羅針盤戦争〜リベレーターズ・バラージュ
●
「この島もまた、発見されるに至ったか」
なぜかライダースーツのような格好に身を包んだカルロス・グリード。
その背後で一つの竜巻が原生の動物を飲み込んだかと思うと――その命が潰え、オブリビオンへと変質していく。
言うまでもない――オブリビオン・ストーム。この竜巻は確かにオブリビオン・ストームのそれだった。
「オブリビオン・ストームによりコンキスタドールを増産していたが……この場を制圧されると、かなりの痛手となる」
ならば、とカルロスは右手を前に出し。
「私が直々に相手になろう。『王笏』に仇為す者よ、我が前に散るといい」
荒れ狂う竜巻の中、カルロスは堂々と宣戦布告した。
●
「いい場所見つけたじゃない」
ニヤリ、と笑みを浮かべるマリア・ルート(千年の王国から堕ちのびた姫・f15057)。
「コンキスタドールの増産拠点。ここを制圧すれば万が一私たちが負けたとしても大打撃を与えることはできそうね」
オブリビオン・ストームがまさかコンキスタドールの増産に使われていたとは誰も思うまい。
「カルロス・グリードに一泡吹かせるチャンスよ。ただこの依頼、『高難度依頼』と認定されたから気を付けて」
アポカリプスヘルの島だけあり、カルロスの周辺は荒野が広がっている。遮るものはない。それだけカルロスがオブリビオン・ストームを使いこなしているということでもあろうが……。
「戦うときの注意点なんだけど、まずカルロスのコードは先制攻撃。そのうえで、周囲にはびこる集団敵コンキスタドールに対処する必要があるわ」
どの集団敵なのかはバリエーション多すぎる上に未だ資料にないものもいて判断がしづらい。まあ集団敵なのでだいたい適当にやっても大丈夫だろうが……単にメンツが多いだけでも厄介である。
「つっても、色々穴はあると思うのよね。資料のカルロスのコードのところ見てもらうとわかると思うけど……」
例えば、無差別攻撃に集団敵を巻き込む。
例えば、なんやかんやして、砕け散れという願いで自爆させる。
ほかにも色々やりようはありそうだ。
「ここを制圧すれば大きな一歩になる。頼んだからね、みんな!」
グリモアの先に映ったのは――竜巻だった。それを見てマリアが苦笑い。
「……少し待ってね、オブリビオン・ストーム今まさに起きている座標につながっちゃったみたい……」
しかしその向こうに見えたのは、確かに――カルロス・グリードだった。
結衣謙太郎
オブリビオン・ストームの有効活用。
結衣(戦争モード)です。
カルロス・グリードとの正面衝突!
以下詳細。
●メイン目標
『カルロス・グリード(アポカリプスヘル風味)』の討滅。
●章構成
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「羅針盤戦争」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
今回の相手はアポカリプスヘル風味のカルロス・グリードです。
ロケーションはオブリビオン・ストームとかのせいで荒野です。
遮るものも隠れる場所もないガチンコ――と言いたいですが、集団敵がいたり竜巻があったりで割とやりづらいかと。
集団敵コンキスタドールたちはバリエーション豊かで、特にこれといったものはありません。ただちゃんとした対策があれば集団敵たちはあっさりやられます。あとはカルロス・グリードのコードに巻き込むのもありかも?
●先制攻撃について
先制攻撃を持つ敵と戦う時、猟兵たちのコードはなんやかんやで必ず後手になります。
罠とかを張るなど先手が有利になるようなコードを使うときは要注意!
また、先制攻撃で来るコードは猟兵が使うコードと『同じ能力(POW・SPD・WIZ)』のコードによる攻撃が必ず飛んできます。
先制攻撃の対策で重要なことは、先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動です。対抗策を用意せず、ただ単に自分の攻撃だけを行おうとしても先制攻撃で大打撃を受けてしまい、敵にあまりダメージを与える事はできないと思われます。対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性が高いので注意してください。
重要な点はもう一つあります。
先制攻撃は『ユーベルコード1回につき1回』繰り出されます。よって、2つ以上のユーベルコード使用、あるいは1つのユーベルコードの複数回使用は推奨されません。それだけ先制攻撃が飛んでくるので。
以上、先制攻撃についての注意点でした。ギミックの1つとしてご承知おきくだされば幸いです。
●備考
プレイングはオープニング公開後から受け付け開始します。
ただし全採用できない可能性がいつもより大きい点、ご了承ください。
また、このシナリオは高難度依頼、かつ戦争ボス依頼です。
判定が1段階辛くなります。ご注意ください。
以上です。まずい字数がもうない!
