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「いよいよ羅針盤戦争も大詰めかしらね。後顧の憂いを無くすためにも、今回は『邪剣』ピサロ将軍への対応をお願いしたいわ」
集った猟兵達へ向け、クリナム・ウィスラー(さかなの魔女・f16893)は声をかける。
全ての王笏島と七大海嘯の居所は判明し、あとはひたすら彼らを追い込むだけ。今回の依頼はその一環のようだ。
「ピサロ将軍は邪剣島にいるわ。彼女が元々企てていた逃亡計画は阻止出来たけれど、このまま彼女を放っておくのも危険でしょうね。しっかり倒してきて欲しいのだけれど……気を付けて欲しいことも沢山あるわ」
ピサロ将軍本人も強敵だが、戦場となる邪剣島にも危険は多く存在している。
その一つ一つに対応しなければ勝利を掴むのは難しいだろう。
「まず気を付けるべきはピサロ将軍本人ね。彼女自身が先制攻撃を行ってくるのに加えて、その背にある『黄金太陽神』からは常に眩い光が溢れているわ。その目眩ましにどう対応するかを考えないといけないわね」
『黄金太陽神』は島の全てを照らしており、その光から逃れるのは簡単なことではないだろう。
「ピサロ将軍の特技は他にもあるわ。彼女の身のこなしは相当なもので、『八艘飛び』を使った高速移動でこちらを翻弄してくるわ。それにも上手く対応して。それに加えて……邪剣島には様々な世界から落ちてきた剣が刺さっているみたいなの。足元には気を付けてちょうだいな」
ピサロ将軍本人の先制攻撃と八艘飛び、黄金太陽神から放たれる光に島に生えた剣。
これらに出来る限り対処しつつ、戦い抜くには工夫が必要だ。
けれどそれさえ乗り越えられれば勝機もきっと掴めるだろう。
「ここまで来たなら最後まで頑張りましょうね。応援しているわよ」
そう話を締めくくり、クリナムは転移ゲートを開いていった。
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
やることは沢山あるけど頑張っていきましょう。
今回は早期完結を目指して執筆する予定です。
●プレイングボーナス
敵の先制攻撃+八艘飛び+めくらましの光+地面から生える剣に対処する。
●七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍
本人の純粋な戦闘能力だけでなく、背負った黄金太陽神や島の地理も利用しつつ戦いを挑んできます。
出来る限りの対策を用意して挑みましょう。
●
オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。断章の追加はありません。
シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍』
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POW : 太陽の征服者
全身を【黄金色のまばゆい光】で覆い、自身の【『八艘飛び』による加速度】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : 八艘九連飛び
自身の【背後の黄金太陽神】が輝く間、【「八艘飛び」による超高速斬撃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 三千邪剣世界
自身からレベルm半径内の無機物を【ピサロの意のままに宙を舞い、敵を襲う邪剣】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:もりのえるこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ヨナルデ・パズトーリ
貴様は滅ぼすのみよ!下郎が!
アレンジ歓迎
対策
剣
※激痛耐性
足に※結界術でマグマ※属性の※オーラ防御を纏わせ※空中戦徹底
光
八艘
先制
目を閉じ※聞き耳で剣の風切音※野生の勘と※第六感で※殺気を※見切り対応
敵の※先制攻撃の機先を征する様に※高速詠唱且つ※多重詠唱で※カウンター気味に※天候操作で※マヒ※毒と※目潰しの※呪詛を織り交ぜた地吹雪と※全力魔法で※地形破壊級の大地震を
此れは視界悪化と揺れと地面の凍結の八艘封じ
地吹雪の中に※オーラ防御を纏わせた※式神をばらまき障害物に
自身は※存在感を消し※迷彩で※目立たない様
UC発動
※地形を利用
剣ごと地面を※怪力投擲
それを囮に肉薄
闇※属性の※神罰を纏わせた斧で※切断
●
無数の剣に足を切り裂かれないよう、ヨナルデ・パズトーリ(テスカトリポカにしてケツァルペトラトル・f16451)は足元に溶岩の守りを施しながら島へと降り立つ。
彼女の目の前に立っているのは――侵略者、『邪剣』ピサロ将軍だ。
「決して逃しはせんぞ。貴様は滅ぼすのみよ! 下郎が!」
「ほほう、ここまで追ってくるとはな。だが滅ぼされるのは貴様の方だ!」
互いに怒りを顕にしたのなら、あとは全力でぶつかり合うだけ。
ピサロ将軍が凄まじい身のこなしで駆け出したのを見遣り、ヨナルデは静かに瞳を閉じる。
こうすれば目眩ましは意味を為さない。己の聴覚と野生の勘、その全てを以て相手を迎え撃つだけだ。
周囲に漂う風の音はあっという間に大きく変わり、憎き敵が迫る気配は身体中に警告を伝えてくれる。
それに合わせ、ヨナルデは両手を高く突き上げた。
「貴様には大地の怒りを知ってもらわんとな!」
神の怒りに呼応するように、ずるりと島が蠢けば巻き起こるのは凄まじい大地震。
合わせるように猛毒を含む地吹雪も舞い上がり、飛び交うピサロの動きを制限していく。
「ええい、厄介な……!」
自慢の八艘飛びも足元の状況が悪ければ意味を為さないだろう。更に動けば動くほど、呪詛を帯びた雪は将軍の身を強く蝕む。
その合間から飛び出すのは――ヨナルデの力が分け与えられた式神達だ。
彼らの内にも強い憤りが宿り、それが獰猛に獲物を追いかける力に変わる。
「邪魔だ、離れろ!」
美しい装飾の施された邪剣を振るい、ピサロは式神を払いのけようと必死なようだ。
その隙を活かすように、ヨナルデは地面に刺さった剣を一本握りしめた。
「力を貸して貰うぞ! 妾と対なす者、戦友にして好敵手にして兄妹だった者! 神である事に囚われ壊れ妾が過去へと送った伴侶! 翼ある蛇よ!」
呪文を唱え、小さな背には大きな翼を生やし、身体には鱗を。
嘗ての伴侶の力を借りて、ヨナルデは腕を振るう。
少女の細腕とは思えぬ怪力が地面ごと剣を持ち上げて、そのまま一直線に敵の元へ。
吹雪と地震、そして式神達に追い詰められた将軍は、飛びかかってきた剣に対応するのに精一杯だ。
そこにすかさずヨナルデは飛び込んで――腕に改めて握りしめた『黒曜石の戦斧』の柄を強く握る。
「――滅びよ、憎き侵略者め!!」
神罰の力を籠めた刃は乱暴に侵略者に振るわれ、彼女に大きな傷を深々と刻んでいく。
ヨナルデの内に滾る怒りは、間違いなく届いたのだ。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィヴ・クロックロック
先手はもとよりくれてやる予定だった。なあに、自分以外の光に依存してる奴には私は倒せんよ。
眼を瞑り音で情報収集。オーラ防御を限界まで広く展開。奴がオーラに触れ破った瞬間におやつ精製装置を使用、島の光と奴の纏う光をおやつにする。
頼るべき光が消えたなら奴は勢いよくこっちに落ちているだけだ。ぶっ潰れろ邪剣!!
