羅針盤戦争〜狂い咲け、桜花なるメロディア
●無尽のメロディア
竪琴の音色が響き、桜色のシャボンが湧き出て弾ける桜花島の一角。
その中心で竪琴を奏でていた異形の女がため息をつく。彼女こそがこの島の主、七大海嘯『桜花』たるメロディア・グリードだ。
『矢張り大天使の肉を以てしか、無限再生能力を封じる術は無いのでしょうか……』
無限に再生し殖え続ける己の体に彼女はうんざりしていた。
それを阻止する為にグリモアをカルロス・グリードにもたらす為、彼女は利害関係で分体を各地に放った。
しかしその成果も芳しくなく、今や猟兵達はこの島に迫っている。
危機的な状況の中、彼女が考えるのは自身を姫君とした夫の事。
かつて竜王たる身であった彼女を娶ったカルロス・グリード、彼を助けるのはあくまで利害関係、そのはずだ。
なのに、今この状況で彼の事が脳裏に浮かぶのはなぜだろう。
その疑問に対する答えを見ぬふりをしながら、七大海嘯『桜花』は無限に殖える体を以て猟兵達を迎え撃たんとしていた。
「予知を得た。七大海嘯『桜花』メロディア・グリードに纏わるモノだ」
グリモアベース、水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)が集まった猟兵達に説明を始める。
「彼奴は本拠地である『桜花島』で猟兵達を迎え撃つ準備を整えておる。それを真っ向から叩き潰さねばならぬが……無限再生能力を持ち、単純に死なない。その特性が非常に厄介じゃ」
曰く、メロディア・グリードは桜が咲き乱れるかの如く自分自身を無限に再生させ続けていて、単純に倒すだけではすぐにダメージがなかったかの如く再生してしまうというのだ。
「攻撃手段は無限再生で発生した残滓達……スイート・メロディアを集める事で能力を強化すること、そして高速飛行しながらメロディア・グリード自身の肉体からスイーツで出来た分身の群れを放ってくること、そして甘いスイーツの香りを嗅いだ敵を眠らせる事の三つ。倒されにくくするか、捕まえにくくするか、攻撃しにくくさせるかで、とにかく再生時間の為の隙を作り、そして数で圧殺してこようとしてくる」
非常に厄介だが、『鮫牙』のように攻撃が通じないというわけではないのが救いだと龍神は言う。
「対策として。相手が何度でも蘇るなら、それを上回るスピードで倒す。それしか手段はない。とにかく全回復の隙すら与えず間断なく攻撃を加え続けること再生が途絶えると予知されておる。なんとも難儀な戦いになるじゃろうが……みなならできると信じておる」
そして多摘は説明を締め括ると宝珠型のグリモアを取り出し、桜花島へ向かう鉄甲船へと猟兵達を転移させたのであった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
リスポーン地点先読み百個所分担とか必要そうな名前ですね、残滓達。
このシナリオは『桜花島』での『メロディア・グリード』との決戦シナリオとなります。
相手は必ず先制攻撃を行ってくるため、そのユーベルコードへの対処が重要となります。
同時に無限再生能力由来の死なないという特性があるため少しでも攻撃に隙が発生すると全回復した上で増殖する私の残滓達(スイート・メロディア)の大群を放ってくるので絶え間ない攻撃が必須となります。
また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。
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プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードを対処した後、殺して殺して殺しまくる。
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それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『桜花』メロディア・グリード』
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POW : スイート・フュージョン
【残滓達(スイート・メロディア)】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[残滓達(スイート・メロディア)]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : スイート・レイン
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【肉体】から【スイーツで出来た分身の群れ】を放つ。
WIZ : スイート・パフューム
【甘いスイーツの香り】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
イラスト:hina
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ニィエン・バハムート
・先制対策
【空中浮遊】から自分の体に【衝撃波】を放ちその勢いで【空中戦】。敵に追い縋りながら首飾りとオーラで威力と射程を強化された電撃【属性・範囲・マヒ攻撃】を敵が放つ分身と敵に【カウンター】で放つ。いくら速く飛ぼうが電撃の方が速いはずですわ!
敵の動きを一瞬でも止めたら突撃してUC発動。【怪力】と【グラップル】で地面に叩きつけ、そのまま地面に押し付けながら大地震の力を叩き込み続ける災害級の攻撃による【蹂躙】の【継続ダメージ】で殺し続ける。敵に接しているので電撃によるマヒ攻撃も続け逃がさない。
真なる竜王による破壊の鉄槌!大バーゲンセール開催中ですの!
