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炎が全てを沈める前に

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #チーフメイド・アレキサンドライト #エルフ

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「皆様! エルフの森が大ピンチです!」
 集まった猟兵達の顔を確認するや否や、ウィノラ・シュレミール(天蓋花の人形劇・f26014)が騒ぎ立てる。どうやら退っ引きならない状況らしい。
「猟書家『チーフメイド・アレキサンドライト』の意志を継ぐオブリビオン達が、アックス&ウィザーズにあるエルフの森を焼き払おうとしているのです。皆様には至急現地に乗り込んで、彼らの企みを阻止していただきたいのです」
 幹部そのものが死亡しようと、猟書家の意志を継ぐオブリビオンは後を断たない。今回の事件もそのようなものの一つのようだ。

「皆様に向かってもらいたいのは、とあるエルフ達が暮らすツリーハウス集落です。今から向かえば火が放たれた直後に転移出来ますし、現地のエルフとも協力出来るはずです」
 エルフ達は世俗から離れてくらしているが、考え方は柔軟だ。
 自分達が危機的状況にあると理解すれば、すぐに猟兵達と手を取り闘うだろう。
「エルフの森は入り組んでいるため、原住民に道案内してもらうのがいいでしょうね。高い樹も沢山あるようですから、上手く利用すれば雑兵退治にも役立てるかもしれません」
 もし樹の上から一方的に敵を攻撃出来るスポットがあれば、そこから雑魚は簡単に蹴散らせるだろう。
 素早く敵を倒せば倒すほど、森の被害も少なくなるはずだ。

「オブリビオンの目的はエルフの森にある聖なる樹だそうです。なんでも世界樹イルミンスールから株分けされた特別な樹だとかで……だからといって他の樹ごと燃やすのはどうかと思いますけどね!」
 そんなことを叫びつつ、ウィノラは転移の準備を完了させている。
 ゲートの向こうからは既に煤けた匂いが漂ってきているようだ。
「それではお気をつけて! 焦らず急いでエルフの森を救って下さいね!」


ささかまかまだ
 こんにちは、ささかまかまだです。
 エルフの森が燃えてます。
 当シナリオは【2月27日(土)】までに完結させることを目指しております。

●プレイングボーナス
 エルフ達と協力し、共に戦う。

●一章「炎の精霊」
 見ての通り炎属性のモンスターです。森を燃やしています。
 現地のエルフにお願いすれば、彼らを一方的に攻撃できるような樹の上に案内してもらえます。上手く協力しましょう。

●二章「紅炎の姫」
 猟書家の意志を継ぐ炎属性のモンスターです。森を燃やしています。
 集団戦と同じく有利な地形で戦うことは可能ですが、こちらは一方的とはいかないでしょう。
 頑張って立ち向かって下さい。

●エルフ
 森で暮らす人々です。
 弓矢を装備しており、敵の足止めなどをしてくれます。
 また、頼めば敵を狙いやすい樹の上にも案内してくれます。


 どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
 進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
 締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。

 それでは今回もよろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『炎の精霊』

POW   :    炎の身体
【燃え盛る身体】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に炎の傷跡が刻まれ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    空駆け
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
WIZ   :    火喰い
予め【炎や高熱を吸収する】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。

イラスト:白狼印けい

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 燃え盛る森の中を、エルフ達が忙しく駆け回っている。
 ある者は川から水を運び、またある者は弓矢で侵入者を撃ち抜いて。
 しかし――その行為が実を結ぶより早く、炎は広がり続け、侵入者は森を突き進んでしまう。
「このままだと森が……!」
「聖なる樹は無事か!? あれが燃やされてしまったら、私達はおしまいだ!」
 エルフは自分達が置かれた状況を理解し、徐々に立ち向かうことを止めてしまうだろう。
 そんな彼らを救えるのは猟兵だけだ。

 エルフ達は猟兵の到来に気がつけば、すぐにこちらへと駆け寄ってくる。
 互いの状況を伝え合い、目指す場所が同じと分かれば――あとは手を取り合うだけだ。
「今から君達を、私達の狩り場へと案内しよう。樹の上からならモンスターとも戦いやすいはずだ」
「お願いします……聖なる樹を、そして私達の森を救って下さい……!」
 数人の狩人が猟兵達を引き連れ、森の中を案内してくれるだろう。
 彼らと協力しつつ、まずは森に蔓延るモンスターを退治していかなくては。
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん
武器:漆黒風

厄介ですよねー、こういう手合い。
誰かの故郷を滅ぼさせてたまるか。

エルフと私に、迷彩と防御を兼ねた結界術をかけましてー。
樹上の案内頼みましょう。

風属性攻撃をつけた漆黒風を、指定UCにて投擲。急所狙いでふー。
一投一投、居場所変えますからねー、そう簡単には気取られませんよー。
ええ、どれだけ飛ぼうが、この漆黒風からは逃れられません。

…まだ間に合うのですから、そのために力を尽くすのは当然ですよー。




「厄介ですよねー、こういう手合い」
 燃えるエルフの森を見遣りつつ、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)の中に宿る悪霊の一人、『疾き者』がぽつりと呟く。
 その口調こそ穏やかなものだが、彼の表情はとても険しいものだった。
 脳裏に浮かぶは懐かしき故郷。義透を構成する悪霊達が暮らしていた――そしてオブリビオンに滅ぼされた、大切な場所。
「……誰かの故郷を滅ぼさせてたまるか」
 激情を確かな決意に変え、義透はエルフの森を駆けていく。
 せめてここに住まう人々を救うため。そのために自分達はここへとやって来たのだ。

 エルフ達とはすぐに合流することが出来た。
 彼らの瞳に深い絶望の色が見て取れてしまい、義透は思わず胸が締め付けられそうになる。
 けれどここで同じく立ち止まってしまう訳にはいかない。少しでも早く動けば、この森は助かるのだから。
「戦いやすい場所に案内してもらってもよろしいですかー? きっと力になれますのでー」
「ああ、頼む。共に私達の森を救ってくれ……!」
 エルフ達と自分自身に簡単な結界を張りながら、義透達は森を更に駆けていく。
 結界に施した迷彩の術式のおかげで、目的地までは敵に見つかることもなく辿り着くことが出来た。
 樹の上から森を見渡せば――既にあちらこちらで火の手があがっているのが見えている。

「急がなくてはいけませんねー。こういう時は……早業が一番ですー」
 敵を狙える位置に着き、義透が取り出したのは『漆黒風』という名の棒手裏剣だ。
「それは?」
「投げて使う武器ですよー。あなた達の弓矢と共に使えば効果も抜群かとー」
 話を続けつつ、義透は流れるように漆黒風を数本、樹の下へと投擲していく。
 その刃は的確に破壊に勤しむ精霊の心の臓を貫き、火の勢いごと殺していった。
「このように使うんですよー。さあ、これでどんどん敵を撹乱していきましょー」
「ああ、分かった!」
 エルフは義透を援護するように弓矢を使い、どんどん精霊達の注意を引きつける。
 義透自身は忍者の技術を使って樹の上を飛び回り、気取られないように精霊達へと漆黒風を投擲。
 その一本一本が確実に敵の急所を貫いて、その生命を終わらせていく。