(※アドリブ連携歓迎です)
●
ピサロ将軍は必ず先手を打ち、眩い光で目眩ましもしてくる。
その情報を耳にしても、ヴィヴ・クロックロック(世界を救う音(自称)・f04080)の表情は落ち着いたものだった。
「先手はもとよりくれてやる予定だった。なあに、自分以外の光に依存してる奴には私は倒せんよ」
「ほう、大した自信だな? その判断に後悔するがいい!」
ヴィヴの言葉を軽く嘲笑い、ピサロ将軍は背負った黄金太陽神へと意識を向ける。
すると凄まじいまでの黄金の輝きが島を埋め尽くし、自分達以外の視覚を潰そうと迫りくる。
そこでヴィヴは――敢えてぎゅっと目を瞑った。
周囲には薄く広くオーラの防御を展開し、足元に散らばる剣にも注意して身を屈める。
同時に懐から小さな装置を取り出して、それは身体の影へと潜ませた。
「どうしたのだ猟兵よ、そのような構えではあっという間に殺せるではないか!」
聞こえてくる声や音から、ピサロ将軍は既に八艘飛びを開始しているようだ。
風を切る音、軽やかな足音、時々聞こえてくる息遣い――その全てに意識を向け、ヴィヴはひたすらに時を待つ。
勝負が始まったのが一瞬だったのならば、それが動くのも一瞬だ。
展開したオーラがピサロ将軍の気配を掴んだ瞬間、ヴィヴは装置を片手に堂々と立ち上がる。
「言っただろう。光に依存していたら私は倒せないって」
装置が小さく起動音をあげれば、不思議なことが起こった。
ピサロ将軍が纏っていた黄金の輝きがキャンディやチョコレート、それにクッキーといった可愛らしいおやつへと変わっていくのだ。
島を覆う光も次々におやつへと姿を変え、雨のようにぽろぽろと落ちていく。
「太陽の光が……一体どういうことなのだ!?」
「アルダワ特製光子変換式多目的携帯おやつ精製装置。願望と光を取り込んでおやつを精製する優れものだよ」
装置の特性はピサロ将軍達によく刺さる。光は勿論、凶悪な侵略者である彼女達なら――願望だって常に溢れさせているようなものだ。
黄金太陽神による援護を失い、ピサロ将軍の動きは少しずつ減速していく。
その隙を活かし、ヴィヴは一気に前へと踏み込む!
「頼るべき光が消えたお前なら、あとは落っこちるだけだな――ぶっ潰れろ邪剣!!」
凄まじい勢いで放たれた飛び蹴りは、ピサロ将軍の胴をまともに打ち据え吹き飛ばす。
立ち上がる土煙を見遣りつつ、ヴィヴは落ちてきたおやつを一つキャッチした。
「最初から自分の力だけで挑んできたなら、もう少し良い勝負が出来たかもしれないな。分かりやすいだろう?」
回収したおやつを口の中に放り込みつつ、ヴィヴは眼鏡の下で軽く笑みを浮かべるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…皮肉な話ね。太陽を取り戻す為に闘っている私が、
太陽の光を鎖す戦い方をするなんてね…
限界突破した闇の魔力を溜めた"影精霊装"を解放し、
戦場を完全な夜闇で閉ざす闇属性攻撃で太陽神の輝きを遮り、
敵を夜闇に紛れさせる事でUC発動を封じる事が出来ないか試みる
…太陽神の輝きが無ければ、お前の業は維持できない
…そして、その高速移動は既に見切っているもの
同じ業が二度も三度も通用する事はないと知れ
過去の戦闘知識から敵の高速移動の機動を見切り、
自身は吸血鬼化を行い闇を見通す眼で敵を暗視しUC発動
"血の翼"を三重に広げて超高速の空中戦機動で切り込み、
生命力を吸収する呪詛を纏う大鎌を怪力任せになぎ払い敵を切断する
●
「……皮肉な話ね」
太陽を取り戻す為に闘っている私が、太陽の光を鎖す戦い方をするなんて。
少し自嘲気味な呟きを零しつつ、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は纏う『影精霊装』にそっと触れる。
訪れた邪剣島ではピサロ将軍達の生み出す光が煌々と輝き、全てを眩ませようとしているようだ。
「お前の纏う魔力、我が邪剣島には相応しくないな。どうせ逃しやしない、叩き潰してくれる」
ピサロ将軍はリーヴァルディの霊装から溢れる闇の魔力に眉を顰め、すぐに黄金太陽神の力を解放し始めた。
それに呼応するように彼女の存在感も増してきている。もうすぐ自慢の八艘飛びが飛んでくるだろう。
あれだけ望んだ太陽を自分の手で隠してしまうのは辛いけれど、けれどあれは所詮偽物だ。
「……本物の太陽はいつか必ず取り戻すわ。だから……そのためにも、お前を倒す」
リーヴァルディは霊装に魔力を回し、島の中へと巡らせていく。
すると魔力は物質化した闇へと姿を変えて、眩い陽光を遮り始めたのだ。
「まさかその霊装、闇そのものだったのか……!? おい黄金太陽神、しっかり働け!」
闇は黄金の太陽の輝きも曇らせていき、ピサロ将軍が纏い力も弱まる。
