羅針盤戦争〜金色の災厄
●それは太陽のごとく
グリードオーシャンに浮かぶディーエイト島は、島としてはあまり大きな島ではなかった。かつてスペースシップワールドから落ちてきたと思しきこの島には、元は宇宙船の居住区だったらしいカプセル状の頑丈な家がいくつも存在しており、住民達はその住居で、外敵や天変地異から長年身を守ってきた。
だが今、この島に未曾有の危機が迫ろうとしていた。
「おい、なんだあれは?」
夜だというのに、外が不自然に明るいことに気づいた島民達は、家の外に出て絶句した。
島の上空を覆うのは、巨大な……あまりに巨大な黄金の輝き。
それが一体何なのかすら、島民達には理解することができない。住民達が呆然と空を見上げていると、黄金の輝きがさらに増していき、ついには夜明けの如き眩さで島全体を照らし出した。
次の瞬間、発した高熱が島全体を焼き尽くす。木々は燃えさかり、運悪く家の外に出ていた住民達は瞬く間に消し炭と化した。
黄金の輝きはさらに輝度を増し、炎はますます燃え広がる。その炎はまるで、居住用カプセルをも焼き尽くし、遂には島全体を消滅させんとしているようですらあった――。
●クエーサービースト、襲来
「羅針盤戦争の激化に伴い、『四の王笏』……スペースシップワールドの力を具現化したカルロス・グリードの分身体が動き出しました」
エルシー・ナイン(微笑の破壊兵器・f04299)は、集まった猟兵達に真剣な声音でそう告げた。
「『四の王笏』はよりにもよって、あのクエーサービーストをなんらかの手段で配下に従え、ディーエイト島という島を破壊しようとしています」
クエーサービーストとは、スペースシップワールドに棲息する、小惑星にも匹敵する大きさの超巨大宇宙生物群のことだ。
「『四の王笏』が従えている通称『アルバドラーダ』は、クエーサービーストとしては小型ですが、それでもビーエイト島と同じくらいの大きさがあります。その能力は、自らの身を燃やし、超高熱を発すること。それだけでも脅威ですが、カルロス・グリードの超能力を受けることで超高速形態に移行し、高熱をまき散らしながらの高速飛行も可能になります。また、その人智を越えた神々しい姿で、敵の戦意を喪失させる能力も持っているようです」
今回、カルロス・グリードは遙か遠方からこのクエーサービーストを制御しているため、直接戦うことはない。猟兵達はクエーサービーストの撃退に専念することができるということだ。
「とにかく、クエーサービーストとの戦いはその巨体にいかに対処するかに尽きます。強大かつ巨大な相手ですが、工夫次第で戦う術はきっとあるはず。みなさんの勝利を、ワタシは信じています」
エルシーは祈るようにそう言うと、グリモアを取り出し転送を開始したのだった。
J九郎
こんにちは、J九郎です。
まさかクエーサービーストと地上で戦うことになるとは、思ってもみませんでした。
このシナリオでは、次の行動をとることでプレイングボーナスを得ることができます。
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プレイングボーナス……巨大なクエーサービーストへの対抗策を考える。
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なお、敵は先制攻撃はしてきません。
また、参加者が多かった場合、全員のプレイングを採用できない場合もありますのでご了承下さい。
巨大な敵に対し、惑星ロボもなしにどう挑むのか。みなさんの知恵を絞ったプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『クエーサービースト・アルバドラーダ』
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POW : フエゴドラーダ
【夜明けの如き金色の光】が命中した対象を燃やす。放たれた【高熱の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : ラピドテンペスター
【カルロス・グリードの超能力を受ける】事で【金色に輝く超高速形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : ソルドミナチオ
【美しい黄金の光】を披露した指定の全対象に【抵抗してはいけないという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
イラスト:芋園缶
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
朱鷺透・小枝子
惑星ロボ、キャバリアとは比べモノにならない程巨大な騎兵だとか。
ディスポーザブル03に搭乗、操縦。
スラスターで海上歩行。
そんな物、流石に用意できません。が、泣き事などいっていられない!!
