ドルオタTCG道~シャカパチはギルティ
●次回「バグドル×お財布×大ピンチ」 散財スタンバイ!
人はなぜ沼にハマるのか? そこに沼があるからだ。
ではふたつ沼があったら? 両足と頭を突っこむ、これぞ唯一の正解である。
……なんてやりとりがあったかは定かではないが。
バグドル応援ちゃんことバーチャルキャラの怪人たちは、日夜推し活に忙しかった。
そんな折、何でもカードにできる魔法使いのような男に出会ったのだから、
これはもう新たな沼への誘い、いや運命の導きであった。
バグドルの目の前にいるのは猟書家、忌火起・レッカ。
巷を席巻するカードゲーム「堕悪苦(ダーク)TCG」の仕掛け人である!
「クックック……オレの作戦通りだぜ!」
レッカの元に集められたゴッドペインターたちは、
強力なカードを作るための強制労働に駆り出されている様子。
どういう理屈かはわからないが、豪華なイラストが描かれるほど、
カードがパワーアップする仕掛けらしい。
「見やがれ、この神がかったイラスト、ホロ加工! ただでさえ強い上に全部最高レアリティで揃えたオレのデッキ、向かうところ敵はねェ!」
一人高笑いを響かせる、レッカをよそに。
「はーい、推しちゃんの特殊キラ加工をこういうナナメってる感じでお願いしっまー♪ あ、ギャラはこのぐらいで」
先を考えない金銭感覚バグドルちゃん。
あろうことか全額カード払いで推しのカードのハイレアリティ加工を発注していた。
●カードはルールと節度を守って
その日、グリモアベースに現れた猟兵は、ユイン・ハルシュカと名乗った。
「はじめまして、と悠長に交わしている暇はない。早速お前たちに頼みたい仕事がある」
挨拶もそこそこに山羊頭を模した杖を掲げれば、空間に浮かび上がるのはキマイラフューチャーのとある街の風景。
街では奇妙な『札』を構えた者達が、所構わず戦いを繰り広げていた。
「TCG……トレーディング・カード・ゲームというんだろう? 猟書家の力の影響で、街では今、闇のカードゲームで怪人たちによる巻き上げ行為が行われている」
出会えば即カードバトルの無法地帯と化した街は、怪人の襲撃を恐れてまともに外も歩けない有り様だという。
「ぜひともお前たちには企みを砕き、怪人と猟書家を打ち倒してきてほしい」
そういうと、ユインは具体的な説明に入る。
まず倒すべきは、バグドル応援ちゃんこと、元バーチャルキャラクターの怪人たち。
アイドル応援に精を出していた彼女たちは、何を吹き込まれたか、推しのアイドルをカード化したデッキで街の人を襲っている。
金銭やカードを巻き上げ、場合によっては攫う事もあるらしい。
「彼女たちは特に、ゴッドペインター……絵の描ける住人を狙っている。理屈は分からないが、いい絵をカードに描いてもらうとカードが強くなるらしい」
レアリティ、というものが上がるのだろう? と、ユインは知ったばかりの知識をかざして胸を張った。
「彼女たちを退ければ、首魁である忌火起・レッカの居所も分かるだろう」
幹部である彼を倒せば、事態は収まる。
ただし、いつも通りの戦いを挑めるわけではないとユインは続ける。
「先も言った通り、今の街はカードゲーム空間。お前たちの持ち込む力もすべて、カードの形に置き換えられる」
戸惑う者も多かろう。何せ、剣を振ろうにも得物はカードの中にあるのだ。
使うと宣言せねば現れぬのでは、歴戦の者であるほど感覚が狂う。
「いつも通りには力が発揮できぬ、と肝に銘じておくといい。だが、運を手繰り寄せお前たち自身の切り札を引けば、必ずや勝機は見えるだろう」
カードとなった自身の力をどう使いこなすかが、勝利のカギとなるとの事だった。
いつもと違う戦い。乗り切るための秘訣を問われたユインは「ああ、そうだ」と忘れていたように付け加える。
「お前たちの側も、すごい絵を描いてもらうのはどうだ? 襲撃から守ってくれると分かり、信頼を築けば、そうした事も可能なはずだ」
良い絵を描いてもらう事でパワーアップするのなら、こちらも利用しない手はない。
使えるものは全部使う、それでこそカードバトルだろう。
もう説明は十分だろうと、ユインは転送のゲートを開く。
「さあ、力の見せどころだ。どんな盤上であろうと、ボクたち猟兵が上手である事を示してくるとよい」
策略の時間だ――にじむように広がる転送門の向こうには、既にキマイラフューチャーの街並みが覗いていた。
晴海悠
お世話になっております! 晴海悠です。
今回はキマイラフューチャーでの猟書家戦をお送りします。
採用数は若干少なめですが、『ライト版』感覚でお気軽にどうぞ!
『プレイングの受付』
オープニング公開と共に受付開始します! 断章もプレイングに影響が出ないものとなりますので、いつ送って頂いても大丈夫です。
『1章 集団戦』
バグドル応援ちゃん。
推しに熱を上げるあまりバグってしまった悲しきドルオタです。
今回なんとカードバトルに参戦、応援グッズもLOVEうちわもぜーんぶ特殊加工で発注(※自費)してしまう凝り性っぷり。
来月には巨額のカード(信用の方)払いが待ってるみたいなので、地獄を見る前に倒してあげて下さい。
『2章 ボス戦』
忌火起・レッカ。
悪の組織『堕悪苦(ダーク)TCG』の首領として闇のTCGを広める、幹部猟書家です。
無理やりゴッドペインターに描かせたカードを使用しており、デッキはカード券面がキラキラ輝いてる豪華フルアート仕様です。
プレイングボーナス(1・2章共通)……ゴッドペインターに応援される
ゴッドペインターと仲良くなり、猟兵のカードにすごい絵を描いてもらえば、なぜかカードがパワーアップします(一度描いてもらった絵は2章まで有効です)。
『カードバトルについて』
この街では、すべての戦いがカードバトルとして行われます。
ユーベルコード・アイテム、攻撃行動なども『カードの使用宣言』の形で効果を発揮します。
できる限りで構いませんので、皆様のお得意の戦術がカードでどう表現されるのか、考えてみて下さい(お望みの方向性さえわかれば、お任せも喜んで承ります!)。
『だいじなお願い』
お好きなシステムやコンボ等があれば、雰囲気を寄せてそれっぽく書きたいと思います……が。
商標名・アニメの名前・特有のカード名等が具体的すぎると、泣く泣くプレイングを見送る場合がございます。
固有名などは伏せる・ぼかすの配慮をお願いいたします!
(ちなみに、机の下で第二のバトルを始めるくらいのネタは通じます。多少コアでも遠慮なくどうぞ)
『その他』
なお、TCG道に反する行為(シャカパチ、卓バン等)にはどこからともなく鉄アレイが飛んできます。敵味方問わず。ダメージ? 演出です。
それではリプレイでお会いしましょう! どうぞ、楽しいカードバトルを!
第1章 集団戦
『バグドル応援ちゃん』
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POW : ドルオタの嗜み!
自身が装備する【アイドル応援グッズ】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。
SPD : もちろん推しにラブ・マックス!
【アイドルLOVE!】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
WIZ : 同担大歓迎!
