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羅針盤戦争〜それは蒼い鬼火と共にやってくる

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #フライング・ダッチマン #鬼火島

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●鬼火島の大決戦
 フライング・ダッチマンはそこにいる、それは事実である。
 幽霊船を躱しようやく辿り着いた鬼火島、そこはまさに海賊に支配され燃え盛る鬼火が最大の特徴という恐るべき島。
 そこにこそ恐るべき戦いが待ち受けている事を猟兵達は皆知っているのだ。

「さぁお前ら、われと共に歩む最低野郎共! よーっく見ておきやがれっ!」
 何より恐ろしいのはその地を収めるフライング・ダッチマンであろう。
 酒宴の席で戯れに自らの頭へとマスケット銃を突きつけ迷い無く引き金を引いた、爆発音と共にぶちまけられた頭部とその中身。
 周囲の者はそれを見ても驚きもしない、なぜならば飛び散った頭部が集まりすぐに元の形へと再生し手に掲げていたジョッキからエール酒を一気に煽ってみせたのだから。
「ヒュー! さすがは船長だ!」
「いつ見てもスッゲー!」
 海賊達が大騒ぎしあちらこちらで乾杯を始めた、そうフライング・ダッチマンは不死身である。
 それも瞬時に再生するうえにその回数に制限があるなどの弱点すらない。
 ……今の今までそう言われていた状況に変化が訪れたのはこの鬼火島が発見された頃だった。

●グリモアベース
「七大海嘯『鬼火』フライング・ダッチマン……いよいよ射程に捕らえましたよ!」
 いつになくガッツポしながら皆を出迎えたグリモア猟兵の村雨・ベル、食べかけのポテチをテーブルからどけると手配書に描かれたフライング・ダッチマンの絵姿をバンバンと叩く。
「鬼火島が発見された事でようやく攻め込む事ができるようになったのですが一つだけ問題がありましてね~フライング・ダッチマンって不死身らしいんですよ」
 不死身の男、海賊……これで左手に銃でも仕込んで葉巻でも吸っていたらと思うと恐怖しかない。
 とにかく不死身などという相手にどう戦えばいいのかと思えるのだがどうやらようやく攻略の糸口が見つかったらしい。

「迷い無き心、これが勝利の鍵になります……」
 いきなり何を言い出すんだろうかこのエルフ、だが冗談でも何でもなく本気なのだと説明を続ける。
「フライング・ダッチマンはその特性上“永遠にさまよえる者”なのです、ですから逆に何があろうとも揺るぎない心を持つ者と対峙するとその“概念”同士が干渉しあい無限に蘇生するユーベルコードを無効化できるようなんですよ」
 細かい理屈はともかくやるべき事は一つということだ、そしてその”揺るぎない心“を見せつける前にもう一つ懸念材料があるらしい。
「あとはもうこれまた困った事ですが……初手をまず凌がないといけないんですよ。ダッチマンに攻撃するにはまず完全に受けきりそれからって事ですね」
 敵ボス級お得意の速攻攻撃を如何に耐えそして如何に“揺るぎない心”を見せつけるかということだ。
 こればかりは各員が知恵を絞るしかない。

「なああれですよ、ここでダッチマンを倒せば支配下にある別の島を一つ解放できるので住民達のためにもここはひとつ頑張ってくださいな」
 ポフンと手を合わせにっこり笑顔で礼をするベル、戦いに向けての準備が終わった者から転送し現地へと送り込む用意はばっちり。
 恐るべき戦いはこうして始まりを告げたのだった……。


轟天
 これは羅針盤戦争の1章完結戦争シナリオです。

 いよいよ七大海嘯『鬼火』フライング・ダッチマンとの決戦です。
 かなりの強敵ですのでご用心を。

 プレイングは6人ぐらい採用できるかなと予定しています。

●プレイングボーナス
 敵の先制攻撃ユーベルコードに対処した上で、「迷いなき心」を見せる。
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『鬼火』フライング・ダッチマン』

POW   :    鎖付き骸球
【『燃え盛る邪悪な魂』の集合体である骸球】が命中した対象を燃やす。放たれた【骸球の『口』から溢れ出す】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ブルーフレイムカトラス
自身に【怨念の青き炎】をまとい、高速移動と【カトラスからの青炎】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    冥鳥の羽ばたき
【飛び回る愛鳥ゼンタが青炎の羽】を降らせる事で、戦場全体が【生者を蝕む青き炎の海】と同じ環境に変化する。[生者を蝕む青き炎の海]に適応した者の行動成功率が上昇する。