それでも彼女は地面を蹴って八艘飛びを繰り出してきたようだ。
リーヴァルディはしっかりと地面に足を付け、高速移動する敵の影をじっと追う。
「……太陽神の輝きが無ければ、お前の業は維持できない。そして、その高速移動は既に見切っているもの」
同じ業が二度も三度も通用する事はないと知れ。
これまでの戦いの経験から、リーヴァルディの紫の瞳は着実に敵の姿を追い続けていた。
そのまま吸血鬼としての力を解放すれば、彼女の身体は更に闇に馴染んでいく。
「……全魔力を翼に集中……限定解放」
背中から血色の魔力を放出し、翼を形作ったのならば――あとは自分も空を翔けるだけ。
手にした大鎌『過去を刻むもの』で乱雑に周囲の剣を薙ぎ払いつつ、リーヴァルディは一気にピサロ将軍との距離を詰める。
「……過去が太陽を背負わないで。それは、私達のものだから」
最接近と同時に放つのは、怪力任せの強力な一閃だ。
呪詛を帯びた刃は将軍と偽物の太陽を切り裂いて、真っ赤な血が鮮やかに太陽神を染めていく。
リーヴァルディの想いを籠めた一撃は、偽物の太陽を曇らせていったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
宝城・アスナ
侵略者!征服者じゃと!
その背の太陽神も征服したじゃと、妾は貴様らのような征服者など大っ嫌いじゃ!
地面の剣に八艘飛びや光は足元を自前の邪竜爪で掘って塹壕だか落とし穴だかにしてやり過ごすのじゃ!
先制の邪剣で爪で迎撃したり鱗で受けたりするのじゃ!
先制をやり過ごせたら、此処を【堕ちたる地母神の冥府】にするのじゃ!
生命を拒絶する猛吹雪が吹き荒れる永遠の冬が続く地底、堕ちた地母神の神域たる冥府になるのじゃ
太陽神なぞ冥府でその力を発揮できるわけがあるまい!地の底に太陽の光が届くものか!
ピサロよ、征服者たる貴様がこの生命亡き不毛の冥府を征服できるものか試してみるがいい!
少しでも動きが鈍れば猛攻撃に出るのじゃ!
●
「侵略者! 征服者じゃと!」
邪剣島に降り立って早々に、宝城・アスナ(ママは地母神系ロリドラゴン・f23933)は怒りを顕にしつつ叫ぶ。
彼女の視線の先には――煌めく太陽を背負った女が一人。
「その背の太陽神も征服したじゃと、妾は貴様らのような征服者など大っ嫌いじゃ!」
「私も猟兵など大嫌いだ! 金にもならん仕事をさせおって!」
ピサロ将軍も吐き捨てるように言葉を返し、邪剣を構えてアスナを睨む。
「ここは手短に行かせてもらおう。三千邪剣世界だ!」
島の主の叫びに呼応するように、島全体がぐらりと揺れる。
ピサロ将軍の周囲に刺さった剣がゆらりと地面から離れたかと思えば、それらは一斉にアスナへと刃を向けた。
しかしアスナも黙って攻撃を見守っている訳ではない。自前の『邪竜爪』をしっかり伸ばしつつ、アスナはその場へとしゃがみ込む。
「貴様のやることなぞ、簡単に無効化出来るぞ。妾には……こういう手段があるからのぅ!」
鋭い爪で一気に地面を掘り進み、作り上げるのは簡単な塹壕だ。
これなら眩い光は遮ることが出来るし、地面を掘ることで周囲の足場だって不安定になるはずだ。
ピサロ将軍もすぐに剣を襲わせてきているが、光に目が眩まない状態ならば対処だってしやすい。
「征服者の剣で妾を傷つけられるとは思わないことじゃ!」
自慢の鱗で刃を阻みつつ、アスナは改めてピサロ将軍を睨む。
あの制服者が太陽を背負うというのならば――どこまで出来るのか、試してやろうじゃないか。
飛び交う剣による攻撃は少しずつ弱まり始めている。
そのチャンスをしっかりと狙い、アスナは己の力を解放し始めた。
「春は来ず、冬が続く。豊穣を奪われた地母神は地の底に堕ちる。此処を我が領域たる冥府へと変えてやろう!」
アスナが一際大きく吼えれば、島の風景は一変した。
強烈なまでの日差しは黒い雲に覆われ、吹き荒ぶ吹雪が地面に刺さる剣を少しずつ沈めていく。
邪剣島は今この瞬間、生命亡き不毛の冥府へと姿を変えたのだ。
「ピサロよ、征服者たる貴様が我が冥府を征服できるものか試してみるがいい!」
「くっ……舐めるな、猟兵め!」
ピサロ将軍はどうにか八艘飛びを繰り出してきたが、雪と風をまともに受け止め動きも鈍っている。
一方、アスナにとって今の環境が最も動きやすい状態だ。
吹雪を追い風にしながら、死を司る地母神は一気にピサロ将軍へと迫る。
「もう一度言おう……貴様のような征服者など――大っっっ嫌いじゃ!!!」
怒りを籠めて振るうのは自慢の邪竜爪。
その鋭い刃は征服者の身体を切り裂いて、大きく吹き飛ばしていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
HAHAHA!
