かしら。
さっきの木偶人形達よりも、手ごたえはあるんでしょうね?
(両手の指バキバキ鳴らしながら歩み寄る)

当初は先ほどまでと変わらず、己の力(「怪力」)と技のみによる格闘戦を仕掛ける
白骨の化け物になろうと、高々防御10倍程度で私の怪力を止められる筈もなし
ただ、硬い分再生の時間を稼がれるとジリ貧なのは間違いない
なのである程度殴り合ったら仕切り直して【破界拳】発動
空間そのものを破壊する拳の余波に巻き込み、全ての部位を内側から粉砕する

言っとくけど、さっきまで伊達や酔狂で体術だけで戦ってた訳じゃないのよ。
能ある鷹は爪を隠す……切り札を伏せておくのは、当然の戦術でしょう?



 傷だらけの体で、荒い呼吸を繰り返す屍仙女。そんな彼女の前にふらりと現れる一人の少女。巫女装束に身を包み、額から真紅の角を生やした羅刹の少女、荒谷・つかさ(逸鬼闘閃・f02032)である。
「き、貴様は……」
「ふうん、あんたが黒幕かしら」
 指をバキバキと鳴らしながら戦闘準備は万端と言った風に歩み寄るつかさ。
「さっきの木偶人形達よりも、手ごたえはあるんでしょうね?」
 屍仙女は知っている。つかさは他の猟兵とは違い自身の体術のみで僵尸兵士の群れを屠る程の実力者であるという事。だが、逆を言えばそんなつかさの生命力を得ることができれば、一気にこの状況を覆し、他の猟兵を根絶やしにすることもできるはずだ、と屍仙女はニヤリと顔を歪ませる。
「随分と自信ありげね。たかが屍人形を蹴散らした程度で……調子に乗るんじゃない!」
 芭蕉扇を振るい、真空の刃で攻撃繰り出す屍仙女。御前試合、僵尸兵士戦、そのどちらでも遠距離攻撃をしなかったところを見ている屍仙女は延々と真空の刃で攻撃し続ければ勝てると踏んだのだ。しかも距離を詰められた場合の奥の手もある。
 腕で真空の刃を防御するつかさであったが、鉄器よりもはるかに切れ味のある真空の刃の前ではさすがに傷つくようであり、巫女装束に切れ目を入れてその内側の肉にうっすらと赤い筋を作っていた。
 これに驚いたのは屍仙女だ。鉄ですら両断する真空の刃がただの筋肉の前にあの程度しか傷をつけることができなかったのだ。ならば奥の手を使うしかあるまいと、屍仙女はつかさとの距離を詰める。つかさもこれに応じて屍仙女へと走りだす。
 その間に屍仙女はその美しい上半身をどろどろと溶かしながら、醜く恐ろしい骨の怪物へと変容していく。つかさは表情一つ変えずに拳を構え突撃していく。
 骨と肉がぶつかり合い、衝撃に周囲の草や空気が揺れる。つかさは持ち前の格闘技術で、屍仙女はその高い防御力で以て互いに殴り合っていく。だが出鱈目で力任せな攻撃は鍛え上げられた筋肉と技術に追いつけるはずもなく、反撃すら許されずに屍仙女は拳によって骨を砕かれる。だが、屍仙女も無策で飛び込んだわけではない。砕かれた骨を瞬時に再生させて攻撃を続けることでつかさの予想外な攻撃を繰り返していた。
 さすがのつかさでもすべての骨を再生する前に砕くことはできない。相手の再生力がどれほどのものかわからない現状、今のまま撃ち合い続けるのはじり貧になっていくな、と考える。
 ならば、とつかさは突然跳躍して屍仙女と距離を離す。つかさが疲労で逃げ出したと判断した屍仙女はこれを好機と捉え一気に距離を詰めていく。
「遂に己の限界を知ったのかえ?」
「言っとくけど、さっきまで伊達や酔狂で体術だけで戦ってた訳じゃないのよ」
 屍仙女はここで気づく。つかさはここに至るまで己の体術だけで戦ってきたという事、切り札であるユーベルコードはまだその片鱗も見せていなかったと言うことに。
「能ある鷹は爪を隠す……切り札を伏せておくのは、当然の戦術でしょう?」
 腰だめに拳を構え、悠然とした動きで全力の拳を突き出す。
「我が拳、阻めるものなし……!」
 破界拳。
 それは鍛えに鍛え抜かれたなどと言う言葉では言い表せないほどの鍛錬を超えたつかさが到達した一つの頂点。腕力一つで「世界の境界」に届いてしまった必殺の魔拳。一瞬だけ空間が歪んだかと思うと、つかさの前方数十メートルあわや百メートルに届かんとする広範囲が砕けて散った。
「逃したか……」
 つかさは舌打ちをして砕け散った屍仙女の残された肉体を見ている。屍仙女はとっさの判断で自身の頭蓋骨だけを遠くへ投げて難を逃れていたのだった。
 異様なまでの危機察知能力。これが屍仙女の最も恐ろしい能力だな、とつかさは頭蓋骨が投げられた方向へと追撃を始めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