イラスト:爪尾

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シル・ウィンディア
・対UC
【空中戦】と【フェイント】でバレルロールしつつ
【残像】を生み出して、攻撃対象を絞らせないよ
環境を変えることはできなくても
羽を少しでも撃ち落とせれば
聖と水の【属性攻撃】の【誘導弾】で炎の青羽を撃っていくね

わたしは、笑顔を奪う存在には負けないっ!
それがわたしの信念だからっ!!
迷うなんてないよっ!!
それに、無限に復活するからって
迷ったりあきらめる理由にはならないよね


・攻撃
上記機動で接近し
すれ違いざまに光刃剣で斬り抜け
当たらなくても
そのまま抜けて距離を取って…

【魔力溜め】をしつつ【多重詠唱】で詠唱を行って
時間をかけてじっくり練って
【限界突破】の【全力魔法】で《指定UC》
わたしの全部もってけっ!




「行けゼンタ……命蝕め、死を呼び込め、ここはわれらの本拠地ぞ」
 フライング・ダッチマンの肩より飛び立った冥鳥が周囲の景色を一変させた、青き炎が燃え上がり次々と浸食していくさまは見ているだけ恐ろしくそして命あるものを蝕む地獄と化していく。
「くぅぅっ……まだまだだよぉ!」
 ものすごいGに思わずレッドアウトしてしまうのではとシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)は思いつつも急旋回しながらバレルロールし炎を避けていく。
 あまりにもあまりな周囲全てを飲み込むダッチマンの猛攻に対抗するのに無理をするのは当然、迫りくる炎と追ってくる冥鳥に光と水の囮弾をばら撒きそしれらに反応して背後で次々と爆発が巻き起こった。
 注意せねばならないのは海上に出てしまうと飛べなくなってしまうということ、この世界は本当に空を愛するシルにとっては辛い場面が多い。

 なんとかその猛攻から逃れ急旋回から攻撃コースへと乗ったシル、出発前に言われた揺るぎない自分とは何か?
「わたしは、笑顔を奪う存在には負けないっ! それがわたしの信念だからっ!」
「信念だとっ! ばかばかしい!」
 シルとダッチマンのにらみ合いは次第に接近し熾烈と化していく、だがシルのその瞳には迷いなど無い。
 幼さゆえの純粋さ……そして無限に復活するからと迷ったり諦めたりする必要はないと心が訴えかけてくる。
 すれ違いさまに光刃で斬りつけるがそれは受けきられダメージはなっていない、だが一つわかったことがある。
 シルの強い信念を耳にして確かに回復などが遅くなっているかのような印象が垣間見えたのだ。
 ならばと詠唱を始める……とっておきの一撃をだ。

「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ…。六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
「グオオ……小娘ぇ」
 シルに集まっていく6属性の輝きが爆発的に膨らみそしてダッチマンへと撃ちだされた。それはまるで変化しない事をよしとしない前へと進むことだけを信じるシルの心の叫びのようで
……その輝きに包まれフライング・ダッチマンは大爆発に巻き込まれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シズホ・トヒソズマ
迷いなき心…いいでしょうお見せしましょう全力で!

という訳で
マインドテンタクルで複数の人形を◆早業で◆操縦しつつ
私を残りで捕縛!
アッ、締め付けが❤️

先制はクロスリベルで反応強化し
デザイアキメラの対怨念◆呪詛耐性バリアの◆オーラ防御◆盾受け
更にライアの振動破砕で大地を盛り上げ◆地形を利用し炎への盾にします
ああ、動きで更に縛りが、でもそれがまた

大事な戦いだとしても
私は自分のキモチ良さの追求、そして人々を助ける、2つを両立させます
そこに一片の迷いも恥も躊躇いも無し!

