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羅針盤戦争〜黒い霧の向こう側

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #一の王笏島

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●霧の向こう側に
 視界全体が暗く、周りの様子ははっきりしない。
 その暗闇の向こうに人影が浮かび、聞いた覚えのあるような声がする。
「この闇の霧の中で普段と同じく動けるのは我のみ。猟兵共がいくら攻め込んでこようとも無駄だ」
 人影は次の瞬間消えると、巨大な獣の影に変化する。
 かと思うと、別の場所に竜の影が現れる。
 一体相手がどこにいるのか、いや、何を相手にしているのかすらわからなくなる……。

●グリモアベース
「皆さん、お疲れさまです。
 七大海嘯の本拠地が次々に見つかっていますよ」
 クロノ・ライム(お菓子に目がないクレリック・f15759)が猟兵たちに声をかける。
 猟兵たちがグリードオーシャンの海域を探索していくことで、七大海嘯が本拠地にしていた島々が見つかりつつあるのだ。
「今回向かってほしいのは『一の王笏』カルロスが本拠地にしている島です」
 クロノが説明を始める。

『一の王笏』──カルロス・グリードはダークセイヴァーの力を具現化している。
 すなわち、紋章と呼ばれる寄生虫型オブリビオンの力で強化されているのだ。
「すでに猟兵の皆さんの中には、襲撃してきた『一の王笏』のカルロスと戦った方もいると思います。
 ですが、今回は襲撃してきたときとは別の紋章の力を利用するようです。
 どうか決して油断しないように気をつけてください」
 能力が違っていても、戦いで先制攻撃を仕掛けてくることは変わりない。その点にも気をつける必要がある。
 紋章の力に加えて、彼のいる島は常に黒い霧で覆われているという。視界に制限がかかるのだ。
 カルロスはこの霧の中で通常通り視界を保っている。
 先制攻撃と、黒い霧の暗闇の中での戦闘、この2つをどう対処するか考えなくてはならない。

 厳しい戦いになると予想されるが、戦いに勝てばこの島以外の七大海嘯支配下の島を解放できるという。
 七大海嘯に制圧されている島を救い、彼らの戦力を減らすために戦いは避けて通れない。
「大変な戦いになると思いますが、どうかよろしくお願いします……!」
 クロノは予知で今回の戦いの厳しさを感じたのだろう。いつも以上に気合を入れた様子で猟兵たちに頭を下げた。
 説明を終えた彼は一の王笏島へと向かう船への扉を開いた。


青猫格子
 こんにちは、青猫格子です。
 こちらは「羅針盤戦争」のシナリオとなります。
『一の王笏』カルロス・グリードが本拠地にしている島にて、カルロスとの決戦になります。
 一の王笏はダークセイヴァーの紋章(寄生虫型のオブリビオン)でパワーアップしています。またこの島全体を、視界を遮る黒い霧が覆っているので、暗闇戦闘に関する対処も必要です。

 プレイングボーナスは『敵の先制攻撃ユーベルコードと「黒い霧」に対処する』です。
 両方に対処した場合にボーナス適用になるのでご注意ください。
 紋章を狙う攻撃をすることでは特に有利になることはないので、しなくて大丈夫です。

 プレイングはOP公開時より受付開始します。
 それではよろしくお願いいたします。
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『一の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    餓える狼の紋章
【紋章の力】を使用する事で、【身体のあちこちに牙を思わせる鋭い角棘】を生やした、自身の身長の3倍の【黒狼】に変身する。
SPD   :    略奪者の紋章
【筋力を奪う爪】【速さを奪う爪】【意志の力を奪う爪】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    凍影竜の紋章
戦闘用の、自身と同じ強さの【触れる者を凍てつかせる氷の身体のドラゴン】と【影に潜み精神を喰らう黒影のドラゴン】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クロス・シュバルツ
アドリブ、連携可

何処と無く懐かしさを覚えるこの空気、ダークセイヴァーのそれですね
どうも嫌な感じは拭えませんが、とにかく今は戦うのみ

『暗視』ができるが頼りすぎない
黒く細くに鎖を変形、『闇に紛れる』事で『目立たない』ようにしたそれを張り巡らせてカルロスの接近を警戒
鎖が大きく動いたならば、その瞬間に張り巡らせた鎖をその方向に向けて攻撃、更にUCを発動。鎖を『串刺し』に、自身とカルロスを鎖で繋いで位置を把握できるようにしつつ、『生命力吸収』による『継続ダメージ』を与え続ける
後は『オーラ防御』で攻撃を防ぎつつ『怪力』で鎖を手繰って敵の動きを制限し、黒剣で攻撃。『鎧無視攻撃』『鎧砕き』で角棘を砕いていく