コミュニ・セラフ
【パンドラ】 ふぅむ、先の亡霊共の頭が来ましたかに。 醜いに過ぎる風貌は正に頭に相応しいに。そして、その末路も先の亡霊と共にあるでしょうに。

戦闘開始直後にはUCを発動! ヨルムンガンド!奴を見据え戦場に雷を降らし、私を強敵に導くに!

敵を逃しはせぬに。海蛇の指輪によって私の周りに嵐と雷を纏うに! 敵が変化した雲など、散り散りにしてくれるに!敵が暴風を纏うなら私も暴風で対抗するに、ジークさんが酸素を確保してくれるなら私も全力を出せますに。

基本は接近戦で戦いますに!奴に対して今回はチェイン・ハンマーで戦いますに。このハンマーにも雷を最大限に纏わせて、相手が逃げようとも投擲して攻撃しにいきますに。


ジーク・エヴァン
【パンドラ】
他者の命をまるで道具のように使おうとするなんて… どうやらお前の醜さは、その脚だけじゃないようだな
お前の醜い魂ごと、ここで終わらせてやる!
コミュニさんが嵐の力で奴の暴風に対抗するみたいだ。
とはいえ、奴の暴風による真空地帯は危険だ
俺とコミュニさんの周囲に多重詠唱した結界術で何重にも結界を張って酸素を確保と暴風を防ごう
コミュニさんの嵐の力を纏った攻撃に合わせて、俺も【討竜聖装】を発動!
さっきの奴らにも有効だったアスカロンの聖なる力を込めた衝撃波を放ち、完全に霧散させてやろう(破魔、精神攻撃)
アスカロン、奴の淀んだ醜い魂を浄化しろ!



