羅針盤戦争~オペレーション・セントジョージ
●新たなる戦略
「すでに第三は滅び、第四も壊滅は時間の問題。第一、第二もいつまで保つか不明だ。そして今、猟兵たちは第七、そしてここ第五の拠点に手を伸ばそうとしている」
カルロスはここまでの状況を分析する。
「ここまでの戦いで猟兵たちを最も苦しめたのは白騎士の力を利用した第四と判断する。であるならば、同様の力が使用可能なこの鎧は猟兵たちに有効と捉えることが可能だ」
加えて、とカルロスは背後の巨大な骨を見やる。これらは太古の昔、アックス&ウィザーズの世界の空を支配していた古竜たちの骨である。朽ちてなお存在感を放つその骨に、カルロスはそっと手を触れる。
「この白骨と化した古竜は使える。『舵輪』は天使の力で空を制圧することで猟兵に痛打を与えた。ならば、同様にこの古竜で空を制圧する。第四と舵輪が編み出した戦略はこの第五が完成させよう」
古竜の骨に仮初の生命が次々と宿り、空へと飛び立つ。第五の王笏が住まう島の空が、骨の古竜の群れで埋め尽くされていく。
「さぁ、この一手をどう覆す? 猟兵たちよ……!」
●オペレーション・アヌビス
「さて、いよいよ第五の『王笏』の攻略作戦が発令されました」
グリモアベースにて、ジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/開発コード[Michael]・f29697)がスクリーンを前に切り出し、いつものブリーフィングが開始された。
「今回のターゲットも、もちろんカルロス・グリードです。第五の『王笏』として彼が選んだ戦術は帝竜ベルセルクドラゴンの鎧による高速思考と古竜軍団による制圧戦です。ちょうど第四の『王笏』と『舵輪』の戦術を足して2で割った形となるでしょうか」
物量と制空権に高速思考が相まって、凄まじい速さで自らの勢力を展開、対峙する相手を制圧する。しかも舵輪と異なり、白骨化しているとは言え強力無比な古竜を操っているのだ。
「とは言っても、倒すのが不可能なほどの難敵かと言われれば、そこは疑問符が付きます。まず、天使と違い白骨化した古竜は本能のままに暴れるため、『舵輪』の天使ほど統制が取れているわけではありません。単純な物量をぶつけてくる形になるでしょうね」
最も、その物量と単騎ごとの戦闘力が十分以上に高い時点で、統制が多少取れていなくても脅威ではありますが、と付け加える。
「それと、今回カルロスが着用する帝竜ベルセルクドラゴンの鎧がもたらす効果はあくまで瞬間思考力です。未来予測ではないため、確実性のある先読みというのは行ってきません。あくまで現状把握と最適な行動を行う判断が速いと言うだけです」
その点では第四の『王笏』より与し易い相手と言える。行動の先手先手を取って相手の手を封じてくるわけではないし、意表も幾分突きやすい。ただ、隙を見せればそこを突いてくるだろうし、下手な小細工は見抜かれてしまう。そこは注意が必要となるだろう。
「カルロスは五の王笏島沿岸部に自らの戦力を展開しています。よって、こちらで用意した鉄甲船にて強襲揚陸作戦を行う形となります。ご自分の船がある場合には使っていただいて結構ですし、水上をキャバリア等で移動するなどの手段もありでしょう。ただし、制空権を取られているため、高高度を飛行することはおすすめしません。敵は瞬間思考力と古竜の大量展開によって先制攻撃を必ず仕掛けてくるため、まずは先制攻撃への対処を行うと良いでしょう。加えて、古竜を突破しなければカルロス・グリード本人への接敵も難しいですね。上手く対処しなければなりません」
今回発令された作戦名はオペレーション・セントジョージ。竜殺しを成す聖人の名にあやかった作戦名である。
「『舵輪』や四の『王笏』を突破した皆さんならば、今回の作戦も成功に導くことが出来るでしょう。皆さんの健闘を祈ります」
ブリーフィングを終えると、ジェイミィはグリモアを操作してポータルを開く。
──羅針盤戦争、特別作戦コード「オペレーション・セントジョージ」、開始。
バートレット
どうも、バートレットです。
今回は第五の『王笏』たるカルロス・グリードとの戦いになります。
舵輪と第四の王笏を足して2で割ったような敵との戦いとなりますが、付け入る隙がないわけではありません。是非攻略法をじっくり考えてみてください。
今回のシナリオにおけるプレイングボーナスは以下のとおりです。
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プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処し、同時に「白骨化した古竜」にも対応する。
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さらに、上記のプレイングボーナスを満たした上で「舵輪や四の王笏との戦闘経験を活かして戦う」ことで追加ボーナスが得られます。もちろん、舵輪や四の王笏のシナリオに参加経験がなくとも、「舵輪や四の王笏に関する戦闘報告を確認した」「他の猟兵からアドバイスを受けた」という形でプレイングを記述して頂ければOKです。
それでは、皆さんのアツいプレイングをお待ちしております!