ラストスパートデスネー!
油断も慢心も禁物デース、戦争の勝利目指して励みマース!
滑走靴で滑空しながら遮光のサングラス越しにピサロ将軍を観察しマスガ……。やはり実力者でありますな。
逃げようとせずに、カルロスや他の七大海嘯と連携して戦場に出て来られたら、かなり厳しいことになっていたデショー!
単騎でいる現状をラッキーと感謝しつつ、八艘飛びに的確に対処して隙を待ちマース!
地上の剣にぶつからないよう空を駆けながら、ファルシオンで攻撃を受け流し……機を見計らってUC起動!
「六式武装展開、雷の番!」
ピサロの戦闘力に比肩する気合を持って、勝負に臨みマース!
これよりが本番デスネ! いざ、参りマース!
●
「HAHAHA! ラストスパートデスネー!」
テンション高めに笑い声をあげながら、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は邪剣島へと足を踏み入れる。
楽しそうな雰囲気を纏いつつも、バルタンの目に宿る光は真剣そのものだ。
「油断も慢心も禁物デース、戦争の勝利目指して励みマース!」
足元には滑走靴、目元には遮光のサングラスも装備して準備はばっちり。
そんな彼女の視線の先に立つのは――『邪剣』ピサロ将軍だ。
「やはり実力者でありますな。カルロスや他の七大海嘯と連携して戦場に出て来られたら、かなり厳しいことになっていたデショー!」
しかし、相手は所詮単騎だ。共に行動する黄金太陽神だってサングラスで対処出来てしまう。
この状況はラッキーだと再認識しつつ、バルタンはピサロ将軍の出方を窺う。
「カルロスは所詮ただの雇い主のようなものだからな。私は一人で十分だ、お前を倒し新たな主を探しに行かせてもらう!」
ピサロ将軍は眩い輝きを纏いつつ、早速八艘飛びを繰り出してきていた。
島に刺さる剣の間を潜り抜けるように駆け回る様は凄まじい。
しかし、バルタンも今は相手の観察と対処に注力している。そのお陰で相手のスピートには対応出来ていたし、迫る攻撃もどうにか打ち払えていた。
「素早く飛び回るのなら私だって得意デース!」
滑空靴でひらりと空を舞い、邪剣による斬撃はファルシオン風サムライソードでしっかりと受け流す。
素早く駆け回る二人の女の戦いは、どこか美しい踊りのようにも見えていた。
何度目かの剣戟を繰り返していれば、二人の様子は少しずつ変わってきているようだ。
自慢の攻撃が防がれ焦りを見せる将軍に対し、バルタンの様子は跳ねるようなものへと変じている。
「ええい、ちょこまかと……!」
「それはそっちも同じデース! それにワタシはもう暖まってますカラネ。六式武装展開、雷の番!」
気合と共に迸る電撃を身に纏い、バルタンは更に力強く気合を入れる。
テンションが上がれば上がるほど、戦闘力だって相手に比肩していくのだ。
「これよりが本番デスネ! いざ、参りマース!」
地上から少しだけ高く飛び上がり、そのまま空気を蹴り出せば――バルタンの身体は弾丸のように空を飛ぶ。
その勢いで将軍へと接近し、繰り出すのは全力の斬撃だ。
凄まじいスピードが上乗せされた一撃は見事に敵を切り払い、彼女を地面の上へと叩きつける!
「アナタとワタシ、戦いに籠める気合が全然違うのデス!」
優雅に着地を行いつつ、からりと笑うバルタン。
依頼とあらば全力を出す。そんな彼女のプロとしての在り方が、確実な一手を叩き込んでいったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
クロス・シュバルツ
アドリブ、連携可
残す敵はあと僅か……此処までくれば、全て倒して、きっちり終わらせてしまいましょう
先制攻撃時点での目眩ましは目を閉じ『殺気』の探知と音で攻撃を予知。襲い来る剣は鎖で叩き落とし、防げない分は『オーラ防御』と『激痛耐性』『継戦能力』で耐え
UCを発動。神の光をも遮る闇で戦場を覆い、自身は『闇に紛れる』
視界が悪ければ敵の攻撃も鈍るでしょう
地面の剣には鎖を巻き付け『怪力』で引っこ抜き、そのまま空中で固定
敵にとって視界が悪い環境。下手に動き回ればそれだけでダメージになる
当然それだけでは済まさず、引っこ抜いた剣とピックを『投擲』
攻撃により位置を探知される事を防ぐ為、鎖を使い多方面から攻撃
●
少しずつ迫る戦いの終わりを感じつつ、クロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)も邪剣島へと足を踏み入れていた。
「残す敵はあと僅か……此処までくれば、全て倒して、きっちり終わらせてしまいましょう」
王笏は全て倒されたが、それでも七大海嘯が滅んだ訳ではない。
グリードオーシャンに平和を齎すためにも、最後まで戦い抜かなくては。
そんな決意を抱く彼に向け、ピサロ将軍は容赦なく黄金の輝きを照らし出す。
「カルロス王が滅んだ今、お前達を相手にしている暇などない。手短に行かせてもらおうか!」
彼女の叫びに呼応するように、島に突き刺さった剣が抜けていき、クロスへと刃を向ける。
目眩ましの光に惑わされないように目を閉じながら、クロスは確りと『罪茨』を握りしめた
視界が暗闇に閉ざされても、音と殺気が危険を教えてくれている。むしろ深い闇の中の方が、自分にとっては馴染みのあるものだ。
「……ええ、これならきっと大丈夫です」
迫る刃を罪茨の鎖で打ち払いつつ、クロスは少しずつ埒外の力を高めていく。
跳ね除けきれなかった刃が少しだけ自分の身体を切り裂いたが、その程度で折れるものか。
攻撃の勢いは少しずつ弱まってきている。その隙を狙い、クロスは黒い瞳を開き空を仰ぎ見る。
「霧よ、世界を包め。――この『霧』は俺の領域。容易くは超えさせません」
彼の声に応えるように、神の光をも遮る闇が輝く空を覆い尽くした。
黒い霧は黄金太陽神の輝きも曇らせ、その力を弱めていく。
「何だこの霧は……厄介な!」
ピサロ将軍は暗い場所での戦闘には慣れていないようだ。霧の向こうで悪態をつく声が聞こえてきている。
そこでクロスは罪茨を手繰り、先程弾き落とした剣を次々に拾い上げていく。
「やはり暗闇は苦手なようですね。それでも挑んでくるのは……勇敢というより無謀でしょう」
鎖によって次々に剣を空中に固定すれば、高速移動している相手には効果覿面。
時々鎖を通じ、剣が敵を切り裂く感触も伝わってきている。
その感触もソナーのように扱いつつ、懐から取り出すのは暗殺用ピックの『虚風』だ。
「……そのまま、闇の中で眠って下さい」
ピサロ将軍の気配がする方へ、クロスは手早く虚風を投げつける。
返ってきたのは小さな悲鳴と血の香り。闇の中で、将軍はきっと怯えているに違いない。
太陽だろうと影が差せばその光は弱まるのだ。
そしてその中でも、ちゃんと自分の立ち位置を理解し歩を進める者が勝利を掴む。
クロスは、そのことをよく知っていた。だからこそ――彼の作戦は、ピサロ将軍の能力を上回ったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
山梨・玄信
ふむ、八艘飛びか。流石逃げようとしていただけあるな。じゃが、あれは勝ち戦での話じゃ。負け戦から逃れようとしているお主に使いこなせるかの?
