羅針盤戦争~目の前に突然賞金首が現れたらメリーは(略)
●厄介な思い付き
「……よーし、よく聞きな野郎共! 早速だけど島を襲いに行くよ!」
海上を往く海賊船の上で船長であるコンキスタドール、メリー・バーミリオンが叫ぶ。
唐突である。
「お頭、いきなりどうしたんですかい? いやまあ島を襲うのは俺らの生業ですけども」
「そんなモン決まってるじゃないか! これだよ、これ!」
と、メリーは懐から取り出した手配書を手下に見せる。
それも一枚や二枚どころではない数……と言うか、どこから取り出したのだろうか?
「こいつら確か……最近俺らの間で要注意人物とされている賞金首、でしたっけか」
「そうだよ、同業者ですら生け捕りに出来ないほどの難敵さ。……なら、それを私らが! 獲りに行く!! それがメリー海賊団だろ、野郎共!?」
メリーの宣言に手下も沸き上がる。
「これまでの傾向から、島を襲えばあいつらはどこからともなくやってくると聞くからね。だったら私らがそれをやればいいって、今思い付いたのさ!」
「なるほど、俺らであいつらを誘い込むって訳か! さっすがお頭!!」
「そう言うこった! さあさあ、進め野郎共! ゴールドは私らが総取りだよ!!」
早くも賞金を獲ったつもりのメリー一味。
なんとも迷惑極まりない思い付きである。
●だったらやられる前に強襲だ!
「……皆さんの中には今回の戦争で活躍し、敵側にマークされた人もいると思うんです」
グリモアベースに集まった猟兵達を前に、アーニャ・クレサンジュ(ソング・フロム・アンダーウォーター・f26357)が話を切り出す。
今回の羅針盤戦争で特に活躍している猟兵は、コンキスタドールの間でも名が知れている事から賞金首と認定され、連日その首にかけられた賞金額は上がっていくばかりだ。
特に上位陣に至っては、万単位の高額賞金を獲得すれば一生遊んで暮らせるとも言われ……いや、コンキスタドールに生涯と言う概念があるかどうかは知らないが。
「その賞金首の人を狙って、賞金稼ぎのコンキスタドール『メリー・バーミリオン』が動き出す予知を見ました。どうやら島を襲いに行くみたい、です……」
向こうは島を襲えば猟兵が来る事を分かっており、そのために島を襲撃に行くようだ。
もちろん罠である事は分かっているが、これを放置しておく訳にはいかない。
「幸い、メリー一味の進む航路は予知で特定済みです。そこでメリーの海賊船の真上にゲートを開くので、皆さんは上から直接乗り込んで下さい」
こちらから先に強襲を仕掛けよう、と言う事か。
因みにメリーは賞金首となった猟兵全員の名前と金額を全て把握しており、賞金首が出てくると欲が出て隙が出来るとの事だ。
……かなりの守銭奴なんですかね?
「ただ、メリーは結構腕の立つ相手みたいです。皆さんなら大丈夫だとは思いますけど、決して油断しないで下さいね?」
そして説明を終え、アーニャがゲートを開く。
「それでは、準備の出来た人から順次飛び込んで下さい。気を付けて……!」
NS
はいどうも、NS(えぬえす)でございます。
そろそろ折り返しと言ったところですが、皆さん順調でしょうか?
戦争シナリオ四本目です、今回もどうぞよろしくお願いします。
●目的
メリー・バーミリオンの討伐。
今回は戦争シナリオにつき、一章(ボス戦)のみの構成となっております。
なおプレイングボーナスは『賞金首になっている』です。
金額に関係なく平等に反応します(リプレイ執筆時の金額を反映します)。
開始状況は『ゲートを潜ってメリーの海賊船の上に降下した直後』となります。
●今回の敵情報など【重要事項】
・メリーは賞金額に関係なく、賞金首を見たらもれなく欲が出ます。
・メリーの乗る海賊船はかなり大きく、何故か船を沈める事は出来ないようです。
・手下は謎の力で無尽蔵に現れるようです。
●ご注意【重要事項】
OPのノリから察した方もいらっしゃるでしょうが、今回はややコミカル寄りです。
リプレイはそんな感じの内容になります事をご了承下さい。
戦争シナリオは戦況に影響するため、なる早で完結を目標としております。
リプレイは出来るだけ早めにお返し出来ればと思います。
また、捌けるキャパシティにも限度があるため、参加者様の数次第でプレイングの受付を早々に締め切る事もあります。
その際にはタグで告知しますので、ご確認いただければと思います。
もし参加人数が多かった場合、NSも出来る限りリプレイを頑張りますが『プレイングの内容次第』では不採用も出る事を予めご了承の上でご参加下さい。
よほど無理のある内容でない限りは採用しますが、念のため……。
それでは、賞金首の強さをメリーに分からせてやりましょう。
第1章 ボス戦
『メリー・バーミリオン』
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POW : 野郎共、仕事の時間だ!
レベル×1体の【海賊船団員】を召喚する。[海賊船団員]は【したっぱ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : お宝発見アイ〜伝説の海賊を添えて〜
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【大海賊の霊】が出現してそれを180秒封じる。
WIZ : 大逆転! 元の木阿弥大津波
自身の【サーベル】から、戦場の仲間が受けた【屈辱の数】に比例した威力と攻撃範囲の【津波】を放つ。
イラスト:和狸56
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「十六夜・巴」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●フラグを立てまくる奴ら
「……ところでよ、賞金獲ったらお前は何に使う?」
「やっぱスゲー強い武器を買うな。強い武器がありゃあ誰にも負けねえってよ!」
島を目指すメリーの海賊船の上で、手下連中が早くも賞金を獲った気になっているのか、賞金の使い道についてあれこれ話している。
「俺は酒だな。それもとびきり高い奴! 闇市には幻の酒が売ってるって聞くし、死ぬまでそいつを飲み明かしてえなぁ!」
「俺は女だな! 上玉の奴隷が何人買えるか……グヘヘ、今から楽しみだぜ!」
なんとも欲望丸出しである。
とは言え、海賊と言うのは得てしてそう言う物なのかもしれないが。
「お前ら、気が早いよ! ……ったく、油断したら足元救われるってのにさ」
そんな手下連中をメリーがたしなめる。
さすがにリーダーなだけあって、その辺りはしっかりして……
「……ま、よっぽどの事でもない限り、私らに負けはないけどね!」
「そうっすよお頭! 例えば、この船に突然賞金首の奴らがやってくるとか!」
「アハハハ! なんだいそりゃ!! そんなバカな事がある訳ないだろう!!」
……あ、こいつもダメだった。
と言うか思いっきりフラグ立ててるんですがそれは。
……そして、海賊船の上に開かれたゲートの存在に連中は未だ、気付いていない。
朱鷺透・小枝子
・約3万の賞金首です
この船は簡単には沈まないと、そう聞きました。ええ、なので
『マルチプル・キャバリア』
回点号・亡国の主・ディスポーザブル03を遠隔操縦。
マシンガンの弾幕、火炎放射機の焼却、誘導弾の範囲攻撃!