嗚呼嗚呼嗚呼!!『劫火業臨』クェーサービーストに迫るほどに巨大化!
島一つ分ぐらいなら、この火力でもって吹き飛ばす!
まずは誘導弾!巨大ミサイルの弾幕で攻撃!まず移動範囲を絞る!
武器生成用霊物質で、03に
BS-Bキャバリアビームと、
BS-Sハイペリオンランチャーを増設!
瞬間思考力、奴の機動を読み、スナイパー!
両腕のビーム砲も含め、高火力広範囲レーザーで、範囲攻撃!!
いけぇええええ!!!
クネウス・ウィギンシティ
※アドリブ&絡み歓迎
「惑星ロボがありませんか」
【POW】
●戦闘
「ならば、コイツの出番です」
キャバリアに搭乗し、出撃します。
「島とほぼ同サイズの敵を破壊する気で倒す必要がありますか」
必要なのは圧倒的な『火力』ただ一転のみ。
UCを発動し、移動力を半分に攻撃力(火力)を5倍に。
「GEAR:ARMED FORTRESS。脚部パイル打ち込み」
先制攻撃を受けないならば【スナイパー】として敵の頭部を一撃で狙うだけのこと。
「肩部レールガン展開、目標『クエーサービースト・アルバドラーダ』」
「発射!」
全力の【砲撃】を放ちます。
反撃を喰らうようであればダメージ覚悟で機体の装甲で【盾受け】し、耐える狙いです。
才堂・紅葉
「これだけの相手となると、小細工は無意味ね」
「蒸気王」で遠目に見やり勝算を練る
星獣使役と言う偉業の代償に先制能力の無さが隙だろう
「迦楼羅王! 天蛇王!」
火と水の属性を持つ二機を召還し、水火合せて蒸気合体UC
「顕現せよ、蒸気帝!!」
超大型の蒸気ゴーレムを持って挑む
初撃は超パワーによる格闘攻撃
反撃に対しては、
「合体解除!」
アルダワメカニックによる緊急合体解除
からの蒸気合体
「降臨せよ、天蛇帝!」
天蛇王ベースで蛇矛で攻撃
「合体解除! 飛翔せよ、迦楼羅帝!」
迦楼羅王ベースでパイルバンカーで攻撃
合体解除と合体の連携を、野生の勘と早業で攻防一致に使い分けたい
稼働時間限界の締めは、一番パワーのある蒸気帝で行く
●巨獣に挑むは巨大兵器
「相手はクエーサービースト……しかし今回は、惑星ロボがありませんか」
島へと転送されてきたクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は、空を覆い尽くさんばかりのクエーサービースト『アルバドラーダ』の巨体へと目を向けた。クネウスが過去に何度か戦ったクエーサービーストよりは小型だが、対象物が何もない宇宙空間よりも、地上で見る方が巨大に感じられる。
「惑星ロボというのは、キャバリアとは比べモノにならない程巨大な騎兵だとか」
対して、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)はクエーサービーストを見るのは初めてだ。当然、惑星ロボの存在も話に聞いたことしかない。
「これだけの相手となると、小細工は無意味ね」
錬金術で生み出した大型の蒸気ゴーレム『蒸気王』の肩に乗った才堂・紅葉(お嬢・f08859)は、遠目にアルバドラーダを見やりつつ、勝算を練る。
「星獣使役という偉業の代償に、先制能力の無さが隙といえば隙だろうけど」
「ならば、今の内にコイツの出番です」
クネウスは、クエーサービーストが攻撃態勢に移る前に、用意してきた中〜遠距離戦用クロムキャバリア『アルゲス』に素早く搭乗した。
「惑星ロボなんて物、流石に用意できません。が、泣き事などいっていられない!!」
