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羅針盤戦争〜黄金の怨嗟背負う天才

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #ピサロ将軍 #邪剣島

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●邪剣島
 黄金の輝きを背負うコンキスタドール。
 その名を『ピサロ将軍』と呼ぶ。七大海嘯『邪剣』にして、侵略の天才である。
 背負う黄金は彼女に取り付いた『黄金太陽神』である。怨嗟凄まじく、常に呪われているかのように取り憑かれている状態にあってなお、ピサロ将軍は笑っていた。
「まさか、此処まで来て猟兵たちに補足されるとはな。まあ、補足されてしまったことは仕方のないことだ。万全の状態で逃げ切りたかったところであるが、意趣返しのように侵略されるのは好かん」
 笑ってはいたが、それは己と猟兵との間にある力量の差が歴然であるからだ。

 余裕があるのは、此処に来ても尚逃げることができると思っていたし、この『邪剣島』の状況、そして背に負う取り憑いた『黄金太陽神』の輝き、何より己の力量があればこそ。
「別段猟兵は恐ろしいとは思わぬさ。個々の力はまるで私以下だ。出来るやつもいるようだが……その本分は違うな」
 ピサロ将軍の瞳は輝く。
 その瞳にあったのは迫る猟兵達の姿であった。
「金にならんことをするのはつまらん。世の中全て金よ。金はいい。力だ。とても単純で、それでいて必ず答えてくれる。金さえあれば、大抵のことは可能であろうよ。だからこそ、私は金になることしかしたくないのだ。侵略だって、そのうちの一つ。まあ、やるからには逃げおおせるさ」

 彼女は剣を振るって、軽く首を鳴らす。
 周囲には無造作に生えた様々な世界の剣。それは如何に猟兵と言えど、触れれば身を両断せしめるほどの切れ味を持つ。
 さらには彼女の背後に取り憑いた『黄金太陽神』。そのまばゆき輝きは常に猟兵たちの視界を塗りつぶす。
「私の高速移動ユーベルコード『八艘飛び』があれば、如何に繋ぐ戦いをする猟兵であったとしても私を捉えることなどできまいよ」
 さあ、とピサロ将軍は、剣を構え黄金の輝きを放ちながら無造作に生えた剣の柄の上に立つ。

「諸君ら、猟兵はこんなところまでご苦労なことだな。私にやられにわざわざやってきたのだから――」
 その姿は邪悪なるコンキスタドールであれど、黄金の輝きは常に彼女に味方する。
 凄まじい速度で飛び跳ねる黄金の太陽。
 侵略の天才にして、天賦の才を持つ将軍。
 彼女の逃亡劇が今幕を上げる――。

●羅針盤戦争
 グリモアベースへと集まってきた猟兵達に頭を下げて出迎えるのは、ナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まりいただきありがとうございます。皆さんの活躍で七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍の逃亡は阻止されました」
 ですが、とナイアルテは言葉を紡ぐ。
 そう、確かに異世界への逃亡を阻止することはできた。猟兵達が『邪剣島』を補足したことにより、彼女の計画は頓挫したが儀式でエネルギーを、その身に得て猟兵を迎え撃たんとしているのだ。

「彼女は逃亡を計画していましたが、それは彼女自身が弱いからではありませんでした。ただ、『金にならない』からという理由でしかなく、事実彼女の実力は七大海嘯の中でも相当のものです」
 だが、それでも猟兵達は恐れることはない。
 己たちよりも実力の高いオブリビオンをこれまで打倒してきたのだ。今更、と思われたかも知れない。
 けれど、ナイアルテは首を横に振った。

「確かに彼女の実力は高いです。そして、みなさんがそんな相手を前にしても怯むことがないことも。ですが、今回向かう『邪剣島』は無数の剣の生えた大地であり、それらは皆さんの身体を容易に両断せしめる切れ味を持っています。注意しなければ、おそらく……」
 タダではすまないだろう。
 さらにピサロ将軍は常に高速移動ユーベルコード『八艘飛び』によって、異常なる速度で戦場を駆け抜ける。
 それは対峙したことのある猟兵たちにとっても、理解あることであったことだろう。
 さらにそれ加えて、儀式エネルギーによって常に島全域に届くほどの激しい『めくらましの光』が放たれ続けているのだ。

「……目くらましの光、高速移動ユーベルコード、そして、地形。加えて、七大海嘯であるピサロ将軍は皆さんに必ず先制してくるでしょう」
 猟兵にとって不利なる状況がいくつも重なっている。
 ナイアルテはそれを憂いているのだが、それでも猟兵たちの歩みが止まらぬことを彼女は知っている。
 どんな難敵であろうとも、どんな苦難なる状況であろうとも、猟兵たちは決して一歩も引かぬことを彼女は知っている。

 そうでしたね、とナイアルテは微笑む。
 それは杞憂であると。彼女は信じるしか無いことを知っている。
 故に微笑みで持って送り出す。必ずや猟兵が恐るべき七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍を打倒して戻ってくると信じているのだ――。


海鶴
 マスターの海鶴です。

 ※これは1章構成の『羅針盤戦争』の戦争シナリオとなります。

 凄まじい実力と地形、そして強力なユーベルコードを誇る強敵、七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍と死闘を繰り広げるシナリオになります。

 ※このシナリオには特別なプレイングボーナスがあります。これに基づく行動をすると有利になります。

 プレイングボーナス……敵の先制攻撃+八艘飛び+めくらましの光+地面から生える剣に対処する。

 それでは、羅針盤戦争を戦い抜く皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍』

POW   :    太陽の征服者
全身を【黄金色のまばゆい光】で覆い、自身の【『八艘飛び』による加速度】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    八艘九連飛び
自身の【背後の黄金太陽神】が輝く間、【「八艘飛び」による超高速斬撃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    三千邪剣世界
自身からレベルm半径内の無機物を【ピサロの意のままに宙を舞い、敵を襲う邪剣】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:もりのえるこ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユーリー・ザルティア
いや、強いのに地形やらなんやら味方につけてて…
天の利、地の利…って奴か。
ならボク達猟兵は人の和って奴で戦うよ。

キャバリアのレスヴァントで出撃するよ。

『空中戦』を仕掛ける。
剣の上を超えていく。
『索敵』して剣の位置は常に意識しておく。
忘れないように注意しないとね。
『情報収集』機能がるからね。目くらましの光なんかに惑わされない。
集めている情報から『瞬間思考力』で素早く判断し機体を『操縦』するよ。
レスヴァントを動かすのには目をつぶっていても出来る

アストライアの『威嚇射撃』で近づけないようにしつつ回避行動

よし反撃。
スピードには速さで対抗
『制圧射撃』で動きを封じつつ、イニティウムで『切断』する。
どーよ!!



 七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍が眩い輝きを『邪剣島』に迸らせながら、無数に生えるように突き立てられた剣の柄の上を飛び跳ねる。
 それこそがピサロ将軍の持つユーベルコード『八艘飛び』である。
 その速度は凄まじい。その上、黄金のまばゆく輝くことで相対する猟兵達の視界をまばゆい輝きで塗りつぶすのだ。
「お前たち猟兵には賞金が懸けられているそうだが、それは即ちお前たちの強さの指針でもあるのだろう。まあ、賞金額のことは、その素っ首落としてから勘定するとしよう」
 ピサロ将軍は笑っていた。
 己が滅ぼされる理由など無いというように、生粋の侵略者は島の中を自由自在に飛び跳ねる。

「いや、強いのに地形やらなんやら味方につけてて……天の利、地の利……ってやつか」
 鋼鉄の巨人が空を舞う。
 そのキャバリアと呼ばれる戦術兵器『レスヴァント』のコクピットの中でモニターを埋め尽くす黄金の輝きの中を駆けるピサロ将軍の姿を捉え、ユーリー・ザルティア(自称“撃墜女王”(エース)・f29915)は呟いた。
 剣の上を征く彼女にとって、視界を埋め尽くす黄金の輝きこそが問題であった。

「キャバリアというやつか! 剣の上を越えたところでなぁ――!」
 ピサロ将軍が凄まじい速度で『レスヴァント』へと飛来する。
 その姿は黄金の輝きを放つ矢のようであり、空中で自在に軌道を変えて迫るのだ。
「索敵してても……! これだけの速度でちょこまかと……!」
 キャバリアのセンサーがピサロ将軍を捉えていても、それを上回る速度で飛ぶのが高速移動ユーベルコード『八艘飛び』の恐るべきところである。
 更に、その上をいく八艘九連飛びは、凄まじい斬撃とともにレスヴァントを襲う。

「くっ……!」
 例え、ユーリーが目をつぶっていても『レスヴァント』を操縦できたのだとしても、ピサロ将軍のユーベルコードはさらなる上をいく。
「どうした! その程度で私を止めるつもりか、猟兵!」
 放たれる斬撃が5m級の戦術兵器であるキャバリアを圧倒する。ピサロ将軍の実力もあるのだろうが、凄まじい力だ。
 これで逃げに徹しようとしたところが恐ろしい。

「オーバーブースト・マキシマイザー! レスヴァント、お願い!」
 ユーリーの瞳がユーベルコードに輝く。
 例え、黄金の輝きが周囲を埋め尽くしていたのだとしても、それでもユーリーは諦めない。
 例え、天の利が、地の利があちらにあろうとも、ユーリーは……。
「ボク達猟兵は人の和ってやつで戦うよ!」
『レスヴァント』の持つアサルトライフルで周囲に牽制射撃を行う。例え的が小さいのだとしても、弾幕を貼ればピサロ将軍でも近づけないはずだ。

「数で押し切ろうってさ! そういうのは、地の利を活かしてからにしな!」
 黄金の輝きは攻略できていない。
 たとて、目をつぶっていても『レスヴァント』を操縦できるのだとしても、それは反応が遅れる。
 どれだけ鋭くした感覚であっても、強大な力の前には無意味だ。
 けれど、ユーリーは違う。

 全ての情報を俯瞰して整理し、瞬間的に答えを出す。
 それこそが彼女の、ユーリー・ザルディアと呼ばれた猟兵の真骨頂であった。
「そこっ!」
 振るわれたキャバリアブレードとピサロ将軍の黄金剣が激突、火花を散らせる。
 互いに振るった刃が激突し、剣戟の音が響き渡る。
『レスヴァント』とピサロ将軍が凄まじい速度で『邪剣島』を飛ぶ。

 その光の軌跡は黄金の輝き満ちる島にあってなお、煌々と輝き、戦いの軌跡を知らせる。
「この目くらましの光の中でも尚、私を認識している……!」
 高速戦闘のさなかにあってなお、ユーリーの狙いは正確であった。
 アサルトライフルの弾幕、そしてキャバリアブレードによる斬撃。
 そのどれもが彼女のすべてを持って為せることであった。鋭い斬撃が九撃目にして遂にピサロ将軍を捉える。
「わかっているんだって! そこにいるってことは、当たるってことだって!」
 放った斬撃が、ピサロ将軍を吹き飛ばし、剣生えた大地に彼女を失墜させる。

 それを見下ろし、ユーリーは叫ぶのだ。
「どーよ!!」
 確かに彼女がピサロ将軍に競り勝った瞬間であったのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

セルマ・エンフィールド
お金の力があれば大抵のことは可能でしょうね。
ですが、今この場では何の意味もありません。意味があるのはもっとも原始的な力、暴力のみです。

鳥の形の「氷晶ゴーレム」に乗り空中戦を、これで叩き落されない限りは足場を気にすることはありません。
碌に見えませんし、最初から目を瞑り、『第六感』と『聞き耳』を頼りにゴーレムを操作、敵の攻撃をどうにか回避、または「フィンブルヴェト」で『武器受け』していきます。超高速の斬撃、全て受け切れはしないでしょうが、多少の傷は『激痛耐性』で耐えて、下に落とされることはないように。

攻撃を凌いだら【絶対氷域】を。
目くらましで姿が見えずとも、この冷気からは逃しません。



 数多の剣をへし折りながら、七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍は大地に叩き落された。
 未だその背に負った黄金の輝きは健在である。
 島全域にも及ぶ黄金の輝きは、めくらましとして猟兵たちの視界を覆っている。それは彼女がこれまで侵略し殺めた者たちの怨霊そのものであったことだろう。
「ちっ……やるな、少しは」
 ピサロ将軍は即座に態勢を整えて、高速移動ユーベルコード『八艘飛び』で島を疾走る。
 その姿は光の矢と言っても過言ではないほどに眩いものであり、視界を塗りつぶされた猟兵たちにとっては脅威でしかない。
「まったく、金にならん。こんなところまでよく猟兵はやってくるものだ。私を倒したところで金が手に入るのか?」

