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羅針盤戦争〜ファブニルヘジン

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #五の王笏島

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●ベルセルク
 七大海嘯『王笏』、その『五の王笏島』は無数の『白骨化した古竜』――『スケルトン・エルダー・ドラゴン』がひしめく島であった。
 大量と呼ぶにはあまりにも数の多い『白骨化した古竜』たちはピクリとも動きはしなかったが、その中心に在る『王笏』、カルロス・グリードは『ベルセルクドラゴンの鎧』を身にまとい、羅針盤戦争の戦局を見据えていた。
 かのアックス&ウィザーズ世界で引き起こされた『帝竜戦役』に現れた帝竜が一体『ベルセルクドラゴン』の力を具現化したカルロス・グリードは、『ベルセルクドラゴン』と同じように高速思考によって己の考えをまとめていた。

「猟兵の進撃は停められぬかならば我が為すべきことはひとつであろうな此れより我自らが打って出なければならぬそのためにはこの島に迫りし猟兵を駆逐せねばならぬどのような力で持ってこの島の位置を特定し攻め入るかはわからぬまでもこの高速思考と超戦闘力そしてスケルトン・エルダー・ドラゴンがいる限り奴らを一時でも長くこの場に止めなければならない例えこの島が制圧されたのだとしても時間を稼げばいいのだ侵略形態へと以降すればいかに猟兵達が規格外の速度で進撃するのだとしても容易に停められはしまいいや止めることすらできない世界が回帰すればこそ我の勝ちである時間切れを狙うとは些か王の為すべきことではないが猟兵達の力を見誤ればここで我らの命運は断たれるというものである故にここでやつらを止めるしかないならば――」

 それは一瞬のうちに導き出された思考であった。
 そう、何もこの島での戦いで猟兵たちに勝つ必要はないのだ。
『王笏』たるカルロス・グリードはオブリビオン・フォーミュラであり、同時に分身体でもある。
 例え、ここで『五の王笏』が敗れても、残る『王笏』が健在であればいい。
 ここに来て『王笏』カルロス・グリードは時間を稼ぐことに注力しはじめた。その高速思考は、その答えを出さねばならぬ程に追い詰められていることをも証明していた。
 王として恥じるべきことでもあったが、侵略する者として、侵略を許した時点で恥は捨てると判断した。
 その判断ができるからこそ、コンキスタドールの王なのである。
 これまで数多の世界を侵略し、奪ってきた。
 これからも、そして今からも変わらぬ事実であるというように蠢く『白骨化した古竜』たちを使役して、カルロス・グリードは猟兵たちを迎え撃つのであった――。

●羅針盤戦争
 グリモアベースへと集まってきた猟兵達に頭を下げて出迎えるのは、ナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まりいただきありがとうございます。今回発見された本拠地は『王笏』、その『五の王笏島』です」
 ナイアルテは彼女が予知した島の光景を伝える。
『五の王笏島』はアックス&ウィザーズ世界の力を具現化したカルロス・グリードが猟兵たちを迎え撃たんと待ち構えているようだった。
 だが、それだけではない。

「はい……カルロス・グリードは本拠地である『五の王笏島』に無数の存在する『白骨化した古竜』、『スケルトン・エルダー・ドラゴン』を大量に使役し、皆さんにけしかけます。それは同時にカルロス・グリードが皆さんに必ずユーベルコードで先制してくる状況と相まって、危険極まりないものであるでしょう」
 強大なオブリビオンは必ず猟兵に先制してくる。
 この羅針盤戦争が始まって以来、猟兵たちは数々の七大海嘯との戦いを経験してきたことだろう。
 そこに今回『白骨化した古竜』たちというもう一つの要因にも対処しなければならない必要性が出てきたのだ。

「無数に存在する敵をなぎ倒し、カルロス・グリードをも討たねばなりません。彼のユーベルコードはどれも強力なものです」
 ナイアルテが知ったのは、『ベルセルクドラゴンの鎧』を纏い、高速思考と超戦闘力戦闘を行うカルロス・グリード。
 そして、鎧から放たれる凶暴化ブレスを浴びた者にルールを宣告し、破ればダメージを与えるというもの。
 それは簡単なルールである程に威力が上がるものであり、カルロス・グリードは『その場から動いてはならない』というルールを宣告してくるようだった。

「さらに『ベルセルクドラゴンの鎧』によって身体強化され、肉体をドラゴン化させての素早い速度での一撃を放つユーベルコード。自身に敵意を向けた対象に負傷した分だけ威力を増やす狂える竜のオーラでダメージを与えてくるユーベルコードなど……どれも強力なものばかりです」
 だが、光明もある。
 カルロス・グリードの高速思考の殆どは『白骨化した古竜』たちを操りながらであるが故に、そちらに容量を取られている。
 また『白骨化した古竜』たちはブレスなどの脳力を持っていない。
 あるのは直接的な攻撃だけだ。

「とは言え、どちらも強力な戦力であることは言うまでもありません。どうか、お気をつけて……羅針盤戦争も最終局面を向けているようです。皆さんのご武運を」
 ナイアルテは猟兵たちを見送る。
 激しい戦いが予想されるが、それでもナイアルテは覚悟していた。
 猟兵達がどれだけ厳しい戦いを強いられているかを。けれど、それでも猟兵たちは泣き言一つ言わない。
 だからこそ、ナイアルテはいつものように微笑んで彼らを送り出すのだ――。


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『羅針盤戦争』の戦争シナリオとなります。

 大量の『白骨化した古竜』たちの存在する『五の王笏島』にて『ベルセルクドラゴンの鎧』を纏ったカルロス・グリードと戦うシナリオになります。

 ※このシナリオには特別なプレイングボーナスがあります。これに基づく行動をすると有利になります。

 プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処し、同時に「白骨化した古竜」にも対応する。

 それでは、羅針盤戦争を戦い抜く皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『五の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    アリエント・ドラゴーン
【鎧から放射される凶暴化ブレス】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    エスパーダ・ドラゴーン
【鎧の身体強化】による素早い一撃を放つ。また、【肉体をドラゴン化する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    イーラ・ドラゴーン
【自身または竜に対する敵意】を向けた対象に、【負傷の分だけ威力を増す狂える竜のオーラ】でダメージを与える。命中率が高い。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルイス・グリッド
アドリブなど歓迎
魔銃のレプリカを持って出撃

ドラゴンか、俺は戦った事はないがやってみるとしよう
時間稼ぎなんてさせてたまるか!お前の海に還れ、オブリビオン!

SPDで判定
先制攻撃は銀腕を【武器改造】で盾にして【盾受け】【怪力】【オーラ防御】を併用し、更に盾の表面を液状化させ【受け流す】ようにして防ぐ
多少のダメージは【覚悟】して受ける
小竜には【早業】で素早く銃を構え、藍の災い:圧壊【重量攻撃】を指定UCで込めた弾丸を【範囲攻撃】【全力魔法】【属性攻撃】で放ち攻撃する
生き残ったとしても行動速度は遅くなるだろうから橙の災い:爆破【爆撃】を【範囲攻撃】【全力魔法】でばらまき、カルロスも小竜も同時に攻撃



『白骨化した古竜』たちの群れが『五の王笏島』に蠢く。
 その様子は離れた場所からでもはっきりとわかるほどに巨大な『スケルトン・エルダー・ドラゴン』たちであり、島に上陸した猟兵たちに襲いかかる。
 威容こそドラゴンであれど、ブレスなどの攻撃能力はない。
 あるのは白骨化した爪や腕、足や翼などといった直接的なものが多い。
 それはドラゴンとしての能力の殆どを喪っていると言っても過言ではなかったが、数で圧するという意味では手強い相手であった。

「ドラゴンか、俺は闘ったことはないがやってみるとしよう」
 ルイス・グリッド(生者の盾・f26203)は戦場となった『五の王笏島』を駆ける。
 彼の姿を捉えた『白骨化した古竜』たちが彼に群がり、さらには七大海嘯『王笏』、その『五の王笏』たるカルロス・グリードの分身体が襲いかかるのだ。
「来たか、猟兵。我の本拠を攻め落とそうとするとは、確かにコンキスタドールの名折れではあるが――!」

 カルロス・グリードの身はアックス&ウィザーズ世界の力を具現化した『ベルセルクドラゴンの鎧』を身にまとい、凄まじい速度で襲いかかってくる。
「スケルトンの竜に『ベルセルクドラゴンの鎧』……これが高速思考と超戦闘力……!」
 ルイスは防戦一方になってしまう。
 銀腕を盾にして受け止めるが、それでもなお『ベルセルクドラゴンの鎧』を纏ったカルロス・グリードの拳は銀の腕に亀裂を走らせる。