【POW】
敵の先制攻撃に対し、先ずは目を瞑るぞ。光で見えないなら最初から見ない方が良い。
全身をオーラ防御で覆い、感性を研ぎ澄ませ、聞き耳と第六感で敵の動きを察知し、極力敵の力を減じて攻撃を受け止めるのじゃ。
敵の先制攻撃に耐えたら目を瞑ったまま褌一丁になって、こちらもUCを発動するぞ。
島の上じゃから空中戦を挑むのじゃ。やはり、聞き耳と第六感で相手の動きを読みつつ、攻撃の為に近付いて来たら浸透拳(鎧無視攻撃)をカウンターで打ち込むのじゃ!
アドリブ歓迎じゃ。
●
猟兵達から着実にダメージを与えられつつも、ピサロ将軍の機動力は未だに衰えない。
敵を迎え撃つために邪剣島を飛び回る彼女を見遣り、山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)は小さく唸った。
「ふむ、八艘飛びか。流石逃げようとしていただけあるな」
しかし、様々な世界で実際に囁かれた八艘飛びの物語はあくまで勝ち戦での話だ。
「負け戦から逃れようとしているお主に使いこなせるかの?」
「ああそうだ、私は必ずこの戦いに勝利し逃げ切る。邪魔はさせるものか!」
ピサロ将軍は黄金の輝きを纏い、更に飛び交うスピードを上げていく。
玄信はすぐさま瞳を強く閉じ、周囲の音や気配へと意識を向けた。
「光で見えないなら最初から見ない方が良いからのぅ。それに……待ち構える戦いも得意だぞい」
全身にオーラを巡らせ、玄信はしっかりと構えを取る。
すぐにピサロ将軍の踏み込む音と剣を振るう音が聞こえたが、そちらに向けて腕を構えれば斬撃程度ならどうにか防ぐことが出来た。
「甘いぞ!」
「なんの、まだまだ!」
将軍の放つ攻撃は苛烈だが、玄信はその一つ一つに対応しつつ勝機を窺う。
相手がいくら強力とはいえ永遠に攻撃し続けることは不可能だ。攻撃の合間、斬撃の隙間を見定め――。
「……わしの真の力を見るがいい!」
「な、何……!?」
突如、玄信の身体が眩い輝きを纏い始めた。それこそ黄金太陽神に負けないくらいの強い光だ。
その輝きは玄信の肌から発せられているが……よく見ると着ていた道着も彼の側に脱ぎ捨てられている。
褌一丁に転じた玄信は目を瞑ったまま、勢いよく地面を蹴飛ばす。
「女性の前でこの姿になるのは申し訳ないからのぅ……手早く行くぞ!」
そのまま低空を飛びながら、玄信は一気にピサロ将軍へと接近していく。
将軍の方も最初は面食らっていたが、すぐに調子を取り戻したようだ。
「私がその程度のことで狼狽えると思うな! こちらこそ速攻で終わらせてやろう!」
再び彼女も八艘飛びを繰り出して、玄信との距離を詰める。
そして二人が接近しきった瞬間、拳と剣がぶつかり合う音が島へと響いた。
攻撃が届いたのは――玄信の方だ。
彼の浸透拳は邪剣だけでなくピサロ将軍の胴にも撃ち込まれ、彼女を大きく吹き飛ばす!