そしてこのUCがその証明!
私が気持ちいい事で発動!
データを収集し終えたシュヴァルツヴィアイスの未来予測で◆動きを見切り
黄金三呪剣で連続斬撃




「迷いなき心…いいでしょうお見せしましょう全力で!」
「いや……われは遠慮願いたいんだが……っ」
 七大海嘯『鬼火』フライング・ダッチマンがわりとマジで気後れしている気がしないでもない。
 なんせ対峙しているシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)ときたら怨念の青い炎を纏ったカットラスで斬りさかれるという恐怖をもろともせず“縛られたまま”ゴロゴロと回避してみせたのだ。
 複数の人形に最初から自分を縛らせしかもハァハァと喘ぎながら戦うその姿はさすがに一線越えてるとしか言えない超越者。
 ゴロゴロと転がりながら突き立てられる刃を避けそして突如として盛り上がる地面。
「あぁ……締め付けがっ♥」
「えぇい……真面目にやれっ真面目にっ!」
 だんだんカットラスの振るいかたが雑になっていっているのにダッチマンは気付いているのだろうか?
 あまりにもマイペースで我が道を行き、人の話や忠告をまるで聞かないであろうこの目の前のHENTAIヒーローの恐ろしさに。
(大事な戦いでも私はこの気持ちに嘘はつけない、そして人々を助ける……これを両立させてこそ、わ・た・し♥)
 そう……ド変態である。
 迷い無き変態道に掛かればフライング・ダッチマンのさすがにこんな時ぐらいは真面目にやるだろうという信念を簡単に越えてくる恐るべしシズホ。
 というか締め付けがきつくなり食い込みが深くなればなるほど高揚し鼻息がもはや犯罪レベル、ほんとにもう誰か引き取ってください。
「はぁぁ……痛めつけられるのもまたよしっ♥ さぁ……反撃よろしくっ♪」
 ダッチマンの青い炎が数発打ち込まれシズホはダメージを負い吹っ飛んだ、だというのに痛めつけられば痛めつけられるほど明らかに悦んでいるのがおかしいとは思っていた。
 何事にも動じないHENTAIな心はさすがにダッチマンの揺れ動く心に色々な意味で傷跡を残す。
 シズホを縛っていたからうり黄金人形達が襲い掛かってきて増えていく裂傷、なんとそんな些細な傷が再生できずにダメージが蓄積されていく。
「あぁ……最高ですわ……ね♥」
 それを見届けガックリと気絶するシズホ、恐るべき猛攻にフライング・ダッチマンは色々な意味で疲れその場に片膝をついたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェムス・ゴールドシップ
…おーもえとる
フライング・ダッチマンだったか。いやー強いねぇ

いっちょやりますか。 

戦法
どうせ先制攻撃されるってわかっているので後の先という言葉がある通り
普通に攻撃を敢えて受ける

そのうえで受けた分のダメージに対してはラスボス変身+【肉体改造】で回復し【カウンター】でやり返します

倒すのは最後に立ってた猟兵がやりゃあいい、一商人としてはワンチャンスを残せればそれで儲けたようなもの。


そして迷いなき心は『商人としての商才と地道な研鑽』よ




「うわああああああああっ!?」
 おどろおどろした不穏な空気、そしてフライング・ダッチマンが放った襲るべ骸球。
 それは燃え盛る恐るべき怨霊の集合体、そしてそんなものをまともに受ければタダで済むはずがなく吹き飛んでいくジェムス・ゴールドシップ(経済界のラスボス(多分)・f32116)。
 もはや虫の息といえるほどの大打撃に手足の一本も動こうとせず指先一つ動かすのも苦労する有様だ。
(おー、もえとる、フライング・ダッチマンだったか……いやぁ強いねぇ……げふっ)
 想像以上の破壊力に耳鳴りがやまず視界も黒く塞がっていく、これはまずいかなりの深手……このままではまずいという想いが脳内をめぐりめぐり繰り返す。
 あえて受けるにはさすがに無防備すぎて全くもって生きているのが不思議な状態、おそらくはここまで辿り着けた者の中で一番の大打撃を受けたのではなかろうか?

「なんだこいつは……われらの行く手を阻むにしてはアレだな。自殺志願者というやつか?」
 フライング・ダッチマンがケラケラと笑い瀕死のジェムズへと下卑た笑いを飛ばしてきた。
「へへ……知らねえのか? しょ、商人とすりゃ最後に儲けを出すために投資するのは当然なんだぜ……」
「お前何を言って……」
 そこまで口にしダッチマンは気付く、瀕死のはずのジェムズの肉体におかしな変化が加わり始めたということを。
 メキメキと背中から二本腕が増え4本にんりながら巨大化していくジェムの肉体、これこそがラスボス変身。
 グリードオーシャンには無かった新たなる力、しかも生死を彷徨うギリギリまで受けたダメージはそのジェムズに恐るべきパワーを与えていた。
 振りかぶる拳、そしてそれは慌てて撃ちだされた骸球を逆に打ち砕き四散させてしまった。
「商人てなぁ投資した対象が最後に儲ければそれでいいん……だぜっ!!」
 剛腕一閃、ダッチマンへとめり込む異形のパンチが起死回生の幕開けを告げた。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
迷いなき心、です?
私の女神様への『信仰心』が揺らぐことは、決して有りませんよぉ?

