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羅針盤戦争〜甘き死のオーケストラか~

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #メロディア・グリード

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●ココアハウス
「よく来てくれた。このココアはサービスだからまず落ち着いて飲んで欲しい。甘さは控えめだから、欲しければ勝手に追加してくれたまえ」
 グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは、茶褐色の甘く温かい液体をカップに注ぎ、ガムシロップを添えながら場の猟兵達に差し出した。
「とりあえず、これで鼻を慣らしておいてくれたまえ。説明する所は、少しきついものがあるのだからね……」
 カカオと砂糖の蠱惑的な匂いの広がる中、彼女はグリモアを手に取ると、落ち着いた様子で語り出した。

「さぁ語ろうか。舞台は海の揺らぎと匂いに酔いを覚える戦場、グリードオーシャン。君達には群れ為す七大海嘯を叩きのめして欲しい」

 グリモアが映し出したのは、とあるグリードオーシャンの海域だった。
 一目見ただけでその海域の異常性は分かるだろう――何故ならば、海水というには粘性が強すぎて、仄かに立ち上る湯気は幻影というにも関わらず、見ている者の鼻腔を擽るようだった。
「見てるだけで甘ったるそうだがね。舞台はこのチョコレート海域(仮)での戦いになる」
 曰く、七大海嘯が一人『桜花』メロディア・グリードが無限の増殖を繰り返し、海域をチョコレートに染めてしまったのだという。
 グリモアが映し出す、どこか貴婦人めいた姿の女性がわらわらと増殖を繰り返し、海域を密にする姿は少々見た目にきついものがある。
 現場には鉄鋼船を手配しており、通常の航行程度ならば大きな問題はないともスフィーエは語り。

「甘き死の旋律(スイート・メロディア)とはよく言ったものだ。これが何百、何千体と待ち受けている」
 増殖する分身体の名はスイート・メロディアというらしく、見るだけで甘ったるい映像に顔を顰めながら、スフィーエはその脅威を説明する。
 単純なその数だけでも、思わず嫌な声で呻き声が挙がるのも無理からぬか。
「幸いにして身体はとても脆い。一体一体は倒すのに、そう苦労はしないだろう」
 曰く、その身体はチョコレートやキャンディ、ビスケット……要するに菓子そのもので出来ている。
 単純に撃破をするだけならば、実に容易いものではあるのだが……。
「しかしだ。【攻撃力】はオリジナルとほぼ同格だ。それが何千体で襲い掛かってくる……全くクレイジーだとは思わないかね?」
 知っての通り七大海嘯、オブリビオン・フォーミュラの幹部格として攻撃面に於いては恥ずかしくない力量を備えている。
 それが何千と襲い掛かってくる――それは天災を通り越して、最早終局(カタストロフ)にも迫るだろう。
 語るだけでも恐ろしさは拭えないか、スフィーエの顔は青褪め、額には嫌な汗が浮かぶのがはっきりと分かった。

「よって君達には、敵の攻撃を受ける前に、可能な限り殲滅して貰いたい」
 故にやられる前にやる、それも可能な限りという作戦しか取れぬのもまた致し方ないことだろう。
「一度攻撃が向かえば、全てを躱し切り防ぐことなど不可能に近い。くれぐれも引き際だけは見誤らないでくれ」
 幸いにして幹部格の相手にお決まりの、先制攻撃の類はしてこない。
 だが一度、一斉攻撃を許せばひとたまりもないだろう――数発受けた程度でどうにかなる猟兵ではないだろうが、百や千どころか、数十発の時点でアウト。
 欲張りは身を滅ぼすというが、そうはならぬようにとスフィーエは口酸っぱく語った。

「私は甘いものは嫌いではないが、食べ過ぎはやはり毒だ。虫歯にはなりたくもないし、太りたくはない」
 説明も一区切り、残ったココアを一気に煽り、スフィーエは息を吐き出しながらぽつぽつと言葉を続け。待ち受ける脅威への焦りを、軽口で誤魔化すと。
「戦いは辛く苦いものかもしれないが、どうか無事に帰ってきてくれ。では……準備が出来たら声を掛けてくれたまえ」
 偽らざる思いと共にグリモアが戦場へのゲートを開き、彼女は猟兵の通るのを微笑みつつ待つのだった。


裏山薬草
 どうも、裏山薬草です。
 一生に一度は好きなものの海で泳いだりしてみたい、と考えたことはありませんか?
 でも溶けたチョコの海は火傷しそうだから嫌ですよね。

 さて今回はですね、七大海嘯が一人、『桜花』メロディア・グリードの分身体と戦って頂きます。
 OPでも説明した通り、身体はとても脆く出来ているので、簡単にポンクラッシュクラッシュ!パパパ!と片付けられると思います。
 しかし攻撃力だけはオリジナルと変わらない上、数だけは物凄く沢山います。
 なので攻撃を受ける前に可能な限り殲滅する為の工夫があれば、プレイングボーナスとなります。
 ちなみに先制攻撃は無いので、敵ユーベルコードへの対策は必要ありません。

 プレイングの受付状況に関しては、タグにてお知らせします。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
 裏山薬草でした。
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第1章 集団戦 『増殖する私の残滓『スイート・メロディア』』

POW   :    スイート・エンブレイス
【甘い香りと共に抱きしめること】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    キャンディ・ラプソディ
【肉体を切り離して作った毒入りキャンディ】を給仕している間、戦場にいる肉体を切り離して作った毒入りキャンディを楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ   :    チョコレート・ローズ
対象の攻撃を軽減する【融解体】に変身しつつ、【毒を帯びた薔薇の花型チョコレート】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:hina

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ニィエン・バハムート
【先制攻撃】のUC【範囲攻撃】!
増殖する特殊な爆鳴気炎で敵を溶かして燃やし、爆鳴気の爆発による【衝撃波】でその脆い身体を砕いてやりますわ!
爆発の衝撃波や音で敵軍勢の動きを鈍らせることもできるでしょうしね。爆発は【目潰し】にもなるはずですの。
自分への影響は【オーラ防御】で防ぎますわ。

私の爆鳴気炎は消さない限り無限に増え続けるのでここで連中を殲滅してもいいのですが敵は分身体とはいえ七大海嘯。間違いなく対応して私に攻撃してくると思うので敵が態勢を立て直す前に【空中浮遊】【水上歩行】を駆使して海面を駆け抜けたり【高速泳法】【水中機動】で海中に逃げるなどしながら離脱。

