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戦後の戦い~オペレーション・ウルフハント

#グリードオーシャン #戦後 #メガリス #アークライト・ミッション #アンサズ地方 #アークライト自治領

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●アークライト自治領首都・アルタイルシティ科学技術省にて
 クロムキャバリア世界、アンサズ地方の東端に位置するアークライト自治領。高い技術力を持つことで知られるこの国では、遺失技術の探索や復元などにも力を入れている。

 アンサズ地方にはかつて統一国家「アンサズ帝国」が存在していたが、100年前の戦乱の時代に発生したアンサズ戦争によって帝国は崩壊。現在はアークライト自治領、エルディスタン連邦共和国、ガイアス大公国、桜嵐市国、ウィルバー連合王国などといった中小国家に分かれている。現在はアークライト自治領、並びにウィルバー連合王国の主導によって緩やかな共同体であるアンサズ連合が準備されているが、エルディスタンで発生したクーデターによってそれもストップしてしまっている状況だ。

 そのアンサズ帝国は、現在のアークライト自治領を凌ぐ高い技術力を持っていたとされる。民生技術もさることながら、軍事技術も高く、他国との戦いにおいてもその技術力から生み出された高性能なキャバリアによって終始優位に進んでいたという。こうした遺失技術はアークライト自治領のさらなる技術躍進のために必要とされ、かつてのアンサズ帝国の旧跡における調査が盛んに行われていた。

 この日、アークライト自治領首都、アルタイルシティの科学技術省に来客があった。

「この機体について何か情報を持っていませんか」

 面会に応じた科学技術長官は、その客が差し出した1枚のキャバリアの写真を見て驚愕する。

「……これは」

 目の色を変えた長官が、どこでこれを、と客人に聞く。

 客人──グリモア猟兵、ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/開発コード[Michael]・f29697)はただ一言答えた。

「我々猟兵でしか赴けないところ……とだけ申し上げておきます」

●オペレーション・パーシヴァル
「我々はこれからグリードオーシャンの『終の王笏島』に向かいます」

 羅針盤戦争が終わり、完全勝利の余韻冷めやらぬグリモアベースで、ジェイミィは猟兵達を集めてブリーフィングを行っていた。

「終の王笏島には、カルロスが数多くの世界から蒐集した事物がメガリスとして保管されていました。最終決戦においてそのうちの何%かは失われましたが、未だに大量のメガリスが終の王笏島に残されています。コンキスタドールの残党がこれを拾って新たな七大海嘯として動き出す前に、我々の手でメガリスを回収しなければなりません」

 さて、今回回収するメガリスはこちらです、とジェイミィは1枚の写真をスクリーン上に映し出す。それはキャバリアだった。しかし、クロムキャバリア世界の各国家で運用されているどのキャバリアにも一致しない系統の機体シルエットだった。クロムキャバリアであることだけは外観から把握できる。

「機体番号ARGS-XCCV-0002F、機体名は『エルダーフェンリル』。クロムキャバリア世界のアンサズ地方にかつて存在した国家『アンサズ帝国』で開発・運用されていた機体です」

 アンサズ地方の地図を表示するジェイミィ。その情報を確認した一部の猟兵が身を乗り出す。そう、現在猟兵が協力している国家のひとつ、アークライト自治領がこのアンサズ地方に存在する。

「アークライト自治領はかつての遺失技術を調査していたのですが、その際にデータのみが断片的に残されていたこの機体の行方がわからず、調査が難航していたとのことでした。どうやらカルロスが持ち去ったようですね」

 もちろん、本来クロムキャバリアに存在しているものであるから、回収して元の世界に還元するべきである、とジェイミィは話す。しかし、メガリスとなってしまっている以上、そのまま持ち帰るのはリスクがある。

「メガリスはその性質上、ユーベルコードの行使が可能な者が保有するのが一番安全です。そして、アークライト自治領も機体そのものより機体の詳細なデータが欲しいようです。具体的には分解調査をしたいとのことでして」

 アークライト自治領と検討を重ねた結果、猟兵の立ち会いのもとで分解調査を行うということで合意がなされた。また、乗り手の確保が難しいことから、分解調査を終えたエルダーフェンリルについては猟兵側で運用して構わない、という条件もアークライト自治領から提案されている。

「と、言うことでこれは私の依頼に加えて、アークライト自治領からの依頼でもあります。実際、昔の機体が手に入れば、クロムキャバリア世界で過去何があったのかについても迫ることが出来ますしね」

 その意味でも、アークライト自治領の科学技術省に協力するのは非常に有益である、とジェイミィは語る。

「さて、現在このエルダーフェンリルを持ち出そうとしているコンキスタドールが存在するため、これを排除する必要が出てくるでしょう。この件について情報をお持ちの方がおりまして。かつて舵輪の直属の配下を務め、現在は舵輪島にてネルソン提督の墓守を務める天使の方と通信が繋がっています」

 ジェイミィは画面を切り替えると、そこにかつてネルソンの副官だった天使が姿を現す。

「猟兵、聞こえるか。まずは先の大戦で、七大海嘯を全て倒したことを称賛すると共に、感謝を述べたい。カルロスが斃されたことで、ようやく提督も安らかな眠りにつくことが出来るだろう。我々は提督の墓を守りながら、密やかに暮らしていくつもりだ」

 元副官の天使は一礼すると、舵輪軍の副官として知る限りの情報を話し始めた。

「舵輪軍壊滅に伴って、我々天使や一部コンキスタドールは隠棲の道を選んだが、敢えて徹底抗戦を叫んだ者もいた。終の王笏に合流し、最後まで抵抗を続けると言っていたな。彼らは……そう、諸君らが使用していた人型機動兵器、キャバリアを扱うことに長けている。そして、終の王笏との合流時に、カルロスが得た太古のキャバリアが下賜されたという噂を聞いた」

 そして、その頭目はなんと、自我を持つキャバリアだという。

「ヴィーキングという意思を持つキャバリアが彼らを率いているが、おそらく下賜されたキャバリアは彼の直衛として運用されていると考えられる。問題の機体は自律型となっており、全自動攻撃を行う……『プログラムド・ジェノサイド』に酷似したユーベルコードを行使している目撃情報があった」

 ふむ、とその言葉にジェイミィは唸る。

「そのコンキスタドールを相手取るにはキャバリアが必要になりますかね?」
「当然、必要となるだろうな。現地に行くならば舵輪島に一度立ち寄ってくれないか? 猟兵に投降した舵輪軍のキャバリア乗りが放棄したキャバリアが残っている。整備すればまだ使えるはずだ。キャバリアを保有していない猟兵がいるのであれば、ぜひ使ってくれ。君たちが使用するキャバリアの整備もこちらで行おう」

 かくして、猟兵達は舵輪島を経由して終の王笏島へと向かうことになった。舵輪島へのポータルが開く。舵輪島からは鉄甲船で終の王笏島に渡る流れだ。作戦コードはオペレーション・ウルフハント。古の狼を求める戦いが、今始まる。


バートレット
 どうも、バートレットです。
 皆さん羅針盤戦争お疲れさまでした。

 今回はカルロスがかつてクロムキャバリア世界より奪った古のキャバリア、「エルダーフェンリル」を奪還してもらいます。オープニングを読んでいただければわかるように、クロムキャバリア世界の国家「アークライト自治領」関連のシナリオでもあります。

 エルダーフェンリルは、終の王笏島にて再起を図る舵輪配下のコンキスタドールが保有しています。彼らはキャバリアを運用しているため、キャバリアで立ち向かうことを推奨します。クロムキャバリアでのシナリオ同様、キャバリアの貸し出しサービスを受けることができます(持って帰ってもOKです)。

 通常シナリオのため、3章構成となります。第1章では、終の王笏島でコンキスタドール達が決起し、舵輪島への再侵攻を行おうとしています。彼らが保有する無人キャバリアが上陸を阻むため、迎撃を行ってください。第2章では、元舵輪配下のキャバリア部隊との戦いになります。彼らはアンサーヒューマンであり、集団戦とは言えキャバリアに乗っていなければ苦戦は必至です。第3章ではオブリビオンマシン「ヴィーキング」との戦いになります。随伴機として無人機改造されたエルダーフェンリルを運用しますが、なるべくヴィーキングだけを倒すことを心がけてください。
 エルダーフェンリルは、全自動で高速攻撃を行うユーベルコード「プログラムド・ジェノサイド」を行使します。攻撃が外れても攻撃動作が止まらない弱点はありますが、極めて素早く攻撃が繰り出されるため、注意が必要です。ヴィーキング本来のユーベルコードと、エルダーフェンリルのプログラムド・ジェノサイドが同時に使用されるため、両方への対処が必要となります。ヴィーキングを倒すと、エルダーフェンリルも機能を停止し、回収可能となります。ご自分の所属旅団に持ち帰ることが可能ですので、ご希望の方は3章のプレイングで機体を所属旅団に持ち帰る旨を記載してください。