『F●S』各種を展開し『FBS』を四肢に嵌め飛行、『FMS』によるバリアに[結界術]による「耐熱・耐霊結界」を重ね、『骸球』による炎を防ぎましょう。
完全に防げなくても【UC】を発動するまでの時間が稼げれば十分ですぅ。
【仰域】を使用し『乳白色の波動』を放射しますねぇ。
これで『炎』を吸収しても良し、『骸球』も【UC】によるものですから、それ自体を吸収し『強化』に変換する事も可能ですぅ。
後は『FRS』『FSS』の[砲撃]に【仰域】の『強化』を重ね、[範囲攻撃]で逃げ場を塞ぎ[2回攻撃]しますねぇ。




「バリアー展開ッ!!」
 両手を突き出し夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は周囲を浮遊する円盤たちの発生させたバリアーに己の持つ結界を重ね正面へと慌てて展開してみせた。
 それに命中し怨霊達がそれを噛み砕きすり抜けようと浸食を開始する、恐るべき骸球の命中をかろうじて耐えきろうとするもどうやら限界は近い。
 円盤が一つまた一つと融解し爆発するごとにバリアーの出力は落ちてしまっていた。
 身体が熱い、そして心を蝕むようなその浸食を前にしてはこれ以上引けないと気合を入れるしかなく爆発と共に引き剥がされ地面に転がった時には円盤達は残らず故障し地面へと転がってしまっている。
「われの骸球に耐えるとは中々だだが……お前如きが勝てると思うなっ」
「いえ……私には女神様のご加護がありますからご心配なくですよぅ」
 フライング・ダッチマンの揺さぶりにも動じずるこるは立ち上がり反撃への決意を固める。
 手を合わせ静かに祝詞を唱え始め周囲には神気がどこからか混じり始めていく。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて供物を捧げましょう」
 るこるの周囲から乳白色のオーラが広がり始め青い炎などを吸収し始めた、そのありえない光景にフライング・ダッチマンは新たなる怨念を集め骸球を解き放つ。
「くははは、死ね死んでしまえ、われの前から消えされい!」
 そんな嗤いと共に放たれた怨念の塊も乳白色の波動に飲み込まれ消え去りありえない事にエネルギーに変換されるこるの次弾へと利用されてしまう。
「残念ながらぁ……私の女神様への信仰心は揺らぎませんのでぇ、お帰りくださいですぅ!」
 浮遊砲台、ビームシールドなどるこるの浮遊兵器達へとフルチャージされたエネルギー、それが一斉に解き放たれそれらは全てが飽和攻撃レベルで叩き伏せていく。
 片膝をつきつつもるこるは残ったエネルギーをここで使い果たすまで攻撃をやめようとはしなかった……それこそが女神様を信じて戦う曲げられない誓いとでもいうように。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月白・雪音
…惑わず揺るがぬ心、それは師より賜った武の有り様に表すものの一つです。
故に元より迷う理由は無し。
この島にヒトが生き、その先に繋がる未来が在るのならば。

――我が武を以て、過去(あなた)を討たせて頂きます。


魔性染みた野生の勘、高速思考力を以て先制攻撃を予測、
回避ないし致命傷を避ける
それでも捌き切れなければ激痛耐性、継戦能力にて耐えつつ、
初撃を凌げばUCを発動
残像にて敵の高速移動に追従し、怪力、2回攻撃、グラップルによる
拳打、蹴り、投げでの格闘戦にて攻める