 忙しなく敵を倒し続ける義透を見遣り、エルフ達は少しだけ不思議な表情を浮かべていた。
「あなたのお陰で火はどんどん消せているけれど……一体、どうして?」
 その言葉を受け義透が返したのは――少しだけ遠くを見るような、そんな表情だ。
「……まだ間に合うのですから、そのために力を尽くすのは当然ですよー」
 自分達に出来なかったことを、せめて今を生きる人々のために。
 義透に宿る思いは、確かにエルフの故郷を救っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

なんでエルフの森が焼かれるんだろうと思ったけど、特別な樹がはえてるとこに住んでるからなのかな。

事情説明が必要ならエルフたちにして、協力して貰って奇襲に使えそうな樹を教えてもらう。
存在感を消し目立たない様にして樹上で待機。やってきた敵をマヒ攻撃を乗せた二刀で暗殺攻撃して確実に数を減らしていく。
再度樹上に上がる時はUC空翔で上がって、奇襲を繰り返す。
うっかり地上での取り囲みには注意して。
敵の攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らうものは激痛耐性で耐える。




「なんでエルフの森が焼かれるんだろうと思ったけど……」
 森の中を忙しなく駆け回るエルフ達を見遣りつつ、黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)もその中へと踏み入れる。
 エルフ達は様々なことを口にしているが、その中でも気になるのは――やはり、聖なる樹に関することだろうか。
「特別な樹がはえてるとこに住んでるからなのかな」
 きっとエルフ達にとっても、猟書家にとっても価値のあるものなのだろう。
 それを守り抜きたい人がいるのなら手伝うのみだ。
 瑞樹は手近なエルフの狩人の元へと駆け寄ると、手短に声をかける。
「大丈夫か、何か協力出来ればと思うんだが。敵の討伐くらいなら手伝えると思うぜ」
「本当か? それなら狩場に一緒に来てくれ。少しでも多くあの精霊達を減らしたい!」
 狩人に案内されつつ、瑞樹は大きな樹へと案内される。
 その上によじ登り、周囲を見渡せば――目に入るのは黒煙の上がる森の景色だ。

 地上を見下ろせば精霊達が跳ね回り、ひたすらに森を燃やし続けている。
 瑞樹はなるべく気配を殺すように樹の上を駆け、孤立している精霊へと狙いを定めた。
「……あいつが良さそうだな」
 敵が接近するまでは更に注意して息を殺す。煤けた匂いが鼻をつくけれど、心までは揺り動かされないようにしなければ。
 精霊が背を向けた瞬間を狙って――瑞樹は音も立てずに樹の上から飛び降りた。
「よっと!」
 空を翔けるように跳躍し、左右の手に握る『胡』と『黒鵺』を一気に振るう。
 二刀による斬撃は精霊の頸をあっさりと切り裂き、命を失くした精霊はただの炭へと変わって崩れ落ちた。

 そのまま身体の動きを止めず、瑞樹は再び空を翔けて樹の上へと戻っていく。
 そこでは先程案内してくれたエルフが弓を構えており、瑞樹の腕前に感心していたようだ。
「すごいな、見事な攻撃だった」
「ありがとう。でも……敵はまだまだいるからな。囲まれたりしないよう、気をつけていこう」
 称賛はありがたいけれど、安心するにはまだまだ早い。
 瑞樹は索敵と潜伏、暗殺と復帰を繰り返し次々に精霊達を討伐していく。
 精霊達も動物を元にしているのか、その動きは身軽だが――それよりも先に、的確に刈りとっていけば怖くはない。
 瑞樹の着実な作戦はしっかりとエルフ達の手助けになっていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

乱獅子・梓
【不死蝶/2人】
お目当ての樹一本を狙うよりも
全部纏めて焼いてしまった方が早いってか
ったく「目的の為なら手段を選ばない」を
地で行くような奴らだな

綾は先にエルフ達と一緒に狩り場に行ってくれ
俺はあとで向かうから
道案内役としてエルフの1人についてきてもらうよう頼む

UC発動し、水属性のドラゴン達を召喚
その内の1体の背にエルフと共に乗り森の中を飛行移動
手分けして火を消していくぞお前ら!
水属性のブレスを浴びせ消火活動
敵がUCを使っても喰らう炎が無くなれば
強化が抑えられて戦いやすくなるはず

敵を見つけたら
挑発するように軽めのブレス攻撃を喰らわせて
綾たちが居る樹の下へと誘導
まんまと罠にかかった奴らを仕留めてもらう


灰神楽・綾
【不死蝶】
放火ってUDCアースだとかなりの重罪なんだよ
だから今回の奴らにも重い処罰…死刑をあげないとね

はーい、じゃあそっちは任せたよ
梓と軽くハイタッチを交わして
エルフ達の狩り場へ向かう
UC発動し、水属性のナイフを生成
炎の精霊ならきっと普通に水に弱いはず
次々とナイフを投げつけて攻撃
また、樹の上から森の様子を観察し
火の勢いが強いところや
火が完全に消えてないところへも
ナイフを投げて水のオーラで消火を手伝う

あっ、梓おかえりー
なんて気の抜けた挨拶をして手を振りつつ
連れてきてくれた獲物にテンション上げ
こりゃあ狩りがいがありそうだね
大量のナイフを念動力で操り
まるで雨のように上空から一斉に放ち一網打尽にしよう




 燃え盛りつつある森を前に、二人の男が姿を現す。
 その内の片方――乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)は猟書家の野蛮な手法に眉を顰めているようだ。
「お目当ての樹一本を狙うよりも、全部纏めて焼いてしまった方が早いってか」
 目的の為なら手段を選ばない、を地で行くような有様だと思わず悪態もついてしまう。
 そんな梓の横では灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)がへらりと笑うが――彼の心の内にも、オブリビオンの蛮行に対する強い怒りが宿っている。
「放火ってUDCアースだとかなりの重罪なんだよ」
「そうなのか。じゃあこの世界でも、きっちり裁いてやらないとな」
「勿論。今回の奴らにも重い処罰……死刑をあげないとね」
 二人の視線の先にあるのは燃える森だけではない。
 そこで懸命に生きて、どうにか事態を解決しようとしているエルフ達がいる。
 彼らを助けるべく――梓と綾も一気に森へと踏み込んでいく。

