【旅団】恋華荘の日常(寮生の生活編)
これは旅団シナリオです。
旅団『恋華荘』の団員だけが採用される、EXPとWPが貰えないショートシナリオです。
●ここではないどこかの温泉郷
さて、今更だが恋華荘は猟兵用の女子寮だ。
大勢の寮生が暮らす寮だけに、何らかの問題……最悪、犯罪につながるようなことだって、起こらないとは限らない環境ではある。
なので、それを未然に防ぐため、寮内の防犯システムのチェックをするのも、管理人である彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)の大事な仕事である。
この日も、いちごは防犯システムが捉えた寮内の光景の映像をチェックしていた。
モニタに映る光景は、誰もいない玄関、何人かが談笑しながら食事している食堂、通りすがりに挨拶を交わしている廊下、あるいは湯気と遠目で誰かはわからないが入浴中の露天風呂とか誰も入っていない共同トイレの個室だとかまで……。
「……ん、これは、炬燵に突っ伏してだらしなく寝ているりんごさんに、辺りに散らばる空の一升瓶……って、りんごさんの私室じゃないですかー!?」
次に画面に映ったのが、寮で暮らす仲間の黒岩・りんご(禁断の果実・f00537)の私室だったことに慌てて視線を逸らしたいちごは、赤面したまま、一緒に映像を見ていた湯上・アリカ(こいのか荘のアリカさん・f00440)にツッコミを入れる。
「まぁ、そういうのが映っちゃうこともあるのよ? いつもの事なの」
だが、アリカはそれも仕方ない事だと達観した様子。
というのも、そもそもこの防犯システムの映像というのが、恋華荘の地縛霊を自称するアリカの念写能力によって、時間も場所もランダムに転写されたものなので、寮の敷地内であれば場所は問わない。つまり、当然のように誰かの私室の中が映ることもままあるのだ。
それを示すかのように、次に映ったのは、自室にてリング状のコントローラーを使ってフィットネスをしているメリッサ・ウェルズ(翡翠の吸血姫・f14800)を正面から映した映像であった。当然メリッサが自分を映すカメラに気付いた様子もなければ、そんな隠し撮りまがいのカメラが存在しているわけもない。
映像はあくまでもアリカの念写能力によるものだからだ。
そしてアリカ自身も、特に意識しなければ、どこが念写されるのかは、無意識の領域ゆえに、把握はできていない。
「……隠し撮りしているみたいでホント気まずいんですけど……」
「ランダムで、いつどこで撮られているかわからないっていうのが、防犯にも役立つから、仕方ないのよ」
確かに防犯上は、いつどこで撮られるかわからないというのは抑止力になるので、そう言われると言葉に詰まってしまういちごである。
もちろん、プライバシー的な観点からも、1日の映像チェックをした後は、防犯上大事なもの以外は即座に削除はされている。
……が、それでもチェックはしないといけないわけで。
映像を見ると、寮生達が日々恋華荘の中で何をしているのか、その一端が垣間見える。
そしてこの日、いちごがチェックした映像には、なんだかやたらと寮生の姿が映っていたそうな……。
雅瑠璃
こんにちは。またはこんばんは。
雅です。
というわけで恋華荘の旅団シナリオになります。
なので当然ですが、参加可能なのは恋華荘の団員だけです。ご了承ください。
さて、今回は特にイベントもない恋華荘の日常話という事にしてみました。
設定上は、いちごが見ている防犯システムの映像に映った、固定カメラ映像として見えている数分の姿、という事になります。
もちろん、いちごに見られているなんて思っていないわけですので、カメラの存在は無視して、普段日常ではどんなことをしているのか、プレイングに書いていただければと思います。
場所は、恋華荘の敷地内ならどこでも。
玄関でも、廊下でも、食堂でも、遊戯室でも、トイレでも露天風呂でも私室でも、どこでも構いません。
時間帯も、朝だろうが昼だろうが深夜だろうが、そのあたりも自由です。
また、今回は、寮生同士で示し合わせての合わせプレも可ですし、寮に住むNPCを呼んでいただいてもかまいません。
さて、今回のプレイングの提出は、2月11日8:30~12日8:29までの間にお願いします。この間に提出していただけると、締め切りが15日の朝になりますので。
質問等があれば旅団でお願いします。
それではプレイングお待ちしています。
第1章 冒険
『ライブ!ライブ!ライブ!』
|
POW : 肉体美、パワフルさを駆使したパフォーマンス!
SPD : 器用さ、テクニカルさを駆使したパフォーマンス!
WIZ : 知的さ、インテリジェンスを駆使したパフォーマンス!
👑1
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
如月・水花
時間は早朝、まだ誰も来る気配もない内の露天風呂。
「はふ……」
湯船に浮かびながらのんびりと惚ける。
冷えた空気と温かい温泉の間で温度の差を感じるのが最近のマイブームですね。
ふにゃりと、思わず顔もほころんでしまうというものです。
まあ、そうでなくとも朝お風呂には入りますが…。
アクアマリンの身体が澄んだ湯に透けて、まるで等身大の人を型どった宝石のように見えるのが分かります。。
湯から上がり、また身体の色が人のものに戻る。
私にとってはごく普通のことでも、みんなにとっては珍しいものなのでしょうか?
