羅針盤戦争〜the Blight Bringer
「みんな、七大海嘯『邪剣』の本拠地が見つかったよ!」
グリモア猟兵、マレア・ソレッタ(風と海と太陽の子・f26497)が呼びかける。
七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍。
かつてサムライエンパイアにて現れた魔軍将の一人・コルテスの盟友であったというコンキスタドール。
戦況が自軍に不利と見て、グリードオーシャンからの逃亡の算段を立てていたらしい彼女であるが、猟兵達はその前に、彼女の本拠たる邪剣島の所在を暴くことに成功したのだ。
「ピサロは一旦逃げるのを諦めて、島で皆を迎え撃つことにしたみたい。邪剣島に攻め込んで、決着をつけにいこう!」
ぐっ、と拳を握り呼びかけるマレア。だがその表情はすぐに引き締められ。
「ただ、今回の戦い、いつになく気を付けないといけない点が多いんだ」
まず、何より気を付けねばならない最大の特徴。
「ピサロの背中には、昔捕まえたっていう『黄金太陽神』っていう存在がくっついてるんだけど……この太陽神が、眩しい光を放って、皆の目を眩まそうとしてくるんだ」
どうやら、当初異世界へ逃走するために蓄積していたエネルギーを、戦闘に転用したものらしい。その輝きはまさに太陽の如しであり、強烈な目くらましの効果を発揮する。以て彼女は文字通り、常に「太陽を背にした」状態であり続けるのだ。
「この上で、島に到着するまでの戦いでも使ったユーベルコード『八艘飛び』を使って高速移動しながら攻撃してくるよ」
その速度、瞬間移動と紛う程のもの。生半な知覚手段では、動いたと認識するより先に斬られていることだろう。
加えて、他の幹部同様、猟兵達のユーベルコードより確実に先んじて己のユーベルコードを用いてくる。八艘飛びのみならず此方への対処も必要だ。
「それに、戦場もピサロに有利な場所になっているんだ」
戦場となる邪剣島は、基本的には平坦な草原であるが、そこには、至る処に様々な世界の剣が無造作に生えている。思慮なく動けば身を傷つけかねない。一方のピサロは八艘飛びの最中でもこれを確実に知覚し、回避できる。
「あと、コルテスの盟友といっても、ピサロはあそこまで慢心はしていないから……油断を突いて攻め込む、ってこともできないんだ」
猟兵達のことは、見下してこそいるが脅威とも思っている。油断を突くことも不可能である。
八艘飛び、先制ユーベルコード、太陽神の光、地より生える剣。対処すべき事項は非常に多いが。
「でも、皆なら……皆の力と技と知恵があれば、乗り越えるコトは絶対に不可能じゃない。勝つことだって、きっとできる!」
確信と信頼を以て、マレアは頷き。そして猟兵達が応えれば。
「うん、お願いね……! それじゃ、転送始めるよ!」
グリモアの光が輝き、猟兵達をかの海へと送りだす。
七大海嘯『邪剣』の座す、その島へと。
五条新一郎
病んだ太陽の死せる光。
五条です。
さて羅針盤戦争もいよいよ最終局面。
当方よりは七大海嘯『邪剣』との決戦シナリオをお届け致します。
●このシナリオについて
このシナリオの難易度は「やや難」です。
普段より厳しい結果が出やすくなっておりますのでご了承ください。
●目的
『七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍』の撃破。
●戦場
グリードオーシャン、邪剣島。
平坦な草原の中に、様々な世界の様々な剣が、無造作に生えています。
●プレイングについて
OP公開直後からプレイングを受け付けます。
「『敵の先制攻撃ユーベルコード』『八艘飛び』『目くらましの光』『地面から生えた剣』の全てに対処する」ことでプレイングボーナスがつきます。
●リプレイについて
「羅針盤戦争~Chronic Clock」完結後より執筆開始、2/23(火)深夜までに書ける限りの方を採用したいと思っております。
それでは、皆様の太陽を撃ち落とすプレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍』
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POW : 太陽の征服者
全身を【黄金色のまばゆい光】で覆い、自身の【『八艘飛び』による加速度】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : 八艘九連飛び
自身の【背後の黄金太陽神】が輝く間、【「八艘飛び」による超高速斬撃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 三千邪剣世界
自身からレベルm半径内の無機物を【ピサロの意のままに宙を舞い、敵を襲う邪剣】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:もりのえるこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
スピカ・ネビュラスター
先制攻撃だけでも厄介なのに
目潰し&高速移動&地の利と更に三重苦とは恐れ入ったね
これじゃあまともに戦っても大変だね
だから……ラスボスらしく、ちょっと強引にいくよ
先制攻撃で切り捨てられたところで
『無限に再臨せし災厄』で復活するよ
いくら有利を積み重ねようと、キミの攻撃は所詮斬撃のみだからね
数度も耐性が積み重なれば、もう終わりさ
ウィッチクラフトの同時発動数も増えるからね
重力魔法を重ねれば、その動きも鈍るだろう?(属性攻撃5、多重詠唱3)
魔力をソナー代わりに位置を特定して
魔法弾で仕留めてあげよう(全力魔法5、誘導弾3、高速詠唱3)
●最初は人型の少女形態。そこから変身する姿はお任せ。なんとなく宇宙関係?
