●ヴァルギリオスに次ぐ者
「諸君よくぞ集まってきてくれたさあこれからグリモアの予知を語るとしよう君たちには今から――おっほん」
グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは唐突に区切りも入れずに、妙に早口で語り出した。
とはいえ語りを続けるのに疲れたか、途中で止めると彼女は息継ぎを行い。
「流石にノンブレスはきついものがあるね。ゆっくり語るから安心したまえ」
冗談めかして語る彼女に怪訝な視線を送る猟兵を後目に、スフィーエは誤魔化すようにコートを翻して見せた。
「さぁ語ろうか! 舞台はバライエティ豊かな、懐深き戦争真っ只中の大海グリードオーシャン! 君達にはオブリビオン・フォーミュラの分身体を倒しに行って貰いたい」
グリードオーシャンはオブリビオン・フォーミュラ、カルロス・グリードは様々な世界の力を手にした分身体が存在する。
その内の一つ、【五の王笏】はアックス&ウィザーズの強大なオブリビオンの力を纏っているのだという。それは……。
「纏っている力は、あの帝竜……しかもヴァルギリオスに次ぐと言われている、【ベルセルクドラゴン】の力だ」
勝利を掴んだとはいえ、フォーミュラに次ぐ力を持った存在――その圧倒的な戦闘力だけに留まらず、瞬間思考能力も備えているのだという。
グリモアが映し出すカルロスの、かの竜を思わせる鎧を纏った姿を見せながら、恐ろしい存在だと彼女は語る。
「例によって例の如く、やはり先制攻撃を行ってくる」
力に秀でた者には、鎧から凶暴化させるブレスを放ち、ルールを強制してくる――簡単に守れるルールであればあるほど強力な痛みを与えるそれだが、凶暴化させられては堪えるのも難しくなるだろう。
敏捷に優れた者には、身体強化、それもドラゴンに変身すればより速く動き強力な攻撃を叩き込んでくる力で。
魔力に突出した者には、自身や竜に敵意を向けた対象……実質的に相対する敵へと、負傷の分だけ力を増すオーラで攻撃してくる。
「単純ではあるが、それ故に強力で覆しにくい。これもベルセルクとの戦いで語ったが……同じことだね」
とはいえフォーミュラの幹部格である以上、前提となる行為だともスフィーエは語る。
「あと気を付けて欲しいのは、彼は白骨化した古竜(スケルトン・エルダー・ドラゴン)を大量に従えている」
そう言って彼女はグリモアで新たに、恐るべき竜の白骨化した姿を映す。
ブレスや魔術などの特別な力は持たず、爪牙や尾などで直接的に攻撃してくるだけの存在だが、カルロスに従っている。
「兎に角、数だけは大量で命令に忠実だ。そっちへの対処も求められるだろう」
単純に物量を活かしての壁にされれば、折角攻撃を凌ぎ反撃に映ったとしても無力化されてしまいだろうし、量を活かして封じ込められるのも厄介だ。
ベルセルクドラゴンの瞬間思考も手にしている以上、ユーベルコードとの併用も余裕で瞬時の用兵を行ってくるだろう。
よりよく戦うならば、そちらへの対処も同時に必要になるとスフィーエは語った。
「無事に勝利を収められれば、この支配下の島が一つ解放される」
解放されるのは元ダークセイヴァーらしき【テュ・ル・ベーク島】らしい。
映し出した島の退廃的な様を示しながら、一通りの語りを終えたスフィーエはアイスココアで喉を湿らすと、一呼吸を置いてから。
「戦争も折り返しの地点だが、ここからまた大いに盛り上がる時だ。我々の力、大いに示してやってくれたまえ」
穏やかに笑う彼女は、グリモアの輝きで以て狂える竜を纏った王の住まう島への門を開くのだった。
裏山薬草
どうも、裏山薬草です。
あの骨がホワイトチョコになってて、発掘も楽しめるあのチョコレートって美味しいですよね。
私はまだ発掘成功したことがありません。途中でボキっといきますね。
さて今回もカルロス・グリードとの戦いをお送りします。
オブリビオン・フォーミュラ分身体アックス&ウィザーズverですね。
敵は指定ユーベルコードと同じ属性のユーベルコードで先制攻撃を行ってくる上に、大量の白骨化した古竜を従えてきます。
なので先制攻撃への対応と、大量の白骨化した古竜への対応があればボーナスとなります。
どちらか一方だけではボーナスにならないのでご注意を。
プレイングの受付状況に関しては、タグにてお知らせします。
それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
裏山薬草でした。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『五の王笏』カルロス・グリード』
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POW : アリエント・ドラゴーン
【鎧から放射される凶暴化ブレス】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : エスパーダ・ドラゴーン
【鎧の身体強化】による素早い一撃を放つ。また、【肉体をドラゴン化する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : イーラ・ドラゴーン
【自身または竜に対する敵意】を向けた対象に、【負傷の分だけ威力を増す狂える竜のオーラ】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
霧沢・仁美
ベルセルクドラゴン程の癖は無い相手だけど、それだけに余計に脅威は高い感じ、かも。
でも、負けられないよね…!
