12
何がWDだこん畜生!~カップル強制引き裂きデリバリー~

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #ドーラ・ワルダー #キマイラ #トンチキシナリオ #プレイング締め切りました

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#猟書家
🔒
#ドーラ・ワルダー
🔒
#キマイラ
#トンチキシナリオ
#プレイング締め切りました


0




●もうすぐあの日なので憂鬱です
「はぁ―――――――――…………」

 猟書家、ドーラ・ワルダーのクソデカため息がワルドーラ内に響く。
 時期は3月、季節にして春。そろそろ別れと新たな出会いの季節……だがしかし。

「いいご身分よねぇ……ホワイトデーにバレンタインのお返しーでデートなり何なりあっはんうっふんなりで充実できるリア充は……」

 ドーラ・ワルダー、彼氏いない歴(ピ――)年。
 自分で言うのも何だけどスタイルとか結構いいので男の一人や二人寄り付くかなと思ったけれど、案外そんなことがなかった。
 むしろ寄り付くのは痛めつけて欲しいドM志望者ばかり。
 運命の相手となるものには出会ったことがないのだ――!

「……なぁにがホワイトデーよこんちくしょう。リア充め……あんたらのその中引き裂き――」

 ぴこん、と頭に電球がつく。

「そうよ、それだわ!引き裂いてしまえばいいのよ!!ついでにそのままうちに持って帰って改造して……おーっほっほっほ!わたくしの頭脳もまだ捨てたもんじゃなったわね!!!」

 目指すは全てのリア充の撲滅――何か目的が入れ替わってる気がするがまあ本人がそれでいいんならいいんでしょう多分。

「おいでなさい、わたくしの自慢の怪人たちよ!ホワイトデーをめちゃくちゃにしてやるのですわ!!」
「「「イエス、マム!!」」」

 今ここに阿鼻叫喚のホワイトデー計画が始動したのであった……!

●人を呪わば穴二つ、カップル呪えどまた然り。
「――で、ドーラ・ワルダーは独り身の寂しさ妬ましさにホワイトデーでデートしているカップルを片っ端から引き裂いて『ワルドーラ』のアジトに連れていってるらしい」

 地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)は猟兵たちに説明しながらクソデカため息をついた。
 またしても現れたドーラ・ワルダー。今度はリア充を爆発させるべく怪人チーム『押し込みクーリエズ』をキマイラフューチャーに差し向け、リア充を引き裂く為に彼氏側彼女側どっちかは無差別に箱に押し込んではアジトに持っていって怪人に改造しているらしい。
 理由は自分が彼氏いない歴(ピ――)年だかららしく、なので独り身の寂しさ妬ましさと表現されているワケである。

「正直彼氏できねえ理由って悪の組織やってるからじゃね?って思うしそもそもこういうことしたら彼氏絶対できねえと思うんだよ。人を呪わば穴二つだし」

 無慈悲なマジレス感想な上、不運不幸を喰らって戦う凌牙が言うと洒落にならない。
 リア充爆発しろ側の猟兵の中にはなんて残酷なことを!と思った者もいるだろう。
 まあそもそも大分セクシーできわどい衣装で街中歩いてたら色々な意味で目立つんだよね……だから仕方ないといえば仕方ないかもしれないしそうじゃないかもしれない。

「どんな理由があるにせよバレンタインデーのお返しをホワイトデーにしない奴もいるしよ、彼女さん側がどれだけ嬉しいかとか彼氏さんがどんだけ彼女さん喜ばせたくて頑張ったかとか考えると、その努力を踏みにじるのは俺は許せねえと思うワケだ。
 だから、相応の"報い"を与えてやんなきゃなんねえ。戦争終わったばっかりでそっちもまだ疲れてるところすまねえが、ドーラ・ワルダーの討伐に向かって欲しい」

 戦争が終わっても猟書家の侵攻は止まらない。
 グリモア猟兵側も猟兵側も、それぞれ休みたい気持ちはあるのだがそうも言っていられないのである。
 骸の月が完成してしまえば平和になった世界に再びオブリビオンが蔓延ってしまうのだ。

「疲れた時には甘いモノって言うし、帰ってくるまでにチョコスイーツ用意しとくからさ。頼んだぜ!」

 チョコスイーツの為に頑張る猟兵がいてもそれはそれで良いことなので。
 いざ、リア充を引き裂く愚かな猟書家を討伐せよ!


御巫咲絢
 ※注意!このシナリオはトンチキシナリオです!
 戦争終わった直後なのにすいません、旬の時期がもうすぐなので出すタイミングが今しかなかったんや……(言い訳)!!
 こんにちはこんばんはあるいはおはようございます、初めましての方は初めまして御巫咲絢(みかなぎさーや)と申します。
 当シナリオをご閲覧頂きありがとうございます!御巫のシナリオが初めての方はお手数ですがMSページの内容をご一読の上で以下の概要を御覧くださいませ。

 羅針盤戦争お疲れ様でした!皆さんのおかげで完全勝利、いやホントによかった。
 というワケでまたちまちま猟書家シナリオをお届けしていきたいと思います。
 3月と言えばホワイトデー。ホワイトデーと言えばリア充。
 というワケでまたもやドーラ・ワルダーでシナリオをお届け致します。

●シナリオについて
 このシナリオは『幹部シナリオ』です。
 2章で完結し、『骸の月』の侵略速度に影響を及ぼす特殊なシナリオとなります。
 このシナリオにはプレイングボーナスが存在し、それを満たすプレイングがあればボーナスを得られます。

 プレイングボーナス:キマイラに応援される(尚戦力はゼロです)

●集団敵『押し込みクーリエズ』について
 WIZのユーベルコードで召喚される箱の中身は猟兵の「好きな物(者)」や「嫌い、苦手な者(物)」となっています。
 WIZで戦われる方はどちらを想定でも構わないので好きなものや嫌いなものについてプレイング内に書いて頂けますと大変助かります。

●プレイング受付について
 『3/3(水)8:31から受付開始』とさせて頂きます。
 それまでにきたプレイングは全て一度ご返却させていただきますのであしからずご了承ください。
 お気持ちが変わらなければ受付開始直後にプレイングをご投函ください、採用させて頂きます。
 何度も言いますがトンチキシナリオです。ゆるっとしたノリでプレイングを投げて頂ければと思います。

 それでは皆様の素敵なプレイングをお待ち致しております!
81




第1章 集団戦 『押し込みクーリエズ』

POW   :    パック!
【味方に声掛けをしてタイミングを合わせて】から【一斉に突撃してダンボール箱やロープ】を放ち、【無理やり梱包すること】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD   :    ライド!
【味方の押す台車に乗る(※危険です)】事で【高速戦闘モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    デリバリー!
いま戦っている対象に有効な【グッズ(プレイングで指定可能)入りの箱】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●リア充爆発させられないなら引き裂いて押し込んでいけと
 キマイラフューチャーのある昼下がり、街道をたくさんのカップルが歩いている。
 右も左も前も後ろも見渡す限りのカップルばかり!何なんだ独り身への当てつけかってレベルに多い!
 それだけホワイトデーにおでかけするカップルが今年はどうやら多い様子。

「今日何の日か覚えてるか?」
「えっ?なーにどうしたの急にー」
「あのさ、先月のお返しに、その――」

 と、あるカップルの彼氏がプレゼントを渡そうとしたその時、奴らは唐突に現れた!

「ちゃーっす宅配便でーす」
「えっ宅配便って俺手渡しのつもりでオウフッ!?」
「はい梱包完了!配送~」

 有無を言わさずダンボールに彼氏側を放り込んだら緩衝材を詰め込んでガムテープで蓋をする怪人『押し込みクーリエズ』。
 がったんごっとん大暴れするダンボールを手際よく台車に乗せてがらがらっと運んでいく。
 きゃーと悲鳴を上げる彼女。しかし悲鳴はそれ以外にもあちこち聞こえていた。

「わあ、とても嬉しいわ!ありがt」
「はい宅急便です梱包しまーす!!」
「ちょっ、待てええええええええっ!?」

 プレゼントを受け取って幸せそうにしていたあるカップルは彼女が強制梱包されて持っていかれる。
 がったんごっとんと抜け出そうと大暴れするダンボールたちを非常に手慣れた手付きで梱包しては重ねてワルドーラへと配送していきます。
 ああ、そこには微笑ましい光景ではなく悲鳴が飛び交う悪夢の地が広がっているのだ……!

 人の恋路を邪魔する奴は馬に、いや猟兵に蹴られて骸の海へと還されると知らずに大暴れする押し込みクーリエズ。
 しかしそれもおしまいだ。猟兵たちがやってきたのだから!!
リアン・ブリズヴェール
【ソロ希望】【アドリブ歓迎】

「素敵な日に悪さを働くなんて許せません」
まずは【オルタナティブ・ダブル】を使ってファムを呼び出し、ファムに男装してもらって2人でカップルを装って敵を誘います

そして戦闘になれば、普通に戦いますが……リアンが【パック!】を受けて厳重に拘束されて梱包された後、ファムの前で他の犠牲者同様に攫われてしまいます

でもその後、攫われた先で【ソウルマリオネット】で魂となり、梱包から脱出、自分の梱包と拘束を解除した後で同じく攫われた人たちも介抱していき、一緒に脱出します



●連れ去られバッドエンドルートに行くと見せかけてかーらーのー?
 ホワイトデー。それはバレンタインのお返しがもらえる日と人によっては思う。
 ホワイトデー。それは彼氏が彼女を喜ばせる為のあれやこれやを仕込んだとっておきの日、とこれも人によってはそういう認識。
 どちらにせよ素敵な日です――そう思わない人もいるけど今回はそう思う人の為の依頼なので置かせてもらいます――。

「素敵な日に悪さを働くなんて……許せません!」

 リアン・ブリズヴェール(微風の双姫・f24485)はこの事態を何とかしなければと自分を奮い立たせた。
 相手はカップルを強制的に引き裂いて連れて行くのであれば、カップルを装えば敵を誘えるに違いない。
 となれば早速決行するに限る。

「ファム、お願い」

 ユーベルコード【オルタナティブ・ダブル】によりもう一人の自分であるファムを呼び出すリアン。
 無口で無表情なファムだが、リアンの思っていることは全てわかっていることをそっと首を縦に振ることで示してくれる。
 装っていることがバレぬよう徹底的に男装したファムと共にいざ戦場へ。

「ちゃーっす宅配便でーす!!」

 押し込みクーリエズはそれはもううっきうっきとした声調でがらがらと台車とダンボールを運んでくる。あからさますぎんか?

