4
Edge on Bridge

#サムライエンパイア #猟書家の侵攻 #猟書家 #真田神十郎 #剣豪 #上杉謙信 #魔軍転生

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サムライエンパイア
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
🔒
#真田神十郎
🔒
#剣豪
🔒
#上杉謙信
🔒
#魔軍転生


0




「──千賀森・雷津殿とお見受けする」
 そう声のかかったのは、尾張国と美濃国の境。木曾川にかかる大橋の上にて。
 振り乱した半髪頭にぼろぼろの具足、如何にも落武者然とした男達。手に手に槍を、刀を構え、これ見よがしに殺気を撒き散らす様。用件など、問うまでもあるまいが。
「──某に、如何なる用向きで御座るか」
 形ばかり問う間に、鯉口を切る。十余年、流浪を共としたこの刀。斬った者の数など、十から先は数えていない。顔も知らぬ者から恨みを買うも、有り得ぬ事ではなかろう。
「主に恨みは無いが。お命、頂戴仕る」
 成程、雇われか。気付けば前も後ろも、よく似たる落武者達が群れ成していた。これ程の数、果たして己は如何なる大物の恨みを買ったのやら。
 何れにせよ、為すは一つ。刀を抜く。分厚く、無骨な拵えの太刀。無銘なれど強靭、己の命を預けた刀。
 構えは霞。己の生涯を捧げし剣腕、因果応報には未だ早い。
「──千賀森・雷津、押し通る」



「──然れど多勢の劣位は覆し得ず。かの剣豪は、落武者達の刃を以て生涯を終えるのです」
 グリモア猟兵、愛宕院・燐樹(紅珠媛・f06887)は、己の見た予知の語りをそう結んだ。
「此れが常人のみでの諍いならば、斯様な因果もございましょう、と結んで終い、なのですけれど」
 その仮定は逆説として、常人ならぬ存在の関わりを示唆する。即ち。
「オブリビオンが――猟書家が関わっているとなれば。捨て置くわけには参りません」

 それは猟書家の一『真田神十郎』の企て。
 優れた力持つ剣豪を殺害し、以てオブリビオンと化さしめ、己らの軍門に組み込まんとする策。オウガ・フォーミュラたるクルセイダーの目的――徳川の世の終焉を導く為に。
「かの剣豪――『千賀森・雷津』様も、かの地域にては音に聞こえし剣豪。故に狙い定められしものと思われます」
 仕官もせず、己の剣腕のみを恃んでの諸国流浪。成程、生半な力量ではなかろうが。
「然し敵はオブリビオンの集団、加えて彼らは真田神十郎の修めし秘術『超・魔軍転生』によって『上杉謙信』を各々の得物へ憑装しています」
 かつての魔軍将の一人にして、今や猟書家の一人であったとも知られる越後の軍神。彼を憑装したオブリビオン達は、基礎能力の向上以上に巧みな戦術や連携を可能とする。
「それ故、橋の上――容易に逃亡叶わぬ川の上にて挟撃を仕掛け、確実に標的を仕留めんとしたのでしょう」
 猟兵達が救援に向かえば、数名が足止めにあたり残りが雷津を狙う、といった連携を取ったり、敢えて河原へ飛び降り追撃を誘おうとする可能性もあろう。様々な策を想定した作戦を考えて臨むべきか。
「落武者達をある程度掃討した処で真田神十郎も姿を現すと思われますので、これを討ち取って頂ければ、敵は作戦失敗を悟り撤退するでしょう」
 尤も、神十郎も猟書家の一人故に高い戦闘力を有し、また戦場に残る落武者達との連携を取ることも考えられる。彼自身は憑装を行っていないとはいえ、油断なく当たるべき相手であることは間違いない。

「武に生きるかのお方、このような形にてその生を閉ざされるべきではございますまい。どうか、その身命守り切り、猟書家の企てを打ち砕いてくださいませ」
 そう願うと共に、燐樹の背後にグリモアの輝きが描き出される。広がるは、かの世界へ至る転移の道。
「それでは、転送を開始致します。どうぞ、宜しくお願い致しますわね」


五条新一郎
 大橋上の死闘。
 五条です。

 此度のシナリオはサムライエンパイアにての猟書家戦。
 狙われた剣豪を守り、猟書家『真田神十郎』率いる軍勢を打ち倒してくださいませ。

●目的
 剣豪『千賀森・雷津』の殺害阻止。
 猟書家『真田神十郎』とその配下の殲滅。

●戦場
 サムライエンパイア、尾張国と美濃国の境界、木曾川にかかる大橋の上。
 数人が並べるくらいの幅があり、また非常に頑丈で、地形破壊効果の技能やユーベルコードを使わない限りは壊れません。
 橋の下、両岸近くには河原が広がっています。

●NPC
『千賀森・雷津』
 年齢三十代後半、人間の男性。
 言葉より剣で語る寡黙で無骨な人物。
 技よりも力に重きを置いた剛剣の遣い手。オブリビオン相手でも集団敵との一対一ならば戦い得る力量を持ちます。

●第一章
『落武者』との「集団戦」です。
 彼らは魔軍将『上杉謙信』を憑装しており、戦闘力の向上に加え巧みな戦術眼を得ています。

●第二章
 猟書家『真田神十郎』との「ボス戦」です。
 神十郎は憑装を行っていません。

●プレイングについて
 第一章はOP公開直後から、第二章は章移行後断章投稿次点からプレイングを受け付けます。
『雷津を守って戦う』ことでプレイングボーナスがつきます。

 それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
199




第1章 集団戦 『落武者』

POW   :    無情なる無念
自身に【すでに倒された他の落武者達の怨念】をまとい、高速移動と【斬撃による衝撃波】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    欠落の決意
【武器や肉弾戦】による素早い一撃を放つ。また、【首や四肢が欠落する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    妄執の猛撃
【持っている武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。

イラスト:麻風

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
さて、急いだ方が良さそうですねぇ。

戦術に長けた相手なら『戦術での対処が及ばない数の暴力』が有効でしょう。
『FBS』を四肢に嵌め飛行、【紘器】を発動し『祭器』全ての複製を大量に形成しますねぇ。

『FMS』は複製を含め半数を私に、もう半数を千賀森さんの周囲に配置し多重構造のバリアを形成、『衝撃波』で破られない様守りを固めますぅ。
『FSS』は弾頭を炸裂弾に変換し[爆撃]、『FRS』の[砲撃]と合わせ上空から[範囲攻撃]の雨を降らせましょう。
『FBS』の複製は橋の両脇に配置、側面からの攻撃に加え、離脱阻止に使いますねぇ。

相手は謙信公の力を持つ相手、油断なく確実に叩いて参りますぅ。



 木曾川にかかる大橋の上、剣豪、千賀森・雷津と落武者の軍勢との戦が展開する。
「――破ッ!」
 裂帛の気合と共に繰り出す刺突。最前の落武者、刀にて受けるも身を崩す。なれば追撃。手首を返し、弧を描く刃を横薙ぎに打ち込まんと――して留まる。腕を引き、構えた刀で刀を受ける。
 まただ。雷津は眉根を寄せる。好機と見て踏み込めば、他の落武者が割り込み有効打を阻止する。それでいて、此方が様子を窺っていれば積極的には攻め込んで来ぬ。まるで、此方の消耗を待っているかのような――頬を一筋、汗が伝う。
 彼奴等、只の落武者ではない。確たる戦術の心得を有する、まるで各々が一軍を率いる将のような……
「!」
 その時。耳に飛び込む、遠雷じみた、何かの爆ぜる音。構えを保ち、腰を落とす。
 直後、眼前で起こる爆発。轟音。あまりにも唐突な事態なれど、雷津は冷静に身を屈め、巻き起こる爆風の中で構えを保つ。
 天候は一面の青空。なれどあまりにも唐突なその衝撃は、文字通りの晴天の霹靂。そう紛う程のものであったが。雷津の動体視力は、その直前に落武者達の間へ降り落ちた、砲弾じみた物体を確と捉えていた。
「間に合いましたねぇ」
 直後、頭上から声。見上げれば、緑の黒髪を風に靡かす、美しい少女が宙に浮いていた。四肢で回転する輪状の装具と相俟って、天女とも見えるその少女。着衣がはち切れんばかりに豊かな肉付きの胸や尻周りからは、豊饒の恵みが連想されようか。事実、彼女は豊饒の女神を信仰する使徒。夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)である。
「――主、何者か」
 構えを崩すことなく、雷津は静かに問う。るこるへ向けたその視線に敵意は見えずとも、未だ警戒しているのだろう。
「私は猟兵ですぅ。貴方が猟書家に狙われていると聞き、お助けに参りましたぁ」
 猟書家に、猟兵。るこるの口にしたその名、雷津も聞き及んでいる。猟書家、徳川の治世を覆すべく暗躍する集団。そして猟兵、かつてこの国を守り、今も妖怪化生の類を退治して回っている者達と。
「左様か。――助成、忝い」
 簡潔に謝意を述べ、改めて敵を見据える雷津。その左右を守るように、無数の銀盤が展開される。
「大いなる豊饒の女神、その『祭器』の真実の姿を此処に――」
 それはるこるの得物の一つ、バリアを展開する力を持った神鏡。しかしユーベルコードによってその数を500倍以上に増やした今ならば、バリアと言わずそれ自体で以て守ることも可能となる。そして。
「それでは、一気に仕留めて参りますよぉ」
 更に上空には、雲霞の如き浮遊砲台群が展開される。その全てが、戦場の落武者達へと照準を合わせ――
「発射ですぅ!」
 降り落ちるは、一度に合わせて一万発以上の炸裂弾と熱線の雨。為す術なく落武者達は吹き飛ばされ、骸の海へと還されてゆく。
「お、おのれぇぇ!!」
 何とか生き延びた落武者達を、倒れた者達の怨念が包む。其は彼らの機動速度を大幅に高め、以て雷津へと一瞬で肉薄せんとするが――
「がっ!?」
 だがその行く手を銀盤が阻む。刀から放つ衝撃波も、バリアに阻まれ届かず。反撃と放たれた光線に、怨念諸共焼き払われてゆく。
「――なんたる嵐の如き攻勢か」
 驚嘆の声を漏らす雷津。敵はかの軍神の力と戦術眼を持つ相手。故に圧倒的物量からの飽和攻撃という、そのいずれもが意味を為さぬ手段を選択したるこる。以て現出したその戦運びは、まさに蹂躙と称するに相応しいものであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

