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帝国戦艦迎撃指令⑤~根本的な解決にはなりませんよね?~

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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● 戦争だなんて、こんなの考えられない!
 全銀河をも超え、あらゆる世界の猟兵へとある情報が拡散していく。
 ――遺失技術の復活――
 銀河皇帝によって封印されていた『ワープドライブ』、これを手に入れた事により数多の宇宙船が銀河帝国へ対抗できるようになったのだ。
 猟兵達はスペースシップワールドにて全戦力を集め、解放軍としての狼煙を上げる事となった。

● 帝国にもありましたよ、解放軍とは比較できないほどの戦力がね。
「全面戦争か……覚悟はしていたが、時が来るとどうにも実感が沸かないものだよ。」
 場を和ませるためか、あるいは純粋な本心か。リリィ・オディビエント(パラディンナイト・f03512)は苦笑いを浮かべながら猟兵達へ声をかける。
「先日、世界を賑わせた『ヘロトドスの戦い』を覚えているか?猟兵の皆なら結末を知る者も多いだろう。」
 ヘロトドスの警備隊長、ミディア・スターゲイザー。彼女のユーベルコードによって蘇ったワープドライブ技術。これによってかつての解放軍のように銀河帝国に対抗する手段を得た、とリリィは語る。
「これにより虐げられてきた宇宙船の者達も、銀河帝国への反乱のため我らと共に戦う準備をしてくれているようだ。」
 解放軍として宇宙の皆を率いて戦うのもまた、全戦力の集結に必要不可欠だ。
「だが、銀河帝国のやつらも阿呆ではない。それを阻止すべく、各地のスペースシップへと戦艦をワープさせ襲撃しようとしているんだ。」
 それを阻止するのが今回の依頼なのだろう、話を聞く猟兵達の気が引き締まる。
「あなた達に乗り込んでもらった先、帝国軍の宇宙戦艦には恐るべきクローン兵士達がいるはず……なのだが。」
 決意を眼に秘めていたリリィは、そこで少し困ったような顔をする。
「帝国軍のとあるエリートを模したクローン故、戦闘力は本物だが……人格の方がな。いや戦争にそんなことは関係ないか、気にしないでくれ。」
 聞きたかった……。一体どんなクローン兵士達なのだろうか。猟兵達は困惑の表情を浮かべた。
「それに…巧みな精神攻撃かも知れないし……どうなんだろう……。ともかく!宇宙船へと乗り込んで多数のクローン兵士達を倒すのが目的だ!艦内は薄い霧で覆われているようだが、特に気にしないで構わない!」
 はぐらかすように、取り急ぎ説明を続ける。不安に襲われる猟兵達、POWで強引に突破するリリィ。
「クローン兵士の撃破後は、戦艦を破壊することになる。手段のないものはそのままミディア率いる宇宙船が拾ってくれるだろう。その後は、狙われていたスペースシップへと凱旋してくれ。」
 士気をあげる重要性は言わずもがなだろう、そんなことよりクローンについて。
「では、皆の無事と完勝を祈る。」
 ワープゲートが開かれた。


汚い忍者
 大きな戦いですね。

 初めましての方は、ドーモ。汚い忍者です。ご存知の方はまたよろしくお願いします。
 こういった場だからこそ、いつも通りで励んでいきたいと思います。

 戦争ではありますが、やることは一つ、戦闘だけです。(戦艦の破壊や凱旋などはおまけ程度らしいです)
 猟兵らしい、楽しいプレイングをお待ちしております。

 また、敵についてですが、大量にいるだけの集団敵です。
 ですが、なにやら煩く非常に耳障りな口撃をしてくるかもしれません。
 強い正義の心とかでぶっ飛ばしてあげてください。

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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第1章 集団戦 『クローン騎兵』

POW   :    ジェノサイダー
【自身の寿命】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【ジェノサイドモード】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    インペリアル・インテリジェンス
【銀河帝国式戦術ドローン】を召喚し、自身を操らせる事で戦闘力が向上する。
WIZ   :    ブラスターレイン
【熱線銃(ブラスター)】を向けた対象に、【連続射撃】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