せいぜい楽しんでから地獄に落ちることですわね!
牧杜・詞
無限再生能力を封じる?
せっかくめいっぱい殺していいのに、そんなもったいないことしなくていいわ。
相手が先制してくるってことだけど……。
あら、増えてくれるの?
殺せる数をわざわざ増やしてくれるなんて、サービスのいいことね。
と、【識の境界】を発動。
【残像】と【見切り】【第六感】も使いながら、
囲まれないように動きつつ相手の攻撃を躱しながら、
【新月小鴨】で【カウンター】を叩き込んでいくわね。
初撃の勢いを受け流せたら、そのまま反撃にでるわ。
【フェイント】と【切り込み】を使って、殺して殺して殺しまくろう。
どれだけ殺してもいいってことだし、こちらも衝動のままに刻んでいいわよね。
蘇るなら、そのぶん殺すだけ、ね。
ビスマス・テルマール
色々な所で貴女とは戦っているので
本音は、只の利害関係じゃない事は知ってますが……割とやるせないですね。
●POW(対策込み)
『オーラ防御&激痛耐性』で備え
『先制攻撃』で『空中戦&推力移動』で敵の攻撃を『第六感』で『見切り』『残像』で回避し
『制圧射撃』を取り巻きの
残滓達に蒔きつつ
本体の上空まで
『属性攻撃(重力)&誘導弾』の『範囲攻撃&一斉射撃』を残滓達と本体を分断する様撃ち
『早業&大食い』UC発動
割り入り残滓達ごと
わたしの身長の三倍の【沖膾光剣化した蒼鉛結晶】で『範囲攻撃』を『怪力&衝撃波&属性攻撃(氷)』込めふるい『継戦能力&限界突破』で連携しつつ本体を『切り込み』を
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
栗花落・澪
先制はまず【オーラ防御】を纏い
【高速詠唱】で風魔法の【属性攻撃、範囲攻撃】で香りを弾き返すついでに
挨拶としてメロディアさんに鎌鼬として攻撃を仕掛けつつ
【歌唱】で鍛えた肺活量で即座に息止め
島の中なら飛べるから
香りの届かない場所まで【空中戦】で回避
万一眠気に襲われても自分の腕を引っ掻き耐え
まずは足止め
氷魔法の【属性攻撃】でメロディアのドレスと地面を貼り付けるように凍結
同時に【指定UC】を発動し
敢えて合体させず、四方八方から少しずつタイミングをズラして攻撃を
回避する隙も与えず
乗せた【破魔】で【浄化】しながら
触れた箇所は燃え移る炎で焼いて
例え氷が溶けても逃げられないよう
女性には優しくしたいけど
ごめんね
●桜花咲く
桜花島、メロディア・グリードの領域には己自身を複数生やし続ける異形の女が一人。
甘き香りの漂う桜色のシャボンが弾け、女の奏でる竪琴の音色は澄んで響く。その様は酷く穏やかな情景に見える。
『――とうとう私が命を賭する時が来ましたか』
酷く甘い、菓子を思わせる声。猟兵を認識するまでどこか倦んだように見えた瞳は、今や譲れぬモノを押し通す女帝の如き強さに満ちている。
「ここが年貢の納め時でしてよ!」
七大海嘯の一人に向かい、力強く言い切るのは竜の如き特徴を宿すニィエン・バハムート(竜王のドラゴニアン(自称)・f26511)。
「乱暴にするのは嫌だけど……その厄介な無限再生は封じさせて貰います」
少女のようにも見えるオラトリオの少年は栗花落・澪(泡沫の花・f03165)、本来は優しくしたい所だが桜花の持つ力は非常に厄介で、他に有効な対策がないのが現状だ。
(「……封じる? せっかくめいっぱい殺していいのに?」)
そんな勿体ないことはしなくていい、と内心思うのは和装にジャケットの強化人間の牧杜・詞(身魂乖離・f25693)。
『まだ私は至っていません。私は私が大切なのですから――消えなさい』
メロディア・グリードより放たれる眠りへと誘う香気が強くなれば、効果を発する前にオーラ纏いし澪が高速で風の術を構築、暴風により周囲へと吹き散らす。
(「本音は、只の利害関係じゃない事は知ってますが……割とやるせないですね」)
既に色々な場所でスイート・メロディアとの交戦経験のあるビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)はその言葉だけが本心でないことを知っている。
