5
春告の森~KAFUN show!!

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #チーフメイド・アレキサンドライト #エルフ #花粉症 #ID_ピンチン

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
🔒
#チーフメイド・アレキサンドライト
🔒
#エルフ
#花粉症
#ID_ピンチン


0




 初春の温かな陽光を焦がすように、恨みの炎は赤く高々と燃える。
 この森は……そう、この木々だけは……徹底して焼き払わねばならない!!

 スギ、ヒノキ、シラカバ、ハンノキ……。
 ある意味そうそうたる陣容から放たれる、春告の花香。

 深紅のドレスをひるがえし、薔薇のように火照った顔で睨みつけながら。
 大火を映す瞳から、滂沱の涙を流しながら。
 魔女の憎悪の炎は、全てを灰と化すまで止まらない。


「つまり、とっても花粉症な魔女さんなんですわ! お気の毒に」
 とあるエルフの森を投影した風景の前でグリモア猟兵、納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)がバッサリと言い放つ。オブリビオンになっても、その病から逃げらなかった御仁、とのことだ。
「アックス&ウィザーズにて、燃えない聖なる木"世界樹イルミンスール"の株分けを探そうと、大規模な焼き討ちが仕掛けられました。このままじゃ住民エルフさん達まで殺されて配下にされてしまいますわ! 助けに行きましょ!」

 針葉樹と落葉樹が乱立する、魔力に満ちた迷いの森。
 エルフ達は木々の間に橋や小屋をかけて樹上を自由に駆け回り、集落の場所はようとして知れない。

「先陣部隊は『アルラウネ』という幼児の姿をした植物モンスターですわ。主にエルフさん達を狙っていて、狂気の叫び声で足止めしたところを、装備した小型の砲台アームドフォートで仕留めにかかっているようですわ」
 エルフ達は地の利と正確な弓矢の腕で以って対抗しているが、威力は猟兵に劣る。
 敵の数が多く、後ろに強力なオブリビオンがいるとなれば、全滅は時間の問題だろう。
「なので、ここは協力をおススメしますわ! 住民エルフさんは迷いの森の影響を受けないので、案内してもらえば、敵が迷っている隙に先手が取れるんですわ!」
 素早く倒せば、森の被害も最小限で済む。
 またエルフは神秘的な事柄への順応力も高い。突然現れた猟兵が助太刀を申し出ても、迅速に状況を理解し受け入れてくれるだろう。

「焼き討ちを阻止したら、火元の中心にいる指揮官『紅炎の姫』のところへ向かって下さいまし。この森と相性最悪にして、その心情から最高火力で戦っちゃう花粉症オブリビオンなんですわ」

 許 す ま じ 花 粉 ど も !!

 全世界の花粉症の原因がこの森のわけないので、八つ当たりもいいところである。
「全てを灰にするという鉄の意志のもと全力で向かってくるから、大分手強いことになってますわ。――なので! 今回はそれを利用しちゃいましょう! 身ひとつで花粉地帯に放り出された魔女さんに対して、こちらは対花粉の完全防備をアピールするんですわ!」
 花粉を通さないマスクの他、目を守るゴーグル、服に付けないツルツル素材のコート、洗眼薬や処方された薬など。無防備の魔女がくやしがって欲するほど、己の対花粉対策をこれでもかと売り込んで隙を作る、という戦法だ。
 ……なに? そうするとまるで不審者みたいな格好になる? その点は御安心を。
「エルフさんは"神秘的な事柄への順応力が め っ ち ゃ 高 い"ですから!」
 違和感を与えぬ世界加護と、エルフ達の器のデカさを信じ、存分にもってくるのだ!!

「アックス&ウィザーズって、まだちょっと秘密がありそうな世界ですから。"聖なる木"がある"エルフの森"と協力関係を築いておくのは、損のない話だと思いませんか? ――というわけでいっちょ、よろしくお願いしますわ!」

 空中にテレポートゲートを出現させたシーツおばけが、景気よく猟兵達を送り出す。
 あるものは、ちょっぴり敵に同情しつつ。
 またあるものは、その危険な空気が吹き込んでくる入り口を即刻閉めさせる為に。

 それぞれの思いを抱え、春の森へ一歩を踏み出す。


小風
 小風(こかぜ)です。
 28作目はアックス&ウィザーズにてエルフの森攻防戦です。
 よろしくお願いします。
=============================
 プレイングボーナス_01(全章共通)……エルフ達と協力し、共に戦う。
 プレイングボーナス_02(全章共通)……花粉対策をする。
=============================
 また、プレイング期間を設けています。送信の際はMSページも御確認下さい。
44




第1章 集団戦 『アルラウネ』

POW   :    ルナティック・クライ
【聞く者を狂わせるおぞましい叫び声 】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    スクリーミング・レギオン
レベル×5体の、小型の戦闘用【マンドレイク(アルラウネの幼生) 】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    リパルシブ・シャウト
対象のユーベルコードに対し【それを吹き飛ばす程の大音声 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
得意なのはサポートで、NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能

