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銀河帝国攻略戦④~黒き騎士のウーヴェルトゥラ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●黒き騎士、猛れり
 スペースシップワールドを航行する宇宙船の一隻・ミュラートゥルガウ号。
 普段であれば航路の開拓のために宇宙空間を切り開いていくその船は、ある一点を目指して全速力で奔っていた。
「解放軍の船まではあとどの位だ!?」
「この速度を維持できれば、概算であと100時間!」
 計器を見つめ、声を張り上げる航海士の額に汗が滲んでいる。
 舵を握る操舵士が、航海士の声を聞いてぺろりと舌なめずりをした。
「よーし、これであの忌々しい銀河帝国の連中に一泡吹かせてやれるぜ!お前ら、出力10%上昇させるぞ!80時間で合流を――」
 アクセルを踏み込もうとした操舵士の声が途切れた。何事かと航海士が後ろを振り向くと、先程まで操舵室の後方に控えていた警備員の一人が、操舵士の首筋にナイフを突きつけているではないか。
「そうはさせんぞ」
「アルフレート、てめぇ何を……!」
 後方から操舵士に組み付いた、アルフレートと呼ばれた警備員は答えない。返答代わりにと冷たい刃が一層、操舵士の首へと押し当てられる。
「銀河帝国に、皇帝様に歯向かうなど、天も許さんが何より俺が許さん。
 今すぐ船を引き返せば命までは取らんが、そうしないなら……お前達には、ここで沈んでもらう」

●戦、来たれり
「スペースシップワールドがすっげーやべーことになってんぞ!皆、出撃の準備はいいか!?」
 梯・剛士(ヴァリウードの随伴者・f12919)はグリモアベースで、大きな声で猟兵たちに呼びかけた。
 遂に発動した猟兵全体を総動員しての「銀河帝国攻略戦」。剛士が予知したのはその作戦に関わる、急を要する一つの依頼だ。
 銀河帝国に反抗し、解放軍に加わろうとする宇宙船の合流を阻止しようと、宇宙船「ミュラートゥルガウ号」の船内に潜んでいた銀河帝国の工作員が動き出したのだ。
 作戦を阻止できなければ解放軍の戦力低下につながり、ひいては銀河帝国によるスペースシップワールド世界の侵略がより進行してしまう。なんとしても、阻止しなくてはならない。
 問題の銀河帝国の工作員の名はアルフレート。銀河帝国の騎士であり、ミュラートゥルガウ号には警備員として潜入していた。
 動き出すその時まで、スパイであることなどおくびにも出さずに仕事をこなしていたのが、船が解放軍に加わる動きを見せるやその本性を現した。
「あいつの狙いはミュラートゥルガウ号のコアマシンだ。船の動力をぶち壊して、乗員もろとも宇宙の藻屑にしようって魂胆だぜ。
 俺はミュラートゥルガウ号の倉庫にポータルを繋げるから、コアマシンのある部屋で待ち構えるか、その部屋に向かうアルフレートを迎撃するか……そこはお前らに任せる」
 今回の作戦は、ミディア・スターゲイザーのユーベルコード「ワープドライブ」を宇宙船のコアマシンに使用し、ワープドライブを可能にすることが目的だ。
 その為にはミディアを護衛し、同時にアルフレートを完全に撃破しなくてはならない。
 アルフレートの武器は大ぶりのナイフだ。このナイフを振るって念動力を宿した斬撃を飛ばしてくる。
 その他、オーラを纏って高速移動と電撃放射の能力を得る能力と、念動力で形成した帝国の旗を投げつけ、旗が突き刺さった地面を帝国の「領土」化する能力を保有している。
「俺はポータルの維持と防壁の構築に専念しないとなんねーから、皆と一緒に戦えはしねーけど……皆なら絶対、何とかしてくれるって信じてっから!」
 よろしく頼むぜ、と口元に笑みを浮かべ、剛士はその手でポータルを開通させた。


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 第六猟兵初の戦争が来ましたね。
 頑張ります。

●特記事項
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 こちらのシナリオは『④帝国工作員のテロを阻止せよ』の依頼となります。

