羅針盤戦争〜Preto Vento
●死を招く黒い風
グリードオーシャンのとある島。
誰もが近寄れぬと言われるその島では、強い風が渦巻いていた。
その風は本来撒き起こることのない、『黒い風』。
「来たれ、来たれ! オブリビオン・ストーム―――コンキスタドールを生み出す、黒の風よ!!」
その正体はカルロス・グリード、七つの形態のうちの1つ、《七の王笏》。
アポカリプスヘルの力を有した彼が、かの世界を滅ぼしかけた黒の竜巻を起こしているのだ。
轟々と撒き起こる風は島の至るところを破壊し尽くし、眠っていたコンキスタドールを目覚めさせる。
海も、大地も、木々も、全てがカルロスの思うがままのコンキスタドールへと変成する。
「この島の鎮圧は絶対に許されぬ。再びこの世界を侵略形態へと戻すため、汝らの力を借り受けよう!!」
カルロス・グリード、《七の王笏》。
王たる者は命じる。
―――世界を今一度、元に戻せと。
●鎮圧すべきは黒き風
「呼ばれたかと思ったけど違った時って、なんか悔しい気がする」
そう呟いたのは霧水・砕牙(《黒の風》[プレート・ヴェント]・f28721)。称号が同じなもんだから余計に。
しかし顔つきを変えた砕牙はすぐにキャンバスを片手に、猟兵達へと説明を行った。
カルロス・グリードの別形態《七の王笏》、彼の者が座する島を見つけたと。
そこは今現在、《七の王笏》が有するアポカリプスヘルの力で具現化されたオブリビオン・ストームによって、大量のコンキスタドールが作り出されているとのこと。
「奴がいる場所なんだが……コンキスタドール共の戦力の多くを担っていたと思われる場所でな。多分、ここを潰しておけば何か有事が起きた際は対処が利くと思われる」
仮に戦争に負けたとしても、島の制圧が済んでいれば痛手を負わせることが可能だろうと彼は言う。
負けることなんて本来あまり考えたくはないのだが、戦力低下を目指すのも悪くはないだろうと。
だが、先にも述べたとおりオブリビオン・ストームによって島の中は黒い竜巻で破壊が繰り返されており、破壊されたモノが全てオブリビオン―――コンキスタドールへと変貌している。
故にカルロスの周囲には数多のコンキスタドールが存在するため、カルロスだけではなく周囲の対処も行わなければならないそうだ。
「多数の敵を相手にするというかなり厳しい状況になると思うが、それでも俺はアンタ達を信頼しているよ」
そう告げた彼は猟兵達を戦場へと送る。
黒い風の吹きすさぶ、悪意溢れる島へ―――。
御影イズミ
閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
見た瞬間にグリモア猟兵の称号と見比べました。
ちなみに「Preto Vento」も黒の風。
今シナリオも採用数を絞り、回転数をあげます。
そのため必ずしも採用が出来るとは限りません。ご理解の程をよろしくお願いします。
●受付日:即時
採用は「シナリオの成功数に到達する🔵の確保が確定した時点」で締め切ります。
全員採用ではない点にはご注意ください。
採用が難しいと判断したプレイングはお返し致しますのでご了承ください。
●プレイングボーナス:敵の先制攻撃ユーベルコードに対処した上で、周囲に発生するコンキスタドール(集団敵)に対処する
今作難易度は「やや難」となっております。
どちらの対処も行わなければボーナスは入りませんのでご注意ください。
また、コンキスタドールの種類はプレイングの中に指定がなければ、人魚、ゴーレム、ゴースト等といった、島に存在するモノから誕生した集団敵が相手になります。
皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『七の王笏』カルロス・グリード』
|
POW : ティフォン・コンデンサシオン
自身の【制御下にあるオブリビオン・ストーム1つ】を代償に、【凝縮されたオブリビオン・ストーム】を籠めた一撃を放つ。自分にとって制御下にあるオブリビオン・ストーム1つを失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : ヴェルダデラ・トルメンタ
【オブリビオン・ストーム】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ : プラン・デストルクシオン