第1章 ボス戦
『七大海嘯『五の王笏』カルロス・グリード』
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POW : アリエント・ドラゴーン
【鎧から放射される凶暴化ブレス】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD : エスパーダ・ドラゴーン
【鎧の身体強化】による素早い一撃を放つ。また、【肉体をドラゴン化する】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ : イーラ・ドラゴーン
【自身または竜に対する敵意】を向けた対象に、【負傷の分だけ威力を増す狂える竜のオーラ】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アルトリウス・セレスタイト
服だけは多いのだな
道化師にでもなってはどうだ
戦況は『天光』で逐一把握
攻撃には煌皇にて
纏う十一の原理を無限に廻し阻み逸らし捻じ伏せる
全行程必要魔力は『超克』で“世界の外”から常時供給
まず打撃でカルロス・グリードに一手
纏う十一の原理の、無限量の圧を乗せ一撃
時と因果を繰れば回避は叶わぬ
それを以て天印起動
行動と能力発露を封じ、付与を無限回循環。封殺する
封じたらそのまま打撃で攻勢継続
竜も同時に封じられている故、無視
打撃と同時に付与を行い続ければ万一新手の竜が来ても自動的に消える
後は討滅まで継続
手は抜かんぞ。時間が惜しい
※アドリブ歓迎
リーヴァルディ・カーライル
…ああ。帝竜戦役の予兆に出てきたメチャクチャ早口の…
…今度の装いはその帝竜の鎧なのね
"写し身の呪詛"に精神属性攻撃のカウンターの呪いを施し、
分身を破壊した竜達の意識を切断し気絶するよう武器改造
存在感のある無数の残像を乱れ撃ちして攻撃を受け流しUC発動
…この程度で何とかなるとは思っていないわ
だけど、一瞬でも動きが止まれば十分よ
…さあ、今度は此方の番よ
…吸血鬼相手に雑兵を揃える愚は、死を以て償いなさい
極限まで血の魔力を溜めた真紅の月で太陽を覆い、
吸血鬼化して戦場全体から魂と生命力を吸収して超強化、
時速一万kmの空中戦機動の早業で敵の懐に切り込み、
竜達の魂を降霊し限界突破した大鎌を怪力任せになぎ払う
●高速思考を超えろ
「ベルセルクドラゴン? ……ああ。帝竜戦役の予兆に出てきたメチャクチャ早口の……今度の装いはその帝竜の鎧なのね」
そう言えばそんな奴いたな、と帝竜戦役の頃の記憶を思い返すリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。元々、帝竜ベルセルクドラゴンはその瞬間思考力のためか、話す時に早口になる傾向があった。しかし今目の前で相対するカルロスにそのような兆候は見られない。ON/OFFが可能ということのようだ。なかなか便利だと思う。
「服だけは多いのだな……道化師にでもなってはどうだ?」
呆れたようにカルロスを睨むアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は、最早何度も現れるカルロスに半分うんざりとしていた。実際の所、やることは変わらない。ただいつものように自らの異能、「原理」の餌食になってもらう、それだけだ。
「ほう? ダンピールの吸血鬼狩りに『原理』使いが揃うとはな。『原理』使い、その言葉は貴様に熨斗をつけて返してやろう。この瞬間思考力の前では貴様の異能など道化の手品よ。せいぜい我を楽しませるのだな?」
何度もカルロスと相対している上、賞金も上昇の一途を辿る2人だ。カルロスはどちらの顔と名前も覚えている。そんなカルロスはアルトリウスを嘲るように言葉を返す。