 なんという膂力。
 それが本来のカルロス・グリードのものではないにせよ、強化されるだけでここまでの力を発揮するとは恐るべき力だ。
 これがオブリビオン・フォーミュラの力であるということをルイスは身を持って知る。
「だが、退けるわけがない!」
「そう来るだろうな、猟兵! 貴様たちはそういう存在だ。だからこそ、ここで時間を稼ぐ。例え、此処で我が倒れようとも、時間は我の味方だ」
 放つ拳の一撃をルイスは銀の腕の盾を変形させ、液状化させて受け流す。

「考えたな。だが、其の程度で我が竜の一撃を受け止められるか!」
 カルロス・グリードの身体がドラゴンそのものへと変貌していく。
 それは嘗て『ベルセルクドラゴン』と呼ばれた帝竜と同じ姿であった。放たれた一撃はルイスの身体を吹き飛ばし、大地へと叩きつける。
 血反吐が溢れるが、それでもルイスは立ち上がる。
「……時間稼ぎなんてさせてたまるか!」
 ルイスの瞳がユーベルコードに輝く。
 魔銃を掲げ、属性付与(エンチャント)によって義眼のメガリスの輝く藍色の災いから放たれる圧潰の災いが周囲に蠢く『白骨化した古竜』たちを薙ぎ払う。

 そこを走り抜け、『ベルセルクドラゴン』と化したカルロス・グリードへと迫る。
 その威容は凄まじいものであった。
 重圧もまた同様である。だが、ルイスは足を止めない。止める理由がない。ならばこそ、ルイスは義眼のメガリスの力を最大限に引き出す。
「お前の海に還れ、オブリビオン!」
 何処まで行っても、カルロス・グリードはルイスにとってオブリビオンでしかない
故にルイスは加減などしない。
 義眼が放つ輝きは橙。
 爆破の属性が付与された弾丸が走り、周囲にあった『白骨化した古竜たち』を巻き込んで、一気に吹き飛ばすのだ。

「全て巻き込むつもりか! 小癪な真似を――!」
 カルロス・グリードの高速思考を以て、ルイスの狙いに気づく。だが、それでも広範囲に放たれた爆破の力はほとばしり、無数の白骨を砕きながら、ユーベルコードの輝きの渦にカルロス・グリードを巻き込んでいくのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天御鏡・百々
時間稼ぎなどさせぬ!
疾く討伐してくれようぞ!

戦いにおいて敵意を向けぬというのは流石に困難だな
しかし、戦闘序盤の今ならば、敵の負傷は少ない(無い)
『イーラ・ドラゴーン』の威力もそう高くは無いはずだ
それならば、神通力による結界で耐えきれるであろう(オーラ防御、結界術)

攻撃を凌いだら即座に『天神遍く世界を照らさん』を発動だ(浄化、除霊、神罰)
古竜の骸も死霊の類いならば、動きは止められる
カルロスも清浄なる神域には適応できまい

多少動きが早くとも天之浄魔弓(武器:弓)より放つ光の矢は追尾する(誘導弾、スナイパー)
その鎧の隙間を貫いてくれよう!(破魔、鎧無視攻撃)

●神鏡のヤドリガミ



 橙に輝く災いの爆風が『五の王笏島』に吹き荒れる。
 それは無数の『白骨化した古竜』たちを巻き込んで七大海嘯『王笏』、その『五の王笏』たるカルロス・グリードをも巻き込んでいた。
 如何にオブリビオン・フォーミュラたるカルロス・グリードであったとしても、無差別に放たれた爆風から無傷でいることはできない。
『白骨化した古竜』の骨片が『ベルセルクドラゴンの鎧』を突き抜けて、彼から赤い血を流させていた。
「おのれ此処まで来ても尚、猟兵の力は削がれぬか……いや、だがいい。それでいいのだ。一時でも長く時を稼ぐ」
 カルロス・グリードにとって時間だけが最大の味方であった。

 侵略形態へと世界が回帰すれば、それだけで今回の敗北の数々は帳消しにされる。
 渦潮は破壊され、猟兵たちはこの世界へ至ることができなくなるのだ。
 そうなれば、今回の敗北で喪ったものを再び集めればいいだけの話である。
「時間稼ぎなどさせぬ! 疾く討伐してくれようぞ!」
 だが、そんな目論見を果たさせぬと疾走るのは猟兵であり、天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)であった。
 彼女は戦場に早く駆けつけた猟兵であった。

 それはグリモアから得られたカルロス・グリードのユーベルコードの力を知るからこそである。
 負傷の度合いによって威力を増す竜のオーラ。
 序盤であれば、その威力もまた強化はされていないであろう。確かに百々の考えは正しかった。
「この程度の負傷。負傷のうちにも入らぬが。だが、だからといってお前たちに敗れるほどやわではない!」
 放たれる竜のオーラと『白骨化した古竜』たちの群れが百々に襲いかかる。
 どうあっても戦いにおいて敵意を向けぬということは難しい。

 けれど、それでも百々はカルロス・グリードを打倒しなければならない。
 この世界を救うため、この世界に住まう人々の生命を脅かせぬため、人の心が平穏であるようにと願う心があるからこそ、百々は駆け抜ける。
「それはこちらの台詞だ。その程度のオーラに負ける我の神通力ではない!」
 迸る百々の結界。
 それは神通力が齎す神々しいオーラとともに張り巡らされ、竜のオーラと激突する。
 周囲に力の奔流が走り、古竜たちをも巻き込んでいく。

 凄まじい力の激突。
 そのまばゆい輝きの中、それに負けぬほどの輝きを放つのは百々のユーベルコードに輝く瞳であった。
「これにてこの地は神域と化した。悪しき者よ、その罪を悔い改めるがよい」
 主神より賜った神光が『五の王笏島』に降り注ぐ。
 それは戦場となった大地を清浄なる神域へと変える光であった。この場に蠢く『白骨化した古竜』たちは死霊の類である。
 カルロス・グリードの力によって操られているのならば、百々の天神遍く世界を照らさん(テンジンアマネクセカイヲテラサン)とする光こそが、浄化の力であった。

 次々と『白骨化した古竜』たちの遺骸ががらがらと音を立てて崩れ去っていく。
「この力。神域に我の島を変えるか! コンキスタドールである我の島を己の領域に侵略するとは! なんたる不敬!」
 カルロス・グリードにとって、それこそが屈辱であったことだろう。
 コンキスタドール、侵略者の王として君臨する彼のお株を奪うような行い。百々にとって、それは浄化という手段ではあったが、カルロス・グリードにとっては正にされてはならぬことであった。

「この神光の前には一切の浮上は許さぬ。略奪、簒奪せし力を持つ者は、ここに疾く消えよ」
 構えた神通力宿る弓を引き絞り、百々は狙いを定める。
 その瞳に輝くユーベルコードの力は、彼女の神通力をさらなる高みへと上昇させる。
 例え、『ベルセルクドラゴンの鎧』に一分の隙がないのだとしても、先行した猟兵の与えた傷跡があるのならば、其の尽くを貫いてみせる。
 光の矢となって放たれた百々の神通力は破魔の力を伴って、カルロス・グリードの身体を貫く。

「これが人の願い、祈り。その結実。奪うばかりの者には宿らぬ力と知れ」
 百々は眩い神光に包まれながら、その身を以てカルロス・グリードに知らしめる。
 この光こそが、平穏を願う者たちの奪うことのできぬ想いであると言うように――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラリー・マーレイ
竜の群を迎え撃つ。刃や風は効きにくい。質量による打撃だ。
「ルーンフレイル」の鎖を長く伸ばし鉄球を旋風の様に振り回して【なぎ払う】。魔力による【衝撃波】を纏わせ粉砕。
同時に先制攻撃に対応。訓練で鍛えた【瞬間思考力】で事態を並列処理。
【高速詠唱】で「道術の装束」の魔力解放、身体能力を【限界突破】。高速の攻撃を【見切り】側方に【ダッシュ】し回避。
列びに「守りの指輪」の魔力で【オーラ防御】の魔法障壁を張る。
ベクトル計算。相手の勢いを読み、止めるのではなく【受け流す】。あえて吹き飛ばされて威力を殺す。