● 不意打ちなんて許される事じゃない…!
 艦内には薄い霧。ただそれだけならば視界の妨害にすらならないが、このモヤを有効活用する猟兵が一人。
 九重・十右衛門(シノビ・サイボーグ・f05916)はその称号に恥じぬ忍び足、気配すらも消して艦内を移動していた。
「クローン、か。下らんのう。」
 彼は、同じ機械の体を持つサイボーグであるが唾棄するように敵の存在を否定する。どれだけ精巧な複製だろうと、『技』は完全に継承できない。劣化品に過ぎないのだ。
「とはいえ、数の脅威はバカにはできんからの。」
 十右衛門は戦艦内の一つの部屋を発見する。開いた扉の奥から、声が聞こえる。機械的な音声は話に聞いていたクローン兵士のそれだろう。気配を絶って耳を傾ける。
「こんな所を攻めたところで、根本的な解決にならないんじゃないか?」
「嫌なら艦を下りてくれ!俺は反乱分子扱いなんて御免だ。こんなくそったれな職場で目立つ気はないんだ。」
「もうすぐ到着だっていうのに、緊張がなさすぎる、こんなのが同僚だなんて信じられない……。」
 なぜこいつらはクローン同士で言い合いをしているのだろうか。とかく、三体のクローン兵士、微々たる数だが手始めにはもってこいだ。
 十右衛門は一体の兵士の背後を取り、一瞬で殺気と力を解放する。至近距離にいた兵士は気づき反射的に銃を手に取る。
「ほう、優秀なのは本当じゃったか。」
 だが。気づけたまでだ。刹那の内に十右衛門の剛腕が敵の首を180度回転させる。
「侵入者!?この距離まで気づかないなんて何をやっているんだ!!」
「何だっていい!奴を倒せば関係ない!」
 言い合いをするクローンたちは、遅々たる動きで銃を構える。熱戦銃は音もなく光の速さで高熱のレーザーを放つ。
「五月蠅くて何を言われても聞こえんわ。もうちっと冷静に喋れい。」
 だが、どれだけ早かろうが、銃を扱う動きが緩慢すぎる。銃口を向ける頃には十右衛門の姿はない。
 ―――【観の目】。UCを用いた攻撃の予測は、既に相手の思考すら上回って、背後まで迫りよる。
「お前さんらは、喋らせない方がよさそうじゃな。」
 耳障り、そう言葉ではなく拳に乗せ、衝撃波がクローン兵士たちを襲う。悲鳴をあげるまでもなく壁にぶつかり、直後には。
「ひっ!」
 怪力の拳が、肉体を貫通して壁ごと大きく粉砕する。残すは一人。
「おい!誰か助けはこないのか!?
「黙っておれ。凡骨が百居ようが変わらん。」
 最後の一体を叩き潰し、手を払う。相手もまた機械なのが幸いか、その手が汚れることはなかった。
 音が響いたのか、何事かと兵士たちが駆け付ける音が聞こえる。
 ―――行幸。手柄が増えるだけだと十右衛門はようやく温まってきた体を震わせた。
九重・十右衛門
【SPD】

「取り合えず喋らせない方がよさそうじゃな」
【神隠し】を発動し姿を消し、【忍び足】で存在を悟られぬように敵を【暗殺】していく。自身の存在がバレたら【衝撃波】による【範囲攻撃】を行い【観の目】を発動する。UCの効果によって攻撃を避けながら【グラップル】と【怪力】で他のクローン騎兵に向かって敵を殴り飛ばす。
「五月蠅くて何を言われてもこれは聞こえんのう」



● 不意打ちなんて許される事じゃない…!
 艦内には薄い霧。ただそれだけならば視界の妨害にすらならないが、このモヤを有効活用する猟兵が一人。
 九重・十右衛門(シノビ・サイボーグ・f05916)はその称号に恥じぬ忍び足、気配すらも消して艦内を移動していた。
「くろーん、か。下らんのう。」
 彼は、同じ機械の体を持つサイボーグであるが唾棄するように敵の存在を否定する。
 どれだけ精巧な複製だろうと、『技』は完全に継承できない。劣化品に過ぎないのだ。
「とはいえ、数の脅威はバカにはできんからの。」
 十右衛門は、戦艦内の一つの部屋を発見する。開いた扉の奥から、声が聞こえる。機械的な音声は、話に聞いていたクローン兵士のそれだろう。気配を絶って耳を傾ける。
「こんな所を攻めたところで、根本的な解決にならないんじゃないか?」
「嫌なら艦を下りてくれ!俺は反乱分子扱いなんて御免だ。こんなくそったれな職場で目立つ気はないんだ。」
「もうすぐ到着だっていうのに、緊張がなさすぎる、こんなのが同僚だなんて信じられない……。」
 なぜこいつらはクローン同士で言い合いをしているのだろうか。とかく、三体のクローン兵士、微々たる数だが手始めにはもってこいだ。
 十右衛門は一体の兵士の背後を取り、一瞬で殺気と力を解放する。至近距離にいた兵士は気づき反射的に銃を手に取る。
「ほう、優秀なのは本当じゃったか。」
 だが。気づけたまでだ。刹那の内に十右衛門の剛腕が敵の首を180度回転させる。
「侵入者!?この距離まで気づかないなんて何をやっているんだ!!」
「何だっていい!奴を倒せば関係ない!」
 言い合いをするクローンたちは、遅々たる動きで銃を構える。熱戦銃は音もなく光の速さで高熱のレーザーを放つ。
「五月蠅くて何を言われても聞こえんわ。もうちっと冷静に喋れい。」
 だが、どれだけ早かろうが、銃を扱う動きが緩慢すぎる。銃口を向ける頃には十右衛門の姿はない。
 ―――【観の目】。UCを用いた攻撃の予測は、既に相手の思考すら上回って、背後まで迫りよる。
「お前さんらは、喋らせない方がよさそうじゃな。」
 耳障り、そう言葉ではなく拳に乗せ、衝撃波がクローン兵士たちを襲う。悲鳴をあげるまでもなく壁にぶつかり、直後には。
「ひっ!」
 怪力の拳が、肉体を貫通して壁ごと大きく粉砕する。残すは一人。
「おい!誰か助けはこないのか!?
「黙っておれ。凡骨が百居ようが変わらん。」
 最後の一体を叩き潰し、手を払う。相手もまた機械なのが幸いか、その手が汚れることはなかった。
 音が響いたのか、何事かと兵士たちが駆け付ける音が聞こえる。
 ―――行幸。手柄が増えるだけだと十右衛門はようやく温まってきた体を震わせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒川・闇慈
「やれやれ……またお決まりのクローン騎兵ですか。帝国と猟兵でここまで戦力への意識に差があるとは思いませんでしたよ」