それでは、毅然と立ち向かう皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『七の王笏』カルロス・グリード』
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POW : ティフォン・コンデンサシオン
自身の【制御下にあるオブリビオン・ストーム1つ】を代償に、【凝縮されたオブリビオン・ストーム】を籠めた一撃を放つ。自分にとって制御下にあるオブリビオン・ストーム1つを失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : ヴェルダデラ・トルメンタ
【オブリビオン・ストーム】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ : プラン・デストルクシオン
【「『王笏』に仇為す者よ、砕け散れ」】という願いを【島内のコンキスタドール達】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
イミ・ラーティカイネン
こんな形でコンキスタドールを増やしていたとはな
だが見つけたからには容赦しない、嵐もろとも消し飛ばしてやる
戦場突入直後から【楽器演奏】を使い、愛用のシタールを奏で続ける
敵の攻撃は甘んじて受けよう、むしろ寄ってきてくれるなら都合がいい
攻撃を受けている間も演奏は止めず、攻撃に隙ができたら『歌詞のない聖歌』発動
集団敵を音塊でまとめて【なぎ払い】、ついでに自身を回復する
「奏者の邪魔をする者は排除される。当然の理屈だろう?」
集団敵を片付けられたら、カルロスにも音塊が届く範囲に演奏しながら自分が移動する
「俺の音は耳を塞いでいてもその身を揺さぶる。とくと味わえ」
連携・アドリブ歓迎
クロス・シュバルツ
アドリブ、連携可
砕け散れという願いがどのように実現するか判断できない以上、最初の一撃は甘んじて受ける
敵の願いは即ち此方にとっての呪いであるとして『呪詛耐性』と全身を包む『オーラ防御』でダメージを軽減した上で、『激痛耐性』と『継戦能力』で被ダメージをカバー
先制攻撃を耐えたら自身のUCを発動し、幽霊騎士団を召喚
これらは基本、集団敵対策に当たらせて邪魔者を排除し、カルロスのUCの威力減衰を狙う
カルロスに仇為す者が増えれば一人辺りの願いの実現度合いも落ちるのでは
自分はカルロスに集中、鎖の『フェイント』で足元を狙い『体制を崩す』事で隙を作り黒剣を叩き込み『生命力吸収』で先制攻撃のダメージを回復していく
●初手より痛恨の一撃を
「こんな形でコンキスタドールを増やしていたとはな」
お手製のシタールを奏でつつオブリビオン・ストームを見ながら語るイミ・ラーティカイネン(夢知らせのユーモレスク・f20847)。
『そうだ、コンキスタドール共を増やすための手段として我はオブリビオン・ストームを用いた』
「ふうん……」
カルロスとにらみ合いながらなおも演奏を継続するイミ。
『だが、猟兵共は我らにとっての危険分子、オブリビオン・ストームをもってしてなお警戒しなければいけない相手だ。故にここで潰そう。汝らの王たる我、カルロス・グリードより、全てのコンキスタドールに命ずる』
――その言葉と共に、大量のコンキスタドールが現れる。そしてカルロスは命じた――彼をのけよ、と。王笏に仇為す者を砕け、と。
その言葉に賛同したかのようにコンキスタドールたちは殺す気満々でイミに近接してくる。
「ふっ……寄ってきてくれるなら逆に都合がいい」
それでもなおも演奏を止めることはなく、攻撃を受け続けるイミ。しかしどこかで隙が生じないか観察を続けていた。
――だが多勢無勢という言葉がある。
イミの姿が見えなくなるほどの集団敵を前に、イミは隙を見つけることが難しく。
カルロスに一撃浴びせることもできないまま、もみくちゃにされて終わる――はず、だった。
「大丈夫か?」
「ああ、問題ないな」
助太刀に来たのはクロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)。彼も先制攻撃に対し甘んじて受ける方針だ。
敵の願いは即ち此方にとっての呪い――ならば呪詛体制が効くか――と思ったが、あまり効きはせず。しかし一緒に展開したオーラでイミごと包み、被弾の勢いを軽減する。
こうなれば集団敵はもうこちらのものだ。
イミがまとめて音の具現化で集団敵を蹴散らしつつ、自分たちを回復する永久機関と化す。
それでもなお際限なく来続ける集団敵――その中で隙がないかと観察してたイミ。
そして――時は来た。視界に一瞬、油断したカルロスが映る――
「奏者の邪魔をする者は排除される。当然の理屈だろう?」
とイミが呟けばひときわ大きな音による薙ぎ払いが集団敵を殲滅、すぐにカルロスのもとへ。クロスが続く。
そこにカルロスを守るように増援がさらに来ようとする――が、戦車と幽霊らしきものがそれを阻む。カルロスがそれの見た目を見て訝しんだ。
『「鬼火」が反旗を翻したか……? このような幽霊など……』
「いや、違う。どちらかといえば『異界の軍勢』だ」
彼らは一様に骨でできた剣や弓を持っている。幽霊の見た目ともなれば『鬼火』の勢力と間違えるのもわかるかもしれない――が、あくまで彼らは異界の騎士の幽霊に過ぎず。