まだ動けたら【死点打ち】。呪文で加速し高速に対抗。
フレイルの鉄球を龍鱗の隙間に叩き込む。【鎧無視攻撃】。



 何本もの光の矢が七大海嘯『王笏』、『五の王笏』であるカルロス・グリードの身を貫いていた。
 纏う『ベルセルクドラゴンの鎧』に刻まれた猟兵達の戦いの傷跡は深くなる一方であり、その身を消耗へと引きずり込む一手であった。
 だが、それでも尚倒れぬのはオブリビオン・フォーミュラの分身体であるがゆえであろう。
 さらに蠢く『白骨化した古竜』たちは湧き上がるように、砕けても尚、合わさるようにして数で猟兵たちを圧倒するのだ。
「忌々しいものだ。だが、さりとてこのまま我がやられるわけにもいかぬ。この『ベルセルクドラゴンの鎧』があればできるはずだ。時を稼ぐという意味では、我にもまだ残された役割があるというもの」
『白骨化した古竜』たちと共に『ベルセルクドラゴンの鎧』を纏ったカルロス・グリードは猟兵たちへと、その超戦闘力を以て相対するのだ。

「刃や風は効きにくい……なら」
 ラリー・マーレイ(冒険者・f15107)は鉄球を鎖でつないだ魔法の棍棒を振るい、『白骨化した古竜』たちを迎え撃つ。
 鎖を長く伸ばし、魔力によって自在に動く鉄球の打撃を持って『白骨化した古竜』たちを粉砕していく。
 骨片が撒き散らされながらもラリーは、カルロス・グリードの姿を捉えていた。
 衝撃波を伴った打撃は周囲に暴風となって吹き荒れる。

『白骨化した古竜』たちばかりにかまけていては、カルロス・グリードの超戦闘力によって打倒されてしまうのはラリーの方であったことだろう。
 だからこそ、彼は考える。
 考え続ける。
 カルロス・グリードの『ベルセルクドラゴンの鎧』によって得た高速思考ではなく、訓練によって鍛え上げられた瞬間的な思考能力によって並列に処理し続ける。
 鉄球を振るい、『白骨化した古竜』たちを打倒しながら、ラリーは常に立ち位置を考え続ける。

 あのカルロス・グリードの超戦闘力は言うまでもなく脅威だ。
 だからこそ、位置をそのままにしない。戦場を駆け抜け、守りの指輪の魔力を持って魔法障壁を張る。
「その程度の障壁で我の力を防げると思ったか!」
 ベルセルクドラゴンそのものへと変化したカルロス・グリードの爪の一撃が魔力障壁を散々に砕く。
 だが、それでもラリーは止まらなかった。

 ベクトル計算。
 それは相手の勢いを読み、止めるのではなく受け流す。
 ラリーは見ていた。
 しっかりとカルロス・グリードの放った爪の軌跡を。いつだって片時も目をそらしてはならない。
 恐怖を煽るのが相手の力であるというのならば、己の瞳はそれを正しく知る瞳である。
 どれだけ強大な力でっても計算すれば、それは物理である。
「ここだ」
 ラリーは敢えて爪を受け止め、大地を蹴った。

 わざと吹き飛ばされて爪の威力を殺す。
 だが、それでもなお身を軋ませる恐るべき力。それを前にしてもラリーは痛みを堪え、大地を転げるようにして威力を完全に殺した。
「身体は痛むけれど――! ペーザンメ・ヌーン・ターイ……!」
 この体はまだ動く。
 加速の呪文を痛む肺から絞り出すようにして紡ぐ。

 その瞳に輝くのはユーベルコードの輝き。
 それは、死点打ち(クリティカル・ヒット)。
 命中させすれば神すら殺せる致命点への一撃であった。互いに加速状態に入っていたが、関係ない。
 この一撃さえ届けさえすればいいのだ。
 ラリーは鉄球を龍鱗の隙間へと叩き込み、その一撃はカルロス・グリードに絶叫を上げさせる。
「こ、の――! 我の」
「ああ、死点を撃つ。穿つ!」
 放った鉄球の一撃は過たず、カルロス・グリードの龍鱗の隙間へと放たれ、その肉体を砕けた白骨の山へと叩き込むのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神崎・ナオ
(従者の蝙蝠が助言をしながらこっそりオーラ防御してくれます)
相手の思考能力のソースは操る白骨化した古竜達に大部分振り分けられている……なるほど!
つまり上手く古竜達の周囲を逃げ回って引き付けて、より多くの古竜を動かす様にすればいいんだ!
カルロス本人の高速攻撃は地形とかを利用してなるべく正面から受ける様にすることで、防御しやすくしてみるよ!

相手の攻撃を防御したら、こっちの攻撃……ってなんで皆来たの!?
もう! これ私の戦いなんだからー……って話聞いてー!?
(突如どこからともなくぞろぞろ魔王軍が現れ、本人を守る様にカルロスや周囲の古竜に攻撃を仕掛けていきます)



 猟兵の一撃が七大海嘯『王笏』カルロス・グリードの身体を白骨の山へと叩き込む。
 骨片が弾け飛びながら、カルロス・グリードは『白骨化した古竜』たちを操作し、猟兵へと差し向ける。
 己が立ち上がるまでの時間を稼ぐためだ。
 この戦いにおいてカルロス・グリードがしなければならないことは戦いを長引かせることだ。
 時間だけがコンキスタドールの味方である。
 猟兵達が八つある『王笏』の本拠地である島の制圧を手こずれば手こずるほどに、コンキスタドールの勝利は近づく。
 世界を回帰させる『侵略形態』へと向かうのだ。
「だからこそ時を稼ぐ。『白骨化した古竜』たちよ。お前たちの力の使いどきだ」
 カルロス・グリードが命ずるママに巨大な『白骨化した古竜』たちが蠢く。

 その姿を前にして、神崎・ナオ(魔王と勇者のハーフな悪魔・f32386)は奮起した。
 彼女は魔王と勇者のハーフの悪魔の魔王である。
 大恋愛の果に生まれた奇跡の子だ。だからこそ、彼女に付き従う従者の蝙蝠たちは助言してくれる。
「ふんふん。相手の高速思考のソースは操る『白骨化した古竜』たちに大部分が振り分けられている……なるほど!」
 ならばとナオは走り出す。
 彼女の目的はカルロス・グリードとより多くの『白骨化した古竜』たちを引きつけることである。

「その程度のスピードで我を謀ろうとはな! 笑わせるな!」
 カルロス・グリードの凄まじい速度の拳がナオへと迫る。
 その拳は必中の拳であったが、しかし彼女に届くことはなかった。目の前に張り巡らせた従者の蝙蝠たちのオーラの防御がしっかりと彼女を守っているのだ。
 あれ? とナオは目をパチクリさせている。

 この戦いには自分だけでやると従者の蝙蝠たちに伝えているというのに、しっかりガードされてしまっているのだ。
「え? 嘘!? なんで皆いるの!?」
 しかも、ナオの周囲には屈強な魔王軍四天王とその配下達が現れている。
 いつもまにか心配性な魔王軍(ミマモリタイ)がナオとカルロス・グリードの間に割って入っているのだ。

「もう! これ私の戦いなんだからー……」
 ナオは憤慨した。
 自分だって猟兵であるのだ。きっちりと戦うことができる。だからこそ、自分一人であっても戦えると証明するつもりだったのだ。
 けれど、心配性な魔王軍の皆さんはそうではない。というか、ナオの叫びは完全に聞かないふりをしている。
「ほう、中々に味な真似をしてくれる。これだけの軍勢を従えるか、猟兵! 王たる我の前に軍勢でことにあたる。その器が貴様にあるかどうか試す!」
 カルロス・グリードの言葉に魔王軍四天王とその配下たちは息巻く。
 はー? うちのお嬢様とてめぇを一緒にすんじゃねー! とかなんとかそんな不穏な空気が互いの間に流れ、一触即発であった。

「って話聞いてー!?」
 その叫びが引き金となって激突する『白骨化した古竜』たちと魔王軍四天王の配下たち。 
 さらには四天王とカルロス・グリードが苛烈に激突する。
 それは本人であるナオを放り出しての大乱闘であり、ナオはその様子を口を開けて見ている他なかったのだ。

 当の本人はそっちのけで戦いは続く。
「もー! 私の話を聞いてってばー!」
 その悲痛なる叫びは聞き入れられることなく。
 されど、四天王とカルロス・グリードは激突し、周囲に激しい戦いの光を迸らせる。そんな中、ナオだけが取り残されたように声高々にジタバタするのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アシェラ・ヘリオース
さて、かの狂竜の力が相手とは厄介だ
あの暴力と高速思考は些か苦手な相性だ