【同じアイドルを推す仲間】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[同じアイドルを推す仲間]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
イラスト:深空ヒロ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
人の話を聞かないバグドル応援ちゃんたちは、推し活の事しか頭にない。
TCGとか正直わかってないけど、皆が推しを好きになればそれでいいのだ。
「まずはー、みてみてっ♪ 推しちゃんのー、推しカラーペンラ♪」
勝負を吹っかけた相手に、見せびらかすようにカードを多量展開し。
「それからー、推しちゃんの顔入りのーうちわっ♪」
ライブに映える蛍光色のうちわもカード化済、使ったとたんに場のモンスターの攻撃力が効果音付きでピピピッと上がる。
「あ、あと同担の集まりで撮った自撮りも見てねっ♪」
なんと自分の姿までカードにした彼女たちは、集まった数に応じて能力が強化される凶悪仕様。
この調子で「素敵な絵を描いてねっ♪」と迫られては、ゴッドペインターも嫌気がさしてしまう。
街にあふれるバグドルちゃんに立ち向かえるのは、いまやキミ達猟兵だけだ。
さあ、カードを手に取ろう!
キミ達の力を封じ込めたデッキが、反撃の一手を待っている。
花咲・翁
「・・・元々召喚系は得意だったから、違和感ないな・・・むしろ、面白い・・・」
基本的な戦術はいわゆる自分の墓地に多くのカードを落とすデッキになると思います(例としては、【激痛耐性】で自分のダメージを山札から墓地に送ることで肩代わりや【魔天牢の門】で毎ターン山札から墓地に送ったりなど)。
必勝パターンとして【捕縛】で相手のカードを無効化し、墓地のカードの数だけ強化される【獄卒獣の凱旋】で蹂躙したいです。
アドリブ及び連携は大歓迎です。よろしくお願いします。
街の随所で繰り広げられるバトルに、巻き込まれる者は後を絶たない。
「……ふむ、カードか」
光景を見て口を開いたのは花咲・翁(魔天牢の看守長・f33065)、閻魔王より賜りし力で生死を分かつ、静かなる看守だ。
放置できない事態なのは確かだ。だが血色の悪い顔とは裏腹に、彼の心は未知の戦いに踊っていた。
「……元々召喚系は得意だったから、違和感ないな……」
死者の世界に半分浸かる彼にとって、何かを喚ぶ行為は幾らか馴染み深い。自分勝手にカード勝負を挑むバグドルの前に、翁は静かに立ちはだかる。
「……むしろ、面白い……その勝負、僕が代わりに受けて立とう……」
「ちょ、なーにっ? 私ちゃん、推しちゃんに興味ない人に用はないんだけどっ」
バグドルは顔色の悪い翁に一瞬気おされるも、すぐに考えをあらためこう返す。
「あ、気が変わった♪ 僕ちゃんも推し活はじめればいいよねっ、同担も大歓迎だよーっ!」
「……僕? ……ふ、まあいい」
目と目が合ったら、バトルの合図。翁の血の気のない唇が、いつになく不敵な笑みを浮かべた。
先攻をとったバグドルは、自分と同じ姿のアイドル型モンスターを召喚する。
「同担で集まるとねー、とっても楽しいんだよーっ♪」
序盤から出てくるバグドルは、単体ではさしたる力を持たない。
だが、彼女の真骨頂は数攻めだ。放置すれば仲間の数だけ、アイドル型モンスターは強化されてしまう。
対する翁が握るのは闇属性のデッキ。別段何をするでもなく、場に一枚のカードを伏せて番を終える。
「およ? 攻撃してこないのなら私ちゃん、いっちゃうよー♪」
容赦なく仕掛けてくるバグドルたちにも、翁は「聖痕」のカードを発動、山札にダメージを肩代わりさせるのみ。
さらには棺桶の描かれた「魔天牢の門」で、なんと自分から山札を削る始末。あまりの奇行に、カード慣れしていないバグドルちゃんは戸惑いを隠せない。
「ちょっとちょっと僕ちゃん、自分から負けちゃうのー??」
「……ふ……痛みに耐えてこそ……」
バグドルは構わず攻め続けるが、彼女とて無尽蔵に手を打てるわけではない。
勝機を焦り、無理して多量のカードを投じた時。ここだとばかり、翁の罠カードが炸裂する。
「……トラップ発動……大罪の縛鎖よ、奴の動きを縛れ……」
罪人を魂ごと縛る棘付きの鎖が、翁の意に従いみるみるうちにバグドルの切り札を縛り上げる。
「ちょっと何これぇー!?」
チャンスは見えた。あとは耐えに耐え凌ぎ、溜めてきたものを解き放つのみ。
「……看守権限」
墓地肥やしからの再生――リアニメイトとも呼ばれる戦術。墓場から死者を蘇らす禁断の手法により、飢えた獣がイレギュラーな道を通って場に現れる。
「……獄卒獣よ……我が覚悟の炎を焚べ、断罪のギロチンを振り下ろせ」
獄卒獣。墓地に送られたカードの数だけ強化される地獄の獣が、圧倒的なパワーでバグドルを襲う。
「……獄卒獣の凱旋《ヘルビースト・パレード》……!」
「きゃああーっ!?」
春の桜が散るように。猛追を受けたバグドルちゃんは、ぽわんと儚げな光を残して消え失せるのだった。
成功
🔵🔵🔴
ニレ・スコラスチカ
トレーディング、カード…ゲームですか…?
ゲームは不慣れですが、これも異端を滅ぼす為。可能な限り努力します。ゴッドペインターの方にも助力を要請しましょう。一方的な推しの押し付けはさぞ不愉快だったでしょう。大丈夫、しばらくはこのゲームをやりたくないと思わせてきます。
あらゆる武器や能力がカードになっている…ならば、どんなに強い相手でもカードが使えなければ意味がありませんね。【審問】で手札を破壊、さらにカードが形になる前に【反駁】でカウンターを。それは通しません。それも通しません。通しますが返しで除去します。X=3、手札を3枚捨ててください。
相手のデッキが無くなるまで続ければわたしの勝ちですよね?