【行動】
wizで対抗します。
呪詛、全力魔法、高速詠唱の技能を活用してユーベルコードを使用します。がしゃどくろを召喚して戦うとしましょう。
孤立しているクローン騎兵は呪爪で、集団で固まっているクローン騎兵には呪力砲撃で攻撃しましょうか。がしゃどくろにガチガチ歯を鳴らさせて威嚇すれば、がしゃどくろに注意を向けさせやすくなりますかねえ。

「クックック……クローン騎兵の皆さん、楽しい戦場でしたか?」

【連携・組み合わせ・アドリブ歓迎】


ラン・ムラノミヤ
精神攻撃、とやらはよく分かりませんが
とにもかくにも雑兵を蹴散らせばよいのでしょう?
ランちゃんが修行の成果、見せてあげましょうかね
我が力とは弱者を虐げる者に抗う為の術也、です
いざ、参りましょうか

二重影唱、黒神鬼!呼び出でたるは我紗髑髏!
影の骸骨(上半身のみ、腕と体合わせて数十尺)を後方に呼び出します
私は肋骨の中に入って操作を。攻撃を防ぐ盾代わりにもなりますしね
薙ぎ払い、叩き潰します。我が秘術、そう簡単に破れるとは思わないことですね

おやおや、その程度ですか?帝国の戦士様が聞いて呆れますね
挑発に乗って集まってきたなら、髑髏の口に溜めておいた符から、熱線を照射しましょう
一発限りの奥の手、というやつです



● 阿吽の呼吸
 一方。複数の猟兵たちを迎えたのは、大量のクローン兵士。侵略のために用意された軍隊だ、更にそこへ。
 【インペリアル・インテリジェンス】、戦術ドローンに操られることにより、クローン達は更なる力を得た。
「操る人がいれば俺だって強くなりますよ!!」
「帝国に抵抗するだって…?考えられない!!」」
「ちょっと興奮した人がいても暴徒鎮圧は防衛隊時代の任務で慣れてます!!」
 地獄絵図だった。会話のサヨナラ満塁デッドボールだ。
「やれやれ……またお決まりのクローン騎兵ですか。帝国と猟兵でここまで戦力への意識に差があるとは思いませんでしたよ。」
 そう嘆くようにつぶやいたのは黒川・闇慈(魔術の探求者・f00672)。
 彼は騒めくクローン達より先んじて高速詠唱によるユーベルコードを発動する。
 【集積怨霊使役術式・Gスカル】、集うは死霊、密集したソレは髑髏を象る。悍ましい爪や巨大な口、がしゃどくろと呼ばれる妖怪に似た姿を象り、クローン兵士たちに襲いかかる。
「『怨敵呪殺、皆敵鏖殺、急急如律令』――――叩き潰しなさい。」
 怒号が響く中、骨をかき鳴らす音が響いた。

 それを見ていたラン・ムラノミヤ(未知多き道の渡り人・f08127)は額に嫌な汗をかく。彼女のUCもまた、既に準備は完了していて、後は発動するだけなのだが……
「……ランちゃんまさかの二番煎じだったんですけど。これは真似っこ等ではなく、意見の一致。すなわちこの場において正しい選択なのでは?
 いやそもそもそんな事は重要な事じゃありません。勝てばいいんですよ勝てば!黒神鬼・我紗髑髏!」
 ―――【黒神鬼・妖招来】。呼び出した妖怪は、巨大な影の骸骨の上半身。ランは内部に入ることで巨大な"ろぼっと"かのように操る。彼女にそれを言えば、そんな"えすえふ"なものと一緒にしないでください、などと言われるやもしれない。
「おや……これは奇遇ですね。」
「えぇそうです、奇遇の偶然なんですよ。ランちゃんだって使おうと思っていたんですからねっ」
 奇しくもがしゃどくろというモチーフを持つことに、親近感と頼もしさを感じながら、二体の巨大な髑髏が戦場をかき乱す。
 闇慈の髑髏がその呪爪を振るい、ランの髑髏が上半身のみ故の巨大な腕で薙ぎ払う。
「帝国にも居ましたよ……解放軍よりも巨大ながしゃどk」
「いや、妖怪とは絶対無縁でしょあなた達。」
 プチッ。無情なツッコミで叩き潰す。話を聞く必要もない。
 だが、兵士の数は無駄に多く、撃ってくる銃の被害もバカにはならない。
 持久戦になる前に、ランは一手"策"を放った。
「おやおや、その程度ですか?帝国の"えりーと"が聞いて呆れますねー!」
 鼻で笑うラン。ちょっとわざとらしいほどの大声で挑発する。
「くそ、帝国軍には性格の悪いやつしかいないのか!?人の心はないのか!!」
「くっ…!落ち着け!あんな安っぽい挑発に乗るな!」
「うおおおおおおっ!」
 大成功だった。ちょっとドン引くレベルで。防御や退避も忘れて一塊となった集団が銃を乱射してくる。
「えぇ……いくらなんでも効きすぎやろ……。」
「…ランさん、ですかね?私は黒川・闇慈です。―――見事な話術でしたね。このまま一網打尽にするとしましょう。」
 ランはツッコミを入れたい衝動にかられたが、闇慈の言葉でクールダウンする。えぇ、そうしましょうと返事をし、巨大な髑髏が並び、その口を大きく開ける。
「…決め技まで一緒とは、もはや奇縁ですね。ランちゃん、妖怪の縁とかちょっとご遠慮したいですが、ひとまずいいでしょう。」
 倒せればそれでいい、ランは再度その認識を強く頷いてとっておきの奥の手を切る。
 がしゃどくろ達の開いた口に、巨大な力の渦が溜まっている。呪力の砲撃と、符による熱線が交じり合う。黒と赤の輝きが戦場に美しさすら感じる爆発を巻き起こした。
「クックック……クローン騎兵の皆さん、楽しい戦場でしたか?」
 闇慈の言葉は呪いのように、静まり返ったクローン兵士たちへと突き刺さった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

