羅針盤戦争〜蟹だ、蟹を殴ろう!
グリモアベースは羅針盤戦争真っ最中だからか、慌ただしく活気に満ちていた。
戦いに赴く者、依頼の説明をする者、新たな戦いに向かう者がおり、今回の戦いに対する意気込みが見て取れる。
そんな中、
「よし、蟹を殴りに行くぞ」
活気に満ちたグリモアベースの片隅で、海老名・轟(轟く流星・f13159)が猟兵達の前でいきなりそんなことを言い出した。
「カニ」
「カニを殴るのか?」
「ああ、蟹だ。蟹を殴るぞ!」
あまりにも唐突な蟹発言だったので不審に思った猟兵達へと轟はきっぱり言い切った。
轟が言うには、羅針域の破壊に向かっていたコンキスタドールの大艦隊の大半が攻略を諦め、猟兵の撃滅に動き出したという。
「なるほど、海戦で敵を返り討ちにするって訳か」
納得したように猟兵の一人が頷いた。
「もし、の話になるが『邪剣』ピサロ将軍が逃走に成功したら、この残存戦力を連れて行くようだ。そんな事されちゃ困るからな。減らせる時に減らしておいた方がいいってことだ」
「で、美味いのか?」
さっと挙手した猟兵が唐突に聞いてきた。轟は資料へ視線を落とし、数秒。
「……土産に持って帰りたいなら注意して倒せよ」
どうやら美味しいようだ。
展開されたグリモアキューブの向こうにはのどかな島と鉄甲船が見えていた。
恐らく蟹の襲撃も間もなくに違いない。
「カニを倒す。単純明快な依頼になるが油断は禁物だ。頼んだぞ」
こうして猟兵達は蟹ひしめく海へと転送されるのだった。
カンナミユ
カンナミユです。
シンプルにいきましょう。
ええ、蟹です。蟹を殴りにいきましょう。
今回のシナリオにはプレイングボーナスがあります。
プレイングボーナス……海上戦、船上戦を工夫する(海上では飛行や転移が阻害されています)。
それではよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『アシュラオオガニ』
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POW : 阿修羅連打
【眼が赤く光る怒り状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 剛力殺
レベル×1tまでの対象の【胴体や首】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
WIZ : 蟹泡地獄
【口】から【大量の泡】を放ち、【粘着と溶解】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:イプシロン
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
テラ・ウィンディア
蟹!
この間取り損ねたから今度こそシルやリオの為に取ってくるんだ!
キャバリア搭乗
往くぞヘカテ!蟹祭りだ!
【戦闘知識・料理】
味を損なわずに倒すにはどこを突けばいいかを冷徹に分析
持ち帰る!
UC発動
今回は全機突撃!
【属性攻撃】
重力属性を機体に付与して海上を滑るように浮遊して機動力を維持
【二回攻撃・早業・串刺し】
剣で切り裂き槍で串刺し
敵の攻撃は【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】
残像を残しながら時々ジャンプして回避するぞ
【レーザー射撃・重量攻撃・砲撃・遊撃】
ガンドライドも展開して攻撃を仕掛けて無力化していくぞ!
倒した蟹は存分に回収だ!
姉妹達へのお土産にするんだー!!
帰って蟹祭りだーー!!!
ティファーナ・テイル
SPDで判定を
※アドリブ歓迎
「硬く強い蟹さん相手だ!」
『スカイステッパー』で荒波を素速く船上に移ります!
『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で拳/髪の毛/蛇尾脚で格闘を仕掛け『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で❤ビーム攻撃をします!
敵の攻撃を『神代世界の天空神』で空間飛翔して避けて敵のUCを『天空神ノ威光・黄昏』で封印/弱体化します。
機会を見て『ジェットストリーム・ラヴハート』でSPDを強化し『ガディスプリンセス・レディース』で従属神群を召喚して『ガディス・ブースト・マキシマム』で❤ビーム/弾で攻撃!
疲労や怪我を『エデンズ・アップル』の神様の黄金の林檎を食べて癒やします。
エミリィ・ジゼル
いいですよね蟹。美味しいですし。
かに鍋、かにすき、かにしゃぶ、ゆでガニ、どれも大好きです。
これはぜひともお土産に持ち帰りたいものです。
そんなわけで蟹ハントなわけですが、カニを殴る、ということはやっぱ肉弾戦を挑むのがいいのでしょう。
そう、パンチと言えばこのUC。メイドチョップです。
チョップはパンチではない?
ご安心ください。メイドチョップはパンチ力です。
わたくしの自慢のチョップで、海から上陸してきた蟹たちを一刀両断してやりましょう
「ちぇすとーー!!!」
栗花落・澪
美味しいカニ!
