5
羅針盤戦争~海魔の還る場所

#グリードオーシャン #羅針盤戦争

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#グリードオーシャン
🔒
#羅針盤戦争


0




●幼き魔眼の蹂躙者(プロローグ)
 ――【グリードオーシャン】はとある海域に属する島、『ブレダ島』。
 【UDCアース】より流れ着いた島であり、そこに住む者たちはとある海賊団によって統治されていた。

 島には特出した点もなく、あえて挙げるとするのであれば、地下にはこの島と共に流れ着いた巨大な海底遺跡が広がっていることくらいであろうか。

 遺跡の扉は、未知の力によって封印されており、島が出現してから今日まで、何者にも開かれることはなかった。

 『大海統べる災厄』"ヨハンナ・グスターヴ"は、この島に狙いを定めていた。
 自身の眼に宿す【海魔の瞳】を片手で押さえつけながら、島のある一点――遺跡の入り口のある方を見つめていた。

「――よくわからないけど、あの島には『こいつ』の気を惹く何かがあるらしい」

 そう言いながら、ヨハンナがひとつ指を鳴らすと、操舵士である配下が船の舵を切る。
 彼女たちの目指す先は、ブレダ島を仕切る海賊団のアジトであった。

 ヨハンナの率いる海賊団が、ブレダ島を仕切る海賊団を壊滅状態に追い込み、島全体を占拠するまで、そう時間は掛からなかった。

「方角はなんとなく分かるけど、場所まではわからないからね。さあ、君、この島の『本当の入り口』まで案内してくれるよね?」

 ヨハンナの手下たちに捕らえられた、黒い髭をたくわえた船長は、苦虫を噛み潰したような顔をしながら、反論する。

「あんなところに行ってどうするつもりだ……あそこには何にも――」

 ズドン、と。
 同じく捕らえられていた船員の一人が、声をあげることもなく、フリントロック銃によって頭蓋を撃ち抜かれ、絶命する。

「……聞いてないんだよ、そんなことは。そもそも、口を利いてもいいだなんて、誰が言ったんだい?」

 そう言いながら、黒い髭の船長の頭を足蹴にする。
 頭を垂れ、床に這いつくばる形となった船長の頭を、ヨハンナは足で踏みつける。

「どうせすぐに死ぬんだ、黙って従いなよ。いい大人が、みっともないなあ」

「かはっ…………悪魔、め……」

 ズシャリ、と。
 今度は捕らえられていた島民の血と臓物が飛び散る。
 悲鳴と嗚咽を漏らしながら、少しの間痙攣していたが、やがてその身体は動かなくなる。

「学習しないなあ、君も。単細胞の君のために、優しく丁寧に教えてあげよう。――君が口答えするたびに、君の保有する貴重な『労働力』たちを蹂躙しよう」

 その幼い顔に似つかわしくない、しかし『悪魔』と評された者に相応しい、邪悪な笑みをヨハンナは浮かべる。

「ぐっ……わかった、わかったから……」

 ヨハンナが気だるそうに溜め息をつき、海賊団員の両腕両足をカットラスではね飛ばす。

「『わかった』って言っていいなんて、言ってないでしょ」

 その悪逆非道な行い、そして理不尽な要求に、島の民たちのみならず、この場にいる心ある者たちは、みな彼女に恐れをなしたことは言うまでもなかった。

 その後、彼女が合図を出すと、従えていた異形の海賊たちが黒い髭の船長の脇を抱える。
 黒い髭の船長も、相次ぐ『蹂躙』に疲弊しきっており、異形の海賊たちにほぼ引きずられる形で、連行されることになる。

 そして、彼の案内で辿り着いたのは、海底遺跡へと続く、封印された扉の待つ遺跡だった。
 遺跡に近づくと、ヨハンナの【海魔の瞳】が怪しく光る。
 それを見た黒い髭の船長は、唖然としながらヨハンナに問う。

「な……お前、その瞳は! この場所と関係が!?」

「うん? ――ああ、そうだな。せっかくだから教えてあげよう」

 そう言ってヨハンナは、フリントロック銃を黒い髭の船長の頭蓋に突きつけ、引き金を引く。

「そんなの知らないよ、バーカ。ボクはボクの気の向くままに、蹂躙するだけさ」

 ヨハンナは、黒い髭の船長の死体を海に投げ入れるよう手下に指示し、封印されし扉へと近づく。
 近づくたびに、怪しげな光は増していき、扉の前に立ったとき、一筋の闇が【海魔の瞳】と繋がる。

 扉はそれに応じるかのように、ゆっくりと奇怪な音を立てて開いていく。

「さあ、行くよお前たち。蹂躙開始だ――」

●グリモアベースにて(ブリーフィング)
「――以上が、今回『予知』した事件のあらましよ。相手は子供とはいえ、話にもならない極悪人。『羅針盤戦争』の方針のもと、海図を早急に広げるのもそうだけど……そもそもこのコンキスタドールを野放しにするのは、極めて危険だと私は判断するわ」

 集まっていたグリモア猟兵たちに、"ヨハンナ"の危険性を説くのは、"ルナ・グリームライト"(光導のコンダクター・f32335)だ。

「それに今回の『予知』は、何かがおかしかった……この後に何が起こるのか、そこまでは『予知』できなかったの。まるで意図的に遮られるかのように」

 想定外の意思によって遮られた『予知』。
 それだけでも、今回の事件がイレギュラーであることは誰しもが容易に想像できていた。
 何より、『予知』をした本人――ルナ自身が、いつもの冷静沈着な態度を崩し、明確な焦りを見せていた。

「【UDCアース】は冒涜的な邪神たちが影で支配する世界……たとえ邪神そのものではなくとも、あのメガリス――【海魔の瞳】が災厄をもたらすものを呼び覚ますのは、想像に難くないわ」

 集った猟兵たちを見渡し、ルナは声を上げる。

「お願い、あのコンキスタドールが島を占拠し、封印されし扉の遺跡へと辿り着く前に、黒い髭の船長の海賊団と協力して島を奪還し、理不尽な略奪・殺戮を阻止してほしいの。勇士は名乗りを挙げなさい。私が導いてみせるわ」

 ルナのその言葉に、それぞれの想いを抱きながら、名乗りを挙げた猟兵たちは【グリードオーシャン】へと渡る。
 果たして、猟兵たちは待ち受ける理不尽を跳ね除け、謎の意思の企みを阻止することができるのだろうか――。

●コンキスタドールを倒そう!


