●
「今日も私は賞金に飢えている!」
キュピーン!
船上の女海賊、メリー・バーミリオンの瞳が、欲望に輝いた。
ぺらり、手配書の束をめくり、金額を確認していく。顔と名前はあんまり見てない。
「ふうん、また金額が上がってるじゃないか。ふひひ、こいつらを討てば賞金がっぽり……!」
「ヘイ、お頭!」
ちょっと人にはお見せ出来ない表情をこぼすメリーに、船員が行く手にあるものを示した。
島だ。
「島? 島なんかどうでもいい、それより賞金……いや、確かあそこは、機人の島だったな……」
楽しいイタズラを思いついた子どもの顔で、メリーが手を掲げた。
「よし、針路をあの島へと変更せよ! 島が危機に陥れば、必ず猟兵は現れる。賞金首が向こうから来てくれるって寸法さ!」
「なるほど!」
「さすがお頭!」
船員たちから絶賛を浴びたメリーは、意気揚々と機人の島へと海賊船を進めたのであった。
●
次々と、七大海嘯の本拠地や、その素性が明らかとなる中。
ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)が伝えたのは、猟兵を襲う脅威についてだった。
「このたびの戦争において、敵を討ち取ったものに賭けられる賞金……それを狙って、コンキスタドール『メリー・バーミリオン』が海に漕ぎ出したのでございます」
メリーは、島に危機が迫れば猟兵が現れることを逆手に取り、手近な島を手当たり次第に襲撃せんとしている。
ヴェルタールによってその動きを事前に察知したことにより、メリーの海賊船に直接テレポート。島に被害が出る前に、メリーを討伐してしまおうという作戦である。
金目当てのメリーは、特に、賞金首となった猟兵を狙う。
「捕らぬ狸の皮算用、と申します。賞金首を前にすると、メリーは浮足立ち、戦いへの集中を欠くようでございます」
また、まだ賞金首でない猟兵にとっては、メリー討伐は賞金首となるチャンスでもある。
「メリーがターゲットとしたのは、ウォーマシンが住む島のようでございます。これは、許せませんね……バキッ、とお仕置き願います」
同族としての怒りが、ヴェルタールの声から滲んでいたとか、いないとか。
七尾マサムネ
こちらは、戦争シナリオです。
1章のみで完結する特殊な依頼です。
●今回のプレイングボーナス条件
賞金首になっている事。
(もちろん、賞金首でなくても、ご参加大歓迎です)
それでは、皆様の参戦、お待ちしております!
第1章 ボス戦
『メリー・バーミリオン』
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POW : 野郎共、仕事の時間だ!
レベル×1体の【海賊船団員】を召喚する。[海賊船団員]は【したっぱ】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : お宝発見アイ〜伝説の海賊を添えて〜
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【大海賊の霊】が出現してそれを180秒封じる。
WIZ : 大逆転! 元の木阿弥大津波
自身の【サーベル】から、戦場の仲間が受けた【屈辱の数】に比例した威力と攻撃範囲の【津波】を放つ。
イラスト:和狸56
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「十六夜・巴」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ガラティア・ローレライ
え?あんた海賊なのに賞金首ですらないの?
というか海賊名乗ってるなら首で稼ぐよりメガリスとか財宝探しやりなさいよ浪漫がわかってないわねえ…。
まあ、一応同業だけどあいつコンキスタドールだしここで潰してついでにあいつのため込んでるお宝やメガリスも『略奪』していきましょうか!
とりあえず『演技』で『悪目立ち』しつつメリーと海賊共の注意を集めたら後はサウンドメガリスを利用した『大声』で『歌唱』した【ブラストボイス】でまとめて吹き飛ばしてやるわ!
あらかた吹き飛ばしたら武器に『覇気』を纏わせての『船上戦』で蹴散らしていくわよ
メリー・バーミリオンの海賊船へと、果敢に乗り込んできたガラティア・ローレライ(呪歌のローレライ・f26298)。
対するメリーが始めにした事は、ガラティアへの迎撃体勢を整えること……。
ではなかった。
「賞金8000G越え! 9000近い! 確かにそんな顔をしていると思った」
「そんな顔ってどんな顔よ」
賞金首一覧をチェックするメリーに、ガラティアは呆れからのツッコミを入れる。
「っていうかあんたこそ海賊なのに賞金首ですらないの?」
「うっ」
「海賊名乗ってるなら首で稼ぐよりメガリスとか財宝探しやりなさいよ浪漫がわかってないわねえ……」
「ううっ」
ガラティアから正論(?)を相次いでぶつけられ、たじろぐメリー。
一応ガラティア的には同業。金目のもの好きという共通点もあるが、メリーはコンキスタドール。
「ここで潰してついでにため込んでるお宝やメガリスも『略奪』していきましょうか!」
「そうはさせるか、飛んで火にいる夏の虫め!」
すっかりメリーの獲物として目を付けられたガラティアへと、海賊船員が襲い掛かった。
船長への信頼は厚いようで、猟兵であるガラティアへも、全く臆することなく攻撃を仕掛けてくる。
だが、肝心の戦闘力はというと……所詮、下っ端であった。
「うわー」
「やられたー」
サウンドメガリス……スタンドマイクを構えたガラティアの歌唱が、箱型スピーカーを通して増幅、船上の空気を叩いた。
歌声が巻き起こした衝撃波が、甲板を駆け抜け、船員たちを一瞬で蹴散らしていく。
口ほどにもなく白旗を上げ、退場していく船員たち。
「ふがいない! 全員でかかれ!」
「アイアイサー!」
メリーの叱咤を受け、船員の第二陣が、ガラティア征伐にかかる。
迎え撃つガラティアは、マイクをピュグマリオーン号の錨に持ち替えた。
力をこめて、振るう。錨の威力、そしてまとわれた覇気を受けて、船員たちは、またしてもなすすべなく。
「うわー」
「やられたー」
一矢報いることすら叶わず、瞬く間に吹き飛ばされ、次々海へと弾き落とされていくのであった。
「ぐ、ぐぬぬ……!」
「どう? これが8000G越えの実力よ」
錨を甲板に突き立て勝ち誇るガラティアに、メリーは悔し気な表情を見せるのだった。
成功
🔵🔵🔴
栗花落・澪
海賊といえば賞金だけど
調子に乗りすぎたね?