街中で繰り広げられる武器を用いない戦いに、ニレ・スコラスチカ(旧教会の異端審問官・f02691)は一瞬困惑の表情を浮かべた。
「トレーディング、カード……ゲームですか……?」
異端狩りに明け暮れるニレの日々にゆとりは少なく、こうした遊びにも疎い。
だが、バグドルたちは可愛く見えてもオブリビオン。倒すために必要であれば、手段にこだわるニレではない。
「ゲームは不慣れですが、これも異端を滅ぼす為。可能な限り、やってみましょう」
絡まれかけていた絵描きの青年に声をかけ、バグドルから一時引きはがす。
「一方的な推しの押し付けはさぞ不愉快だったでしょう。大丈夫、しばらくはこのゲームをやりたくないと思わせてきます」
ゴッドペインターの「え、そこまで?」という声は、ニレには届いていなかった。
◇ ◇ ◇
「私ちゃんに勝負? いいよっ♪ でも負けたらあなたも推しの事広めてねっ!」
バグドルの見せびらかすカードは、いずれも豪華イラストのレアカードばかり。対するニレの手には、闇属性と思しきカードが握られていた。
「推しちゃんへのLOVE、全開っ♪ 私ちゃん、強くなっちゃうよー♪」
彼女が召喚したのはバグドル自身のカード。うちわにペンライト、推しグッズを身につけるたびバグドルの攻撃力は上がっていく。
「あらゆる武器や能力がカードになっている……ならば」
相手の出方を見ながら、ニレは着々と戦略基盤となるカードを配置していく。
一見優勢に映るバグドルだが、攻撃を急くあまり彼女は手札を使い過ぎた。
「そこです……『審問』」
ニレの使った生体拷問器のカードがバグドルを取りまき、思考を制限するように彼女の頭を締め付ける。
きゃっ、と悲鳴をあげ手放したカードは、瞬く間に虚空へと消えた。
あらためてバグドルが手元を見ても、そこに手札はない。手札ゼロ――それは即ち、打つ手がなく無抵抗な状態を晒すのも同然だ。
バグドルが呆然とする間にも、巨大化したバグドルへ除去の呪文。再生も許さず丹念に潰される自身の姿に、バグドルは「ひどーい!」と猛抗議。
「ま、まだ……私ちゃん神引きするもん!! ほら引いた、いっけー私の」
「無駄です、『反駁』」
呼び出されたカードが形を得る前に唱えられる、打ち消し魔法のカード。輪郭だけ現れて散り散りになる推しアイドルの姿に、バグドルの視界がじわりと滲んだ。
「じゃ、仲間召喚SNSを」
「それは通しません」
「お、推しちゃんの出待ちゲート」
「それも通しません」
「う~……ね、ね、推しちゃんのペンラぐらいいいでしょ?」
「通します。が、返しで除去します」
「鬼ーー!!」
どことなく、青と黒の混ざってそうな動きである。
「もういいもん! それだけ使ったらもう打ち消しのカードもないでしょ!」
ぷんすこしながら次の番を待つバグドルは、何やら手札をため込んでいる様子。
今度こそ、とカードを持つ手に力が入るのを、ニレは見逃さない。場に出した自身のカードを代償に、ニレは処刑鋸のカードを指先に掲げた。
捧げた生贄の数だけ黒い球体が現れ、ニレのそばへ付き従う。
「数も丁度です。手札を全部捨ててください」
ぱさり――推しのキラカードを取り落とし、バグドルちゃんは表情の固まったまま消えていく。
「デッキが無くなるまで……は、もちませんでしたか」
仕事を終えたニレは涼しそうな顔をしていたが、彼女にあえて問いたい。
カウンター、除去、ここぞとばかりのハンデス――あなた経験者ですね??
大成功
🔵🔵🔵
レン・デイドリーム
この世界は相変わらず何でもありだね……
浚われそうになってるペインターさんを助けに行くね
君のことは僕達が助けるよ
代わりに……シュエの絵を描いて欲しい
世界一可愛くお願いするね
え、ただの触手じゃないかって?
……あとで改めて発注文を用意しておくよ
とりあえず用意が出来たらバグドルちゃんと戦闘だ
僕は武器を使わないし、こう……魔法カードっぽくなるのかな
敵がいっぱい集まるなら纏めて攻撃しよう
『白影共鳴・嵐』だ
発狂の状態異常は……ええっと
デッキ?らいぶらりー?をどんどん削っていくイメージかな
何かのゲームだとデッキがその人の知識だと表現されてたからね
頭空っぽになって意思を無くして負けるといい
……これでいいのかな?
猟兵に戦いを挑んだバグドルが返り討ちにあい、膝をつくのが見えた。仲間の倒れる様子を見ても、残りの彼女たちは見向きもしない。
どうやら本当に、推しを広める事しか眼中にないらしい。
「この世界は相変わらず何でもありだね……」
実体を帯びて召喚されるカードに若干面食らいながらも、レン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)は攫われそうになったペインターとの間に割って入る。
「君のことは僕達が助けるよ」
「ほんとですかっ!?」
颯爽とかばってくれた長身のイケメンに、絵描きの少女はまんざらでもない様子だったが。
「代わりに……シュエの絵を描いて欲しい。世界一可愛くお願いするね」
うにょん。袖や襟、あらゆる隙間から顔を覗かせる触手型UDCが、照れてはにかむように小さく震えた。
「え……シュエってそれ……えー……?」
ないわー、って顔で固まる少女には、可愛さが伝わらなかった様子。
「……シュエの魅力は言葉にしづらいからね。あとで改めて発注文を用意するよ」
一瞬残念そうな顔をしつつも諦めないレン。バグドルにとっての推し以上に、彼のシュエへの愛情は深かった。
◇ ◇ ◇
人間以外、それも触手を描くのははじめてだという少女。
彼女の持てる画力で精いっぱい描かれたシュエを手にし、レンはバグドルの前へと立ち塞がる。
「さて、君が僕の相手かな? 一つ、手合わせをお願いするよ」
先んじてレンが置いたのは、白い星の欠片のカード。単体では意味を成さない魔術の道具が、骨董市のように並べられていく。
「あっれー、そんなにのんびりでいいのー? 私ちゃん、どかーんと攻め込んじゃうよっ♪」
SNS発信のカードを使い、バグドルは次々と味方を召喚。同じ推しを崇める『同担』の力で、高まるパワーは青天井だ。
対するレンはまだ準備の途中。攻撃を防ぎこそすれど、武器や攻撃魔法を使う様子はない。
「これはもう勝負もらっちゃったかも♪ これだけ並んだら、もう倒されっこないもんねー!」
すっかり油断してリソースを気にせず、どんどん並べていくバグドルちゃん。恐らく彼女はカード勝負の典型的な負けパターンを知らないのだろう。
「いっぱい集まってくれたし、ちょうどいいや。行くよシュエ、纏めて……『白影共鳴・嵐』!」
星の欠片が共鳴し、白く入り乱れるシュエの嵐を呼ぶ。
丹精こめて、枠いっぱいにみっちり描かれた触手の群れ。恐らくこれ描き切るまでに人物三人くらいは描けたんでないか、というほどの力作だが、努力の甲斐あってカードの魔力は最高潮。
押し寄せる、白い触手の波。神が怒るのにも等しき全体魔法が、無警戒に並んだバグドルたちを飲み込んでいく。
「うそー!?」
だが悲劇はこれだけに終わらない。白き嵐の真価は、過ぎ去った後にあった。
「もー!! 私ちゃん、怒った! こうなったら次のカードで……あれ??」
引こうとして、スカッ。もう一度確かめるように手を伸ばすも、するん。
宙に浮かんだバトルフィールドの、デッキを置いたはずの場所には何もない。
あらためて場を見渡せば、そこには狂乱状態に陥りカードをむしゃむしゃ食べるバグドルたちの姿が。
「ちょーー!?」
カードを使って戦うならば、カードをなくせばいいじゃない、と。俗にいうライブラリーアウト、山札切れ勝利であった。
「頭空っぽになって意思をなくして負けるといい」
へなへなとくずおれ、空へ消えていくバグドルちゃん。戦いを終えたレンはふと、絵描きの少女の無事を確かめるように後ろを振り返る。
彼女は五体満足だ。怪我もしていない。
ただ、表情は恍惚として、瞳は熱に浮かされているように潤んでいて。
「ダメ。私、もう触手しか描けない……」
ぽっ。何かイケナイものに目覚め、スケッチブックのイケメンの肌に触手を這わせはじめたペインターの少女。けれどせっかくシュエの魅力が通じた(?)事にも、レンの反応は淡白で。
「……これでいいのかな?」
新規開拓という事で……いいんじゃないでしょうか。本人満足そうだし!