 オープニング公開後、断章の執筆を以てプレイング受付開始となります。プレイング受付状況や締切はタグやMSページにてお知らせします。

 それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
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第1章 冒険 『危機一髪!』

POW   :    危険を承知で行動する

SPD   :    迅速に対処する

WIZ   :    冷静に状況を俯瞰する

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●舵輪島再侵攻を阻止せよ
「改めて、よく来てくれた」

 キャバリアの整備や貸し出しを受けた猟兵達は、舵輪軍元副官の天使の出迎えを受けていた。

「キャバリアの整備は順調だよ。現地に渡る鉄甲船も手配した。あのキャバリア……『エルダーフェンリル』を手にしたコンキスタドールはかつての同士だ。しかし、最早我々には戦う理由がない。彼らを止めてくれ」

 元副官は頭を下げる。と、その時別の天使が2人、息を切らせてやってきた。片方はネルソンの決戦形態で使用されたパワードスーツ「トラファルガー」を開発した技術大佐だ。もうひとりは先行して終の王笏島へ偵察に向かっていた斥候だった。

「少々出立を急いだほうが良い」

 技術大佐は元副官にそう告げる。

「何があった?」
「連中に不穏な動きが認められました……奴ら、我々投降した舵輪軍を裏切り者として、この舵輪島への再侵攻を行おうとしています……!」

 その言葉を聞いた元副官は顔色を変える。

「なんだと……! 彼らは提督の眠りを妨げるというのか!?」
「彼らが忠を尽くす対象はあくまで終の王笏ということだろうな……それとも野心が勝ったか。いずれにせよ、彼らの動きを阻止しなければ。連中は終の王笏沿岸部に無人のキャバリア部隊を集めている。出港まで時間がある、まずは無人キャバリアを排除しなければ」

 技術大佐は整備を急ピッチで進めると告げ、猟兵たちに頭を下げる。

「かつての同士とは言え、これ以上の暴挙を許すわけにはいかん。頼む、奴らを止めて欲しい」

 間もなく、猟兵達が使用するキャバリアの整備が終わり、猟兵達は急ぎ天使たちの操艦する鉄甲船で終の王笏島へと急行する。程なく見えてきた終の王笏島の沿岸部には、無数の無人キャバリアが待ち構えていた。鉄甲船が来ることを察知して、上陸を阻止する構えのようだ。

 猟兵達は出撃準備を整えると、鉄甲船から続々と飛び出していった。
支倉・錫華
さすが七大海嘯、部下もなかなかしぶといね。
でも、そう簡単に捲土重来ってわけにはいかせないからね。

失われてるかもしれない技術で作られたキャバリアに興味はあるけど、
まずはそこまでたどり着かないといけないみたいだね。

わたしはアークライト自治領にあるキャバリアを借りて
【サラスヴァティ・ユニット】を装着。海中からの攻撃と防御でいこうかな。

アミシア、潜行モードでいくから、
深度確認とノイズリダクション、お願いね。

水中に敵がいたら、こっそり近づいて【歌仙】で行動不能にしていこう。
【FdP CMPR-X3】はランチャーモードで持っていって。
海上の敵を水中からのミサイル攻撃で倒していきたいな。



●揚陸作戦開始
 特定のキャバリアを持たないキャバリア乗りの猟兵、支倉・錫華(Gambenero・f29951)。今回も予めアークライト自治領より機体の提供を受けて依頼に当たることになった。現行制式採用機のひとつ、Coyoteに水中機動を可能とする「サラスヴァティ・ユニット」を装着し、水中から音もなく忍び寄る。

「さすが七大海嘯、部下もなかなかしぶといね。でも、そう簡単に捲土重来ってわけにはいかせないからね」
『しかし、遺失技術で作られたキャバリア、ですか。興味をそそられますね』
「同感……だけど、まずはそこまでたどり着かないといけないみたいだね」

 パートナーユニットのアミシア・プロフェットと会話を交わしながら、コンソール画面上に映し出される索敵情報に目を走らせる。一部の水陸両用機が水中に展開しているようだ。他の機体の上陸の事も考えると、ここで出来る限り潰しておいたほうが良いだろう。

「アミシア、潜行モードでいくから、深度確認とノイズリダクション、お願いね」
『承知しました』

 音もなく敵水中機に忍び寄ると、実体剣「歌仙」を振るう。何が起きたかもわからぬまま、水中に展開していた敵キャバリアは歌仙によって四肢を潰され、センサーを破壊されて機能を停止していった。

『推奨発射位置を指定します。FdP CMPR-X3の準備を』
「了解。さて、沿岸部のお掃除、しちゃいましょうか」

 アミシアが指定した位置に陣取ると、多目的ライフル「FdP CMPR-X3」をミサイルランチャーモードとして、水中からミサイルを斉射。沿岸に展開していた敵機体は突如沖合から飛来したミサイルに成すすべなく木っ端微塵にされていく。

「先制攻撃は成功だね」
『敵はこちらの位置には気づいていません。引き続き水中攻撃を』

 次弾を装填しながら、錫華はレーダーを確認する。他の猟兵たちの機体も続々と発進を始めるのが見えた。彼らの上陸をスムーズに行うためにも、錫華はミサイルによる対地攻撃を予断なく行うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィリー・フランツ
(ヘヴィタイフーン使用)POW
心情:オブリビオンマシン……今回の火種はコイツだな、これ以上大所帯になる前に処理せんと面倒な事になる。

手段:「機体の調子が良い、整備員に感謝だ」
【熟練操縦士】を発動し鉄甲船より上陸地点を目指してブースター全開で出撃、強襲を仕掛け後続の為に橋頭堡を速やかに確保する。
遠距離の敵機には肩武装のレールガンとミサイルを使用、中距離の相手には無反動砲、近距離にはリニアSMGとスパイクシールドによる近接格闘を仕掛ける。

敵の攻撃は機体の装甲で受ける、変に回避機動を取るより反撃して頭数を減らすのが先決だ、参加する猟兵達と連絡と連携を密にして任務にあたらねぇと余力か無くなっちまうぜ!


ブランク・コード
――なーんでまたこの世界でキャバリアなんですか!?
紛失してた実験機のデータといい、
行方不明になってたパイロットといい……
どう本国に報告すれば……(頭抱え)

いえ、仕事なんで頑張りますけど!!(UC起動)

無人のキャバリアと言っても、
メガリス化してないならだいぶ気楽ですよね。
片っ端からフロッティビットの
【先制攻撃】【フェイント】で釣り上げて、纏まった所を
素早く【鎧無視攻撃】【切断】して斬り捨てていきましょう。
……無論【迷彩】【ジャミング】での撹乱は忘れずに――

って、ただの一兵卒はそんなことしない? ええっ……。
いや出来るならしませんかね……???

※アドリブ可



●沿岸の戦い
「――なーんでまたこの世界でキャバリアなんですか!?」

 ブランク・コード(無よりの変異・f30157)は依頼内容を見て気が遠くなる思いだった。羅針盤戦争中も紛失していた水陸両用実験機がコンキスタドールの手に渡り、行方不明になってたパイロットがコンキスタドールと化していたという事案に遭遇していた。今回のケースに至っては断片的な情報だけ残っていたキャバリアが別世界で見つかっていたという。ますます本国への報告をどう行えばよいかわからない。

「だいたいカルロスが悪いんだ。他の世界から無節操に色々と集めてやがったからな……。さておき、今回の火種はこのオブリビオンマシンだな。これ以上大所帯になる前に処理せんと面倒な事になる」

 一方のヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)は至極冷静だ。戦闘経験が豊富なこともさることながら、想定外の事態にも落ち着きを保っていられる胆力がある。

 反応が対照的な2人だったが、どちらもキャバリア操縦の腕は確かであった。鉄甲船の格納庫で整備を終えたキャバリアに乗り込めば、天使たちの腕が確かなことに舌を巻く。

「機体の調子が良い、整備員に感謝だ」
「本当だ、細かいところまで整備が行き届いてる……ありがとうございます」
「身内の不始末の尻拭いを頼むことになってしまった以上、これぐらいはな……よろしく頼む。そして何卒、無事の帰還を」

 技術大佐から通信越しに見送りを受けて、2人は鉄甲船から出撃する。洋上に躍り出たヴィリーのヘヴィタイフーンとブランクのシグルド=キャルバリアが、スラスターからの噴射炎を煌めかせて終の王笏島の沿岸を目指す。

「ヴィリーさん、戦術指揮はお任せしても良いですか?」
「了解だブラン、連絡と連携を密に頼むぜ。余力が無くなっちまってからだと遅いからな」

 通信でそれぞれの役割を決めると、2機は上陸するや否や早速敵の只中に飛び込んでいった。すでに沿岸部にはミサイル攻撃が行われており、無人キャバリアは突然の敵襲に対応が遅れ気味だ。