視界を覆う眩き光。手を翳して凌ぎつつ、スピカ・ネビュラスター(銀河の魔女・f31393)は顔を顰める。
(これはまた……厄介な相手だね)
翳した手の向こうに、倒すべき敵がいることは理解している。なれどその背より放たれる光が直視を許さない。
(この上に地の利まで得て、高速移動からの先制攻撃か。盤石の迎撃態勢、恐れ入ったね)
周囲に視線を巡らせれば、林立する魔剣の群れ。蒼き星の座にて浮遊するスピカにとり、それは問題無いが。
「ふはは、どうした。我が光に目が眩み直視すら叶わんか」
光を背にする、その主――七大海嘯『邪剣』のピサロ、傲岸に言い放つ。戦わずして勝利を確信したかのような、奢れる笑声。
「まあね。このボクの目を眩ますとは、大した光だ」
其に対するスピカの応えは、何処か余裕が感じられる。ピサロは「ふん」と鼻を鳴らす。
「随分と余裕ではないか。我が剣を直視できずして、何の勝算を見たというのだろうな」
鞘から剣を抜く音。スピカは指の合間から、ピサロの姿を垣間見る。無造作な立ち姿。これから攻撃を行う姿勢とは見えぬが。
「――ならば。見せてもらおうか!」
ピサロの全身が、黄金の光を纏う。直視叶わぬ程ではないが眩い其を、スピカが知覚したその直後。
「―――!!」
その身を走る熱。傾ぐ上体。星の座から転げ落ちる。輝きは己の前でなく後ろに。その姿認めるより前に――スピカの視覚は、閉ざされる。
「――何だ、もう終わりか? 口先ばかりの虚言であったか」
駆け抜けざまの一閃、ただそれだけで、あまりに呆気なく倒れたスピカを見届け。拍子抜けした様子のピサロ。勝負あったと剣を収め――ようとして気付いた。
「……待て。『これ』は、どういうことだ」
訝しむ視線の先には、つい今し方までスピカが座していた蒼き星。主が倒れて尚、そこにある星は――主の座していた時より、一回り大きくなって見えた。
「只の物体とは思えんな。壊しておくに越したことはない、か!」
そう判じたその身は、瞬時に蒼星の前へ。八艘飛び。瞬間移動が如き超高速移動の勢いそのままに、黒剣を振り下ろす。剣は蒼星へ深く食い込み、其を裂く。
明滅する蒼の輝きが、黒く沈んでゆき――再び輝き放つと共に、一気に肥大化。また一回り、巨大化を果たした!
「な……っ!? また大きく……!? それに、まさか……!」
驚愕するピサロ。その再生巨大化は勿論、己のユーベルコードを上乗せしたほぼ最大手の一撃、決まれば猟兵と言えど仕留め得ると確信する刃に耐えた事実に。
『そう、キミの刃を受けての変身。これがボクの見た勝算』
そして巨大化した蒼星から声が響く。紛れもないスピカの声。
少女の姿はあくまで仮初、その本質は蒼き災厄の星。それこそが銀河の魔女たるラスボス、スピカの在り方。
『さあ、今度はこちらの番。ボクの銀河魔術――ウィッチクラフト、受けるといい』
言い放つと共に、スピカの周囲の空間が歪む。同時に生ずる、凄まじいまでの重圧。
「ぐ……っ!? 身体が、重い……!?」
呻くピサロ。八艘飛びで脱出を試みるも、速度が出ない。スピカの行使した魔術は三重、変身によって上乗せされた力は八倍、故に効果は二十四倍。発動した重力魔術が、容易な身動きを許さぬ重力圏を生み出したのだ。
『この重力からは、逃げること叶わない。そして』
蒼の星が煌めく。その内に宿す銀河めいた輝きが、無数の星の如く周囲へばら撒かれ。
『これで、仕留めてあげよう』
スピカはピサロの魔力を知覚し、視覚なくして彼女を捉える。数多の星々が、流星群じみて戦場へ降り注ぎ――ピサロの身を、鋭く力強く、貫き抉った。
成功
🔵🔵🔴
クロス・シュバルツ
アドリブ、連携可
太陽……光なき世界で生まれ育った故、それに憧れたときもありましたが
アレはどうも良くないもの。存在しないほうがよさそうです
どれだけ速くとも攻撃の瞬間は接近してくる。自身の周辺広範囲に『ロープワーク』のように鎖を張り巡らせて警戒。鎖と空気の動きでタイミングを測り、接近の瞬間に反撃
先制攻撃を凌いだ一瞬でUCを発動、自身の能力を強化
太陽の光はUCで強化した『オーラ防御』で弱めて『環境耐性』で適応し、視界を確保、地面から生えた剣は飛行して回避。飛翔能力を活かして敵を『追跡』、高速戦闘を試みる
『残像』と共にピサロを牽制して『体勢を崩す』、その瞬間黒剣で斬撃と『生命力吸収』で体力回復していく
張り巡らせた鎖が、僅かなりとも陽光の直視を防いでくれる。瞳を細めつつ、クロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)は前方、無造作に立つ邪剣士の足元を見据える。
(太陽……あの輝きに憧れた時もありましたが)
光なき闇の世界に生まれ育ったクロスであるが故、その明るさ、温かさには憧れを抱くこともあったが。今、己の目を灼くその輝きは。
(明るくはあれど……良からぬものを感じます)
病的な、或いは呪的な。いずれにせよ、在るべきものではないと。そう判ずる。
「その鎖を以て接近を阻もうというか。いじらしいことだ」
対するピサロ、クロスの周囲に広がる鎖の防御網を見遣り笑む。無駄なことを、と言わんばかりの嘲笑に他ならず。
「果たして真に防げるものか……試してみようか!」
光が消える。即ちピサロの姿も消える。直後、甲高い衝突音。クロスの表情が苦悶に歪む。右上腕が斬り裂け流血。クロスの背後へ着地したピサロ、黄金の闘気を纏いつつも、不服げに眉を顰める。
「仕損じたか。その鎖、私の接近を感知するのが目的――」
振り返り、眉間の皺が深まる。其処に在ったクロスの姿を、闇のオーラが包み込む。闇は広がり、戦場へ薄暮を齎す。振り返ったクロス、その瞳には冷たい殺気が滲み――ピサロを『真っ直ぐ』見据える。
「――そう。その一撃を凌げればそれで十分。そして、次は俺の番」
禍々しく輝く刻印。高まる闇の衝動。いずれ其は彼という人間を喰い潰し、諸共に溶け消えるもの。なれど、それでも。其を以て、世に滅び齎す過去を砕く、その為なれば。それはきっと、クロスという『人間』の、そう在れかしと願うが故の覚悟、なのかもしれない。
「――ここからが、本番だ」
地を蹴る音。衝突音。クロスの黒剣と、ピサロの邪剣とが衝突する。両者の姿が掻き消える。ぶつかり合う音が、空中から幾度となく響き渡る。互い、飛翔能力を活かしての空中戦。
