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ゴブリンクイーンは宝石がお好き

#アックス&ウィザーズ

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●火事場泥棒
「ゴブリンだ! ゴブリンが出たぞ!」
 村の監視役が物見台からそう叫び、鐘を鳴らす。打ち鳴らすペースは速く3度……モンスターによる襲撃を示す警報だ。
「戦えるものは弓を持て! 剣の訓練を完了している奴は門扉付近で迎え撃て!」
 アックス&ウィザードでは決してモンスターによる襲撃は珍しいものではない。村人たちもある程度の備えがあり、時として村に滞在していた冒険者も加わる防衛戦では怪我人こそ出ても死者が出ることは珍しい。
 今日もまた、1時間程度の小競り合いの末なんとかゴブリンを撃退したのだが……

●盗まれた宝石を追え!
「火事場泥棒という言葉はご存じ? 今回、オブリビオンが取った戦法はまさにそれよ」
 ニコラが猟兵たちを呼び集め説明するのは、ゴブリンに村を襲撃させ、その隙に宝石類を盗ませているオブリビオンがいるという内容だ。
「単純にそういう金目のものを目当てにしているのか、あるいは何らかの儀式を行うのに宝石が必要なのか……そこまでは判らないのだけれど、あまり野放しにする訳にもいかないわ。皆にはこの宝石泥棒を退治して欲しいの」
 その言葉と共にグリモアから投影されるのは見慣れたゴブリンの姿と――亜人種らしき特徴をもった半裸の女の姿だ。
「予知に引っ掛かったオブリビオンはこの2種類。ゴブリンは皆もよくご存じだろうから説明は省略するわ。こちらの女オブリビオンはゴブリン達を統率する個体――仮称、ゴブリンクイーンよ」
 チョコ色の肌をした半裸の巨乳の画像を猟兵たちの前に押し出し、ニコラはその巨乳こそがゴブリンを統率していると言う。宝石を集めさせているのも、おそらくそいつだろうと。
「今回ならではの注意点があるのだけれど――ゴブリンクイーンに統率されたゴブリン達はかなり効率的な戦術を駆使するわ。戦闘能力こそ普段目にするゴブリンと変わらないけれど、1時間程度の遅滞戦闘を行えて、なおかつそこから死者を出さずに撤退戦が出来る程度、といえば判って貰えるかしら?」
 ニコラの予知では、村を襲撃し村人たちの注意を引きつけ、さらには撤退するまでの間に村人によって倒されるゴブリンの数は0だったのだという。確かに、その戦術には注意が必要だろう。
「それと……ゴブリン達は女性を、ゴブリンクイーンは男性を優先的に狙う傾向があるみたい」
 その狙いは最終的にはどちらも同じ。ゴブリンは異種族間での交配も可能なモンスターだ。ゴブリンクイーンも、突然変異種とはいえその本質は変わらず。捕まってしまえば色々な意味で「危険」になることをニコラが言外に忠告する。
「敵オブリビオンに関する注意は以上よ――転移先はこれからゴブリンに襲われる村よ。ゴブリンの襲撃に乗じて宝石を盗むトカゲが侵入するようだから、まずはそれを追跡するなりしてゴブリンたちの拠点を探してちょうだい」
 件のゴブリンたちの元へ辿りつくには、まず火事場泥棒される村で宝石を盗むトカゲを見つけなければならないようだ。
 最後に猟兵たちの顔を見回し、ニコラは転移ゲートを開く用意に入った。


Reyo
 戦争シナリオは気が付けば〆切られていました。
 はじめましての方ははじめまして、そうでないかたはいつもありがとうございます。Reyoです。

 今回はアックス&ウィザード世界で巻き起こる火事場泥棒事件を解決して頂きます。
 早速ですが各章での注意点を。

●第1章:手癖の悪い蒐集家
 火事場泥棒の主犯です。ゴブリンに襲われる村に転移し、まずはこのトカゲを探すこととなります。光りものを好む性質があるため、トカゲの目の前でキラキラさせたりすれば飛びついてくるでしょう。結構すばしこいので、追跡には様々な工夫が必要となるでしょう。
 ゴブリンの襲撃については、ニコラの予知により村人にほぼ被害が出ないことが確定しているため、介入の必要は特にありません。

●第2章:ゴブリン
 トカゲを追跡した先に居るゴブリンたちとの戦闘です。この時点でゴブリンクイーンとも接触しますが、彼女はゴブリンたちに猟兵の相手を任せ、猟兵の中にイイオトコが居ないかを探すことに注力し手出しをしません。猟兵側からも、ゴブリンを掃討しない限り手を出すことは困難です。
 ゴブリンたちはゴブリンクイーンの指示のもと、クイーンがイイオトコを手に入れるのに邪魔になりそうな女性を優先的に狙います。ご注意ください。

●第3章:チョコ色の肌をした半裸の巨乳
 ゴブリンを倒した後、ついにクイーンである半裸の巨乳との勝負となります。特殊なフェロモンや召喚する分身による攻撃で優先的にイイオトコを狙います。脱いだり乳を押し付けたりと誘惑攻撃は様々です。
 強さはほどほどですが、男性に対して有効な攻撃を数多く持つため、その点には注意が必要でしょう。

 以上となります。どうぞよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『手癖の悪い蒐集家』

POW   :    逃げる宝石トカゲをひたすら追いかける。

SPD   :    罠を仕掛けたり巣まで追跡する。

WIZ   :    宝石トカゲを誘き寄せる。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アズール・ネペンテス
【選択:SPD】
ゴブリンクィーンねぇ…キングなら聞いたことあるけどまぁ群れの頂点が雌ならそうなるんかね?

そんでゴブリン自体は弱いが地形を十二分に生かし装備も練度も統率力も整ったゴブリン軍団は非常に厄介と前グリモアベース内に置いてあったどっかの誰かが持ってきた本(おそらくUDCアースで書かれた小説の類)に書いてあったが…事実は小説より奇なりなのだろうか?