チョコレートでどろっどろですの…。



●神竜の息吹は激しく吹き荒れる
 目の前に群れに群れを成す、甘き微笑みの声も危険な安らぎを齎すような、派手に盛り上がった貴婦人の、宛ら甘い壁となる姿が立ちはだかる。
 しかし鉄鋼船の船首に立った彼女は一番槍を示すように、声を張り上げた。
「竜王の息吹で消し飛びなさい!」
 高らかに宣言した彼女――ニィエン・バハムート(竜王のドラゴニアン(自称)・f26511)は息を大きく吸い込んだ。
「バハムゥゥゥゥトッ!」
 ――世界魚の名であると同時、由緒正しき竜王の名とも扱われる世界の、竜の誇りを高らかに胸に盛らせると、彼女は魔力を高めた。
「オォォォォバァァァドッ……ヘルッ……ブロアーーーーッ!」
 解き放たれた業火は宛ら、竜王の息吹――否、竜王すらも超えた神の竜が如き灼熱となって広がっていく。
 魔術の粋を集めた裏奥義、水と雷が作る特殊な爆鳴気炎は轟音と衝撃を伴いながら、戦場に破壊を齎す。
 広がる熱が貴婦人の身体を構成する、脂やゼラチン、糖の結合を容易く溶かし炭すらも残さずに焼き尽くし。
 衝撃の圧力が焼き菓子に構成された貴婦人のドレスや身体を、砂と変えていくほどに打ち砕いていく――!
 ……余談ではあるが、正式な技の名を表してはいけないのはまた別の話。
 閑話休題。
「先手必勝、後手必負! その脆い身体全て、打ち砕いて差し上げますわ!!」
 爆発の余波で襲い来るチョコレートの海の飛沫を、咄嗟に張り巡らせたオーラの障壁で阻みながら。
 消さぬ限り無限に増殖を続け、火炎と衝撃による破壊と轟音による撹乱を齎す爆鳴気は、確かにメロディアの軍勢を滅ぼしていくが。
「――竜王の息吹ですか。成程」
「幾度となく増える爆炎と衝撃」
「しかし私は“死にません”……幾らでも増え続けて差し上げましょう」
 さりとて無限に広がる破壊ですらも、甘ったるく囁く声色と共に、メロディアは両腕を広げていく。
 後方に控えし何百という群れから齎されるであろう、死と滅びの一直線待ったなしの抱擁を察知すると、ニィエンは咄嗟に踵を返すと、熱く蕩けたチョコレートの海面に足先をつける。
 空に浮かびながら身体が沈む前に右左と交互に足を前へと出し、粘性の強い茶褐色の液体の上を走り抜けて逃げ出していく。
 一際に強くなった毒々しいまでの甘い匂いからも逃れるように、全力で走り抜けていけば必然的に飛沫(しぶ)くチョコレートは、身体に容赦なく浴びせられて――
「……チョコレートでどろっどろですの……」
 漸く戦闘圏内から逃れ一息を着いたニィエンは、己が身に掛かった甘い洗礼にがっくりと肩を落としつつも、残る猟兵に後を託すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:アノン
「肉の方が好きだけど、甘いのも嫌いじゃないぜ」
まァでも、喰うより壊す方が楽しそうだなこいつらは。

UDCを纏って黒い狼の姿になり、宙を駆ける。空中が危なそうなら氷属性でチョコレートを冷やして足場にしよう。最初の攻撃は炎。クッキーなんかは燃えるだろ。高速移動しながら燃えるヤツを燃やしていくぜ。
あんま時間が無いんだっけか。残った飴やチョコは氷属性で固めて、上空から氷の礫をぶつけて砕いてやる。周囲が冷えればチョコの海も凍るだろ。仕上げに全力で体当たりして広範囲を撃ち砕く。足場が崩れれば一網打尽にできるからな。
「まとめて粉々にしてやるぜ、ヒャハハハハ」



●菓子粉砕怪物
 甘味とはそれ即ち即座に漲るエナジー――大昔には媚薬のように、酩酊を齎していた神の食物の芳しい匂いは彼の食欲を掻き立てた。
 その身体を名状し難き怪物の液体金属で包みながら、人間らしき身を一匹の獣めいた姿と変えて彼は、水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)は――正確に言えば、その人格の一つであるアノンは笑う。
「肉の方が好きだけど、甘いのも嫌いじゃないぜ」
 ――その笑みという顔が元来示す攻撃性を剥き出しにして。
 狼の如き姿の足で空を捉えるように、空を道として駆け抜けていきながら、彼は狙いをメロディアへと定める。
 銃の形をした魔導兵器に籠められた炎を、戦場に座すメロディア達へ容赦なく撃ち込んでいく――その炎は例え弱いといえども、敵が脆いが故に全域をカバーできるこの技は相性が良く、炎に焼かれるメロディアは炭となることもなく、その身を蒸発させていく。
「ふふふ……熱いお方」
「是非に是非に、抱き締めてあげましょう」
 されどメロディア達は余裕を崩さずに笑う。
 同胞の貴婦人が幾度となく焼かれようと、戦場を手早く駆け抜けるアノンに狙いを定め、腕を広げると甘い香りも色濃く、死の抱擁を与えんとし――
「おおっと! そいつは遠慮しとくぜ!!」
 幸いにも向かってきた抱擁は、数匹程度――冷やし固めたチョコレートを強く踏みしめ、身を高らかに跳ねさせて躱すも、アノンは思い出す。
(あんま時間が無いんだっけか。頃合を見て引き返せつってたなァ)
 抱擁を空振りさせた幾つかの個体に、炎を嗾けその身を一欠片も残さず焼き払いながら、今の攻撃が何百とやってくるということを思い出し。
 実際、今の攻撃は牽制程度、次は本気という眼が密なるメロディアの気配より察せられると、その前にとアノンは魔導兵器に籠める属性を変えると。
「食らいやがれッ!」
 上空から放たれるのは、幾つもの氷の礫――触れれば一瞬でその身を冷やし固められ、礫の質量と勢いがそのまま脆き菓子の身体を打ち砕きながら。
 齎される極低温がメロディア達の控えるチョコレートの海を冷やし固め、彼女達を一気に固め上げてその場に縛り付けると。
「まとめて粉々にしてやるぜ、ヒャハハハハ!」
 ここで全てを決めるように力を振り絞り、持てる速度の全てを以て体当たりを敢行すれば。
 アノンの質量と与えられた音速を余裕で超える飛翔と、其れが齎した衝撃波は固められた場所を天に舞い上げるほどに、それを力強く打ち砕き。
 チョコレートの海に瓦礫落ちて溶ける音をバックにしながら、アノンは死の抱擁を逃れていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルイス・グリッド
アドリブなど歓迎

甘い物は嫌いじゃないがさすがに限度がある
攻撃が当たらないように立ちまわるにはこれしかないか

SPDで判定
キャバリアの魔銃のレプリカを使った遠距離戦
【視力】【暗視】で敵を捕捉
最初は義眼のメガリスの藍の災い:圧壊【重量攻撃】を指定UCで付与した弾丸を【全力魔法】【範囲攻撃】で放ち、重力をかけて行動速度を低下させる
それから赤の災い:炎熱【焼却】の弾丸を【スナイパー】【全力魔法】【範囲攻撃】【属性攻撃】で放ち広範囲を焼いて倒していく
必要なら後退しつつ同じように攻撃する