半妖としての衝動を全開としたクロス。ユーベルコードによる強化を上乗せしたその速度は、ピサロにさえ追随し得るもの。互い、音さえも置き去りとする速度で空を飛び交い、衝突を繰り返す。超高速戦闘を繰り広げる。
「ふん、よもや速度で追随してこようとはな! だが!」
幾度目かの衝突。両者の剣が衝突しあう――と見えたその瞬間、ピサロの姿が掻き消える。
「愚直な衝突ばかり繰り返すと思っておったなら、浅薄としか――」
八艘飛び。クロスの背後へと出現するピサロ。振り下ろした刃が、黒き背を斬り裂いた――その筈だった。
「全くその通り。尤も、浅薄なのは貴方ですが」
クロスの声は、その更に背後から。ピサロの刃に裂かれた筈の姿は既に無く。残像。手応えの無さにピサロの身が崩れ。
「その血、その身。喰らわせて、貰います……!」
突き出した黒剣の切っ先が、ピサロの脇腹を捉える。流れた血を、命を、黒剣を通して吸い上げてゆく。
成功
🔵🔵🔴
大豪傑・麗刃
目くらましの光で視覚を封じられたなら五感の残り四感、聴覚味覚触覚嗅覚を全開にして相手の動きを探る。
地面の剣は動き回らない事で対処。動くまでもなく相手の方から来てくれるはず。
とにかく先制攻撃を耐える。
殺気、風の動き、相手の匂いのわずかな揺らぎ、かすかな筋肉の音、そういった本当に些細な感覚で相手の動きを先読みし、バスタードソードの二刀流による早業の武器受けでジャストガード。レッツゴージャスティーン(格ゲー脳)受け切れぬ分は気合い入れてオーラ防御。
ユベコ解禁後も相手の攻撃を待つのは同様だが、今度は防御ではなく捨て身の攻撃、爆発オチ。覚悟したまえピンサロちゃん。
爆発
(アフロで口から煙)だめだこりゃ。
「うおっまぶしっ!」
ピサロの背負う黄金太陽神が放つ光に目が眩む大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)、だが視覚をやられただけで彼は怯まない。
その場で身構え、瞳を閉じて残り四つの感覚を研ぎ澄ます。周囲に無数の剣が突き刺さっている状況、無暗に動くことは愚策。敵も剣士である以上、己から近づいてくる筈だ。
持てる感覚を最大限に活かし、ピサロの挙動を探りにかかる。微かな骨や筋肉の駆動音を聴覚で。風の動きを触覚で。相手の匂いの僅かな変化を嗅覚で。
「失敬な、私の体臭がきついと言うか!」
時代背景的に在り得そうではある。
そして殺気を、研ぎ澄ましてきた己の戦闘感覚を頼りに探る。黙して敵の攻め込むを待ち構えるその姿、正しく歴戦の侍の如し。得物はバスタードソード二刀流だが、戦闘者としての経歴と実力という意味では申し分なし。
(………!!)
来た、と心の裡で呟く間も無い。咄嗟に掲げ上げたバスタードソードに伝わる衝撃。八艘飛びからの斬撃。思わずたたらを踏むが、追撃は無い。正面から眩い輝き。
「ちっ、まさか防がれるとはな。だが、何度もまぐれが続くかな?」
再度消える姿。追撃を諦めたのは反撃を警戒してか、或いは彼の纏う奇妙なオーラに嫌な予感でも覚えたからか。具体的には、ともすればギャグに巻き込まれてしまいかねないような。
(であれば安心すると良いのだ。わたしだって空気は読む)
先刻から微妙に描写にギャグ感が滲んでいるのは、プレイングを膨らませた結果なのでご容赦願いたい。
そうこうしているうちに麗刃が動く。バスタードソードを掲げる動きは先刻よりも早く、勢いよく。響く金属音。今度はその勢いに気合も上乗せし、怯むことなく……押し返した!
「ぬおっ!? 貴様……!?」
今度はピサロが姿勢を崩した。好機。麗刃は飛び込む。
「覚悟したまえ、ピンサロちゃん!!」
「私はそんな不埒な名前ではない!?」
十八歳未満の猟兵に仔細を聞かれたら困りそうな名前間違いをしつつ、麗刃はピサロの胸元へと突撃する。猥褻は一切無い。何故なら。
「ポチっとな――」
「な、貴様、まさ――」
その瞬間、迸る閃光。そして轟く爆発音。
麗刃を中心とする戦場に巻き起こった大爆発。上がった爆煙は、島の外の海上からでも見える程であったとか。
そんな爆発の中心部、ひょっこり起き上がった麗刃。全身黒焦げで、頭はアフロヘアーと化している。
辺りを見回す。ピサロは――離れたところで目を回していた。麗刃ほどではないが所々着衣や肌が焦げている。ダメージはしっかり入ったようだ。
しかし代償は大きい。流石にこれ以上の戦闘は無理だ。
「だめだこりゃ」
その呟きと共に、麗刃の口から黒煙が溢れた。
次いってみよう。
成功
🔵🔵🔴
ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
過度なグロ×
WIZ
守護霊の【ドーピング】で戦闘力増強。
夜魔の翼の【空中戦】で地面の剣を無視。
【残像】や【迷彩】魔法で的を絞らせないようにしつつ
【第六感・見切り】の回避と【激痛耐性・気合い】で先制攻撃を凌ぐ
なんて神々しく強いお方……
ですが、負ける訳には行きません。
貴女が太陽なら私は闇となりましょう
『絶対なる理想郷』で98秒間あらゆる攻撃を封じ
戦場全体に【呪詛・マヒ攻撃】を齎しつつ生命力吸収で私は回復
UC解除後
彼女の輝きと八艘飛びをする為の体力が戻る前に
【念動力】で引き寄せ【怪力・捕縛】の抱擁。
私ごと【結界術・全力魔法】に閉じ込め【慰め・生命力吸収】
私が貴女達の安息の地。
永遠の愛と快楽を……
「……ああ、なんて神々しいお方……」
「う、うむ? 確かにこの光、黄金の太陽神に由来するものではあるが……」
続いて現れたドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)の反応に、ピサロは少々面食らった様子であった。よもや猟兵からそのようなコメントが来ようとは、と。
「ですが、負ける訳にはいきません」
しかしマントを翼の如く広げ飛翔する彼女の姿、次々と分身を生み出し撹乱せんとする動きに、確かな戦闘の意志を認めれば。ピサロも応じて剣を構え。
「我が威を知り、その上で挑むか! なれば我が力の前に屈するが良かろう!」
その剣を空中のドゥルールへ向ける――と、彼女の命に応えるが如く。戦場に所狭しと生えた無数の剣が、地より抜けてくるりと廻り。そしてドゥルールを目掛けて、次々と撃ち出されてゆく!