疑問は尽きないがとりあえずその蜥蜴をどうにかしねぇと行けねぇなら
やはりここはポケットマネーから宝石を用意してこれを餌に蜥蜴をおびき寄せて巣まで追跡するのが妥当かね。

ちょっと手痛い出費だが…しゃあねぇ。



●冷える懐
 〆ておよそ高額紙幣2枚分ほど。なるべく小粒のモノを選んだとはいえ、ポケットマネーで用意するには少しばかり痛い出費であった。しかも、それをぱらぱらと撒いてトカゲの釣り餌にするのだから、なんとも。
「ちょっと手痛い出費だが……しゃあねぇ」
 きちんとゴブリンの長――初めて耳にするクイーンなる個体を討伐すれば返ってくる見込みもある出費だ。一時的な懐の寒さをぐっと堪え、アズール・ネペンテス(お宝ハンター・f13453)は色とりどりの宝石……いわゆる屑石やハーフジェムと呼ばれる1ランク安い宝石を、トカゲの予想進路に設置していく。
「まったく、ゴブリン軍団は装備と統率が整っていれば非常に厄介と読んだが……こういうタイプの厄介さは、歓迎したくないもんだな」
 身を潜める先として選んだのは変哲もない路地裏。村の外周を覆う防壁付近のそこから、設置した宝石をざっと眺められる絶好の待ち伏せスポット。あとはそこに身を隠し、宝石トカゲが来るのを待つだけ……アズールは趣味にレア物探しを持つちょっとした目利きだ。彼が選んだ宝石類は、たとえそれ単体でジュエリーとして扱うことが難しいサイズのものが多めとはいえ、宝石トカゲを惹きつけるのには十分な輝きを持つ物ばかり。
 ――ゴブリンの襲来を示す鐘の音が3度。それからほどなく、アズールの仕掛けた宝石のひとつにテチテチと忍び寄るトカゲの姿が1つ。どうやら、この方角から侵入してきたのはこの個体だけのようだ。
(ビンゴ!)
 今すぐ飛びだしてトカゲを捕まえたいのをぐっとこらえ、アズールはトカゲが宝石を抱えてこの場を去るのを待つ。ここで飛び出しては追跡が出来ないからだ。
 ――ぺろり、と舌を伸ばしてトカゲが宝石の1つを口に咥えこむ。ふ、と左右を見回し、自分の行動が何にも目撃されてないことを確認すると、そのトカゲは来たときより多少重くなった頭をふらふらさせつつ村の防壁へ歩を進め、そのままぺたぺたと壁を登ってその向こうへ姿を消した。
「――よし、それじゃあ追いかけるとする、か」
 トカゲが消えた防壁の場所をしっかりと見つめるアズール。拾われなかった宝石類を拾い集めるのを忘れず、彼はそそくさとトカゲの後を追い始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

サフィリアリス・エレクトラガント
火事場泥棒なんて感心できませんねぇ……
泥棒するなら正々堂々、と言いたいところですが、泥棒自体ダメですね
お仕置きいたしませんとね?


使用するユーベルコードは「光の女神様はあなたの味方」
光の女神様を召喚しまして、光り輝くその姿からきっと宝石トカゲをおびき寄せることができるでしょう。
やって来てくださった宝石トカゲさんには、技能【恐怖を与える】で恐怖を植え付けて差し上げます

恐怖を感じたらそれを感知して光の女神が光刃を投げることでしょう
宝石トカゲに当てる必要はありません
相手の恐怖を感知して追いかける光刃を追いかけて行けばゴブリンの巣へと行けるかと思います

ふふ、例えトカゲでも魔王の恐怖からは逃れられません



●トカゲの恐怖、例えばカナヘビ
 村を囲う防壁。その付近で宝石を狙うトカゲを待ちうける猟兵の姿がひとつ――この状況下でも笑みを絶やさない彼女の名はサフィリアリス・エレクトラガント(魔王様の仰せのままに・f13217)という。
 サフィリアリスが呼びだした光り輝く女神像は、防壁の壁や周辺の通り一帯を照らす眩い輝きを伴ってそこに君臨していた。そしてそこへ――ゴブリン来襲を知らす早鐘3つから暫くして宝石トカゲがひょっこりと顔を出す。防壁の上から顔をのぞかせたトカゲの瞳に映るのは、おそらく彼の人生……トカゲ生で最も眩い光り物。周囲に外敵が存在するかのチェックも忘れ、ペタペタと早足で女神像へと向かった。
「ふふ、一丁あがり、ですね?」
 そして、まんまと女神像の輝きに魅入られたトカゲの前にサフィリアリスが姿を現す。ふっ、と体に力を込め、トカゲを見下ろせば――その視線に宿るのは圧倒的なまでの威圧。女神像に向けてトカゲ生トップクラスの走りを見せていたトカゲが、その眼力に恐れをなして思わず立ち止り……急ブレーキをかけたお陰で女神像から放たれた光刃に首を落とされず生存した。
「――恐いですか? 大丈夫、恐いのも痛いのも、一瞬……本番はそれからですから」
 ゆっくりとしゃがみ、トカゲに話しかけるサフィリアリス――その姿は、宝石トカゲから見れば、天敵のカナヘビに睨まれたよりも怖気立つ光景である。たじたじと数歩を後退し、数十秒前に叩きだしたトカゲ生トップクラスのスピードを更新する勢いで宝石トカゲが逃げ出した。
「ふふ、例えトカゲでも――魔王の恐怖からは逃れられませんよ」
 宝石トカゲの走りゆく姿をゆっくりと追うサフィリアリス。適宜女神像から放たれる光刃が、宝石トカゲの逃走欲求を程よく刺激して追いたて続ける。そう長い時間をかけず、サフィリアリスはゴブリン達の拠点へと辿りつくことだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

花巻・里香

なんだか奪い合いの気配がするわね、同族のようでそうでもないのかしら(フェロモン使い)
いつもならこの世界では宝石の体を隠すように人間の姿に変装するのだけれど利用できそうね。
盗まれた宝石類の大きさを確認して置いて、持ち出せない大きなものよりも小さなものからなら先ずは手だけ宝石の肌を晒しましょ。
それでも掛からなければ全身変装を解いて、宝石の体を晒すわね。
そうしてトカゲを誘き寄せたら【魅惑の外装人形】のフェロモンで誘惑補強しつつ誑かし道案内させましょ。
(完全魅了で道案内させても良いのだけれどね)

それに宝石なら素晴らしいところがあるわよ?協力してくれたら【クリスタガーデン】宝石の庭園へ案内してあげる。



●魅惑のクリスタリアン
 村へ侵入を果たした宝石トカゲの前に、きらりと光る――文字通り輝く珠の肌を持つ女が居た。彼女の名前は花巻・里香(クリスタリアンの人形遣い・f05048)、ゴブリンクイーンの存在にライバル感を覚えている猟兵である。
「さ、おいで、おいで、宝石トカゲさん」
 ひらりひらりと手首のスナップを利かせて宝石の手を閃かせれば、それに釣られて宝石トカゲがひょいひょいと左右に首を振る。事前の調査で宝石トカゲが持ちだすのはそこまで大きくない指輪やブレスレット程度の装身具が中心であることは里香の脳裏にインプットされている。掌程度のサイズで罠となるかは賭けの部分があったが、里香はその賭けに勝利したようだ。
「ね、この宝石、欲しくない?」
 きらり、と太陽光を反射して複雑な反射を返す里香の肌。宝石トカゲはその輝きに夢中のようで、ちろちろと舌を出してじぃっと里香を見つめている。
「――ふふ、欲しそうね? こっちへいらっしゃい、トカゲさん。魅惑の外装人形……たぁんと召し上がれ?」
 ちてちてと歩んで、宝石トカゲがぴったりと里香の足元に寄りそう――どうやら、完全に里香のユーベルコードによって魅惑されつくしたらしい。
「それじゃあ――道案内、お願いできるかしら?」
 きちんと出来たらご褒美よ、と手元まで登ってきた宝石トカゲに囁く里香。人語を解したようにこくりと頷いた宝石トカゲはぴょんと地面へ飛び降り、こちらへ来いとでもいうように里香を振りかえった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