――彼ら異界の軍勢、カルロスが困惑する中集団敵たちと相対す。
その隙に2人はカルロスに接近した。
「……なるほど、これでは使えないからとコンキスタドール共を『砕け散らし』たらあれがこちらに来る算段か」
鎖によるフェイントの初撃をステップでかわすと、視界に見えた音塊を見据え、来ない位置に移動。だが、フェイントに引っかかったうえに移動範囲を阻害されれば、強烈な一撃は当てやすい。
「我が血を啜り、覚醒せよ。【葬装】――黒羽」
クロスの黒剣が赤い糸と共に目覚めると、クロスはそのまま糸を引いた体のまま左手に構えた鎖でカルロスの足を狙う。詠唱したとなればまず黒剣で攻撃してくるだろう――それを逆手に取ったフェイント。それは確かに効果的だ。しかも足元は死角である。ドッジボールの際に足を狙うのが効果的なのは対応がしにくいからである――似たようなものだ。それで足を狙われれば、カルロスの足にかすり、思わずカルロスは体勢を崩す。
『む――』
崩れた体勢の胸を狙い、本命の黒剣が突き刺さる――やや胸元を外した。心の臓を外してしまった。顔をゆがめるクロス、だが黒剣から生命力を吸っていく。これで最初のダメージを回復できれば重畳だ。
加えて、イミを忘れてはいけない。
「俺の音は耳を塞いでいてもその身を揺さぶる。とくと味わえ」
上空より音塊がカルロスを襲う。黒剣でホールドされたその身に音塊が降り注ぐ。勢いは体勢を揺らがせ、黒剣の傷を広げる。
『――まだだ』
カルロスがもう少しダメージを負っていればこれが決定打になっただろうが、生憎まだ元気なカルロスは黒剣を両手でつかむと無理やり引き抜きながら後退。胸を押さえつつ2人を見つめればすぐに2人を集団敵が取り囲む。
仕留めるまではいかなかった――だが、いい一撃は与えられた。そう信じてやまない2人だった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ・連携・OK!
HAHAHAmオブリビオン・ストームを放ってくるとは無茶苦茶なことしマスネー!
アポヘルのストームよりマシだと、前向きにポジティブシンキング。レッツゴー!
大技を仕掛けるタイミングを見計らうべく、敵集団の中に突撃デース!
走り回って紛れ込み、乱戦状態に。このままカルロスのUCの巻き添えにしマショー!
来たるストームの一撃に対しては、パイルバンカーを地面に刺して固定、ハンマーを前に置いて防壁代わりにして、耐えるスタイルデース!
ストームが止んだら、取り巻きも吹き飛んでるデショー。
開けた目の前にいるカルロスめがけて、火力重視の《ヴァリアブル・ウェポン》一斉発射をおみまいデース!
●臥薪嘗胆の先に
「HAHAHA、オブリビオン・ストームを放ってくるとは無茶苦茶なことしマスネー!」
バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は陽気に笑いながらカルロスの眼前に立つ。睨まれたかと思えば即座に集団敵がカルロスを守ろうかというようにわちゃわちゃとやってくる。
「Oh……まあ、アポヘルのストームよりマシだと、前向きにポジティブシンキング。レッツゴー!」
あーっと、バルタン、なんと敵集団に突撃していった!
あっという間に集団敵に囲まれながらも歴戦の力で次々蹴散らしていくバルタン。こう見えて、実力とかガチになった時の力は本物だ。侮ってはいけない。
『面倒な……』
カルロスがオブリビオン・ストームの一つを掌握すれば、乱戦の方に向ける。一部集団敵が戦慄した。自分らを巻き込むつもりか、と――!
果たして予感は的中し、集団敵ごとすべて飲み込む威力を増したオブリビオン・ストームが放たれる!
集団敵たちが次々にやられていく中、その中に紛れ込んでいたバルタンは――
『パイルバンカー!』
腕部からパイルバンカーを起動させるとそれをそのまま地面に突き刺し、太い杭と足、さらに腕からハンマーを出して目の前に置けば重りと防壁代わりにしひたすら歯を食いしばりながら耐えていく。
「ぐ、ぐぐぐグ……ここは耐え時デース……!」
いつ終わるのか、まだ終わらないのか。ハンマーがずれ、杭が徐々に抜けはじめ、足もおぼつかなくなってきた。それに自分の身やメイド服もところどころに切り傷ができている。それでもなおも耐え続ける。そうすればきっと――
『――ほう、耐えるか』
――嗚呼、やはりそうだ。耐え抜いた先には、集団敵たちはいない、カルロスに攻撃する絶好のチャンスが。
「倍で返してやりマスヨ……一斉発射デス!」
バルタンの体のありとあらゆるところから、もはや切れた服のことなどどうでもいいように突き破りながら武器がカルロスに飛んでいく。火力を重視したそれらは再び現れる集団敵たちを易々と飛ばし、カルロスに逃げる隙も無く命中する。一つ当たって怯めばすぐ次。一斉発射とはそういうものだ――そういわんばかりに次々に当たっていくバルタンの兵器たち。
『……』
無言ながらも顔をゆがませるカルロス。
だが一方のバルタンも、
「クールダウン、プリーズ……」
零ではないダメージと一斉発射で一度休憩を必要としていた。
それでも――十分。ダメージは入ったように見えた。
成功
🔵🔵🔴
ヴィリー・フランツ
(SPD)アドリブ・連携歓迎
心情:戦争の勝ちは見えてきたが万が一と言うこともある、ここが征服者の供給拠点なら是非とも潰さねぇと!