【「『王笏』に仇為す者よ、砕け散れ」】という願いを【島内のコンキスタドール達】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アルトリウス・セレスタイト
そう気張るな
どうせ全て退場して貰う
戦況は『天光』で逐一把握
攻撃には煌皇にて
纏う十一の原理を無限に廻し阻み逸らし捻じ伏せる
願うも良いが、無限に砕いて尚無限に先があることを知れ
全行程必要魔力は『超克』で“世界の外”から常時供給
破界で掃討
対象は戦域のオブリビオン及びオブリビオン・ストーム
それ以外は「障害」故に無視され影響皆無
高速詠唱を『刻真』で無限加速、『再帰』にて無限に重ね瞬刻で天を覆う数の魔弾を生成・周囲全方向へ斉射
それを間断なく無限回繰り返し戦域の空間を魔弾の軌跡で埋め尽くす
創世し最古の理に例外はない
全存在を賭けねば憤る間もないぞ
回避の余地のない飽和攻撃で全て圧殺する
※アドリブ歓迎
●光 VS 風
「……思った以上に、広がっているな」
万物を見通す瞳を介し、島の状況を把握したアルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)。彼は風の巻き起こる状況、コンキスタドールの生産状況を把握し、なるべくコンキスタドールに見つからぬよう行動していた。
だが、『王笏』カルロス・グリードにはその動きが見切られていたようで、黒い風がアルトリウスへと向けられる。島中に存在するコンキスタドールへ、王の願いに賛同するように言葉が向けられて。
「それは、"受けて"やろうか」
冷静に呟いたアルトリウスは、刃として使っていた光を己に収束。鎧として纏った光は黒い風を阻み、無限に巡らせ続けて本体という理への侵蝕を阻む。
風によって舞い飛ぶ小石や枝が僅かにかすったため、完全な無傷というわけではない。だが、黒い風による悪影響は全て光で弾くことに成功した。
ならばと、次にカルロスが動くのはアルトリウス自身への攻撃。オブリビオン・ストームの破壊によって誕生したコンキスタドール達にアルトリウスへの攻撃を命じ、更には行動範囲を削るように指定。瞬く間に戦闘配備がなされた。
「それで終わらせられると思っていたら、大間違いだ」
眩い光がアルトリウスから発せられると同時、ユーベルコード『破界』が発動する。万象を根源から消去する力を持った蒼光の魔弾が迸り、彼が定めた目標を突き破る。
「目標、戦域のオブリビオン及びオブリビオン・ストーム。障害を無視し、全てを消去」
詠唱を己の持つ光で加速させ、別の光で蒼光の魔弾の理の枷を外し、無限に生成。彼が指定した目標―――すなわち、カルロス・グリードとコンキスタドール、加えてオブリビオン・ストームを全て貫く。
新たに生み出されたコンキスタドール達はその対処に遅れを取り、全てが魔弾に貫かれる。だが、カルロス本人とオブリビオン・ストームは魔弾の軌道線上に乗らないように、弾丸が届く寸前でのギリギリ回避を行っている。魔弾によってカルロスが貫かれることはないが、ちらほらと僅かに皮膚を掠り抉っていた。
「さすがは猟兵、我を貫いてくる、か……!」
再びカルロスは黒の風を巻き起こし、周囲の木々を破壊する。破壊されたそれら明確な意志を手に入れると、カルロスの指示よりも素早くアルトリウスへの攻撃を行い始めた。
王のために、王の願いのためにと飛び交う魔弾の海を無理矢理掻い潜ってアルトリウスへと飛びかかったコンキスタドール達。しかしそれも全て、アルトリウスの消去の魔弾によって打ち砕かれる。
「……逃した、か」
次に視界がひらけた時、彼の目の前からカルロスは姿を消していた。別の猟兵を狙いに行ったか、あるいは回復の期間を手に入れたか。いずれにせよ、回避の際に与えた消去の力はしばらくは復元することはないだろう。
とどめを刺すため、アルトリウスは今一度島の奥へと進む。死を目撃するまでは油断はならないからだ。
大成功
🔵🔵🔵
久遠寺・遥翔
アドリブ歓迎
イグニシオンに【騎乗】
まずはあの黒い竜巻の先制攻撃の対処だ
全身を【オーラ防御】
さらにその上から【結界術】の多重防御
その上で襲い来る風の刃を【第六感】で察知し【見切り】
【地形の利用】で盾にできそうな岩や瓦礫なども用いる
三重の守りで突破する
突破したらUCを起動
多数のソードビットを展開し数多のコンキスタドールに対して【範囲攻撃】を仕掛けるぜ
蹴散らせ、イグナイトセイバー。俺達の道を斬り開け!
【ダッシュ】でカルロスに近付き焔の太刀による【2回攻撃】を繰り出し一気に仕留めるぜ
●道を切り開け!