成功
🔵🔵🔴
コトト・スターチス
辻ヒーラーのコトトですっ
今日はカードゲーム配信をしますね!
こういう相手は増えすぎる前に倒すのがいいらしいです!
ということでまずはじゅんびをしながら、低コストの武器『メイス』と『リテラチャー』を召喚します
これだけだと対抗できなさそうですが…ここで『はなことば』をつかいます!
武器が桜の花びらとなって、バグドルちゃんたちを攻撃します
そしてすかさずトラップカード『さんかがたきかく』!
これは、攻撃…つまり花びらが当たった敵全員に、視聴者のお兄ちゃんたち操作のドローンの【弾幕】で、超つよつよな攻撃ができるコンボ技!
一気に倒しちゃいましょうっ!
「お兄ちゃんたちのおかげで勝てましたっ!ありがとうございます!」
アイキャッチが流れるのを待ち、画面に向けてばっちりポーズ☆
「辻ヒーラーのコトトですっ。今日はカードゲーム配信をしますね!」
街を襲う異変の最中にも、コトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)は実況者の心を忘れない。
普段の配信と様子も変わらず、ネットで繋がる視聴者たちへと呼びかける。
「今日ぼくが使うのはー、こちらっ!」
じゃじゃん☆ 効果音付きでコトトが見せたのは、ファンタジー風カードのデッキ。少しでも手に馴染むようにと、MMORPGで普段愛用している武器が入っているらしい。
「低コストのカードが多いですけど、実はこのデッキ、とっておきの切り札があるんですっ」
内緒ですよと指を口元にあて、しー、のポーズ。どアップになった幼女のくちびるに、画面は黄色いコメントで埋め尽くされる。
「お兄ちゃんたちの協力が欠かせないんですっ。だから今日も応援してくださいねっ!」
振り向いたコトトの視線の先では、バグドルちゃんが手を振り律義に待っていた。
共演者かな。
◇ ◇ ◇
配信者たるもの、盛り上げる所は盛り上げつつも、礼儀正しさも忘れずに。
敵対ムードを一時忘れ、二人は対戦前の挨拶を交わして配置につく。
「ふふー、あなたも仲間がいっぱいいるみたいだけどっ。私ちゃんも同担つながり、いっぱい呼び寄せちゃうもんねっ♪」
見てみて! と場に伏せたカード(自撮り)からは、持ち主と見分けのつかないバグドルちゃんが次々と増えていく。
「むむっ、厄介ですね。こういう相手は、増えすぎる前に倒すのがいいらしいです!」
召喚パワーの源となるジェムのカードを使い、コトトの伏せたのはメイスと聖痕のカード。彼女の背中に光が宿り、続いて少女が振りかぶるには大きくも思える巨大な鈍器が出現する。
「これだけだと対抗できなさそうですが……ここで仕掛けます、『はなことば』っ!」
コトトの出したのは全体攻撃魔法のカード。場に出ている武器が花びらに代わり、敵のモンスターへと降り注ぐ。
「わーっ……ってあれー、どうしたのかなっ。ぜんぜん痛くないよー♪」
思っていたよりも軽い威力に、守る事もせず攻め続けるバグドルちゃんだが、それこそが彼女の誤算だった。
「トラップカード、『さんかがたきかく』! 対象は……さっき花びらが当たった人全員、です!」
罠の発動と同時、突如盤面に浮き上がる複数のドローン。一体だれが操縦しているのか、機体はコトトの手を離れて動き回る。
「え、一体なになに?」
機体のそばに浮かぶ、コメントのような文字。なんとこのドローン、視聴者が操縦しているらしい!
←←←↑↑↑BB、いやもうちょっと右に……と送られてくるコマンドで奇跡的な微調整を済ませ、ドローンのロックオンマーカーが狙いを定める!
「超つよつよ弾幕で、一気に倒しちゃいましょうっ!」
勢いよく放たれる魔力弾の嵐。「ゲーム外からの攻撃なんてありー!?」と断末魔を残し、バグドルは光とともに弾けて消える。
「お兄ちゃんたちのおかげで勝てましたっ! ありがとうございます!」
邪魔者のいなくなった街角で、コトトは視聴者に向け手を振るのだった。
成功
🔵🔵🔴
フィロメーラ・アステール
「幸運の流れ星ここに到着!」
さあ思う存分あたしを描いて!
何故ってそりゃラッキーなレアだし?
まさにレアカードに相応しいでしょ!
カードもこれから大活躍するし!
いやあ普段は仲間を支援する方が得意だけど、カードなら自分を支援するのもラクじゃん?
戦闘機みたいな一騎当千の活躍をしてみたかったんだ!
描いてもらったあたしカードを主軸に
【武器改造】【防具改造】といった強化カード
【オーラ防御】や【残像】【迷彩】など防護・回避カード
こういうのを使って無双だ!
対する敵は大量展開?
じゃあ【星の遊び場】発動!
雷撃や激流とかで敵陣を酷い事に!
自陣に飛び火するかもだけど、単騎なら守りやすいし?
立て直される前に勝負を決めるぞ!
逃げ惑うアーティストの目の前に、薄い羽の妖精がぽんっと姿を現す。
夜色ドレシーな妖精服の裾を揺らし、頭にはきんきんきらきら輝く星飾り。煌めく光とともに現れたフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)は、笑顔で可愛らしくポーズを決めた。
「幸運の流れ星ここに到着!」
指先に星屑を散らし、くるりと一回転。ぽかんとした顔のアーティストの方を見、こう告げる。
「さあ、思う存分あたしを描いて!」
「え、いきなりお絵描きの依頼!? 納期迫った案件あるんだけど」
なんか急に生々しい言い訳で断るアーティストだったが、SSR妖精を自負するフィロメーラはそれぐらいでは引かない。
「だってあたし、ラッキーなレアだし? まさにレアカードに相応しいでしょ!」
ずずいと近寄る体長22cmの妖精、こうも顔を寄せられると意外に圧がある。
「カードもこれから活躍するし! 何ならアニメ化とかしちゃうし!」
さあ、さあ! 半ば無理やりにぐいぐい背を押され、アーティストは自身の画材を取りに戻った。
◇ ◇ ◇
あらためてバグドルと向き合うフィロメーラは、矢面に立つのに慣れていないのか、少し気恥しそうだ。
「いやあ、普段は仲間を支援する方が得意なんだけどね」
あえて前線に飛び出たその理由を曰く、「カードなら自分を支援するのもラクじゃん?」との事。
「戦闘機みたいな一騎当千の活躍をしてみたかったんだ!」
自分の描かれたカードを誇らしげに見て、フィロメーラは勢いよく自身の分身を召喚した。
「へえ、あなたもキラッキラー♪ でもピカピカ度合いなら負けないよー♪」
「どうかな。試してごらんよっ」
攻めてくるバグドルに立ち向かう、世界にたった一枚の分身カード。彼女が倒れぬよう、フィロメーラは次々とカードを展開してサポートしていく。
「まずは『ドレスアップ』で星の衣を強化! 星の衣《とりの》に着替えて、このターンの攻撃を無効化するわ!」
見えるのに触れられない不思議な力で、分身フィロメーラはバグドルたちの同担フィーバー(ペンライト殴り)をかわしていく。
「むー、命拾いしたねっ? でも次こそ、仕留めちゃうよー♪」
バグドルが番を終えるや否や、次にフィロメーラが取り出したのは『オーラの守護』のカード。
「まだまだ、強化カードはいっぱい入ってるからね! あたし無双、どんどん行くよ!」
残像纏わせる『ミラージュ・エスケイプ』で攻撃をかわし、『深緑の護り』で敵の攻撃対象から逃れ、バグドルはなかなか分身を捕らえる事ができない様子。
そうするうちにも強化は重なり、準備は万端。頃合いと見て、フィロメーラはとっておきのカードを切り出した。
「そろそろかな。じゃあここで、『星の遊び場』発動!」
彼女が掲げたのは、ランダムに相手を選んで自然現象を呼び起こす博打の魔法カード。ダイスの目に従い、次々とバグドルたちの上に雷撃の雨を降らせていく。
一回フィロメーラ自身も対象に取られかけたが、まだ残っていたオーラの護りが辛うじて彼女を守る。
「ちょっと、何それー!? 自分だけずるいーっ」
跡形もなく消えた相手の盤面、殴り込みをかけるなら今。
「立て直される前に、いっけー! あたしー!」
支援の力をふんだんに受け、フィロメーラの分身が盤面を駆ける。
「きゃー!!」
魔力の奔流に飲み込まれたバグドルが、星屑の中に消えていった。
成功
🔵🔵🔴
ウルル・マーナガルム
『私が彼女の後ろに回って手札の情報を送ればいいのでは?』
明らかなイカサマ宣言
すると急に飛んできた鉄アレイがハティを直撃
相棒ー!(渾身の顔芸
『ウルル、私はペットロボではありません』
ボケる余裕はある模様
SKORを外してハティに預ける
正々堂々いこうね
でも戦術はスナイパーっぽさ全開
自分からは動かないで、相手の出方を伺うよ
仕掛けてきたら、手札から罠や魔法を発動してジャミング!