 エルフ達は猟兵達の来訪に気がつくと、すぐに協力体制を取ってくれた。
 梓は一人の狩人に案内を頼みつつ、相棒へと向き合った。
「綾は先にエルフ達と一緒に狩り場に行ってくれ。俺はあとで向かうから」
「はーい、じゃあそっちは任せたよ」
 待ってるからね、と交わす挨拶はハイタッチ。
 信頼を胸に、綾はひとまず先にエルフの狩場――大きな樹の上へと案内された。
 高い所に登れば熱気がより強く感じられる。ちょっとの不快感と戦いへの高揚を感じつつ、綾が取り出したのは小型ナイフ『Jack』だ。
「敵は火の精霊、そして森の火の手も強い……こういう時は水が一番だね」
 埒外の力でナイフに水の魔力を付与し、綾は樹の下を覗き込む。
 そこでは精霊達が次々に炎を喰らい、森の中を好き勝手に暴れまわる姿が見えていた。
 彼らにとっての楽しい遊びは、狩りはここまで。ここからは狩る者と狩られる者が逆転する時間だ。
 綾はしっかりと狙いを定め、水のナイフを一気に樹の下へと投擲していく。
 その刃は精霊達の身体を切り裂き、消火させるようにその生命を終わらせた。
「ああ、良かった。当たりみたいだね。この調子でどんどん行こうか」
 刃の雨は終わらない。綾は更にナイフを踊らせ、精霊や燃え盛る炎を次々に消していった。

 一方、梓は――相棒とは別の場所で埒外の力を発動していた。
「集え、そして思うが侭に舞え!」
 竜騎士の力によって呼び出したのは水の属性を纏ったドラゴン達だ。
 道案内のエルフと共に一体のドラゴンの背にのり、そして一気に森を突き進む。
「手分けして火を消していくぞお前ら!」
 梓の掛け声に応じ、ドラゴン達は次々に水のブレスを放っていく。
 凄まじい勢いで放たれる息吹は燃え盛る炎を掻き消し、暴れまわる精霊達をも押し流す。
 相手がいくら火を喰らう化け物だとしても、その火から無くしてしまえば何も問題はない。
 次々に攻撃を続けつつ、梓は同行したエルフに声をかける。
「なあ、綾達が向かった狩場はどっちだ? 後で合流しようと思うんだ」
「分かった。案内しよう」
 進むべき方向を示されつつ、梓はどんどん精霊達へと狙いを付ける。
 このまま戦い続けてもいいが、どうせなら一網打尽にしてしまってもいいだろう。
「お前ら、俺の言うように行動しろよ!」
 梓がドラゴン達に命じたのは挑発だ。軽めのブレスで精霊の身体を撫でてやれば、彼らはあっさりとドラゴン達へと牙を向ける。
 しかし相手も獰猛な獣だ。追いつかれないように気をつけつつ、梓は少し危険な空の旅を楽しんだ。

「あっ、梓おかえりー」
「ただいま。綾が喜びそうなもの、連れてきたぜ」
 ごくごく普通の、帰宅時のような挨拶を交わしつつ猟兵達は顔を合わせる。
 梓の後方に見えるのは――挑発につられやって来た大量の精霊達だ。
「わぁ、こりゃあ狩りがいがありそうだね。ありがと、梓」
「こちらこそ。思いっきりやってくれ!」
 梓がドラゴン達と一気に加速したのを確認し、綾は更にナイフへと魔力を籠めていく。
 先程までが刃の雨だったのなら、次に巻き起こすのは刃の嵐だ。
「まさに魔法みたいな一撃をお見舞いしようか。真似事みたいなものだけどね」
 軽口と共に放つのは、大量のナイフによる斬撃だ。
 念動力によって操られた刃は踊るように敵を裂き、森を侵す炎を次々に消し飛ばす。
 そんな光景を見遣り、梓は軽快に口笛を吹いていた。
「さっすが綾!」
「梓が上手く敵を誘導してきれくれたからだよ。そちらこそお疲れ様」
 再びハイタッチを交わし、作戦の成功を軽くお祝い。
 戦いはまだ続くけれど、二人ならば負ける気は全くしなかった。
「親玉もしっかり裁いてやらないとな」
「うんうん。強い敵と殺し合えるのは楽しみだしね」
 少しずつ炎が鎮まる森を目に入れつつ、猟兵達は次なる戦いの時を待つ。
 猟書家にきちんと裁きを行うために――そして、二人で仕事を果たすために。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

紬雁・紅葉
森を焼く…なんという蛮行!
許すまじ!

エルフに案内された樹上に上り
鳳翔を使用

羅刹紋を顕わに
先制UCの水曜(水属性)に風氷属性衝撃波を付与して最大範囲発動
仲間とエルフ達の弓矢にも強化と属性を付与
結界術にて地形を反火に

消火と撃退を同時に行います!
射撃を促す

射程に入り次第破魔水風氷属性衝撃波UCを以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるか見切り
破魔衝撃波オーラ防御武器受け等で防ぐ
カウンター破魔水風氷属性衝撃波UCを以て範囲ごと薙ぎ払う

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

冷やし
吹き飛ばし
濯ぎ祓う

鎮火防炎
業邪炎虎…その暴虐、炎ごと御鎮めします

去り罷りませ!

※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※




 転移ゲートを抜けてすぐ、紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)の頬を熱気が掠めた。
「森を焼く……なんという蛮行! 許すまじ!」
 エルフの森には火の手が上がり、モンスター達が好き放題に暴れまわる。そんな光景を目にすれば、胸に宿るのは強い怒りだ。
 紅葉はすぐにエルフ達と合流し、彼らの狩場へと駆けつける。
 まずは樹の上から破魔重弓『鳳翔』を構えれば、エルフと共に地上の精霊を狙い撃つ。
 同時に羅刹紋【ムラクモ】に霊力を巡らせれば、埒外としての力が周囲を包み込んでいく。
「八雲立つ、出雲……!」
 巨大な九曜紋と共に展開される、紅葉の圧倒的な力。
 水曜の属性が紅葉自身とエルフを強化し、そして悪しき者は水と風に押し流されて骸の海へと消えていく。
「すごい、精霊も炎も一瞬でかき消えた……」
「消火と撃退を同時に行っていますからね。ですが精霊はまだまだ蔓延っております。皆様、射撃を続けて!」
 紅葉の言うように、周囲の敵は薙ぎ払ったが精霊達はまだ森の中で暴れている。
 彼らは仲間の異常を察し、紅葉達の方へと迫ってきているようだ。
 けれど彼女の周囲には既に結界が張られており、水曜の力はエルフ達も強化している。
 優位に立ちつつ、紅葉達は次々に迫る敵を迎え撃っていた。

「こちらへ来るのならば逃しません……!」
 迫る敵をどんどん『九曜陣・八雲』で攻撃しつつ、紅葉は周囲の警戒を続けていた。
 視界に入る敵は叢雲の剣や弓でしっかり撃ち落とし、精霊達が炎を喰らおうとするならその炎ごとかき消す。
 徹底した攻撃は敵の強化も許さずに、どんどん森を清めていく。
「冷やし、吹き飛ばし、濯ぎ祓う……エルフの皆様も、共に頑張りましょう!」
「ああ、一緒に敵を倒して行こう!」
 紅葉に鼓舞され、エルフ達も勇ましい笑みを返してくれている。
 彼らの胸の内にあった絶望は薄れ、今はひたすら戦いに集中しているようだ。
 だからといって敵の手も緩みはしない。精霊達は次々に紅葉の上る樹に迫り、炎を広げようとしているようだ。
「鎮火防炎、業邪炎虎……その暴虐、炎ごと御鎮めします」
 再び強く意識を集中し、羅刹紋に光を灯し――。
「去り罷りませ!」
 叫びと共に放たれる清らかな力は、波のように精霊達を押し流す!
 周囲の炎も同時に掻き消し、紅葉は少しだけ息を吐く。
「これ以上の蛮行は許しません……! ここで食い止めましょう!」
 再び気合を入れ直せば、紅葉は確りと前を見据える。
 彼女の齎す力は――少しずつ森の火の手を弱めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