小枝子も、スーパーロボット『無限軌道ディスポーザブル03』へと乗り込んでいく。
だが、蒸気ゴーレムもキャバリアも、精々体高は5m。島と同じだけの大きさを誇るクエーサービーストから見れば、虫けらのように見えることだろう。
「なら、これでどう? 迦楼羅王! 天蛇王!」
紅葉は新たに火の属性を持つ黒きキャバリア『迦楼羅王』と、水の属性を持つ深緑のキャバリア『天蛇王』を呼び出した。
「合体支援ガジェット展開……追加ジョイント接続確認……電子系シンクロ承認……蒸気合体!」
火と水の属性を持つ2機がそれぞれに炎と水流を発生させる。そして、その二つがぶつかり合うことで発生した猛烈な蒸気が、『蒸気王』を含む3機を包み込んでいった。
「顕現せよ、蒸気帝!!」
蒸気が晴れたとき、そこに現れたのは『蒸気王』『迦楼羅王』『天蛇王』の3機が合体した超大型の蒸気ゴーレム、その名も『蒸気帝』だった。
「まずは、私があいつの足を止めるわ!」
紅葉の操縦で、蒸気帝がまっすぐにアルバドラーダ目掛けて蒸気を吹き上げながら突撃していく。そして突撃の勢いそのままに、強烈な体当たりをアルバドラーダへと浴びせかけた。アルバドラーダの巨体が、ほんのわずかだが揺らぐ。
その一瞬の隙に。
「島とほぼ同サイズの敵を破壊する気で倒す必要がありますか」
クネウスはアルゲスをフォートレスフレーム(固定砲台)形態へと変形させていった。
「GEAR:ARMED FORTRESS。脚部パイル打ち込み」
脚部から伸びたパイルバンカーが大地に突き刺さり、機体を固定し体勢を安定させる。
(「必要なのは圧倒的な『火力』ただ一転のみ。ならばスナイパーとして敵の頭部を一撃で狙うだけのこと」)
背面に折りたたまれていたレールガンが、肩の上へと持ち上がり、砲身が長く伸びていく。
「肩部レールガン展開、目標『クエーサービースト・アルバドラーダ』」
クエーサービースト全般にいえることだが、他の生物と大きく構造が違うために、いわゆる頭部が何処なのか、判別がつきづらい。クネウスは上部にある紋章のような物の浮かんでいる部位を頭部と判断し、照準を合わせた。
「発射!」
そして、照準が合うと同時に、レールガンを発射する。
その反動で機体が大きく揺さぶられるが、機体を固定しているおかげで射軸がぶれることはない。超高速で放たれた弾丸は、狙い違わずアルバドラーダの頭部と思しき部位を撃ち抜いた。
「PySyaaaaaa!!」
アルバドラーダが、悲鳴とも怒声ともとれる奇怪な叫びを上げる。同時に、その全身を覆っていた黄金の輝きが、みるみる輝度を増していった。
「これは……いけない、合体解除!」
紅葉の指示で蒸気帝が合体解除しそれぞれに海中へ向けて飛び込んだのと、アルバドラーダが放った超高温の熱風が駆け抜けたのはほぼ同時だった。たちまち、島にあちこちから木々の燃える火の手が上がる。
あらかじめ敵の反撃に備えていたクネウスは、最も装甲が厚く耐熱性能の高い面を熱波の来る方角に向け、多少のダメージは覚悟で熱風を耐え抜いた。
「降臨せよ、天蛇帝!」
やがて熱風が止んだのを確認すると、海中から今度は天蛇王を中心に3体合体した『天蛇帝』が飛び出し、蛇矛をアルバドラーダに突き刺す。
一方小枝子は、紅葉とクネウスがアルバドラーダと戦う様子を海上をスラスター移動しながら観察していたが、突如雄叫びを上げるように声を上げた。
「嗚呼嗚呼嗚呼!! 『劫火業臨』!!」