●目標
 ・帝国騎士×1体の撃破。
 ※今回、撃破は「必須」となります。

●戦場・場面
 スペースシップワールドで航行する、解放軍に参加する意思を固めた宇宙船の一隻です。
 猟兵は宇宙船にてミディアと合流・護衛し、帝国の工作員である帝国騎士・アルフレートのテロを阻止する形になります。

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『帝国騎士』

POW   :    インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD   :    ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

逢坂・宵
やれやれ、とても手荒で息つく暇もない情勢ですねえ
ですが、こういう忙しさも嫌いではありません

できれば、コアマシンのある部屋は避けて、そこまでの通路など……
ある程度の広さのある空間で戦闘と洒落込みたいところですね

不肖この星術師、お相手仕ります
お手柔らかに―――死合いましょう

『属性攻撃』『2回攻撃』『高速詠唱』『全力魔法』を用いて
『天撃アストロフィジックス』で攻撃します
猟兵の仲間とも連携や協力をおこなっていきましょう



 アルフレート・リンデンベルガーは、騎士という立場を含めても、杓子定規で融通の利かない男であった。
 彼にとっては帝国が法であり、皇帝が神であった。
 そんな彼が「スパイ任務」という、分不相応な任務を言い渡されたのも、偏に彼の帝国への忠義心を買われてのものだった。
 だからこそ、彼はミュラートゥルガウ号が解放軍側につくと決め、操舵士が自身のナイフを以てしても意見を覆さなかった時に、躊躇いなくその刃を血で染めたのだ。
 喉を裂かれた操舵士の血が、その座席と舵を染める中、彼は自身を取り押さえんとする警備員の手を掻い潜って、船内をひた走っていた。警備員のその手を、振るうナイフで斬り落とすおまけも付けた。

 目標はただ一つ、この船のコアマシンだ。それを破壊すれば、この船は宇宙空間の虚無へと沈む。
 コアマシンのあるセキュリティルームへ向け、談話室に足を踏み入れたアルフレートは、そこではたと足を止めた。
 見慣れぬ男が、談話室の真ん中で自分を見据えて立ちはだかっている。
 男――逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は宇宙船の中で着るには何とも具合の悪い、装飾の多い衣服をふわりとはためかせて、ゆるりと笑みを浮かべた。
「不肖この星術師、お相手仕ります。お手柔らかに―――死合いましょう」
「ふん、貴様のような馬の骨にかかずらっている暇などない。退かぬというなら、一つ揉んでやろう」
 そう鼻を鳴らしたアルフレートが、その手の内にひらめく帝国の旗を生み出した。
 先端の尖った竿を宵の方に向けてぐっと身体を引き絞り、一閃、投げつける。
 投じられたそれが届くまでの時間は、一秒ほどもなかったであろう。しかし宵の瞳は焦りの色を帯びない。
 【高速詠唱】で詠唱を短縮し、そこに【全力魔法】【属性攻撃】【2回攻撃】を上乗せする。しかして瞬時にその場に現れる、210本の流星。
「さあ、宵の口とまいりましょう」
 宵の瞳が光るや否や、星属性の矢がまるで弾幕のように、談話室を光で染めた。
 アルフレートの旗が点の攻撃とするなら、宵の魔法はまさしく面の攻撃。
 寸分の隙間もなく放たれた流星の矢は、旗を跡形もなく消し去って見せ、さらに残った矢がアルフレートへと殺到する。
「ぐっ……小癪な!」
「小癪で結構、貴方の思い通りに、人々を害させるわけにはまいりません」

成功 🔵​🔵​🔴​

シャノン・ヴァールハイト
当方は、宇宙は初めてだが全力で行くまでだ

ケイ・フィンランディア(f05151)と連携。
通路で迎撃を行い、倉庫組で戦う人達が万全の状態で戦えるようにする為に時間を稼ぐ+少しでも多くダメージを与えるのが目的だ。

ケイを守りつつ、可能なら攻撃を行う。
UCは、ダークフォースバリア以外を使って来た場合に使用。特にインペリアルブレイド使用時は、【念動力の鎖】に触れられるのなら『怪力』を生かして引っ張り、可能ならばそのまま『怪力』で捕まえ、UCで身を守りつつケイに攻撃をさせる。
ダークフォースバリアを使用した場合は、武器受けを用いて攻撃を防御し、『武器受け』『怪力』『吹き飛ばし』を使用して近づけさせぬように戦う