「お金の力があれば大抵のことは可能でしょうね。ですが」
 その声は黄金の輝きに塗りつぶされた『邪剣島』に響いた。
 猟兵とピサロ将軍が会敵したことは戦闘の音ですでに聞き及んでいる。故にセルマ・エンフィールド(絶対零度の射手・f06556)は視覚情報ではなく、己の聴覚と五感を越えた第六感によって、ピサロ将軍の位置を特定する。

 だが、彼女の言葉はピサロ将軍の頭上より響いた。
 他の猟兵達は彼女が如何にして、その位置から声を発しているかはわからなかったことであろうが、ピサロ将軍だけは理解していた。
「空を飛ぶゴーレムか、珍しい……!」
 そう、その瞳の先にあったのは、セルマが駆る鳥型の氷晶ゴーレムであった。
 彼女はその背に乗って大地に生えた無数の剣という地形を無視したのだ。
「今この場では何の意味もありません。意味があるのは最も原始的な力、暴力のみです」
「ならば、私のこの力も暴力だよ、猟兵。お前の言う暴力と私の暴力……果たしてどちらが上であろうかな!」
 その黄金の輝きが増す。
 ユーベルコード、とセルマは即座に気がついた。

 高速移動ユーベルコード『八艘飛び』。さらにその上を征く長舌為る速度で持って放たれる『八艘九連飛び』。
 その斬撃の速度はおそらくこれまで見てきたユーベルコードの中でも最速であったことだろう。
 迸る斬撃が氷晶ゴーレムの翼を両断する。
 それもい旬だった。
 回避する暇すら与えられない。即座にセルマに迫るピサロ将軍は、その黄金剣を振るう。

「――暴力に上も下もありますか」
 剣の一撃をマスケット銃『フィンブルヴェト』に備えられた銃剣『アルマス』で受け止める。
「あるとも。大きな暴力は大きな金を産む。小さな暴力ははした金にもなるまいよ! このようにな!」
 放たれた一撃がセルマの肩を弾くようにして血飛沫を迸らせる。
 だが、セルマの瞳は未だふせられたままだった。

 それは確かに己の直ぐ側にピサロ将軍がいるということを意味していた。
「この距離ならば」
 その身が放つ輝きはユーベルコードの輝き。
 黄金の輝きを前にしても尚、そのまばゆき輝きが見せるのは、絶対氷域(ゼッタイヒョウイキ)。

 全てを凍てつかせる絶対零度の冷気はセルマを中心にしてピサロ将軍をも巻き込んで放たれる。
「この領域では全てが凍り、停止する……逃がしません」
「こ、の……! 私を誘い込んだのか、お前は! 己のみを顧みずに!」
 ピサロ将軍が呻く。
 これだけ接近した状態で放たれた冷気は彼女の身体を凍結させ、氷晶ゴーレムからセルマの蹴撃でもって叩き落とされる。

 おのれ、と呻く声だけがセルマに届く。
 けれど、セルマは声を返さなかった。なぜなら、もう無意味な言葉であったからだ。己の役目は果たした。
 翼を失い、飛ぶ力を失いながら氷晶ゴーレムの上でセルマは呟いた。
「これで、その機動力は削ぎました。あとは……」
 そう、後は続く猟兵達が必ずやピサロ将軍を打倒してくれる。セルマは信じ、そして島に満ちる冷気によってピサロ将軍を消耗させるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クネウス・ウィギンシティ
※アドリブ&絡み歓迎
「さて、始めるとしますか」

【POW】

●対策
キャバリアに搭乗して出撃します。低空飛行(【空中戦】)で地面の剣を避け、頭部カメラが複数ある(例:顔IC)ので各々受け取る光量を調整(【メカニック】)し目眩しの光を、カメラを変更することで回避します。
「戦闘中にキャバリアを調整することになるとは」

『八艘飛び』はどんなに高速で有ろうと近接攻撃、機体に付けた盾と装甲の【盾受け】でダメージ覚悟で防ぐ狙いです。
「本体もこれだけの実力ですか」

●UC
「GEAR:POWDER MAGAZINE。全武装一斉発射!」
唯一敵が脚を止める瞬間、敵の『八艘飛び』による攻撃のカウンターにUCを放ちます。



 絶対零度の冷気が七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍の身体の動きを止める。
 上空より蹴り落とされた彼女は即座に空中で体を捻って、大地に生えた無数の剣のうちの一つの柄の上に立つ。
 その身は絶対零度の冷気によって体中の至るところが凍結していたが、それでもなお動く姿は強大なるコンキスタドールというところであろうか。
 けれど、徐々に動きに精彩を欠くような気配が見えている。ここで畳み込まねば、猟兵達はピサロ将軍をみすみす逃すことに為るだろう。
「チッ……まさか冷気を操る者までいるとは……ちょこざいな! 黄金太陽神よ! 輝け! お前の力はこの程度ではないだろうが!」

 ピサロ将軍の背後に取り憑くようであった黄金太陽神の輝きが増す。
 同時に彼女の身体は浮かび上がり、周囲の地形を物ともせずに凄まじい速度で飛翔する。
 それに追いすがる影があった。
「さて、始めるとしますか」
 鋼鉄の巨人、キャバリアである『アルゲス』を駆るクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)の姿であった。
 黄金太陽神の輝きを前にしても、彼のキャバリアはピサロ将軍を見失うこと無く飛翔する彼女に追いすがっていた。

「また鋼鉄の巨人……キャバリアか! 図体ばかりでかいだけでなく、私の八艘飛びにまで追いつく……!」
 眩しい輝きはクネウスがコクピットの中でセンサーやカメラを変更することでフィルターを通してピサロ将軍の姿を認識しているのだ。
「戦闘中にキャバリアを調整することになるとは」
 クネウスだからこそできた芸当である。
 彼はコクピットの中で各種データや、光学データ、さらには位置情報や様々な要因から『アルゲス』のカメラから映し出されるモニターに情報を加え、視認しているのだ。

 しかも、キャバリアの操縦中にである。
 それは簡単にできていい芸当ではない。
「邪魔をする……! ならば斬って捨てるのみよ!」
 ピサロ将軍の放つ黄金剣の一撃がクネウスが駆る『アルゲス』へと迫る。
 それをクネウスは機体に装備された盾によって受け流そうする。だが、凄まじい斬撃の一撃は盾すらも一刀のもとに斬り捨てるのだ。
 凄まじい剣圧。
 これが七大海嘯『邪剣』と呼ばれる所以である。
 これだけの地の利を持っていながら、備えるは天賦の才。

「本体もこれだけの実力ですか……ですが、だからと言って退くわけには!」
 クネウスの瞳がユーベルコードに輝く。
 それは彼が駆るキャバリアを通してでる力の発露であった。
「GEAR:POWDER MAGAZINE(パウダーマガジン)。照準修正、反動制御準備。全武装一斉発射!」
 全ての武装の一斉発射。
 それは一度きりの大盤振る舞いであった。

 だが、速度を持つコンキスタドールであるピサロ将軍にはただ放つだけでは当たらないだろう。
 故にクネウスは敢えて攻撃を受けたのだ。
 盾一つですんだことは幸いであった。
「カウンター狙い! このために盾を即座に棄てたか!」
「そのとおりです……貴方の剣は確かに凄まじい。けれど、そのために一瞬足を止める。貴方のユーベルコード、『八艘飛び』は確かに速度も最高峰でしょう。ですが、その足場は斬りかかっている今にはないもの!」
 故に、放たれる『アルゲス』に搭載された全武装。ミサイルポッドから放たれる赤外線誘導弾やレールガンの弾丸、ガトリングキャノンの速射、ロングレンジライフルから放たれるビームの光条の尽くがピサロ将軍へと迫るのだ。

「こ、の――舐めるなよ!」
 放たれる実弾の尽くが黄金剣の前に露と消えた。
 それは凄まじい速度の剣撃に寄るものであったが、クネウスは諦めなかった。斬り捨てられた盾。
 それらを掴んだ瞬間、ピサロ将軍へと叩きつけるのだ。
「これで――!」
 叩きつけられた盾の破片と共にビームの光条が飛び、ピサロ将軍を大地へと叩きつける。

 粉塵が舞い上がり、クネウスは『アルゲス』と共に飛翔する。
 黄金の輝きは大地に失墜する。
 それは太陽が薄暮のように落ちることと同義。それを知らしめるようにクネウスは己の全武装をピサロ将軍へと叩き込み続けるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒影・兵庫
(「黒影、金は敵も生むからほどほどがいいのよ?」と頭の中の教導虫が話しかける)
なるほどせんせー!ためになります!
(「さてどうする?」)
見えないなら目は閉じて『動物と話す』能力で島中の虫さんに逐一状況を教えてもらいます!
地面から生える剣は『念動力』で抜き取り武器にします!
八艘飛びは『迷彩』効果で『目立たない』ようにした『オーラ防御』の障害物で邪魔をし
集めた剣を『衝撃波』で敵に向けて射出!
せんせーは{皇糸虫}を念動力で操作して敵の『捕縛』してください!
敵が止まったら
UC【蟷螂の鋸】を発動し伐採兵の皆さんが投擲した回転鋸を念動力で操って
球状に敵を取り囲み切り裂きます!
(「よーし作戦開始よ!」)
おー!



 剣生える大地に叩きつけられた黄金の輝きを背負う七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍はうめきながらも立ち上がる。
 呻いた、と言っても、それは息を吐き出したようなものであったが、猟兵達は着実にピサロ将軍を消耗させていた。
「……やはり金にならん戦いだ。けれど、私自身が滅んでしまっては元も子もない。なればこそ、ここで先手を撃つか。『八艘九連飛び』――!」
 その瞳がユーベルコードに輝く。
 それは絶技。
 ユーベルコードという名を冠してはいるものの、その実超高速移動と共に放たれる斬撃の速度はおおよそ9倍。

 衝撃波のように飛ぶ斬撃の嵐が、猟兵を襲う。
「なるほどせんせー! ためになります!」
 黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は『邪剣島』において、彼の体に寄生している教導虫と呼ばれる存在の言葉に首肯する。
 これまで幾度もの戦いを経てわかったことがあるだろう。
 教導虫と呼ばれる彼の中にある存在が告げる。
 
 確かに金は力だ。
 言うまでもなくピサロ将軍の言葉は正しい。けれど、それは良い面ばかり。側面の一つでしか無いのだ。
「黒影、金は敵も生むからほどほどがいいのよ? さて、どうする?」
 彼女の言葉に兵庫は応えるように体を動かす。
 黄金の輝きを背負うピサロ将軍の姿は強烈なる目くらましの光となって兵庫に視認させない。
 それはこの戦いにおいてどうしよもないほどに不利なる状況であった。

「見えないなら目を閉じて、この島にいる虫さんたちに逐一状況を教えてもらいます!」
 彼の耳がこの島に住まう虫とのコミュニケーションを可能とする。
 言葉を理解されなくても、虫の言葉ならば彼はわかるのだろう。そして、視界はクリアできたとしても大地に生える無数の剣はどうするのか。
「こうします!」
 念動力で生えるように突き刺さった剣を引き抜き、武器とする。

 だが、迫る『八艘飛び』――ピサロ将軍がさらなる力で持って凄まじい速度で繰り出す斬撃は如何にするか。
 もう問答する余裕はない。
 目の前には斬撃が迫っているのだから。
「集めた剣を、こうする!」
 念動力で操った剣の全てを衝撃波と共にピサロ将軍へと放つ。それはもしも、ピサロ将軍が十全なる状態であったのならば、難なく躱されていたことだろう。

「チッ――!」
 ここに来て彼女は猟兵たちに消耗させられている。体を痛めつけられ、十全の速度を出せないでいるのだ。
 黄金剣が放たれた剣を薙ぎ払う。
 それが決定的な隙となった。兵庫の体に寄生している教導虫から放たれた糸がピサロ将軍を捉えるのだ。
「この、糸……凄まじい強度、だが!」
「わっ! その糸を破るのか! けど、動きが止まった! 伐採兵の皆さん!一切合切、刈り取っちゃってください!」
 その一瞬の隙に兵庫の瞳がユーベルコードに輝く。

 放たれた輝きは黄金の輝きの前では小さな光であったかもしれない。
 けれど、それがなんだというのだ。
 例え、蟷螂の鋸(トウロウノノコ)と揶揄されようとも、両腕が回転ノコギリとなった蟷螂を無数に召喚させた兵庫は叫ぶ。
「敵を囲んで、そして逃さない!」
 兵庫の念動力が小さな蟷螂たちを浮遊させ、一切の隙のない囲いとなってピサロ将軍を取り囲む。
「その調子よ、黒影」

 上出来だと褒めるように教導虫が言う。
 その言葉を受けて兵庫はユーベルコードに輝いた瞳のまま、ピサロ将軍の体を無数の回転ノコギリを生やした蟷螂たちと共に刻みこむのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メフィス・フェイスレス
鬱陶しいわね、本物の太陽みたいな暖かさもない
ただ眼を焼くだけの光なんて

【対策】
【宵闇】で「滑空」し空中戦で対抗
【飢渇】の「オーラ防御」を纏い光を遮りつつ
【鬼眼】の暗視で自身の視界を通し防御力も高める
「野生の勘」の「武器受け」で身を「吹き飛ばされ」つつも距離を取り
【微塵】の「爆撃」「弾幕」で敵の「体勢を崩し」「目潰し」

~~っ!紛い物の太陽モドキが、見下すんじゃあないわよ!!