例え仮初の不死を得たとて、命あるモノなれば普遍たる生など無くその身はいずれ朽ちるものです。
…何故なら、貴方は過去すでに『死して』いるのですから。




「クハハハ、胴ががら空きだぞ小娘!」
「やはりそこに……来ましたかっ!」
 フライング・ダッチマンの青い炎を纏った恐るべき踏み込み、カットラスの刀身が通り過ぎたのはつい今まで月白・雪音(月輪氷華・f29413)の胴があった空間。
 予測はできた、あえて隙を見せるようにしておいたのだから五分以上の確率でそこに第一刀は来る。
 そしてあとはどのタイミングで踏み込んでくるのかがキモだった、だが野生の勘に近い雪音の思考はそれをフル回転させ見事に予測は的中した。
 さらには肘打ちと膝蹴りを合わせその刀身すら挟み込み反撃へと移る、肉弾戦を得意とする雪音の動きに大事なのは一連の流れとリズム。
(どのような強敵と当たろうとも…惑わず揺るがぬ心、それは師より賜った武の有り様に表すものの一つ)
 心静かに神経研ぎ澄ませば水の一滴さえ止まって見えるという境地、明鏡止水……雪音の武はその領域への入口へとすでに足を踏み入れていた。
「――我が武を以て、過去(あなた)を討たせて頂きます」
「なっ、なんだと手足でわれの剣を!?」
 驚くフライング・ダッチマンへと拳が顔面へと叩きこまれカットラスを下から上へと流れるように蹴り上げた美脚が振り下ろされ斧のようにこれもまた顔面へと叩きこまれる。
 仰け反るように二三歩よろけ間合いが十分となれば今度は後ろ回し蹴りが見事にヒット……する直前にダッチマンの腕がこれをガードする。
 だがそのガードした腕へと身軽な雪音はそのまま飛びつき両足で挟み込むと回転しながら体重をかけ、必殺の腕ひしぎ十字へと持ち込もうとする。
「ええい、なんだ? こいつは猿か!」
「残念……キマイラ、です」
 無理やりに剥がそうとしバランスを崩したダッチマンを雪音ほどの達人が軽やかに投げ飛ばすのはここまでくると自明の理というやつである。
「たとえ仮初の不死を得ようと……いずれ朽ちるのが普遍たる生命の理、であれば貴方は『過去』でしかない。すでに死したあなたに未来などないっ!」
 全体重と重心移動で大きく弧を描くほどに投げ飛ばし地面へと叩きつけられたフライング・ダッチマン。
 雪音は息を整え静かに重心を下げるとまだ立ち上がってくる強敵との戦いに全身を奮わせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シノギ・リンダリンダリンダ
不死身だろうとなんだろうと関係ありません
お前は私に殺されます
だって、お前は大罪を犯した

【憤怒の海賊】を解放
漆黒の呪詛の霧と、その中に漂う黄金の星、そして憤怒の思いだけの体になる
己の内に眠る数多の呪詛が解放されたその霧の体に、怨念程度意味は無い
痛くありません、お前の攻撃なんて無意味です

そう、鬼火お前は!あろうことか、我が友の、我が親友の船の名を!!!騙った!!!
その船の名は、彼女だけのものです。お前が名乗っていい理由など、無い
そしてお前は、我がテリトリーを、我が海を犯した!
お前は、塵の一つも残さない
死ね