「よし、橋頭堡を確保するぞ。中~遠距離の敵はこっちで対応する。そっちは出来る限り敵機を釣り上げてくれ。ある程度固めてまとめて片付けちまおう」
「了解です。シグルド=キャルバリア、エンゲージ」

 ヘヴィタイフーンは遠距離の敵にはミサイルとレールガン、中距離の相手には無反動砲と、距離に応じた武装を使い分けながら、確実に敵機を仕留めていく。一方のシグルド=キャルバリアはフロッティビットを射出し、目についた敵を片っ端から引きつけて一箇所に固める。もちろん、その間にも敵の動きに気を配ることを忘れない。

「4時方向、敵機接近してます」
「了解、そらよっと!」

 ブランクの注意喚起にヴィリーは即応、接近してきた敵をリニアSMGとスパイクシールドによる近接格闘で返り討ちにする。一糸乱れぬ連携と個々の高い戦闘スキルで順調に敵キャバリアを効率よく撃破していく。

「よし、ある程度固まったな」
「まとめて仕留めますか」

 一箇所に追い込まれた敵機の群れをまとめて始末すべく、2機のキャバリアが動く。ヘヴィタイフーンの無反動砲と、シグルド=キャルバリアのフロッティビットが次々と襲いかかり、袋の鼠状態の敵キャバリアはまとめて鉄塊へとその姿を変えていった。

「ジャミング張ります」
「了解……しっかし良い腕だな、本国じゃ厚遇されてんだろお前さん」
「いやいや……ただの一兵卒ですよ」

 ブランクは謙遜してみせるが、ヴィリーは内心思う。ブランクの動きは明らかにエースパイロットのそれである、と。もっとも、当人にそれを指摘したところでさらに謙遜が返ってくることは容易に予測がつくのだが。

(もっと自己評価高くてもいいと思うんだがな)

 ともあれ、2機の連携によって猟兵側は橋頭堡を確保し、上陸の足がかりを得たのである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

唐草・魅華音
キャバリア性能チェック。搭載武装…確認。駆動操作システム…把握。動きの精度は…実戦で確認、適応する。
任務、メガリス『エルダーフェンリル』の回収。任務、開始するよ。

キャバリアを借り受けて【学習力】を発揮し機体性能を把握したら、出撃するよ。
銃で【弾幕】を張って上陸・接近し、近接武装で【切り込み】【なぎ払い】、距離のある敵に銃で【乱れ撃ち】と【戦闘知識】を元に【瞬間思考力】で判断、使い分けて敵の数を減らしていきます。
「戦闘速度との誤差少、敵戦力と把握し駆動に問題みられず。……いい機体だね」

アドリブ連携OK


クルル・ハンドゥーレ
連携・アドリブ歓迎

さてさて。
ようようの永の安らかなる眠りを妨げる無粋なもの、狂乱怒濤の夢に浸るものは、ご退場願おか

所有キャバリアに搭乗
ジャミングで無人機のセンサーを妨害しつつドローンで撹乱
他猟兵と連携し敵密集部分・リーダー機あれば確認、他猟兵と重ならぬよう、漏れなきよう攻撃

基本範囲攻撃+マヒ攻撃+毒使い+鎧無視攻撃で殲滅
特にリーダー機いる場合はUCで攻撃、集中攻撃し確実に潰す
リーダー機無い場合も密集してる/固い機体なら同様に

敵攻撃には見切り、叶わなければカウンターと武器受けで対応

まあ、後の事考えたら、ちゃっちゃと掃除しとかな、なあ…


エメラ・アーヴェスピア
キャバリアのメガリス化…?また面白い事が起きたわね
調べれば私にも有益な情報がありそうだし、楽しみね
…アークライトの仕事で別世界に赴くことになるとは思わなかったけれど

なるほど、そういう状況ね…なら、あえていつも通りに後方支援と行きましょう
『ここに始まるは我が戦場』、戦場全体に展開し、【情報収集】【索敵】【偵察】
そして得た情報を元に同僚さん達に相手の場所を連絡、オペレート、と…まぁいつも通りよ
こんな広い島の防衛なのよ?効率的に行きましょう
それと今のうちに島の地形情報を調べておかないと、後から私の兵器を投入しづらいから、ね

※アドリブ・絡み歓迎


バルタン・ノーヴェ
POW 連携アドリブ歓迎!

カルロスの奴、キャバリアまで持ち込んでいたとは……戦争中に使われなかったのは幸いでありますな。
サンキュー天使殿! キャバリアをレンタルして、参戦しマース、ウルフハント!

奇襲こそできマセンガ、敵方の襲撃に先手を打てるのは良いデスネ!
キャバリアに接続して、稼働!
武装展開、《フルバースト・マキシマム》デース!
ワタシと連動させて、ガトリングガンやグレネードランチャーの一斉発射で敵無人キャバリアを撃破しマース!
相手の機先を制する砲火で制圧、次回からの有人キャバリア戦に向けて機体を温めマース!

搭乗するタイプの兵器の使用経験は少ないのデスガ……キャバリア。なかなか良い感じデスネー!



●沿岸部制圧
 まさかアークライト自治領絡みの依頼でグリードオーシャンに来ることになるとは思わなかった、とエメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)は鉄甲船のブリッジで感慨にふける。

「それにしても、キャバリアのメガリス化とはまた面白い事が起きたわね」

 調べれば有益な情報がわかるかもしれない、そう思い、今回も他の猟兵たちのオペレーションに徹することに決めていた。

「しかし、君が出撃をせずにオペレーターを担当すると言い出した時は驚いたよ」

 艦長席から声をかけるのは元副官の天使だ。

「こういうキャバリア同士の戦いの時はオペレーターとして動くのが私の役目なのよね。安心して、慣れているから」

 蒸気ドローンを飛ばして終の王笏島全域にスキャンをかけながら、エメラは答える。

「なるほど、では万事お任せしよう。……しかし猟兵にも色々な者がいるのだな、改めて実感したよ」
「直接戦闘だけが華じゃない、ってね」

 電脳魔術によって展開した仮想コンソールパネルを操作しながら、エメラはブリッジの窓から外を見ると、ちょうど3機のキャバリアが発艦していくところだった。

 その3機のキャバリア──クルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)の愛機「De profundis」に加え、唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)とバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)がそれぞれ天使たちから借り受けたキャバリアは、編隊を組んで海上を飛行していた。

「キャバリア性能チェック。搭載武装……確認。駆動操作システム……把握。動きの精度は……実戦で確認、適応する」
「カルロスの奴、キャバリアまで持ち込んでいたとは……戦争中に使われなかったのは幸いでありますな」
「せやなぁ。ようようの永の安らかなる眠りを妨げる無粋なもの、狂乱怒濤の夢に浸るものは、ご退場願おか」

 機体の調子は3機とも良好であった。整備がしっかりと行き届いていることを確認していると、エメラからの通信が入る。

「エメラからキャバリア部隊へ。先行した猟兵が上陸地点を確保してくれたわ。ポイントに上陸後、一気に海岸を制圧して」
「了解デース! 先行して相手を撹乱してきマース!」

 バルタンはいち早く上陸地点にたどり着くと、そのまま敵が密集する地点へと向かう。ガトリングガンやグレネードランチャーの一斉発射によって、バルタンの半径102m以内はキルゾーンと化した。接近しようとした敵の無人キャバリアが次々と銃弾に蜂の巣にされ、榴弾をしたたかに喰らって崩れ落ちる。

 続いて上陸したクルルは別の敵集団と会敵、ジャミングでセンサーを妨害して動きを止める。そこへエメラから通信が入る。

「敵の隊長機をレーダー上にマーキングしたわ。頭を潰せば動きがだいぶ鈍るはずよ」
「さっすがエメラさん、ええ仕事しはるなぁ。ほな、あんじょうしときますわ」

 クルルの愛機から蝶が放たれると、エメラが示した隊長機めがけて一斉に群がる。随伴機をドローンで撹乱しつつ、隊長機相手に蝶による集中攻撃を仕掛ければ、たちまち隊長機はその場に擱座。随伴機も指揮系統を失い、糸が切れた操り人形のようにぷつりと動きを止めてしまう。

「後の事考えたら、ちゃっちゃと掃除しとかな。次行くで!」

 一方、魅華音はある程度機体の操作を慣らすため、上陸ポイントに近づく敵を中心に叩く方針を取っていた。装備はアサルトライフルにキャバリアソードと非常にオーソドックスだったことが幸いし、手持ちの武装の使い分けもスムーズにできることがわかった。