カルロス・グリードの操る黒い風は轟々と吹き荒れて、島を破壊して新たなコンキスタドールを生み出す。生まれた者達は王者に付き従い、島を護るべく配置された。
「……来たか、猟兵」
小さく呟くカルロスの目に飛び込んだのは、久遠寺・遥翔(焔黒転身フレアライザー/『黒鋼』の騎士・f01190)。彼に先に手を与えてはならぬと、カルロスはオブリビオン・ストームを大きく広げ、遥翔を巻き込むように軌道を作り変えた。
「―――イグニシオン!!」
素早くイグニシオンに騎乗した彼は、搭載された防御力・回避力をギリギリまで高め、更には結界術とオーラの膜を何重にも張り巡らせた上で回避行動を開始する。
風の刃は容赦なくイグニシオンに向けられるが、第六感が働いた遥翔は素早く近くに落ちていた瓦礫や岩を盾にその風力を弱め、弱まったところを見切り続けた。
だが、オブリビオン・ストームは破壊した物をオブリビオンへと変える性質を持つ。彼が盾に取った瓦礫や岩は粉々に砕け散ったかと思えば、やがて組み合わさってゴーレムへと変貌した。
「ふ、はは! オブリビオン・ストームをその程度の盾で防げると思ったか!」
カルロスはゴーレム達に遥翔を倒すように命じ、自身はオブリビオン・ストームを操り続ける。イグニシオンの逃げ場を封じるかのように、今度は先回りさせるように軌道を修正し始めたのだ。
だが、遥翔の目的はそもそもカルロス・グリードの討伐。逃げ続けるのが彼の目的ではないため、軌道の切り替わった風を見た彼は、すぐにイグニシオンの能力を攻撃型へと変更させる。
「よし、これなら行ける!」
ユーベルコード『我が身に纏え落陽の剣』を発動させ、焔黒剣を98本複製。複製した剣を全てソードビットの如く操り、周囲に誕生したゴーレムや新たに生み出されたコンキスタドールに広範囲攻撃を仕掛けた。
「蹴散らせ、イグナイトセイバー! 俺達の道を切り開けッ!!」
ソードビットで道を切り開き、焔の太刀を手にカルロスへと一気に近づく遥翔。連続で振り下ろした焔の太刀は避け続けるカルロスの行動を遮り、新たに生まれたコンキスタドールへの命令を遮断。小さな炎がカルロスの身体を少しずつ焼いていた。
これならば行ける。そう思って仕留めようと焔の太刀を振り下ろした瞬間、大きな風が撒き起こった。
「うお……っ!?」
イグニシオンが風に煽られ、一瞬だがその動きが止まる。少しでも隙を与えてはならないと最後まで太刀を振り下ろすも、目の前にいたはずのカルロスは既に死角からの脱出を図っていたために虚空を切った。
ここで逃してはならないと振り向くもつかの間、周囲にはコンキスタドールで溢れかえっており、カルロス自身が何処へ向かったのかもわからずに一度撤退を余儀なくされたのだった……。
大成功
🔵🔵🔵
マリア・ルート
供給拠点はぶっ壊しておくに限るってね!
先制攻撃の素振りが見えた瞬間に素早く視界からずれるように移動開始。集団敵たちの中に紛れ込みつつ剣で攻撃する。
こうすれば集団敵はこちらにヘイトを集める上にカルロスの方もこちらにコードを飛ばすでしょうから、巻き添えが狙えるわ。
竜巻はプルガトリウムに(捕食)させる。仮にもこれは偽神兵器、このようなものを喰らいつくせないわけがない!なおかつこれはかなり重いから私を支える錨にもなってくれるでしょ。この間に集団敵が来たら軽くいなすくらいで。そうすれば竜巻が巻き込んでくれるはず。
攻撃がやんだらその隙に接近、【焦滅のプルガトリウム】。
喰らった分、倍で返してやるわっ!