ハティのカードが場に居れば相手ターンでも動けるんだ
そのハティを守りながら、自分の戦力を整えるよ
相手ターン中でも手札補充と召喚
一応、回数制限あるから利用は計画的に
相手の守りが崩れた時を狙って一転攻勢
ヘッドショットをお見舞いだー!
戦況はどうやら、あと一押し。詰めの一手をどうすべきか。
俯瞰するような目で分析を終えたAI犬は、得意げにハスキーな声を響かせる。
『私が彼女の後ろに回って手札の情報を送ればいいのでは?』
ガツーン。どこからともなく流れ星のように鉄アレイが飛来し、AI犬の後頭部を直撃した。
「相棒ーー!!」
谷間に響き渡りそうなエコーのかかった声で叫ぶ、ウルル・マーナガルム(グリムハンター・f33219)。バグドルちゃんの名誉のために一応言うと、彼女はまだ何もしていない。
『……ウルル、私はペットロボではありません』
AI犬ハティの音声認識機能は、きっと何か別の言葉と聞き違えたのだろう。あえてか素か、ボケた答えを返す相棒(notアルファベット)にウルルはひとまず胸をなでおろす。
不思議なことだが、カードの神はどうやら実在するらしい。イカサマや透視が出来ないようにと、つけていたゴーグル型のディスプレイを外してハティに預ける。
「正々堂々いこうね」
そういってウルルの握るデッキには、狙撃銃や罠のカードがしこたま覗いていた。
◇ ◇ ◇
盤面に現れたバグドルの分身が、LOVEうちわを振りかざす。
推しへの愛でサイズが増していく彼女を見ても、ウルルに焦る様子はない。
自分から不用意に動かず、地道に罠を設置していく狙撃兵の少女に、バグドルは不思議そうに声を投げかけた。
「もー、皆なんでそんな慎重なのー? 攻めてこないなら私ちゃんから、いっちゃうよっ♪」
バグドルがここぞとばかり、推しカラーグッズフルセット(限定仕様)を取り出す瞬間を、ウルルは好機と捉えた。
「そこだよハティ、ジャミング!!」
合図に従い、遠吠えのような高周波でバグドルの動きを止めるハティ。カードを取り落としたバグドルの足元、効力を失った限定グッズが消えていく。
「な……何するのー! 私ちゃんのターンなのにー!」
「ふふ、ハティのカードが場に居れば相手の番でも動けるからね」
戦略の要たるハティを守り、ウルルは次々と盤上に罠を設置していく。
ウルルの元までたどり着けずに業を煮やしたバグドルは、癇癪を起すように地団太を踏んだ。
「もー!! そんなにワンコと仲良くしたってダメなものはダメ、私ちゃんの推しちゃんが世界で一番なんだからー!」
推しへの気持ちと怒りに任せ、巨大化していくバグドルちゃん。
彼女が感情に飲まれているうちに、さりげなく『斥候』のカードで手札を補充するウルル。と、何かを引いたのか、金の瞳がきらりと輝いた。
「一気に踏みつけちゃうんだからー……きゃっ!!」
バグドルが勢いよく踏み込んだ先には、トラバサミの罠。敵が足を取られ身動きできない隙に、ウルルはライフル『アンサング』のカードを起動する。
「ハティ、スポッターお願い!」
『わかりましたウルル……幸運を』
ハティの指示に従い、バグドルの頭部に照準を定める。狙うはスナイパーの代名詞、一発逆転のヘッドショット。
BANG! カードに込められた魔法の弾は、見事バグドルの頭を捉えた。
「きゃー!!」
「やった……やったよハティ!」
悲鳴をあげて消えていく最後のバグドルを見て、ウルルは愛犬の前脚と拳を突き合わせるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『忌火起・レッカ』
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POW : 来たぜ……オレの切り札がァッ!
無敵の【時と場合に応じた特殊効果付きのモンスター】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : テメェ自身が放った呪文で自滅しなァ!
対象のユーベルコードに対し【その効果対象を別のものに変更する速攻魔法】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ : 時間を稼ぎやがれ、《爆弾人形(マネボム)》共ッ!