「戦闘速度との誤差少、敵戦力と把握し駆動に問題みられず。……いい機体だね」

 距離を空けた的にはアサルトライフルで牽制しつつ、手近な敵にキャバリアソードを叩き込む。手早く、しかし確実に1機1機を仕留めていくことで敵戦力を削っていった。

 3機のキャバリアの猛攻の前に、海岸の無人機が狩り尽くされる頃、エメラが終の王笏島全域の地形把握と情報収集を終える。

「上陸地点から北西に10kmほどの地点に、敵性キャバリアの集団を確認したわ。エルダーフェンリルも発見、おそらくそこが彼らの根城よ」
「了解デース! 直ちに向かいマース! 搭乗するタイプの兵器の使用経験は少ないのデスガ……キャバリア。なかなか良い感じデスネー!」

 海岸を制圧し、舵輪島への再侵攻の動きの妨害に成功した猟兵達は、いよいよエメラが示したポイントに向かうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『落ちてきたキャバリア乗り達』

POW   :    高速戦闘型キャバリア
【自身のキャバリアを呼び出し、搭乗する】事で【キャバリアによる高速戦闘モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    自動修復装甲搭載型キャバリア
対象の攻撃を軽減する【自動修復装甲搭載のキャバリアに搭乗した姿】に変身しつつ、【キャバリアに装備されている各種兵装】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    試験運用中だったキャバリア
【搭乗したキャバリアが暴走形態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。

イラスト:エンシロウ

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●終の王笏島の鉄騎達
 沿岸部を制圧した猟兵達は、終の「王笏」残党のキャバリア部隊の本拠地へと足を踏み入れる。このあたりはキマイラフューチャーから落ちてきたと思われ、廃墟と化した未来的なビル群が立ち並んでいる。
 と、スクランブル発進してきたこの一帯に展開するコンキスタドールのキャバリア乗りたちと遭遇する。

「ちっ、もうここまで攻めてきたか!」
「沿岸部の無人キャバリア部隊は壊滅したと見ていいな……総員、全武装の使用を許可する! 再び我らの舵輪島を奪還し、この勝利を我らが提督と『王笏』に捧げる!」

 キャバリアのジェネレータが続々と唸りを上げ、素早く陣形が組まれていく。彼らはアンサーヒューマンのようだ。クロムキャバリアの一般兵よりもマニューバの切れ味が鋭く、平均的なキャバリア乗りと比較してもかなり良い腕前を持っていることが見て取れる。これは手こずることになりそうだ。

 廃墟と化した都市で、鉄騎たちの戦いが幕を開けた。

※この章では、市街地であることを活かしたプレイングを行うと、プレイングボーナスが入ります。
バルタン・ノーヴェ
POW 連携アドリブ歓迎!
引き続きレンタルをお願いしマス!

ふむ。廃墟とはいえ市街戦。しかもアウェー。
無策で挑むのは無謀デスネ。よく考えて行きマース!

火炎放射や弾幕で分断を図り、単騎ずつ相手にするよう立ち回りマース!
引き撃ちするので、おそらく高速型がターゲットデスカナ?
袋小路に追い詰められた風を装って、ビルの上や陰にスタンバイさせた伏兵と挟撃しマース!

そう、ビッグ・バルタン、デース!
狭所ゆえにスピードを活かさせず、前後や上下からのバルタン攻撃で惑わしたまま、撃破を狙いマース!

あるいは、バルタンたちを囮にして、他の猟兵の方の攻撃を有利にする動きを、という作戦も有りデスカナ?
まー、仔細は現場判断で!


支倉・錫華
敵もアンサーヒューマン?
なかなか対応が早いね。換装している時間はなさそうかな。

廃墟とはいっても市街戦か……射撃はあんまり期待できない感じだよね。

アミシア【サラスヴァティ・ユニット】と【FdP CMPR-X3】をパージ。
その分【脈動臨界チューニング】で、この子の装甲を5倍、射程を半分にしていくよ。
【スネイル・レーザー】は対物モードにセットしておいて。
『了解。Coyoteのチューニング終了まで8秒。わたしは索敵演算に入ります』

装甲増強に加えて【天磐】を構えて、相手の攻撃は受けることも考慮していこう。
敵の位置が見えたら、装甲を信じて突撃。
接近戦に持ち込んで【歌仙】で切り伏せて行動不能にしよう。


クルル・ハンドゥーレ
連携アドリブ歓迎

んー
敵さん結構やる気やねえ
欲絡みばかりの輩だけでもなさそう?
軍人としてのかつての習性のまま動いてる、とかやったら悲しいけど

所有キャバリア使用
1章で仲間が情報収集した地形にさらに情報収集・戦闘知識で詳細確認
隠れ場所・目立たぬ移動経路・敵誘導経路を掴む

迷彩で周囲に溶け込み廃墟の陰等に潜む
UCの炎・ドローンが高速で移動・攻撃するよう操作
敵の攻撃対象となるようにする
同時に視認し難い廃墟間を縫うよう炎やドローンで誘導し敵同士討ちを仕向ける
敵攻撃がこちらに向いたら
なるべく丈夫な建築物を盾としつつ見切り・武器受け・盾受け・カウンター
反撃はフェイント駆使、鎧無視・マヒ攻撃・毒使いで殴る


シル・ウィンディア
市街地戦かぁ…
空戦なら得意なんだけど、ぼやいても仕方ないか
よし、行くよ、ブルー・リーゼ!

【推力移動】で街中を移動
遮蔽物に身を隠しつつ、レーダーで索敵
敵が気づいていないなら
ビームランチャーの【スナイパー】で狙撃だね

バレたら、機動戦に移行
【高速詠唱】で《指定UC》を発動
ブルー・リーゼ、フル稼働で行くよっ!

【空中戦】で飛び回って【残像】を生み出して攪乱
敵攻撃は【第六感】を信じて
動きや攻撃を【見切り】【瞬間思考力】で最適な回避・防御行動

攻撃は
左腕の腕部三連マシンキャノンで【弾幕】を張りつつ接近
接近して、ビームセイバーで【切断】!
コクピットを避けて攻撃だね

遠距離は【貫通攻撃】のビームランチャーで撃つよ



●故き街を駆ける鉄騎たち
「んー……敵さん結構やる気やねえ。欲絡みばかりの輩だけでもなさそう?」

 相手の様子を観察していたクルルは敵がどちらかと言えば軍人の本分に従っているような印象を受けていた。とは言え彼らにはすでに使命を与える組織はなく、にも関わらず何らかの対象──彼らの言葉からおそらくは「舵輪」頭目のネルソン、もしくは「王笏」たるカルロス・グリード──に忠を尽くし続けている様子にはどこか憐れみすら感じる。

「私と同じアンサーヒューマンか……なかなか対応が早いね。換装している時間はなさそうかな」

 錫華は無駄のないマニューバに油断ならない相手という認識を固める。加えてここは廃墟とは言え市街地。射線が通りづらいのだ。これはバルタンも、遅れて合流したシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)も同じ認識であった。

「空戦なら得意なんだけど、ぼやいても仕方ないか……」
「しかもアウェー。無策で挑むのは無謀デスネ。よく考えて行きマショー!」

 シルとバルタンの言葉に、クルルと錫華もうなずく。一瞬たりとも気の抜けない市街地での戦いが幕を開けた。

「よし、行くよ、ブルー・リーゼ!」

 林立するビル群の中に飛び込んだのはシルが駆るブルー・リーゼだ。そおままビルの中に紛れると、レーダーで敵を探し出す。敵は小隊ごとに分散して市街地の中に入り込んでいるようだ。射線が通りにくいとは言え、大通りや背の低い建物の近くであれば射線を完全に切ることが出来ないことに着目したシルは、そうした地点の近くに身を潜めることを決める。

 一方、バルタンとクルルは積極的に敵の行動を制限するべく動く。バルタンは敵小隊のひとつに接近すると、手持ちのライフルで弾幕を張りつつ、火炎放射器を浴びせて牽制する。

「ちっ、敵機か」
「散開しろ! 一箇所にいると良い的だ! まとめて火炎放射器で焼かれるぞ!」

 4機小隊は散開して1機ずつに分かれる。

「しめしめ、上手いこと単騎ずつにばらけましたネー。クルルさん、シルさんよろしくデース!」
「グッジョブや! さらに追い込むで!」
「ありがとうバルタンさん! よーし……狙撃を試してみようっと」

 クルルは愛機をビルの中に潜ませて周辺を索敵しつつ、隠れ場所や目立たぬ移動経路、敵誘導経路を確認する。頃合いを見て近くに寄ってきた敵機に対して銀色の炎やドローンを放った。

「のこのこ出てきたか!」

 クルルが仕掛けた敵はオブリビオンマシンであった。早く動くものを自動で追撃するプログラムが作動しており、銀色の炎とドローンを追いかけてライフルを斉射する。と、その先にいたのはシルが狙いを定める地点だった。

