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今日のゆか……パンダだこいつら!?

#UDCアース

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#UDCアース


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 ここはUDCアースのとある街、だがしかし。
 邪神が跋扈する世界、つまりは平穏無事で平和であって、いつもと変わらぬ日常が流れる事もなく。
 人々の絶叫が、悲鳴が響きわた……。
「きゃー、かわいいー! こっちむいてー!」
「ほらほら、こっちにはおやつの……いや、笹の方がいいかな?」
「あっ、今立った、それに歩いてる!」
 違った、悲鳴っていうか、可愛いものを見る際に興奮するアレコレな声であった。
 そんな人々の視線の先には……なんと!
「パーン」
「ダー」
「むきゅー」
 ちびっ子なパンダがいた、それも思い思いの動きをして。
 統率されぬ動きであるが、一つわかっていることは。
 人々を魅了し、そしてごはんやお菓子を、更には可愛がってもらってこの世の春を謳歌するための行動を全員でとっているという事だ。
 さらに言えば、常に存在していればすぐに飽きられ、当たり前となり。
 見向きもされない結果になるという事をわきまえているのか、人々がほどほどにご飯を差し出したり、自分たちの可愛さに満足したのを見計らって速やかに逃げていく。
 もうちょっと、まだ少し、なんて感じで構いたかった人々は、逃げるちびっ子パンダを追いかけるが相手はオブリビオンであり、一般人が追いつくことは不可能で。
 知らぬ間に消え去った子猫、もとい大熊猫。
「ああ、どこにいったの、私の癒しはっ」
「くそっ、もっと写真にとっておけば……」
「誰か、目撃情報とかはないのかっ!?」
 そんなパンダに魅了された人々は自分たちがいいように使われているとは考えもせず、再び遭遇できることを願いつつ、街を徘徊する様子を小さな影。
 少女の影が見送っていたという。


「たいへんですっ! ゆかりちゃんがやってそうな事だと思いましたがゆかりちゃんは関係してなくて、出てきたのはパンダとどこかで見たことあるような気がする誰かで!」
 半ば錯乱状態で、集まった猟兵にケーレス・ネメシア(怪奇人間の死霊術士・f25216)が説明を開始していた。
 とりあえず落ち着くようにと言われ深呼吸、息を整え説明の再開です。
「し、失礼しました。
 ええと、よくハチャメチャな事をやらかしていたオブリビオンのように妙な行動をするオブリビオンの悪事を予知しまして。
 またあの子たちか、と思ったらまったく違う、ちびっこのパンダたちが猫を被って人々を誘惑したりしていまして。
 自分たちの欲望を満たすように振舞っているのを、どこかで見た事があるような少女のオブリビオンが扇動しているようなんです」
 なるほど、つまりなんかこう、ぶっ飛んだ行動をしているオブリビオンがいつも通り出てきたと思ったら別のオブリビオンで。
 それを操ってる奴がいるので、それを倒せば良いという何時もの展開ですね。
「ま、まあいつも通り、どんな感じで人々を誘惑しているのか、失踪した子猫……というか、子パンダ探しです。
 パンダは漢字で大熊猫、って書くからって、猫ぶればいい、とか言われたんでしょうかね……? 最初に見えたのは猫を被ったように甘える仕草で人々を誘惑するパンダたちでしたけど。それだけではありません。
 予知できなかっただけで、とんでもない方法で誘惑したり、はたまた悪事を行っている個体がいるかもしれません。
 申し訳ありませんが、そのあたりは皆さんの調査力に期待しています。
 その後は見つけたパンダたちにゆかりちゃんの役割を奪うとはけしからん、とお仕置きをしてそそのかした元凶のどこかで見たことがあるような気がする、なんとかちゃんを撃破してください!」
 見た事があるようなないような、とか言いつつしっかりとなんとかちゃん、の事を覚えていたケーレス。
 多分、ゆかりちゃんじゃなくパンダが色々やらかしていたので混乱していたのだろう。
 そんなこんなで状況整理である。

『1:ちびっこパンダがやらかしている騒動(猫被りや誘惑方法など)を調査』
『2:発見したちびっこパンダにお仕置き』
『3:ちびっこパンダに猫を被るようにとか唆したっぽい、なんとかちゃんにお仕置き』

 の三段階な任務になるという。
 この中で重要というか詳細がわからないのは1番の調査であろう、どんな事をやらかしているのかは猟兵諸君の調査力に委ねられているのだっ!
「状況は以上です、詳細不明な部分が多いですけど、そこは皆さんの力を信じています。
 では、転送準備に入りますね」
 そう言葉をかけてケーレスが角灯翳せば中の炎が妖しく揺れて。
 立ち込める煙と共に、猟兵達をUDCアースへと転送するのであった。


紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。
 戦争に参加された皆様、お疲れ様でした。
 いつもの生活、UDCアースからお届けするのは騒動の解決を目指すシナリオです。
 イシダキシモトMS、協力ありがとうございました。

 今回はゆかりちゃん……ではなく、ゆかりちゃんがやらかしそうなことをやっているパンダの悪事を暴き、お仕置きするのが目的のシナリオとなっています。
 ゆかりちゃん事件の別パターンとみせかけて出てくるのは別のオブリビオンだよ!

 第一章ではちびっこパンダがどんな事をして人々を誘惑しているのか、の情報を集めてください。
 外見をいじってみたり、あざとい仕草だったり、はたまた何か街にあるものを利用したりしているのか。
 どんな調査をして、どんな結果だったのか、是非ともプレイングに記載して下さい。
 皆様の調査次第でシナリオのぶっ飛び具合が決まります。
 なお、なんとかちゃん、がどれだけあくどい(?)やり口でちびっこパンダを洗脳しているのか、の目撃とか調査も歓迎です、お好きにどうぞ。

 第二章では発見した、色々やらかしているちびっこパンダへのお仕置きを行います。
 この時、調査をさらに継続して戦闘に殆ど参加しない、という選択肢もありです。
 こちらもお好きにお楽しみください。

 第三章では元凶になった、というか扇動しちゃった邪神、なんとかちゃんへのお仕置きになります。
 現時点ではパンダは大熊猫と書くから、猫を被ればいいと唆した事しかわかりませんが皆様の事前調査次第であくどさが変わります。

 いったい、この街はどうなっているのか、どれほど混沌とした結末になってしまうのか。
 全ては皆様にかかっております。

 では、ここまで長文を読んでいただきありがとうございました。
 ご縁がありましたら、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『迷子の迷子の子猫ちゃん』

POW   :    体力の続く限り探し回る

SPD   :    小動物を追い掛け、行き先を探る

WIZ   :    状況から居場所を推理する

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

四季乃・瑠璃
緋瑪「う~ん、ゆかりちゃんと同じ匂いがする!」
瑠璃「でも、今のトコ餌ねだるくらいしかしてないね」

とりあえずいつも通り二人で手分けしてスマホや現地の人達への聞き込み【情報収集、コミュ力】

緋瑪「小規模なパンダムーブを起こして便乗してパンダグッズの販売とかパンダ関連グッズを売って儲けたりしてるみたいだね。あ、顔の紙に販売員(雇われバイト中)って書いたゆかりちゃんがパンダグッズ売ってる」
瑠璃「グッズ製作(同じく)やお世話係(同じく)って書いた子もいるね…ゆかりちゃんも大変なんだなぁ…」

瑠璃「ちなみに、パンダの中にすあまが好きですっごくだら~っとたれてる子がいるみたいだね」
緋瑪「ソレ、版権的に大丈夫?」


エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎

またゆかりちゃんか毎度毎度懲りぬ事じゃな…と思ったらパンダではないか。
いやまて、皮をむいたらやはりゆかりちゃんというオチではなかろうか?
これは調べねばなるまい。
さっそく【巨狼マニトゥ】に【騎乗】してパンダの臭いをだどるのじゃ。

…ここは…猫カフェ?
何という事じゃ、猫カフェでパンダ共が我が物顔で接客しておるのじゃ。
猫スタッフをケージに閉じ込めて、お客に媚びを売ったり猫たちのおやつを食べたり猫ベッドで眠ったりなどやりたい放題じゃな。
大熊猫に猫の文字が入っているせいか客も気にせず可愛がっている様子、じゃが大熊猫は断じて猫ではないのじゃ。
これはお仕置きせねばなるまい。


黒沼・藍亜
うんいつものっすねー
で、これが今回のゆかりちゃん?ずいぶんもふもふで白黒で獣感が……って、パンダだこれ!?
え、ゆかりちゃんの着ぐるみとか変身じゃなく本物パンダ?
幼女じゃ猟兵は止められないから動物愛護精神に訴える方向にシフトしたの?

……ま、まずは調査っすね。
スマホにUC、後は自分の足で情報収集するっすよ……ってうわ、「こきょうのなかまをたすけてください」って札下げたパンダがいるんすけど……
そしてその目の前には募金箱が。パンダがお金集めてどうすんだろう……

しかしあざといポーズに仲間の為頑張る健気さ、さり気ない希少動物アピール。これパンダ殴ったら完全に悪役じゃないっすか……

※アドリブ他歓迎っすよ


星河・成海
うーん、何か前にも似た感じの依頼があったような……?でもまずは目の前の事件の調査から始めてみようかしら

礼儀作法とコミュ力を使って、街の人から話を聞いて情報収集してみるよ

昼下がりの公園でよく目撃されていて、人がいると側に寄って来て甘えてくるみたい。もふもふしても嫌がるどころかもっとやって欲しそうにしてるんだとか
離れようとすると上目遣いで「行っちゃうの?」と言いたげに見つめてきたり、添い寝しようとしてきたりして離れるのを阻止しようとするんだって。特に疲れている人を狙っているって話もあったね

……ちょっと憧れる気もするけど、これは放っておいたら色々とまずそうね


波狼・拓哉
凄い風評被害を見た
…いや、バックにいる可能性はあるのか、これがこれから続く大長編の序章となる可能性が

まあ、別にどうでもいいんですけど

さて、パンダなんて街中に居たら騒ぎが一杯でしょうし、適当に突っ込みましょう
レッツゴー

だからと言って、公園でカメラ売ってるのは何か違くない???
パンダ仕様のカメラで、このカメラ以外でのパンダ撮影は禁止…
更に使い捨てかぁ…アイドルの闇を見てる気分
うっわ、5枚しか取れない上に、一台50円(笹の葉pay可)
………50円?
何か最後で一気に悪事感無くなったんだけど、凄いくっくっくっって顔してるな、あのパンダ
つーかパンダがカメラ売ってるのに突っ込みはないんだなあれ



 ゆかりちゃ……じゃなかった、パンダがなんやかんやと事件を巻き起こしているUDCのとある街。
 一体どんな悪事がなされているのか、それらを暴きパンダを追い詰めるべく猟兵たちが情報収集を始めていたのだが……。
「うんいつものっすねー。で、これが今回のゆかりちゃん? ずいぶんもふもふで白黒で獣感が……」
「またゆかりちゃんか、毎度毎度懲りぬ事じゃな……」
 ちげーよ! ゆかりちゃんがやってるっぽいけどそうじゃねーよ!
 黒沼・藍亜(人間のUDCエージェント・f26067)さんにエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)さんや、今回はいつものじゃなくて別のオブリビオンだからな!?
「って、パンダだこれ!?」
「と思ったらパンダではないか」
 ああ、よかった、お二方とも逃げていく後姿をしっかり見て、ゆかりちゃんではなくパンダだとわかってくれた様子。
 そうだよ、今回事件を引き起こしているのはパンダだよ。
「いやまて、皮をむいたらやはりゆかりちゃんというオチではなかろうか?」
「そんな気はするっすけど……ゆかりちゃんの着ぐるみとか変身じゃなく本物パンダ?」
 何処まで疑うんですか、エウトティアさんよ。それに藍亜さんまで。そこまで疑うなら調査だよ、調査。
 ほらほら、行った行った! 油売ってる暇はないですぞ。
「うーん幼女じゃ猟兵は止められないから動物愛護精神に訴える方向にシフトしたの?」
 だから違うっての! まあ動物愛護精神に訴える邪神の策略な気もするけど、疑うなら行くしかないよ藍亜さん。
 ほら、もうエウトティアさんは巨狼マニトゥを呼び出して、その嗅覚でゆか……じゃなくてパンダの臭いを追跡させてるから貴女もほら、早く早く。
 そんなこんなで二人の猟兵が調査に向かう様子を見送って。
「凄い風評被害を見た」
 しみじみと、なんかこう、物語のスタート、もしくは〆って感じの雰囲気で語っている波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)である。
 あれですよね、風評被害を受けているのはゆかりちゃんですよね? ほら、何かこう、こんなぶっとんだ事件だと全てゆかりちゃんのせいにされてしまう、的な?
「……いや、バックにいる可能性はあるのか、これがこれから続く大長編の序章となる可能性が。まあ、別にどうでもいいんですけど」
 だめだぁ、この人もなんかこう、ゆかりちゃんの存在を後ろに感じていた。
 その上でどうでもいいとかいう他人事ぉ! いや、まあある意味他人事かもしれませんけど。
 すでに大騒ぎなんだから早く調査に行ってきなさい。
「うーん、何か前にも似た感じの依頼があったような……?」
 そんな昔の事件っていうか別のオブリビオンを疑っていたり、他人事な空気な面子とは違い真っ当そうな空気の方がいた!
 やったぜ、星河・成海(風にそよぐ深緑の樹・f03570)さんがまじめな雰囲気にしてくれている。
 ほら、拓哉もどうでもいいなんて空気は止して、彼女のように目の前の事件の調査から地道に初めて、ほらほらほら。
 ということで、前置きが妙に長くなったというか別事件の事を思い出していた方々のやり取りはさておいて、調査結果を見に行くとしましょうか。


「う~ん、ゆかりちゃんと同じ匂いがする!」
「でも、今のトコ餌ねだるくらいしかしてないね」
 なんやかんやでゆかりちゃんの気配を感じていたり真面目な空気になったりしていた面々より少し早く調査結果を出していたのは人格が分身した存在の緋瑪と本人である四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)の2人である。
 いやあ、レベルの2乗メートル半径を移動して協力してくれる分身って便利ですねぇ、100レベルもあるから1万メートル、つまりは10キロメートル半径まで分かれて調査ができるんですよ、素敵。
 手分けして聞き込みやスマートフォンでの目撃情報等を集めた結果が冒頭の会話であるが……まあうん、お二人も前にゆかりちゃんの事件に何度も顔を出していたものね。
 こういう空気で、ゆかりちゃんな気配を感じてしまうのも仕方ない、でもゆかりちゃんは今回関係していな……。
「小規模なパンダムーブを起こして便乗してパンダグッズの販売とかパンダ関連グッズを売って儲けたりしてるみたいだね。
 あ、顔の紙に販売員(雇われバイト中)って書いたゆかりちゃんがパンダグッズ売ってる」
 居たのかよっ!? しかもパンダブームに乗っかって資金を回収してる役割のやつを見つけたのかよ、緋瑪よ。
 い、いやしかし、偶然、バイトにきているだけかもしれない。年齢問題? ほら、UDCアースは常識がゆがんでしまう事もあるから気にしてはいけない、どうせいたのはこの販売員のバイトぐらいでs……。
「グッズ製作(同じく)やお世話係(同じく)って書いた子もいるね……ゆかりちゃんも大変なんだなぁ……」
 他にもいたようです。そんなのを見つけないで下さい、瑠璃さんや。
 だがゆかりちゃんもゆかりちゃんである、こんな別の事件にまで出張して、顔の張り紙に加筆修正してまで自己主張とは。
 しかしこのゆかりちゃん達は多分、お仕置きタイムにゃ身の危険を感じて逃げるだろう。
 どうせバイトだしサブだし、資金回収ができない上に猟兵の気配があるならスタコラサッサだぜい。
 まあ同時に集団敵に出没させれないだけだけどな!
 そんなこんなで第一発見パンダは、ゆかりちゃんと同じ匂いがして餌ねだりをしつつパンダブームで小金を稼ぎつつ、何故かゆかりちゃんがお手伝いをしていると……ん?
 ああ、そうかぁ、だから最初にエウトティアさんとか藍亜さんがゆかりちゃんと勘違いしたり、ここの二人もゆかりちゃんの匂いを感じたんだね、ゆかりちゃんが居るなら仕方ないね!
 って言ってたまるかっ!
 ゆかりちゃんじゃねぇよ、パンダの情報をもっと集めるんだよっ!?
「ちなみに、パンダの中にすあまが好きですっごくだら~っとたれてる子がいるみたいだね」
 やめろぉ! 瑠璃よ、そんなだれてて、お菓子のすあま、が大好きで捕獲できそうなパンダの事を言うのはヤメロォ!
 瓶に入れて罠を仕掛けることで捕獲できるパンダとかやめるんだ!
「ソレ、版権的に大丈夫?」
 ほらみろ、相方の緋瑪も流石にツッコミしてるじゃないかっ!