「はい、彼氏さん梱包しまーす」
「……!」

 ファムはリアンと一瞬視線を交差させてからその自分たちに向けられる手を逆に掴み、引っ張って体勢を崩させる。
 あだ、とクーリエズの一人――以降クーリエAと称することとする――はすってんころりん、派手に地面にずべしゃあ!とスライディングするハメになった。
 頭からダンボール被っていなければ絶対ヤバいぐらい痛い奴だ。

「く、クーリエA!大丈夫か!?」
「あだだだ、それよりもこいつら猟兵だ!事態を嗅ぎつけてやってきたようだぞ!」
「猟兵だろうが関係ないわ!リア充なら全て梱包しろとドーラ様のお達しよ!!」

 ガムテープとダンボール、ロープをそれぞれ構えるクーリエB、C。

「あなたたちの、好きにはさせません!」
「やれるものならやってみなさい猟兵共ォ!!」

 流石怪人というだけあって押し込みクーリエズの規模は中々の人数だ。
 しかしリアンとて猟兵、簡単にやられはしないのだがそれでも大人数相手となると誰かしら一人に隙を突かれてしまうものである。

「きゃっ!?」

 何者かに足を捕まれ――否、クーリエズがひっそりと仕込んでいた丸めて地面に貼り付けていたガムテープが靴にひっついてしまった!

「はいパックパックパックパック!!」

 この時を待っていたと言わんばかりにクーリエズが波のように押し寄せ、リアンは何とダンボールの中に詰め込まれてしまった!

「リアン……!」

 ファムが助けようと動くもそれよりもあちら側の動きが早かった。
 リアンが詰め込まれたダンボールを持ったクーリエズが台車に乗り、他のクーリエズがとてつもない速度で走っていく為追いつかなかったのである。

 ――尚、台車に乗って押してもらって走るという行為は本当に危険なので実際にやってはいけません。


 かくしてリアンは図らずしもドーラ・ワルダーの居城である「ワルドーラ」に連れていかれ、彼女が詰め込まれたダンボールは同じく梱包されているであろうキマフュ民の入ったダンボールが安置されている謎の倉庫に置かれることとなる。
 何とかする為にはこのダンボール箱の中にいる以上は難しい、だが出られないなら出られないでやりようはある。
 それを可能にするのがユーベルコードだ。

「ま、まだ負けてません……!」

 【ソウルマリオネット】より一時的に肉体と魂を切り離して梱包から抜け出したリアン。
 自分の閉じ込められたダンボール箱のガムテープをびりびりと剥がし、蓋を開けて緩衝材を取り出し、問題なく自分の身体が動ける環境になったのを確認してからユーベルコードを解除。
 すぐに起き上がって自分の近くにあるダンボール箱を開封し、キマフュ民のキマイラ男性を救出!

「大丈夫ですか……!?」
「た、助かった……ありがとう!俺も手伝うよ!」

 ダンボール箱の数は中々のものである、一人でやるよりは二人で、二人でやるよりは三人で……
 開封していく度にリアンに協力してくれるキマフュの人々が増えていき、瞬く間に全員がダンボール箱から脱出!
 丁度現在街に出ていることから警備は手薄となっており、そのままリアンの先導で連れ去られたカップルの片割れ一同は無事逃げ出すことができたのであった。
 警備はいなかったのかって?そりゃもちろんリアンが警備たちを倒したから何もなかったんですよ。
 彼女だって猟兵の一人なのだから。

成功 🔵​🔵​🔴​

サンディ・ノックス
困った奴も居たもんだ
確かそういうの…ヤツアタリっていうんだよね
サカウラミだっけ?
まあいいや、困ったさんを殴って解決するお仕事、きちんとこなしてくるよ

はいそこ、ヒト攫いはダメだよ
と、攫おうとしている敵の背中を勢いよくキック
俺が助けに来たからもう大丈夫とキマイラ達に微笑む

数だけは居るしさっさと片付けちゃおう
UC解放・夜陰発動
俺の秘めている悪意が敵を喰らうUC
敵のやろうとしていることと釣り合わないなんて言わないよね?
大切なヒト達を引き裂いて改造だもん
たっぷり罰は受けてもらうよ

敵が召喚する箱の中身は大切なヒト(親友と片思いの相手)のグッズ
……へぇ、彼らを盾にするつもり?
殺してあげるね(とてもいい笑顔)



●地雷とパンドラの箱はある意味では近く
 サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)はやれやれと肩を竦める。

「困った奴もいたもんだ。確かそういうの……ヤツアタリ、っていうんだよね。サカウラミだっけ?」

 八つ当たりと逆恨み両方ですね多分。リア充爆発しろという奴はそういう傾向が多い気がする。

「まあいいや、困ったさんを殴って解決するお仕事、きちんとこなしてくるよ」

 頼もしい言葉を残してキマイラフューチャーに向かえば、丁度事件の真っ只中だ。
 あちらこちらでカップルが無理やり引き裂かれてはデリバリーしていくこの痛ましい光景、放っておくワケにはいかない。
 何より平和に生きてるヒトビトに水を差すような真似など言語道断である。
 サンディは早速目に入ったカップルを引き裂こうとする押し込みクーリエズに真後ろから迫り――

「はいそこ、人攫いはダメだよ」
「グハァ-ッ!?」

 勢いよく背中を蹴っ飛ばした。
 猟兵のパワーで蹴っ飛ばされた押し込みクーリエズの一人はざぱーん、と派手に噴水にダイブして犬●家のような有様に。
 なる必要は別にないんだけど多分キマイラフューチャー補正のせいなんでしょう、そういうことにしておこう。

「俺が助けにきたからもう大丈夫。さ、今のうちに逃げるんだ」
「あ、ありがとうございます……!」

 キマイラたちを安心させようとしたサンディの微笑みはまさにイケメンのそれである。
 このカップルが仮にふたりとも女性だったらファンになってんじゃなかろうか、そんな感じに目を輝かせてお礼を告げたキマイラカップルは無事に逃げ出すことができました。

「くっ、やはり猟兵が邪魔してくるか……!」
「全員構え!こいつは真っ先に梱包するぞ!!」

 引越し業者っぽい姿をしているだけあって統率力が半端ない押し込みクーリエズ、一気に集まってサンディを囲う。
 絵面自体はまさに四面楚歌という状態であるが、猟兵と怪人という力関係によりここから先繰り広げられるのは、

「……数だけはいるし、さっさと片付けちゃおうか」

 彼による一騎当千の圧倒絵図でしかないのだ。
 周りが怪人だけになったなら、尚更彼が容赦をする道理は一切ないのだから。
 サンディに秘められた悪意の欠片ががユーベルコード【解放・夜陰】として具現し、漆黒の水晶が押し込みクーリエズを次々と貫いていく。
 同化への渇望、これでもサンディの内側に秘められた悪意のほんの一部でしかないそれは怪人側からしたら対処のしようがない圧倒的悪意の攻撃でしかなく、ぐさぐさと突き刺さっては戦闘不能に陥った。

「怖!?!?!?何だこの猟兵!!攻撃がえげつなさすぎるぞ!?」
「ん……?そっちのやろうとしていることと釣り合わないなんて――」

 ――言わないよね?

 先程キマイラたちに見せたのとは正反対の冷たい笑みを浮かべる。
 怪人――彼にとっての敵が恐怖の表情を見せ慄いていることに後ろ暗い歓びを覚えながら、つかつかと歩み寄る。

「ひ、ひぃっ!?」
「大切なヒトたちを引き裂いて改造だもん。……たっぷり罰は受けてもらうよ?」
「い、嫌だーっ俺はドーラ様の命を護るんだっ!!かくなる上はっ……!!」

 最後の抵抗と言わんばかりに生き残った押し込みクーリエズがダンボール箱を取り出して見せつける。
 中に入っているのは緩衝材で丁寧に梱包された、サンディにとって何よりも大事なヒトたち――を模したグッズ。
 親友と、密かに想いを抱き続けるヒト――これをつきつければどんな猟兵もひとたまりもあるまいと目論んだ精一杯の抵抗だが。

「……へぇ」

 ぞ、っとする寒気が押し込みクーリエズの生き残りの背を所狭しと駆け巡る。

「彼らを盾にするつもり?」
「 」

 開けてはならぬ禁忌の箱の封印を解いて蓋を開けてしまったようなものだと気づいた時にはもう既に怪人たちにとっては何もかもが手遅れであった。
 ぱくぱくと口――こちら側からは全く見えないんだが――を開けても出るのは空気ばかり。最早声にすらならぬ恐怖で支配される怪人共。

「――殺してあげるね」

 にこりと笑うサンディの顔は顔こそとても素晴らしい笑顔であるが、その胸中は決して怪人共では推し量り切ることが不可能な程の大きなモノが渦巻いて。
 この日怪人共は、仮に生き残れたとしても凄まじいトラウマを植え付けられることとなっただろう。
 まあ、地雷を踏んで起爆させてしまったのだから当然の末路である。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
出歩く方が多くなるタイミングですし、動機は兎も角狙いは良いのですかねぇ?
まあ、対処させていただきますが。

既に襲われかけているカップルが居たら『FMS』を先行、バリアによるガードで庇いますぅ。
そして【乳焔海】を発動し広域への[範囲攻撃]、襲撃中の怪人さん達を纏めて焼き払いますねぇ。
『パック』に使用する道具に加え、頭のダンボールも含めて『燃える品』ですから、一気に焼いてしまえば問題無いでしょう。

ところで、体型を拝見する限り、怪人さん達も男性・女性の両方がいるみたいなのですが。
お互いにカップルの方々は居たりしません?
いえ、単純な興味と、嫉妬で仲間割れしないかな、と思いまして。


アスカ・ユークレース
どこの世界にもこういう連中はいるわよね……人の恋路を邪魔するなんて、余程馬に蹴られたいのかしら?

UCで弾幕を張り一掃しつつ地形を利用し敵を盾にする立ち回り

避けられたと思った?でも残念、それは相手を動かすための…釣りの弾幕なのよ
近づいてくる敵にはフェイントを交えたクイックドロウの騙し討ちで対処


……ってお化け?!いやぁあお化け苦手なのこっち来ないで?!(限界突破した爆撃のオーバーキル攻撃)


アドリブ絡み歓迎



●リア充爆発しろという概念には敵も味方も関係なく
「どこの世界にもこういう連中はいるわよね……人の恋路を邪魔するなんて、余程馬に蹴られたいのかしら?」

 猟兵にしてリア充の一人、アスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)ははあ、とため息をついた。
 人の恋路を(以下略)という言葉は、恋人持ちが言うとより重みを増しますね。

「出歩く方が多くなるタイミングですし、動機はともかく、狙いは良いのですかねぇ?」

 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は首を傾げた。
 確かに動機はともかくホワイトデーとなるとデートとかデートとかデートとかでたくさん街に出歩く人々が増えるので、怪人を増やすという点にだけ絞ると狙いは確かである。

「きゃーっ!?誰よあんた!あたしのダーリンに手出さないでよぉー!!」
「うるさいとにかくリア充は梱包だー!!!」

 そんな二人がキマフュに駆けつければ丁度今にも引き裂かれかけているカップルが一組。
 この狼藉は許してはならない!二人は互いに目を合わせた後すぐに飛び出した。
 まずはるこるがフローティングミラーコートシステム、略して『FMS』を飛ばし無理やりカップルから押し込みクーリエズを引き剥がし、そのままバリアでカップルを保護。
 そしてアスカはるこるがカップルを助けている間に迷彩を施して隠密状態になった後、ユーベルコード【惑う遊星(プラネタリ・アサルト)】を発動して曲射されたエネルギー弾の雨で押し込みクーリエズの大半を一掃する!