★靴に風魔法を宿して跳躍力と脚力強化
【ダンス】の要領で船上を兎のように跳ね回り
下っ端達を蹴り飛ばしたり跳び越え(ついでに足蹴にし)たり
【催眠術】を乗せた【歌唱】に合わせ
すれ違いざま下っ端達に笑顔の【誘惑】
正常な判断力を奪い気を引く事で全体の統率を乱す戦法
仲間割れでも起きたら楽なんだけど
メリーさんの技って範囲攻撃だよね
こんな場所で出したら船ごと濡れるけどいいのかな
UCの発動を誘導し
同時に自分は【高速詠唱】の植物魔法で★杖から伸ばした蔦の伸縮を用いて
マスト等にぶら下がり移動し回避
お返しに【指定UC】
濡れた戦場に雷魔法を落として感電させる【範囲攻撃】
男だよ?
メリー・バーミリオンの海賊船は、今まさに栗花落・澪(泡沫の花・f03165)の襲撃を受けていた。
「来たな猟兵、知っているぞお前の賞金額! ……って100000G越えッ!?」
手配書の額と澪を交互に見比べ、メリーはじゅるりと涎をこぼした。
「海賊といえば賞金だけど、調子に乗りすぎたね?」
「やかましい、海賊はお宝探しが生業さ、金目のものは逃さない!」
メリーの号令を受けて、船員たちが抜刀、抜銃。澪に切りかかる。
が。
「うわっ!?」
「ひえっ!?」
下っ端の体を踏み台……ステージにして。
靴に風魔法を宿して跳び回る澪に、翻弄される船員たち。
ダンスの如く船上の船上を跳ねる様子は、さながら兎のよう。
一般人に毛が生えた程度の戦力しかない下っ端たちだ。澪に蹴り飛ばされ、跳び箱にされ、挙句に足蹴にされて、一方的に撃退されていく。
「ふがいない! そいつを捕まえた奴には賞金の一割……いや、二割をボーナスにくれてやる!」
ざわっ。
メリーの言葉に、船員たちの目の色が変わる。100000Gの一割というだけで大したものだ。
だが、逸る欲望をなだめたのは、澪の歌だった。
「♪♪」
「そんな歌で……ううっ」
ずきゅーん。
澪の笑顔にハートを撃ち抜かれた船員たちが、その場に硬直する。
金と酒と女。あらくれな男性海賊たちの好物三点セット。多分。
そのうち二つも眼前にぶら下げられては、心も惑う。
「テメエ邪魔するな、あいつは俺の獲物だ」
「馬鹿ちげえよ! あの子は俺にウインクしてくれたんだ」
がやがや。
色んな欲望が船上で渦巻き、仲間割れが起こる。
「全く情けない連中だね!」
ぶわっ。
澪を、津波が襲った。メリーの反撃だ
「これは船員の分! これも船員の分だ!」
澪は、とっさに植物魔法を発動。
杖から伸びた蔦をマストに巻き付け、高所へと脱した。
かわした直後、メリーのサーベルから生まれた津波が船上を薙ぎ払った。
が、船はすっかりびしょぬれだ。大丈夫かな、と澪が心配になるくらい。
「これはお返しだよ」
きらりん。
澪は絢爛なドレス姿を披露すると、船上にズバーン、と雷を落とした。
すっかり濡れた船上を駆け抜け、メリーはもちろん船員たちも感電させたのであった。
「あと一応言っておくけど……男だよ?」
船員たちの悲鳴に、別の意味が加わった。
大成功
🔵🔵🔵
神代・セシル
お仕置き…ですか?うむうむ。
「メリーお姉さんは強そうで、私も戦いたくない…お姉さんは私の三つの願いを満足できれば、私を持ち帰ってもいいですよ。大丈夫です、とても簡単の願望です。誰も傷つかない…正にWinーWinです。」
一つは:
お姉さん達今までの冒険履歴教えてください…特に賞金狩りのお話、私凄く興味があります。
もう一つは:
海賊特色の料理を食べたいです。
最後:
お姉さんも疲れたと思います。そうですね…足踏みマッサージしてあげます。一度してみたいです。
軽くて優しくふみふみします。「気持ちいいですか?メリーお姉さん。」
こそこそとUCを発動。急に強く踏んで、脊椎を壊す。
アドリブ歓迎
「お頭! 見てください! この手配書の奴ですぜ」
「んん?」
海賊船に乗り込んできた神代・セシル(夜を日に継ぐ・f28562)の顔を見るなり、船員が指を差してきた。失礼な。
「確かに! 2万越えの賞金額、相手にとって不足なし! なさすぎ!」
じゃきん!