「ならば試してみるか? どのみちその鎧、十全に使いこなせるわけではないだろう。その証拠に周囲に古竜など侍らせていると来た。対処法などこの一手で十分だ」
カルロスが放った竜のオーラは、「煌皇」の循環する10と1の原理の中に巻き込む。これがアルトリウスの常なる防護手段だ。言い換えれば、アルトリウスはカルロスに対し言外にこう告げている──お前を倒すのに、わざわざ特別な手は不要と。
「強者を気取るか、雑兵──!」
「こっち、忘れてもらっちゃ困るのだけど」
歯噛みするカルロスに対し、リーヴァルディは挑発するように手招きする。
「ほう、ならばこの一撃はどう耐える、小娘?」
カルロスの鎧から放たれるのは炎。この攻撃を受けたリーヴァルディに、カルロスは宣告する。
「貴様は古竜の攻撃を避けてはならぬ」
古竜の攻撃の回避を封じることを命じ、これが破られればダメージを受けてしまう。古竜の1体がリーヴァルディに飛びかかり、前足で殴りつけるが……次の瞬間、殴られたリーヴァルディの姿が掻き消えた。
「……何?」
「確かに避けなかったわよ、私は」
見れば、戦場には無数のリーヴァルディの姿があった。これぞ、リーヴァルディの得意技の一つ、写し身の呪詛。呪詛を宿した残像を無数に作り出し、敵を幻惑する。そして、この残像を破壊したものの意識は奪われる。即ち、
「……古竜が、倒れた?」
残像を攻撃した古竜がその身を横たえてしまう。呪詛の効果により気絶してしまったのだ。
「さあ、今度は此方の番よ。……吸血鬼相手に雑兵を揃える愚は、死を以て償いなさい」
極限まで血の魔力を溜めた真紅の月で太陽が覆われる。吸血鬼化したリーヴァルディがその権能を最大限に発揮し、戦場全体から魂と生命力を吸収。
「俺の生命力も使うか? 安心しろ、『超克』で世界の外から常時供給可能だ」
「それはありがたいわね……使わせてもらうわ」
アルトリウスからも生命力を吸収。減少した分はアルトリウスが世界の外側から補給することで補填する。古竜の骨が再び物言わぬ屍と化す中、カルロスは来る攻撃を回避しようと思考を巡らせる。
「……逃さん」
アルトリウスの「天印」が発動する。カルロスは行動と能力発露を封じる静止の原理によって回避行動を封殺されてしまった。これではリーヴァルディの攻撃を受けるしか無い。
リーヴァルディはこの機を逃さず、時速一万kmの空中戦機動の早業で敵の懐に切り込む。先刻吸収した竜達の魂を降霊し、大鎌の刃に込めると、それを怪力任せになぎ払った。
「手は抜かんぞ」
「えぇ、時間が惜しいですもの」
行動を封じられたカルロスを、アルトリウスとリーヴァルディは延々と嬲り続ける。地に落ちた竜に、2人は一切の慈悲を与えず大鎌に血を吸わせていくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
クネウス・ウィギンシティ
※アドリブ&絡み歓迎
「これが第五ですか」
【SPD】
●戦闘
舵輪や四の王笏との戦闘経験有り。キャバリアに搭乗しホバーで揚陸作戦を行います。
「システム:戦闘モード、戦闘開始」
●古竜&UC対策
「肩部ミサイル、全弾発射」
白骨化した古龍には【メカニック】として自作した、骨でも燃やし尽くせるエレクトロン焼夷弾ミサイルで道を切り開きます。
敵UCはコクピット内を庇う形で機体の両腕と装甲で【盾受け】します。
●UC
機体から即座に脱出、機体を影に光学【迷彩】で隠れ反撃。
「GEAR:AP-SHELL。当てる!」
【スナイパー】として狙うのは「胴体」、思考の向こう側から徹甲弾で帝竜の鎧を【貫通攻撃】します。
久遠寺・遥翔
アドリブ連携歓迎
今回は高速思考と骨竜軍団か
第四と似てはいるが報告書を見た感じあっちで有効だった電子戦は効きそうにねえな
だがどれだけ反応が早かろうが対処できないだけの波状攻撃ならどうだろう?