UCを発動
【血潮】嵐で剣を「吹き飛ばし」つつ「マヒ攻撃」「毒攻撃」を付与、スピードを鈍らせ「対空戦闘」

【骨身】での白刃戦、強化した【醜翼】の暴風や真空刃による「蹂躙」
【微塵】を「投擲」しての「爆撃」を用いて高速空中戦を展開する



 その身を刻む鋸の刃が七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍の体から血を噴出させる。
 無数に付けられた傷跡はすぐに塞がるが、それは上辺だけの取り繕ったものであることを猟兵達は知る。
 未だ凄まじい速度を誇る高速移動ユーベルコード『八艘飛び』であったが、十全なる状態ではないピサロ将軍は、己がこれまでと同じように思うように戦場を駆けることができないことに気がついていた。
「遊びが過ぎたか……? いや、だが、まだだ!」
 その身が黄金の輝きに包まれる。
 彼女自身が太陽であるというように、島全域を覆うだけの輝きは目くらましとして未だ猟兵達を苦しめる。

「鬱陶しいわね、本物の太陽みたいな暖かさもない、ただ眼を焼くだけの光なんて」
 骨身の翼を広げ、メフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)は忌々しげに呟いた。
 だが、光が眩いのであればまた影も色濃くなるものである。
 彼女の飢餓、その影が光を遮り、メフィスの忌まわしき吸血鬼の魔眼が影によって遮られた輝きの向こう側を見つめる。
 そこにあったのは、凄まじい飛翔速度でメフィスを葬らんと迫るピサロ将軍の姿であった。
「鬱陶しいのはこちらのセリフだ、猟兵。本当にお前たちは金にならん戦いばかりもってくる! 私が好きなのは金になる戦い、即ち侵略だよ! 奪いたいんだよ、根こそぎな、私は!」

 振るった黄金剣の斬撃をメフィスは影と骨身でもって受け止める。
 だが、その一撃は彼女の体をきしませるには十分すぎる威力と速度を持っていた。傷みが、激痛が体の中を駆け巡る。
「――っ! 紛い物の太陽モドキが、見下すんじゃあないわよ!!」
 メフィスの激情がトリガーになったように影が膨れ上がり、骨身を巻き込んで爆発する。
 それは黄金の輝きを放つピサロ将軍をして、その視界を潰す。
 彼女のお株を奪うような戦い方であった。目潰しには目潰しを。
 そして、メフィスはやられたのならばやり返す。

「っ、このっ! 私に目潰しを!」
「見下ろすな、つってんでしょう!!」
 その瞳がユーベルコードに輝く。
 醜翼を翻す(シュウヨクヲヒルガエス)ように肥大化した骨身の翼がピサロ将軍の眼前を覆う。
 彼女の体から無限に生成される血潮が、大地にある剣の数々を嵐のように吹き飛ばしていく。
 肥大化した翼がピサロ将軍を大地に叩きつけ、ようやくメフィスは見下される側から見下ろす側へと立つのだ。

「どれだけ素早く動こうが! アンタ、鬱陶しいのよ!」
 放つ骨身が打ち据える。
 受ける黄金剣が軋む音を立て、さらに遅い来るのは真空の刃。遅れて来る暴風の如き刃はピサロ将軍にとって捌き斬るのが難しい攻撃であったことだろう。
 さらには爆弾となった骨身や血潮がピサロ将軍を追い詰めていく。

 空へと飛び上がり、高速移動ユーベルコード『八艘飛び』で態勢を整えようとするピサロ将軍へと追いすがり、空中で凄まじい激戦を繰り広げるのだ。
「私の速さを舐めるな!」
「その輝きは失墜させる! 太陽モドキ、沈みなさいよ!」
 叩きつける一撃は、見事にピサロ将軍の頬に打ち込まれ、その身を大地に叩きつける。
 
 さらに襲いかかる爆撃の如き血潮の雨は、ピサロ将軍をさらなる消耗へと追い込んでいく。
 沈まぬ太陽はない。
 それを知らしめるように、メフィスは偽りの黄金の輝きを覆い隠すように己の影、その骨身たる翼を広げるのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラリー・マーレイ
「道術の装束」の力を【高速詠唱】で発動、身体を【限界突破】し強化
「ウイングブーツ」で【空中浮遊】、【ジャンプ】【ダッシュ】し天駆け敵を追跡
目を閉じフードを被り光を防ぐ
大気を操る魔術具「空の杖」の力を全力解放
「探索」の能力を使う
操る大気を自身の感覚とリンクさせ【世界知識】【情報収集】で大気内の状況と移動物を知覚
訓練で鍛えた【瞬間思考力】【早業】で高速に対抗

「守りの書物」での【結界術】で先制攻撃に対抗
飛翔する剣の動きを大気感覚で感知
硬化した頁で剣を【盾受け】し受け流す

反撃だ。狙いが定め難いなら敵を越える超高速の無差別【範囲攻撃】。
【神圏の呪文】。亜光速の「雷」属性の「嵐」で空間全てを【なぎ払う】。



 黄金の輝きを放つ太陽の如き存在を影の翼が失墜させる。
 叩きつけられた大地に七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍は即座に立ち上がり、高速移動ユーベルコード『八艘飛び』によって飛び退る。
 この地に置いて彼女の地の利は絶対であった。
 黄金の輝きは相対する猟兵の眼を焼く。
 大地に生えるようにして突き刺さった無数の剣は猟兵たちの移動を阻害する。
 そして、彼女の高速移動ユーベルコード『八艘飛び』は、猟兵たちに捉えられない。

 そのはずだった。
 けれど、ラリー・マーレイ(冒険者・f15107)はその身にまとった装束によって、己の身体機能の限界を越え、ピサロ将軍へと追いすがる。
 目を閉じ、フードで光を防いでいるというのに、彼はどこまでピサロ将軍を負う。
「ったく、本当に信じられんくらいのしつこさだな、猟兵というやつは!」
 確かに目潰しの光は効いているはずだ。
 だというのに、これまで相対した猟兵たちは全てこれを克服してきている。
 恐るべき対応力であったことだろう。

 さらには目の前のラリーこそが最も、人の身でありながら状況に対応した者であったことだろう。
 魔力の籠められたブーツの力を使い、空中を飛び跳ねるようにしてピサロ将軍を追う姿は、まさに『八艘飛び』と遜色ないものであった。
「くそっ、何故私の位置がわかる……!」
「感嘆なことさ。僕が操る大気を自身の感覚とリンクさせる……ものが動く時必ず大気の流れが起こる。それを知覚しているのさ」

 こともなげに言ったラリーであったが、それは相当なる情報処理を要するものであったはずだ。
 さらには魔力に寄る空中の浮遊。
 それらを並行しておこなわなければならない。

 彼はそれを訓練で培ったものであると言うが、まさに天性のものであると言わざるを得ない。
 だが、才能だけではここまで渡り合うことはできない。
「弛まない鍛錬。先生から教わった通りだ」
 だからこそ、今彼はピサロ将軍を追うことができる。
「天賦の才に努力か……鬱陶しい!」
 念動力によって周囲に無数に在った剣が浮かび上がり、ラリーへと襲いかかる。

「遅い! 今、お前は十全じゃないな!」
 道理で、とラリーは守りの書物に寄る結界術で飛来する剣の尽くを受け流す。
 もしも、十全であったのならば、この斬撃を受け流すことはできなかっただろう。先行した猟兵達が与えたダメージが確実に蓄積しているのだ。
「痛いところを突く……!」
「反撃だ。例え、お前が十全じゃなくっても、その速度は捉えられない。狙いを定められない……けど!」

 その瞳がユーベルコードに輝く。
 制御が難しいと言われる神圏の呪文(プリズミックブラスト)。
 けれど、ラリーは躊躇わない。今ここでピサロ将軍を逃すわけには行かず、同時に己の持てる力のすべてを出しきらねば、彼女に打撃を与えることもできない。
 故に、彼は唱えるのだ。
「ターウーク・ゼーアリフ・ラーイカフ!」
 迸るは稲妻。
 生み出されるは嵐。

 それらの力を組み合わせ、合成した力が世界に顕現する。
 亜光速雷の嵐がピサロ将軍を包み込む。すでに大気から得られる情報でピサロ将軍がることはわかっているのだ。
「視えているぞ。そこだということは!」
 指先に集まったユーベルコードの輝きが発露し、雷の嵐へとほとばしり、完全に制御された雷撃が、如何にピサロ将軍が素早く動くのだとしても無数の雷でもって彼女を強かに打ち据える。

 それは彼がこれまで弛みない練磨の果てにたどり着いた境地。
 故に、その嵐を抜けることはピサロ将軍には叶わぬのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

大町・詩乃
相手の手数が多いですね。

光対策:天候操作で大雨を降らして視界を悪くして、光を阻害(+UC発動条件達成)。
地面の剣対策:空中浮遊・自身への念動力・空中戦で空を舞って剣回避。
UC&八艘飛び対策:詩乃自身から少し話したところに天耀鏡と残像を配置し、鏡が返す光で居場所を誤認させる。結界術で詩乃の周囲に防御結界とオーラ防御展開。最後には催眠術でピサロに「全て止まりなさい」と暗示。

UC発動で相手の光を消し、UCによる邪剣を地に落とし、ピサロの動きを封じる。
雷の属性攻撃・全力魔法・神罰・高速詠唱・貫通攻撃による特大の落雷を放ち、煌月によるなぎ払い・鎧無視攻撃・衝撃波で斬り裂きます!

己が所業を悔い改めなさい!



 雷撃の嵐が七大海嘯『邪剣』、ピサロ将軍の本拠地である島に吹き荒れる。
 その中心にありて無数の雷撃にさらされても尚、ピサロ将軍は健在であった。先んじた猟兵が放った雷の嵐は天候操作の力、権能を持つ大町・詩乃(春風駘蕩・f17458)にとって好都合な状況であった。
「この程度の嵐で、私に取り憑いた黄金太陽神の輝きが失せるものかよ!」
 振り払うように嵐のユーベルコードを切り抜けて、高速移動ユーベルコード『八艘飛び』のままにピサロ将軍は咆哮する。

 ここまで追い込まれていることは予想外であったことだろう。
 彼女にとって猟兵とは与し易い相手であった。なぜなら、猟兵は個としての力は彼女に劣るからだ。
 見くびっていたわけではない。他の七大海嘯が苦戦するのもうなずける。けれど、それでも自分は逃げ切ることができると確信していたのだ。
「ならば、手数で押す! 剣よ!」
『邪剣島』――その由来が示すようにこの島の大地には無数の剣が突き刺さるように生えている。
 そのどれもが猟兵の肌を傷つけるには十分すぎる切れ味を持っていた。それが一斉に彼女の念動力によって浮かび上がったのだ。

「相手の手数が多いですね……ならば、再び嵐の中へと貴方をいざないましょう」
 詩乃の神としての権能が周囲の天候を再び嵐へと導く。
 大雨が帳のように降り注ぎ、周囲に眩く輝いてた黄金太陽神の輝きを濁らせる。
 彼女の体は神通力によって空へと舞い上がる。その姿はまさに神と呼ぶに相応しい姿と力であった。
 天候すらも操り、己の力、権能の及ぶ範囲を広げる。