弓削・柘榴
いちご殿と

上杉に真田とは、懐かしい名前が出てきたものじゃ。

あちきはいちご殿といっしょに河原に布陣じゃな。
橋の上流側に陣取って、敵を牽制しつつ援護していくかの。

橋が主戦場なのは疑いないが、
川からの横撃、特に川の水を使われると面倒じゃしな。
水量には注意を払っておくぞ。

相手には【鬼門開放】で悪鬼を召喚。
川越しに悪鬼にを送りつけて、敵兵の精気を喰わせるかの。

漢の精気ではいちご殿は喰いがいもないじゃろうが、あちきで我慢せい。
これでも美猫で通っておったのじゃぞ?
と、衿をちょっと開いてみたりしてみるかの。

水量に大きな変化が見えたら、
【霊符】で【地形破壊】を使って水を堰き止めるぞ、
「玄天上帝に願い請う……」


彩波・いちご
柘榴師匠と

懐かしいも何も、私からすると歴史上の人物ですけどね
この世界だとそんなに昔じゃないのかな

ともあれ柘榴師匠と共に河原に布陣
橋の上流側から、召喚術で敵を叩いていきましょう
橋の上の雷津さんに向かう敵を、私の召喚魔で牽制しますよ

【異界の抱擁】で川の中から触手を召喚
敵の落武者を拘束し、柘榴師匠が召喚する鬼に襲わせましょう
ついでに川にちょっかいを出そうとする落ち武者がいたら、それも迎撃して

…って、何言ってるんです柘榴師匠!?
別にこの触手は精気を喰らうとかそういうのでもないですし、あと柘榴さんで不満などあるわけも…じゃなくて!
見せないでいいですからっ
あまり惑わされると触手の制御がー

※暴走はさせません



 雷津と落武者達の交戦続く橋、その下に広がる河原から見上げる猟兵が二人。
「しかし、上杉に真田か。懐かしい名前が出てきたものじゃな」
 述懐するのは黒の猫耳尻尾を生やした和装の少女、弓削・柘榴(月読さんちの猫又さん・f28110)。
「懐かしいも何も、私からすると歴史上の人物ですけどね」
 そこに突っ込みを入れるのは青の狐耳尻尾を生やした少女――の如き少年、彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)。
 UDCアースの歴史において戦国武将と称される存在が生きた時代は、歴史という実感を伴わぬ文脈でのみ語られる存在。柘榴の述懐は、この世界が未だ戦国の世の痕跡を残すが故か、或いは彼女が長き時を生きる猫又であるが故か。
「まあ、いずれでも良かろう。何にせよ敵じゃでの」
 いちごの疑問をそう躱しつつ、柘榴は符を構える。見据える先は橋の上、雷津へと攻勢を仕掛けようとする落武者。
「ふっ!」
 腕を振るえば、霊符は矢の如く鋭く飛翔し。狙い違わず落武者へと命中する。それ自体は大した効果を成さないが、更に柘榴は印を結ぶ。
「――出でて、喰らえ」
 詠唱が結ばれると共に、橋上に変化。落武者達と雷津の間に、何匹もの異形の人型が現れたのだ。細長い身体、不釣り合いに太く長い腕。柘榴の術にて呼び出された悪鬼達だ。
 それらは落武者達へと殴りかかり、或いは噛みつき。以てその精気を喰らい。次々と攻撃を仕掛けてゆく。
「ふんぐるい、ふんぐるい……星海の館にて微睡む我が眷属よ――」
 いちごもまた続く。冒涜的な呪文を唱えれば、傍らを流れる川の水面を割って無数の触手が溢れ出す。それらは瞬く間に橋の上へと伸び上がり。悪鬼達へと対応せんとした、或いは其を迂回して雷津へ迫る落武者達へと襲い掛かる。
 巻き付き拘束し、そこを悪鬼が爪にて引き裂き仕留める。或いは雷津が剣振るって斬り倒す。直接言葉は交わしていないが、その動きから己の味方と判じたらしい。
 そうして橋上へと援護攻撃を重ねるうち、何体かの落武者達が橋から飛び出し河原へと降りてきた。二人の姿を見て、橋上の異変の元凶と見做したらしい。
「やれやれ、よもや気付く者がいようとはな。上杉の戦の眼のおかげかの」
 肩を竦めつつ、柘榴は霊符を投げるが。真正面から迫る其を、落武者達は斬り払ってみせた。
「それなら、これはどうですか!」
 だがいちごが嗾けた触手は躱せなかったようで。川から更なる触手が伸び来れば、あっさりと拘束されてしまう。改めて投げられた霊符を通じて悪鬼に喰われる者もいれば、そのまま触手に肉体を砕かれる者もあり。いずれにせよ、河原に降りた者達も大した働きはできぬままに斃れてゆく。
「ふむ、この様子じゃと川を使った策はなさそうかの」
 河原の敵が粗方排除されたのを確かめた柘榴、ふと川上へと視線を向ける。彼らが橋の上でなく下に陣取ったのは、川の水を使った水計を警戒してのこと。流石にそこまでの大掛かりな策は用意していなかったか、川の様子に変化の兆しは見られない。
「無いなら無いで越したことはありません、このまま上の敵を攻撃しましょう」
 応えるいちご、橋上の敵への攻撃を再開する。河原への増援として橋を飛び降りようとした落武者を触手に捕らえ、橋の床面へと叩き付けた。
「まあ杞憂で何よりじゃが――時にいちごよ」
「何ですか柘榴師匠?」
 互い、使役する存在の制御を続ける中。ふと柘榴がいちごに問う。
「男の精気では喰い甲斐がなかろう。あちきので口直しするかの?」
「なっ!? べ、別に触手で精気を喰ってるワケでは!?」
 徐に纏う和装の襟を開き、なだらかな胸部を垣間見せる柘榴。あまりにも唐突なその行為に、いちごの顔が紅く染まる。
「我慢せずとも良いぞ、これでも昔は美猫で通っておった身の上じゃ。それとも、あちきでは不満かの?」
 軽く身を屈めて、着衣と素肌の間の空間を強調してみせつつ。誘うような仕草の柘榴。
「見せないでいいですからっ! それに柘榴さんで不満などあるわけが……ではなく!」
 慌てて弁解するいちご。だが柘榴の悪戯心はすっかり燃え上がっていた。
「ならば遠慮せず触ってくれて構わんぞ。ほれほれ♪」
「あ、あまり惑わされると触手の制御がー!」
 執拗な柘榴の誘惑に、戸惑いの声を上げるいちごであった。

 尚、幸いにして。それでもいちごは最後まで触手の制御を保ち続けたらしい。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アビゲイル・ガードナー
疑似双子な従妹のヘンリ(f31471)と参戦

現を抜かす女子供とか失礼なっ
色恋って大事だよー♪
※胸の魔眼から『ルラン』現出、通常形態で運用

あ、知ってるよヘンリ!『車懸り』だね♪
ひどーい!アビーおバカじゃないもんっ
うん、愛用の戦術なら自信あるよね

でもコレって、少数精鋭相手は…ふふっ♪
※【天昂く愛謳う、自由なる刃】回数重視

ゆらりゆらりと愉しく歩き
間合いをおかしく魅せたらば
夜風が如く有象無象を乱れ断ち
最期は逆袈裟に振り抜き舞い踊ろ

…飛べる娘の相手も、奥手だったかな?
(『インピッシュ・エフェクター』でヘンリと逆の欄干へ滑空)