「あづあづあだだだだだ―――――っ!?!?」

 エネルギー弾は当然一つ一つが熱を持っている為当たればめちゃくちゃ熱いし痛い。怪人共はあたふたあたふたとまさに逃げ"惑う"。

「さ、今のうちに逃げてくださいねぇ」
「あ、ありがとうございます!!この恩は決して忘れません!」

 アスカが圧倒している内にるこるがFMSをつけてカップルを逃がし、怪人共の目的も無事阻止。

「ま、待てぇいリア充―――!!」

 かろうじてアスカの弾幕から逃げた押し込みクーリエズの一人が追いかけようとするが、真横から唐突にエネルギー弾を撃たれて卒倒!

「残念、避けられたと思って追いかけようとしたんでしょうけど。動かすための釣りの弾幕なのよ」
「ぐぐぐ、おのれ猟兵共め!邪魔をするならお前らから梱包してやる!!デリバリー!!」
「「いえっさー!!」

 まだ動ける押し込みクーリエズが揃ってダンボールを召喚する!
 このユーベルコードならば圧倒できると信じて呼び出したダンボール箱をぱかっと開けると……

\ヒュ――――――ドロドロドロドロ/
「くーるー……きっとくるー……きっとくるー……」

 何かよくお化け屋敷で聞くSEと一緒に沢山の幽霊やどっかで見たことあるような長い髪の白い着物の女やら、それはもうホラーなモノが盛りだくさんでやってきた!
 るこるも思わずひぇ、と驚いて声を上げるが仕事モードに入った彼女はそこまでダメージを受けているようには見えない。ということは彼女にはそこまで有効ではないということだろう。
 が、その一方で――

「いやぁああああああああああ!?!?待ってちょっお化け苦手なのやだやめてこっち来ないで――――――っ?!?!?!?!」

 アスカは錯乱した。そう、彼女はお化けが何よりも苦手なのだ!何故なら撃ち抜けないから!!!
 実際撃ち抜ける撃ち抜けないは置いといて悲鳴を上げながらとにかく引鉄を引く引く引く引く引きまくる!!
 だってお化け怖いもんそりゃ近づいて欲しくないよね!!

「あれっこれなら効果的だと思ったのに何でこっちがオーバーキルされグフゥ――――――っ!?!?」

 逆に墓穴を掘ってしまった押し込みクーリエズ、今度こそずばんずばんと撃ち抜かれてしまうがそれでも呼び出したダンボール箱からあふれるお化けたち。
 アスカは涙目でばっこんばっこん撃ち続けるがまだまだ出てくる。というか髪の長い着物の女性の幽霊がアスカの足元にまで迫ってきている。
 錯乱して気づいてないが触れられたらこれ気絶することは間違いなさそうです。

「うーん、ダンボール箱を何とかしない限り出てきそうですねぇ……では」

 一方るこるは冷静に状況を分析していた。どうやらダンボール箱に詰められたモノからお化けが出てきているようなので、それを何とかしない限りは出続けるのであろうと判断。
 状況的にも何とか対処しなければいけないし、このままではアスカが卒倒するのは間違いないし、錯乱してそれどころではなさそうだ。
 るこるはユーベルコードを発動すべく豊穣の女神に祈りを捧げた。

「"大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの理をここに"――」

 【豊乳女神の加護・乳焔海(シロキホノオノウミ)】による女神の波動が辺り一帯に広がり、乳白色の炎が噴き上がる。
 神性の絡んだ炎なのでお化けたちには当然効果抜群であるし、そもそもダンボールは紙、即ち『燃える品』であり炎は最大の弱点に他ならない。
 ぶわっと広がった乳白色の炎がお化けもダンボールも、果ては押し込みクーリエズの頭のダンボールまで燃やし尽くし、あとに残ったのはただの配達人っぽい怪人だった者たちだけであった。
 お化けがすっかりいなくなったことによりアスカの錯乱状態も解け、恐怖の対象がいなくなったことにより力が抜けてその場にへたり込んだ。

「ああ……怖かった……!!」
「怖かったですねぇ。もう大丈夫ですよぉ」
「ありがとうございます、もうホンットお化けだけは無理で……!」

 アスカはこの時るこるが女神様に見えた。実際女神の使徒なのである意味で間違いではない気がする。

「お、おのれ猟兵……!!顔見えちゃうじゃないか恥ずかしいなあもう!!」

 して、押し込みクーリエズの次の発言がコレである。恥ずかしいから顔かくしてたんかい。
 やだメイクが荒いのバレちゃう、とか言って顔を隠している女性もクーリエズの中にはいる様子。それを見たるこるは首を傾げて……ふと思ったことを口にした。

「ところで、怪人さんたちも男性・女性の両方がいるみたいなのですが……お互いにカップルの方々は居たりしません?」
「「「「ギクッ!!!」」」」

 あ、ギクッて音が何人かから上がった。今上がりましたよ。

「な、何でそんなことを!?」
「いえ、単純に興味t」
「そんなワケないだろう!我々はドーラ様に命じられてリア充を引き裂きにきたんだぞ!なあお前達!!」
「「「「ギクーッ!!!」」」」

 るこるの返事を遮って怪人の一人が声を荒げる。
 何人かはその声にそうだそうだと同意するが、何人か気まずそうにしていらっしゃいますね?

「おい……何でそこ気まずそうにしてるんだ……?」
「……ぴゅる~♪」
「口笛下手すぎんだろォ!!!!というかむしろ口で擬音してるだけだろ!!!!まさかお前らっっ」
「い、いやあ……その、職場恋愛とか別に禁止されてないもんだから……」
「はあ~~~~~~~!?!?おいお前らこいつら梱包するぞ!!!」
「ちょっまっ待って落ち着け俺たち仲間だろぉおおおおおお!?!?」

 嗚呼、悲しきかな始まりしは仲間割れ。
 リア充を引き裂こうとやってきたリア充を恨む怪人たちの中にこっそりリア充が紛れ込んでいたとなればそりゃあまずは一番手っ取り早く引き裂けるのだからそっちを優先するのは当然……なんでしょうかねわかんないけど。

「……嫉妬で仲間割れしないかな、と思ったんですが」

 るこるは先程遮られて言いそびれた言葉をその光景を見ながらぽつりと呟いた。
 嗚呼、もし彼女の言葉を最後まで聞いていたならばその手には乗るかーとか何だかんだ言えたであろうに。
 いや、もしかしたらそれでも仲間割れは起きていたかもしれない。

「……うーんこの。とりあえず、他のカップルの皆さんも避難させにいきましょうか」
「そうですねぇ」

 何かもう勝手に同士討ちを始めたので放っても良さげな気がしたので、るこるとアスカは残る住民たちの避難誘導に精を出すことにしたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

黒沼・藍亜
これは【12/24×2/14】(戦場を「例の日」の空気に変え適応者の行動成功率を上げるUC)を持ち、人がいちゃこらしてるの眺めるのが好きなボクに対する挑戦っすね?

好きなもの、だと多分
攫われた人が出てきて感動のカップル再会シーンになるだけっすね

え、じゃあ嫌いなもの?
お ま え ら っ す よ
…そんな《恐怖を与える/精神攻撃》されたような反応しなくても

あ、キマイラさん達こっち見ない方がいいっす
……折角のこの日に心、抉られたくないでしょ?

じゃ【きらいきらいだいきらい】
「対象にとって心抉る姿で見える幻影」に抉られてしまえ

うん、さっきの発言……嘘とか冗談だとは一言も言ってないんすよね

※アドリブ歓迎っすよ



●ある意味で人の恋路を邪魔するやつは何とやらの一番の体現者では?
「ほう。これは【12/24×2/14】を持ち人がいちゃこらしてるの眺めるのが好きなボクに対する挑戦っすね?」

 説明しようッ!黒沼・藍亜(人間のUDCエージェント・f26067)の【12/24×2/14(ホラサッサトコクハクシチャエ)】とは!
 しんしんと降る幻の雪を降らせ戦場全体を思わず想いを告白したるあの日の雰囲気っぽい状況に変化させ、カップル成立を促すユーベルコードであるッ!!
 こんなユーベルコードでカップル成立を応援するぐらいには藍亜はいちゃらぶ光景が大好きなのだ。
 故に、このようないちゃらぶ充足デーと言っても過言ではないこの日にカップルを引き裂く等という狼藉を働く怪人共は許してはならぬ。
 必ずやこの邪智暴虐の怪人共を廃していちゃこらムードを取り戻さなければ――!

「……あの、いきなり何言ってるんですか?」

 尚この説明は押し込みクーリエズには聞こえていないようで藍亜が何を言っているか全くわからないと言うように首を傾げている。
 ですよねーって顔をする藍亜。

「ふっ、何を言っているかはわからないがお前の弱点などこの押し込みクーリエズにかかればデリバリーするのは簡単だぞ!!
 何せ猟兵の好きなもの苦手なもの何でも出せるからなァ!!」
「好きなもの、だと多分攫われた人が出てきて感動のカップル再会シーンになるだけっすね。それは結構助かるっすね~」
「は!?お前リア充好きなの!?!?」
「大好きっすよ、人のいちゃこら眺めてこっちも笑顔になれるっす」

 嘘やろ、って顔――いやダンボールに隠れて表情見えないんだけど――で藍亜を見つめる押し込みクーリエズの皆さん。
 藍亜からしたらむしろなんでリア充そんな嫌いやねんと言いたくなる。

「じゃ、じゃあリア充が好きなら何が嫌いなんだ!?」
「お ま え ら っ す よ」
「」

 固まった。クーリエズが固まった。
 別に真顔で言っただけなのに恐怖を与える精神攻撃をされような反応しなくてもと藍亜は思った。
 言うて猟兵と怪人という敵対関係同士なので反応としては正しい部分はあるっちゃあるのかもしれないが、それはそれでこれはこれである。
 ともかく話は結局平行線なので後は実力行使を以て黙らせるのみ。
 キマイラカップルたちは猟兵の登場にざわざわとしているが、これからやることを考えると逃げておいてもらった方がいいだろう。

「あ、キマイラさんたちこっち見ない方がいいっす。むしろ安全なとこまで避難してください」
「え、でも」
「……折角のこの日に心、抉られたくないでしょ?」
「「アッハイ」」

 いったい何をしようとしてるんだと思われただろうがキマイラカップルの皆さんを無事遠ざけることができた藍亜。
 先程から押し込みクーリエズはこの猟兵何する気やねん!とがたぶるしている。
 何かできたんじゃないのかって?それができないぐらいの恐怖に何故か囚われているようです。何でかはわからないがこれでともかく準備はできた。

「じゃ……【きらいきらいだいきらい(イチバンキライナノハダアレ)】?」

 問いかけるように発動されるユーベルコード。
 見た者にとって心を抉る何かを象った幻影が藍亜が嫌悪を覚えた対象を延々と追いかけ続ける恐怖の代物。
 押し込みクーリエズにはいったいどんな姿に見えているのだろうか。