 即ち、植物を潤す慈雨を降らせることによって、戦場事態を詩乃が絶対支配権を持つアシカビヒメの神域へと変えるのだ。
「させるものかよ! たかが雨を降らせた程度で!」
 飛翔する剣が無数に詩乃へと殺到する。
 だが、その剣が彼女を捉えることはなかった。詩乃を護るように飛ぶ神鏡が見せる幻影を剣が貫いただけに過ぎなかったのだ。
「干天の慈雨を以って私はこの地を治めましょう。従う者には恵みを、抗う者には滅びを、それがこの地の定めとなる――全て止まりなさい」

 その言葉は神託の如く戦場に鳴り響いた。
 神域創造(シンイキソウゾウ)。それこそが詩乃のユーベルコードにして権能である。
 彼女の言葉は、この神域に置いて絶対である。
 邪剣の全ては地に失墜し、ピサロ将軍の動きは止まる。
「馬鹿な……こんな、ユーベルコードがある、だと……!」
 それでもなお、ギシギシと体をきしませながら動くことができるピサロ将軍の凄まじさは言うまでもない。
 けれど、これまで高速移動ユーベルコードによって苦しめられた来たことを思えば、今の彼女の動きは止まっているも同然であった。

「その背に負った怨念の数々。そのおどろおどろしい数多の霊魂。貴方が侵略のために殺めてきたものたちでしょう。何故奪うのです。何故。お金がほしいのならば、別の手段もあったでしょうに」
「知るものかよ。奪うことができるから奪う。侵略することができるからする。それだけよ。奪われる方が悪い!」
 叫ぶピサロ将軍のユーベルコードが再び煌めく。
 それは高速移動ユーベルコード『八艘飛び』の輝きであった。これだけの権能を持ってしても、動きを止められたのは僅かな時間。

 だが、それで十分であった。
「己が所業を悔い改めなさい」
 黄金太陽神の輝きに包まれた『邪剣島』に、それを上回る激烈なる雷撃の一撃が落とされる。
 それは詩乃の権能を用いた特大の落雷と煌月と名付けられた薙刀に寄る一太刀による斬撃が一斉にピサロ将軍を切り裂き、天罰と呼ぶに相応しい一撃を彼女に見舞うのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
その背の太陽に齎した侵略を許す訳には参りません
ここを死地として頂きます

●防具改造で強化した足裏の装甲用いる●踏みつけで剣踏み砕き
センサー系受光量を調節し視界確保(環境耐性)
八艘飛びの機動力をセンサーの動体反応で情報収集
瞬間思考力で予測軌道見切り、飛行突撃を怪力での武器受け盾受けで防御

撤退を選択する判断は評価いたしますが…
その動機と、主への不義理、敗者を道具と貶める行為には騎士として思う所がありまして

防御接触時に黄金太陽に忍ばせていたUCの活動開始
再度突撃するピサロの顔面や四肢に機械妖精取り付かせ爆弾起爆

飛翔コントロール失った相手待ち受け大盾殴打で地に叩きつけ

黄金太陽、落として頂く

背を剣で一閃



 周囲に衝撃波と雷撃の明滅が走る。
 視界の全てを覆うような雷撃は嵐に続けて放たれ、七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍を強かに打ち据えた。
 しかし、即座に動く所は七大海嘯と呼ばれるコンキスタドールところを示している。
 彼女の高速移動ユーベルコード、『八艘飛び』は未だ健在である。
 背に負った黄金太陽神の放つ光は未だ島の全域を覆い、猟兵達は未だ対策を講じなければならなかった。
「無茶苦茶だな……! だが、まだ私は生きている。私のユーベルコードと黄金太陽神の力は健在だ。見よ、我がユーベルコードの輝きを!」

 ピサロ将軍の身体が黄金の輝きを纏い、空を舞う。
 その飛翔速度はこれまで以上に速度を上げ、まる光の矢のように周囲を飛び回る。捉えることが難しいと思わせるには十分であった。
 だが、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は違う。
「その背の太陽を齎した侵略を許す訳には参りません」
「ならば、どうするよ、猟兵!」
「ここを死地として頂きます」
 トリテレイアははっきりと断言した。
 一歩踏み出すだけで猟兵の肌を切り裂く鋭い切れ味の刀剣が生えた大地に彼は躊躇なく踏み出した。
 だが、その刃が彼の装甲を切り裂くことはなかった。
 強化された足裏の装甲を用い、踏み砕くことによって、さらなる一歩を踏み出すのだ。

「センサー系の受光量を調整すれば……」
 トリテレイアのアイセンサーが揺らめく。
 そのセンサーが捉える光の量をしぼっていけば、完全でないにせよ、ピサロ将軍の動きは視える。
 有機的な生物であれば不可能であれど、機械騎士である彼には可能である。
 このときのために己の機能があったのだと胸を張って言える。
「はっ、機械人形風情が……! だが、それで私の『八艘飛び』を躱せるとでもいうか!」

 凄まじい速度で飛来する斬撃。
 それは『八艘飛び』によって威力の上がった黄金剣の一撃であった。
「ええ、そのための機体です」
 トリテレイアは斬撃を大盾で受け止め、刃と盾が軋みを上げる音を効いた。
「撤退を選択する判断は評価いたしますが……その動機と、主への不義理、敗者を道具と貶める行為には騎士として思うところがありまして」
 トリテレイアにとって、それは重要なことであり、同時にピサロ将軍の気を逸らす挑発言葉でもあった。
 静粛性能と望外・破壊交錯に秀でた機械妖精である自律・遠隔制御選択式破壊工作用妖精型ロボ(スティールフェアリーズ・タイプ・グレムリン)を放ち、ピサロ将軍の四肢に取り付かせたのだ。

「私とお前の観念の違いだ。私は侵略者だ。何物にも縛られないし、なびくことはしない。カルロス王に従っていたのは、彼が私に侵略をさせてくれていたからだ。それができないというのなら、従う理由など――」
 あるわけがない、と告げた瞬間機械妖精が取り付き爆弾を起爆する。 
 凄まじい爆風がピサロ将軍を包み込んでいく。
「いつの、間に……!」
 高速移動ユーベルコード『八艘飛び』。
 それは攻略が難しいユーベルコードであったが、一瞬の隙を突くことができるのであれば話は違ってくる。

 トリテレイアが取り付かせた機械妖精が齎した爆風は彼女の身体を空中から地上へと落下させるには十分であった。
「黄金太陽、落として頂く」
 コントロールを喪ったユーベルコード。
 そのピサロ将軍の背を大盾で強打し、さらなる失墜へと叩き込むのだ。
「確かに貴方の観念と私の持つ価値観は相違為るもの。ですが――」
 それでも、死者を道具と貶めることは許されない。
 例え己と関係がないものであったのだとしても、その亡骸の如き力を我が物顔で振るうことはどうしたって許せないのだ。

 故にトリテレイアの放つ剣の剣閃は、ピサロ将軍の背に深々と刻み込まれるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

ヘタに目で見ようとすれば光で目を潰しかねない。
伽羅に騎乗し空中戦を心掛ける。そして周囲に陸奥による空気の流れによる感知用の風の膜、そしてその外側に伽羅の雷撃の膜を作ってもらう。
雷は全方位ではなくあえて前方側は薄く、ピサロが突っ込んできやすいように。
そして出来るだけ来る方向を確定させる。高速移動も先制攻撃も来る方向がわかれば対処はしやすい、はず。

敵の攻撃は第六感で感知し回避専念。
どうしても回避しきれなかったら武器受けで受け流し切り払う。
そこからカウンターでのUC菊花でマヒ攻撃。代償は寿命。マヒは通れば儲けもの程度。
喰らったとしても激痛耐性でしのぐ。



 機械騎士の一撃が七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍の背を斬りつける。 
 大地に失墜した黄金太陽を背負う彼女は、けれどすかさず態勢を整えて、高速移動ユーベルコード『八艘飛び』によって離脱する。
 その速度は恐るべきものであった。
 どれだけ追い詰めても、するりと通り抜けるようにしてピサロ将軍は猟兵の追撃を躱すのだ。
「まだ、私は負けてはいないさ。この生命が尽きるまではな!」
 黄金の輝きは下手に見ようとすれば、眩い輝きに瞳が潰れてしまいかねない。

 それが猟兵の戦いを大きく阻む要因であったことは言うまでもない。
 ただ光を放つだけではなく、『邪剣島』の全域を覆い尽くすほどの光である。それは言うまでもなく猟兵にとっての目くらましであり、同時にピサロ将軍にとっての地の利である。
 黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は白虎の陸奥が起こした空気の流れに寄る周囲の存在を感知する風の膜と、その外側を覆う伽羅と呼ぶ水神の竜が作り出した雷撃の膜に包まれていた。

「そのようなか弱い力で守られていてもな!」
 ピサロ将軍は案の定正面から高速移動ユーベルコード『八艘飛び』でもって突っ込んでくる。
 それは風の膜ですでに感知している。
 例え目くらましの光の輝きがあってもわかっていることだ。さらに、ピサロ将軍は目ざとい。
 膜の前面だけを薄くしていれば、そこを突いてくると踏んだのだ。それは瑞樹の思惑通りであった。

「例え視えなくても……来る方向さえわかっているのなら!」
 だが、それでもピサロ将軍の放つ『八艘九連飛び』は防げない。
 攻撃の方向を限定できたとしても、凄まじい速度で連撃を放つピサロ将軍の黄金剣を防ぐ手立てはない。
 あとは、瑞樹の持つ第六感を信じるほかなかった。
「わかっていても、防げるものかよ!」
 放たれる九つの斬撃。
 それは瑞樹にとって知覚できたものではなかった。わかっているのは、己の身を引き裂く激痛であった。

「まだ、っ、一撃……!」
 ピサロ将軍の放つ斬撃は九つ。ならばこそ、さらに襲い来る斬撃がある。故に手にした大ぶりのナイフとサムライブレイドで打ち払う。
 受け流すように振るい、切り払うのだ。
 それでも二撃。残る斬撃が刹那に襲い来る。身体を逸し、身を翻し。己の持てる全ての技量で持ってピサロ将軍の斬撃を躱す。
「はっ!」
 その瞳がユーベルコードに輝く。
 それは、菊花(キッカ)の如く。刃を手にした腕が動く。ピサロ将軍の放った恐るべき九連撃。
 けれど、それができるのは彼女だけではないと瑞樹は知らしめるようにユーベルコードを瞳に灯す。

 その手が自然と動いていた。
 どう動かせばいいのかは身体が知っている。
 故に放つ斬撃はピサロ将軍と同じ九つ。己の寿命を削る行いであることはわかっている。
 けれど、それでも斬撃を放つ。一撃で止まらぬのならば二撃を叩き込む。
 菊の華が散るように斬撃が砕けていく。
 押し負けるとは考えなかった。己が為すべきことを為す。
「必ず、届ける――!」
 繋ぐために闘っている。
 己が倒れれば、ここで猟兵達が紡いだ戦いを断ち切ってしまうことになる。だからこそ、瑞樹は歯を食いしばり、激痛を耐えて斬撃を見舞う。

 己の身体が散り散りになってでも、ピサロ将軍は止める。
 放つ斬撃が『八艘九連飛び』の最後の斬撃を越えて、瑞樹自身の九撃目をピサロ将軍に放ち、その高速移動ユーベルコードを止める。
「後は――!」
 任せたと、叫ぶように瑞樹は渾身の一撃をピサロ将軍へと叩き込むのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月夜・玲
あーうん分かる分かる
お金にならない事、したくないよねー
お互い良い取引にしよ!
私が貴方をぶっ飛ばす、仕事完了!
貴女はぶっ飛ばされる、此処からグッバイ!
完璧!


《RE》IncarnationとBlue birdを抜刀
いくら高速斬撃だろうと敵も剣を使うなら、受けきってみせる
剣士として全力で『武器受け』して攻撃を受けきろう
うおっまぶしっ!
後光が差してる…ちょっとその辺で立っててお賽銭集めるアルバイトしない?
まあ視界は悪いけど、System[Magic.Mirror]で周囲の『情報収集』して位置情報を取得
【Code:F.G】を起動
まあ地面の剣は飛んで避けて、ピサロに重力を照射し動きを鈍らせ全速で斬る!