「そこだねっ!」

 ビームランチャーが火を吹いた瞬間。様々なことが同時に起こった。ドローンを追いかけていた敵機が撃った弾丸はドローンを逸れ、その先にいた別の敵のスラスターに被弾してしまう。同士討ちを受けた敵機は機動力が落ちてしまう。そこにシルの放ったビームランチャーの光条が味方を誤射した敵機の脚部を撃ち抜いた。これによりオブリビオンマシンは崩れ落ち、動力が止まってしまう。

「ちっ、スナイパー……!」

 残されたもう1機の敵機はシルから逃れようとするが、スラスターに被弾したことで思うようにマニューバが出来ない。一方のシルはこれを好機と捉えて愛機を二対の光の翼を持った高速機動形態とし、残像を残すほどの機動力で相手の照準をブレさせつつ左腕の腕部三連マシンキャノンで武器を弾き飛ばし、一気に接近してビームセイバーで脚部を斬ってこちらも行動不能状態にしてしまった。

「2機撃破だよ! クルルさんありがとう!」
「作戦勝ちやな、そっちはどうやバルタン?」
「仕掛けに追い込みマシタ!」

 一方のバルタンは引き撃ちしながら逃げる敵を追い込んでいく。そこにバルタンが予め仕込んでおいたものがあった。それは……。

「ビッグ・バルタン、デース!」

 武装した巨大なSD体型のバルタンである。ビルの上からグレネードランチャーを撃ち込み、追撃を仕掛けるバルタン本人との挟み撃ちの状況を作り出す。容赦のない十字砲火を浴びてしまった敵機はグレネードランチャーによって吹き飛ばされたところを、バルタンのキャバリアが放った正確な射撃によって四肢を撃ち抜かれ、こちらも動きを止めてしまった。

「後1機デース!」
「オッケー。今追い込んでる」

 残る1機を追撃する錫華は、支援ユニットのアミシアに命じて装備していたサラスヴァティ・ユニットとFdP CMPR-X3をパージする。装甲を固めるチューニングを施しながら、周囲に伏兵がいないかの索敵を予断なく行う。

「くっ、見た目の割に硬い!?」

 敵機は乾坤一擲の射撃を放つも、硬くなったCoyoteの装甲に弾かれたことに驚く。その隙をついて接近、実体剣の歌仙を振るって四肢を切断。最後の1機も行動不能状態になってしまうのであった。

「これで全部だね」

 ひとまず1小隊を片付けた4人は、次の敵小隊に狙いを定めるのであった──。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィリー・フランツ
心情:上陸戦の次は市街地戦闘か、見通しの効かない地形な上地の利は敵にあるから厄介だな……なら相手を炙り出すか!

手段:【スーサイダードローン】475機を召喚、味方が巻き込まれない位置のビル群に取り付かせ自爆、倒壊させ伏せている敵の炙り出しを試みるぜ。
成功したら這い出た敵をタイフーンの搭載火器で迎撃だ、相手は凄腕だが待ち伏せさえ無ければ戦況はイーブン、多勢に無勢でも勝ち目はあるな。

問題は相手の処遇だな……離反したとは言えコイツらもネルソン麾下の天使、マシンの精神汚染を受けた可能性もあるし直撃は避けて生かす事で帰順させる機会を設けるべきか、その辺は他の猟兵や副官天使と相談した上で決めるしかねぇな。


唐草・魅華音
市街地ならば隠密行動が適切だけれど、音を抑える事は出来ないし、操縦技術はあちらが明らかに上。
……ならば、あえて目立つ事で誘導して罠にはめる。
目標、コンキスタドールのキャバリア集団。排除、開始するよ。

市街地の入り組みを利用して撹乱、陣形を乱した所で個別撃破して数を減らすよ。
ドローンを飛ばして市街地全体の地理を【情報収集】して把握、銃を散発したり動きのつたなさを見せて御しやすい相手だと見せて【挑発】し、集団で動きづらい入り組んだポイントへ誘導、陣形を乱し動きがぎくしゃくしだしたタイミングを狙って各個撃破していきます。

アドリブ連携OK


エメラ・アーヴェスピア
敵拠点の島に同僚さん達の到達を確認
相手は…なるほど、元々からキャバリア乗りだった者達かしら?
なら、キャバリア戦の常識の外から仕掛けてみましょうか

情報収集及びオペレーターは継続よ
そして座標とドローンの目印があるなら、兵器を投入するのも楽よ
今回投入するのは…『我が元に響くは咆哮』
高機動で大空を駆け、その機動力で攻撃を回避しつつ眼下に爆撃による一方的な撃滅を狙うわ
クロムキャバリアでは殲禍炎剣に焼かれ、グリードオーシャンでも海の上で行えば異常気象に襲われる
まさに今の状況ではないと行う事の出来ない戦術よ
派手に行動を起こして相手を引き付け、同僚さん達が動きやすい様にもしたいものね

※アドリブ・絡み歓迎


ブランク・コード
――やっぱりなんですけど。
『全員』見覚えがあるんですよね……。
神隠しの一種だとか疑われてましたが、
どうももっと根深そうで。

仕方有りませんので『強引にぶち抜いて』動きを止めます。
具体的には光学迷彩の
【ジャミング】【迷彩】によって撹乱しながら、
懐を取った端から可動部を光剣で【鎧無視攻撃】【切断】します。

コクピットを抜けば速い?
……え、すみません。
一応『こちら』の流儀ですんで、それは『最終手段』です。

……パイロットか機体を回収出来るなら
それに越したことは無いんですが、
どこまでオブリビオン化してるか分からないのは……
流石にどうにかなりませんかね……

※アドリブ可



●その大海原に答えはあるのか
「──やっぱりなんですけど。『全員』見覚えがあるんですよね……」

 ブランクは彼らに見覚えがあった。祖国である日突然行方不明になったキャバリア乗り達。それが異界へと渡り、舵輪、王笏と七大海嘯に忠を尽くす状況が不可解であった。

「……なるほど、元々からキャバリア乗りだった者達かしら。それもブランクさんの本国の関係者ってことよね」

 通信越しにその声を聞いたエメラはふむ、と考え込む。グリードオーシャンにおける王笏の残党に元舵輪配下の穏健派、加えてクロムキャバリアの2カ国が今回の依頼に関係している。これは事を慎重に運ぶべきだろう。

「目下の問題は相手の処遇だな……オブリビオンマシンの影響下にある可能性も否定できねぇ。天使軍の意見は?」

 一応、ここまでは通常のオブリビオンマシンの対応と同様にコックピットは狙わず、相手を行動不能にする形をとっている。クロムキャバリアで行方不明になったパイロットたちであることが判明した今、天使軍に身柄を引き渡すべきかどうかも悩ましい。異世界同士で捕虜の引き渡しなどできるのだろうか。

 エメラが代表して捕虜の処遇を聞いたところ、天使軍の副官は少し考えて答えた。

「オブリビオンマシンというものについては我々も『王笏』を通じて知識は仕入れているが、今回のケースがそれにあたるか判然としないのが難しいところだ……が、そうだな。どちらにせよ、一時的に我々で身柄を預かりたい。こちらとしても王笏に下った他の勢力の情報など、聞いておきたいことがあるからな。こちらでの捕虜の尋問が終わり次第猟兵側に身柄を引き渡すという形でどうだろうか」

 その答えに、魅華音が頷く。

「いずれにせよ不殺は絶対条件だね」

 話は纏まった。コックピットを狙わず行動不能にして、敵を捕縛するのが戦術上の基本骨子となる。

 まずはヴィリーが敵を燻り出すべく、ヘヴィタイフーンからスーサイダードローンを射出させた。ドローンは次々とビルに取り付き、自爆する。あちこちで廃墟となったビルが倒壊し、物陰や建物の中に潜んでいた敵機がビル倒壊によって発生する土煙の中、泡を食って飛び出し始めた。

「敵機は燻り出したぞ」
「了解、念の為索敵するよ」
「手伝うわよ」

 魅華音が索敵ドローンを飛ばし、エメラと共に地形を把握。判明した地形情報をもとに、魅華音のキャバリアはわざと敵機の前に躍り出て銃を散発したり動きのつたなさを見せることで敵機を釣りだしていく。御しやすい相手だと判断した敵の一部はまんまと魅華音に引っ掛けられた。

「ビル群が倒壊、分断された!」
「条件は向こうも変わらない、相手は3機だ! 落ち着いて各個撃破を狙え!」

 数で勝る敵にとってそれは正しい判断だっただろう。ただし、相手が猟兵でなければの話である。陣形を崩しながらも各個撃破を狙おうとした敵キャバリアのうち1機の四肢が突如吹き飛ぶ。