イグニシオンに【騎乗】
過去の交戦や報告書の【戦闘知識】からカルロスの癖を見極め、それをさらに強化したものと予測、【第六感】で違和感を補正して動きを【見切り】敵の先制攻撃を回避する
そこからは【カウンター】で焔の太刀を振るい纏めて【範囲攻撃】
骨竜どもを【焼却】しつつ
仲間がいれば連携し、そうでなくとも【残像】で翻弄しながら残像に隠したUCのソードビットによる波状攻撃で全方位から攻め立て、敵の超反応の上を行くぜ
大豪傑・麗刃
先制攻撃はくらっちゃいけないやつだ。防御できるかもあやしい。全力で回避するしかない。古典的な方法であるがデコイを使おう。わたしが身を纏うオーラにわたしの残像をまとわせ、敵の攻撃が当たる瞬間に早業による早着替えの要領で残像をまとったオーラを残し脱出。オーラを犠牲にしてわたしは生き残ると。
あとは敵の思考に大量の負荷をかけてバグらせてやろう。ついでに古竜の本能もバグらせてまともに戦えなくする。
えっときみはカレーライスくん。
違った?ごめんごめんグリーンカレーくん。
そう怒るな華麗なブリーフくん。
古竜とやら!そんなしかめっつらばっかりしてると肩がこりゅうぞ!!
で隙を見て古竜の群れをくぐりぬけ本体を斬る。
●2機の鉄騎と1人の侍
「これが第五ですか……」
「高速思考と骨竜軍団か。第四と似てはいるが、報告書を見た感じあっちで有効だった電子戦は効きそうにねえな」
キャバリア2機が飛来する。クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)が駆るアルゲス、そして久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)が駆るイグニシオンだ。
「いつもどおり、先制攻撃はくらっちゃいけないやつだ。こっちは防御できるかもあやしい。全力で回避するしかない」
イグニシオンの肩に乗せて貰う形で同道した大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)は今までの経験からそう分析する。
「となれば、我々2名が前衛にならざるを得ないでしょうな」
「あー……すまんクネウス、俺のイグニシオンがあいつの攻撃を耐えられるか自信がない。こっちは回避主体で動きたいがどうだろう。残像で翻弄する」
「良いのではないか? こっちもデコイ使って回避するつもりだし。古典的だけど結構効くぞこれ」
「わかりました、では私は防御主体で行きます。3人共回避だと返って動きを読まれてしまうでしょうし」
ひとまず先制攻撃への対応は決まった。だが、反撃手段をどうするかという課題がある。ここで提案するのは遥翔だ。
「どれだけ反応が早かろうが対処できないだけの波状攻撃ならどうだろう?」
その提案に頷くのは麗刃だ。
「飽和攻撃というやつだな。相手の思考能力は一瞬でパンクするから有効だろう。……よし、それならわたしが上手いこと相手の思考をバグらせるかな」
それを聞いて、クネウスはひとつ思いついたことがあった。
「策を考えてみました。一口乗っていただけますか?」
カルロスは上陸してきた2機のキャバリアを見てふん、と鼻を鳴らす。
「キャバリアを持ち出すか、猟兵。だが竜に人の作りしものが敵うか?」
「やってみろカルロス・グリード。でっかいトカゲにこのキャバリアが負けてたまるかよ」