蒼風ルチル
●討伐依頼:邪眼領域 ブレダ島
 今回の依頼は、『羅針盤戦争』に連なる依頼だ。
 敵の討伐が目標だからな、全滅させたら依頼完了だぜ!(【ボス戦】のみの、1章完結のシナリオとなります。)

●戦況
 コンキスタドールは『封印されし扉の遺跡』に向かって侵攻中だ。
 遺跡への道中は、【UDCアース】に在った頃の名残で、コンクリートや鉄筋で出来た朽ちた構造物が散見されるみたいだな。
 地形をうまく利用して、戦闘を優位に進められたらいいんだが……。

●プレイングボーナス
 相手は残忍・狡猾な性格なうえに間違いなく強敵だ。
 手下も引き連れてるとなると、『海賊達と協力する』のは不可欠だろうな。
 あんたらの経験と技量を駆使して、有利な戦況を作り、討伐を目指してくれ!

●最後に
 幼さゆえの残酷さってあるよな。
 俺も昔アリの巣とかに水入れたことあるもん。
 メガリスの力に呑まれてるってのもあるだろうけど……子供ってこわい。

 冒険中はこっちでもサポートするから、疑問点とかあったらメッセージを送ってくれよな!

 それじゃあ、よろしく頼むぜ!

 依頼発行:レーヴデトワール●
 責任者:蒼風ルチル●
12




第1章 ボス戦 『『大海統べる災厄』ヨハンナ・グスターヴ』

POW   :    喜べ、『褒美』は思いの儘だよ
自身の【略奪した天文学的な額の財宝を分配する事】を代償に、【最大でレベル×100体までの異形の海賊達】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【カトラスとマスケット銃による巧みな連携技】で戦う。
SPD   :    ボクの『旗』を見て無事で済むと思うのかい?
【海賊船からの感覚や勘では防げない偏差射撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に海賊旗を掲げて略奪の場として宣言し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ   :    『瞳』が疼くんだ。この世界を滅ぼせと
対象への質問と共に、【義眼型メガリス『海魔の瞳』】から【知覚すれば精神汚染される悍ましき姿の邪神】を召喚する。満足な答えを得るまで、知覚すれば精神汚染される悍ましき姿の邪神は対象を【体と魂をも蝕むレベルの三乗本の巨大な触手】で攻撃する。

イラスト:らぬき

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は黒玻璃・ミコです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

やれやれ。
第三の王笏の他にも邪神案件が残っていたとはねぇ……
しかもなんだい、引き連れてる手下どもも
揃いも揃って化物揃いってか?
……化物を斃すのは「人間」だって事、
きっちり教えてやろうじゃないのさ!

瓦礫や残骸がUDCアース由来ってのは助かるね、
アタシの故郷だ。
黒髭の船長さんとも話を合わせやすいだろ。
『コミュ力』で事情をサクッと説明し、
『地形の利用』をしてもらって迎撃の布陣を整える。
そしてアタシもお膳立て、【超感覚網】で連携を
緊密に取れるようにするよ!

ヨハンナの手下どもの悪意の数だけ、
アタシらも取れる手を増やす。
海賊たちを『鼓舞』し、『弾幕』の『範囲攻撃』で返り討ちさ!



●奮い立つ闘志(プレイングリプレイ/#1)
「――やれやれ。『第三の王笏』の他にも、邪神案件が残っていたとはねぇ……」

 他のグリモア猟兵と共に、黒い髭の海賊団アジトを占拠していた怪物たちを制圧した数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)は、黒い髭の海賊団の団員たちの話を聞いていた。

「しかもなんだい、引き連れてる手下どもも揃いも揃って化物揃いってか?」
「ああ、間違いねえ……俺の相棒も殺られちまった、クソ! 悪魔どもめ!」

 海賊団員は怒りを抑えられず、壁に拳を叩きつける。
 しかし、その手は憤りだけではなく、恐怖により震えていた。

 憎しみや悲しみに囚われていたのは彼だけではない。
 戦いの中で戦意を喪失した他の団員たちや、親や子供を見せしめに殺害され途方に暮れる島の民たち。
 彼らが遭遇した『小さな悪魔』の悪意は、たくさんの人たちの心を踏み躙っていた。

 それを見た多喜は、声を張り上げる。

「狼狽えてるんじゃあないよ! ――化物を斃すのは「人間」だって事、きっちり教えてやろうじゃないのさ!」

 一瞬の静寂の後、ひとり、またひとりと海賊団は立ち上がる。
 相棒の仇を討つため、連れ去られた黒い髭の船長を助けるため。
 多喜の一声のもと、ひとつの危機に立ち向かうために。

 島民の案内のもと、『封印されし扉の遺跡』への道を見渡せる丘へと辿り着く。
 周辺は【UDCアース】由来の建築物が残されており、多喜にとってはホームグラウンドと言っても差し支えはなかった。
 急襲作戦を遂行するべく、海賊団員たちと協力して上方からの迎撃の布陣を整える(【地形の利用】)。