手段:高機動バイクで出撃だ、多少の高低差はジャンプ機能で突破出来る。
先ずは相手のオブリビオン・ストームを凌がにゃならん、[操縦]を駆使しストームが霧散する迄逃げ回る、コンキスタドールは放っておいてもストームに巻き込まれ消し飛ぶだろうな、一応逃げるのに邪魔な奴はレーザーガンの片手撃ちで排除を目指すが。
逃げきったらカルロスにバイクで突撃、そ途中で乗り捨てバイクだけを奴に突っ込ませる、後は【ヘッドショット】でバイクのタンクを撃ち抜き、誘爆でダメージを与えてやる。
●乗り捨て御免
カルロスは傷ついており、この戦いに勝ちは見えてきている。
戦争という大局で見ても勝ちが見えてきている。
だが万が一、ということもある。もしもここが征服者(コンキスタドール)の拠点であれば早々に潰さないといけない。
そのような思いを胸にバイクでひた走るヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)。
オブリビオン・ストームや集団敵が立ちはだかる中、バイクを巧みに操縦し逃げ切ろうとする。集団敵がバックスタブを狙うが、その悉くがオブリビオン・ストームに飛ばされていった。
(背後はオブリビオン・ストームにふさがれたか、ま、いいさ)
何分目の前にカルロスが見える。この好機を逃さない手はない――
(――っとと)
最後の障壁。カルロスが放つ巨大オブリビオン・ストーム。自分中心に放つ旋風。タイヤから火花をあげながらドリフトもしつつそれから逃げていくヴィリーの操縦はなるほど厳しい宇宙環境で生きてきた経験者。集団敵が追いかけたり立ちはだかるが、片っ端からオブリビオン・ストームに消し飛ばされる。
(無差別攻撃が仇になったな。っと、側面に1体……あと前方が崖か)
素早く状況を把握すると側面から攻撃しオブリビオン・ストームと挟み撃ちにしようとする集団敵を左手のレーザーガンで撃ちつつ、目の前の崖に向かいエンジン全開、跳ぶ――!
(――っ、いた)
空中、カルロスがオブリビオン・ストームの隙間から見えた、それはこの巨大オブリビオン・ストームを乗り切ろうとしている証。音を立てながらバイクが向こう側の崖に着地すると、すぐに方向を転換、はっきりとその姿が捉えられたカルロスの方へ。
『ふむ、だが我には近づけまい』
カルロスが再びオブリビオン・ストームを放とうと――した矢先だ。
(ここだ!)
ヴィリーは突如として両足を使いバイクをカルロスの方に勢いよく蹴り飛ばし、そしてそのまま尻餅をつく間もなく――
「わるいな」
レーザーガンで素早くバイクのタンクを撃ちぬく。さてこんな真似をすればどうなるか――それはもちろん! ドッカーン、とバイクが爆発だ!
『何っ!?』
バイクのかけらや誘爆の勢いがカルロスに当たり傷をつける。カルロスの顔から一つ出た赤い線を手でなぞれば、それを一つ舐めてみる。――血の味だ。
『――やってくれるものだ』
自分の足をそのまま武器に。機動力を犠牲にしての攻撃は、大方うまくいったようだった。
成功
🔵🔵🔴
七那原・望
【全力魔法】で速度を【限界を超えて】強化したスケルツァンドに【騎乗】し駆け抜けます。
【結界術】で風や空気抵抗を軽減。
【第六感】と【野生の勘】で敵の行動とオブリビオンストームの挙動を【見切り】範囲外へ逃れ回避に専念を。
程よく増えてきましたね。そろそろ利用させてもらいます。
【果実変性・ウィッシーズアリス】でスケルツァンドの上に現れたねこさんの【多重詠唱】【全力魔法】の幻覚を。
コンキスタドール達にはカルロスをわたしだと思わせ、カルロスにはわたしとコンキスタドールが視認できないようにします。
さぁ、敵はそこにいます。みんなで力を合わせて倒しましょう。
わたしもねこさん達と【全力魔法】で攻撃を。
●扇動
「やれやれ、メンバーだけ増やせばいいと思うものでもないと思うのです」
風を切るように宇宙バイクに乗って空を駆ける七那原・望(封印されし果実・f04836)。限界を超えた速度は魔法で出しているもので、風や空気抵抗を結界で防いで吹き飛ばされないようにしている。
そんな彼女を追いかける集団敵たち。だが一部集団はカルロスが巨大化させたオブリビオン・ストームに突っ込んで吹き飛ばされている。先の発言はそこから出たものだった。当の望本人は完全に勘で挙動を把握して翼のごときその宇宙バイク――奏空・スケルツァンドを駆って回避している。それでもなお集団敵たちは止まることを知らず増えていく。
――ふと、目隠しの下の目が輝いた気がした。口元にも笑みが浮かぶ。