「くっ、速い……それにこの数、あぅっ!!」
右へ左へ、分身と共に回避を繰り返すドゥルールであったが。怒涛と襲いくる剣の群れに、分身は次々と消し飛ばされ、そして残ったドゥルールの肩を刃が深く抉る。
よろめき、地へ墜落してゆくドゥルール。どうにか倒れずにはいるが、前を見れば既にピサロの姿が眼前に在った。
「……流石に、お強い……ですね……」
「ふ、当然よ。それ故にこその私だからな」
言葉と共に向けられた視線に違和を覚えつつも、胸を張り勝ち誇るピサロ。その背の陽光は、後光じみて益々強く輝いて、ドゥルールの目を眩まさんとする。
それ故に、であろうか。
「……まさに太陽のようなお方。でしたら」
「……ぬ?」
ドゥルールの身が、次第に形を失う。漆黒の闇となって崩れ、戦場全体へと広がってゆく。
『私は、貴女という太陽を包む闇に――骸の海に、なりましょう』
そしてドゥルールの姿が完全に失われた時には。戦場は、彼女が変じた闇――骸の海、オブリビオンの生まれ出た場所の如き様相と化していた。
「な……に……!? ぐ、だがこれは……!?」
そしてそれは、正しい意味での骸の海ではない。ドゥルールが、己の考える『救済』を与える為の場。故に、包み込んだオブリビオンより活力を、生命力を奪い、無力化せんとする。
呻くピサロ。八艘飛びにて離脱を図るが、骸の海は戦場全域を覆う。やがて活力失った身体は、その場へ膝をつかざるを得なくなる。
「――貴女のことも、猟兵達は狙っている。貴女を殺し、滅ぼす為に」
そのピサロの前に、再び闇が凝集し――ドゥルールの姿が戻る。彼女が己の身を骸の海と変じ得る時間は98秒。それを過ぎれば彼女の存在は霧散し消滅してしまう処であったが――此度は、それよりピサロの弱るのが早かった。
「その前に、貴女を導いてあげます。私という、安息の地へ」
「な……っ、や、止め……ろ……」
ピサロの身を抱き寄せる。生じた結界が、両者を外界より隔絶する。その手が、ピサロの柔肌を緩やかに撫で上げて――
「さあ、私と共に……永遠の愛と快楽を――」
成功
🔵🔵🔴
シズホ・トヒソズマ
マインドテンタクルで複数の人形を◆早業で◆操縦
シュヴェラに乗り◆空中浮遊し足元の地面の剣を回避
バルからマッピング&存在感知ナノマシンを散布し目を瞑り光を対策
クロスリベルで強化した反応からナノマシンで脳へ直接感知した敵をデザイアキメラの全方位◆オーラ防御で防御
しかし全方位では9回攻撃相手では強度が足りない
ですので迎撃と見せかけシュヴェラの◆重力属性光線をばらまき周囲の剣の重力を軽減
シールドが割れる前にライアの振動破砕で足元以外の地面を刺激し剣を空中に吹き飛ばし八艘飛び中の敵を◆範囲攻撃し足止め
UCでウルカヌスの力を使用
剣や地面を私や人形以外を燃やす炎に変え
八艘飛びでも回避できない範囲◆焼却します
空より飛翔する猟兵が、ピサロの姿を捉え、すぐに目を逸らす。彼女の背負う太陽神の光の眩しさ故だ。
「バル、ナノマシン散布お願いしますね?」
空中には三人の影。一人の上にもう一人。なれど猟兵としてはあくまで一人。人形遣い、シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)。思念触手により繰られる糸は、複数の人形達の同時制御を実現する。
シズホの指示と操作に応え、兵士風の人形『バル』が地上にて動く。その身から、目に見えぬ微細なるナノマシン群が放たれ、戦場へ満ちる。
シズホは瞳を閉じる。脳裏に浮かぶは、肉眼で見ていたものと寸分変わり無い戦場の風景。ピサロの姿も見える。太陽神の光に眩まされることなく、確りと。
「いきなり目を閉じて何事かと思ったが、その状態でも私を『見ている』のだろう?」
彼女の様子を見上げ、ピサロは得心いったように頷く。そして邪剣を構えて。
「――だが、それで我が剣が見えるとは限らんぞ!」
ピサロの姿がその場より消える。同時、シズホの背後に控えた獣型人形『デザイアキメラ』が障壁を展開。初斬を受け流す。だが続けざまの第二斬。これも受け流すが、障壁の出力に衰え。
(やはり九連続を相手とすると強度が足りない)
三斬、四斬。見る間に薄れゆく障壁。間違いなく持たない。判じてシズホは動く。己を乗せる人形『シュヴェラ』の砲撃ユニットがピサロの方を向く。巨腕の少女人形『クロスリベル』の援護が、ピサロの超高速機動に追随できるだけの思考速度を齎していた。
「迎撃など無駄よ!」
なれどピサロは吼える。そして放たれた光線をも斬り裂いて、障壁へ第五斬――なれど障壁は割れず、耐え凌ぐ。
(よし、もう少し――)
六斬。これもギリギリで凌ぐ。シュヴェラの放つ光線は重力属性を帯びた代物。これはピサロの迎撃でなく、その斬撃の減衰を目的としたもの。以て斬撃の重力を落とし、勢いを衰えせしめて障壁を破れ難くしたもの。
(カウンターポイント設定――)
七斬。斬撃を受けた部位に裂け目が生じる。シュヴェラの砲撃範囲を集束。
(――ライア、スタンバイ)
八斬。障壁全体に罅。間違いなく、次は持たない。だが備えは間に合った。龍神型人形『ライア』。本来は開墾作業を主とする人形だが、此度はその能力の応用――
「行けっ!」
急降下するライア。急上昇するピサロ。最後の、必殺の九斬目が、叩き込まれようとしたまさにその瞬間。
「!?」
ライア着弾。同時に戦場へ轟く振動。地に刺さった剣の群れが、一斉に飛び上がり――ピサロとシズホの間を飛び抜けた!