 斬撃の一撃が七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍の身に刻まれ、高速移動ユーベルコード『八艘飛び』を中断させる。
 それはピサロ将軍にとって不測の事態であった。
 まさか己のユーベルコードが破られるとは思ってもいなかったのだろう。これまで猟兵達が蓄積させてきた消耗は、ここに来て彼女の重たい足枷となっているのだ。
「ここまできて……! まったくもって金にならん戦いとはこれだから!」
 侵略者たる者の戦いとは常に利害によって動くものであろう。
 利するところがあるのならば、昨日の敵とだって手を組む。

 だが猟兵とコンキスタドールは互いに滅ぼし合う関係でしかない。
 そこにあるのは利害を越えたものでしかないのだ。
「あーうん分かる分かる」
 そううなずきながら、うおっまぶしっ! と黄金太陽神の輝きに包まれた『邪剣島』にて月夜・玲(頂の探究者・f01605)は、失墜したピサロ将軍に同意を示した。
 お金という実弾主義。
 その一点においてのみ玲はピサロ将軍に同意できたのかもしれない。
「お金にならない事、仕方ないよねー。ね、お互い良い取引にしよ!」
 にこっ、と良い笑顔で玲が言う。
 取引。
 その言葉にピサロ将軍は一瞬揺らいだ。
 けれど、そのゆらぎは次の瞬間に砕かれる。ちょっと傾いたとは言えないけれど、それすらも無情に叩き潰すのが玲という猟兵である。

「私が貴方をぶっ飛ばす、仕事完了! 貴方はぶっ飛ばされる、此処からグッバイ! 完璧!」
「何処がだ! 此処からグッバイって、消滅って意味じゃろがい!」
 思わず突っ込んでしまったが、ピサロ将軍は即座にユーベルコードを発現させる。
 黄金太陽神の輝きをまとい、その斬撃は一瞬にして九連撃。
 名を『八艘九連飛び』。
「そのまんまのネーミング! もうちょっと、こうひねらないかな! っていうか、ほんとまぶしっ! 後光が指してる……ちょっとそのへんで立っててお賽銭集めるアルバイトしない?」
 するか!
 と放たれた斬撃を玲は抜き払った模造神器の二刀でもって打ち払う。剣士としての全力。

 されど、彼女が十全であったのならば受けきれなかっただろう。
 それも先行した猟兵達が与えた傷跡が影響していることは言うまでもない。けれど、玲は己の作り出したものを信じている。
 彼女特製のガジェット。魔法の鏡の機能をプログラミングしたシステム。
 それは例え黄金太陽神の輝きに視界が塗りつぶされていたとしても自動で周囲の情報を収集し、玲に伝える。
「その位置情報……なるほどね。飛び回って、こっちに位置を悟らせないってわけ……ならさぁ!」
 その瞳がユーベルコードに輝く。

 九つの斬撃は全て模造神器と打ち合って霧散した。
 例え、彼女一人で全てを為せ無くても、続く者とつないできた者の軌跡があればこそ、為せる業もある。
「重力制御、リミッター解除。周囲空間の重力掌握開始」
 重力制御によって飛翔する玲の手に輝くユーベルコードの名は、Code:F.G(コード・フル・グラビティ)。
 放つ模造神器の斬撃は超重力を伴う暗獄の一撃である。
「重力、だと……! 貴様、巫山戯たことばかり!」
 それすらもブラフであるというかのように、玲の放った超重力の斬撃の一撃はピサロ将軍の身体を捉え、動きを鈍らせる。

「ちょこまかと動き回るからさ、そういうことになるんだって……得意なんだよね、私。ワニさんパニック的なやつ!」
 飛翔し、周囲全ての情報から位置を割り出した玲が放つ剣士としての一撃は超重力の力を纏って解き放たれ、黄金太陽神の輝きを切り裂くようにピサロ将軍を叩き落とすのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【SPD】【絆】
太陽の光、最悪の足場、それて高速移動とは盛り沢山じゃのー
こうなりゃ、エィミー! 数撃ちゃ当たる作戦じゃのー!

キャバリアKIYOMORIに搭乗して参戦
キャバリアの機械足で踏み砕いて足場の剣に対処
光もモニターの光感知を抑えることで対処
レーザー砲ユニット、ミサイル榴弾の弾幕で大地の剣を破壊して足場を封じつつ、八艘飛びの誘導箇所を作って狙うことで接近を防ぐ

先制後は、UC「宇宙に君臨せし星の獣達よ、来たれ」を発動、アルバドラーダの夜明けの如き光で敵を焼いて、機動力を落とす
炎は抵抗しようとする意思も奪うが、リソース馬鹿喰いなので、長くは発動できない

今じゃぞ、エィミー! 早くやってくれー!


エィミー・ロストリンク
【SPD】
本当に太陽神みたいな光を発しているー!
でもメイスンお義姉ちゃんが光調節してくれてよかったー。わたし難しいの苦手だしー

キャバリア・アカハガネに搭乗して参戦
背中のアンカーによう空中立体機動で足場の剣に対応
光もセンサー調節で問題なし
メイスンの誘導ポイントにガトリングキャノンを撃ち込みながら、弾幕と破壊された刃塵に紛れるように機動
多少の破壊は覚悟で、メイスンに近寄らせない

先制後は星獣の光から隠れて、「呪われし財宝に愛された姫君」を発動して、手持ちの武器は勿論、ロストオーシャンオーブから放出した消費型メガリスを様々な武器に変形して、動きの鈍っている邪剣に集中砲火

100を超えるメガリス攻撃だー!



 戦場となった『邪剣島』に二機のキャバリアが征く。
 その赤と青の機体は、それぞれが猟兵の駆る機体であり、この黄金太陽神の輝きが島全域を覆う戦場にあって目くらましを物ともせずに飛ぶ。
「本当に太陽神みたいな光を発しているー!」
 エィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)はキャバリア、『アカハガネ』のコクピットの中でメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)によって調整されたモニターを目の当たりにしていた。
 まともに見れば眼は焼かれ、戦いに支障をきたすものであったが、キャバリアのモニター越しに見るのであれば話は別であろう。

 メイスンがモニターの光感知を抑えることによって、互いの機体の持つモニターのリンクを為した。
 二人で行動する以上、情報の共有は当然であった。
「太陽の光、最悪の足場、それに高速移動とは盛りだくさんじゃのー」
 だが、七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍は今や十全の状態ではない。
 先行した猟兵達によって消耗させられたピサロ将軍の高速移動ユーベルコード『八艘飛び』は、速度を落としている。

 巨躯を誇るキャバリアを前に通常の人間サイズのピサロ将軍の凄まじい速度で飛び回られては、捉えることは難しかっただろう。
「こうなりゃ、エィミー! 数撃ちゃ当たる作戦じゃのー!」
 メイスンはキャバリア『KIYOMORI』を大地に生える剣を踏み砕くようにして、機体を強引に降下させる。
 さらにレーザー砲ユニット、ミサイル榴弾の弾幕によって大地に生える剣を破壊し、『八艘飛び』の足場とすることを防ぐのだ。
「……チッ、足場を崩す気か……だが! 我がユーベルコード『八艘九連飛び』は未だ死なず!」

 ピサロ将軍のユーベルコードが輝く。
 黄金の輝きが解き放たれ、その力を持って尋常ならざる斬撃。
 神速の九連撃を放つのだ。それを躱すことも、受け止め続けることもできない。
 けれど、それはメイスンが一人であったのならばの話だ。
 キャバリア『KIYOMORI』にアンカーを接続し、キャバリア『アカハガネ』が空中で軌道を変える立体機動でもって間に割って入るのだ。
「割って入る……いや、違うな! 此処に誘導されたか!」
 そう、メイスンとエィミーは敢えて誘い込んだのだ。
『アカハガネ』の放つガトリングキャノンを打ち込み、弾幕を張り巡らせる。
 多少の破損などものともせずに『アカハガネ』を突っ込ませ、斬撃を受け止め続けるのだ。

「そうだ。誘い込んだけーのー! しかし、こいつは本当にリソース喰うから、使いたくないんじゃがのー」
 メイスンは、けれど、此処で決断する。
 宇宙に君臨せし星の獣達よ、来たれ(クエーサー・クローンビースト)、それは顕現せし、クェーサービースト・アルバドラーダが放つ輝き。
 その光は炎を持ってピサロ将軍の肉体を焼く。
 抵抗しようとする意志をも奪う炎。

「これは、カルロス王の……! なんたることだ! 侵略するものが、侵略を許すなど!」
 ピサロ将軍が呻く。
 しかし、長くは持たないのだ。メイスンのユーベルコードはクェーサービーストの力すらも再現する。
 けれど、そのリソースは凄まじい勢いでメイスンの力を根こそぎ奪っていく。
「今じゃぞ、エィミー! 早くやってくれー!」
 メイスンの叫びに応えるようにエィミーのユーベルコードが輝きwマス。
「すべてのメガリス達、それぞれ頑張ってねー!」

 彼女の手にあるのは、絆律鍵ロスト・リンク。それは、呪われし財宝に愛されし姫君(ドミネート・オブ・リンク)だからこそ為せる業である。
 彼女の持つメガリス全てを遠隔操作し、機動する。
『王笏』のメガリスの欠片で作られたオーブすらも可動する。
 放出したメガリスが様々な武器へと変形し、炎によって動きの鈍ったピサロ将軍を打ち据える。
 集中砲火のように放たれる火線がピサロ将軍を蹂躙するように打ち込まれ続け、まさに地獄の劫火のように彼女を消耗させる。

「100を超えるメガリス攻撃だー!」
 放つ砲火は凄まじいの一言であった。
 光調整をしているモニターを前にしても、黄金太陽神の輝きに負けぬ火線の輝き。
 それは滅びの一撃となってピサロ将軍を穿ち続けるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…異界渡りに高速機動。黄金艦隊やら黄金太陽神やら…
他世界の力を使う王笏ほどでは無いにしろ呆れた多芸ぶりね

"影精霊装"の魔力で闇に紛れて光を遮断し周囲の敵や剣を暗視して、
第六感を頼りに敵の殺気や闘争心を捉えて見切り、
敵の攻撃を一方向に集中した魔力のオーラで防御してUC発動

…やはり防ぐ事はできても当てられないか

ならば、この手はどう…?

吸血鬼化して血の魔力を溜めた不可視の血糸を周囲に乱れ撃ち、
高速で接近した敵を切断する糸の結界を展開
敵が足を止めたら糸を操作しつつ切り込み、
大鎌をなぎ払い血糸で追撃する2回攻撃を行う

…残念。そのまま進めばバラバラに出来たのに…
だけど、足を止めた以上、勝機は私の方にある



「……異界渡りに高速機動。黄金艦隊やら黄金太陽神やら……他世界の力を使う『王笏』ほどではないにしろ呆れた多芸ぶりね」
 陽光を遮断する物質化した闇で編まれた精霊衣によって眩い輝きを放つ黄金太陽神の光を遮りながら、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は爆撃の如き無数の弾丸にさらされてもなお、高速移動ユーベルコード『八艘飛び』によって大地に生えた無数の剣の柄の上を飛ぶ七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍を見上げる。

 その姿は消耗にさらされていても尚、健在。
 背に負う黄金太陽神の輝きは未だ島全域を包み込み、猟兵達の視界を奪っている。
 リーヴァルディもまた己の持つ霊装によって光を遮断してなければ、視界を焼かれていたことだろう。
「逃走経路を絞られたか……だが、それでも甘い! 一人の猟兵程度で、私を止められると思うな!」
 ピサロ将軍の手にした黄金剣が疾走る。
 その斬撃は凄まじいものであり、視界を奪われているリーヴァルディにとっては不可避の一撃であった。
 けれど、彼女の第六感が感じ取る殺気と闘争心は、はっきりと像を結ぶ。

「……やはり防ぐことはできても――」
 大鎌で斬撃を受け止める。 
 やはり先行した猟兵達のおかげでピサロ将軍は消耗している。斬撃に切れがない。
 カウンターを振るう大鎌の刃をピサロ将軍は凄まじい速度で翻り、躱す。
「当てられないか。ならば、この手はどう……?」
 リーヴァルディの瞳がユーベルコードに輝く。

 限定解放・血の魔線(リミテッド・ブラッドワイアード)。
 それは視えぬ吸血鬼の魔力で錬成された無数の血糸を放つ力。乱れ撃たれる血糸は、まるで蜘蛛の巣のように張り巡らせる。
 そう、これは罠だ。
「……限定解放。この糸から逃れる事はできない、血の魔線」
「しゃらくさい真似を! これで私を捉えたつもりか!」
 輝く黄金剣の斬撃が血糸を斬り捨てる。
 魔力によって強度を得た血糸ですら、問題ないというように斬撃が切り払っていく。
 だが、リーヴァルディにとってそれは二の次であった。

 払った黄金剣に血糸が絡みつくことこそが本領。
 振るったはずの黄金剣が動かなくなる。そう、彼女の血糸は彼女の意思のとおりに遠隔の地の物を掴んで動かしたり操作することができるのだ。
「これは、剣が重く……ユーベルコードか!」
「……残念。そのまま進めばバラバラにできたのに……だけど、足を止めた以上、勝機は私にある」
 すでに此処は血糸の結界である。

 リーヴァルディが張り巡らせ、猟兵達が追い込んだ罠。
 そこに嵌ったピサロ将軍が逃れることはできない。二重の罠によって絡め取られたピサロ将軍は蜘蛛の巣に落ちた蝶と同じだった。
「……灰は灰に。塵は塵に」
 振り抜いた大鎌の斬撃がピサロ将軍の身体を切り裂く。
 一瞬のうちに放たれた斬撃は二撃。さらに血糸が走り、その身を穿つ。

「っ、ぐ――っ!」
 呻くピサロ将軍。
 その口の端からは血がこぼれ落ち、ここに来て漸く決定的な打撃を彼女の打ち込む。けれど、まだ消耗させるにとどまっている。
 けれど、それでもリーヴァルディは大鎌を奮い続ける。
「機動力を喪った貴方が、如何に多芸であろうと……」
 血の魔線からは逃れることはできぬのだというように、リーヴァルディは再び斬撃を刻み込むのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

稷沈・リプス
自称人間な男。

うーん、対処することが多いっすね。
念動力で浮かんで空中戦の要領で地面の剣を避けて。
目をつぶって結界術で攻撃はじきつつ、蝕神権能分け持つ『明け呑む蛇』、背後の太陽呑むっすよ。…つまりは日蝕。
太陽ならば、蝕で少しは光なくすっすね?