群がる白骨古龍は、サイキック・バスター・ウェーブと【衝撃波】での【範囲攻撃】で吹き飛ばしていく。
この間、カルロスには出来るだけダメージを与えないように注意するけど、相手も多分自分からダメージを受けに来ると思う。
だから早めに念動砕刃を発動。ワイヤーロープに高周波振動刃を装着。
それに先んじて放たれたオーラは、こっちも【オーラ防御】で受け、できる限りの減衰を試みる。
凌いだらワイヤーロープを【投擲】、【念動力】も併用して振動刃を突き刺して一気にダメージを与えるよ。
●古代猛壮凶
王笏を手に掲げ、数多の恐るべき竜――尤も白骨化し、爪牙を振るうことしか許されぬ身だが――を従える姿の恐ろしきか。
骨と化した身なれど、力強き足取りは生前の肉付きを想起さす古竜を前に、少女は息を一つ整えた。
(ベルセルクドラゴン程の癖は無い相手だけど……それだけに余計に脅威は高い感じ、かも)
少女こと霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)は、かの竜の力を纏ったカルロスの気配を察する。
「でも、負けられないよね……!」
戦う決意を固めると、両掌をそれぞれ突き出し、まるで殺到する存在を制するように。
それでいて、解き放たれたものは思念の力を破壊の力と変えた、純粋な衝撃波の圧だった。
それは津波の如く聳え立ち、殺到する白骨竜をそのまま押し返す――衝撃の圧が脆き骨の身体を文字通りの粉骨砕身としていきながら。
仁美は白骨竜を率いて悠然と立つ王笏の持ち主に警戒を崩さず、思念波の大波を制御し、王笏の持ち主カルロスへと当てぬよう、巧みに白骨竜だけを遠ざけ、打ち砕いていくが。
「成程。余計な傷を与えないように考えるか」
「……!」
カルロスの皮肉めいた笑みに僅かに仁美は目を見開いた。
纏う狂竜の力による瞬間思考は彼女の目論見をすぐに看破すると――放たれる波と、砕け散る骨の欠片の吹き付ける中に、カルロスは自ら身を投げ込ませた。
「だが無意味だ」
「ッ……!」
通常ならば自殺行為――というほど致命的ではないかもしれないが、態々敵の攻撃を喰らいにいくのは理に外れている。
しかし例外はある。それは自らが攻撃を受けるか、或いは。
「それとお前は大した傷をつけなければ、と思っているようだが……別に無くても問題はない」
損傷を蓄積してより威力を高める技を持つから――放たれた莫大なオーラを、咄嗟に仁美は身体の内から放った同じオーラを以てその勢いを和らげるも、地力の差は圧倒的か。されど。
「そう、かも……でも! これならどうかな!?」
敵の攻めに転じた姿は、得てしてこちらの攻め時に他ならず。
仁美の振るった鋼線が真っ直ぐに、細く、それ故に鋭く大気を斬り裂きながらカルロスの身体へと勢いよく飛翔する。
強かに突き立てられたワイヤーロープには、既に仁美がつけられた振動刃が誂えられ、高周波の刃が頑強な狂竜の鎧を、例え間に白骨竜を挟まれようと思念に激しく震える刃は、削る音も激しく骨の壁も、竜の装甲も貫き――
「グ、ハァアッ……!」
戦の初手として、その楔は確かにカルロスの身へと突き立てられるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リーヴァルディ・カーライル
…予兆で視たあの早口って瞬間思考力だったのね
…ではカルロス・グリードも鎧を纏っている間は早口だったり…
…普通だわ
今までの戦闘知識から骨竜達の空中戦機動を見切り、
早業の銃撃で骨竜達を乱れ撃ちして撃破していく
第六感が敵の微かな殺気や闘争心を捉えたら、
"怪力の呪詛"に限界突破した魔力を溜め、
狂竜のオーラを防御し気合いで受け流して闇に紛れUC発動
…っ。今のオーラ、竜に敵意を向けた者に反応するのね
…ならば、お前が竜に敵意を抱けばどうなる?
骨竜達の魂を浄化して融合した"闇の精霊古竜"を召喚
生命力を吸収する闇のブレスを放ち敵陣をなぎ払うわ
…今まで散々、亡骸を操られていたもの
お前への怨みは骨髄にまで及んでいる
●死者に鞭打つ者へ
振るわれる爪も、牙も、尾も――その全ては、今まで潜り抜けてきた戦の経験の前では、見切るに容易い。
リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は次々と殺到する竜の攻撃を見切っては躱しながら、大口径二連装のマスケット銃より銃弾を解き放った。
幾度となく弾丸を直接転送し、乱れ撃つそれが派手に白骨を打ち砕きながら、彼女の目はカルロスに向く。
(……あれって瞬間思考の早口だったのね。ということは……)
もしかすると、カルロスもあの鎧を纏っている間は、かの竜と同じように早口で長い言葉を捲し立てるのだろうか――ふと思い浮かんだ疑念のまま、引鉄を弾けば骨の頭部が砕けていく。
嗾けられた白骨竜を着実に処理していくリーヴァルディの視線に気が付いたか、カルロスは一つ頷くと。
――その瞬間、狂えるぐらいに膨れ上がった殺気が、形容しがたい感覚を以てリーヴァルディの肌をざわつかせた。
「十分に敵対したと見える。では、直々に手を下そう」
「……普通だわ」
早口でも無ければ息継ぎ無しで多くを語らない――飽く迄、力を纏っているだけでベースは変わらないといったところか。
発せられた言葉に拍子抜けしながらも、戦に油断はなく、彼女は限界を超えた魔力を溜め、身体を板金鎧の如く覆い――解き放たれた、狂竜のオーラを受け止める。
「……限定解放」
流石に重く響く、凄まじい衝撃が彼女を襲うも、気合でそれを逸らしながらリーヴァルディは闇へと紛れると。
「……っ、今のオーラ。敵意を向けた者に反応するのよね?」
「戦に於いて我に、そしてこの竜共に向けられぬ敵意も無し」
その問いにすぐ様に、瞬間思考を使うまでもなく返される回答。
確かに正論だが――しかしそれ故にリーヴァルディにとっては都合が良い。彼女は続けてカルロスに問うた。
「……なら、お前が竜に敵意を向けたらどうなる?」
――その問いに瞬間思考を使うその前に、現れた悍ましき力は。