 また、多喜のユーベルコードである【超感覚網(テレパシー・ブロードリンク)】により、襲撃部隊と迎撃部隊をテレパシーによって繋ぎ、連携を密にとれるように図る。

 すべての準備が整ったところで、ヨハンナが率いる海賊団一行が峠を差し掛かる。

「来やがったね……行くよ、野郎ども!」(【鼓舞】)
「「「へい、姐さん!!」」」
「誰が姐さんだよ!?」

 多喜の号令のもと、彼女の指揮する襲撃部隊がヨハンナ一行に襲いかかる。
 怪物たちは攻撃に気付くと、すぐさま応戦するが、それを迎撃部隊が牽制する。

「いい連携じゃないか――あたしも、いっちょやったるかね!」

 ヨハンナの【SMG-MP5udc】による【弾幕】と、海賊たちの撃つ矢の雨が、次々と現れる怪物たちを貫いていく。
 怪物たちに捕らわれていた黒い髭の船長は、この襲撃に乗じて抜け出し、団員たちによって救出される。

「お前さんは一体……」
「話は後だよ! 海賊の矜持において、奪われたもんを取り返してやるんだろう!?」
「――なんだ、話の分かる姐ちゃんじゃあねえか! ああ、もちろんだとも、行くぞ野郎ども!!」

 黒い髭の船長も参戦し、有利な状況の中、島の奪還作戦が始まる。

「ああ……面倒なことになったね。――まとめて蹂躙するか」

 戦いの中でヨハンナは苛立ちの中で、その妖しい瞳を輝かせていた。

●戦闘は継続される![50]

成功 🔵​🔵​🔴​

朱鷺透・小枝子
亡国の主に搭乗。
海賊から強襲できそうな場所を聞き、隠れて強襲を掛ける

ディスポーザブル03を遠隔操縦
誘導弾で建造物を爆破し、瓦礫で敵手下達に攻撃
騎兵刀を持った亡国の主で早業、ヨハンナへ推力移動からの重量攻撃

話は聞かない
敵砲撃を全周囲展開したシールドでオーラ防御、海賊旗が掲げられた瞬間
『戦火応報』発動。海賊旗を破壊し、亡国に主の手に巨大な旗を生成
掲げるのは、この島に住む海賊の旗!

撃て。
海賊船と03から武装の一斉発射、範囲攻撃!

子供でもなんでもない。敵だ!敵は壊せ。壊せ。蹂躙せよ!!
瞬間思考力と動体視力で避けるヨハンナを捉え、怪力で旗を振って
叩いて、叩いて叩いて叩いて、弱った所に破壊の呪詛ブレス攻撃



●ライズ・ユア・フラッグ(プレイングリプレイ/#1)
 戦いが続く中、一機のジャイアントキャバリア【亡国の主】が、突如戦場へと降り立つ。
 キャバリアを操縦するのは、グリモア猟兵のひとり、"朱鷺透・小枝子"(亡国の戦塵・f29924)だ。

 襲撃作戦の折、彼女は海上からの襲撃を担当することになった。
 彼らを強襲するのに最適な入り江に陣取り、率いる海賊船と共に隠れて機を待っていたのだ。

 開戦の狼煙が上がったと同時に、【無限軌道ディスポーザブル03】を遠隔操縦し、ヨハンナたちがいる周辺の建造物をロックオン、誘導弾が発射される。
 誘導弾は建造物を爆破していき、その衝撃によって崩れた瓦礫は、怪物たちに容赦なく降り注いでいく。

 爆撃と建造物の崩壊により土煙が戦場に舞う中、小枝子操る【亡国の主】は、【亡国の騎兵刀】を引き抜きながら【推力移動】で一直線にヨハンナへと突貫していく。
 【早業】によって、常人には避けきれない速度で振り下ろされた【重量攻撃】は、ヨハンナの身体を掠める。

「……あーあ、せっかくこの日のために卸した服が、汚れちゃったじゃないか。その罪――命をもって償ってもらおうか」

 彼女の軽口と共に、【亡国の主】に大量の砲弾が着弾する。
 それと同時にヨハンナの手には海賊旗が握られ、それを立てると異様な雰囲気が辺りを包み込む。

「――ボクの『旗』を見て、無事で済むと思うのかい?」

 しかし、ヨハンナの余裕は長くは続かなかった。
 【亡国の騎兵刀】の一振りによって土煙は晴らされ、その剣圧によってヨハンナの旗はへし折られる。

「な――!?」

 【BXサイキックシールド】に包まれた小枝子、そして【亡国の主】には多少の傷はあれど、決して膝をついてはいなかった。
 そして、その手には海賊旗が結ばれた【亡国の騎兵刀】が握られていた。

 髭が特徴的なマークの、彼ら黒い髭の海賊団の海賊旗が、【亡国の主】によってこの地に掲げられる。
 ――ユーベルコード【戦火応報】がなびく旗に呼応するように発動し、異様な雰囲気はみるみる内に晴れていく。

「さあ、旗はここに揚がった――相手は子供でもなんでもない。敵だ! 敵は壊せ。壊せ。蹂躙せよ!!」

 それと同時に、戦場は海賊船と【無限軌道ディスポーザブル03】による爆撃に包まれていく。
 怪物たちは爆撃に巻き込まれ、霧散していく。
 そんな中、ヨハンナは不機嫌そうな顔で砲弾を撃ち落としていく。

「面倒なやつだなあ……あの場でみんな殺しておくべきだった、ねッ!」

 持ち前の【瞬間思考力】と【動体視力】によって、【亡国の騎兵刀】はヨハンナの身体を捉える。
 ヨハンナは、手に持ったサーベルで【亡国の騎兵刀】による連撃を打ち払っていくが、それも長くは続かない。
 隙を見せたヨハンナは、【亡国の主】の噴く【呪詛】を含んだ【ブレス攻撃】に包まれる。

「ぐっ……悪霊の類か。略奪にはつきもの、か……いいだろう! お前も、略奪してやる――」

 戦場には数多の剣閃が舞い、彼らの戦いは続いていく――。


●戦闘は継続される![91]

成功 🔵​🔵​🔴​

イコル・アダマンティウム
「この島……?
なんだか……気味が悪い、ね」
不思議な感じ、だ

僕は格闘特化の愛機、キャバリアに搭乗して出撃する、よ

【協力申請:奇襲】
「僕が仕掛けて、囮になる」
海賊たちには構造物で隠れてもらいたい、な
"異形の海賊"の注意が僕に向いた時に
奇襲して、射撃で数を減らしてほしい
<地形の利用> 

