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何処とも知れぬ海上に、その船はある。
荒々しい風と波に揺られて、バタバタと騒ぐジョリーロジャーを掲げる船だ。
その甲板で、椅子に座り、酒樽に足を投げ出していた女は、にわかに浮き足立つ船員の気配に顔を向けた。
「なんだいアンタら、喧しいね。海賊足るもの、慌てていいのは突然の豪雨と底に穴が開いた時だけっていってんだろ」
女――メリー・バーミリオンは、やれやれと言いたげに頭を掻く。
だがそのお叱りでは落ち着けないのか、船員はがに股の大歩きでメリーに近付くと、
「そんな落ち着いてられっかってキャプテン! 金だよ金、とんでもねー懸賞金の奴等が出てきたんだよ!」
「はぁ……?」
胡乱げな視線で、渡された手配書を軽く読む。
上から下へ、目を通すごとにそれは鋭さを増し、読み終わる頃には海へ投げ捨てる。
「なんてことすんだよキャップ大切な情報だってのに!?」
「ばぁか、一回見りゃ覚えてるよ」
そんなことより。
と、メリーは立ち上がって帽子を被ると、船員を眺めてから息を吸い込むと。
「野郎共、仕事の時間だ!」
号令を放つ。
「無駄に過ごす時間は終わりだ! 精々肥え太ったその身体、命、魂を燃やせ!」
傾聴するのは大勢の手下達。遠慮の無い物言いに、彼等は笑みを深くして応えて行く。
「おう!」「応とも……!」「おお……!」
重なる音は船を、海を震わせる。
「行くぞ! 出航だ!」
賞金稼ぎにして海賊。メリー・バーミリオン率いるその船は、手配書の猟兵を誘き出すために進路を近くの島へと向けるのだった。
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「キミタチぃ……自分の首に懸かった報酬って知ってる?」
グリモアベースで案内をするミサキは、そんな出だしで話を始める。
戦争で加算された賞金は、人によってはとんでもない高額の者もいる状況で、なんとそれを狙って行動を起こす敵が現れたと言う話だ。
「で、まあ僕らの活動ってほら、島を助ける感じが多いだろ? だから、その敵は賞金首を誘い出す為に島を襲おうとしてるってワケだ」
まあ実行される前にこうして察知出来ているのだから、なんとも無駄と言えば無駄なのかもしれないが、しかし。
「放置すれば被害が出るのも確実だからね。ここは、敵の船へ直接転移で乗り込んで倒しちゃおうって事だよ」
いいかな、と一言。
「船長はメリー・バーミリオン。その他船員が、大勢。乗組員の情報はこんな感じで、気を付けるのは船を沈めないって事」
正確には討ち漏らしが出ない様にする事だと言う。
海へ落ちれば島に流れ着く者が現れるかも知れないし、そうなると事件が起きてしまうかもしれないからだ。
「だからまあ懇切丁寧に全員ぶちのめしてしまおうって事だね。メリーは欲深い性格で、皆に掛けられた懸賞金も全部覚えてるらしいから、もしかしたら高額な人が居ると隙が出来るかもね」
ただ、そういう欲に塗れた存在というのは、得てして無茶苦茶な強さだとか、とんでもない"持論と言い掛かり"を付けてきたりするものだ。
だから。
「気を付けてね、メリーとその手下達は、易しい相手ではないからさ」
そう言葉を締めくくり、ミサキはグリモアを起動させた。
ぴょんぴょん跳び鯉丸
戦争依頼です。
船の上でドンパチやって海賊を倒すって雰囲気ですね。
懸賞金の金額はリプレイ当時のモノとなりますので差が出るのはご愛敬です。
よろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『メリー・バーミリオン』
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POW : 野郎共、仕事の時間だ!
レベル×1体の【海賊船団員】を召喚する。[海賊船団員]は【したっぱ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : お宝発見アイ〜伝説の海賊を添えて〜
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【大海賊の霊】が出現してそれを180秒封じる。
WIZ : 大逆転! 元の木阿弥大津波
自身の【サーベル】から、戦場の仲間が受けた【屈辱の数】に比例した威力と攻撃範囲の【津波】を放つ。
イラスト:和狸56
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「十六夜・巴」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
2月12日 13:58 プレイング受付中
2月12日 23時03分 プレイング受付終了
マリア・ルート
賞金稼ぎをするのはいいんだけど、私達を相手にするのはすこーし分が悪いこと教えてあげようかしら。
【指定UC】を発動。まずは銃撃系武器による弾丸と白兵武器の雨を降らせてあげようかしら。
その隙に数十本ほどの白兵武器を船の下に回り込ませ、攻撃。船底に穴を開けさせるわ。
下っ端たちは適当に自分の周りの白兵武器でいなしたり銃撃系武器で牽制したり。その肥え太った体でどこまで機敏に動けるかしらね?遠慮なく<蹂躙>してやるわ。
メリーには【焦滅のプルガトリウム】で攻撃。たとえサーバルで防がれても炎の柱からは逃げられない。むしろそのまま焼いてやるわ。
海賊も慌てる豪雨と穴、楽しんでもらえたかしら?