●炎 VS 風
「供給拠点はぶっ壊しておくに限る、ってね!」
戦場へ降り立ったマリア・ルート(千年の王国から堕ちのびた姫・f15057)へと襲いかかるのは、早速の先制攻撃たる黒の風。いくつものオブリビオン・ストームが撒き起こる中で、1つ、彼女の視界から風が消える。
1つの風を犠牲にし、より力を凝縮させた風を作り出そうと狙いを定めるカルロス・グリード。同時に別のオブリビオン・ストームで破壊行動を行い、マリアの周囲を新たに作り出したコンキスタドールの集団で覆いつくして徐々に逃げ場を失わせていた。
(ここからなら……)
己の立ち位置とコンキスタドールの集団の立ち位置を計算。己の持つ戦闘知識を活用し、どの集団へと紛れ込むかを見定めた上で、マリアは動き出す。カルロスの視界からずれるようにコンキスタドールの集団の中に紛れ込み、更にはヘイトを集めるために集団を煉獄剣「プルガトリウム」・θで切り刻む。
一瞬だけ、マリアの身体が止まる。その瞬間にカルロスは凝縮したオブリビオン・ストームを解放し、コンキスタドール共々マリアを上空へと打ち上げようとしていた。はず、だった。
「―――残念、これも策の内!」
コンキスタドール達が上空へと舞い上がる中、マリアはプルガトリウムを振るって黒の風を捕食。偽神兵器たるプルガトリウムは僅かにゆらめきを見せたが、問題なく風を捕食することが出来た様子だ。
しかし振り下ろしたのもつかの間、別の方面にいたコンキスタドールがマリアに襲いかかる。プルガトリウムが地に突き刺さったままの彼女は、大きく飛び上がって剣を軸に飛びかかってくるコンキスタドールを蹴飛ばし、更には勢いを利用して別の竜巻へ巻き込ませていた。
「見事だ。だが汝の思惑とは違い、コンキスタドールは我の力によって何度でも蘇る」
そう宣言したカルロスは、また1つオブリビオン・ストームを消滅させる。だがこの瞬間、マリアは動いた。
プルガトリウムを勢いに任せて引き抜き、カルロスへと接近。接近速度の勢いに合わせてユーベルコード『焦滅のプルガトリウム』を発動させ、しっかりとカルロスの動きをホールドする。
「何っ!?」
「隙ありよ! 喰らいつけ、煉獄の剣よ!!」
煉獄の炎の柱がカルロスを中心に撒き起こる。王を助けるべく、周囲のコンキスタドール達がその炎の柱を消そうと躍起になってマリアに攻撃を仕掛けようとするも、その炎は止まることはない。
「全て総て凡て等しく灰燼と帰させなさい! あっはははははっ!」
高笑いするマリアの背に、カルロス・グリードの断末魔が響き渡っていた……。
成功
🔵🔵🔴
朱鷺透・小枝子
オブリビオンストーム…この眼で見るのは初めてだ。
あんな、あんな物まであるのか。
亡国の主に搭乗、操縦
呪詛、破壊霊物質を放出、シールドを展開し、念動力
霊物質を操り、破壊の呪詛でオブリビオンストームの破壊効果を受け流し一時凌ぐ
…これは、敵だ。なら、破壊するんだ。もっと、
もっとだ!もっと力を、これを呑み込む程に!力を!!
『劫火業臨』オブリビオンストームに比肩するほど巨大化し、
巨体から放出され続ける大量の霊物質を、破壊の呪詛で汚染、オブリビオンストームの中を動き、周囲の敵へ巨体を使った破壊属性攻撃
コンキスタドールも、オブリビオンストームも、カルロスも!
主よ、全部壊せ!!
カルロスへ、破壊霊物質のブレス攻撃
ナイ・デス
オブリビオンストーム!
【怪力ジャンプ】して【第六感】でタイミング【見切り】
先制に対しすぐに真下へ【推力移動ダッシュ】光を噴いて
光で大地を喰らい吸収して【トンネル掘り】隠れ凌いで
『文明守護竜』
これ以上、過去(オブリビオン)に今を、侵略させは、しません!
風に大地にお願いし、一時的に竜となってもらい合体
無数の竜の集合体
ダイウルゴス!その侵略する力、今は過去から奪り還す為に!
【生命力吸収】する光を全身から発し【一斉発射】
コンキスタドール、オブリビオンストームを吸収、さらに強く、大きく
倍増した【念動力】でカルロスさんに圧をかけ、動きを鈍くしてそこへ
この世界、解放してもらいます!
【範囲攻撃レーザー射撃】!