メリーから愛刀を突きつけられたセシルは……割と弱腰で応じた。
「メリーお姉さんは強そうで、私も戦いたくない……」
「物分かりがいいじゃないか。なら大人しく首を差し出しな、お嬢ちゃん」
「お姉さんは私の三つの願いを満足できれば、私を持ち帰ってもいいですよ」
セシルの申し出に、流石のメリーも話が早過ぎると思ったのだろう。
「……何か企んでいるんじゃないだろうね?」
「大丈夫です、とても簡単の願望です。誰も傷つかない……正にWinーWinです」
そしてセシルは、人差し指を立てた。
「一つは、お姉さん達今までの冒険履歴教えてください……特に賞金狩りのお話、私凄く興味があります」
「いいだろう」
メリーは語った。それはもう誇らしげに。
セシルからしても、話を盛りすぎているだろう、というくらいの艱難辛苦と無双の冒険譚であった。
「どうだ、満足したか?」
「はい。もう一つは、海賊特色の料理を食べたいです」
お安い御用だ、とメリーは指をパチン、と鳴らした。
すると船員たちが料理の歌とともに、鍋料理を仕立て上げた。
「これぞバーミリオン流オーシャン鍋! 存分に味わうがいい」
ぼこぼこ。
紫色をした汁が出された。タコやイカにしては禍々しすぎる足が突き出ている。
セシルが、おそるおそる口に具材を運んでみると……味は、意外と上々であった。
「出汁が美味しいです」
「幻の食材リュウグウノツカイモドキの出汁だ」
セシルの知らない出汁だった。
「最後に……お姉さんも疲れたと思います。そうですね……足踏みマッサージしてあげます。一度してみたいです」
セシルの申し出に、メリーは喜び、体を横たえた。
軽くて優しいふみふみ。
その間に、こっそりユーベルコードを発動……。
「気持ちいいですか? メリーお姉さん」
「ああ。2万Gのマッサージは最高だな……グギャッ!?」
不意打ちでセシルが3倍の力をこめたので。
メリーの脊椎がやられた。
大成功
🔵🔵🔵
ラハミーム・シャビィット
アドリブ大歓迎!
呼ばれて飛び出て… ジャーン!賞金首のラハミームデスヨ。
…アレ?反応が薄い… マァ、そんなに懸賞金の額も高く無いデスシ…
これはスベリましタネ。
行動
彼女のUC封じは厄介デスノデ、ボクは弱点が少なそうな《邪神達の福音》で対抗シマショウ。
UCで相手の行動を予測しつつ、ボク自慢の鋭爪で〈二回攻撃〉デス!
もし《邪神達の福音》が封じられた時は、〈第六感〉で代用出来ないか試してミマス。
このUCの弱点… ボクは思い付きませんガ、強いて言えば10秒以上先の未来は見えないくらいデスカネ?
それ以外にも弱点が有るのナラ、今後の為にも教えて欲しい所デスネ。
「呼ばれて飛び出て……ジャーン! 賞金首のラハミームデスヨ」
海賊船バーミリオン号に突如現れたラハミーム・シャビィット(黄金に光り輝く慈悲の彗星・f30964)に、メリーたち海賊の見せたリアクションは、というと。
「……アレ? 反応が薄い……」
思ってたのと違う。
「マァ、そんなに懸賞金の額も高く無いデスシ……これはスベリましタネ」
「そんなことはないぞ! 普通にびっくりしただけだ安心しろ賞金首!」
ラハミームの手配書を手にしながら、メリーは胸を張った。
ラハミームから見ても、この女海賊は変わり者の気配がした。
「さあ賞金首、3000G越えの首を寄越せ! たとえどんな力を使おうと私には通じないぞ」
じゃきん、とサーベルを抜いて、自信たっぷりに告げるメリー。
「確かにそのユーベルコード封じは厄介デスネ」
「お前達、出番だよ! 賞金は目の前だ!」
「アイアイサーっ!!」
メリーにけしかけられて、下っ端の船員たちが襲い掛かって来る。
が、ラハミームの体を、一太刀たりとて、かすめることすらできない。
邪神達の福音により、船員たちの挙動は、全て手に取るように理解できるのだ。
邪神たちの正気度を削るような声、そこだけはいかんともしがたいのであるが。
邪神たちの友好は、無論、メリーにも通用する。
「くっ、この私を、その辺の有象無象と一緒にしてもらっては困る!」
船員たちを押しのけ、ラハミームに切りかかるメリー。
披露されたのは、下っ端とは比べ物にならない、確かな剣技。
だが、その太刀筋が予測できていれば、ラハミームにかわす事は難しいコトではなかった。
「くそっ、弱点らしい弱点が見つからない……大人しく首を差し出せ!」
「残念ですが、そういうわけにはイキマセンネ」
焦りから、メリーのサーベルが大振りになる瞬間も、ラハミームにはお見通し。
あっさり斬撃をくぐり抜けると、自慢の鋭い爪を閃かせ、メリーの体を切り裂いた。
「くっ、つかみどころのない奴だね」
傷口を押さえ、悔し気なメリーに、ラハミームは、くいっ、と首をかしげて見せた。
「このユーベルコードの弱点……ボクも思い付きませんガ、強いて言えば10秒以上先の未来は見えないくらいデスカネ?」
「それをもっと早く言え!」
ラハミームに抗議したメリーの衣装は、すっかりボロボロであった。
成功
🔵🔵🔴
パルピ・ペルポル
今現在の賞金首ってかなり人数いるはずだけど。
それ全部覚えてるのは素直にすごいわねぇ。
まぁわたしは大した額じゃないけどそちらの懐の足しにされるつもりはないのよね。
船上に着くと同時に念動力で雨紡ぎの風糸を周囲に展開して、賞金首に気をとられてる隙にメリーを拘束するわ。手下の皆さんも。
穢れを知らぬ薔薇の蕾も使ってがっちり拘束したところでマストにぶら下げて、どこでも井戸端会議を使うわ。
いやー…今日もにぎやかねぇ…。
あ、サーベルは回収しておくわね。てか今津波起こしたら下手すれば船が木っ端微塵にならないかしら。