「ちっ……!」
空中で姿勢を崩したピサロ、地へと降り立つを余儀なくされる。それはシズホが仕掛けるに充分な隙であった。
「シュヴェラ! 仕掛けます!」
告げ、彼女と同乗していた砲撃ユニットから飛び降りる。残ったシュヴェラ、その身から幻影の姿が浮き上がる。黒き重厚なる鎧を纏った、巌の如き男――そう、それは。
「鋼神ウルカヌス! 我が身に宿り力となれ!」
それはかつて相対したヒーローズアースの大いなる脅威、鋼と炎の神。既に滅びたる其を再現した幻影が、シュヴェラのもとからシズホの身へと取りつく。
「――今こそ、応報を持って因果を制す!」
それは決して形だけではない。かの神の持っていた絶大なる力は、十全ではなくとも幻影に宿る。纏うシズホに、苛烈なる負荷を齎す程には。
「ピサロ! これまでの略奪という行いの報い、今こそ受ける時!」
なれど今こそ其を御して。戦場に熱気が迸る。熱きマグマと化す大地と刀剣。かつてウルカヌスが振るった権能、その再現。
「んな……っ!? これは、まさか……!?」
立ち昇るマグマ、最早八艘飛びを以てしても回避は間に合わぬ。ピサロを燃える大地と鋼とが押し包み、燃え上がらせてゆく。
成功
🔵🔵🔴
カシム・ディーン
機神搭乗
何かカルロスより手強そうなんですが
「怖くなっちゃった?白旗上げちゃう?」
それはちょいとばかり早いですね
サングラス装着
対spd&剣
【情報収集・視力・戦闘知識・空中戦・医術】
周囲の剣の位置の把握
更にピサロの立ち回りと癖
動体視力を駆使して捕捉に努
空中を飛びながら大地の剣に切り裂かれないよう警戒
【属性攻撃・迷彩】
光属性を機体に付与して光学迷彩で存在を隠し
【瞬間思考・武器受け・念動力】
それでも尚捕捉されれば念動障壁展開の上ハルペーを盾に受け止め致命だけは避け
UC発動
速さ勝負で負けるなよポンコツ!
「勿論!メルシー達の速さを見せてやろうね!」
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
超加速の連続斬撃!
剣強奪
ミスト・ペルメオス
・POW
厄介だ。厄介だが――
「墜とせない」のでなければ、「墜とせる」。だろう?
愛機たる機械鎧を駆って参戦。
念動力の超感覚やレーダー等から情報を得る一方、光学機器を遮断。視界に頼らない戦闘を行う。
大気の揺らぎ、波動の反射、敵意や悪意。そうしたもので敵や地上の危険物を捉え、
スラスターを駆使しての滑走や跳躍、シールドでの防御により被害の軽減・阻止を図る。
機を見て反撃。念動力、最大解放。
【ミューテーション・アンスピーカブル】。
戦場全域に“敵”を苛む念動力の嵐を放射しつつ、自身と愛機をサイキックエナジーとの融合体に変異させる。
物質界から半ば抜け出しつつ敵を追い、喰らいつき、撃ち抜き、墜としてやる……!
邪剣島の荒野に、ごう、と一際強い風が吹く。見上げたピサロの視界に映るは、5m程はあろうかという白銀の人型兵器と、更に大きい9m程の漆黒の人型兵器。
「ほう! 機械兵器とな! 話に聞くキャバリア……いや、片方はもっと大きいか!」
これは略奪の甲斐もあろう、ピサロは不敵な笑みを浮かべてみせた。
「くっ、眩しい……! この敵、カルロスより手強そうなんですが!」
白銀のキャバリア『メルクリウス』、そのコクピットにてカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)が呻く。サングラスをかけ、更にメルクリウスのアイカメラを調整して尚も目に焼き付く光。更に聞く限りの情報では、先制攻撃ユーベルコードに超高速移動さえ可能という。成程、厄介さで言えばカルロスすら上回り得るだろう。
『怖くなっちゃった? 白旗上げちゃう、ご主人サマ?』
そんな主の様子を見て、カシムの前に鶏型のホロ映像が浮かんで煽ってくる。メルクリウスに宿る『機神』の意思だ。
「それはちょいとばかり早いですね」
やれる限りはやってみる、とカシムは眼下のコンキスタドールを見据える。
「ええ、厄介な相手です。確かに、厄介な相手ではあります――が」
一方の漆黒の機械鎧『ブラックバード改』のコクピット。繋いだままにしていた通信機能越しにカシムの言葉を聞いていたミスト・ペルメオス(銀河渡りの黒い鳥・f05377)も応える。
「――『墜とせない』のでなければ『墜とせる』。でしょう?」
自信を以て告げる一言。カシムは小さく頬を掻いて。
「……確かに。あのザンギャバスとかいうのよりは、何とかなりそうですかね!」
明確に『無敵』と言われたあの七大海嘯とは違う。ならば遣り様はある。斯くして二機の人型兵器は、ピサロとの接敵を果たす。
「さて、機械兵器といえど、私の剣が通じぬとは思わぬことだ!」
迎えたピサロの身が消失する。直後、カシム機に走る振動。初撃は彼に飛んできたらしい。
「くぅっ! 光学迷彩かけてる相手に真っ直ぐ来るとか!」
『いたーい! 乙女の柔肌に傷つけるとか何してくれるのー!』
地上の剣に裂かれぬよう飛翔を続けるカシムが呻き、メルクリウスが怒り露わな声を上げる。『乙女』でも『柔肌』でもないだろと思うカシムだが黙っておく。
接敵と同時に光学迷彩を起動したカシムだが、ピサロはその姿が正確に見えていたかのように迫り、刃を叩き込んだ。咄嗟に念動障壁で食い止めたものの、右脚に深い斬痕が刻まれた。
「……流石に速い……そこか!」
一方のミスト機は地に降り、念動力や大気の揺らぎを頼りに敵や障害物を回避し続けていた。そこに直感が刃の迫るを察知し、ビームシールドを展開。振るわれた刃を食い止め、それとの間で火花を走らす。
黄金太陽神の光対策として光学機器を遮断して尚、滑らかで迷いのないミストの機動。持ち前の念動力の齎す超感覚やスペースシップワールド由来のレーダーやセンサーが、視界に頼らぬ戦闘機動を実現していたのだ。
「ふははは、どうした! 大きな図体していながら逃げ回るばかりか!」
四方八方を駆け回り刃を振るい、ピサロが煽る。無論挑発であろう。なれど、攻めに回らなければ勝利を引き寄せること叶わぬ、というのは事実。