反撃は隼ライドで。太陽封じてる以上、月に味方してもらうっす。ここ島だから、あまり影響ないっすし。
さあ、隼よ、つつき抉れ。どれだけ隠れようが、明け呑む蛇の声が聞こえる限り、位置を特定し俺と隼はお前さんに食いつく。

我は蝕神■■■■。太陽を蝕にて一時機能不全にするは、権能のうちよ。



 血の糸を振り払い、七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍は高速移動ユーベルコード『八艘飛び』によって、窮地を脱する。
 ここまで己が消耗させられるとは思っても居なかったのだろう。
 この戦場に在りて、猟兵達の姿は増え続けている。
 幾度も彼らを振り払ってきたピサロ将軍は消耗を強いられてる。未だ倒すことが叶わないまでも、それでも確実に追い込んでいるのだ。

「『八艘飛び』は問題なく使える……大地の剣は健在、黄金太陽神の輝きもな。だからこそ、私は逃げ切ってみせる。猟兵がなんだというのだ。構うものか」
 侵略こそが、己の本分。
 自身が攻め込まれるなどあってはならぬことである。故にピサロ将軍は逃げの一手をとったのだが、それでも追いすがる猟兵たちに辟易していた。
「うーん、対処することが多いっすね」
 そんなのんびりとした声が響く。
 ピサロ将軍は見ただろう。空中に浮遊し、瞳を閉じた稷沈・リプス(明を食らう者・f27495)の姿を。

 その姿にピサロ将軍は神性を見た。
 黄金太陽神を背に負う彼女にとって、その気配はあまりにも知った気配であった。
「また、神か。猟兵とは何でも在りだな。生命の埒外とはよく言ったものだ。だが――!」
 この高速移動ユーベルコード『八艘飛び』をさらに強化された『八艘九連飛び』は如何に神性もつものであっても躱すことはできない。
 さらに黄金太陽神の輝きがあれば、なおさらのことである。
「いやー、人間っすよ。俺はね」
 自称するリプス。
 けれど、ピサロ将軍は取り合わなかった。ああ、と思う。余裕がないのだ。これまで先行した猟兵達が紡いできた戦いの軌跡が、今さに結実している。

 だからこそ、リプスは己の力を振るう。
 小さな黒蛇がその権能を発露させる。太陽を飲み込まんとする意志は権能となりて、その力がピサロ将軍の背後の太陽を飲み込む。
「……なに……? どうした、黄金太陽神! お前の力がどうなっている!」
「無駄っすよ。これは即ち、日食。太陽ならば、蝕で少しは光をなくすっすね?」
 目くらましの光なくば、斬撃の軌跡は見切れる。
 九連撃の凄まじい速度の斬撃を結界術で弾きながら、リプスは笑った。

 神の戦いは即ち権能と権能のぶつかり合いである。
 故に、相性というものがある。太陽の輝き持つ権能と、その太陽を飲み込む権能。それは即ち、相性最悪ということである。

「これは月より借り受けた権能の一。行くっすよ!」
 白銀の巨大なる隼がリプスのユーベルコードによって召喚され、その背に乗る。
「隼ライド(ハヤブサライド)! さあ、隼よ、つつきえぐれ。どれだけ隠れようが、明け呑む蛇の声が聞こえる限り」
 リプスは隼と共に空を駆ける。
 太陽の輝きは失せ、それでもなお輝き放つ後光を持つピサロ将軍へと迫るのだ。

 白銀の翼は大空を駆け抜ける矢のようにピサロ将軍へと迫り、その鋭き切っ先でもって貫くのだ。
「ぐぅっ――貴様っ、何者だ……! その、神性は!」
「我は蝕神■■■■。太陽を蝕にて一時機能不全にするは、権能のうちよ」
 発音できない名。
 もしくは、発してはならぬ名。
 故に、その名はピサロ将軍に届くことはなく。
 されど、その名をもって、その威を示す。リプスの放った白銀の隼の一撃はピサロ将軍を太陽と同じく大地へと失墜させるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

朱鷺透・小枝子
さっさと見切りをつけて、逃げるのか。
賞金首になど目もくれないか。金は、命を掛けるに値しないという事か?

目くらましはキャバリアのセンサーの索敵で対応
生える剣は機体をスラスターの推力移動で空中浮遊
ディスポーザブル02、遠隔操縦おびき寄せ。パルスマシンガン6丁による弾幕で範囲攻撃

どうでもいい事か。私は、名誉の為に、戦うだけだ!!
超能力シールドで機体を覆い、迷彩、透明化して上空から、ミサイルコンテナを射出『戦塵無窮』でとにかくコンテナをばら撒いて、

誘導弾の一斉発射!絨毯爆撃で戦場を一斉に爆破

さぁ逃げてみせろ。何処までも、吹き飛ばしてやる!!
戦場を、爆風で破片と剣を飛ばし、ピサロを爆発の中に閉じ込める!



 飲み込まれていた黄金太陽神の輝きが再び『邪剣島』に取り戻された時、七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍は大地に失墜していた。
 けれど、それでもなお立ち上がってくるのは強大なるコンキスタドールと言わざるを得ない。
 これまで紡いできた猟兵達の戦いの軌跡が言う。
 ここで彼女を逃がすわけには行かぬのだと。けれど、ピサロ将軍にとって、この戦いは戦いではない。
 確かに彼女は強い。
 個としての力は未だ彼女が上であろう。
 けれど、それでも彼女は逃げる。逃げの一手を講じるのだ
「やっていられるものかよ、こんな戦い。金にならん!」
 高速移動ユーベルコード『八艘飛び』によって黄金太陽神の輝きを取り戻したピサロ将軍は空を舞う。

 だが、それを防がんとするのは、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)が遠隔操縦するキャバリア『ディスポーザブル02』であった。
「キャバリア! 邪魔をするな!」
 放たれるパルスマシンガンの銃撃。
 その数は六丁。銃口から放たれる弾丸の数々が弾幕のように張り巡らせ、『八艘飛び』によってこの場から離脱しようとしていたピサロ将軍を足止めする。
「さっさと見切りをつけて、逃げるのか。賞金首になど目もくれないか。金は、生命を駆けるに値しないということか?」
 小枝子の声が響く。

 キャバリアを駆り、そのモニターを調節して黄金太陽神の輝きに対処した小枝子が躍り出る。
「生命在ってのものだねであろうがよ! 金があっても生命がないのでは意味がないっていうのがわからんか!」
 凄まじい速度で放つ『八艘九連飛び』。
 その斬撃は一瞬の明滅のうちに九つ。
 放たれた斬撃がパルスマシンガンの弾丸の尽くを打ち払っていく。
「どうでもいいことか。私は、名誉のために、戦うだけだ!!」
 超能力シールドで機体を覆い、小枝子は上空からピサロ将軍に突っ込む。無尽蔵に生成される膨大な霊物質によって生み出されたミサイルコンテナを射出する。

 その数は膨大であった。
 霊物質をあらゆる物に変換することのできるユーベルコード、戦塵無窮(エンドレスダスト)によって生み出されたミサイルコンテナから放たれる誘導弾の一斉掃射。
 絨毯爆撃とでも言うかのように『邪剣島』に爆風が吹き荒れる。
「さぁ逃げてみせろ。何処までも、吹き飛ばしてやる!!」
「馬鹿げたことを……! 元手がかからぬからといって、盛大にやりすぎだ!」
『八艘飛び』によって凄まじい勢いで飛び、躱すピサロ将軍。
 けれど、圧倒的な物量の前には如何な速度を出そうとしても無駄である。

 隙間なく、際限なく放たれる誘導弾の爆風は彼女の機動を阻害する。
 金のために逃げる者と名誉のために追う者。
 両者の間には相容れぬ溝があったことだろう。
 けれど、小枝子にとって、それは関係のないことである。オブリビオンは壊す。ただ、その一念においてのみ小枝子は存在している。
「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!」
 叫ぶ声が響き渡る。

 戦場に爆音と、彼女の叫びが木霊し、周囲にある全てを破壊せんとするように無数の剣が折れ、破片を飛び散らせながら、それでもなお放たれる爆風は吹きすさぶように邪剣島の地形を変えるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
ああ…凄い人だ
凄い剣士だ
ならば挑まずにはいられないよな

対POW剣
【戦闘知識】
周囲の突き刺さった剣の位置の把握
それらを避けての立ち回りの位置把握
【属性攻撃】
闇属性を全身と剣太刀に付与
闇を纏いその眩しさから目を護

【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】
半ば直感と戦闘経験から宙を飛び全力回避!
それでも避け切れないのは盾で受け止め致命は避

【二回攻撃・早業】
己もまた剣と太刀による斬撃による反撃!

常に己と彼女
今迄の戦いでの斬撃の軌跡を頭に叩き込

尤も激しい攻防のあった位置で
敢えて受け止めて
かはっ…ちょいとおれも覚悟決めねぇとなぁ?

掴み逃がさず

消えざる過去の痛み発動!

己と敵その他の斬撃再現!!

斬斬斬斬斬斬!!



 地形を変えるほどの爆撃。
 その痕に在りて尚、七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍は立ち上がる。
 すでに数多の猟兵達の攻撃にさらされ消耗しきっているにも関わらず、即座に高速移動ユーベルコード『八艘飛び』にて彼女は飛ぶ。
「ここまで私を追い込むとはな……個としての力が劣るとは言え、奴らの結束は固い……」
 ならばこそ、逃げ切らねばならぬ。
 如何に猟兵達が己に迫ろうとも、戦いを重ねようとも追いすがることのできぬ力があると知らしめなければならない。

 だからこそ、黄金太陽神の輝きを背に負い、彼女は飛ぶのだ。
 しかし、その前に一人の猟兵が立ちふさがる。
 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)であった。彼女は闇を纏い、太陽の如き輝きの眩しさから瞳を護る。
「ああ……凄い人だ。凄い剣士だ。ならば」
 そう、ならば。
 テラに後退の二文字はない。
 あるのは挑むという言葉だけである。
「挑まずにはいられないよな」
「そういうのは武芸者にでも言うのだな! 私は侵略者だ!」

 圧倒的な速度で放たれる黄金剣の斬撃。
 それを盾で受け止めるも、テラの腕が軋む。凄まじい斬撃。黄金太陽神の輝きが再び燃え上がるように増していく。
 それでもなおテラは後には退けない。退いては押し負ける。
 故に己のまた太刀を振るうのだ。
「威勢はよかったがな。だが、太刀筋が甘い!」
 振り払われる斬撃。

 それらを全て頭に叩き込む。
 確かに凄まじい技量。その差は歴然であった。けれど、テラは退かない受け止めが斬撃に息が漏れ出る。
「かはっ……ちょいとおれも覚悟決めねぇとなぁ?」
 手をのばす。
 それはピサロ将軍へと掴みかかり、悔恨「消えざる過去の痛み」(キエザルカコノヤイバ)によって虚空より現れる空間に刻まれた斬撃。

 それは無数の刃。
 これまでテラとピサロ将軍が剣戟によって刻まれた無数の斬撃の痕であった。
「これは……! 私と貴様の……!」
 気が疲れたがもう遅い。
 在るのは過去の斬撃。
 それがテラとピサロ将軍を巻き込んで放たれる。例え、己の身を犠牲にしてでも、ピサロ将軍に届かせると覚悟を決めテラにとって、それは容易いことだった。

 今までピサロ将軍と打ち合った斬撃の数、その軌跡。そのどれもが鮮烈に頭にこびりついている。
 だからこ、どう動けばいいのかなんて考えるよりも先に身体が動いていた。

「斬斬斬斬斬斬!!」
 ピサロ将軍を押しやり、その背に刻むは無数の斬撃。
 それは身を削り、剣戟の嵐の中で鮮血を血風に変えて吹きすさび、絶叫で持ってピサロ将軍に刻み込むテラのユーベルコードの輝きであったのだった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シーザー・ゴールドマン
ハハハ、オブリビオンが金の価値を説くとはね。
面白い。金は確かに大抵のことを可能とするが、それは金で動く者がいて、その者達が構成する社会があってこそだ。それを滅ぼさんとする君達が金を愛するのは……なかなか滑稽なことだとは思わないかね?