 なんだかんだで最後に危険なパンダが見つかりつつあった調査だが、まだまだ続く。
「はい、ありがとうございます。出会うのに条件があるんですね」
 開幕からやばいパンダが見つかっていた流れをまともに戻す、ごくごく普通に一般的な聞き込みとかで礼儀正しいやり取りで民間人から情報を引き出していた成海。
 そうそう、こういうのでいいんだよ、こういうので。
「昼下がりの公園でよく目撃されていて、人がいると側に寄って来て甘えてくるみたい。
 もふもふしても嫌がるどころかもっとやって欲しそうにしてるんだとか……」
 とりあえずスマホを持っている猟兵に向けて情報発信、公園での目撃情報多数に加え、もふもふできるという魅惑のプランである。
 ならばちょうどいい、先に公園に向かっていた拓哉がいるから現場の様子を聞いてみよう。
「公園でカメラ売ってるのは何か違くない???
 パンダ仕様のカメラで、このカメラ以外でのパンダ撮影は禁止……」
 なんということでしょう、公園で癒しを与えるはずのパンダに群がる人々から暴利を貪るような、カメラを限定させるという事をしているではありませんか。
 その限定カメラはどんな仕様なんでしょうか?
「使い捨てかぁ……アイドルの闇を見てる気分」
 えー、使い捨てカメラぁ? つまりあれか、再利用できないと。でも記念品としてとっておくのならまあ、使い捨ての方が色々な意味でいいかもしれない。
「うっわ、5枚しか取れない上に、一台50円(笹の葉pay可)、と………50円?」
 その上でカメラを販売するパンダが掲げてる、注意書きの看板をまじまじと眺める拓哉。
 よかった、こっちの販売員はまだゆかりちゃんじゃねぇ。
 いや、そんなことよりもこの価格だよ、全然あくどくねぇ、つまりはまだ真っ当なのかもしれない。
「何か最後で一気に悪事感無くなったんだけど、凄いくっくっくっって顔してるな、あのパンダ……っと、電話か」
 色々と思うことがあったのか、妙に悪そうな顔をしているパンダを見つけてボヤく拓哉、そんな彼に着信が。
 相手は先に街中で情報を集めていた成美であった。
「もしもし、公園にいるみたいだけど追加でわかったことがあるわ」
「あぁ、こっちも公園で妙なパンダを見つけたよ。あと追加で……」
 街中で情報を集める担当と、実地調査担当、バランスのいい配置であり、噂を即時検証できる、すばらしい状況。
「じゃあ追加でわかった事を言うわね。
 離れようとすると上目遣いで「行っちゃうの?」と言いたげに見つめてきたり、添い寝しようとしてきたりして離れるのを阻止しようとするんだって。特に疲れている人を狙っているって話もあったね」
「あぁ、そうだね、うん、実にそのとおりだと思うよ……」
 なんという事でしょう、とんでもない魅了攻撃のバリエーションである。
 公園で撮影させるだけに留まらず、上目遣いによる訴えかけに、添い寝しようとして足止めとは恐るべき能力。
 急ぎの仕事があったとしてもそこから動けないように縛り付けるとはとんでもない奴だ。しかし、ちょっと拓哉の様子が妙な気が?
「あら、そのとおりって事は現場でつかまってる人が居るのかしら?」
「そうだね、実にそのとおり。まあうん、パンダがカメラを売ってて、しかもそこに別のオブリビオンがカメラを補充しに来てね。
 ツッコミどころ満載だからつっこもうとしたら、ねぇ……」
 遠い目をしてどこかを見る拓哉、そんな彼の両足にはしがみつき、上目遣いで見上げるパンダ。
 こんな所までゆかりちゃんの侵食、もとい別件で見つかったゆかりちゃんがバイトに来ている事を目撃してしまい、カメラ販売に関わろうとした瞬間。
 ああ、またかぁ、なんて疲れきった表情になったのを察知されたのだろう、そして成海の調査で明らかになった報告が間一髪間に合わず、抱きつかれて足止めされてしまったのだ、シカタナイネ。
「えっ、捕まっちゃったの? うーん……それ以上の調査は無理ね、振りほどけないと思うし私も行くわ」
 現場での調査は難しい、そう判断した成海は電話を切って公園めざし街駆ける。
 それは足止めされた仲間の代わり、自分が現地調査を続ける為に……。
「……ちょっと憧れる気もするけど、これは放っておいたら色々とまずそうね。でも、少しうらやましいかも」
 違った、癒し効果に憧れていた。
 放置は不味いという事は分かっている、でも癒し効果を受けた一般人とか、拓哉をほんのり羨み、間に合えば自分もパンダによる癒しがあるかも、なんて思いつつ。
 公園に存在するパンダの情報が次々と明らかになっていくのであった。

「うわ、「こきょうのなかまをたすけてください」って札下げたパンダがいるんすけど……」
 同刻、街中ではパンダのきぐるみゆかりちゃんじゃないかと疑っていた藍亜がやべぇパンダを見つけていた。
 彼女が言ったように、首へ訴えかけるようなメッセージが書かれた札を下げ、道行く人に懇願するちびっこパンダ。
 そのパンダの前には募金箱が置かれている、つまりこれはパンダの生息地域が環境破壊されて失われているから、募金でなんとかして欲しい、みたいな活動だろう。
「パンダがお金集めてどうすんだろう……」
 そんな様子を見て呟く藍亜、ごもっともである。
 こういう募金をするのは環境活動家とか、そういう人たちであろう。だが今、目の前にはパンダだけ、しかも訴えかけるような事をしているというパンダ。
 ちょこんと座ってあざといポーズ、その上で故郷の仲間の為に頑張っている健気さに加え、隣に設置されたボードに「きちょうなパンダさんをたすけて!」と漢字を使わず書く事で、子供層にも希少性をアピールという周到さ。
 なんて奴らだ、ここまでお膳立てをされてしまっては簡単に退治なんて言えるはずもなく。
「これパンダ殴ったら完全に悪役じゃないっすか……」
 頭を抱え悩む藍亜、だが待て、落ち着くんだエージェント藍亜。
 君は何の為にここにいるのだ、普通に殴ってしまえば悪役になってしまうのなら、悪役にならないで殴り飛ばす何か、を探る事もまた仕事だろう。
 もうほら、ゆかりちゃんのせいにしちまえよ、楽になっちまえよ。
 別件でバイト中のゆかりちゃんも見つかったみたいだし、実はきぐるみなゆかりちゃんがパンダに紛れてた、と捏造で上司に報告してこう、コキャっとね?
 ま、その後捏造報告が発覚してお叱りとかさらに厳しい任務とか宛がわれても、当方は一切の責任は負いませんけどね!
 そんな悪魔の囁き、提案を残しつつ別の調査報告を見に行くとしよう、悩んでる藍亜さんは置いといてね。

「むっ、ここに居るのか、マニトゥよ。して……ここは……猫カフェ?」
 狼の背に乗って、嗅覚でパンダを追っていたエウトティアがたどり着いた場所、それは猫カフェであった。
 一抹の不安を抱きつつ、猫カフェに足を踏み入れたエウトティア、そんな彼女の目に飛び込んできたのは(予想できると思うけど)驚きの光景が!
「何という事じゃ、猫カフェでパンダ共が我が物顔で接客しておるのじゃ」
 うん、だろうな、見つけた場所が場所だしそうだろうと思ったよ。
 じゃあパンダが接客をしている、つまりはスタッフ猫の仕事をしているという事は元のスタッフである猫はどこに?
「猫スタッフをケージに閉じ込めて、お客に媚びを売ったり猫たちのおやつを食べたり猫ベッドで眠ったりなどやりたい放題じゃな」
 こちらも我が物顔、調査という名目でスタッフルームに堂々と侵入していたエウトティア。
 猫スタッフさん、かわいそうに、ケージなんかに閉じ込められちゃって。接客という日々の重荷、猫かわいがりで過剰なスキンシップをしたり、嫌がってるのに近づいてきたり。
 もう満足したっていうか、そのおもちゃには飽きたけど過剰に構おうとしたり、やかましくキャーキャー言って写真をとりまくろうとしたり、抱き上げようとしたりする客から隔離され。
 静かなケージの中で思うまま、餌を食べたり寝たり……あれ、これじゃあ猫スタッフの休日じゃないか! 可哀想でもなんでもねぇ!
 さておき、そんな、パンダが接客していては店内はパニックでしょう、状況報告をお願いします。
「大熊猫に猫の文字が入っているせいか客も気にせず可愛がっている様子、じゃが大熊猫は断じて猫ではないのじゃ」
 あっ、はい、お客さんも漢字で大熊猫って書くから気にせず猫カフェのように振舞っているということですね。
 いやしかし、ちょっとまってほしい、ここは本当に猫カフェだったのだろうか?
 看板から大熊、という文字『だけ』が落下して、猫カフェ、と表示されていた、とすれば不思議ではない、狂気によって常識が歪んだわけではない、と言えるのではないだろうか?
「何を言っておる、地の文の精霊よ。先ほど猫がおったじゃろう?
 これはパンダにもじゃがお主にもお仕置きせねばなるまり」
 やめてっ、ちょっとそれっぽい事を語っただけなのにお仕置きはヤメテッ!
 こ、こっちより、猫カフェ制圧してやりたい放題パンダへのお仕置きに注力して下さいっ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

シスカ・ブラックウィドー
【パンダ特捜隊】
アイさんと参加

ちっこいパンダのオブリビオンがいると聞いて。
グリモア猟兵さんの情報によると、パンダ達はあざとい仕草で人々を誘惑し、おやつをねだっているという。

これはぜひとも餌付けしてお持ち帰りを、じゃなかった、どうあざといのか調査する必要があるよね、アイさん!

フル充電したスマホを持ってパンダを尾行。ビデオ撮影モードで市民や猟兵を誘惑する姿を克明に記録します。アイさんの誘惑にはパンダに夢中で気付かず。

ああ、足元に抱きつくなんて、なんてあざとい!(興奮)
思わずパンダに駆け寄ろうとする所をアイさんに止められて断念。むせび泣く。あれ、なんかアイさん機嫌悪そうだぞ。なんでだろ......?


アイ・ブラックウィドー
【パンダ特捜隊】
恋人のシスカさんと

「シスカさんからお出掛けに誘われたから、デートだと思ってお洒落して来たのに……」(ぶつぶつ

シスカさんは周囲のちびっこパンダたちに夢中です。
ああっ、なんかおやつをねだったりして、あざといですっ!

「シスカさんもシスカさんです。
カメラはパンダに向けっぱなしで、一度も私を撮ってくれませんし……」

こ、こうなったら、私もあざとさで対抗です!

「シ、シスカさん……この服、似合ってます?」
「今日はちょっと暑いですね……?」(胸元ぱたぱた
「なんか風が出てきましたね」(スカートの裾ちらり

……なんで、シスカさんの視線がパンダから離れないんですか!?
パンダに駆け寄らないでくださーいっ!


黒木・摩那
パンダ!(がたっ)

あのパンダがこんな身近で見られるなんて。
すごくお得ですね。

しかも、このパンダ達、いろいろな組体操までしちゃってます。
扇、サボテン、ピラミッド……

一糸乱れぬ技の数々、可愛さも相まって、すばらしいですね。

え? 見物料払え?
あぁ、良いもの見せてもらったんですから、もちろんですよ。

え? もっとよこせ?
そんなつぶらな瞳で見られたら、断れないじゃないですか!

結局、いいお値段になってしまった気がします……

あれ? さっきまでピラミッドに人間混じってたかしら??
もしかして、お金を払わなかった人はピラミッドの礎?
いや、もしかしてお金を払って、ピラミッドになったのかしら?



 散々な調査結果が上がってきてしまっていた。
 だがここから猟兵による巻き返し、次々とパンダたちの悪事が判明しt……。
「パンダッ!」
 駄目なようですね。
 ガタッって机から立ち上がるような効果音と共に街へ飛び出していたのは黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)
 パンダが間近で見られるなんてすごくお得とか言いながら、多数のパンダの目撃情報のある空き地へと突っ走っていくその姿にはこう、なんだ。
 調査名目でパンダで癒しを、もふもふを求めているって空気がバリバリに漂っている。
「ちっこいパンダのオブリビオンがいると聞いて」
 そんな突っ走っていった摩那と同じく、パンダを追い求めている者がここにも居た。
 あざとい仕草で誘惑した挙句、おやつをねだると聞いていてもたっても居られずに乗り込んできたシスカ・ブラックウィドー(魔貌の毒蜘蛛・f13611)である。
「これはぜひとも餌付けしてお持ち帰りを、じゃなかった、どうあざといのか調査する必要があるよね、アイさん!」
 おおーい、本音が口から洩れてるぞ?
 ぐっと握り締めた手の中には充電を完了、動画も写真もばっちりだといわんばかりのスマホを持って、人々を誘うパンダを探すシスカであったのだが……。
「シスカさんからお出掛けに誘われたから、デートだと思ってお洒落して来たのに……」
 いかん、ちょっと不穏な空気と共にアイ・ブラックウィドー(電脳の天使・f28910)ぶつぶつと呟いているっ!?
 おおーい、シスカよ、恋人の異変に気付いていないのか?
「早く早く、あっちにパンダがいましたよ、アイさん!」
 気付いていないようですね……視線は逃げるちびっこパンダに釘付けのシスカであった。
 せっかくお洒落したというのにコレでは台無しではないか。
 いやまて、まだだ、まだ誘惑されているだけかもしれない、そう、つまりはオブリビオンの卑劣な罠に掛かってしまっているだけなのかも知れない。
 めっちゃパンダを追うシスカと、ちょっとパンダにジェラシーを感じつつ追うアイ。
 なんとも言えぬ空気の、これはデートと言えるのか、いや、多分、これはそう、街全体をパンダ園と見立てたデートという奴だろう。
 調査名目で自らの欲求を解放した猟兵のパンダ堪能タイムが始まろうとしていた。


 住人を、そして住人に紛れた猟兵を誘うように体を振って進むちびっこパンダ。
 恋人とのデート、な筈なのにカメラは終始、パンダに向けたシスカが進めば、ふて腐れたようなアイが続くという見る人が見れば修羅場でも始まるんじゃなかろうか、という雰囲気で。
「見て見て、アイさん! ここがパンダたちの本拠地かな!?」
 ちびっこパンダが到着した空き地、そこは人によっては桃源郷だろう。
 何せ様々なパンダが思い思いのポーズで人々を見上げたり、添い寝しようとしたり、はたまたてってこ近づいてきたりと完全な甘えっこムーブを決めていたのだから。
 多くの人々と同じくシャッターを切りまくるシスカ、ついでにビデオ撮影モードで誘惑する仕草も余す事無く記録するシスカ。
「むきゅー」
「ああ、足元に抱きつくなんて、なんてあざとい!」
 そんなシスカの足元に誘惑目的で抱きつくちびっこパンダ、こりゃあ完全に骨抜きにされてしまったなぁ。
 あれ、そういえば恋人のアイさんはどうしたのだろう?
「きゅー……むきゅー……」
「ああっ、なんかおやつをねだったりして、あざといですっ!」
 こちらも誘惑されていた。
 というか恋人に構ってもらえていない空気を察したのか、ちびっこパンダが『だったらボクを構って?』みたいな感じでアイを見上げ、物欲しそうに自分の口元に手なんか持っていっちゃって。
 笹ではなく、おやつが欲しい、みたいなポーズを決めて誘惑していた。これは普通の状態、つまりしっかりとシスカが構ってデートって雰囲気なら一緒になって誘惑されていただろう。
 だがしかし、今の彼女はデートのはずがパンダに恋人の興味を奪われた怒れる乙女、この程度の誘惑にやられるような状態ではない。
「うう、シスカさんもシスカさんです。
 カメラはパンダに向けっぱなしで、一度も私を撮ってくれませんし……こ、こうなればっ!」
 何か覚悟を決めたのだろう、うつむいていたアイがクッと顔を上げたなら、その瞳にはまるでメラメラと燃えるような闘志が宿り。
 そっと自分の衣服の肩口に手なんか置いちゃって。
「シ、シスカさん……この服、似合ってます?」
「うん、うん、あっ、今あっちのパンダが寝転んだ!」
 ちょっとお洒落した今日の衣装をどうかと聞いてみるも、シスカの耳目はパンダに夢中。
 いや、ここで負けてなるものか、自分もあざとさで対抗すると覚悟を決めたのだから行く所までいってやるとばかりに次の一手を打つアイ。
「今日はちょっと暑いですね……?」
「そう? 過ごしやすいと思うけど、パンダを追いかけて走ったからじゃない?」
 誘惑しようと胸元をパタパタさせちゃったアイの方を一切見ずに、パンダをガン見するシスカ。
 駄目だ、コレでは足りない、次の一手だ。
「なんか風が出てきましたね」
「えー、砂埃とか出たらカメラ映りが悪くなるからいやだなー」
 パタパタとスカートの裾を動かして、さり気に、いや。
 露骨にシスカの視界に入れてったのに、完全にパンダに気を取られているシスカ。
 ああ、駄目だったよ、あざとく行ったのにパンダに完全敗北だ……。
「……なんで、シスカさんの視線がパンダから離れないんですか!?」
 自らに降りかかった不合理に思わず叫ぶアイ、だがね。
 そんなアイに非情な現実、更なる追い討ちが。
「やっと追いつきました、組体操パンダたちに!」
 声の主はパンダを求め突っ走っていった摩那、そんな彼女が発見し、誘われるがままにこの空き地へと到着したのだが……摩那の見つけたパンダはあざとく誘惑するパンダの一つ上を行くパンダ。
 興奮した摩那が合図を送る仕草をすれば、ここで期待に答えるとばかりに一列に並んだパンダ。
「では……もう一度お願いします! はい、はい、はいっ!」
「むきゅっ、もきゅっ、むきゅっ!」
 一糸乱れぬ動きを見せて、一列に並んだ状態から各々の手を取り合って、まるで扇のように広がるパンダ。
 続けて、1頭が立ち上がったパンダの膝上に立ち上がり、上らせたパンダが膝上パンダの膝を抱え、落下せぬよう力を込めて。
 上に立ったパンダが両手を広げ、サボテンというポーズを決めて。
 最後には四つん這いになった3頭の上へ2頭が四つん這い、その上に1頭とくみ上げられたピラミッド。
 可愛さの上に統率された動き、ギャップ萌えまで考えたというのか、恐ろしいパンダっ!
「うわぁああああ! あのパンダ、体操までっ!」
「パンダに駆け寄らないでくださーいっ!」
 普通に可愛いパンダに歓喜していたシスカ、そこへ組み体操まで決める奴が来たんだ、駆け寄らないという選択肢はなかった。
 だがその選択を許さぬとばかりにガシッとシスカを掴み離さぬアイ、なんだかいつも以上に力が掛かっているのは気のせいではないぞ、多分。
「ううっ、なんで、あんな近くにいるのに触れ合えないなんて……うううっ」
 恋人に直接的に止められ断念、咽び泣くシスカであるが……それよりもほら。
 気付くべきことがあるぞ、シスカ。
「あれ、なんかアイさん機嫌悪そうだぞ。なんでだろ……?」
「………………」
 駄目だ、この人どうしてアイさんが機嫌悪いか全然理解してねぇ!?
 デートだと思ったのにパンダに色々と恋人の注意をもってかれて、ジェラシー感じてるって部分を察してねぇ!?
 嗚呼、これぞ思いの、感情というボタンの掛け違え。
 その辛さはほら、摩那さんが見つけた組み体操ちびっこパンダの様子を見て紛らわそうじゃないですか。
 え? アイさんにとっては追い討ち? まあうん、はい。