カルロスの挑発に同じく挑発で応える遥翔。カルロスはまず、随伴の麗刃目掛けてブレスを放つ。
「来るぞ麗刃!」
「おうよ!」
攻撃が当たる刹那、早着替えの要領で残像を纏ったオーラを残し脱出した麗刃。ブレスは残像をかき消すが、麗刃本人は無事だ。
「ちっ……ちょこまかと!」
ならば、とカルロスはイグニシオンを狙うが、こちらもイグニシオン自慢の機動力で回避される。遥翔は過去のカルロスとの戦闘経験や報告書などからある程度カルロスの攻撃に特有の「癖」があることを見抜いていたため、容易に回避することができた。
すでに2発の攻撃を躱されたカルロスは、動きを見せないアルゲスへと攻撃の矛先を変える。鎧の力を引き出して身体強化を行い、強力なツメの一撃を放つ。しかしクネウスはこれを盾でガードする。
「今の攻撃を防ぐか……!」
「それだけではない」
盾でカルロスの攻撃を受け流したアルゲスは、ミサイル攻撃により周囲の古竜を一掃する。そこに飛び込むのは麗刃だ。
「えっときみはカレーライスくん。違った? ごめんごめんグリーンカレーくん」
「……巫山戯ているのか?」
わざとカルロスの名前を間違えて煽る麗刃に怒りの表情を向けるカルロスだが、その怒りを麗刃はものともしない。ネタキャラとしてのある種のプライドによってカルロスをおちょくることに徹した麗刃はカルロスから平常心を奪っていく。
「そう怒るな華麗なブリーフくん。古竜とやら! そんなしかめっつらばっかりしてると肩がこりゅうぞ!!」
ケラケラと笑う麗刃は挑発をやめない。そして、その間にクネウスと遥翔が攻撃準備を整えた。
「おっと、麗刃ばっかり気にしていて良いのかい?」
「GEAR:AP-SHELL。当てる!」
クネウスはキャバリアを降り、スナイパーライフルを構えていた。意識外からの弾丸がカルロスの鎧を貫く。途端にカルロスはそれまで得ていた思考力が奪われるのを感じた。
「しまっ……!」
「さぁ、こいつを処理できるか……!?」
残像を残しながら焔の太刀を振るい、古竜をまとめて焼却していくイグニシオン。その残像にソードビットを仕込み、カルロスに次々と殺到させる。
「飽和攻撃……!」
「おっと隙あり」
カルロスが状況についていけないことを見て取るや、麗刃が刀を袈裟懸けに一閃。大きくダメージを受けたカルロスが膝をつく。
高速思考への対処を図った猟兵の策はここに成った。そして、さらなる追撃がカルロスへと襲いかかる……!
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ナイ・デス
古竜の骨……
ユーベルコードを弱める効果は……なくなっている、でしょうか?
あるなら防御に利用など、したいところですが……!
【念動力】で白骨古竜を【なぎ払い】カルロスさんの攻撃に対して【敵を盾に】
ダメ元、です……!
やっぱりダメか、効果があったか
ダメは【覚悟】
どんなルールを宣告されても、私は私のしたいことを
【激痛耐性】ダメージにも、耐えて
カルロスさんが、帝竜ベルセルクドラゴンなら……
私は、帝竜ダイウルゴスの力、です!
『リベレイション』!
融合変身【限界突破、継戦能力】スクラップアンドビルド
自己破壊と再生を繰り返し、戦闘力増強しながら
【怪力重量攻撃】拳で戦う!
再生し戦闘力増強、いつかは、上回ります!