澪が挨拶代わりに放った鎌鼬を無限に再生する自分自身で受け止めつつ、メロディア本体は澪へと香気の範囲を絞り封じようとする。
風を操り空へと逃れる澪。歌の為に鍛えた肺活量で呼吸を止めたまま動く事もある程度は可能だが、どこまで可能か。
だがそれを指摘しても何も変わらないことも、同時に知っていた。
『さあ、集まりなさい私の残滓達。この地を不埒な猟兵達の墓としましょう』
シャボンが弾けるように、周囲から湧き出すようにスイート・メロディア達が姿を現す。
そして同時、メロディアが桜色の領域より空へと飛び立ち、恐ろしい速度で飛び回りながらチョコレートで作った己の分身を大量に地に放つ。
桃色の領域は一転、残滓達に満たされた悍ましき場と化した。
「あら、増えてくれるの? 殺せる数をわざわざ増やしてくれるなんて、サービスのいいことね」
そんな光景に詞は全く動じる様子もなく白鞘より抜いた短刀を構え、走る。
湧き出した残滓と地に落ちたスイーツの分身たちが猟兵達に飛びかかる中、詞は動き難いだろう着物姿で音もなくスイーツの分身達の隙間をすり抜け、最小限の動作のカウンターで仕留めていく。
少々精神に変調を来してはいるけれども現状認識は問題なし、持ち前の直感で囲まれぬ安全地帯を見切り殺戮を開始した彼女と同じくして、自身の体をオーラで覆い守りを固めたビスマスも空から降り注ぐ甘き残滓達への迎撃にかかる。
そしてニィエンは自身に真下から衝撃波を放ち一気に高度を確保、更に衝撃波を追加で放ち飛翔するメロディア・グリードを追う。
地上にスイーツの分身を放ちながらメロディア・グリードは空中戦を繰り広げていた。
澪が襲い来るスイート・メロディアの攻撃から風を操り逃れ、とうとう一息。それだけで眠気が一気に襲い掛かってくるが、即座に血が滲むほどに強く爪を腕に立ててひっかく。
完全には眠気は晴れないが意識を取り戻すには十分。
ばらまかれた分身達が恐るべき力で襲い掛かろうとする中、空中戦はお手の物とばかりにビスマスは残滓達の軌道を見切り、逆に踏み台にして手にしたなめろうの気を含んだフォースセイバーで斬り裂いていく。
そしてメロディアが追い縋るニィエンに向けスイーツの分身を直に放つも、竜の少女はメガリスで強化した発電能力を以て電撃で反撃、分身達を痺れさせながら地へと叩き落す。
いくら高速でも電撃の速度速を超えることは難しい。その強烈な電撃はメロディア・グリード本体を撃ち、そのバランスを崩してシャボン溢れる地へと墜落させる。
落ちた衝撃に擦過傷を負うメロディア、その傷すら高速で自己再生してしまうが、落ちた衝撃で一瞬動きが停止する。
さらに上空から氷の矢がメロディアを縫い留めるように命中、評決は命中した傷口から地面までを凍らせて貼り付けにし、更に衝撃波で方向転換したニィエンが突撃、距離を詰めながらユーベルコードを起動する。
「世界を揺るがす竜王の鉄槌! バハムート・デストラクション!」
それは鯰が持つ、本来なら空想上の能力である地震を戦闘用に調整して行使するもの。戦闘用にごく限られた範囲に狭められているが、立っていられない程の強烈な揺れが桜色の領域を襲う。
「――根源を示せ」
その言葉と共に詞が衝動を開放、殺人鬼としての彼女が爆発的に速度を増し、地震に揺れる領域を走り本体へと駆け出す。
周囲のスイート・メロディアは地の揺れに足を取られ、本体の救出に向かえていない。そんな足止めを喰らっている分身達を、詞は駆ける勢いで衝動のままに刻んでいく。そんな動作の中でもフェイントを交え反撃のタイミングすら掴ませないのは殺人鬼としての天性のものか。
しかし詞の殺戮から逃れ、揺れにようやく対応した残滓達がメロディア本体へと合流しようとする。それを許せば強化された力で強引に離脱されかねない。
だが、それをビスマスが阻止する。空を飛びメロディアの頭上高くにまで移動した彼女は、地上で本体に合流せんとする残滓達にマゼンタ色の全身鎧装の固定砲台を構え、残滓達の動きを制限、制圧するように重力弾を連射し地に沈めていく。