「はい、はい、はいっ! じゃあ最後はお約束で……はいっ!」
「むきゅーーーっ!」
 組み体操パンダ、笛を吹いて合図を送る担当な動きをした摩那の指示に従って。
 多数のピラミッドが出来た後、叫びと共にぐしゃーっと崩れるお約束の動きを見せる。
 素晴らしき演技、観客な一般人を含め拍手喝采の中、別のパンダが箱を持って現れて。
「え? 見物料払え?
 あぁ、良いもの見せてもらったんですから、もちろんですよ」
 けんぶつりょう、とひらがなで書かれた紙を貼り付けた箱を持ち、パンダが巡回するので躊躇い無く財布からお札とか小銭を入れる人々、あと摩那。
 だがあざといパンダ、この程度で満足するわけもなく、また誰がどのぐらい楽しんでいたのか見ていたのだろう。
「え? 合図を送って楽しんでいたからもっとよこせ?
 そんなつぶらな瞳で見られたら、断れないじゃないですか!」
 摩那に近づき、腕を振って合図を送れば別のパンダが動いて見せて。
 合図、パンダ動く、つまりは追加料金だ、というような感じの訴えをつぶらな瞳で、しかもちょっと涙まで湛えちゃってアピールすれば、興奮状態の摩那さんが躊躇うわけがねぇ。
 財布を開き、お札をぶち込むがそこに後悔は無し。
 暫し興奮の余韻に浸りつつ、新たな演技を見る摩那であったが……。
「結局、いいお値段になってしまった気がします……」
 あっ、今になって財布が軽くなった事を気にし始めた。
 まあ仕方ないね、パンダが可愛くあざといからいけないんだ。だったら次の演技でも見て、再び興奮すればいい。
 追加でおひねりを取られるのはまあ、必要経費という事で。
 しかし、次の演技は先ほどまでとは様子が違ったのだ!
「あれ? さっきまでピラミッドに人間混じってたかしら??」
 そう、その違いに気付いてしまったのですね、摩那さんよ。
 ピラミッドの土台部分、四つん這いになる所に人間が混じっている事に。
「もしかして、お金を払わなかった人はピラミッドの礎?」
 お金を払わない奴は許さない、土台になれと無理矢理演技に参加させられているとした由々しき事態。
 だがしかし、その表情はなんというか、こう……めっちゃ幸せそうだった。
 土台になった場合、一番負担のかかる最下段の真ん中だというのに、その一般人は恍惚の表情を浮かべていた。
 まあそうだろう、だって両サイドにはちびっこパンダのもふもふが、上にはちびっこパンダの重みがあるんだから。
 その様子を羨ましげに見つめる人々、その前を巡回する箱を持ったパンダ。
「あのパンダ……これはもしかしてお金を払って、ピラミッドになったのかしら?」
 思わず呟いた摩那、その言葉に対し我が意を得たりとばかりに頷き、箱を掲げるちびっこパンダ。
 なんてこった、このパンダ。
 自分たちの演技に参加できる権利を高額販売してやがる、かなりあくどいというか金に汚いパンダじゃねぇか!!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

シャムロック・ダンタリオン
ああ、パンダがやらかした事件か。
名のある格闘家とストリートファイトでもやろうというのか?(ぉぃ)。

――それはさておき。
まずはパンダについて一通り調べておくか(【指定UC】を駆使し【世界知識】を引っ張り出し【情報収集】)。

――って、何でこいつらスマホを器用に扱っているのだ?
しかも何やら自撮りとかして――何だ?着信だと?(と、自分のスマホを見て)

――いや、何気にSNSを使いこなしているなこのパンダども!?
しかも僕のIDをどうやって調べ上げた!?
ああ、見た目がかわいいのが余計にむかつくなぁこ奴ら!!

※アドリブ・連携歓迎


クーナ・セラフィン
よーし久しぶりのゆか…なんでパンダ?
というかゆかりちゃん起点に汚染広がってない?
とにかくいつも通り調査頑張ろうか。

パンダと言えば動物園、だけど人多すぎで逆に逃げられなくなるから狙わないだろう。
程よく人がいてかつ逃げやすい…イマイチ浮かばないなー。
とりあえず高い所…デパートの屋上辺りから地上見下ろして人が集まってるとこ探してみるかな。
…いたよパンダ。あれもパンダだしねー。百円入れる乗り物のアレ。
それに紛れて当たり付きみたいな感じで遊んで誘惑してる。
それからあっちに見えるのライブカメラ?配信までやって魅了してるの!?
そーっと紛れて乗って…あ、壁伝いに降りて逃げた。
…追おうか。

※アドリブ絡み等お任せ



 様々なパンダが見つかった、いやあ、混沌としてきたなぁ。
 そんな中、まだまだ調査は続いていた。
「ああ、パンダがやらかした事件か。
 名のある格闘家とストリートファイトでもやろうというのか?」
 まてぃ、シャムロック・ダンタリオン(図書館の悪魔・f28206)よ、ストリートなファイトをするパンダとかなんて事を言い出すんだ。
 元々はクマなキャラのコンパチだったのにいつの間にか個性を持ったり、世界大会の敗者復活枠で選択されてそこからまさかの優勝に至った存在では断じてないぞ、ここでは!?
「それはさておき。まずはパンダについて一通り調べておくか」
 うんうん、それでいいんですよ。
 そんな感じでパンダについて調べれば、出るわ出るわ普通にパンダな情報のどこぞの動物園で繁殖に成功、赤ちゃんパンダの命名に関する公募とかお披露目の日程……とかじゃなく今回の騒動についての情報である。
「……って、何でこいつらスマホを器用に扱っているのだ? しかも何やら自撮りとかして」
 電子の海、スマートフォンで情報を検索していたシャムロック。
 その検索結果を見て絶句、なんということでしょう。
 SNSの個人情報を発信できるサービスを活用し、自取り画像に仲間を撮影した写真なんかを添えちゃって、パンダ語と称して「ぱ」「ん」「だ」の三文字を適当に並べたり、「むきゅ」という鳴き声っぽい文字を組み合わせ。
 意味不明な文字列を並べた後に、日本語訳として「ともだちと、こうえんで」とか普通の情報を同時発信。
 あざとくSNSから魅了される人々を増やしていたのである! このパンダやべぇぞ!?
「……いや、何気にSNSを使いこなしているなこのパンダども!?」
 まったくそのとおりである、まさかSNSを使いこなすパンダがいるとは思いもよらぬ。
 だがそんな現代社会に取り入ったパンダがいるという情報を引き出したシャムロック、流石である。
 大量に発信されるこの街のちびっこパンダ情報を探る彼ではあったが……その中でとある情報がヒット。
 それを見て、彼はまたうわぁ、って顔をするのだが一体どんな情報なのか?
 ならばその現場に偶然居合わせた猟兵視点からご覧いただこう。

「よーし久しぶりのゆか……なんでパンダ?
 というかゆかりちゃん起点に汚染広がってない?」
 待って、クーナ・セラフィン(雪華の騎士猫・f10280)さん。
 貴女も最初の方に居た猟兵の方々と同じようにゆかりちゃんと勘違いしないで。というかこういうぶっ飛び事件=ゆかりちゃん、の公式があって待ってました、みたいなノリでやってこないでっ!?
 違うから、ゆかりちゃんじゃないから、あと汚染広がってない……と言いたいけど汚染に関しては否定できないっ。
 さておき発信された恐ろしい情報の現場に居るというクーナ、彼女が何処にいるかというと。
「パンダと言えば動物園、だけど人多すぎで逆に逃げられなくなるから狙わないだろう。
 程よく人がいてかつ逃げやすい……イマイチ浮かばないなー」
 推理しながら街進み、ふと目に映ったのは大きなデパート。
 高い場所から見下ろせば人だかりも見つかって、そこに行けばいいのではと思い立ち彼女は屋上、子ども遊園地的なデパート屋上へと足を踏み入れていたのだが。
「……いたよパンダ。あれもパンダだしねー。百円入れる乗り物のアレ」
 見つけてしまったパンダ、うん、彼女が言うようにパンダが成りすましていたのはお金を入れると動く車みたいなアレ。
 様々なデザインで普通の車や飛行機、後はちびっ子のヒーローとかに加えて動物ってのがあるんだが、確かにパンダデザインのものはある。
 それに紛れて、しかもちゃっかりコイン投入口付の箱なんか取り付けちゃって、お金は回収しながらパンダカーの中に当たりがあるよ! というノリで誘惑して遊んでいたのである。
「それからあっちに見えるのライブカメラ? 配信までやって魅了してるの!?」
 ついでに設置されていたのはこの光景を配信する為のライブカメラである、つまり先ほどシャムロックが見つけてうわぁ、ってなった情報とはこのライブ映像であったのだ!
 なんということでしょう、まったく別の方向から調査をしていた二人の猟兵。
 点と点だけでしかなかったちびっこパンダの誘惑という情報が、ここに来て一つの線で繋がったのだ!

「ああもう、見た目がかわいいのが余計にむかつくなぁこ奴ら!!」
 そんなこんなでクーナが見つけてしまった、というかたどり着いたデパート屋上のライブ映像を視聴していたシャムロック。
 リアルタイムで映し出される映像を見ながらあざと可愛い仕草に魅了されつつも陥落せず、言葉を紡いだ彼ではあったが突然の着信通知。
「何だ? 着信だと? なにっ? 現場デパートからだって?
 こっ、これはパンダ!? こやつ僕のIDをどうやって調べ上げた!?」
 正体不明のアカウントから来た着信、メッセージのタイトルにあった現場デパートの文字。
 なんということでしょう、スマートフォンを自在に操るちびっこパンダによって、何をやったかしらないがシャムロックのIDが調べられライブ配信とは別の映像が直接送られてきたのである!
 そこにはデパート屋上から移動するパンダ視点の映像となっており。
 そーっと近づいて来るクーナの映像、それを見て猟兵と気付いたのだろう、急ぎ振り向きフェンスに走る光景と。
 華麗に乗り越え、そして壁伝いに降りていくパンダ視点での映像であったのだ。
「なんと、面妖なパンダめ! と、あれは!?」
 食い入るように映像を見るシャムロック、彼が見た存在にはパンダも驚いたのだろう、映像が激しく上下に揺れている。
 そこに写っていたのはパンダを追うように動いたクーナが華麗にフェンスを飛び越えて、空中を飛び回りパンダに迫る姿であったのだ。
「むきゅーっ!?」
「ふふふ、さあ、ここに百円があるよー? その箱に入れたら乗ってもいいんだよねー?
 あっ、パンダが集まってる場所まででいいからさー?」
 こ、こいつ、空を飛んでいるっ、という感じで逃げるパンダ、追いかけながら乗せろと迫るクーナ。
 恐るべき光景が繰り広げられるその画面を半ば死んだ目で見つめ、とんでもないパンダが居たものだとシャムロックはため息をつくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『ちびっこパンダ』

POW   :    おかあさん
自身の身長の2倍の【おかあさんパンダ】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    こうげき!
【もふっとした前足】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    おやすみ~
【きらきらとした光】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵の調査によって、様々なパンダとその事件が明らかになってきた!
 まず全体的に小金を稼ごうとしているパンダが多い、パンダグッズにそれに関連した商品を販売することで利益を上げるパンダ。
 特別製の撮影枚数が極端に少ない、でも良心的価格にする事であくどいと思わせずついつい購入してしまう使い捨てカメラを売りつけ撮影会をしているパンダ。
 露骨に癒しを与えるアピールして、急ぎの仕事とかがあってもその場に足止めしてしまうあざと可愛いパンダと組み合わさることで公園での出費を強いるという恐ろしいコンボである。
 ついでに生息地域、故郷の自然環境がピンチだと、仲間を助けてほしいとアピールしちゃって募金を訴えるパンダ。駆除した猟兵が悪人に見えてしまうというなんとも嫌らしいやり方、さすがパンダ汚い。
 パンダは漢字で書くと大熊猫、だから猫カフェに居ても不思議ではないと猫カフェを制圧しちゃって猫スタッフをケージに追いやり休暇を与え、自分たちが癒しを振りまくパンダも居た。
 あざと可愛く誘惑するパンダの中には何故か一糸乱れず組み体操を決める集団も居た。
 その集団はおひねりを人々から徴収し、さらには組み体操に参加する権利までもを投げ銭の多寡で与えるという射幸心を煽りつつどこまで銭を引き出せるか、という部分を惜しげもなく出してくるあくどいパンダであったのだ。
 更にはデパート屋上で子ども遊園地にあるお金を入れると動く車みたいな奴に成りすまし、当たりつきと称して子どもからお小遣いを集金するパンダも居たりしてもうカオス。
 だがそんなパンダの中に紛れてSNSなんか利用しちゃって、自分たちの自撮写真やライブ配信までしちゃうスマートフォンを使いこなすパンダもいたりとどうなってやがる!?

 と、とりあえずこれで大体の調査は終わった。
 なお、調査途中で何故か見つかった別のUDCであるゆかりちゃんの様子は既に無い、どうやら猟兵の気配を感じ速やかに撤退したのだろう、同時に二種類の集団敵が出ることも無いしシカタナイネ。
 という訳でここからはお仕置きタイムである。
 何処で遭遇したのかは猟兵の皆様次第、偶然街中で見つけてしまったのかも知れないし、集まってる場所に殴り込みをかけたのかはまあ、行動で示せばそうなるだろう。
 また戦闘なんて適当に、まだ別のパンダがいるかも知れないと調査しても良いし、ここまでパンダたちがぶっ飛んだ原因の邪神に関して情報を集めても良い。
 その邪神がなんて酷い事をしていたのか捏造……じゃない、新事実を見つけるのもまた猟兵の仕事なのかもしれないのだ……知らんけど。
 つまりはここから先も好きに振る舞い、やりたいように成すが良い、という事である。
 街がとんでもないことになっているとわかっても、またこれからとんでもないことになってしまっても、まあいいじゃないですか。
ルゥナ・ユシュトリーチナ
●アドリブ連携歓迎
すまん出遅れたッ!……ってパンダだこいつら!?
ねぇ、ゆかりちゃんは?え、居ない??ナンデ???
まぁ、これはこれでキュートだから良しとしよう。
よーし、ルゥナさんが全力で可愛がり()しちゃうゾ!

やっぱり、パンダが沢山居る場所がいいよね。
取り合えず手近な子を捕獲…もとい、抱っこしてと。
大丈夫、怖いことはしないよぉ?
撫でたりモフったり握ったり絞めたり潰したりオトしたりするだけだから安心して???【怪力】【鎧無視攻撃】【覇気】【目潰し】【蹂躙】【気絶攻撃】【暴力】【恐怖を与える】
なお、眠気は自分自身の頬をを抓って耐える。【激痛耐性】

……さて、と。次はどの子カナー?【郷愁を誘う】【慰め】


エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎

やれやれ、パンダを放置したら世界が滅ぶというのにここの連中も仕方のない奴らじゃな。
そもそも店主はこの惨状になにをしているのじゃ。
…なに?思いの他盛況で、利益をパンダと折半してもこちらの方が儲かる?それに客も猫も喜んでいるじゃと?
あー…なんとなくこのままでよい気もしてきたがこちらも仕事でのう、残念じゃがパンダ共は没収させて貰うぞ。
…ん?心は痛まないのかじゃと?無いな、わし犬派じゃし。それ、狼達よ、パンダの首筋を咥えて搬出せよ。
自然の摂理の大自然の掟で弱肉強食的なサムシングで処分しておくのじゃ。
ここの地の文の精霊とは芸風が合わぬじゃろうから描写に入らないように気をつけるのじゃよ。



 様々なパンダが街中を闊歩する異常事態、これは危険な空気である。
「すまん出遅れたッ! ……ってパンダだこいつら!?
 ねぇ、ゆかりちゃんは? え、居ない?? ナンデ???」
 話をややこしく、そしてバイオレンスにしてしまうのでずっと出遅れたままというケースも想定していたのにゆかりちゃん、な気配を感じてやってきちゃったかぁ、ルゥナ・ユシュトリーチナ(握撃系無気力フラスコチャイルド・f27377)よ。
 ゆかりちゃんはほんのちょっとだけ出番があったよ、もう帰ったけど。
 あと居ないのは集団敵二種類が同時に出るフラグなんて無いからだよ、世界観的には洗脳されたのがパンダだけだったという事にしてるけど。
「まぁ、これはこれでキュートだから良しとしよう」
 良いのかよ、それで。まあ本人が良いと言ってるならそうなんだけど、どうやってお仕置きするんですかねぇ。
「よーし、ルゥナさんが全力で可愛がり()しちゃうゾ!」
 アカーン!
 可愛がりはアカーン! 色々な意味で駄目な事になってしまう!
 大相撲の稽古における可愛がり、まああれだ、しごき以上に危険でバイオレンスでショッキングな映像を披露するつもりだな!?
 そんなこんなでルゥナが手近なパンダを見つけてしまった、これはいけない!
 逃げてー! パンダちゃん、超逃げてー!
「取り合えず手近な子を捕獲……もとい、抱っこしてと」
 ああ、駄目だった。ルゥナ、もとい猟兵の危険性をそこまで認識していなかった個体が普通に抱っこされていた。
 自分には相手をどうにかできる魅力があるって自信に溢れた顔だがまあ、ご愁傷様。
「大丈夫、怖いことはしないよぉ?」
 何かこう、嫌な気配を感じさせる呟きとともに撫でたり、もふったり、握ったり。
 最初は優しく、されど握ったあたりから力が加わってないか? パンダもちょっと不安げな顔になってきて……。
「む、むきゅ?」
 やばい、これは逃げねばとジタバタし始めたがもう遅い。
 締め上げ、そのまま怪力でこう、ぐちゃっとね? 潰れるような圧力をかけられて哀れパンダ、意識を失いガクッと頭を垂れていき。
 これは完全にオトシたな、意識を。
「む、むきゅー!!!」
 仲間がやられた、この人間はヤバイ。そう感じたちびっこパンダがきらきらと光り輝き、眠りを誘う光をルゥナへ向けて飛ばしていく。
 しかしそんなもの効かぬとばかりにルゥナは自らの怪力で頬をつねり、痛みでもって目を覚まし。
 ゆらりと歩きパンダに接近。
「……さて、と。次はどの子カナー?」
 手をわきわきと動かして、されど行う行為は容赦なき力業。
 圧倒的な恐怖を植え付け、暴力でもって逆らえねぇと思わせて。
 哀れ、ちびっこパンダの絶叫が木霊するのであった。うむ、動物愛護の精神が欠片もねぇな!