●届かぬ弾と届く弾
 毒か薬かの違いを分けるものは、服用するその量の違いでしかなく、過剰とは何時だって毒となる。故にこの海域を満たす、数多の糖分の匂いは魅惑的でもあり――
「甘い物は嫌いじゃないが……」
 決して嫌いとは言わない。だが幾らなんでも限度というものがあるだろう。
 視力を利かせるまでもなく、存在感も確かな甘ったるく匂う貴婦人の、何処を向いても貴婦人、貴婦人、貴婦人――実に嫌気がさす。
 胸焼けを起こしそうな嗅覚と視覚の暴力に、ややげんなりとしながらも、ルイス・グリッド(生者の盾・f26203)は距離を取りつつ。
「さて、銃を使わせて貰うぞ」
 取り出したのはキャバリアにて扱う銃――の、複製品(レプリカ)
 人の手に収まるサイズではあり、オリジナルと比べれば多少の劣化はあるものの、普通に戦うには遜色はない。
 攻撃が当たるまでには、距離がなるべく離れていた方がいい。
 己が銃の射程ギリギリの位置にて銀の魔銃を構えると――埋め込まれた義眼のメガリスが藍色に輝いた。
 ――それが示す力は【圧壊】
 銃の発砲音も高らかに、解き放たれた弾丸は戦場にて広がり、発生する重力の力場がメロディア達の歩みをその場へ縛り付ける。
 時に圧に耐え切れず、脆き身体を砂と変えて滅びの道を辿っていく、脆き貴婦人を目に映しながらも、義眼は今度は赤に輝いた。
 ――示す力はその色が強く連想さす【焼却】
 研ぎ澄まされた狙いは正確に、解き放たれた弾丸は戦場へと広がると、茶褐色の海面も、貴婦人の緑も全て赤に染めるが如く揺らめく火炎が広がり、阿鼻叫喚の地獄絵図を作り出していく。されど。
「……、余計に嫌な匂いになってきた」
 熱に活性化する匂いの分子が鼻に入り込めば、其れは滅びた婦人の呪詛のようにも思い。
 甘き中にも関わらず、苦虫を嚙み潰したような顔をする間も無く。
「――漸く届きましたわ」
「釣れないお方。キャンディ、如何です?」
 殺到し炎上の背景も鮮やかに、自らの肉体を分けて取ったキャンディを差し出さんと迫ってくる。
「遠慮しておく。……そもそも量自体でアウトだ」
 明らかに毒も入っているものの、無かったとしても幾百と食わせられればその時点で十二分に毒と吐き捨てて。
 義眼を藍へと輝かせるや否や、再装填した銃弾を解き放てば、戦場に再び重力の圧が広がりメロディア達の動きを制限しながら。
 船を後退させながら、義眼の赤き輝きも一瞬、解き放たれた業火が輪となって広がっては、また立ち込めてしまった凝縮された焦げた糖の匂いに顔を顰め。
 されど一流の狙撃手はそれに乱されること無く、冷徹にメロディアを滅していくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
チョコは好きだけどこの匂いはちょっとね…
この後のおやつは甘くないのがいいな、ウィーリィくん

ウィーリィくんと一緒に【ワールド・タイフーン】で船の周りの敵を蹴散らしたらボートを借りて二人で手分けして船から離れた外周の敵を迎撃に向かう
ちょっと漕ぐの大変だけど、敵の攻撃を受ける前に【ワールド・タイフーン】で群がる敵をどんどん倒していく
半径100m内の敵全てが対象だからかなりの数を減らせるよね!
とはいえ、一斉攻撃を受けたらひとたまりもないから頃合いを見て退却する


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
好き嫌いはないけど多すぎるのはちょっと遠慮したいかな。

俺とシャーリーのUCは「範囲内の敵全て」が対象になる。
だから二人で協力してUCを使用すれば多くの敵を殲滅できるだろう。
まず鉄甲船周囲の敵を二人のUCで掃討し、第二波が来る前にそれぞれボートを借りてチョコの海を反対方向に漕ぎ出す。
【足場習熟】でバランスを取りながら炎の【属性攻撃】でチョコの海を溶かしつつ【衝撃波】を推進力に船を進め、鉄甲船から離れたら【飢龍炎牙】で周りの敵を片っ端から掃討していく。

ある程度片付けたら包囲攻撃を受ける前に鉄甲船に退却。



●虫歯に注意をする必要もなく
 神の食べ物と名のつくそれを由来としているだけあって、茶褐色の粘性も豊かなこの海の匂いは決して単品で見れば嫌なものではない。
 大昔には酒精の酔いにも似た心地よい酩酊を齎し、恋の薬とも称されるが故の匂いも心地よく、抗いがたい誘惑もあるのではあるが。
「俺は料理人だからな。好き嫌いはないつもりなんだ」
「うん。分かるよ。ボクだってチョコレートは好きだよ。クッキーもキャンディもマシュマロも好き」
 鉄甲船で背中合わせに少女と立つ少年、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)はバンダナを前に僅かにずらしながら、大包丁を右手に握りながら呟いた。
 それに対し、チョコレート色の肌をした少女は、シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)は思い返した魅惑の味わいに頬を染めながら、ウィーリィの呟きに答えた。
 現にこうしていても、漂ってくるシャーリーが口にした菓子の匂い――周囲を取り囲む貴婦人の身体から発せられた匂いは、とても濃厚ではあるが。
「けどちょーっとこの量は遠慮したいよね! 帰ったらしょっぱいお菓子食べたいかも!!」
「じゃあ、煎餅焼いてやるよ。黒胡椒煎餅、美味いんだぜ」
「ポテチもお願い! コンソメ味のっ!」
「任せとけ」
 この際、熱量(カロリー)のことは気にしない。何故ならばここでユーベルコードで発散するから相殺されて熱量・零(ゼロカロリー)となるのだから問題ない。
 誰が何と言おうと問題ない――軽口も交えて鬱陶しい鼻の曲がりそうな、毒となる甘い匂いを勝利の末の塩味を想起しプラセボで軽減しつつ、彼らは背中合わせにそれぞれ船頭と船尾へと駆け出していった。
 ウィーリィは船頭へ、シャーリーは船尾へ――これから行う技の範囲を考えれば、それぞれが最も距離を取れる場所に、それぞれが足を付けると、彼らは同時に得物を力強く掲げ。
「さぁ、世界サメ大戦の勃発だよ!」
 シャーリーの中心から放たれるのは、無数のサメを象った光の刃だった。
 千にも及ぶ無数のサメの刃は、雑多ではなく、寧ろ並び美しき幾何学模様を描きながら、脆き菓子の身の貴婦人たちへ吸い込まれるように突き刺さり――それは宛ら、獰猛な鮫の軍隊が食い荒らすように。
 菓子の身体の貴婦人たちを、解き放たれる鮫の隊列は余すところなく喰らっていく――!
 そしてその一方で。
「喰らい尽くせ、炎の顎! 文字通りになぁっ!」
 船頭に立つウィーリィが重厚な鉄の刃を振るえば、彼を中心に別たれた九頭竜の存在があった。
 正確にいうならば、紅蓮に燃え盛る、龍の姿を象った炎か――九つに分かたれたそれが花咲かすように広がり、炎の盛る音がまるで龍の咆哮が如く響き渡り、菓子の身体の貴婦人たちを喰らっていく。
 糖類の焦げる甘ったるくきつい匂いが鼻をつき、嗾けられた炎龍が微妙に嫌な顔をしてもご愛敬。
 繰り広げられるのは、龍と鮫が菓子の甘きを微塵も残さず喰らい尽す光景だった。
 彼らの技は彼ら自身を中心とし、半径百メートルの敵を対象とする――故にこうしてより多くの敵を殲滅できる形となり。
「大分やっつけたけど……」
「手筈通りに行くぞ。無茶はするなよ!」
「お互いにね!!」
 だがまだ戦いは終わっていない。
 鉄甲船の周囲だけに留まらず、第二波が襲ってくる前に撃って出るように、彼らはそれぞれ備え付けられた小舟を借りて、チョコレートの海を行く。
「――ようこそいらっしゃいお嬢さん」
「――ようこそいらっしゃい坊や」
 それぞれ反対方向、離れ行くにも関わらず、貴婦人たちはそれぞれに同じような甘き歓迎の意を示すように、カーテシーを一つ。
 されどウィーリィとシャーリーはそれでも突き進む。
「さぁ蕩けましょう」
「さぁ抱き締めてあげましょう」
 例え甘き響きが来ても、ウィーリィは手繰る炎でチョコレートの粘性を溶かし、揺れる船上に巧みに身を制動させながら。
 シャーリーは船上こそが我が戦場と言わんばかりに、海賊帽の力強き鮫の紋章輝かせながら力強く漕ぎ、堂々と乗り込み。
「「第二次・超(スーパー)世界炎龍鮫大戦」」
 例え距離にして互いに二百メートル以上に離れていても、心は常に繋がる。
 それ故に紡がれる言葉も同時に重なり、互いの技の詠唱が交わり、それは一つのカクテルのように美酒の心地よい響きが貴婦人たちの脳を甘く酔わせ。
 死を導く抱擁が、毒薔薇が襲い掛かるその前に、離れた位置で発せられた言葉が重なった。
「「喰らい尽すほどに、勃発!!」」
 解き放たれた炎龍と鮫刃は、殺到していく貴婦人の攻撃すらも呆気なく砕き、炎の中に呑み込み。
 踊る二つの獰猛な捕食者の演舞は、ぎっしりと詰められた捕食者の身体を残さずに滅ぼしていく。
 龍と鮫の獰猛なることは、貴婦人たちを容赦なく食い荒らしていき、後続の貴婦人たちが攻勢に躍り出て、それを察知した彼らが鉄甲船へ退却するまで続くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