ケイ・フィンランディア
シャノン・ヴァールハイト(f10610)と連携。
通路で戦闘し、少しでもダメージを多く与えるのが目的です。

「以前、戦った人と一緒でまた帝国の芸人さんが相手ですか。どうせ斬撃飛ばせる詐欺なんでしょw」

と煽って、インペリアルブレイドを使用するよう誘導し、使ったらシャノンを盾にして回避します。シャノンが捕まえる事が出来たなら『全力魔法』『2回攻撃』『範囲攻撃』を使用して全力でUCを叩き込みます。
使用されなかった場合もシャノンを盾にし、『範囲攻撃』『高速詠唱』等を利用し、もし『帝国領土』化された場所があったなら、それ諸共破壊するつもりでUCを使用して戦います

可能な限り、他参加者と連携して戦闘に望みます



 弾幕に晒され、動きを止めるアルフレートに、肉薄する影が一つあった。
 シャノン・ヴァールハイト(死者の声を聞き、招く者・f10610)はその手の銀剣を振り抜いて、アルフレートの鎧に一筋の傷をつけてみせた。
 生半可の剣ではここまでの傷をつけることなど能わない。傷を目にしたアルフレートの瞳が驚愕に見開かれた。
 それも偏に、シャノンの有する類稀なる怪力が成す業である。
「宇宙に立つのは初めてだがこの世界の人々のため、全力で行くまでだ」
 そう、まさに騎士らしい言葉を吐くシャノンを忌々しげにねめつけるアルフレートに、さらにもう一つ声がかかった。
「ふーん、以前戦った人と一緒で、また帝国の芸人さんが相手ですか。どうせそのナイフの斬撃も、斬撃飛ばせる詐欺なんでしょ?」
「なっ……言うに事欠いて芸人だと、小僧!?」
 ケイ・フィンランディア(適当精霊術士・f05151)の人を馬鹿にした物言いに、愚直なアルフレートは怒髪天を突いた。そのまま大きく、手のナイフを振りかぶる。
「シャノン!」
「分かっている」
 アルフレートがナイフを振りかぶるのを見たシャノンが、ケイの盾とならんと彼の前に立ちはだかった。そのまま談話室の床を踏みしめて発動する【無敵城塞】。
 大振りのナイフが弧を描き、その弧が光を帯びてシャノンへと衝撃波を伴って襲い掛かった。しかしシャノンの身体は一切合切の攻撃に耐える鋼の身体だ。
 それどころか、飛来する斬撃に伴って伸ばされた念動力の鎖を、しっかと掴んでみせる。一瞬だけアルフレートの目が驚愕に見開かれた刹那。
「ケイ、やれ!」
「オーケー!火の精霊よ、空気を食らいて獅子となり災禍となれ!」
 掴んだ鎖を引き、上方にアルフレートの身体を浮かせてみせたシャノンの声に合わせて、ケイが詠唱文句を唱える。
 全力で放たれた魔法は通常よりも激しい炎の奔流となり、現れたのは二体の炎の獅子だ。鎖を引かれ、空中で身動きの取れないアルフレートへと、獅子が噛みつかんと床を蹴る。
「ぐぉぉぉぉっ!!」
 炎の獅子にその身を喰らわれ、熱に巻かれるアルフレートの身体から、しゃらりと鎖が外れていく。
「あ!」
「むっ……」
 ケイとシャノンが声を上げるが、数瞬間に合わない。炎に焼かれ、その体力を削られたアルフレートの身体は慣性に従って宙を走り、談話室の反対側の入り口付近へと落ちていく。
「くっ……舐めるなよ小僧ども!コアマシンを破壊さえすれば、貴様らもこの船と共に宇宙の藻屑となるのだ!」
 そう吐き捨てて、アルフレートは通路の向こうへと消えていく。
 後に残された猟兵三人、追いかけようとするもあちらの足の方が速い。何しろ勝手知ったる船の中だ。
 早々に追跡を断念したシャノンが、肩をすくめる。
「コアマシンを破壊さえすれば……か」
「出来るでしょうかねー?何しろ、『あちらの抑えの方が手厚い』んですけれど」
 ケイはにやりと笑いながら、アルフレートの駆けていった通路の向こうに視線を投げるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