「これは傷付いた魂に捧げる鎮魂の歌。最果てに響け、血の煉獄……!」
戦場に数多に転がった骨の竜を浄化し、作り上げられた闇の精霊古竜――伏した筈の竜の魂を束ね、精霊として再構成されたそれは今、確かにカルロスへと敵意を向けていた。
「……今まで散々、亡骸を操られていたもの。お前への怨みは“骨の髄”にまで及んでいる」
――骨身に染みろと、解き放たれた闇色の吐息は。
狂いそうなほどに命を弄び続けた王の生命を奪い去り、削り苦痛の声を挙げさせていった。
大成功
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ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
F
あの早口ドラゴンの力に、大量の白骨ドラゴンねえ。
まあ、何とかしてみようか。
さて、白骨ドラゴンの方だけど、魔術無しで翼も白骨化してたら空は飛べないよね。
爪や牙が届かない高さを飛べばカルロスに近付くまでは無視できるかな。
狂暴化ブレスは古竜の戦斧を振って、衝撃波で散らせることで直撃するのを防ぐよ。
多少の余波なら、精神を落ち着かせていればそこまで影響は出ないと思う。
ルールは多分「空を飛ぶな」かな。
宣告されたら地面に降りて【縛索豪振】を使って、
近くの白骨ドラゴンを出糸突起から糸伸ばして捕まえて、
振り回してドラゴンとカルロスをまとめてなぎ払うよ。
小賢しく兵を用意するなんて、あの竜の戦い方じゃあ無いねえ。
●やはり彼は違うものか
「あの早口ドラゴンの力に、大量の白骨ドラゴンねえ」
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)は、カルロス・グリードの纏う鎧と、その元となった狂える竜、そしてその周囲に侍る白骨竜を目に映しつつ、己の取れる手段を見つめていた。
「まあ、何とかしてみようか」
――その術を全く思いつかないまま、挑むほど愚かではないのだから。
「よっと」
その身に数多に備わった合成幻獣(キマイラ)が故の遺伝子から、飛行生物の遺伝子を顕現させ翼を生やし。
彼女は地を蹴り出すと、悠然と空を滑るように戦場を翔け抜けていく――そう、魔術的な力が無ければ、骨のみと化した身の翼で飛べる筈も無し。
空を翔けていくペトニアロトゥシカへと、白骨竜の爪牙が虚しく、鈍い音を立てて打ち合わされる音が響いていった。
「小賢しい真似をしてくれる。……カァァァッ!!」
「おおっ!! ぐっ……!」
飛来するペトニアロトゥシカへ、苛立ちを覚えながらもカルロスは瞬間思考を用いて導き出す――文字通り叩き落せば良いと。
竜の鎧より解き放たれた吐息がペトニアロトゥシカへと向かうが、彼女は咄嗟に翳した大斧で直撃を避ける。
ユーベルコードの力を弱める力があるそれは、全てを防ぎ切ることは叶わずとも、理性の喪失をある程度は抑え。
「宣言する。空を飛ぶな。地をつくばえ」
故に王笏の宣言にも胸を掻き毟り、唸り声を上げつつも答え、彼女は静かに地へと足をつけた。
その様をカルロスは笑うと、周囲に侍る白骨竜に向けて命令を下した。
「謁見の礼を失した痴れ者。殺れ」
「……捕まえたよ」
「何……?」
白骨竜が一斉に、爪牙を打ち鳴らしてペトニアロトゥシカを喰らい尽さんとしたその瞬間だった。
彼女へと向かう敵意が一纏めに絡め取られていた。
粘着質な糸の、ペトニアロトゥシカの手首から放たれていたそれが、骨の竜の身体を掴み上げ、それを一束に纏めると。
「小賢しく兵を用意するなんて、あの竜の戦い方じゃあ無いねえ」
かの竜は自らの単身で、単純が故の恐ろしさをありありと教えつけていたのだから――纏め上げた骨の竜を、巨大な質量攻撃とするように。
薙ぎ払うように振るわれた、骨竜を束ねた蜘蛛糸の一撃が新たにやってきた骨竜を容易く打ち砕き、その先に控えるカルロスの身を強かに打ち据える。
その時響いた音は、骨竜同士が砕ける音だけでなく、カルロス自身の骨が罅入っていく音も含まれていたという――!
大成功
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黒鵺・瑞樹
アドリブ連携OK
右手に胡、左手に黒鵺の二刀流
白骨古竜は伽羅の雷撃、陸奥の旋風、俺の飛刀の投擲で攻撃。
動きの起点となる関節あたりを部位狙いで破壊する。いきなり射程が短くなれば当たりにくくなるだろうし。
そうしてカルロスへの道を作る。
先制攻撃には見切りからの回避一択。
カルロスが見えたら纏まって移動していたのを一気に散開、俺を狙ってくるだろうけど、一気にばらける事で一時的に気が散ればさらに回避の可能性が上がるし、さらに残像を残す事で距離感も狂わせる。
回避しきれなくとも本体での武器受けで受け流し、激痛耐性でしのぐ。
攻撃をしのいだらUC菊花で攻撃。代償は寿命。
さらに伽羅の雷撃と陸奥の旋風の同時攻撃を。
●風雷豪
王の下に率いられ、骨であっても尚、重厚な威容を発する恐るべき竜の軍勢は実に恐ろしきものがある。
元よりジョリー・ロジャーの死の象徴であるが、骸骨の死の匂い色濃き様に、ヤドリガミは本体の大振りなるナイフを左に、右手には旧月山派の刀工が作の太刀を一つ構え、傍らに竜虎を従えていた。
「これは……抜けるのもまた“骨”だな」
黒鵺・瑞樹(界渡・f17491)が呟いても尚、その進軍は止まらず、先陣を切るかのように竜が吠えれば、雷が駆け巡り、虎が吠えたことで生じた旋風が雷を運ぶ。
続け、空を斬り裂くように飛ぶ鋭い刃が、薄紙を隙間に入れるように、骨の関節へと吸い込まれ、その結合を解いていく。
風と雷、そして飛刀が白骨竜の関節を打ち壊し、射程を狂わせながら、瑞樹は順当にカルロスへと距離を詰めていき――そして。
「来るか……!」
とても視覚だけで捉えきれるものでない、その勢いだけで明らかに危険と分かる、高速の突撃の気配を感じ、神経を削りながらもあらゆる感覚を駆使し――次の瞬間、刀とナイフを交錯させ、カルロスの爪を受け止める。