わたしはエプロンのポケットに徳用(巨大)折り紙で作った船も入れてるからなんとかなるけど。
海賊船に転移してきたパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)を見るなり、メリー・バーミリオンは、その賞金額を見事言い当ててみせた。
「へえ、今現在の賞金首ってかなり人数いるはずだけど。それ全部覚えてるのは素直にすごいわねぇ」
「私には賞金首の顔が賞金額に見えるのさ」
「ちょっと何言ってるのかわかんない」
豊かな胸を張って見せるメリーに、パルピはジト眼を浴びせた。
「わたしは大した額じゃないけど、そちらの懐の足しにされるつもりはないのよね」
メリーがパルピと相対した時から、既に戦いは始まっていた。
「その首もらうよ! さあ大人しく……って!?」
パルピにサーベルを突きつけたメリーの腕が、糸に絡み取られた。
突然の異変に、加勢しようとした船員たちも、すぐに同じ運命をたどる。
メリーたちが、すっかり賞金首……パルピに目がくらんでいる間に、雨紡ぎの糸を念動力で展開していたのだ。
「ついでにこれも」
穢れを知らぬ薔薇の蕾も使い、メリーたちの拘束を盤石にする。
「くっ、なんて早業!?」
並んでマストにぶら下げられ、身悶えするメリーたちの前に、突然妖精たちが現れた。
始めたのは……井戸端会議。
「~♪」
「!」
「☆」
なんか好き勝手に喋ってるが今回は割愛する(とめどもなくなるので)。
「いやー……今日もにぎやかねぇ……」
線目になって、井戸端会議を呑気に見守るパルピ。
一方、特に興味のない妖精トークを聞かせられていたメリーたちは。
「せめてもっと面白い話を……グググッ!?」
「何だかわかんねえけど、いてええええ!?」
突然、悲鳴を上げるメリーたち。いつの間にか、おしゃべり妖精のお友達の印が付けられている。
妖精たちがおしゃべりし続ける間、ダメージを喰らうという寸法だ。ずっと。
「くっ、こんな糸なんて自慢のサーベルで……って、無い!?」
「あ、サーベルは回収させてもらったわ」
当のサーベルの柄に座りながら、パルピがひらひらと手を振った。
「残念だったわね、これだけの屈辱だもの、さぞかし勢いのある津波が呼べたでしょうに。てか船の上で津波なんて起こしたら、下手すれば船ごと木っ端微塵にならないかしら」
ドリンクを用意して、観戦モードのパルピ。
妖精たちのおしゃべりと、メリーたちの悲鳴は、とめどもなく続くのであった。
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
POW 連携・アドリブ、OKデース!
了解であります! マシンの平和はサイボーグが守りマスヨー!
と意気込んでレッツゴー! デース!
ハーイ、バルタンデース! 本日のビックリドッキリメカはこちら!
「カモン、ビッグ・バルタン!」「BARUー!」
甲板の上で、ビッグ・バルタンを降臨させマース!
二人で一緒(サイズ違い)のファルシオンを抜きまして、大立ち回りと参りマース!
ビッグ・バルタンの大振りで薙ぎ払い、ワタシの大振りで近づく相手を切り伏せマース!
HAHAHA! 甲板掃除の時間デスネ! 速度を上げて、二人とも残像が出るくらい駆け回ると致しマショー!
「頼みましたよ……」
「了解であります! マシンの平和はサイボーグが守りマスヨー!」
見送るグリモア猟兵に意気込みを返して、レッツゴー!
バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が、敵船へと乗り込んだ。
「うあっ、また来た! 私にはわかる、その賞金額が5万Gに到達せんとしていると!」
もはやスキルの一つではないかというレベルで看破するメリー・バーミリオンに、バルタンは喜び勇んで答えた。
「ハーイ、バルタンデース! さっそくデスガ、本日のビックリドッキリメカはこちら! カモン、ビッグ・バルタン!」
何やら軽快なBGMが流れてきそうな勢いで、甲板に出現したのは、
「BARUー!」
降臨、ビッグ・バルタン!
オリジナル・バルタンの倍に匹敵する巨大機動兵器を前に、海賊たちがおののく。
「臆するな! あれは賞金だ!」
「「はっ!!」」
メリーの鼓舞に、船員たちはまんまと乗っかった。
「体の大きさは賞金の大きさだ! さあ行け、野郎ども!」
「アイアイサー!」
この船の何処にそんなに隠れていたのかというほど、海賊な船員たちが飛び出して、バルタンたちの首を狙う。
「HAHAHA! 甲板掃除の時間デスネ!」
サイズ違いのバルタンコンビは、一緒のファルシオン(これまたサイズ違い)を抜いて、敵軍に立ち向かった。
ぶおん!
甲板を吹きぬける、一陣の豪風。
「うあああああ!?」
ビック・バルタンの大振りが、船員たちを薙ぎ払った。
宙を舞った船員たちが、海へと落下していく。
当然、バルタン本人も負けてはいない。倒されても、雨後の筍の如く出現してくる海賊たちを、ばったばったと切り伏せる。
甲板上で繰り広げられる、大小バルタンの大立ち回り。
数だけならメリー側が圧倒的。しかし、それでも、個々の戦力ならバルタンズの方が上、しかも敵の目は金にくらんでいる。
「しっかりしろ! 金が欲しくはないのか」
「欲しいっす!」
「そうだろそうだろ! 私もそうだ! ならば死ぬ気で戦えーっ」
サーベルを抜き、バルタン目指して駆けだすメリー。
が、バルタンたちも、更に速度を上げて対抗だ。
通常バルタンはもちろん、ビッグ・バルタンさえも残像を生じさせるほどの速力で、船上の戦場を駆け回り、敵を圧倒したのである。
大成功
🔵🔵🔵
ティエル・ティエリエル
WIZで判定
島を襲ってボク達を誘い出そうだなんて許せないよね!