つまり【料理】の食材!
だったらもう戦法は決まってるよね
やっぱり新鮮なまま冷凍でしょう…!
★靴に風魔法を宿す事で靴底を水面と反発させ
【水上歩行】と高い跳躍が可能な状態にでの海上戦
【高速詠唱】で氷魔法の【属性攻撃】により
まずは手近なカニに不意打ちでの凍結攻撃
泡攻撃も、氷魔法で即席の巨大な氷の盾を生成
【オーラ防御】も使用して二重に防御しつつも
最悪僕自身は動けなくなってもいいや
戦う手が無くなるわけじゃないもの
こちらも【指定UC】で分身達を召喚
弱くて小さくても、一体一体が使う魔力は僕と同じだからね
氷魔法の一斉発射で凍結の【範囲攻撃】
冷凍完了、っと
…そういえばこの数どうやって持って帰ろう
朱鷺透・小枝子
ディスポーザブル03に搭乗。操縦。
海底でカニどもを迎え撃つ。
撃て撃て撃て撃てぇーーー!!!
誘導弾、ミサイルの一斉発射でまず先陣をきるカニを吹き飛ばし、
その後も断続的なミサイルの連続発射でカニを爆破する!
瞬間思考力、左右から抜けようとするカニへ、機体腕に装着したミサイルコンテナで爆破!
03を抜けられる等と、思うなぁアアア!!
広げていた腕から、エネルギー充填していたビーム砲を発射し広げた両腕を閉じるように動かしてなぎ払い!
早業、コンテナミサイルを上空へ発射し、海中を泳ぐ個体達へ範囲攻撃!
もっとだ、撃て、撃て、撃ちまくれ!!
『戦塵無窮』霊物質をミサイルに変換、消費した端から補充
嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!
ビスマス・テルマール
蟹が至る戦場に発生していると
聞いてましたが
ここは素材をゲットして
なめろうも悪くないですけど
蟹のツミレ鍋も悪くないかも
なめろうをツミレにして
●POW
海戦ならやはりコレですよね
『早業』でUCを攻撃力重視発動
オーマグロを転送装着し
『水中戦&水上戦』で『水中機動&推力移動』しながら『第六感』で攻撃『見切り』回避
味が落ちない様絞めに
【ディメンション・チョップスティック】で【鎧無視攻撃】で鳩尾突き
【カニ切り用包丁キック用ビスマスブレード】で『怪力』込め
鋏や足の付け根を『スナイパー』し
カニ切り用包丁キックを『切り込み』『料理』(蟹を解体する意味で)する感じに『2回攻撃』を御見舞い
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
ニクロム・チタノ
ボクはカニは好きじゃないんだよね、食べ難くて
とりあえずハサミに注意しないと、まず船で沖に出てリモート・レプリカントで誘き寄せてボクは帆に隠れていようかな。
殻がいくら硬くても関節は硬くはないと思うな
厄介な六本腕を斬り落としたら妖刀の斬撃で斬りまくる。
単なる武器で破壊出来なくてもボクの妖刀なら・・・
何匹かお土産にして持って帰ろうかな?
ま、それは勝った後で
さあ、これより反抗を開始する・・・どうかチタノの加護と導きを
エドゥアルト・ルーデル
か、か…蟹だァーッ!!
しかもヤバい蟹だァーッ!
迫りくる蟹!勢いよく息の根を止めに来ててこれは…活きがいいね!
引っ掴んでこようとする蟹に対して【流体金属】君をそぉい!代わりに掴まれてくだされ!掴まれても流体ですぐ逃げられるンだからいいだろ!
UCをコピーした流体金属君があっと言う間に蟹に変形してこれは…メタル蟹の誕生だァ!
迫りくる蟹の大群を流体ボディでいなしつつメタルハサミで引っ掴み返してちぎっては投げちぎっては投げ…まさに蟹無双、さっきまで蟹だったものが辺り一面に転がる…!
うむ!食材は鮮度が命でござるな!暴れてる間に焼こう!特にこの肉がみつしりと詰まった爪が良いでござるな!うま味…
天王寺・七海
カニ…カニねー。
食えないことはないんだけど、殻が邪魔っこくてあんま、食べる気にならないのね。
やっぱり、アザラシの柔らかいお肉と違ってバリバリなのね。
しかし、どうやって、船動かしてるの?こいつら。
細かいことを気にしたら負けな気もするけどね。
こうなれば、海中からジャンプして船に乗り込むのね。
あら、泡を出してきたわね…やっぱりカニなのね。
でも、七海ちゃんが上位捕食者だってこと、教えるんだぜ!!