遠呂智・景明
アドリブ、他者との連携絡み歓迎

ごちゃごちゃとうるせぇんだよ死ね。

まとわりつく霧を振り払いつつ耳障りな敵の声をかき消すように【風林火陰山雷 雷霆の如く】を発動。
精霊たちを召喚し敵集団に向かって雷撃を放つ。何となく腹が立つしその声を聞いてたくねぇ。

雷撃で敵を切り裂いたら追撃。【見切り】【残像】で敵の攻撃を掻い潜りつつ腰の二本の刀で【2回攻撃】!斬撃で敵を1人でも多く切り伏せるぜ。

出来るだけ冷静に務める。そう、イライラはしねぇ……!

敵の集団をぶっ潰したら最後は戦艦自体を黙らせるぞ。斬撃を伴った電撃で機械系統をぶっ壊す!

他の猟兵たちとも協力してく。


ヴァリアブル・タイプオメガ
エリートを模したクローン兵、船内が謎の霧に覆われている事とか気になることはたくさんあるけど……そんな事はいいよ、重要な事じゃないね!
今はとにかく大量にいるクローン兵をなんとかするのが先……なんだけど、
それじゃあ根本的な解決にならないと高性能なボクは気づいてるのさ!
そこで、ボクの装備している超高度コンピューター内蔵の電脳ゴーグルを使って、船のシステムにハッキング、全体の戦況そのものを有利にするんだよ!
護衛としてエレクトロレギオンも展開して迎撃も万全、集中してハッキングに取り組めるようにするよ!



● 戦艦を巡るウィルス
 大広場での乱戦が起こっている最中、艦内を駆けまわる影が一つ。遠呂智・景明(さむらいおろち・f00220)は刀の柄に手を添えながら走る。視界の先にはクローン兵士たちが恐々と叫ぶ姿が見えた。
「そっちに行ったって言ってるだろ!俺の話を聞いてくれよ!!」
「侵入者一人も捕まえられないだって!?この先に通すわけにはいかないんだ!」
「見せてやりますよ。俺の腕が帝国一だっていうことをね!」
 ―――ごちゃごちゃとうるせぇな……
「死ね。」
 風の如く駆け抜け、通路で擦れ違ったクローン兵士達が一刀の元に斬り伏せられる。一体、二体、三体、残像を残して瞬く間に刀の軌跡だけが残る。ようやく静かになったと一息つき丁度止まった部屋に視線を向け。
「おん?なんじゃこりゃぁ。」
 景明は何やら不可解なものを発見する。