接近戦で戦う場合は鎖鎌の【薙ぎ払い】と鎖分銅の【ロープワーク】による【2回攻撃】がメイン。
遠距離戦では宇宙バイク内臓のビーム砲で【薙ぎ払い】
その他状況によって【属性攻撃】や【破魔】等使用。

猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
また、無力なNPCが大人数いる場所での戦闘も彼らを【仮面憑きの舞闘会】で強化して戦わせつつ身を守らせることも可能。



「ウェーイ、チャラにちわ~っすよ」
 のらりくらり。戦場に似合わぬ調子で木の上を走るエルフに挨拶する青年は、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)。
 とんがりお耳に金色の髪、華奢な少女の視線がこちらに向いたのを確認。すかさず前方に鎖鎌を伸ばして振るうと、彼方の『アルラウネ』一体を拘束。即座にエルフ娘が急所を的確に撃ち抜けば――味方の証明、完了。少女が周囲を警戒しながら地面へ降りて来た。

「正義のヒーローの登場っすよ~。いや~お嬢ちゃん、すごい弓矢の腕前っすね」
「ありがとうございます。あなたもとてもつよいのですね。……?」
 青年を見上げながら話すエルフ少女が、ふと首を傾げる。確かに会話しているのはこの人だけのはずなのに、なぜかもう一つ視線を感じるのだ。彼の目より上の、少しずれた位置。そう丁度、横にずらして着けている狐面のあたりから――。
「その腕を見込んで、ひとつ作戦があるんっすよ。……とりあえず、木の上に登らせてもらっていいっすかね」
 青年と狐が、同じ顔で笑った気がした。

『キュイーーーィィィィ!!』
『ピヤァアーーーァァァ!!』
 絹を裂くような異形の叫び声。次いで響く異世界の砲弾の音。人型マンドラゴラとも形容できる、アルラウネによるエルフ狩りだ。
 木々の合間を駆ける森の民。その姿を見つけ次第、凄まじい叫び声で足取りを狂わせ、アームドフォートで撃ち落としてしまおうという寸法なのだろう。
 エルフは迷いの森の加護で姿をくらますが、叫び声は否応なしに届く。
 おぼつかない歩みの仲間を支え、声の届き難い森の奥へ、密集する枝葉の中へ。
 反撃はするものの、その攻撃範囲の広さには手を焼いているようだった。

 植物によく似た外見のアルラウネ。
 いま、焦りからかその姿を見落としたのか、一人のエルフが近付いて来るのを見やり、とても嬉しそうな表情を浮かべる。口元に手を添え、いっぱいに息を吸って、準備万端。
『ピヤァッ――!!?』
 そして事切れる。
 鋭い矢の一撃を、正面から受けて。

 ――さ、今は無敵のヒーロータイムっす。好きに暴れるといいっすよ。
 狐面と青年はそう言ったのだ。
 いまは喋らないけれど。

 金髪は藍色に染まり、白狐の面を掛け、オレンジ色になった目を開く、エルフの少女。
 ユーベルコード・跳梁白狐(チョウリョウビャッコ)により、猟兵の身体能力と無敵の防御力を得た、"リカルド"に会ったあの少女だ。
 この森において最強戦士はエルフ。ならばサポートを得意とする自分こそが協力に回ると、ヒーローマスクの装着者となってもらったようだ。

 同胞の異常を察知し集まるアルラウネが、少女に向かって一斉に狂気の叫びを飛ばす。
 しかし足を止めるには至らない。
 主導権も彼女にある今、迷いの森は完全に味方だ。

 木々に紛れればその姿を追うことは叶わず。
 持ち出した強弓は軽くオモチャのように弦を引かれ。強烈な矢はまとめて数体のアルラウネの頭を射抜いていった。

 白地に紅の引かれたヒーロースーツを一切汚すこともなく、狐面のエルフ少女は最高にカッコよく勧善懲悪を遂行する。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニャルラッハ・ロードブラウ
初めての世界は心躍るすね~って、花粉?
んー……森にいてもなんともないから俺様大丈夫みたいっす! セーフ!

おやや、エルフさんを襲ってるのは珍しそうな植物さんっすね。
しかも、物騒な武器持ってるじゃないっすか。
ここは【デビルズ・ディール】! アルラウネの呼んだマンドレイクたちに角を生やして、パワーアップっす!

あ、エルフさんたち、そんな怖い顔して。
「猟兵なのに裏切った」っすか?
まっ、見ててくださいよ、ショウタイムはここからっすから!

ってわけで、角を生やしたマンドレイクたちを操って、頭同士をごっつんこさせるっす。
今っすよ、エルフの皆さん! 混乱してるマンドレイクとアルラウネなら、矢、撃ち放題っす!