されど盛大に響く金属音と、骨すらも軋ませるような激痛を呼吸で吐き出し、カルロスの攻撃を瑞樹は堪える。
「ばらけるのは悪手ではない。尤も、後で倒すことに変りはないが」
「だから厄介なんだがな」
精霊二つと自身、三方に分かれ、尚且つ己の影を置き去りにしてターゲッティングをある程度逸らしても、それでも即座に軌道修正を行い仕掛けてくる。
尤もそれが無ければ、得物で受けるタイムラグすら与えられなかったが。
「ッ……!」
そして得物と爪のせめぎ合いを、踏ん張った力で互いに弾き、互いの身を後退させれば。
カルロスはメキメキと嫌な音を立て、その身に竜の色を濃くしていく――恐らくは次はより速く鋭き一撃をかましてくるだろう。
だがその前に――瑞樹は瞳を一瞬強く輝かせる。
この場に味方はいないが、寿命を削ることになろうと惜しくない――本体のナイフより一粒黒き粒子が零れ落ちていくも。
「はっ!!!」
同じ数の斬撃ならば九倍に速く、同じ時ならば九倍の数の斬撃を。
走る刀と黒きナイフの幾つもの連閃が竜と化していく体を食い止めるように刻まれていきながら。
竜虎の齎す雷と旋風もまた、九倍以上に膨れ上がり、その膨大極まりなき圧と衝撃がカルロスの身を駆け巡り、盛大に吹き飛ばしていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
大豪傑・麗刃
古竜は数押しか。ならばわたしも量で対抗しよう。
具体的には分身の術でいこう。
ボスの先制対策もこれで兼ねる。
ボスの先制攻撃は防御しても抜かれてヤヴァそうだ。絶対回避しなきゃなるまい。
我が身を纏うオーラに存在感を与え、戦場をダッシュしながらオーラを残像として軌道上にいくつも残す。さらに動きが単調にならないようダッシュの合間にフェイントをくわえる。
これでボスのブレスの目標、さらに古竜の目をわたし本体からそらさせる。
ユーベルコード解禁後はスーパー変態人2。
わたしが光り輝くと同時に、わたしが残す分身もまた光り輝き存在感を増す。超高速もあってさらに的が捕らえづらいはず。で隙を突いて古竜を避けボス本体を斬る。
●奮起して粉骨砕身させ奮闘する守り
倒せども倒せども終わりの見えない、無限の海はかの妃だけで十分であると思うのではあるが、ある種死を超越したものといえるか。
密を三つも四つも備えているような骨の竜を前に、男は顎に手を当てると。
「ふぅーむ、数で押してくるか。よろしい、ならば私も量で対抗しよう」
頻りに頷く男、大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は一つ腰を落してみると、勢いよく眼を強く見開き――
「フンフンフンフンフンフンフンフンフン!!!」
鼻息も荒く、カサカサと動く麗刃の身体が一斉に増えた――正確に言えば、気合を込めた声と共に、高速移動で残像を生じさせてそう見えているというだけのことだが。
されどただ単純に高速移動で戦場を駆け抜け、骨の竜を抜こうとしている訳ではない。
時折、ゆっくりと歩くような緩慢な動作も織り交ぜ、不規則に目を慣らさせないように、巧みに古竜やカルロスの眼を欺いていく。
「フハハハハ、誰が本体だか分かるまい!!」
駆け抜けて、残されていく影にすらも濃厚な存在感を与え、気配で察知することも難しき、何とも言い難い分身。
狂いの名を冠していても知に優れた証左の、瞬間思考力を駆使し本体を見極めようとしても、その存在感は――言うなれば理解を諦めてしまいたかった。
一刻も早くこの不可思議奇想天外な空気を終わらせたいと、破れかぶれにブレスを解き放ち麗刃を撃ち抜いたカルロスだったが――
「馬鹿め! そいつは本体……と見せかけた分身のようで本体と思わせての、やっぱり分身だ!!」
「そうか。結局分身か……初めてだ。私をコケにしてくれた愚かものは。しつこい。もういい加減終りに……」
どことなく額に青筋を浮かべ、高笑いを浮かべるカルロスが再度ブレスを解き放とうとするが、麗刃は全身から激しく光を放ち。
「だがよくもやってくれたな! わたしは超怒ったのだーーー!!!!!」
「聞けよ人の話!」
「わたしはスーパー変態人2だぁぁあーっ!!」
カルロスの白目を剥いた突っ込みも何のその。
纏う闘気に激しい火花を散らし、髪の毛の逆立ちも通常の二割増し(かもしれない)の姿と変え、より濃厚に存在感を解き放つ――無論、数多に残した分身にですらも。
当然、それに酔い口元を抑えふらついたカルロスに生じた隙を逃がす筈もなく――カルロスが気付いたその時には。
激しい雄叫びを挙げた麗刃が振り抜いた刀が、カルロスの身に深い傷を刻み付け、身体より噴き上がっていく赤き血を、遠い目でカルロスは眺めていた。
大成功
🔵🔵🔵
才堂・紅葉
まったく。単純にクソ強いってのが一番困るのよね
迷彩外套に畳んだ対戦車杭打銃を背負い、蒸気バイクに跨って息を吐く
骨竜共には自動小銃で破砕効果の高い属性攻撃弾をお見舞いし、榴弾を叩き込んで牽制する
カルロスの身体能力とはまともにやり合えない
こう言う場合は野生の勘と皮膚感覚が物を言う
バイクの機動力を活かしたアクロバティックな回避に、「高周波シャベル」によるジャストガードからの受け流し、後は気合だ
一撃かわしたら本領発揮
「ロック解除!」
UCでバイクの各種封印を解くと、悪魔的加速を怪力で押さえ込み、骨竜共を緩衝材に轢き潰しつつ、狂竜の速度域に対抗しよう
狙いは加速度を乗せた“楔”の一撃だ
「穿ちなさい、“楔”」
●ベストアンサーは常にシンプルに
文字通り死を超越し、恐れぬ莫大な数の軍勢。
そして用兵を可能とし自らも戦う思考と、その能力の数々を思い出し、才堂・紅葉(お嬢・f08859)は頭を抱えた。
「まったく。単純にクソ強いってのが一番困るのよね」
それ故に破りがたしというのは、数多の戯曲でもあり得ることであり、実際にその光景を何度も見てきた身だ。
「はぁーあ……、……」
溜息の漏れる音もまた、バイクの原動機の震えに溶け込み、嘆きを慰める者もいない――だが、時は無情にやってくるものだった。