「エリートを模したクローン兵、船内が謎の霧に覆われている事とか気になることはたくさんあるけど……そんな事はいいよ、重要な事じゃないね!」
 そう一人呟くのはヴァリアブル・タイプオメガ(変幻自在の仮想人格・f00247)。彼女は論理的かつ高性能な推測を積み重ねていく。
「今はとにかくクローン兵をなんとかするのが先…なんだけど、それじゃあ根本的な解決にならないと高性能なボクは気づいてるのさ!」
 そこで活用できるのが、彼女の持つ電脳ゴーグル。これにより船のシステムへハッキング、全体の戦況を有利にするという作戦さ!
「ヴァリアヴル.EXE トランスミッション!」
 謎の掛け声と共に、接続するための機械系統を探しにいく。そしてようやく見つけた重要そうな戦艦の機関を発見する!あっさり見つけるなんて凄い高性能!
「ハッキングGO!!」
 ぱぱっと駆け寄り、ゴーグルから伸びるプラグをコンピューターにぶっ刺して、ヴァリアブルウィルス(特製デフォルメヴァリアちゃん)がコーセイノウ!と鳴き声を叫びながらコンピューター内へ侵入していく。そうしてバチッ!という大きな音が響く。
「――――ばちっ?」
 そこでようやくヴァリアブルは気づく。同じ室内に別の気配があることを、咄嗟にUCを発動しようとして気づく。敵ではない、同じ猟兵だ。そしてその姿に見覚えすらあった。
「……あれ、遠呂智さん!」
「おおう、ヴァリアじゃねーか。」
 奇縁。奇しくも知り合いの猟兵である二人が狭い空間で出会う。ヴァリアブルは、危険のなかった道中は景明のおかげと気づき納得する。
「やぁ奇遇だね!高性能のボクより先に来てるなんてやるじゃん。でも、ここからはボクの仕事だよ!こんな巨大戦艦をハッキング出来るなんてボクぐらいさ!」
「えっ。」
「えっ?」
 素っ頓狂な反応をする景明にヴァリアブルは首をかしげる。
「……の、乗っ取る気だったんか。」
 景明の声は気まずそうで、宙へ視線を逸らしている。高性能なヴァリアブルは咄嗟にその反対側、すなわち景明の手元を見る。
「…………えー!?」
 戦艦の巨大コンピューター機器、めちゃくちゃぶっ壊していた。ばっちばち言っている。
「戦艦自体を黙らせるためにな、こう……雷撃で叩き壊しちまったんだが。」
「さっきのバチッてそれー!? あー!通りでヴァリアブルウィルス途中で途切れてるー!?」
 悲しい擦れ違い、互いの高度な作戦が複雑に絡み合ってしまったのだ!ぎゃーぎゃーと喚くヴァリアブルと、宥める景明。二人の耳に、大量の足音が届く。
「……ねぇ、これって。」
「おう、冷静に考えりゃ放っておかれるわけがないよな。」
 即座に切り替えた二人は同じ方向を向く、各々の武器を構えながらUCを発動する。
「陣形展開!【エレクトロレギオン】!!」
「今度は壊して構わねぇよな!?雷霆の斬れ味受けてみな!」
 ヴァリアブルは機械兵器を呼び出し、高性能な陣形を組み備える。そして、迫りくる敵に対して先手必勝を放つ景明。
 【風林火陰山雷 雷霆の如く】、精霊術が曲がり角から現れた機兵たちを雷の斬撃で飲み込む。
「ぐわー!」「やはり敵がいるじゃないか!すぐに飛びだすのは危険だと言ったのに人の話を聞かn」
「おっと残念、俺の刃は二連撃だ。」
 奥から現れた兵士たちへ追撃の雷撃が突き刺さる。奥の壁には十字の跡が刻まれる。
「あばー!」
「‥‥…エリートならもうちょっと警戒するとかしないの?やっぱクローンは駄目だね!」
 残党をヴァリアブルの小型兵器が次々と処理していく。瞬く間に駆けつけたクローン兵士たちは殲滅された。
「……しゃらくせぇ。小細工は止めにすっか。」
「そうだね。思ったより手ごわくもないし、まっ!高性能なボクならどんな作戦でもこなしちゃうよ!」
「そんじゃ、手間かけちまう代わりに護衛でもさせてもらうとするかな。」
 気を取り直し、二つに増えた影が戦艦内を駆け巡っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

竹城・落葉
 成程、クローンを倒せば良いのだな?幾ら英雄のクローンを作ったとしても、所詮クローンはクローンだ。誰かを模した存在ではなく自分自身になれない輩に、我を倒す事はできぬ!
 我は名物竹城を手に『支柱一閃』で切り伏せていく。もし敵の数が多いなら、【早業】と【2回攻撃】で手際よく切り伏せ、夜叉の如く突撃していくぞ。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で戦うぞ。我は元武将、この剣(バールのようなもの)捌きを受けて見よ!
 もし耳障りな事を言われたとしても、なるべく気にしないでおこう。それに毒されぬよう、元武将の気迫を出して、その小細工をはねのけるぞ!


高野・エドワード
人格の方が…?な、なんだろう。なんだか不穏な感じだね…。
けれどまぁ、僕らがやるべきことは一つ。クローン騎兵達を倒すことのみ!それに何を言われようが…愛さえあれば受け止め、包み込むことができる筈さ(多分)愛の力を舐めて貰っちゃあ困るね♪

宇宙船の中ではあるけれど、空中戦で挑むよ。この翼は飾りじゃないのさ!【飛翔】を飛行の補助に使いつつ、攻撃がきたら見切り、なるべく躱す。
避けきれないものはオーラ防御で軽減を試みたいな。

共に戦う決意をしてくれた宇宙船の皆も、大切な友人たちの故郷であるスペースシップワールドも…絶対に奪わせやしない。
攻撃には全力魔法、高速詠唱で【瑠璃花弁の嵐】を使用するよ。

なんでもOK♪


ヴィクティム・ウィンターミュート
さーて、愉快で素敵でクソッタレな大戦争の時間だ。平和を享受してる時にめんどくせーことしやがって…まとめてフラットラインにしてやらなきゃ気が済まねえな。

【ダッシュ】で駆け抜けながら範囲攻撃で脳やコア部分を吹っ飛ばしまくる。ちょいと賭けでもあるが、【ハッキング】と【メカニック】で奴らの装備品を【破壊工作】でショートさせられねえかな。壊しちまうのが一番だが、使用に支障が出れば儲けだ。手数を奪えば戦いやすくはなってくれんだろ。攻撃は【早業】と【見切り】できっちり回避してやるぜ。

人格に問題ィ?ンなもん殺しちまえば関係ねえだろ。どいつもこいつも心配しすぎだっつーの…(フラグ)


仇死原・アンナ
解放軍の為にもこの世界の為にも
帝国軍の有象無象を蹴散らせばいいのね…
ならば猟兵には容易いこと…!