「程よく増えてきましたね。そろそろ利用させてもらいます」
と、宇宙バイクの上に乗っかれば胸に手を当て。
「わたしは望む……ウィッシーズアリス!」
唱えれば一瞬彼女が光に包まれ、不思議の国のアリスのような姿に変身。その足元にはチェシャ猫にも似た4匹の猫が。
「わたしはカルロス・グリード。わたしは不可視の少女。あなたの見てるそれは本当にわたし?」
まるで不思議の国のような言い回しと共に放たれた幻覚は集団敵たちの思考を阻害する。
――その一方で。
『……む? コンキスタドール共がいないぞ?』
先ほど望を見かけて放った巨大オブリビオン・ストームを見ながらため息をつくカルロス。コードの力で、ただ見えないだけともわからないまま。
『……すべて巻き込まれてしまったか……まあいい、いくらでも替えはある』
「聞いたかコンキスタドール共よ。あの紛い物は汝らをいくらでも替えがきくと言いのけた」
今や集団敵にとっては望がカルロス。それに応じるように口調を合わせる望。
もはやカルロス(本物)の信頼度は零――!
「さぁ、敵はそこにいます。みんなで力を合わせて倒しましょう。
ねこさんたちも」
口調を戻しつつも魔法でカルロス(本物)を攻撃する望たち。集団敵たちもカルロス(本物)に突撃する――!
『さて、一瞬猟兵の少女が見えたからオブリビオン・ストームを放ったものの――!?』
油断してた。集団敵の攻撃が深くカルロス(本物)に突き刺さる。それを皮切りに陸から空から、物理的に魔法的に射撃的に次々と攻撃を受けるカルロス(本物)。
『ええい、不可視のユーベルコードでもかけたか! 猟兵め、コンキスタドール共に何を吹き込んだ!』
(それもわからないうちはまだまだ、なのですー)
実はすぐ近くにいる望はそのカルロス(本物)の言葉、そしてフルボッコにされている姿にくすくすと魔女のような笑みを浮かべていた。あ、この子魔女だったわ。
大成功
🔵🔵🔵
ナイ・デス
偽神細胞でも、手に入れたのでしょうか?それなら、なるほど、ですが……
オブリビオンストームとカルロスさん。どちらから消していきましょう……!
転移したらすぐに【レーザー射撃トンネル掘り】「聖なる光」で大地を喰らい吸収して下に逃げます
穴を塞ぐように【念動力オーラ防御】凌ぎ
両方、いきますか!
『文明守護竜』発動
大地に、大気にお願いしての一時的合体。そして
ダイウルゴス。侵略する力も、ここに!
【生命力吸収】する光
集団的やオブリビオンストームも、吸収してく
倍増した念動力で二撃目も防ぎ
【覚悟激痛耐性継戦能力】無傷は無理でも、耐えて連続発動
倍増繰り返した念動力で【衝撃波】
ストームもカルロスさんも、ふきとべ、です!
●文明守護竜は大地より出る
「偽神細胞でも、手に入れたのでしょうか? それなら、なるほど、ですが……オブリビオンストームとカルロスさん。どちらから消していきましょう……!」
聖なる光で大地を潜行しながら思案するナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。さすがに地底だと集団敵は追ってこれないだろうが、バックスタブの危険性はある。
――だが、そこはナイくん抜かりなし。ナイが歩んだすぐ後ろは念動力で動いた地面が埋めており、全くナイが見えることはない。地上でもナイなんてまるで見つけられないように集団敵が動いている。
さて、ナイの悩み。それは、先制で来るであろうオブリビオン・ストームとカルロス本体、どちらから潰すかというもの。潜行しながらしばらく悩んでいたが、やがて決めたように目を見開く。
「両方、いきますか!」
と、決意に満ちた表情で言えばいったんそこで動きを止めた。
――そのころ地上では。
『――なにやら気配を感じるな』
ふと、カルロスが手を向けたのは、今まさにナイがいる場所――!
『穿て』
そこに向けて、ただの勘で放たれたオブリビオン・ストームが襲いかかる!
「文明の守護竜、ダイウルゴス――
大地よ、大気よ、お願い、私と、一つに――そして――」
オブリビオン・ストームが来ていることも知らないまま、ナイがコードを使い、周囲が変質していく。
「ダイウルゴス。侵略する力も、ここに!」
カルロスがオブリビオン・ストームを放った先の地面から、光があふれてくる。
それはまるで、大地を割り、光が漏れていくように。
『やはりそこにいたか』
あくまで冷静なカルロス。集団敵もこの状況に集まってくる。
――が、この光に触れるのはマズい!