「待ち伏せさえなけりゃ勝ち目があるってな」

 ヘヴィタイフーンの火器から煙が上がっていた。目にも留まらぬ早業で四肢を狙い撃ったのだ。

「ちっ、あの量産型キャバリア、かなりの腕利きが乗ってるな……!」
「キャバリア戦の基本に立ち返るんだ! 相手が猟兵とてそれで勝てる!」

 再び陣形を組み直そうとしたところに、突如戦場の外から飛来してくるものがある。エメラの操る魔導蒸気操機兵が、上空から高速で飛来しながら空爆を開始したのだ。

「っ!?」
「キャバリア戦の常識の外……ここが島の内陸だからこそできる戦術よ」

 クロムキャバリアでは殲禍炎剣に焼かれ、グリードオーシャンの海上では異常気象による乱気流が飛行を阻む。まさに今の状況ではないと行う事の出来ない戦術をエメラが披露する。

 エメラの空爆と近接航空支援によって陣形が乱れる中、魅華音によって誘い出された敵機は空爆に気を取られた隙に脚部と武器をキャバリアソードによって破壊され、各個撃破されていく。これを見て一時撤退しようとしたところに待ち構えるのはブランクが操るシグルド=キャルバリアだ。光学迷彩で身を隠していたところから不意に姿を現し、光剣ベルヴェルク=グラムが可動部を斬り刻む。

「……っ、伏兵……!」
「うちの流儀に従い、命までは取りませんよ」

 キャバリア戦の常道に従えば奇策によって圧倒され、策を弄すればそれを突破するほどの実力で圧倒される。最早王笏残党のキャバリア部隊に勝ち目はなく、全ての機体が行動不能になり、猟兵によって捕縛されるのに長い時間はかからなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『オブリビオンマシン『ヴィーキング』』

POW   :    試練を与えよう。その勇気は如何ほどか。
対象への質問と共に、【自身の体】から【相手と同等の背丈を持つ自身の似姿】を召喚する。満足な答えを得るまで、相手と同等の背丈を持つ自身の似姿は対象を【ヴィーキングが持っていた超高熱の斧】で攻撃する。
SPD   :    試練を与えよう。搭乗者としての適正は如何ほどか。
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【似姿を召喚し、その似姿】から【光学迷彩を使用した特攻技】を放つ。
WIZ   :    試練を与えよう。その実力は如何ほどか。
【超高熱の斧と遠距離攻撃をはじき返す装甲】で武装した【自身の似姿】の幽霊をレベル×5体乗せた【キャヴァリア専用整備工場】を召喚する。

イラスト:ゆりちかお

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクリスタル・ファイアヘッズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●故きキャバリアとの戦い
 「王笏」に下ったキャバリア部隊は全機行動不能となった頃、部隊を率いるオブリビオンマシンが現れる。
 機体名「ヴィーキング」。高度なAIが搭載され、自律行動を行うタイプの機体で、クロムキャバリアにおいては大戦初期に運用されていたという記録が残っている。オブリビオンマシンとなり果て、この世界に落ちる過程でスペースシップワールドにおけるウォーマシンと同等の知能と自我を得ていた。

「あくまでメガリスを求め、我らを滅ぼしに現れるか、猟兵。ならば試練を与えよう。我を倒せばこの機体──エルダーフェンリルはくれてやる」

 ヴィーキングは複数の随伴機を引き連れている。これこそが、カルロスがメガリスとしてクロムキャバリア世界より奪取した機体「エルダーフェンリル」。その外観は名の通り、狼を模しており、人型形態から四足歩行の獣化形態へと変形することができる。現在はオブリビオンマシンであるヴィーキングの影響を受けており、猟兵へ攻撃を仕掛けようとしている。

「聞こえるか、ヴィーキング。聞き入れることは無いだろうが、念の為に問いたい。我らの下へ再び戻り、ネルソン提督の安らかな眠りを守る気は無いのだな?」
「舵輪の副官か……」

 猟兵の通信回線を借りて呼びかける舵輪軍の副官の問いかけに、ヴィーキングはただ頭を振る。

「少なくとも我は舵輪に再び戻る気はない。此度の戦争では七大海嘯は確かに敗れた。しかし完全に七大海嘯が滅びたわけではない……我らに必要なのは闘争だ。それはあの闘争の世界で生きてきた我らの本懐である。墓守として伏して生きるなど、我には出来んのだよ」
「……そもそもの思想の違いか。ならば最早言葉は不要と?」
「その通り。我を止めたくば我を斃せ。それが我が世界の流儀だ。……エルダーフェンリル、全機出撃。始めるぞ、我らが闘争を!」

 ヴィーキングと共に、エルダーフェンリルが隊列を組んで猟兵たちの前に立ちはだかる。ヴィーキングの仕掛ける「闘争の試練」こそが、メガリスを求める猟兵たちに与えられた試練であった。

※補足事項※
 今回はヴィーキングに加え、複数のエルダーフェンリルも戦闘に加わります。ヴィーキングとエルダーフェンリルがそれぞれユーベルコードを行使するため、両方に対処しましょう。なお、エルダーフェンリルは「プログラムド・ジェノサイド」のユーベルコードを使用します。プログラムド・ジェノサイドを使用する際は人型形態から四足歩行の獣化形態へと変形します。また、武装としてRSキャバリアライフル、BXフォースセイバー、RS-Sミサイルポッドを装備しています。

 ユーベルコード「プログラムド・ジェノサイド」
 【予めAIにプログラムしていた連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。

 また、エルダーフェンリルを傷つけることなくヴィーキングを倒すことが出来れば、エルダーフェンリルを回収し旅団に持ち帰ることができます。エルダーフェンリルは複数機登場しますが、持ち帰ることが出来るのは一人一機までです。なお、持ち帰らない場合はクロムキャバリア世界のアークライト自治領にそのまま寄付されます。持ち帰る場合はその旨プレイングに記載をお願いします。
リーゼロッテ・エアクラフト
忘れたころにやってくる。
…いや、単に面倒だからではなく別件のゴタゴタの処理で到着が遅れただけだが。まぁ間に合ったからよしとしよう
それにアークライト関連であれば適任者がすでに向かってたからなこっちは事後処理に回るだけでいい

というわけで、だ。
さっさと潰して帰るぞ


本丸の相手はまぁ他の猟兵に任せてこちらは相手が呼び起こした整備工場を叩きのめしに行きます。ええ、やることは単純に心火でもって焼く。
シンプルだがそれが一番確実で対応がしにくいからな。


シル・ウィンディア
試練かぁ…
どこまでできるかはわからない
でも、全力は尽くすからっ!!

【推力移動】で速度を上げて【空中戦】で空に舞い上がるっ!
【残像】を生み出して相手を攪乱しながら…
【第六感】で敵意や殺気を感じて
敵の動きを【見切り】【瞬間思考力】で最適な回避・【オーラ防御】での防御を行うね

攻撃は…
腕部の三連マシンキャノンで敵の斧を狙って撃つね
装甲に当たらなければ…
弾かれたら、マシンキャノンはパージしてビームセイバーと風刃剣の二刀流で攻撃
【重量攻撃】で動きを止めて、セイバーで腕部・武装・脚部を狙って【切断】!

ヴィーキング本体に接敵したら
【高速詠唱】の【全力魔法】での《指定UC》
精霊機の力、見せてあげるよっ!


クルル・ハンドゥーレ
フェンリルを所属旅団に持帰り希望
アドリブ連携歓迎


必要なのは闘争、か
兵器として誕生した身、闘争こそ存在意義そのものなんやろな
…是非もなし


敵UCえげつな!