「オ゛ア゛―――――!!!やめろ!!!昔の古傷を思い出させるな!!!!右腕が疼くとかやめろォーッ!!!」

 クーリエズの一人がいきなり頭を抱えて蹲り出した。
 悲鳴からして若気の至りを彷彿とさせる眼帯つけて学ランをマントのように羽織ってわざわざぼろぼろにした包帯とかつけたさぞ痛々しい光景が見えているのだろう。
 しかもそんな感じの幻影が見えてるの一人だけじゃないらしいので相当若い頃はしゃいでおられましたね。
 女性の怪人の方は「そんなぶりっ子天然ボケアピールしたって彼氏なんてできないのよバカァー!!!」とか言っている。多分学生時代キャラ作ろうとして失敗した奴だ。
 他にも正直言葉にはしてはいけないような古傷とかを抉られて最早魂が抜けかけている怪人もいたり、その時だけ街中が怪人共の阿鼻叫喚に染まることとなった。
 色々な意味で地獄絵図である。カップル巻き込むワケには確かにいかぬ、まさに「これは酷い」と言わんばかりの光景であった……

「うん。さっきの発言……嘘とか冗談だとは一言も言ってないんすよね」

 精神的に戦闘不能に陥ったことにより死屍累々のような光景が広がっているのを見て藍亜はぽつりと呟いたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

乱獅子・梓
【不死蝶】
ドーラ・ワルダーってどんな奴だったっけ…と思い出し
あー、普段からあの格好じゃあ
少なくとも普通の男は寄ってこないだろうなぁ…

別に無いな
今はお前の面倒見ることに忙しいし

UC発動し、炎属性のドラゴンたちを召喚
広範囲のブレス攻撃や頭突き、尻尾アタックなどで
どんどん蹴散らしていくぞ!

こ…これは!!焔と零のフィギュア!!?
か わ い い
うわすごいぞこれ、羽が可動式だし表情パーツも色々ある
焔と零の可愛さをここまで忠実に再現したことは褒めてやろう
だがしかし……本物が一番可愛い!!
ドラゴンたちによるトドメの体当たりで吹き飛ばす
これで俺を惑わせようとは考えが甘かったな!
(いそいそとフィギュアを懐にしまい


灰神楽・綾
【不死蝶】
血も涙もない猟書家でも人並みに恋したいって願望はあるのかな
そう思うとちょっと可愛い気もするねぇ
そういうギャップを売りにしたらモテるんじゃないかな(適当

俺たちも仲良く独り身なわけだけど
梓は恋人欲しいっていう願望は無いの?
あはは、さすが梓、ブレないねー

自分の手を斬りつけUC発動
相手に負けじと俺もスピードと反応速度を強化
あんな台車に乗って全速力で走っていたら
きっと急な方向変換や急ブレーキは無理と見た
敵が向かってくるルート上にすっと置き石してやろうっと
良い子は真似しちゃだめだよー
脱線したらすかさずDuoを両手に持ち
ザックザックと範囲攻撃で斬り倒していこう

梓、いま普通に惑わされていたよね…?



●フィギュアは老若男女問わずみんな好き
「……どんな奴だったっけ……」

 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)はドーラ・ワルダーがぱっとどういう人物か出てこなかったので思い出そうとしていた。
 今月に入るまで戦争に多くの猟兵が注力していたのもあって猟書家と対峙する回数は減っていたので一瞬どんな奴だったっけってなるのはよくあることです。仕方ないね。
 で、実際ドーラ・ワルダーがどんな奴かと言うとお嬢様口調でボンデージをつけたばいんばいんのナイスバディの女性であり、それを思い出した途端あー……と納得の行く顔をした。

「普段からあの格好じゃあ少なくとも普通の男は寄ってこないだろうなあ……」

 ド正論ここに極まれり。しかしそうとしか言い様がないのは事実。
 だってあんな服装でドSっぽいムーブをすれば寄ってくるのはどっかの版権ファンのように股間に薔薇つけて頭に袋を被ったような奴ばかりなのはそらせやろな、としか言えませんからね!!
 しかし猟書家でもリア充を気にするのは意外だったのか、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)はへえ、と呟いた。

「血も涙もない猟書家でも人並みに恋したいって願望はあるのかな?そう思うとちょっと可愛い気もするねえ」
「いや多分ドーラ・ワルダーはどっちかっていうと血も涙もある方じゃなかったか……?」
「そうだったっけ。まあ、そういうギャップを売りにしたらモテるんじゃないかな」
「適当なこと言うなあお前」

 相棒のツッコミにあはは、と綾はいつも通りに笑いながら話を変える。

「俺たちも仲良く独り身なワケだけど、梓は恋人欲しいっていう願望はないの?」
「別に無いな。今はお前の面倒見ることに忙しいし」
「あはは、流石梓。ブレないねー」

 めちゃくちゃイケメンだから女性にモテそうですけどねお二人共。
 ともあれ、そんな話をしながらやってきました渦中の現場。
 丁度カップルを引き裂いた後だったのか、梱包後であろうダンボールを持って台車に乗り猛スピードで走り去ろうとする押し込みクーリエズが見えたではないか。
 その姿を目にするや否や、綾は早速愛器の一つである大鎌『Duo』の刃に自らの手を食い込ませる。
 ユーベルコード【ヴァーミリオン・トリガー】の発動条件を満たしたことにより、綾は自らの寿命を代償に自らのあらゆる速度を爆発的に増大させ、何と台車で走るよりも早い押し込みクーリエズを追い抜いた!

「何今の!!?!?」

 怪人すらも驚くその圧倒的な早業。しかし追い抜くだけで何もしないのだろうか?
 否、これもれっきとした作戦である。
 綾の数々の戦闘経験を重ねたことにより研ぎ澄まされた洞察眼は敵の爆発的スピードの弱点をいち早く見抜いていたのである。

「(あんな台車に乗って全速力で走っていたら、急な方向転換や急ブレーキは――)」

 無理である。
 車だってあのスピードで急ブレーキや方向転換が難しいのに台車でできるワケがない。
 というワケでその速度を上回る速度でルートを先回りしてすっと置き石を置いてやろうと試みたのである。
 もちろんそんなでかい岩とかではなくちょっと大きな石ころ程度だが――

「ちょっ待って石ころ落ちてんだけど!?止まって!?止まって!?!?」
「いやいや無理無理すぐには止まれなア――――――――ッ!!!」

 ――どんがらがっしゃん。
 このように派手にすっ転んで壁に大穴開けて吹っ飛んでいくのである。
 その直前にユーベルコードにより増強した反応速度を利用してささっと綾がダンボールを回収しキマイラカップルの片割れの救出も完璧である。

「さ、もう大丈夫だよ。安全なところに逃げて」
「あ、ありがとうございます知らないイケメン猟兵さん!!この恩は一生忘れません!」

 そう言ってキマイラの女性は安全な場所へと避難していった。
 後は残る怪人共を片付けるだけである。先に救出を優先し梓にその場を任せきりにしてしまったので早いとこ戻ろうと再びユーベルコードを使ってスピードを上げて戻ってきたら……

「こ、これは……っ!!」

 梓がダンボールの中身を見て衝撃を受けていた。

「梓?何してるの?」
「綾見てみろよこれ!!焔と零のフィギュア!!」

 首を傾げる綾の前でダンボールの中身を出して見せる梓。
 経緯としては時間を少しばかり遡る。綾がキマイラカップルの救出に走っている間、梓はユーベルコードで炎属性のドラゴンを召喚し怪人共を102匹ものドラゴンたちによる広範囲攻撃で薙ぎ払っていたのだが、
 そこでやられてなるものかと押し込みクーリエズが反撃にユーベルコード【デリバリー!】を発動し、梓に彼の愛竜である『焔』と『零』を模したフィギュアを送りつけたのだ。

「か わ い い ……っ……!!」

 まさかの愛竜のフィギュア化とか夢にも思わなかった上に愛らしさが完全再現されており梓は感動に打ちひしがれる。

「凄いぞこれ、羽が可動式だし表情パーツも色々ある……!!」
「梓……」

 完全に敵の術中にハマっている梓に綾は表情こそ変えないがどうしたものかと内心肩を竦めた。
 このままだったら自分一人で残りを片付けることになるかもしれないなあと思いつつも、相棒だから大丈夫だろうとも思いつつ。
 どうなるかわからなかった矢先、まだ残っている押し込みクーリエズが勝ち誇ったように口を開く――ダンボールで見えないけど――。

「どうだ可愛いだろう!!可愛いだろう!?お前の愛竜を再現したフィギュアは!!!」
「ああ、そうだな……焔と零の可愛さをここまで忠実に再現したことは褒めてやろう。だがしかし」
「さあこれで無力化……え?」
「だがしかし……

 本 物 が 一 番 可 愛 い ッ !!」

 ばーん、と集中線が入る勢いで断言してみせる梓。押し込みクーリエズは「な、何ィーッ!?」とテンプレ的反応を見せてたじろぎ、当然そんな隙間が生まれればその機を逃すような二人ではない。
 梓は再びユーベルコード【竜飛鳳舞(レイジングドラゴニアン)】を発動し、102匹ものドラゴンたちによる体当たり攻撃!
 爆速で飛んでいきやな感じ!!と言う暇もなく押し込みクーリエズは星になった。

「ふっ、これで俺を惑わせようとは考えが甘かったな!」
「いや梓、今普通に惑わされていたよね……?」
「そんなことはない」

 と言い切りながらもフィギュアをいそいそと懐にしまう梓。完全に惑わされ切っている。
 まあ、ちゃんと戦ってるならいいかと最終敵に綾は考えるのをやめた。

「よし、大分片付けたがまだ敵は残ってるな。いくぞ綾!」
「はーい。今度は惑わされないでね?」
「だからそんなことはないって」

 まあ本人がそう言うならそうなんでしょう、きっと。
 そんな感じで残りの押し込みクーリエズもずっばずっばと範囲攻撃で蹴散らしていく二人なのでした。
 これが終わった後フィギュアは丁寧に飾られますが当の本人(本竜?)たちはどういう反応するんでしょうね?

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

深護・刹那
わかりますわ!!!
リア充は爆破せねば!

でも、でもでも!
その前にわたくしは猟兵なのです…っ!
事件を起こしているのがオブリビオンであるならば
こう告げるより他ありません
「不肖、深護・刹那、参ります!」(血涙を流しながらクーリエズに向かう

クーリエズの台車ライドには致命的な欠点がありますわ
それはスピードの出た台車の上はとても不安定ということ!
つまり上の人を狙えば…(上に乗っていた女性クーリエの胸元凝視)
顔を隠して豊かさを強調するような不埒な胸は
わたくしが滅ぼして差し上げますわああああ!!(27歳ぺたんの叫び)

【からくり仕掛けのセツナ】発動
台車を飛び越える高さにジャンプ&
ドロップキックをお見舞いしますわ!