海賊共を蹴散らし、バーミリオンへの道を開き、自身がバーミリオンへ斬りかかります。
このキャバリアは自分が操作しています。
3機と1人。全てを動かすのは難しいと、そう思いますか?
……自分の最大機体動員数は、6機です。
この程度で、音を上げるものかぁ!
瞬間思考力、脳内薬物で集中力と闘争心を上げ、
回点号の援護、バーミリオンへマシンガンを撃ち、
メガスラスターで自身が突っ込み、叩き斬ります!!
●※アーニャ曰く『ゲートを広げるのが大変でした』との事らしい
ちょうどメリー一味の気が緩み切っていた頃、ゲートから何かが降ってくる。
人影が一つに5mの大きさのキャバリアが……三つ!?
「この船は簡単には沈まないと、そう聞きました。ええ、なので」
降下の最中、朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)が念じる。
マルチプル・キャバリアを発動させると、回点号、亡国の主、ディスポーザブル03の三機のカメラアイが光り、マシンガンの弾幕や火炎放射、誘導弾をまとめて放つ。
「……ん? 何の音……ウギャーッ!?」
「アバババババーッ!?」
ふと上を見上げた瞬間、海賊船団員が消し飛ばされるか丸焼きにされるか、誘導弾の直撃を受けて海に吹き飛ばされる。
いや初手から過剰火力もいいとこですね!?
なお、こんな攻撃を受けたら船は沈むのではと真っ先に思われるだろうが、どうにもこの船はメガリスか何からしく、傷一つ付いていないので安心だ。
「な、なんだい!? 一体何事……な、お前はッ!? 確か賞金35000G越えの朱鷺透・小枝子かい!?」
「ほう、覚えてもらえるとは光栄ですね」
「くそ、誰だい『この船に突然賞金首の奴らがやってくる』とかぬかした奴は!」
それ言った奴、さっきの攻撃で海に浮かんでると思いますよ!
「いや、しかし高額の賞金首が出て来てくれたのは好都合……万単位だなんて、実にソソるじゃないのさ! うへ、うへへへ……」
「うわ、なんですかその顔……」
早々に欲が出て、よだれが出ているメリーの顔を見てドン引きする小枝子。
少なくとも、女子がしていい顔じゃないですねこれ!
「ハッ、いけない! 私とした事が……いやそれよりも!」
と、我に返ったメリーが何か言いたげな様子だ。
「確かお前は鋼鉄の巨兵を操るとは聞いているが……なんで三体もあるんだい! どう見ても卑怯じゃないか!」
過剰戦力を前に抗議するメリー。
てか卑怯って、それお前が言うのか……
「このキャバリアは自分が操作しています。3機と1人。全てを動かすのは難しいと、そう思いますか? ……自分の最大機体動員数は、6機です」
なんか53万の戦闘力の人みたいな事を!
「ろ、六機!? ……い、いや所詮ハッタリさ! このメリー・バーミリオンをなめんじゃないよ! 野郎共、仕事の時間だ!」
慌ててメリーが手下を大勢呼び出す。
確かに数だけなら驚異的だ。
「……では、見せてあげましょう。キャバリアの力を」
小枝子の背後に控える三機の目が怪しく光り出した。
……その後の戦いは圧倒的であった。
いくらでも沸いて出てくる手下をキャバリアが次々と蹴散らし、壁を破っていく。
「くそ、お前には遠慮ってモンがないのかい! しかし、同時に三機操るのも大変だとは思うがねぇ!?」
「……この程度で、音を上げるものかぁ!」
ならば見るがいいとばかりに、回点号がメリーにマシンガンで援護し体勢を崩す。
キャバリアのマシンガンはコンスキタドールとて生身にはキツいようだ。
「くぅっ、こいつぁマズい……!?」
「せいやあぁぁぁーーーっ!!」
そしてメガスラスターで小枝子自身が突っ込み、斬撃を叩き込んだ。
メリー海賊団の地獄は、ここから始まるのだ……。
大成功
🔵🔵🔵
ユニ・バンディッド
アドリブ歓迎
賞金稼ぎかー。弱そうな盗賊のボクなんかは狙い目かも?。でも賞金首は戦闘能力だけじゃないんだよ。
メリー達を対象に【デモン・フェイカー】。手品の様に精巧なる贋作武器の偽サーベル、メリーの宝物(偽りの財貨)を生やし、偽財貨を人質に[取引]しよう♪船に溜め込んでる金貨ちょうだい♪ニセモノ?あはっ♪バレちゃった?。(メリーのお宝発見アイに)
[騙し討ち]のネタばらし。贋作生成の弱点?でもね。ボクのユーベルコードの真価は、本物の所有権を、操作権を[盗み]出すこと。メリー達のサーベルも財貨もボクの手の内♪メリーとその手下の武器や財貨を操って[範囲攻撃]。カネになりそうなのはこのままいただいちゃえ♪
●欲深さは時に破滅を招くとも言う
「く、いきなり賞金首の奴がやってきて、しかもあんな過剰戦力で来るとは予想外だったね……」
手痛い一撃を受けたメリーが立ち上がる。
まだまだ奴はピンピンしているが当然これで済む訳はない。
「おー、これがメリーの海賊船かぁ。なんだかお宝の匂いがするなぁ♪」
「フフン、そうだろう。このメリー・バーミリオンの海賊船はあちこちから奪った金や宝物が……って、ユニ・バンディッド!? しかもなんで自然に紛れ込んでるのさ!?」
ノリツッコミめいた感じでメリーが突然現れた少女の名を口にする。
彼女の名はユニ・バンディッド(贋作の悪魔・f31473)、この時点での賞金額は4200Gの賞金首だ。
因みにユニは先程の戦闘の最中、するりとゲートから降下してひっそりと船に紛れ込んでいたらしい。
「あれ、ボクの事も知ってるんだ?」
「そりゃそうさ、賞金額の大小なんざ関係ない……みんな平等に私のモンだからね!」
いかにも海賊らしく、強欲さを露にするメリー。
「ふーん、なら弱そうな盗賊のボクなんかは狙い目かも?」
「おや、言うねえ? 楽して4200Gの賞金が手に入るなら、そうさせてもらうがね」
悪い笑みを浮かべるメリー。
「……でも賞金首は戦闘能力だけじゃないんだよ」
こちらも同じく悪い笑みを浮かべるユニ。
何やら腹の探り合いめいた事になってるような気もしますが!