「初めての世界は心躍るすね~って、花粉?」
 スン、と周囲の空気を嗅いでみるのは、ニャルラッハ・ロードブラウ(散歩する魔王見習い・f31757)。鼻腔を刺激するはまだ遠く、木の焦げる匂いばかりであるが。
「んー……森にいてもなんともないから俺様大丈夫みたいっす! セーフ!」
 風邪のようになる気配はなく、一安心だ。
 グリモアベースでざっと聞いた話によると、体内の対花粉抗体が各個人の許容量を超えた際に、涙や鼻水といった症状が出てしまうそうだ。……そういえばこの森にずっと住んでいるエルフ達は大丈夫なのかと隣を見れば。
「ハイ、私達を守る大切な木々ですから!」
 にこやかにハキハキと、エルフの青年は答えた。どうやらそちらの器も大変大きい者達のようであった。

 ニャルラッハと青年が急ぐのは、救援の合図を送ってきた近くのエルフ部隊のもとだ。
 仲間を見つけ指差す方向を見れば、『アルラウネ』本体を守るように無数のジャガイモのような配下"マンドレイク"が跳び回って邪魔をしている。叫び声を警戒して弓矢が得物のエルフ達。これでは攻撃が届かない。

「おやや、エルフさんを襲ってるのは珍しそうな植物さんっすね。しかも、物騒な武器持ってるじゃないっすか」
 この世界には似つかわしくないメカメカしいアームドフォートをぶっ放すアルラウネを興味津々と見つめるニャルラッハ。
 部隊エルフが大丈夫なのかと不安そうな表情を向ければ、おまかせ! と破顔する。
「ここは【デビルズ・ディール】! アルラウネの呼んだマンドレイクたちに角を生やして、パワーアップっす!」
 周りを駆ける幼生の頭部に、突然にょっきり立派な角が生えてきた!
 いかにも重たそうな見た目だが、なんだか跳躍力までアップして、エルフの放った矢まで弾き返し始めたぞ!!

 キリリ……。

 静かに弦を引き絞る音が、一斉に響く。
 鋭く冷たい矢尻が狙い定めるは、マンドレイクでもアルラウネでもなく一人の猟兵だ。

 ニャルラッハ は かこまれて しまった!

「まっ、見ててくださいよ、ショウタイムはここからっすから!」
 木々の影から、草の陰から、裏切者を始末せんと凄まじい形相で睨むエルフ達。射られればひとたまりもないと懸命に弁解する角の悪魔が、高く掲げた指を軽やかに鳴らす。

『マンッ!』『ドッ!?』『レイクッ!!?』

 アリさんとアリさんがごっつんこ! にしては珍妙な鳴き声を上げながら、マンドレイクたちが突然お互いに、消滅してしまうほどの勢いで頭突きをし始めた!
 アルラウネを守るの何重もの強固な壁として立ちはだかっていた彼らが、一瞬で全ていなくなってしまった。

 これこそがニャルラッハの真の狙い。
 角を生やした頭部は強化と同時に、悪魔の意のままに操られてしまうのだ。

「今っすよ、エルフの皆さん! 混乱してるマンドレイクとアルラウネなら、矢、撃ち放題っす!」

 狙い直された矢が勢いよく一斉に放たる。
 あわれアルラウネは、一瞬でハリネズミと化した。

 ちょっとだけぞっとした、ニャルラッハであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ジャンブルジョルト
やれやれ。鼻がちょこっとぐじゅぐじゅする程度のことで大騒ぎすんなっての。(花粉症未経験なので辛さを知らない)
魔女挑発用の花粉対策装備は用意してきたけど、それを使うのは後回し。対アルラウネ戦はスッピンで臨むぜ。

ツィターでUCの楽曲をかき鳴らし、他の猟兵やエルフを援護するぜ。
敵が大音声でくるなら、こっちも音量マシマシで逆にかき消してやらあ。
エルフの射手たちに頼んで、攻撃の際には弓弦をリズミカルに鳴らしてもらおうか。弓弦の音に合わせて楽曲にアレンジを加え、演奏を常に変化させるぜ。UCを事前に見て(聞いて?)いれば成功率が上がるらしいから、その対策ってわけよ。


※煮るな焼くなとご自由に扱ってください



「やれやれ。鼻がちょこっとぐじゅぐじゅする程度のことで大騒ぎすんなっての」
 つやつや銀色の毛並みを輝かせながら森を行くのはジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)。
 目鼻を取り外して丸洗いしたい、などと形容される花粉症とは今まで無縁だったようだ。辛さを知らないながら用意した対策グッズは後の活躍、今は荷物として揺れている。

 迷いの森を進む先で遭遇したのは、同じ道を辿りエルフと戦闘真っ只中のアルラウネ。
 仕留めるに至らない矢が放たれた方向へ、別の一体が砲撃。躱した射手が姿を現したところをまた別の個体が追撃。エルフ側はなかなか人数が集まらないようで、逃げ回りながらの劣勢にあると見て取れた。