テラ・ウィンディア
……辛いな
まさかあの人が森を燃やすなんて

エルフ達の案内で樹上を進むぞ

【戦闘知識】
今の立ち位置と炎の精霊達の動き
何より炎の被害を抑える為の迎撃ポイントの把握

【空中戦・見切り・第六感・残像・盾受け】
樹上を飛び回りながら敵の攻撃は回避

【レーザー射撃・砲撃・遊撃】
ガンドライド展開
レーザーで迎撃
更に
【二回攻撃・串刺し・早業】
槍で串刺しにして迎撃し他の敵に向けてはUC発動
不可視の空気の断層で切り裂き破壊
おれも炎は得意だ
なのに…

やっぱり辛いなぁ…

エルフ達に案内をお願いして連携して確実に迎撃しつつ

炎が燃え広がらないように鎮火をお願い

おれはあまり水属性は得意じゃないんだ

言いながらも淡々と精霊達を切り裂き続ける




「……辛いな」
 小さな呟きを零しつつ、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)もエルフの森へとやって来ていた。
 予知でちらりと見えたあの姿。まさかあの人が森を燃やすなんて。
 けれど、だからといって指を咥えて状況を眺めている訳にもいかない。
 テラはしっかりと前を向き、手近なエルフへと声をかける。
「なあ、皆の狩場に案内してくれ! 一緒に火を止めよう!」
「手助けか、ありがとう。私達の狩場はこっちだ!」
 エルフ達に導かれつつ、テラは高い樹の上へと上っていく。
 熱気が頬を掠めれば、辛い気持ちが再び顔を出してくるけれど――それでも、心は折れないように。

 テラは見晴らしのいい場所まで案内してもらうと、すぐに周囲の観察を始めた。
 現在位置と周囲にいる精霊の様子、それから炎が広がる森の様子。
 どう動くべきかを即座に判断し、テラは星刃剣『グランディア』を握りしめる。
「炎の精霊はおれに任せてくれ。皆は道案内と援護を頼むよ」
「ああ、分かった!」
 エルフ達が弓を構えるのと同時に、テラも三界神機『ヘカテイア』を纏いRS-F『ガンドライド』を展開していく。
 飛び回る精霊はガンドライドのレーザーで迎撃し、エルフ達と共に着実に追い込む。
 それでも全ての敵を捕捉するのは難しいだろう。テラは勢いよく樹の上を駆け回り、特に素早い精霊との距離を詰める。
 再び熱気が頬を掠めた。いつもなら馴染んだ感覚なのに、今日だけは胸が締め付けられそうだ。
「やっぱり辛いなぁ……」
 でも、止めなくちゃ。
 決意と共にテラは星刃剣に風を纏わせ、精霊へと狙いを定める。
「我が技、我が武……風……嵐をも破らん……!」
 凄まじい勢いで居合を放てば、そこから生じた空気の断層はしっかりと敵を切り裂いた。

 消える炎を見遣りつつ、テラはエルフへと声をかける。
「鎮火もお願いしていいか? 敵は、おれがどうにかするから」
「ああ、任されたが……大丈夫か?」
 心配そうなエルフに向けて、テラはこくりと頷くが――そこに、彼女のいつもの快活さは見えなかった。
 けれど戦意は衰えていない。辛いけど、だからこそテラはしっかりとこの戦いに意識を向けている。
「大丈夫。任せてくれ」
 エルフ達に背を向けて、テラは再び星刃剣を振るう。
「……大丈夫、大丈夫だから」
 風の刃が次々に敵を切り裂くのを見つめつつ、テラの意識は次の戦いへと向かっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャスパー・ドゥルジー
ちょーっと目当てのモンがあるからって全部燃やすなんざ
やる事が野蛮なんだよなァ
同じ炎使いとして品の無さに辟易しちゃうわ

つーわけであくまで俺はクレバーに行くぜ
エルフに教えてもらった地点に身を潜め
腹を切って【イーコールの匣】
流れる血が模るのは二丁拳銃
射出される弾丸も俺の『燃える血』で出来ている
奴の身体よりもアツく燃え滾るぜ
もし炎が吸収されそうなら燃やすのは止めておく
それでも並の銃としての役割は果たしてくれる筈さ

一方的な射撃に焦れて空駆けで飛び掛かって来る奴がいれば絶好のチャンス!
二丁を一斉に翳し最大火力で脳天ブチ抜いてやるぜ
俺ァそもそも接近戦の方が得意なんだよ




 オブリビオン達の目的はエルフの森にある聖なる樹なのだと言う。
 だからといって、森ごと燃やす必要はないと思うのだけれど。
 目の前で繰り広げられる蛮行を前に、ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)は呆れたように息を吐いた。
「ちょーっと目当てのモンがあるからって全部燃やすなんざ、やる事が野蛮なんだよなァ」
 同じ炎使いとしてもオブリビオンの品の無さには辟易してしまう。
 だからこそ――よりスマートにクレバーに、相手に格の違いを見せつけてやればいい。

 エルフ達はすぐに状況を理解し、ジャスパーを狩場まで案内してくれた。
 木々が自分達を覆い尽くしてくれるし、所々から立ち上がる炎や煙も上手く利用すれば潜伏はやりやすそうだ。
 ジャスパーは案内してくれたエルフ達に短く礼を言い、更に笑顔で言葉を紡ぐ。
「ここは俺に任せてくれないか? あんた達には火の対処とか、そういうのを頼みたいんだ」
「ああ、分かった。それじゃあ気をつけて!」
 エルフ達は素直に申し出を受け入れて、樹の下へと向かっていく。
 彼らの姿が完全に見えなくなったのを確認し――ジャスパーは一本のナイフを取り出した。
「……きっとこれ見られたら、ビックリされるだろうからな」
 軽口を叩きつつ、ナイフをそのまま自分の腹へ。迷うことなく刃を動かし、そこから溢れる血液は燃え盛る炎へと変わる。
 更に炎が纏まれば――出来上がるのは赤い二丁の拳銃だ。
 腹から流れ続ける血は弾丸へと変換させ、痛みによって駆け巡る脳内物質はどんどんテンションを上げてくれる。
 けれど冷静さも失わないように注意しつつ。ジャスパーは樹の下へと銃口を向け、暴れまわる精霊達へと狙いを定めた。
 そのまま引き金を引き、まずは数発。精霊を構成する炎よりも熱い、特製の弾丸はあっさりと彼らの身体を打ち砕いたようだ。