腐食と猛毒が漂い、黄金化はさせない
その体の一片も残さず、この拳で必ず殺す
我が憤怒、思い知れ




「キシャアアアアアッ!!」
 烈火の怒号と共に振り下ろされる青き炎を纏ったカトラスの刃が迫る。
 メキメキメキとシノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)を形成するドールの肉体に刃がめり込みそして切断された。
 力なく飛んでいく腕を振り向きもせず憤怒の吐息を吐きながらシノギは高速の斬撃により四散していく己の肉体を見つめる。
「好きなだけ切り刻め! お前は私に殺されます……だってお前は大罪を犯したっっ!!」
 バラバラになったドールの肉体を脱ぎ捨て内側から沸き起こった呪詛と強欲と黄金で構成された資料海賊ノ王、それこそがシノギが成り果てた物。
 青き炎で満たされた七大海嘯『鬼火』フライング・ダッチマンとほぼ同じ方向性をもった化物である。
 しかもその心は今まさに怒りで満ち満ちていた、ありえないほどの憤怒がカトラスに纏わりついた炎すらを浸食し押し返していく。
「な、なんだお前は……われと同種の怨霊だとでもいうのかっ! クッ……それに大罪だと??」
「そう、鬼火お前は!あろうことか、我が友の、我が親友の船の名を!!!騙った!!!」
 シノギはフライング・ダッチマンという名そのものを名乗るこの存在が許せない、その名は酔っ払いシスター……じゃなかった彼女の親友だけの物だとシノギは言う。
 その者はいったい誰の事なのか想像もつかないフライング・ダッチマンを逆に押し返し腐食させるが如く押し込み続けるシノギ。
「その船の名は、彼女だけのものです。お前が名乗っていい理由など、無い! そしてお前は、我がテリトリーを、我が海を犯した!」
「だから誰だそれは!? お前の名前もわれは聞いた事などないぞ!」
 シノギの傲慢そのものの物言いにフライング・ダッチマンは押され気味、このような場合は精神性の圧しで全てが決まる時もあるのだ。
 揺るぎない傲慢なまでの一本定まった道、それこそがこのシノギの一直線の覚悟と想い。
 その愚直なまでの一直線さを見せつけられ信じれない事に先ほどから腐食が進むシノギの攻撃からの再生がまるで進んでいない。
「マリアの仇ぃぃぃぃっ!!」
「マリアって誰だぁぁぁぁっ!?」
 腐食と猛毒のワンツーパンチで吹き飛ばされながらフライング・ダッチマンは走馬灯のように色々思い出すがやはりその名に聞き覚えはない。
(り……理不尽だ……っ!!)
 そんなスローモーションの世界の中でシノギのトドメとばかりの右ストレートが逆さまに落下してくる頬へと叩きこまれた。
「お前は塵一つ残さない……私の憤怒、思いしれぇぇぇぇぇぇっ!」
 まるで壊れた独楽のように壁や床に次々とぶつかりながらフライング・ダッチマンは吹き飛んでいく。

 今日ほど理不尽なダメージを受けた事が彼にあるだろうか? いや無い。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィーリィ・チゥシャン
迷いなき心、か。
自分ではよくわからないけど、俺の場合「諦めない事」なんだろうな。
救えるかどうかわからなくても、それでも手を伸ばす。

だから、海域の人達の平和のためにお前を倒してみせる!

【覚悟】を胸に鉄鍋の【盾受け】の【ジャストガード】と【火炎耐性】で奴の先制攻撃を耐え、その炎に紛れて【カウンター】で【神火の竈】の炎を放ち奴の不意を突いてその隙に炎の【属性攻撃】を付与した大包丁の【二回攻撃】で奴に斬りつける!
たとえ不死身でも、お前を倒してみせる!




「燃え尽きろ小僧!」
「なんとーっ!!」
 七大海嘯『鬼火』フライング・ダッチマンの放った骸球よりの炎は全てを焼き尽くす恐るべき怨念の炎。
だが炎の料理人たるウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)にとってそれは乗り越えるのではなく共生しそして生かす物である。
 料理人とりわけ中華を愛するウィーリィにとって火力は命、そしてそれを制してこその真の厨師への道が広がっている。
 そこに至るまでに何処までも苦労や挫折があるだろう、だがどんな時も諦めない……それこそがウィーリィのただ一つ揺るぎない心の形。
(どんな時も諦めてたまるかぁーっ!)
 鉄鍋が真っ赤に染まるもその鍋底の曲線で払った炎はすでに脅威ではない、逆にこの炎で身を包まれている限り間合いへ近づこうとフライング・ダッチマンの知る所ではない。
「今だっ!」
 大包丁を振りかぶり鉄鍋の隅から前へと突き出し気合を入れる。
「人類で最初に火を手にした人間はこう叫んだ!! 「我こそは料理人なりィィイイイーーーッッ」」
 まさかの炎を突き破って襲い掛かる業火、それがフライング・ダッチマンの全身を覆い包み焼け焦げた臭いが立ち込める。
 それを見逃さず飛び出し大きく大包丁を振り下ろすウィーリィ、ザクリと刃が通りダッチマンの脇腹へと突き立てられると炎が内側からその怨霊の如き肉体を焦がしていく。
「グオオ、お前達に勝利などありえんのだ……それが何故わからぬっ!」
「うるさいっ! 俺が諦めなければっ! 救える命を手放さないですむんだっ!」
 鉄鍋で顔面を殴打し引き抜いた大包丁を今度は正面から突き刺し炎を叩きこむ……たとえ不死身の相手だろうとそんな事はウィーリィには関係ない。
 諦めずどこまでも食らいつくその強い心こそがフライング・ダッチマンにとっては癒されない傷を刻み付けていくのだからたまったものではない。
 苦悶の声をあげながら怨霊の集合体たる彼は苦しみ悶え身を捩るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神代・セシル
先ずは【空中浮遊】で飛ぶ。
指輪型発生器『Starlit Shield』を用いて全方位シールドを展開し、敵の攻撃を防御します。