「これは捨て置けないな。――よっと」
 戦場の端に気ままに腰を下ろし、目の前に置くのは彼の武器、名琴〈猫の爪研ぎ〉。5本のメロディー弦に30本の伴奏弦が張られた、つまりは楽器だ。
 エルフの弓矢とは異なる役割を持つ弦が、いま同じ目的の為に奏でられる。

『!!?』
 知らぬ音色に突然爆ぜる体。倒れゆく同胞の逆方向へ振り向けば、服を着た猫がドヤ顔で板に爪を掻いていた。
 ユーベルコード・JAZZY JUNKET(ジャジー・ジャンケット)の開演だ。
「これが本当の音楽ってもんだ」
『ミニャアァァーーーー!!!』
 演奏を止めようと叫ぶアルラウネの声に、打って変わって今度は優しい旋律をぶつけるジャスパー。癒しの演奏は狂気を退け、木々に隠れるエルフの耳に届き傷を回復する。

「エルフの射手たち、弓弦の音色を頼むぜ」
「は、はい!」
 二つの異なる効果を持つユーベルコードを、曲調にアレンジを加えガラリと変えることで惑わし相殺を防ぐジャスパー。
 なんとか戦況を持ち直し演奏に耳を傾けるエルフ達も、次第にその編曲に自分達の弓矢のリズムが組み込まれていることに気付く。敵の叫びに負けぬ音色が届き、増援も集まってきた。余裕の出て来たエルフは矢をつがえずに鳴弦を織り交ぜる。弓の大きさによって異なる音色。ある者はもっと大きな音を出そうと近くの枝葉を弾き新たな音を出す。

 アルラウネにとってはフェイントを混ぜた不可解な射出の音、ジャスパーにとっては共に演奏する仲間のメロディーだ。

 やがて変わり種な弦楽合奏はフィナーレを迎え、木々の合間からは高らかな拍手が響き渡った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生

正義感が強く困っている人は見過ごせない

UCは業火の一撃や灼熱の束縛を中心に使用
攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる

逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター

みんな大丈夫?助けにきたよ!

そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!

技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態

アドリブ絡み歓迎

サクラミラージュの影朧などの場合は説得もしたい


ナイツ・ディン(サポート)
「蹴散らしてやるぜ!」
ナイツは「」、一人称俺、冷静でありつつ好奇心旺盛
ディロ(竜槍/紅竜)は『』、一人称我、不遜な暴れん坊
ローア(竜槍/蒼竜)も『』、一人称私、丁寧な保護者

槍を担いでダッシュで寄って薙ぎ払い、見切りや第六感を駆使して盾受けでダメージを避ける。
目立たないを併用し、ダッシュ、敵を盾にするを使って撹乱もしていく。
小さいから埋もれるとやばいからな。基本的には高めに飛んで戦っていこう。
UCは適宜使っていくぞ。
「小さいからって舐めてると痛い目見るぞ?俺は強いからな。」
援護よりも押せ押せ、アタッカー気質。変身系UCを使った場合は激痛耐性、火炎耐性、、氷結耐性でゴリ押すことも多い。



「みんな大丈夫? 助けにきたよ!」
 出会ったエルフと共に森を駆け抜け、人型植物『アルラウネ』との交戦場に現れたのは百地・モユル(ももも・f03218)。
 戦況はエルフと猟兵の陣営が制しつつある。しかし森は広く、油断は禁物。隠れ潜まれる前に、見つけた相手は一体でも確実に倒さなければ。
 すぐさまエレメントガントレットに、得意の炎の魔法をまとわせるモユル。
 しかしふと不安になる。焼き討ちを阻止しに来た自分が、更に炎を使ってしまって大丈夫だろうか……。

「かまわない、存分にやれ。……というか、よろしく頼む」
 サイボーグの少年の肩に乗り、励ましの言葉をかける男はナイツ・ディン(竜呼びの針・f00509)。続いて到着した猟兵の一人だ。
 手にしたフェアリーサイズの竜槍・ディロからは、同じく炎の力を感じる。どうやら同系統の使い手のようだが、最後の何やら含みのある言い方が気になる。

「森を少し見て回ったが、アルラウネはこいつらで最後らしい。蹴散らしてやろうぜ!」
「! それなら気合を入れて――ボクらの炎で焼き払ってやる!」
 小さな猟兵二人が、熱風をまとって飛び出す!