胡・翠蘭
「手癖の悪い泥棒だなんて……イケないわ。それに、ゴブリンクイーンだなんて、初耳。この世界って、面白いわね」
アックス&ウィザードの世界自体、あまり馴染みのない幻想世界的な感覚だから……ええ、所謂ファンタジーな世界って、楽しいわよね
【SPD】
罠使いの技能で、狙われそうな集落の付近にトラップを仕掛けましょう
落とし穴の下に、杭の針山と、かなり匂いの強いものでも仕込んでおいて…
ゴブリンが掛って撤退したら、目立たない・忍び足・追跡・第六感・野生の感の技能を駆使して追いましょう
あとは念のため…『明鏡止水』を発動させて……敵に気付かれないようにしましょうか
奴等のアジトを追えたら、他の仲間と情報共有ね



●妓女は見た! トカゲとゴブリンの密会シーン
 手早く罠を設置するのにかかった時間は数分。ゴブリン達が村を襲撃するほぼ直前の転移であったため、用意できたトラップの数は多くはない。とはいえ、逆に言えば監視の目はその箇所だけで良いと言う事であり、胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)は自分が施した簡易トラップ――浅い落とし穴に、足を傷つけるための杭と追跡用の香料を仕込んだもの――の出来に満足しながらそのトラップを監視できる場所へ身を潜めた。
「それにしても、ゴブリンクイーンだなんて、初耳……この世界って面白いわね」
 手下として使われている手癖の悪い泥棒――宝石トカゲについては少々頂けないが。などという感想を抱きながら潜伏を続ける翠蘭。
 翠蘭からすれば幻想風味の強いこの世界の光景に見とれる等して待機し続けることしばらく。彼女の視界に異変が生じたのは――ゴブリン達と村人の争いもようやく終わりが見えてきたころのことだ。
「あら……?」
 村の外壁付近をかけ足で動いているゴブリンが数匹。そして、村の防壁を乗り越えるようにしてそのゴブリン達の元へ帰還しようとする宝石トカゲも十数匹――トカゲたちの口は一様に膨らんでおり、何らかの戦利品を咥えこんでいることが見て取れた。
「ふぅん、罠のほうに掛るのが居ないと思ったら、そういうこと」
 ひとりごちる翠蘭の目の前で、宝石トカゲの回収役らしきゴブリンがトラップに引っ掛かった。ぎゃいぎゃいと煩いそれの声を隠れ蓑に、翠蘭は目立たないよう注意しながら忍び足で潜伏場所を離れる。
「さて、あとは念のために……我が身、我が心、一点の曇りなく――」
 持ち前の隠密技能に加えユーベルコードによる迷彩を上乗せし、翠蘭はゴブリンたちの退路を追うのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ロート・カニーンヒェン
「まーてー!ぜーったい逃がさないからねー!!」((POW)トリプルフラグ・オーバードーズでスピードを上げてとことん追いかけるよ。絶対にトカゲから目を離さず、どんなところだろうと突き進んで逃がさないからね!(フラグ?)(アドリブ歓迎です)



●ゴブリンを追いかけるのは私の仕事!
 ゴブリンによる襲撃終了から十数分後。
「――!? ――!?!?(意訳:なんだあの女、なんでまだついて来やがる!?)」
「――!! ――!!(意訳:どうせテメエが臭いスカシっぺかましたせいだろうが!! あの訳わかんねーのさえなけりゃ最高の肉付きした女なんだがなぁ……)」
 ゴブリンクイーンが待つ巣に向けて退路を急ぐゴブリンたちは混乱の最中にあった。
「オレは止まんねぇぞぉ! ゴブリン、お前らが止まんねぇかぎり、その後をオレは追うぞ~!」
 一時ネットを風靡したとあるアニメ由来のスラング。バーチャルキャラクターであるロート・カニーンヒェン(グリーディー・ファントム・f00141)の記憶領域にはその台詞やフラグも勿論搭載されていた。今、ロートはある猟兵によって追跡用の香料が付けられたゴブリンを全速力で追跡中である。
「――!? ――??(意訳:何言ってんだよあの女ァ! 訳わかんねぇよ!?)」
「ふはははははは~! なんて情けない声出してやがる、ゴブリンっ!」
 言わんとすることは最もだが、訳のわからない言葉を放たれながら追走されるゴブリンの気持ちにもなって欲しい。
 ともかく、ロートはゴブリンの後をただひたすらに追いかけていた。
「そんな情けない声を上げるゴブリンには、私、絶対負けませんよ!」
 ――累積フラグ2種目。胡乱な言葉でフラグを立てれば立てるほどに自身が強化されるロートのユーベルコード、トリプルフラグ・オーバードーズ。今、ロートが叫んだ台詞で、さらに脚力が強化されゴブリンを追う速度が上がる。
「――!! ――!!(意訳:くそう、こうなったら親分に任せるしかない! 巣へ急ぐぞ、野郎ども!)」
 逃げる側のゴブリンたちも必死だ。
 もう間もなく、ロートをトップランナーとし、ゴブリンと猟兵はゴブリンクイーンの座す巣へと到着することだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ゴブリン』

POW   :    ゴブリンアタック
【粗雑な武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    粗雑な武器
【ダッシュ】による素早い一撃を放つ。また、【盾を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    足払い
【低い位置】から【不意打ちの蹴り】を放ち、【体勢を崩すこと】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●クイーン座す絢爛なる巣
 ――そうやって猟兵たちが辿りついたのは、古びた洞窟を拡張したと思しきゴブリンたちの巣。
「もう、おっそーい……げっ」
 帰還するゴブリンたちを迎え入れながら、猟兵たちを見たゴブリンクイーンがあからさまに嫌な表情を見せた。
「ええ――女ばっかりじゃない。せめてもうちょっとイイオトコが多めだったら良かったのに」
 続いて吐かれるのは落胆の声。女の比率が高い猟兵たちにすぐに興味を失ったのか、ゴブリンクイーンは宝石トカゲたちが吐きだす光り物を検分する作業を始める。
「イイオトコが居たら教えるのよー……あ、それと。女は好きにしちゃっていいから」
 巣の奥まった部分にある玉座らしき場所に腰を据えながらの一言。ちらりちらりと戦場を伺って、イイオトコが来ないかの検分も忘れない。
 そして、女王の許可を得たゴブリンたちは一様に下卑た笑みを浮かべながら戦闘の構えを見せるのであった。
ロート・カニーンヒェン
「ゴブリン達!まとめてかかってこーい!!ゴブリンなんかに、絶対負けない!!」(POW)ゴブリンが女性を優先的に襲うことは聞いてるから、囮も含めて注意を引くように振る舞うよ。セクシーポーズとかとったり色気を振り撒けば来る、かな?向かってきたらフルバースト・マキシマムで片っ端から撃ちまくる!・・・別にゴブリン達にめちゃくちゃにされたいとか思ってないよ?よ?(アドリブ歓迎です)