骨竜の対策は、「黒渦」にフォースを通し※念動力、瞬間思考力で操って群れを刻む
ブレスは、鋭利な機動の※空中戦による直撃回避、「闇理力盾」による※オーラ防御、盾受けの二段構えだ

反撃は生半では通じぬだろう

「三手で決める」

回数を指定しUC発動
理性が吹き飛び、高速戦闘中のカルロスを標的固定

一手目:「闇理力砲」による追尾レーザー※乱れ撃ち、誘導弾
二手目:「闇理力盾」で※シールドバッシュ、推力移動
三手目:「闇理力竜砲」による※零距離射撃、砲撃、貫通攻撃

超耐久で反撃を捻じ伏せ、超攻撃力で押し通す

「やはり慣れん……だが、力押しには最適解だな」



『白骨化した古竜』たちが戦場となった『五の王笏島』に蠢く。
 その身体は白骨で構成されているがゆえに、幾度も再構成されて猟兵たちに襲いかかる。恐るべき戦力であることに間違いはない。
 そして、その数でもって七大海嘯『王笏』であるカルロス・グリードは時間を稼ぐ。
 世界が『侵略形態』へと回帰するための時間を得るためだ。
 その形態へと回帰することがコンキスタドールが猟兵たちに勝利しるための絶対条件である。

 だが、『五の王笏島』に駆けつけた猟兵達の進撃の速度は異常であった。
「ここまで即座に進撃するか、猟兵……! 我の力をもってしても、ここまで押し込まれるとは……!」
 カルロス・グリードは予想外に早くも『五の王笏島』へと至る猟兵達にたじろいだ。それは『ベルセルクドラゴンの鎧』によって得た高速思考から至る結論でも在った。
「かの狂竜の力が相手とは厄介だが……」
 アシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)は巨大な風車手裏剣にフォースを流し込む。
 彼女にって『ベルセルクドラゴン』の力である高速思考と超戦闘力は苦手というに値する。
 だが、それで退いていいわではない。

 手にした風車手裏剣にみなぎるフォースの力によって投げ放たれた斬撃が『白骨化した古竜』たちを薙ぎ払っていく。
 骨片を撒き散らしながら、『白骨化した古竜』たちを砕く。切り拓いた道を突き進むアシェラへと放たれたのは『ベルセルクドラゴンの鎧』を持つカルロス・グリードが放った凶暴化ブレスであった。
「その直線的な攻撃で私に触れることができるものか」
 赤光の盾とオーラの力によってアシェラはブレスを防ぎ切る。

「三手で決める」
 その瞳がユーベルコードに輝く。
 指揮官用ベルセルクトリガー(コマンドベルセルクトリガー)。それはアシェラが敢えて攻撃回数を指定することによって解除される最終武装モードへと突入するためのユーベルコードである。
「ほざいたな、猟兵! 我を三手で止めるか!」
 奇しくも互いの具現化した力の名はベルセルクの名を冠する。
 だが、アシェラの理性は最早蒸発している。

 それがユーベルコードの代償である。
 みなぎる力がユーベルコードの輝きと共に全身に流れ込み、フォースの力を一気に上昇させる。
「――何っ!?」
 迸るフォースの力。
 それは収束されたダークフォースの織りなす光条であった。ホーミングレーザーのように乱れ撃たれたフォースの弾丸がカルロス・グリードを追う。
 躱し、大地を疾駆するカルロス・グリード。

 けれど、その動きは追い込まれたにすぎない。それに気がついた一瞬の空白にアシェラの姿が肉薄する。
 手にした赤光の盾がカルロス・グリードの顔面へと叩きつけられ、大地へと打ち付ける。
「このっ、我の顔を……! ――ッ!?」
 振るわれる一撃を物ともせずにアシェラは両手を竜の顎の如く組みフォースの力を解き放つ。
 仮想粒子加速陣が展開されて極大のダークフォースの砲撃がカルロス・グリードの身体へと打ち込まれ、『ベルセルクドラゴンの鎧』に亀裂を走らせながら、大地を抉るようにカルロス・グリードを吹き飛ばすのだ。

「やはり慣れん……だが、力押しには最適解だな」
 アシェラの三手が終わった瞬間、最終武装モードが解除されアシェラの理性は戻ってくる。
 それは指揮官としてはあまり褒められた選択ではないものの、圧倒的な力でもってカルロス・グリードを押し切るには十分なものであったのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
"精霊石の耳飾り"で周囲の敵の存在感を暗視して、
"吸血鬼狩りの銃"を乱れ撃つ早業で敵集団をなぎ払う

…古き竜達は狂える竜に屠られたと聞く…

…もしそれが真ならば哀れな姿ね
死後も仇敵の力を持つ者に操られるなんて…

お前達をその呪縛から解放してあげるわ

第六感を頼りに敵の闘争心や殺気を読んでUC発動を見切り、
敵UCを全身を覆う魔力のオーラで防御した瞬間に、
過去の戦闘知識から最適な回避動作で受け流しUC発動

…幾ら速くても、一瞬でも動きを止めれば…っ

右掌に降霊した無数の霊魂を結晶刃化して怪力任せに叩き付け、
敵の体内で呪詛の爆発を起こす2回攻撃を行う

…古き竜の魂よ。我が手に宿りて、大敵を切り裂く刃となれ…!



 虹色の光を放つ精霊石の宝石飾りが煌き、大口径二連装マスケット銃から放たれる弾丸が『白骨化した古竜』たちの群れを薙ぎ払う。
 砕けた骨片は再び再構成され、新たに現れる『白骨化した古竜』たち。
 それすらもリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は打ち払い、群れを切り裂くようにして戦場となった『五の王笏島』を駆け抜ける。
「……古き竜達は狂える竜に屠られたと聞く……」
 彼女が『帝竜戦役』の折に聞いた話である。
『ベルセルクドラゴン』
 帝竜の一体であり、古竜たちを滅ぼして尚有り余る力を見せつけた存在。

 その力を具現化するのが『五の王笏』たるカルロス・グリードである。
 鎧に秘められた力は、『ベルセルクドラゴン』の力を再現している。それは同時に『ベルセルクドラゴン』に屠られた古竜たちをも操る。
「……もしそれが真ならば哀れな姿ね。死後も仇敵の力を持つ者に操られるなんて……お前達をその呪縛から開放してあげるわ」
 リーヴァルディにとって、それは憐れむべきものであった。
 故に放つ弾丸は疾く。
 赤光が島にほとばしり、猟兵の一撃によってカルロス・グリードは吹き飛ばされる。
 だが、未だカルロス・グリードは健在である。

 そこへリーヴァルディは駆け込む。
「――此処まで来ているか、猟兵。ならば、加減などしている暇はない」
 カルロス・グリードが咆哮し、その『ベルセルクドラゴンの鎧』の力を開放する。その姿は正に竜そのものであった。
 ベルセルクドラゴン。
 鎧が盛り上がり、嘗て在りし帝竜と同じ姿へと変貌を遂げたカルロス・グリードが凄まじい速度でリーヴァルディへと、その爪を振るうのだ。

「……幾ら速くても、一瞬でも動きを停められれば……っ」
 放たれる爪の一撃は瞬きの間に自分を切り裂くだろう。
 だが、それでも己の第六感が言う。
 受け止めては、そうなるであろうと。だからこそ、これまで積み上げられてきた業が言うのだ。
 受け流すべきであると。
 魔力のオーラが爪の斬撃を感知し、大鎌の刃を持って受け流す。

「……限定解放。さぁ、報いを受けなさい、血の葬刃…!」
 ぐるりと大鎌を回転させ、リーヴァルディは瞳をユーベルコードに輝かせる。
 限定解放・血の葬刃(リミテッド・ブラッドブレード)。
 それは犠牲者となった古竜たちの無数の霊魂を降霊させ、結晶化した紅き刃を纏った大鎌を振るう力である。

 魔刃とかした大鎌の結晶化した霊魂が、これまでの無念を解き放つように振るわれる。
 リーヴァルディ渾身の力を込めた斬撃は巨大な『ベルセルクドラゴン』の姿へとなったカルロス・グリードの胴を薙ぎ払う。
 刃に籠められた力は、傷から入り込み、その内部で爆ぜる。
「……古き竜の魂よ。我が手に宿りて、大敵を切り裂く刃となれ……!」
 右掌に集まる霊魂の数は尋常ではない。
 それが滅ぼされた古竜たちの無念の呻きであったのかもしれない。