その雄叫びに応えるように、ディスポーザブル03の機体が見る間に膨れ上がっていく。その巨体はあっという間に、アルバドラーダに迫るほどのものとなっていった。
「島一つ分ぐらいなら、この火力でもって吹き飛ばす!」
最初に放たれたのは、両肩のミサイルポッドから次々に射出された誘導弾だ。巨大なミサイルの弾幕が、たちまちの内にアルバドラーダを包み込んでいく。
「PySyaaaaaa!!」
アルバドラーダが、再び吠えた。同時に、その巨体からは信じられない速度で高速移動を開始する。それこそが、アルバドラーダを遙か遠方から操るカルロス・グリードの超能力。
だがその動きもまた、小枝子の想定内。武器生成用霊物質で、ディスポーザブル03に『BS-Bキャバリアビーム』と『BS-Sハイペリオンランチャー』を増設すると、瞬間思考力でアルバドラーダの機動を読み切り、瞬時に照準をセット。
「いけぇええええ!!!」
増設したキャバリアビームとハイペリオンランチャーに加え、両腕のビーム砲も同時に発射。高火力・広範囲のレーザーでアルバドラーダへ一斉攻撃を加える。
レーザーの直撃を受けたアルバドラーダの全身に複数の大穴が穿たれていく。だがそれでもカルロス・グリードに操られたアルバドラーダの動きは止まらない。甚大なダメージを受けながらも、ディスポーザブル03に超高熱を纏った体当たりを食らわせ、その超巨体を転倒させた。
だが、そのアルバドラーダの超高速飛行に、追いつく者がいた。
「再合体! 飛翔せよ、迦楼羅帝!」
紅葉のキャバリアが、今度は迦楼羅王ベースで3体合体し『迦楼羅帝』となると、アルバドラーダの背面に、パイルバンカーを打ち込んだのだ。
「稼働時間の限界が近い……なら、締めはこれで!!」
アルバドラーダの背中に取り付いた紅葉は、再度合体を解除。そして、
「出なさい、蒸気帝!!」
再び蒸気帝へと合体すると、全力でその拳をアルバドラーダへと叩きつけた。
その一撃で飛行の制御を失ったアルバドラーダは、眼下の海面へと落下していったのだった。
成功
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フェルト・ユメノアール
あれだけの巨体、普通に攻撃したんじゃダメージを与える事さえ出来そうにないね……
なら、狙いは一つ!
『フックロープ』をアルバドラーダに引っ掛け、その体に乗り移る
目指すはその巨体の口、『トリックスター』を表皮に突き立てる事で振り落とされないよう足場にしながらその体を登っていくよ
無事口元に到着したらUCを発動!
ボクはカウンタースペル、【レゾナンス・フォース】を発動!
相手が強化能力を使用している時、自分もそれと同じ効果を得る!
そのまま口の中に入り込み、体内を攻撃
いくら体が大きくても体内からの攻撃なら少しは効果があるはず!
名付けて、一寸法師作戦!
攻撃する時は一点を集中、血管などがあればそれを狙っていくよ
神海・こころ
▲超巨大な敵の対処法
パイレーツ姿で参戦
相棒の黄金バットだと超巨大な敵に対して、どう考えても効果が薄いんだよね
じゃぁどうするか?
準備に時間かかちゃって賞金レースから外れちゃったけど
アタシは脳筋だから、難しく考えずにシンプルに
そう、巨大な敵には巨大武器で戦う!!
ダメならまた違う手段を模索する
質量を無視した巨大な黄金の錨をリュックから取り出し
鎖を腕に巻きつけて高速で振り回し始めます
アタシのパワー+重量+遠心力のパワー、、、+!!!鉄甲鉄火!!!
いっけぇぇぇ〜!!!!