え?天女じゃないって、アビーは悪魔♡
でも横紙破りはご法度っ!雷津さん、頑張ろっ♪


ヘンリエッタ・アドミラドール
疑似双子な従姉のアビー(f31470)と参戦

はい、色恋第一の女子供ですよ…戦えますが!
※胸の魔眼から『フレキ』現出、通常形態で運用

成程、コレが数と速さを頼む戦上手・謙信公の力
よく知ってましたね、アビー?
ええ、波状攻撃から猛者での決戦を狙う戦術

ですが、足留めが数人では…ふっ!
※【神鳴る聖心は、過たず天を貫く】威力重視

神風が疾れば有象無象は天を舞い
天女は聖槍の棒高跳びで八重垣越え
見上げる悪漢は紫電の十字にて裂かれ
対岸の軍勢には聖なる光槍が堕ちて逝く

…挟撃と車懸りの両立には、場も狭すぎます
(雷津近くの欄干へ牛若丸風に着地)

雷津さん、コレは因果を覆す荒神の策謀
天女には穢れの過ぎた女ですが、助太刀します



「せぇいッ!!」
 落武者の一人が雷津を目掛け斬りつける。刀を掲げ受けた雷津、手首の捻りで刃を跳ね退けそのまま反撃の横薙ぎを繰り出そうとするが。
「そこだっ!」
 攻めた落武者は即座に飛び退き回避、そこへ別の落武者が槍を突き込みにかかる。
「く……!」
 咄嗟に身を捻り躱すも、そこへまた別の落武者が踏み込む。躱しきれぬか、雷津が刃受けるを覚悟した、まさにその時。
「ぬおぉっ!?」
 その場に吹き抜けた一陣の風、そして降り落ちた蒼雷が、攻め込む落武者達を斬り刻み、焼き焦がした。
 何事かと眉根を寄せる雷津の前に、二つの影が軽やかに着地する。一人は蝙蝠の翼と羊の角、細い尻尾を有した、剣携える娘。一人は頭と背に漆黒の光で形作った光輪と翼を持つ、長大な騎槍携える娘。
「――主らも猟兵か?」
 己を助ける、尋常ならざる存在。当たりをつけて雷津が問えば。
「はい、猟兵です……色恋第一の女ではありますけれど」
 漆黒の光纏う娘、ヘンリエッタ・アドミラドール(シャドウライトニング・f31471)が振り向き、眼鏡の奥の紫瞳を細めて答え。
「アビーも猟兵だよ! いいじゃない、色恋って大事だよー♪」
 翼と角と尾とを有する娘、アビゲイル・ガードナー(ブライトテンペスト・f31470)は明るく応える。桃色の瞳を瞬かせながら。
「いずれにせよ、忝い。某のみにては、抗しきれぬ敵ゆえ」
 そんな二人の様子に怪訝そうな雷津であったが、礼は丁重に。一方、敵方は。
「ぬう、よもや援護があろうとは!」
「何の! 色恋に現抜かす女共など、我らの敵に非ず!」
 驚きつつも二人をそう評した落武者達、一斉に二人と雷津とを目掛けて殺到する。それは一見、我武者羅な突撃とも見えたが。
「成程、コレが数と速さを恃む戦上手・謙信公の戦術」
 興味深げに視線を向けるヘンリエッタ。落武者達の動きは一見無秩序と見えてその実、一定の規則性が見て取れる。
「あ、知ってるよヘンリ! 『車懸かり』だね♪」
 そこにアビーが食いつく。彼女達は直接目にした訳ではないが、かつてのエンパイアウォーの折にも猟兵達を大いに苦しめたあの戦法だ。
「よく知ってましたねアビー? ええ、その通りです」
 アビゲイルがその知識を持っていたことが意外そうに、ヘンリエッタは瞳を瞬かせる。
「ひどーい! アビーおバカじゃないもんっ!」
 己の知性を見くびられたことに憤慨するアビゲイル。尤も、本気で怒っている訳ではない。姉妹の如き二人の戯れのようなものだ。
 迫る落武者達は、こまめな交代によって消耗を抑える構え。以て敵を先に消耗させ掃討にかかる、彼らの得意とすると思しき戦術。だが。
「尤も――」
 ヘンリエッタは槍を橋の床板へ突き刺し、そのまま棒高跳びの要領で跳躍。
「そうだね……ふふっ♪」
 アビゲイルは足取り軽やかに歩みだす。まるでショッピングにでも出かけるかのような気楽さで。
「――!」
 跳躍したヘンリエッタを視線で追う雷津は見る。己の頭上を越えて、反対側から迫る落武者達の頭上へ飛翔する彼女の姿を。
「くっ……この娘、面妖な歩みを……!」
 前から迫っていた落武者達は惑う。アビゲイルの歩みは無造作に見えて、その実無形。得物を鞘に収めたまま、構えもせぬ姿が相まって、その間合い、見極める事叶わず。
「私達の征く道に、数人程度の足止めでは無意味」
 ヘンリエッタ、宣告と共に槍を振るう。迸る紫雷が十字型を成し、地上の落武者達へと叩き付けられ其を吹き飛ばす。
「あなた達じゃ、アビー達を止められないでしょ?」
 告げたアビゲイルは、既に落武者達の眼前へと踏み込んでいた。抜き打たれる聖剣、逆袈裟の一閃が、防御間に合わぬ落武者達を斬り裂く。
「挟撃と車懸かりの両立には、場が狭すぎますし」
「飛べる娘のお相手も、不慣れみたいだしねっ」
 アビゲイルは跳躍し、背中の悪魔翼を羽ばたかせ飛翔、以て後続の落武者達の反撃を躱す。入違いに降ってくるのは、ヘンリエッタが繰り出した光のジャベリン。巨大なる光槍は真っ直ぐ落武者達の一団へと落ちてゆき、爆裂。これを纏めて吹き飛ばしてみせた。
 そして二人は雷津の左右、橋の欄干の上へとそれぞれ着地。一連の動きは可憐にして華麗、人ならざる身の発する神秘的な美を纏って。
「……某に、天女の護り、在ろうとはな」
 悪魔の剣士と、堕天使の槍士を交互に見遣り。雷津は彼女らをそう評してみせた。
「天女じゃないよー、アビーは悪魔♪」
「私も……天女と呼ぶには、些か穢れの過ぎた女です」
 否定してみせる両者、なれどその評には悪い気はしていないようで。
「こんな私達で宜しければ、引き続き助太刀致します」
「三人で頑張ろうね、雷津さんっ♪」
 未だ残る落武者達へ視線を巡らせ、そして共闘を呼びかける。無論、雷津に拒む理由は無かった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メナオン・グレイダスト
・POW

腕の立つ剣豪であるか、少々興味を惹かれるな。
…殺めてオブリビオンに変化させるなど論外であるが。

挟み撃ちは少々厄介であるが、集団戦そのものは我輩としてもやりやすい。
存分に迎撃してやろう。
【グレイダスト・レギオン】――みな、力を貸せ。

(灰色砂塵――ナノマシンの肉体を有する人工生命体の手勢を召喚。
 手勢を3分割してそれぞれに適した戦闘形態を取らせ、集団戦に対応。
 第1部隊は機関銃や突撃銃で武装した射撃部隊、弾幕射撃により敵勢を掃射。
 第2部隊は板金鎧と戦鎚や剣で武装した重装歩兵、前衛として敵勢に対応。
 第3部隊はビームシールド装備の軽装歩兵、戦場を駆け回り手勢や剣豪、他の猟兵の盾となる)