他の同行者と共闘する

[なぎ払い]、[2回攻撃]、[鎧砕き]、[串刺し]を駆使して
鉄塊剣と妖刀を振るって敵陣を突破して敵群を蹴散らすつもり

さらに拷問具を解き放って[マヒ攻撃]、[傷口をえぐる]、[鎧無視攻撃]を駆使して敵を妨害しつつ傷めつける

敵からの攻撃は[武器受け]、[見切り]、[オーラ防御]、[残像]で
防御、回避予定
隙あれば[カウンター]を狙ってみる

「ここが貴様らの処刑場だ…このワタシが貴様らを屠り、地獄への引導を渡してやる!」

アドリブ・絡み等OKです



● 暴論の暴力。
「しかし、数が多いな。」
 一閃。刀が滑るように兵士の首を寸断し機械の断面が露わになる。竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)は一息つく。
「何体居ようと一緒。クローンなんて有象無象、蹴散らせばいいだけ。」
 息をついた瞬間に現れた兵士たちを、仇死原・アンナ(炎獄の執行人・f09978)はその大剣で一閃の元に薙ぎ払い、壁に叩きつける。関節部から巻き上がる地獄の炎が加速を終えて鎮火する。
「そうですね。ただ数だけを増やして……自分自身を持たない相手に、負ける通りはありません。」
 仲間の存在に、落葉は心をクールダウンさせる。
 相手は多数、何らかの精神的攻撃をするならば、単独での行動は避け、猟兵の仲間たちと協力する――
 その判断は間違ってはいないと自分自身で改めて思う。
 だが、その考えを覆すかのように、次に辿り着いた大部屋で悪意が待ち受ける。

「こんな虐殺をするなんて、解放軍に人の心はないのか!?」
「俺達を倒せば当面は凌げるでしょうけど、根本的な解決にはなりませんよね?」
「解放軍にはこんなやつらしかいないのか……こんなんじゃ、平和が訪れるわけがない。」
 部屋に入る、見渡す限りのクローン達。
 殲滅しようとする猟兵達にそんな言葉が投げられる。
 どの口が言うのか、と言い返したくもなるが、声量、数が違う。反論する隙間のないほどの言葉の波が畳みかける。
「気にしないように心がけていたけれど……さすがに耳障りだな。」
 落葉の口調が変化し、無表情の顔に隠し切れない怒気を孕ませる。
「自身を正しいと疑わない愚かさ、ワタシが」
 アンナもまた、淡々とした様子から怒りを感じさせる。
 だが、それは同時に冷静さを奪われていることに変わりはなく―――。
 敵の集団に跳び込もうとする二人、直前、兵士たちの言葉が不意に止まる。
 怒りを一瞬忘れ、不審そうにそれを眺める。すると、頭上からは花弁のような何かが降り注いできた。