地震の揺れと相まって、本体と残滓を分断するビスマスの広範囲にわたる一斉射撃は狙い通りに働いて、メロディア・グリードのユーベルコードの効果を最小限に抑え込むことに成功する。
「鳥たちよ、どうかあの人を導いてあげて」
そして聖なる杖を掲げ、歌うように澪が口にすれば、彼の周囲に百一の鳥を模した破魔の焔が出現、そしてメロディア本体へとばらばらに殺到する。
手数、そしてタイミングをずらしつつ四方八方から責め立てる破魔の炎、逃げ場はない。
焼き浄化され、再生した箇所も延焼させていくのに、氷へは燃え移ったり溶かさぬ破魔の炎はメロディアだけを焼いていく。
女性に対しては優しくしたい気持ちもあるのだけれど、ここで手を緩めては水の泡。心の内で謝罪しつつ、破魔の鳥炎を澪は次々にけしかけていく。
「真なる竜王による破壊の鉄槌! 大バーゲンセール開催中ですの!」
そしてメロディア・グリードが体勢を立て直す前にゼロ距離まで詰めたニィエンはメロディア・グリードを掴むとその怪力で地面に叩きつけ、地面に押し付け続けている。
抑え込まれて災害そのもののエネルギーを逃すこともできず、更には電撃も流され続けている為に脱出も不可能。
「せいぜい楽しんでから地獄に落ちることですわね!」
その言葉に反抗するようにメロディアの自己再生が加速、肉の質量が増大し掴んだ腕を内側から押し出し引き剥がそうとする。しかし、距離を詰めた詞が目にも止まらぬ速度でメロディアの本体を刻んでいく。
どれだけ殺してもいい、寧ろ復活するまで殺すこと。そう言われたのだから衝動のままに刻んでいい。
新たに再生してくる部位を刻み、体の一部を遠くへ投げてそちらで復活を試みるその動作を詞が阻止し、シャボンの地に落ちる前に細切れに刻み切る。
蘇るならその分殺す、殺人鬼である詞の刃は容赦なく閃き隙を作れば。
「生成開始っ! 絶対超硬剣・秋刀魚のなめろう(蜂蜜味噌)味っ!」
ビスマスがユーベルコードを起動、言葉と共に彼女の手には秋刀魚のなめろう味の絶対超硬剣が出現する。
「プラチナさん……貴女の力、借りますね」
そしてその剣を躊躇いなく一気に喰らえば、彼女の肉体を覆うように白金の帝竜を模した全身鎧装および沖膾光剣化した蒼鉛結晶――自然ビスマスが展開、ビスマスの三倍ほどもある白金竜装態へと変身する。
呼吸を合わせたようにニィエンと詞がメロディア・グリードから離れた瞬間、白金竜が沖膾光剣をその怪力で全力で振るう。
自己再生せんとするメロディア・グリードの肉体がその剣から放たれた衝撃波の余波で凍結、更に斬撃は凍てついたメロディアの肉体を粉々に破壊する。
しかし、まだ再生は止まらない。凍結した肉片が桃色の領域に溶け込んで、また新たなメロディア・グリードが再生を開始する。
再生は不完全、だが少しでも攻撃を止めれば完全復活してしまう――次なる猟兵達の攻撃が息をつく間もなく飛び込んできた。
大成功
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ロラン・ヒュッテンブレナー
【ファランビー】なの
すごいいっぱいだね…
この数は、残しちゃだめなの
二人とも、攻撃したらすぐ移動なの
攻撃力は強力なの
【ダッシュ】【残像】しながら二人に着いていくね
相手の配置を【索敵】、【情報収集】しながら
一か所に纏められる様な位置取りを指示
次はあそこを狙うよ
【第六感】も使って【オーラ防御】の【結界術】でみんなを包んで防御しつつ
牽制の【属性攻撃】魔術を撃つで援護なの
相手が纏まったら合図
今だよ、一気に決めよう
【手を繋ぐ】様にみんなの魔力をリンク
魔力を高めて
無敵・破壊・消滅の力を一つに纏めるの
【高速詠唱】の【全力魔法】で威力重視なUCの【範囲攻撃】を【乱れ撃ち】
名付けて、合体魔砲ファランビーキャノン!
チェリカ・ロンド
【ファランビー!】
数だけ揃えたって、私たちに勝てるなんて思わないでよね!