 橋上に、灰色の砂が舞う。風も無きままに宙を舞う様に、雷津も、落武者達も、何事かと身構える。
「腕の立つ剣豪、というのはお前のことか」
 尊大な、しかし何処かあどけなさの滲む声音。吹き荒ぶ砂塵に紛れ、いつの間にか一人の少年が橋の欄干に立ち、雷津を見下ろしていた。灰色の髪に灰色の外套、何処か超然とした雰囲気を纏う彼は事実超然たる者。メナオン・グレイダスト(流離う灰色の魔王・f31514)である。
「――腕の立つ、とは主観に拠るが。剣に生きるを剣豪と呼ぶならば、某は恐らく剣豪にござろう」
 訝しみつつも雷津の答え。確かめればメナオンは頷き。
「なれば我輩の護るべき者である。助成致そう」
 殺めてオブリビオンと変化せしめるなど論外。申し出るかの如く宣言すると共に、辺りへ散っていた砂塵が橋上に集結。渦巻きうねるその中へ、次々と人型が形作られてゆく。
「みな、この者を守るべく、力を貸せ」
 それはメナオンの権能。灰色砂塵――極めて微細なナノマシンを操っての多彩なる技。此度はこれを以て、人工生命体の配下を生み出したのだ。
「な、何だ此奴は……!」
「怯むな、殺してしまえば済むことだ! ゆくぞ!」
 突如現れた人型の群れを前にたじろぎかける落武者達だが。やることは変わらぬ、とばかりに攻勢に出る。
「重装兵、敵を阻め」
 なれどその前に砂塵が集えば、それらは盾と戦鎚や剣を構えた全身鎧の兵士の姿を取り。振るわれる剣を、その堅固な装甲で食い止める。
「射撃兵、敵を撃ち払え」
 続いて形を得るのは、その手に機関銃や小銃といった銃器を携えた兵士達。足止めを受けた落武者達へ銃撃を浴びせ、薙ぎ倒してゆく。
 メナオン自身も砂塵を操り、渦巻と成して敵を打ち据え、斬り裂き屠ってゆく。挟撃を受けた状態での集団戦、という戦況でこそあるが、それ故にメナオンとしても得意な戦だ。灰色砂塵を操り、配下の兵達の波状攻撃を以て、前後に展開する落武者達を次々薙ぎ払ってゆく。
 と、そこに。橋の欄干を駆け抜ける影。重装兵の防御陣形をすり抜けてきた落武者が、今まさに雷津を目掛けて斬りかからんとする。
「遊撃兵!」
 なれど気付けば早い。呼ばわる声と共に滑り出てきたるは、光盾構える砂塵の兵士。輝く盾を掲げて、振り下ろした刃を受け止める。
「退くがよい!
 そして反撃の砂塵の渦。瞬く間に落武者を斬り刻み、骸の海へと叩き返す。
「我輩と兵達のある限り、彼に手出しはさせん」
 来るなら来いと。兵達の敷く盤石の防衛線、その中心にて宣言してみせるメナオンであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

御剣・刀也
へぇ。俺と同じような剣術を使うのか
まぁ、なんにせよ、巡り会ったのも何かの縁。多勢に無勢は見過ごせんな。助太刀する

無情なる無念で怨念を纏って高速移動されても焦らず、第六感で動きを読み、見切りと残像で衝撃波を避けつつダッシュで一気に間合いを詰めて、捨て身の一撃で斬り捨てる。
「落武者風情にやるには勿体ない首だ。それに、俺はお前らくらいじゃ満足できねぇ。さっさと大将に出てくるよう言いな」



「破ぁっ!!」
「ぐわぁぁ!」
 振り下ろされた雷津の刀が、落武者の身を深く斬り裂く。致命傷を受けた落武者、倒れると共に骸の海へと還ってゆく。
 戦場の落武者達はある程度その数を減らし、戦闘開始当初程の密な連携を取れなくなっていた。今のように、状況が許せば雷津が落武者を斬り倒すことも有り得る状況だ。
 なれど、其は彼だけで状況をひっくり返せることを意味しない。まだ敵の数は多く、そして。
「なれば我らの攻勢!」
「凌げるものならば凌いでみよ!」
 このように数を以て攻め込まれれば、現状は未だ雷津にとり厳しかった――が。
「ふっ、はぁっ!!」
「「ぐわぁぁ!」」
 そこに振り下ろされた刃、袈裟斬りに続く横薙ぎの二連閃。瞬く間に迫っていた落武者達を斬り倒す。力強いその斬撃、性質は雷津のものと似てこそいるが。
「――俺と同じような剣の遣い手。興味深いな」
 その主は、雷津の更に前へとその姿を現していた。鍛え込まれた長身、敵を見据える青の瞳は鋭く。御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)だ。
「まあ、何にせよ、巡り合ったのも何かの縁だ」
 刀を引き、雷津へと視線を向ける刀也。視線を見返す雷津の、彼への警戒が薄れるのが見て取れる。
「天武古砕流、御剣・刀也。多勢に無勢は見過ごせんのでな、助太刀させて貰う」
「――名乗れるような剣にはござらぬが。千賀森・雷津。助成、忝い」
 己の受け継ぐ流派と共に名乗れば、彼もまた名乗りを返す。彼の剣、我流らしき事が伺える。
「ぬうう、またも邪魔立てが入るか!」
「おのれ猟兵、許すまじ!」
 残る落武者達の身に、禍々しき瘴気が纏われる。先に倒された落武者達の怨念が、仲間に力を与えんと纏わりついているのだ。
「諸共に斬ってくれる! 覚悟せい!」
 そして踏み込むその速度、元の数倍にも達する。なれど改めて彼らに向き直った刀也は慌てることなく、その動きを見据えて構え。
「「ぬぅぅん!!」」
 刀を振るうに伴い放たれる衝撃波。一人ではない。三人ばかりが僅かな時間差を以て、刀也目掛けて衝撃波を放ってきたのだ。
 だが刀也の動きに迷いは無い。徐に駆け出し、身を捻って衝撃波を回避。その勢いを刀に乗せつつ、向かう先の落武者のもとへと踏み込み。
「甘いな!」
 唐竹に振り下ろした斬撃は、落武者の脳天を叩き割り。そのまま骨も鎧も纏めて斬り裂き、文字通りの一刀両断と仕留めてみせる。
「「おのれぇぇぇ!!」」
 仲間を屠られ激する落武者達、なれど動きは精彩を失わず、其々に踏み込みのフェイントをかけつつ左右からの同時攻撃を敢行。
 だが刀也には見えている。右前へと鋭く、素早く踏み込むと共に、刀を力強く横薙ぎに振り抜く。敵の腰を捉えたその一閃、胴鎧ごとそこを切断。敵の上下半身を泣き別れとする。
 更に返す刀が残る一人を襲う。斬り上げの斬撃を落武者は咄嗟に防がんとするが、重く力強い一撃に身体が浮き。続く逆袈裟をほぼ無抵抗のままに受け、斃れる。
「この程度か。物足りねぇな」
 残心しつつ、残る落武者の一群を見据え言い放つ刀也。彼もまた、強者との果し合いに歓喜を覚える性質故に。
「さっさと大将に出てくるよう言いな――」
「――然様であるな。猟兵達が出張るとなれば、彼らにては役者不足よ」
 続けての言葉に、予想外の応え。見れば、落武者達の間を抜けて、赤の具足を纏った男――猟書家、真田神十郎が歩み出てきていた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『真田神十郎』

POW   :    不落城塞
戦場全体に、【真田家の城郭】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    神速十字斬
【両手の十字槍と妖刀による連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    侵略蔵書「真田十傑記」
自身が戦闘で瀕死になると【侵略蔵書「真田十傑記」から10人の忠臣】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:瓶底

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠蛇塚・レモンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「猟兵達が出張るとなれば、彼らにては役者不足よ」
 木曽川にかかる橋の上、残る落武者達を控えさせ、その前へと進み出たるは、深紅の具足を纏う武将然とした男。片手には十字槍、片手には仰々しい装丁の書を携えたその男、間違いない。
「なればこれよりは、この真田神十郎がお前達猟兵の相手を務めるとしよう」
 猟書家、真田神十郎は猟兵達を真っ直ぐに見据え、身構える。その構えに隙は見えず、成程、猟書家の一角たるに相応しい力の程を窺わせる。
 そしてその背後、落武者達もまた構える。猟兵達ではなく、雷津の身を狙わんとして。
「――彼奴が猟書家とやらか……この剣気、尋常の存在にはござらぬ」
 神十郎を見据え、雷津の頬に汗が滲む。己よりも圧倒的に上を行く存在、己のみにては打倒し得ぬ存在であると。武人としての感覚が、構える様から察し得たのだ。
「……厚かましくはあるが。引き続きの助成、願えようか」
 故に、猟兵達の助力を乞う。無論、彼を守り切ることこそが此度の目的たるが故。その願い、拒む由はあるまい。
 彼へ加勢し、かの猟書家を打ち倒すべし。
宝海院・棗
【可能なら連携希望】
「雷津さん、無理はしないでね!」

雷津との会話では【優しさ】を使用

移動時は主に【残像】【空中戦】【空中浮遊】【滑空】で被弾を少なくする

雷津に攻撃が来そうな場合は担ぎつつ回避、間に合わない場合は【オーラ防御】【結界術】【武器落とし】で対処しつつ雷津を一旦安全そうな場所へ運ぶ

敵のSPD技に対してはUCで射程外まで飛び上がったのち、隙を突いて【武器落とし】【2回攻撃】【部位破壊】【傷口をえぐる】【鎧砕き】【鎧無視攻撃】【ランスチャージ】【踏みつけ】【貫通攻撃】を乗せた攻撃を頭上から放つ