触れた先から集団敵が生命を失っていくように倒れていけばオブリビオン・ストームに巻き込まれていく。おまけに――
『な、なんだ? あれは――吸収、しているのか?』
そう、オブリビオン・ストームも、集団敵も、光の下から現れる『何か』に吸収されていく。そして現れたのは、文明守護竜『ダイウルゴス』――!
『くっ、だが凝縮したオブリビオン・ストームには幾度も耐えられまい』
すぐに再びオブリビオン・ストームを凝縮して放つも、ダイウルゴスに全く通用しない。無敵ではないが、念動力の倍増でまるで0ダメージかのように防ぎ切っている!
『くそ……まだだ、何度でもだ!』
冷静さを失い、オブリビオン・ストームを連発するカルロス。だがそのたびにナイはコードを連続発動して吸収し、さらに強くなっていく。
臨界点などない、どこまでもどこまでも――
――しかし千日手もやがて終わりが来る。
(ストームもカルロスさんも、ふきとべ、です!)
ダイウルゴスが攻めに転じる。ここまで成長した存在が放てば、それは逆転の一撃となる――!
ダイウルゴスが放った強烈な衝撃波――はカルロスの体をはるか遠くに吹き飛ばしていった!
(あっ――)
そう――衝撃波で吹き飛ばしてしまった。カルロスは生死不明。これが唯一のミスだったか。否――ミスではないだろう。あれだけ吹き飛ばせば、体を大きく打って重傷は免れないだろう。
そう信じ、文明守護竜はカルロスを吹き飛ばした方向に歩みを進め始めた。
『――ガハッ』
青空の下、口から血を吐くカルロス。
荒野に体を大きく打った彼は、よろけながらも立ち上がる。
『――終わるわけにはいかない。この島は渡すわけにはいかない』
カルロスにも、意地がある。たとえ満身創痍であろうと、ここで諦めて死を待つわけにはいかなかった。
大成功
🔵🔵🔵
テラ・ウィンディア
カルロスってコスプレが好きなんかな
おれも色んな格好は好きだぞ!
対POW
対集団
【戦闘知識】
敵陣の動きとカルロスとの立ち位置の把握
更にカルロスがどうストームを撃ってくるからの分析
【見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け・二回攻撃・早業・串刺し】
飛び回りながら集団の攻撃も避けつつ剣と太刀で切り捨てては槍でも串刺しに。カルロスの攻撃を捕捉した瞬間残像を残して飛び敵陣を巻き込むよう誘導
それでも避け切れない時は盾で致命だけは避ける
【遊撃・砲撃・レーザー射撃】
ガンドライドを展開してレーザーで集団敵を薙ぎ払うぞ
やっぱりすげぇな
だがおれも簡単には負けないぞ
メテオブラスト!
【重量攻撃・リミッター解除】で威力増強!!
●戦いに燃える少女
「カルロスってコスプレが好きなんかなー。おれも色んな格好は好きだぞ!」
吹き飛ばされて起き上がった先にいたテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)の声を聞けばカルロスはため息。
『コスプレ――だと……この戦意溢れる衣装がわからぬとは……』
どことなく怒りを浮かべるカルロスにテラは得意そうな顔。それにムカついたか先に出たのはカルロス。
『死ね、猟兵よ!』
「おおっと!」
カルロスの手から出るオブリビオン・ストームを避けきれないとみるやオブリビオン・ストームを可変式攻防光盾で素早くガードしながら飛翔するテラ。その途中に集団敵が来れば剣と太刀で斬っていく。
(……うまくやればっ……!)
敵の動き、カルロスとの相対位置、そしてカルロスがどうストームを撃つか。
それらを己が戦闘知識を用いて素早く計算すれば、出された解は一つ。
(残像を使って、おびき寄せたうえで巻き込めるはず!)
テラはひたすら直撃を避けるように動きつつ、集団敵をまとめる作戦に出た。乱すものが肉薄すれば槍も使いつつ倒していき、集団敵たちを誘導していく。
――そして、数多の集団敵がその狙いに乗り、固まったところで集団敵たちの前に立てば、
「ほら、来いよ!」
と挑発して見せる。それに乗った集団敵たちの攻撃を残像を出しながらの回避でかわせば、バックスタブを狙っていたカルロスのオブリビオン・ストームが集団敵たちに直撃!
『――! これが狙いか……だが向こうにもいるはずだぞ』
そう、テラが今逃げた方向にもむしろ待ち構えていたような集団敵たちが。だがテラはニヤリ顔。
「ガンドライド!」
臆せず3つの砲身を持つ小型浮遊自走砲台群『ガンドライド』を呼び出す。本来キャバリアに付属している兵器だが、自走砲台なのでこのように単独で出すことも可能だ。
呼び出されたガンドライドはすぐにレーザーで薙ぎ払いをし、集団敵たちは爆破と共に散る。それを見てカルロスに向き直るテラ。
「……やっぱりすげぇな、カルロスも、あいつら(集団敵たち)も」
闘志がめらめらと燃えてくる。
「だがおれも簡単には負けないぞ」
飛び上がり、そして素早く1回転すれば――
「メテオブラスト!」
『ごはっ!?』
再びオブリビオン・ストームを放とうとするカルロスの顔に、かかと落としの直撃が決まった!