やっちゃいましょ!ハロ、ロラン!
ロランの指示に従って、ハロと一緒に前衛で戦うわ!
光聖剣「バルムンク」の【武器受け】と【なぎ払い】で数を減らしつつ、敵を一カ所に纏めましょ。
ハロに合わせて炎の【属性攻撃】を剣に纏わせて【衝撃波】を放って、敵の目を引くために派手に暴れるわよ!
タイミングが来たら、光【属性攻撃】の【全力魔法】!【超チェリカ砲】のために魔力と光気を限界まで高めるわ!
ハロとロランの技と合わせて、ぶっ放す!
どんな困難も乗り越えてきた私たちの力、たっぷりと見せてやるわ!
いっけぇぇぇ!合体魔砲!ファランビーキャノォォォンッ!
ハロ・シエラ
【ファランビー】として戦う時に一番ありがたいのは、敵が幾ら多くても三人でなら何とかなると思える事です。
一人では不可能な事も可能になりますからね。
と言う事で、チェリカさんと共に、ロランさんの指示に従って前衛を担うとします。
しかし戦闘そのものは私の領分。
敵の動きを【見切り】常に移動しながら剣を振るい、なるべく一撃で仕留めます。
刃に【属性攻撃】による炎を纏わせれば、より確実でしょう。
派手に戦えば敵を【おびき寄せ】る事も出来るでしょうしね。
後は合図に合わせて【全力魔法】でユーベルコードを放ちます。
私が想像すべき光はすぐ隣。
その強さに疑念を抱く余地はありません。
これが、合体魔砲ファランビーキャノンです!
領域に響く竪琴の音が止まった直後、【ファランビー】の三人も桜色の領域へと辿り着いていた。
「すごいいっぱいだね……」
呟いた人狼の少年はロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)。
空から七大海嘯『桜花』がばら撒いたスイーツの分身、スイート・メロディア達の数は既に見渡す程。
「この数は、残しちゃだめなの」
そう言ったロランにハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)が頷く。
ファランビーとして三人で戦う事、それを一番有難く思うのは敵が多数いる時だとハロは思う。
一人ではどうにもならない数であっても、三人でなら何とかなると思える――一人では不可能な事も、三人ならば可能になる。
「数だけ揃えたって、私たちに勝てるなんて思わないでよね!」
新たな敵の襲来に反応し向かってきた分身達に向かって、チェリカ・ロンド(聖なる光のバーゲンセール・f05395)が叫ぶ。
「やっちゃいましょ! ハロ、ロラン!」
そして事前に打ち合わせていた通りの陣形――後衛をロラン、チェリカとハロが前衛を務める形でファランビーの戦闘は開始された。
裂帛の気合と共に光聖剣を全力で振るい群がる残滓達を斬り払っていくチェリカ。
飛びかかってくる残滓達の抱擁を剣で防ぎ、止まった残滓をハロが精気を喰らう妖狐の細剣で次々に切り裂いていく。
数多い残滓達だが耐久・技量的な部分では劣る。細剣に纏わせた炎の魔力が効果的に機能している事もあるが、一太刀一殺以上のペースで残滓達は倒れていく。
「あわせるわよ! ハロ!」
そしてハロの攻撃に合わせて炎を纏わせ剣を振るえば、それに伴う衝撃波が分身達を焼いていく。
「足を止めちゃだめなの!」
けれど直後に発されたロランの警告に二人が反射で飛びのけば、その位置に残滓達が抱擁・捕獲せんと一斉に飛び掛かる。
残滓達を踏み越えて次なる残滓達が殺到する。どれほどの自己再生速度なのか頭を抱えたくなる。おまけに分身達の火力は相当に強力、一撃貰えばそのダメージで一気に崩されかねない。
チェリカに残滓の一体の手が伸びるが、ロランのオーラの結界がその手を弾き回避のための猶予を作り出して。
「あっちの方に走って」
得られた情報と勘、危険を退けるよう牽制の月の属性の魔弾を放ち支援しつつ、あくまで落ち着いてロランは得た情報を元に二人に指示を出す。