悪い強者が自分より弱い者を虐めることは許さない。
人達の居住地を侵略して、無辜の人を殺したいあなたたち、私は極めて憎み嫌います。

【見切り】で攻撃を回避します。
これは私の覚悟です!
UCを使用。敵に急接近します。光の剣を用いて【鎧砕き】【部位破壊】しながら、
【高速詠唱】【全力魔法】【属性攻撃】で【浄化】の水魔法を放ちます。

絡み・アドリブ歓迎




「シールド展開っ! 間に合って!」
 神代・セシル(夜を日に継ぐ・f28562)がその手に輝く指輪にコマンドを入力し『Starlit Shield』はその最大出力で稼働を始めた。
 全方位を守るべく出現する防護シールド、もちろん出力調整は最大レベルでリミッターさえ解除してその能力をフル稼働させる。
 冥鳥ゼンタが宙を舞い世界が生者を蝕む青き炎の海に成り果てた。
(くっ……悪い強者が自分より虐める事など決して許せないっ!)
 シールドが悲鳴を上げミシミシとシールドが限界を迎え破壊されてしまった、指輪がオーバーヒートしてしまう……だが開幕の恐ろしき炎だけはしばらく中和できるだろう。
 その機を逃さずセシルは宙を駆ける、一路……目指すはフライング・ダッチマンへと。
「これは……わたしのっ、覚悟っ!」
 迫りくる蒼き炎を避けながら高速で印を組みそして紡ぎ出す魔法、聖なる力を含んだ水が指先へと集まっていく。
 星月夜の調停者と化したセシルに集まる様々な力……それらが今まさに濁流のように溢れ出し蒼き炎を飲み込んでいく。
 それは地を覆う生者を蝕む狂気すらも飲み込み洗い流す浄化の津波のように……。
「いっけーーーっ!」
「グオっ!? われの炎で焼かれぬだとバカなバカなバカなぁぁぁぁぁっ!!」
 炎と水が交じり合い水蒸気爆発が巻き起こる、それから距離を取りながらセシルは元の姿へと戻っていく。
 決意をこめた一撃は見事にフライング・ダッチマンへと届いたに違いない……それは確実に蘇生の力すらを封じ込め……。

成功 🔵​🔵​🔴​

メイスン・ドットハック
【WIZ】【絆】
フライング・ダッチマン、色々と厄介なものじゃのー
エィミー、信じておるけー、僕に迷わずに付いてこいのー!

キャバリアKIYOMORIに搭乗し、オブリビオンマシン形態清盛に変形
オブリビオンマシン故に青き炎の海でも干渉されない存在
その特性を生かして、鬼火が攻撃してくるところをレーザークローで迎撃

先制後は、UC「星獣の照らす光の先に終焉来たる」を発動させて、そのアルバドラーダ培養体の夜空の如き光と共に炎を点火
ダメージだけではなく、抵抗してはいけないという感情を与え、エィミーと共に一斉攻撃
ジェットパックからの加速のレーザークローで斬り裂く

僕等ロストリンクの絆に迷いはないのー!

アドリブOK


エィミー・ロストリンク
【WIZ】【絆】
あれが鬼火、とっても厄介な存在だねー!
不死身であっても、わたしはメイスンお義姉ちゃんを信じるよー!

キャバリア・アカハガネに搭乗して参戦
ガイオウガ装甲による炎耐性とスーパーロボット型メガリスという無機物故に生者を蝕む攻撃を緩和
その中で鬼火の攻勢はメイスンに任せて、自身は愛鳥ゼンタを撃ち落とすべく、ガトリングキャノンを連射し羽を落とすのを防ぐ

先制後に、メイスンが鬼火とは違う炎を点火するのを見て、UC「受け継がれる魂の姫君」を発動
性能を大幅向上させて、ガトリングキャノンを連射しながら攻撃しつつ、バーニングナックルの拳の弾幕を叩き込む

これがわたし達の絆の力だよー! 受けてみろー!




 フライング・ダッチマンって知ってるかい? 昔イキに暴れまわっていうぜ。
今もぉ島はぁ荒れ放題、どっちどっちも……どっちもどっちも!