 アルラウネが相殺できるのは、事前に見たユーベルコードのみ。
 ならば、必殺の一撃で全てを焼き払えばいい。

 アームドフォートの砲撃の中を潜り抜け、散らばり広がろうとするモンスターを炎で押し返し、一カ所に集めてゆくモユル。
 狙いはナイツも同じか。広がる炎の海の上空より高速で穿たれる紅の槍。根の足をばたつかせ逃げ惑うそれらを、揺らめきドラゴンの姿へと変じた槍が更に追い込んでゆく。
 目的を察したエルフも遠距離から弓矢で援護し始める。猟兵の攻撃を受け弱ったオブリビオンならば、彼らの力で仕留めることができた。

「ボクに触れたら、火傷どころじゃすまないぜ!」
 アルラウネが十分に集まったのを見て、先に動いたのはモユルだ。
 ガントレットの宝玉が輝き、振り払う両掌から放たれるは、白く眩しい灼熱の炎。

 ユーベルコード・灼熱の束縛(ヒートディテイン)。
 それは意思持つように周囲の赤い炎を巻き込むと、業火の竜巻へと成長する。
 両腕をクロスさせると同時に、合わさった巨大な火柱がオブリビオンを焼き尽くした。

『キュイ!』『ピャア!!』『ニャア!!!』

 甲高い悲鳴と共に、なんと火だるま達の中からアルラウネが飛び出してきた!
 どうやら密集した同胞を盾に炎と拘束の術より、命からがら逃れたらしい。
 気付くが技を止めるわけにもいかないモユルの横を、焼けた肌の妖精が飛翔する。

「妖精を敵にまわすと痛い目見るぜ?」
 ナイツが構える得物は先程とは別の、蒼く冷たい竜槍・ローア。
 纏う冷気はまるで、くねり波打ち雨雲を呼ぶ龍のよう。

 刹那、森の視界が白く塗り潰される。

 ユーベルコード・妖精の秘術(フェアリーサークル)。
 エルフの森は瞬時に氷の嵐に包まれ、灼熱から一転、極寒の世界へ。
 突然の天災の中心にいたアルラウネは、豪雪に足を捕られ埋もれ、凍り砕けていった。

「というわけだ、よろしく頼むぜ」
「えっ、――あぁ!! はいっ!!」

 強力ながら暴走しやすいナイツの必殺技。
 エルフの森を焼くどころか氷漬けにしようとするそれに、必死に自分のユーベルコードをぶつけるモユル。

 炎と氷が混ざって踊り合い、辺り一面は分厚い蒸気に覆われ先が見えぬほど。
 まるで春の早朝、雲海の中のような光景だ。

 即行で避難していたエルフ達が恐る恐る戻った頃。
 二人の猟兵を囲む森は、青くみずみずしく輝いていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『紅炎の姫』

POW   :    降り注げ神罰の火矢(サモン・ザ・パニシュメント)
【天から降り注ぐ炎の雨】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    往け紅炎の下僕たち(プロミネンス・サーヴァンツ)
【竜蛇の姿をした紅炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【「炎冠石を含む装備アイテム」×3本の紅】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    来たれ地獄を走る赤(コール・ザ・インフェルノ)
【地の底】から【噴き上がる巨大な火柱】を放ち、【粘性の強い溶岩】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠田抜・ユウナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニャルラッハ・ロードブラウ
ほらほら、俺様のマスクは良いマスク。
花粉なんて一粒も通さない、超・優れものなんすよ。
今日はそれを金貨100枚でお譲りしちゃおうって話っす! 今なら同じものをもう1つお付けして……って、火矢が飛んで来たっす!
まっ、ホントは、テキトーに見つけて来た安物なんすけどね~

炎には炎! おいでませ【炎の魔王軍】!
……ん? エルフさん、ビビってるっす!?
いや、こいつらは味方っす。むやみに森を焼いたりしない、気のいい奴等なんすよ~(流石にちょっと慌てるニャルラッハ)

ほら、こいつらを盾に使えば、敵の火の矢も効かないっす! 何なら皆さんの矢も炎でパワーアップ!
さあ、燃やされる前に燃やすっす! ふぁいやー!



 彼女にとって、その大気全てが毒であった。

 かつては勇者一行の一員、魔石使いの魔女であったその身も。
 死して蘇りを幾度となく繰り返せば、季節が移り変わることなど意識もしなくなった。

 しかし、思い出した。嫌いだったのだ。
 この季節が。この樹齢を迎えた木々の花が。

 ……確かに私こそが、この森を焼くには適任であろう。

 だが! しかし!!

『花粉症に見舞われることまでは了承してないわ!!!!!』

 唯一の所持品・炎冠石のロッドを振るい、『紅炎の姫』の炎が新たな木々を焼く。
 配下アルラウネによる放火は消して来たが、ボスの周りはいまだ激しい。
 魔女の手足と見紛う幾重もの炎が、全てを炭と化さんと伸びてゆく。


「――炎には炎! おいでませ【炎の魔王軍】!」
 新たな火の手が上がる音と共に、魔女の築いた炎の城壁の一部が崩され開かれる。
 同じ属性を持つ召喚モンスターの攻撃により炎を上書きし操らせた、ニャルラッハ・ロードブラウ(散歩する魔王見習い・f31757)の仕業である。