「……ところで、取引といかない?」
「なんだい、藪から棒に。私が賞金首を見過ごすとでも……」
「いいから最後まで聞いて。船に溜め込んでる金貨ちょうだい♪」
なんともストレートな要求である。
ユニの手からは、まるで手品のようにサーベルや財貨が現れたではないか。
言うまでもないが、これらは『デモン・フェイカー』で生成した精巧なる贋作だ。
「ほう、こいつは……ちょっと待ちな、こいつは贋作じゃないか! 確かによく出来てはいるが、このメリーの目をごまかせるとでも思ったかい!」
しかしメリーのお宝発見アイは贋作である事を見抜いたようだ。
素人なら確実に騙されるほどの出来ではあるが、色々とがめついメリーの目は節穴ではない……ん、ですかね?
「あはっ♪ バレちゃった?」
全く悪びれた様子もないユニ。
なんと悪い子か……って、贋作の悪魔だからそりゃそうではありますが。
「どうやらユーベルコードで贋作を作ったみたいだけど、それで私らをどうにか出来るとでも思ったのかい?」
「贋作生成の弱点? ……でもね。ボクのユーベルコードの真価は、本物の所有権を、操作権を盗み出すこと」
ここでユニが今日一番の悪い顔をする。
もしここがデビルキングワールドなら称賛されるレベルの物だ。
「つまり、メリー達のサーベルも財貨もボクの手の内♪ さあ、やっちゃえー!」
ユニがそう言った直後、メリーと手下の武器や財貨が突然暴れ出す。
そう、彼女の狙いはここにあったのだ。
「うわわっ、私のサーベルが!? 来るな、来るなー!」
「アーッ、金貨が目に、目にーッ!?」
自分達の武器や財貨に襲われると言う悪夢めいた光景に右往左往するメリー一味。
もはやこれではユニを攻撃するどころではなかった。
「よーっし、今の内に船の中を漁ろっと。カネになりそうなのはこのままいただいちゃえ♪」
そして、半ば火事場泥棒のように船の中の宝を奪いに行くユニであった。
お、恐ろしい子だ……!
大成功
🔵🔵🔵
クネウス・ウィギンシティ
※アドリブ&絡み歓迎
「そうですね。突然賞金首が来ることはたぶんないでしょう」
【POW】
●戦闘
さりげなく手下連中に紛れ込んで参戦します。
「やはり、武器ですよね。強い武器をお求めとはお目が高い!」
賞金首なのでいずれバレるでしょうし、商品(強い武器)を出して紹介を行います。
「本日、ご紹介する商品はこちら!強化外骨格にアームドフォート、軽機関銃、パイルバンカー、ガンブレード……」
「購入費用は鉛玉もしくは杭のブチ込みによる一括ニコニコ払いになります。無論、送料は無料です」
【エネルギー充填】完了、【リミッター解除】。
「全兵装制限解除、完全戦闘形態へ強制移行」
海賊相手に商品のアピールのため暴れ回ります。
●フューチャー武器商人のプレゼン商法
海賊船上が混沌とする中、船室の窓からその様子を眺めている手下がいた。
「くそ、いつの間に賞金首の侵入を許したんだ!? さ、さすがにもうないよな?」
「そうですね。突然賞金首が来ることはたぶんないでしょう」
「だ、だよな、お前もそう思うよな!」
ナチュラルに手下と会話をしている、それっぽい格好をした猟兵。
クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)である。
……と言うか手下は何故気付かないのか。
多分アホだからかな?
「……だが、賞金首の奴らは無茶苦茶強いって言うじゃねえか。お頭ですら互角に戦えるかどうかも分かったモンじゃねえぜ」
「やっぱ強い武器が欲しいよな! あいつらあんだけ活躍してるって事だから、相当にヤベー武器とか持ってるに違いないな!」
なんとも短絡的な思想で強い武器を求める手下達。
クネウスはそこに目を付ける。
「やはり、武器ですよね。強い武器をお求めとはお目が高い!」
うんうん、と頷く。
手下連中は、この時点で何か怪しいと思わないのだろうか。
「私が様々なルートで仕入れてきた武器を早速御覧に入れたいと思うので、付いてきてくれませんか? ここでは何分狭い物でして」
「おお、そんだけスゲー武器か何かなのか! みんな、あいつに付いていくぞ!」
そして何の疑いもなく、クネウスの後に付いていく手下達。
……やっぱこいつらアホだな!
船上の一角で、クネウスが物々しい武装を甲板の上に展示する。
この世界では技術レベル的にもオーパーツすぎる物ばかりだ。
「な、なんだかすげえ武器がいっぱいあんな……」
「こいつぁどうやって使うんだ? 銃にしちゃあ、やたらデカいが……」
手下達が興味深そうに武装各種を眺める。
「本日、ご紹介する商品はこちら! 強化外骨格にアームドフォート、軽機関銃、パイルバンカー、ガンブレード……」
クネウスが武器の説明をする度、手下達の間から『おぉー!』と感嘆の声が上がる。
……奴らからすれば『なんかよく分からないが凄い強そうな武器だ!』と言う認識でしかなさそうだが。
「こいつはヤベえな! だが……これ何Gするんだ?」
「……そもそもよ、俺らの安月給で買えるようなシロモノか?」
唐突に厳しい現実に直面し、暗い顔になる手下達。
どうやらメリーから安月給でコキ使われてるらしい。
「購入費用は鉛玉もしくは杭のブチ込みによる一括ニコニコ払いになります。無論、送料は無料です」
「マジか! なんだかよく分からねえけど!」
いや、分からんのかい。
「ゼー、ハー……やっと逃げ切れ……ん、ありゃ何の騒ぎだい?」
と、ここで先程自分のサーベルから襲われ、逃げ回っていたメリーが甲板上の人だかりに気付き、首を突っ込む。
「なんだい、何をして……げぇっ!? お前はクネウス・ウィギンシティ!! ど、どこからここに!?」
「おや、バレましたか。それにしてはいささか遅かった気もしますが」
ここでようやくクネウスの存在に気付くメリー。
……と言うか、気付いたのがこいつだけってどうなんですかね?