「おかしい……こんなはずではなかったはず」
 美しかった髪も衣装もボロボロにして、満身創痍と言った風体の屍仙女。弱者しかいないはずの街を攻め、その住人たちの悲鳴と命を糧に自身のなくした半身を取り戻そうという野望は、今にも崩れ去ろうとしていた。
「ふぅむ、先の亡霊共の頭が来ましたかに。 醜いに過ぎる風貌は正に頭に相応しいに」
「他者の命をまるで道具のように使おうとするなんて… どうやらお前の醜さは、その脚だけじゃないようだな」
 ともに並び立つはスケイルアーマーの女傑とプレートメイルの少年。屍仙女は新たな猟兵の登場に行き場のない怒りをぶつけたい衝動に駆られる。
「えぇい、貴様らが邪魔さえしなければこんなことにはならなかった! 貴様たち猟兵がいなければ……」
「そして、その末路も先の亡霊と共にあるでしょうに」
「お前の醜い魂ごと、ここで終わらせてやる!」
 女傑、コミュニ・セラフ(女傑なる狂天使・f12530)はどこか寂し気に、少年、ジーク・エヴァン(竜に故郷を滅ぼされた少年・f27128)は怒りを瞳に宿らせ各々の武器を構える。
「えぇい、せめて貴様らだけでもその命を頂くまでよ!」
 屍仙女は芭蕉扇を構え真空の刃を発して二人を攻撃する。そんな攻撃に対して前に出たのはジークであった。竜の瞳を彷彿とさせる宝石のついた大楯で真空の刃を防ぎ、その後ろからコミュニが鎖で繋がれた雷を纏うハンマーを持って迫る。
「来るな来るな来るなぁ!!!」
 半狂乱になって真空の刃を連打する屍仙女であったが、その都度ジークの防御に防がれコミュニとの距離がどんどん近づいていく。
「ヨルムンガンド! 奴を見据え戦場に雷を降らし、私を強敵に導くに!」
 天を突くほどの巨大な海蛇が召喚される。それはコミュニの体にオーラとなって巻き付いてその体の使用権を奪う。だが、これこそが荒れ狂う海の王者ヨルムンガンドの力を最大限発揮するためのユーベルコードなのだ。ハンマーを振りかざし、コミュニは出せぬ剛力で以て振り下ろされると、屍仙女の体は雲のように変じて、ハンマーを無効化する。体が残っている部分に向かってハンマーを振るえば次々に体を雲に変じて回避し続ける。
「ならばこうするに!」
 体の使用権を与えてはいても、自我はしっかりと残っているコミュニ。その判断力で指にはめていた海蛇の指輪の力を開放する。嵐と雷を纏うその指輪は瞬く間にコミュニの体を嵐で覆い、ただの雲に変じた屍仙女を散り散りにしようと撹拌する。
「か、体が保てぬ!」
 散り散りになった雲をやっとの思いで集めて距離を空ける屍仙女は、大きく芭蕉扇を振るってその真の能力を披露する。真空状態の空間を造り上げその範囲内の敵を全て窒息させる生き地獄へと叩き落とすのだ。
 本来ならば呼吸もままならず窒息して死んでしまうであろう空間の中、なぜかコミュニの周囲にだけは空気が残っていた。それは敵の攻撃に対して大楯の防御が間に合わないと判断したジークの結界術によるものだ。範囲も効果もわからない為、コミュニの全身を包む形ですべてを遮断する結界術は結果としてコミュニを生き地獄から救ったのだ。
「まさか、読まれていたの!?」
 そんなことはなかった。ただ運と相性が悪かったのだ。そういう意味ではこの街を狙った段階で運命は決まっていたのだろう。
「もはやこれまで!逃げさせてもらうわ!」
 この切り替えの早さ。それこそが今まで多くの猟兵と戦い敗北しても命を残せておけた屍仙女の本当に恐ろしい能力。しかし、もはや命運は尽きていた。
 ジャラリ、と体を締め付ける鎖の音と苦しみが屍仙女を襲う。相手が雲に変じることからいつ逃げ出すかわからないと踏んでいたコミュニのチェイン・ハンマーが放たれ、屍仙女の体を締め付けていたのだ。当然屍仙女も雲に体を変じて逃げようとするが、すでにコミュニはすぐそばにまで駆けつけている。今体を雲に変えてしまえば先ほどと同じように体を保てない程に散り散りにされてしまうだろう。
「来たれ。祈りを剣に、覚悟を鎧に、激情を盾とし、我は討竜の聖者とならん……!人剣同体!ゲオルギウスッ!」
 その時、光の柱が戦場に上り立つ。光の中からは大量の僵尸兵士浄化せしめた聖者が現れる。その姿を確認した屍仙女は顔を青くして絶望する。
 聖者・ゲオルギウスは聖剣アスカロンの一撃を屍仙女の首へとむけて放つ。着弾の瞬間を雲に変じて避けようにもすでにその方法を封じられている。屍仙女は自身の醜い脚を見て涙を流す。
「あぁ、何がいけなかったの……? 妾はただ美しさを取り戻したかっただけなのに……」
 他者の命を奪ってまで得た美しさに何の意味があるのか、そんな疑問を投げかけることも間に合わず、屍仙女は骸の海へと還っていったのであった。
 こうして不死の軍勢に襲われ滅亡するはずだった街は、猟兵たちの活躍によって救われた。
 この戦いもまた天下に猟兵の武を示す逸話となってこれからも語られていくことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月06日


挿絵イラスト