「……ん? エルフさん、ビビってるっす!? いや、こいつらは味方っす。むやみに森を焼いたりしない、気のいい奴等なんすよ~」
 後方に控えるエルフの部隊に向けて、大仰な身振りでお道化てみせるニャルラッハ。
 さすがにまた弓矢を向けられるのは、勘弁願いたかった。

 くるりと、今度は魔女に向き直り。
 パチンとゴムを弾いて示すは、いつの間にか装着した、真っ新な下ろし立てのマスク。
「さてさてコチラ、俺様のマスクは良いマスク。花粉なんて一粒も通さない、超・優れものなんすよ」
 通販番組もかくやとばかりの、歯切れの良い喋りで紹介し始めたニャルラッハ。
 間合いは遠いが、それでも注目させようと、軽快なステップと共に振舞う。

「今日はそれを金貨100枚でお譲りしちゃおうって話っす! 今なら同じものをもう1つお付けします!」
 ピシッと、踊りと謳い文句を閉めるニャルラッハ。
 なお、金貨は一枚一万円ほど。
 ひどいぼったくり価格である。

 刹那、天へと伸びる炎は凝縮し、火矢の雨あられとなって降り注ぐ。

『この詐欺師!! おまけを付けるならティッシュでしょ!!? 鼻に詰めた一枚で最後だったんだから!!』
 まさかの文句はそっちであった。
 だから予知でも鼻水だけ出てなかったんですね。

 主に自分を狙っていると思われる火矢をちょこまかと避けつつ、召喚モンスターに攻撃を命じ、その炎さえも無効化してみせるニャルラッハ。

「ほら、こいつらを盾に使えば、敵の火の矢も効かないっす! 何なら皆さんの矢も炎でパワーアップ! さあ、燃やされる前に燃やすっす! ふぁいやー!」

 魔女が花粉を恨むように、こちらだって森を燃やされてたまったもんじゃないんだ。

 ひときわ力強いエルフ達の弓矢が、炎の雨を切る雷のように奔り魔女を貫く。

 炎よりも冷ややかな、紅の花が咲き誇った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。



「アタシの力が入用かい?」
 開かれた炎の入り口を"宇宙カブJD-1725"で爆走して突っ込んできたのは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)
 助太刀に来た猟兵の一人だ。

『いらないわよ!! なんなら走り回らないで! 花粉が舞い上がる!!!』
 真っ先に返事をしたのは仲間の猟兵ではなく、この事件の首謀・花粉症な『紅炎の姫』
 ただでさえ乾燥しているのにとぶつくさ言いながら、エルフより放たれた矢を抜き取っている。
 なお、空気や地面を乾燥させ舞い上がり易くしているのは間違いなく、当人の炎の所為である。

「ふ~ん、でも花粉だって嫌がらせしたくてあるわけじゃないだろ? もうあの猟書家だって居ないんだ。――帰ろう。あなたにこの森の担当は似合わない」
『…………それもいいけれど……いいえ、私はここに残るわ。"奴ら"に思いっきり仕返しができるなんて、今生でしか味わえないもの』
 繰り返す過去に捕らわれ滅亡に導く者。それがオブリビオン。
 魔女の説得を試みるのも、この森では相性が悪そうだ。
「――――」
 思うところがあるのか、多喜は相手が動くまでその場を退かなかった。

『とっても邪魔な子……真っ赤な岩になってしまいなさい』
 血の滲んだ真っ赤なドレスの宝石が輝くと同時に、地面から吹き上がるはマグマを含んだ熱く重たい火柱。
 熱い飛沫は焼き付き重なり、多喜を森の岩場に塗り込めんと降りかかる。

「――迷彩機能、オン」
 宇宙カブのアクセルを全開にすると同時に、サイキックライダーの姿が消える。
 ユーベルコード・陽炎迷彩(ミラージュビジョン)
 物音は消せない技であるが、火口のように地が轟くこの場では気にするほどではない。

 狙いが付けられなくなった魔女が手あたり次第に火柱を上げ攻撃するが、宇宙すら走る機体とスターライダーの腕の前では障害にならなかった。

 もともとあったのであろう、溶岩とは色の違う岩に乗り上げ即席のジャンプ台にすると、宇宙カブは重力下を大きく飛び上がった。

「別の世界ではな、鼻の内側をちょいと焼く治療もあるんだそうだ。忘れないように、今回は体で覚えてきな!」

 頭上から降るそれは電撃の落雷。
 マヒにより痺れ動けぬ魔女の前を、多喜は走り去って行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

緋月・透乃(サポート)
『今日も元気に食べて楽しく戦おうね!』
 人間で22歳の女性です。
いつも元気で、強敵との戦闘、食べる、スリルを味わうことを好みます。

基本的に自分の楽しみのために行動し、敵味方問わず他人の心情等には配慮しません。
 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用します。
戦闘では真っ正面からの突撃を好み、負傷は気合いで耐えれば良いと考えています。
戦闘以外のことも大体気合いと力でなんとかしようとします。
脳筋です。