カシム・ディーン
…帝竜の力を得たカルロスか
「今回はやる気いっぱいだねご主人サマ?」
おう、帝竜に到ったに等しい状態ですからね
対wiz&竜
中々の軍団です
ではネルソンの時のように
【情報収集・視力・属性攻撃・戦闘知識・迷彩・念動力・空中戦】
海面すれすれを飛ぶ
光属性を機体に付与して光学迷彩で存在を隠し捕捉を困難に
念動光弾で竜達を迎撃して突破口を開く
カルロスに念動光弾で弾幕を張るがあえて隙間を作り攻撃を誘う(第四の経験
攻撃の方向が分れば念動障壁を集中展開して且ハルペーで受け止めダメージの軽減と共に致命だけは避
UC起動
【二回攻撃・スナイパー・切断・生命力吸収】
オーラを纏い接近戦を仕掛け
ハルペーで切り裂き存分に生命を捕食!
●ダブルドラゴン
「古竜の骨……ユーベルコードを弱める効果は……なくなっている、でしょうか? あるなら防御に利用など、したいところですが……」
「見た所、無くなっているようですね……仮初の命を与えられていることでその権能が封じられているようです」
ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)とカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は戦況を確認する。大ダメージを受けたカルロスはその傷を癒やしつつあるが、深手を負っており完全回復には至っていない。
カシムは帝竜の力を得たカルロスを相手に自分の感情の高ぶりを覚える。相手は帝竜に至った存在、帝竜眼の使い手として相手にとって不足はない。舵輪との戦闘経験を活かし、キャバリア「メルクリウス」に搭乗して低空から戦場に飛び込む。
一方のナイは、ダメ元でカルロスが仕掛けるブレスに対して、近くの古竜を念動力で薙ぎ払い、盾にして受けさせる。
「……どんなルールを宣告されても、耐えてみせます!」
しかし、カルロスからルールの宣告がない。
「ちっ……手応えがない。とっさに古竜を盾にした判断力は見事だ」
そもそもブレスが当たっていない以上、カルロスはルールが宣告できないのだ。ナイは賭けに勝ったことを実感し、ほっと胸をなでおろす。
一方、カシムは念動弾で弾幕を張りつつ、敢えて隙間を作ることで攻撃を誘う。
「ほう? ではその誘いに乗ってやろう」
間隙を縫って自己強化を施しながら飛び込むカルロスに対して、念動障壁でバリアを展開。鎌剣ハルペーも盾として使用し、致命傷を回避してみせた。
「さて……そちらが帝竜で行くならば」
「こちらも帝竜でお相手します!」
初撃を制したナイとカシムは、己が宿す帝竜の力をそれぞれ解放する。
「リベレイション! ダイウルゴスの力を、ここに!」
「万物の根源よ……帝竜眼よ……闘争の狂気と極限の理性を秘めし竜の力を此処に示せ……! ベルセルクドラゴンの力を、ここに!」
ナイはダイウルゴスの権能を使い、自己強化と自己再生を繰り返しながらカルロスへと殴りかかる。カルロスの反撃にも自己再生でさらなる強化を施しながら、徐々に自らの力をカルロスよりも高めていく。
カシムはベルセルクドラゴンの権能をオーラとして纏い接近戦を仕掛ける。高速思考で動きを読み、ハルペーを振るって生命力を貪っていく。
「帝竜の力……! 2体で我を上回るか、猟兵……ッ!」
2体の帝竜の圧倒的とも言える力に晒され、カルロスは口から血をこぼしながら再び膝をつくのであった──。
大成功
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ヴィリー・フランツ
(キャバリア使用)SPD
心情:三・四、舵輪と順当に潰してはいるが、まるで土竜叩きでキリがねぇ!