「え、あいつ賞金首だったのか!?」
「なんて巧妙な変装だ……!」
……いや、ホント気付くのおせーよ。
「では、武器のプレゼンと行きましょう。全兵装制限解除、完全戦闘形態へ強制移行」
そして先の武装をフル装備したクネウスが『CODE:E−0(エネミーゼロ)』し完全戦闘形態に移行する。
その直後、海賊船の上ではメリーと手下の悲鳴が上がったと言う。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
賞金、ですかぁ。
そういえば掛かっておりましたねぇ。
体型的に、誤魔化すのも難しそうですし(遠い目)。
まずは、気づかれる前に出来るだけ削っておきましょう。
『F●S』4種を展開、『FMS』のバリアで防護しつつ、『FCS』により炸裂弾に換装した『FSS』の[爆撃]と『FRS』の[砲撃]で遠距離の相手を、『FBS』の斬撃で比較的近くの相手を狙い、其々[範囲攻撃]を行いますねぇ。
そして、メリーさんを含めた皆さんが気づいて『召喚』等も含めて近づいてきたら【秤濤】を使用、『魅了』からの同士討ちの示唆と『超重力波』で押え込んだ上で、『再度(=[2回攻撃])の[範囲攻撃]』を仕掛けますぅ。
●メリー、海ポチャ(本日一回目)
船上には手下がバタバタと倒れている。
先程、半ば一方的にボコられるような形でメリー共々派手にやられたのが原因だ。
しかし倒れたはずの手下達は、謎の力で即時復活もといリスポーンし、立ち上がる。
「ああ、くそ……ひどい目に遭ったぜ」
「まさか俺達がまんまと騙されるとは思わなかっアバーッ!?」
その直後、謎の爆発でリスポーンした手下達が吹き飛ばされ、海に落ちていく。
今し方、攻撃のあった方には浮遊武装が浮かんでいた。
「……なるほど、そう言う感じで手下が沸いてくるんですねぇ」
物陰から浮遊武装の持ち主である、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が出てきた。
彼女もまた、ひっそりとゲートからこの船の上にやってきた賞金首の一人だ。
「海に落ちれば、戻ってくるのに少し時間がかかるのでしょうか? ともあれ、今は少しでも戦力を削っておきませんと」
るこるは見つからない内に浮遊武装を駆り、次々と手下達を倒していく。
当然、派手な戦闘音がすればメリーが気付くのもすぐであり……
「なんだい、また敵襲かい!? ……って、あれは夢ヶ枝・るこるか! ふふ、私もまだツイてるようだね!」
視界に入った万単位(現在26700G)の賞金首の到来に目を輝かせるメリー。
再三やられたのにも関わらず、なかなかタフな奴だ。
「賞金、ですかぁ。そういえば掛かっておりましたねぇ」
一方のるこるはどこか遠い目をしているようだった。
さすがに体型的にも誤魔化すのは厳しかったのだろう。
「フフ、高額賞金首を前にするとテンション上がるねぇ……さあ野郎共、あの女を生け捕りにしな! 一番上手くやった奴はあいつを好きにしていいぞ!」
「やったぁ、さっすがお頭は話が分かるゥ!」
どこかで聞いた事のあるセリフを口にし、メリーが手下を大勢従えてジリジリとるこるに迫る。
「……大いなる豊饒の女神」
この状況でるこるが何かを口にすると、『豊乳女神の加護・秤濤(チチガミサマノカゴ・ハカリノナミ)』が発動し、その全身から乳白色の波動が放たれた。
波動は船全体に広がり、メリー達にも浴びせられる。
「う、なんだい!? ……今何をしたのかは知らないが、そんな物で私に勝てると思ったのかい? さあ野郎共、やっちまい……」
メリーが手下に命ずるも、何か様子がおかしい。
その直後、何故か手下がメリーに襲い掛かった!
「お頭ー! 俺達を薄給でコキ使いやがって、もう我慢ならねえ!」
「大体いっつもそんなやらしい体を見せ付けてきて、俺達が我慢出来るとでも思ってたのかー!!」
色々な本音が漏れ出る手下達。
先程の秤濤の効果で、手下の魂が魅了されたのがこの同士討ちの原因だ。
「ちょ、お前達何を……やめ、やめろーッ!?」
さすがに数で押されてはメリーとてどうにもならないようだ。
……だが、このままでは描写出来ない展開になってしまいかねないぞ!
「じゃあ、超重力波で抑え込んでから……」
ならばと、秤濤の効力で甲板上に超重力波でメリー達の身動きを取れなくすると。
「ここで吹き飛ばしますぅ。はい、どーん!」
そして浮遊武装による一斉射!
「ンアーッ!? これで勝ったと思うなよー……!」
「お、お頭ー!」
お約束の捨てゼリフと共に、吹き飛ばされて海へ落ちるメリー。
……いやまあまだ死んでませんけどもね!
大成功
🔵🔵🔵
龍・雨豪
わかる、分かるわー。
目の前のお宝は全部欲しくなるわよね。
敵同士じゃなったら、きっと仲良くなれるタイプね、ソイツ。
まずは存在をアピールするために、船内で適当に暴れておくわ。
下っ端を殴り飛ばしてたら、そのうち向こうから来てくれるでしょ。
メリーが出てきたら、下っ端はさっさと尻尾で薙ぎ払って掃除して、一対一の決闘に持ち込みたいところね。
さっさと倒して次を捕まえに行きたいとか考えてるのかしら?
なんか隙だらけなので初撃を籠手で受け流しつつ、踏み込んできた足の甲を踏みつけて転ばせましょ。
後はその後頭部に拳骨を一発くれてやるわ。
たんこぶと一緒に頭冷やしてきなさいな。
さてと、折角だからお宝も探しに行こうかしら。
●メリー、海ポチャ(本日二回目)
「お、お頭が海に落ちたぞ!」
「すぐに引き揚げに行け! 急げ急げーッ!!」
メリーが先程の交戦で吹き飛ばされ、海に落ちた。
それを見た船上の手下達は慌てて回収しようと、小型ボートを船から降ろそうと忙しい様子である。
そうして、手下達が急いでメリーを拾いに行こうとしていた同じ頃、船上ではまた別の地獄が繰り広げられていた。
「……はァッ!」
「グワーッ!」
鋭い回し蹴りが手下の側頭部に直撃し、吹き飛ばす!
……周囲にはKOした手下達があちこちに転がっていた。
「はぁ、全く手応えがないわね。軽い運動にもならないわ」
一通り襲い掛かってきた手下を殴り倒したのは龍・雨豪(虚像の龍人・f26969)。
早速メリーと戦おうとしたものの先程海に吹き飛ばされてしまったため、戻ってくるまで手下を叩き伏せながら、自らの存在をアピールするつもりのようだ。
「……ああ、お頭! やっと戻ってきてくれた! 大変なんだ、実は……」
ふと、離れたところから何か話し声が聞こえてくる。
どうやらメリーが海から戻ってきたようだ。
……びしょ濡れのメリーが目にしたのは甲板上でバタバタと倒れている手下達。
その中心には一人のドラゴニアンの女性が立っていた。
「やっと来たわね、メリー。あんまり遅いから、ちょっと手下と遊んでたわ」
「お前は……龍・雨豪か! 賞金額5700Gのドラゴニアン……いいねえ!」
新たな賞金首の登場に、先程やられたダメージも忘れるかのような喜びようを見せるメリー。
それにして、こいつのタフさはどこから来るのだろうか?