超重量、気絶攻撃の一撃と
ユーベルコードを阻害する呪の炎を
思いっきり力任せに叩きつけます
●内と外から
キャバリアに搭乗した猟兵達の活躍で、海面に叩きつけられたクエーサービースト『アルバドラーダ』の姿を、フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)と神海・こころ(心海に沈む・f31901)は、ディーエイト島から眺めていた。
「あれだけの巨体、普通に攻撃したんじゃダメージを与える事さえ出来そうにないね……」
フェルトのつぶやきに、パイレーツ姿のこころも頷く。
「たしかにねー。アタシの相棒の黄金バットだと超巨大な敵に対して、どう考えても効果が薄いんだよね」
そう言うこころが肩に担いでいるのは、金の延べ棒を溶かして作られた特注のバット、その名も『黄金バット』だ。
「なら、狙いは一つ!」
先に動き出したのは、フェルトの方だった。先端に鉤爪の付いたフックロープを投げ縄の要領で投げつけ、アルバドラーダの身体に引っ掛ける。そしてフックロープの巻き上げ機能を使って、一気にアルバドラーダに飛び移ると、振り落とされないように投擲用のダガー『トリックスター』を楔代わりにアルバドラーダに突きつけた。そのままトリックスターを足場として、アルバドラーダの巨体を登っていくフェルト。
その頃、こころはといえば。
「黄金バットじゃ効果がない。じゃぁどうするか? 準備に時間かかっちゃって賞金レースから外れちゃったけど、アタシは脳筋だから、難しく考えずにシンプルに」
ぶつぶつとつぶやきながら、こころは背負っていたリュックの中に手を突っ込み何やら探していたが、
「そう、巨大な敵には巨大武器で戦う!!」
吹っ切れたようにそう叫んで取り出したのは、どう考えても質量を無視した巨大な黄金の錨だった。こころはその錨から伸びる鎖を腕に巻きつけると、高速でその超巨大な錨を振り回し始める。
「アタシのパワープラス重量プラス遠心力のパワー……プラス!! 鉄甲鉄火!!!」
振り回すたびに加速度が増し、さらに巻き起こった呪いの業火が黄金の錨を包み込んでいった。その炎に反応したのか、アルバドラーダが大きく身をもたげ、夜明けの如き金色の光線をこころ目掛けて放つ。
「いっけぇぇぇ〜!!!!」
だがこころはその黄金の光線を気にすることなく、全力でアルバドラーダ目掛けて駆けだした。そして黄金の錨で金色の光線を切りさくと、そのまま超重量の一撃を全力でアルバドラーダに叩きつける。叩きつけられた箇所を中心にアルバドラーダの身体にヒビが広がっていき、さらにそのヒビを呪いの業火が駆け抜けていった。すると呪いの業火に力を吸われるかのように、アルバドラーダの黄金の輝きが弱まっていく。
「今がチャンスだねっ!」
アルバドラーダの巨体を登っていたフェルトは一気に跳び上がると、アルバドラーダの巨大な口と思しき器官の前に着地した。そんなフェルトを振り落とそうと、アルバドラーダが超高速移動を開始する。
「おっと! そっちがそう来るなら、ボクはカウンタースペル、【レゾナンス・フォース】を発動! 相手が強化能力を使用している時、自分もそれと同じ効果を得る!」
【カウンタースペル】の効果でアルバドラーダと同等のスピードと反応速度を得たフェルトは、そのままアルバドラーダの口の中に飛び込んでいった。
「いくら体が大きくても体内からの攻撃なら少しは効果があるはず! 名付けて、一寸法師作戦!」
アルバドラーダの体内に侵入したフェルトは、一点集中で血管らしき器官へと連続してトリックスターを投げつけ、その器官を破裂させたのだった。
成功
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トリテレイア・ゼロナイン