エアロストームで泡もろともカニを風で拘束する。
それと同時に、カニのハサミを、もいで行く。そして、残った胴体を口でメキャと潰す。
新鮮なカニの肉は、戻り次第鋭治にもいでもらうことにするのね。
アドリブ歓迎
天星・雲雀
「潮風がカニ漁の時を告げています」
「カニは美味いと聞きました。狩るだけ狩って、カニづくしのパーティーにします!鍋・火鉢・サラダ。元から染み込んでいる潮味と、カニ本来の味の後は、ポン酢で味変です!」
「狩らなければ始まらない。獲物は目の前です!掛かれ!」
【行動】[海遊装備]を装着したUC嵐の投入部隊で、水中から水面付近を泳ぐカニの腹に総攻撃を仕掛けます。
数で仕掛ければ、増幅した念動力で作る水中竜巻の推進力を得たサイコキャバリア[絶無]のほうが蟹の殻より硬いはずです。
背後は空中、カニの自重が仇ですね。
食蟹です。狩り尽くして現地で食べて、持ち帰りますよ!
アドリブ・アレンジ・共闘・歓迎
マリア・ルート
おっけー、レッツカニジェノサイド!
雨天決行・銃撃乱舞よ!
射撃系武器でカニたちを蜂の巣にしてやるわ!3段撃ちの要領で銃撃の雨をやませない。徹底的に撃ちまくる!(2回攻撃)
たぶんこれ有効だと思うのよね。
なんせ私の胴体や首を持ち上げるのなら近くに行かないと無理だもの。
相手を近寄らせず、銃撃で蜂の巣にする。私には近寄らせない!
あと、数発は適当に射線にしやすい場所から少し離れた場所にフェイントで撃つわ。
こうすれば射線にしやすい場所にカニたちを誘導できるでしょ。
ジェノサイドは戦略的に…ね。ふふ…
あ、もしテイクアウトできるならテイクアウトしていこうかしら。慎重に捕まえて…一口味見…美味しかったら持って帰ろ…
ベルゼルガ・グランツ
蟹……?でっかい蟹だなぁ。
1匹くらい取って帰れれたらいいなぁ…とか思いつつ、ボクなりに頑張ってみようかな!
ボクも猟兵らしく、予知するだけじゃないところを見せないとね!
ベルゼルガ・グランツ……行きます!
戦闘
うーん…
空を飛ぶことが出来ないなら【蒼迅解放】で自己強化して海の中で戦闘に挑もう!
残像、雷属性の攻撃とか各種技能を駆使して戦闘!幸いボクは電撃耐性があるし、自分の攻撃で返り討ちなんてならないだろうから…
ボクの使うUCは多少命を削るものだし、長い戦闘は避けるようにささっと終わらせてしまおう!
あまり命を奪うことはしたくないけど美味しいって話なら1匹くらい戴いても大丈夫…大丈夫だよね?
アドリブ歓迎♪
●
ざっぱーん。
「潮風がカニ漁の時を告げています」
黒髪が潮風に揺れ、天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)は仲間達と共にその音を聞いていた。
「蟹が至る戦場に発生していると聞いてましたが」
「いいですよね蟹。美味しいですし」
言葉を交わすビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)とサメマニアのエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)の視界の先にはまだ距離があるが、サメ――ではなくカニがいた。
「かに鍋、かにすき、かにしゃぶ、ゆでガニ、どれも大好きです。これはぜひともお土産に持ち帰りたいものです」
「カニは美味いと聞きました。狩るだけ狩って、カニづくしのパーティーにします! 鍋・火鉢・サラダ。元から染み込んでいる潮味と、カニ本来の味の後は、ポン酢で味変です!」
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)と雲雀もお持ち帰りにやる気満々。たくさん狩ってたくさんお持ち帰りをすれば毎日カニ祭りの開催である。
「蟹! この間取り損ねたから今度こそシルやリオの為に取ってくるんだ!」
テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)だってお土産用の蟹ハントに気合十分。今度こそは双子の姉や妹と楽しい蟹パーティーをしたいのだ。
「ここは素材をゲットしてなめろうも悪くないですけど、蟹のツミレ鍋も悪くないかも」
そう考えるビスマスであるが、もちろんなめろうもツミレにして美味しく頂こう。
「カニ……カニねー。食えないことはないんだけど、殻が邪魔っこくてあんま、食べる気にならないのね」
どうやら美味しいらしいカニであるが、天王寺・七海(大海の覇者・f26687)としてはやはりネックはあの硬い殻。シャチな七海にすれば食べるのはちょっぴり大変に違いない。