その言葉に従って二人は踵を返し、ダッシュで残滓達の密度の薄い場所へと駆けていく。
残像を交えながら回避するロランは戦場を駆けつつ電脳魔術で敵の配置を索敵、その情報を元に作戦を組み立てている。これだけの数を一体残らず始末するには火力は勿論下準備も必要、その前段階としてハロとチェリカは派手に戦い残滓達を自分達へとおびき寄せているのだ。
とはいえ次から次にやってくる残滓達の数に逃げ場も徐々に狭まってきている。
そして誘導は成功。かなりの数の残滓達が一か所に集中している。これ以上逃げ場はないが、その時ぐらりと地面が大きく揺れる。
見れば地上へ落されたメロディア・スイート本体を数人の猟兵が抑え込み連続攻撃を仕掛けている。その位置はちょうどよくファランビーと残滓達、そしてメロディア・グリードが一直線上になる場所で。
「今だよ、一気に決めよう」
今が好機――そう判断したロランが合図して手を取るように魔力を二人とリンク、
「対消滅術式展開、並行展開:合成魔術式、ミキシングOK、レディ」
ユーベルコードを起動してロランの練り上げしは消滅の力。ファランビーの三人が各々得意な力を練り上げ円環を巡らせるように循環させていく。
「これが私の全力全開! ハァァァァァァァッ!!」
本来なら破壊の奔流の如き極大な聖光を放つチェリカのユーベルコード、だが今回はすぐには放たず彼女が限界まで高めた魔力と光気はロランが循環制御。
それを感じながらハロもユーベルコードを起動する。
イメージするは無敵の光、隣にいるチェリカのあの吸血鬼の城すら砕きかねない破壊力の強烈な光線。
チェリカも隣で今まさに術を展開している、その強さに微塵の疑念を抱く余地もない。
ハロの無敵のイメージから練り上げられた魔力が高速で詠唱を重ねるロランへと巡っていく。
形作られていくのは共に戦い、困難を乗り越え続けてきた三人だからこそできる、完全な信頼を縁とした大魔砲。
「これが、合体魔砲ファランビーキャノンです!」
無敵と破壊、そして消滅の力を高め溶け合わせた、一つの巨大なエネルギーの大砲――恐るべき破壊力を放たんと力はますます高まっていく。
「いっけぇぇぇ!合体魔砲!ファランビーキャノォォォンッ!」
チェリカの叫びと共に、極大の光線が放たれる。凍結から復帰し自己再生中のメロディア・グリードを守る為に残滓達が阻まんとするが、それは合体魔砲の破壊力を僅かに減らすことも能わず直線状のすべてが蒸発。
最大の一撃を放った疲労感を抱きつつ、三人は放った合体魔砲の痕跡を見る。抑え込んでいた猟兵達は直前に逃れていたようだが、残滓達は当然としてメロディア・グリードにも間違いなく直撃、跡形もなく消し飛んでいるようにみえる。
だが、大きくえぐられた地面で何かが蠢いている。それはメロディア・グリードの一部、恐るべき自己再生能力はこの状態からも機能するようで、既に頭部が形作られている。
けれど他の猟兵がそれに気づき飛び出している。追撃は彼らに任せるとして、ファランビーの三人は集い来る残滓達を迎撃するために再び動き始めた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
エィミー・ロストリンク
【POW】
ヒャッハー、最速で叩くのは得意だよー!
メロディアはここで終わらせるんだよー!
キャバリア・アカハガネに搭乗して参戦
スペースシップ「ブラックゴースト」を島外から艦砲射撃を展開。その際、ロストオーシャンオーブの消費型メガリスの半分を爆裂弾として使用
アカハガネの両腕のガトリングキャノンの連射で近づいていく残滓を吹き飛ばしていく
先制後、UC「姫君の財宝を取り込みし巨神」を発動し、消費型メガリスを含めたすべてのメガリス(服は除く)とアカハガネが合体してキャバリアの50倍近くに巨大化
これがジャイアント・アカハガネだー! 大きいよー!