武器は主に『重戦斧【緋月】』を使用しますが、他の武器の方が有効そうならそちらを使用することもあります。

クロムキャバリアでも生身で戦います。

不明な点はおまかせします。よろしくお願いします。


スピレイル・ナトゥア(サポート)
精霊を信仰する部族の巫女姫です
好奇心旺盛な性格で、世界をオブリビオンのいない平和な状態に戻して、楽しく旅をするために戦っています
自分の生命を危険に晒してでも、被害者の方々の生命を救おうとします
技能は【第六感】と【援護射撃】と【オーラ防御】を主に使用します
精霊印の突撃銃を武器に、弾幕を張ったり、味方を援護したりする専用スタイルです(前衛はみなさんに任せました!)
情報収集や交渉のときには、自前の猫耳をふりふり揺らして【誘惑】を
接近戦の場合は精霊の護身用ナイフで【捨て身の一撃】を繰り出します
マスター様ごとの描写の違いを楽しみにしている改造巫女服娘なので、ぜひサポート参加させてくださると嬉しいです!



「痛ましい……木の精霊も、炎の精霊も、泣いています」
 精霊信仰の姫巫女を務めるスピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)が、不思議な色合いの目を悲し気に細めて呟く。
 辺りは猟書家の意思継ぐオブリビオンによって焼かれてゆくエルフの森。
 本来の姿ならば精霊術士の彼女には、もっと楽しい様々なものが視えていたのだろう。

「こんなに焼くだけ焼いて料理の一つも作っていないなんて!? 勿体ないよ!!」
 そう驚きの声を上げるのは食べるの大好き緋月・透乃(もぐもぐ好戦娘・f02760)
 炎と料理の香りは共にあるはずなのに、といったところだろうか。
 食べ物が無い。ならば、求めるはここまで森を焼いた強敵との戦いだ。

 それぞれの思いを胸に、炎の渦巻く只中へ飛び込んだ。

 陽炎の向こうに立つは炎の魔女『紅炎の姫』
 炎に照らされた顔はなお赤く、跡すら乾かないほど止めどなく涙の溢れる眼。
 幾度の戦闘を越えて更に赤黒く染まるドレスは、華やかにして重厚。

『……この森はね、無くなるべきなのよ。貴方達には分からないだろうけれど』
 夕刻のように染まる空。
 それが全て魔女の作り出した炎であるほどに、その恨みは深いのだ。

 周囲の炎は全て魔女のもの。
 宿る精霊は見当たらない。
 ならば、召喚する。

 ユーベルコード炎の精霊は護るを編み、炎雨を打ち消してもらおうとするスピレイル。
 精霊が来るには十分な猶予をもって呼び出したはずだが……来ない。
 ぐんぐん迫る赤い雨。
 ……まさか、魔女の力で阻害されている!?
 鼻先まで迫った炎から顔を背け身を低くし、次の手を打とうとナイフを手にしたところ。スピレイルを乱れ撃とうとしたそれらが、傘に跳ねる雨粒のように弾かれていった。
 顔を上げれば彼女の声に応えた、小さな精霊がくすくすと笑っていた。そう、彼らはいつだって気まぐれな、いたずらっ子なのだ。

「……驚かせないでください!」
 ほんの少しの怒りと、あとは全部嬉しさ。
 馴染みの頼もしい精霊と共にあれば、激しい憎悪の籠る魔女の炎も全く怖くなかった。
「透乃さん! 私が炎とオーラ防御で傘を作ります! 行って下さい!」

「おまかせ! 楽しく戦わなくちゃね!」
 火の雨を気合で避けようと、時に肌を焦がしながらステップを踏んでいた透乃が、焦げ付く地面の上を力いっぱい駆け抜ける。
 赤く眩しく揺らめいていた視界は、今や良好。
 これならば、本当に全力の一撃が出せる。
 バーバリアンの踏み込みは深く、しかし重量など無いかのように速い。
 手にした重戦斧【緋月】の振りかぶりさえ、魔女の振り向きより早い。

「ズバッと一発真っ二つ!菲刃滅墜衝!!」
 放つは必殺ユーベルコード菲刃滅墜衝(ヒジンメッツイショウ)
 怪力と気合、つまり力任せの叩き斬りを超常にまで磨き上げた大技だ。

 炎も魔法も真っ二つ!
 空と地面が裂けるほどの斧風は、魔女を赤い木の葉のように切り飛ばしていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジャスパー・ジャンブルジョルト
これを使う時が来たようだな……装着!(猫の着ぐるみの頭部パーツをがぼっと被る)

どうよ、この完璧な対花粉装備? ダンディーな俺がかわいい着ぐるみを被るというギャップが堪らんだろう?(ギャップ皆無)
と、自慢や挑発をして敵の注意を引くぜ。火柱は頑張って避けるが、命中して動けなくなっても問題なし。なぜなら、俺は囮だから。
敵の意識が俺に向いてる間に……行け、空戦チーム! ドリルで攻撃するついでにプロペラで花粉を更に拡散してやんな。