斑染近・紬姫
「恋のじゃま?馬に蹴られる?逆だわ!イベントがなければ愛が育めないとかほざくバカップルこそ粛清されるべき諸悪!」

「どうせ春には新しい出会いの季節とか言って、別の相手とイチャコラしてるんでしょ?そのくせ見せつけてくるとか、けしからんわ」(滑舌が良い)

2月の節分を過ぎたら(寒くても)もう春だなんて信じないわよ?

「でもお持ち帰り改造は、イケナイコトの気配よ」

「そこの怪人!彼氏彼女(大爆笑)の持ち帰りを禁・止・・・?」(ふと足元のダンボールの中身に気付く)
甘く熟したみかんが箱いっぱいに。これは頂いてよろしいのかしら?

UC使用でみかん箱を壺の中に。

あとは、武器で適当に怪人を叩いて。お仕事かんりょっと。



●リア充肯定派だけが敵対すると思うな
 ところで割と勘違いされるかもしれないが、猟兵が全員リア充かと言われると断然否である。
 中には爆発しろ勢もたくさんいて、そういう猟兵もこういった依頼にかけつけることがあるワケで。

「恋の邪魔?馬に蹴られる?――逆だわ!イベントがなければ愛が育めないとかほざくバカップルこそ粛清されるべき諸悪ッ!!」
「わかりますわ!!!リア充は爆破せねば!!!」

 ばあん、とそう言い放つのは斑染近・紬姫(女帝の分身・f29077)。
 実際本当のバカップルはイベントがなくても愛を育むので何ら間違ったことは言っていない。
 そしてそんな紬姫の言い分に心底頷いて同意するのは深護・刹那(花誘う蝶・f03199)だ。本人の言った言葉の通り、彼女もリア充爆発しろ勢の一人である。

「どうせ春には新しい出会いの季節とか言って別の相手といちゃこらしてるんでしょ?そのくせ見せつけてくるとかけしからんわ!!!」
「なんという……!リア充は爆破させねばならないというのにましてや二股だなんて……リア充よりも許してはなりませんわ!!!」
「えっわかってくれる!?わかってくださるお嬢ちゃん方!リア充爆破させなきゃだよねえ!!」

 節分過ぎれば寒けれど春だなんて信じない、絶対に――という空気、めちゃくちゃ意気投合したどころか押し込みクーリエズの大体もうんうん頷いて同調しつつあった。こいつぁすげえや。
 このままリア充爆発議論に花が咲きそうに見えるが……

「でも、でもでも……!その前にわたくしは猟兵なのです……っ!!」
「お持ち帰り改造は、イケナイコトの気配よ」

 と、二人は猟兵としての使命はしっかりと胸に刻み込んでいた。
 リア充を爆破したい気持ちに同意はできれど、所詮オブリビオンと猟兵は相容れぬのだ。

「不肖、深護・刹那、参ります!!」

 故に刹那は血の涙を流して目の前の同意を示した押し込みクーリエズをどぉん!と押し飛ばす!!
 アイエエナンデ!?とか言いながらふっとばされていく怪人共。しかしまだまだクーリエズはいる、未だ尚いるのである。
 現にカップルを梱包して台車で持っていこうとしているその瞬間に二人は立ち会っていたのだ。

「そこの怪人!彼氏彼女(大爆笑)の持ち帰りを禁・止……?」

 ふと足元にダンボールが置かれていたことに気づく紬姫。
 恐らく事前に猟兵たちへの対策に置いておいたものであろうか?いや、もしかしたら先程の衝撃で吹き飛ばされたことによりカップルの片割れ――紬姫曰く(大爆笑)がつく――が梱包されたものを奪還できたのかもしれない。
 警戒しながら蓋を開けると、まさに旬の時期に置かれてあるような甘く熟したみかんが箱いっぱいに詰められていた。

「……これは頂いてよろしいのかしら?」

 恐らく段ボール箱の様相からして押し込みクーリエズが出したものに違いない。ということはこちらに有効になるものを狙ってユーベルコードで出したものであろう。
 対象に有効なモノを出すユーベルコードだし毒の入ったみかんを怪人共が上手く扱えるとは思えないので普通のみかんであろうと思われる。故に紬姫はありがたくこのみかんを頂くことにした。
 ユーベルコード【フェアリーランド】を使い、ツボの口の部分にみかんを当てまるで掃除機のようにスポポポポンと突っ込んでいく。

「ふう、これはしばらく困らない量ね。じゃあ後は適当に叩いて……」

 適当に叩いて、で怪人たちをばしばしずばずばと叩いていけるのだから猟兵というものは凄い。
 怪人共は紬姫の攻撃に圧倒されごろごろと転がり倒れていく――!


 一方、刹那はカップルを梱包して連れ去っていく押し込みクーリエズを追跡。
 確かにとてつもない速さの台車だが、スピードに長けた猟兵なれば追いつくのは簡単。一切見失うことなく後を追い続けていた。

「(確かに速い――けどこれなら追いつける。そして何より致命的な欠点がありますわ」

 致命的な欠点、それは……そう、スピードの出た台車の上はとても不安定であるということに他ならない。
 例えば沢山山積みした台車を思い切り押して走ろうとすれば当然慣性の法則に抗いきれず上の荷物はどんがらがっしゃん崩れていくのである。
 つまり台車の上に乗っている人を狙えばあっという間に流れは刹那側に傾くというワケだ。
 このままスピードを上げ、一気に接近しようとするが――その時。

 彼女は見てしまった。

 カップルが梱包されたダンボールを持つ台車の上に乗っている女性クーリエの、ダンボールによって圧迫されていながらもたわわに実った、そう、胸を……!!

「」

 凝視。
 自分であれば決してなれないその境地。

「……顔を隠して豊かさを強調するような不埒な胸はわたくしが滅ぼして差し上げますわあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」

 深護・刹那、27歳。
 その胸は、ぺたんこであった――

 相手からしたら何のこっちゃであるが押し込みクーリエズは彼女の地雷を起爆させてしまった以上覚悟を決めねばならない――当人等はもちろん知る由もないのだが――。
 ユーベルコード【からくり仕掛けのセツナ(デア・エクス・マーキナー)】で呼び出した人形遣いに自らの身体を思い切り放らせて飛び上がった刹那の、胸への怒りやら嫉妬やらその他諸々が詰まった裂帛と共に見舞われるドロップキック。
 それを受けて無事でいられる怪人は誰一人として存在しないのだ……!
 ああ、胸がぺたんであったらリア充を爆破させたいのに猟兵だからと葛藤しながら倒される結末に終わったであろうに。運命というものは残酷である。
 きっちり梱包されたカップルは救助された上で、女性クーリエは刹那によって壁に顔を突っ込む羽目になり台車を押していたクーリエはその勢いでつるんと足を滑らせて派手に転がっていったのでありました。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『ドーラ・ワルダー』

POW   :    わたくしにひれ伏しなさい!
【鞭】が命中した対象に対し、高威力高命中の【踏みつけ攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    下僕達、やっておしまいなさい!
戦闘用の、自身と同じ強さの【力自慢の下僕】と【テクニック自慢の下僕】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    こうなったら奥の手よ!
自身が戦闘で瀕死になると【巨大なびっくりメカ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ガジル・コリアンダーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


【MSより】
 第一章ご参加ありがとうございました!
 第二章受付は『3/13(土)8:31』からとさせて頂きます。
 断章の投下がなくてもプレイング受付日になりましたらプレイングを投げて頂いて大丈夫です。
 途中参加もお待ちしております!
●ドーラお姉さんブチキレてます
「畜生猟兵共ォ!!!!!何ですのあんたらリア充の味方なんですのふざけんじゃありませんことよォ!!!!」

 独り身寂しいドーラ・ワルダー、腹に据えかねてやってきた。

「確かにわたくしの格好が原因だということはわかっておりましてよ!!だから職場を隠して合コンだって何度したことか!!それでもひっかかるのは変なDV気質っぽそうな奴だったりそもそも変態だったり!!!わたくしの好みに反する男性ばかりになる気持ちがあんたたちにわかってたまるかァ!!!!!!!!!!!!!」

 何か別に何も言っていないのに自分の非を認めた上で身の上話が始まる。

 ――もしかして、所謂「ダメンズウォーカー」という奴なのでは??

 猟兵たちは訝しんだ。
 合コンもきちんと身を整えて通ってそれでもひっかかるのが所謂あかん奴らばかりなのはそうでなければならないのでは?
 ダメンズをひっかけてしまい、くっつく前にそれに気づいて離れることのできる感覚は正直凄いと思うのだが。

「あんたたちリア充だからって独り身を舐めくさるのもいい加減にしなさい!!!!!!!!てめえら全員この鞭の錆にしてやりましてよ!!!!!!!!!!」

 独り身やリア充爆破勢もやってきたんですけどねえ。
 何はともあれもう完全に話を聞く様子はなさそうである。戦おう。
アスカ・ユークレース
知らないわよ!八つ当たりもいいところじゃない!じぶんが理想に出会えないからって他のカップルを引き裂いていいわけじゃないわ!というか……格好が原因って判ってるならそっちをなんとかしたらどうなの?

街中にクモの巣のように流体金属を張り巡らせ、ジャンプと組み合わせた機動しながらの範囲攻撃で撹乱、地形を利用した空中戦を仕掛ける

攻撃は建物や敵を即席の盾にしてガード

チャンスが来たらUC、ゴーグルを用いより強化された視力と情報収集力、瞬間思考力で弾道等を計算、スナイパーで確実にワルダーを狙う

アドリブ絡み歓迎



●ケース1.八つ当たりしすぎてパワハラ上司になった結果さくっと倒されてしまった例
「きぃ――――!!!リア充だからって調子に乗るんじゃありませんわよォォォォ!!!バカにしてらっしゃるのかしらァァァ!!?」
「知らないわよ!?八つ当たりもいいところじゃない!!」

 めちゃくちゃないちゃもんをつけられてアスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)は流石に怒った。

「自分が理想に出会えないからって他のカップルを引き裂いていいワケじゃないわ!」
「お黙り小娘!!自分がリア充だからってェ!!」
「リア充もリア充じゃないも関係ないわよこんなの!!……というか格好が原因ってわかってるならそっちを何とかしたらどうなの!」
「ちゃんとした服でおめかししたってダメ男しか集まってこないのにどうしたらいいって言うんですのよォ!!!!」
「知らないわよ!!!!?」

 格好を何とかしても何ともならないならどうすらええねんと言われても猟兵側は返事を返せないものである。
 いやホント格好何とかしても同じならマジであと何を改善すべきなんでしょうねと言われると性格面とかそこらになってしまうので……

「きぃーっ!!下僕たち、やっておしまいなさい!!」
「「イエスマイロード!!」」

 いくら言っても平行線になる一方なのでドーラ・ワルダーはますますキレた。
 力自慢の下僕とテクニック自慢の下僕が現れる。地味に顔は良いが何かダメンズのかほりを放っているように見えなくもない。
 と、それはさておきその実力は確かなものだ。力自慢の下僕がアスカに対して思い切り踏み込み振るった拳は命中こそしなかったが、代わりに大地を大きく抉る。
 テクニック自慢の銃捌きも並大抵のガンマンで行えるものではない程正確かつ的確で、地形を利用しての跳弾での攻撃を仕掛けてきた。
 これは地上にいると分が悪いと判断したアスカは流体金属を街中に蜘蛛の糸のように張り巡らせ、それを利用しての空中戦に出る。