ベリル・モルガナイト
どんな。力の。前でも。私は。守り。抜く
それが。盾の。騎士の。在り方

敵の。視界が。封じられ。一方的に。攻撃できる
ならば。真正面から。仕掛けては。こない
必ず。隙の。ある。場所を。狙う
盾を。構え。前方への。防御を。固めます
なれば。敵が。狙うのは。防御の。ない。背
【オーラ防御】で。背を。守り。【激痛耐性】にて。防ぎきれない。ダメージは。堪えます
体へと。角刺が。刺さるのに。合わせ。その体を。掴み。あえて。ダメージを。受けた。ことで。強化された。身体能力で。地へと。叩き。伏せます

敵を。捉える。ことが。できれば。後は。力比べ
体が。動く。限り。【シールドバッシュ】を。お見舞い。致します



 時刻は昼のはずだった。しかし、太陽も月も見えない空の下では時間も定かでなくなる。
「何処と無く懐かしさを覚えるこの空気、ダークセイヴァーのそれですね」
 島に降り立ったクロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)は、辺りを見回しながらつぶやいた。
 すでに周りは黒い霧が立ち込め、視界がはっきりしない。
 まるで夜の闇に覆われたダークセイヴァーに来てしまったかのようだ。

「クロスさん。いますか。私が。守ります」
 同時に島へたどり着いたベリル・モルガナイト(宝石の守護騎士・f09325)は、視界の制限された中、仲間を守るため島の中へと進み出た。
 どんなに不利であろうと、仲間を守る盾になるために。

「こちらです。ですが、あまり近づきすぎないようにしてください」
 クロスがベリルの声の方向に呼びかける。
 声で敵に位置を知られてしまう危険は考えていなかった。なぜなら敵は目視で相手の位置を確認できるのだ。すでに発見されている可能性もある。
 ベリルはクロスの声を頼りに、距離を取りつつも盾を構えて前へと進む。

 島の中心へと向かっているはずだが、暗い霧のため確信が持てない。
 どこからか狼の遠吠えのような声が聞こえる……。
「カルロスか?」
 野良犬の声の可能性もある。しかし、次の瞬間、クロスが周囲に張り巡らせていた鎖が大きく揺れる。
「どんな。力の。前でも。私は。守り。抜く」
 ベリルは音を頼りに近づいてきた存在に向かって盾を構える。正面の防御に特化していた。

「……成る程。後ろの守りを捨てて狙わせる作戦か。なら望み通り背中を撃たれて死ぬがよい!」
 ベリルの背後に黒い巨大な獣の影が飛び出してきた。
 全身が牙のように鋭い角棘を持つ獣が、ベリルの背中に棘を突きつける。
「……!」
 ベリルは耐える覚悟でその場に留まった。カルロスに接触できる一瞬を狙っていたのだ。
 激痛が走ると思われたが、棘は彼女の背中を掠って動きを止めたため、大きな怪我はなかった。

「なんだ、これは……」
 動かない相手に確実にとどめを刺しに行ったはずなのに、軌道がずれた。
 その時カルロスは、自分の背中の棘に鎖が巻き付いていることに気がついた。
「もうこの鎖からは逃れられません。暗闇で動けるあなたの優位性は崩れ去りました」
 鎖を放ったのはクロスだ。
 カルロスは鎖に拘束されたことで、気づかないうちに命中を外していたのだ。
 クロスは手にした鎖に力を込める。カルロスの棘に巻き付いた鎖が生命力を啜る毒牙へと変化し、彼の体に深く食い込んだ。

「敵を。捉える。ことが。できれば。後は。力比べ」
 カルロスの攻撃を逃れたベリルは、棘を掴んだまま盾を構え直すと勢いよく敵に何度もぶつけた。盾の攻撃を何度も食らったカルロスの背中の棘が何本か破壊される。
 クロスも鎖で敵位置を確かめながら、黒剣をカルロスに突き当てる。
「く、油断したな。うかつに近づいたことで、我の優位を失ってしまうとは……」
 闇の中、巨大な獣の吠え声と棘が砕かれる音が響いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ビードット・ワイワイ
目が見えるからなんだ
猟兵は何時だって不可能を可能にする

武芸百般から音波を放ち周辺地形及び敵居場所を索敵し情報収集
未来予測演算機にてその情報を元に敵行動を予測
機械眼を熱源感知モードに切り替え黒霧に対処する
敵の予測される挙動や爪の軌道を演算し見切る事で受け流しカウンターを行う

我がオブリビオンマシンは異様怪機
例え全て見えようと追いつけなければ意味が無い
我が速度最早我にも操れず
故に捉えれると思わぬ事よ
ただ一直線に分析せし敵位置に移動し衝撃波と共に加速し切り裂く
その傲慢なりし思考と共にその首ここに晒せ


朱鷺透・小枝子
視界は効かない。だが、キャバリアのセンサーは視力のみではない。
高度なレーダーユニットが無くとも、捉える事は可能だ!