そして巨大化したバーニングナックルでの連続ラッシュで沸騰粉砕する
『……まだまだ私は復活できます』
巨大な合体魔砲の一撃を喰らい、ほぼチリと化した状態からすらも再生するメロディア・グリード。
再生途中であってもその顔はあくまで冷静。七大海嘯としての矜持、弱みを見せるつもりなどないという事だろうか。
だがそんなメロディアに赤き装甲のキャバリアが一機、一直線に飛び込んでくる。
「ヒャッハー、最速で叩くのは得意だよー!」
メロディアをここで終わらせる、そんな意志を持って帝竜『ガイオウガ』の如きスーパーロボット『アカハガネ』を駆るセイレーンの少女エィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)はメロディア・グリードを射程に捕らえると両腕のガトリングキャノンを構え掃射する。
しかしメロディア・グリードの体から湧き出してきた残滓達がそれを己が身で阻み、本体の再生時間を稼ごうとする。
直後、遠間より砲弾が連続でメロディア周囲に降り注ぎ炸裂する。それはエィミーが桜花島の海岸で発動させていたボトルシップ型メガリスが巨大化したスペースシップによる艦砲射撃、王笏のメガリス欠片より生み出された消費型メガリスを爆裂弾として使い捨てにした破壊力は残滓達ごとメロディア・グリードを吹き飛ばす。
そして吹き飛ばされながらも再生を続けるメロディア本体に向けガトリングキャノン向け弾丸を発射させつつ、エィミーはユーベルコードを起動する。
「メガリス合体! うおーー! カッコいい! おっきいぞーー!」
その言葉と共に島の外に停泊していたブラックゴーストをはじめとしたエィミー所有のメガリス達の殆どがアカハガネの元へと飛来、合体シークエンスを経てかつて七大海嘯の一体であった巨大海獣と並ぶ巨体のスーパーロボットへと形を変える。
これこそがジャイアント・アカハガネ。エィミーの切り札。
そしてスーパーロボットはその拳を振り上げメロディア・グリード、そして桃色シャボンの領域に拳を叩きつける。
その拳は灼熱を帯び、生半可な存在では触れるだけで蒸発してしまうだろうそれを連続で叩きつけ、メロディア・グリードの再生を徹底的に阻む。
極端に高い自己再生能力を持つメロディア・グリードだが、あまりに拳が巨大過ぎて脱出も困難、そして残滓達は生み出す端から蒸発させられていく。
どう考えてもやりすぎな程に攻撃を続けるエィミー、ようやく攻撃を止めてよくよく領域を確認するが既にそこはシャボンすらなく焼けた地肌が見える程度。
だが、そんな状況でも七大海嘯『桜花』はまだ生きていた。
スーパーロボットの背後足元の死角、連続攻撃を受けながら一部をこの場所に離脱させていたのだ。
再生速度こそ随分と遅くなっているが、焼けた地面から体の一部を再生させ始めている。
しかしそんなメロディア・グリードを見逃さない、二人の猟兵がいた。
大成功
🔵🔵🔵
雷陣・通
【雷桜】
欲望の海の中に貫くアレを愛というなら
俺達だって、負けちゃいねえ!
八重と合わせるように
イナズマカッターを弾幕の如く投擲、雷属性&マヒ攻撃で近づけさせない
本番だ、距離を詰め二回攻撃のグラップル
その服……引っかけるところが多いな?
体勢を崩したところで
『其蹴技試割如』
で奴の急所を破壊
まずは殺す
戦いは終わっちゃいない、継戦能力で戦闘を継続し、UCか刀を抜いてさらに攻撃
勿論、戦うだけじゃない
あっちが俺を狙って来たら八重とチェンジ
今度は残滓の方を狙う
「八重!」
残滓にはイナズマカッター投擲による弾幕と刀で
一人じゃ無理だった
でも、今はこいつが居る
八重がいるから戦えるんだ!
お前はどうなんだ、メロディア?
御桜・八重
【雷桜】
まずは残滓!
魔法の箒を腰だめに構え、通くんと合わせるように
オーラ弾をひたすら連射!
ひと波引いたらメロディアに突撃。
一人がメロディアに攻撃する間、
もう一人は再び集まってくる残滓を掃討。
隙あらば二人で彼女を攻撃!
メロディアの再生能力が枯れるまで倒さねばならない以上、
一回一回に時間はかけられない。
相手が力尽きるまで、何度でも【花旋風】を繰り出す!
終わりの見えない戦いは、一人じゃ心が折れてたかも。
でも、今ここには通くんがいる。
励まし合い、勇気づけ合い、手を取り合って、
共に戦ってくれる大切な人がいる。
あなたは大切な人のために戦っているんでしょう?
ならその想い、わたしたちが全身全霊で受け止める!