…まあ、誰もいないでしょうし、タオルとかそういうのも要りませんよね。ええ、裸で入浴してますよ。
御影・雪乃
6時起床
寮の朝食作りを手伝ってからお弁当作り
お弁当はりんごさん+自分+希望者分を作成
7時
アルダワ魔法学園の制服に着替え、りんごさんを起こす
寝ぼけて抱き寄せられ、そのまま二度寝しても…と思うけど振り切って、氷を押し付けるなどして起こす
8時
いちごさんの転送によりアルダワ魔法学園へ登校
帰りは別の知り合いに転送してもらう
18時
寮へ帰宅
学園の用事の後もアルバイトなどで帰りが遅い、夕食は済み
学生服のままエプロンを着て、りんごさんの晩酌用のおつまみを作成
19時入浴
とラブルに巻き込まれたらいつもの平手で済ます
19時半
ふろあがりにおつまみ作成その2と、皿洗い
20時
洗濯された自分の衣類を受け取り、自室へ
22時
就寝
宮村・若葉
深夜4時
何故かいちごさんの部屋から影となって出て来た後に念写目線でにこりと微笑んで自室へ帰る
7時〜
3時間の睡眠の後に寮の朝食に参加
食後、皿洗いを手伝いつついちごさんの使用品に執着する素振りを見せる
8時頃
登校するいちごさんを笑顔で見送った後、影となり消える
11時
戻ってきて寮の風呂掃除などを手伝う
時折、いちごさんに関するものに執着する素振りを見せる
12時〜14時
朝の残りで軽く食事を済ませ自室で2時間の睡眠
14時
影になって消え、いちごさんの帰宅に合わせて再び現れる
寮の夕食後、皿洗いを手伝った後に再び影となり消える
23時
入浴
深夜
いちごさんの部屋に現れ、念写目線で微笑んでからいちごさんの寝顔を見つめる
フェリーネ・フォルス
深夜、露天風呂
一人、湯船に浸かってるけど、顔を赤らめて
お湯が熱い? 違うよ
露天風呂とか、まあ…忘れられない想い出を思い出しちゃってるの
「ん~、にゃ~」
顔を赤くしたまま、口まで湯に浸かっちゃってぶくぶくー
このままだとのぼせそうだにゃ~、もう上がって適当な岩か椅子に身体を
預けて夜風に当たるかにゃ。
湯船から上がるけど、お風呂場だから当然、何も身に着けてなく
思い出すのは初めての時
肌に触れた手の感触や、私の中に入ってきた感覚
その時を思い出しながら、自然と手が伸ばして?
「にゃっ、いちごさん…っ、いちごさぁん…」
「にゃあ……また、して欲しい、にゃ…」
なんて、恥ずかしい願望をぽつり呟いちゃうのだにゃ
ネウィラ・カーレンベート
夜、誰かの薄暗い私室。
カン…カン…と何かを叩く音がする……
何者かの右手には木槌、左手にはノミ。
ホラー!?いいえ、ネウィラです。
ウイザードらしく、魔法の実験のために、触媒の人形を作っているのでした。
決して怖い魔法じゃありませんよ?
「ふうっ、こういう作業は目と肩が疲れますね……」
ちょっと一息ついてハーブティーを。
いい香りに包まれ、幸せなひととき。
「はぁ、心が安らぎます……さあ、もうひと頑張りですね」
再び、カンカンと人形を叩く音が。
なぜか妙な怖さがある。
本当に、ヘンな魔法の実験のためじゃありませんよ?
*アドリブ歓迎
菫宮・理緒
さぁまずはモニターのスイッチをON!
いない間になにがあったか、しっかりチェックしないとね!
右のモニターにいちごさんー♪
左のモニターに奏莉ちゃんー♪
うんうん。今日もかっこいいのと可愛いのに挟まれちゃう、よー♪
もー、右を見ても左を見ても天国モードで、どっちを見ようか悩ましいっ。
ん? お、おお~……いちごさん、今日はおでかけだったのかな?
いちごさんの着替えって、何度見ても所作が綺麗だし、以外と、こう……。
えへへへへへへへ(じゅるり)
って、あ!?
いちごさんに見惚れていたら、奏莉ちゃんがいなくなってる!