アズール・ネペンテス
まぁそりゃ猟兵の比率考えりゃ女子率高くなるわな。まぁそれにゴブリンの雄の集団なら男を優先して狙わんだろとかツッコミ入れつつ手早くダガーで攻撃だな。

ついでにゴブリンの武器も回収して使い回しながら…むしろ長物じゃない分乱戦なら戦いやすいし。ついでに奴ら大体女子狙いだから背後から仕留め易そうだ。猟兵女子達には悪いが囮役やってもらおう…心配せんでもボコボコにしてそうだし

(アドリブ歓迎


花巻・里香

ゴブリンクイーンへの擬似餌に【擬態の外装人形】でオトコを用意しておきましょうか。
とはいえ名もなき猟兵を対象に擬態(変装)するのもね…私が男になった架空の姿を対象にして、僕っ子に擬態させましょ。性転換加工ソフトとかあるものね。
そのまま擬態を解かずに【クリスタライズ】の透明化等でオトコを隠している風にみせておきましょ。

さて、もちろんあなた達(ゴブリン)のことは忘れていないわよ?
ぎりぎりを見切り、捨て身の色仕掛けで誘惑し昂らせてだまし討ちするように【蟲惑魔法】発動、擬態したからくり人形と連携するわね。
あら、この程度の色仕掛けに墜ちる子なんていらないもの。ねえ?(擬態したからくり人形に問いかけ)


エコリアチ・ヤエ
おっと遅れたが俺も助太刀に来たぜ。
ずいぶん古そうな洞窟だし、あまり派手に暴れると崩落が気になるってとこか。
ならもう一人の俺を召喚、ファイブエレメントソードを1本ずつ操り手数で勝負といこうか。
ゴブリンどもは男相手にあまりマークしてこねぇだったか。
他の猟兵に絡んでる連中を後ろから刺し殺してやればいいってことだな。
多角的に攻めてくとしよう。
もし周りにあるものなども活用できそうなら積極的に利用していく。



サフィリアリス・エレクトラガント
やれやれ、ゴブリンのクイーンともなると、やはり性格も下卑ていますねぇ
目の前のゴブリンさんを片づけたら、後は彼女を倒しておしまい
さあ、かかっていらっしゃいませ、ゴブリンさん達?
魔王が―――蹂躙して差し上げます


使用するユーベルコードは「美しい絆をお見せしますね」
そんなに女性が好きでしたら……うふふ、では【凶悪な魅了と魔術を持つ女淫魔将軍】さんを召喚して、ゴブリンさんを扇情的に挑発して頂きましょう。
ええ、女淫魔さん、充分にゴブリンを惹き付けましたら……後はあなたの出番です。
一緒に召喚した【屈強で巨体な悪魔将軍】に彼女が惹き付けたゴブリンを蹂躙して頂きましょう

うふふ、女性に惹かれるからこうなるのですよ



●振りまけお色気、蹴倒せゴブリン
 クイーンの許可を得たことで気も大きくなったのか、ついでに腰布の下で股間も大きくしながらゴブリンたちが猟兵……主に女猟兵目がけて突撃する。
 真っ先にゴブリンに寄って集られるのは、つい先ほどまではこの場に居なかったはずのボンテージ服を纏ったひとりの女――サフィリアリスがユーベルコードで呼び出した「女淫魔将軍」だ。片手でこいこいとゴブリンに手招きし、ついでにウィンクひとつを重ねれば大半のゴブリンが彼女の元に集結するような勢い。
「さぁ、かかってらっしゃいませ、ゴブリンさん達?」
 そんな女淫魔へ指示を出すサフィリアリスは満面の笑み。ゴブリンたちの劣情を煽るよう女淫魔へは適度な苦戦を指示し、オブリビオン側にダメージを蓄積させる。狙うは、ある程度の手傷を与えたところで女淫魔とセットで呼び出した「屈強な悪魔将軍」で一気になぎ払う殲滅戦法。実際、そのコンビネーションによりサフィリアリスを狙うゴブリンたちは彼女に指を触れるどころの騒ぎではなく、悪魔将軍に周期的に叩きのめされている。
「まとめてかかってこーい! お前らなんかに、絶対負けないよ!」
「さぁ、掛ってらっしゃい? クイーン好みの子は……こんな感じでどうかしら?」
 そして女淫魔と並び前線を張るのはロートと里香である。ロートのほうはわざとらしいセクシーポーズを挟みながらアームドフォートによる一斉射――フルバースト・マキシマムを用いての範囲攻撃。里香はユーベルコード「擬態の外装人形」で生み出した自分そっくりの「男」の人形を引き連れ、一撃必殺を期した騙し討ちだ。それぞれ、異なるアプローチではあるが、どれもゴブリンの気を引いて叩く、という点では非常に効率的にゴブリンの数を減らす事に成功している。
「あら、これくらいの色仕掛けで墜ちてしまうの? ――そんな子だったら、いらないわよ、ねぇ?」
 特に里香が連れた擬態人形はクイーンの気を惹く事に成功したようで、クイーン直々に「そこの男はなるべく無傷で捕らえなさい!」との指示が出ている。クリスタライズにより隠され、ゴブリンを倒す瞬間だけ現れる擬態人形を見てクイーンは里香がその男を隠しているとでも判じたらしい。
 ゴブリンたちもその擬態人形になるべく手を出さないようにしながらサフィリアリス・ロート・里香の3人を捕まえようと躍起になっているものだから、ゴブリンの被害がどんどん増えていくこともいたしかたない。
「――指示なんか出さなくとも、男を優先して狙うゴブリンなんざ居らんと思うが……」
「まったくだな。そうなると、俺たちの役割は決まりだ」
 そしてその乱戦の中を巧みな位置取りでゴブリンを闇討ちしていく男猟兵たち。ゴブリンとの戦闘が始まった直後に合流したエコリアチ・ヤエ(悪魔の呼び声・f00287)の参戦もあり、アズールたち男猟兵による闇討ちは面白いほど上手く行っていた。アズールは倒したゴブリンの武器を再利用することで武器のストックを気にせず、武器の形状に応じた方法で丁寧にゴブリンを処理。いくら再利用しているゴブリンの武器が粗雑な作りとはいえ、気付かれぬ方向から急所を殴り、刺しとすればゴブリン程度、どうということもない。ヤエはというと、ユーベルコード「オルタナティブ・ダブル」で呼び出したもう1人の自分と協力して2人ならではの手数勝負、女に気を取られているところを背後から急襲し次々とゴブリンの首を掻き切っていく。
「きゃあああ!?」
 そうやってある程度猟兵優勢で戦局を運んでいた中、ロートの絹を裂くような悲鳴が洞窟に響いた。
 アームドフォートの弾切れに気付かず、ゴブリンを誘惑しすぎたのだ。セクシーポーズを取ってアームドフォートを斉射しようとした時、発射音の代わりに響いたのはカチリという無慈悲な弾切れの音……撃破できる予定だったゴブリンがまさに好機とロートへ飛びかかり、そして先ほどの悲鳴へと繋がる。
 一度押し倒してしまえば、あとはゴブリンのターンだ。他の女猟兵に気を取られていたゴブリンたちは何やらロートを狙っていたゴブリンに対してブーイングを投げる――けれど、目の前にいるサフィリアリスや彼女の操る女淫魔、里香といった方に群がり続けるのは止めない。悲鳴を聞いて即座に闇討ちするゴブリンの標的を絞り込むアズールとヤエだが、如何せん、ゴブリンの数が多すぎて焼け石に水。
「やめ、やめろぉ!?」
 ついさっきまで、内心はゴブリンたちにめちゃくちゃにされるのも悪くない、などと思っていたが――実際に押し倒されてゴブリンの鼻に堪える体臭を間近にして、なおその気持ちを維持できる程の度胸と淫性はロートになかった。ゴブリンの膂力に抗うようにじたばたと暴れるが、数匹がかりで抑え込まれればさすがに抵抗しきれず。
 あわや、様々な意味で絶体絶命――となったその瞬間。
「ふふ、魔王のこと、お忘れかしらね?」
 地面に組み伏せられたロートの鼻先を重厚な剣の一撃が掠め、その剣圧にゴブリン達がまとめて輪切りにされる――サフィリアリスが呼びだしていた悪魔将軍が、ゴブリンたちの妨害を振り切りロートの救助へと駆けつけたのだ。
「魔王が――蹂躙して差し上げますわ、子鬼ども」
 これまでは体力の減ったゴブリンを優先的に狩る形で温存されていた悪魔将軍が前線に出され、先ほどのロートのピンチはどこへやら。一気にゴブリンの殲滅速度が上昇する。
「……ちょっと焦ったが、これは心配せんでもボコボコだな」
「いや、油断大敵だぞ、アズール――俺はあの子たちの護衛に回るぜ?」
「確かに。なら、そっちは任せたぜ、エコリアチ」
 男猟兵たちも互いに役割を分担し、ヤエは女性猟兵の護衛へ。アズールは引き続きゴブリンの武器を使った闇討ちを継続。
 一度、危ない場面があったとはいえ――そこからそう長くかからず、ゴブリンの群れは壊滅することとなった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『チョコ色の肌をした半裸の巨乳』