「空中戦ですって!?おのれリア充生意気な!!」

 いやそれリア充関係ないです。
 ドーラ・ワルダーの指示によりテクニック自慢の下僕は空中目掛けて発砲、絶妙な角度で跳ね返らせるがアスカは糸のような流体金属をトランポリン代わりにしてさらに高く跳躍。
 ビルの壁を蹴って方向転換して回避した後も銃弾はどんどん放たれるが、アスカはそれらを全て絶妙なタイミングで跳躍や方向転換を行うことで軽くいなしていく。

「何やってんですの!!もっとちゃんと当てなさい!」
「も、申し訳ありませんドーラ様!!」

 大分機嫌が悪いドーラ・ワルダー、下僕に当たりながら指示。そりゃリア充になれないわと思うような光景の中テクニック自慢の下僕はひたすらアスカを狙って撃ち続けるのだが、トリッキーな動きにそのテクニックがついていけていない状態となっていた。
 恐らく怒ったせいで動きがぎこちなくなってしまったのもあるかもしれない。人間というものは怒鳴られると能力が50%減るのだ。

「うおっ!?待て俺は味方だ味方!!!俺に撃つんじゃねえよ!?」
「何やってるんですのこのポンコツ!!」
「すいませえええええええええええん!!!!」
「…………」

 何かもう余りにもパワハラじみてきたドーラ・ワルダー一味。アスカは流石にいたたまれなくなってきた。

「(うん、早く終わらせよう)」

 あの様子では次弾がくるまで時間がかかりそうだ、と今のうちにゴーグルを身につけて自らの感覚を研ぎ澄ませる。
 強化された視覚と瞬間思考力でフィールド上の全ての建造物や敵の位置から弾道を精確に導き出し――集中。
 千里眼で見据えたかのような精確にして無慈悲の一射をドーラ・ワルダー目掛けて放つ!

「ぎゃっ!?」
「「ドーラ様――――――!!!?」」

 卒倒したドーラ・ワルダーに下僕二人が悲鳴を上げる……が、テクニック自慢の下僕が何か少しほっとしているようにも見える。
 まあそらパワハラみたいに無茶振りされたら精神的に疲弊するしね……

「……ホント、それだから悪い男しか捕まらないんじゃないの?」

 と、ゴーグルを外したアスカの無慈悲な一言。
 ドーラ・ワルダーの口から魂が抜けていったのは決して幻覚ではなさそうです。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
そ、それについては、ご愁傷様ですとしか?(ぷるぷる)

『FBS』を四肢に嵌め浮遊、『FMS』によるバリアで全方位を覆い『鞭』への防御を整えますねぇ。
そして、ドーラさんの攻撃に合わせ【誅剪】を発動、『攻撃そのもの』と『攻撃者』を対象とした[切断]による[カウンター]を行いましょう。
展開した『FMS』も『祭器』である以上、『バリアに触れたら切れる』状態になりますので、これを維持しつつ『FRS』『FSS』による[砲撃]を行いますねぇ。

ところで、同僚の『猟書家』の方の中に、気になる方はいらっしゃらないのです?
『組織』等の事情も理解していただけるでしょうし、丁度良いと思うのですが。


黒沼・藍亜
いや格好じゃなくて完全に気質かなんかが漏れてんじゃない?
てかそんな男が混じってる合コン自体が外れなのでは?

それと、どうせならリア充より好みの男でも誘拐させればよかったろうに
……どのみち阻止しに来るっすけどさ

無駄話の最中にスカート内から足元に黒い粘液状UDCを滴らせ広げ、
そっから触腕伸ばして応戦するっすよ

で、隙を見てドーラ本人へと【貴方色に染まる黒】
これは切り離したUDCの一部に攻撃させ、その度に対象の好みを読み取り、それに近づくよう変化成長させ攻撃力(意味深)を増すUC

そんなに好みの男に遭えないと喚くなら、
くれてやろうじゃない?理想の彼氏。

……あの世までもってくといいっすよ
※アドリブ歓迎っすよ



●パターン2.面食い嗜好は程々に
 戦闘前だというのにドーラ・ワルダーの口から次々出てくるリア充への恨み憎しみ妬み嫉み、合コンやデートでの苦労話……
 別に誰も聞いてないのに延々垂れ流してくる辺り相当鬱憤が溜まっていると見受けられる。

「そ、それについてはご愁傷様ですとしか……?」

 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)に出せた精一杯の返しがこれであった。そらそうだ、そうとしか言えないし下手をすれば刺激してもっと大変なことになるかもしれない。
 故にぷるぷるしながら苦笑いを浮かべるしか選択肢がないようなものである。

「もうホンット何でこうなんでしょうね……わたくしだってリア充になる為に日々努力を重ねているというのに……!!」
「ご愁傷様、です、としか……」
「ブツブツブツブツ……」

 ドーラ・ワルダー、まだ垂れ流す。延々ぐちぐち垂れ流し続ける。あのー戦闘はどうするんですかー?
 とそんな戦闘ムードはどこへやらな中、黒沼・藍亜(人間のUDCエージェント・f26067)が敢えてるこるが触れていなかったところにずばっと切り込みを入れる!

「……いや、格好じゃなくて完全に気質か何かが漏れてんじゃない?」
「うぐっ!?!?」
「てかそんな男が混じってる合コン自体が外れなのでは??」
「そそそそそそんなことありませんわよとっても素敵な殿方ばかりでしたのよ!!」
「それがだいたい見た目だけだったってパターンっしょこれ」
「ウグーッ!?」

 ドーラ・ワルダーのメンタルにCRITICAL HIT!!血反吐を吐いてその場に蹲る。もうこれだけで大分ダメージを与えられているような気がする。
 そしてさらに藍亜のこの追加の発言が追い打ちをかけた。

「どうせならリア充より好みの男でも誘拐させればよかったろうに……」
「」

 ドーラ・ワルダー、唖然。その発想はなかったと言わんばかりに。
 どのみち阻止しにくるっすけどさ――と藍亜が言ったのも聞こえてないぐらいに唖然呆然愕然とした表情でその場で四つん這いに突っ伏していた。
 ネットスラング的に言うと「orz」的なポーズ。

「……何故……」
「はい?」
「何故わたくしは、その発想に気がつかなかったんですの……!?ううっ……」

 ついに涙ぐみ始めた。それ程か。
 何かもう完全に戦闘という雰囲気ではなくなってきた。どうしたものかと首を傾げ――つつ、密かに戦闘態勢を整える為藍亜はるこるに密かに耳打ちし同意を得る。
 表向きは相談に乗る形を取っておこうと意見を交わさずして意見が一致していたので話は続けることに。

「ところで、同僚の猟書家の方の中に気になる型はいらっしゃらないのです?組織等の事情も理解して頂けるでしょうし、丁度良いと思うのですが……」
「…………正直そっち方向での波長は全く合わない人ばかりで……」
「まあ合わなさそうっすね」

 軽く男性の猟書家を思い浮かべるだけでも圧倒的に正反対というか、噛み合わないというか。顔の良いイケメンイケオジが多いのは事実だけど。
 藍亜はわざとらしくクソデカため息をついた後、こう切り出した。

「そんなに好みの男に逢えないと喚くなら、くれてやろうじゃない?理想の彼氏」
「え?――ぎゃっ!?」

 ドーラ・ワルダーの真後ろから藍亜に宿るUDCの触腕が襲ってきた!
 あまりにも不意打ちで綺麗に命中、尻を突き上げて倒れるという女にあるまじき体勢で倒れるドーラ・ワルダー。
 きっとこれはキマイラフューチャー補正なんだそういうことにしておこう、というかしてあげないと色々とヤバい。

「な、何するんですの!!」
「これは切り離したUDCの一部に攻撃させ、その度に対象の好みを読み取りそれに近づくよう変化成長させ攻撃力(意味深)を増すユーベルコードっす」
「えっ、攻撃力(意味深)……!?」

 どきっとした反応しているが何でどきっとしてるんでしょうね。
 ともあれ、【貴方色に染まる黒(リソウ・アクムノカレカノメーカー)】により藍亜のUDCがドーラ・ワルダー好みのイケメンへと姿を変える。
 それはまさしく彼女の好みをこれでもかと詰め込んだイケメンであった。とにかく顔が良い。めちゃくちゃ良い。

「や、やだ……イケメン……!」

 トゥンクと心臓を高鳴らせてうっとり顔、ドーラ・ワルダーの情緒にCRITICAL HIT!の文字が多分10個は出たダメージが入ったに違いない。
 だがそれだけで終わるワケがない。何故なら今この姿を形作っているのはUDCなのだから――!

「……あの世まで持ってくといいっすよ」
「えっ」

 刹那、イケメンに姿を変えたUDCの容赦なき腹パンがドーラ・ワルダーの腹を打ち据え、近くの壁に思い切り叩きつけた。
 ちゃんと自分の形の穴を開けてどんがらがっしゃんと派手に吹っ飛んだドーラ・ワルダーはまたしても尻を高く突き上げて倒れていた。もう一度言うがこの倒れてるポーズはキマフュ補正です。
 攻撃力(意味深)は本当に攻撃力だった。(意味深)の方の攻撃力もきっちりと上げているであろうが……

「…………これだからリア充はァァァァァァァァ――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 いやリア充関係ないです。
 怒り狂ったドーラ・ワルダー、頭から血を流しながら鞭をべしんべしんと振り回しながら突貫!

「じゃ、ボクの出番終わったんでるこるさん、よろしくっす」
「はい、任せてくださいねぇ」

 まるでここまでは想定していたと言うかのように藍亜はるこるにバトンタッチ。
 『FBS』を四肢に嵌めて浮遊し、『FMS』で防御も完備した彼女にそう簡単に攻撃は届かないが、そんなこと知らんとばかりに怒り心頭のドーラ・ワルダーは容赦なくそのバリアに鞭をぶつけ、思い切り跳躍!
 るこる目掛けて踏みつけ攻撃を行わんと突撃するのだが、もちろん彼女は気づかなかった。既にるこるの術中に嵌っていたことに――!

「"大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『神剣の加護』をお与え下さいませ"」

 ユーベルコード【豊乳女神の加護・誅剪(ムキュウナルセイジン)】によるカウンターが炸裂し、ドーラ・ワルダーはこれでもかと切り裂かれる!
 自身への攻撃、そしてそれを行った者、さらには彼女の持つ『祭器』が命中したものを尽く切断する強力なユーベルコード。
 彼女の『FMS』は一件近未来的な最新鋭装備に見えるが、これも豊饒の女神の使徒たる彼女のれっきとした『祭器』である。
 故に鞭を当てた時点でユーベルコードの発動条件は満たしていたのだ。自慢の鞭も何もかも微塵に切り裂かれ、ドーラ・ワルダーはまたも尻を突き上げて倒れ伏す……
 なんとなくこれだけで彼氏ができない理由を察せなくもない。

「ど、どうしてですの……スタイルが近くて、良い踏みつけもしそうな貴女なら、わたくしのこの気持ちをわかってくださると思ったの、に……ガクッ」
「ええと……お互いは異性の好みは違うと思いますのでぇ……ご愁傷様ですとしか言い様がないんですねぇ……」

 その一言がとどめとなったのか、ドーラ・ワルダーは完全に真っ白に燃え尽きる。
 ある意味で自分に介錯したようなもので、るこるは流石に合掌したのであった……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

斑染近・紬姫
そういえば、まだ猟書家のほうが残ってたわね?あーしなら部下が全滅した時点で、撤退してるところだけど?