「我ながらナイスショットだな! この調子で……」
 別の個体へ向けて再び狙いを定めるジャスパーだが、彼が動くより早く精霊達が樹の側へと駆け寄ってきていた。
 彼らは獣の跳躍力で地を蹴って、一気に樹の上のジャスパーへと迫る。
 だがこれこそが絶好のチャンスだ。ジャスパーは二丁の拳銃を確りと構え、飛びかかってきた精霊に獰猛な笑みを向ける。
「甘く見たな? 俺ァそもそも接近戦の方が得意なんだよ」
 そのまま再び引き金を引けば、放たれた弾丸は精霊の頭を見事にぶち抜いた!
 その衝撃で吹き飛んできた火の粉を受け止めつつ、ジャスパーは森を眺める。
 森を包む炎は少しずつ弱まってきているようだ。この様子ならば――そろそろ本命も現れる頃だろう。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『紅炎の姫』

POW   :    降り注げ神罰の火矢(サモン・ザ・パニシュメント)
【天から降り注ぐ炎の雨】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    往け紅炎の下僕たち(プロミネンス・サーヴァンツ)
【竜蛇の姿をした紅炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【「炎冠石を含む装備アイテム」×3本の紅】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    来たれ地獄を走る赤(コール・ザ・インフェルノ)
【地の底】から【噴き上がる巨大な火柱】を放ち、【粘性の強い溶岩】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:祥竹

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠田抜・ユウナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 猟兵達の活躍により、炎を振りまく精霊達は消滅した。
 森の鎮火活動も進んでいるようだが、戦いはまだ終わらない。
「精霊達は倒され、聖なる樹もまだ健在……ですが、まだ私が残っています」
 ゆらり、赤いドレスの裾を揺らしつつ、圧倒的な存在感を放つ女が森へと足を踏み入れる。
 彼女こそが今回の事件の首謀者であり、精霊達を従えていた存在――『紅炎の姫』だ。

 かつては勇者の一行として活躍していた紅炎の姫だが、今の彼女は衝動に従うオブリビオン。
 彼女が存在している限り、エルフの森は炎によって脅かされ、いずれは聖なる樹も燃やされてしまう。
 この事態を解決するためには――再び彼女を過去へと送り返さなくては。
馬県・義透
エルフたちに、防御用の結界術張りましてー。
ああー、相性的には彼ですかねー、お任せしますー。
武器はお貸しします。

人格交代『疾き者』→『静かなる者』
霊力使いの武士
一人称:私/我ら
武器:白雪林、借りた漆黒風

たしかに、私でしょうな。性質的に、同じ系統のUCですし。
…私だって、故郷の二の舞は避けたいものですから。

先制攻撃+早業+二回攻撃。一の矢【四天境地・『雪』】、二の矢に水属性攻撃の矢を。
猟書家への意趣返し。炎ごと凍れ。

四天霊障による氷雪属性+重力属性(内部『不動なる者』の支援)の結界術+オーラ防御も使用してますが、接近されたら漆黒風でなぎ払いますよ。

我らは、今を守る悪霊なり。




 現れた敵の対象を前にして、馬県・義透はエルフ達を守るように立ち塞がる。
 彼らへ向けてしっかりと結界術を施したのなら、義透が意識を向けたのは自分の内側だ。
「ああー、相性的には彼ですかねー、お任せしますー」
 武器はお貸ししますね、と小さく付け加え、義透は少しだけ顔を俯かせる。
 次に彼が顔を上げた瞬間――その身体が纏う空気は一変した。
「……たしかに、私でしょうな。性質的に、あの女性とは同じ系統ですし」
「あら、多重人格者……でしょうか?」
 紅炎の姫が言うように、義透が行ったのは人格の交代だ。
 先程までの戦いを行っていたのが『疾き者』ならば、次に姿を現したのは『静かなる者』。
 柔らかな空気は穏やかな気質に、けれど心持ちは変わらないまま。
「……私だって、故郷の二の舞は避けたいものですから」
 だからこそ、義透は武器を手に取り目の前の敵に戦いを挑む。
 長弓『白雪林』を取り出せば、弓の纏う白い輝きは炎の中でもはっきりと見えた。

「あなたの事情は関係ありません。邪魔をするのなら……燃やすのみです!」
 紅炎の姫は手にした杖を掲げ、炎の魔術を展開していく。
 周囲の地面がひび割れたと思えば、そこから噴き上がるのは巨大な火柱だ。
 炎だけでなく溶岩も溢れ出し、森に更に火の手が広がっていく。
 義透の後ろではエルフ達が弱々しい悲鳴を上げたのが聞こえた。このままだと、彼らの故郷はひたすら炎に侵されてしまう。
「エルフ殿、落ち着いて下さい。あの火柱も魔術士も、すぐにどうにかしてみせます」
 彼らを安心させるように笑みを向け、すぐに再び前を見据えて。
 義透は確りと白雪林を構え、埒外の力を発動しだす。
「凍れ、そのままに」
 白雪林から放たれたのは霊力を帯びた特殊な矢だ。
 それは空中で無数に分裂し、一つ一つが強力な力を発揮していく。

 矢が次々に炎の柱を撃ち抜けば――不思議なことに、あっという間に氷に覆われ始めたのだ。
「何ですって……?」
「炎だろうと時間ごと凍らせれば問題ありません。あなたへの意趣返しです」
 焦った姫は簡単な炎の術で義透を狙撃しようとしたが、その程度ならば借り受けた『漆黒風』で簡単に撃ち落とせる。
 そして落ち着いたところで義透が放つのは第二の矢。
 次に放たれた矢は水の霊力を帯びている。その流れは森を燃やす炎を消し去り、凍りついた炎の柱を打ち砕き――。
「我らは、今を守る悪霊なり」
 義透の身体に宿る四人の意志を示すかのように、紅炎の姫もしっかりと撃ち抜いていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流

個人的にはアレキサンドライトよりずっと戦いやすい。
SSWとかでも思ったけど、クリスタリアンの猟書家って能力とかどうにも戦いにくいんだよな。
今度の相手はそれよりは楽だといいんだけど。

真の姿(設定資料)になりさらにUC月華を使用、さらに火炎耐性で溶岩の拘束に抵抗。
そして存在感を消し目立たない様に立ち回る。隙をついてマヒ攻撃を乗せた暗殺攻撃を。
相手の攻撃は派手なものが多いから逆に姿を隠しやすい。
敵の物理攻撃は第六感で感知、見切りで回避。
回避しきれないものは本体で武器受けで受け流し、カウンターを叩き込む。
それでも喰らうものは激痛・火炎耐性で耐える。