POW   :    あら、私のここが気になるの?
【指先が触れたところ】から【特殊なフェロモン】を放ち、【誘惑や快感】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    だーめ、逃がさないわよ?
【組打ち】による素早い一撃を放つ。また、【服を脱ぐ】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    へぇ、たくさん来たのね。みんな、歓迎してあげて!
レベル×1体の、【胸】に1と刻印された戦闘用【チョコ色の肌をした半裸の巨乳】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ウルフシャ・オーゲツです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●半裸のゴブリンクイーン
「――あーらら、結局みんなやられちゃった。女は皆殺し、男は半殺しくらいがよかったんだけどなー」
 最後のゴブリンが猟兵の手に掛ると、ようやくゴブリンクイーンは重い腰を玉座から上げた。
「ま、ゴブリン軍団くらい、また私が産みなおせばいいもの……さ、いくわよ“みんな”」
 そしてふわりとフェロモンの独特な香りを漂わせ、髪を掻きあげれば、クイーンが猟兵側へ一歩詰め寄る動きで数十体の分身が召喚された。分身と本体の違いはただひとつ……その胸元に数字があるか否か。
「――さ、ゴブリンよりよっぽど手ごわいわよ、私? 男の投降は許してあげるわ?」
 余裕たっぷりの投げキッス。むわりと視覚化されそうなフェロモンを纏いながら、オブリビオンは猟兵たちを挑発した。
ロート・カニーンヒェン
「さっきは情けないとこ見せちゃったけど、まだまだやれる!」(POW)手下がいなくなったなら、心置きなくクイーンに集中できるね。プロミネンス・ノヴァの炎で心身共に焼き付くす勢いで攻撃だ!闇討ちやテクニックは得意じゃないから、自分に意識が集中するように、ド派手に立ち回って味方が動きやすいようにガンガン前に出るよ!!(アドリブ歓迎です)


アズール・ネペンテス
…どこから突っ込めばいいかわからんがこれ同種でいいのか?
まぁどのみち倒すわけだが…

相手が分身だしてくるならこっちはこれを使って数増やすしかねぇな。
これ装着者の方にかかる負担がデカいからなるだけやりたくねぇんだけどな…まぁ状況が状況なら仕方ねぇんだけども