手段:奴の先制攻撃、鎧の身体強化による素早い一撃はシールドを構え機体の装甲及び増加装甲で耐えるとしよう、奴のスピードに到底着いていけねぇ…それならある程度攻撃の方向を予想し息切れまで防御に徹するしかねぇな。
凌いだら煙草を一服して精神統一、後は無反動砲・リニアSMG・レールガン・ミサイルによる【複数射撃】を開始、俺が舵輪と四の王笏で学んだ事は
[相手が未来予知や物量で来るなら、広域飽和攻撃を実行し全てを叩き潰し安全地帯を消滅させる]って事だ。
という事で、白骨化した古竜とカルロスを含めた砲撃の始まりだぜ!
メンカル・プルモーサ
…ふむ…本人の思考能力を上げた上で物量で殴ってくる訳か…
…と言っても…付け入る隙はあるな…あとは実証だ…
…迫る古龍は単純に暴れるだけであれば遅発連動術式【クロノス】による術式罠で一時的に拘束…
…敵意を向ける事になるから竜のオーラが来るのでこれは術式組紐【アリアドネ】にオーラ防御による術式障壁を重ねて防御…
…これらにより稼いだ時間で【竜屠る英雄の詩】を発動…自分の装備に竜殺しの力を宿すよ…
…すなわち、【アリアドネ】の盾は竜のオーラを殺し…
…黎明剣【アウローラ】に形成した魔力の刃の一振りは骨の古龍共を殺し…
…術式装填銃【アヌエヌエ】の銃弾は竜の鎧を殺す…
…そう、竜に頼った事がお前の付け入る隙だよ…
リオン・ゲーベンアイン
舵輪や四の王笏、両方とも交戦経験はあるよ!
そう言ってヴァルギリオスオーブを使った矢を介して光属性を使用。
先制攻撃のUCで加速した『五の王笏』の先制攻撃を光速のスピードで回避。
更に【逃げ足】を使い闇属性を使用して【闇に紛れ】て先制攻撃を凌ぐよ。
舵輪と四の王笏を合わせたような敵の対処法……
それは素早い広範囲の攻撃を以て殲滅していくこと。
そう言って『透明』となり、8500㎞/hの速度で飛翔しながら1700の自在に操れる世界を焼く雷霆を使役して古流の群れを薙ぎ払い、『五の王笏』を焦がしていく。
●ドラゴンスレイヤー
「ったく、三・四、舵輪と順当に潰してはいるが、まるで土竜叩きでキリがねぇ!」
終わりの見えない羅針盤戦争の戦局に、ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)はヘヴィタイフーンのコクピットの中でそう毒づいた。次から次へと湧いて出てくる幹部級のオブリビオンとの連戦が続くこの戦争は、常に有効打となる戦略を打ち続ける必要がある。
「まぁ、どのみち王笏は全滅させないといけないからね……。ふむ……本人の思考能力を上げた上で物量で殴ってくる訳か……。……と言っても……付け入る隙はあるな……。あとは実証だ……」
そんな中、冷静に戦況を見極め、有効な戦略を編みだすメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)のような頭脳派の存在はヴィリーにはありがたい。加えて、この場にもうひとり、戦闘経験を十分に積んでいる猟兵がやってくる。
「もう少しで撃破できそうかな? わたしも一緒に行くよ」
「っと、助かる……ヴィリー・フランツだ。こっちはメンカル・プルモーサ。嬢ちゃん、名前は?」
「リオン・ゲーベンアイン。舵輪や四の王笏、両方とも交戦経験はあるよ!」
「そう言えば、三の王笏で見かけたね……今回はよろしく、宛てにさせてもらうよ……」
リオン・ゲーベンアイン(純白と透明の二つの無垢を司る弓使い・f23867)を加え、3人はカルロスと相対する。
「そうか、貴様らが我に引導を渡すか」
すでにカルロスは満身創痍だ。しかし自らの死期を悟りながらも、カルロスの闘志は衰えていない。
「だが、せめて最期の悪あがきはさせてもらうぞ……見せてみろ、貴様らの力を!」