 姿を現した紅炎の姫を、黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)は青い瞳でじっと見つめる。
 確かに相手は強敵だ。だが元々この作戦を考案した猟書家、チーフメイド・アレキサンドライトよりはずっと戦いやすい。
「SSWとかでも思ったけど、クリスタリアンの猟書家って能力とかどうにも戦いにくいんだよな」
 今度の相手はそれよりは楽だといいんだけど。そんなことを考えつつ、瑞樹は静かに呼吸を整える。
 青い瞳は金色に、身体には月読尊の分霊を降ろし――転じるのは真の姿だ。
「猟兵特有の能力でしょうか。油断はしませんが……あなたのことも、きちんと燃やさせていただきます」
「燃え尽きるのはそっちの方だよ……この力はあまり使いたくないからな、手短に行かせてもらう」
 姫が赤く輝く杖を握るなら、瑞樹が握るのは『胡』と刀に形を変えた『黒鵺』の二刀流だ。
 瑞樹と姫は互いに睨み合い――緊張が最高潮に達した瞬間、先に動いたのは姫の方だった。

「来たれ、地獄を走る赤(コール・ザ・インフェルノ)」
 短く唱えられた呪文と共に、瑞樹の周囲の地面が割れる。
 そこからは凄まじい勢いで火柱が噴き上がり、どろりとした溶岩も流れ出しているようだ。
 火柱は刀で切り払い、溶岩は身軽に動いて回避しつつ、瑞樹は森を覆う煙の中へと身体を隠す。
 相手の攻撃は強力だが大雑把な面もあるようだ。それなら気配を殺して立ち回った方がいい。
 咳き込まないようにだけ注意しつつ、瑞樹は少しずつ敵との距離を詰める。
「逃げ回っていても、いずれは捕まるだけですよ?」
 紅炎の姫も瑞樹が隠れていることは百も承知のようだ。彼女はどんどん炎の魔術を展開し、手当たり次第に攻撃を続けている。
 けれど、派手な攻撃をすればする程――瑞樹の気配はより希薄になっていき、代わりに距離はどんどん縮まっていく。
 身体を掠める炎は月の加護が守ってくれる。決して火の手を恐れる必要はない。
「……燃え尽きるのはそっちだって、言ったからな」
 あっという間に距離を詰めきって、瑞樹が放ったのは二刀による鋭い斬撃だ。
 不意を打たれた紅炎の姫の身体は大きく吹き飛び、彼女の纏う鮮やかなドレスに別の赤色が滲み出ていた。

 ああ、やっぱり戦いやすい相手でよかったな。
 刀についた血を振るいつつ、少しだけそんなことを思う瑞樹だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紬雁・紅葉
成程、紅蓮と言う…
では散らして差し上げます♪

羅刹紋を顕わに戦笑み
先制UC発動

火と風の魔力を防御力
風と水の魔力を攻撃力
に付与

九曜、鳳翔を適宜使い分け

残像忍び足で正面からゆるゆると接敵
足場習熟悪路走破で溶岩も些事

射程に入り次第破魔水風属性衝撃波UCを以て回数に任せ範囲を薙ぎ払う

敵の攻撃は躱せるか見切り
躱せるなら残像などで躱し
さもなくば破魔衝撃波オーラ防御武器受けUC等で防ぐ

火は燃えない…!

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

森は業火を許さず
その矢は貴方の足を止める
(エルフの援護射撃)

詰め寄り総力を溜めて渾身のとどめ

その火、御鎮めします
去り罷りませ!


※アドリブ、緊急連携、とっさの絡み、大歓迎です※




 より強まった炎の気配を感じつつ、紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)は紅炎の姫の姿を見た。
「成程、紅蓮と言う……では散らして差し上げます♪」
 先の戦闘よりも強く、身体に宿す羅刹紋を輝かせつつ紅葉は笑う。
 彼女に宿る羅刹としての気風が戦いに胸を踊らせて、力を与えてくれているのだ。
「壱の式……来たれ」
 短く呪文を詠唱すれば、紅葉の身体には不思議な魔力が宿っていく。
 火と風の力は守りに、風と水は攻撃に。ルーンソード『九曜』と破魔重弓『鳳翔』もしっかり携えて、紅葉は改めて姫の方を見た。

「散るのはあなたの方ですよ――降り注げ神罰の火矢!」
 紅炎の姫も負けじと杖を掲げ、魔術を行使しだしたようだ。
 その発動と同時に姫の頭上に現れたのは、巨大な炎の塊だ。そこから無数の火の雨が降り注ぎ、全てを焼き尽くさんと迫りくる。
 紅葉はすかさず鳳翔を構え、迫る火の雨を睨む。
「エルフの皆様も、共にあの火を撃ち落として下さい!」
「ああ、分かった!」
 呼応するようにエルフ達も弓を構え、次々に矢の射撃で炎の雨に立ち向かい始めた。
 危険が及びそうな仲間の前には紅葉が駆け寄り、己の術式で彼らを庇っていく。
「火は燃えない……!」
 壱式で宿した火の力で迫る攻撃を相殺し、そのまま紅葉は前進しだす。
 足取りはゆっくりと、けれど着実に。戦巫女として得てきた技術と羅刹の本能が、彼女の進む道を教えてくれている。

「森は業火を許さず、その矢は貴方の足を止める」
 歩みを続ける紅葉の後ろからは、エルフ達が弓を放ち続けてくれていた。
 矢は紅葉に降りかかる炎を撃ち落とし、そして切り拓かれた道は彼女がしっかりと進んで。
 思うように魔術の成果があげられず、紅炎の姫の顔には焦りの表情も浮かんできていた。
「そんな、私の炎が……!」
「悪しき炎では何も為せません。あなたの魔術も嘗ては人々を救っていたのでしょう。ですが今は……」
 目の前の魔術士は既に『過去』へと変わってしまっている。
 彼女を止めてやるのも――きっと自分の努めだろうから。
「その火、御鎮めします。去り罷りませ!」
 紅葉は一気に姫との距離を詰めると、九曜を強く握りしめる。
 刃には風と水の力を宿し、そして一閃――的確に振るわれた薙ぎ払いは、周囲の炎ごと敵の身体を切り裂いていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジャスパー・ドゥルジー
手にした二丁拳銃が燃える
全身や血を超高熱に変える【ゲヘナの紅】の力だ
言ったろ、スマートさが足りねェんだよ
炎を放ち女にぶつける

俺自身も炎使いだから多少森の木々を巻きこんじまうかもしれねェが
エルフたちに聖なる樹の方角を聞いておいて
そっちにだけは攻撃を向けねえし奴の炎も通さねえようにする
万一の時は身を挺して【かばう】ぜ

熔岩で動きを封じられたら
それさえ超える高熱で弾き飛ばしてやる
あんたの地獄ってやつは随分生温いな
傷を受けて更に勢いを増した炎の身体で殴り掛かる

可能な限り木を巻き込まねえようにはしつつ
それよりもさっさとこいつを斃しちまう方が被害は抑えられそうだな
手早くいくぜ




 先の戦いで作り上げた二丁拳銃を、ぎゅっと握ればそれは怒りの炎に変わる。
 燃え盛る『ゲヘナの紅』を手に取りながら、ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)は紅炎の姫を睨んだ。
 その表情はエルフや精霊達に向けていたものとは違い、どこか嫌悪感を滲ませていた。
「言ったろ、スマートさが足りねェんだよ」
「私は思うままに魔術を使っているだけです。全部燃やすのならば、スマートさは必要ないでしょう?」
 似たような能力を扱う者同士でも、二人の考えは平行線。決して交わることがないのなら――。
「あァ、あんたの考えは分かったよ……じゃあ燃えちまいな」