ヴィーキングUCは発動潰すべく【限界突破】【先制攻撃】でUC展開
幽霊満載工場なんか御免被る!
封じてる隙に味方に攻撃集中願う
私も【見切り】【盾受け】【武器受け】【オーラ防御】で攻撃を防ぎつつ
UCの重力波でダメージを与えると共に
UC維持が能う限りシールド使い【フェイント】【鎧無視攻撃】【毒使い】【マヒ攻撃】【シールドバッシュ】で攻撃

フェンリルUCはドローンで牽制し【目潰し】【ジャミング】で照準を乱し
【限界突破】【先制攻撃】【見切り】で初撃回避に集中



●闘争の試練を超えるべく
「必要なのは闘争、か。兵器として誕生した身、闘争こそ存在意義そのものなんやろな」

 クルルはヴィーキングの言葉を聞いてそんな感想を抱いた。キャバリアという存在として生を受け、意志を宿したが故の思考。是非もなし、とクルルは思う。

「試練かぁ……どこまでできるかはわからない、でも、全力は尽くすからっ!!」
「その意気やでシルさん。さて、まずは出方を……!?」

 シルとクルルは覚悟を決めて対峙するが、次の瞬間驚愕に目を見開いた。ヴィーキングが呼び出そうとしているのはキャバリア生産工場。エルダーフェンリルに加えて自身の似姿を大量に呼び出そうというのだ。

「えげつなっ!?」
「工場をなんとかしないとっ……!」

 このままでは数の暴力で押しつぶされてしまう。すでにキャバリア生産工場が組み上げられようとしている中、そこへ鮮やかな炎が襲いかかった。

「ふー……間に合ったか。別件のゴタゴタの処理で到着が遅れちまったが」

 騎兵隊のごとく現れたのはリーゼロッテ・エアクラフト(混ざりものの『アリス』・f30314)。

「アークライト関連であれば適任者がすでに向かってたからな、こっちは事後処理に回るだけでいい。と、言うわけでお二人さん、さっさとと潰して帰るぞ!」

 アリス適合者の彼女は心の炎を操る。その心火を召喚されようとしているキャバリア生産工場にぶつけることで完全な顕現を食い止めていた。

「助かったでリーゼロッテさん! 後はこっちに任しとき!」

 クルルの呼び声に従い、虚空より湧き出た戒めの鎖「Gleipnir」。それがヴィーキングの四肢を絡め取ると、キャバリア生産工場の生成が止まった。

「む……我を縛るか!」
「あんなん出されたらたまったもんやないからな!」
「今だ、シル! 俺達が工場の顕現を抑えてる間に本体を!」

 シルは頷くと、愛機ブルー・リーゼを駆って前進する。獣化形態と化したエルダーフェンリルが次々と襲いかかるが、ブルー・リーゼは残像を生むほどのスピードで次々とこれを掻い潜りながら飛翔、ヴィーキングの前へと躍り出る。

「精霊機の力、見せてあげる! その斧をまずは破壊させてもらうよっ!」
「小癪なァ!!」

 接近しながら胸部三連マシンキャノンでヴィーキングの得物である斧が吹き飛ぶ。残りのエルダーフェンリルはクルルとリーゼロッテめがけてキャバリアライフルによる射撃を行うが、クルルの愛機「De profundis」が盾を構えてこれを防ぐ。

「こいつはただ縛るだけのものとちゃうで。さぁ、沈めぇ!」

 クルルがコックピットの中で指を鳴らせば、ヴィーキングの四肢は地面に叩き伏せられる。重力波に加えて高圧電流が流し込まれることで、ヴィーキングのアクチュエータがショートを起こしたのだ。

「やってくれる……!」
「この心火もそうだが、シンプルってのは一番対処がしづらいだろ? 学習したかブリキ人形」

 心火をさらに強めてキャバリア生産工場を消し炭にしながら、得意げに告げるリーゼロッテ。そして、動きを封じられたヴィーキングめがけてシルが飛びかかる。

「これでっ……トドメ!!」

 ブルー・リーゼのビームセイバーと風刃剣が閃いて、四肢を損傷させたかと思うと、風刃剣に火・水・風・土の4属性の精霊たちが放つ魔力が収束していく。一度空中に飛び上がり、4属性の精霊たちの力を集中させた風刃剣を構えて地面に急降下すると、そのままヴィーキングの胸部めがけて突き立てる。

「ぬうぅっ……!」

 胸部装甲が粉々にひしゃげ、ヴィーキングは風刃剣に胸部を貫かれ、地面にその躯体を縫い止められてしまうのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
POW 連携アドリブ歓迎
エルダーフェンリル持ち帰り希望

ヴィーキングの考えも共感できマスネー。
戦闘こそ我らが存在理由。
争いの中でこそ兵士は、兵器は活き活きするのであります。
ただ、それ以外の趣味や余暇を楽しむ余裕がないことが、アナタのもったいないポイントであります。

さてと。よし(ミニ・バルタンを一体セット)
参りマース!
エルダーフェンリルの攻撃は受け流して、ダッシュでヴィーキングに接近!
奴の問いへの答えは「六式武装展開、雷の番!」
コックピットから脱出しての単騎突撃!
超高速の突貫による特攻デース!

脱出した後のキャバリアは、ミニ・バルタンに操縦を任せてマース!
機体を持ち帰ったらジェイミィ殿に相談デスネ!


唐草・魅華音
任務、ヴィーキングの排除。作戦開始するよ。

まずは遮蔽物など利用して敵の攻撃を回避専念し、敵集団の動きのパターンを【情報収集】、【戦闘知識】と照らし合わせ【学習(力)】。
そして動きをかいくぐるルートを練ってからエルダーフェンリルの動きの隙を突いて掻い潜り接近、分身体の一撃はソードで受け止めていなし本体へ接近、アサルトバレットの零距離射撃で一撃を加えます。
……と都合よくいけばいいですが、良くても本体への接近が限界で一歩足りないと見ます。なので、本体に近づいた所でコクピット開放、アサルトバレットを撃つ動きまで行い、<R・K・Y・P>で飛び出して、わたし自身がUCの一撃を撃ちこみます。

アドリブ共闘OK


支倉・錫華
求めるのは戦い、か。
傭兵としては、仕事がなくなるのは困るけど、
積極的に求めていくようなものでもないと思うんだけどね。

ま、でも、今回は合わせてあげるよ。

「アミシア、フェンリルに全力でジャミングをかけて。
初撃をかわして、ヴィーキング狙いでいくよ」
『錫華。フェンリル欲しいのですか?』
「いや、欲しい人もいるかなって思って」

ヴィーキングの質問には、
「勇気?あるのかな?臆病だからまだ生きてるって思ってるんだけどね」

そんな言葉とうらはらに【アーマー・パージ】で装甲を切り捨て、
【天磐】を掲げて【歌仙】で【切り込】むよ。

「勝てる相手と戦うのは『勇気』ではないからね」

鹵獲したフェンリルは自治領で使ってもらおう。



●兵士としての存在意義
 バルタンは眼前のキャバリアの言葉に共感を覚えていた。

「確かに、戦闘こそ我らが存在理由。争いの中でこそ兵士は、兵器は活き活きするのであります」

 錫華もそれに一応の同意はする。ただし、と付け加えて。

「積極的に求めていくようなものでも無いけどね」
「That's right. それ以外の趣味や余暇を楽しむ余裕がないことが、アナタのもったいないポイントであります」

 その指摘に、ヴィーキングは頭を振った。

「我はそもそもそのようなものを必要とはしない。兵器として生を受けた以上、ただ自らの存在意義を全うするのみ。さぁ、行くぞ猟兵。我が問いに答えよ! その勇気は如何ほどか!」

 その問いにまず答えたのは錫華だ。

「勇気? あるのかな? 臆病だからまだ生きてるって思ってるんだけどね」

 その言葉を投げかけつつ、アミシアにジャミングを命じる。

「対象はエルダーフェンリルね。ヴィーキングに集中しないと」
『錫華。フェンリル欲しいのですか?』
「いや、欲しい人もいるかなって思って」

 実際、エルダーフェンリルの回収を狙うものもいる。その上、アークライト自治領もこのエルダーフェンリルを欲しがっているのだ。無傷で鹵獲できるならそれに越したことはない。

 果たして、ジャミングを受けたエルダーフェンリルは獣化形態で襲いかかるも、その攻撃が猟兵たちに届くことはなかった。

「今だよ、魅華音!」
「了解。任務、ヴィーキングの排除。作戦開始するよ」

 ビルの影に隠れていた魅華音のキャバリアが飛び出すと、空を薙ぐエルダーフェンリルたちの攻撃を掻い潜りながら一気に接敵する。

「これがわたしの答え……!」

 問いとともに放たれた分身体からの斧の一撃をキャバリアソードで受け流しながら本体へと接近し零距離射撃を試みようとするが、あと一歩が詰められない。そこへバルタンも己の答えを示す。

「六式武装展開、雷の番!」

 なんと、コックピットから自ら飛び出して迸る電撃を身にまとい、超高速で飛翔してヴィーキングに体当たりを仕掛けたのだ。電撃に身を焼かれつつ、ヴィーキングは次の瞬間目の前で起きたことに驚愕する。

「馬鹿な!? 自ら機体を放棄しただと!? ……否、機体が動いているっ!?」

 なんと、バルタンが乗り捨てたはずの機体は未だ動き、魅華音の機体と共に斧を押し返しているではないか。その絡繰りの答えは機体のコックピットにあった。

「バルバルー!」
「ミニ・バルタンが操縦してマース! 機体は捨てたわけではありまセーン!」
「ありがとう、バルタン。お陰でわたしも……これをやれる!」

 魅華音もまたコックピットハッチを開けると、特殊携行兵装「R・K・Y・P」のワイヤーを射出。自動操縦機能でアサルトバレットを撃ち込む動作までを行った。そして。

「最後の引き金は……わたしが引く!」

 魅華音がユーベルコードを用いて命じれば、劫火の剣の欠片を込めた呪殺弾が放たれる。それは劫火を纏った刃と化してヴィーキングを貫いた。

「今だ!」

 錫華が先の戦いでチューニングしたCoyoteの増加装甲をパージ、Coyote本来の機動力を取り戻す。ファンクションシールド「天磐」を掲げつつ、掲げた剣・「歌仙」で斬りつけた。その行動にヴィーキングは理解不能、と呟く。

「貴様……勇気は無いという答えは嘘か……!」
「勝てる相手と戦うのは『勇気』ではないからね」

 錫華はただ、そう答えるのみであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴィリー・フランツ
心情:無傷のフェンリルをアークライトに寄贈すれば追加報酬もそれなりに貰えそうだが…どうしたもんか。
手段:見たところフェンリルのAIはエルディスタン製と比べたらお粗末だ、最初の一撃さえ回避出来れば、その隙にヴィーキングに接近出来る。
問題は奴の出すコピー品(似姿)、一体はスパイクシールドで片付けて斧を奪う、残りは斧を使った格闘戦での始末を試みるぜ。

いよいよ本物だ、残った各武装の弾薬を全て叩き込んでの制圧射撃を実行、足を止めれたら【EMP弾頭】を無反動砲に装填、そんな旧式じゃ電磁波対策なんぞ組み込んでねぇだろ!