五條・桜花
雪月(f03400)と同行
関係性のイメージは祖父と孫

仲間だと信じていたものに裏切られるなんて……
せめてコアを守らないとですね

撃破が必須というならばとにかく逃亡を阻止しないと
内部が詳しいものが逃げたらやっかい極まりないですものね

雪月、鎖でつながれたらそのまま離さないでください!
貴方の傷は私が癒します
だから貴方は攻撃に集中してください

我が桜よ、どうか月の刃に癒しの加護を

癒しだけとは限りませんよね
私だって戦います
桜よ、咲き誇れ!

ここは通しません
守り抜いてみせます


叶・雪月
桜花(f03321)と同行
関係性のイメージは祖父と孫

間諜を潜り込ませるのは基本だからな
まあ帝国の規模がでっかいんだから想定できることだな
味方面していないだけわかりやすいのはいいんだが

撃破必須か
コアを守るうえでも奴をいかに捕まえとくのがポイントという訳か

そうだな、桜花の言う通り奴の攻撃で鎖に繋がれるというならそこを逆手に取ろう
刀が使えない距離でどうするかって?
刀は俺自身だ、俺が俺でいる限り、その一撃は我が刃となる
我は刀の化身、我が刃に斬れぬものなどありはしない!
出来れば固そうなところを鎧無効攻撃で落としたい
固そうなところを切られれば精神的にも優位に立てるだろ

悪いがここは通行止めだ



 アルフレート・リンデンベルガーは、即断と迅速な行動を貴ぶ騎士であった。
 彼にとって定めた目標は何を置いてでも達成されるべきもので、その障害は如何なるものでも排除するものだった。
 それ故に、コアマシンの安置されたセキュリティルームに向かう途中の通路で立ちはだかる五條・桜花(六花の元に咲く桜・f03321)と叶・雪月(六花舞う夜に煌めく月の刃・f03400)の姿を目にして、再び自身の足が止まった時、彼は憎々しげに歯噛みしたのである。
「おのれ、帝国への忠誠心の欠片も無い小僧どもが、騎士たる俺の任務の邪魔をしおって!」
「悪いがここは通行止めだ」
「ここは通しません。守り抜いてみせます」
 桜花と雪月は、アルフレートの恫喝にも怯まずに、一等強く床を踏みしめその道行を阻まんと通路を塞ぐ。
 古くより続く神社の娘と、その神社に御神刀として安置されていた一振りの太刀。年の頃こそ近いものの片方はヤドリガミである故に、在り様はさながら祖父と孫だった。
 その二人の姿を、忌々し気にねめつけたアルフレートがナイフを振りかぶる。
「通れぬというのなら、押し通るまでだ!」
 刹那、放たれる剣閃。すぐさま雪月が桜花を庇う様にその前に立つ。剣閃を浴び、爆発を受けてよろめいた雪月の腕に、念動力の鎖がしゃらりと巻き付いた。
「我が桜よ、どうか月の刃に癒しの加護を――雪月、鎖でつながれたらそのまま離さないでください!」
「奴をいかに捕まえとくのがポイントという訳か。承知した」
 翻させる桜の花びらを雪月の背中に貼り付けながら、桜花が声を張る。頷いた雪月は自身に巻き付く鎖をぐっと握りしめた。
 その鎖をたわませながら、アルフレートが一気に雪月に肉薄した。その口元に酷薄な笑みが浮かぶ。
「ふん、刀しか持たないで、この近い距離を何とする!」
「刀が使えない距離でどうするかって?刀は俺自身だ、俺が俺でいる限り、その一撃は我が刃となる。我が刃に斬れぬものなし!」
 そう吼えた雪月の右の「手刀」が、アルフレートの鎧の胸元を大きくえぐった。
「なんだと……!?」
 手刀で損傷した我が鎧を見て、瞠目するアルフレート。間近に寄ったその顔を、雪月の後ろから桜花もまなじりを決して睨みつけた。
「コアマシンは、守り抜いてみせます!」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リメイヤ・ルシータ
この世界で生まれたのだからちょっとはがんばらないと…、よし。