 ジャスパーは事前にエルフ達と話し、聖なる樹の方角だけは教えてもらっていた。
 腹の傷だけは心配されたが、それは笑って誤魔化して。それより大事な約束を彼らと共に交わしていた。
「(俺も炎使いだからな。多少は木々を巻きこんじまうかもしれねェが……あっちにだけは絶対通さねぇ)」
 交わした約束はただ一つ。
 聖なる樹の元までは絶対に炎を届かせないこと。
 その約束を守るように、ジャスパーは注意深く自分の立ち位置を確認していた。
 炎が放たれても構わない方角に位置を取りつつ、まず窺うのは相手の出方。
「――来たれ地獄を走る赤!」
 魔術士がジャスパーへ向けて杖を振るえば、彼の周囲からは強烈な火柱が噴き上がる。
 その炎を軽く身体で受け止めつつ、ジャスパーは獰猛な笑みを浮かべていた。
「あんたの地獄ってやつは随分生温いな」
「……何ですって?」
 言葉が交わされた直後、ばちんと何かが弾ける音が森に響く。
 ジャスパーの身体から溢れたゲヘナの紅が、火柱をあっさりと弾き飛ばしたのだ。
 魔術士の放つ炎より、ジャスパーの身体に流れる血潮の方がよっぽど熱い。
 そして何より――炎に籠める想いが違うのだ。

 しかし、ここまでの戦いにおいてジャスパーは全くの無傷だったという訳ではない。
 魔術士の放つ炎は彼の身体を掠め、所々に火傷の痕を残していた。
 けれどこの傷には利用価値もある。傷口から更に強く炎を吹き出し、ジャスパーは力強く前へと踏み出し始めた。
「あんたと長々喧嘩してても、被害が広がるだけだからな。手早くいくぜ」
 踏み込みと同時に振りかぶるのは、炎を纏った拳だ。
 その打撃は魔術士の胴体に直撃し、彼女の身体を大きく吹き飛ばす。それだけでなく、燃える炎は魔術士の身も焦がしているようだ。
「欲しいもんがあるなら、もうちょっと真っ直ぐに行けばいいだろ? まどろっこいしいことするから負けるんだぜ」
 倒れ伏す女の姿を見遣りつつ、ジャスパーはいつもの彼らしい笑みを浮かべていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

乱獅子・梓
【不死蝶】
かつては勇者一行として活躍していたお姫様も
オブリビオンとなった今は放火犯か…哀れな顛末だな

地面から噴き出す火柱と溶岩対策に
相棒竜の焔を成竜へと変身させ、その背に乗り飛行
綾、お前も乗りな

綾がナイフで敵の気を引いてくれている間に
使い魔の颯の背に仔竜の零を乗せ
敵のもとへ向けて颯を飛び立たせる
高速で飛翔し木々の間を掻い潜り
迂回して目立たないように敵へと接近
射程範囲に入れたら…今だ、零!
零のブレス攻撃をお見舞いし、UC発動
縛り上げて動きもユーベルコードも封じる
そうなればうざったい火柱も消えるだろう

あとはもう真正面から叩きのめすのみだ
行くぞ、綾!焔!
焔に乗ったまま敵へと接近し、総攻撃を仕掛ける


灰神楽・綾
【不死蝶】
どんな悪どいオブリビオンが待っているのかと思ったら
戦いよりも舞踏会で踊る姿の方が似合いそうな女性だね
それじゃあお相手願いましょうか、お姫様

溶岩を踏まないよう梓と一緒に焔の背に乗る
ふむ、あの火柱と溶岩は厄介だね
迂闊に近寄ることも出来ない
まぁ、それなら近寄らずに攻撃すればいいのさ
UC発動し、ナイフに「火」を透過する性質を与える
これで火の壁なんて無いも同然
真っ直ぐに敵へ狙いを定め次々とナイフを投げる
普通に投げる以外にも念動力によって
足元や頭上などあらゆる方向から攻撃を仕掛けて翻弄
きっとナイフの対処に意識が持っていかれることだろう
近付いてくる可愛らしい影にいつ気付けるかな?




「どんな悪どいオブリビオンが待っているのかと思ったら、戦いよりも舞踏会で踊る姿の方が似合いそうな女性だね」
 改めて敵の大将・紅炎の姫の姿を見遣り、灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)の口から出たのはごく普通の雑談のような軽口で。
 けれど彼の横では乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)が険しい表情を浮かべていた。
「かつては勇者一行として活躍していたお姫様も、オブリビオンとなった今は放火犯か……」
 哀れな顛末だな、と梓が呟けば、綾はこくりと頷きを返す。
 目の前にいる存在が他者を害す者へとなっているのならば、せめて眠らせてあげるのが道理だろう。
「それじゃあお相手願いましょうか、お姫様」
「俺達であんたを止めさせてもらう」
 紅炎の姫も猟兵達が臨戦態勢を取ったのを確認し、手にした杖を前へと掲げた。
「いいでしょう。貴方達も纏めて燃やしてあげます――来たれ地獄を走る赤!!」
 詠唱と共に、綾と梓を囲むように魔力が奔り地面が割れる。そこから噴き上がる炎の熱を感じながら、猟兵達は確りと頷きあった。

「ふむ、あの火柱と溶岩は厄介だね。迂闊に近寄ることも出来ないよ」
「まずは動けるようにならないとな……焔、頼んだ」
 綾の言葉を受け、梓は仔ドラゴンの『焔』を呼び寄せると、自らの力を分け与えた。
 するとあっという間に焔は成竜へと変わり、大きな翼をはためかせる。
「焔なら火柱も溶岩も避けられるはずだ。綾、お前も乗りな」
「それじゃあお言葉に甘えて」
 猟兵達は成竜の背に飛び乗ると、その翼を頼りに森を進んでいく。
 敵の魔術は強力だが、それでも打開策はあるはずだ。
「お姫様の気は俺が引くよ。梓にも一仕事頼んでいいかな?」
「勿論。俺と相棒達なら上手く仕掛けてみせるさ」
 綾がコートの中から何本も小型ナイフ『Jack』を取り出せば、梓も自分の側に氷竜『零』と闇烏『颯』を呼び寄せる。
 颯は零をその背に乗せると、森を燃やす黒煙に紛れるように飛び出していった。