「やれやれ、パンダを放置したら世界が滅ぶというのにここの連中も仕方のない奴らじゃな」
 同刻、猫カフェにてエウトティア。
 世界が滅びに突っ走って……うん、UDCアースだしオブリビオンだし放置したら世界が滅ぶってのは間違いない、まあパンダのやってることがやってる事なので実感はわかないが。
 決して放置していい事件ではない、そこは正しいですけど。
「そもそも店主はこの惨状になにをしているのじゃ」
「いやぁ、最初は驚いたんですけど、パンダになってからの方が客の入りがよくて……。
 利益を折半してもこのままの方が儲かる上に、お客さんも珍しいパンダと触れ合えて、猫も休暇を貰って喜んでて」
 店主を発見、問い詰めちゃってるエウトティア。
 だがなんという事だろう、パンダの方が猫カフェをやっているより儲かるという!
 まあそうだろう、最近は猫カフェも増えてきて競争激化、そんな中でパンダカフェなんてものになればそりゃあ、珍しさで人は殺到するし、売り上げも増えるし、猫も無茶な事を強いられずに済むし。
 全員がウィンウィンな関係だ、なんて店主が言い返すのをため息混じりに眺めるエウトティア。
「あー……なんとなくこのままでよい気もしてきたがこちらも仕事でのう、残念じゃがパンダ共は没収させて貰うぞ」
「えっ、そ、そんなっ! 猫たちも喜んで、パンダも楽しそうで、お客さんも楽しんでるんですよ!?
 店の経営をまた苦しい事にして、猫を働かせて、お客さんも残念がらせるなんて……心が痛まないんですか!?」
 必至の弁明、されど受け入れる余地なし。
 容赦なく没収宣言をしたエウトティアに店主が食い下がろうにも既に回収準備は済んでいたのだろう、エウトティアが呼び出した多数の狼がこの猫カフェを取り囲んでいたのだから。
「……ん? 心は痛まないのかじゃと? 無いな、わし犬派じゃし」
 良心に訴えかける店主の叫び、それを非情に切り捨てて。
 パンダでも猫でもない、犬派だと告げて店の外へと目配せすればそれが襲撃の合図であろう。
「それ、狼達よ、パンダの首筋を咥えて搬出せよ。自然の摂理の大自然の掟で弱肉強食的なサムシングで処分しておくのじゃ」
「オォオォオオオオオン!」
 くいっと顎上げ、言葉を紡げばドアをブチ開け突入してくる多数の狼。
 獰猛な肉食獣は、ちびっこの子パンダにも容赦せず、弱肉強食ということで全て没収という事であろう、恐ろしい。
「パンー!?」
「ダー!?」
「ムキュゥウウー!」
「わたしの癒しがー!」
 突然の襲撃に対応できず、次々と首筋を咥えられて連れ出されるパンダたち。
 ちびっこパンダの絶叫に混じって客の悲痛な叫びもあるが気にせずに、狼達はパンダ搬出を継続。
 そんなこんなでパンダによって制圧されていたスペースが開放されたので、猫スタッフたちも休暇を終えての出勤である、こんな惨状を気にせず振舞うのはやっぱり猫だからだね!
「うむうむ、搬出は順調じゃな。ここの地の文の精霊とは芸風が合わぬじゃろうから描写に入らないように気をつけるのじゃよ」
 おおっとぉ、それはちょっと聞き捨てなりませんねぇ、エウトティアさん。
 処分が芸風に合わないから描写外で処理しろだなんて字の文泣かせな事を仰りますか。
 ご安心を、ほら、先ほど、ちょっとバイオレンスにコキャっとする方の描写をしてき……。
「肝心のスプラッター描写はぼかしておったじゃろ。む、あの光を受けてわしは眠くなったのでこの話は終わりじゃ」
 あっ、ちょっと面倒になったからって、巨狼のマニトゥさんの上に乗ってからわざと光を受けたぞこの人!
 眠って話を終わらせるとかなんて人なのでしょう。
 そんな彼女とは別に、召集された狼達は猫カフェを制圧していたパンダ達の抵抗をちょっと受けつつも全て搬出を完了。
 普通の猫カフェに戻った店、経営が再び苦しくなった店長とパンダの接客という珍しさを失い嘆く両者と。
 そんな惨状など何処吹く風、マイペースに餌を、おやつを堪能し、今までどおりに接客に勤しむ猫スタッフが残されるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

黒沼・藍亜
そう、あくまでパンダだと言い張るのならこっちにも考えがあるっす

とりあえず、パンダ周りの一般人を遠ざけるっすよ
「密輸したパンダを調教し、募金詐欺などを企んでいた犯罪グループがこの街に居る」
「そのパンダが脱走、中には色塗られた親子の熊もいて危ないので捕獲作戦遂行中」
「なお犯人グループは逃走中。子供も混じってたとか」
と、有ること無いこと吹き込みそして記憶操作し帰ってもらう。
ついでになんとかちゃん達にはパンダ密輸他の罪を被せるっすよ

さて、
じゃ故郷に還ろっか?パンダちゃん?
ほら、仲間ももう帰るってさ(UCで不意打ち)
それとも…(UDC展開)沼底がお好み?

……残った募金箱は後でちゃんとしたとこに寄付しよ



 ハグされちゃったり撤去されたり、弱肉強食が始まっちゃってるパンダちゃん。
 そんな中、ここでも強制退去が始まろうとしていた。
「ああーん、かわいいっ! わかったわ、故郷のお友達の為だもんね、募金しちゃうわ!」
 また騙されたであろう一般人が財布を開き、紙幣を取り出そうとしたその瞬間。
 それはいけないと藍亜が颯爽と飛び出して声を張り上げ阻止していた。
「密輸したパンダを調教し、募金詐欺などを企んでいた犯罪グループがこの街に居る!」
 突然聞こえた不穏な言葉、密輸に詐欺に犯罪という物騒な単語に思わず手が止まる一般女性。
 ここだとばかりに藍亜は更に言葉を続ける。
「そのパンダが脱走、中には色塗られた親子の熊もいて危ないので捕獲作戦遂行中」
 なんということでしょう、パンダを救おうとしたのに実はそれはパンダではなく、ペンキか何かで色をつけられた可哀想なクマであり。
 善意を悪用する恐るべき集団に踊らされている、なんて現実があるという。
「えっ、そんな、こんなかわいいのに、パンダじゃなくてクマで……」
「俺たちの募金が、詐欺グループに渡っていたなんて」
「笹を持ってるけど、食べる様子が無かったのももしかして……」
 突然現れた藍亜の言葉に同様が広がって、募金グループなちびっこパンダたちから距離を取る一般人。
 ここだ、もう一押しだとばかりに藍亜は更に言葉を続ける。
「なお犯人グループは逃走中。子供も混じってたとか。つまりクマを調教する人がいなくなったって事だから、暫くすると勝手に暴れだす可能性も……」
「ちょ、何か妙な目でこっち見たぞ!?」
「親のクマを呼んでるの、まさかっ?」
「に、逃げろっ!」
 募金させる行動を邪魔されたのが気に入らなかったか、藍亜を敵とみなして動き出そうとした姿。
 それこそが調教師不在の為に勝手に動き出した危険なパンダ、もとい色塗りクマだと思わせた藍亜の作戦勝ちといった所だろう。
 親を呼び出し暴れだすのでは、と一般人に思わせたので目論見どおり、慌てて逃げ出す人々に記憶消去銃の光を見せて一部の記憶を消し去りつつ。
 どこかで見たことあるような気がする、小さな女の子がパンダの密輸や募金詐欺に手を染めていた、なんて事を逃げる人々に呟き記憶の刷り込み。
 このやろう、三章ボスのなんとかちゃんに罪を被せやがったな、なんてことしやがるっ!
「むきゅー!」
「フーッ!」
 ほらみろ、なんとかちゃんを悪人にされてちびっこパンダ達もお怒りだぞう?
 えっ、違う? 良く見ろって?
 うーん、このパンダの様子は……。
「がうがうっ!」
「ササーッ!」
 あっ、はい、一般人が居なくなって募金も笹もオヤツも無くなって、楽しみが無くなったって怒りだな、これは。
 ボスの事より自分たちの欲望を満たすのを最優先する、実に獣らしい様子であった。
 しっかりと笹を要求してパンダアピールも忘れてないし。
「そう、あくまでパンダだと言い張るのなら……こっちにも考えがあって、それを受けてもまだやる気なら……。
 もう、故郷に還ろっか? パンダちゃん? ほら、仲間ももう帰るってさ」
 やる気満々なちびっこパンダに諭すように語り掛けつつ、こっそりパンダの集団に仕込んでいた偽者パンダがとあるパンダの後頭部に不意打ちパンチ。
 ベシッといい音立てて転倒したパンダ、誰だ、何で敵の味方をするんだ、みたいな空気が広がって、疑心暗鬼になっていく中で追加攻撃ってのはお約束であり。
「還らない? なら……」
 混乱状態の集団を更に恐怖に陥れるべく、藍亜の足元から広がるのは漆黒のタール状に粘性の高い沼であり。
 そこから伸びる触腕は近づく者を捕まえ引きずり込む、恐るべきもので不運にも一匹のパンダが捕まり、もがきながら沈んでいく恐怖の光景。
「沼底がお好み?」
 一匹、パンダちゃんを飲み込んだ沼を見せつけ還らないならこうなるぞ、と恐怖を与える藍亜。
 こいつはやべぇ、かかわると酷い目に合わされると一目散に撤退するパンダたちであり、後には募金ブースと募金箱だけが残されていたという。
「ふー、罪のなすりつけ完了っすね。この……残った募金箱は後でちゃんとしたとこに寄付しよ」
 なんて奴だ、罪をなんとかちゃんのせいにするなんて!
 あっ、でも募金箱をきちんと寄付するのは良い心がけ、ポッケナイナイしないのは褒めてあげるよ!
 でもね、募金とかする時はその集団と下部組織とかつながりはきちんと調べるんだぞ?
 集まった募金の9割でスタッフの給料とか赤字補填とかして、残った一割を下部組織に何かするように、って感じで渡して。
 その下部組織も受け取った大金で同じように人件費とかその他諸々を補って、残ったのをさらに下の組織に渡して。
 さらに下の組織もそのお金で組織運営をした残りで、安い横断幕とかプラカードを作って。
 最後にボランティアとか街の婦人会とかにそれらを渡して、自己満足なデモをやって終わり、とかになりかねないからな!

成功 🔵​🔵​🔴​

シスカ・ブラックウィドー
アイさんと

うーむ、アイさんの機嫌が悪いぞ。アイさんもパンダ好きなはずなのに何なぜ.....。

ぐぬぬ、仕方ない、パンダの相手は自動操作モードのぬいぐるみ達に任せてボクはアイさんのご機嫌を伺おう(あせあせ)。

アイさん、喉渇いてない?

アイさん、この後お寿司食べに行かない? 回らない方で!(ウインク)
アイさん、怒った顔も可愛いね! 写真撮っていい? あ、目線こっち下さーい。

まずい、思ったより本気で怒っている!

アイさん、ボクを捨てないでー!

ああっ! アイさんが危ない!
UCでアイを防御。そのまま(かわいそうだけど)パンダを焼き尽くす。

ボクを1日好きにできる権利も付けるから機嫌なおして! ダメ?(上目遣い)


アイ・ブラックウィドー
恋人のシスカさんと

「まったく、シスカさんってばパンダばっかり!
もうパンダと結婚しちゃえばいいんですっ!」

いまさらご機嫌を取ろうとしてきても、もう知りませんっ!
飲み物や食べ物、今さら写真でも誤魔化されませんからね!(ぷいっ

シスカさんを置いてずんずんと歩いていっていると……
前方におかあさんパンダ!?

おかあさんパンダは笹を振り回してきて……

「くっ、その攻撃の弱点は……えーと、えーと……」

【亀がアキレスに言ったこと】で防ごうとしますが、弱点が思い浮かばず。

「きゃああっ!
って、シスカさんっ!?」

かばってくれたシスカさんを見上げ……
今度、一日、言うことを聞いてくれるなら許してあげようかな、と思うのでした。



 ちびっこパンダが次々と追い立てられていく中、ちょっと違う空気が漂う場所がある。
 そこには二人の猟兵が居たのだが……何か様子がおかしいなあ、不穏な気配。
「まったく、シスカさんってばパンダばっかり! もうパンダと結婚しちゃえばいいんですっ!」
 おっと、これはどうしたことか。
 痴話喧嘩というやつなのだろうか、恋人同士である二人の片方、アイが怒りつつズンズンと街を進んでいた。
 それを追うシスカだが、どうしてこうなったのか分かっていなかったらしく。
「うーむ、アイさんの機嫌が悪いぞ。アイさんもパンダ好きなはずなのになぜ……」
 頭をかしげ原因が思い当たらない、なんて表情のシスカ。
 いや、その、本当に分かってないのかっ!? 恋人がせっかく、普段着ないような衣装をして、アピールしたのに。
 恥ずかしいけど、なんて思いつつお洒落したのにほとんど見ずに、パンダに心奪われて、そっちに熱狂してたらそりゃあ怒られても仕方ないってば。
 だが当の本人は原因が分からないらしく、しかしながらこのままではマズイと思ったか、ご機嫌取りを開始して。
「アイさん、喉渇いてない?」
「………………」
 話しかけるも無視されて、これは駄目かと別の誘惑。
「アイさん、この後お寿司食べに行かない? 回らない方で!」
 されど沈黙が返答、回らないお寿司ですら効果がなくて。
 そうか、カメラで撮影していなかったから怒ってるのかな、なんて思ったのか咄嗟にカメラを取り出すシスカ。
「アイさん、怒った顔も可愛いね! 写真撮っていい? あ、目線こっち下さーい」
 これならいける、と思ったのだろう、言葉だけでなく手段で持ってアピールして怒りをなだめようと試みるもアイの怒りはそのままで。
 くるっと顔だけ後ろを向けるアイ、その目には怒りの炎が宿っていて。
「いまさらご機嫌を取ろうとしてきても、もう知りませんっ!
 飲み物や食べ物、今さら写真でも誤魔化されませんからね!」
 ぷいっと再び前を向き、完全にシスカのご機嫌取りには応じないと宣言しちゃってた。
 ああ、これは本気で怒っていますねぇ。
 勇気を出して恥ずかしいと感じる格好になったのに、パンダに目を奪われちゃ怒るのは仕方ない。
 まあ生足をジロジロ見られるのもアレだろうけどね。
「まずい、思ったより本気で怒っている! アイさん、ボクを捨てないでー!」
 ちょっと涙目になりながら、先を進むアイを追うシスカ。自業自得だと思います。
 うん、完全にデートの最中に発生した喧嘩だこれ!
 なお、背景ではシスカが自動で操るパンダぬいぐるみたちがちびっこパンダの相手をして、飛び回ったりもふっと殴られたりしているが気にせず進む二人であり。
 一日ぐらい、口をきいてあげないぐらいがお仕置きとしては丁度良い、でもそれはそれで寂しくて死んでしまいそうだなんて考えながら歩いていたのだろう、ちびっこパンダの反撃に一瞬反応が遅れてしまう。
「えっ、おかあさんパンダ!?」
 ちびっこパンダが呼び出したおかあさんパンダ、そのパンダは笹を武器に振り回し、ちびっこパンダが倒された怒りをぶつけるかのように立ち上がり。
 これで決めるとばかりに豪腕を振り下ろす。
「くっ、その攻撃の弱点は……えーと、えーと……」
 何とかユーベルコードで防ごうとするも、咄嗟の状況に加えて今まで思考が別方向に向いていたので答えが出せず。
 時空の歪みを生み出すには明確な答えを出さねばならないというユーベルコードは不発に終わり、おかあさんパンダの豪腕が容赦なくアイを狙って伸びて行き。
「ああっ! アイさんが危ない!」
 恋人のピンチ、体が勝手に飛び出すシスカが両者の間に飛び込んで。
「きゃああっ! って、シスカさんっ!?」
 座り込み、頭を抑えて防御の姿勢を取ってはいたが一向に来ない衝撃。
 ハッとして目を開け上を見上げれば、そこには光の楯を背中に背負いおかあさんパンダの攻撃受け止め、アイの無事を微笑んで確認するシスカの姿。
 そのまま光の楯は太陽の如く輝いて、放出された熱波がおかあさんパンダとちびっこパンダを焼き払い、そこには何も残らずに。
 瞬時に脅威を打ち消して、へたり込むアイの目線にあわせる様にシスカもしゃがんで口を開く。
「ボクを1日好きにできる権利も付けるから機嫌なおして! ダメ?」
 上目遣いでのお願い、これでなんとか、なんて打算があるような気もするが仲の良いカップルで、しかもピンチから救ってもらったという効果もあるのだろう。
 一瞬躊躇うも、ふうと一息吐き出して。
「……わかりました、今度、一日、言うことを聞いてくれるなら許してあげます」
 多分怒ってる原因は分かってないのだろうけれど。
 でも十分に、反省して更に一日言う事を聞いてくれるなら許してもいいかな、と思って言葉を紡いだアイ。
 それを聞き安心したのか飛びはね喜ぶシスカ、うむ、完全にデートだこれ!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

星河・成海
あら、私は見なかったけどゆかりちゃんもいたのね。でもそんなことよりも色々と事件を起こしているパンダを何とかしないと

さっきのパンダを追跡して人気がない屋外で戦う。パンダにお仕置きするにしても、一般人がいる場所でするのは気が引けるし

パンダは近づいて戦うとまずいし距離を取って戦うよ。もし近付かれたら衝撃波で距離を取って、攻撃が来たら第六感や野生の勘で回避
攻撃は高速詠唱や2回攻撃込みの炎の属性攻撃をメインで使っていく
敵全体を捉えることができるようになったところで【エクスプロージョン・コード】で一気に攻めるよ

他の人との絡み・アドリブOK


四季乃・瑠璃
緋瑪「そういえば、パンダって過去にも何処かで見たね?」
瑠璃「エロ代官の配下にいた狸の中に混じってなかったっけ?コキャッとされてたり、お鍋になって気がするけど」
緋瑪「なら、今度もお仕置きはお鍋にしようか。動物じゃお説教で反省しなさそうだし♪」
瑠璃「お説教かお鍋かは選ばせてあげようか」
緋瑪「逃げ出すパンダは問答無用でお鍋ね♪」(お野菜が入ったぐつぐつ煮えた味噌鍋を用意)

【殲滅領域】を展開して逃がさない様にしつつ、パンダ達に地獄の説教or熊(パンダ)鍋でお仕置き

緋瑪「そういえば、瑠璃が見つけたたれたパンダは?」
瑠璃「リラックスした感じのクマが迎えに来て連れてったね」
緋瑪「見なかった事にしよう」


波狼・拓哉
…可笑しいな、背後にその存在を感じる程度だと思ってたのに結構ガッツリ出てきやがったぞ、ゆかりちゃん
ちょっと運営しっかりー

まあ、いいですわ
取り敢えずパンダ包囲網から抜けてっと
んじゃぁ…逮捕しますか(ばっばっと変装&演技)
ほらそこのパンダ達、公園での営業は無許可でしょう?
今は注意だけで済ませますから取り敢えず社長呼んできてくださいな