小さなボクに掛かった賞金額にボーナスステージとか思ってるみたいだけど……ふふーん、逆にメリーをやっつけて賞金額をあげちゃうぞー☆
「賞金稼ぎとか言ってるけど、賞金稼げたことあるのかな!かな!」と挑発しながらくるくると飛び回るね♪
襲いかかってくる津波を【お姫様ペネトレイト】で突き抜けてカウンターでメリーをぐさっと貫いちゃうぞ☆
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
メリー・バーミリオンの海賊船を先制攻撃したティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)は、お冠の様子だった。
「どこでもいいから島を襲ってボク達を誘い出そうだなんて許せないよ! 返り討ちにしてあげる!」
ぷんすか。
怒れるフェアリーに、メリーたちが向ける視線は、どこかあなどるようなものだった。
「こんな奴、賞金首にいたか?」
「さあ?」
「ちょっとー!?」
メリーと船員……副船長だろうか……が揃って首をかしげたのでティエルは更に抗議した。
「お頭、いましたコイツですぜ」
下っ端船員が、手配書の束を持ってくる。
「ああ、下の方か。チラ見しかしてなかったが、まあまあの額じゃないかい?」
「むっ」
メリーたちのぞんざいな扱いに、ティエルは、ふんっ、と腕組みして断固抗議の姿勢。
「小さなボクに掛かった賞金額にボーナスステージとか思ってるみたいだけど……ふふーん、逆にそっちをやっつけて賞金額を上げちゃうぞー☆」
「面白い! 賞金首ならどんな奴でも逃したとあっちゃ賞金稼ぎの名折れ! いくぞ野郎ども!」
「アイアイサー!」
最初のリアクションもどこへやら。メリーたちが意気揚々とティエル討伐に乗り出した。
「賞金稼ぎとか言ってるけど、賞金稼げたことあるのかな! かな!」
「何ぃっ!?」
くるくる。
挑発しながら船上を軽快に飛び回るティエルに、今度はメリーたちが怒る番だった。
「そんな下っ端さんたちじゃ、逆に返り討ちにされちゃったりしたんじゃないかな! かな!」
「し、失礼な、っす!」
「お頭、何か言い返して欲しいっす!」
泣きつく船員たち。
割と図星だったのかもしれない。
「うちの連中を侮辱されたとあっては赦しちゃおけない! 何倍にもして返してやるよ!」
じゃきん。
メリーが抜いたサーベルが、ティエルから受けた屈辱を刀身に蓄えて、津波として放った。
こいつは大波だ。フェアリーの体など、一瞬で押し流されてしまうだろう……だが!
「何!? この波を抜けたのかい!?」
メリーたちを驚嘆させたのは、お姫様オーラをまとって津波を抜けて来たティエル!
しかも、そのままの勢いに乗って、メリーをぐさりと貫いたのである。
「うわーお頭ー」
ティエルの後ろでは、巻き添えを食った海賊たちが波に流されていた。
成功
🔵🔵🔴
朱鷺透・小枝子
・約4万の賞金首です。
賞金首をおびき出す為に、島を襲う。
実際釣れているので有効な手立てではありますな…忌々しい。
スラスターで推力移動、船のマスト等を足場にジャンプし、
空中からバーミリオン目掛けて斬りかかります。
大人しく首を差し出せ!さもなければ!!
強引にでもその首叩き斬る!!
大人しく首を出す奴じゃないのは分かってる。『3番目の加速機』発動。
周囲の下っ端海賊にスラスターを生やし、バーミリオンへ発射。
バーミリオン本人ですと、対応してきそうなので、
下っ端海賊共を操り、複数人で斬りかからせます。
瞬間思考力、バーミリオンの隙をついて拳銃で雷の属性攻撃。
動きを止めた所に、首を狙い、切断、剣を振り下ろす。
敵船へと転移してきた朱鷺透・小枝子(亡国の戦塵・f29924)は、またたく間に海賊たちの包囲を受けることとなった。
「ほう、こいつはまたどでかい獲物が釣れたじゃないか!」
喜色満面、自分の作戦が見事的中したことに、メリー・バーミリオンはご満悦のようだ。
小枝子の手配書と本人を見比べ、メリーから笑顔がこぼれ出る。
「賞金首をおびき出す為に、島を襲う。実際釣れているので有効な手立てではありますな……忌々しい」
ぎり、とメリーを睨む小枝子に、海賊たちが一斉に切りかかった。
前方は曲刀に直刀、更には打撃武器。
そして後方からは、矢や銃弾が飛んでくる。
海賊たちの大歓迎に、小枝子は、装着したスラスターで推力移動。敵の弾雨を切り抜けて、船のマストを足場に、更に身を跳ばす。
「大人しく首を差し出せ! さもなければ!! 強引にでもその首叩き斬る!!」
「賞金首がよく吼える! 一言一句、余さず返してやろう!」
不敵な笑みで答えるメリーへと、小枝子は回避から一転、空中で身を翻して斬りかかった。
相手の答えを聞くまでも無く、大人しく首を出すような奴でないのは、小枝子も承知済み。
「翼をやろう、駆け抜けろ!」
小枝子がメガスラスターを召喚、装着した。
……ただし、自分ではなく、周囲の下っ端海賊たちに。
「ええっ!?」
突然強化された下っ端たちは、一瞬自分の身に起きた変化を理解できなかったようだが、
「やった、これで速く動ける!」
「敵に塩を贈るって奴っすね! 馬鹿め!」
途端に勢いを増し、小枝子に向かう……コトはできなかった。
「か、体の自由が!?」
「お前たちの敵は……そいつだ!」
小枝子の声が響くと同時、海賊たちが一斉に射出された。
メリーへ向けて。
「お前達、何を!?」
スラスターで加速し、自らを弾丸と化した海賊たちを喰らうメリーは、すっかり混乱していた。
「いや、体が勝手に!」
「お頭に恨みがあるわけじゃないっす!」
一方的に機動力を強化された下っ端達が、小枝子に操られ、メリーに次々切りかかる。
部下を操られては、さすがのメリーも迷い、戸惑う。その心の隙を、小枝子が突いた。
雷を帯びた弾丸が、メリーの動きを止めた。
そこに、小枝子の斬撃、首を狙った一撃が振り下ろされたのである。その一太刀は、まさに稲妻の如く。
大成功
🔵🔵🔵
クネウス・ウィギンシティ
※アドリブ&絡み歓迎
「海賊ですか、やらねば」
【POW】
●戦闘
賞金首になっていたようです。キャバリアに乗ったままエントリーします。
「海賊、海賊は何処だ」
SSW出身の宇宙市民にとって、海賊とは見過ごせない敵。(宇宙)船に襲撃を受ければ、後にあるのは死のみ。若干八つ当たり気味ですが戦闘を開始します。