【攻撃】
"異形の海賊"たちには機体で殴る蹴るの暴行を加える、よ
<暴力>
”異形の海賊”と戦いながら
ボスとの距離を詰める、ね
「この距離、なら」
行けると思ったら<ジャンプ>で一気に距離を詰めて
殴る[一撃必殺(ゴッドハンド)]

例え何が相手でも……砕く、だけ



終わったら、遺跡の入り口は岩とかで塞ぎたい、な
「ん、物理が……一番安心」



●理不尽を打ち砕く拳(プレイングリプレイ/#1)
 グリモア猟兵たちによるヨハンナ一行の襲撃作戦は、苛烈を極めていた。
 砲弾の応酬が戦場をかき乱す中、"イコル・アダマンティウム"(ノーバレッツ・f30109)は、愛用のキャバリア【Tactical Armor-001:Last ONE】に搭乗しながら、出撃の合図を割り振られた強襲部隊と待っていた。

「この島……? なんだか……気味が悪い、ね」

 イコルは、島の奥から漂う邪悪なる気配を戦いの中でも感じ取っていた。

「坊っちゃんには何かわかるのかい」
「ん……なんとなく。それと、僕は女」
「うぇっ!? そ、そいつはすまなかったな、へへっ」

 海賊の間違いを気にする様子もなく、出撃の合図を確認したイコルは、自身のキャバリアを起動する。

「僕が仕掛けて、囮になる。君たちには、建物に隠れていてもらいたい、な」
「お、おう! あの怪物どもは俺たちが奇襲射撃で惹きつけてやるからよ! あの悪魔に一泡吹かせてやってくれ!」

 その言葉にイコルは頷くと、怪物たちの親玉であるヨハンナのもとへと突撃していく。
 そんな彼女とキャバリエの行く手を阻むのは、異形の海賊たちだ。
 触手や弾丸によって、機体に損傷を与えられながらも、冴え渡った格闘術の連撃により怪物たちを蹴散らし、ヨハンナへの距離を詰めていく。

 後方からも異形の海賊たちが迫っていたが、強襲部隊の牽制攻撃によってイコルのもとに辿り着くことはない。

「――この距離、なら」

 強襲部隊が異形の海賊たちを抑えてる今、ヨハンナに自身の拳が届くと確信したイコルは、【ジャンプ】で一気に距離を詰め、その身体を捉える――。
 ヨハンナは他のグリモア猟兵の攻撃に対応する中、イコルの一撃に遅れながらも、下僕たちを喚び出して応戦する。

「また機械か……邪魔をするなよ、鉄屑風情が。そうらお前たち、あの鉄屑を一番にスクラップにしたやつには相応の報酬をやろう」
「邪魔なのはお前……必ずお前の理不尽を、怪物ごと打ち砕く」

 現れた異形の海賊たちは、キャバリアの拳によって貫かれ、ヨハンナの身体をも吹き飛ばす。

「まだ、これから……だよ」

 イコルによる怒涛の連撃は、この戦場を更に際立たせていくのであった。

●戦闘は継続される![63]

成功 🔵​🔵​🔴​

ビスマス・テルマール
元からなのか後天的なのかは
知りませんけど……嫌いな人達に
物凄く似てますね

あの時は危うく夢と矜持を捨てる所でした……なら尚更

●POW
海賊の皆さんに『範囲攻撃』で『オーラ防御』を張り『一斉射撃』の『集団戦術』で援護お願いし

その間に『早業&大食い』で【ウルシ】さんに【宇宙コロニー産ハワイアンなめろう】食べさせUC発動

『第六感』で攻撃を『見切り』回避し
『空中戦&推力移動』の『空中戦』で
駆け抜け

ウルシさんの【ハワイアンなめろうビームバズーカ】の『範囲攻撃&砲撃』の後に

わたしは【なめろうフォースセイバー】を『怪力』で『残像』の様に振るい『切り込み&なぎ払い』でヨハンナを滅多斬り

※アドリブ絡み掛け合い大歓迎



●なめろうヒーロー、理不尽を斬る!(プレイングリプレイ/#1)
 グリモア猟兵たちとヨハンナ一味の攻防で、戦火は更に激化し、戦闘は中盤戦を迎える。

 出撃の合図を待ちながら、ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は、自身の過去を回顧していた。
 ヨハンナの人の命と心を踏みにじり見下す態度を、自らの親の行いと重ね、憤っていた。

「元からなのか後天的なのかは知りませんけど……嫌いな人達に物凄く似てますね」

 そして瞼を閉じると、その裏にはヨハンナによって蹂躙された海賊たちや島民たちの姿が映る。
 その姿には、かつての自分と似通ったものを感じ、そして今の彼女にとってそれは、救うべき者たちの姿だった。

「あの時は危うく夢と矜持を捨てる所でした……なら、尚更――彼らを同じような目に合わせるわけにはいきません。『ヒーロー』の名にかけて!」

 闘志を燃やすビスマスの様子を見守っていた海賊たちも、彼女の想いに共鳴し、自分たちの居場所を取り戻すために奮起する。
 ヨハンナと剣を交える時は、もう目前であった。
 他のグリモア猟兵たちによる作戦が遂行される中、遂にビスマスに出撃の合図が出される。

「それで、綺麗な嬢ちゃん。俺たちは何をすればいい?」
「えっキレイだなんてそんな……じゃなくて! 皆さんには今からなめろうの加護を与えます!」
「なめろうの加護だって!? ――なんかよくわからんが凄そうだな!!」
「なめろうをご存知でない!? 仕方ありません、この戦いに決着がついたら、あなた達にもなめろうの素晴らしさをお伝えしなければ! そのためにも、周りの異形の海賊たちのお相手をお願いしたいのです。どうか助力をお願いします!」