死之宮・謡
アドリブ歓迎

(取り敢えずココアを一杯飲んで)
世紀末かな?…ツッコミが追い付かないなぁ…
取り敢えず、まず何でチョコなんだ?…少し味も気になるが…味見してる余裕もなさそうだなぁ…
まぁ、数については…うん。耐久が紙なら飽和殲滅で如何にかなるな…
さて、始めようか…

【万天】を発動。大空に飛び上がり、地上に向けて・呪詛を籠めた黒のブレスを叩き込む。只管に撃ち込み続ける
余波で辺り一面更地になる恐れも多分に含んでいるが…まぁ良いだろう…戦争と言うのはかくも無情なモノなのである



●甘く腐る海のやうに
 見渡せば見渡すほど、茶褐色の粘性が強き、鼻を甘美に刺激する匂いに満ちたチョコレートの海。
 波打ちが船体を撫で、飛沫が僅かに届けば、そこからも発せられる匂いはやはりチョコレートでしかなく、固まればさぞかし美味しそうな――
「……世紀末かな?」
 紙コップに残ったココアの、纏わりつく蠱惑的な甘味を感じながら、遠い目をしながら女は一人で呟いた。
 匂いに慣れておけとはいったが、それでも慣れることのない、濃厚な甘い、チョコレートだけに留まらない匂い、匂い、匂い!
「ああ、色々と突っ込みが追い付かん。取り敢えず、まず何でチョコなんだ? 味も見ておこう……と言いたいところだが」
 死之宮・謡(存在悪:狂魔王・f13193)は額を掌で抑えながら、思いつく限りの突っ込みを脳内でリフレインさせてもみたが、幾度となく浮かんでは納得の行く回答は訪れない。
 それは宛ら、無限の増殖を繰り返すスイート・メロディアのように……とまでいえば大袈裟ではあるが、疑問が疑問ばかりを呼ぶ無限再生に謡の眼は益々に遠くなる。
「食べたいのでしょう?」
「抱いてあげましょう、ほぅら……いらっしゃい」
 しかもその上、性質の悪いことに、更に甘ったるい匂いの貴婦人たちが両腕を広げて誘ってくるではないか。
 もちろん、その誘いに乗ってしまえば待ち受けるのは間違いなく死と滅びへの一直線。
「……」
 謡はその様相を虚無的に見遣ると、大きく息を吸った後に、据わった眼で。
「始めようか……」
 もう色々と突っ込むのは諦めた。ならばと謡は力強く、鉄甲船の甲板を一つ蹴り出すと、その身を空中へと浮かばせる。
 それと同時、己の身体を触れたモノ全てを崩壊させるほどの濃密な呪詛で纏い始めた。
 これならば抱擁が即座に謡に来ることはなく、仮に来たとしてもあらゆるダメージを呪詛は弾く。後は。
「光は届かない……」
 はぁっと溜息を吐くように、呪詛を濃密に孕んだ吐息が、黒き霧のように広がっていく。
 其処に触れたチョコレートの海や、甘い香りの貴婦人たちは呆気なく一瞬だけ固まると、罅割れの音も惨たらしく、その身体を哀れな砂と変えていく。
 その光景を見ながら、謡はまた一つ呟いた。
「あゝ無情……か」
 もしかしたら余波で周囲が更地になる可能性も、無きにしも非ずと言ったところではあるが、戦争とは得てして無情なるもの。
 吐き出した溜息は幸せを逃すというが、黒き息吹は幸福を打ち壊すように広がり、チョコレートの海と甘く脆き貴婦人たちを、文字通りの砂糖細工のように崩していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

二條・心春
えーと……お菓子は好きですが、これはちょっと遠慮したいですね。結構リアルな感じがするのが余計あれです……。

私は近くまで船に乗せてもらいます。敵をまとめて倒すなら、フルフュールさんの出番ですね。タブレットを操作して【召喚:雷鹿】を召喚です。よろしくお願いしますね。
嵐を伴う雷を広範囲に放ち、敵群を倒しながら吹き飛ばして近づかれないようにしましょう。私もタブレットの操作に集中して、フルフュールさんの「属性攻撃」の力を引き出しますね。さあフルフュールさん、思いっ切りやっちゃってください!上手くいったら頭を撫でてあげましょう。