ついでに一言言えばオブリビオンじゃなけりゃまっとうに生きてけただろうがそれも運命って奴かね

(アドリブ歓迎



●クイーン、猛攻
「ま、ゴブリンを倒すまでの手間を見てたら――これくらいかしら?」
 数十体まで増えたクイーンたちがぎゅ、と互いの胸元を強調するような形で抱き合う……すると、ずるりと、乳肉の部分から互いの境界線が崩れるようにして数人で1人へ合体。胸元の数字が「1」から「4」や「5」と増えた個体へと統合される。最終的に猟兵たちの前へ残るのは十数体となり――
「さっきは情けないとこ見せちゃったけど……まだまだ、やれる!」
 合体に掛る数秒を見逃さず、弾丸の切れたアームドフォートを背後に回して攻撃方法をサイキックエナジー由来の炎撃へと切り替えたロートが突出。放つ炎の一つ一つは直径が数十センチ、直撃すれば問答無用に対象を燃え上がらせる極上の炎技。その威力が見て取れるだけに、数体のコピー・クイーンがロートへ注意を向け迎撃姿勢を取った。
「さぁ、焼き尽くせ! 心も、体も、何もかも!!」
「そーいう熱血系、嫌いじゃないわよ?」
 迎撃に構えたコピー・クイーンの1体が、今度は瞬時に分裂。胸の数字は「5」が「1」「2」「2」へ。突出したロートを他の猟兵から切り離すように3体で包囲。
「「「……泣かせる対象としてだけどねぇ!」」」
 ハウリングする多重の叫び。胸の数字が「1」に戻った個体を1つ囮にし、ロートの突撃を他の「2」の個体が左右から挟む形で組打ちを仕掛ける。
「おっと、それは――私が通さないよ」
 そこへ割り込むようにして、アズールが召喚した死霊騎士と死霊蛇竜がコピー・クイーンを迎撃。本人は前線からやや離れた場所で防御の構えだ。
「あら――声の調子もころころ変わって。気付かなかったけれど……あなた、どっちかしら?」
「さぁね? ……気になるんだったら、俺たちを倒してみな」
「――ふふ、見たところ、体は女の子みたいだけれど……そうね、楽しみが一つ増えたと思っておきましょうか!」
 騎士とかちあった「2」のコピーは「1」の2体へ分離する行動を挟むことで騎士から離れ、蛇竜とかちあった「2」のコピーは蛇以上に滑らかに、まるで服を脱ぐような気軽さでその締めつけから離脱。それぞれが合流してまた「4」の個体へ。コピー個体同士の動きはゴブリンの連携よりさらに高度に柔軟性が保たれており、易々と猟兵の追撃を許さないものだ。
「動きは速いけど――コイツだけは、燃やす!」
 それでも。前線でクイーンたちの注意を惹くために。なにより、自分を守ってくれたアズールのサポートを無駄にしないために。サイキックエナジーを湯水のように炎にくべて「1」の個体を一瞬のうちにロートが焼き尽くす。
「ロート、一度下がってくれ――俺の死霊たちのカバーが届かなくなる」
「了解、アズールちゃん!」
 そしてアズールからの声掛けに応じてロートは一度身を下げる。前線で暴れ回るためにも、過剰の損耗は避けねばならない。それはクイーン側も同じなのか、「1」の個体へ易々と対処されたからか、追い打ちはない。
「――出来れば、ちゃんじゃなくてさんのほうがいいな」
「ん、オッケー、アズールさん! もう一度突っ込むから……援護はお願い!」
「了解した――負担が云々は、状況だけに仕方ねぇからな」
 ぜい、と深く息を吐いて体に活を入れ直すアズール。
「テメェがオブリビオンじゃなきゃ、また違った生き方もあったんだろうが――これも運命って奴だろうさ。神妙にしやがれ!」
 アズールの大音声をカタパルトにして、ロートの炎技がまたもや前線を掻き乱した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ポプラ・エニーセブン
来るのが遅くなっちゃったけど、ボクもゴブリンクイーンを倒すよぉ。
ボクは力がないから、ゴブリンクイーン本体の周囲を飛び回って囮になるよ。

でも大きな胸に見とれてちょっと動きが止まっちゃうかも……フェロモンとか誘惑攻撃でボクのお尻を弄られたらうぅ、もう動けなくなりそう

とにかく、いっぱい飛んでパンチとかキックで攻撃しながら囮をするよ

アドレイブとか絡みも大丈夫だよー



●飛んで火に入るなんとやら
 前線を掻きまわす猟兵に紛れるのに、その小柄な体躯は最適であった。全長20センチ足らず。少し手のサイズがある者であれば片手で、そうでなくても両手があれば十分にその全身を簡単に包む事ができるであろう種族――フェアリー。目的のオブリビオンとの開戦と聞いてゲートへ飛び込み、今この戦場に辿りついたのはポプラ・エニーセブン(フェアリーのサイキッカー・f14329)――フェアリーの中でも特に小柄な体躯は15センチ少々。まだ幼い猟兵である。
「胸に数字があるのは、コピーだから――居た、あれが本体!」
 かすかな羽ばたきの音を残し、混迷の戦場を飛び越えるポプラ。彼の眼下では、十数名のコピー・クイーンと他の猟兵たちが入り乱れる乱戦が繰り広げられている。
「……本体の気を、逸らせば。ボクにだって!」
「――あらぁ、これはまたカワイイ妖精ちゃんじゃない」
「何をっ!」
 そして接近してくるポプラに気付かないクイーンではない。飛び来るその姿を目の端に捉え、僅かに目線を上げる――たったそれだけの動きで、たわわな胸が上下に震え、空中から飛び蹴りをかまそうとしていたポプラの動きが若干鈍る。視覚に暴力的に訴える乳房のセックスアピールに、幼い彼の脳がオーバーヒートしたのだ。
「……ふふ、小さいのに、おませさんなのね?」
「――あ……!」
 結果として、ポプラの空中格闘はあえなくクイーンに受け流された。まるで壊れモノの玩具を扱うようなクイーンの手つきはユーベルコードによる誘惑フェロモンを纏った動作であり――その一瞬の交錯でポプラは腰が砕けるような「何か」を全身に感じてしまう。
「私のここ、気になるの?」
 そのまましゃがみ込み、ポプラの羽を摘まむようにして持ちあげるクイーン。ばたばたとポプラは抵抗するが……力が弱いことが災いした。クイーンになされるがまま、ポプラはクイーンの胸元へと抱きこまれてしまう。
「ほーら、たっぷり堪能なさい?」
「う――! ん~~~~ッ!」
 ゴブリンらしい野性的な、けれども明らかに雌性を感じさせる濃厚なフェロモン。さらにはポプラの背筋から尻の谷間にかけてを優しくなぞる指先。愛撫とフェロモンに晒され、ポプラはクイーンの胸でびくびくと全身を震わせることしかできない。結果としてクイーンの注意を惹くことには成功し、他の猟兵の支援へは繋がっているが――その代償としてポプラの性癖には著しい爪痕が残されることだろう。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

花巻・里香

……コレなら【蟲惑魔法】の発動条件を満たせそうね
先の戦いでオトコに擬態(変装)した、【擬態の外装人形】からくり人形で色仕掛け
誘惑補強にからくり人形の首のチョーカーから男性フェロモンを放ち、逆ハニトラでゴブリンクイーンを誘惑していきましょ

だまし討ちするように蟲惑魔法。召喚した鎌でなぎ払い、広範囲に斬撃と呪詛を飛ばすわ
コレは斬撃で終わった方が幸せよ。生き残れば性的終焉を告げる呪詛はあなたを蝕む
もげたり腐り墜ちたりとそして機能の損失…流石ハーレム及び逆ハーレム許すまじの執念、呪詛達ね
(自身はそういう人達を狩る協力者・試金石の立ち位置)
まだ生き残ってればからくり人形の擬態を解いて、本番といきましょう


サフィリアリス・エレクトラガント
はあ……全く、フェロモンなんて、下品ですこと……
これは男性を惑わすというよりゴブリンを呼び寄せるためのフェロモンではありませんこと?
あなたでは男性は寄って来ませんよ、諦めてくださいな


使用するユーベルコードは「光の女神様はあなたの味方」
ふふっ、あなたは結局ゴブリンの女王、オブリビオンと言えど魔物の類ですね
でしたら―――創作世界とはいえ、魔王であったこの身を前にして、何も感じないわけはありませんよね?
技能【恐怖を与える】と【殺気】によって与えられる恐怖