 ビスマスがなめろうを掲げると、海の幸的な加護が海賊たちを包み、その身を守る。

「任せろ! ようし、てめえら! 射撃用意! てぇ!!」

 ビスマスの指揮による【集団戦術】と、海賊たちの【一斉射撃】により、ヨハンナへの道が拓かれる。
 その間、ビスマスは【ウルシ】さんに持参した大量の【宇宙コロニー産ハワイアンなめろう】を、来る決戦の刻へ向けてひたすらに食べさせていた。

「さあウルシさん、たんとお食べください……そして、私に何卒お力を!」

 【ウルシ】さんはみるみる内に巨大化していき、武装搭載スッポン型メカへと変形していく。
 これがビスマスのユーベルコードのひとつ、【ウルシ・ファランクス】である。 

 海賊たちの襲撃に応戦していたヨハンナと異形の海賊たちであったが、ヨハンナは現れた【ウルシ・ファランクス】を見て顔をしかめる。

「巫山戯ているのか……子供の遊びじゃあないんだよ。おかしなそれごと、蹂躙してやる。キミを砕いて闇宝石商にでも売り渡せば、今回の元ぐらいは取れるだろうからね」

 ヨハンナの言葉に、ビスマスは【なめろうフォースセイバー】を携えながら、駆け出していく。

「ふざけているのはあなたの方だ! この島の人や海賊たちを愚弄する行い、断じて許すことはできません!」

 道に立ち塞がり、ビスマスへとサーベルや銃を向ける異形の海賊たち。
 それらの攻撃を、持ち前の【第六感】で【見切り】、空へ飛び上がりながら圧倒的なスピードによる【推力移動】によって、異形の海賊たちを薙ぎ払いながら飛び越えていく。
 それに合わせて、【ウルシ・ファランクス】がその巨躯から【ハワイアンなめろうビームバズーカ】を繰り出すと、ビスマスを追いかけていた異形の海賊たちはビームに呑まれ、塵と化していく。

「チッ……使えない奴らだ」
「――っ! あなたは仲間を、なんだと思っているんだ!!」

 激昂するビスマスは、力のままに【なめろうフォースセイバー】を振り下ろす。
 振り下ろされた【なめろうフォースセイバー】は、その勢いによって【残像】を生み出し、ヨハンナを斬りつける。

「くぁっ…………こんな、やつに」
「人を見下し、心を踏みにじる悪党――『ヒーロー』の名のもとに、成敗します!」

 舞い散る剣閃、剣戟の応酬。
 刃が交わされるたびに火花が散り、徐々にヨハンナは劣勢に追い込まれていく。

(――癪だけど、一度退くか。まだ取り返しは……つく)

 ビスマスの剣撃を受け流したヨハンナは、隙を突いてまたもや異形の海賊たちを喚び出す。

「なっ! 卑怯者、逃げる気ですか!」
「奥にいるものを目覚めさせれば、キミたちを捻り潰すことなんて簡単だからね。相手をしてあげたのは余興に過ぎない」

 そう言って、ヨハンナは異形の海賊たちの中へ姿をくらませていく。

「待て!」

 ヨハンナを追いかけようとするものの、後方の海賊部隊たちも徐々に劣勢に追い込まれているのを見たビスマスは、憤る心を落ち着かせ、『ヒーロー』の役目として、彼らの救援へと向かうのだった……。

●戦闘は継続される![16]

成功 🔵​🔵​🔴​

神咲・七十
アドリブ・連携お任せ (戦闘はPOW)

貴女があの方ですか。
部下の方達を貰いましたが、まだ結構居たんですね。


(海賊さん達には閉鎖的な建物への案内と敵の誘導をお願いして、UC『万花変生』を使用。建物の中を自分の領域のように制御できる植物で埋め、奪った異形の海賊も呼び出して)

ふふ、また増えちゃいますね♪

(味方側に再生力と戦闘力の強化をして、敵の異形の海賊は弱った端から隷属させていき)

貴女も面白いですし、私のものになりましょう?

(植物・大剣・尻尾で戦いながら隷属させる植物をヨハンナにも植え付け、自分の質問にYESと答えるまで再生、戦闘を繰り返し)

私は諦めが悪いので、貴女が私のものになるまで粘れますよ?



●漆黒の応酬(プレイングリプレイ/#1)
 ――戦いは熾烈を極め、ヨハンナ率いる異形の海賊たちは劣勢を強いられていた。
 それもその筈、与えられた事を約束された『褒美』のために、命を投げ出してでもヨハンナを守るはずだった異形の海賊たちは、グリモア猟兵たちがひとり、"神咲・七十"(まだ迷子中の狂食者・f21248)の足元へ跪いていた。

 その光景を見て、ヨハンナは眉をひそめ、不満の言葉を漏らす。

「そいつらはボクのものなんだけど……人のモノを奪うだなんて、教育がなっていないな」
「やっと私の出番ですね――貴女があの方ですか。部下の方達を貰いましたが、まだ結構居たんですね」

 隷属させた異形の海賊のひとりの顔を、つうっと指で擦りながら、七十はヨハンナと対峙する。
 もう片方の手には、【漆黒の大剣】を携えており、それは夥しいほどの鮮血で濡れていた。

 その姿に、ヨハンナは臆することなくカトラスを構える。

「どんな手段を使ったのか知らないけど、もう渡すつもりはないよ……身なりはお嬢様っぽいけど、さてキミはどれくらいの価値があるかな?」
「おや……では早いもの勝ちですね。私から見ても、貴女は面白いですし、私のものになりましょう?」

 歯をむき出して、無邪気に微笑みかける七十。
 ヨハンナはその姿を見て、なにかに気付いた様子を見せたかと思うと、邪悪な笑みを浮かべる。

「――――はっ! いいだろう。お前もボクと同類ってわけだ。あらゆるものを自分の手に収めたい、奪わずにはいられない! で、あるのであれば、あとに残るのは勝者のみ!」
「? あなたが何を言っているのかは分かりませんが……私は諦めが悪いので、貴女が私のものになるまで粘れますよ?」
「舐めるなよ、海賊を――」