スピカ・ネビュラスター
賞金が多ければ多いほどワルいってことだよね
じゃあ、キミたちを返り討ちにして、もっと賞金額をつり上げていこうか!
今回は素直に戦って見ようかな?
『ウィッチクラフト・カバーメイカー』を発動して
星杖ギャラクシアと、魔星アークツルスの力を強化するよ
(最初から少女形態なので、姿は変わらない)
魔星に乗って海上戦だね
海上を飛びまわって敵の攻撃を避けつつ(空中浮遊3)
杖から放つ魔法弾でメリーや船員を攻撃するよ(全力魔法5、高速詠唱3、誘導弾3)
津波も海に発生するものだし、
使う気配を見せたら高度を上げれば当たらないかな?
船ごと壊しちゃうのが楽なんだけど……
まあ、ダメって言うなら仕方ないね
栗花落・澪
到着と同時に★靴に風魔法を宿して跳躍力を強化し
目だけでなく【聞き耳】でも船員達の動きを把握
死角を補い
はいちょっと失礼
適当な船員の肩に跳び乗り少し高めにジャンプしたら
【高速詠唱】で氷魔法の【属性攻撃】
床を凍結させて滑りやすくしてみる
どんな武器も足場の安定が大事だから
僕は【ダンス】で鍛えたバランス感覚で身軽に動き回り
ねぇ、僕を護って?
船員が少しでも隙を見せたら【誘惑】と【催眠術】を乗せたおねだり
敵の攻撃も、サーベルからの放出なら使用直後は水量弱いよね
氷魔法で放出されかけてた水ごと武器を凍結させ封印狙い
最後は【歌唱】で【破魔】の花弁を操る【指定UC】の【範囲攻撃】
船は傷付けず綺麗な斬撃で一掃狙い
朱鷺透・小枝子
・約3万の賞金首です
此度の任務は殲滅。
船を落してはいけないのなら、キャバリアでの戦闘は少々不向きか。
生身で戦闘を行います
『眼倍』発動。視力×1㎞半径内のバーミリオンの位置と船の構造を把握。
左目の眼倍を眼帯で隠し、UCの発動を隠します
瞬間思考力で自身の周囲の敵情報を処理しながら、
バーミリオンとの接触を徹底的に避け周辺の海賊共を騎兵刀と拳銃を使い、
早業で、時に目立たないよう刀を投擲し念動力で操ったり、雷の属性攻撃を駆使して斬り倒します
……周辺の海賊共は片付けました。
後は、貴方のみです。バーミリオン。
眼倍は大量の情報を処理しなければならない
しかし、奴一人の行動を全て把握する程度なら、問題はない。
セフィリカ・ランブレイ
今、私どのくらいの懸賞金がかけられてるの?
『それなりの額ではあるんじゃない?…でもランブレイの軍部からの懸賞金のが高いかもね』
現実的で鬱になるお話やめよ、シェル姉
相棒の魔剣の言葉で下がり気分
むしろ私への懸賞金私が欲しい位。連日の戦いでついにキャバリアが大破する所まで来たし
でも、そんなお金目当てに狙われても困るからね
無駄だ、って事きっちり示そう!
【神薙ノ導】で、勝負だよ!
観察眼を極限まで研ぎ澄まし、相手との戦闘の最中その動きを理解していくことにより動きを最適化し、上回ったその時に勝つ……そんな技
たとえ相手が私の弱点を見出したとしても、私は常に進化してる
さっきまでの弱点が通用すると思わないでね!