それに蟹が苦手なのは七海だけではなかった。
「ボクはカニは好きじゃないんだよね、食べ難くて」
ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)もまたそんな蟹が苦手な一人である。だが、どんなに食べ難い相手だろうとも全員で戦えば苦戦はしないはず。
「か、か……蟹だァーッ!! しかもヤバい蟹だァーッ!」
「おっけー、レッツカニジェノサイド! 雨天決行・銃撃乱舞よ!」
エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は蟹がざくざく湧いてくる海を指さし、戦闘準備を整えていたマリア・ルート(千年の王国から堕ちのびた姫・f15057)は戦場へと駆けだしていく。
「蟹……? でっかい蟹だなぁ」
緑の双眸を細めてベルゼルガ・グランツ(不殺の蜥蜴竜騎士・f21703)も見れば、それは遠目から見てもめちゃくちゃでっかい蟹だった。
あんな馬鹿でかい蟹をこれから倒さねばならないのか。
「『Namerou Heart Omaguro!』海と沖膾の鮪の覇者は今此処に、オーマグロ転送!」
「やっぱり、アザラシの柔らかいお肉と違ってバリバリなのね」
クロマグロ型水陸両用鎧装オーマグロを装着したビスマスと七海の体はざぶんと海へと滑りおちる。
無限軌道ディスポーザブル03へと搭乗した朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)もまた前進し、
「硬く強い蟹さん相手だ!」
「ボクも猟兵らしく、予知するだけじゃないところを見せないとね! ベルゼルガ・グランツ……行きます!」
ティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)に続いてベルゼルガも荒波の中へと飛び出していく。
こうして数多い蟹を効率よく倒すべく猟兵達は各チームに分かれると、それぞれの戦いへと向かっていくのだった。
●
「往くぞヘカテ! 蟹祭りだ!」
虚空より現れた謎の機神へと搭乗したテラは蟹ひしめく海へと全速前進。重力属性が付与された機体は海底に沈む事なく滑るように海上をゆく。
海面に機体が触れるとざっと水しぶきが上がり、機神の前方に蟹の大群が押し寄せてきた。
「好都合だな、蟹が自分から土産になりにやってきたぞ!」
にっと笑って速度を上げ、こちらに気付いた蟹達が巨大なハサミを振り上げ襲い掛かってくる。
このままでは――!
「ウィザードモード……起動! 我招くは嵐の夜! 冥府へ導く魔女達の群れよ! 今こそ狩りの時間だ! 存分にその力を示せっ!!!」
オォォオオオオオオ……!!
三界神機は炎玉の竜騎士の声に応えた。
テラの能力によって複製され、蟹の大群へと神機は攻撃を開始したのだ。
素早い剣戟は胴と脚を切り裂き、鋭い槍は硬い殻をも貫いていく。襲い掛かる攻撃は見切って躱し、盾で受け、払い、そして宙へと舞い避ける。
もちろん、どれも味を損なわないよう冷静に分析した攻撃である。可食部はしっかり残し、持ち帰りやすいよう計算されつくした攻撃だ。
「まだまだいくぞ!」
全てを念力で操作し蟹を倒していくテラは勝利を確実にする為にとガンドライドの攻撃を畳みかける。圧倒的攻撃を前に大群で蟹が押し寄せようとも負ける訳がないのだ。
「……っと、仲間の方に向っている蟹がいるな。倒して回収だ!」
敵船へと向かっているティファーナを狙う蟹達へレーザー射撃に重量攻撃と砲撃を向ければあっという間に倒れてしまう。
「倒した蟹は存分に回収だ! 姉妹達へのお土産にするんだー!!」
一斉攻撃を仕掛ける中、海中からごぼごぼと激戦の音が聞こえてきた。
「護りたいこの世界の為に……! ボクは、この力を護る為に使う!!」
空を飛べないベルゼルガの身体は蜥蜴竜の力を解放して蒼くなり、その姿は海中にあった。
蟹は泳げるし、海底を歩ける。ベルゼルガが進む海中にも巨大な蟹がひしめいており、そのハサミはすでにこちらを狙っているではないか。
「おっと!」
ごぼぼと水を切るように襲い掛かるハサミを蹴って避けると次のハサミがやってくる。
「よっ、それっ、ほいっ!」
振り上げ、薙ぎ、掴みかかろうとするハサミたちをなんとか躱すが、避けてばかりではいられない。
蒼の身体は高速移動で蟹の視界に入らない位置に回り込み、
「これでもくらえっ!」
構えた2振りの雷刃剣で蟹の胴と脚をざぐんと両断すると、そのまま殻も真っ二つ。
振り向きざまに新たな蟹へと刃を振るい、迫るハサミも斬り落としていると、
「撃て撃て撃て撃てぇーーー!!!」
ズドドドドドドドドド……!!!!