 ヨハンナは新たに喚び出した異形の海賊たちを従え、カトラスの切っ先を七十へと向ける。
 七十もそれに応えるように、隷属させたそれを放り、【漆黒の大剣】を構える。

「「さあ――略奪のはじまりだ/です♪」」

 七十たちが刃を交える頃、七十に率いられ指示された海賊部隊は、近くの朽ちた大きなホールにて機を待っていた。
 数人の銃兵は、ヨハンナが喚び出した異形の海賊たちへと銃口を向ける。

「ほ、ほんとに大丈夫なんだろうな……あの嬢ちゃん、めっちゃ可愛いけどめっちゃ怖いんだよな……信じてるぞ! てぇ!!」

 海賊部隊の放った鉛玉は、異形の海賊たちを捉える。
 それを見たヨハンナは、ホールの方へと顔を向ける。

「なんだ……あんなところに取り残しがあったじゃないか。お前達、あっちを蹂躙しろ。この女はボク一人で十分だ」

 ヨハンナの指示に従って、異形の海賊たちはホールへと向かって前進していく。

「キミ……強いみたいだけど、戦術の方はイマイチなのかい? あんなの、奇襲にも入らない」
「……ふふ、戦いの最中によそ見するだなんて。私だけを見なきゃ、ダメじゃないですか♪」

 大剣を振り上げ、ヨハンナへと迫る七十。
 大振りの一撃は、徐々にヨハンナの足を後退させていく。

 一方その頃、海賊部隊はホール内で異形の海賊たちと刃を交えていた。
 七十から戦闘能力を増強させ、肉体再生を施す加護を与えられていた彼らは、異形の海賊たちと渡り合っていた。
 しかし、数では押されている彼らは、異形の海賊たちへ致命的な一撃を与えることはできない。

「ぐっ……このままだとまずいぞ……」

 異形の海賊の刃が、ひとりの海賊の胸を貫かんとしたその時、その凶刃を握る手がピタリと止まる。

「な、なんだ……?」

 ユーベルコード【万花変生】によって、事前に建物内部に張り巡らされていた植物のツタが伸びて絡みつき、異形の海賊たちはみな、身動きが取れなくなっていた。
 ゆっくりとツタは侵食していき、異形の海賊たちを平伏させ、そのコントロールを奪っていく。
 その光景を、海賊部隊の者たちは呆気にとられながら見つめているほかなかった。

 ヨハンナを壁際まで追い詰めた七十は、【漆黒の大剣】を地面に突き刺し、息をあげる彼女を恍惚な表情で見つめていた。
 もはや撤退戦を選択せざるを得ないほど、消耗しきっていたヨハンナを更に追い詰めるのは、ホールへと向かわせた異形の海賊たちの異変だ。

「くっ……また奇妙な術を使ったのか」
「ああ、なんて可愛らしい……先程何かおかしなことを言っていましたね。私の戦術は、平凡以下であるとか」

 七十がヨハンナへと手のひらを向けると、赤い花びらがヨハンナの目を突き破り、鮮血と共に花を咲かせる。

「ガッ――――!?」
「おや……狙っていた方の目とは違いましたが、これでもうすぐ貴女も晴れて私のものになります♪」

 ふらつくヨハンナのもとへと【漆黒の大剣】を引きずりながら歩み寄っていった七十は、ヨハンナの顎を指で掴み、うなだれた顔を持ち上げる。

「さあ、身も心も私に捧げると誓いなさい……あなたは今、蹂躙する側から蹂躙される側になったのです――」
「あ…………ぼ、く……は……」

 七十の言葉に堕ちていくヨハンナは、蕩けるような表情でただ服従のときを待つばかりだった。
 ――その時、【海魔の瞳】が強く妖しい輝きを放つ。
 ヨハンナは身を引き裂かれたかのように、激しい悲鳴をあげる。
 植物はみるみる内に枯れていき、支配権が失われていくのを感じた七十は、一度ヨハンナから距離を取る。

「っあ…………ワガ、シモベニ……フレ、ルナ…………コムス、メガ……」
「おや……残念。彼女の心は奪えても、あなたまでは奪えなかったようですね」

 ヨハンナの身体が魔力によって浮かび上がると、戦場の何処かへと飛び去っていく。

「……あーあ、せっかく愛で甲斐のあるモノを、手に入れたと思ったんですがね……」

 七十はつまらなそうに口を尖らせながら、【漆黒の大剣】を再び掲げると、海賊部隊を率いて、獲物を探すように戦場の中へと消えていったのだった。

●戦闘は継続される![16]

成功 🔵​🔵​🔴​

月白・雪音
…些か懸念事項の多い依頼のようですね。


UCを発動、忍び足、残像にて地形に隠れつつ敵の死角より忍び寄り、
背後からアイテム『氷柱芯』を投じヨハンナないし手下に巻き付けて
不意打ちの形で怪力、範囲攻撃にて振り回し敵そのものを武器に
周囲を一掃し隙を作る

倒し切れ無かった敵兵は島の海賊に任せ、
残像にてヨハンナへ一気に接近し怪力、2回攻撃を用いた高速戦闘にて状況展開
攻撃には射撃そのものでなくその前段階、
『狙われたということ』を野生の勘にて感じ取り回避する


彼らも海賊である以上は全くの善というわけでは無いでしょう。
されど、貴女の『蹂躙』が、己が欲の元に民を脅かすものとあらば。
ここで捨て置くわけには参りませんね。



●理性なき蹂躙、氷天の拳(プレイングリプレイ/#1)
 長きに渡り続いた戦いも、終わりを迎えようとしていた。
 グリモア猟兵たちの活躍によって窮地に追い込まれたヨハンナだったが、メガリス【海魔の瞳】の影響により、意識を乗っ取られ、ただひたすらに蹂躙を行う人形と化していた。
 その様子を、"月白・雪音"(月輪氷華・f29413)は複雑な表情で見つめていた。