戦闘力のない、レベル×1体の【召喚者自身への攻撃を捨て身で守る爆弾人形】を召喚する。応援や助言、技能「【かばう】、【時間稼ぎ】、【捨て身の一撃】」を使った支援をしてくれる。
イラスト:すねいる
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠惑草・挧々槞」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バグドルの消えた市街地に、突如高笑いが響き渡る。
「ハーッハッハッ! アイツら如きじゃ役に立たねェようだなァ!」
立っていたのは、燃え盛る炎の如く紅い髪の猟書家。
この騒ぎを生み出しキマイラフューチャーの征服を狙う、
闇に落ちたバトルゲーマーだ。
「あらためて名乗ろう、オレの名は忌火起・レッカ! 今からテメェらをまとめて屠る、この世最強のカードゲーマーだ!」
速攻魔法、爆弾人形、召喚時に破滅をもたらす効果付きモンスター。
デッキをめくるたび乱れ飛ぶカード魔法に、街灯がバチバチと瞬いた。
「高めに高めたこのオレのカードパワー、テメェら如きに破れるかよ!」
彼の手にしたデッキに満ちるのは、火と闇の力。
破壊の限りを尽くし、出たカードを即座になぎ倒す彼のデッキパワーは、
バグドルたちの比ではない。
だが、キミ達は一度すでに見たはずだ。
デッキに眠るカードたちは、必ずキミ達を勝利へと導いてくれる。
「タッグでもトリオでも連戦でも構わねェ! テメェらまとめてかかって来やがれ!!」
威勢よく啖呵を切った、レッカのもとへ。
キミ達は一斉に駆け出すのだった。
レン・デイドリーム
描いてもらったシュエのイラストは可愛いね
帰ったら家に飾ろう
……ペインターさんが大丈夫かはちょっと心配だけど
いざとなったら記憶処理銃で対応してあげよう
それはそれとして猟書家だ
相手はいっぱいカードを展開してくるタイプみたいだね
それなら僕もいっぱい展開しよう
描いてもらったシュエと共に発動するのは『幽霊騎士団の招来』だよ
……なんかいつもより触手多めでぬるぬるしてるけど、大丈夫だろう
さあ、爆弾人形をどんどん攻撃していくんだ
爆弾人形達が出来るのは所詮時間稼ぎ
シュエパワーでパワーアップしてる僕なら、彼らの展開力を乗り越えられるはず
相手の守りを乗り越えたのなら呪詛の衝撃波をレッカへと
ダイレクトにアタック、だね
フィロメーラ・アステール
「心をひとつにすれば、奇跡は起こる!」
どんなにカードが強くたって!
心が通わなきゃ意味がない……たぶん?
まずは、さっきと同じ感じでやってみるぞ!
せっかく描いてもらったカードだし、もっと活躍させないとね!
次々に攻撃を繰り出す【早業】で【先制攻撃】を仕掛ける!
けど、やっぱ敵は攻撃を受け流すのが上手いな!
そして息切れした瞬間、一気に巻き返してくる!
これを一人で突破するのは難しい!
そこで希望のカード!
【願い願われし綺羅星】の登場!
これはみんなの想いを束ねて攻撃する技!
なんか一緒に戦ってる仲間とか、手札に溜まった仲間カードとか、その辺の力を合わせてスゴイ一撃を放つ!
この【全力魔法】が切り札になる……はず!
まとめてかかって来いとのたまう、忌火起・レッカ。こちらを甘く見る言葉に食いかかるように、フィロメーラ・アステールは握り拳を固める。
「言ったね! 後悔したって知らないぞ!」
デッキに光るのは、先ほど描いてもらったばかりの自身のカード。フルアート仕様の彼女のカードは、流れ星のような青と銀の背景を背負って輝いている。
勝気なフィロメーラとは対照的に、しげしげと手元のカードに見入るのはレン・デイドリーム。迫力いっぱいに描かれた白い触手のシュエは、今にも飛び出て動き出しそうだ。
「シュエは絵になっても可愛いね……帰ったら家に飾ろう」
シュエに感化されたペインターの精神面で心配だが、人を狂わす魅力を秘めるのがシュエだから仕方がない。いざとなったら記憶処理銃で対処しようと物騒な決意を胸に秘めつつ、レンは改めてカードゲーマーの男に向き直る。
「テメェらのカードもパワーが高まってるようだがなァ! この、オレの! デッキの破壊力に、敵うはずがねェ!」
余程自信があるのだろう、バトル前にも関わらず自身のデッキを見せびらかすレッカ。しかし彼の様子にも、フィロメーラは怯む事はない。
「どんなにカードが強くたって! 心が通わなきゃ意味がない!」
彼が無理やり描かせたカードなら、そこに隙が生まれるはずと信じ。
「心をひとつにすれば、奇跡は起こる……あたし達の力、見せてあげる!」
勇ましいかけ声を、開戦の合図に。二人は同時にデッキトップをめくった。
◇ ◇ ◇
タッグマッチの様相を呈する、レッカとの戦い。盤面には序盤の守りとして、力の弱いモンスターたちが次々と召喚されていく。
「まずは小手調べだ、さっきと同じ感じでやってみるぞ!」
せっかく描いてもらったのに仕舞いっぱなしではもったいないと、フィロメーラは早速、自身の分身たる妖精を場に呼び寄せる。
「ハッハァ! 見たところテメェは一点突破型のようだが……甘すぎるぜェ!」
対するレッカが切り出したのは、低レベルモンスターの大量召喚を可能とする『市街区封鎖』のカード。戦闘力はない代わりに厄介な効果を持つ、爆弾人形たちが盾として召喚される。
「貫通も踏み荒らしもしねェ雑魚をいくら強くしても仕方ねェんだよ! オレ様の為に時間を稼ぎやがれ、爆弾人形《マネボム》共ッ!」
爆弾たちは分身妖精の行く手を阻み、レッカを守るべくずらりと立ち並ぶ。
「くそー、悔しいけど攻撃を受け流すのが上手いな!」
フィロメーラの分身は矢継ぎ早に攻撃を繰り出すが、速さで勝ろうとも手数が足りない。おまけに戦闘力がなくとも相手は爆弾。触れるたびに積み重なる累積ダメージが、妖精の輝かしい羽根に少しずつ傷をつける。
「やっぱり、相手はいっぱいカードを展開してくるタイプみたいだね」
相手の出方を予期していたレンは、今しがた引いたカードに口元を緩めた。
「それなら僕も手数で対抗しよう」
シュエのカードを魔力源として横向きにし、放出した魔力でとっておきの魔法を唱える。
「幽霊騎士団の将来《サモニング・ゴーストナイツ》……遠つ死の国の者共よ、千里を走りて敵を討て」
虚空を切り裂いて現れたのは、ネオン満ちる街に似つかわしくない幽霊の群体。中世風の剣や弓を手にした騎士たちは、軍馬に跨り爆弾人形へと駆ける。
「……なんかいつもより触手多めでぬるぬるしてるけど、大丈夫だろう」
「大丈夫なの?」
イラストの影響だろうか。騎士たちの袖から白い触手がにゅるにゅるしてるのが気がかりだが、ひとまず動いてるから大丈夫とレンは判断を下す。下手しぃ鎧兜の中身が置き換わってるんじゃ、とフィロメーラは思いかけたが、何も見なかった事にした。
数で互角、技量で上を行く騎士たちは、人海戦術で爆弾人形を圧倒していく。たとえ敵が爆ぜようとも、死したる彼らに死を恐れる理由はない。
そしてここでダメ押しの一手。フィロメーラがたった今、光り輝くカードを引き当てた。
「一人で突破するのが難しくても……みんなの想いを束ねれば!」
パンッ、と勢いよく場に伏せたカードから、無数の流星がほとばしる。
「願い願われし綺羅星《ホープレイヤード・ミーティア》! みんなのパワーを、お星様に乗せるんだ!」
騎士たちにペインターたち、そして平和を待ち望む市民の想い。仲間たちの想いを受けたほうき星は、目も眩む輝きを散らして敵陣全体へ降り注ぐ。
限界を超えた爆弾人形が次々と爆ぜ、跡形もなく消えていく。
「な、何だと……オレの爆弾人形が……!」
「やったね。あとは……これで」
守りを失ったレッカへと、レンが起動したシュエの不意打ち能力――呪詛に満ちた衝撃波を放つ。
「ぐああっ!」
「ダイレクトにアタック、だね」
後に押し寄せる爆風と共に、デジタル数字で浮かんでいたレッカの生命力がピピピ、と音を立てて減った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ウルル・マーナガルム
持久戦ならボクらに分がある
スナイパーの辛抱強さ、舐めないでよね!