「いいでしょう! 速さ勝負といこうじゃありませんか!」
『はいはーいっ! メルシー達の力、見せてあげるよ!』
故にカシム達は挑発に乗る。メルクリウスが、元より音速に達していただろう速度を更に上げる。以て、鎌剣を振るいピサロへ斬りかかる。
「速さ比べか、面白い! その図体で私に勝てるかな!」
振り下ろされた鎌剣を躱し、そのままメルクリウスへ肉薄するピサロ。脚を狙った邪剣の横薙ぎは、しかし跳躍で以て躱される。そのまま、空中での斬り合いへと移行する両者。
(彼も速い……ですが……)
最早金と銀の軌跡としか見えぬ両機、時折垣間見えるその姿は、両者拮抗と見えるが。やはり体積の関係上、懐へ飛び込まれ得るメルクリウスは不利か。
(――ならば、私も)
切り札を切るべき時だ。ブラックバード、その機体が青とも緑ともつかぬエネルギー体に変じてゆく。念動力扱うものの力の源、サイキックエナジー。
「――シュラウド、――その力を、貸せ……ッ!」
それは遥か昔に失われた筈の異次元世界。其処から引き出された力は、サイキックエナジーに何処か類似する。其の応用で以て、肉体や機体をサイキックエナジーと融合せしめる。其れがこのユーベルコードだ。
「――ぐ、ぬ……!?」
島の空を自在に駆け回っていたピサロの動きが、不意に鈍る。頭の中で荒れ狂う思念の嵐。意識が集中できない。
「隙ありですよ!!」
無論、そこを逃がすカシムではない。メルクリウスが鎌剣を立て続けに振るい、人より巨きな刃がその身を斬り刻む。
「ぐぁ…っ! ぐ、流石に重いではないか……!」
キャバリアサイズの武器に生身で斬り裂かれ、呻くピサロ。一時撤退が必要か――そう判じるが先か、或いは後か。
「……逃がさん……!!」
メルクリウス並の超速度にて迫るはブラックバード。その手のビームアサルトライフルを、ピサロに狙い定めて。
「ちっ……!」
八艘飛びで離脱を試みるピサロ。だがその照準は、如何なる術理によってか既に離脱先を狙っていた。
「……墜ちろ……!!」
そして立て続けに撃ち出される高密度のビーム弾が、コンキスタドールの身を包み、焼き焦がしていったのである。
成功
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オリヴィア・ローゼンタール
太陽の輝きは万民に隔てなく降り注ぐもの!
それを独占するなど赦しはしない!
常時太陽を背にし、剣山刀樹を駆け巡る……なるほど、地形の利用の極致とでも言うべきか
【怪力】を以って聖槍を地面に叩き付け、剣の生えた【地形ごと破壊】し、高速移動の足場を崩す(体勢を崩す)
粉塵を起こして光を遮る(地形の利用)
それによりどれだけ速くとも、常に光を背負うなら襲撃の方向が割り出せる筈
超高速斬撃を聖槍で【受け流し】、【カウンター】で【聖槍覚醒】の一撃を叩き込む
真なる輝きの力を識れ――!
戦場に轟く振動。得物たる槍を力任せに地へ叩き付けるは修道女、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)。破邪の聖槍は流麗なる見目に見合わぬ凄絶な破壊力を発揮し、叩き付けられた地面を周囲の剣ごと破壊せしめる。
(常時太陽を背にし、剣山刀樹を駆け巡る……成程、地形の利用の極致と言うべきか)
敵が地の利を掌握しているならば、其を崩すが先決。その意志のもと、戦場の刀剣を砕きにかかっていたのだ。
「ぬぅっ、私の集めた刀剣をそのような!」
オリヴィアのその行動に、ピサロの表情が歪む。恐らくこれは、彼女が様々な世界から略奪してきた品々……言わばコレクションなのだろう。其を壊されることは、彼女にとり耐え難いことのようであった。
(来るか……?)
破壊を続けながらも、オリヴィアは敵の挙動を窺う。砕いた地面が土煙となってオリヴィアとピサロを隔て、以て眩き太陽光を減衰せしめる。目を灼かぬ程度には見えるその光は逆に、視界を遮られた中でもピサロの位置を示す目印となる。
「ならば私を止めてみろ! この聖槍の輝きを恐れぬならば!」
ピサロを挑発するかの如く吼え、聖槍を構える。勝負決するは一瞬。己の勝機は只、そこに。
「!」
土煙の向こう、光が消える。ここだ。オリヴィアは聖槍の柄を斜めに構え。
「ぬぉっ!?」
オリヴィアの目前、横薙ぎの斬撃を繰り出さんとしたピサロの身が傾ぐ。先の破壊と共に砕けた地に開いた穴。其に足を取られ、斬撃動作が一瞬遅れる。尚も攻撃動作の継続叶うは、七大海嘯の一角占める彼女の業前の賜物に他ならぬ。
「そこだ……!」
なれどオリヴィアもまた歴戦の猟兵。十全ならぬ姿勢から放たれた斬撃、如何に遣い手が強大とて見切るは叶う。振るわれた邪剣と、聖槍の柄とがぶつかり合い――逸らした!
「ちぃ……っ!」
力の流れを狂わされ、膝をつくピサロ。なれど数秒も経たぬ間に、再度の八艘飛びを以て仕切り直すだろう。故に。
「覚醒せよ、我が聖槍! 無窮の神威を今ここに――!!」
此処にて決める。半身を引いて構えるオリヴィア、その手の聖槍が輝きを増す。応じてオリヴィアの右腕甲が軋み――砕け、露わとなった腕が裂けて鮮血が噴き出す。
其は聖槍の封を解いた代償。あまりにも強大に過ぎる其の破壊力、遣い手さえも滅ぼしかねぬ危険極まりなき代物。故の封。なれど今は、眼前の此の敵へ、確と一撃、叩き込む為に。傷を負い、命数削るとも、必殺の一撃を。
「太陽の輝きは、万民に隔てなく降り注ぐもの! それを独占するなど、赦しはしない!」
吼え、渾身の力にて腰を捻り、腕を突き、以て聖槍を――かの略奪者の頭上の太陽より尚眩く輝く槍を、其を目掛け突き出す。
「な……がぁぁぁぁぁっ!!」
八艘飛びでの離脱を試みたピサロ、なれど乱れた地形では足に力籠らず。よろめいた処へ、砲弾が如き勢いの破邪聖槍が、その腹目掛けて叩き込まれ。
「真なる輝きの力を、識れ――!!」
眩き光は神の裁きが如く。邪なる剣士の身を、灼き焦がしてゆく。
成功
🔵🔵🔴
シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
どんな強敵相手でも、ボクたち二人のコンビネーションは無敵だよ!