コアマシンの部屋にはなるべく入れないようにしたいけど、部屋の前辺りで出会えたりしないかな?
あ、でも一対一じゃ多分無理だから物陰に隠れて通り過ぎようとしたところにサイキックブラストを打ちましょうか。
それか、他の猟兵さんたちを後ろから援護するように打つのもいいかな。


雛月・朔
ヤドリガミの肉体で参加
主武器:薙刀、念動力
UC:巫覡載霊の舞
アドリブ&他のPCとの絡み歓迎
【心情】
銀河皇帝を倒せばこの世界にも平和が訪れるんですね。星々が消えて故郷も安住の地も無い世界かもしれませんが、そこに生きる人がいるなら彼らの安息のために私は戦います

【行動】
通路で迎え打ちます、最悪コアマシンルームの扉の前。
敵の姿を確認したら挨拶とか抜きにしUC巫覡載霊の舞を発動し薙刀の衝撃波を飛ばします。
相手も念動力を多用する相手のようなので念動力対決といきましょうか。帝国に猟兵の実力を示すいい機会です。
「工作員なのに、いざというときのための破壊装置も用意していないんですか?狂信だけの無能な騎士ですね」



 そこに、セキュリティルームの方から雛月・朔(たんすのおばけ・f01179)が薙刀を手に駆けてきた。その後ろにはリメイヤ・ルシータ(スペースノイドの電脳魔術士・f01041)の姿もある。
「星々が消えて故郷も安住の地も無い世界かもしれませんが、そこに生きる人がいるなら彼らの安息のために私は戦います」
「私はここの世界で生まれたのだもの、ちょっとはがんばらないと」
「くっ、次から次へと!」
 他の猟兵と結んでいた鎖を手放して距離を置くと、アルフレートはその手に旗を生み出した。談話室の時とは違い、細長い通路。狙いもつけやすいし、避けるのは難しい。
 そうして彼の手から放たれた旗が宙を飛ぶ最中に、朔の肉体が弾け飛ぶように光り輝いた。
 【巫覡載霊の舞】。神霊体に変身するその舞は対象の攻撃を軽減するだけではない。手に握った薙刀が鋭く振るわれると、通路一杯に衝撃波が放たれた。
「なっ……!?」
 衝撃波に旗が押し返されるのを見て、驚愕に目を見開くアルフレート。そこにリメイヤの放った高圧電流が襲い掛かる。
 旗を投じた後で硬直するアルフレートの身体は、高圧電流をもろに受けて跳ねるように飛び上がった。
「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!!」
 通路に響くアルフレートの叫び声。それが轟くと同時に、通路の床に帝国の旗が斜めに突き刺さった。
「あ……!」
 旗が突き刺さるのを見て、リメイヤは思わず声を漏らした。そして理解する。
 あの通路の一角は「銀河帝国の領土」だと。
「なるほど、こうして他人に領土だと認識させて、その内にいる間は強化される。そういう仕組みですか」
 神霊体への変身を解除した朔が、地面に降り立ちながらきっと前を見据える。その「領土」に這いずるようにして立ち入ったアルフレートは、ゆっくり立ち上がると高らかに笑った。
「ははは、そうだ!この地は我らが銀河帝国の領土、その土地の中で帝国騎士は十全の力を発揮する!お前らなど――」
「しかし、そこにいるだけではコアマシンのあるセキュリティルームには向かえないでしょう?工作員なのに、いざというときのための破壊装置も用意していないようですし」
 お粗末ですね、狂信的なだけの無能ですか、そう吐き捨てた朔をねめつけて、顔を紅潮させるアルフレートだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エクサ・カラーヌド
帝国騎士……流石二飽キテ来タナ。マァ今マデノ奴ラヨリハ強ソウダガ。

ドウセ斬リ込ム味方モイルノダロウ。基本的ニハ援護射撃ダ。二回攻撃デ手数ヲ稼ギツツ、上手イコト「スナイピング」デ飛ブ斬撃ヤラ、オーラヲ纏ッタ本体ノ、軌道ヲズラシタリ、勢胃を弱メタリ、叩キ落トシタイ所ダナ。

インペリアルフラッグヲ叩キ落トシタラ、ユーベルジャック使用ダ。
騎士気取リニ「帝国旗」ヲ投ゲ返シテヤロウ。……教エテヤラネバナランナ。本当ノ「帝国」ヲ……!