 そのまま綾はナイフを構え、立ち上る炎の先をじっと睨む。
「火柱が厄介で接近も難しいなら、近寄らずに攻撃すればいいのさ――何処にいても、君を捕まえる」
 言葉の終わりと同時に、ナイフの雨が森の中を踊り始めた。
 あるものは真っ直ぐに、あるものは念動力と合わせて自由自在に。
 その刃は決して火柱や溶岩に動きを阻害されず、綾の思うままに姫の元へと迫っていった。
「……どういうことなのでしょう?」
 姫も咄嗟に杖でナイフを数本振り払ったようだが、予想外の攻撃に戸惑っているようだ。
 振り切れなかった刃は少しずつ彼女の身体や衣装に傷をつけ、炎とは違う赤を流していく。
「簡単なことだよ。俺はナイフに『火』を透過する性質を与えたんだ。お前は炎専門の魔術士のようだし……効果は覿面、だろう?」
 ナイフに施した能力はシンプルだが、だからこそこの場においては最大限の効果を発揮する。
 姫が必死にナイフと踊っているのを見遣り――綾はサングラスの下で笑みを浮かべた。
「一生懸命みたいだけれど……近付いてくる可愛らしい影にいつ気付けるかな?」
 綾が小さく言葉を零せば、戦闘の音に紛れるように何かが羽ばたく音が響いた。

「……今だ、零! 氷の鎖に囚えろ!!」
 突如、梓が叫ぶ。その声に応えるように、木々の合間から飛び出したのは颯と零だ。
 颯が弾丸のように空と突き抜け、その背から滑るように跳び上がった零は真っ直ぐに敵の元へと向かう。
 そのまま大きく口を開き、吐き出されるのは絶対零度の氷の息吹だ。
 冬の訪れのような息吹は噴き上がる炎も、魔術士の姫も纏めて氷の中へと閉じ込めていく。
「奇襲ですって……!?」
「ナイフに夢中で気が付かなかったな? ここからは俺達の番だ!」
 動きを止めた姫に向かい、猟兵達を背に乗せた炎竜も一気に距離を詰める。
「行くぞ、綾! 焔!」
「任せて、梓。俺が合わせるなら、やっぱり梓が一番だよ」
 猟兵達と彼らに従う相棒達は呼吸を合わせ、それぞれの力を全力で発揮しだした。
 梓の魔力に応えるように焔と零はブレスを吐き、その勢いを増すように颯が大きく風を生み出す。
 その合間を縫うように、縦横無尽に飛び交うのは綾のナイフだ。踊るような斬撃は姫を切り裂き、彼女の注意を引きつけ続ける。
 猟兵達の力が合わさった攻撃は着実に敵を逃さず、そして悪しき力を削いでいくだろう。
「悲しい英雄譚はもう終わりだ」
「あとはゆっくり眠るといい。さよなら、お姫様」
 別れの挨拶と共に、放たれるのは全力の息吹とナイフの嵐。
 それが過ぎ去る頃には――過去に囚われた魔術士の身体には、数え切れない傷が刻まれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
あんたの見つけた石はおれの力になってくれたよ

今も感謝している

あんたはもう解らないだろうけどな

だから…あんたに挑むのはきっと…炎なんだ

エルフ達に
頼む…炎が燃え広がらないよう水の結界を張ってくれ

【属性攻撃】
炎を全身に付与
彼女の炎に対抗し軽減もかねて
【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け】
木々を飛び回り彼女の攻撃の回避に努め
避け切れない時は盾で受け止め致命を避け

【戦闘知識・二回攻撃・早業・串刺し】
動きを見据えその癖を把握
剣と太刀による連続斬撃から紅龍槍による串刺し

UC発動
炎の竜は収束させ突撃させる

おれはあんたに憧れてた!
だからこそあんたを間違えた道から引き戻す!

本当のあんたはこんな事絶対に望んでない




 猟兵達との戦いで紅炎の姫も大きく傷ついてはいるが、彼女も諦める様子を見せない。
 そんな姿に少しだけ目を伏せて、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は小さく唇を開いた。
「あんたの見つけた石はおれの力になってくれたよ、今も感謝している」
 目の前の魔術士が勇者の一行として世界を救おうとしていたことも、彼女達が為した功績も。
 それはもう過去のことで、きっとオブリビオンになった彼女には分からないことだろう。
「だから……あんたに挑むのはきっと……炎なんだ」
 決意と共に、テラは確りと顔をあげる。
 後ろで不安がるエルフ達の方にも少しだけ振り返れば、彼らも頷くのが見えた。
「森はあんた達が守ってくれ。氷の魔術結界とか……そういうの、頼むよ」
「分かったよ。そちらは任せた!」
 エルフ達が駆け出したのを確認し、テラは改めて紅炎の姫を見つめる。
「おれの全力の炎、あんたにぶつけるぜ」
「ならばこちらも全力で応えましょう――来たれ地獄を走る赤!」
 姫が杖を掲げれば、周囲の地面から音が響き……次の瞬間、炎の柱が森を覆い尽くした。

 テラも己の炎を全身に纏わせ、その勢いで地面を蹴る。
 木々を燃やす炎だって、自分の力なら打ち消せる。そう信じて木々を足場に飛び交いながら、テラは一直線に敵の元を目指した。
「このくらいなら……負けない!」
 行く手を塞ぐ火柱は星刃剣『グランディア』と『錆鞘之太刀』で切り払い、決して身体を動かすのは止めない。
 森を進めば進むほど、テラの纏う炎はより強く輝きを増していく。
「おれはあんたに憧れてた! だからこそあんたを間違えた道から引き戻す!」
「私の……道?」
 不意に、紅炎の姫の顔に戸惑いの色が浮かんだ。
 けれどすぐに顔を振りかぶり、彼女は再び杖を握る。
「いいえ、全てを燃やすことが私の役目。その邪魔はさせません!」
「……本当のあんたはこんな事絶対に望んでない。おれはあんたがどんなことを望んでたのか、知ってるから!」
 紅炎の姫が冒険者だった頃、彼女が願っていたのは自分の炎で誰かを救うことだったはず。
 だからこそ、彼女の願いを受け継いで、間違った未来を止めて見せなければ。
 その意志を示すように、テラは紅龍槍『廣利王』を確りと構える。
「母なる大地よ、闇夜を照らす炎よ……赤き龍神の怒りに応え、我が前の敵を焼き尽くせっ!!」
 叫びと共に放たれた槍は炎の竜へと姿を変え、流星のような勢いで紅炎の姫の元へと向かう。
 彼女の放つ火柱や溶岩すらも突き抜けて――炎はただ、過去に囚われた魔術士を焼き尽くしていった。

「……憧れてる気持ちは変わらないよ」
 炎が消えゆく瞬間、テラは目元を擦って小さく呟く。
 その言葉は煙と共に、空へと上っていった。


 こうして全ての炎は消え去り、森に平和が戻ってきた。
 被害は最小限に抑えられたため、再興もきっと手早く行われるだろう。
 エルフ達も大いに喜び、猟兵達へと口々に感謝を述べてきていた。
「どうなるかと思ったよ、本当にありがとう」
「『聖なる樹』の力が必要になれば、いつでも言って下さいね。必ず力になると約束しましょう」
 一体『聖なる樹』にはどんな力が宿っているのだろう。
 そのことはまだ分からないが、いつか役に立つ時が来るかもしれない。
 そして何より――ひとつの集落が無事に救われたことは、きっと世界にとっても希望になったはずだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月24日


挿絵イラスト