「やはりこの戦い、お主の負け戦だったようじゃな!」
覚悟を籠めた拳は、将軍の力を上回り、猟兵達を勝利へとまた一歩導いていったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクトル・サリヴァン
やるべきことが多いねえ。
でもそうしなくては勝てないのなら頑張ってこなさないとね。
サングラスを準備し基本的に目を閉じ続けて風や音の魔法で周囲を感知して行動する。
反響定位の要領でおおまかな形が分かれば十分。
地面に刺さった剣に迂闊に触れぬよう積極的には動かず迎撃の姿勢。
そして向こうが突っ込んでくる気配察知したら高速詠唱からの土の魔法で周囲の地面の形を破壊して俺のいる場所を落とし穴のように思いっきり沈下させて突撃の邪魔をしよう。
それで突撃してくるなら方向は一か所に絞られる、だからそっちに土の壁展開し時間稼ぎ、UC準備できたら壁の裏から銛ぶん投げつつ発動、水シャチで迎撃してやろう。
※アドリブ絡み等お任せ
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「やるべきことが多いねえ」
ピサロ将軍の能力を思い返し、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は小さく溜息を吐いた。
彼女自身の戦闘力に加え、八艘飛びの機動力、黄金太陽神による目眩まし、そして邪剣島そのもの……対応すべきものは多い。
「でもそうしなくては勝てないのなら頑張ってこなさないとね」
つぶらな瞳をサングラスで隠しつつ、ヴィクトルは静かに目を瞑る。
周囲に風と音の魔力を張り巡らせれば、あとは反響定位の要領で相手の動きは掴めるはずだ。
「何を企んでいるのかは分からんが……動かないのなら、こちらから行かせてもらおう!」
鋭く、風を切る音が聞こえる。ピサロ将軍が八艘飛びを始め、少しずつこちらへと接近して来ているのだろう。
恐らく彼女が背負った偽物の太陽も輝いているだろうが、それはもう関係のないことだ。
周囲に刺さった剣に気をつけつつ、ヴィクトルは静かに機を窺う。
恐らくチャンスは一瞬だ。
暗闇に閉ざされた状態はまるで深海に潜っているような気分だが、だからといって不必要に怖がる必要はない。
踏み込みの音が、金属が擦れる音が、ピサロ将軍の息遣いが――全てヴィクトルのメロン体に必要な情報を教えてくれているのだから。
「……ここだね」
自分に迫る気配が大きくなった瞬間を見計らい、ヴィクトルは勇ましく『勇魚狩り』を掲げる。
すると土の魔力が彼の周囲を舞い踊り、一気に地面を破壊し始めたのだ。
「ちっ……厄介なことを!」
聞こえてくるのはピサロ将軍の舌打ちと彼女が飛び上がる音。
着地の音が聞こえてきたのは――敢えて地面を破壊しなかった方角だ。
ヴィクトルはすかさず魔力を集め、ピサロ将軍の方角へと土の壁を作り上げる。
直後、壁には凄まじい衝撃が叩き込まれた。恐らくピサロ将軍が剣を振るったのだろう。
「狩りは焦って動かない方がいいからね。狩られるのはキミの方だよ」
相手の攻撃の隙を活かし、ヴィクトルは半壊した壁へ向け『勇魚狩り』を構えた。
「さあ、追いかけて、齧り付いて――喰い千切れ」
そのまま銛を投擲すれば、追尾するように水で象った巨大なシャチが牙を向く。
銛と水シャチによる攻撃をまともに喰らい、侵略者の女は大きく吹き飛ばされたようだ。
「俺達はキミ達よりずっと長く海にいたんだ。海の世界での戦いで、負ける訳にはいかないからね」
成果を確認し、ヴィクトルはゆるりと笑う。
その表情にあったのは――海に生きる者としての余裕だった。
大成功
🔵🔵🔵
兎乃・零時
アドリブ歓迎
常にまぶしい光…だがその程度!目が潰れるのには慣れている!!(迫真)
それに高速移動で来るってんなら…こっちが光になればいい!
UC!
移動力を五倍
装甲を半分
指定属性は輝光!光の体!
この体ならどんな攻撃だって魔力に変えられる!剣とか効かねぇよぉ~だ!(生命力吸収
それに宙にも浮けて一石二鳥!(空中浮遊×空中戦
そしてお前が光で来るなら俺様自身も発光して敵に目潰し喰らわせつつ特攻だぁ!
手から光魔術による光線を使い敵の攻撃いなしつつ限界を超えて加速する!
全力でダッシュステップジャンピング!
そのまま隙見て全力の光線をかます!
全力魔法×光属性攻撃×貫通攻撃!
ぶちかませ!
輝光閃《グリッターレイ》!!
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邪剣島を覆い尽くす眩い光を眺めつつ、兎乃・零時(其は断崖を駆けあがるもの・f00283)はぐっと気合を入れる。
「常にまぶしい光……だがその程度! 目が潰れるのには慣れている!!」
零時は光を操る魔術師である。
膨大な魔力と共に凄まじい光を放ち戦う彼にとって、黄金太陽神の輝きだって慣れることは容易いものだ。
「随分な自信だな。だが……私の速度には追いつけまい!」
迫真気味に主張を述べる零時に対し、ピサロ将軍は八艘飛びを繰り出しはじめる。
彼女の動きは凄まじく、黄金太陽神の輝き抜きでも厄介なことには変わりない。
「そっちが高速移動で来るってんなら……こっちが光になればいい!」
『極光の古文書』をぎゅっと握り、零時は光の魔力を展開していく。
書物に記された呪文を元に、起動するのは『物体変質』の魔術だ。
「――改変し 変質せよ 我が手によって変革を為せ。指定属性は輝光! 光の体だ!」
詠唱が終わった瞬間、零時の身体は美しい蒼色の光へと変わる。
そのままピサロ将軍に追いつくように空を駆け、仕掛けるのは空中戦だ。
「私に追いつくつもりか? だが……これはどうだ!」
迫る零時に対し、ピサロ将軍はスピード任せの斬撃を振るう。
その威力は凄まじいものだが――光を切り裂くなんて不可能だ。おまけに発生した衝撃も光へと変わり、零時の身体へと吸い込まれていく。
「剣とか効かねぇよぉ~だ!」
吸い込んだ魔力で更に身体を輝かせ、零時は更にスピードを上げていく。