●カミナリオコシ
 チョコレートの濃密な海に船の揺らぎも少なく、鼻腔を絶え間なく擽り、脳天に淡い陶酔感にも似た快感を齎す。
 潮風の代わりにそれはそれで心地よきでありながらも、相対するべき敵の姿は、聊か反応に困るものだった。
「えーっと、えーっと」
 何と言ってよいものか――二條・心春(UDC召喚士・f11004)は戸惑い、苦笑を浮かべたまま、並ぶ貴婦人たちを評する。
「お菓子は好きですが、これはちょっと遠慮したいですね。結構リアル過ぎてといいますか」
 工芸菓子の写実的なことは確かにあるのではあるが、こうまで殆ど(?)人間と変わらない見た目で、その身体が菓子で出来ているというのは、恐ろしいものがある。
 しかも貴婦人めいた笑みの声の喧しきと、立ち込める匂いにも嫌気がさすほどであり――しかも腕を広げ抱擁の構えを行ってくる危険性が伝わってきて。
 なればと、心春はタブレットを取り出すと、場に相応しきUDCの霊を呼び出した。
「フルフュールさん。出番です。よろしくお願いしますね」
 呼び出されたその姿は、簡潔に言えば翼の生えた鹿――何処か人懐っこそうで、それでいて元気の良過ぎるそれが、翼をはためかせ、健脚を以て空を駆け抜ける。
 かの存在が空を踊れば、吹き荒ぶ暴風が渦を巻き、抱擁を齎そうとした甘い貴婦人たちの存在を吹き飛ばし、進軍を阻みながら。
 本命の稲光が戦場を埋め尽くすほどに輝き、一瞬のラグを経てから響き渡る、重たい轟音と、迸っていく閃光と衝撃が駆け巡る。
 正に神罰を思わせる、嵐を伴う雷が次々と菓子の身体の貴婦人を打ち据え、雷が貴婦人たちの身体を伝播していき、身体を崩壊させていく。
 その間も心春はタブレットの液晶に指を滑らせていき、フルフュールの解き放つ雷の力をより高めていく。
「さぁフルフュールさん! 思いっきりやっちゃってください!!」
 心春の後押す声に霊は嘶くように前脚を上げて、翼を大きく広げれば。
 更に吹き荒ぶ嵐の勢いは接近戦と飛来する貴婦人たちを容易く吹き飛ばし、風の大渦へ巻き込まれた身体と身体を打ち合わせ、脆き身体を崩していきながら。
 鹿霊の顎が天へと向けば、先よりも激しく、鮮やかに広がっていく雷が進軍を阻む鉄格子の如く貴婦人たちを飲み込み、ともすればチョコレートの海をも蒸発させながら、敵対する身体を塵と変えていく。
「良く出来ました。ありがとうございます」
 一先ず見えぬ程にスイート・メロディアを滅し終え、その身体を優雅にフルフュールは心春の傍へと寄せるように舞い降りれば。
 心春は心からそれを労うように、その頬を撫でて微笑むのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…これはまた何というか、呆れた出鱈目さね

…攻撃特化も決して悪い事じゃないんだけれど、
未来を予知する猟兵を相手にするには悪手だったわね?

…こんな風に対策を取られたら一網打尽だもの

太陽の光を"影精霊装"の闇に紛れるオーラで防御しUC発動
吸血鬼化して極限まで血の魔力を溜めた真紅の月で太陽を隠し、
戦場全体に降り注ぐ真紅の月光で敵の大群から生命力を吸収していく

…幾千、幾万、幾億と数だけ増やしても無駄よ
その全てを呑み込み、力と為すのが私の血の御業ですもの


…それにしても、たまには血の味以外も悪くないけれど、
これは少しばかり甘ったる過ぎて飽きるわね…

…まあ、しばらくホットチョコレートはいらないわ



●おなかいっぱい
「……限定解放」
 ――いつもと違う、と一言でいうのは容易いが、つり上がる口元と赤赤と輝く眼は普段の彼女とは違った、妖艶さと言い表せるものに満ちていた。
 注ぐ太陽の光を纏う黒衣の闇に紛れるように覆い隠し、その身を灼かれることを防ぎながら“吸血鬼”は戦場を満たす緑衣の貴婦人の群れへと視線を送った。
「……これはまた何というか、呆れた出鱈目さね」
 響き渡る微笑みの声ですら気味が悪いほどに重なり、その身体を構成する菓子の、様々に入り乱れた糖類の甘ったるい匂いに、吸血鬼は――リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は嗤った。
「でも相手が悪かったわね。悪手も悪手よ」
 絶え間なく増殖を続け、進軍を阻む文字通りの壁か。
 如何に脆きといえど攻撃能力だけを見れば、オリジナルと同等――脅威ではあれど、未来を予知する猟兵の相手としては悪かった。
「……こんな風に対策を取られたら一網打尽だもの」
 ――血と生命と魂を捧げよ。
 唇を釣り上げたリーヴァルディの声に出さぬ囁きと共に、戦場が一瞬暗きに満たされたかと思うと、戦場を満たす勢いで紅くも冷たい輝きが降り注いだ。
 それは既に彼女が呼び出していた、血の如く輝く紅き月の光。
 吸血鬼と変わった身の、極限まで凝縮した血の魔力は紅き月に太陽の姿を覆い隠させる――生命の恵みを齎す光を、生命を啜り上げる魔の輝きを以て阻み。
 戦場に余すところなく注ぐ略奪の光は、じわじわと嫐るように甘き匂いの貴婦人たちから生命力を吸い上げ、まるでガムの味が無くなるかのように無味乾燥とさせられた身体は脆く崩れ去っていく。
 その吸い上げられた生命力は、当然余すところなくリーヴァルディの身体へと還元されていき。
「はふ」
 そうして悩ましく息を吐き、啜り上げる生命の文字通りの甘美に浸りながら。
 戦場にて死なず滅びず、増殖を続ける甘き韻律へと唇を釣り上げて、彼女は一つ言葉を送った。
「……幾千、幾万、幾億と数だけ増やしても無駄よ。その全てを呑み込み、力と為すのが私の血の御業ですもの」
 ――その表情(かお)は自らの覇権を疑わぬ女王のように。
 注ぐ光の中、甘き死の抱擁も儘ならぬ身から、容赦なく生命を吸い上げ、文字通りの、そして精神にも満ちる甘美なる感覚に酔い痴れる。
「……まあ、しばらくホットチョコレートはいらないわ」
 それどころか甘いものも――口と鼻に残るカカオの惑わす匂いに肩を竦めながら、紅き月の下、命啜られて崩れ去る貴婦人の身体が、チョコレートの海へと溶け堕ちていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガーネット・グレイローズ
グリードオーシャン広しといえ、こんな奇怪な光景は
私も初めて見るぞ。とはいえ、この敵との戦いは
甘いものではなさそうだが!

数には数で対抗するぞ。
【灰薔薇の旗の下に】を発動し、上空に強襲宇宙船を召喚する。
そこから降下してくるのは、戦闘服を着込み武装した屈強な兵士達。
フライトユニットで戦場を《推力移動》しながらの殲滅作戦だ!
ただし、敵が体勢を立て直して反撃を始めるとこちらも
甚大な被害を受けるだろう。作戦時間はキッチリ300秒。
5分以内で敵軍にまとまったダメージを与えるように
《戦闘知識》《暗号作成》で情報伝達を迅速に。
私自身もキャバリアに乗り込み、《念動力》で武器を操作し
《レーザー射撃》で敵を掃討する!