「あら、私の賞金は万単位じゃないけど、構わないのかしら?」
「何の問題があるのさ? お宝はみんな私の物、海賊ってのはそう言うモンさ!」
「わかる、分かるわー。目の前のお宝は全部欲しくなるわよね」
何故か変な所で同意する龍。
もしも敵同士じゃなかったのなら、きっと仲良くなれるタイプだったろう。
「フフ、言うじゃないか……とりあえずお前を生け捕りにしてから、カルロス様よりGをいただくとしようか! さあ野郎共、かかれ!!」
メリーの元に手下が続々と現れ、号令と共に手下達を龍へとけしかける。
「邪魔」
「グワーーーッ!?」
……だが、龍の強さを知らないメリーは信じられない物を見た。
自身の尻尾だけで、手下達がまとめて薙ぎ払われていくではないか。
「し、尻尾だけで……なんて奴だい!?」
「雑魚に用は無いわ。さて、ここは決闘といかない? 私に勝てば賞金は獲ったような物……でしょう?」
「フン……面白い、乗ったッ!」
勝てば生け捕りに出来ると言う目先の欲に目が眩み、メリーは決闘を受諾する。
ファイティングポーズから拳を構える龍、サーベルを向けるメリー。
お互いが踏み込むと同時に決闘が始まった。
「さっさと倒して次を捕まえに行きたいとか考えてるのかしら?」
「ほ、ほざいてな!」
既に隙だらけである事を見抜いた龍は、手早く済ませようとメリーの初撃を籠手で受け流すと……ダンッ、と踏み込んできた足の甲を踏み付ける。
「あっ」
メリーはあっという間にバランスを崩し、転びそうになる。
「よっ、と」
そこへ龍が後頭部に『一撃必殺』をゴスッと叩き込むと、そのまま倒れ込む。
決闘は一瞬でカタが付いてしまった。
「たんこぶと一緒に頭冷やしてきなさいな」
それだけ言うと、龍はメリーを海へポイッと投げ捨てた。
本日二度目の海ポチャである。
「さてと、折角だからお宝も探しに行こうかしら」
そして何事もなかったかのように船室の扉を開くと、龍は宝を漁りに向かう。
その船室の奥からは、手下の悲鳴が聞こえてきたとかなんとか……。
大成功
🔵🔵🔵
ミレア・ソリティス
任務了解しました。ミレア・ソリティス……出撃します。
(※賞金額:1500G)
敵船制圧という事でしたら、転送後、即座に【コード・レギオン:α】
「簡易型ミレア」を430機、物質転換を駆使して生成し、
データ同期による431機の「ミレアの群体」で相互に《かばう/援護射撃》を駆使した《集団戦術》で挑みます。
武装は手持ちの『ブラスターライフル』と肩部『リアランチャー』を。
必要ならばランチャーの弾を「閃光弾(目潰し)」「衝撃弾(吹き飛ばし+衝撃波)」に切り替えて使用します。
屈辱を与えるつもりはありません。
ただ、物量と火力を以て殲滅するのみです。
※アドリブ他歓迎です。よろしくお願いします。
●戦いは数だよ、と昔誰かが言いまして
「……ああくそ、なんなんだい! 今日は厄日だよ!! ……へっくし!!」
タオルで体を拭きながら、寒さに震えつつくしゃみが一つ。
これまでに二度、海に落とされ手下に回収されたメリーの心は折れかけていた。
島を攻めに行けば賞金首が出てくるはずなのに、何故船に直接攻めてくるのか?
これは何かがおかしいと直後、船上にまた何かが着地してきた音が響く。
「お、お頭ー! 大変だぁ!!」
「おい、今のは何の音だい!? もしかしたらとは思うが、一応な!」
慌ててこちらへやってきた手下にメリーは確認を取る。
この時点で若干嫌な予感がしてきたのは言うまでもない。
「お頭、またです! また来やした!」
「……またかよ! ちくしょう!!」
もうそのやり取りだけで、何が来たかを理解出来るようになってしまったのがなんともアレだが、賞金首がまた現れたようだ。
メリーが駆け付けてみれば、重装備に重装甲が施されたウォーマシン……ミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)がそこにいた。
「目標地点に降下完了。周辺に敵性反応多数」
「あいつぁミレア・ソリティスか! ……いい加減、ここらで賞金の一つでも獲得しなきゃあメリー海賊団の名折れだ! 野郎共、死ぬ気で行きな!!」
賞金額1500Gのミレアを前に、メリーが叫ぶと手下も続く。
せめて一人だけでも生け捕りに出来れば、人質になりして今後有利に持ち込めると思ったのだろう。
「最優先攻撃目標、メリー・バーミリオンを捕捉。攻撃を開始します」
「ハッ、そんな御大層な武器があろうが、たった一人でどうにかなるとでも?」
「コード・レギオンを発令。オプションαを適用。簡易兵装機生成」
淡々とミレアがコードを口にすると、周囲の空間から何かが現れる。
ミレアの『コード・レギオン:α(コードレギオンオプションアルファ)』が簡易型ミレアを生成したのだ。
簡易とは言え、射撃武器で武装済みのそれらの数は、実に……430体!
「……ちょっ、待て待て待て!? どっからそんな物を」
「リンク完了。起動」
驚愕するメリーの事は露知らず、ミレアはデータ同期の完了した簡易型に攻撃を命ずると、無数の弾丸の嵐が吹き荒れた。
彼女自身もブラスターライフルとリアランチャーによる射撃で攻撃を行い、圧倒的な火力で初手から攻めの姿勢を見せる。
そこかしこで手下達が次々と蜂の巣になり、悲鳴が上がっていく!
なんたる問答無用!!
「どわーッ!? マズい、こりゃマズいよ!!」
メリーが慌てて物陰に隠れる。
ミレア達による統制の取れた集団戦術に、手下はバタバタと倒され成す術もない。
「……ちと後片付けが大変だが、こうなったらこれしかないね!」
サーベルを構え、奥の手である元の木阿弥大津波を放とうとするメリー。
あの集団もろとも大津波で流してしまおうと言うのか。
……だが、その瞬間メリーの足元に何かが転がってきた。
「ん? なんだこれ……」
炸裂。
そして目を焼くような閃光がメリーを襲う。
「あぁぁーッ!? 目が、耳がーッ!?」
閃光弾にやられ、大津波を放つどころではなくなってしまったところへ、更に何かが転がってきた。
それが何かを確認するまでもなく、再度炸裂するとメリーは大きく吹き飛ばされて甲板上にビターンと叩き付けられる。
「隠れても無意味です。ただ、物量と火力を以て殲滅するのみです」
ミレアの集団戦術はまだまだメリー達に地獄を見せ続けるようだ。
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブも連携もOKデスヨ!