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
凄まじい、難敵ですが、お相手させて頂きますぅ。

『落武者』が残る状態で『迷路』となりますと、目的は『分断』でしょうかぁ?
であれば『合流』『突破』『交戦』を全て踏まえこの手で参りますぅ。

【万華】を使用、全身を『雷』に変換しますねぇ。
通常の『迷宮突破』も『雷速』で行えば時間の短縮は可能ですぅ。

内部に雷津さんが居た場合は『FMS』『FBS』を護衛に残し『突破による解除』を優先しましょう。
外にいる場合は、それこそ『突破』が解ですねぇ。

真田さんと会敵したら『雷撃』と『FRS』『FSS』で交戦しましょう。
相手は猟書家、非実体も捉え得るという想定の元『雷速回避』重視で確実に叩きますぅ。



「承知致しましたぁ」
 雷津の求めに応え、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は改めて猟書家、真田神十郎と、彼の率いる落武者群、これらへ対峙する。
(しかしこれは……凄まじい難敵ですねぇ)
 見据える敵の身構える様に隙は無く、寧ろ此方が隙を見せれば即座に攻め込まんとする様相。これまで多くの強敵と相対してきたるこるであるが、目の前のこの武人、それらに勝るとも劣らぬ相手である。
(この娘、底が見えぬな……)
 そして対手の真田神十郎もまた、るこるの纏う只ならぬ雰囲気を警戒していた。見目からは想像のつかぬ、尋常ならざる力をその身に秘めている、と。容易く決し得る敵ではない――それが彼の判断。
「――なれば、この手で行くとしようか」
 片手の侵略蔵書を開く。風もなく捲れる頁、そこより溢れ出る力をるこるは見る。直後、戦場全体へ響き渡る轟音――橋を分断するかのように、そして橋の下の河原、前後の街道に至るまで、幾つもの城郭と城壁とが形作られ、戦場へ聳え立つ。
「迷路ですかぁ……」
 彼がこうしたユーベルコードを用いるという情報は、るこるも事前に知っていた、特定の目標を殺害するという作戦目的、そして敵は未だ手勢を残している。その状況で、このユーベルコードを用いるとなれば。
 傍らを見る。つい先刻まで其処に居た雷津の姿は、恐らくは城壁の向こう。やはりそういうことか。
「……分断の上で各個撃破、というわけですねぇ!」
 なれば一刻も早く合流を果たさねばなるまい。るこるは両手を合わせ、己の奉ずる女神へと祈る。
「大いなる豊饒の女神、その象徴せし欠片の一つを我が身へ――」
 さすればその身は忽ちのうちに人の形を失い、その場に迸る数条の雷電と化す。その速度で以て一刻も早く雷津との合流を果たすべく。るこるは城郭迷宮を雷光となって翔けてゆく。

「これは――」
 突如現れた無数の城郭、城壁。傍らに居たるこるとも分断され、雷津は身構えながら思案する。これが猟書家の業か。そして、己が今、独りで在るということは――
「――然り。今この瞬間、お前の身を守る者は誰も居らぬ」
 深紅の武将が歩み出る。片手の十字槍に力が籠る。
「彼奴がかの迷宮を抜け出てくる前に仕済ます。その命、頂くぞ!」
 踏み込みは疾風が如く。繰り出される刺突は迅雷が如く。数多の強者と死合ってきた雷津をして、その全てを遥か凌駕する速度と鋭さ、そう断言し得る突き。
 鳩尾を狙い放たれた一撃を、縦に構えた刀で止めるも、勢いはまるで殺し得ず。
「ぐぉっ!?」
 鍛え抜きたる体躯が軽々と吹き飛び、無様に地を転がる。身を起こせば、立ち上がるより早く槍の穂先が眼前に光る。
「一撃でも我が槍を止めたる力量、やはり我が眼に狂いは無し。なれど――」
 これで終い、とするべく。喉元狙い繰り出された刺突。今度こそ狙い違わず、雷津の命を奪う――その筈の一撃は、しかし。
「!?」
 突如噴き上がった、水を思わせる何等かの力の奔流。必殺の刺突は、生じた結界によって弾かれた。
「これは――ぬおっ!?」
 雷津が事態を理解するより先、その身体が浮き上がる。何者かが己の身体を抱え上げている。背中に何やら、瑞々しくも柔らかい、大きな球体の感触を感じる。
「あなたが雷津さんだね、助けに来たよ!」
 耳に飛び込むは、快活にして無邪気な印象を与える幼い少女の声音。結界を破らんとしている神十郎を尻目に、やや離れた処まで運ばれてゆく。
「主も猟兵――か?」
 下ろされ、改めて立ち上がった雷津は、己を助けた少女の姿を認め、驚きの表情を浮かべる。声音の印象通りの幼い顔立ち、己の臍まで届くかどうかという小柄な背丈。なれど女体の膨らみは過剰なまでに豊か。何よりその肌は青く透き通って。
「うん、雷津さんを助けて、猟書家をやっつけに来た猟兵だよ!」
 真っ直ぐ見上げて答える彼女の名は宝海院・棗(もち・ぷに・とろり。・f02014)、クリスタリアンの少女。つい今し方転移を果たしたが故に、真田の城郭迷宮に囚われることなく、こうして雷津をすぐさま助けることが叶ったものだ。
「くっ、ここに来て新手とは! だが……!」
 そこに、彼女が展開した結界を破り、神十郎が迫らんとする。その後には落武者達も続く。対する棗、得物たる三叉薙刀を手に。
「ここは私達に任せて、雷津さんは無理せず身を守ることに専念して!」
 優しげな、しかし確かな決意を籠めた笑みを向けて告げると、得物を構え。向かい来る敵勢へと駆け出してゆく。
「邪魔立てするな、小娘ェ!」
 最前の落武者が槍を突き出す。棗、跳躍し回避すると、そのまま三叉薙刀を下向け、落下の勢いを乗せて落武者の首筋へと突き刺す!
「うぐわぁぁぁぁぁ!!?」
 その刃は只の刃ではない。無数の鎖鋸と化したる、肉裂く刃。その駆動に喰らいつかれ、落武者は絶叫。首が半ば胴から千切れ落ちかける程に肉を裂かれ崩れ落ちる。
「まずは一人っ!」
 その肩を蹴って棗は再度跳躍。空中の棗を串刺しにせんと、地上の落武者達が次々に槍を、刀を突き上げるが、その身は巧みに宙空を翻めき兇刃を躱し。
「ぎゃぶっ!?」
「ぐあぁぁ!?」
 降下すれば間近の落武者の顔を踏み台としてそのまま蹴倒し、同時に薙刀を振るって横の落武者を鋸刃もて引き裂く。
「幼子とて猟兵、お前達では相手にならん!」
 退け、とばかりの神十郎の音声に、落武者達の戦列が割れる。その合間から駆け迫る神十郎、棗を目掛け踏み込みの勢いを乗せた槍を突き出す。
「わわっ!」
 落武者達とは桁違いのその速度。辛うじて躱すが、そこに紫炎が迸る。腰に帯びたる刀、妖気纏わる其を抜き打っての斬撃。躱し切れず、棗の透けた太腿に傷が走る。
「今だお前達! 目的を果たせ!」
「わ、まずい…っ!」
 棗へと槍と刀を繰り出しつつ神十郎が吼える。応え、落武者達が駆け出す先は、無論雷津の居る方向。救援に向かわんとする棗だが、振り下ろされる刃が跳躍を許さない。
 かの剣豪の命、風前の灯火か。そう見えた矢先。戦場を、雷光が迸った。
「「ぐわぁぁぁ!?」」
 貫かれ、燃え上がり、倒れてゆく落武者達。駆け抜ける稲妻はそのまま、神十郎を目掛けて飛翔して。
「ちぃっ!」
 身を翻し躱す神十郎、その隙に棗は距離を取り構え直す。雷電は一か所に蟠り、人の姿を成して――そして現れたのはるこるの姿。
「間一髪、間に合いましたねぇ」
 雷の速度で迷宮を駆け回ったるこる、雷津の姿がそこに無いことを確かめていたが故に脱出が遅れたが。こうして苦境には間に合った形だ。
「ええい、そう長く足止めできるものではないと思ったが……ぐぅっ!」
 それでも、事を仕済ますに間に合わなかった事実へ歯噛みする猟書家。その頭上から、無数の砲撃が降り注ぎ。落武者達を吹き飛ばし、神十郎をも苛む。
「追いついたからには、もう雷津さんに手出しはさせませんよぉ!」
 それは、るこるの周囲へ展開する浮遊砲台群よりの砲撃。降り注ぐ無数の炸裂弾が、猟書家の軍勢を強かに打ち据え、吹き飛ばす。
 加え、雷津の周囲には結界形作る円盤と鋭利な戦輪による防御陣が敷かれている。如何な猟書家とて容易く突破は叶うまい。
「ええい、なれば……!」
 先に猟兵を打ち倒すのみ。砲撃によって生じた爆風の間を駆け抜け、狙うは棗。
「我が刃の錆としてくれる……!」
 振るわれる十字槍と、妖刀。尋常ならぬ超速によって放たれた剣技は、棗の身を十字に切り裂いて――裂かれた青い身体が、朧と消える。
「残念っ! わたしはこっちだよ!」
 その一刹那の前に跳躍した棗、猟書家の刃を寸前で回避。そして三叉薙刀を空中にて下向け。空を蹴って急降下。
「いっけーっ!!」
「ぐわぁぁぁぁぁ!!?」
 深紅の鎧さえも貫く鋭い一撃が、紅き将の肉体へと突き刺さり。鋸刃を以て抉り裂いてゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御剣・刀也
真の姿、いしはま絵師のJC参照

潔いな。お前みたいな奴は嫌いじゃない
さて、闘ろうか。俺かお前、どちらかが倒れるまで、存分に!