●灰色の薔薇の御旗の下に
 ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は見渡す限りの茶褐色の、鉄鋼船の進むことの厄介な濃厚さと、その上にて密集する貴婦人の姿を見ながら、一つ呟いた。
「うーむ、なんとも見るだけで糖分焼けを起こしそうだな」
 実際に言葉を発するだけでも飛び込んでくる、甘き分子に鼻腔や食道が焼け付きそうな不快感を感じながら、改めてそれを彼女は見やる。
「こんな光景は初めて見るぞ。グリードオーシャン広しとは言うが」
 創作ではあり得る光景ではあるが、実際にこうして場に立てば、悠長に喜んでいられる光景でもなく、立ちはだかる貴婦人の危険な匂い――強すぎる甘さで鼻がおかしくなりそうであり、雰囲気という意味でもあり――を前に、ガーネットは改めて気を引き締めた。
「だがまあ、この相手は甘くはなさそうだがな!!」
 正確な数を数えるのだけで、最早偉業と言って差し支えない密集地帯を前に、心を奮い立たせるとガーネットは指を弾いた。
「今こそ闇の中より蘇れ、我が血族よ……」
 すれば雲を分け入りながらゆっくりと降臨した、強襲宇宙船の圧倒的なることが現れ、優雅に微笑む貴婦人たちの肌を降臨する際の風圧が揺さぶった。
 そしてその中から現れるのは、理力剣と携行砲台で武装したその数五百に近い、精鋭の私兵――灰薔薇<グレイローズ>の旗印の下に従う者達。
 数の利はやはり向こうにあり、されど士気と個々の実力、人の和は確実に上回る――暗号を用い情報を余すところなく私兵へと伝達しながら、ガーネットは告げる。
「――きっちり300秒だ。……作戦開始!」
 主君の命令に従い、精兵達が鬨の声を挙げ、キャバリアのブースターを吹かせるガーネットへ続く。
 すれば私兵たちがフライトユニットを以て重力に逆らい、空を駆け巡りながらアームドフォートの放つ一斉放火と、零れ出た個体へフォースセイバーの斬撃が各個撃破を行う。
 その一方で前線を張るガーネットのキャバリアは、念動力の操る武具が貴婦人たちの身体を容易く粉々にし、解き放たれる光線が貴婦人たちの身体を滅していき。
 反撃に移らんとした貴婦人たちの身は、私兵たちがカバーリングを行うように砲撃を浴びせ、光剣の追撃が制し。
 またキャバリアの殲滅が放たれるループを、カウンターがゼロに近づくまで行っていき――
「撤退だ!!」
 キャバリアのコンソールに映る、「Time Over」のアラートを認識すると、グレイローズの主君と兵団は勇気ある撤退を行うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シーザー・ゴールドマン
ハハ、凄まじい海洋汚染と言うべきかな?

攻撃力はオリジナル相当で防御力は無きに等しいか。よろしい。
『ダマーヴァンドの終末』で空を覆わんばかりの巨竜を召喚。
チョコレートの海を目掛けて超速で落下させます。
着水(チョコ?)時の体当たり及びそれに付随した衝撃で広範囲の分身体を滅ぼします。着水後も暴れます。
また落下中、着水後もその巨体から悪魔を生み出し続けており、その悪魔達は散開して生き残りの分身体を攻めます。
シーザー自身は召喚後、鉄甲船にて一連の大パノラマを見物。
その結界術と念動力で鉄甲船を襲う戦闘の余波を防ぎます。



●支配者は美酒を片手に(していない)
 その色を汚らしいというのか、魅力の色というのかはその時々の状況と、認識する者次第というものか。この海が茶色く染まっているどころか、すんなりとした液体ではなく泥を思わせる粘性を持つというのは。
「ハハハ、凄まじい海洋汚染と言うべきかな?」
 貴公子然とした大男、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は笑いながらそれを評した。
「ちょっと何を言ってるか分からないね。聞き届けるつもりもない訳だが」
 シーザーの言葉に、並ぶ緑色の貴婦人たちが何やら騒ぎ立てているようだが、遠く離れたその場所では内容は詳しくは聞こえてこない。
 尤も彼に聞く義務も義理もないのではあるが――シーザーは並ぶ貴婦人を眺めると、一度だけ頷いて。
「さて、攻めは強いが只管に脆い、と。よろしい」
 なればシーザーの使う手段は決まっている。
 彼は船の上に立ったまま、改めて貴婦人たちを値踏みするように見回すと、不敵に笑いながら言葉を継ぐ。
「君達は頭を垂れなくともいいし、平伏さなくともいい。私が差し向けるのは一つのみ。そう」
 帝王の短い演説のように朗々たる声が貴婦人に届く――己が圧倒的な勝利を疑いもしない、自信に満ち溢れた声のまま、シーザーが右腕を横に軽く払うと。
「――蹂躙せよ」
 突然、空から一つの巨大な隕石が落ちてきた。
 正確にいえば、それを思わせる程に膨大な規模と質量、勢いを兼ね備えた存在か。
 落下してきたそれがチョコレートの盛大な冠を作り上げるかのように、美しく激しい柱を打ち立てて、戦場を駆け巡っていった衝撃が脆い身体を原型すらも残さずに粉々にしていく。
 現れたのは全長十kmにも及ぶ、超巨大なドラゴン――否、それだけに留まらない。
 その身体から無尽蔵に湧き出る悪魔達が、同じく無限に増殖を続けるスイート・メロディアを槍で、爪で、牙で――思いつく限りの残虐な蹂躙を続け。
 一際に目立つ魔王の如き巨大竜が一つ顎門を振るえば、生み出された悪魔ごと貴婦人を喰らい尽し、振るわれる身体部位の一つ一つが天災の領域に到るほどの被害を齎していく。
 正に黙示録戦争の如き、阿鼻叫喚の光景が繰り広げられており、シーザーはその姿を当然のことのように見つめ――
「おっと」
 適切な距離を保ってはいても、やってくるチョコレートや菓子類の飛沫、または流れ弾の一つや二つを、咄嗟に掌を翳して張った衝撃で受け止める。
「さて、高見の見物といこう」
 幸いに掠ることすらもなかった船の上で、シーザーは腕を組みながら、遠く離れた大戦争を楽しそうに眺めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
(予兆で盗み聞きの様な形でご婦人の独り言を耳にしてしまい、騎士として少々気まずい)