HAHAHA! ワタシを呼びマシタカ? ではお呼ばれしマース!
着地、挨拶。「ドーモ、バルタン・ノーヴェ、デース!」速やかに戦闘開始!
メリーとバトルしようと思いマスガ、先に取り巻きが邪魔デスネー!
フィールドを整えマショー。UC《火炎放射器》を展開しマース!
「六式武装展開、炎の番!」甲板に火を放ちマース!
何人か巻き添えで燃えるようバラ撒きマース!
ワタシとメリーは中心で、ファイアーリング・デスマッチ、デース!
なおワタシの判断でいつでも消せマス。
さあ。ファルシオンを構えて、楽しい一騎打ちの始まりデスヨー!
まー、次の猟兵の方がやってくるまでの時間稼ぎではありますが。
●※この船は特殊な何かで出来ているので、良い子は絶対に真似しないで下さい
「ぐ、ぐぐぐ……このメリー・バーミリオンをここまでコケにしやがって……賞金首めぇ、絶対に! 許さないんだからなーッ!!」
自慢の衣装もこれまでの激戦……と言うか、ほぼ一方的にボコられまくった事でボロボロになったメリーが涙目で叫ぶ。
さすがに大事な部分だけは『謎の力』で破れたり穴が空いたりするような事はなかったが、それでも屈辱的なのは間違いない。
かつて緋色のメリーと言う異名で呼ばれた海賊が、こんな無様な姿を晒す事になろうとは誰が予想出来たであろうか?
……まあこのシナリオ、ギャグ寄りだから仕方ないんですが!
「くそう、もうこうなったらヤケだ! 賞金首、誰でもいいからさっさと私のとこに来い!! そんでもって大人しくお縄につけってんだ!!」
あっ、そんなフラグめいた事を口にしたら……
「HAHAHA! ワタシを呼びマシタカ? ではお呼ばれしマース!」
まるでこの時を待っていたかのように、どこからか声が響く。
「な、誰だい!? てか言ったらホントに来るのかい!?」
「お頭、空から賞金首が!!」
手下の一人が空を指差すと、今まさに海賊船へダイブしようとする猟兵の姿が!
空中でクルリと何回転かした後、スタイリッシュに着地を決めたのはバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)、その人である!
因みに賞金額はこの時点で32400G、万単位の賞金首だ!!
「ドーモ、バルタン・ノーヴェ、デース!」
着地と同時に素早くアイサツをキメるバルタン。
彼女の姿を見たメリーがニヤリと笑う。
「高額賞金首、来たようだね! 私と手下の給料ために、大人しくお縄になりな!」
先程、これまでの冷遇が原因で溜まっていた不満が噴出し、襲われたメリーが手下にも配慮した発言をする。
……いや、今更やな!?
「HAHAHA! だが断りマース。そう簡単に捕まる気はありまセーン!」
「ま、そうだろうねえ。なら、力ずくと行こうじゃないか!」
「……もちろん、お頭だけじゃなく俺達も相手になるぜェ?」
どこからかリスポーンした手下達がバルタンの周囲を取り囲む。
数的不利は明らかである!
「デハ、フィールドを整えマショー。……六式武装展開、炎の番!」
急に真面目な表情になったバルタンが『火炎放射器(フランメヴェアファー)』でサイボーグボディに内蔵されている火炎放射器が火を噴く!
「アバーッ!? 熱い熱い熱いィィィーッ!?」
「海だ、海へ飛び込めーッ!」
炎は甲板に放たれ、ちょうど向かい合う形となっていたバルタンとメリー、その周囲にいた(運の悪い数人が巻き添えで焼かれた)手下をそれぞれ分断する。
「な、なんだいこりゃあ……!」
「ファイアーリング・デスマッチ、デース! なおワタシの判断でいつでも消せマス」
「一騎打ちをご所望って訳かい……いいだろう、乗ったよ!」
先程は不覚を取ったが、今度は負けない。
リベンジ心がメリーの中で燃え上がる。
「デハ、始めるとしまショウ! レッツビギーン!」
……そして一騎打ちが始まった。
もっとも、万単位の賞金を前にしてメリーの心は終始揺らぎっぱなしであったし、バルタンもそれを利用して意図的に一騎打ちを引き延ばしている事に向こうは気付かないのだが。
(次の猟兵の方がやってくるまで、せいぜい時間を稼ぐとしましょうか)
それまでにメリーが消耗すれば儲けもの。
そんな事も知らず、メリーは必死に戦うのであった。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
武器:黒燭炎、灰遠雷
はっはっはっ。此度の戦争、主にわしが暴れていたら、今のような額になった。
うん、四人で一人の不思議。いや、依頼書受けるのは、四人総意なんじゃが。
この船、沈まんのよな。ならば、最近は破壊担当のわしが暴れても大丈夫よな?
先制攻撃で、早業で【四天境地・雷】での攻撃よ。
うん、後ろからの攻撃は、内部三人が操る三重属性(風、氷雪、重力)攻撃つき四天霊障で弾くし。
近接されても、黒燭炎でなぎ払うし。
うん、弱点は他をあたれ。
それに、矢でなぶるのも趣味ではない。『侵掠如火』の体現であるからの。
●ある意味、多重人格者の強み
「く、くそぉ! さっきからヒョイヒョイと……私をおちょくってるのかい!!」
半ば相手に遊ばれてるような感覚で、メリーは自身の体力を無駄に削っていく。
やがて頃合いと踏んだのか、炎の壁が消え去るとバルタンはサッと後退する。
「あッ、逃げるつもりか!? 待てぇ、逃がす物……ん、んん!?」
慌てて追いかけるメリーが目にしたのは、バルタンと入れ替わりでやってきた猟兵だ。
「ここが件の海賊船か。ふむ、かなりの大きさじゃのう……これは鉄甲船にも負けておらんな。これ程の物とは敵ながら天晴れよのう」
豪快に笑う馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)、彼の賞金額は21300Gだ。
「むうッ、今度は確か……馬県・義透か! さっきの奴より額は下がったが、万単位の奴がまた来たのはツイてるねえ!」
バテているはずなのに高額賞金首を目にするや、すぐに元気を取り戻すメリー。
こいつの体力はホントにどうなっているのだろうか。
「はっはっはっ。此度の戦争、主にわしが暴れていたら、今のような額になった」
まるで気にしない様子で笑い飛ばす義透。
実際には戦わなければ分からないが、相当な使い手だと思っているのだろう。
「うん、四人で一人の不思議。いや、依頼書受けるのは、四人総意なんじゃが」
「よ、四人? 一体何を言ってるんだい……?」
言ってる意味が分からず聞き返すメリー。
どうやら彼が多重人格者である事を知らないようだ。
……そして、それが致命的なミスになるとはこの時、予想出来るはずもなく。
「さて、一つ問おうか。この船、沈まんのよな」
「何だい、いきなり? ……そうさ、この船は私が生きてる限り沈まないのさ!」
「それを聞いて安心した。ならば、最近は破壊担当のわしが暴れても大丈夫よな?」
そう内なる自分達に確認をすると、雷の力を秘めた強弓『灰遠雷』を手にする。
これで彼は戦うつもりなのだろうか。
「弓矢? それで私と戦……」
「ぬんッ!」
先手必勝!