亡国の主に搭乗、操縦。
神器拳銃で機体に雷の力を載せ、機体のセンサー装置の電波を強化、広範囲索敵でカルロスの位置を特定!
瞬間思考力、早業でカルロスの居る位置へ、フレイムランチャーの焼却属性攻撃で目潰し!

捉えた、逃さん!!
『3番目の加速機』発動。
ランチャーを手放し、亡国の主のスラスターを増設、推力移動で空中を跳び、身を捻りカルロスの背後へと迅速に降り立つ!

切れ、断て、壊せ!!
戦鎌を両手に、怪力でなぎ払い。反撃の隙なんて与えない!
滅多切りにした後、地面へ叩きつけた後破壊の呪詛ブレス攻撃!



 暗く、静かな島の中に機械の駆動音が響く。
 疾走していくのは森の中で見るのは珍しい、大きく無骨な二体の影。
 ビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)と朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)であった。

「視界は効かない。だが、キャバリアのセンサーは視力のみではない」
 小枝子はジャイアントキャバリア「亡国の主」に装備した神器拳銃を動作させる。敵を撃つのではなく、雷の力で機体のセンサーを強化したのだ。
 通常よりも索敵範囲を広げ、カルロスの居場所を一刻も早く見つけるために。
「目が見えるからなんだ。猟兵は何時だって不可能を可能にする」
 ビードットも索敵のために武芸百般を動作させる。装備から発せられた音波で周囲の情報を収集する。
 小枝子との違いは音波のため、周辺の地形の情報を得ることができた。
「汝にもこの情報を共有しよう。今は世界を破滅させる前にカルロスを倒さねばならぬ」
 ビードットの取得した情報が小枝子の機体に送られてきた。
「ビードット殿、ありがとうございます」
 情報が転送され終わった瞬間、センサーに強力な力を持つ存在が表示された。

「……!」
 小枝子の行動は速かった。
 センサーの情報と、ビードットからの情報の両方から瞬間的に最適な進路を割り出し、キャバリアで駆け出す。
 射程距離になった瞬間、カルロスの居るであろう位置へフレイムランチャーの炎を浴びせた。
「どうやら、お前たちは視力ではない感覚で我を捉えたようだな。だが……」
 カルロスの声がする。炎が消え去ると、そこに黒いスーツのカルロスがいた。
 一見無傷のようだったが、よく見ると右手の一部が焦げていた。爪を放って炎の攻撃を凌いだらしい。

「鋼鉄の鎧であろうと我が紋章の力を防ぐことはできぬ」
 カルロスの焦げていない指の爪が長く伸び、振るうと斬撃が飛んだ。
 狙ったのは小枝子ではなく、後ろから追いついてきたビードットだ。
「む……危ない!」
 ビードットは斬撃が命中する寸前に、爪の軌道を演算して攻撃を受け流す。
 回避の動作から止まること無く、彼の機体は加速しカルロスへ迫っていく。
「速い……!?」
 カルロスは危険を察知し、爪で相手を押し留めようとする。しかし更に加速したビードットがすれ違いざまに彼の体を斬りつけた。
「鋼鉄の鎧、か。その傲慢なりし思考と共にその首ここに晒せ」
 キャバリアはただ頑丈なだけではない。高い演算能力を持ち、加速することで見た目以上の攻撃力を発揮できる。

 勢いで空中にはじき出されたカルロスだが、小枝子は見逃さなかった。
「逃さん!!」
 彼女の機体にメガスラスターが発現し、カルロスに向かって飛び上がる。
「切れ、断て、壊せ!!」
 空中で身を捻り、カルロスの背後から戦鎌で薙ぎ払うように斬りつける小枝子。
 カルロスは滅多切りにされた後、地面へと強く叩きつけられたうえ、破壊の呪詛を浴びせられた。
「ぐおお……!」
 今度は手だけではなく、全身まともに攻撃を受けてしまうのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

神代・セシル
暗いですね…私は暗い環境が好きですが。

敵の先制攻撃を瞬間思考により回避します。回避しにくい攻撃はStarlit Shieldを最大出力させ防御します。
UCを使用。シールドの眩しい浄化の星光によって視力を発揮して風の流れと共におじさんの動向を見切ります。
心眼よ、敵の動きを私に教えてください