進軍を続けていく白骨竜と、それを率いる王者を目にすると、彼女は杭打を背負う。
殺到する白骨竜の群れへ決意を固めると、紅葉は早速自動小銃の引鉄を引いた。
リズミカルな音を響かせ、放たれていく破砕の弾丸が白骨竜の身体を打ち砕き、着実に壁となっている竜の群れを切り開いていきながら。
「ついでにおまけよっ!」
次いで投げ放たれた榴弾が、敵陣の中央に着弾し――火薬が爆ぜ殺傷力を増す為の破片が飛び交い、白骨竜を打ち崩しては爆風で吹き飛ばしていく。
数の利を切り開くことは出来たが、これは本当に前座に過ぎず――
「っ!!」
肌の震えが感じ取る、激しい殺意。続け襲い掛かってくる風圧――音の如き速度が齎す衝撃が、かの敵の攻撃の気配を感じさせる。
振り下ろされた爪の鋭きを、バイクの前輪を跳ね上げ、ウィリーの上体となって寸での所で躱し。
更に繰り出されたもう片腕の爪の斬撃を、後輪を跳ねさせては躱し、続け様に放たれる貫手を、傾けたバイクの急激な旋回で潜り抜け――
「……ふっ」
「天丼は今はいらないっ……!」
続け振るわれた脚の薙ぎ払いを、取り出したスコップで受け止めながら。
発生する高周波が硬き竜の甲の分子を揺さぶり、削る震えが両者に伝わっていく。
「まだ何も言ってはいないが」
「一の方でもう聞いたもので」
大方面白いという言葉が告げられるのだと、口元の動きから察し。
それを制する紅葉と、その様子に肩を竦めてみせたカルロスの身が、互いに弾かれ地を擦る音も激しく僅かに距離を取らせると。
「ロック解除!」
ここが攻める時と紅葉はバイクのリミッターを解き、スロットルを全開に回し駆け出した。
先のカルロスの動きに勝るとも劣らぬ速度は、壁とさせた白骨竜もそのまま車輪の激しきが削り踏み潰していきながら。
ヒット&アウェイの鉄則に従い、離脱しようとするカルロスへ、大気の分厚い壁も容易くぶち破りながら迫る。迫る。迫って――紅葉は、背負ったそれを取り出し。
「穿ちなさい、“楔”」
戦車すらも紙のように貫く杭打ちは、離脱を試みる王の裁きとなるように強く突き立てられた。
大成功
🔵🔵🔵
シーザー・ゴールドマン
今度は帝竜の力か。優秀なエンターテイナーと評しても良いが、些か独創性に欠けるね。独創性がなくとも未知の世界の力などを使ってくれると個人的には嬉しいのだがね、難しいかな?
敵POWUC先制対策
自身を中心に暴風を巻き起こしブレスを吹き飛ばします。(属性攻撃:風×全力魔法×範囲攻撃)
残滓程度はオド(オーラ防御)でカット。骨竜群も寄せ付けない感じで。
その後、『アーリマンの降臨』を発動。
巻き散らされた破滅の波動により、骨の古竜達を死滅させ、超音速で間合いを詰め、カルロスをオーラセイバーで切り裂きます。
(怪力×鎧砕き)
●破壊の神が如きもの
思い出してみれば何とも着せ替えの上手な王であったか――権威は衣の上から纏うといえど、七変化の言葉通りの面白きことか。
「ふぅ」
赤き衣纏った美丈夫は息を吐き出すと、骨の竜に囲まれ軍勢を率いる王へ、公爵<王と並び得る>の威厳も確かに眼を向けた。
「君は本当に素晴らしいエンターテイナーだ。まさか帝竜の力まで使ってくるとは」
「粋が随分と分かると見える。褒めてつかわす」
柏手を打ちながら尊大に胸を張り笑うシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)の言葉に対し、笑っていない目で笑みの顔を張りつけたカルロスが返す。
王侯貴族めいた皮肉のやり取りを交わし、互いの精神と精神がぶつかり合う中、シーザーは肩を竦め更に返した。
「独創性に欠けるのが頂けない」
シーザーの言葉にカルロスは何も答えず、ただ鎧の顎門を開くと、赤々と悍ましき輝きに満ち溢れた波動を吐き出した。
血の色のように、獣性を煽り立て理性を喪失させる波動を前にしても、シーザーは形の良い鼻を軽く鳴らしてみせて。
すれば、彼の周りに渦巻く大気のうねりが、空間を歪めブレスを引き裂き、容易く散らしていく。
「逆切れかな? まあ独創性など、本当は別に良いのだが」
残る波動の残滓ですらも、彼の理性を削ることを能わぬようにと、一瞬だけ解き放った淡い光の障壁がそれを散らしていき。
やれやれと言った様子でシーザーはカルロスへと言葉を継いでいく。
「折角なら知らない世界を味わわせて貰いたいものだ。それとも難しい注文だったかな?」
続けて襲い掛かってくる白骨竜の爪牙も、纏うオーラが阻み逆に返らせた衝撃が骨を罅入らせ打ち砕いていきながら、シーザーは唇を釣り上げた。
「――さあ、始めようか」
これまでも纏う力は決して弱くはなかった――されど、その言葉を皮切りに、シーザーの纏う奔流は異常なまでに膨れ上がり、カルロスの放ったブレスよりも暴虐の色濃き真紅を輝かす。
破壊の神の名を冠する邪法の力が解き放たれ、撒き散らされる力は、周囲を取り囲み牙を打ち鳴らしていた白骨竜の動きを止め、骨の身を砂と変えていく。
例え神話の存在といえど、絶対的に弱ければ破壊神の力の前には、塵と消えゆくが定め――何とも呆気なき古竜の消滅に目を見開くカルロスへ。
一瞬でシーザーは距離を詰めると、その時既に彼の手には光輝く刃が握られ、それが今にも薙ぎ払われようとしており――そして。
五の王笏が退避の体勢を取り足を強く踏みしめたその時には、振り抜かれた刃がカルロスの身を深く刻み、真紅の流星が横を通り抜けていた。
大成功
🔵🔵🔵
御魂・神治
ニイヤンと戦うとめんどくさい事多いんやなぁ
てか、殆どヨソの力ありきやないかい、流石は元植民地帝国の皇帝や
褒めてへんでな
古竜は爆龍符に【浄化】の力を持たせた聖なる【爆撃】で【除霊】
ワイは除霊師やさかい、こういうのは何時もの事や
死角から襲ってくる個体もおるやろ、ついでにニイヤンも
攻撃は天将の高速演算(戦闘知識・情報収集)で予測し回避
ブレスも呪詛の一種やろ
【破魔】で【狂気耐性】と【呪詛耐性】持たせた【オーラ防御】で兇暴化を防ぎダメージを軽減や
守って避けとる間に天地を【エネルギー充填】しとく
数多いわニイヤンめんどくさいわで鬱陶しいんや!