義透が『四天境地・雷(シテンキョウチ・カミナリ)』を放ち、メリーに向けて呪詛の込められた黒い矢が分裂すると、誘導弾のごとく襲い掛かる。
「うわ、危なッ!? ……どうやらその矢は私を追うようだが、要は当たらなければいいだけの事さ!」
先制攻撃で飛んできた矢を咄嗟にサーベルで弾くと、メリーの目が怪しく光る。
四天境地・雷の弱点を指摘する事で封じてしまおうと言うのか。
このまま大海賊の霊が矢を封じ……だが、何も起きない。
「あ、あれ? なんで? ……や、野郎共!」
弱点は指摘したはずのにどうして?
すぐ思考を切り替え、手下に命ずるメリー。
手下達が背後からカトラスを手に飛び掛かる。
「うん、そう来ると思ってな」
だが、義透の内に眠る三人が操る三重属性攻撃付きの四天霊障が難なく弾く。
想定済みの攻撃だったらしい。
「く、だったら私自ら……」
距離を詰めれば弓矢とて無力と考えたメリーがサーベルを手に突撃する。
「……そしてわしの武器は一つだけではなくてのう」
メリーの斬撃を黒き槍『黒燭炎』で受け止めると、そのまま薙ぎ払う。
「な、なんなんだいお前は!? 私の指摘した弱点をことごとく……!」
「うん、弱点は他をあたれ」
これこそが彼の強み、多重人格者である点を生かした弱点対策であった。
いやこれホントに隙が無いですね!?
「それに、矢でなぶるのも趣味ではない。『侵掠如火』の体現であるからの」
そう言い、黒燭炎を構える義透。
「さ、ここからはわしらしく暴れるとしようかの。覚悟はいいな?」
「く、くそ……あいつとどうやって戦えって言うんだい!?」
そして、最早泣き言しか口に出来ないメリーがこの後、今日何度目になるのか分からない悲鳴を上げる事となった。
大成功
🔵🔵🔵
ソナタ・アーティライエ
賞金首の猟兵を誘き出すために無関係な島が襲われようとしているなんて見過ごせません
何としても止めないと……と勢い込んで来たのですけれど
既に他の猟兵の皆様の手でボロボロにされてしまっているご様子
特に手下の皆様は酷い有様で、とても放っておくなんて出来ません
ここまでやられては当初の意欲なんてもうほとんど残ってはいないでしょう
きちんとお願いすれば大人しく帰ってくれるかもしれません
一人ひとりお手当てし、傷を癒しながら優しく説得して回りますね
屈辱とか感じる時点はとうに通り越している方ばかりだと思いますから
攻撃されても大したことはないはず
この程度なら発動中の反射の能力が、近くの手下の方々も含め守ってくれます
●唯一の癒しタイム(なおこの後また地獄)
「い、今頃は賞金を手にしてウッハウハのつもりが、なんだってこんな事になっちまったんだい……くそぉ、くそぉ……」
メリーも手下もここまでコテンパンにやられて満身創痍であった。
ハッキリ言えばメリーは猟兵の強さを侮りすぎたのと、賞金に目が眩んで隙だらけだったのがそもそもの原因なんですがね!
そこへひょこっと顔を出した猟兵の姿が一人、あった。
「賞金首の猟兵を誘き出すために無関係な島が襲われようとしているなんて見過ごせません。何として止めないと……と勢い込んで来たのですけれど」
やってきたのはソナタ・アーティライエ(未完成オルゴール・f00340)。
おおよそ賞金首とは無縁そうな性格の彼女だが、こう見えても七大海嘯や一の王笏と戦った事もあってか、賞金首にその名を連ねている。
因みに賞金額は現在4500Gと、それなりの額だ。
「いざやってきてみれば、なんとひどい有様でしょう……メリー様もそうですが、特に手下の皆様は酷い有様で、とても放っておくなんて出来ません」
慈悲の目を向け、その辺に倒れているメリー一味に近付くソナタ。
……え、あなた何をしようとしてるんですか!?
「ここまでやられては当初の意欲なんてもうほとんど残ってはいないでしょう。きちんとお願いすれば大人しく帰ってくれるかもしれません」
いや、そうはならんやろ……相手、コンキスタドールよ?
「それでも、この惨状は見過ごせる訳がありません」
て、天使だー!
でも、そんな事をしたら恩を仇で返されそうな気がするんですが。
ひどい事されそうな気もするんですが。
「……あの、大丈夫、ですか?」
「う……な、なんだお前は……?」
「そのまま動かないで下さい、今、手当をします……」
そう言うと、ソナタの『光臨(ハルヲコトホグアマノミツカイ)』が発動し、その背に白い翼が顕現し、その身体から発する花のような甘い香気が手下達を癒す。
……え、ホントにやってるの!?
「お、おお……なんだか体が軽くなったぞ」
「本当だ、すげえな……いや待て、お前はそもそも俺らの敵じゃねえか?」
何故助けたんだと言わんばかりの顔をする手下達。
そりゃそうだ。
「既に来た他の皆様にあれだけやられたとなれば、島を襲おうなどと思わなくなったのではありませんか?」
「た、確かに、そんな気もして……」
「なら、もう悪い事をしてはいけませんよ?」
「う、ううぅ……」
ソナタの せっとく!
てしたたちのこころに つよくひびく!!
「……待て待て待て! さっきから何やってるんだ、ソナタ・アーティライエ!」
そこへやってきたのはメリーだった。
どうやら多少は回復したらしいが、色々納得してない表情だ。
「あ、メリー様。お怪我の方は大丈夫なのですか?」
「ああうん、さっきよりは楽……じゃ、ない! 賞金首だろお前!? 敵である私らを助けるのは色々おかしいだろ!!」
メリーが正論を口にする。
いやホントだよ!
「ですが、この惨状は放ってはおけません。だから助けたまでです」
「……本当にこいつが4500Gの賞金首なのか? 何か色々間違ってないか……?」
急に毒気を抜かれたような顔になるメリー。
でも、この子バルバロス兄弟やザンギャバスと交戦した事あるんですよ?