海底から泥が煙のようにぶわりと立ち上り、攻撃を受けた蟹達が吹っ飛んでいった。
小枝子が搭乗するディスポーザブル03から発射された誘導弾とミサイルの一斉発射はカニを吹き飛ばし、その後も断続的なミサイルの連続発射でカニは形すら残らず爆破した。
運よく弾丸から逃れ左右から抜けようとするカニも機体腕に装着したミサイルコンテナの餌食となって消えていった。
だが、それはまだ先陣をきる一軍にしかすぎなかった。もくもくと上がる泥が潮の流れに引いていくと、新たな蟹の姿が現れるのだ。
ああ、敵だ。カニをすべて倒さねば。
「03を抜けられる等と、思うなぁアアア!!」
その攻撃はまさに無慈悲であった。
広げていた腕からエネルギー充填していたビーム砲を発射し広げた両腕を閉じるように動かしてなぎ払い、早業、コンテナミサイルを上空へ発射し、海中を泳ぐ個体達へ範囲攻撃が牙を剥く。
攻撃どころかこちらへと近づく事さえ03は許さなかった。
「もっとだ、撃て、撃て、撃ちまくれ!!」
ドガガガガガガガガ!!!!!
まだだ、まだ、もっと、もっと撃ちまくれ!
「嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼!!!」
「よし、あの攻撃と一緒にボクも攻撃しよう!」
武器を構えなおしたベルゼルガは小枝子の攻撃の間を縫いながら蟹達へ攻撃を続け、確実に倒していった。
命を削る攻撃も、仲間と一緒に攻撃していけばその時間も長くかからずに済むだろう。
蟹の攻撃を雷刃剣で打ち払う中、ふと見上げると海上に誰か――ティファーナの姿があった。
荒波の中、空中をとん、とんっ、飛び越えその姿は船上へとすとんと舞い降りる。
「これは蟹さんがいっぱいだよ!」
きょろきょろ見渡すと船上には蟹、かに、カニ。数え切れないほどの蟹ひしめき合い、こちらへ攻撃を仕掛けようとうごうごと動き出しているではないか。
がぢんっ!!
蟹達のハサミが掴みかかろうと襲い掛かるが、掴むべき姿はそこにはなかった。
「こればボク達の“超神武闘必殺技”! 勇気と正義と神業で窮地を好機に!」
宙にあるティファーナの一声と共に叩き込まれる数多の攻撃にハートビームが大炸裂! ビームの直撃を受けた蟹はハートの穴が開き、そのままがくりと動かなくなってしまった。
攻撃を避けてはビームが蟹達を撃ち、己を強化し敵の能力を封印したティファーナ。なかなかこの戦いはすさまじい。
それでも蟹達はあきらめなかった。わさわさとティファーナを取り囲み一斉攻撃をしかけ――、
「闘神の本気と勇姿を見せるよ!」
ティファーナのハートビームとハート弾が押し寄せる蟹達を一撃粉砕!
「ふう、ちょっと数が多すぎるよ」
戦いで流れる汗で張り付く金髪を払いながらもふと見れば、まだまだ蟹が湧いてくる。一体どこから出てくるのやら。
ちらりと船上から海を見れば仲間達もまた、敵と戦い続けていた。
「もうちょっと頑張ろうかな」
戦いの傷と疲れを癒し、ゴルゴン、ナルガそしてラミアの末娘蛇神は再び戦いへと戻っていった。
●
「しかし、どうやって、船動かしてるの? こいつら。細かいことを気にしたら負けな気もするけどね」
海中をすいすい進む七海の脳裏でカニが船を操作しているビジョンが展開されている中、
「カニ発見だよ!」
風魔法を宿した靴で水上歩行する澪の声にビスマスが見れば海中に紅い光が点々と浮かび上がる。
ひとつ、ふたつ――いや数えきれないほどの赤。
ざあっ!
海中を移動していたビスマスが海上へと上がると、海の中だけではなく海面に蟹の姿を見る事ができた。ぎらつく赤にビスマスを含め猟兵達が退く事はない。
「いきます!」
襲い掛かる蟹達の攻撃を躱し、振るうハサミを飛び越えグルメツールを取り付けたガントレットで鳩尾を一突き。硬い殻をばぎんと貫く一撃に大きくよろめく敵へと続けてお見舞いするのはカニ切り用包丁キック用ビスマスブレード。
グオオオオオォォォアアアア!!!
雄叫びを上げる蟹の突進を海中へ潜って回避すると、海上へ再び上がって素早い二閃!