『見せつけてやりましょう』
戦術はさっきと同じ
だけど流石にちょーっとだけキツいかな
罠のバーンダメージも駆使してひたすら粘るよ
そして相手が勝ちを確信した時、一気に仕掛ける!
「ふふん、それはどうかな?」
墓地から罠を発動
場の罠を壊す効果、対象は今までハティを守っていた盾
これが壊れると特定のカードを加える効果が発動!
この効果で加えるのは速攻魔法【モード・ギャラルホルン】
これで貫通効果を得て、更に攻撃力をプラスできる
人形もろともダイレクトアタックだ!
戦闘力の無い人形じゃダメージは殆ど相殺できないでしょ
これで届いたんじゃない?
ボクらの"槍"が!
攻撃を受けたレッカを守り、再びずらりと並ぶ爆弾人形。容易に近づけぬ厄介な壁に、ウルル・マーナガルムの金の瞳が警戒の色を濃くする。
「立て直しが早いね。さっきと同じ戦術だけじゃ、流石にちょーっとキツいかな」
バグドル相手に粘り勝ちを見せたウルルのデッキだが、攻める手数は決して多くない。守りを固めた上で乗り込んでくる敵には、些か分が悪い自覚があった。
「けど、持久戦ならボクらに分がある。スナイパーの辛抱強さ、舐めないでよね!」
『ええ、ウルル。見せつけてやりましょう』
AI犬ハティと頷きを交わし、ウルルは再びデッキを握る。見据える対岸には、体勢を整え今にも攻め込もうとしているレッカの姿があった。
守りが厚いのをいい事に、レッカは容赦なく攻撃を仕掛けてくる。
罠に引っかかり消えるモンスターの後ろに、もう一体の影。作動した罠はもう役に立たず、ウルルの元へも攻撃が届きはじめる。
「守るばかりはテメェの方みてぇだな! さァて、どれだけ耐えるか楽しませてくれよなァ!」
降り注ぐのは、溶けた火山石の雨。大地をも破壊する火の魔法が、埋まる罠を地面ごと掘り起こしていく。
やがて焼け野原になった盤面に、レッカは一斉攻撃の指示を出す――が。
「ふふん、そううまくいくな?」
打つ手なしと見せかけ、ウルルは使われた捨て札の山からカードを取り出す。
「罠だよ。ボクはこのカードを墓地から取り除き、効果を発動する」
「何ィ! それは……」
発動した『トラップ誤作動』のカードは、場に残っている罠をどれでも破壊する。ウルルが対象にとったのは――これまで二人を守ってくれた、ハティの盾。
「ハッハァ、気が狂ったかよ! これでテメェを守るモノは何もねェぜ!」
押し寄せるモンスターの波。だが、その状況下でウルルは静かに笑った。
「特殊効果発動! この盾が壊れると特定のカードを手札に加える事ができる! この効果で加えるのは……速攻魔法、モード・ギャラルホルン!」
ウルルがデッキから選び抜いたのは、アタッチメント換装の魔法カード。唱えた瞬間、ウルルの手にしていたライフルが超長距離狙撃用に組みかわり、専用の貫通弾が装填される。
銃口が見据えるのは爆弾人形――いや、その先に立つレッカの姿。
『目標を射程範囲内に捕捉。ハティよりウルルへ、“槍を放て”』
「テメェ、まさか……!」
狙撃手の少女の口元が、勝利を確信した笑みに彩られる。
「そのまさかさ。これで届いたんじゃない? ボクらの“槍”が!」
銃声一発、立ち込める硝煙。爆ぜる爆弾人形の向こう側、槍は仇敵の肩口に深く食い込んだ。
成功
🔵🔵🔴
クレア・フォースフェンサー
わしの力がカードとなっておるのか
この身体も能力も武器も全て与えられたものじゃが、丸裸にされたような恥ずかしさを感じるのう
問題のカードは……手札覗き(見切り)、手札破壊とカウンターとパーマネント破壊(UC)といったところか
集団や範囲攻撃の相手をするのは不得手なのじゃが、軍団の召喚にしろ大規模破壊にしろ狙うは敵のカード1枚で済む
わしにとっては都合が良いかもしれぬな
では、敵の動きを見切り、UCの力を込めた光剣で攻撃を捌きつつ接近し、一気に斬り伏せるとしよう
おぬし、カードのイラストを自慢しておったな
無理矢理描かせられたものと自ら進んで描いたものとが同じ出来のわけがあるまい
絵師の力、しかと見るが良いぞ
金の髪が、市街地を吹き抜けるビル風になびく。騒乱に駆けつけたクレア・フォースフェンサー(UDCのエージェント・f09175)は、切れ長の目を静かに細めた。
「わしの力がカードとなっておるのか」
とっておきを描いてもらった一枚は、手の中で光沢を放っている。珍しそうにカードを裏返して眺めた後、クレアはどことなく面映ゆそうな顔をした。
「この身体も能力も、武器も。全て与えられたものじゃが、こうして形にされると丸裸にされたような恥ずかしさを感じるのう」
手の内がすべてカード化される異常事態に戸惑いこそあったが、それが戦う最善手ならば、些細な羞恥の心に拘るクレアではない。
「どうした、かかって来ねェのかよ!」
「待て、そう慌てるでない」
レッカの安い挑発には乗らず、クレアは自身に配られた札を観察する。
(「問題のカードは……手札の透視に捨てさせるカード、相手の動きに対応するものが多めか」)
使いどころを誤れば効力の薄い分、彼女が手にしたのは玄人好みのデッキと言えよう。だが、クレアは達観した見方で状況を前向きに捉える。
(「集団を相手取るのは不得手なのじゃが、狙うは敵のカード一枚で済む。わしにとっては都合が良いかもしれぬな」)
剣、弓。光の武器を展開したクレアに対し、レッカが呼び寄せたのは火と闇属性を併せ持つモンスターだった。
「光属性が相手なら、オレが喚ぶのはコイツだ! 来やがれ、炎血の魔竜!!」
満ちる炎が魔法陣を描き、巨大な竜が姿を現す。
「炎血の魔竜はオレが魔法カードを使うたび、自身の攻撃力に等しい火炎魔法を放つ! 消し炭になってもらうぜェ!」
ご丁寧にも効果を説明するレッカ。彼の手に対し、クレアが掲げたのは『光珠』のカードだ。
「ふむ……ならば魔法を撃たせなければいいのじゃろう?」
ナノマシンで構成された光の珠は、透視により見抜いた手札の情報をクレアへと伝達する。
「右から二枚目のカード……それじゃ。そいつを破壊しよう」
バチリと電流が迸り、レッカの手からカードが消滅する。敵が驚きの声をあげるのを聞き、クレアは思惑通りに事が運んだと確信した。
相手の手札を見た上で、特定のカードを破壊する。ピーピング・ハンデスとも呼ばれる高度な妨害戦術は、コンボを要するデッキには概して刺さるものだ。
「では、こちらから参るとしよう」
光の剣を手に、クレアが竜の元へと駆ける。剣に宿すのは還送機能《エグザイルコード》――触れた者を骸の海に還す、対オブリビオン専用のエンチャントだ。
「時におぬし、カードのイラストを自慢しておったな。無理矢理描かせられたものと自ら進んで描いたものとが、同じ出来のわけがあるまい」