なお、重力的なフィールドが云々で見えないところは見えないのでご安心ください。ええ。
『やるな……』
鼻血を垂らすカルロスだが、鼻血を出している原因は顔へのかかと落としの直撃であり、見えたからではないとは言っておこう。
成功
🔵🔵🔴
黒城・魅夜
素敵なご衣裳ですね王笏
よくお似合いです、ええ、とても……道化そのもので(くすくす)
早業の範囲攻撃で鎖を展開、さらに衝撃波を乱れ撃ちます
目標は敵ではなく乾いた大地
砂塵を巻き上げ瓦礫を飛ばし、これを利用し闇に紛れて姿を消しましょう
単純な目くらましだけではありません
真の目的は大地深く穴を穿ち潜ってストームをかわすこと
同時に雑魚どもを相手にせずとも済みますしね、ふふ
地底に響く地表の物音を第六感で見切り
雑魚どもと王笏を見極めます
ジタバタしているのが雑魚どもで
王笏は無駄にゆったりと構えているでしょうからね
居場所が分かれば地下から攻撃を加えます
ええ、影を縫うのは何も上からに限りませんよ
下からでもね、ふふ
●影縫いは上からとは限らない
「素敵なご衣裳ですね王笏」
黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)がカルロスにそう言えば、カルロスは冷静さを取り戻したかのように『わかるか』と言う。だが――
「よくお似合いです、ええ、とても……『道化そのもの』で」
くすくすと笑う魅夜、心底では嘲けていた。
『道化、か……道化、だと? 滑稽な格好だと?』
青筋が浮かぶカルロス。反芻してようやく気付いたようだ。
『死ぬがよい!』
オブリビオン・ストームを巨大化して魅夜に放つ。魅夜は対して鎖を展開すればそれを大地に幾度も打ち付ける。砂が巻き上がり、オブリビオン・ストームに混ざれば砂嵐と化す。
『目くらましのつもりか! だがこの範囲からは逃れられまい!』
集団敵たちが吹き飛ばされる中、カルロスはステップをし、魅夜のいるはずの場所を見る――が、そこには誰もいない。
『どこに行った!』
(念のため闇に紛れることもしてみたのですが、無事に潜れましたね)
魅夜は今――地中にいた。
そう、先ほどもあった戦法。地中にいれば集団敵たちを相手にする必要もなく、オブリビオン・ストームにも当たらない!
先ほどの鎖で衝撃波を放っていた魅夜は大地深く穴を穿ち潜ってストームをかわすことを目標としていたのだ!
地中で注意深く耳を澄ませる魅夜。
(おそらくこの靴のような響きと音が王笏でしょうね)
完全に勘ではあるが、カルロスと集団敵たちの音を見切った魅夜。
(先ほど慌てていたとはいえ、普通はジタバタしているのが雑魚どもで、王笏は無駄にゆったりと構えているでしょうからね。あれだけで完全に取り乱すような王笏ではないでしょうし)
それはある種の観察力か信頼か、それとも。
王笏に近づくように移動する魅夜。そして――
(えい)
――突如、カルロスは己の身の異変に気づいた。
体が思うように動かない。手が、足が動かない。そして――オブリビオン・ストームを制御できない。
『どういう……ことだ?』
それまで軽くできていたことが突如できなくなるというのに、存在は戦慄するものだ。カルロスもまた然り。恐る恐るカルロスが目を落としてみれば、己が影の頭と腕と足に札のようなものが刺さっている。
『――影縫いか! だが、下から、だと――!?』
(ええ、影を縫うのは何も上からに限りませんよ――そう、『下からでもね』、ふふ)
ほくそ笑む魅夜。鋭いナイフのような攻撃力も持ったそれに苦戦するカルロス。意思も封じられ、本能的に強引に抜こうとするあまり手の傷も気にすることなく。ようやく3つとも引き抜いたころには――正確には魅夜がこのくらいですかね、と力を抜いた瞬間だが――魅夜は地上に戻り、カルロスの手は血だらけだった。
「おや、手が血だらけですよ? どうしました?」
『汝――!』
ワナワナと震えるカルロス。完全に精神面優位だが、チラと見えた女性を見て、ふふ、と微笑。
「ではあとは任せましょう。私も『面白い』と思う方に」
大成功
🔵🔵🔵
シノギ・リンダリンダリンダ
……第七の王笏。言いにくい事なのですが
ほんとにお前、ファッションセンスどうにかした方がいいですよ?