こうまでして生き延びようとするその姿は桜花の潔さとは程遠く。
それでも諦めないのは利害関係で繋がっていると本人が嘯きながらも抱いてしまった感情故か。
――この欲望の海で貫こうとするその感情を愛と呼ぶのであれば。
「俺達だって、負けちゃいねえ!」
少年、雷陣・通(ライトニングボーイ・f03680)は御桜・八重(桜巫女・f23090)と共にメロディア・グリードの前に立ち棒手裏剣『イナズマカッター』を投擲する。
だがそれを残滓達がその身を挺して阻む。猟兵達の度重なる攻撃でごく僅かにまで減らされた残滓達。
それを突破せんと八重が腰だめに構えた魔法の箒からオーラ弾を連射し、それに合わせ通が弾幕のように棒手裏剣を投擲して残滓達の動きを阻害する。 自身の発電体質による雷を纏わせた手裏剣はダメージを厭わぬ残滓達の体を痺れさせ反攻の隙を与えない。そしてオーラの弾丸も次々に着弾し残滓達の体を削っていく。
二人の猛攻に不完全な再生を繰り返すメロディア・グリードと彼女を守る残滓達の命運は風前の灯火――のように見える。
けれど実際の状況はよろしくはない。ここに集った残滓達、意志を同じくするそれらが集う事でその能力は強化されてる。二人の攻撃にもあまり削られていない。
そして不完全ながらも左半身以外の再生にメロディア・グリードが至ってしまう。これ以上時間をかけてしまえば完全復活されてしまうだろう。
ここが本番、正念場。
同時にそう判断した二人は、息を合わせ残滓達を一点狙いで突破口を開くと一息にメロディア本体へと距離を詰めていく。
八重は残滓の背後に回り込んだ時点で反転、後方から追い縋ろうとする残滓達をオーラ弾で迎撃、メロディア・グリードへの加勢を阻む。
そして通はメロディア本体と共に再生されたひらひらとして掴み易い服を握りしめ、格闘技の技量でその態勢を崩すと、
「ちぇりゃあ!」
気合と共にユーベルコードの蹴りを炸裂させる。胸の中心を正確に打ち抜いたその一撃、再生の要だろう心臓を破壊されたメロディア・グリードはびくんと痙攣する。
そして彼の攻撃はまだ終わってはいない。流れるように刀を抜いて転がったメロディアに追撃、更に攻撃を加えようとするが、そこで不完全な再生により新たに生じた残滓達が通目掛け一斉に飛びかかり妨害、弾き飛ばされる。
「八重!」
合図はその言葉だけでいい。後方で残滓を相手していた八重に一言告げて、通は向かってくる残滓達を刀で迎撃し棒手裏剣の弾幕で牽制。
心臓を破壊されても既に再生を始めているメロディアの本体、それに向かい八重は『陽刀・桜花』と『闇刀・宵闇』の二振りの刀を抜いて、
「いざ吹き散らさん、花旋風!」
飛び込んだ勢いでユーベルコード『花旋風』を起動、独楽のように強烈な回転を乗せて振りぬいた二刀による斬撃は立ち上がろうとしていたメロディアを両断。
上半分が地面に落ちる前に、重ねて八重が回転の勢いを乗せたままにもう一度花旋風を発動。時間をかけられない、力尽きるまで徹底的に切り刻む――無限にも思える再生力を持つメロディア・グリードに対してのそれは終わりの見えない戦いだ。
もし一人であるならば心が折れていたのかもしれない。けれど今ここには通がいる。
励まし勇気づけ、手を取り合い共に戦う大切な人が背を守ってくれているのだ。だからこの程度で挫けられる筈などあるまい。
そして通の方も同じ、一人ではこれほど厄介な特性を持つ七大海嘯を討つ事はできないだろうと思う。
今は背に一人、共に戦うひとがいる。八重がいるから戦って討つ可能性が見える。
「あなたは大切な人のために戦っているんでしょう? ならその想い、わたしたちが全身全霊で受け止める!」
そう叫んだ八重が全力を振り絞り花旋風を連続発動、メロディア・グリードの首を切り落とした所に、通が強烈な蹴りを真上から叩き込む。
その一撃に静まる戦場。既に限界だったのか、メロディア・グリードの再生は停止している。二人がそれぞれ相手取っていた残滓達も、最早いない。
「……お前はどうなんだ、メロディア?」
先の八重の言葉に重ねる形で通が問う。
――返される言葉はない。ただ、メロディア・グリードは少しだけ無念そうな表情を浮かべると、この場を構成していたシャボンのようにその頭部と残った体を弾け崩れさせ、風に溶けるかのように消滅したのであった。
かくして無限に再生する身を厭う七大海嘯『桜花』はここに討たれた。
真実の想いは秘めたまま、欲望の海に散華した桜は何も語らない。
大成功
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