 そんなアルフレートの後方から、駆けてくる小さい影が一つ。エクサ・カラーヌド(テレビウムのスターライダー・f02365)だ。
「帝国騎士……流石二飽キテ来タナ。マァ今マデノ奴ラヨリハ強ソウダガ」
「飽きた……だと!?言うに事欠いて、貴様!」
 怒りに震えるアルフレートのナイフが奔る。それをスナイピングで次々に防ぎ、軌道を変え、防御していくエクサの動きは、まるでナイフと戯れているようだった。
 作り上げた「領土」の中に留まり、戦闘力の増強したアルフレートのナイフは速い。その悉くを、エクサは防ぎ躱していった。
「おのれ、ちょこまかと飛び回りおって!」
 業を煮やしたアルフレートが、その手に再び帝国の旗を作り出した。と、その時。エクサの頭部のテレビが、ざざっと大きな砂嵐を流す。
 しかして再び投じられた旗。自身めがけてまっすぐ飛んでくる旗を、エクサは大きく飛び上がって勢い良く叩き落とした。
 それと同時にエクサの頭部のテレビに映像が映る。アメリカの月面着陸時の映像だろうか、宇宙服の人間が星の上に旗を突き立てている。
 はためくその旗は、銀河帝国のそれ、ではない。
「……教エテヤラネバナランナ。本当ノ「帝国」ヲ……!」
 そう言い放ちながら、エクサの手の中に巨大な「旗」が出現した。自身と同じ能力を使うその様に、アルフレートの瞳が驚きに見開かれる。
 束の間に、アルフレートの鎧に深々と突き刺さる旗の竿。一瞬のうちに旗を投じたエクサの頭部には、もう何も映っていない。
 通路の向こう側へと吹き飛ばされていくアルフレートの姿を見て、エクサは小さく独り言ちた。
「サァ、後ハ「アイツラ」ノ仕事ダ」

成功 🔵​🔵​🔴​

竹城・落葉
 我はコアマシンのある部屋で待ち伏せをするとしよう。壁をよじ登り、天井に名物竹城を刺して、蜘蛛のように待ち構えるぞ。
 敵が入ってきたら、名物竹城を力任せに抜いて急降下、【だまし討ち】で急襲、『支柱一閃』を用いた上で【早業】を駆使して素早く奴を切り伏せる。いわば、暗殺の要領だな。我は元武将で暗殺者ではないが、戦争の場数を踏めば、この位は軽くできるようになるものだ。だが癖で、冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情になるだろうな。
 そうして急襲が終了しても奴が生きていたら、第二ラウンドだ。名物竹城を相手の得物と交えつつ、首を討ち取るぞ!


三千院・操
ふーん、工作員か。そういうのは捕まえて尋問するのが手っ取り早いけど、今はそんなこと言ってらんないな……。
だったら! やっちゃうしかないよねー!
この世界の敵はほーんとに面白いなぁ! おれのものにしたくなる。

『蝿の王』を召喚するよ。
機械だって腐敗するよね? 蝿の王には適当に帝国騎士の相手をさせるよ!
デカイし強いしおれより目立つよね? 眷属(虫)も召喚したらもう完璧!
その間におれは帝国騎士をだまし討ちする!
敵に背を向けるって騎士としてやばくない? あはは!

相手の動きによっては『蝿の王』には他の猟兵の手助けをさせるよ!
眷属はいっぱいいるし、肉盾くらいにはなるよね?

※アドリブ、絡み歓迎です


フィロメーラ・アステール
【残像】の出るスピードの【スライディング】で急いで登場だー!
「おっと、なんとか間に合ったみたいだぜー!」

大急ぎでケガ人を治してきたら、すっかり遅れたな!
この【生まれながらの光】の放つ聖なる光の【破魔】【属性攻撃】で、今度は闇のオーラを消し去ってやるぜ!
さらに光の粒子をちりばめた踊りの【パフォーマンス】で、仲間も【鼓舞】するぞー!

「お星様が許さないって言ってるぜ!」
よくわからん藻屑を増やすなってさ!