いまからでもやれるリア充爆破が在るという事なのかしら?(あーしも立ち上がれと言うの?そうね、そうなのよね!!この世にリア充が残る限り、あーしは戦い続けるわ!)

次のクリスマスに向けて特訓よ!己が贖うには深すぎた罪を数えながら首を洗って待ってなさい!

っと、その前に猟書家ね、ほっとくわけにも行かないし。この程度で負けてたら、リア充ども相手に勝てないわ!

UC冬季限定で、真の姿:冬の王女にチェンジ、降り注ぐ氷柱で敵のムチを躱して、踏まれそうに成ったら、足元を氷結して隙かさず体勢を崩して、滑らせてやるわ。



●パターン3.リア充撲滅VSリア充撲滅
 さてやることはやったし帰るか、という気分になった斑染近・紬姫(女帝の分身・f29077)であるが。

「……そういえば、まだ猟書家の方が残ってたわね?あーしなら部下が全滅した時点で撤退してるところだけど……」

 確かにそれは戦術的には正しい。が、それでもドーラ・ワルダーが退かないということは――

「――いまからでもやれるリア充爆破が在るという事、なのかしら?」

 その時紬姫は啓示が下りたかのような悟りを開いた。
 今からでもやれるリア充爆破がある、それはつまり自分にリア充の使命を完全に課されたも同然。
 リア充を殲滅するのが汝が使命と言わんばかりの悟り――というか多分何か思い込みの心の声だとは思うが――を開いた。

「(あーしも立ち上がれと言うの?……そうね、そうなのよね!!!ええ、この世にリア充が残る限り、あーしは戦い続けるわ!!)」

 ずびしっ!と指を天に指し、紬姫は甲高く宣言する。リア充殲滅の誓いを――!

「次のクリスマスに向けて特訓よ!己が贖うには深すぎた罪を数えながら首を洗って待ってなさい!!」

 ああ憎い、リア充共が憎い。
 イベントがなければ愛を育めないとほざきクリスマスやバレンタイン、ホワイトデーに蔓延るあのバカップル共がすこぶる憎い!!
 何としても殲滅しなければならない!!でなければこの世に(非リア充の)安寧は訪れないのだ!!!

「……っと、その前に猟書家ね」
「わたくしを前座扱いするんじゃありませんわよ!!!!!!リア充への恨みは共感できると思ったのにこれだから猟兵は!!!」

 多分というか間違いなく猟兵関係ないがドーラ・ワルダーは怒り心頭で鞭を振り回してくる!

「この程度で負けてたらリア充共相手に勝てないわ!さあ、行くわよ!"心も体も凍えさせてあげるわ"!!」

 ユーベルコード【冬期限定】を発動し、紬姫は真の姿でドーラ・ワルダーに立ち向かう!
 このユーベルコードは誓いを立てて真の姿に変身することで自身の能力を著しく引き上げるもの、そして紬姫が立てた誓いとはそう、「クリスマスに溢れ出すリア充は爆発しろ」である。
 正義なのかって?多分非リア充の皆さんからしたら正義なんで正義なんじゃない?
 ともあれ、真の姿になり氷を操る力を手にした紬姫は降り注ぐ氷柱でドーラ・ワルダーを牽制!氷柱が鞭の軌道上に突き刺さり、紬姫に届かない。

「ぐぬぬ、おのれちょこまかと!!」

 リア充への怒りかドーラ・ワルダーの鞭は氷柱をブチ折っていく!とんでもない馬鹿力である。きっと彼女からしたら火事場の馬鹿力なんだろう。
 紬姫はそのむちゃくちゃに振るってくる鞭をフェアリーらしく華麗に舞ってかわしていくのだが、ドーラ・ワルダーの執念たるや恐ろしく服の端に鞭がかする。

「もらいましたわァッ!!」

 ユーベルコードのトリガーを満たし、そのフェアリーの小さな体をハイヒールで思い切り踏んでやろうと勢いよく突進するドーラ・ワルダーであったが……

「ふぎゃっ!?」

 紬姫がすかさず足元を凍らせたことによりつるん、と滑り運悪く突き刺さった氷柱に頭を盛大にぶつけるという痛々しいカウンターを食らう羽目に。
 あまりの勢いだったのか、その勢いで氷柱が砕け、ドーラ・ワルダーはまるでブリッジしたような姿で倒れた。器用だなオイ。

「これでよし。さ、帰りましょ」

 帰って食べるみかんはさぞ格別だろうと思いながら、紬姫はグリモアベースに帰投した――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

乱獅子・梓
【不死蝶】
合コンにしれっと猟書家が混ざってるって凄い光景だな…
しかも潜入とかじゃなくてちゃんと合コン目的という
あれ?猟書家の目的って何だっけ(お目目ぐるぐる
何もしないで逆恨みで暴れているのかと思いきや
ちゃんと自分なりに欠点を認めて
努力していたという部分についてはまぁ褒めてやろう

こういうの普段から侍らせているから
変な男ばっかり寄ってくるんじゃ…!?
召喚された下僕を見てそんなこと考えつつ
UC発動し、成竜の焔に力自慢下僕の相手をさせる

その間に使い魔の颯をこっそりと放ち
迂回しながら目立たないようにドーラに接近させ
死角から颯による攻撃を仕掛ける
ご自慢の下僕は消えるだろう
そうなればドーラ本体へ総攻撃だ!


灰神楽・綾
【不死蝶】
うーん、これは模範的なキマフュー的オブリビオン(褒
逆に、ドーラ・ワルダーの好みってどんなタイプなんだろうね?
ちょっとあとで聞いてみようか

力自慢の下僕は梓たちに任せて
俺はテクニック自慢の下僕の相手をしよう
どんなテクニックを見せてくれるのかな?
UC発動し、強化した反応速度で敵の動きを見切り
敵の攻撃を躱したり武器で受け止めたりと
普通に戦っているふりをする
本当の目的は梓の使い魔が攻撃するまでの時間を稼ぐこと

ドーラのUC解除に成功したら
本体を叩くべく愛用のEmperorを構えて一気に接近

ねぇねぇお姉さん、どういう男が好みなの?
最初の疑問をここでぶつけてみる
まぁ聞いただけなんだけどね



●パターン4.大体反応から好みってわかるよね
「うーん、これは模範的なキマフュー的オブリビオン」

 灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は感心したように頷いていた。
 まさにこのノリと奴に降りかかるギャグ補正、ドーラ・ワルダーはまさにキマフュの申し子の一人と言っても過言ではないオブリビオンである、と彼は思った。

「合コンにしれっと猟書家が混ざってるなんて凄い光景だな……しかも潜入とかじゃなくてちゃんと合コン目的という……あれ、猟書家の目的って何だっけ……」
「おーい梓、戻っておいでー」

 乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)の目がぐるぐるしてきたので綾が彼の前で手を振ればはっとして正気に戻る。

「すまん、正気に戻った……」
「まあ梓的にはお目々ぐるぐる案件な気はしたしねえ」
「俺でなくてもこうなると思う」

 多分他の猟兵でもこうなる人はたくさんいると思う。猟兵はそれこそホントにたくさんいるので反応もピンキリですよ。

「でも逆にドーラ・ワルダーの好みってどんなタイプなんだろうね?ちょっと後で聞いてみようか」
「それを聞く必要はあるのか?まあ別にいいんだけど」

 いいらしい。ともかくそろそろ戦闘した方がいい気がするので梓はドーラ・ワルダーに向けて啖呵を切る。

「ドーラ・ワルダー!何もしないで逆恨みで暴れているのかと思いきや、ちゃんと自分なりに欠点を認めて努力していたという部分についてはまぁ褒めてやろう!」
「ぐっ……偉そうにと言いたいけどグラサン越しからもわかるイケメンオーラ……言われて悪い気はしませんわね……!!」
「いやその反応は予想外だが……?」

 何か顔を赤らめて照れくさそうなオーラを出しておられるドーラさん、流石に梓も困惑である。
 もしかしてイケメンであれば誰でもいいのだろうか、と綾はその会話を聞いて思った。

「くっ、背が高い上にイケメンの二人を相手にするのは少しばかり心苦しいですが、これも猟書家として骸の月を顕現する為!下僕たち、やっておしまいっ!」

 血涙流して歯を食い縛りすぎて血も流れる程の葛藤を数秒だけしてからドーラ・ワルダーは力自慢の下僕とテクニック自慢の下僕を呼び出した!
 ドーラ・ワルダーが露出の高いボンデージ衣装なら下僕はブーメランパンツ一丁であった。いや強いていうならテクニック自慢の下僕はガンホルダーつけているんだが。

「――こういうの普段から侍らせているから変な男ばかり寄ってくるんじゃ……!?」
「お黙りあそばせ!!!!!!!!!!!!!!!」
「アッハイ!!!!!!!!」

 流石に梓も思わず反射的に返事をしてしまう気迫、流石猟書家恐るべし(?)。
 力自慢の下僕が勢いよく梓と綾の二人に踏み込んでくるので、それを交わしてそれぞれユーベルコードを発動する。

「"紅き竜よ、世界を喰らえ"!」

 【為虎添翼(ベルセルクフレイム)】の加護を得て成竜と化した『焔』が力自慢の下僕の拳を真っ向から受け止めた。
 成竜とも真っ向に力比べをできる辺り力自慢の下僕とはよくいったものだ。真っ向から殴り、受け止め続ける泥臭い応酬が始まる。
 梓と焔が力自慢の下僕と戦うなら、綾が受け持つのは必然的にテクニック自慢の下僕となる。

「さあ、どんなテクニックを見せてくれるのかな?」

 綾のその言葉を挑発と受け取ったのか、テクニック自慢の下僕は2丁拳銃を構え連続して数発発砲、床や壁や電柱といったあらゆるモノで跳ね返り、全てが精確にタイミングを同じくして綾へと向う。
 しかし既にユーベルコードを発動していた綾は素早く上半身を反らしてその全方位から向う跳弾を回避。
 【ヴァーミリオン・トリガー】により武器の重量すら関係ない高速移動ができるようになっている今の彼にそれぐらいのテクニックでは通用しないのだ。
 ならばと次は何と、弾の軌道そのものが不規則な弾を放つ。かの戯曲に出た射手が放つ弾のような軌道を描くそれを、今度は自らの血を付着させた『Emperor』で弾き返す。

「ぐぬぬ、流石猟兵、顔も良ければ実力もある……!」

 くぅ、とドーラ・ワルダーは歯噛みしながらその状況を見守っていた。
 なにせ自分がダメージを受ければこの下僕たちは帰らざるを得ない、そういうユーベルコードなのだ。
 だが、その発動条件を梓も綾も知っていることには気づいていない――それが彼女の仇となる。
 それもそうだ、今二人が真っ当に下僕と戦っているのはただの"演技"であることに気づいていないのだから。

「ん……?鳥……?」

 何かやけに羽ばたきの音が聞こえると思い空を見上げる。
 ――烏が飛んでいる。

「何だ、烏か……」

 よくあることだと思いスルーを決めようとしたその時、烏が急降下してドーラ・ワルダーの頭を思い切り突っつく!