切り替えましょう
この奥方様の王への『厚意』の対処を誤れば趣味の悪い御伽噺のような末路を迎えてしまいます
アリスラビリンスでは無い筈なのですが…

UC装着●空中戦
備え付けの対艦ビーム砲を腰だめに構え●ハッキングで発射モードを照射に切り替え
チョコレートの海原を一閃
多数の敵一掃

センサーでの●情報収集で討ち漏らしを把握しつつ格納銃器の乱れ撃ちスナイパー射撃で迎撃

更に遠隔●操縦するロシナンテⅢに鉄甲船から対艦砲のエネルギーパックを輸送させ●継戦能力を高めます

やはり気が重いですね…騎士の浪漫を時代遅れとさせる戦法の体現というのは



●彼は静かに決意して
 たかが潮風の一つや二つに錆びる体ではないが、さりとて妙に生暖かく、機械の関節がべとつきそうな風を浴びながら白き騎士は佇んでいた。
 鉄甲船が行き着く先にある、緑のドレスを纏った異形の貴婦人の群れの、その身体の甘い匂いを感覚器に覚えながら、ウォーマシンはやや肩を下げた。
「…………」
 紳士たるもの淑女の独り言を盗み聞くなど――尤も、“予兆”は意図してのことでない以上、責められることではないが。
「切り替えましょう。今は戦争なのですから」
 それでも彼女の呟きを思い返すと、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は俯かせていた頭を挙げると、顔の格子に光る眼の輝度を上げた。
「さて、最早真似事も真似事でしかありませんが――」
 その構えはまるで騎士が馬上槍の重きを構えるかのように、腰だめに構えたそれの力強きは見る者を畏れさす。
 対艦級のその“砲”の口に光が灯れば、トリテレイアはハッキングを行い、発射方式を照射に切り替えると――トリガーを引いた。
 文字通り照付けるその光は、固形の甘味を無情に溶かしてしまう熱の光か。
 チョコレートの海を焦がすを通り超え、蒸発にまで至る熱量を放つ対艦砲をそのまま、トリテレイアは腰だめに構えたまま――それを、【大槍で薙ぎ払うように】動かした。
 それは御伽噺のように、聖騎士が巨大な光の剣で悪魔の群れを薙ぎ払うが如く、熱量の光がチョコレートの海も、貴婦人の群れも蒸気と変えていく。
 その抜け落ちた穴を補うように、流れ込んだチョコレートの潮流が貴婦人たちの身体を揺るがせば、トリテレイアは機械の飛竜に船の倉庫へ使いを出しつつ。
 センサーの捉えた少数の撃ち漏らしを、格納された銃器に火を噴かせ、着実に貫いていく――対艦砲に比べれば規模は違えど、敵が脆すぎるが故に一体に付き弾が一つで済む。
「……ふぅ」
 そうして飛竜が倉庫より持ってきたエネルギーパックを、対艦砲に装填しながら、トリテレイアは僅かに首を持ち上げ、無情にも青く鮮やかに広がる空を見上げた。
「やはり気が重いですね。騎士の浪漫を時代遅れとさせる戦法の体現というのは……」
 ――何事も気からとはいうが、それ故に対艦砲を持つ腕も心なしか重たい気がする。頭脳の回路の、機械の合理性判断は支障は無しと告げているにも関わらず。
「やらない理由にはなりませんが」
 さりとて戦う決意は変わることもなく、照射される対艦砲の、電離を発生させる程の光線がまた力強く薙ぎ払われて。
 貴婦人と海が蒸気に変わり、機銃のけたたましきと脆き菓子の砕ける音が響き渡っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎

チョコレートの海か…
やれやれ、匂いだけで太りそうだな

船上からジャンプで跳び、敵集団に向けて急降下での蹴りを叩き付ける
戦艦すらも破壊する一撃だ、衝撃波で周囲の敵を吹き飛ばすのも容易いだろう
さらに敵の身体自体を足場にしつつ連続でジャンプを繰り出し、次々と敵の集団に蹴りを叩き込んでいく

フン…バレンタインデーとは言え、その甘い抱擁は遠慮しておこう
胸焼けを起こしそうだ

倒しきれなかった場合は、敵がこちらに向けて攻撃を起こす直前に
無理をせずチョコの海に浮かんだ残骸や、敵の身体を足場にし、落下に注意しつつ速やかに撤退を行う
チョコの海にナッツでも浮かんでいれば、それを足場にしても良いだろうな



●菓子粉砕脚
 茶褐色の粘性に満ち溢れた甘い液体の揺らめきは、否応なしに匂いの粒子を風に運ばせ、甲板に立つ女の眉間に縦皺を刻んだ。
 チョコレートの匂いだけならば鼻が慣れることもあったのかもしれないが、また別の存在の匂いが鈍麻という安らぎを与えてくれず。
「やれやれ、チョコレートの海か。匂いだけで……いや、見ているだけで太りそうだ」
 キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)は匂いの下である海と、その上に立つ貴婦人たちを見ながら呟いた。
「その前に熱量を消費していくか」
 並ぶ貴婦人の列を目に収めると、キリカは颯爽と船の縁を蹴り出し、その身を空へと投げ出した。
 通常の海戦であるならば、冷たい潮風が心地よく吹き付けるのだろうが、生暖かく甘ったるい風が身体を撫でる。
 されど心惑わされることなく、キリカは冷たく敵集団の、その中央へ狙いを定めると。
 ――振り下ろされたブーツによる蹴りの一撃が、強かに貴婦人の一人へと突き刺さった瞬間。
 運悪く最初の標的となった貴婦人の脆き身体――小麦とバター香るビスケットの身体に留めること叶わなかった衝撃が溢れ出し、それは波紋広がるように、戦艦すらも破壊する衝撃は爆弾のように周囲の貴婦人も呆気なく粉砕していく。
 されどそれで留まることなく、爆ぜた衝撃をそのまま逆用して飛び上がり、また新たな貴婦人に狙いを定め、蹴りを突き刺し衝撃の爆発を以て菓子の身体を砕き散らす。
「随分と乱暴なお嬢様」
「お転婆ですこと」
「少し休んでは如何かしら……?」
 宛ら飛び石を軽やかに駆けるようなキリカへ、貴婦人たちがわざとらしく、煽るようにゆっくりと腕を開かせれば、より濃密に漂う脂と糖の混じった、抗いがたい匂いを放つ。
 匂いだけは決して嫌なものではないが、それに身を委ねた末路は分かっており、彼女は入り込んでくる匂いの粒子を拒絶するように鼻を鳴らした。
「フン、バレンタインデーとは言え、その甘い抱擁は遠慮しておこう。胸焼けを起こしそうだ」
 故に貴婦人たちの死の抱擁が殺到する前に、海面に残った貴婦人であった菓子の欠片を足場に、キリカは跳躍すると――
「吹き飛べ」
 両腕を広げた貴婦人の胸へ楔を突き刺すように、抱擁が齎されるその前に、強かな蹴りを叩き込み――言わずもがな、繰り返される光景。
 この貴婦人の身は飴か、砕ける破片を見遣りながら、蹴った反動で後退しながら、そろそろ頃合かとチョコレートの海に浮かぶ、巨大な豆へ着地すると。
「……付き物だが丁度いい。失礼する」
 浮かぶナッツの飛び石を駆け抜け、死の抱擁が今度こそ齎される前に場を後にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
緋瑪「甘いモノは好きだけどねー…これだけの数が相手なら、こっちも使わせて貰うよ!」
瑠璃「私は辛党だからね。甘いのも嫌いじゃないけど、全部殲滅するよ」