未踏破宙域探査黎明期…惑星ロボ無き時からあの宙の獣と相対してきたのです
この世界での跳梁…騎士として許すわけには参りません
機械飛竜に●騎乗し●空中戦
●推力移動による機動性で巨体に対抗しつつセンサーでの●情報収集による温度変化から発光による燃焼現象範囲を●見切り回避
余波は●防具改造でバリアフィールド展開する大盾で●盾受け
飛竜の口部銃器や格納銃器での乱れ撃ちで発光部位を破壊しつつ敵の挙動を観察し思考中枢若しくは活動に重要そうな器官を推定
見つけ出せば戦闘開始時から充填していたUCを解放
超巨大光剣として振り下ろし
これ以上の犠牲を出さぬ為にも…ここで討ち取らせて頂きます
ナイ・デス
「惑星破壊級ブラスター(余計な機能付き)」なら、用意できます(装備中)
時間はちょっとかかる、ですが……大丈夫、ですよね
仲間を、信じます
『文明守護竜』連続発動
海水や大気に協力をお願いし、一時的に竜となってもらい合体
そうしてキャバリア相当の「ダイウルゴス」が、大きく、強くなっていく
最大で15回の連続発動。約163kmの惑星ロボ級に大きな巨竜となって
島を【かばう】ように立ち
強力な【念動力オーラ防御】で炎も防ぎ
【覚悟、激痛耐性、継戦能力】防ぎ切れなくとも、揺るがず、再生して
頭部に再現したブラスターに【エネルギー充填】
【重量攻撃吹き飛ばし】で浮かし、射線上にアルバドラーダだけとして
【レーザー射撃】!
雛菊・璃奈
他の猟兵と連携して戦闘…。
『目覚めよ、厄災の神…解放、ディザスター・ゼロ…!』
(空間を割り、呪装機神を召喚)
クェーサービースト…どうやって制御してるのかも気になるけど、こんな島に召喚するなんて…。
被害を出す前に食い止める…!
【真力解放】したゼロによる呪術結界【呪詛、高速詠唱、全力魔法、結界術、オーラ防御】で敵を呪力の結界領域に拘束…。
敵の移動と熱(攻撃)を制限し、同時に呪力で徐々に弱体化を狙うよ…。
結界で拘束した敵に【呪詛】で強化した【呪殺弾】を叩き込むと同時に敵の弱点を探り、フエゴドラーダはアンサラーで反射【呪詛、オーラ防御、武器受け、カウンター】…。
バルムンクで敵の核を叩き斬るよ…!
備傘・剱
…宇宙原産が、地上ではばきかすとは、いい度胸じゃないか
ただデカいだけの化け物がどうなるか、キッチリその身に刻んでやるよ
オーラ防御全開で接近し、取り付いたら、調理開始、発動!
早業で解体しつつ、内部に潜り込んでやるよ
あ、後でちゃんと食べるから、解体は丁寧に、かつ、清潔にだぜ
内部に侵入できれば、こっちのもんだ
今までもクエーサービーストは解体してきてるからな
体内構造の予想はなんとなくだが、理解できるだろうぜ
さぁ、クエーサービースト、この言葉をお前にかけなければならないな
アルバドラーダ、肉、おいてけっとな
どんどん内臓を傷つけつつ、致命傷になりそうな重要臓器を腑分けしてやるよ
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
●最終決戦兵器
猟兵達の度重なる攻撃で全身に傷を負いながら、しかし未だに悠然と黄金の輝きと共に宙に浮かぶクエーサービースト『アルバドラーダ』。その姿に、しかし猟兵達は怯むことはなかった。なぜなら、彼らは過去にクエーサービーストと戦い、打ち破った経験があるからだ。
「未踏破宙域探査黎明期……惑星ロボ無き時からあの宙の獣と相対してきたのです。この世界での跳梁……騎士として許すわけには参りません」
トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)は、機械飛竜『ロシナンテⅢ』に颯爽と騎乗して馬上槍を構え、腰には胴体から伸びたケーブルに接続された鞘だけの剣を下げている。