対策
剣は飛行(空中浮遊×念動力×空中戦)でめくらましは第六感で動きを察知して対応。(第六感×見切り)

工夫をするのは良い事だ。効かないがね。

八艘飛び&敵POWUCは察知した動きから、行動を先読み、(瞬間思考力×戦闘知識×見切り)敵の超高速移動した先にぶつかるように衝撃波を放つ。

さて、避けれるかな?

光速の極大魔力弾を放ちます。
(『アララトの流星』×範囲攻撃×全力魔法)



 斬撃の嵐の痕が七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍の背を刻む。
 鮮血がほとばしり、その血潮の熱さを黄金太陽神の輝きの中に伝えたことだろう。無数の剣が生える大地にありて、その柄の上に立つ姿は、未だ威容なる存在であることを伝える。
「ここまで消耗させられるとはな……まったくもって金にならん。こんな戦いがしたいわけじゃあない。私は金のために戦う、侵略する者だ。金の価値を知るがいい。お前たちだってそうだろう。無償で戦うわけではあるまい」
 ピサロ将軍の問いかけは、黄金太陽神の輝きが島全域を覆っていてもなお、真紅のスーツに身を包んだ、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)へと向けられていた。

「ハハハ、オブリビオンが金の価値を説くとはね。面白い」
 そう言って笑ったシーザーの瞳は閉じられていない。
 けれど、その瞳が黄金太陽神の輝きによって視界を塗りつぶされていても彼には関係なかった。
 目の前にいる。
 ただ、その存在感だけで彼はピサロ将軍の存在を認知していた。
 ここに来て問答する余裕が彼女にあるとは思えなかった。
 だが、それでもあえて乗るのがシーザーという猟兵であった。
「金は確かに大抵のことを可能とするが、それは金で動く者がいて、その者達が構成する社会があってこそだ。それを滅ぼさんとする君たちが金を愛するのは……なかなか滑稽なことだとは思わないかね?」

 振るわれる黄金剣の斬撃をシーザーは身を翻して躱す。
 凄まじ速度。それを可能とする高速移動ユーベルコード『八艘飛び』。その初撃をシーザーは躱す。
「思わないね。他者が滅びても金があればいい。私はそういう存在だ。侵略し、奪う。奪い尽くす。金を、生命を、財宝を、それら全てを奪い去る。そういう存在だ。例え、世界を滅ぼそうとも、世界は一つではない。全てを奪いたいという欲求からは逃れ得ぬのだよ!」
 黄金の斬撃は凄まじい。
 えれど、シーザーは先読みし、放つ衝撃波によってピサロ将軍の動きを止める。

「工夫するのは良いことだ。効かないがね。これまで他の猟兵たちに叩き込まれたユーベルコードが効くだろう?」
 自身と対峙するまで、相当に消耗を強いられたはずだ。
 だからこそ、シーザーは躱すことができるし、衝撃波を当てることができる。
 十全の状態であれば難しいことであったかもしれない。

 けれど、これまでの戦いの軌跡をシーザーは知っている。
 誰も彼もが金のために動いていたわけではない。
 世界を救わんとする意志だけ。
 それだけ十分だというようにピサロ将軍に挑んだのだ。例え、個としての力が及ばないのだとしても、挑み、彼女を打倒してきているのだ。
「その意味を知るといい。さて、避けられるかな?」
 そのユーベルコードの輝きは、黄金太陽神の輝きを持ってしても塗りつぶせぬ極大なる輝き。

 アララトの流星(デウス・ルークス)。

 それこそがシーザーの放つ光速の魔力弾の一撃。
 天より降り注ぎし、極大なる星の一撃。
 輝きは黄金すらも塗りつぶす。故に、シーザーの瞳はユーベルコードに輝く。
「貴様――!」
 シーザーにとって、その言葉が最後に効いたピサロ将軍の声であった。避けられるわけがない。
 極大にまで広げられた力の奔流は、どれだけ早く飛ぼうとも彼女を捉える。

 故にシーザーは小さくつぶやくのだ。
「砕けたまえ――」

大成功 🔵​🔵​🔵​

新海・真琴
【炎桜】
強敵、相手にとって不足無し!
行くよ、ベルンハルト。ボクらの力を見せつけてやるんだっ!!

地面から生えたり、空中を舞ってくる剣ははなきよらを振り回してなぎ払う
クソッ!多いな!(桜の拳鍔をはめた腕で殴り落として)
眩しさは直視を最小限に抑えて、研ぎ澄ませた第六感で対処

手数を増やしてくるか……でも、総合ダメージが上回ればボクらの勝ち!
距離があるなら巴板額での射撃攻撃で牽制
近付いてきたところで、ベルンハルトがシールドを使って受け止めるから
そこで隙の出来たピサロの胴体を狙って、ありったけの怪力と鎧無視攻撃と気絶攻撃を乗せた地駆ける女王で攻撃

これがボクらのコンビネーションだっ!


ベルンハルト・マッケンゼン
【炎桜】
あぁ、真琴。頼りにしているからな、我が暴勇の姫君さま!

まずは偏光レンズのゴーグルを着用、光量を低減させ視界を確保。
次いでUCを発動、セントリーガンで周囲を掃射。
自らのバトルライフルによる制圧射撃も加え、弾幕を張って剣の破壊工作を行う。
「エル・アラメインの地雷原、悪魔の園を思い出す……フッ」

敵の移動攻撃に対しては、戦闘知識から地形利用した拠点防御を選択。
真琴の弓射に合わせて自分もライフルで援護射撃。
接近してきた敵の攻撃は彼女を庇ってシールドで盾受け。
「真琴、貴女の盾だ!」

カウンターとしてバヨネットで斬り込み、捨て身の一撃を狙う。
「我等、共に戦人! 固い絆で結ばれし、恐れ知らずの恋人達!」



 極大なる魔力の弾丸が天より落ちる流星のように七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍を穿つ。
 けれど、それでもなお立ち上がってくる姿に新海・真琴(薄墨黒耀・f22438)笑った。揺れる薄香色の髪と共に退魔の刃を備えた長柄の洋斧を携え、戦場となった『邪剣島』をベルンハルト・マッケンゼン(黄金炎の傭兵・f01418)と共に駆け抜ける。
「強敵、相手にとって不足なし! 行くよ、ベルンハルト。ボクらの力を見せつけてやるんだっ!!」
 彼女の言葉は力強いものであった。
 その声色を聞いて偏光レンズのゴーグルの奥にあるベルンハルトの瞳は笑っている。
 互いにそれがわかるから、戦いの場にありて、二人は確かな高揚と同時に互いに対する信頼を感じたことであったろう。
「あぁ、真琴。頼りにしているからな、我が暴勇の姫君さま!」
 二人は戦場を駆ける。

 それはどこか楽しげな雰囲気があった。
「邪魔をするな。金にならぬがゆえに。私はもう余裕がない……だからこそ、金にならぬお前たちを屠ってでも――! 『八艘九連飛び』!」
 ピサロ将軍が黄金の輝きを放って、宙を舞う。
 放たれる九つの連撃の速度は凄まじい。
 真琴が手に嵌めた薄紅色のナックルが斬撃を受け止める。彼女は研ぎ澄ませた第六感で持って斬撃に対処していたが、その圧倒的な速度で繰り出される斬撃全てを防ぎきれるものではない。

 だが、彼女は一人ではない。
 その背を任せた男がいる。隣に並び立つ者がいる。故に彼女は圧倒的な手数を前にしても悪態をつくことはあれど、何の心配もしていなかった。
「クソッ! 多いな!」
「エル・アラメインの地雷原、悪魔の園を思い出す……フッ」
 ベルンアルトの瞳がユーベルコードに輝く。
 量子複合AI搭載自立型ガンタレットを展開する。そのユーベルコードの名をVerne S.H.o.T.(ヴェルヌショット)と言う。
 あらゆる視認した対象を電磁投射砲で打ち払うのだ。その弾丸がピサロ将軍の放った九連撃の斬撃を尽く打ち払うのだ。

「弾幕は張った……後は!」
「ああ、任せておいてくれ。ボクらがやつの手数を上回れば勝ちだ!」
 真琴の手にあったのは、UDCを素材にした金属で製造された和弓であった。ぎりぎりと引き絞られる弦。
 その一撃は確かにピサロ将軍の黄金剣を弾く。
「しゃらくさいな。だが、この私を前にして弾幕など!」
 無意味である。
 どれだけ数多の猟兵がピサロ将軍を消耗させても尚、彼女の速度は落ちない。十全である状態ではないが、それでもなお『八艘飛び』の速度は尋常ならざるものであった。
 ベルンハルトの銃撃がピサロ将軍を捉えようとも、その攻撃すら無視するように真琴へと迫る黄金剣。

 とっさに前に出ていた。
 ベルンハルトはそれが当然であると思っていたし、真琴はベルンハルトならばそうするであろうと信じていた。
 互いに互いのことを想うからこそ、互いに通じ合うことができる。
 二人と一人。
 その間にある決定的な差をピサロ将軍は見ただろう。

 己の斬撃の前に恐れなど知らぬというように立ちはだかるベルンハルト。そのシールドをかざす。
「真琴、貴女の盾だ!」
 シールドが両断される。だが、時は稼げた。ベルンハルトは己の背後にかばった真琴がどうするかを知っていた。
 身をかがめる。
 きっと彼女ならば、そうする。前に出る。かばわれるだけの姫君ではないことをベルンハルトが一番良く知っている。
 誇らしくもある。
 己の身を挺するに値する女性であると。そして、それを信じて前に駆け出す彼女の姿に見惚れるのだろう。

 手から両断されたシールドを手放す。
 真琴がまるで鳥のように駆け抜け、地駆ける女王(ヒクイドリノイチゲキ)となってピサロ将軍の胴に凄まじい怪力を籠めた蹴撃を見舞う。
「歯、食い縛っとききなよ!」
 上段蹴りの一撃が見舞われ、ピサロ将軍の身体が中に浮かぶ。
 放つ蹴撃の重さは言うまでもない。ピサロ将軍は目をむく。ただの蹴りがこんな威力を持つわけがない。
 重たい、鋭い。
 血反吐を撒き散らしながら、宙に浮かんだピサロ将軍が見たのは、ベルンハルトの手にしてバヨネットの斬撃であった。
 捨て身の一撃であろう。

 けれど此処に真琴がいる限り、それは『捨て身』にはならない。
 後にいる彼女が必ず護る。
 それが。
「これが、ボクらのコンビネーションだっ!」
 放たれる斬撃がピサロ将軍をさらなる追撃で持って吹き飛ばす。

 二人は並び立つ。
「貴様ら、は……一体」
 何を糧に。何を持って戦うのかと。その力の源泉が如何なるものであるのかとピサロ将軍は呻く。
 それに応えるように二人は並び立ち、言うのだ。

「我ら、共に戦人! 固い絆で結ばれし、恐れ知らずの恋人達!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メンカル・プルモーサ
…お金ね…そんなに集めて何に使うつもりだったのやら…
改造装甲車【エンバール】に乗って出撃…
…目くらましの光はエンバールのフロントガラスと【アルゴスの眼】を遮光モードにする事で回避…
…地面かに生えている剣はマインドミナVBA装甲を纏ったタイヤで砕きながら進んでいくよ…
…術式による牽制攻撃と地面の剣や地形を利用して張った術式組紐【アリアドネ】で高速移動のルートを制限…
…斬撃を放つ予測攻撃ルートに遅発連動術式【クロノス】を併用した多重障壁を張って超高速斬撃を防ぐよ…
…そして斬撃を受け止めた瞬間に無詠唱の【撃ち貫く魔弾の射手】で反撃…攻撃されると気付く間も与えず急所を貫こう…