●
突如、海賊船に五人の侵入者が現れた。
それは船の甲板、舳先の方で、雑務をこなしていた船員達の間でもある。
「てめ」
何者かと問うより先に斬りかかる。微塵も躊躇わず、命を奪いに行く所作は、彼等が紛う事無き外道であると証明していた。
「こっちも遠慮は要らないって訳ね。ま、するつもりもないけどさ」
それを迎撃したのはマリアだった。
周囲に銃器を創り出して雑に射撃。上空の広い範囲に創った剣や槍等の刃物を、豪雨として降らせる。
「蹂躙と行きましょうか」
「上等だ野郎共、かかれ!」
死体の道が出来上がり、しかし臆さない荒くれ達は突撃を敢行。
波の様に押し寄せるそこへ、煌めきが一条、激突する。
「翔べ、アークツルス!」
スピカが操る魔星の体当たりだ。
敵の群れを弾き、しかし厚さに弾かれた彼女はそのまま空へ舞う。
「賞金額が多ければ多いほどワルいって事……だったら、キミたちを返り討ちにして、もっと吊り上げて行こうか、な!」
帽子を片手で抑え、もう片方の手で構えた杖を眼下に突き付け魔力弾の斉射を行った。
「クソガキが――おい、なにしてやがる速く撃ち落とせ!」
「……おっと隙ありっ」
空を仰ぐ一列を、セフィリカは斬り払う。横薙ぎの一撃で屠り、次の踏み込みで返す刃の一閃を叩き込む。
「いやー、私って今、どのくらいの懸賞金に、なってるのかな」
『それなり、じゃない? まあ、ランブレイ軍から懸けられてる方が高いかもしれないけど』
「うーん現実的で鬱になるね、やめよやめよこの話……おっと、と!」
あちらこちらで狙われているというのは心が休まらないのかもしれない。
相棒のシェルファから突き付けられた現実に、遠い目をしそうになるのを堪えて、セフィリカは自分に向かってくる銃弾の雨から後方への跳躍で退避。
代わりに、黒髪の少女がその中を突っ切って行く。
「――」
静かな動作で騎兵刀を相手に刺し、横手から襲い来る敵を抜き撃ちの銃弾で倒す。
「無駄だな」
刺した相手を蹴り飛ばして列にぶつけ、回る様に投げた騎兵刀を追撃に。
遮二無二で敵が弾いたそれを宙でキャッチし、刀身に帯びさせた電撃をばら蒔いた。
「はい、ちょっと失礼」
感電する船員達の、動きが停止した隙に澪が言う。
ふわり、と。重力を感じさせない跳び上がりをし、着地点を船員の肩に定める。
ぐぐ、と膝を曲げて溜めを作り、蹴り飛ばす勢いで空へ。
「うん、良く見える」
視界に甲板の広範囲を捉えた彼は、狙いをその床へ付け、詠唱の変わりに一呼吸。
「凍っちゃえ」
足場を瞬時に凍結させた。
底が浅く、滑り難さを考えられていない履き物をした船員達は、足場の悪さに翻弄されてしまうだろう。
狙いどおりの事が出来た澪は、そのまま自由落下に任せて落ちて、
「やってくれるねぇ」
「っ」
下から打ち込まれる白刃に襲われた。
「高く付くよカワイ子ちゃん!」
その正体は、船長であるメリーだ。
爛々と輝かせた緋色の眼で澪を見る彼女の顔は、強い欲に塗れた笑みを浮かべている。
「アンタ、七億の男だね……!」
金に眼が眩んだ者の笑みだ。
澪は凍結する床へ落ち、メリーは息絶えた船員を踏み潰して足場を確保。
生き残りの船員を纏め上げ、サーベルを構え直す。「さぁ野郎共、奴等の首を手に入れるよ!」
「任せろキャプテン!」
勇ましい雄叫びに、船は揺れた。
●
「……いやなんかマジでグラグラしてるぞキャプテン!」
異変に気付いたのは一人の船員だった。
なんか前後に強く揺れるなぁ、位の感覚だったのが、今はやけに暴れているような……というか暴れていて。
「ああ、船底に穴を開けたからね」
「なにしてくれてんだてめぇ!?」
手下の顔を蹴り込み、踏み潰しながらあっけらかんと言うマリアに、メリーは悲鳴みたいな声を上げる。
「……船ごと壊さなければいいみたいな話だったよね」
「キャバリアはやはり不向きだったか」
沈めるなと言われたが穴を開けるなとは言われてなかったと、スピカは思い出す。だから、キャバリアは持ち込まなかったと、小枝子も納得の頷きをしていた。
まあホントに穴を開けるとは思わなかったけど、とは内心で留めておく。
「プルガトリウム……!」
仲間の心境は置き去りにしてマリアが行く。