「……宇宙原産が、地上で幅きかすとは、いい度胸じゃないか。ただデカいだけの化け物がどうなるか、キッチリその身に刻んでやるよ」
備傘・剱(絶路・f01759)は全身をオーラで包み、アルバドラーダの攻撃に備えており。
「目覚めよ、厄災の神……解放、ディザスター・ゼロ……!」
雛菊・璃奈(魔剣の巫女・f04218)は空間を裂いて呼び出したサイキックキャバリア『呪装機神ディザスター・ゼロ』へと乗り込んだ。
「私、『惑星破壊級ブラスター』なら、用意できます。時間はちょっとかかる、ですが……大丈夫、ですよね」
そんな仲間達に、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が、そう申し出る。
「時間を稼げばいいのですね。承知いたしました」
さっそく機械飛竜に跨がったトリテレイアが飛び出していき、
「その前に倒してしまっても、恨むなよ」
剱が大地を蹴ってその後に続いた。
「クェーサービースト……どうやって制御してるのかも気になるけど、こんな島に召喚するなんて……。被害を出す前に食い止める……!」
そして璃奈は、【呪法・真力解放】を用いてディザスター・ゼロの潜在能力を限界まで引き出すと、ゼロを中心に呪術結界を構築していく。結界は次第にその範囲を広げていき、やがてアルバドラーダの全身をも飲み込んでいった。その結界の呪力により、アルバドラーダは移動を封じられ、さらにその身を覆う黄金の炎の威力をも弱められていく。
「今を守る力を、みんなに。世界を、守りましょう。私達は、文明を守護する竜、ダイウルゴスです……!」
その間に、ナイは【文明守護竜】を発動。海水や大気に話しかけて協力をお願いし、一時的に竜と化してもらうとそれらと合体し、自身を新生ダイウルゴスへと変じていった。元々はキャバリア程度のサイズだったダイウルゴスが、多くの竜達と合体することで次第に巨大な姿に変じていく。
「さて、その能力を見切らせてもらいますよ」
一方トリテレイアは、無策にアルバドラーダに突撃することはなく、その周囲を飛び回りながらセンサーでその能力を分析していった。
「!! 熱源が、頭部と想定される部位に集約されています。熱線が来ますよ!」
仲間達に警告を発しつつ、トリテレイアは熱線の影響範囲を回避するように機械飛竜を飛ばす。対照的に、剱は照射される熱線を何するものぞと、まっすぐに突っ込んでいた。呪術結界によって威力を減じられているとはいえ、並の人間なら一瞬で蒸発させるほどの高熱を、剱は全開にしたオーラで耐え抜くと、大きく跳躍してアルバドラーダの体表に取り付いた。ただでさえ巨大な上に、動きを封じられているとなれば取り付くことは造作もない。
「オブリ飯の神髄見せてやるぜ。調理開始、だ」
既に別の猟兵が体内に飛び込んだ様子を見ていた剱は、迷わずその巨大な口からアルバドラーダの体内に身を躍らせた。
「今までもクエーサービーストは解体してきてるからな。体内構造の予想はなんとなくだが、理解できるぜ」
体内に侵入した剱は、さっそく用意してきた武具を駆使して、クエーサービーストの内臓器官の解体を開始する。
「後でちゃんと食べるから、解体は丁寧に、かつ、清潔にだぜ」
そして剱が解体を進める間にも、トリテレイアは熱波の余波をバリアフィールドを展開させた大盾で受けきると、攻撃に転じていた。
機械飛竜の頭部に仕込まれた口部銃器や全身の格納銃器が一斉に火を噴き、乱れ打ちで黄金の発光部位を射抜いていく。そしてもちろん、攻撃中もアルバドラーダの分析は忘れない。その挙動を観察し、思考中枢若しくは活動に重要そうな器官を推定していく。