御狐・稲見之守
ようやくマトモにクチを聞いてくれそうな奴のおでましじゃの。機械やクローン相手はどうにも“お喋り”がつまらなくての。さあ騎士よ、いざ尋常に勝負されよ。血は通っているのだろう?

UC巫覡載霊の舞、神霊体――仮初の真の姿となって薙刀で「なぎ払い」、彼奴と立ち合おうぞ。ふふ、戦ぞ、戦。切った張ったの命の獲り合い、船や機械が主役ではつまらん、そうは思わんか。

さあさあ、お前の道理をこじ開けてみるがいい。

(連携自由、アドリブ歓迎、お好きにどうぞ)



 アルフレート・リンデンベルガーは、視野が狭くなるきらいがある騎士であった。
 特に激高した時、突発的なアクシデントに見舞われた時、周囲に目が向かなくなることがままあり、それゆえ上官に叱責を受けたことも何度かあった。
 それ故に、混乱の最中で多大なる損傷を受けたアルフレートが通路の奥まで吹き飛ばされた時、その目に飛び込んだセキュリティルームの扉にしか、彼の視線は向かなくなっていた。
 セキュリティルームの扉、普段なら警備員の一人でも居ておかしくないはずなのだが、この非常事態だというのに誰も詰めている様子がない。
 「は……ははっ!」
 アルフレートは嗤った。この土壇場で、最後の最後で、ようやくツキが巡ってきたと。
 そう思いながら立ち上がった途端。
 セキュリティルームの自動ドアが音もなく開き、中から一人の女が歩み出た。
「ようやくマトモにクチを聞いてくれそうな奴のおでましじゃの。機械やクローン相手はどうにも“お喋り”がつまらなくての」
 御狐・稲見之守(お稲見さん・f00307)が薙刀を背に負いながら、その金銀の眼を細めてアルフレートの前に進み出た。
 その嫋やかで、しなやかで、洗練された佇まいにアルフレートが口をあんぐりと開けていると、稲見之守は負うた薙刀の切っ先を、びしりと突き付けて見せる。
「さあ騎士よ、いざ尋常に勝負されよ。血は通っているのだろう?」
「……応とも!我は帝国騎士が一、アルフレート・リンデンベルガー!異邦の女人よ、我が剣を受けて立っていられるか!!」
 刹那、通路の端に立つアルフレートの姿がかき消えた。稲見之守が薙刀を引き戻すと、瞬時に眼前に現れたアルフレートのナイフが薙刀の柄に食い込む。
 初撃を防がれたと見るや、アルフレートはすぐさま身を引いた。薙刀の刃がその身を引き裂くも、そこにあるはずのアルフレートの身体は遥か後方だ。
「……なあるほど、少しは楽しめそうじゃな」
「この技は本来ならば奥の手、解放軍風情に切る札ではないが……貴様ほどの手練れに切らねば、むしろ失礼に当たるというもの。
 だが貴様がいくら優れた戦士であろうと、この速度で――」
「おっと、何とか間に合ったみたいだぜー!」
「ぐはぁっ!?」
 駆けださんとしたアルフレートの横腹に、猛スピードでフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)の飛び蹴りが突き刺さった。
 残像が残るほどの速度でスライディングしながら通路に飛び込んだわけだが、ちょうどそこに、今まさに駆けだそうと床を蹴る足に力を込めた彼がいたわけで。
 結果的に体重が定まっていなかったアルフレートの身体が、身長20センチそこらのフィロメーラの蹴りを受けて小さく浮き上がり、壁へと叩きつけられる。
 突然のフィロメーラの登場に、稲見之守までもが呆気にとられていた。
 アルフレートを壁に磔にした当の本人は素知らぬ顔で足を戻すと、にかっと稲見之守に屈託のない笑みを見せる。
「悪い悪い、大急ぎでケガ人を治してきたら、すっかり遅れたな!」
「あぁそうか……お主は操舵室の怪我人を治療しに向かったんじゃったな」
 肩の力を抜き、首をこきりと鳴らした稲見之守が、薙刀を下ろしつつフィロメーラに言葉を投げる。対してフィロメーラは少しだけ、その眉を顰めてみせた。
「あぁ。首を掻っ切られた操舵士は助けらんなかったけど……腕をやられた警備員は何とかなった!船も副操舵士の手でまた動き出したぜ」