そう言うと、カルロスは鎧の力で身体強化を施し、ヴィリーとリオンに迫る。
「来やがったか……!」
ヴィリーは愛機のシールドを展開、防御態勢に入る。シールドに加えて、ヘヴィタイフーンの堅牢な装甲、そして増設した追加装甲で耐える構えだ。元々そこまで機動力の高くないヘヴィタイフーンは、相手の攻撃を耐える戦車的な運用を行っている。今回もそのセオリーに従った形で、カルロスの息切れまで耐えることを選んだ。
一方のリオンは帝竜ヴァルギリオスの力を宿すヴァルギリオスオーブから光属性の魔力を引き出す。この魔力を身に纏うことで光速で移動する能力を得て、カルロスの一撃の回避を試みる。
果たして、リオンには攻撃が当たらなかった。それを見てとるや、素早くヘヴィタイフーンに矛先を変えるカルロス。竜の鎧から放たれる一撃がヘヴィタイフーンの機体を揺るがす。シールドは砕け、増加装甲にも傷を負ったものの、致命的な損傷は避けられた。
「大丈夫!?」
「平気だ、こいつはそこまでヤワじゃねぇ」
使い物にならなくなったシールドを投げ捨てつつ、ヴィリーはタバコに火をつけた。
致命打を与えられなかったカルロスは、ならばとメンカルを狙う。その時メンカルは、自分たちに襲いかかってきた古竜を遅発連動術式「クロノス」による罠を仕掛けることで足止めしていた。これを自らへの敵意と解釈することで、カルロスは狂える竜のオーラをメンカルに向けて放つ。指向性を帯びたオーラは、しかしメンカルの操る術式組紐「アリアドネ」が形成する魔法障壁に阻まれた。
ヴィリーはその様子を見ながら紫煙を燻らせつつ、第四の王笏と舵輪との戦いを思い返す。相手が未来予測や物量で来るならば、広域飽和攻撃を実行し、全てを叩き潰し安全地帯を消滅させるという戦略が有効なことを、ヴィリーは二人との戦いから学んでいた。
それをリオンに話すと、彼女も同感だと頷く。
「素早い広範囲の攻撃を以て殲滅していくこと、これが大事になるのかな」
「あぁ。タイミング合わせて一気に行くぞ」
一方のメンカルは、また異なる青写真を描いていた。相手は竜の力を持っている。であるならば、自分の装備に竜殺しの力を宿せば、竜の力を得たカルロスは為す術なく斃れることだろう。それを可能にするのが、術式「竜屠る英雄の詩」だった。
「アリアドネ」の盾は竜のオーラを封じ、黎明剣「アウローラ」から伸びる魔力の刃は一振りで骨の古竜を鏖殺する。そして術式装填銃「アヌエヌエ」の銃弾が竜の鎧を穿ち、カルロスの息の根を止めるのだ。
そして、カルロスへの反撃が始まる。ヴィリーとリオンはタイミングを合わせて飽和攻撃を実行に移した。ヘヴィタイフーンの搭載武装が一斉に火を吹き、銃弾、榴弾の数々がカルロスへと殺到する。そこにリオンが時速8500kmにも到達する速度で飛来しながら、雷霆を次々と投下。まるで絨毯爆撃と言わんばかりの飽和攻撃に、カルロスは思考が追いつかず、回避も意味を成さないことを悟る。
「まだだ、それでもまだ私は立つ! まだ鎧は生きている……!」
「じゃあ……その鎧を殺せばいいね……」
それでも鎧で耐えようとするカルロス。しかし、それが命取りとなる。メンカルのアヌエヌエから放たれた銃声が、カルロスの聴いた最後の音だった。断末魔すら上げる間もなく、驚愕に強張った表情を浮かべたまま、カルロスの骸が転がる。その胸には大穴が開いていた。
「……そう、竜に頼った事がお前の付け入る隙だよ」
メンカルは物言わぬカルロスに、彼の敗因を静かに告げるのだった。
──羅針盤戦争、特別作戦コード「オペレーション・セントジョージ」、完遂。
竜殺しはここに成った。第五の「王笏」、カルロス・グリード、討滅完了──。
大成功
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