天地からUC【深淵】をヤツラ目掛けて打ち込んで纏めてスクラップや
●それは暗く吸い込まれゆくか
御魂・神治(除霊(物理)・f28925)は糸の如く細い眼の眦を下げ、眉を中央に寄せて溜息を吐いた。
「ハァァ~……ニイヤンと戦うとめんどくさい事多いんやなぁ。てか、殆どヨソの力ありきやないかい、流石は元植民地帝国の皇帝や」
「ふっ、そう褒めるな。だが良き心掛けだ。楽に逝かせてくれよう」
「褒めてへんでな」
「知っている」
皮肉を交えた神治の言葉に快活に笑って見せれば、細い眼に光った湿り気を帯びた視線にしれっと返し。
指を弾いたカルロスの号令に従い、一斉に爪牙を打ち鳴らし、骨の鋭きを向けてくる古竜を前に。
「そうかい!」
神治は指先で懐から幾つかの札を取り出した。
摘まむ指先から流れ出す浄化の輝きが、札を淡く輝かせていけば、その隙を目掛けて骨の竜が爪牙を振るってくる。
それを式神が齎す高速演算が、それを見切らせ、腰を屈め横薙ぎの爪を交わすと、即座に札を投げつける。
すれば神々しい輝きが爆ぜ、その衝撃が骨の身を砕き、込められた浄化の霊力が怨霊を祓う。
「……浄化か」
「いつものことや。除霊師やさかい」
張り巡らされた演算は物陰や死角より襲う竜や、カルロス自身の挙動も正確に予測し、神治へ素早く伝達し。
次々と休む間のない攻撃の数々を躱し、嗾ける札が爆発を伴いながら死霊をあるべき場所に還し――そうした攻防を繰り広げ続ければ。
「ぐっ……!」
カルロスの身より放たれた呪われた気配も色濃き吐息を、即座に翳した障壁で以て受け止める。
予測通り呪詛の一種――破魔と浄化の力を以て、心を犯す波動を限りなく弱め、平静を保ちながら、彼は銃器を手にとり力を籠め始める。
そしてカルロスはブレスを止めると、愉悦に顔を歪めながら宣言を下した。
「宣言する。浄化を止めよ」
案の定それを封じてきたか。札の行使には痛みが伴いそうな感覚が走る。
ブレスを凌いだことで微弱な影響にしか過ぎないが、関係ない。何故ならばだがこれから行う攻撃は浄化の類ではないからだ。
――数多いわニイヤンめんどくさいわで鬱陶しいんや!
「かめへん。……そのごっついもん全部ぶっ潰したる! 陰陽霊弾をくらえやっ!!」
既にチャージを終えていた大振りのハンドガンを強く突き出せば。
引鉄を引くと同時、放たれていったそれは――光すらも捻じ曲げ、全てを飲み込む闇の引力を凝縮した暗黒の弾だった。
敵陣の中央を目掛けたそれが着弾すれば、それは一瞬の内に、骨の竜の群れや、それを率いるカルロスを変わらぬ吸引力で引き寄せて――集約する膨大な重力が、無数の骨を、竜と王笏自身の骨を砕いていく、背筋も凍てつく破壊音が流れていった。
大成功
🔵🔵🔵
四季乃・瑠璃
デュアル・アイゼンアーマー形態装着して戦闘。
機銃と戦車砲で骨竜達と敵本体を火力で抑え、相手が仕掛けて来る寸前に戦車の装甲でアーマーを犠牲に脱出。
瑠璃が幻影術式【分身、高速詠唱】で自分達の幻影と幻影の霧を大量展開。
目晦ましを掛けつつ、感知式ボムを戦場にばら撒いて敵の安易な移動を封じつつK100による銃撃で援護。
緋瑪が大鎌の機巧を利用し、高速移動で敵の周囲を駆け巡りながら【範囲攻撃、爆撃、鎧砕き、鎧無視、早業】接触式ボムで爆破。
更に敵が竜化して加速したら敵の「時」を竜化前に戻して加速を無効にし、ジェノサイドノヴァで一気に攻撃するよ
瑠璃「強敵とはいえ、一度倒した敵」
緋瑪「殺せない道理は無いね!」
●殲滅暴為対無
時代の移り変わりを残酷に示すかのように、戦場に鉄の威容も重厚に現れた戦車が如き姿がそこにあった。
機銃が幾度となく火を噴き上げ、聞くのを追いきれぬ鉛弾の激しい放射が暴風雨のように、白骨竜を貫き骨の身体を崩していき。
合間合間に、主砲の太きから放たれる大火力の砲弾が爆ぜ、脆き身体を粉々にしていくことで、竜の進軍を押し留める。
「広域破壊と殲滅は」
「私たちの得意中の得意、だからね」
四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)は内に宿る緋瑪の人格と交互に口を変えながら、その身に纏う兵器――魔導と科学のハイブリッド、戦車が如き鎧から放つ砲火を骨竜に浴びせ続けていた。
「……速さが足りぬな」
流石に相性が悪いと見たか、カルロスは瞬時に考えを巡らし、爪を鋭くさせると一瞬で加速し、彼女達に斬りかかる――が。
「……ちっ……む!?」
その爪は虚しく、脱皮の如く捨てられた戦車鎧を斬り裂いていた。
八つ当たり気味に鋼鉄のそれを紙の如く裂くカルロスへ、二つの声が響いたかと思えば。
「行くよ、緋瑪」
「行こう、瑠璃!」
「「今こそ殺戮の『時』。我が敵全てに死を与えよう」
一つの身体に宿る二つの魂を、二つの肉体と分けた瑠璃と緋瑪は一斉に行動に打って出た。
瑠璃の紡ぐ幻覚と惑わしの霧が狂竜の爪の行く先を惑わし、放たれる銃撃が気を逸らさせれば、緋瑪の大鎌に仕込まれた炸薬が爆ぜ、王笏に劣らぬ加速を得ながら弧を描く刃が走る。
刃を爪で逸らしても、本命としてばら撒かれた爆弾の衝撃が次々と装甲を抜き骨格を揺るがし、入れ込まれた罅を広げていく。
「賢しい真似を……」
加速を幾ら得て戦場を駆け巡ろうとしても、仕掛けられた接触すれば爆ぜるトラップと、立ち込められた煙幕は生来出来る筈の動きを阻害する。
なればと瞬間思考を以てカルロスは導き出す――より速く、鋭く動きそれを上回るべきと。故に彼はその身を纏う鎧と同じ、狂える竜の姿へと転じさせていき――
「「さぁ、時を戻そう」」
「何……!?」
声が響いた一瞬のこと、完全なる竜へと変わろうとしていた身体は、そのままカルロス・グリードの人型の身体そのものへと変わる。
限りなく狭い範囲ではあるが、時を自在に紡ぐ力を手にしていた殺人姫達が、カルロスの時を巻き戻すことで加護を無としていた。
「強敵とはいえ、一度倒した敵」
「殺せない道理は無いね!」
今こそ全てを注ぎ攻める時、二度の好機は訪れない――全ての魔力を彼女達は手にした爆弾へと凝縮すると。
乾いた音を立て、王の眼前で打ち合わされた二つの爆弾が花開き、立ち上る殲滅の輝きと称されるほどの光の柱と孕む膨大な熱量が、カルロスを包み込んでいった。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
負傷上等
くく…っくくくっ!