不落城塞で城郭を出されたら、ダッシュで駆けながら第六感で相手の気配を感じ取って移動し、妨害は基本無視。必要に無い敵は相手にせず、どうしても邪魔な奴を斬り捨てて駆ける
真田の槍の間合いで闘うわけにはいかないので、勇気でダメージを恐れず、見切り、残像で避けて飛び込み、捨て身の一撃で斬り捨てる
「流石は一軍の将。たいした強さだ。お前と闘えて、また少し、強くなれた気がするよ」


メナオン・グレイダスト
【SPD】

無論だ、剣豪。この灰色の魔王が手を貸そう。

猟書家。オブリビオンとしても一際有力な存在。
我輩も全力で仕掛けるが……奴と奴の手勢、その全てを我輩だけで倒すのは困難であろう。
他の猟兵との連携・共闘も視野に入れるべきであるな。

【グレイダスト・オーバーロード】――灰色の魔王を阻むこと能わず……!
まずは“銃砲群”生成、弾幕展開。猟書家とその手勢に弾丸の嵐を叩きつけ、撃ち砕く。
続けて銃砲群を“剣戟群”に変形、遠隔制御しつつ近接戦闘にて迎撃。刃の嵐を以て蹂躙する。

猟書家の猛攻を正面から受け止めるのは愚策。
横合いから剣戟を捻じ込みつつ回避や防御を行い、受け流す。
負傷した部位は灰色砂塵を生成し補おう。



「無論だ、剣豪。この灰色の魔王も、お前に手を貸そう」
 助力を乞う雷津の顔を見据え、メナオン・グレイダスト(流離う灰色の魔王・f31514)は確と頷く。そして前方、敵軍の先頭に立つ深紅の武将と、彼へ対峙する猟兵へ向ける。
「配下任せにせず、早々に出張ってきたか。潔いな」
 その猟兵、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は、対峙するその猟書家――真田神十郎の判断をそう評する。彼を見据えるその貌は不敵なる笑み。この上なき強者と対峙したが故の、修羅たる面の発露。
「勝ち目無しと分かる相手へ兵をぶつける等は愚策。彼奴らは大事な兵力だ、無為に使い潰しはせん」
 事も無げに神十郎は応え、槍を掲げる。
「違いない。さて――闘ろうか」
 頷いた刀也が、そう告げると共に。その身に青き流れが纏わりつく。彼の右目より出でて、全身を巡る力の流れ。それは彼の闘気とも、真の姿――人の埒外たる姿を露わとしたが故の溢れる力とも見え。
「俺とお前、どちらかが倒れるまで、存分に!」
 目の前の猟書家を見据え、身構えて。溢れる闘争への欲求を籠めて吼える。
「良かろう――と、言いたい処だが」
 だが神十郎は掲げた槍を地に突き刺す。直後、地を、橋を分断するかのように迫り出し聳え立つは無数の城郭、城壁。城塞迷宮を造り出すユーベルコードが、両者の間を隔てる。
「此度は我が使命、優先させて貰おうか!」
 城壁の向こうから、神十郎の声がする。己と雷津を分断し、以て本来の目的を果たさんとする腹か。
「武人であるより先に武将、という訳か……!」
 その判断は理解できる。なれど完遂させる訳にはいかぬ。駆け出す刀也。一刻も早く迷宮を抜けねば。
「猟兵、ここは通さぬぞ!」
 第六感を頼りに出口を目指し迷宮を駆けるうち、前方へ落武者達が立ちはだかる。足止めに残した戦力か。
「邪魔を、するな!」
 一層の速度を以て踏み込む。迎え撃つ敵の刺突を、身を翻し躱す。その勢いを乗せての横薙ぎ。横から斬りかかろうとした一人の腹を深く裂き致命の傷を与え、刺突繰り出した落武者の背へと滑り込む。
「くっ、待て……!」
 そして再度駆け出す。残る落武者は捨て置く。元より時間稼ぎが目的の敵、かかずらってなどは居れぬ。追いすがらんとする声を背に、迷宮の出口を目指し行く。

「分断されたか……だが我輩が残れたのは僥倖であった」
 城塞迷宮の外。メナオンはかの迷宮に飲まれることなく、変わらず雷津の傍らに在り続けていた。
「やはり飲み込めなんだか。ならば我が刃を以て斬り捨ててくれよう!」
 そんな彼らの姿を認め、神十郎は侵略蔵書を収め刀を抜く。紫闇の妖力溢れる妖刀と、十字槍の二刀流。更には彼の後に続く落武者達。己一人で捌ききるは困難か。なれど背後の剣豪を守りきる意思には一片の曇りも無し。
「――貴様らに我輩を、灰色の魔王を阻むこと能わず……!」
 重々しき宣言は威圧にして鼓舞。メナオンの周り渦巻く灰色の砂塵が、より激しさを増しつつ拡大し、戦場を席捲する。
 鈍色の砂嵐の中を、深紅の武将の率いる軍勢が駆け迫る。対するメナオンの周囲に、灰砂が集い、形を成し――小銃、鳥銃、機関銃。多様なる銃砲が、王の左右へ整然と並び構えられ。
「――放て!!」
 号令一下、撃ち出される灰弾の嵐。苛烈にして猛烈なる弾幕が、猟書家の軍勢を撃ち砕き、撃ち倒せしめる。
「この程度で……我らは止まらぬ……!」
 先頭を征く神十郎、十字槍の旋回によって身を守る。弾丸は四肢を引き裂き流血を強いるが、その進撃は止まること無く。弾雨を潜り、己が刃の間合いまで後一歩と迫る。
「なれば、此れは如何だ……!」
 メナオンの意思に応え、銃砲の列が崩れ、砂塵と還り。渦巻きながら再度形作られてゆくのは、直剣、打刀、短刀に大剣。多種多様な刀剣の群れだ。
 次々と撃ち出される刀剣群。弾幕を乗り越えた落武者達が次々に貫かれ倒れ、率いる将の身にも斬痕を刻むが。
「何の……捉えたぞ!」
 神十郎の前進は止まらず、ついにメナオンを間合いに捉え。
「我が刃、受けるがいい!!」
 両の腕が霞むと共に、嵐が如く繰り出される白と紫、無数の剣閃。その速度、正しく神速の域。
「ちぃ……っ!」
 対するメナオン、飛び来たる灰刃を手に取り防御を試みる。纏う外套の斥力以てその身を浮かせ、受け止めた斬撃の力を利して距離を取る。
「……っく……! やはり正面から遣り合える相手ではないな……!」
 斬撃の嵐からは逃れども、その身には幾筋もの斬痕。纏わりつく灰色砂塵が傷口を塞ぐが、やはり単独で遣り合うには厳しい相手だ。と。
「――戻ってきたか」
 神十郎の視線が、メナオンより横へ流れる。その先に在るは、力に燃え輝く右目持つ剣士――刀也の姿。
「ああ、お前と闘らず終いのままでは納得いかないんでな」
 迅速なる突破を目的として迷宮を駆けた刀也、その脱出速度は猟書家の想定よりも存外に早く。代償としてその身には幾つかの傷を負うも、戦うに障りは無し。
「――さあ、改めて。闘るとしようか」
 刀也、不屈の獅子の如く煌めく愛刀を構える。
「――良かろう。此処まで来られた以上、お前を討たねば務めは果たせん」
 神十郎、十字槍と紫炎帯びたる妖刀とを構え――
「行くぞ!!」
 踏み込むと同時、槍を繰り出す。刀也、身を捻り躱しながら踏み込み、刺突を繰り出す。神十郎は妖刀以て打ち払い、続けざま槍の横刃を突き立てんと横へ薙ぐ。身を屈めて躱した刀也はその姿勢を発条とし、立ち上がりざまの斬り上げを繰り出す。神十郎、脚を退き躱しながら、踏み出した刀也の身へ槍を突き出す。
「ちっ……!」
 刀也、斬り上げの勢い残る身を無理矢理捻り躱さんとするも、刃が右上腕を裂く。
(やはり、槍の間合いで戦おうとするか)
 此方の間合いより外、槍を以て攻め。踏み込まれれば妖刀にて捌きつつ槍で反撃する。確固たる戦術。崩すには思い切った一撃が必要となろうが、敵もそれをこそ待っているのだろう。決着を焦った処に、必殺の一撃を叩き込まんと。
 如何にしてこの盤石の攻勢を崩すか。その答えは、両者の外にこそ在った。
「我輩も在る事、忘れてはならんぞ、猟書家!」
 神十郎を目掛け横合いから降り注ぐ灰の刃。周囲の落武者達を粗方排除したメナオンが放った刃の群れだ。
「ちっ!」
 灰刃は神十郎の振るう妖刀によって弾き落とされる。だが、その一瞬に刀也は動いていた。
 千載一遇の好機。思い切って踏み込み、己が刃の間合いへと捉える。繰り出された槍は身を屈め躱す。貫いたと思ったその身が、残像となって消える。
 深く踏み込めば跳び退きで仕切り直すだろう、そう踏んで浅めの間合いに残した残像。読みは的中。この間合いならば逃さぬ。
 この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん。持てる力の全てを注いだ捨て身の刃は雲耀の速度へと至り、大上段から真っ直ぐに振り下ろされる。
「が……ぁっ!?」
 赤備えの鎧諸共、纏う猟書家の胸から胴が深く裂かれる。鎧兜に身を固めた相手であれども諸共に斬る。天武古砕流、その神髄。
「――さすがは一軍の将。たいした強さだ」
 メナオンの援護を受け、繰り出したる捨て身の一撃。以て、漸く届かせた。この経験が、己をまた少し強くした。そんな気がした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