…やっぱ法律犯そうとはしないな此奴ら
丁寧に謝って、撤収作業して元締めの所まで教えてくれたわ

…比較対象があれだからなぁ
凄い好感持てちゃう、うん

それじゃいきます…普通に全パンダ帰してしちゃった

…まあ、いいか
困るのUDC組織くらいだろうし



 戦闘だったりデートだったり怪獣駆除だったり強制退去だったり、混沌としてきたパンダ退治、もといお仕置きタイム。
 こうなった原因はカオスな状況を発見した方々のせいなのではないだろうか、そんな気がしたが。
「あら、私は見なかったけどゆかりちゃんもいたのね」
「……可笑しいな、背後にその存在を感じる程度だと思ってたのに結構ガッツリ出てきやがったぞ、ゆかりちゃん
 ちょっと運営しっかりー」
 そうです、居たんですよ成海さん。ゆかりちゃんがちょっとだけスポット参戦というか、ほんのりそんな気がする程度だと思っていたんですが。
 拓哉さんの言うように、ガッツリ出番を奪う感じに出ちゃったんですよ。
 あとこっちにしっかりしろとか言わないで、発見しちゃった元凶に言ってくださいっ!
 ほら、そこで話し合ってる二人ですよ。
「そういえば、パンダって過去にも何処かで見たね?」
「エロ代官の配下にいた狸の中に混じってなかったっけ? コキャッとされてたり、お鍋になって気がするけど」
 そうですね、昔サムライエンパイアの依頼で狸な足軽軍勢に混じってるパンダもいたねぇ、緋瑪に瑠璃よ。
 あまりにもお約束な悪代官を退治する時に相手をしていましたねぇ。
「なら、今度もお仕置きはお鍋にしようか。動物じゃお説教で反省しなさそうだし♪」
「お説教かお鍋かは選ばせてあげようか」
 やべえよ、こいつら食う気ふぁよ。ゆかりちゃんをガッツリ見つけてしまったのに、帰ってしまったと分かったら言及せずこの切り替わりの早さ。
 ま、まあ居ない相手に対しとやかく言っても仕方ないからね、ほらほら、成海さんも拓哉さんもゆかりちゃんの事は忘れて、パンダ対策ですよ、パンダ対策。
 というわけで、3人、分身を入れれば4人による華麗な(?)連携お仕置きタイムの始まりである。

「取り敢えずパンダ包囲網から抜けてっと」
 パンダに囲まれ、抱きつかれ、癒しを求める人からは垂涎のポジショニングになっていた拓哉。
 ぎゅむっと抱きつくちびっこパンダ、体をくねらせその拘束を振りほどき、一先ずは公園の物陰へ。
 他の3人はどうしたって?
 ああ、人目につく場所でお仕置きはちょっと不味いということで成海さんが公園の外、というか路地裏へ。
 ついでにすぐにでも飛び出していきそうな緋瑪に瑠璃も隠れるように言ってたらしく。
「ちょっと、流石に堂々と目に付く場所ではダメよ、彼が退去させるみたいだし少し待ちましょう」
「えぇー、殲滅領域に取り込むつもりだったのにー」
 成海が離れる様に言うと不満げな緋瑪だが、流石に一般人に見られるのはまずいだろう、その殺戮的な領域は。
 ぶーたれつつも公園から離れた3人であったが、ふと成海の目についたのは緋瑪が用意したお仕置きアイテムの鍋。
「そうね、鍋には火力が必要よね。私と一緒に行くなら炎も出せるし煮込むのは楽になると思うけど?」
「あっ、なら一緒にいこうかな。ナパーム弾だと火力調整が難しいし、ね?」
 具材を放り込み、野菜に下味がつくようにと出汁とかで煮込まれつつある巨大鍋、一気に熊肉、もといパンダ肉を煮込むなら火力が必要だろうという事で提案すれば火力調整の面で助かると瑠璃が承諾。
 そんなこんなで三人が公園から離れ、拓哉によるパンダ誘導作戦の成果を今か今かと待っている、そんな状況になっていたということである。
「…………何かすごい視線を感じるんですけど、まあいいですわ。
 んじゃぁ……逮捕しますか」
 謎の期待の眼差しを感じつつ、物陰で警察官の姿に変装した拓哉。
 キャーキャー言ってる一般人に警告を発しつつパンダへと近づく様はまるで本物の警察で。
「はーい、ちょっと落ち着いてねー、騒がしいって苦情がきてるからー。
 ほらそこのパンダ達、公園での営業は無許可でしょう?
 今は注意だけで済ませますから取り敢えず社長呼んできてくださいな」
 一般人を落ち着かせるよう言葉を発し、その動きを制しつつパンダの集団に接近し。
 公共の場での無許可営業は違法、けれどパンダだし知らなくても当然、だから一度目だから注意で済ませるんで代表を、なんてそれらしい言葉で諭していく。
「むきゅっ!」
「もきゅっ!」
「パンダー!」
 分かってるのか分かってないのか、返事が全員バラバラだけど。
 頷いたり片手を上げたり笹を振ったり、リアクションもバラバラだけど、法律違反はダメって認識している個体だったのか、はたまた他の猟兵の気配を感じこの場所に留まるのは危険だと打算的な判断だったのか。
 言葉を発せぬ獣相手なので真意は分からぬが大人しく撤退準備を始めるちびっこパンダ、その中から数匹が拓哉の前に進み出て。
「うん? どうしたんだ? 何か」
「むきゅっ、もきゅっ!」
 頭を下げて謝るジェスチャーをする個体、それに続いたパンダは何故か、自分の首から上を指差して。
 立てた腕を左右に振って「ナイナイ」ってポーズ、これはまああれか、首から上が無いって事を示しているのだろうか。
 そんな首から上が無いアピールのパンダの前に、別のパンダが座って頷いて、命令を聞いていましたアピール。
 これは……こいつら、なんとかちゃんの命令でこんなことをしちゃったんです、って責任を押し付けてやがるっ!
「なるほど、そんな悪い奴があっちの方にいるんだね、ありがとう。
 じゃあ撤収準備が終わったら、早く帰ってねー」
 何故か敵の情報まで引き出しちゃった拓哉、そのまま出口、っていうか成海とか緋瑪と瑠璃が待ち伏せしてる方向を指差せば、頷いてそっちへ向かうちびっこパンダの集団で。
 名残惜しそうに見送る一般人を残し、公園からパンダの集団は退去する事になっていた。
「……やっぱ法律犯そうとはしないな此奴ら。丁寧に謝って、撤収作業して元締めの所まで教えてくれたわ。
 ……比較対象があれだからなぁ。凄い好感持てちゃう、うん」
 遠くを眺め、ふと言葉を漏らす拓哉。
 おおーい、比較対象がぶっとびゆかりちゃんだからって評価が高くなりすぎだぞー?
 あとゆかりちゃん、シリアスもイケるし多分そんな子も多数いるから全員がギャグコースだなんて思わないでっ!
「あっ、普通に全パンダ逃がしちゃった……まあいいか、困るのUDC組織ぐらいだろうし、待ち伏せもしてるだろうし」
 こ、こいつっ、パンダ全部、手を下さずに退去させて後始末をUDC組織のエージェントとか仲間の猟兵に丸投げしやがったっ!
 やめろぉ、展開によってはエージェントがまたしても過労死しかねないことはやめるんだっ!
 まあでも一般人の記憶操作が必要ないように、人気の無い場所へ誘導したという点は評価できるだろう、きっと。

 そんなこんなで誘導されるまま、死地に赴くちびっこパンダ。
 人気の無い場所まで進んだその集団の前に立ちふさがったのは成海であった。
「はい、ここは行き止まりよ。それからお友達もずいぶん悪さをしたようだしお仕置きよ」
 前を塞ぐ猟兵の出現、強行突破か後ろに逃げるか考える間もなく後方からも声がして。
「お鍋の時間だー!」
「お説教かお鍋、好きな方を選んでね」
 殲滅領域・虐殺庭園を展開、人目につかないからってやりたい放題な、周囲に魔法の銃弾とか爆撃が降り注ぐ空間を展開してパンダの逃げ道を塞いだ緋瑪と瑠璃。
 前門の虎、後門の狼状態、いやそれよりも状況が悪いのは左右も爆撃、銃撃で封鎖されてることだろう、酷い。
「パンダッ!?」
「むっきゅー!?」
「もっきゅもきゅー!?」
 前後左右が封鎖され、更には無差別に上空から攻撃が降り注ぐ状況に前準備も無く放り込まれたパンダたち。
 そりゃあ混乱はするだろう、そのチャンスを逃す猟兵ではなくて。
「逃がさないわよ、それっ!」
 強行突破を図ったちびっこパンダの突撃を横っ飛びで回避して、仲間の下へと戻すように衝撃波を放つ成海。
 ついでに炎も乗せちゃって、白黒の体毛がちぢれて黒い毛ばかりになったのはまあ仕方ない。
 前方がダメなら後方だ、反転したパンダたちがだこっちの方が危険な面子が揃っていて。
「お説教かお鍋、どっちがいい?」
 めっちゃ良い笑顔で瑠璃が言えば、その隣では良い匂いを立ち上らせて、ほんわかと湯気あげる味噌鍋抱える緋瑪がいて。
 やべぇ、このままだと食われる、助けてくれ、みたいな空気で横へと逃げたパンダであったがそれを許さぬとばかりに成海の目が光る。
「えっと……これで大丈夫かな。はいっ、そっちも行き止まりよ」
 色々とコマンドを入力していた成海、その視線の先で必死に走るちびっこパンダの前方で発生した爆発は、逃げるパンダを元の場所まで吹き飛ばし。
 ごろごろともんどりうって倒れたパンダを見下ろすは鍋を抱えた緋瑪。
「逃げたね、じゃあ、お鍋かな?」
 刃物、ってか巨大な鎌を振り上げて暗黒微笑、絶叫と共にちょっと描写しちゃいけないシーンが展開されてお肉が確保されちゃって。
 鍋へと加えられる新鮮なお肉、いかん、まるでサイコパスな展開だけど仕方ないね、これはお説教をされるのか、それとも食材にされるのか、どっちがいいかって示すための尊い犠牲だったんだよ。
「ふふ、こうなっちゃうよ? さ、どうする、逃げる? それともお説教?」
 こっちもめっちゃ良い笑顔で瑠璃が言えば、全力で首を振って食われるのは勘弁とばかりに座り込むパンダたち。
 だがオブリビオンだしね、仕方ないね、倒さなければいけないのだ。
「動きがとまったわね、それじゃ一掃するから。あっ、お肉への加工はちょっとアレだったから、できれば見えない場所でお願いするわね」
 追加で増えた脱走パンダを緋瑪と瑠璃が捕獲する様子を見つつ、再びコマンド入力をしていく成海。
 ピピピッと電子音が響いた気がしたその直後、座り込んでお説教を聞いていたパンダ達を巻き込んでの爆破炎上、その炎が消えた時にはもうオブリビオンの姿は無くて。
 後には良い匂いがする鍋を前に談笑する緋瑪と瑠璃が残るだけとなっていた。
「そういえば、瑠璃が見つけたたれたパンダは?」
「リラックスした感じのクマが迎えに来て連れてったね」
 おい馬鹿、やめろっ!? それは危険すぎるクマだろっ!?
 ファスナーがついてて中身がオッサン疑惑のある、やべぇクマじゃねぇか、あとちっちゃい奴もセットでいる。
「見なかった事にしよう」
 うむ、そうだな、いつもはぶっ飛んでる緋瑪だが今回は同意しよう。
 危険極まりない要素を持った、たれたパンダもリラックスした感じのクマもいなかった、イイネ?
 そんな二人の様子を苦笑しつつ、成海が眺め次なる戦い……そう、この騒動を引き起こした張本人というかやらかしたオブリビオンをどうお仕置きするのか、あと残る面々がどれだけ騒ぎになるお仕置きをしてしまうのか。
 少し不安に思いつつ、その場を後にするのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

黒木・摩那
パンダ、いろいろと悪事を働いているようですね。
特に稼いだお金を一体どこに運んで、何に使っているのか、または貢いでいるかを掴み、パンダを操る存在を突き止めねばなりません。

そのために潜入捜査をします。

先に見つけた組体操の現場に赴き、多くの見物料を払うことでピラミッドパンダの中に潜伏して、パンダ達に隠れて、機を待ちます。
パンダの重さで体にひしひしと負荷は掛かりますが、これも捜査に必要な試練なんです。
お金を集めるパンダにはUC【影の追跡者の召喚】で尾行を、上空からはドローン『マリオネット』も付けて、監視は万全。
あとはパンダにまみれて、裏ボス?の登場を待ちます。


シャムロック・ダンタリオン
(寄せられた情報を精査しつつ(【情報収集・学習力】)
――わけわからん。
まあある意味、放置しておくわけにもいかん。そろそろ討伐せねば。

(で、パンダが大勢集まってる場所に出向き)
さて、【指定UC】で精霊を【武器改造】して――って、何で笹が出てくるのだ!?(と、ツッコミを入れつつ【なぎ払い】)
ええい、面倒だ!この際【エレメンタル・ファンタジア】の「炎」の「竜巻」でまとめて【焼却】してしまおう!(【属性攻撃・全力魔法】)

――さて、もし見物人がいたなら【恐怖を与え】つつ、目の前で記憶媒体を破壊してやろうか。

※アドリブ・連携歓迎


クーナ・セラフィン
猫動画とか別の種類の動物達の友情ってのも流行りらしいよねー。
パンダと戯れる猫…これ撮られてたら割と受けちゃう…?
なーんて甘いことはないよね。…ないよね?

UC発動し水と風の魔力で防御力重点強化。
さてお母さんパンダ、大きくなってとても厄介…けれど隙も大きい。
攻撃の隙間縫って飛びついて盛大にからかってあげるとするかな。
二倍になってるから私にはとても走りやすい、毛皮も足場に十分だし。
背中とか跳ねたり走ったり頭の上に乗ってみたりしつつ翻弄し、
隙見て子パンダに目覚まし時計投げて弾けさせ催眠術をかけて気絶させようか。
その間に縛ってー…お仕置きはどうしてくれよう?(バットのように槍構え)

※アドリブ絡み等お任せ



 おかしいなぁ、パンダへのお仕置きタイムだったけど集まった情報とか猟兵のお仕置きの内容がある意味ぶっ飛んでて更に混沌としてきてる。
 普通に駆除されたり、見せられない残虐シーンっぽいものが隠されたり、詐欺だったりデートだったり鍋の具材だったりとバリエーション豊富ダナァ(しろめ)
 そんな様々な展開が更に情報収集で集まる中、シャムロックは呟いた。
「…………わけわからん」
 大丈夫だ、問題ない。私もわけがわからないがこれはゆかりちゃ……じゃねぇ、ゆかりちゃん事件とかそれっぽい奴とかぶっ飛んだ要素のある奴らが出てくるUDCの事件ではよくあるケースだ。
 わけがわからない展開、状況が混沌とするという共通点のある、でも内容は毎回こう、いろいろな方向にぶっとんでいく事件と同じだし何とかなるなる。
 だってほら、早速他の猟兵がパンダ討伐……にかこつけて、混沌とした状況を生み出し始めているんだからさ。
「パンダ、いろいろと悪事を働いているようですね。
 特に稼いだお金を一体どこに運んで、何に使っているのか、または貢いでいるかを掴み、パンダを操る存在を突き止めねばなりません」
 なんかこう、ぐっと拳を握り締め潜入調査するしかない、って雰囲気で歩いていた摩那さんがいた。
 ちょっと離れた場所から見守るシャムロック、その視線に気付いているのかいないのかは分からぬが、摩那が目指すは組体操をしているパンダとおひねり入れを抱えるパンダ、その場所で。
 お財布開いて取り出したるは、UDCアースにて一般流通する最大価値を持つ紙幣、一万円札。
 それを躊躇いなくおひねり入れに投入、目配せすればパンダも『わかってますよ』みたいなノリで頷いて、ちびっこパンダの集団へと彼女を案内。
 再び始まる組体操、パンダピラミッドの土台、その真ん中に配置された摩那さんはなんということでしょう、左右をちびっこパンダに挟まれ、圧迫されて。
 更には上にのっかるちびっこパンダ、左右と上からパンダのもふっとした圧迫力に苦しめられているではないですか。
 なんてむご……いや、違うな、摩那の顔は苦痛に喘ぐというよりは、こう、至福の笑みを浮かべていた。
 先の調査でピラミッドの土台になった一般人と同じく左右からのもふっとした感触、上からもパンダのにくきゅうに押されてしまうがこう、全身で癒しを受けれるという状況が最高なんでしょう。
 ついでに猟兵なので一般人以上に頑丈、つまりは限界を迎えて回収される事もほぼ無い、最後の最後まで組体操に参加して思う存分、パンダから癒しを得れるという事だ。
 こ、こいつ、退治じゃなくて完全にパンダとの一体化を楽しんでやがるっ!
「いいえ、違います。これも捜査に必要な試練なんです」
 こっちを見ているシャムロックの死んだ魚のような視線に気付いたか、顔を上げた摩那がキリッとした顔で。
 ヒシヒシと体に伝わる負荷に耐えつつ言葉を紡ぎ、くいっと顔を更に上空へと向け目配せすればつられてシャムロックも空を見て、そこにあるは撮影用のドローンで。
 更に摩那が視線を移動、今度は公園遊具の物陰に向けていけば、そこには謎の影な気配が。
 そう、彼女はただパンダに塗れているわけではない、様々な監視手段を展開し。
 自らがパンダの中に飛び込み犠牲となりつつも、敵の総大将、つまりは裏で糸を引く存在を探し出すために身を差し出した高潔な心の持ち主なのです!
 ちょっと顔がにやけて、左右のパンダに頬ずりなんかしちゃってるように見えるのは気のせいです。
 彼女の名誉の為に言っておくッ!

『黒木摩那は、全力でちびっこパンダのもふもふとか癒しを受けるべくあれこれ理由付けしてその中に飛びみ堪能しているのだっ!』
(黒木摩那は、一般人の代わりに自らの体を犠牲にパンダの重みに耐え、監視体制強化の上で裏で糸引く存在に備えているのだっ!)