いいですねぇ…最高ですよ
カルロス…認めましょう
お前もまた「帝竜」だと(壮絶笑顔
対wiz&竜
【情報収集・視力・属性攻撃・迷彩・戦闘知識・念動力・武器受け】
骨竜達の動きと陣形を見据え
光属性を己に付与
光学迷彩で存在を隠す
迷彩で更に精度強化
向けたる感情は敵意に非ず
苛烈なる欲望
寧ろ好意に近い(!
念動障壁と武器で受け止め致命だけは避ける
反撃
教えてやる
狂竜の力を!(UC起動!
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み・生命力吸収・捕食】
短剣で切りかかり喰らい付いて命を奪い
カルロスぅ…お前を帝竜と認めると言った!
だから…
その目玉をっ!
寄越せぇぇぇ!!
全力での眼球強奪!
壮絶なる盗賊が此処にいた
●イカレた宴
――本当に本当に、この存在は心を震わせてくれる。
少年は額に手を当て、堪え切れぬ笑いを声に出していた。
「く、くく、くくっ、くっくっく……」
「気でも触れたか?」
揶揄うように唇を釣り上げたカルロスの声に、少年カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)はただ只管に、本当に素晴らしい笑顔を浮かべてこう答えた。
「いいですねぇ、最高ですよ!! 認めましょう! あなたもまた【帝竜】だとッ!!」
高らかに張り上げられた声と裏腹に、盗賊の眼は何処までも冷たく思考もまた清廉に。
王の率いる白骨竜の軍勢の幾何学模様の隊列、その進軍を正確に見据えながら、その隙間隙間をかいくぐる。
輝きの力を自在に紡ぎ、その身を骨と骨に、地に溶け込ませていきながら彼は駆け抜ける――道中で骨の竜が矢鱈滅多にアバレ回り、古竜の骨と化しても鋭き爪牙が肌を刻もうと。
薙ぎ払われる尾の重圧に命の危機を感じようとも、彼は怯まずに王へとその足を進ませていく――されど王は悠然と構え。
如何に忍ばせようと足音と骨竜の攻撃と、カシムの得物が打ち合う音を聞き入れ、瞬間的に思考を巡らし。
これまでの戦に積み重なった負傷を返すように、カシムを目掛けてオーラを解き放つ――が、心なしかその勢いは弱く、咄嗟に張った障壁がそれを和らげていた。
「……敵意ではなく好意で攻めに転じるか。珍しい男もいるものだ」
「その通り――今こそ教えてやる、狂竜の力を!」
カシムを動かしているものは純粋な好意、苛烈なまでの欲望による紙一枚の隔たり、されど途轍もなく大きな違いである愛に等しき感情。
故に敵意をトリガーとして放たれる殺傷のオーラは減ずるに足り、致命にいたらないが故に彼は反撃の狼煙を上げられた。
「万物の根源よ……帝竜眼よ……闘争の狂気と極限の理性を秘めし竜の力を此処に示せ……!」
――カシムの解き放つ奔流にカルロスが驚愕に目を強く見開いたのも無理からぬこと。
何故ならば彼が纏う力は、それこそカルロスの鎧と同質の――その名に狂の名を冠する竜王の力であり、重なった負傷は限りなくカシムに力を齎していた。
カシムは両手にそれぞれ、短剣を携えながら力強く地を蹴り出し――
「カルロスぅ……お前を帝竜と認めると言った! だから……」
最早カルロスの、狂竜の鎧を纏った姿ですら、カシムの踏み込みを見切ることは叶わず、気が付いたその時には既に――輝く刃が爪か、あるいは牙のように。
「その目玉をっ! 寄越せぇぇぇ!!」
振り下ろされた刃は捕食行為のように、吸い込まれるかの如く驚愕に見開かれた王の眼へと沈み込み。
壮絶なる略奪者の刃が、その力を、生命を喰らっていく――!!
大成功
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シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
でも、ボクたちはあの帝竜さえも倒したんだ
行こう、ボクの勇者様!
猛スピードの先制攻撃の前には凝ったトラップは仕掛けられない
ビーム銃の【弾幕】を目くらまし代わりに周囲に【罠使い】+【ロープワーク】でスネアトラップを仕掛ける
動きを止められるのは一瞬
でも、ボクたちにとっては充分!
【零距離射撃】+【クイックドロウ】+【乱れ撃ち】で至近距離から連続で熱線をお見舞いしたら宇宙バイクに飛び乗って【ゴッドスピードライド】で戦場を駆け巡り【フェイント】+【操縦】で古竜の間をすり抜けながらカルロスのスピードに対応して追撃し、【制圧射撃】+【援護射撃】で動きを鈍らせてウィーリィくんの攻撃のチャンスを作る!
ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
A&W出身の俺には奴の強さが分かる。
けど、どんな強敵だろうが超えなければならない。
そして、俺達なら超えられる!