一応忠告をしておいてあげる
相手の攻撃に、雑魚敵を巻き込むように移動しながら対処
攻撃はくらってもいい。全破壊されないようにオーラ防御は固めていく
乗り切ったら、ボロボロの外殻を捨てる
【憤怒の海賊】を解放
漆黒の呪詛の霧と霧に漂う黄金の星々、憤怒の意思のみの人型となる
あぁ王笏!腹立たしい、あまりにも、腹立たしい!
我が海を汚すだけでなく!!
そんなふざけた格好で!ふんぞり返って!
殺す。この手で、お前は殺す!
雑魚も王笏も、ストームも関係ない
全て腐らせ、弱らせ、黄金にして
この拳で、たたき壊す!!
●強欲に、そして憤怒を合わせ
「……第七の王笏。言いにくい事なのですが――ほんとにお前、ファッションセンスどうにかした方がいいですよ?」
『汝もか! 余計なお世話だ!』
もう余裕がないカルロスに呆れモードのシノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)。ふぅ、と一息つくと。
「一応忠告をしておいてあげる」
と、集団敵たちの攻撃をあえてその身で受け続けながら言う。
「このようなことをして、どうなるのかわかってるのですか?」
『知らないな! 何を指しているのかもわからぬまま我が答えられると思うな!』
「むにーの皆様ならこれくらいすぐ答えられますよ」
『なんだむにーって!』
言いながらも攻撃を受け続けるシノギだが、完全に壊れないように程度の防御だけはしつつ、腕パーツで応戦していく。
そして――集団敵たちの攻撃がやんだころ――正確にはそれらを全て片付けたころ。
「この海は私たちの海です。そして――コスプレはそんな適当にやるものではありません」
『コスプレではないと何度言えば!』
それは趣味がコスプレであるからこそ、そして海賊団の船長で『強欲』であるからこその言葉だが、それの意味も分からぬまま、カルロスは巨大なオブリビオン・ストームを放ちシノギを巻き込もうとする。
「ああ――ああ、腹立たしい」
ボロボロのシノギの体が、自ら壊れていく。
「これではもう、自分を抑えることもできやしない」
――Emergency,Emergency,憤怒の海賊が解放されます。当機への接触は控えてください。繰り返します――そんな脳へ響く、普段案内役をしているときの声色。
「うん●にも満たない王笏め――もはや、貴様を――!」
一つ、おおよそドールが放てるものでない咆哮をあげればまるで中から何かがミレナリィドールのフレームという拘束から抜けるようにそれを破壊し、中から出てくるのは漆黒の呪詛の霧、その中に漂う黄金の星々。よく見ればその霧はヒトガタをしており。
「あぁ王笏! 腹立たしい、あまりにも、腹立たしい!
我が海を汚すだけでなく!!
そんなふざけた格好で!ふんぞり返って!
殺す。この手で、お前は殺す!」
瞬間、霧が広がったかと思えばオブリビオン・ストームであちこちへ――いや、これは!?
『オブリビオン・ストームが――黄金化していくだと!?』
到底信じがたい光景。自分が放った巨大化させたオブリビオン・ストームが、黄金と化して金色の雨となるではないか。
そして集団敵たちも、何が起こったのかわからないまま体が黄金化していき、その場にゴロンと倒れる。そのうちの一つを残酷にグシャリと踏みつけながらシノギ――シノギ『だった』『憤怒の海賊』は怒る。
「雑魚も王笏も、ストームも関係ない!
全て腐らせ、弱らせ、黄金にして!
この拳で、たたき壊す!!」
足元の踏みつけた集団敵だった黄金が瞬時に腐敗したかと思えば拳で砕かれる。目の前のお宝の略奪、目の前の外敵の蹂躙、今の彼女にはもはやそれ以外は考えられない。目に映る全て、全てだった黄金を破壊しつくしながら歩むその姿にはカルロスも戦慄。
『――っ!』
そうだ、再びオブリビオン・ストームを――と、その時、己の手が動かないことに気づく。
恐る恐る見てみれば、もう自分の手は黄金と化し、体とくっついていた。否、それどころか、下半身はすでに黄金となっており、急速にそれは上半身にも広がっていっている!
『――っ、っ――!! !!!』
もはや気道だった部分も黄金化すれば、しゃべることもままならず。戦慄の表情を浮かべたカルロスの黄金像ができるのに時間はかからなかった。
そして――
「UAhhhhhh!! 腹立たしい王笏め! 腹立たしい『強欲』め!!
腐って、壊れて、塵になってしまえ!」
急速に腐敗していくカルロスに容赦なく襲い掛かる拳は、カルロス――否、カルロス『だったもの』を、粉々になるまで破壊しつくして、なおも止まらなかった。
――その後、島には憤怒の咆哮がしばらく鳴りやまず、集団敵やオブリビオン・ストームはかなり数を減らしたという……
カルロスがやられたからというのもあるが、これだけすれば恐らく、カルロス側に大打撃は与えられたであろう――文字通りに。
大成功
🔵🔵🔵