UCを発動し移動力を半分に、攻撃回数を5倍に。
「GEAR:ARMED FORTRESS。脚部パイル打ち込み、肩部レールガン展開完了」
「全兵装、制限解除」
肩のレールガンとミサイル、腕のライフルとガトリング。周りは敵ばかりのようなので撃ち尽くす勢いで【弾幕】と【砲撃】を浴びせ攻撃します。
巨躯の鋼人……クロムキャバリアのメインカメラが、船上を見回す。
「海賊、海賊は何処だ」
クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は、グリモア猟兵に導かれた敵海賊船で、歓迎を受けていた。
と、言ってもそれは海賊流だ。無論、手荒いものである。
『アルゲス』に乗って着艦したクネウスへと浴びせられるのは、敵意と、欲にまみれた笑い。
「お次は、2万Gクラスの賞金首が来たかい! まんまと私の策にはまってくれたようだね」
メリーが言うように、いつの間にか賞金首になっていたし、誘い出されたのは間違いない。島の住民たちを人質に取られたようなものだ。
だが、スペースシップワールド出身の宇宙市民クネウスにとって、海賊と名の付く敵は見過ごせない。
そう、船……宇宙船に襲撃を受ければ、後にあるのは死のみなのだ……。
若干、グリードオーシャンへの八つ当たり気味な気もするが、クネウスは戦闘行動を開始した。
「GEAR:ARMED FORTRESS。脚部パイル打ち込み、肩部レールガン展開完了」
アルゲスの脚部からパイルが飛び出し、機体を甲板に固定。
固定砲台と化し、襲い来る海賊たちの迎撃に取りかかかった。
「動けない標的など格好の的。野郎ども、奴をあの機械人形から引きずり出せ!」
「アイサー!」
メリーのサーベルに従い、下っ端船員たちがクネウスに殺到する。
剣など近接武器に加え、銃など飛び道具も引っ張り出して、クネウスへと攻撃を浴びせかける。
メリーによって何処からともなく呼び出された援軍も加わり、敵の数は、対キャバリアとはいえ、過剰なレベル。
しかし、船のサイズまでもが変化したわけではない。
限られた空間に敵が密集しているのは、クネウスにとって、実に好都合と言えた。
「全兵装、制限解除」
クネウスのコマンドに、機体は忠実に従った。
肩部のレールガンとミサイル。
腕部のライフルとガトリング。
容赦も惜しみもなく解き放たれた射撃兵装が、船上に嵐を巻き起こした。
一騎当千、もはや一つの要塞の様相で展開される弾幕に呑みこまれ、海賊たちはなすすべなく、一掃されていくばかり。
「首を獲るのではなかったのですか?」
「ぐ、ぐう、こ、これからだ……」
爆音を破って響くクネウスの音声に、メリーは激しく歯噛みしたのであった。
大成功
🔵🔵🔵
司・千尋
連携、アドリブ可
わかる、わかるぜ
その気持ち!
一攫千金は浪漫だよな
…だからと言って負ける気はないけど
攻防は基本的に『翠色冷光』を使用
回避されても弾道をある程度操作して追尾させる
範囲内に敵が入ったら即発動
範囲外なら位置調整
近接や投擲等の武器も使い
範囲攻撃や2回攻撃など手数で補う
召喚された団員は早めに倒したいから最優先で狙う
数の暴力は厄介だからな
悪く思うなよ
敵の攻撃は細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
割れてもすぐ次を展開
オーラ防御も鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
回避や迎撃する時間を稼ぐ
間に合わない時は双睛を使用
あ、あっちに高額の賞金首が!等言って気をそらし攻撃
…今時こんな手に引っ掛かるとか
貴重だぜ
「賞金!」
「たんまり!」
メリーの海賊船へとやってきた司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)は、なぜか意気投合していた。
がしっ、とシェイクハンズ。
「わかる、わかるぜその気持ち! 一攫千金は浪漫だよな」
「わかってくれるかい! というわけで、その1万Gの首、いただくよ!」
握手で千尋の片手をホールドしたまま、サーベルが来た。
だが、千尋も、すかさず身を低くして回避。
「浪漫はわかるけど、負ける気なんてさらさらないからそのつもりで」
「そっちがそのつもりなら!」
弾き合うように、千尋と互いに距離を取ったメリーは、手数で勝負した。
動員される海賊船員たち。千尋を包囲し、逃走を封じる構え。
「海にさえ逃がしはしない! かかれ!」
メリーの号令一下、下っ端たちがそれぞれの武器を駆使して、千尋に襲い掛かる。
が、曲刀や斧が、惨劇を巻き起こす事はなかった。
下っ端たちを遮ったのは、千尋の光弾。この海の色とも違う、青の光弾だったのだ。
千尋の意のままに甲板上を駆け巡る光弾は、一度命中したくらいで満足したりはしない。2人3人と立て続けに船員たちを無力化していく。
「当たらなければどうってことない奴っす!」
下っ端にも意地がある。頑張って光弾の進路をかわし、威張り散らす。
だが、自在の霊光は、ぐるりとカーブを描いて下っ端の背中を撃った。
「やられた……っす」
「数の暴力は厄介だからな。悪く思うなよ」
狙い万全の千尋の光弾に、気を取られていたら命取り。
小太刀に短刀、鈍器まで。あらゆる武器を手足の如く、遠近両用の武技を披露し、召喚で追加された下っ端どもを始末していく千尋。
一方の海賊たちは、銃弾に弓矢、飛び道具で対抗する。
だが、味方の巻き添え上等な全方位攻撃でさえ、千尋をかすめる事すらできなかった。細分化し周囲に配置した鳥威が、全てを跳ね返してしまうのだ。
下っ端を突破し、千尋は、後方のメリーを見つけると、声を飛ばした。
「……あ、あっちに高額の賞金首が!」
「何!?」
メリーの視線が、千尋の示した方に向いた瞬間。
投擲された烏喙が、その首に突き立った。
「うっ、こいつは毒……!」
「……今時こんな手に引っ掛かるとか貴重だぜ」
どうやって賞金を稼いできたのやら。
千尋は、肩をすくめた。
大成功
🔵🔵🔵
ナイ・デス
ただ人を、世界を守ろうと頑張っていたら、気付けば凄い賞金に
この賞金狙って、島が襲われる、ですか……絶対、防がないと、ですね
【推力移動ダッシュ】まずは海へダイブ!