見てたか、エルフたち。俺のカッコいい戦い振りをよぉ。(着ぐるみを脱いでウインク)
……ん? 目、痒っ!? 痒ぅーっ!? ふみゃあぁぁぁーっ!(初めて知る花粉症の脅威)



「これを使う時が来たようだな……装着!」
 先の戦いでは荷物の一つであったそれを取り出し掲げると、掛け声とともに装備するはジャスパー・ジャンブルジョルト(JJ・f08532)。
 逆光の炎に照らされシルエットしか見えなかったその姿が、お披露目だとばかりに一歩ずつ近付くほどにあらわになってくる。
 そこに立っていたのは――。

「どうよ、この完璧な対花粉装備?」
 自慢の銀色毛並みをなびかせて、琥珀色の瞳をくるりと輝かせたキメ顔のケットシー!
 えっ、何? 宣言した"対花粉装備"は一体どこにと目を凝らせば……。

「ダンディーな俺がかわいい着ぐるみを被るというギャップが堪らんだろう?」
 お分かりいただけただろうか。
 くるくるとその場で回り、全身を見せるその姿。
 声の抑揚のわりにその表情が、先ほどから全く変わらないことに。

 それは精巧に作られた"猫の着ぐるみ"の頭部パーツ!
 行き届いた手入れが光る、銀色つやつや毛並みを完全再現!
 愛らしさと凛々しさを兼ね備える、琥珀をはめ込んだかのようなキャッツアイ!

 つまり、見た目がほとんど変わってない!!
 ギャップとはいったいどこのことを指しているのだろうか。

『フルフェイス! その手があったのね!?』
 目から鱗といった様子で感嘆の声を上げのは『紅炎の姫』
 感動で顔を真っ赤にしながら泣いているのではない。
 ひどい花粉症で涙が止まらなく、切実に何でもいいからマスクを欲しているのだ。

 まじょへの こうかは ばつぐんだ!

 ……あまりにも泣きすぎて、感性がちょっと可笑しくなった感は否定できないが。

 もう何度も涙を拭ってべしょべしょになった長手袋で目元を抑え、魔女は艶やかな両目とロッドの炎冠石を光らせる。

『でもそのサイズじゃ、奪っても私には使えないわ。羨ましいから……こうしてあげる』
 ジャスパーの足元に宝石と同じ色が現れ、噴き出すは高温のマグマを含んだ火柱。
 着ぐるみの死角を狙った、全く容赦のない攻撃だ。
 どろりと張り付き捕らえようと降り注ぐは、超高熱の重たい溶岩だ。

 白熱して飛び出すものは勿論、完全に冷え切る前のそれや、頭上から降り注ぐそれ。
 上下から有無を言わさず襲い掛かるそれを機敏に、時に紙一重スレスレで必死に避けるジャスパー。
 せっかくの着ぐるみは大分焦げ付いたが、頭部を守るのには大いに役立った。

『調子に乗り過ぎたんじゃないかしら? 反撃がお留守よ?』
「……問題なし。なぜなら、俺は囮だから」

 ――行け、空戦チーム!
 視線の変わらないジャスパーの頭部がそう号令すれば、マグマをもろともせずに空より飛んでくる…………何か。
 尻尾に二重のプロペラを持ち、頭部にドリルを生やした滅茶苦茶な見た目のネズミの大群だと気付いたのは、それらが魔女の身体を貫いた後だった。

 ユーベルコード・JIGGING JACULUS(ジギング・ジャクルス)

 着ぐるみ頭部のジャスパーに気を取られて反応が遅れた魔女を、イエネズミの群れが貪るように集まり穿ってゆく。
 飛び跳ねるように踊って歌うネズミのダンスミュージックが演奏を終えれば。
 舞台は綺麗に掃除され、森を焼くライトも、徐々に明かりを落としていった。

「見てたか、エルフたち。俺のカッコいい戦い振りをよぉ」
 頭部の着ぐるみを脱いでウィンクを投げるジャスパー。
 しかし、違和感はすぐにやってきた。

「……ん? 目、痒っ!? 痒ぅーっ!? ふみゃあぁぁぁーっ!」
 ネズミ達が尻尾プロペラでたっぷり拡散した花粉は辺り一面を覆い、着ぐるみの毛足の長い化繊は花粉をふんだんに絡め捕ってジャスパーの手元へ届けた。
 濃厚な花粉達の攻撃に、ケットシーの体内で排除反応が始まったのだ。

 恨みの炎は鎮火され、エルフの森には新しいスギやヒノキが芽吹き、徐々に本来の姿を取り戻してゆくだろう。

 手始めにひとり、新たな花粉症患者を生み出しながら!

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月21日


挿絵イラスト