「あれはもう……獣の類。理性の枷を外された、殺戮兵器と同等ですね……」

 自らの内に宿る『虎』が、わずかに湧き立った気がした雪音は、深呼吸をして精神を統一させる。
 彼女が鍛錬を積み、『虎』を律する心構えを持ち合わせていなければ、きっとあの悪意に呑まれ、ヨハンナと同じ道を辿っていたに違いない。

「島を統べる海賊たち――もちろん全くの善というわけでは無いでしょう。されど、かの獣の『蹂躙』が、己が欲の元に民を脅かすものとあらば――ここで捨て置くわけには参りませんね」

 決意を胸に、雪音は自らのユーベルコード【拳武(ヒトナルイクサ)】を解き放つ。
 暗影に忍び、俊足の忍び足で戦場を駆け、悍ましい気配を放つヨハンナのもとへと辿り着く。
 今はもう獣と化した彼女の側には、冒涜的な紋章の描かれた旗が立てられていた。

 隙を伺いながら、【氷柱芯】を守りを固めていた異形の海賊に巻きつけると、そのまま鍛え上げられた【怪力】によって異形の海賊を振り上げ、辺りの怪物たちを一掃していく。

「マダ――我ノ邪魔ヲスル、カ…………下等生物ドモ、メ!」
「今、あなた様が解き放たれれば、この地だけではない……この世界は悲しみに包まれることでしょう。そうなる前に――我が氷天の拳をもって、あなた様を討ち果たしてみせます!」

 啖呵を切り、ヨハンナへと駆け出した七十のもとに、どこからともなく大量の砲弾が撃ち込まれる。
 七十は、掴んだままの異形の海賊をもう一度振り上げ、向かってくる砲弾を弾き飛ばしていく。
 しかし、いくつかの砲弾は【氷柱芯】を一撃を掻い潜り、七十へと迫りくる。

 その時、七十が率いていた海賊部隊の一斉射撃が、砲弾を貫き、撃ち砕いていく。

「後ろは任せておけよ、嬢ちゃん!」
「――はい!」
「出来ルモノカ……我ガ異端ノ印ヲ見テ、生キテ帰レルトハ思ワヌコトダ!」

 ヨハンナはフリントロック銃を七十へと向けると、弾幕の嵐を形成する。
 七十は生まれ持った――『野生の勘』で感じ取り、鉛玉の嵐を掻い潜り駆けていく。
 そのままヨハンナの後方へと急接近した七十は、その拳をヨハンナ目掛けて放つ。

「阿呆ガ……見エテイルゾ!」

 ヨハンナの引き抜いたカトラスが、七十の身体を捉えた――。
 後方支援に徹していた海賊部隊は、その光景を見て息を呑む。
 しかし――七十の身体は引き裂かれたかと思うと、音も立てずに消え去っていく。

「ナッ――!?」

 ヨハンナは声を上げたと同時に、七十の拳がヨハンナへと迫る。
 高速で放たれた連撃はヨハンナの身体を捉え、耐えきれずに絶叫をあげる。

「これであなた様の悪行も終わりです……」

 最後の一撃が【海魔の瞳】へと繰り出され、打ち砕かれる。
 ひび割れた【海魔の瞳】をその手で押さえながら、ヨハンナは地に伏すことになる。
 氷天の拳が理性なき蹂躙を討ち果たし、戦場は一時静寂に包まれる――。 

●ヨハンナに致命的な一撃を与えた![92]

成功 🔵​🔵​🔴​

ギャレリー・フィッツジェラルド
アドリブ・連携歓迎
SPDで判定

やれやれ、随分偉そうなガキだな……こりゃお仕置きが必要だな?
あんたら、この島に詳しいんだろ?周囲を見渡せるような高い建造物の位置を教えてくれ。危険を冒してもいいってヤツは、俺について来てくれると助かる。

海賊達に聞いた狙撃ポイントから、UCを使い装備している「クロック・パーミッション」で【スナイパー】として狙撃を行うぜ。俺の発砲音を合図に、ついて来た海賊達にも銃を【一斉発射】させ【弾幕】を張るぜ。海賊達には数発撃ったら場所を変えさせることで、反撃を受けるのを防ぐと同時に相手をかく乱させるぜ。


イリヤ・クニーガ
 略奪に殺戮とは紳士的ではありませんね。このイリヤ・クニーガ、猟兵として参戦いたします。
 皆さん、AFV boiling vesselにて紅茶を淹れました。どうぞ体と心を暖めてください。そして海賊の皆さんも一緒に進撃しましょう。

 銃器で制圧射撃、銃剣で突刺して零距離射撃または間合いを詰めてサーベルで切断を組み合わせて戦います。戦闘中、敵にUC銃剣突撃を使い、異形の海賊どもを蹴散らします。
 最大の目的は、戦闘を有利に進め、勝利に導くことです。必死の事柄には必死の対策が必要です。
 その為なら、ある程度のダメージはやむを得ません。

※アドリブ・連携歓迎です※



●終幕の協奏曲(プレイングリプレイ/#1)
 ――悍ましい悪意に操られし幼子が倒れ伏し、戦場には静寂が訪れていた。

 開戦の狼煙が上る前から、島に詳しい海賊たちの案内により、戦場を一望できる朽ち果てた時計塔の上階に陣取っていた"ギャレリー・フィッツジェラルド"(半人半機のギーク・f03262)と"イリヤ・クニーガ"(銃剣突撃系紅茶紳士・f32101)は、戦いの一部始終を見守っていた。
 戦場を覆い尽くしていた異形の海賊たちは、彼らと彼らが率いる銃兵部隊の絶え間ない波状銃撃によって倒れ伏していった。

 そして、他のグリモア猟兵たちの活躍により、ヨハンナは倒れ伏したのだった。

「――やれやれ、これでお仕置き完了ってとこか? 俺が直接、ぶっ飛ばせなかったのは残念だがな」
「確かに、災厄は皆さんの奮戦により打ち払われたものの……その爪痕は残ったままです。アフターケアを欠かさずに参りましょう。というわけで、とりあえずこちらにいらっしゃる方だけでも、淹れたての紅茶は如何でしょう?」