UCで分身。

ジェミニオン二機をUCで対軍殲滅仕様に換装。
ミサイルやガトリングで一気に広域を粉砕し、大出力ビーム砲で薙ぎ払うといった形で敵を殲滅。
二機で代わる代わる掃射する事で反撃の隙をなるべく潰し、できる限り殲滅するよ。
機動力を完全に犠牲にするから、完全に消耗戦になるし、やられる前にできる限り倒し尽くさないとね。
離脱または敵本体撃破の際は追加装備の全弾発射後に装備をパージして、機体本体によるライフルとボムで脱出や撃破を行うよ


才堂・紅葉
さて、チョコのシーズンですがこれは困りますね
速攻で大打撃を与え、後に離脱が現実的ですか

「蒸気王」に搭乗し、火の迦楼羅王と水の天蛇王を召喚
水火を合せての蒸気合体で「蒸気帝」となり

「吹き飛ばしなさい、蒸気帝!!」
海上を低空飛行し超出力で突貫し、分身共を吹き飛ばす

「分離!」
攻撃の勢いが消える前に分離
三機で水面の下に沈み、天蛇王ベースに再合体
「渦巻きなさい、天蛇帝」
蛇矛を回して渦潮による水属性攻撃

「分離!」
合体解除で上空へ飛び、迦楼羅王ベースで合体
「薙ぎ払いなさい、迦楼羅帝!!」
炎のマフラーを獅子舞のように回し、周囲を炎で薙ぎ払おう

変幻自在の合体分離戦術で奴等を削り、機を見て高推力の蒸気帝で撤収です



●ジェノサイダーズ
 製菓業界の陰謀という声もあるかもしれないが、世は正に「大チョコレート贈呈時代」……というには大袈裟かもしれないが、一つの商売時か。
 されど広がる甘い匂いの、文字通りの海には流石の才堂・紅葉(お嬢・f08859)も苦笑を浮かべた。
「チョコレートのシーズンではありますが、これは困りますね」
 四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と半身の緋瑪は、紅葉の言葉に頷くと、それぞれ分離したキャバリアに乗り込みながら。
「甘いモノは好きだけどねー……これだけの数が相手なら、こっちも使わせて貰うよ!」
「私は辛党だからね。甘いのも嫌いじゃないけど、全部殲滅するよ」
 二人の言葉に紅葉もまた頷くと、今回の作戦を改めて確認する。
「それでは速攻で打撃を与えて撤退。よろしいですね?」
「そうだね」
「異議なしっ」
 どの道消耗戦は免れぬ。ならばやるだけやって、頃合を見て撤退――これも皆言われた通り。
 そして紅葉が先陣を切るように、掲げた手で指を弾くと。
「合体支援ガジェット展開……追加ジョイント接続確認……電子系シンクロ承認……蒸気合体!」
 蒸気王なるゴーレムを中心に、二つの火と水を司る天蛇と迦楼羅が付き、蒸気王を中心とした巨大な合体形態となり。
 海面すれすれに蒸気を噴き上げながら、只管に速度を付けて飛翔し――
「吹き飛ばしなさい、蒸気帝!!」
 加速をつけた蒸気帝の突貫が炸裂し、菓子の貴婦人たちの身体を打ち砕きながら、質量と速度の一撃がその身体を天高く舞い上げていった。
 貴婦人たちの認知の本当に直後の一撃――そして続け様に声が響く。
「瞬間換装!」
「オーバーアームド装備。一気に殲滅するよ、緋瑪」
「OK、瑠璃!」
 高らかな開戦の狼煙が如き一撃の一方で、瑠璃と緋瑪はキャバリアで頷き合うと、その身体に次々と重装備を施していく。
 対象とするは軍、強大な武装組織を相手にそれを滅するほどに、重武装・高火力を備えた形態に変化すると、彼女達は紅葉が飛び込んだ其処へ機体を躍り出させていく。
「分離!」
 そして当の紅葉は蒸気帝から迦楼羅王と天蛇王を分離すると、チョコレートの海へと沈んでいき。
 今度は天蛇王を中心とした竜神が如き形態へと再合体すると、蛇矛を手にその身体を回していき。
「渦巻きなさい、天蛇帝!」
 引き起こされる渦潮の流れが至近距離の敵群を巻き込み、その圧で粉々に打ち砕きながら、遠くに座す貴婦人たちを勢いよく引き寄せる。
 されどそれを好機と、渦の中心に立った形となるジェミニオンなる、瑠璃と緋瑪の機体に死への抱擁を齎そうとしたその瞬間だった。
「エクスターミネイト……」
 引き寄せられた貴婦人たちに襲い掛かったのは、機動力の減少と引き換えに得た圧倒的な高火力だった。
 ガトリングのけたたましき銃声が響き渡り、ばら撒かれる鉛弾が次々と貴婦人の身体を貫き、文字通り砂糖細工のように脆く崩壊させていきながら。
 放たれたミサイルが降り注ぎ、爆発の轟音と激しい熱と衝撃を伴った風が吹き荒び、砂糖の焦げる匂いもすぐに文字通り吹き飛ぶ程に、激しい爆発がスイート・メロディアを消し去っていく。
「分離!」
 そしてチョコレートの柱が爆発で立てば、その勢いで海から飛び出た天蛇帝がまた分離して。
 今度は迦楼羅王を中心とする、空を舞う形態となり、炎のマフラーをその手にし。
「薙ぎ払いなさい、迦楼羅帝!!」
「オーバードライブ!」
 迦楼羅が舞い広がった炎と、殺人姫の機体より広がった激しい閃光が、立ちはだかる貴婦人たちの身体を蒸気へと変えていく。
 迸る膨大な熱量がチョコレートの海面すらも蒸発させ、空間すらも削りそうな勢いで炎と光が場に破壊と消滅を齎していく――!
 分離と合体を繰り返し、水中と上空から翻弄する紅葉と。
 代わる代わるに二機の高火力で圧倒していく瑠璃と緋瑪――互いの持つ力の利点が合致し、より効率的に、単独でいるよりも多く貴婦人を殲滅していける。
 かくして彼女達は次々と、殺到する貴婦人たちを滅ぼしていき――
「よし、ここは大丈夫ね……二人とも掴まってください!」
 見渡す限り、そしてセンサーが捉えた限りでも担当した区画は、粗方滅し終えた。これ以上は追撃の波がそろそろ危険と。
 故に紅葉は蒸気帝へと再構成を行うと、スラスターを噴き上げ、瑠璃と緋瑪の機体を掴み、引っ張っていく。
「ありがとう!」
「助かるよ。どうしても鈍くなってたから」
 莫大な殲滅力と引き換えに、どうしても機動力を犠牲にする強化――追加武装をパージしても大火力の放出の反動で鈍った身故に、撤退の補助の有難く。
 その分、撤退の援護射撃は任せてと、殺人姫達の機体につけられたライフルと、爆弾が追撃を行う貴婦人たちの身体を貫き、爆ぜる熱風が身体を打ち砕いていき。
 強大な機体はそれぞれ、互いの不足を補い合いながら、見事な撤退戦を繰り広げていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月16日


挿絵イラスト