光の刀Galactic Contenderを召喚し、おじさんに急接近。
左の手に浄化の炎全力魔法を高速詠唱、
右の手に持っている光の刀を最大出力させ、
魔法を放ち同時に、光の刀を用いて彼を切り込みます。

アドリブ・絡み歓迎


栗花落・澪
島の上ならある程度は飛行も出来る筈
【聞き耳】で僅かな音も聞き取り
風の流れを読んで敵陣の位置を把握
特に龍は羽ばたき一つでも変化を生じさせるから
持ち前の【学習力】も駆使し【空中戦】による回避で先制対策
万一のために炎魔法と【呪詛耐性】を【高速詠唱】で編み込んだ
【オーラ防御】を纏い威力軽減

初手さえなんとか出来ればこっちのもの
見えないのなら…戦場全て支配下にしてしまえばいい

【指定UC】を発動
戦場全体に【破魔】を満たし
黒霧はどこまで祓えるかわからないけど…
少なくとも敵陣の足止めが出来ればいい
本体を叩けば…全部消えるよね?

破魔の【浄化】を宿した光魔法の【属性攻撃、範囲攻撃】で
カルロス自体を狙うよ



 島へたどり着いてどれくらい時間が経っただろうか。
 神代・セシル(夜を日に継ぐ・f28562)と栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は進み続けていたが、まだ自分たち以外の存在に遭遇していない。
 今どこにいるかわからないが、島が外から見た通りの大きさなら、おそらく中心近くへ来ているはずだ。
「うーん……」
 澪は飛行しながら周囲の音に気をつけていたが、長い時間これといった反応がなく、ややうんざりしていた。
 セシルの方はそこまで険しい表情ではない。いつも通りの顔と言ったところだ。
 吸血鬼である彼女は暗い環境はむしろ好きだった。

 いつの間にか空気が冷たく感じるようになってきた。
「今、なにか動いたような……?」
 セシルが足元を見る。はっきりしないが生き物などはいないはずだ。
(……と、私の感覚を信用してはいけません。ここはカルロスの本拠地……)
 すでに敵は自分たちを狙っているかもしれない。
 一瞬の間にそこまで考えた彼女は、『感覚で敵を察知するよりも先に』回避の姿勢をとって地面を蹴った。
 次の瞬間、セシルのいた場所の地面から大きな「何か」の影が湧き出し、飛び去っていった。

「今のは……!?」
 空気の動きで澪は敵を察知する。迫ってきたのは獣よりも大きく、翼のある影だ。
 澪は空中で大きく旋回して敵を回避する。
「敵……ということは、近くにカルロスがいるよ!」
 澪はセシルのいるであろう方へ声を上げる。

「我を探しているのであろうが、無駄だ」
 どこからかカルロスの声が聞こえる。近くにいるのは確かだが、方向が定かではない。
 だが、おそらくこちらであろう、と二人が向いた先には、先程とは違う黒い大きな影が立ちはだかっていた。
 空気の温度が一段下がった。
「澪さん、後ろへ隠れてください」
 セシルが指輪のStarlit Shieldを発動させる。最大出力されたシールドが冷たい空気から二人を守った。
 二体の巨大な影に囲まれてしまっている状況だが、これはチャンスでもある。
 カルロスが近くにいて、戦えない状況であることが確実だからだ。

「見えないのなら……戦場全て支配下にしてしまえばいい」
 澪が手を組み、体の中から光を発する。ただの光ではなく、悪を浄化する破魔の光だ。
 暗闇だった世界に光がはじめて現れ、周囲に広がっていく。
「ま、眩しい……体の自由がきかぬ……!」
 強烈な光によって輪郭をはっきりとした二体の竜は、カルロスと同調しているためかその場で目を覆いうろたえている。
 カルロスはというと、澪たちの前方に満身創痍の状態で膝をついていた。
「これならおじさんよりひと足早く動けます!」
 セシルが光の刀Galactic Contenderを手にし、カルロスへと駆け出す。
 光が溢れて眩しいが、暗闇の時よりは周囲を見ることができた。
 刀の光も一層強くなり、最大出力でカルロスを斬りつける。

「ふ……暗闇とともに我は消え去る、か……」
 カルロスが倒れると、竜は消える。
 澪が光を止めても周囲は暗闇には戻らなかった。霧が徐々に晴れ、空から太陽の光が差してくる。
「よかった、やっぱり本体と一緒に竜も消えたね」
 安心したように澪が胸をなでおろす。
 セシルも表情は変わらなかったが、戦いが終わったことでひと安心したようだった。
「まだカルロスを完全に倒したわけではありませんが、一段落ですね」
 二人は帰路につくことにした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月15日


挿絵イラスト