ここまで来れば彼の輝きも相当なものだ。ピサロ将軍は忌々しげに眉を顰め、零時を睨んでいる。
「速度でも光でも、私達を追い抜くつもりか……!?」
「当たり前だ! 俺様は、絶対! 全世界最強最高の魔術師になるんだからな! お前なんかに負けるかよ!」
光を推進力に変え、零時の速さはまさに光速へと迫っていた。
ピサロ将軍も邪剣により迎撃を試みているが、あとはもう翻弄されるだけだろう。
ならば今が決め時だ。零時は魔力を一気に集中させ、ピサロ将軍へと狙いを定めた。
「これが俺様の全力だ――ぶちかませ! 輝光閃(グリッターレイ)!!」
次の瞬間、邪剣島の上空で流星のような光が煌めく。
零時の放った光の魔術はピサロ将軍を見事に撃ち抜き、彼女の身体を大きく焼いていったのだ。
七大海嘯の一人には実力を示せた。けれどこれが終わりではない。最強を目指す旅は続くのだから。
まだまだ成長する実感を得ながら、零時は身体を元に戻していった。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクティム・ウィンターミュート
バッチリ場を整えてきやがるじゃねえか
仕込みがちゃんとしてる奴は嫌いじゃないぜ…敵であってもな
ま、一つ残念なのは…相手が俺だってことくらいかな
化かし合いじゃ負け知らずなんだぜ、俺はよ
目くらましに関しては、生身の眼じゃねえから問題無い
フラッシュバンの類もこれでどうにかしてきた
地面の剣も、「今は」派手に動かなきゃいい
八艘跳びに関しては、どのみち接近してくると考えれば…構えて待てばいい
風の流れを【見切り】、いなす
飛来する邪剣はその場でナイフを振り、クロスボウを撃ち込んで迎撃しながら、素早くUC展開
───『Dead Copy』
地面の剣を素材に、邪剣を複製
向こうの剣を迎撃しつつ、本体に一気に殺到させる
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ピサロ将軍の本拠地である邪剣島は、まさに彼女のための戦場だった。
輝く光に無数の剣。それらを電脳ゴーグル越しに見遣り、ヴィクティム・ウィンターミュート(Winter is Reborn・f01172)は軽く笑みを浮かべている。
「バッチリ場を整えてきやがるじゃねえか」
敵であっても仕込みが丁寧な相手ならば嫌いではなかった。
だからといって油断はしないし感嘆もしない。相手が自分であることを、散々後悔してもらおうじゃないか。
「化かし合いじゃ負け知らずなんだぜ、俺はよ」
「ならばその自信、正面から叩き潰させてもらおうか!」
ピサロ将軍が高く邪剣を掲げれば、彼女の背負う光はより強くなる。
けれどその輝きがヴィクティムの目を潰すことはなかった。彼の瞳は生身のものではなく、フラッシュバンの類にも対応出来る代物だ。
それよりも警戒しなければならないのは――将軍の放つユーベルコードだろう。
掲げられた邪剣に応じるように、島に突き刺さった無数の剣がヴィクティムへと刃を向ける。
そして次の瞬間には、全ての剣が流星のように降り注いだ。
「確かに派手な攻撃だが……こういう時こそ堂々と構えるべきだよな」
左腕には生体機械ナイフを。右腕には強化自動クロスボウを。二つの武装を構え、ヴィクティムは迫る剣を睨みつける。
足元だって十分危険だ。この状態で焦って動くのは却って危険だろう。
風の流れや金属の擦れる音、全ての情報を適切に処理しつつ、武装を振るえば迫る剣は簡単に撃ち落とすことが出来た。
それよりも気になるのは、どんどん近付いてくる強烈な気配。
見ればピサロ将軍は八艘飛びを用いて、こちらとの距離を詰めているようだ。
「思った通り、捕まえた――『Dead Copy』」
ザザッ、とノイズの音が響き、直後に静寂が訪れた。
ヴィクティムが起動したのは対象の模倣再現を可能とする特殊なプログラムだった。
電脳空間が周囲の環境を、そしてピサロ将軍を捉えれば――発動するのは『三千邪剣世界』。
周囲に突き刺さった剣を素材にしつつ、ヴィクティムもまた島中の剣を操作していく。
「何、私の剣が……!?」
「自分の武器に裏切られるとは思ってなかったか? 残念だったな。この勝負、貰ったぜ」
剣はピサロ将軍が操ったのと同じように、流星のように島の中を突き進み、一気に将軍の元へと迫っていく。
無数の剣を操る女は、その剣によって撃ち落とされることとなったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
ロラン・ヒュッテンブレナー
【書庫組】
※アルターギア:魔力で接続した電脳空間からのコマンドで動く鳥型空戦用魔術補助特化キャバリア
ピサロ将軍、すごく強いんだってね
対策、大事なの
センサーとソナー【聞き耳】で【索敵】なの
アルターギアの魔力回路と電子頭脳を使って、できるだけ広い範囲に内側が接地面の摩擦0、無重力になる【結界術】で覆うよ【地形の利用】
これで、結界内では再ジャンプも落下運動もできないの
結界は続く限り維持なの【継戦能力】
生えてくる剣は【ハッキング】して敵の進行方向に配置なの
ブースターで結界内を高速移動しながら【オーラ防御】
みんなのサポートをしながら、
【高速詠唱】【全力魔法】で回数重視のUCを【誘導弾】で【乱れ撃ち】なの
ゴロウザエモン・サンモト
【書庫組】
予めロラン様のアルターギアに掴まり出撃。
ロラン様のお陰で敵はこちらの間合いに入れば隙だらけになるはず。
その隙にUC発動。
自身の【第六感】と、嗅覚や聴覚に優れた妖怪たちの支援による【集団戦術】で敵位置を特定、火筒で妖怪を弾にし【早業】の【乱れ撃ち】。※【式神使い】
私の妖怪は絵画の属性を持ち、私の絵画はどんな環境でも塗り潰す魔王の絵具製。
この魔王の絵具弾でピサロと太陽神を塗り潰し、光を覆い隠してやるのでございます。
ある意味【アート】でございますね。弾は【呪殺弾】。敵にデバフがかかれば尚良し。
ここまで頼りきりでございますし、この程度の支援は…!
ではロラン様!消し飛ばしちゃってくださいませ!