凶暴化ブレスの先制攻撃を鉄鍋の【盾受け】で【ジャストガード】するように見せかけて【フェイント】で鉄鍋を投棄すると同時に【ダッシュ】で【地形の利用】で岩陰に身を隠し、ブレスを防ぐと同時に【物を隠す】で奴の視界から姿を消す。
奴が俺を見失ったところで周りの古竜ごと【飢龍炎牙】でまとめて攻撃し、足止めも兼ねてシャーリーの動きをサポート。
そしてシャーリーが動きを鈍らせたところへ炎の【属性攻撃】を付与した大包丁の【二回攻撃】で切り裂くと同時に至近距離からの【飢龍炎牙】で喰らいつく!
●竜を倒すは常に英雄の運命
かの存在が纏う狂える竜――個体としての名も正にそれである、幻想と竜の叙事詩が如き世界の竜王の一角の力を感じる。
かの世界を故郷としている身だからこそ、その戦の熾烈なることも記憶に未だ鮮明に残るか。
「思い出すな。あの時は本当に危なかった」
遠き眼にて少年は思い出す――純粋に強い。ただそれだけの厄介極まりなかった竜の力を。その脅威は肌をざわつかせる。
「本当に無茶苦茶やったよね!?」
「……」
結局付き合ったけれど――少女の突っ込みに対し少年は、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は目を逸らした。
されど彼は言葉を続け、改めてその先にある王へと戦意を確かに固めた。
「乗り越えなきゃならないものがある。例えどんな強敵だろうとな」
「その親玉だって倒したんだから。行こう、ボクの勇者様」
シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)が背中を叩き、微笑みと共に戦意を後押しする。
例え無茶と呼ばれる戦い方であっても、無事に生き延び乗り越えて、挙句の果てに最強の竜を御伽噺のように倒せたのだからと。
されど事実への誇りに水を差すかのように、傲慢なるコンキスタドールの声が一つ響いた。
「英雄譚に被れるか? それも又好し……」
彼らの様子をただ黙って見守っていたカルロスは、受けていた負傷から立ち上がると、命を燃やして立ち上がった。
一時の存在を賭けて、最後まで戦い抜く矜持を以て全盛の武力を無理矢理身体に戻すと、カルロスは解き放った。狂える竜の激しい吐息を。
「ッ……!」
咄嗟にウィーリィが盾とした鉄鍋でそれを受け止めようとすれば、カルロスは息吹の力を高めそれごと吹き飛ばさんとする。
しかし息吹の勢いの強まりを感じれば、最初からその心算だったウィーリィは鉄鍋を囮とするようにそのまま捨て、物陰へとその身を隠していく。
その姿を見、ウィーリィの存在を追い、骨竜に探知させながらカルロスは唇を歪めた。
「成程、だが使い捨てに過ぎぬ。二度刺せばよいだけのこと……鬱陶しい!」
凌いだとしても一時に過ぎぬ。二度は使えぬデコイ――瞬間思考の導き出す答えは単純、追い詰めて再度突き立てる。
古の骨竜をわらわらと嗾け、ウィーリィを探し出し引きずり出そうとしたカルロスだったが、そこへ飛び込んできた閃光が頬を掠め彼の集中を乱す。
乱れの僅かな硬直へ更に飛び込んでくるように、次々と、光線が張り巡らせる光輝く弾幕が骨竜を打ち砕き、カルロスの動きを阻害する。
されどカルロスは狙いをその光線を解き放っている存在、即ちシャーリーへと変えると、竜の力を解放し音の壁も容易く超えながら彼女を斬り裂かんと迫る――が。
「……罠か。だが無意味だ。直に解けよう」
狂戦士でありながら冷徹な瞬間思考は導き出す。
絡め取られたロープ、弾幕の合間に仕掛けられていた手繰り罠の解き方を――爪牙で容易く斬れると、これもまた単純が故に最も合理的。カルロスの爪が絡まった縄を斬り裂く瞬間だった。
「――充分だよ、それで」
カルロスが斬り裂いたのと同時、シャーリーのマスケット銃の銃口が深々とカルロスへとめり込んでいた。
乱れ撃たれる熱線が激しい光を伴いながら、カルロスの体内で熱を花開かせ、プラズマが鎧の隙間から迸り、身体を内側から灼いていく。
「グガアアアアッ!! 貴様ァァ!」
王が吠え、その身を竜へと変えていきながら、カルロスは爪を振り上げる――より速度を増したそれがシャーリーを斬り裂かんとした、正にその時だった。
「喰らい尽せ炎の顎! 骨も残らずにな!!」
高らかな叫びと共に、走ってきた炎が一瞬でカルロスを包み、その攻め手を一つ制していた。
うねり狂い、踊る業火の象る姿は九頭竜――演舞踊るかの如くウィーリィの紡いだ火炎が、カルロスの身体を、そして周囲に牽制を行っていた白骨竜の身体を焼いていき。
カルロスの動きを苦痛で制しつつも、吠えるように業火が唸って走り取り囲む白骨竜を灰と変えていきながら――彼は道を切り開く。
既に飛び乗ったバイクに神がかった速度を齎し、カルロスへと真っ向から立ち向かうシャーリーのルートを。
「小賢しい!」
それこそベルセルクドラゴンそのものの姿と変わり、超加速を得た姿であっても、それを力強く、光の速さを思わせるように――狙った獲物を絶対に逃しはしない鮫であり、海賊が如く。
「悪いけど――追いつけなくても、見逃しは決してしないよ!」
「ちぃっっ!!」
嗾けられる骨竜の隙間をジグザグに、ドリフトの地面が削る音も激しく、カルロスへと追い縋るシャーリーが銃を突き出して。
放たれる熱線という熱線が、着実にカルロスへと突き刺さり、狂竜への変身を解除させ、その身を地面に転がせば。
「――もう充分だぜシャーリー」
「あとは頼んだよ、勇者様」
信頼の声は大包丁を握る手に無尽蔵に力を生み出し、盛る業火の熱は今ならば確実に斬り裂ける力を齎し――立ち上がろうとするカルロスの身を、叩き落すように切り伏せ、更に縫い留めるように腹部を穿ち。
迸った登り竜が如き熱き火柱が、そのまま一気に五の王笏を包み込み――
「馬鹿な……馬鹿な! ぐ、グァァアーーーッ!!」
――御伽噺の竜退治は、勇者の剣によって今、ここに為されていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