そしてサイキックキャバリア相当の「ダイウルゴス」召喚
どぼんと落ちて、お願いを
『文明守護竜』連続発動
大きく、強くなって怪獣のように、ざぱーんと姿をだして
主にこれで戦っていたし、巨体故の【存在感】もあって
賞金首とはっきりわかるでしょう
手配書ではサイズ、わからなかったでしょうけど
見下ろして【念動力オーラ防御】で、サイズ的に大砲も豆鉄砲と弾き
【継戦能力】もし傷ついても「聖なる光」がすぐ再生し
【エネルギー充填、レーザー射撃】船を、吹き飛ばします!
新たに船上の客人となったナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)の顔を凝視し、メリーは首を傾げた。
「賞金首……かい?」
「確かに手配書にこんな子はいないっすねえ」
メリーは、あからさまにやる気を失った。
「お前らに任せる。テキトーに始末しとけ」
「へい」
だが、下っ端たちに包囲されるより先に、ナイは海へのダイブを敢行した。
「何っ!?」
「自分から海の藻屑に!?」
海へと没していくナイを見送り、驚きの下っ端一同。
海の中のナイは、願いとともに、ダイウルゴスを呼び出した。
自ら竜身となったナイは、更に竜の因子を増幅させた。世界を、文明を守護する力として!
「ふああ、おい、始末はついたのか??」
甲板で昼寝でも始めそうになっていたメリーを、下っ端が揺さぶった。
「なに呑気なこと言ってるんすかお頭! アレ見て!」
水の柱を立ち上げ、海賊船の前に現れたのは、巨大なる竜だった。
「海獣だー!」
「馬鹿これを見ろ!」
復活したメリーが、手配書をばしん、と叩いた。
「約8万Gの大賞金首だ! さぞかし名のあるコンキスタドールを倒してきたんだろうねえ!」
『ただ人を、世界を守ろうと頑張っていたら、気付けば凄い賞金に』
一転、メリーの嬉々とした問いかけに、ナイは静かに首を横にふるのみ。巨大な、その首を。
「経緯と動機なんてどうでもいいのさ、賞金額こそ全て! かかれ野郎ども!」
メリーに呼ばれた下っ端の大軍勢が、ナイの迎撃にかかった。
「……って言っても」
大きい。
手配書では、賞金首のサイズまではわからない。
想像以上……というか、想像の埒外にあるダイウルゴスを前に、海賊たちは、見上げ、立ち尽くすしかなかった。
「賞金前にして立ち竦むなんて、賞金首の名折れ! さっさとかかれー!」
無茶な命令をとばし、自分から切りかかろうとするメリー。
船に備えられた大砲がようやく砲声を上げるが、ナイの巨躯の前では豆鉄砲。その 竜鱗には傷一つ付ける事さえ叶わない。
「ふがいない、ならやはり私が……なっ!?」
ロープを駆使してナイに飛び移ろうとするメリーを、光が照らした。
ナイが蓄積していたエネルギー、レーザーとして射出されたそれが、船ごとメリーたちを吹き飛ばしたのである。
大成功
🔵🔵🔵
シウム・ジョイグルミット
[POW]
そうかー、賞金首になってたんだねーボクは
でも首はあげないよ、美味しいものが食べられなくなっちゃうからねぇ
じゃあ早速、『Hungry Dumpty』召喚!
大きな口でガオーッて咆えて海賊達を脅かしちゃおう
したっぱくん達を怖がらせて【精神攻撃】って感じかな
食べられたくなかったら、キミ達のお頭ちゃんを差し出すのだー
差し出した時は、お頭ちゃんをダンプティで掴んでゆっくりチョコレートにしちゃおう
島で暴れようとしたお仕置きだよー
したっぱくん達が怯まずに向かってきたらダンプティの腕を振って、当たった子をどんどんクッキーの像に変えちゃおう
静かになったら、仲間とお菓子を分け合っておやつの時間にしようか!