 手際よく淹れられた高品質の紅茶を、イリヤはその足で海賊たちへと差し出していく。
 海賊たちは慣れないながらも、差し出された紅茶を口にする。
 その暖かさに終わりを実感して安堵するもの、逝ってしまった仲間を思い出して涙するものも居た。

 そんな彼らを見ながら、ギャレリーは肩をすくめる。

「熱心な爺さんだ。あとはこいつらで勝手にやらせりゃいいだろうに、一銭にもなりゃしねえ」
「おや、そうとは限りませんよ、ギャレリー殿。こういうものは巡り巡って、何かの形で返ってくるものです。ギャレリー殿も、紅茶、如何でしょうか?」
「やめとくぜ。俺は甘いものしか飲まねえんだ、でないと身体が錆びちまうからな……」
「ふっ……畏まりました。では、秘蔵の角砂糖を――」

 イリヤが懐から角砂糖の入った缶を取り出そうとしたその時、爆音が鳴り響く。
 音を聞きつけた海賊たちと共に、ギャレリーとイリヤは高台から戦場を見渡す。

 ヨハンナが倒れ伏していた場所から、今までとは比べ物にならないほどの悍ましい気配が放たれていた。
 相変わらず身体は倒れ伏したままだが、ひび割れた【海魔の瞳】に宿っていた魔力が、燃え盛る炎の如く揺らめいている。
 それに呼応するかのように、立てられた異端の印の旗が妖しい光を放ち、そこから異形の海賊たちが姿を現す。

「まーだ生きてやがったか……他の猟兵たちは疲弊し切ってるだろうし、ここは俺たちがやるしかねえだろうな」
「ええ、そのようですね。――御覧なさい、ギャレリー殿。早速、紅茶の加護が巡り巡って返ってきたようですよ」

 イリヤの言葉に、ギャレリーは後ろを振り返ると、海賊たちはあの悍ましい気配に臆するどころか、必ずこの島を取り戻さんと奮起していた。
 それを見て、ギャレリーは思わず苦笑する。

「ははっ……単純な奴らめ。――おい、てめぇら! 作戦は頭に叩き込んだままだろうな! 行くぞッ!」
「「「応ッ!!!!!」」」

 それぞれの持ち場に散開し、ヨハンナを葬る為の最後の作戦が開始される。
 既に展開していた【クロック・パーミッション】のスコープを覗き込みながら、ギャレリーは沸き出してきた異形の海賊のひとりの脳天目掛けて、銃弾を発射する。
 ギャレリーの放った銃声を合図に、狙撃部隊はマスケット銃による一斉射撃を開始し、こちらに向かって前進する異形の海賊たちを殲滅する弾幕を展開する。

 その間に、イリヤ率いる殲滅部隊は、尚も前進する異形の海賊たちを迎え撃つべく、編成を整える。

「では、我々もいざ参りましょうか――Charge!!」

  【ベーカーライフル】を手にし、声を上げるイリヤを先頭に、海賊部隊は進軍を開始する。
 戦場の中心で、異形の海賊たちと剣を交えるイリヤたち。
 その様子を見ながら、ギャレリーは海賊のひとりへ声をかける。

「いつまでもここに居ちゃ狙い撃ちだからな、移動を開始するぞ。『アレ』の準備をしろ!」
「アイアイサー! 準備はとっくに完了してるぜ、旦那!」

 海賊の言葉の通り、戦いの最中に準備していた手製のジップラインが、周囲の高所となる場所に向けて引かれていた。
 ジップラインを用いて狙撃ポイントを目まぐるしく変動させることによって、異形の海賊たちからの反撃を受ける確率を防ぐと同時に、撹乱させる作戦を立てていた。

「さあ化けモン……逃げてみろよ、逃げられるもんならな……FIRE!」

 ユーベルコード【偽・魔弾の射手(イミテーション・デアフライシュッツ)】を発動し、更に後方まで弾幕を広げることで、ギャレリーと彼の率いる狙撃部隊は、着々と怪物たちの数を減らしていく。

「これは、私共も――負けてはいられませぬな!」

 戦場に降り注ぐ砲弾の嵐を掻い潜りながら、【ベーカーライフル】による銃撃で前線の怪物たちを制圧し、更にイリヤが展開した銃剣と、海賊たちのサーベルが繰り出す剣の舞は、嵐の中で打ち寄せる波の如く、異形の怪物たちを討ち果たしていく。
 イリヤの斬撃とギャレリーの銃撃の織りなす協奏曲が、異形の怪物たちをヨハンナのもとへと叩き返すのに、そう時間はかからなかった。

「こいつで終いだ……ガキンチョが、キツイの一発くれてやる!」

 終幕を告げるギャレリーの放った弾丸は、ヨハンナの【海魔の瞳】を捉え、完全に打ち砕かれる。
 一層強い光が、島全体を包み込んだ――。

●ヨハンナを討伐した![86]

●エピローグ
 かくして、『ブレダ島』を巡る事件は、ヨハンナが斃れたことにより終幕を迎えた。
 島全体を覆い尽くしていた闇の気配は晴れ、青空と太陽の光がブレダ島を照らしていた。

 後に、作戦に参加したグリモア猟兵たちによって、『封印されし扉』は物理的にも、魔術的にも封印が施される次第となった。
 これで、【海魔の瞳】と闇の力に呼応する遺跡の騒動は、一旦の幕を閉じることになる。

 黒い髭の海賊たちや島民たちは、島を救ったグリモア猟兵たちに思い思いの感謝の言葉を告げ、彼らの帰還を見送った。

 ルナは全員揃って無事に帰還したグリモア猟兵たちに感謝の言葉を告げる。
 しかしその表情は、完全に晴れてはいなかった。

 ――【海魔の瞳】が、ひとつだけとは限らない。
 悍ましく冒涜的な闇の気配は、未だ、かの海の何処かで、還る時を待ち続けていた――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年02月22日


挿絵イラスト