「なんじゃぁ~燃え盛って色々と厄介じゃぞー、エィミー付いてきとるけー?」
燃え盛る生者の存在を許さない恐ろしき青い炎が辺り一面を覆いつくしていた、普通であれば耐えきれないであろうその極地を駆ける2体のキャバリア。
 その外見はあまりにもおどろおどろしい異形の姿、オブリビオンマシン……キャバリアKIYOMORI、それを駆るメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)はコクピット内でその惨状を見つつも後ろを付いてきているはずの義妹へと通信を送る。
さすがにこの状況だけに通信にはノイズが入りまくるがようやく返信が来てモニターに可愛らしい少女の姿が映しだされた。
「あれが鬼火か~厄介な存在だねー! 相手が不死身だろうとわたしはメイスンお義姉ちゃんを信じるよ~」
 エィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)はそう答え追随するように進路を一路フライング・ダッチマンへと向けた。
 メイスンの機体はオブリビオンマシンゆえに炎の海には干渉されない元より敵側に近い存在。
 エィミーの機体は生者を蝕むと言われても機体そのものは無機物ゆえに影響は無い、むしろコクピット内にいるエィミーのほうがゾワゾワと寒気に襲われ始めるぐらいにタフではあるらしい。
 これだけ防御面を機体任せに出来たおかげか二人はすでにこの状況を打開すべく攻勢に転じようとしている。
 チュイインとモーターの駆動音がエィミーの機体より響き回転を始めるバレルがカラカラと音を立て始める。
「ゼンダとかいう鳥さん……ちょっと静かにしてほしいんだよ!」
 ガトリング砲が唸りを上げ反撃の狼煙をあげた、奇天烈な鳴き声をあげながらダッチマンの愛鳥ゼンタから抜け落ちた羽根がこの青い炎の源でありそれを封じてしまえば活路も見いだせるというもの。
「ゼンタよ、われらに逆らうものへもっと炎を与えんかっ!」
 フライング・ダッチマンが愛鳥のその不甲斐なさに文句を言うのだがそれだけ二人の攻撃が激しいものだという証でもある。
「邪魔じゃあけぇのーっ!!」
 メイスンの操縦はさらに荒々しく襲い来る青い炎になんとクローを突き立てていくという猪突猛進ぷり。
 しかも夜明けの如き金色の光を放つ星獣培養体の炎がなんと青い炎を包み込むように噴き出していくという力任せの大攻勢。
 ありえない、ありえない事だとフライング・ダッチマンは思う……ここまで迷い無く何故この地獄のような地で戦いに挑めるのか。
 それはこの義姉妹の絆にある、絶対の信頼それが二人に不退転の覚悟と恐るべき攻撃力を与えているのだとしたら。
 さらにバックパックから噴き出すブースター炎が極大に膨れ上がった。
「わたしの魂の絆ここで見せてあげる! 行ってメイスン義姉さん!」
 エィミーが魂とメガリスを接続し飛躍的にありえないほどのパワーを繰り出し前方の炎の壁へとバーニングナックルを叩きこむ。
 機体の腕にヒビが入り各部パーツからも冷却材が噴出し油圧回路がズタズタに切り裂かれていった。
 それと同時にゴウンと大きく輪を描くように吹き飛ぶ炎、そこにはフライング・ダッチマンまで何の障害もない勝利への花道が作りあげられる。
「ようやったけぇのー、後でご褒美じゃぁ~僕等ロストリンクの絆はぁぁぁ迷いなどsりゃせんのじゃー!」
「無茶苦茶だ貴様らぁぁぁぁぁっ!!」
 キャバリアKIYOMORIのレーザークローが一閃し不死身のはずのフライング・ダッチマンの身体が真っ二つに引き割かれる。
 しかもありえない事に再生すらできずそのまま崩壊していきながらボロボロに燃え尽きていくダッチマンの残滓。
 揺るぎない絆の心を前にその蘇生ユーベルコードの力は完全に封じられてしまったのだろう。
 コクピットハッチを開け気を失ったエィミーの無事を確認するとメイスンはほっと一息つきようやく腰を下ろすことができた。
「早う起きて一緒に帰るき……」
「……うーん」
 うっすらと目を開けるエィミー、そしてその瞳に映るのは大好きな義姉の姿……にっこりと微笑みながら起き上がり二人は勝利のハグをし生還を祝うのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月13日


挿絵イラスト