剣を振るうそばから迸る、武芸者たるクレアの内面を映すかの如き魂の奔流。清廉なる魂が邪悪なものを切り裂き、瞬く間に散らしていく。
「渾身の出来栄えじゃ。絵師の力、しかと見るが良いぞ」
カードに込められた気持ちを、胸に抱くように受け取り。剣を鞘に納めるクレアの後ろで、巨大な光柱が大地に突き立った。
大成功
🔵🔵🔵
ニレ・スコラスチカ
カードゲーム…なかなかどうして楽しいものですね。これを悪用するとは許せません。執行。
戦法は前回同様、しかし前回ほど上手くはいかないでしょう。致命傷となるカードに絞り、骨釘によるカウンターと除去で磔にしていきます。素通りしたカードからダメージを受けるでしょうが、ライフが0にならない限りは敗北ではありません。敵が打ち消しを警戒し、少しでも時間が稼げればそれでいい。ポーカーフェイスは得意です。
リソースが溜まったら【罪滅】を【なぎ払い】、全体除去で形勢逆転を狙います。何やら妨害の速攻魔法を持っているようですが、わたしの場には既に命中した骨釘のカードを3枚。あなたのユーベルコードは無効になっています。
直接武器を用いない戦いなど、自身の生涯でどれほどあっただろう。
猟書家の男に立ち向かう直前、ニレ・スコラスチカはふと手にしたデッキに目を落とす。
「カードゲーム……なかなかどうして楽しいものですね」
ろくに遊びに触れた事のない異端狩りの少女は、未知の感覚に心躍るのを感じた。相手の手を読み、知略を駆使し、戦略がハマった試合では互いを称え合う。
そう、カードゲームは本来楽しいコミュニケーションツールなのだ。
「これを悪用するとは許せません。……執行」
心動かされる自身を自覚すると同時、勝負を汚した男に敵意が募る。ニレの目は、かつてないほどに真剣(マジ)だった。
◇ ◇ ◇
開戦後まもなく、速攻でモンスターを並べ立てるレッカに、ニレは先ほどと同じく打ち消しや妨害のカードで応戦する。敵の出方を見て使えるこの戦術は、本来多くの相手に通用するはずだ。
「……流石に前回ほどは上手くいきませんね」
だが如何せん、敵も慣れていて展開速度が速い。後手に回るだけでは捌ききれず、やむなく素通りさせた攻撃がニレを襲う。
生命力が尽きない限り、負けはしない。そう潔く割り切り、致命傷となりうるカードにのみ矛先を絞って、ニレは飛来する魔法を叩き落としていく。
常に効力を発揮する持続魔法に、大地を揺らがす巨大なゴーレム。ここぞとばかりカウンターや除去の魔法を放ち、動きを止めていく。
「涼しい顔を保ってやがるな! だが無駄だ、オレの盤面制圧力をなめるんじゃねェぜ!」
勢いづいたレッカが小型の効果モンスターを並べた瞬間、ニレは伏せていたカードを起動した。
「時は満ちました……今こそ贖罪を代行しましょう」
溜めた魔力源のジェムを糧に動き出す、生体拷問器の鋸。縦横無尽に振るわれる粗雑な刃が、敵陣を薙ぎ払わんと距離を詰める。
「ハッハァ、甘ェんだよ! 大技放てば勝てると思ったか!」
嬉々としてレッカが唱えたのは速攻魔法。攻撃の矛先を別の者にすげ替えるカウンター、対象はいうまでもなくニレだ。
「ざまァみやがれ! テメェの放った呪文で自滅しなァ!」
だがレッカの意に反し、いくら待ってもニレの身に破局は訪れない。
「なにやら妨害の魔法を唱えたようですが。わたしの策はもう完成しています」
それまで何故、視えていなかったのか。無数のカウンターに紛れ、レッカの手足に打たれた骨の釘が魔法の効力を封じていた。
「な……!」
「執行完了。あなたのユーベルコードはもう、無効です」
迫りくる拷問の鋸を、阻むものは何もない。磔の姿勢のまま動けぬレッカへ、回転する刃が叩き込まれた。
大成功
🔵🔵🔵
花咲・翁
「・・・貴様の切り札は確かに無敵だな・・・相手にすればだがな・・・」
前回と同様の戦術と墓地肥やしをしつつ、獄卒獣を召喚しようとするが、敵の切り札のモンスターによって失敗に終わるが・・・
「・・・まさか僕の戦術が墓地召喚だけだと思ったか・・・?」
実際は翁がわざと行った失敗であり、相手の油断の隙に付け入れるための罠であった。
「・・・これでチェックメイトだ・・・」
UC【魂の嘆き】を発動。墓地のモンスター全てをゲームから取り除き、プレイヤーに直接ダメージ与えるバーン戦術で勝利を勝ち取ります。
アドリブ及び連携ともに大歓迎です。
満身創痍となったカードゲーマーの男。
その前に現れた獄卒の男は、彼の実力を一部認めるように首肯した。
「……貴様の切り札は確かに無敵だ……相手にすれば、だがな」
カンテラから漏れ出づる鬼火は、魂を吸って青く燃え。有刺鉄線を鞭のようにしならせ、花咲・翁は再びデッキを戦いを挑む。
手駒を並べて攻め入るレッカにも取り合わず、翁は涼しい顔で墓地を肥やす。
翁にとってはこれも予定の範疇。敵の攻撃も利用して捨て札を充実させ、手札代わりとするのが彼の戦術だからだ。
「出でよ、獄卒獣」
先の戦いと同じく、墓地から喚び出すのは地獄の獣。それは墓場行きとなったカードの数だけ強化され、翁の切り札となる――はずだった。
「来やがったな! その戦術は闇属性の十八番、もう見飽きてんだよォ!」
レッカが使ったのは、あえてデッキに一枚挿しした光属性のモンスター。聖天より魔に堕ちる直前の天使は、聖なるものと呼ぶには激しすぎる光で墓地を封じる。
不発に終わった、獄卒獣の召喚。だが翁の表情は、致命的なミスを犯したというには焦りの色がない。
「……まさかとは、思うが。僕の戦術が、墓地召喚だけだと思ったか……?」
彼が『カンテラ』のカードを翳した刹那、それは起こった。
墓地に送られた者の怨嗟、そればかりか生を受ける事のなかった獄卒獣の無念までもが合流し、ひとつの怨霊を形作る。
墓地とは、いわば出る事の叶わぬ久遠の監獄。それら全てを囚人の魂とみなし、翁は全てを捧げた最大の一撃を放つ。
「……粛清だ……魂の嘆き《ソウル・バスター》を、聞くがいい」
膨大なソウルエナジーが合一を成し遂げ、明確な意志をもって盤面をひた走る。
「まさか……オレが闇属性で負けるはずが……ぐあああ!!」
行き場を失った大気が、ビル間を爆風となって駆け抜けた。風の過ぎ去った後には紅髪の男が膝をつき、灰となって崩れ落ちるのが見えた。
跡形もなく消えゆくオブリビオンの残滓。
消滅を見届けた翁は静かに拳を掲げ、勝ち名乗りの代わりとするのだった。
成功
🔵🔵🔴
最終結果:成功
完成日:2021年05月03日
宿敵
『忌火起・レッカ』
を撃破!
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