 よし、地の文としての仕事は果たした、名誉を守るべく欲望とかを隠して高潔な理由だけを書き出したし大丈夫だろう。
 次は何処で何が起こっているのかパンダが闊歩する場所に視線を戻せば、本音と建前が逆だろ、みたいな顔のシャムロック。
 まさかそんなわけないでしょうに、それより別の猟兵もお仕置き準備を始めていますよ。
「猫動画とか別の種類の動物達の友情ってのも流行りらしいよねー。
 パンダと戯れる猫……これ撮られてたら割と受けちゃう……?」
 上空に展開されている摩那のドローンに、パンダの撮影に走る一般人を前にして言葉を紡いだのはクーナ。
 そうだね、猫単体の動画よりも他の動物……より大きな犬と仲良しとか、馬とかの大型草食獣とか。
 他にも小鳥が寝転んで足を出してる猫の足を止まり木代わりにしている動画とか人気だよね。
 つまりは猫でもあるケットシーなクーナがちびっこパンダと戯れればそれはもう動画再生数も爆上がり間違いなしであろう、多分。
「ないない。むしろUDC絡みでの動画でそれは問題であろう」
「やっぱりかぁ。そんな甘いことはないよね……ないよね?」
 動画について語ってたクーナの目論見、それはないだろうと冷静に状況を分析してツッコミ入れるシャムロック。
 納得しつつも甘い展開とか無いかなー、なんて諦めきれずに頭を振って、シャムロックを見るもリアクションは変わらずに、やっぱり無いって明確に示されて。
「うむ、あちらでは満喫している者もおるようだが……放置しておくわけにもいかん。そろそろ討伐せねば」
 とりあえずパンダに飲まれた摩那はさておき、他のパンダは全て討伐とばかりに促すシャムロック。
 その様子にクーナも頷き、別の集団パンダをターゲットに定めて接近すれば、猟兵の殺意に気付いたか抵抗の姿勢を見せるちびっこパンダ達。
 何かもふもふした毛並みをぶわっと逆立てて、ちょっとだけ体を大きく見せてみたり。
 自分じゃ勝てないから親を呼ぶとばかりにおかあさんパンダを呼び出すもの、とりあえずきらきら光ってみたものの間違って仲間を眠らせるものなど様々な反応見せて、やれるものならやってみろ、って空気であるが。
「ふむ、やる気のようだな、ならば僕も対抗して……って、何で笹が出てくるのだ!?」
 パンダに相対するシャムロック、呼び出した精霊を武器に改造して攻め立てようとしたのだが改造された結果は笹。
 いやまあ、パンダは笹食ってるし笹が武器になるのはありえるけど情報をここまで沢山集めてたのに想定してなかったんかーい!?
 だがしかし、笹になっちまったものは仕方ないとばかりにフルスイング、何かもふもふしていたパンダをしなる笹にて打ち払い転がせば、別のパンダ、もといおかあさんパンダが怒りを乗せて突っ込んでくる。
「おっと、そっちの相手は任せてもらおうかな。中々に楽しそうだし」
 そのおかあさんパンダの前に躍り出たのはクーナ、体に風と水を纏わせ二種の障壁作り出し、振り下ろされたおかあさんパンダの豪腕受けて水が弾けていくが彼女の体は無傷であって。
 風の流れでほんのわずかに逸れた腕の軌道、そして水の障壁にて被弾を避けた彼女は地面にめり込むお母さんパンダの腕に飛び乗り、自身の小さき体躯を活かして一気に肩、頭部へと駆け上り。
 払いのけようと振るわれた別の腕、その一撃を避けるように背中へ回り、爪立てて。
 振り下ろされぬようにと縦横無尽におかあさんパンダの上を飛び回り翻弄すれば他のパンダも同士討ちを恐れてか手を出せず。
 しっかり時間を稼ぎつつ、慌てふためくパンダの隙を見逃さず投げ込まれたのは催眠効果を持つ目覚まし時計。
 鳴り響くアラームにびっくりし、逃げるか戦うかの判別も出来なくなった今こそ好機。
「ええい、面倒だ! 打ち払うだけでは埒があかん、一掃させて貰うぞ!」
 シャムロックがクーナに警告、それと同時に魔力を高め生み出された炎の竜巻が次々と混乱状態のパンダを飲み込んで、償却すれば殆どのちびっこパンダ達が炎の中に消滅、骸の海へと送り返されていく。
 炎の竜巻が収まった時にようやく混乱状態のパンダ達もなんとか落ち着くが、多数いた仲間は両手の指で数えるよりも少なくなり。
「お仕置きはどうしてくれよう?」
 いつの間にか縛り上げられた数匹のパンダを前に、銀槍をバットを構えるように肩へと担ぎ、ぶおんぶおんと素振りをしているクーナ。
 やばい、と視線を別へと向けるちびっこパンダであったが、そちらはそちらでこの惨劇を偶然目撃、思わずカメラ撮影しちゃった一般人に詰め寄ってものすごいプレッシャーを与えつつ。
「動物虐待ではない、そしてこの事はわすれるのだ、いいな?」
 撮影機材を容赦なく握りつぶし、パンダを駆除する人間などいなかった、なんて思い込むように強要。
 歯向かうようなら次はお前がこのカメラのようになる、と目線でパンダを脅すシャムロックの姿があったのだ。
 ダブルで危険な様子に震えるちびっこパンダ、だが未来は変えられず。
 記憶操作はUDC職員がこっそりと、そしてパンダの駆除はそのまま猟兵たちが継続し。

 めっちゃ幸せそうな一人がパンダに飲まれていく中で、ドローンとか影の人が謎の人影を発見、追跡を始めたことで組体操パンダも駆除の運命からは逃れられず、様々な猟兵に突撃され。
 この街にはびこって、その可愛さで誘惑しつつ人々の資金を吸い上げてたり、あくどい事をしたり、微妙に法令には従ったりと好き勝手していたパンダ達は全てが消滅することとなっていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『なんとかちゃん』

POW   :    久しぶり、また一緒に遊んでくれる?
戦場全体に、【公園の遊具】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    私のこと、忘れちゃったの?
【自分の姿】を披露した指定の全対象に【この子とずっと一緒に居てあげたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
WIZ   :    大丈夫、もうずっと一緒だよ
【蝶々】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、蝶々から何度でも発動できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はオニオン・ナイトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 戦いは終わった、街に平和が訪れたのだ!
 ってなればどれだけよかったか。まだ仕事は残っている。
 そう、この騒乱を引き起こした実行犯はちびっこパンダたちであったが、その裏で糸を引いていた存在を倒さねば、すぐにまた別のUDCを唆し似たような事件を起こしかねない者を倒さねばならぬのだ。
 こんな混沌とした事件を引き起こした元凶のオブリビオン、なんとかちゃん。
 追跡系ユーベルコードで到着したその場所ではどこかで見た事があるようなないような、あやふやな感覚を思い出させるオブリビオンが佇んでいたのである。
 その儚げな見た目に騙されてはいけない、このオブリビオンはとんでもねぇ奴なんだ。
 ちびっこパンダを唆して街の人々を誘惑し、猫カフェを乗っ取ったり暴利を貪ったり募金詐欺したり人々を足止めしたり、動く乗り物的玩具に擬態したりSNSまで使いこなし、最後には謎の組体操まで決めさせた。
 おそるべきパンダたちを扇動したオブリビオンなのだから。
 しかもこのオブリビオン、日本には生息しないパンダを密輸をはじめ募金詐欺とかその他諸々の集金活動の黒幕なのである!
「ちょっとまって、パンダを色々と唆しはしたけど、私は密輸とかしてないから」
 おっと、ここでなんとかちゃんから抗議が出ました。
 曰く、自分はこのパンダなオブリビオンに人間を誘惑する手段、その武器になる可愛さとかを教えてあげたりはしたがここまで具体的な方法とかは教えていない。
 あれはパンダ達が自発的にやりだしたことであって、自分は決してこうしろと事細かく指示はしていないという。

 あっるぇ、おかしいなぁ、猟兵の調査では諸々の事件の全てになんとかちゃん、が関わっているって……まさか、全ての罪をなんとかちゃんに擦りつけようという猟兵がいるとでもいうのかっ!?
「ゆかりちゃんよりは素直でいい子たちだったけどね、こうなって見つかっちゃったら仕方ないか。
 爆発しそうな気配、っていうか街のどこかでもう爆発は起こってるし、嫌な予感するから帰っていいかな? パンダも全滅したし」
 自分はあくまでパンダに魅力を教えただけ、そしてそろそろ嫌な気配がするし、もうパンダもいないし帰っていいかな、なんて提案するなんとかちゃん。
 だがここで、はい、とかイエス、と答えて逃してしまっては、また何かを唆して事件を引き起こす可能性もある。
 別件で嫌な予感もするがここは心を鬼にして、あとやべぇ事態が発生する前に手早くなんとかちゃんを倒すしかない!
 ここに、パンダブームが巻き起こった街での最終決戦が始まろうとしていた……。
ルゥナ・ユシュトリーチナ
●アドリブ連携歓迎、真の姿解放
また、出会っちまったな……(九ヶ月ぶり二回目)(ハードボイルドに葉巻を吹かしつつ歩み寄る)

まぁ何だね、暴力行為は良くない。先ずは紳士的に(淑女か?)握手といこう【郷愁を誘う】(尚、もし拒否られたらそのままの姿勢で全力疾走し追いかけ回す)

そうして相手の手を掴んだら、ニッコリ微笑んで一言。
「大丈夫……もうずっと一緒だよ?」UC起動。【怪力】【覇気】【恐怖を与える】【暴力】
顔は穏やかなままだが、差し出した手はバキバキにパンプアップしホールドを継続。絶対に離さないと言う意志を見せつける。

相手が何を喚こうが微笑を維持。何かを問われたら変わらず一言。
「もうずっと一緒だよ??」


エウトティア・ナトゥア
アドリブ・連携歓迎

速攻じゃ!何やら言い訳をしているような雰囲気じゃが構うまい。
『なんとかちゃん』の姿が見えない位置からなにか爆発する感じの【属性攻撃】を持つ精霊を敵の至近に呼び出して即爆破するのじゃ。
この地には八百万柱もの精霊がおるのじゃ、たぶんどこかに爆発の精霊も居るじゃろ、知らんけど
(爆破!)勝ったッ!第3章完!
オブリビオンの討伐という猟兵の本分は完遂し、2章に爆破するなという地の文の精霊の言いつけを守りつつオチを提供、何かとオチの犠牲にされがちなアイア殿辺りもこれで救済されるじゃろう。
まさに完璧なムーブ、これには地の文の精霊もニッコリじゃな!
(ため息をつきながら尻ぬぐいに向かうマニトゥ)


黒沼・藍亜
いやー、保護動物ここまで連れてきて唆しああいう事やらせる時点でアウトっすよ
それとも「実はあれパンダじゃありません皆さんを騙しました」って言う?
その場合、法が許しても皆が許さない気はするけど…
まあパンダ云々はともかく、そもそもアンタらオブリビオンだからこうなる以外基本道はないというか

にしても、忘れちゃったの?はこっちの台詞っすよ……
あの惨事(※幼女大戦争)忘れちゃったの?
でもまあ、アレのおかげでこういう事ができるようになったんすよ。

てな訳で【今日も世界は何事もなく】
戦場ごと偽りの街並みで出来た迷路に取り込んじゃうっすよ

これでもう街に影響は出さない、出させない
そして(他の猟兵が)アンタも逃がさない



 なんとかちゃんの言い訳、というか猟兵のせいでこうなってるんじゃないかというツッコミもあったのだが。
「いやー、保護動物ここまで連れてきて唆しああいう事やらせる時点でアウトっすよ」
 至極当然、動物利用についての問題点を冷静に指摘する藍亜。
 なのでやっぱり全てなんとかちゃん、のせいだからという話に持っていこうとするのだが……そんな流れを開幕から断ち切る者が居た。
「速攻じゃ! 何やら言い訳をしているような雰囲気じゃが構うまい」
 とりあえず相手がナニカしでかす前に決めてしまえばいいとばかりに動き出したエウトティア。
 敵が自分を視認できない位置から唐突に呼び出したのは謎の精霊、でもこの精霊どこかで見たことあるようなタイプの……いや、よそう、言及するのは薮蛇である。
 ついでにいうと、相手の姿を見てしまうと何かこう、妙な感情に支配されるって昔の闘いでの経験……そんなことあったかはさておいて、見てはいけないって悟ったのだろう、見えない位置からの攻撃である。
「この地には八百万柱もの精霊がおるのじゃ、たぶんどこかに爆発の精霊も居るじゃろ、知らんけど」
 しらんけど、で爆発の精霊っぽいものを呼び出すなし!?
 あとそれ以上に、爆発って単語で過剰反応しちゃってる人がすぐそこにいるよ!
「えっ、ちょ、まっ……まだ異世界迷路の展開やってな……」
 毎度毎度、爆発で街に被害が出てしまい後始末に奔走する藍亜。
 それ対策に異世界な迷路に何もかもを取り込むユーベルコードを習得したって言うのに発動より早く出現した爆発する何か。
 急ぎユーベルコードを、って動くがもう遅い。
 唐突に出現する辻自爆な方も登場、即、自爆て吹っ飛ぶからね、仕方ないね。
 そのまま急激にパワーが高まりなんとかちゃんも反応できずに爆発し、なんやかんやで地面の陥没に建物の崩壊とやっぱりな損害発生。
「勝ったッ! 第3章完!」
 おおい!? 勝手に話を終わらせるなし!
 爆発オチは定番っちゃ定番だが、開幕でやらかしたらオチになるかっ! ある程度やってからなのに、速攻と爆発オチを同時にしようだなんて無茶をしおってからに!
「オブリビオンの討伐という猟兵の本分は完遂し、2章に爆破するなという地の文の精霊の言いつけを守りつつオチを提供、何かとオチの犠牲にされがちなアイア殿辺りもこれで救済されるじゃろう」
 いいえ、救済されません。
 ほらそこ、そう、爆発には巻き込まれてないけどちょっと煤けた人影を見て御覧なさい。
 藍亜さんが何ていうか、鳩が豆鉄砲をくらったような顔で、絶望しきった顔で爆発現場を眺めておるじゃろ?
 ついでに言うと、自分の意思ではなくとある大いなる存在的な者に責任をかぶせようとしているような気もするんですが。
「まさに完璧なムーブ、これには地の文の精霊もニッコリじゃな!」
 ほらやっぱり、地の文のせいにしてるー!?
 ニッコリなんてできるかっ! むしろ混沌とした状況に開幕から突入して絶望してるわっ!
 良い仕事したなぁ、なんて良い笑顔をしても駄目ですからね!?
「な、なんてことっす……こういう時の為のユーベルコードが」
 後始末を思い、ガクガクと震えてる藍亜。
 大丈夫、そんな貴女の為に強い味方がすぐそこに来ているよ。
『……がう』
「えっ、狼、さん? 慰めて、くれるんっすか?」
 ため息と共に藍亜の隣に立つのはめっちゃ良い笑顔でやりきった、って空気なエウトティアの使役する巨狼マニトゥで。
 主人のやらかしの尻拭いとばかりに動き、これ以上の損害を出さぬ為には藍亜の力が必要と見たのだろう。
 ぽふっと藍亜の肩に前足置いて、励ますような動きをしつつクイッと顎を動かして、あちらを見ろと促せば。
 爆発の中心で埃を払うなんとかちゃん、そしてそんななんとかちゃんに近づく影が見えていた。
「けほ、こほ……だから言ったじゃない、嫌な気配がするって」
 自分を帰してくれればこんな爆発なんて無かったのに、という風な被害者を装っての発言。
 ま、まあ、爆発させたのが猟兵だし被害者的発言は間違ってはいないかもしれないがなんだかなぁ。
 そんな状況で攻めに転ずる猟兵、ルゥナが葉巻を吹かしながら口を開いた。
「また、出会っちまったな……」
 紫煙を吐きつつ言葉を紡ぐ。そうだね、なんとかちゃんとは再開だね。
 大体9ヶ月ぶりかな、前も大問題を引き起こしていた幼女な大戦争の時以来かな。
「まぁ何だね、暴力行為は良くない。先ずは紳士的に握手といこう」
 ルゥナさんは女性だからね、そこは淑女的とも言えるがまぁこまけぇこたぁいいんだよ、問題はここから何をするかである。
 藍亜とマニトゥが見守る中で、ルゥナは両手を広げ武器は無い、敵意も無いさとばかりに示していくが。
「いや、絶対何かあるでしょ。前もそうやって酷い目にあった気……ってちょっとぉ!?」
 めっちゃ怪しまれていた。まあ仕方ない、前の戦いでは頭部のある辺りに飛んでる蝶を乱雑に掴んで握りつぶして、更には力任せにぎゅむっとやってえらいこっちゃになっていたんだから。
 普通に拒絶したなんとかちゃん、しかし拒絶された場合のケースも想定していたのだろう、突如瓦礫を蹴り上げダッシュ。
 瞬時に距離を詰めるルゥナを前に反転、全力疾走で逃げ出すなんとかちゃんだが初動の差が大きかったか。
 個体としての能力ならば猟兵を上回る邪神であろうが、その速度を出す前に間合いに入られてしまっては能力差など些細なもの。
 走り出したなんとかちゃんが振った腕、それに伸びたルゥナの手がご自慢の怪力でがっしり掴み、もう離さないといった空気になって。
「大丈夫……もうずっと一緒だよ?」
「いやーっ! こんなのと一緒とか嫌ーっ!!」
 捕まえたルゥナがパンプアップした腕の筋肉見せつけて、抵抗しても離さない姿勢を見せれば全力拒絶のなんとかちゃん。
 ぶおんぶおんと腕を振り、抱いたパンダのぬいぐるみでルゥナを打ち据えなんとかしようと抵抗するが殴られてるルゥナは微笑を浮かべたままに、腕の力は一切緩めず。
 絶対に離さないから、みたいな空気でなんとかちゃんの片手をずっと握りしめているのである、コワヒ。
「ちょっと、離してってば! ああもう、また蝶を潰してるし! 何でこんなことするの!?」
「もうずっと一緒だよ??」
「イヤーッ! 話が通じてないっ!」
 抵抗するなんとかちゃん、ビシバシ殴られて、何か言われてもずっと一緒、しか返さないルゥナ。
 これホラーだ! 相手がオブリビオン、もとい頭部の無い姿の敵だけど、普通に人間みたいな見た目の邪神だったら絶対に猟兵が悪役ってか無辜の市民を殺戮するホラーなクリーチャーだよこれ!
 うわぁ、って光景を見守る藍亜、だがそんな彼女を促すように巨狼マニトゥが鼻先で彼女の背中を一押しし、今こそ力を使う時、みたいにアピールして。
「あっ……そうっすね、最初の爆発は防げなかったっすけど……これ以上の被害は防げるっすからね!」
 いつも酷い目に遭う人を励ます、みたいなムーブであるが多分、マニトゥもこれ以上めんどくさい事になって尻拭いに走るのは嫌なのだろう。
 被害拡大を防げる能力持ちっぽいし、色々と任せようと思ったに違いない、多分。
「お取り込み中失礼するっすよ! あの惨事、わすれちゃったとは言わせないっすけど……アレのおかげでこういう事ができるようになったんすよ」
「あの惨事、っていうかアレもそっち側が原因じゃないかな? っていい加減離してよ!」
「もうずっと一緒だよ??」
「やっぱり話が通じてないっ!!」
 ゴチャゴチャやってる二人の前に飛び出した藍亜、そのままユーベルコードを発動し、戦場が街並みを模した迷宮へと変化して、参戦していた猟兵とオブリビオンのなんとかちゃんをその空間へと取り込むことでこれ以上の被害発生を抑止する。
 そんな中、離せ、ずっと一緒のやり取りを続けていたなんとかちゃんとルゥナ、このコントはいつまで続くのであろうか、なんて思いつつ藍亜が言葉でもってなんとかちゃんを追い詰める。
「とりあえず言い訳無用っす! パンダにあんなことをさせた時点で大問題、オブリビオンだからパンダじゃない、って通じるとでも?
 それとも「実はあれパンダじゃありません皆さんを騙しました」って言う? その場合、法が許しても皆が許さない気はするけど……」
「いやその、だから私はパンダに可愛らしさをアピールすれば良いって言っただけで皆が勝手に……」
 パンダを悪用して悪事をしたからなんとかちゃんが一番の悪、パンダじゃないって言い訳しても、世間が許してくりゃあせんと追求する藍亜。
 パンダが自発的にやらかした、奉り上げたのはこの街の人間の意志じゃないか、なんて言い訳するが藍亜の追求は止まらない。
「あの惨事の時もそう! 人のせいにして! 忘れちゃったの? はこっちの台詞っすよ……
 まあパンダ云々はともかく、そもそもアンタらオブリビオンだからこうなる以外基本道はないというか」
「お仕置きと称して派手なことをしたのはそっちじゃないかなぁ!?」
 前に出会ったときも盛大にやっていた、忘れたとは言わせぬと再び追求、そしてオブリビオンだから終わりは決まっていると通告するもなんとかちゃんは派手に街が被害を受けたのは猟兵のせいだと、現場での暴れっぷりをみていればまあ、猟兵が悪いようにも思えてしまうぶっ飛んだお仕置きだったと反論を。
 ちょっと猟兵側の問題点を指摘した反論、されどそんな反論など聞くものかとごり押しを選択する藍亜。
「ふっ、そう言うっすか……けど! そもそも、前の時もゆかりちゃんを変に唆さなければ!
 今回もパンダを唆さなければ良かっただけっす! この迷宮で、これ以上街に影響も被害も出せない、出させない」
「いや出してるのそっち側の方が多いからね!?」
 とりあえず悪いのは唆した奴だから理論でごり押し、そして街を守る宣言でそれっぽい空気にしていく。
 被害が大きくなってしまった、というかより混沌とさせたのは猟兵で、被害そのものの規模も猟兵が関係した物の方が多いのでは、なんてなんとかちゃんの指摘が飛ぶもそれを聞き入れる雰囲気ではない。
 そのまま藍亜がビシッと指をなんとかちゃんに突きつけて。
「そして(他の猟兵が)アンタも逃がさない」
「いやもう、捕まってるんだけど」
 逃走させぬと宣言する藍亜、そこへとっても冷静ななんとかちゃんのツッコミが入っていき。
「もうずっと一緒だよ??」
 壊れたラジカセの様に同じ言葉を紡ぎ続けるルゥナの姿。
 とっても混沌とした状況を眺めつつ、尻拭いは出来そうだ、と思ったか。
 マニトゥが大欠伸をして踵を返し、何かまた無茶振りをされる前に動きを抑えておこうと主人であるエウトティアの方へ向かう姿がそこにはあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