● 愛ゆえに。ただ策を練る。
「まずはよ、その喧しい口を閉じるとこからだ。てめぇらは喧しすぎるぜ。」
「それ、僕に抱えてもらっている状態だとあんまり格好つかないよ?」
 空中、翼を生やした一人の青年に、抱きかかえられているのもこれもまた青年。結構な絵面だった。
 とかく、真っ先に言葉を紡ぎ存在感を出したのはヴィクティム・ウィンターミュート(ストリートランナー・f01172)。
 彼の手にはスマホが一台。そこからは非現実的な電子の花弁が舞い散っている。それが兵士たちに影響を及ぼしているのだろう。
「完全な機能停止は時間かかるから、とりあえず発声機能あたりショートさせてやったぜ。多分それが一番効果的だろうからな……つーかそろそろ降ろしてくんね?」
「おっと、勘違いしないでくれよ?僕の愛は平等なだけさ。今は黙ってしまった彼らだってそう、何を言われても愛さえあれば受け止められるからね!」
 ヴィクティムを抱きかかえる青年の名は高野・エドワード(愛のガチ勢・f00193)。
 彼は高らかに決意を謳いながら、高速で全力のUCを奏でる。【瑠璃花弁の嵐】、空から無数の花弁を降らせる。花弁に触れた兵士たちがズタズタに引き裂かれている。愛にあふれる攻撃だった。愛ってなんだろう。
「そう君にも愛が溢れているじゃないか、ほら、一面に広がる綺麗な花畑―――まさしく愛よね?」
「能力は買ったが、性格までは考慮外だったな……次からはそっちも気を付けるとしよう。うん。」
 離してもらえずヴィクティムは仕方がないと切り替える。自身の役目に徹すればいい、必要なのは本当の意味での言葉だ。眼下で武器を携えた二人の女性に言葉を投げかける。
「今やってんのは結局、勝ち負けだけが全ての愉快で素敵なクソッタレな戦争だ!ただひたすら武器振ってりゃいい!!小難しいことは俺みたいなのに任せとけよ。」
 勝てばいい。よくも悪くもシンプルだ、
 戦争に、正論や結果なき言葉は不要。
「私…いえ―――我も少し深く考えすぎていたな。」
 言葉を聞いた落葉は自身への嘆息を一瞬だけ吐き出し、次の瞬間には鋭い眼光と共に気迫が迸る。
 その力強さに違わぬ動きで、声を失った兵士たちの中へ飛び込む。
「【支柱一閃】……貴様らには過ぎた技だ。」
 飛び込んだ頃には、既に周囲の敵は無残な姿だけが残されていた。
「我が剣『名物竹城』に斬れぬものはなし。」
 煌めく剣、それはバールのようなものだったが、剣らしい。有無を言わせぬ迫力がそこにはあった。
「なぜあれで斬れるんだろうね?これも愛なのかな。」
「いや知らん。あいつがワックドな(可笑しい)のしかわからん。」
 解説(ツッコミ)役へとシフトした男二人。ふわふわしてるだけのようだが、攻撃(花弁)は続いているし、兵士たちの銃撃もエドワードの纏ったオーラによって防いでいる。地上との温度差が凄い。
「ここが貴様らの処刑場だ…このワタシが貴様らを屠り、地獄への引導を渡してやる!」
 アンナは手数の足りなさを、大剣と更に妖刀を手に補うことで、嵐のようにクローン兵士を薙ぎ払っていく。
「大胆な愛だね。燃えるように激しい。」
「やっぱああいう火力のある主役って感じは良いよな、見ていて惚れ惚れするぜ。」
 その言葉が聞こえたのか否か、真偽は定かではないが、アンナは更に勢いを増す。武器の届かない中距離の敵には、拷問具を叩きつけるようにして動きを束縛、数瞬の隙さえ作れれば十分だ。
 空と地、四人による圧倒的な力で、敵の密集地を制圧することができたのだ。。
「……僕たち、殆ど喋ってただけだったね?」
「なんつーか、あれには混ざれんだろ。少なくとも脇役の俺には無理。」
 微笑むエドワードに脱力するヴィクティム、残党は塵すら残らないだろう。
 戦艦はほとんどの戦力を失った。あとはもう、破壊するだけだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ベラドンナ・ベルティネッリ
……なんかこの霧、濃くなってないかしら?
まあ今はどうでもいいわね、重要なことじゃなさそうだし。

敵はクローン騎兵ね。人型相手は得意な方よ。
やたら数が多いし、危険かもしれないけど、分の悪い賭けは嫌いじゃない、【見切り】【野生の勘】で攻撃を躱しながら敵の集団の中心に飛び込むわ。
【範囲攻撃】【鎧無視攻撃】【死の嵐(モルテ・テンペスタ)】を発動、鋼糸の嵐でバラバラしてあげる。

「私に出会った不幸を呪いなさい…!」
「こうみえて、テンションはとっくにレッドゾーンなのよ。」

エリートって言っても、こんなものなのね。
歯ごたえがなさすぎて、こんなんじゃ私、戦う気がなくなっちゃうわ。


キャナリニア・カルコメラン
気にするなと言われれば逆に気になってしまうものでありますが……精神攻撃、でありましたか?つまりは影響が出る前に【先制攻撃】、短期決戦ということなのでありましょう。

【情報収集】【地形の利用】で艦内探索、探すのは通路のような狭い場所。
5体合体した屑鉄の傭兵部隊を通路後方から4体、逆方向から自分と盾を構えた騎士人形が【ダッシュ】で挟撃。計6体での【属性攻撃】【串刺し】同時攻撃を仕掛けるのであります。
その際に糸を絡ませ、他のクローンからの攻撃を受ける盾代わりに引っ張ってくるのもいいかもでありますな。……どちらかとダークヒーローのような戦法ではありますが、今はそれどころではありませんので。



● 絡み合う糸と意図
 多くのクローン兵が倒され、猟兵達は戦艦内部の深層までたどり着く。
「……霧、濃くなってないかしら?」
 ベラドンナ・ベルティネッリ(ブラックドッグ・f02642)は鬱陶しそうに霧を手で払うが、即座に霧は視界の邪魔をしていく。最初は薄い霧だったが、今ではベラドンナの美しい褐色の肌が白く濁って見えるほど視界を覆っている。
「そうでありますね。奥へ進むごとに濃くなっている気がするのであります。」
 相槌を打つのはキャナリニア・カルコメラン(スクラップドール・f07077)、宝石のような桃色の髪を揺らしながら、手元の糸を引く。糸の先にはスクラップの集合体、騎士人形ケイニスがからからと付き従う。不思議とご機嫌そうだ。
「視界が悪くなった程度じゃ、どの道歯ごたえがないわね。」
 霧の先から銃声が聞こえるが、ベラドンナの指が操る―――こちらも"糸"が、直接クローン兵士を巻き取り引き裂く。
「そうでもないであります!なんだか少し手ごわくなってきた気がするであります。」
 銃撃を物ともせず、機兵ケイニスはガシャンガシャンと迫り手に持たせた重槍で一突き。図体に大きな風穴の空いた兵士が倒れる。
「ほんと…?」
「た、多分であります。数が減っているせいであまり実感がないだけであります!」
「……戦う気がなくなっちゃうわ。」
 ダウナーな相方をどうにか盛り上げようとキャナリニアが明るく話しかける。あまり効果はなさそうだが。
 二人は他の猟兵よりも先んじて進んでいた、故にたどり着く。戦艦における最も重要な場所へと。