「動き出した、だと……!?俺はまだここにいるというのにか!?」
 ようやく壁から抜け出し、再び床を踏んだアルフレートが、信じられないという顔つきでフィロメーラを見た。小さく、しかしはっきりとフィロメーラは頷いて見せる。
「そうさ。お前に殺された操舵士の遺体がまだ片付いていない中で、あいつらは再び船を動かした。
 更に言うなれば、この区画は隔壁も閉じられている。逃げられやしないよ」
「そう、わしらはお主を『捕まえに来た』のではない。『殺しに来た』のだよ、アルフレート・リンデンベルガー。
 だから彼奴等は船を出した。お主をわしらが、きっと殺してくれるだろうと」
「くそ……くそっ!!」
 満身創痍のその身を、床の上で膝をつくようにしながら、拳を床に叩きつけるアルフレート。
 既にその鎧の多くは砕かれ、立ち上がるだけの力も最早無い。ナイフこそまだ手元にあるが、先に壁に叩きつけられたことで腕の骨が折れたのだろう、握ることができない。
 大勢は決した。あとは彼の者の命を絶つのみ、というタイミングで、セキュリティルームの扉が再び開いた。
「なんだ、折角息を潜めて待っていたのに、これでは骨折り損ではないか」
「ほーんとほんと。ここまでボロボロなら捕まえて尋問するのが手っ取り早いけど、今はそんなこと言ってらんないもんねー」
 竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)と三千院・操(ネクロフォーミュラ・f12510)が、気を削がれたと言わんばかりにゆるりとセキュリティルームから歩み出てきた。その後ろからもう一人。
「護衛下さりありがとうございます、猟兵の皆さん。おかげさまで無事、コアマシンに【ワープドライブ】を取り付けることができました」
「ミティア・スターゲイザー……貴様が」
 危なげなく仕事を完遂したミティアの姿を見て、アルフレートは悄然としてその拳から力を抜いた。
 彼女がここにいるということは。コアマシンのあるセキュリティルームから出てきたということは。
 最早誰が説明するでもない。アルフレートの任務は今、0点もくれてやれない程に大失敗を遂げた。
 がっくりと項垂れるアルフレートの傍に、落葉と操が靴を鳴らして歩み寄る。涙に暮れるアルフレートの襟首を掴んで引き立てながら、後ろの稲見之守とフィロメーラに視線を投げた。
「折角だからさー、俺達がトドメもらっちゃっていーかな?暴れ足りないんだよね」
「仕方あるまい」
 鼻を鳴らしながら首肯する稲見之守の声を聞いた操が、右手をすぅと横に伸ばす。
 その手の先の虚空から這い出るようにして現れたのは、巨大な、それは巨大な『蝿』だった。
 眼前に現れた蝿を見て、アルフレートが恐怖に引き攣った声を出す。
「ひ……っ、ひぃっ!」
「仮にも騎士ならさ、死ぬ時くらいしゃんとしたら?最後の慈悲だ、目隠しくらいはさせてあげるよ。【蝿の王(こいつ)】でね」
 そのまま巨大な蝿をアルフレートの顔に取りつかせ、がっちり固定した操が、その膝を再び地面に付けさせた。
 顔に取りついた巨大な蝿が、まるで断頭台のようにその頭を、首を受け止めている。
 ちらりと落葉へと目配せをすると、落葉は無言のままに、その刀を振り上げた。
「……名物竹城でその首を断たれることを、後世の誉れとするがいい。お前たちに、輪廻転生があるのならな」
 一切の抑揚と感情を配した冷酷な声色でそう告げた落葉が、一息に上段に構えた刀を振り下ろした。
 ごろん、と重たい音が落ちる鈍い音が、通路に響く。

 アルフレート・リンデンベルガーは、最期の時まで銀河帝国のために生きた騎士であった。
 その名が銀河帝国の歴史に残ることはないものの、スペースシップワールドの果てなき宇宙のどこかで、彼と刃を交えた猟兵たちは人々のために戦い続ける。
 そんな未来を、過去という虚空に向けて足掻きながら。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月02日


挿絵イラスト