 恋人たちの一撃が七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍の身体を撃つ。
 それはどうしようもないほどにピサロ将軍の持つ価値観とは相違為るものであったことだろう。
 理解し難いものである。
 生粋の侵略者であるピサロ将軍にとって愛すらも金で買えるものであった。故に、愛など、恋など、必要のないものであった。
「全ては金だ。金だけが全てなんだよ。そんなまやかしで私が倒れるとでも思うか!」
 ユーベルコードが輝く。
 黄金太陽神の輝きを以て尚、さらなる輝き。
 高速移動ユーベルコード『八艘飛び』はさらなる境地へと至る。その速度は黄金の矢のように戦場を駆け抜け、猟兵の尽くを討滅さんとする。

「……お金ね……そんなに集めて何に使うつもりだったのやら……」
 メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は理解に苦しむ。
 例え、金の価値を正しく理解しているのだとしても、彼女にとって知識以上のものになるとは考えにくかった。
 別に金の価値を否定しているわけではない。
 けれど、集めて、集めて、集めるだけなのならば、それは無意味でしかない。
 故に彼女は改造装甲車『エンバール』を駆り、フロントガラスを遮光モードに切り替え、電子解析型眼鏡『アルゴスの眼』による連動によって黄金太陽神の輝きを防ぐ。

 さらに大地に生えた無数の剣は、マインドミナBVA装甲を纏ったタイヤで強引に砕きながら突き進む。
「それで、私のユーベルコードを防げたつもりか、猟兵!」
 放つは『八艘九連飛び』。
 またたく間に放たれる連撃は九つ。凄まじい速度と斬撃。黄金剣の鋭い剣閃は、一瞬で改造装甲車『エンバール』の強化された装甲すらも紙のように切り裂く――ことはできなかった。
「……ッ!? なんだ、これは……多重障壁……!」
 そう、斬撃の尽くを障壁が防いでいた。

 いつのまに、と思うことは無意味である。
 今、ピサロ将軍が対峙するのは三つの世界の技術を取り込み手繰るトリニティ・ウィッチである。
 遅発連動術式『クロノス』と術式組紐『アリアドネ』によってピサロ将軍は、彼女が認識するよりも早く高速移動のルートを限定されていたのだ。
「こんな、ことが……!」
 そう、呻いた。
 それは僅かに数瞬の出来事であった。

 本来の十全なる状態であれば、そこらでも逃げ切ることができたかもしれない。
 けれど、消耗と言う名の足枷がピサロ将軍の動きを鈍らせる。
 己に劣ると蔑んできた猟兵達の戦いの軌跡が、彼女の足を掴むのだ。
 そして、彼女は見ただろう。
 己を狙うユーベルコードの明滅を。

 撃ち貫く魔弾の射手(フライクーゲル)。

 それは音もなく、無詠唱によって放たれた千里先まで届く、極めて貫通力が高い魔弾の一射が彼女の胸を穿つ。
 これまで紡がれてきた戦いの軌跡。
 そして、練り上げられた戦略。
 全てが積み重なって、届かぬと思われたピサロ将軍の圧倒的な技量を上回った瞬間であった。

「僅かに気づかれたか……でも、もう後はないよ」
 メンカルは己の放った魔弾の一撃がピサロ将軍を確かに貫いたことをアルゴスの眼によって確認する。
 勢いは失われ、翼を喪ったように失墜するピサロ将軍。
 それを見送るようにメンカルは『エンバール』の中で吐息をつくのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

佐伯・晶
厄介とかそういうレベルじゃないだろ
それでも倒さなきゃいけないんだけどさ

眩しい光はゴーグルの遮光機能で対処
空中浮遊で剣を踏まない高さを移動するよ

飛んでくる邪剣は
ガトリングガンで迎撃したり
神気で防いだりしよう

八艘跳びで動き回るなら
弾幕で範囲攻撃して少しずつでも削ろう

タイミングをみて地面から生えてる剣を使い魔に変え
金属化で足を奪う事を狙うよ
できればそのまま金属の彫像に変えたいけど
一部でも自由に動かせないし
重くてバランスが崩れると思うよ

それよりも丸ごと停めてしまった方が良いと思いますの
神域顕現を使用し動きを止めますの

神様がついてるのはそっちだけじゃないんだよ…

どうしてそんなに嬉しくなさそうなのですの?



「厄介とかそういうレベルじゃないだろ。それでも倒さなきゃいけないんだけどさ……けど、皆が追い込んでくれた」
 佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は戦場となった無数の剣が生える大地、『邪剣島』を駆け抜ける。
 空中浮遊によって飛ぶ晶の姿は、黄金太陽神の輝きの中であってもなお、解き放たれたかのように勢いよく七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍へと迫る。

 すでに数多の猟兵達によって消耗させられたピサロ将軍は胸を穿たれ、大地に失墜している。
 再び高速移動ユーベルコード『八艘飛び』によって躱されてしまえば、逃走を許してしまう。
 それだけはなんとしても阻止せねばならなかった。
 遮光機能を持ったゴーグルからピサロ将軍の位置を特定し、迫る。
「ここまできて、滅ぼされてたまるものかよ! 剣たちよ!」
 念動力によって大地に生えた剣が一斉に空へと舞い上がる。それら全てが猟兵に致命的な斬撃を放つ切れ味を持つことを晶は知っている。

 故に己を襲う剣の尽くをガトリングガンの弾丸をばら撒き砕き、神気によって固定する。
 しかし、その間にピサロ将軍は『八艘飛び』によって離脱しようとしている。
 ならば、と伸ばす指先にある剣の柄を見定め、使い魔へと変え、金属化の力によってピサロ将軍の足を掴むのだ。
「逃さないって! できればそのまま金属の彫像になってくれたらありがたいんだけど……!」
 それでも凄まじい抵抗。
 これが七大海嘯と呼ばれるコンキスタドールの力である。

 金属化した使い魔の手を黄金剣で切り払い、再び飛ぼうとした瞬間、身のうちにある邪神がささやく。
「それよりもまるごと停めてしまった方が良いと思いますの」
 その瞬間、身内より現れる邪神の権能、神域顕現(サイレント・シオファニー)がユーベルコードの輝きによって、雪のような神気の結晶を戦場に降り注がせる。

 それは邪神と眷属以外の時間が停滞する神域。
 故にこの神域においてピサロ将軍は動きを停滞させられる。どれだけ素早く動くことの出来るユーベルコードであっても例外はない。
「これは……邪神の権能か! 黄金太陽神!!」
 眩く輝く光。
 互いに神を宿す存在であればこそわかる。晶はガトリングガンの銃口を向ける。

「神様がついているのは、そっちだけじゃないんだよ……」
 その表情は苦み走ったものであった。
 なんとも形容し難いものであったのかもしれない。その感情を知ることが出来るのは、晶だけだ。
 けれど、どちらかというとどっちがいいと言われたら、晶はなんと応えただろうか。
 黄金太陽神の輝きか。それとも性別を変える邪神か。
 悩むことも難しい。
 どちらにしたってろくなことにはならないだろうなとさえ思う。

 そんな晶の懊悩を知ってかしらずか、邪神が不思議そうに言うのだ。
「どうしてそんなに嬉しくなさそうなのですの?」
 断然こっちだろうというように邪神が言う。けれど、晶は応えるかわりにガトリングガンのトリガーを引き、停滞し動きを止めたピサロ将軍へと弾丸を打ち込み、答えをはぐらかすようにガトリングガンの咆哮を轟かせるのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

村崎・ゆかり
貨幣は万能の交換財。物質でもあり情報でもある、でもただの数字。
ピサロ将軍、あなたは財宝をかき集めたつもりで、その財宝に呪われているのよ。

『GPD-331迦利』の上に立って、島へ進入しましょう。
ピサロ将軍が飛ばしてくる刀剣の嵐は、「結界術」「全力魔法」「オーラ防御」で受けきる覚悟。薙刀を回転させて弾き。

こちらの番。「結界術」「全力魔法」「範囲攻撃」酸の「属性攻撃」を重ねた紅水陣で、「オーラ防御」を張ったあたしに届く前に邪剣を使い物にならなくする。
あたしと『迦利』は「環境耐性」で紅水陣の中でも平気。

ピサロ将軍が突っ込んできたら千載一遇ね。
その邪剣に身体を貫かせて動きを封じ、紅水陣の靄で全身を焼く!



 ガトリングガンの咆哮が轟く。
 それは七大海嘯『邪剣』のピサロ将軍を打ちのめした音であった。
 この『邪剣島』での戦いも終盤に差し掛かっていた。未だ黄金太陽神の輝きは島全域を覆っている。
 これだけの猟兵が戦いに参じても尚、仕留め来れなかったピサロ将軍もまた、滅びへの道を違うことはない。
 キャバリア、機甲式『GPD-331迦利(カーリー)』を駆る村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》・f01658)は、己へと飛来する無数の剣を結界術で受けきり、結界すらも砕き迫るものを薙刀で薙ぎ払いながら、ピサロ将軍へと迫る。

「此処まで来て……なんてザマだ。最後に、こんなヘマをやらかすとは」
 ピサロ将軍は嘆いているようでもあり、けれど、それでもなお瞳はユーベルコードに輝いていた。
 無数の剣を放ち、猟兵を近づけさせない。
 未だ高速移動ユーベルコード『八艘飛び』の力は損なわれていない。
 この場から逃げ切るには、この力は必須である。

 故に、剣の嵐によって時間を稼ぐ。
 猟兵もまた消耗激しいはずだ。己ばかりが消耗しているわけではない。そこに一縷の望みがあった。
「金のために。全ては、私が侵略者であるために。私は奪うものだ。奪われる者であるわけがない!」
 その言葉は、怨嗟の咆哮そのものであった。
 しかし、ゆかりは言う。
『迦利』の上に立ち、薙刀を構えて言い放つ。

「貨幣は万能の交換財。物質でもあり情報でもある、でもただの数字。ピサロ将軍、あなたは財宝をかき集めたつもりで、その財宝に呪われているのよ」
 その背に負った黄金太陽神がその証拠である。
 けれど、ピサロ将軍は笑った。
「はっ、呪わせているのだよ。私は油断なく強い。そして、その呪すらも利用できる力がある。力なき者が何を言おうとも、戯言に過ぎんよ。私は逃げ切る。そのために――」
 そのユーベルコードが発現する。
『八艘飛び』。その力は一瞬でゆかりの眼前からピサロ将軍の姿を消す。

 圧倒的な速度。
 己の自由のためにと邁進する姿には、ある意味で敬意を払ってもいい。
 けれど逃していい理由ではない。

 故にゆかりは詠唱する。
「古の絶陣の一を、我ここに呼び覚まさん。魂魄までも溶かし尽くす赤き世界よ、我が呼びかけに応え、世界を真紅に塗り替えよ。疾っ!」
 その背に降りしきるは、真っ赤な血。
 否、全てを蝕む強酸性の雨であった。
「――これはっ……しまった!」
 そう、逃げるばかりに注力していたからこそ、気がつけなかった。

 ゆかりは逃がすつもりなどなかった。
 同時に自身から仕掛けることも必要なかった。
 戦場となった『邪剣島』を包み込む。例え、黄金太陽神の輝きに目がくらむことがあったのだとしても、戦場全てを包み込む彼女のユーベルコードならば。

 ――紅水陣(コウスイジン)。

 それは戦場を蝕む紅い靄。
 全てを腐食させる雨と靄は、ピサロ将軍であっても例外ではない。
 十全の状態であれば、この陣すらも突破しただろう。けれど、これまで数多の猟兵達が紡いできた戦いの軌跡がそれを許さない。
 決して、彼女を逃さぬと過去の化身を引き止める今がある。
 故にゆかりは瞳をユーベルコードに輝かせ、その軌跡を結実させるのだ。

「その全てを紅水陣が焼く! 観念しなさい! 七大海嘯『邪剣』、ピサロ将軍!」
 全身を溶かすように霧散していくピサロ将軍が手を伸ばす。
 後一手。
 もう少しで、島の外へ至る。
 その最期に伸ばした手は、しかして決して届くことはなく。

 骸の海へと還るその一瞬。
 それすらさせぬと投げつけられた紫の一閃。
 薙刀の煌きが、ピサロ将軍を骸の海へと叩き還すのであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月21日


挿絵イラスト