 結晶化した紅き刃がさらに振るわれ、十字に刻み込んだ傷跡を持ってカルロス・グリードは、竜と化した身体を呪詛による爆発によって破壊され、大地へと失墜する他なかった。
「……呪縛は振り払う。元ある場所に戻れるようにと。カルロス・グリード、その簒奪せし力、還してもらうわ」
 振るう紅き刃が三日月のように煌き、ユーベルコードの輝きで持ってリーヴァルディは、呪われし霊魂を開放するのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

白骨古竜は伽羅の雷撃、陸奥の旋風、俺の飛刀の投擲で攻撃。
動きの起点となる関節あたりを部位狙いで破壊する。いきなり射程が短くなれば当たりにくくなるだろうし。
カルロスの姿が見えたら飛刀の投擲を行い牽制を。まっすぐにこちらに来なければ多少は加速は抑えられると思う。第六感での感知、見切りからの回避一択。さらに残像を残す事で距離感も狂わせる。
回避しきれなくとも本体での武器受けで受け流し、激痛耐性でしのぐ。
攻撃をしのいだらそのままの態勢でUC五月雨で攻撃。相手の攻撃を受け止めたままならある程度動かない的になるはず。
さらに伽羅の雷撃と陸奥の旋風の同時攻撃を。



『白骨化した古竜』たちが蠢く『五の王笏島』は未だ魔境のようであった。
 それもそのはずである。
 猟兵たちは数々の『白骨化した古竜』たちを薙ぎ払い、七大海嘯『王笏』カルロス・グリードへと攻撃を届かせていたが、『白骨化した古竜』たちは砕かれようとも、その骨身を継ぎ接ぎにして再構成され、再び海の波のように猟兵の行く先を阻むように立ちふさがるのだ。

「きりがない……完全に砕いてしまっても、また別の個体になって構成される。ならっ!」
 黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は柳刃の飛刀を放ち、『白骨化した古竜』の動きの起点となった関節の破壊を狙う。
 完全に砕いてしまえば、別の個体として行く手を阻むのならば、中途半端に破壊してしまえばいい。
 それに合わせるように水神の竜である伽羅の放つ雷撃が降り注ぎ、白虎である陸奥放つ旋風が『白骨化した古竜』たちの関節を砕いていく。

「気づいたか。だが、その程度で我を止められと思うな。我が『ベルセルクドラゴンの鎧』、その真価を見誤るな」
 カルロス・グリードの姿が視える。
 猟兵が放った十字の斬撃がカルロス・グリードを『ベルセルクドラゴン』の威容を解除させていた。
 だが、その高速思考と超戦闘力は失われていは居ない。

 牽制で放った飛刀など問題にならぬと言わんばかりにカルロス・グリードが迫る。
 陸奥と伽羅の放つ風と雷すらも振り切ってカルロス・グリードは瑞樹にその拳を振るう。
 まったく加速が落ちていない。
 飛刀や雷撃、旋風で速度が落ちるであろうと思っていたが、そんなことはなかった。
 まっすぐに此方を見据える瞳はユーベルコードに輝き、振るう拳の一撃は、それらを巻き込んで吹き飛ばすほどの威力であった。
「速度が落ちない、ならっ!」
 躱すことはできない。

 己の第六感が言う。
 あれを受けては致命傷に為る。けれど、交わせば己の身が爆ぜるほどの一撃。それを自覚するからこそ、瑞樹はサムライブレイドと黒き大ぶりのナイフを交錯させ受け止める。
 ぎしりと身が軋む。
「受け止めるか。だが、これならば保つまい!」
 カルロス・グリードの身体が、いや、その鎧が竜の威容へと変貌を遂げる。
 帝竜『ベルセルクドラゴン』。その力を具現化し、その姿へと変じるユーベルコードの輝きが、瑞樹の前に立ちふさがる。

 放たれた爪が瑞樹を吹き飛ばす。
 激痛が肉体に走り抜け、堪えようのない傷みが全身を穿つ。
 けれど、それでも瑞樹は立ち上がる。傷みは心で殺せる。身体の傷みは心で立ち上がることができる。
 例えそれがどうしようもないほどに致命的な何かであったとしても、己の本体は些かも傷つくことはない。
「伽羅、陸奥!」
 瑞樹が叫ぶ。

 その叫びに水神の竜と白虎が咆哮し、渾身の雷撃と疾風で持って竜の威容を誇るカルロス・グリードを撃つ。
 それは一瞬の目くらましにしかならなかったことだろう。
 けれど、それでよかった。
「喰らえ!」
 放つは、五月雨(サミダレ)。己の本体とも言える黒鵺の刃が複製され、雨のように放たれる。

 その一撃はカルロス・グリードの鎧を突き抜け、刃を届かせる。
 念力で全てバラバラに動く黒き大ぶりのナイフは鎧の隙間へと突き立てられ、絶叫が響き渡る。
 おのれ、と呻く声を聞きながら瑞樹は途切れがちになるように、けれど、己のユーベルコードに輝く瞳を持って、カルロス・グリードの身を削るのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハロ・シエラ
この早口、もはや懐かしいですね。
私は本物と戦った事があります。
その力を持つ鎧にも、負ける訳には行きません。

まずは骨の竜です。
相手は骨、レイピアで突くのでは分が悪いですが、刃に【破魔】の力を込めて関節を狙えば【切断】する事も出来るでしょうか。
こちらの相手は最小限にして【ダッシュ】で駆け抜け、カルロスを叩きましょう。
こちらから駆け寄って攻撃を誘い、ダガーを使いユーベルコードによる【カウンター】を狙います。
ドラゴン化した敵は速いでしょうが、狙いは私。
目だけでなく【第六感】も駆使すれば察知するくらいは出来るでしょう。
動けなくなる程のダメージさえ避ければ【激痛耐性】で一回くらいは攻撃出来るでしょう。



「おのれ! 我の鎧に傷をつけるだけに飽き足らず。我が身にまで傷を! 猟兵、此処までの力を持ちながら我に恭順の意を示さぬ輩。我が王道の前に立ちふさがる障害。許せぬ。到底許しては置けぬ。時間稼ぎなどどうでもいい。貴様たちこそ我の滅ぼすべき仇敵――!」
 七大海嘯『王笏』のカルロス・グリードは咆哮した。
 身に纏った『ベルセルクドラゴンの鎧』をもってしても、猟兵達の進撃を止めることは叶わなかった。
 どこまでも己の道を邪魔する者達。
 高速思考の中で冷静になれと叫ぶ何者かがいたのだとしても、カルロス・グリードは怒り狂っていた。

 まさに狂戦士。
 その名が示すとおり、何者の言葉も最早彼には届かない。
「この早口、もはや懐かしいですね」
 ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)はアックス&ウィザーズ世界で勃発した帝竜戦役の折に帝竜の一体である『ベルセルクドラゴン』と闘ったことが在る。
 その時を思い出す。
 ハロにとって、それは一度打倒し、乗り越えた相手である。

 だからこそ、『ベルセルクドラゴンの鎧』にも負けるわけにはいかないのだ。
 例え相手がオブリビオン・フォーミュラであったとして。
「ですが、まずは骨の竜です」
 ハロは細剣を手に戦場を駆け抜ける。
 未だ『五の王笏島』には『白骨化した古竜』たちがうごめいている。
 猟兵達が薙ぎ払っていても、それでもなお、ばらばらになった骨片が組み合わさって再構成されて立ち上がってくるのだ。
 ならばこそ、ハロは手にした細剣レイピアに破魔の力を籠めて関節部を狙う。

「突きが主体の私の剣では分が悪いですが、破魔の力を籠めさえすれば」
 突き入れ、振り払った瞬間『白骨化した古竜』たちの関節を消滅させるように切断せしめる。
 足の関節を砕けばそれだけで『白骨化した古竜』たちは瓦解してく。
 雪崩のように崩れていく骨片を尻目にハロはカルロス・グリードへと迫る。未だ猟兵との激戦を続けるカルロス・グリードへとハロは疾走る。
「邪魔をする! 猟兵どもめ!」
 カルロス・グリードの拳が迸るように力の奔流を放つ。
 それは未だハロが近づけていなくても届く拳の圧であった。凄まじい一撃。
 けれど、ハロは見ていた。
 ダガーを構え、放たれた拳の圧に合わせるようにひらりと舞い、スネイクバイトの一撃を見舞う。

「捉えられないほど、疾く!」
 それは彼女の願いでありユーベルコードであった。
 瞳に輝くユーベルコードによってハロの身体は加速する。目の前で変貌していくカルロス・グリード。
 その威容は正に『ベルセルクドラゴン』そのものであった。
 鎧が変貌した姿から放たれる爪の一撃は凄まじいというほかない。帝竜戦役で戦った帝竜と寸分違わず。

 ならばこそ、ハロは自覚する。
「それが『ベルセルクドラゴン』と同じものであるというのなら」
 放たれた拳を上着を脱ぎ捨てることによって目を眩ませ、さらなる加速でもってハロは戦場を駆け抜ける。

 速く、疾く、もっと疾くと願う心が見せるユーベルコードの輝きが一層眩く輝く。
 それを見上げたカルロス・グリードは何を思っただろうか。
 捉えることなどできぬほどに疾いハロの一撃は『ベルセルクドラゴン』の頭部から股下まで一直線に切り結ぶ一文字となって、かのオブリビオン・フォーミュラの身に癒えぬ傷を刻み込むのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
戦いは大勢が決した後が肝要
五の王杓、折らせて頂きます!