「まあいい、本当に賞金首かどうかは捕まえればいいだけの事。ここは元の木阿弥大津波で……」
メリーがサーベルを構える。
こうする事で、すぐにも大津波が襲い掛かって……こなかった。
「あ、あれ? 津波が来るはずなのに……なんで?」
答えは単純である。
先程ソナタが手下達を癒したおかげで、屈辱やら何やらがすっかり消えてしまった事もあって津波の威力は激減、ちょっとした波しか起きなくなってしまったのだ。
なんたる怪我の功名!
「さあ、今は波の音に耳を傾けてゆっくりしませんか?」
「な、なんなんだ一体……調子狂うなあこいつ……」
結局攻撃する気が失せたのかメリーは仕方なく、そうする事になった。
そのまま波の音に癒されつつ、メリー一味は休憩に入る。
……まあこの後、戦闘再開する事になるんですがね!
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
相当腕に自信があるんだねぇ
こっちも負けるわけにはいかないんだけど
★靴に風魔法を宿し跳躍力強化
まずは敵陣の統率乱したいところだね
【聞き耳】で敵の足音や攻撃音を聞き取る事で死角も補い
【ダンス】の要領で軽やかに回避
失礼しまーす
団員の頭を足蹴に跳び超えたり翻弄しつつ
【催眠術】を乗せた【歌唱】で判断力を低下させ
【誘惑】で団員たちの気を引きたいかな
味方してくれたらもっと嬉しいんだけど
バラバラに動けば同士討ちの可能性も上がるから
はーい危ない武器は使用禁止ー
サーベルから音が聞こえた瞬間
【高速詠唱】で氷魔法の【属性魔法】を放ちサーベルを凍結
津波を封印し
これは僕からのお返し
受け取ってね♪
【指定UC】で攻撃します
●さらば、メリー
「……よし、回復した。これでまだまだ暴れられそうだよ! さあ、メリーの野望の復活だ! 人生こうでなくっちゃ! アッハハハ!!」
休憩タイムの後、案の定懲りた様子もなく船を進めるメリー一味。
ダメだこいつら、早くなんとかしないと……
「はーい、失礼しまーす」
そこへ上から何者かの声が……これ、本日何回目なんでしょうかね!
「な、誰だい!? いや、どうせ賞金首だって分かってはいるけど!」
「お……お頭、あれは!」
手下が指差した先には現在の賞金額83400G、コンキスタドールが極めて強く警戒しているトップクラスの賞金首である栗花落・澪(泡沫の花・f03165)の姿が。
八万越えの賞金首が登場したともなれば、船上がこれまで以上に色めき立つ。
「つ、栗花落・澪か!? まさか、私の前に出てくるとは……ぐ、ぐへへ……!」
「俺らも手配書でしか見た事ないが……可愛いじゃねぇか」
メリーは最高額に近い賞金首が来た事で欲望が丸出しになり、手下達も彼の存在を認知しているのかニヤニヤし出す。
なお言うまでもないが、澪は男の娘でありメリー達はその事を知らないようだ。
「って……なんか凄いいやらしい目で見られてるような……?」
ねっとり絡み付く視線を周囲から受け、澪が軽く引く。
そう言う物には人一倍敏感なのだろう。
「お前が賞金首でもなければ、私の物にして一生可愛がってやろうと思ったんだけど、残念だねえ……野郎共、あいつを生け捕りにしな! 大金が待ってるよッ!」
「アイアイサー!」
有無を言わさず、メリーが手下に命令を下す。
もし生け捕りにされたら、それはもう薄い本めいた展開になってしまうのは確実だ。
がんばれつゆりん、色々な物を守るために!
「ヒャッハー! 捕まえて凄い事してやるぜェ!」
「そんでもって今夜は寝かせねえぜェ!」
下品な笑いを浮かべ、早速手下がカトラスを手に澪に襲い掛かる。
「数はさすがに多いみたいだね……ならまずは敵陣の統率を乱さなきゃ」
周囲を軽く見渡せば、軽く包囲されている状況。
この包囲を崩さない限り、まともに戦う事は厳しいだろう。
繰り出される斬撃を澪はダンスの要領で躱し、聞き耳を立てつつ手下の踏み込む足音やカトラスの振り下ろされる音をも聞き分け、死角を作らない立ち回りを見せる。
「こ、こいつ……後ろにも目ェ付いてんのか!?」
「付いてる訳ないってば……よっと」
「おあッ!? 俺を踏み台に!?」
風魔法を宿した靴で跳躍力を強化し、手下の頭を足蹴に飛び越えるなどして翻弄。
澪に弄ばれる形で手下達は右往左往する。
「今だけでいいから、僕の味方をしてくれると嬉しいんだけど、ね? ♪~……」
更に空中で催眠術を乗せた歌唱をやってのける離れ業で、手下達の判断力が鈍ったかと思えば。
「……あ、あの女は俺の物だ! 他の奴には渡さねえ!」
「ザッケンナコラー! 独り占めしようだなんて許さねぇぞ!」
ついには同士討ちをし出す始末。
非常に高い誘惑技能を持つ彼からすれば、手下達を魅了する事など朝飯前である。
「ああもう、何やってんだいお前達! くそ、こうなったら私が……」
手下の無能さに業を煮やしたメリーがサーベルを構えようとする。
当然、その音に気付かない澪ではなかった。
「はーい危ない武器は使用禁止ー」
「あッ!? わ、私のサーベルが!!」
それは使わせないとばかりに高速詠唱で氷魔法を放つと、メリーのサーベルが凍結。
今まさに放たれようとしていた大津波が封印されてしまったではないか。
「これは僕からのお返し……受け取ってね♪」
そして、澪がメリーに指先を向けると『Orage de fleurs(オラージュ・ドゥ・フレア)』で無数の花嵐を放った。
手下は今も同士討ちをしており、メリーのガードには来ない。
サーベルも凍結して使用不可能となった今、避ける手段はもう無かった。
「う、うわあぁぁぁぁーーーッ!?」
成す術なくメリーはまともに花嵐を喰らい、ついに倒れる。
ここまで受けたダメージも相当な物だったらしく、これが致命打となったようだ。
「く、くそ……目の前の賞金も取れないまま終わるとは、緋色のメリーも……ヤキが回ったモンだねぇ……」
「お、お頭ー!? お、俺達にはまだやりたい事が山ほど……!」
憎々しげに捨て台詞を吐くとメリーの体が塵と消えて消滅すると、手下達の姿も消えていく。
おそらく海賊船の崩壊も時間の問題だろう。
賞金を狙ったメリーが賞金首に敗れると言う屈辱的な結果でこの戦いは決着した。
「……そう言えばメリーさん達、結局僕が男って最後まで気付かなかったのかなあ」
きっと気付いてなかったと思いますよ!
むしろ、その方が幸せだった説もあるんじゃないですかね!!
大成功
🔵🔵🔵