もちろん澪だって負けていない。水上歩行ですいすい進みながら高速で詠唱される冷凍保存もとい氷魔法を気付かれる前に展開させると、顔を出す蟹達をあっという間に凍らせていた。
「おっと危ない」
吹き出す泡もちゃんと見ていれば問題ない。氷魔法で生成した即席の巨大な氷の盾とオーラ防御の二重防御でなんとか耐える。
たんと蟹を足場に飛び越え魔法で蟹達を氷漬けにし、襲い掛かる泡を防御するが、不意に足をとられてしまう。
「うっ……」
大量の泡に身動きが取れなくなってしまうも、戦う手が無くなる訳ではないが――、
「大丈夫ですか!」
ばしゃんとしぶきが上がり、宙に舞うビスマスからカニ切り用包丁キックが大炸裂。見事きれいに解体されると泡から解放された澪の氷魔法によってカチンコチンの冷凍蟹の出来上がりである。
「間に合ってよかったです」
「ありがとう。――っ、後ろ気を付けて!」
礼を言いながら氷魔法で蟹を凍らせる澪の声に振り向けば、たくさんの蟹がこちらへ迫り巨大なハサミはビスマスを標的として捉えているではないか。
こうなれば、『あれ』を使う時だ。
「い……いけー、僕の分身! 技名は意地でも言わないぞ!」
澪の声と共に小さな澪がぽぽぽんと召喚される。ミニ澪達はそれぞれわちゃわちゃと動き回り、
「いくよーっ!」
その声を聞くと氷魔法を一斉発射! 放たれる数多の魔法はビスマスを狙った蟹から周囲一帯にいる蟹達へと襲い掛かり、あっという間に冷凍ガニが大量生産してしまった。
海面にはぷかぷかと凍った蟹が浮いている。
「冷凍完了、っと」
「ありがとうございます、助かりました」
礼を言うビスマスだが蟹の数は多く、冷凍ガニの隙間から新たな蟹がにゅうっと顔を出してきた。
それだけではない。よく見れば船に上がっていくカニもいるではないか。
「蟹がそっちいったよ!」
「海上はわたし達に任せてください!」
澪とビスマスの声に応え、エミリィは蟹たちと対峙する。
「蟹ハント。カニを殴る、ということで肉弾戦です!」
肉弾戦。そう、パンチと言えばメイドチョップなのだ!
「ちぇすとー!」
どしゅっ!
なんという事でしょう! メイドさんのチョップによってカニが見事に真っ二つではありませんか!
「何ぴとたりとも、いや何蟹たりともこの船に上陸はさせませんよ」
そんな蟹へ神出鬼没なメイドさんの無慈悲なパンチが超炸裂!
ビシッ! ばしっ! どすっ!
気合の入った一撃はぎらぎらと真っ赤な瞳をぎらつかせる蟹をすべて真っ二つに切り捨てる。上ってくる蟹に攻撃の隙など一切与えない。
それにしてもパンチと言っておいてチョップ攻撃というのは何かおかしい気がするのですが。
「チョップはパンチではない? ご安心ください。メイドチョップはパンチ力です」
なるほど、それなら問題ありませんね。
「ちぇすとーー!!!」
ざんっ!
運よく上まで登ってきた蟹も残念ながらエミリィによって海へと落ちるが、蟹は海からだけではない。船には蟹が沢山いるし、もちろん船上には蟹がびっしり。
あわや船上の蟹からの攻撃に大ピンチかと思いきや!
「七海ちゃんに任せてっ!」
ざぱあっ!
水柱を上げて七海が船上へと大ジャンプ!
水しぶきをきらきらと輝かせながら確認する蟹たちはどれも泡を吐き出しており、こちらへの攻撃準備が完了しているようだ。
「あら、泡を出してきたわね……やっぱりカニなのね」
空中から見下ろす七海もまた、攻撃準備は完了している。
「でも、七海ちゃんが上位捕食者だってこと、教えるんだぜ!!」
ゴオオオォォォォオオオォォォオオオ……!!
蟹を真っ二つにするエミリィの目に映ったのは七海から放たれた風が乱気流となって泡を吐く蟹を巻き上げていく様子だった。捕らわれた蟹は身動きが取れずギチギチともがいているが、乱気流から逃れる事はできないだろう。
グググ……バギィッ!!
七海の力は凄かった。乱気流にあるカニのハサミを一本もぎ、二本目ももいでいく。ばぎばきと豪快な音を響かせながらももいでいき。最後に残るのは胴体のみ。
そして――、
メギャッ!