 ゴォン、と地鳴りのような音が終わることなく続く。激しい駆動音はそれが膨大なエネルギーを持っていることを意味する。
「コアルーム、かしら?」
 部屋全体に張り巡らされているコード、その中心部には巨大なコアが浮かんでいる。一目でこの戦艦の動力源だとわかった。当然、そんな部屋に何もないわけがなく、ひしめく様にクローン兵士たちが一斉にベラドンナ達へと振り向く。
「かかったな、待っているだけの楽な仕事でしたよ!」
「なんでだっていい!奴らを倒すチャンスだ!!」
 各々が銃を構えて叫ぶ。だが、それよりもベラドンナの判断は早かった。
「私に出会った不幸でも呪っていなさい…!」」
 即座に、敵が悠長に喋る隙すら利用して、片手の指から伸びる五の糸を張り巡らせる。クローン兵士ならばこの程度で事足りていた。
「!?」
 だが、その予想を超え、兵士たちは絡まりかけた糸を凄まじい速さで潜り抜ける。
「【ジェノサイダー】…限界を超える力さえあれば、俺達だって負けませんよ!!」
 機兵の体から熱と煙が立ち込める。明らかなオーバーヒート……だが、代償に見合う成果を見せた。およそ捨て身のやり方だが、それほどまでにこの場の守りが重要なのだろう。
「少しだけ、楽しめそうね。」
 退屈そうな表情に僅かな笑みが混じる。ベラドンナはクローン兵士体の中心地へと足を走らせる。迫る銃撃、それを見切り、見えない位置からの銃撃すらも勘の一つで回避する。そうして到着した中心部で、両指から十の糸を激しく伸ばす。
「【死の嵐】」
 鋼糸が広範囲にちらばり、ベラドンナもまた舞う様に動く。糸は竜巻の如く巻き込む全てを破壊し、クローン兵士たちの防具程度ならば紙切れのように引きちぎれる。
 だが―――
「……コアのせいかしら、距離感を見誤ったわね。」
 中心地にいたクローン兵士たちは倒せたが、大きな部屋だ。壁際にいた兵士たちまでは糸が届かない。大技の隙を突いて、銃口からレーザーが迫る。迫りくるダメージに覚悟する。
「―――――独りで戦っちゃ駄目でありますよ!」
 だが、熱線は届かない。焼かれながらも、力強く巨大な盾を携える騎士人形ケイニスがその身を守った。そしてそれを操るキャナリニア自身もまた、ベラドンナを気遣うようにその手を引いて危険地帯から離れる。
「自分たちは負けちゃ駄目なのです、手段だって選んではいられない。なぜならこれは戦争でありますから!」
 騎士の盾の隙間を縫った射撃が迫る。キャナリニアは咄嗟に空いた糸を間近にいた兵士に巻き付かせて、盾にする。
「敵を盾にするだって!?信じられない!」
「それくらいは普通であります!さぁいくでありますよ、【屑鉄の傭兵部隊】!!」
 キャナリニアは掛け声と共にUCを発動。肩にⅤと書かれた戦闘人形が四体―――敵の外側へ展開、追い込み漁のように蹴散らしながら、バラバラだったクローン兵士たちが内側に集められていく。
「合わせてほしいであります!二人ならいけるはずなのです!!」
「……えぇ、絶好の狩場ね。」
 二人の糸が絡まるように、それでいて互いに邪魔することなく、嵐のような猛撃が叩き込まれる。鋭い鋼糸がズタズタに引き裂き、柔らかく柔軟な糸が計五体もの戦闘人形を操り制圧力で潰す。瞬く間に、強化されたクローン兵士たちを殲滅した。
「ふぅ…。あなた、最初から付き添ってくれてたけど、どうしてなのかしら?」
「……なんだか放っておけなかったのであります。あと、自分はキャナリニア・カルコメランでありますよ。」
 ふとした疑問をぶつければ、キャナリニは太陽のような笑みを浮かべる。複雑な心境だが、悪い気分ではなかった。
「そう…キャナリニアね。覚えておいてあげる。私はベラドンナ・ベルティネッリ。」
 ベラドンナは楽し気な笑みを浮かべながら、糸を這わせる。斬鉄線と名付けられた糸は、まるで紙切れのように巨大なコアを粉々に引き裂く。
「素敵な糸使いだったわ。もう少し、踊っていたかったわね。」

● 楽しい依頼でしたね…
 戦艦は動力を失い、あとは破壊を待つだけだろう。猟兵達は託された任務を無事に達成し終え、スペースシップへと凱旋した。
 危機は去っておらず全ての解決にはまだほど遠いだろう。
 だが、目の前には救えた場所があり、共に戦った仲間たちがいる。
 まずは一歩、言葉ではなく行動で示すことが何よりも大事なのだ。
 猟兵達は次の戦いへ赴く前に、僅かばかりの安息を満喫した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月03日


挿絵イラスト