機械馬に●騎乗、推力移動乗せたランスを振るう突撃で古竜達を排除しつつカルロスへ接近
ブレスに対し騎馬から飛び降り●かばいつつ●防具改造で装甲を増した大盾で●盾受け

ええ、その命に従いましょう
ウォーマシン故、脚の静止は得手としておりますので

格納銃器での●乱れ撃ちスナイパー射撃で迫る古竜の関節を砕きつつ、機械馬に載せていたウォーマシン特殊部隊用剛弓を用意
移動を半分にする威力重視モードで運用
限界突破した怪力で引き絞り発射体勢

矢の嗜みも御座います…!

遠隔●操縦する機械馬のランス機関砲で追撃を牽制
高速思考の意味なさぬ弾速、砲撃クラスの矢を放ち竜を射貫き



 七大海嘯『王笏』、その『五の王笏』たるカルロス・グリードの身に宿るはアックス&ウィザーズ世界の力である。
 具現化された力は嘗て帝竜『ベルセルクドラゴン』の持つ高速思考と超戦闘力。
 故に、纏う鎧が在る限りカルロス・グリードは常に『ベルセルクドラゴン』の脳力を発現させていた。
 だが、それほどの力をもってしても猟兵を止めることはできない。
 なぜなら、すでに『ベルセルクドラゴン』は猟兵たちによって打倒された存在である。
 一度倒した相手を倒せぬ道理などないというように猟兵たちは恐れずに立ち向かってくるのだ。

『白骨化した古竜』たちの群れが蠢くように島で猟兵たちを食い止める波のように展開されるが、その波を書き分けるようにして疾駆する機械馬の姿があった。
 推力移動を載せた突撃槍を構え、骨片を撒き散らしながら進むのは、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)であった。
「戦いは大勢が決した後が肝要。五の王笏、折らせて頂きます」
 彼の言葉通り、この『五の王笏島』のみならず、羅針盤戦争の大勢はすでに決したと言ってもいい。

 だが、トリテレイアを含め猟兵たちは油断しない。
 例え大勢が己たちに傾いたとしても、オブリビオンはそれを覆す術を持つかも知れない。油断もなく、満身もない。
 それはオブリビオン・フォーミュラでありコンキスタドールの王であるカルロス・グリードにはないものであったのかもしれない。
「油断はしないか……だが、我に単身挑むか!」
 疾走る力の奔流。
 それは『ベルセルクドラゴンの鎧』から放たれる凶暴化ブレス。
 当たった者にルールを化す強制の力である。

 だが、それをトリテレイアは機械馬から飛び降り、大盾でもって庇う。
 装甲を増した大盾の重量は凄まじく、その強烈なるブレスをもってしても撃ち抜くことはできず、また一歩も動かすことはできなかった。
「そのブレスを受けたな、猟兵。ならば、貴様に命じよう。『一歩も動くな』」
 それはこの戦いおいて圧倒的超戦闘力を持つカルロス・グリードをして攻撃を受け止め続けなければならないことを示していた。

 だが、トリテレイアのアイセンサーは揺らめくばかりであり、同時に輝きを失うこともなかった。
「ええ、その命に従いましょう。ウォーマシンゆえ、足の静止は得手としておりますので」
 トリテレイアは確かに足を止めた。

『一歩も動くな』

 というルール。それを破れば、凶暴化ブレスによって、そ身は八つ裂きにされるだろう。
 だが、ウォーマシンであるが故に足を止めての打ち合いにはトリテレイアは一歩も譲ることはないのだ。
 格納された銃器が展開され、トリテレイアに迫る『白骨化した古竜』たちの群れを薙ぎ払う。
 関節を砕き、それでもなお波のように襲いかかる『白骨化した古竜』たちを砕き続けるのだ。
「それでも限界は来るだろう。猟兵。貴様の利点は疲れ知らずの機械であること。だが、機械であるが故に限界もまた視える。そのまま『白骨化した古竜』たちに磨り潰されるがいい――」

 カルロス・グリードの声はトリテレイアには届いていた。
 だからこそ、トリテレイアのアイセンサーがユーベルコードに輝く。
「矢の嗜みも御座います……!」
 機械馬に乗せていたウォーマシン特殊部隊用剛弓を手にし、引き絞る。
 それは、電子と鋼の武芸百般・設定変更運用(システム・マルチウェポンマスタリー・イレギュラー)とでも言うべき強引な設定であったが、トリテレイアが今為せる事はこれだけであった。

 大波のように襲いかかる『白骨化した古竜』たちの壁。
 その先にカルロス・グリードがいると確信できる。遠隔操作で機械馬に搭載させたランスの機関砲で壁に大穴を開けた瞬間、トリテレイアはアイセンサーにカルロス・グリードの姿を見た。
「騎士らしい武装ではないどころか、メーカーの保証外使用……致し方ありません」
 それは一度きりの規定外仕様。
 手にしたランスを剛弓に番え、放つ。
 剛弓と言えど引き絞った弦は放った瞬間に引きちぎれる。

 だが、放たれた一撃は目にも止まらぬ速度で駆け抜け、カルロス・グリードの身を貫き、胴に大穴を穿つ。
 鎧など意味をなさぬ。
 かといって高速思考すらも追いつかぬ一撃。

 その一撃をもってトリテレイアはカルロス・グリードの『王笏』たるプライドをへし折るのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【WIZ】【絆】
いよいよ佳境のようじゃのー
エィミー、頼りにしておるけーのー。火力は任せておけのー

キャバリアKIYOMORIに搭乗して参戦
攻撃をAIドクトル、AIアメジストちゃんによる操作で迎撃を任せ、自身はキャバリアの機動操作に集中
主にエィミーが作り出した防御壁に隠れて、カルロスと古竜の攻撃をやり過ごす
攻撃はレーザー砲ユニットの射撃、ミサイル榴弾による爆撃がメイン

先制後は、エィミーの拘束を確認後、UC「フレミングの左手の法則」を発動して破壊した古竜の欠片に電磁力を纏わせて竜の骨の高速弾丸を形成
それを動けないカルロスに対して一斉放射、KIYOMORIの残り砲弾もくれてやる

これで沈んでおけのー!


エィミー・ロストリンク
【WIZ】
もう少しで勝利は間近だよ!
うん、任せてメイスンお義姉ちゃん! 徹底的にやるのー!

ナノシリアに搭乗して参戦
島を飛行機動しながら、捕捉されないように行動
ラクチェの要石の鉄水やロード・プラチナの超硬装甲による防御壁を形成しながら、カルロスや骨竜の攻撃を凌いでいく
敵意は一切向けずに回避と防御に専念する

先制後は、UC「大海を制する姫君の縛鎖」を発動し、強度と精密性に特化した鉄鎖ドローミを創造し、至近距離を飛行して鎖による捕縛を敢行
ユーベルコードを封じて、鎖の長さを伸ばすことに消費型メガリスを使った後に退避

今がチャンスだよ、メイスンお義姉ちゃん!