シャチの顎の力にさすがの蟹も耐えきれなかった。
「あぶない!」
エミリィの声に七海の身体は泡を大きく飛び越え、
「空気の有り難味、知っておくのね」
泡を吐き出す蟹達は乱気流にもまれ、なすすべもなく手足をもがれて砕かれていく。
船上の蟹をすべて倒せば周りは無慈悲な蟹の残骸が広がるが、
「それにしてもどうやって、船動かしてるの?」
「確認してみます?」
上ってくる蟹をあらかた倒したエミリィの提案に七海は頷き、二人はどうやって動かしているかを確認する為にも船内へと進んでいった。
●
ざざざざざ……!
鉄甲船の周りには蟹、かに、カニ。
とにかくびっくりするくらいの蟹がきた。
「迫りくる蟹! 勢いよく息の根を止めに来ててこれは……活きがいいね!」
船から見下ろすエドゥアルトの目前。なんとも活きのいい蟹がどうっと豪快な水柱を上げて飛び掛かってきたぞ!
「そぉい! 代わりに掴まれてくだされ!」
なんとエドゥアルトはハサミに狙われた自分の身代わりとして流体金属生命体君を蟹めがけてぶん投げたのだ。蟹のハサミにがっちり挟まれた流体金属君は名付けられた癇癪という名の通り癇癪を起したようにばたばたと動くが、
「掴まれても流体ですぐ逃げられるンだからいいだろ!」
その声に思い出したようにするんと逃げ出した。
「スピットファイア君は器用でござるな! もしや拙者より器用なのでは……?」
とかなんとか言ってるうちに、癇癪君の身体はあっという間にメタリックカラーの蟹に姿を変えていく。
「これは……メタル蟹の誕生だァ!」
キシャアアアアァアアアアアア!!!!!
これはすごい! メタル蟹へと進化した流体金属君は敵の中へカチコミをかけていったのだ!
「迫りくる蟹の大群を流体ボディでいなしつつメタルハサミで引っ掴み返してちぎっては投げちぎっては投げ……まさに蟹無双、さっきまで蟹だったものが辺り一面に転がる……!」
などと実況をしていると、船上にばらばらになった蟹の残骸が転がってくる。
美味しいらしいとの事だが本当だろうか?
「うむ! 食材は鮮度が命でござるな! 暴れてる間に焼こう!」
そんなこんなでカニバトル船上クッキング。
「特にこの肉がみつしりと詰まった爪が良いでござるな! うま味……」
焼けるいい匂いが漂う中、
「さて、ジェノサイドを始めようかしら――」
マリアによって展開される超高速連続攻撃によって蟹がハチの巣にされていた。3段撃ちの要領で放たれる銃撃の雨は一度として止まず、徹底的に銃弾が撃ち込まれていく。
ガガガガガガガガガ……!!!
蟹の攻撃を受けずに済む方法をマリアは考えていたが、これがベストだと判断していた。
敵がマリアを狙う為には接近しなければならない。ならば相手を近寄らせず、銃撃で蜂の巣にしてしまえばいいのだ。
「私には近寄らせない!」
哀れ蟹はマリアの銃弾の雨になすすべもなく倒されていく。
そんな中、ふと蟹のテイクアウトの可能性についてマリアは思い出した。
「あ、もしテイクアウトできるならテイクアウトしていこうかしら。慎重に捕まえて……一口味見……」
ダメージの少ない蟹をそっと捕まえ足をもぎ、そのまま食べようとしていたところにエドゥアルトが蟹を焼いていたので少しお裾分けをもらう事に。
磯の香りがふわりと鼻孔をくすぐった。
「……美味しかったら持って帰ろ……」
あつあつ焼きガニをふーふー冷まして、ぱくり。もぐもぐ、ごくん。
さてどれくらいテイクアウトをしようか考えていると、帆に隠れていたニクロムが船上へ乗り上げた蟹の足をざんと一薙ぎで斬り上げた。
「単なる武器で破壊出来なくてもボクの妖刀なら……」
蟹の殻がいくら硬くとも関節は硬くないという予想は見事に的中し、狙った関節は一閃によって切り落とされ、カニは動くこともできなくなってしまう。
ただ、蟹は一体だけではない。
ぶんっ、ぶおんっ! ずん!