彩波・いちご
【恋華荘】
柘榴師匠と2人で真田の元へ
私も一騎打ちとかには拘りませんから、私達の全力で戦いましょう

と、見知った顔…アビーさんとヘンリさんを確認
合流して4人がかりで挑みます
私なら大丈夫です、2人も遠慮なくいきましょう
いざという時はフォローお願いします

柘榴師匠の援護を受けながら、私は【異界の顕現】にて邪神雄依代の五尾の姿となり、雷津さんや2人と共に前線へ
私は武器はない徒手空拳ですが、鋭さを増した爪があります
フェイントを駆使して敵の穂先をコントロールしつつ、隙を見て槍の間合いの懐に入り、爪で一閃
真田本人にもですが、その書も狙って攻撃です


戦後は、私をからかう人が3人に増える気がしますけどね…(苦笑


弓削・柘榴
【恋華荘】

お主が真田か。噂に違わぬ武士じゃの。

だがすまんがこちらはそうでもないのでな、
一騎打ちには応じられんぞ。

いちご殿、あの剣気さすが真田じゃ。
漢としては思うところもあるかもしれんが、
一騎打ちは耐えてくれんかの。

さて、見知った顔もおるようじゃし……
橋の上へと場所を移したら、
【闇猫】を召喚し【霊符】を構えて、
いちご殿とアビゲイル殿、ヘンリエッタ殿の援護に入るぞ。

闇猫を飛ばし、真田の周囲を視界を塞ぐように飛ばしていくぞ。
攻撃も、死角をつくることを主にいくかの。
みなが攻撃しやすくしたいものじゃ

霊符も、川の水を操って、相手の気を散らそう。
攻撃力的にはあまりないが、目くらましにはなるじゃろ。


アビゲイル・ガードナー
【恋華荘】
猟書家さん、また悪さしてー!

分かるの流石だね雷津さん、でも絶対護るから大丈夫
将来ホントの天女(ヒト)と出会わせてあげたいし♡

『ルラン』覚醒、アビーを包んでっ!
非対称の鎧を纏ったら居合の構え
コレ両刃剣だけどソコは魔力でフォロー♪

でも…
抜こうかなー?止めよかなー?
鯉口をキンキン出し入れ☆

実はコレ【ブリージン・セダクション】用幻術
少しだけ魔剣の鳴る音で五感を鈍らせたら…

焦れる彼の背後に分身2人が出現
でも鈍った感覚じゃ気付き難いよね?
だから3方から同時に居合斬り♪

その後の分身は…
一人は雷津さんへ加勢
もう一人は猟書家さんに相対っ

本物は…あ、イチゴくん達は大丈夫ー?
うん、そっちのフォローするよ♡


ヘンリエッタ・アドミラドール
【恋華荘】
神十郎さん、一戦お付き合い願います
『フレキ』覚醒、ヘンリを包んでっ!

非対称の鎧を纏ったわたしは
イチゴさんの勇姿を気にしつつも
まず最初にやるべき事をやります

それは雷津さん及びイチゴさんへの助力
鎧から出した魔導銃を右手でお二人に抜き撃ち
雷津さんは多分驚かれるかもしれませんが…

直ちに【リボルビング・リインフォース】起動
弾けた聖銀の煌きはお二人の疲労・刀傷を癒やし
その剣術や呪術を益々研ぎ澄ますでしょう
余裕あればアビーや柘榴さんにも撃ちたいですが…

ただ、この魔導銃には別の貌もあります
…紫電の如き速さを黒翼に与える術具
マッハ6以上の衝撃波を乗せ、天より来る聖槍の一閃
神十郎さん、受け切れますか!?



「ぐ、流石に猟兵、侮れぬ……」
 裂けた鎧の胸元、其処に刻まれた傷の痛みを堪え、立ち上がる猟書家、真田神十郎。負傷の程は決して小さくはないが、その眼光には些かの衰えも無い。
「むう、猟書家さんってば。悪さをやめる気無さそうだね」
 その様子に、相対するアビゲイル・ガードナー(ブライトテンペスト・f31470)は唇を尖らせる。
「無論よ。我が主君、クルセイダー殿の悲願果たす為の戦力。かの剣豪の命、何としても貰い受ける」
 立ち上がった神十郎、片手の十字槍を真っ直ぐに突き付ける。その穂先が指すのは、標的たる剣豪、雷津――であったが。
「ならば、その前に。私達と一戦、お付き合い願いましょう」
 その間に割り込むかの如く立つヘンリエッタ・アドミラドール(シャドウライトニング・f31471)。胸元の蒼い宝石に指を這わせて。
「『フレキ』覚醒、ヘンリを包んでっ!」
「『ルラン』覚醒、アビーを包んでっ!」
 声高らかに叫べば、携えた騎槍の穂先が蒼光と化して全身を纏い、右半身を重点的に固めたアシンメトリの軽装鎧へと変じる。
 アビゲイルもまた、ヘンリエッタに呼応するが如く叫び。剣の鞘が変じた碧光を、左半身重点の軽装鎧と化して纏う。
「――これは」
 装いを変えた二人の佇まいに、雷津の口から感嘆の声が漏れる。先程の戦いぶりにも感じた、然しそれ以上の印象。この娘達、まさしく天女の如し――
「ふふ、ありがとっ♪ でも、アビー達には想ってる人がいるから――」
 振り返ったアビゲイル、唇に指を当てながら悪戯っぽく笑みを見せて。
「けれども、私達は。貴方が貴方の天女に出会えるよう、お力添えを致します」
 その言を引き継いで、ヘンリエッタも微笑と共に告げる。
 と、そこに。
「アビーさん、ヘンリさん!」
 聞こえてきた、姉妹を呼ぶ声。呼ばれた二人の表情が、見る間に歓喜と幸福感に彩られてゆく。そう、その声の主こそは。
「イチゴくんっ!」
「イチゴさんっ!」
 先の戦いにおいては別領域で戦っていた、まさに二人の想いの先。彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)である。
「おお、見知った顔がおると思えば。じゃが、イチャイチャは事を仕済ませた後での?」
 然し、いちごと共に現れた弓削・柘榴(月読さんちの猫又さん・f28110)の、何処か愉悦げながらも確りと釘を刺す一言に、慌てて前を向く二人であった。
「さて、お主が真田か。噂に違わぬ武士振りじゃの」
 そして柘榴の視線はその向こう、四人の隙を窺う赤備えの将を見据える。槍を構え、腰を落とし。その命を全てを尽くして務めを果たさんとする様相。成程、それは武士として望まれる在り方の一つと言えたかもしれない。
「だが、我らは武士ではない。一騎打ちには応じぬぞ」
 なれど続く柘榴の言葉を受けても、神十郎の表情に変化は無く。静かに構えるその姿からはただならぬ剣気が溢れ、橋上を席捲する。
「いちご殿、あの剣気。さすがは真田じゃ」
 その様相に、柘榴はいちごへ語りかける。
「漢としては思う処もあるかもしれんが、一騎打ちは堪えてくれんか」
「いえ、元から拘りはありませんがっ」
 しかしいちごの返答を聞けば「本当かの?」と言わんばかりに小首を傾げる。長く生きている身ゆえか、価値観に少々の差異があるのやもしれない。
「ええ。私達四人の全力で、あの猟書家を倒しましょう!」
 そしていちごは、アビゲイルとヘンリエッタの間に歩み入ると共に、その身に宿した邪神の力を解放。腰より生えた狐の尾が、常の一本から五本へと増える。
「……イチゴくん、大丈夫?」
 心配げなアビゲイル。その身に生じた変化の意味、彼女もまた知っているが故に。
「ええ、私なら大丈夫。ただ、いざという時はフォローをお願いしますね」
 同様に心配そうなヘンリエッタと併せ、二人に微笑みかけるいちご。そして視線は改めて猟書家へと。
「よかろう……! いざ、勝負!」
 直後、神十郎が踏み込み三人へと攻め寄せる!