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邪剣島に、一羽の機械鳥が舞い降りた。
その鳥――空戦用魔術補助特化キャバリア『アルターギア』を操作しつつ、ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は機体の外へと声をかける。
「ゴロウザエモンさん、大丈夫?」
「ええ、私は大丈夫です。ですが……ピサロ将軍はすぐにこちらへやって来るでしょうね」
アルターギアの機体の上から声を返すのはゴロウザエモン・サンモト(『魔王』山本五郎左衛門・f27245)だ。
彼女は周囲を見遣り――すぐにこちらへ迫る、太陽を背負った女の姿に気がついた。
「相手は凄まじい速度で向かっていますね……」
「ピサロ将軍、すごく強いんだってね。対策、大事なの」
二人の言葉の通り、ピサロ将軍は傷を負いつつも猟兵達を迎え撃たんと駆け回っているようだ。
彼女の纏う輝きも、八艘飛びも。きちんと対処しなければ、きっと簡単に負けてしまう。
だからこそ猟兵達はしっかりと役割分担をし、この戦いへと挑んでいる。だから大丈夫だと信じて、この島へと舞い降りたのだ。
「まずは魔術結界を展開するの。ゴロウザエモンさんも気をつけてね?」
「ええ、分かりました。出来る限りアルターギアの上で敵を出迎えましょう」
作戦を話しているうちに、ピサロ将軍の位置はどんどんこちらへと近付いている。
そこでロランはタイミングを見計らい、アルターギアの回路へと自身の魔力を回し始めた。
「結界展開、相手の動きを制限するの」
魔力が回りきった瞬間、不意に周囲の景色が揺らめいた。
アルターギアを中心にして、結界は薄く広く広がっていく。
ピサロ将軍もそちらへ向けて剣を振るうが――しかし、何も起きたりはしなかった。
「結界と言いながら防御も出来ないのか? 甘く見るな!」
彼女はそのまま結界内部へと突入し、勢いよく地面を蹴飛ばす。
そして自慢の八艘飛びでアルターギアを駆け上ろうとしてきたが――そのまま彼女の身体は空中にふわりと浮いていく。
ロランが展開していたのは防御用の結界ではない。内側が接地面の摩擦0、無重力になるように設定された、対ピサロ将軍用の結界だったのだ。
思わず驚き無防備になる将軍へ向け、ゴロウザエモンは魔王の火筒を突きつける。
「魔王が斃れぬ限り、百物語は終わらない……!」
火筒の口からは、絵画によって生み出された百鬼夜行が飛び出した。
彼らの嗅覚や聴覚ならば黄金の輝きが周囲を照らそうと問題はない。妖怪達はピサロ将軍の位置を掴むと、すぐにゴロウザエモンへと伝えてくれた。
「皆様、ありがとうございます。ではそのまま――塗りつぶして差し上げましょう!」
魔王の掛け声に従って、妖怪達は次々に火筒の中へと戻っていく。
彼らの身体はどんな環境でも塗り潰す魔王の絵具で出来ている。それを弾として撃ち出せば――。
「何だこの攻撃は! 黄金太陽神が曇るではないか!」
殺到した絵具弾は次々にピサロ将軍を鮮やかな色に染め上げ、黄金太陽神の輝きも潰していく。
強い光も曇らせてしまえばその程度。絵の具から微かに漏れる輝きは、むしろどこか美しさを帯びていた。
更には弾に籠められた呪いが彼女達の動きを鈍らせ、剣を振るう力も弱まらせているようだ。
「ここまで頼りきりでございますし、この程度の支援は……!」
「ううん、凄く助かるの。ぼくだけじゃ光と邪剣はどうにも出来なかったから……だから、一緒に勝とうね!」
「はい、ロラン様! 共に参りましょう!」
二人のやり取りはアルターギアの外と内で行っているが、気持ちはすぐ側で通い合っている。
敵は十分追い詰めた。あとは勝利を収めるだけだ!
アルターギアは翼を広げ、ピサロ将軍との距離を一気に詰める。
ゴロウザエモンも振り下ろされないように注意しつつ、妖怪達と共にピサロ将軍を追い続けていた。
「ちぃっ……おのれ、猟兵達め!」
将軍の方もどうにか撤退をしようとしているが、ロランの結界はかなり広い。
彼女がいくら凄まじい速さを誇っていようと、太陽に影が差し足をとられた状態ならば恐れる必要は何もないのだ。
「逃しません!」
ゴロウザエモンは再び火筒を構え、絵具弾を次々に撃ち出していく。
絵具として飛び出した妖怪達はピサロ将軍の身体に付着すると、更に呪いで動きを制限してくれているようだ。
その隙を狙い、ロランはアルターギアの回路を再び全力で起動させた。
「対消滅術式展開、並行展開:合成魔術式、ミキシングOK、レディ」
最後に決めるのは遠慮なしの全力攻撃、全てを撃ち尽くす勢いで放つ魔術。
「ではロラン様 !消し飛ばしちゃってくださいませ!」
「――この魔砲は一味違うの!」
黄金太陽神よりも激しい光が、邪剣島を覆い尽くす。
アルターギアから放たれた『災禍もたらす破滅の光条』は流星のように煌めいて、ピサロ将軍を貫いたのだ。
光が消え去る頃には――将軍も骸の海へと還っただろう。
戦いの終わりを確認し、猟兵達は明るく声を掛け合った。
「お疲れ様、ゴロウザエモンさん。無事に勝てたの」
「ええ、ロラン様もお疲れ様です。本当によかった……」
帰還のためにアルターギアの翼を広げ、二人はゆっくりと空を飛ぶ。
そこから見下ろす邪剣島は――鮮やかな色と自然の光によって、美しく彩られていた。
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こうして猟兵達はピサロ将軍を倒すことが出来た。
カルロス・グリードも倒された以上、戦争の終わりももうすぐだ。
その実感を得ながら、猟兵達は帰路へとつくのであった。
大成功
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