「……っ!」
掴もうと振り上がるハサミをニクロムは躱す。銀糸をなびかせながら一つ目を飛び越え、二つ目を打ち払い、三つ目を切り捨てた。
――と、
「っ!」
ニクロムを狙う蟹の大群にマリアの弾丸が襲い掛かった。射線にしやすい場所へカニたちを誘導したのが功を成したようである。
「ジェノサイドは戦略的に……ね。ふふ……」
もちろんニクロムの攻撃が加わればよりジェノサイドできるだろう。
仲間の攻撃の間をかいくぐり、ニクロムは斬って、斬って、斬りまくる。いつのまにか周囲には狙い通りに斬り捨てた蟹がごろごろと転がっている。
「何匹かお土産にして持って帰ろうかな?」
たくさんの蟹を前にふとニクロムは考えてしまったが、それは勝った後で考えればいいだろう。
持ち帰ろうとしている仲間も多い。きっとたくさんの土産用カニが集まるに違いない。
とにかく、まずはこの作戦を遂行することが最優先。
「さあ、これより反抗を開始する……どうかチタノの加護と導きを」
妖刀と共に反抗者は新たな敵へと向かう中、
「戦闘は、一度に投入できる数で決まります」
戦いは数だよといわんばかりに嵐の投入部隊へ雲雀はびしっと指さしキャパリア達へと号を飛ばす。
「狩らなければ始まらない。獲物は目の前です! 掛かれ!」
こうして絶無の絶無による絶無のための戦闘が幕を開けるのだ!
ざばあっ!!!
海面から顔を出す蟹軍団へと向かうのは海遊装備を装着した嵐の投入部隊。雲雀は水中から水面付近を泳ぐカニの腹に総攻撃を仕掛ける作戦に出たのだ。
ざざ……っ!
増幅した念動力で作る水中竜巻の推進力を得たサイコキャバリア――炎と風と光の力を宿す魔神の方が蟹の殻より硬い筈。
ばぎぃ、んっ!!
秒で仕掛けた絶無の攻撃はいとも簡単に硬い蟹の殻を粉砕した。
もちろん蟹たちもそう簡単には攻撃を許さない。掴もうとぶんとハサミを振り上げるのを目にサイコキャバリアは雲雀の操作に大きく回避し敵を一撃粉砕。
「背後は空中、カニの自重が仇ですね」
サイコキャバリアでの総攻撃によって蟹の撃破の数を重ねていくが、よく考えたら粉砕しまくったらお土産用の蟹が木端微塵になってしまうのでは?
だが大丈夫、ここには共に蟹をお持ち帰りしたいという志をもった仲間達がいる。
「援護射撃は任せてください!」
キャバリアの間をマリアの弾丸が飛び、狙い定めたニクロムの妖刀が蟹の動きを斬り断ち、メタル蟹もばっしゃばっしゃと敵をちぎってはちぎっては投げまくった。
「食蟹です。狩り尽くして現地で食べて、持ち帰りますよ!」
戦いの中、密かに雲雀は確信する。
この戦いは大勝をおさめ、戦果のお土産はどっさりの蟹である、と――。
そして、実際に猟兵達の大勝利となり、お土産用の蟹をいっぱい用意する事ができた。
●
「みんなお疲れ様!」
こうして戦いは終わり、緩やかな潮風に髪をなびかせティファーナは笑顔で仲間達へと声をかけた。
激しい戦いであった。
ニクロムと小枝子が海を見渡せば、猟兵達の激戦がありありと見てとれた。
ただ言えるのは、倒した蟹はだいたいお持ち帰りしやすいように斬られていたり、鮮度が保てるよう氷漬けにされていたり。
「……そういえばこの数どうやって持って帰ろう」
見渡す澪の辺りには一面の冷凍蟹。がっつり凍った蟹は保冷材の必要もないくらいである。
「これだけあればしばらく食材には困らないです」
「新鮮なカニの肉は、戻り次第鋭治にもいでもらうことにするのね」
ビスマスと共に七海は頷いた。あの蟹の殻も弟に任せれば大丈夫な筈。
「お土産がこんなにたくさんです!」
エミリィもにっこり笑顔の片隅では蟹の宴はまだ続いていた。
「磯の風味が活かされ、最高に美味でござる!」
「確かに! 採れたて新鮮な焼きガニは最高ですよ!」
エドゥアルトと雲雀の周りには食べ終えた蟹の山ができていた。二人はめっちゃ食べていた。もちろんお土産分は別にある。
一匹くらいお土産に持って帰ろうかなと考えていたベルゼルガであるが、持ち帰り希望の猟兵達がいっぱい蟹をハントしまくったので一匹どころかいっぱい持って帰っても大丈夫だろう。
味見済みのマリアも美味しかった蟹をこれでもかとたくさんお持ち帰り。
お持ち帰り希望の人にはこれでもかというくらいの蟹を持って帰ることができそうだ。テラの脳裏に浮かぶのは蟹に喜ぶ姉妹のあの姿。今日こそは蟹フェスティバル。
宴だ。
蟹の宴だ!
「帰って蟹祭りだーー!!!」
拳を握るテラに仲間達からおおーっと声が上がり、それぞれが戻るべき場所へと戻っていく。
そんなこんなでカニハントは終了しましたとさ。
めでたしめでたし。
大成功
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