握る剣は先程創造したものではなく、魔力で煉獄の炎を宿すモノだ。
上段から振りかぶったソレを、メリーに向けて叩き込む。
「舐めんなよ六千六百万!」
サーベルがそれを迎える。落ちてくる刃を横合いから殴り付ける勢いで弾いた。
マリアは、逸れた手を引き返す動きで払い斬り、メリーは更にそれを叩き落として、回し蹴りを打ち込んだ。
距離を開ける為の一撃だった。
だがその直後、メリーはサーベルから登ってくる炎に気付く。
「炎の柱から逃げられないわよ!」
焦熱が、メリーを焼き払う。
燃え広がる間すら与えず、着の身を塵へと変えた衝撃に仰け反った彼女はしかし、一歩下げた足で踏み堪える。
「舐めンなって言った!」
残火を気合いで打ち消し、熱で焼かれた喉を酷使して前へ。踏み込み、呼気を無理矢理に整えサーベルでの渾身を、防御体勢のマリアにぶちこんで吹き飛ばす。
「野郎共、追い立て、ろ――?」
まだ負けちゃいない。
その強い意気があったからこそ発せられた号令に、応える声はもう無い。
「全て片付けさせてもらった」
代わりの声は、自身の左側からの報告だけ。
「テメぇは……三億五千万!」
小枝子の声だ。眼帯で隠された左目に、何故か強く見られている様な感覚を覚え、しかしそれを確かめる余裕も無いままに攻め立てられる。
抜刀による斬撃だ。受ければ体勢が崩れると判断したメリーは飛び退く事でやり過ごす。
だが、解っていたと言わんばかりに小枝子は拳銃の抜き撃ちを行った。
「ぐっ」
急所は武器で防ぎ、そこ以外は諦めて貫かれる。
距離を離せば不利だと解れば再度の接近で前へ。
「お、るぁ!」
傷を恐れない捨て身の、そしてこの戦闘で一番の一撃だった。
腕を引き絞り溜め込んで、前進する勢いを乗せたその一撃。
「二式」
それを、放つ寸前で止められた。
サーベルの柄尻を精確に突かれ、勢いそのものを殺されたのだ。
「一億か……!」
「それは私が欲しい額だけれどもっ」
セフィリカだ。
止めてきた相手を認識したメリーは蹴り上げを放ち、回避した隙を突いて白刃で薙ぐ。
が。
「その動きなら把握出来ている」
小枝子がそれを阻止。騎兵刀の割り込みで一瞬の硬直が入り、瞬間、セフィリカの剣がメリーの胸を貫く。
「ぐ、そ、さっきよりはえーじゃねえかクソ……!」
剣を引き抜かれ、噴出する血液を見ながら、彼女はよろけて後退する。
どん、とぶつかったのは、船内外を隔てる壁だ。
絶え絶えになる呼吸に、近付いてくる敵へサーベルの剣先を向けながら、メリーは歯を見せて笑う。
「いっそ丸ごと沈ンじまうってのもアリよりのアリか、なぁおい」
刀身には滴る水泡が湧き上がる。
逆転は無理でも相討ちに持ち込むことは出来るかもしれないと言う賭けだ。
「元の木阿弥になンのはアタシかアンタらかってよぉ……!」
構え、放とうとして、
「それは困るね」
空からの流星が制止する。
「ちっ……なんだい千五百万、お上から見下ろして」
星に乗ったスピカは、空にいた。マストの中間付近を浮遊して、自身の周囲に魔法で作った弾丸をストックしながら眼下のメリーを眺めている。
「まさかお空にいれば安全ーだとか思ってンじゃあねぇだろうな」
「攻撃が届くことは無いだろうとは、思っているけれどね」
「ハン、試してみるかよ!」
メリーの掲げたサーベルに、水流が生まれて渦になる。
それは徐々に質量を増していき、遂には持ち上げられない程の増水を見せた。
「これで全部、おしまいにしてやらぁ!」
腰に構えたそれを、空のスピカへ向けて、メリーは振り抜いた。
同時に、魔法弾が飛来していく。
火を見るより明らかな衝突は、しかし、弾の方に軍配が上がる。
「させないよ」
何故なら、澪の放つ氷の魔法が、メリーの産み出した水を凍らせたからだ。
固形になった液体は、バラバラに壊されて落ちる。
「ッ……クソぉ!」
腕ごと凍った武器を振り上げて、海賊は特攻する。
最早、逆転の目は少しも無いままに。
「――幸せのままに眠れ」
押し寄せる無数の花弁に包まれ、津波のように押し流されて、賞金稼ぎは今生を終えた。
大成功
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