「おっ!」
「えっ?」
メリーの海賊船へと襲撃を仕掛けたシウム・ジョイグルミット(風の吹くまま気の向くまま・f20781)を、メリーはにっこり笑顔で出迎えた。
「賞金首発見! その顔を見ればわかる!」
「えっ、あっ」
戸惑うシウムには構わず、メリーたち海賊たちは、とてもいい表情でずらりと料理の準備。
調理器具は剣に弓矢、食材はもちろん、シウム。
「そうかー、いつの間にか賞金首になってたんだねーボクは。でも首はあげないよ、美味しいものが食べられなくなっちゃうからねぇ」
「安心しな、お前の賞金で私たちがパーティだ!」
メリーの抜いたサーベルを旗印に、下っ端海賊たちが大挙して現れる。
戦力総動員、賞金首なら逃がしはしない、盤石の態勢だ。
「賞金ゲットだぜーっ!」
意気込みの海賊ボイスは、しかしすぐに、より大きな音で上書きされた。
ガオオオオオオッ!!
船上を、大音声が駆け抜けた。
シウムの呼んだ、巨大な口が放った咆哮だ。
「な、なんだこりゃあ」
「口に手足が生えた化けモンだ!」
グリードオーシャンには、普通に人知を超えた生き物がゴロゴロしているはず。
しかし下っ端が下っ端なのは、そういうものにまだ遭遇していないということでもある。遭遇してたら多分死んでる。
足ガクガク、すっかり恐怖に震えあがった下っ端海賊たちに、シウムは、取引を申し出た。
「どうだ、コワイだろー。食べられたくなかったら、キミ達のお頭ちゃんを差し出すのだー」
「えっ」
ちらり。
「……そんなことできるわけないっす!」
「お前ら、今の間は何だい!」
「多分差し出そうとした瞬間があったんじゃないかなー」
「そうだけど! 敵に説明されるとムカつくっす!」
「オイそうなのかお前ら?!」
船員と船長の間に亀裂が走った瞬間に、シウムは立ち会っていた。
とは言え、一度断ったからには後には引けない。シウムのダンプティも怖いが、メリーの視線も怖い。
「その首もらえば万事ハッピーっす!」
「しかたないなー」
シウムが言うと、ダンプティが腕を振った。
襲い掛かって来た下っ端に触れた途端、クッキーの像に変化した。
「ひえええ」
「美味しくいただかれるっす!」
徐々に静かになっていく甲板。全部済んだら、仲間と一緒におやつの時間。
何せ、お菓子の数には困らない。
大成功
🔵🔵🔵
フェルト・ユメノアール
うーん、どことなく馬鹿っぽい相手だけど油断は禁物だよね
無視して島に被害が出たら大変だし、ここは確実に倒しておくよ!
賞金首ならここにいるよ!
とメリーの前に姿を見せて戦闘開始
でも……誰が本物か、キミに分かるかな?現れろ!【SPドッペルシャドウ】!
さらに、ドッペルシャドウのユニット効果発動!<生体模写>!
シャッフル、シャッフル
大量のボクに紛れてメリーを攪乱、そのまま死角から接近して『トリックスター』で攻撃
一撃を加えたらまた集団の中に隠れるヒット&アウェイ戦法でいくよ!
相手に本物がバレた時は
大正解!なら、プレゼントをあげなくちゃね
と『ハートロッド』を顔に向けて放って視界を塞いだ隙に反撃する
「賞金首はここにもいるよ!」
「何っ!!」
じいっ。
フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)は、手荒い出迎えの用意にかかったメリー海賊団、そのリーダーの顔を見つめていた。
「うーん、どことなく馬鹿っぽい相手だけど油断は禁物だよね」
「人の顔を見て馬鹿とはなんだ! 失礼なっ!」
「そうっす、船長は金のことになると思考力が低下するだけっす!」
船員たちの援護射撃に、メリーは満足げであった。
「ぐふふ、5万G越え……大した賞金額だ、絶対私のものにしてやる!」
「凄いやる気だね。でも……誰が本物か、キミに分かるかな? 現れろ! 【SPドッペルシャドウ】!」
フェルトが、魔法のカードを場に出した瞬間、効果発動!
たくさんのフェルト……ドッペルシャドウが、船上を埋め尽くした。猟兵たちとの連戦で数を減らした船員たちより多いかもしれない。
「さらに、ドッペルシャドウのユニット効果発動! <生体模写>!」
「んん!?」
シャッフル、シャッフル!
大量の自身に紛れたフェルトに、下っ端海賊たちは攪乱される。
「どこだ」
「どこだ」
「野郎ども、本物を見つける一番簡単な方法を教えてやるよ。全部まとめて攻撃することさ!」
ぶうん、とサーベルを掲げたメリーを、『トリックスター』の一撃が襲った。
「いたっ!? 何処から!?」
すかさずカウンターを浴びせようとするメリーだが、フェルトの姿はなく、サーベルは虚空を薙いだだけ。
「こっち。こっちだよ」
「賞金!」
「違う違う、こっち」
「豪遊!」
ヒット&アウェイ戦法。
一撃ごとに集団に潜むフェルトを、メリーたちは捕まえることが出来す。
「くそっ、なんて屈辱! 何倍にもして返してやるっ!」
メリーの怒りが、サーベルの刀身を赤熱化させていく。
一転、放たれたのは大津波。
船上の味方はもちろん、フェルトのドッペルシャドウたちも押し流されていく。
「この水流からは逃れられまい! 私の勝ちだ!」
「ふっふっふ、そうかな?」
ぐさり。
背後から迫ったフェルトの妖しい笑みと共に、メリーが最期の一撃を食らった。
「賞金首……せっかくたくさん来てくれたのに……ちくしょう」
無念。
かくして賞金稼ぎメリーは、討ち取られたのであった。
賞金を1Gも得ることが出来ぬまま。
成功
🔵🔵🔴