あなたが欠片でも恐怖を感じたら後は簡単
あなたは男性を抱くことなく、この光の女神様の光刃に切り裂かれて、恐怖に満ちる中倒れ行くことでしょう


シキ・ジルモント

◆SPD
どうやら親玉には間に合ったようだな、加勢させてもらう
少々調子の狂う相手だがやる事は同じだ、オブリビオンは排除する

組打ちによる一撃はユーベルコードも発動して回避する
ん…?こら、おいちょっと待て、これ以上脱ぐつもりか
服を脱ぐ素振りを見せたら『先制攻撃』で即牽制、脱衣と加速の妨害を重視した射撃を撃ち込む

相手は自分の魅力に相当自信があるようだ、余裕があれば逆手に取って『だまし討ち』を試す
フェロモンに誘惑されたふりをして動きを止めて油断させ、近寄って来たらギリギリまで引き付ける
『クイックドロウ』で銃を素早く構え直し、『カウンター』の『零距離射撃』を叩き込む
生憎オブリビオンは好みじゃない、悪いな



●膠着する戦場
「行きなさい、蟲惑魔法――!」
 性転換した自分の見た目を持つ擬態の外装人形を基点とする騙し討ち。人形の首につけたチョーカーから男性フェロモンを放つ事によって逆ハニートラップの効果は上々。数体の「4」コピーや「5」コピーを引きつけてから放たれた里香のカウンターアタックは十全に機能したように思えた。
「――む、胸がっ!?」
 斬撃の音も気持ちよく、からくり人形から召喚した鎌は周辺一帯をまとめて刈り取り、決して浅くはない傷と呪詛をクイーンたちの体に刻んだ。掠るような一撃であれ、その鎌に籠められた呪詛は本物。性的終焉――クイーンの場合は、セックスアピールの大部分を占める胸部の肉がみるみるうちに萎んでいくというとんでもない効果を表した呪詛。じわりじわりとコピーたちの体を蝕んでいくその呪詛は、そう時間を取らずにコピーを全滅させる……はずだったのだが。
「みんな、呪詛の部位を切り離して。大丈夫なところだけで再合体よ~」
「了解、プリンシパル!」
 コピーたちの後方で呑気な表情を見せながら、フェアリーの猟兵を楽しそうに弄っている本体の声に一気に形勢を立て直すコピーたち。具体的には「呪詛を全て引きうける1の個体」を生成し切り離すことによって、合体個体の数が一気に減ることを免れたのだ。とはいえ、合計で減らしたコピー数は十数。攻撃の手ごたえとしては十分だが……騙し討ちの機会はもうない。あとは地味に減らしていくしかないと、里香は気を引き締め直す。
 一気にそれだけの数が減れば恐怖も免れないだろうと、サイフィリアリスは光の女神像を召喚しながら挑発を仕掛ける。
「男性を惑わす、というよりはゴブリン寄せのフェロモンではありませんこと? 下品ですこと!」
「ふふ、負け惜しみにしか聞こえないわよ。ま・お・うちゃん? もうアタシの所には可愛い可愛いフェアリーちゃんが飛びこんで来たわよぉ~?」
「くっ……」
 仲間が1人、既に捕らわれている。本来なら抜群にクイーンを挑発出来る筈のサフィリアリスの言葉も、その事実を盾にされて僅かに滑る。しかし、コピーたちにとってはそうでもない。特に呪詛の感触が残る個体は「イイオトコに見向きもされない」という本能的な恐怖を感じて女神像からの光刃でさらにコピー数を減らすこととなる。
「調子が狂う相手だが――だからこそ、相手のペースに乗せられるな! 相手はオブリビオン、俺たちがやるべきことは変わらない!」
 そんな里香とサフィリアリスの勢いを支えるのは、里香の擬態人形とともに前線でコピーたちを引きつけるシキ・ジルモント(人狼のガンナー・f09107)の声だ。
「里香は引き続き呪詛の鎌を狙ってくれ。サフィリアリスは、光刃で討ち漏らしを残さないように頼む」
「ええ、わかったわ――擬態はこれ以上効果なし。本番とさせてもらうわ」
「ええ。あの本体は特に気に入りませんが……ひとまずはコピーを減らさなければどうにもならないわ――シキ、私の光刃は掠りさえすれば恐怖を増幅させます。トドメはお任せを」
「了解――っ!」
「お話は、それで終わりかしら、イェーガー!」
 クイーンの対応に今後の策を練りなおした3人に、総数を減らすことによって1体あたりの平均値を4程度に保ったコピーたちが一斉に襲いかかる。
「サフィリアリスの言葉に、俺は賛成でね――正直、テメエら、好みじゃないんだわ」
「なっ――!?」
 俊敏に反応を示すのはシキ……仲間たちと打合せをしつつも、人狼ならではの耳と勘はコピーの接近をきちんと捉えていたのだ。
「ついでにいえば、ゴブリンなら喜ぶかもしれねーが――それ以上、脱がせやしねえよ。テメェの裸なんざ見たくねぇ」
「この、フニャチン――!」
「狼のには骨があるんだぜ――知らなかったか?」
 コピー渾身の罵倒もさらりと流し、素早く構えた拳銃で制圧射撃。被弾の勢いでのけぞったところを里香の鎌が追撃し――男に相手にされない、という恐怖にも似た何かを抱いたところへサフィリアリスの女神像から光刃が飛んだ。
「――さて、今ので判ったでしょう? あなたは男性を抱くことなく、このまま倒れ逝くのよ?」
 呪詛移しの体を産ませる暇を与えず、その言葉で最後のひと押し。サフィリアリスの光刃でトドメをさされ、これでまた1体、コピー体が倒れる。
 ――しかし、これでコピー体の数はようやく十を切った程度。
 優勢とはいえ膠着の気配が消えぬ戦場に、猟兵たちはここからの戦略に頭を悩ますのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

エコリアチ・ヤエ
ひとまずはファイブエレメンツソードの属性攻撃と斬撃、また杖によって呪詛も繰り出して戦っていく。
ここではあえて俺は前衛へ出て戦闘不能にならない程度に傷を受けながら戦う。

万が一周りが不利な状況になってきたら、クイーンに投降を申し出る。
「こんな連中と一緒にお陀仏になりたくはねぇんだ」
必要ならクイーンをおだてたりもする。それにより近づくことができたら一本腰の後ろに隠しておいたソードで暗殺を仕掛ける。
反撃を食らい瀕死になった場合UC発動。本体を抱えて戦線離脱。

ハイリスクハイリターンだが、試す価値ぐらいはあるだろう。


胡・翠蘭
「あらあら……射的遊びは的が多いのが楽しいですけれど、……変わり映えしない的では飽きてしまいますわ」

【WIZ】
袖より甘露を取り出して一雫舐めて…快楽を得ましょうか。
それとも、仲間と戦ううちに感じた戦闘の高揚、敵が奏でる断末魔…どれでも、私を昂らせてくれるなら…ユーベルコードに捧げて、発動させましょう