「いっだぁ―――――――――っ!?!?」

 急降下による重力補正によりバカにできないダメージを受けたドーラ・ワルダー、しかしたんこぶで済んでる辺りキマフュ補正をめちゃくちゃ受けている。

「よし、よくやった颯!」

 そう、この烏、梓が使い魔として従えている闇烏の『颯』の接近に気取られぬよう二人して時間稼ぎしていたのである。
 颯の一撃により、ドーラ・ワルダーが負傷したということはユーベルコードの解除を意味する。力自慢の下僕もテクニック自慢の下僕もぽん!と煙を上げて消えていった。
 しまった、という顔をしてももう遅い。あとは総攻撃を仕掛けるだけで終わるのだ。
 現に彼女の眼の前には、もう綾が目の前に接近していた――!

「くっ……おのれ猟兵……っ」
「ねぇねぇお姉さん、どういう男が好みなの?」
「えっ!?それは……言わずともわかりますでしょう!?」
「まぁね。聞いただけだし」

 梓の啖呵に対して割とまんざらでもない反応を返していた時点でだいたい察せました。
 そのまま綾と、梓の指示で突貫した焔によってドーラ・ワルダーは総攻撃を受け吹っ飛んでいった。
 やな感じという暇なくふっ飛ばされていく様はまさにあの部下(押し込みクーリエズ)にしてこの上司ありである。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

サンディ・ノックス
依頼を受けた時はからかってやるつもりだった
でも身の上話聞いたらそんな気失せちゃった
大前提として、俺は過去を絶対に骸の海に還す主義
だから最終的には攻撃するけど…それでいいならデートしない?

俺は本気だよ
努力が報われなかったヒトを殺してハイおしまいにしたくないだけ
…いや、見た目を地味に作ってるし、終わったら殺すって言ってるような奴とは御免だと言われても当然だから思いのままにどうぞ
(片思いをしていることは言わない)

デートに乗ってくれるなら
リア充がたくさん居る場所だ、いい雰囲気のところなんだろう
そこを回って“ドーラさん”を褒めちぎる

拒否された場合は戦闘
指定UCを発動、鞭を斬り払い攻撃回数を活かして攻める



●パターン5.最後に良き思い出を

「……やる気失せちゃった」

 サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)は剣を収め、ドーラ・ワルダーは口をぽかん、と開ける。

「……はい?」
「依頼を受けた時はからかってやるつもりだった。でも、身の上話聞いたらそんな気失せちゃった」
「はあ!?わたくしを哀れんでますの!?!?」

 ドーラさんおこです。めちゃくちゃおこです――が。

「大前提として、俺は過去を絶対に骸の海に返す主義、だから最終的には攻撃するけど」
「な、何ですの戦うならいいんですのよ、ええ、戦うなら……」
「……それでいいならデートしない?」
「ええ、いいですわyえっ????」

 耳を疑った。
 今この猟兵はデートしないかと言ったのか?マジで??何で???
 頭をたくさんのクエスチョンマークが飛び交う。その反応は当然だろうと思いながらもサンディは続ける。

「え、あの、デート??マジ???です????の?????」
「俺は本気だよ。努力が報われなかったヒトを殺してハイおしまい、にしたくないだけ」

 これはサンディの本心からの言葉だ。一度でも目標の為にたゆまぬ努力を続けた人物は報われなければならない。
 例え相手が彼基準で"ヒト"からは離れていようとも、その離れてしまった理由がそうであるならば――
 故に、こう話を持ちかけなければ自分が心にもやもやを抱えたまま終わってしまいそうな気もしたし、今告げたのも本心だ。
 オブリビオンであり猟書家、敵ではあるのだが。それでも"ヒト"ではあるのなら、と。

「……見た目を地味に作ってるし、終わったら殺すって行ってるような奴とはごめんだと言われても当然だから。思いのままにどうぞ?」

 その胸の内に秘めた想いはそのままそっと心の箱にしまっておきながら、まっすぐな瞳でそう語りかけるサンディ。
 ドーラ・ワルダーはどきっ、として顔を赤らめる。
 サンディも負けず劣らず整った顔立ちの為条件は満たしているし、敵でありながらこんなに誠実な人物見たこと無いやという気持ちの方が強いし。

 そして何より……そう、何より一度でいいからデートしてみたい!!!!

「……い、いいでしょう。その話乗って差し上げますわ……着替えてきますからお待ちなさいな!!」
「交渉成立だね。じゃあ俺は待ってるよ」

 ――かくして、猟兵と猟書家という相反する二人のデートが成立した。


「似合ってるじゃないか」

 着替えてきたドーラ・ワルダーを見てサンディは微笑んだ。
 ボンデージ姿からは想像もつかぬ露出抑えめのロングスカートに縦セタとカーディガン、そして赤縁メガネ。 普段のノリとは正反対である。

「ま、まあ普段はわたくし好きで露出しているワケではありませんし……悪の組織を率いるにはああいう衣装が良いと学んだものですから……」
「なる程、まずは形からということだね。勉強熱心な人だ」

 にこやかに言えばドーラ・ワルダーは顔を真っ赤にして目を反らす。どうやら褒め慣れていないようだ。

「と、とにかく行きますわよ!」
「そうだね、行こうか」

 デート開始である。
 サンディが手を差し伸べれば、ドーラ・ワルダーは少し戸惑いながらもそれを握り、端から見ればどこからどうみてもカップルだ。
 リア充がたくさんいる場所なのだから、さぞ良い雰囲気のところなんだろう。
 ゲーセンにもたくさんのカップルがUFOキャッチャーにチャレンジしている様子が見受けられる。

「あっ、アレは……」

 そのうちの一つのUFOキャッチャーにドーラ・ワルダーの目線が釘付けになる。
 とても可愛らしいいるかの巨大なぬいぐるみが景品だが、先程からたくさんのカップルが挑んでは敗れている様子。

「ぬいぐるみか。俺はこういうのあまり得意じゃないからね……」
「いいえ、わたくしが自らの手で勝ち取ります。この手のゲームにはコツがあるんですから!」

 勇み足でゲーム台の前に立ち、迷うことなくコインを投入。
 イルカのぬいぐるみは巨大で、当然一度では取れはしない。だが、何度もキャッチして持ち上げるを繰り返すとその時に傾くのもあり、自然と位置がズレる。
 故にそもそも一発で取ることを考えてはいけない、そして的確に位置をずらしていかなければならない――
 繰り返すこと約6,7回、がこん、と景品の取り口に無事イルカのぬいぐるみが投入された。

「やった!!やりましたわ!!ああ、可愛くてもふもふ……!!」

 手に入れた景品を抱きしめてきゃっきゃとはしゃぎ、その柔らかさに幸福そうな表情を浮かべるドーラ・ワルダーの姿は、どこにでもいる普通の人間と変わらないそれだった。
 ――うん、やはりこうしてよかったとサンディは思った。そして、その上で。最後に骸の海に返すとは言え満足してもらう為に。

 と に か く 褒 め ち ぎ る !!!

「凄いね、他の人たちはもっとお金をかけていたけど……少ない回数で取れるものなんだ」
「ええ、こういうモノは予めそうして稼がせることが目的ですから。景品毎の特徴とキャッチャーのアーム部分の特徴を見極め、それに合わせた方法で取っていけば……」
「そこまで調べてやり込んでいるのか。本当に努力家なんだね、"ドーラさん"は」
「べ、別に、そんなことありませんわ……でも、ありがとうございます」

 彼女の一挙一動をしっかりと見て観察し、にこやかな表情でこれでもかと褒めまくっていくサンディ。
 ドーラ・ワルダー――いや、今はただのドーラさんですね。ドーラは照れくさそうにしながらも嬉しそうな顔で小さく感謝を告げる。
 次はどこに行きたいか訪ねて、彼女の望む場所を好きなだけ周り、その度に彼女の意外な一面や根の良い部分、努力がわかる部分を見つけてはこれでもかと褒めちぎった。
 褒められる度に嬉しそうに笑うドーラは、猟書家という猟兵に相容れぬ存在とは思えぬごく普通の"ヒト"のそれで。
 骸の海に返す主義であるサンディだが、もしそれに返った後、正しく生まれ変われる機会があるのなら。もし神がいれば与えてくれるのではないだろうかと、ふとそんなことを思った。


 ――と、そんな感じでデートをしていたのだが時間というものはあっという間ですっかり日は暮れつつあった。
 見晴らしの良い場所から夕日が沈んでいくのを見ながら、二人は"猟兵と猟書家"という本来あるべき関係に戻る。

「満足してもらえたかな?」
「ええ、これこそわたくしが求めていたものです……実に充実した時間でしたわ。礼を申し上げましてよ」
「それはよかった」
「ですが、わたくしは猟書家で貴方は猟兵。相容れぬ立場である以上、戦うしかありません」

 鞭を構えるドーラ・ワルダー。
 そう、例えどんなに幸福な時間をくれようとも己が使命は忘れてはいない。腐っても猟書家なのだ。

「そうだね。俺も最初に大前提として、過去を絶対に骸の海に返す主義だと、告げていたし」

 それに答えるかのようにサンディも黒剣を鞘から抜いて。
 互いに黙して語らず。
 限界までタイミングを見極め――渾身のユーベルコードによる一撃を放つ。
 交差する猟兵と猟書家、互いの位置が入れ替わるかのように駆け抜けた二人。

「……見事、ですわ……猟兵……」

 敗れたのはドーラ・ワルダーであった。

「ですが……わたくしを一度骸の海に返したからといって、調子に乗らないことですわね……オブリビオンは、何度でも過去から、やってくるのですから……ね」

 その言葉を最後に、彼女の体はすぅ、と消えて骸の海へと返っていく。

「――なら、何度でも過去に返すだけさ。それが俺のやるべきことだから」

 敢えて振り向かず、黒剣を鞘に収めてサンディはその場を立ち去りグリモアベースに帰投した。
 彼の尽力により、恐らくもう二度とリア充爆破を企むドーラ・ワルダーは現れないかもしれない。
 でも、もしかしたらそれでもリア充を憎む彼女が現れることもあるかもしれない。
 だがどちらにせよサンディの、そして猟兵たちのやることは変わらないのだ。
 世界を再び混乱に陥れようとする猟書家を止めるのは、猟兵に課せられた使命の一つなのだから……

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月18日


挿絵イラスト