安全位置にまで到達したら、ひたすら強度を強化する



 七大海嘯『王笏』の胴に穿たれた大穴は、凄まじい攻撃の一撃によるものであった。
 それだけではない、身のあちこちに刻まれた傷跡は猟兵たちとの戦いが激戦であることを知らしめる。
 だが、それだけ追い込んでもなおオブリビオン・フォーミュラたるカルロス・グリードは消滅しない。
 胴に大穴が空いても、傷を刻み込まれ続けても尚立っている。
 見よ、これこそがコンキスタドールの王たる器である。
「見事であるとは言わぬよ、猟兵。我の戦いは此れよりである。お前達にとっては……」

「いよいよ佳境のようじゃのー」
「もう少しで勝利は間近だよ!」
 メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)とエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)はキャバリアとホワイトサーペントを駆り、戦場へと舞い降りる。
 彼女たちの力は言うまでもなく姉妹の絆であろう。
 二人で行動するからこそ、為せることがある。
 例え、これが戦いの終盤であっても、それは変わることはない。エィミーの持つメガリス『ラクチェの要石』が鉄水を生み出し、ロード・プラチナの超硬装甲による防御壁を展開しながら、『白骨化した古竜』たちの攻撃を凌ぐのだ。

 防壁を作り上げた内側にてメイスンは『白骨化した古竜』たちの大波のような進撃をやり過ごす。
「エィミー、頼りにしておるけーのー。火力は任せておけのー」
「うん、任せてメイスンお義姉ちゃん! 徹底的にやるのー!」
 二人は敵意をカルロス・グリードには向けていない。
 だが、それでもなお、迫るオブリビオン・フォーミュラたるカルロス・グリードの力は凄まじい。
 超硬装甲の防壁を揺らす一撃が二人に伝わるほどであった。
 AIドクトルとアメジストちゃんにメイスンは迎撃を任せ、メイスンは機動によって超硬装甲の防壁をぶち破ってきたカルロス・グリードと相対する。

「この場において我を前に籠城を決め込むか、猟兵!」
 吹き荒れる重圧は凄まじいものであった。
 己に敵意を向ける者全てに対するアドバンテージ。それこそがカルロス・グリードのユーベルコードであったが、初撃さえ防げばメイスンたちにはどうとでもできる。

 けれど、負傷の度合いによって威力を増す攻撃があればこそ、カルロス・グリードの優位性は変わらない。
「本当に扱いに気を付けないとねー!」
 エィミーのユーベルコード、大海を制する姫君の縛鎖(チェーン・オブ・ロック)が放たれる。
 ロストオーシャンオーブのうちにあるメガリスを消費することによって放たれる『鉄鎖ドローミ』がカルロス・グリードの身体を拘束する。
「これは我の財宝……!」
 貴様、とホワイトサーペントに乗るエィミーをにらみつけるカルロス・グリード。
 しかし、鉄鎖ドローミであったとしても、負傷の度合いによって威力を増すユーベルコードによって満身創痍たるカルロス・グリードはギシギシと身をきしませながら引きちぎらんばかりに勢いを持っていた。

「わー! これ本当にやばいやつかもー! 今がチャンスだよ、メイスンお義姉ちゃん!」
 エィミーはひたすらに鉄鎖ドローミの強度を強化し続ける。
 しかし、鎖のあちこちから悲鳴めいた軋みが音を上げ、一刻の猶予もないことを告げるのだ。
「まかせておくけーのー! フレミングの左手の法則(レールガン・テンペスト)!」
 メイスンのユーベルコードを受けてキャバリア『KIYOMORI』のアイセンサーが輝く。
 ユーベルコードのお力によって破壊された『白骨化した古竜』の骨片に電磁力をまとわせ、高速弾丸を形成する。
 それこそが、メイスンのユーベルコードである。

 拘束が解けてしまえば、この攻撃のチャンスはなかっただろう。
 だからこそ、メイスンはユーベルコードの輝きを増す。エィミーが生み出してくれた千載一遇の好機。
 それを逃してなるものかとトリガーを引く。
 瞬間、放たれた電磁誘導するローレンツ力が周囲にある砕けた骨片の尽くを弾丸に変えてカルロス・グリードの身体を撃つ。

「要するに、電磁力はすごいってことじゃのー これで沈んでおけのー!」
 骨片を撃ち尽くしても尚、キャバリアに搭載された弾丸をも全弾打ち込み、カルロス・グリードを吹き飛ばす。
 鉄鎖ドローミをしてもなお、身体の自由を奪いきれぬカルロス・グリード。
 けれど、姉妹の絆はそれすらも凌駕していく。

 その証明というようにメイスンとエィミーは超硬装甲の防壁の中でハイタッチを決めるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

愛久山・清綱
今度はベルセルクドラゴン……
カルロスの操る、様々な世界の力はまさに多種多様だな。

■対
奴の古竜は確かな力を感じ取れるが、白骨化している。
となれば通常の竜より「軽く脆い」やもしれん。
なぎなたを力強く振るって広範囲に【衝撃波】を放ち、
吹き飛ばすことで戦闘を避けつつ、【ダッシュ】で一気に
駆け抜けるぞ。

■闘
カルロスが見えてきたら、更にスピードを上げていく。
接近の際はブレスを放つ瞬間に合わせてなぎなたを地面に差し、
高跳びの要領で高く【ジャンプ】して空中へ退避。そこから
カルロスを目視しつつ【鬼獣】を発動し『己の意思』で凶暴化。
持ち前の【怪力】に身を任せた猛攻を仕掛け、鎧ごと噛み砕く!

※アドリブ歓迎・不採用可



 超電磁の砲撃が雨のように七大海嘯『王笏』カルロス・グリードの身体を穿つ。
『ベルセルクドラゴンの鎧』に身を包んだカルロス・グリードをしてもなお、苛烈を極める猟兵の攻撃を防ぎきることはできなかった。
 胴には大穴が空き、無数の傷跡に砕け、ひび割れた鎧。
 そこまで追い込まれても尚、カルロス・グリードは消滅しない。
 未だ己が羅針盤戦争における役割を果たそうと消滅を前に踏みとどまっている。
「我は王。王たる我が倒れるわけにはいかぬ……『ベルセルクドラゴンの鎧』よ。お前の力を示せ!」
 迸る力の奔流。
 それは圧倒的なブレスとなって放たれ、未だ戦場にある猟兵たちを寄せ付けぬとばかりに島を駆け巡るのだ。

『白骨化した古竜』たちもまた同様である。
 大波のように迫る姿を前にして、愛久山・清綱(飛真蛇・f16956)は落ち着き払っていた。
 手にした薙刀を手に、ふむ、とうなずく。
「今度はベルセルクドランゴ……カルロスの操る、様々な世界の力は正に多種多様だな……だが!」
 カルロス・グリードが操る『白骨化した古竜』たち。
 確かな力を感じるが、白骨化しているがゆえに通常の竜よりも『軽く脆い』ということは言うまでもない。

 この場合、ブレスなどの能力を持たぬということは同時に数で圧するしかないということである。
 故に清綱は焦るkと無く薙刀を振るい、衝撃波を放ち『白骨化した古竜』たちを吹き飛ばし、その道を切り開く。
「無理に打倒する必要はなし……道を開ければ、それで!」
 一気に衝撃波によって開かれた道を駆け抜ける清綱。

 その視線の先にあるのはカルロス・グリードしかいなかった。
「我に迫るか!」
 放たれるブレスを清綱は薙刀を地面に指し、棒高跳びの要領で高く空に舞い上がる。ブレスの奔流を躱し、清綱の瞳がユーベルコードに輝く。
 まばゆい輝きを放つのは、己の中にある獣の殺意を開放するキーであった。

 清綱の肉体に変化は訪れない。
 けれど、その瞳に輝くのは獣性そのもの。
 鬼獣(キジュウ)を身に宿した清綱は戦場を駆け抜ける。己の意志でもって凶暴化した力を振るう。
 刀も、薙刀も必要ない。
 あるのは、己の牙と爪。
 それだけでいいのだ。
 目の前の素早く動くものだけを破壊し続ける。

 それこそが清綱の頭を占めるものである。鎧が砕ける音がした。肉が引き裂ける音がした。
 それが己のものでもあり、カルロス・グリードのものでもある。
「獣と化すか……!」
 カルロス・グリードは押されていた。
 これまで猟兵達が刻み込んだ傷も理由の一つであったが、清綱の変貌した鬼獣の如き形相が、カルロス・グリードを圧倒するのだ。

 つかみ合い、鎧ごと砕く一撃。
 その一撃一撃が、カルロス・グリードを追い詰めていく。
 
「グルルルルアァ―――!!!」
 獣の咆哮が島にほとばしり、戦いの凄惨さを伝える。
 けれど、互いに止まらない。獣と成りても尚、カルロス・グリードは戦い続ける。血を血で洗う戦い。
 完全なる鬼獣となった清綱を止めるすべはなく、カルロス・グリードは己の敵が生命の埒外にある者であるということを再認識させられたのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

星野・祐一
今度はドラゴンの鎧ってか!
だったらその鎧毎撃ち貫かせて貰うぜカルロスさんよ!