「貴女…お好きでしょう?気持ち良いコト。遠慮なさらず、心ゆくまで堪能なさってくださいな」

通常攻撃は、拷問具で傷口をえぐったり、ハンマーに変形させたガジェットで属性攻撃とマヒ攻撃での殴打で行きましょう

「嗚呼、貴女のような知性のある敵の断末魔って、…私をゾクゾクさせてくださるのよね」

※アドリブ等お任せ



●狡知よく――
 キリがない。一言でいえば、その戦場は泥沼であった。
「……射的遊び、的が多いのは楽しいですけれど」
 ジリジリとコピー体の総数は減り、ようやく片手で数えられるくらいの個体数までクイーンを追い詰めた猟兵たちだが。
「――変わり映えしない的では、飽きてしまいますわ」
 ズゥン、と重い音を響かせながらガジェット・ハンマーを振りまわした翠蘭の言葉が猟兵たちの心中を代弁していた。クイーンの顔が並ぶことに飽きるほどの長時間戦闘。クイーン本体も戦線に引きずりだしたとはいえ――猟兵たちの疲労も計りきれない。
「同意だよ……そこで、ひとつ案があるんだが」
 片手に杖、片手にエレメントソード。黒い肌とタトゥーの体に、クイーンの攻撃の痕も(色々な意味で)生々しく残るヤエが翠蘭にひとつの作戦を提案する。
「――っていう感じだ。俺1人じゃあ、やり損ねた時のカバーが問題だ……頼めるか?」
「ふふ、よくそんな事、思いつくわね……そんな悪巧み、聞くだけで昂ぶってしまうじゃない」
 くすくすと顎に手を当て笑う翠蘭の様子にどこかクイーンと似た本質を垣間見ながらも、その言葉を了承と捉えヤエはニヤリと笑い返す。
「それじゃ……他の連中にも上手く伝えてくれ」
「ええ、よくってよ」
 
●――淫慾を制す
 からん、と武器を床に投げ捨てる音。ヤエがやや強く地面に投げたのもあって、その乾いた音は戦場によく響いた。
 異変を感じ取った猟兵たちがヤエの方を鋭く見るが――その背後からそっと翠蘭が耳打ち。ヤエの作戦を通達され、交戦状態にあった猟兵たちも一度武器を収めてじり、と前線を下げた。
「――なんのつもりなの、イェーガー。武器を捨てちゃって」
「見ての通りだよ、ゴブリンクイーン。いや、他のが呼んでたみたいにプリンシパルって方がいいか?」
「呼び方はご自由に? それで、見ての通りって、どういうことかしら」
「――千日手だ。そうなりゃ、数を増やせるお前の方が有利。ここで全員揃ってお陀仏になるくらいなら、俺は投降を選ぶね」
 ひらりと両手を上げ、無手をアピールするヤエ。その言葉に合わせ他の猟兵たちがさらに下がるのを見て、クイーンはようやく合点がいったという風に頷く。
「――つまり、アレね? 男である自分を差し出すから、他の連中は見逃してやってくれって?」
「……そういう解釈でも構わんよ。どうだ、オブリビオン――仮にも俺はイェーガーだ。お前との間に出来る子供も、強くなるぞ?」
「殊勝なことねぇ? ……それとも、引き際を見極めるのが上手いって言ってあげましょうか。先が判らない勝負よりも、仲間の確実な生存――クレバーよね」
「どっちでも構わねえよ。それで、どうだ。この申し出に乗って貰えるのか?」
「……。そうね、武器も捨てたんだもの。アタシ好みのマッチョだから、アンタの体に免じて許してあげるわ?」
「――これは見せ筋だがな」
 この場に居る猟兵の中で、数少ない純粋な大人の男。しかも、もう1人の成人男性猟兵からはタイプじゃないと言われているのもあってか、ヤエの申し出は相当クイーンのお気に召したようだ。ヤエの要求に従ってか、クイーンに捕らえられていたフェアリーもぐったりとした状態で地面に転がされる。
「見せ筋? いいじゃない? 外見に気を使ってるイイオトコ、好きよ?」
 しゃなりしゃなりと尻を揺らし、自身の全身をアピールするようにヤエにすり寄っていくクイーン。コピーたちは彼女の意思に応じてかどんどん集まっていき――最終的にクイーンの体に吸収されるようにして消え去った。
 そして、ゴブリンクイーンがフェロモンで完全にヤエを落とすべく両手を広げ抱きつこうとした瞬間――
「おう、好評いただけたようでなによりだ――オブリビオン」
 腰の後に隠していたファイブエレメンツソード、その最後の一本を抜き放ちクイーンの腹部目掛け突き刺す。
「なっ――がっ――!?」
 ソードを突き刺しつつも濃厚なフェロモンを至近距離で喰らい、半ば意識を喪失してクイーンに凭れかかるヤエ。その巨躯を押し付けられソードがより深くクイーンの体を抉り――ヤエが完全に意識を手放した瞬間、事前に仕掛けられていたユーベルコード「戦場の亡霊」で呼び出された影がヤエ本体を抱えるようにして一気に後方へと離脱した。
「――よくも、裏切ったな、アタシの、期待を……!」
「あぁ――そういう声、最高よ……ゾクゾクする。さぁ……甘くて深い泥濘の沼に堕ちましょう?」
 腹に刺さったファイブエレメンツソードを力任せに引き抜き投げ捨てるクイーンを見て、甘く蕩けた声を漏らすのは翠蘭。言葉に潜ませたユーベルコードの始動キーが――クイーンを触手の沼へと引きずり落とした。
「お、ふっ――あ、あ、ああ……何これ!? こんなの、知らない、知らない――逝く、逝く、逝くゥ!?」
「――貴女……気持ち良いコト、お好きでしょう? 遠慮なさらず……死の間際まで、心、逝くまで。ごゆっくり、ご堪能下さいませ」
 視線ではしっかりゴブリンクイーンを捉えたまま、翠蘭がぺこりと頭を下げる――仮にも楼閣の主、その作法には一部の隙もない。
 翠蘭が礼を終えて顔を上げるころには、過ぎた悦楽によって地獄を見せられたクイーンの亡骸がそこに残るだけであった。

●一件落着?
 ヤエの取ったような奇策が常に通じるとは限らない。今回はたまたま、オブリビオンの好みと参加する猟兵の容姿が一致し、さらには千日手に近い拮抗状態へ持ち込んでいたが故の――勝機。
 盗まれた宝石類を取り戻し、村へと持ち帰りながら、ただの切った張ったよりも余程疲労を強いられた戦いを振り返り猟兵たちは苦笑を浮かべる。この事件が各々にとってどのような意味を持つのか……それは、猟兵たち自身しか知りえぬ秘め事として心の奥底にそっと仕舞われることだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月12日


挿絵イラスト