周囲の剣で傷つかないようにウィーリィくんの指定した場所から動かず敵を迎え撃つ形をとる
相手の光を直視しないようにしてビーム銃の【咄嗟の一撃】+【弾幕】+【制圧射撃】で八艘飛びのスピードを少しでも遅らせると同時にウィーリィくんの策に気づかないようにして、【罠使い】+【ロープワーク】で足元に仕掛けたスネアトラップから注意を逸らすため
ウィーリィくんの身体で太陽神の光が遮られたのを合図にトラップを発動させて動きを止め、彼の攻撃に続けて【クイックドロウ】+【乱れ撃ち】+【スナイパー】で傷口を狙って熱線銃とビーム銃の両方で集中砲火!
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
シャーリーとの連携と【地形の利用】でピサロに挑む。
地面からの剣で退路を断たれた場所で奴を待ち受け、バンダナを目に巻いて布越しに見える太陽神の光と【聞き耳】で奴の位置を把握する。
ここに陣取った理由は二つ。
一つは地面の剣の位置の都合上に俺を攻撃するには正面から仕掛けるしかないように仕向けるため。
もう一つは、剣の刀身に太陽神の光を反射させて目の前の空間に集中させるため。
反射した光で奴が視界を奪われた瞬間、【限界突破】させた速さで【カウンター】で【捨て身の一撃】を繰り出す事で奴の先制攻撃を止め、そのまま反撃の機を与えずに【刀工一閃】を【二回攻撃】で繰り出し、シャーリーの集中攻撃へと繋げる!
「くく、追い詰めたぞ猟兵共。ちょこまかと小喧しく逃げ回りおってからに」
邪剣島の荒野に立ち並ぶ剣、その密度は場によってばらつきはあれど、時にはその合間を通り抜けるに窮する程の密度を持つ地点もある。ピサロは今、二人の猟兵をその地点へ追い詰めたところだ。
「くっ……!」
その片割れ、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は悔しげに歯噛みする。その眼は普段頭に巻いているバンダナに覆われている。ピサロの背後で輝く陽光の直視を避ける為だ。
「これ以上は来させないんだから……っ!」
もう一方のシャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)はブランダーバス型のビーム銃を乱射、エネルギー散弾の弾幕を以てピサロを近づけさせまいとする。しかし。
「無駄だ無駄だ。その程度の薄い弾幕で、我が八艘飛びを阻めはしない」
邪剣を構える。彼らの背には己の刃、眼前にて停止する必要はあれど。此処までの交戦を鑑みるに、それでも十全。
「二人仲良く、我らの海へ招いてやろう!」
そしてピサロの身が消え、シャーリーの熱線弾幕をすり抜けて二人の眼前へ。同時に振るわれた刃が、シャーリーを守る為か前へ出たウィーリィの首筋へ――
その時。彼女は光を見た。見えてはいけない光を。
「ぐわぁっ!?」
目を抑え、よろめくピサロ。見下ろしたウィーリィの傍らに見えた眩い輝き。あれは一体。あれはまるで、己の背負う黄金太陽神の――
「やっぱりな! これだけの光、お前自身も浴びたら大変なコトになると思ったぜ!」
してやったり、と言わんばかりの顔で、ウィーリィは得物たる大包丁を掲げる。その刀身が煌めくのは、太陽の光を間近で浴びたかのようで。
そう、その光は正しく、ピサロの背負う黄金太陽神の光。ウィーリィは己の大包丁にその光を反射させ、以てピサロの目へ浴びせたのだ。
「今だ……っ!」
「ぬおぉっ!?」
そしてシャーリーもまた叫ぶ。同時、ピサロの足元から跳ね上がったスネアがその身へ絡みつき、以て彼女を拘束せしめる。
「な……ぐっ!? き、貴様ら……!?」
何が起こったのかを把握しきれず、困惑げな表情のピサロ。シャーリーもまた得意げな笑みを見せて。
「ふふんっ、ここまで全部ボク達の作戦通りだって、気付かなかったみたいだねっ」
そう、この場に追い詰められたこと自体が、二人の立てた作戦の一環。
八艘飛びからの斬撃の回避と、立ち並ぶ剣群による負傷の回避。其を念頭に置いて、防戦一方を装って、自ずから剣で退路の塞がれた場所へ逃げ込んだのだ。
背後に空間の無い場所ならば、ピサロは正面から仕掛ける他に無い。更にすれ違いざまに斬り抜ける手も使えない。八艘飛びと同時に攻撃を行う事は叶わない。
この島の地の利は完全に己にある、そう信じていた彼女への、痛烈なる反撃であった。
「くっ……! おのれ、まさか私がこのような……!」
悔しげに歯噛みしながらもがくピサロ。身に絡むスネアは頑丈で、彼女と言えど容易く抜けられる代物ではない。
「苦しそうだな、それなら斬ってやるよ……お前ごとな!」
そこへ振るわれた、ウィーリィの大包丁二閃。それは――スネアを斬ることなく、ピサロの身を鋭く深く斬り刻み。
「どんなに敵が強くったって、ボク達のコンビネーションは無敵なんだからっ!!」
更にシャーリーがマスケット銃型ブラスターを抜き、先のビーム銃と共に高速にてトリガーを引く。撃ち放たれる無数の熱線とエネルギー散弾とが、かの略奪者の身を灼き、抉って。その傷を深めてゆく。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
恐ろしく厄介ですねぇ。
『FBS』を四肢に嵌め或る程度の高度を浮遊、『地形』の影響を防ぎますぅ。
そして『FMS』のバリアを『正八面体状』に配置、『FRS』『FSS』の全エネルギーを『FCS』で一時変換しバリアを強化、[結界術]も重ねた状態で私の『全方位』を包み、更に旋回させ『力の分散』を行うことで『八艘飛び』や『先制UC』で何処から攻撃されても或る程度防げる状態にしておきますぅ。
また『サングラス』を着用、『結界』と併せ二重に遮光し『陽光』を防ぎましょう。
攻撃に回れたら【処檻】で『全方位への波動』を放射、『八艘飛び』による回避を塞いで捕え、止めたところを一気に叩きますねぇ。
リーヴァルディ・カーライル
…もはや、退路は無い。此処がお前の墓場よ、ピサロ将軍
"影精霊装"の魔力で闇に紛れ陽光を遮り敵を暗視して、
空中戦を行う"血の翼"を広げて地上の剣を避け、