[SPD]

先制攻撃は【第六感、読唇術】で攻撃方向を察知して
【瞬間思考力、見切り】で避けて対処な
【オーラ防御、念動力】の障壁を張って可能な限りダメージも抑える

…でもただ空振らせるのも悪いしちょいと利用させて貰おうかな?
発振状態のEKを構えて【武器受け、受け流し】で勢いのまま古龍達へ突っ込ませる
おまけにUCを発動して纏めて【貫通攻撃で吹き飛ばし】てやるぜ

後は周りの連中をEKで【なぎ払い】
カルロスに【誘導弾、マヒ攻撃、弾幕】を浴びせて【体勢を崩し】
一気に距離を詰めて【零距離射撃】で撃ち抜く

これでチェックメイトだ!

アドリブ歓迎



「今度はドラゴンの鎧ってか! だったらその鎧ごと撃ち貫かせて貰うぜカルロスさんよ!」
 星野・祐一(シルバーアイズ・f17856)は獣の咆哮が鳴り響く『五の王笏島』を駆け抜ける。
『白骨化した古竜』たちがひしめく大地にあって尚、祐一は足を止めない。
 大波のように迫る『白骨化した古竜』たちを前に足を止めてしまえば、先行した猟兵達が七大海嘯『王笏』、カルロス・グリードを消耗させた傷を癒やされてしまうかもしれない。

 今まさに祐一は駆け抜ける時なのだ。
 己の瞳にカルロス・グリードを捉える。その姿は満身創痍であった。身に穿たれた大穴は胴を貫通していたし、鎧のあちこちは砕かれている。
 肉は裂け、骨は折られている。
 だが、それでもカルロス・グリードは消滅しない。
 それどころか、『ベルセルクドラゴンの鎧』の力、その重圧はましているようにさえ思えたのだ。
「我は滅びぬ。貴様たちを滅ぼすまでは!」
 咆哮するカルロス・グリードの力が迸る。満身創痍であるとは思えぬスピードで迫るカルロス・グリードの拳に祐一は瞬間的に理解していた。
 これは避けられない。

 そう思わせるには十分な重圧であった。
 事実躱すことはできなかった。故に張り巡らせたオーラと念動力によって拳の一撃を受け止めるが、早々に打ち破られた。
 あれだけの傷を追ってここまで動けることも脅威であったが、それ以上に脅威であったのは、『ベルセルクドラゴンの鎧』がカルロス・グリードを包み込み、『ベルセルクドラゴン』そのものの、ドラゴンへと姿を変貌させる。
「一人でも多くの猟兵を屠る。目の前全てを破壊する!」
 その拳は凄まじい連打であった。
 祐一もまたエクステンドナイフを構え、対峙する。

「受け流すことが精一杯だっていうのならよ!」
 祐一は『白骨化した古竜』たちへとカルロス・グリードを受け流し、突っ込ませる。骨片が砕け、舞い飛ぶ中、その瞳に捉えていたのはカルロス・グリードの無防備なる背であった。
「この一撃雷で終わりにしようぜ…!」
 放つ一撃は、冬雷(トウライ)。
 疾走る熱線銃の光弾が周囲を巻き込んで、カルロス・グリードと『白骨化した古竜』たちを穿つ。

 麻痺の力を籠めて放った光弾であっても、カルロス・グリードは薙ぎ払い、祐一へと迫る。
 否。
 祐一もまた駆け出していた。
 一気に距離を詰めると考えていたのは、互いに同じであったのだ。
 二人の視線が交錯する。
 互いの狙いがわかっていたからこその行動。

「これで――」
 祐一は放たれた拳を紙一重で躱し、頬を鋭く切り裂かれながらも、熱線銃の銃口を『ベルセルクドラゴン』の頭部へと突きつける。
 零距離射撃。
 この距離であれば、躱すことも防ぐこともできまい。
 故にトリガーを引く。躊躇いも、恐れもなく。己の為すべきことを為すと決めて、力を込めるのだ。
「チェックメイトだ!」

 放った弾丸が『ベルセルクドラゴン』の頭部を吹き飛ばし、その光弾の明滅が周囲を明るく照らし出すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
…ベルセルクドラゴン…あの早口ドラゴンか…
…あれで頭が回ったし同じ力を得ているなら厄介だね…
…白骨化した古龍達は接近戦しかできないようだから…遅発連動術式【クロノス】を用いた術式拘束罠に捕らえて一時的に足止めをしよう…
……罠を意識させることで高速思考の1部を罠の対処へと裂かせることも狙えるしね…
…ただ、これにより狂える竜のオーラが飛んで来るだろうから…術式組紐【アリアドネ】を布状に展開、障壁を重ねる事でオーラから身を守るとしよう…
…これらで時間を稼いで【竜屠る英雄の詩】を発動…装備に竜殺しの概念を付与…
…黎明剣【アウローラ】に魔力の刃を纏わせてオーラや古龍ごとその竜の力を持った鎧を切り裂こう…



『ベルセルクドラゴンの鎧』によって竜たる姿、『ベルセルクドラゴン』そのものの姿へと威容を持って変貌した七大海嘯『王笏』、カルロス・グリードの身体が傾ぐ。
 鎧の力でもって変貌した頭部は吹き飛ばされているが、それでもなおカルロス・グリードは額から血を流し、胴に大穴を穿たれ、無数の傷跡を負いながらも立っていた。
 それが分身体と言えど、オブリビオン・フォーミュラたる者の力であるのかもしれなかった。

 だが、彼を此処で完全に打倒できなければ羅針盤戦争にそもそもの勝利は訪れない。
「……ベルセルクドラゴン……あの早口ドラゴンか……」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)はアックス&ウィザーズ世界で勃発した帝竜戦役を思い出す。
 帝竜の一体、『ベルセルクドラゴン』。
 高速思考と超戦闘力を持つ知性と暴性を兼ね備えた存在であった。その力を具現化した鎧を纏うカルロス・グリードは厄介であると言わざるを得なかったが、今やその身体は満身創痍。

 いつ消滅してもおかしくないほどの傷を負っている。
 だからこそ、メンカルは油断しなかった。負傷の度合いによって威力を増すユーベルコードをカルロス・グリードが持っていることは、グリモアの予知によって知れている。
 だからこそ、メンカルは迫る『白骨化した古竜』たちを遅発連動術式『クロノス』を用いた術式拘束罠に捉え、一時的に動きを止める。
「……罠……」
 その言葉は最早か細いものであったが、カルロス・グリードは確かにその脳内で高速思考を巡らせていることは明らかであった。

 故に互いの距離は離れている。
 互いの出方を伺うというよりもメンカルにとって対処すべきものは一つしかなかった。
 近づけば罠によって足止めをされる。けれど、『ベルセルクドラゴンの鎧』によって得た力の殆どは近接戦闘。
 であればこそ、この状況を最大限に活かせる力を放つは道理であった。
 凶々しいほどに膨れ上がったオーラがメンカルを襲う。
 それは負傷の度合いによって威力を増すユーベルコードであり、消滅寸前まで追い込まれた彼の力はあらゆるものを消滅させるには十分すぎる力であった。

「アリアドネ……これで、保つ、か……?」
 けれど、とメンカルの瞳はユーベルコードに輝く。
 紡ぐ詠唱が言の葉となって力を生み出していく。それは詩であった。
「厄討つ譚歌よ、応じよ、宿れ。汝は鏖殺、汝は屠龍。魔女が望むは災厄断ち切る英傑の業」
 アリアドネによって組み上げられた障壁が次々とオーラに食い破られていく。
 保たない。
 そうメンカルは理解した。

 けれど、彼女の思考の中に諦めるという選択肢はなかった。
 あるのは勝利への方程式にして、業。
「竜屠る英雄の詩(ドラゴンスレイヤーズ・バラッド)」
 手にした黎明剣『アウローラ』が輝き、竜にまつわるものを殺す竜殺しの概念術式を展開させる。
 広げられた術式はオーラの力を両断し、『白骨化した古竜』たちの尽くを薙ぎ払う。

「……竜の名を冠する鎧。それを打ち砕く。輝くは……」
 黎明の名。
 故に、振るわれる斬撃の一撃こそが、竜殺し。カルロス・グリードの身体を鎧ごと両断したメンカルの瞳は曇ることはなかった。
 彼女の瞳に合ったのはユーベルコードの輝きのみ。

 そして、世界が迎えるべき明日を切り開く『アウローラ』の輝きで持って、七大海嘯『王笏』――『五の王笏』カルロス・グリードを消滅させるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月24日


挿絵イラスト