星河・成海
……他の人達も色々とやっていたのね。わたしも人のことは言えないけど(遠い目)
でもそんなこと聞いたら逃がすわけにはいかないね。この子もパンダ達と同じようにちゃんとお仕置きしないと

基本的にはさっきと同じく、高速詠唱込みの属性攻撃や衝撃波で後方から相手の様子を見ながら攻撃していくよ
向かってくる攻撃は第六感や野生の勘で回避

相手に隙が出来たら【ユグドラシル・シール】で動きを封じる。逃げられたりすると厄介だからね。それにこれで一緒にいられるでしょ?……自分で言っておいてなんだけど、ちょっと怖かったかな

他の人との絡み・アドリブ歓迎


黒木・摩那
パンダ組体操の潜入捜査はそれはそれは厳しい試練でした。
パンダにまみれつつ、パンダを直接もふれないという、このお預け状態。

そんな試練を与えてくれた なんとかちゃんには是非ともお礼を……

いやいやパンダに組体操という芸を仕込むなんて、大変だったでしょう。
でも、良い芸でしたよ。ありがとう!

残念だけど、またパンダ持ってきてください……じゃなくて、パンダ持ち込み禁止です。
あ、違う。オブリビオン許さないでした。

ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
迷路はドローン『マリオネット』で上から探査。
居場所がわかったら、ヨーヨーを【念動力】で曲げて、上空から絡め取ります。
あとはUC【獅子剛力】でびったんびったんです。



 開幕から爆発したりホラーだったりとぶっ飛んだ状況になってしまったなんとかちゃん。
 迷宮に猟兵ごと隔離された彼女の明日はどっちだ!?
 そんな酷いスタートだったが常識人はいないのかっ!?
「……他の人達も色々とやっていたのね。わたしも人のことは言えないけど」
 この惨状はなんとかちゃんだけでなく、猟兵の調査結果によるものであると認識していた成海さんっ!
 自分もとんでもない事案を発見してしまったりと、きちんと反省できる常識人枠の方が来た!
「だったら逃がしてくれないかなぁ、大惨事にしちゃった人をどうにかしてさ」
「そんなこと言ってもね、唆した、なんて聞いちゃったら逃がすわけにはいかないね。あなたもパンダ達と同じようにちゃんとお仕置きしないと」
 常識的な方だし、惨状の被害者は自分だとばかりに主張するなんとかちゃん。
 だが残念ながら相手は常識的な猟兵であり、問題行為を行ったオブリビオンは倒す、もといお仕置きするという考えの持ち主である。
 なんとかちゃん、逃走ならず!
 そんな中で別の猟兵もなんとかちゃんを追い詰めるべく姿を見せていたのだが……。
「パンダ組体操の潜入捜査はそれはそれは厳しい試練でした。
 パンダにまみれつつ、パンダを直接もふれないという、このお預け状態」
 あー、こりゃまだちびっこパンダによる魅了の影響を受けているな、摩那さんは。
 パンダと密着しながらも、もふる為に腕を伸ばせばピラミッドの上段から来る圧力に耐え切れずピラミッドが崩壊。
 手を伸ばせばすぐにでももふもふできるのに、左右からの、そして上からの圧力に耐え続けなければならない訓練だったものね、欲求が満たされそうで満たされない、辛い戦いだったのね。
「そんな試練を与えてくれた なんとかちゃんには是非ともお礼を……。
 いやいやパンダに組体操という芸を仕込むなんて、大変だったでしょう。でも、良い芸でしたよ。ありがとう!」
「お礼を言うぐらいなら見逃してくれないかなぁ? ちょっと包囲が強すぎて困ってるんだけど」
 オブリビオンにお礼をするぐらいにもふもふに魅了されてしまっている、ならばこちらは交渉できる相手かとなんとかちゃんが逃がしてくれないか、なんて交渉してみるが。
「残念だけど、またパンダ持ってきてください……じゃなくて、パンダ持ち込み禁止です」
「いや、パンダは関係ないと思うけど」
 アカーン、微妙に会話がかみ合ってない、あと猟兵としての本分もちょっとズレちゃってる気がする。
 違う違う、そうじゃなくてだね、摩那さんや。
「あ、違う。オブリビオン許さないでした」
 そうそう、それでいいんです、オブリビオン退治が目的だからパンダとか関係ないからね?
 これで二人とも逃走は許さない発言で、なんとかちゃんを取り逃がさない意思表示。
 まあ片方はまだちょっとパンダの魅力にやられてるっぽいが何とかなるだろう、多分ね。
「あー、やっぱ無理か。しかたないなぁ、強行突破させて貰うからね」
 そんなオブリビオン逃がさないモードな二人を前になんとかちゃんも覚悟を決めたか、開幕の爆発とか握りしめとかから仕切り直しとばかりに迷宮生成。
 街並みの迷宮に遊具の迷宮を上書きするという迷宮に迷宮を重ねて猟兵もオブリビオンも、取り込まれた者がダブルで迷う空間を作り出し、包囲の突破を図り始めていたのである。


「ちょっと、それずるくない!?」
「いいえ、これも正当な攻略法ですっ!」
 開幕からなんとかちゃんのクレームが出ていた。
 それに対して正当な手段と宣言していた摩那、一体何が起こったのか?
 よくよく現場を見てみれば、迷宮を作ったはずのなんとかちゃんであったがその現在位置付近へ次々と到達する衝撃波、それを生み出しているのは成海であり。
 何故に彼女がそんなにも、迷宮内部の敵位置を把握しているのかといえば。
「あ、もうちょっと右、行き過ぎました、少し左に……そのまま上です」
「えーと、それじゃこの辺かな?」
 空に浮かべたドローンで位置を確認して、成海に摩那が衝撃波で狙うべきポイントを示していたのである。
 まあ仕方ないね、遊具で出来た迷宮だとジャングルジムとか滑り台とかがメインになるから空中から大まかな位置が見えちゃうものね、世知辛い。
 そんなこんなで連続して次々と放たれる衝撃波で迷宮の壁が揺られ、炎上したりする惨状。
 ついでに言うと、姿を直視していないので精神に訴えかける攻撃も意味が無い、つまりは見えない場所から敵の位置だけ把握しての一方的な遠距離攻撃というえげつない環境が生み出されていたのである。
「ああもう、やってられないっ! そんな酷いことするなんて、わたしのこと忘れちゃったの?」
 とりあえず一方的に攻められるのは不味いと見たか、遊具の上に姿を晒したなんとかちゃん。
 これによって視認した面々の心を揺さぶろうとしたのだが……。
「隙ありです! これで逃がしません!」
 適当な方向、というか空中へ一直線に伸びた謎の金属で出来た可変ヨーヨーのエクリプスを操る摩那の声。
 明らかに見当違いの方向に飛んでいたヨーヨーだったが、そこは念動力を活かして軌道変更、90度に曲がって一直線になんとかちゃんへと伸びていき。
 あわや直撃というタイミングで身を屈めて回避、何匹かの蝶が打ち落とされたがまだ大丈夫とばかりに反撃しようと立ち上がったなんとかちゃんであったが第二の拘束が伸びていた。
「大樹の縛めを受けなさい!」
「うそ、しまっ!?」
 反撃に転じようとしたなんとかちゃん、その足元から伸びたのは木の根、蔦、枝という植物の部位であり。
 好機逃さずユーベルコードを発動した成海の業、足を根に、腕を蔦と枝に縛られて。
 更には戻ってきたヨーヨーがおまけとばかりに胴体に絡みつき、なんとかちゃんの動きとユーベルコードを同時に封じていたのである。
「逃げられたりすると厄介だからね。それにこれで一緒にいられるでしょ?」
「いやーっ! また話の通じない人が増えるーっ!?」
 拘束したなんとかちゃんを前にして、にこやかに接近始めた成海が言葉を紡いでいたが先ほどのルゥナが壊れたラジカセみたいにずっと一緒、とか言い続けていたのが恐怖だったのだろうか。
 別人である成海も拘束から一緒にいられる、なんて言ったものだからその恐怖を思い出してしまったのだろう、多分。
「あら……自分で言っておいてなんだけど、ちょっと怖かったかな」
「いやー、お仕置きですしちょっとぐらい怖い方が丁度いいですよ」
 クスリと微笑む成海に並び、ヨーヨーを手繰り寄せた摩那が言葉を重ねれば。
 めっちゃ暴れるなんとかちゃんが二人の前へと引き寄せられて。
「それじゃ、お仕置きタイムといきましょう。はーい、びったんびったんです」
「いやぁああああ! 暴力反対ー!」
 グイッとヨーヨーのワイヤー引けば、力任せに振り回し。
 ビシッ、バシッと効果音を響かせて迷宮の壁にぶつけられるなんとかちゃん。
 追従する頭の蝶も忙しく飛び回り、何かこう、空中に青い軌跡が残っていくが振り回される当人はたまったものではない。
「あら、声もだせないぐらいへばっているみたいね。けどやるなら徹底的にね」
 そんなお仕置きタイムの様子を成海が眺め、なんとかちゃんの体力をもっと大きく削るようにと振り回しタイムの延長を打診していたのである。
 なんとかちゃんの受難はまだまだ続く、っていうか猟兵の方が悪人っぽいのがどんどん加速している気がするぞぉ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

四季乃・瑠璃
緋瑪「ホラ、爆発オチは定番って言うし、もう少し付き合ってよ。熊(パンダ)鍋もあげるから。え~っと………翡翠?」
翡翠「違うよ!なんでいつも私となんとかちゃん間違えるの!?」
瑠璃「翡翠と間違えるのは流石に酷いと思うよ。ねぇ、ケーレスちゃん」
翡翠「そっちも違うよ!

瑠璃「さて、それじゃ、改めてお仕置きかな」
緋瑪「逃げたゆかりちゃん?幕間でさらっとお仕置きされてるよ」
翡翠「可哀想に…」


緋瑪「そういえば、今回、わたし達ボム殆ど使ってないね!」
瑠璃「大鎌とお鍋だけだね…珍しい。だから」
「「最後は盛大に爆破(爆発オチ)して良いよね♪」」(UCで強化した全力ジェノサイドノヴァ)
翡翠(盆回しのBGMポチッと)


天王寺・吾郎
アイヤー、たしか、子パンダをけしかけてる奴がいるって話だったようでアルな。
そんな存在をウチが見逃すつもりはないアルよ。
ジャイアントパンダの料理人、この天王寺・吾郎が、天誅しに来たアルヨ。
UDCがなんだか知らないアルけど、ここで呼び出すは、犬を12匹呼び出して、その、なんとかちゃんって呼ばれてるUDCに襲撃させるアルヨ。
代償…ドッグフード買ってくるからちょっと待つアルヨ。

アドリブ歓迎


シャムロック・ダンタリオン
(内心、「さっさと終わらせて帰って寝たい、つか何でこんなトンチキ依頼に関わってしまったのだ」とか考えてる)
さて貴様がこのパンダ騒動の元凶か。何の目的で――いや、最早何も聞くまい。
とりあえずさっさと骸の海に引っ込んでもらおうか。

とはいえ、あの蝶々が厄介だな。まずは【指定UC】で閉じ込め、追い詰めたところで魔法剣(UCは使わない)で切り付けてやろうか(【なぎ払い・切断・貫通攻撃・傷口をえぐる】)。

――ところで戦闘が終わった後でいいが、どこかに旨い酒が飲める店があるか、知ってたら教えてくれないだろうか?(ぇ)

※アドリブ・連携歓迎


波狼・拓哉
なんとかちゃんに全ての責任を押し付けたのって猟兵っていうよりパンダでは?
というか、運営が一番押し付k(謎の圧力にやられる)

さてと、それじゃパンダと出会った話でもでっちあげて貰…前にゆかりちゃん相手似たような事やったから考えてきてある?
じゃあ止めます

化け暗なっとそぉい!(当たらないように投擲)

暗闇で相手を囲って逃走阻止とUC起動阻害
まあ、おにーさんには狂いきって隣人感とか効かないというか知ったこっちゃないので暗視ゴーグルでしっかり確認

それでは観念して、違反金お願いしますね
無許可営業、密輸、仮想通貨法…それは知らない?
笹の葉payの事忘れたとは言わせません
その手に持ってますよねパンダ型カードを…!