「猫鬼将来、彼奴の眼を塞ぐがよい!」
 跳躍、橋の欄干へと立つ柘榴。戦場を俯瞰しつつ、迫る武士へと霊符を投げる。符は漆黒の黒猫と化し、彼の眼前を飛び回る。
「くっ、ちょこまかと……!」
 視界に制約をかけられ、苛立たしげに唸る神十郎。そこへいちごが迫る。
「たとえ得物が無くっても……!」
 仲間達と異なり、いちごの戦闘手段は徒手空拳である。なれどその両手には、業物に匹敵する切れ味の爪が備わり。何より間合いを詰めてしまえば、長物を持つ神十郎相手には寧ろ優位!
 振るわれた爪が、神十郎の左腕を抉る。痛みに苦悶する赤の武人。反応の遅れは、柘榴の猫鬼による視界阻害ばかりではない。
「ふふーん、抜こうかなー? 止めよかなー?」
 響くは金属の打ち合う音。鞘に収めた長剣の柄に手をかけたアビゲイル、幾度も鯉口を鳴らしては、居合の構えにあることを誇示してみせる。
 これは単なる牽制ではない。彼女の有するユーベルコードの一部、五感の働きを鈍らす効果を齎す幻術の一種。以て、猟書家の回避行動に制約を加えているのだ。
「そこです!」
「ぐ、は……っ!」
 突き出されたいちごの貫手が、神十郎の腹を貫く。咄嗟の回避で心臓は躱したが、それでも相当の傷を与えただろうことは間違いない。
「う、ぐ……、やってくれる……!」
 どうにか腹を貫いた手より離れ、止めの介錯を逃れた神十郎。最早瀕死と言って相違無い状態ではあったが――彼の瞳は、まだ諦めていないことを示すように爛々と光を帯びる。
「――拙い! 奴にはまだ奥の手がある! あの書を落とすのじゃ!」
「え!?」
 その意味に柘榴が気付くが早いか否か。懐より引き出した侵略蔵書――『真田十傑記』を掲げ、真田の棟梁はあらん限り声を張り上げる!
「今こそ集え、真田に忠を捧げし十勇士! 我が務め果たすべく、我に続け!!」
 応えるが如く巻き起こる赤き力の奔流。その中より現れ出たのは。彼と同じく赤備えの鎧を纏い、十字槍と刀を携えた十名の武士。名に聞こえし『真田十勇士』、其と全き同一存在かは定かでなくも、漂わす気迫はその名に相応しきもの。
「えぇ!? ここにきて増援!?」
「こ、こんな力もあったなんて……!」
 そして襲い来る十傑。個々の力量は神十郎には及ばぬが、先の落武者達とは別格。一人が槍を振るい、応じた隙に刀で斬り込む。猟兵達を瞬く間に防戦へと追い込んで。
「く、雷津殿……!」
 三人を突破した十傑の一人が、槍を構え雷津へ突撃。柘榴が符を飛ばすも、彼の踏み込む速度が速い。雷津、せめて初撃は食い止めんと身構えて――

 その時、一発の銃声が轟いた。

「「!?」」
 いちごも、アビゲイルも、柘榴も。そして神十郎も。一様に驚愕の反応を見せる。驚いたのは銃声にか。それとも――繰り出された槍を弾いたばかりか、返す刀で突撃試みた武士を斬り捨ててみせた雷津に対してか。
「――この力……?」
 そして雷津自身も、己の為したその力に驚愕していた。咄嗟の防御姿勢、そして槍を止めた手応え。いずれもが、想定以上の余裕を以て為せた動き。なれば後は、身体に染み付いた動きをなぞるだけだ。槍先を弾き、踏み込み、斬り下ろす。先の落武者達よりも呆気ない、とすら思える手応えと共に、傑士へ致命の傷を与えてみせた。
「――良かった、間に合ってくれましたね」
 涼やかなる声は橋の上空から。黒き光翼広げ宙に浮かぶヘンリエッタ、言葉と共に安堵の表情を浮かべる。その手には、己の纏う鎧の腰に差していた魔導銃。
「やっぱり、ヘンリのソレだったんだね! はあ、一瞬びっくりしちゃったよ」
 双子の姉妹の如きアビゲイルさえも、すぐには思い至らなかったその業。かの銃から放った魔弾が、雷津の身へと着弾し。以てその身の戦闘力を引き上げた――というのが真相であった。
「ええ、未来へ生きる者を祝福する破邪の聖銀。そして、皆さんへも!」
 再び構えられた魔導銃が、立て続けに三発の魔弾を撃ち放ち。三人の猟兵へと着弾すれば。三人の身へと更なる力が漲って。
「ほう、よもやあちきの力をも高められようとはの。なれば」
 柘榴は霊符を抜き出し、橋の下へと投げ放つ。流れる川の水面へと霊符が沈めば。
「悠久の流れ湛えし大河よ、今ひとたび怒りを宿し、不敬なる輩を飲み込み喰らえ!」
 結んだ印と詠唱とが、かの清流に力を与え。霊符を起点に水面が、水流が、大きく隆起すると共に、橋上を目掛け伸び上がる――!
「な……!?」
「うむ、これならば目くらまし程度と謙遜はすまい。荒ぶる龍の顎に喰われ藻屑となれい!」
 その様、比喩でなく龍の如し。嗾けられた水『龍』が、驚愕する傑士へと襲い掛かり。三人を飲み込み喰らい潰した。
「へへっ、ヘンリありがと♪ それじゃーアビーも、カッコいいトコ見せちゃうよっ☆」
 妹の援護を受けたアビゲイル、眼前の勇士二人を見据える。その背後に、アビゲイル本人と寸分違わぬ分身が姿を現し。
「な!? ぬ、おのれ……!!」
 気配を察した勇士ら、なれどあくまで本体は目の前のアビゲイルと判じたか、そのまま同時に槍と刀で彼女を仕留めんと飛び掛かるが。
「ふふっ、ちょーっと刺激の強いドッキリだったかなっ♪」
 跳び退いて距離を取ると共に、勇士二人の背を刃が深く裂く。この分身は幻に非ず、ユーベルコードによって成る形ある分身。故にその刃も殺傷力を有する。以て深手を負った二人は、アビゲイル本体の繰り出した居合で斬って捨てられる。
「ヘンリエッタさん、一気に決めましょう!」
 前を塞ぐ勇士を蹴り倒し、横から斬りかかる者の胸倉を掴んで残り二人へ投げ飛ばし。駆けるいちごは、上空のヘンリエッタへ呼びかける。
「はいっ! イチゴさん、合わせます……!」
 身構える神十郎、せめて最期に一矢報いんとする構え。なれど二人も、当然ここで終わる心算など無い。
「この一撃、耐えられますか……!!」
 ヘンリエッタ、急降下と共に槍を構える。その速度はマッハ6を超え、最早落雷と紛う程。正面からは貫手を構えるいちご。神十郎、迎撃の槍を構えるが。
「これで……終わりです!!」
 いちごを狙って突き出した槍は、疾走の速度さえも殺せぬままに翻身にて躱され。貫手が携えた侵略蔵書を、槍が胸を貫き。伴う衝撃波が、全身をズタズタに引き裂いて。
「ぐ、あぁぁ……っ! ……最早……これまで、か……!!」
 最期に、搾り出すかのような声で敗北を告げ。猟書家、真田神十郎は、その身を今ひとたび骸の海へと還すのであった。



「えへへー、ばっちり勝利だったねっ、イチゴくん♪」
「お役に立てて嬉しいです、イチゴさん♪」
「ふふふ、早速の両手に華じゃのう」
 戦闘後。早速とばかりにアビゲイルとヘンリエッタはそれぞれ左右からいちごに抱き着き。その様を柘榴は面白そうに眺めていた。
「お、お疲れ様です皆さん……って、まだこういうことには早いですよっ」
 いちごの方は、満更ではない様子ながらも、まだ早いと苦笑い。グリモアベースに戻るまでが任務だ。
「――成程、女性の如き容貌なれど、その業は一流の戦士。女子惹き付けるは必定か」
 彼の有様を眺める雷津からも言われてしまい、益々恥ずかしそうないちごであったとか。

「ともあれ。主らには幾ら礼を申しても足り申さぬ。なれど、某は元より、この身と刀以外は何も持たぬ根なし草。この恩義に報う術無き事、申し訳なく思う」
 己の命を助けてくれた猟兵達へ、雷津は頭を下げる。その貌に僅かばかりの悔しさを滲ませながら。
「なればせめて、主らに拾われたこの命、大切に用いるとしよう。そして――」
 いつか、猟兵達の力になれる日が来たら、その時は恩義に報い得るべく。更なる研鑽を積み、剣腕を磨いてゆくと告げて。
 流浪の剣豪は、再び宛無き旅路へと発つのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年03月23日
宿敵 『真田神十郎』 を撃破!


挿絵イラスト