黄金艦隊戦の戦闘知識から八艘飛びの機動を見切り、
"写し身の呪詛"の残像を囮に敵のUCを避けUC発動
…確かに厄介だけど…それだけならば対処は容易い
…無駄よ、その業ならば一度見ているもの
同じ業が二度通じるほど、私は易しく無いわ
敵の超高速斬撃の乱れ撃ちを円の動きで受け流し、
敵の勢いを加えた大鎌によるカウンターで迎撃して、
傷口から生命力を吸収してUCを封印できないか試みる
…お前が他の世界を侵略する事は決して無い
何一つ得られぬまま、骸の海に還るがいい
「恐ろしく厄介な相手、ですねぇ……」
四肢に嵌めた戦輪を以て、地表より剣一本分高い高度に浮遊しつつ、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が呟く。
「そうね、確かに厄介な相手……だけど、此処まで追い詰めた」
応えるリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)の視線は、前方に佇む七大海嘯『邪剣』へ。
その身には無数の裂傷、火傷が刻まれ。相当な重傷であろうことが伺える。
「……もはや、退路は無い。此処がお前の墓場よ、ピサロ将軍」
リーヴァルディの宣告。其を受けたピサロの肩が揺れる。そして口元が笑みの形に歪み。
「――ハ。ハハ、ハハハハハ!! 笑わせる! 猟兵共が寄って集って!」
哄笑と共に黒き邪剣を抜く。滲む悪しき気配、身構える動き。負傷を感じさせぬ、揺らぎ無き力滾る様相。
「私は未だ生きている! そして生き延びてみせる! 新たな旅へ! 新たな略奪へ征く為に! 其れが私の、在るべき姿だからだ!」
その背に蠢く亡霊の群れ、そうとも見える黄金の円盤――黄金太陽神が、眩き輝きを放つ。其は何処か、命の最期の輝きにも似て。
「照らせ黄金太陽神! 我が敵の冥路を! 私の栄光の道を!」
放たれるは目を眩ます程の、正しく太陽の輝き。直視を拒む光、なれど二人は。
「眩しいですねぇ、でしたらば」
るこるの前後左右、そして真上と真下に、銀色の円盤が浮遊。其々を光の帯が繋ぎ、形作られた面に障壁が張られる。此度は遮光機能も備えられた防御結界だ。更にサングラスもかけて、光への備えと成す。
「……私の闇は、光にも払えない」
リーヴァルディの首巻き布から闇が溢れる。物質化した闇で形作られた其は、同じ性質の闇を周囲へ広げる力を持つ。光通さぬ闇を。黄金太陽神の光さえも、彼女までは届かない。
「ふん、今更この程度では怯まぬか! なれば!」
叫ぶピサロの身が、その場から掻き消える。同時にるこるはFBSの出力を強化、リーヴァルディは血色の魔力翼を広げ上昇、飛翔。直前まで両者の在った位置を薙いだピサロ、そのまま黄金の闘気を身に纏って両者を追い飛び上がる。
邪剣島上空は、今、猟兵達と七大海嘯『邪剣』の決戦の場となった。
黄金の軌跡が、前後左右上下、空中を自由自在に飛び回る。乳白色の八面体は其に煽られるが如く空中をふらつきながらも、その実、確と安定を保ち続ける。
漆黒の闇へと、黄金が立て続けに突入と離脱を繰り返す。なれど振るう刃は悉く、闇の中心を捉えるに至らず。
「……無駄よ、その業ならば一度見ているもの」
邪剣島へ至るまでの前哨戦、黄金艦隊に於いて、リーヴァルディは一度ピサロと交戦していた。八艘飛びもその際に見て、性質を理解している。即ち、敵はこの上なく『速い』。だが『それだけ』。
「……ならば、対処は容易い。同じ業が二度通じるほど、私は易しくないわ」
「ちぃ、業腹だが認めるしかあるまい! ならば!」
リーヴァルディを組し難しと見たか、一度離れるピサロ。その狙いを、るこるに集中するつもりだ。
「くぅ……すぐに反撃できないのは歯痒いですねぇ……!」
立て続けに繰り出される斬撃が結界を揺るがす。普段の彼女の主武装である浮遊砲台群、其方に用いているエネルギーも回して結界を強化しているものの、それが故に攻勢に出れぬるこる。攻めに回る為の機は、一つだ。
「どうしたどうした! 守ってばかりでは私は倒せんぞ!」
笠に着て攻勢を強めるピサロ。繰り出され続ける刃が、やがて結界へと刃を喰い込ませて――そここそが、るこるの好機であった。
「――大いなる豊饒の女神の名に於いて、仇なす者達に厳格なる裁きを――!」
直後、走り抜ける乳白色の波動。其はピサロの身を通り抜け――
「――ぐふぁぁぁぁ!!?」
悶え、喀血するピサロ。放たれたるその波動はるこるのユーベルコード、敵の力量と言葉交わしたオブリビオンの数に比例するダメージを与えるもの。七大海嘯の一角として数多のコンキスタドールを率いてきた強者には、この上なく効果的な代物で。
「……ぬ、ぐ、お、おの……れ……!」
伴い、形作られた超重力空間に囚われ、動きの鈍るピサロ。其処を好機と見てリーヴァルディが飛翔し迫る。
「……終焉の時よ。お前が他の世界を侵略する事は、最早、決して無い」
漆黒の大鎌に、紅き魔力が迸る。かのコンキスタドールの命を狩り取る為に。
「――まだ、まだだ!! 私は、もっと――!!」
ピサロが吼える。八艘飛び。超重力空間を抜ける。なれど、その速度はそれまでに比して余りにも鈍く。
振るった邪剣は大鎌に絡め取られ、流水の如く受け流され。
リーヴァルディの身が円を描き、受けたる力を以て鎌刃を振り抜いて。
刃は狙い違わず、ピサロの背より胸を貫いて。その力も、命も、吸い上げてゆく。
「……何一つ得られぬまま、全てを失い。骸の海に、還るがいい」
そして鎌刃が抜かれれば。その身からも、背後の太陽神からも光の失せたピサロは、地上を目掛け墜落してゆく。
「……おの、れ。私は……コンキスタ、ドール……奪う者……。私が、奪われるなど……あっては……なら……な、い……」
最期の最後まで、己は『奪う者』と信じ続けたまま。七大海嘯『邪剣』ピサロ将軍は、地に落ちるより早く、その身を骸の海へと還していった。
以て、猟兵達は『邪剣』の撃破に成功。羅針盤戦争、その勝利へとまた一歩近づいたのである。
大成功
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