クーナ・セラフィン
あー久しぶりに見たアイドルイベントの時の…なんとかちゃん?
その手に抱えてるのはぬいぐるみなのか生仔パンダなのか。
責任はないと言ってるけどオブリビオンである事には変わりないからねー。
逃げるなんて許されないよ?(街の惨状の予感を振り返りつつ)

姿を見てなんか湧き上がってくるけど…ばらばらになっても一緒にいる事はできるよね?
迷路ができているならそれを跳ねて回って追いかけっこ。
空中戦とか壁ジャンプとかはお手の物、猫は優れたハンターだしね。
必殺の距離まで近づいたらUC起動、なんとかちゃんをざっくざくに。
逃がしたらもっとヤバい事件起こすよね?
…逃がさなくてもダメな気はするけども。

※アドリブ絡みカオス等お任せ



 びったんびったんされたなんとかちゃん、やめて! もう彼女のライフはゼロじゃないけど限りなくゼロに近いわよ!
 そんな暴行現場を死んだ魚のような、光が無くなった目で眺める猟兵が居た。
(「さっさと終わらせて帰って寝たい、つか何でこんなトンチキ依頼に関わってしまったのだ」)
 あー、うん、シャムロックさんや、そのー、とっても言い難いことなんですけどね?
 混沌からは、逃げられない。カオスに関わってしまえば、自分もどっぷり染まるか別のナニカになるしか道はないのですよ?
「なんとかちゃんに全ての責任を押し付けたのって猟兵っていうよりパンダでは? というか、運営が一番押し付k……」
 おう、それ以上は言うな、拓哉よ。
 運営権限で発言をカットするぞ、出番もカットされたくなくば危険な発言はよすんだ!
 そんなこんなで危険発言も阻止したのだが、めっちゃダメージを受けてるなんとかちゃんへの刺客はまだまだいるぞ!
「あー久しぶりに見たアイドルイベントの時の……なんとかちゃん?」
「そ、そうだね、久しぶり、だね。ま、また、一緒に遊んで、くれるのかな?」
 何とか記憶の奥底から、見たことあるような無いような、アイドルっていうか幼女大戦争の時に見かけた姿を思い出し、多分なんとかちゃんだったはず、って感じでクーナが言葉をかけていき。
 既に満身創痍だが立ち上がったなんとかちゃんが、とりあえず話が通じそう、もとい精神攻撃が通じそうだとクーナの方へと歩みだす。
 その様子をみながらクーナがなんとかちゃんへと問いかけを。
「あー、ちょっと気になったんだけど。その手に抱えてるのはぬいぐるみなのか生仔パンダなのか」
「あ、これはぬいぐる……」
「責任はないと言ってるけどオブリビオンである事には変わりないからねー。逃げるなんて許されないよ?」
 とりあえず先ほどちびっこパンダを一掃したが、残党なのかぬいぐるみなのか。
 問いかけにぬいぐるみ、と返ってきたが、それでもオブリビオンなら逃がさないと非情の通告。
 やっぱりか、みたいに肩を落とすなんとかちゃんと、隔離された迷宮だけど後々街に影響が出るんだろうなぁ、ってヒシヒシと感じるクーナ。
 互いに辿る最後は違えど、どうせ酷い結末に到達する者同士、妙なシンパシーを感じた中で。
「はいはーい、お取り込み中悪いけど。それじゃパンダと出会った話でもでっちあげて貰……」
「あ、ゆかりちゃんとの時にやられたんで大体は考えてあるから」
「い……ま。前にゆかりちゃん相手似たような事やったから考えてきてある? じゃあ止めます」
 拓哉が以前メンタル的に大ダメージを与えた攻撃を再び仕掛けようとしたのを遮る様に、多分やってくるだろうと対策しているなんてなんとかちゃんから驚愕の真実が!
 これで拓哉は手も足も出ない、と思ったけど止めんのかーい!!
 えっ、じゃあまた別の攻撃手段とかやる気なの? やめてっ、これ以上なんとかちゃんを、第二章で登場したなんやかんやと絡めて苦しめるのはやめてっ!
 しかし戦いは非情さ。手加減というか現場に駆けつけた猟兵は他にもまだ居る。
「アイヤー、たしか、子パンダをけしかけてる奴がいるって話だったようでアルな。
 そして出会った後にぬいぐるみみたいに扱って、悪事を働かせているって聞いたアルよ」
 創作物でよくある中国系キャラがやる、語尾がアルになってるパ……パンダ!?
 なんてこったい、ゆかりちゃんと思わせてパンダが悪事を働いていて、そのパンダをお仕置きして一掃したら、別のパンダな猟兵の天王寺・吾郎(白黒料理人・f32789)まで出現したではないか!
「まって、だからさっきから言ってるけど私は魅力を教えただけであの子達が勝手に……」
「そんな存在をウチが見逃すつもりはないアルよ」
 あっ、この人、っていうか瑞獣か。話を聞いてねぇ。
 壊れたラジカセみたいに同じことを言う人とかに迫られてたんで慣れてはいたのだろう、この猟兵も話を聞かないタイプかぁ、みたいに肩を落とすなんとかちゃん。
 そんな様子をガン無視して、ババッとカンフー映画でやるようなポーズを取って。
「ジャイアントパンダの料理人、この天王寺・吾郎が、天誅しに来たアルヨ」
 あっ、パンダって名乗った! つまり彼はパンダにカウントしていいわけで、パンダが増えた!
 まあ今更パンダが増えてもパンダで癒しとかいう展開は無いんだよなぁ、残念ながら。
 とりあえず、彼も成敗するつもりのようでこれで追い討ちを仕掛ける猟兵が4人に増えたぞ!
「パンダがまた増えた、だと……どうなっておる」
「私に聞かれても困るなぁ」
 折角ちびっこパンダを一掃したのにジャイアントパンダが再び登場、カオスさが増していく状況にシャムロックが疑問の声をあげればなんとかちゃんも、自分もわからないみたいな感じで返していく。
 大丈夫だ、君たちにも分からないようだが私にも何でどうしてこうなったのかさっぱりわからん。
 ひとつだけ分かっていることは、平穏無事な終わりが無いってことだけさ!
「まあいい、貴様がこのパンダ騒動の元凶であることはわかっている。
 何の目的で……などとは最早何も聞くまい。とりあえずさっさと骸の海に引っ込んでもらおうか」
 あっ、混沌とした世界、その濁流に飲まれたり、同化したりする事無く自我を保っていたシャムロックがいい感じに流れを纏めたぞっ。
 つまりはここからなんとかちゃんへの最後のお仕置きタイムの始まりである。


「いやー、流石にこれは酷い、かなっ!?」
「問答無用、我が図書館の蔵書はお気に召したかな?」
 そこは悪夢のような光景だった。
 まあうん、迷宮を作る系のユーベルコードってあるじゃない? 最初にこの街が、街を模した迷宮に取り込まれて。
 次になんとかちゃんが遊具で出来た迷宮をその中に作ったのだが、さらにその中へ無理矢理ねじ込むようにして多量の書架が出現し。
 動き回るスペースもないほどに迷宮に迷宮の上書きが炸裂し、なんとかちゃんの移動範囲をシャムロックが徹底的に狭めていたのである。
 こ、こいつら、なんでもかんでも上書きしおってからに!
「さーて、パンダとの出会いを考えてあるのなら……今回はこいつだ、化け暗なっとそぉい!」
 あっ、そうこうしていたら拓哉が乱雑に自分の相棒のミミックをなんとかちゃんが居る辺りに投げ込んだ!
 そのまま着弾地点に闇が広がり、書架の圧迫に加えて暗闇で視界も塞ぐ、隙を生じぬ二段重ねの妨害が炸裂し。
 更に包囲を狭めようと次に動くは吾郎、つまりこれは水をも通さぬ三段重ねかっ!
「おおう、便利な技を使うアルね、ならウチも負けてられないよー! さあ、12匹の犬たち、なんとかちゃんって呼ばれるUDCを襲撃するアル!」
 なんてこったい、迷路に暗闇、そこへ12匹もの犬を呼び出し、嗅覚でもって闇の中に取り込まれたなんとかちゃんを探し出し攻撃させるとは、即席の連携とは思えぬ素晴らしい組み合わせ。
 そうして12匹もの犬が……犬、犬……アレ?
 おおーい、吾郎さんや、何も出てきてないですぞー?
「この技は代償が必要アル……代償……ドッグフード買ってくるからちょっと待つアルヨ」
「ちょっとぉ! それ別の意味でひどいからねっ!?」
 思わず闇の中からなんとかちゃんがツッコミを。
 でもね、これはしょうがない、だって今から猟兵の猛攻がくるんだなー、って身構えてたところで不発だぞ、誰だってツッコミするわい。
「アイヤー、困ったネ、迷路になってて出られないアル、ドッグフード買いにいけないアルヨ!」
 その上迷宮で迷っていた。
 仕方ないね、街並みの迷宮に遊具の迷宮が重なって、その中に無理矢理書架が生える迷宮まで重ねられたから三段重ねだ。
 出口はひとつ、の迷路が3つだし迷子になるのも仕方ない。
「連携できてないし!? ちょっと、どういう流れなのこれ!?」
 なんとかちゃんも困惑だぁ。これはいけない、どうにか流れを連携している風に戻さねば。
「それじゃ、そこは私が決めようか。なんとかちゃんまで切り込むならついてきて」
 途切れた流れ、それを再び繋ぎ合わせるように動くはクーナ。
 猫の体、ケットシーの素早き身のこなしで遊具の合間を駆け抜け飛び跳ね、そして新たに生まれた書架の上を走りぬけ。
 暗闇の中へと飛び込めば、そこには気配だけで猟兵探すなんとかちゃんの姿があって。
「あっ、しまっ……」
「さあ……クーナの槍さばき、とくと味わうといい」
 回避不能、必中の距離にて放たれるは心が通じ合ったが故か、相手の心を見透かしたかのように。
 避けようと動いた方向へ容赦なく突き出され、振るわれるクーナの銀槍。
 次々と放たれる刺突からのなぎ払い、引き戻してからの再度の刺突。
 連続攻撃を受け、頭部のあたりを飛び回る蝶々が落ちてなんとかちゃんの衣服が切り裂かれ、傷口が開いていって。
「姿を見てなんか湧き上がってくるけど……ばらばらになっても一緒にいる事はできるよね?」
「なんでいきなりスプラッター宣言するの!?」
 わきあがる感情、バラバラにして一緒にってそれヤンデレ的な要素もありますよねクーナさん?
 ほらー、なんとかちゃんも驚いてるじゃないか、いくら逃がしたらもっとやばい事件を起こすかもといったって、そんな脅しなんかしちゃー。
「成る程、スプラッターな結末か。こんな妙な流れを断ち切るにはそれぐらいせねばならぬか」
「同意しないで!?」
 そんな危ないクーナの発言に呼応したのは追いかけ迷宮を駆け抜けていたシャムロック。
 自分が作った迷宮が最後だしね、まあ追いつくのが早いのは当然で、骸の海に戻れとばかりに引き抜いた魔剣を振り上げ一閃すれば、残り少なくなってきたなんとかちゃんの飛ばす蝶が更に落ち。
「ドッグフードは変えなかったアル、仕方ないからウチも直接攻撃アルネ」
 遅れてやってきた吾郎が大包丁をフルスイング、刃ではなく平を叩き付けるように振れば蝶が粉々に飛び散るスプラッター展開に。
 アカン、これは三人がかりでグロテスクスプラッター映像になってしまう、規制するわけにもいかない、何か止める手段はないのかっ!?
「はいはーい、スプラッターにするのはいいですけど、その前に違反金の徴収でーす」
「違反金ってなによ!? だから私は何もしてないからっ!」
 あっ、暗闇でドタバタやってるのをちょっと離れた場所から見ていた拓哉が来た。
 流れがスプラッターって方向から変わったけど、違反金ってなんだよ、なんとかちゃんもツッコミしてるぞ?
「無許可営業、密輸、仮想通貨法……それは知らない?」
「いやだから、やってたのはパンダたちで私は魅力を伝えただけだって最初から……」
 あっ、この人、まだ全ての罪をなんとかちゃんに背負わせようとしているっ。
 まあそうしないと猟兵にも都合が悪いからね、消える存在に罪をかぶせる、昔から言ってる死して屍拾うもの……じゃなかった、死人に口無しって事を実行しようってことか。
「ほほう、まだ言い訳しますか。だが笹の葉payの事忘れたとは言わせません」
 おっとぉ、なんとかちゃんの言い訳を聞きながらもまだ切り札っていうか証拠があるのか拓哉さん。
 先の調査で判明したパンダが小金を稼いだ事案、それで使われたアイテムを引き合いに追い詰めようというのだろうか。
「その手に持ってますよねパンダ型カードを……!」
「いやこれ、パンダだけどぬいぐるみー!!」
 あっ、こじつけで無理矢理罪をなすりつけた。
 なんとかちゃんも弁明したけど、パンダって部分でごり押しされた模様である、南無い。
 つまり現状は、逃走不可能、ちびっこパンダの悪行の全責任を押し付けられて、更には猟兵からの集中砲火を浴びてどうしようもない、完全な詰みという状況である。
 終わったか、そして今回はスプラッターな終わりか、いつもはこう、酷いオチになったり途中でとんでもない事になったりするが平和だったなぁ、爆発も小規模だったし。

 ………………
 …………
 ……
「ホラ、爆発オチは定番って言うし、もう少し付き合ってよ。熊(パンダ)鍋もあげるから。え~っと………翡翠?」
 と、思ったら爆発担当が居た。
 このとんでもねぇ惨状を上空から確認していた緋瑪が、フルボッコにされてるなんとかちゃんに迷宮上空から声をかけていたのである。
「いや、もう付き合いたくないから、あと何でパンダを鍋にしてるの!?」
 暗闇が晴れてめっちゃボロボロのなんとかちゃん、地上から渾身のツッコミ。
 だがツッコミを入れたのはなんとかちゃんだけではなかった。
「違うよ! なんでいつも私となんとかちゃん間違えるの!?」
 緋瑪の後ろから声がした、それもめっちゃ訴えるような声が。
 瑠璃と緋瑪は別人格を分身させた存在、そんな彼女らの中にある更に別の人格の翡翠であり……そんな翡翠の人格を宿した人形が全力で、自分となんとかちゃんを間違えないで、ってアピールしていたのである。
「翡翠と間違えるのは流石に酷いと思うよ。ねぇ、ケーレスちゃん」
「そっちも違うよ!」
 おおーい、瑠璃さんやー……案内したグリモア猟兵の、義姉妹での不遇枠なケーレスを巻き込んでやらないで、更に不遇ポイントが加速するから!
 全力で翡翠ちゃんも否定してるでしょ、そこにいるのはなんとかちゃんだから間違えないでっ!
 そんなこんなでこの三人が登場したという事は……まあうん、爆破物を多用してるし爆発オチのタイミングだしそういうことである。
「さて、それじゃ、改めてお仕置きかな」
 ゲームセットだと宣告するように瑠璃が呟き。
「逃げたゆかりちゃん? 幕間でさらっとお仕置きされてるよ」
 なんてこったい、ゲスト出演ぐらいだと思ったらけっこうガッツリかかわっちゃってたゆかりちゃんを知らぬ間に尻叩きでもしたのか、緋瑪。
 そんな現実を聞いてしまって翡翠が一言。
「可哀想に……」
 なんて言っていたが、二人になんとかちゃんと間違われていた君も十分に可哀想だと思うぞ。
 ま、まあいいや、もう限界ギリギリなオブリビオンにトドメの一撃ってターンなのだが。
「そういえば、今回、わたし達ボム殆ど使ってないね!」
 緋瑪が今回の立ち回りがどうだったか、って事を語っていた。
 そうだね、ちょこっと銃弾とか爆破物が降り注いだ程度だったね、大爆発とかはなかったね。
「大鎌とお鍋だけだね……珍しい。だから」
 だからなんだよ、瑠璃さんよぉ。
 もう絶対、アカン展開の前フリですよねコレ?
「「最後は盛大に爆破(爆発オチ)して良いよね♪」」
 ああ、やると思ったよ。もうなんか、二人で魔力チャージして、手にした爆弾がめっちゃ光ってるものなぁ。
 そんな二人の後ろでラジカセ持った翡翠がポチっとボタンを押せば流れるBGMは盆回し、ド○フを知らぬ方ならば人類滅亡のテーマ、よく地球の表面がゴアッと隕石の衝突か何かで吹っ飛んで、地球が滅ぶ動画での爆発オチで使われるBGMと言えばわかりやすいアレである。
 あの、テーン、テッテケテッテ、テッテケテッテ、テッテケッテテッテン、みたいなBGMが流れる中で、なんとかちゃんに向かって光の塊が飛んでいき。
 最前線で攻撃していた猟兵がアッ、て顔をした時にはもう手遅れ、派手な爆発が発生。
 書架の迷宮も、遊具の迷宮も、そして最外郭の街の迷宮も衝撃で崩壊し。
 なんやかんやで現実世界に影響は出ない、そんな気がしたけれどもやっぱり現実世界にも衝撃波が波及して、迷宮崩壊と同時に発生した爆風が広がって。
 なんとかちゃんとか猟兵を取り込んだその地点を中心に小さなクレーターが発生、周囲の建物もひび割れ、ガラスが砕けるなどの被害が発生、UDC組織の後片付けという仕事が増えつつも、パンダをそそのかしたなんとかちゃん、はこの世界から再び骸の海へと送り返されていたのであった。


 戦いは終わった、色々と犠牲とか被害とかあった気がするが仕方ないね。
「うん、まあ惨状の予感はしていたんだ」
「やっぱり爆発オチだったか」
 崩壊した迷宮、書架を壁にして爆風を凌いでいたクーナと拓哉が遠い目をして言葉を交わす。
 まあ仕方ないね、爆発オチって王道だからね。
 ある程度被害が出ても次の週の放送とかでは何事も無かったかのように元通りになってるし、まあ大目に見てください。
「ゲホ、ゴホ……こうなるとは。混沌に関わってしまったのが間違いだったやもしれぬな」
 そんな中、こちらも爆発に巻き込まれつつ迷宮を盾に凌いだシャムロックが愚痴っていた。
 うん、まあ、すまない、こういうシナリオだったんだ、自由に皆が突っ走る結果、どうなるか予想不可能ではあったんだが。
 酷い結末になりそう、ってのはわかっていたんだ、うん。
「まあいい。事はおわったのだ、気分転換にどこかに旨い酒が飲める店があるか、知ってたら教えてくれないだろうか?」
 染まりそうだと思ったのでしょうか、シャムロックは戦場に来た面々にいい店が無いか聞いてはいるが、そのー、真に申し上げ難いのですが。
 多分、この爆発の影響で近辺のお店はその、営業するか微妙だと思うんですよ、ガス管とかの安全確認で。
「アイヤー、お酒のお店は知らないアルけど、お酒に合う料理なら作れるネ。
 材料は色々買えるしウチが料理スルヨ! それでどうアルカ?」
 いい店が見つからない、営業してるかもわからない、気分転換も出来なさそうな状況だったシャムロックであったが、そこに伸びる救いの手、料理人である吾郎の言葉。
 料理を武器とするジョブだからね、これは期待出来ますわぁ。調理施設はUDC組織に言ってすぐに手配してもらえるし、協力機関は使える時に使わなきゃね!

 そんなこんなでほのぼのと、終わりの時は訪れたが……。
 今回もまた、街の一角が吹き飛ぶ被害が出て一般人への隠蔽工作が必要になり、UDCエージェントの苦労が増えてしまった様子。
 しかしながら、街の人々はパンダで癒しを、猟兵も何人かは癒されたしまあ、いいじゃないですか!
 ほら、終わりよければなんとやら、っていう言葉もあるし、邪神がおおっぴらに認知されて大混乱になるよりは、ちょっと街が壊れてガス爆発か? なんて人々が思う程度で終われば被害は最小限でもあるし。
 ちょっと人々の常識が狂っても、しばらくすれば元に戻る気がするし。
 街は無事、人々の認識も正常で人的被害も物的被害も無しなんて最高の結果はとても難しいもの、何かが犠牲になってしまうのはとてもとても悲しいものだが、最良の結果を掴んだというきれいな話でいいじゃない。

 あっ、やめてっ、爆弾は投げないでっ! 爆発オチがちょっと弱いからって、最後に爆破物を追加で投げるのはやめてくださいっ!!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年03月30日


挿絵イラスト