「PySyaaaaaa!!」
内と外から同時に攻め立てられ、さらにはその動きも封じられたアルバドラーダが奇怪な叫びを上げた。その叫びに合わせ、再びその全身が金色に輝き始める。
「また燃焼現象ですか。その技は既に見切っていますよ……ん?」
回避行動に移ろうとしたトリテレイアは気づいた。その狙いは自分でも、璃奈の駆るディザスター・ゼロでも、ナイの変じたダイウルゴスでもない。ディーエイト島、そのものだ。
「いけません!」
だが、トリテレイアが警告の声を発するよりも先に、アルバドラーダは夜明けの如き金色の光を島目掛けて照射していた。呪術結界によって威力を減じられ、機械飛竜の砲撃で発光器官に損傷を負っているとはいえ、島に命中すれば甚大な被害を巻き起こすことは必至だ。
「これ以上……被害は広げさせない……!」
だが、その黄金の輝きの前に立ちはだかる影が一つ。それは、璃奈の駆るディザスター・ゼロだった。ディザスター・ゼロは、手にした魔剣アンサラーをその輝きを切り裂くように振るう。直後、魔剣アンサラーに籠められた報復の呪力が熱波を反射、逆にアルバドラーダへと黄金の光を浴びせかけ、その体表を焼き焦がしていった。璃奈はさらにそこへ呪力弾を連続で撃ち込み、アルバドラーダに再度の反撃の隙を与えないようにする。
だがその攻撃がなくとも、アルバドラーダにはもはや次の攻撃を繰り出すだけの力は残っていなかったかもしれない。なぜなら、その頃には既に、剱によって体内器官をズタズタに切り裂かれ腑分けされていたからだ。
「さぁ、クエーサービースト、この言葉をお前にかけなければならないな。アルバドラーダ、肉、おいてけっとな」
そしてその頃にはついに、ナイの準備も万端整っていた。全長約163kmの惑星ロボ級に大きな巨竜と化したナイは既に、アルバドラーダ以上の巨体となっている。もはやアルバドラーダが再び金色の光を放ったところで、念動力のオーラで覆われたダイウルゴスが身を盾にして立ち塞がれば、島には全く損傷を与えることはできないだろう。
「みなさん、お待たせ、です……。今すぐ、射線上から、離れて、です!」
ダイウルゴスの頭部に再現されたブラスターに、超高密度のエネルギーが収束していく。
「おっと、解体ショーはここまでか」
剱が刈り取ったアルバドラーダの肉片を抱えてその体内から脱出し、トリテレイアは剱を機械飛竜へと引き上げると、ダイウルゴスの射線上から急速待避させた。
「吹き飛ばします……!!」
次の瞬間、ダイウルゴスが惑星破壊級ブラスターを撃ち放った。小惑星すら一撃で粉々に砕く威力を持った一撃は海を裂いてアルバドラーダに迫り、その巨体を一瞬で消滅させていく。
だが、ブラスターが直撃するその瞬間。アルバドラーダの頭部に当たる部位が本体から分離し、宙へと逃れた。そのまま頭部は激しく発光し、黄金の火の玉のようになって島へと突撃していく。
「自爆攻撃……!? これ以上の犠牲を出さぬ為にも……ここで討ち取らせて頂きます!」
アルバドラーダの意図を悟ったトリテレイアが、胴体から伸びたケーブルに接続していた柄のみの剣を構え、機械飛竜の背から、飛来するアルバドラーダの頭部目掛けて跳んだ。
「……充填中断、刀身解放!」
次の瞬間、柄から白い粒子を漏らしつつ超巨大光剣が出現する。トリテレイアはその巨大剣で、アルバドラーダの頭部を真っ二つに切り裂いた。
まるで太陽のような輝きを発し、両断されたアルバドラーダの頭部が爆発する。
クエーサービーストを操りディーエイト島を破壊しようとしたカルロス・グリードの計画は、こうして猟兵達の活躍によって阻止されたのだった。
大成功
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