機能停止次第、全員でボコボコにしてゲームセットだ、これで羅針盤戦争の費用補填が出来そうだぜ


エメラ・アーヴェスピア
変形機構…!私の兵器の中にもあるにはあるけれど、是非とも捕獲して調べたいものね
またはそれ自体を私が改造してもいいかもしれない…夢があるわね
ならばできるだけ傷つけずに捕獲しましょう…勿論、相手も倒してね

傷つけずに行動不能にしつつ相手だけを倒す、それが出来そうなのはこれかしら
戦場へ上空より『凍て付かすは我が極寒の巨人』を投下!
広範囲に氷冷型ミサイルなどで地面ごと凍らせて動きを止めましょう
超高熱の斧が気になる所ではあるけれど…こちらも魔導蒸気術式の氷
それに斧ではなく腕や本体を凍らせれば止まるでしょう
その後はそのまま叩くだけよ
工場に関しては巨人兵やドローンを基点に私がハッキングね

※アドリブ・絡み歓迎


ブランク・コード
変形機体ですか。本国にはデータだけ送ればいいですし――
……こういうの、凄く喜びそうな方が居ますのでね。
出来たら鹵獲しちゃいましょうか。

ええ、『無差別』らしいので。盾にします。
都合よく沢山増えて出て来てる機体がありますからね。
【ダッシュ】と【フェイント】で撹乱しながら誘導して釣り上げます。
【迷彩】と【ジャミング】でうまいこと
向こうから引っ掛かってくれるように、です。

仕込みが終わったら、向こうが勝手に有利と判断するでしょうし、
両手からUCで適宜動きを止めてしまいましょう。

狼の放し飼いは危険だって『乗り手』から学ばなかったんですかね?
ヴィーキングだけ順次斬り捨てて、貰う物だけ貰います。

※アドリブ可



●GOOD GAME
 狼狩りは佳境を迎える。そんな中でエルダーフェンリルの鹵獲を狙う3人がいた。

「無傷のフェンリルをアークライトに寄贈すれば追加報酬もそれなりに貰えそうだが……どうしたもんか」

 アークライト自治領にエルダーフェンリルを持ち帰ることを画策するヴィリー。

「変形機構……!私の兵器の中にもあるにはあるけれど、是非とも捕獲して調べたいものね。またはそれ自体を私が改造してもいいかもしれない……夢があるわね」

 自身で調査や改造を試みるべく、無傷での鹵獲を考えるエメラ。

「変形機体ですか。本国にはデータだけ送ればいいですし……こういうの、凄く喜びそうな方が居ますのでね。出来たら鹵獲しちゃいましょうか」

 データを取りつつ、知人に鹵獲した機体を提供する算段を立てるブランク。

 そんなわけで、3人はできる限り無傷での鹵獲手段を考え始めた。他にも鹵獲を希望する者はいるので、彼らのためにもエルダーフェンリルには傷一つつけたくない。

「で、だ。見たところフェンリルに搭載されているAIはエルディスタン製のものよりお粗末な作りと見ているんだが」
「初撃さえ回避してしまえば良いものね。……とりあえず、2人共最初の攻撃をやり過ごしてくれるかしら。その間にこっちで一網打尽にする手を打つわ」
「了解です」

 ヴィリーのヘヴィタイフーンとブランクのシグルド=キャルバリアが前進する。シグルド=キャルバリアが前に出てエルダーフェンリルたちの注意を引きつけ、攻撃を誘う。案の定、エルダーフェンリルはシグルド=キャルバリアを狙って獣化形態に変形し襲いかかる。しかし、これを機動力を活かしてフェイントを織り交ぜながら回避するシグルド=キャルバリア。その後ろからヘヴィタイフーンが抜けて、ヴィーキングに接敵する。

「ほう、エルダーフェンリルを躱すか。しかしここから先は我が相手だ。2機でどこまで対抗できるか見せてもらうぞ」

 拘束を破ることで再びキャバリア工場の召喚を行うヴィーキング。分身体が現れるが、そのうちの1機に対してヘヴィタイフーンが体当たりを敢行する。

「こいつは貰ってくぜ!」

 斧を奪い取るとそのまま残りのヴィーキング分身体を次々となぎ倒していく。さらに、別のエルダーフェンリルがシグルド=キャルバリアへと襲いかかるが、ブランクはヴィーキングの分身体に高圧電流を流し込んで動きを止め、これを盾にしてエルダーフェンリルにぶつけさせる。

「小癪な真似を……!」
「狼の放し飼いは危険だって『乗り手』から学ばなかったんですかね?」

 恨み節をぶつけるヴィーキングに、ブランクは皮肉げに返した。

「さぁ、それでは大仕掛けと参りましょうか。魔導蒸気巨人兵、投下準備完了……全てが凍り付く世界にご招待よ!」

 そしてここで炸裂するエメラの一手。氷冷兵器を搭載した魔導蒸気巨人兵が戦場に投下され、次々とエルダーフェンリルやヴィーキングの分身体を氷漬けにしていく。さらに工場に対してハッキングを仕掛け、機能を停止させることで分身体の生成を止めてしまった。

「これで残るはお前さんだけってわけだ……そんな旧式じゃ電磁波対策なんぞ組み込んでねぇだろ! 喰らいな!」

 EMP弾を無反動砲から放つことでヴィーキングは沈黙する。そのままヘヴィタイフーン、魔導蒸気巨人兵、シグルド=キャルバリアが一斉に搭載火器からありったけの弾薬をヴィーキングに浴びせ、ヴィーキングはついにその身を散らすのであった。

●デブリーフィング
 捕虜となった「王笏」残党のキャバリア乗り達はひとまず元「舵輪」所属ということもあり、天使軍側に身柄が引き渡された。元はブランクの本国の人間ということもあり、いくらかの尋問と拘束期間を過ぎれば、ブランクの本国へと身柄が引き渡されるだろう。

 エルダーフェンリルの持ち帰りを企図していた猟兵達はそれぞれ機能を停止したエルダーフェンリルの鹵獲を行い、帰還することに成功した。残るエルダーフェンリルはヴィリーが代表してアークライト自治領に引き渡すこととなった。

 そして今、ヴィリーはクロムキャバリア世界に渡り、アークライト自治領に複数のエルダーフェンリルを移送してきた。

「これが……失われていた機体、エルダーフェンリル……!」

 技術者達はヴィリーの立ち会いのもとでエルダーフェンリルの調査を開始する。その様子を見に来たのは顔馴染みのアークトゥルス隊隊長、グラスアイだ。彼の隊はワートホグ隊と共に対エルディスタン軍閥政府作戦のタスクフォースに組み込まれており、ヴィリーを始めとする猟兵とも顔馴染みだった。

「へぇ……また凄い機体を持ち帰ってきたな。技術屋が興奮するわけだ」
「まぁな、何しろ遺失技術が使われてるって話だ」

 解体調査が行われる中で、グラスアイとヴィリーは言葉を交わす。

「しっかしこうしてポンと探し当てるあたり、猟兵ってのは優秀な奴らが揃ってるもんなんだな。改めて思い知ったよ。エルダーフェンリルも手に入れたことだし、これなら……今度行われる作戦もきっと成功するはずだ」
「ん? また俺達の力が必要になりそうなのか?」
「必要も必要、大事な作戦さ」

 グラスアイは真剣な表情でヴィリーを見つめる。

「いよいよだ。あのエルディスタンの軍閥の連中にカチコミかけるぞ」

 長きにわたるエルディスタン軍閥政府との戦いが、ついにクライマックスを迎えようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月24日


挿絵イラスト