●団結 VS 風
「オブリビオン・ストーム……この眼で見るのは、初めてだ……!!」
黒き風に打ち震える朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)。恐るべきはその性質と、それを操るカルロス・グリード。吹きすさぶ風によって壊されたモノ達は、全てがオブリビオン―――コンキスタドールとして目覚めていた。
「……これ以上……過去に今を、侵略させは、しません!!」
吹きすさぶ黒き風を前に、ぐっと足と拳に力を込めるナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。迫りくるオブリビオン・ストームに対し、どう対処を取るかとじっと見据えていた。
いくつもの黒い風は少しずつ、島を飲み込もうと成長し始める。それは破壊したものをオブリビオンへと変化させる性質を利用すると同時に、小枝子とナイの2人を同時に島から追い出そうという試みでカルロスが命令を下したからだ。
素早く小枝子はジャイアントキャバリア・亡国の主へと搭乗し、ナイは飛び上がろうと足に力を込める。だが迫りくる巨大オブリビオン・ストームの大きさは凄まじく、小枝子はナイのジャンプが届かないことを悟り、己を踏み台にするようにと声を荒げた。
「ナイ殿! 自分を踏み台に、あの風を飛び越すであります!」
「小枝子、さんは!?」
「自分は上手く凌ぐであります故に! お早く!!」
「……わかった!」
ナイは素早く亡国の主を踏み台にして巨大な黒き風を上手く回避。それと同時に小枝子も呪詛と破壊霊物質を亡国の主より射出、シールドとして展開させた後に念動力で霊物質を操作。破壊の呪詛を用いて大きな風を耐え忍んだ。
うまく回避出来たナイだったが、次のオブリビオン・ストームが彼に迫っていた。このままでは直撃は免れないと悟っていたが、彼はその辺りも織り込み済みだ。素早く真下へと推力移動ダッシュ後、己の体内から溢れる消滅の光を放って大地を削り取って簡易シェルターを作成し、上手く風を耐え忍ぶ。
「ほう……。この風をそのように対処するか」
関心を寄せたカルロスだったが、すぐに次の攻撃の準備へと取り掛かる。だが、それはさせまいと小枝子とナイは同時に動き出した。
●焔は叫ぶ
「……"これ"は、敵だ……。なら、破壊するんだ……」
ぽつり、ぽつりと小枝子は呟く。亡国の主の操縦桿をしっかりと握りしめ、"それ"を敵としっかり認識するまで、何度も口にする。
敵は全て破壊。それが彼女を形作る、唯一の基礎とも呼べる理念。敵と認識したものは、何を伝えようとも、何を叫ぼうとも、剣を抜いて壊すだけ。
「―――もっと、だ。もっと力を、これを呑み込むほどに、力を! 力を!!」
大きく叫んだ彼女の意志に、ユーベルコード『劫火業臨』が亡国の主と連動。その力は亡国の主を巨大化させ、その大きさはオブリビオン・ストームに並ぶほどに変貌する。
その巨体から放出され続ける、本来なら修復や生成ように使われる大量の霊物質を破壊の呪詛で穢し、悪意の刃へと変貌させて襲いかかってくるコンキスタドール達を一網打尽にした。
「コンキスタドールも! オブリビオン・ストームも! カルロス・グリードも!!」
―――主よ、全部壊せ!!
叫ぶ小枝子は亡国の主に命ずる。カルロス・グリードへ向けて、破壊霊物質を射出せよ、と。
●光は叫ぶ
簡易シェルターに潜り込んで風をやり過ごしたナイ。すぐさまシェルターから飛び上がると、ユーベルコード『文明守護竜』を発動させ、己を中枢とした新生ダイウルゴスへと変身した。
「今を守る力を、みんなに。世界を、守りましょう。私達は、文明を守護する竜、ダイウルゴスです……!」
変身を重ねるごとに風に、大地に、願いを捧げて一時的に竜へとなってもらって合体し、無数の竜の集合体を作り出す。その大きさは、今やオブリビオン・ストームに並ぶほどだ。
「ダイウルゴス! その侵略する力を、今は……過去から、奪い還す為に!!」
風をも呑み込みそうになる巨体は、やがてゆっくりと光を放出し始めた。その光は触れたものの生命力を奪い、奪った分だけの生命力を増幅させる光。
生命力を吸収する光はダイウルゴスに向かって飛びかかる周囲のコンキスタドール達を包み込むと、生命を吸収してナイへと還元、彼はその力をさらなる変身のために再利用した。
倍増、倍増、更に倍増。その変身回数が増す度に増えるのは、何もその肉体だけではない。ダイウルゴスが操る念動力の力も、同じように増え続けているのだ。
念動力は威圧のように放たれる。カルロス・グリードは圧に屈しないように耐えていたが、変身を重ねるごとに増える念動力は、やがて彼の者の足を止めた。
大きく吠えたダイウルゴスの声に混じって、ナイの声が響き渡る。
―――この世界、解放してもらいます!!
声と同時に射出されたレーザー射撃は、カルロス・グリードへ向けて真っ直ぐに迸る。
●風は、一時止まる。
猟兵達による戦いにより、一時的にオブリビオン・ストームは止まる。
そのおかげか、島のコンキスタドール生産が少々痛手を負ったようだ。
だが、『王笏』が完全に倒れたわけではない。
これはまだ戦争の中盤戦に過ぎないのだから……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