最近脱走多いんだよね。また怪我してこなければいいんだけど。
もう少し監視機器の種類増やそうかな……。
瀬戸・玲子
寮生ではないですが温泉に入りに来てます
クラスメイトのいるところに来るのは最初は気が引けましたが、今ではたまの贅沢として時々浸かりに来るようになりました
まぁ学校で散々問題起こしてるいちごさんがいる場所というのが問題ですが、いちごさんが私に対して起こすとらぶるや、委員長としてクラスで起こすとらぶるの後始末やらの償いとして此処の温泉無料で入らせてもらってるのですが……温泉無料という対価でとらぶるが許されるわけではないですよ
淫魔になってしまってからお風呂に入るのも一苦労です。その、色々と感度が敏感すぎて……
とはいえ、こんなところで自分で慰めるわけにもいかないので声を押し殺しながら体洗って温泉浸かります
アビゲイル・ガードナー
♪ふーんふーんっ♪
(薄着で浴場から双子の自室へ戻る悪魔)
ただいまー、ヘンリっ
ふー、今日もお風呂気持ちよかったー!
じゃ…カルパッチョス、カルパッチョスっと
(白い乳酸菌飲料のペットボトルを取り出し…)
んしょ、いっただっきまーす♪
んぷ、はむ…んっ♡えへへ、おいし…♡
(開栓した円筒形ボトルを美乳で挟んで舌先チロチロ)
ん、これ?イチゴくん用のイメージトレーニングだよ♪
やっぱり悦んでほしいもんっ♡
(時々上下させる所為か唇や乳房の上に点々と白い雫が…)
むっ、そーいうヘンリだって、さー?
最近お肌の手入れがやたら念入りじゃんっ
ソレ、何のためにやってるのかなー♪(くすくす)
んじゃチェックしてあげるー♡(がばぁっ)
ヘンリエッタ・アドミラドール
んっ、ふぅ…♡
(ベッド上、薄着で全身に乳液を擦り込む堕天使)
あ、おかえりなさいアビー
早く入らないと、湯冷めしますよ♪
ん、今日もカルパッチョスですか?
最近リピしてますね…
ネットリ甘い濃厚練乳味がクセに?
って、何してるんですかアビー!
え?イチゴさん用…まさか、殿方のアレを想定して…?
わざわざ銘柄指定してるのは、まさか『色』ですか!?
だからって、そんな破廉恥な飲み方はっ…!
な、なんですかアビー…?
うっ!?そ、それは、その…わー、わーっ!
ええ、そうですよ!イチゴさんの為ですよっ!
折角あんなに強く優しく愛してくれるなら、
お肌の触り心地も良くしたくなって…(かぁっ)
え、チェック?…きゃーっ!?(どさぁっ)
庭月・まりも
んー、そうなんだ?
うんうん。それは大変だったね。ここでは安心していいよ。
って、頭に乗っていいってことではないんだけど……ま、まぁいいか。
遊びに来た猫さんと、
通じているのかいないのかわからない会話をしながら、
最後は猫さんを頭に乗せて、ちょこんと座ってのんびりモード
猫さんが滑って、お洋服の中(背中)にだいぶ!?
わわわわっ!?
く、くすぐったいー、って、猫さん、だいじょぶ-、息できてるー!?
ばばっとお洋服の上を脱いで、素早く猫さんを救出。
そのまま抱きかかえて、あったかだっこしちゃいます。
えへへ、ふわふわで気持ちいーね♪
なんだかここに来てからのんびりしてばかりな気がするけど、
いろいろだいじょぶかなぁ?
ルア・テミルカーノヴァ
恋華荘の露天風呂に入りに来た私ですが、脱衣場でルイザさんと鉢合わせてしまいます。
ルイザさんも、下にパイロットスーツを着ているのですか?
あ、水着なんですね。
私のパイロットスーツも水着兼用なんですけど、なんでいつも着ているのかっていつでも出撃できるように、なんです。
それにしても、私の耳がなぜ尖っているのかって?
それはお姉ちゃんに感応して産まれてきたからなのです。
何だか、ルイザちゃんには親近感を感じますね。
もしよかったら、一緒に入りませんか?
そして衣服を脱いで一糸まとわぬ姿になって一緒にお風呂へ。
いいお湯ですね……心が安まります。
いつか、ルイザさんもナイスバディになりますよ、きっと。
ルイザ・シャーロット
今日も露天風呂で疲れを癒やそうと思ったら、ルアさんと出会いました。
ルアさんも、下に水着を着てる……と思ったらパイロットスーツなんですね。
私は泳ぐのが好きなので、いつも着ている感じですが。
それにしても、私はエルフなのですけど、ルアさんは何で耳が尖っているんですか?
なるほど、お姉ちゃんがいるってすごいうらやましいですね。
私は、一人っ子だから……。
そして、お風呂に一緒に入っちゃいます。
何だか、ルアさんっていい体してますよね。
私も大人になったらあんな体になれればいいですね。
と、何だか親近感が湧いてきちゃいます。
ルアお姉ちゃん、もしよかったら、背中流しましょうか?
ヴェール・フィエーニクス
◎
たまたまお部屋の前を通りがかったら
アリカさんといちごさんの声が…
ノックしてお伺いすると、防犯システムのチェックをしている所で…
少ししたら
そこにはある時にアリカさんとご一緒した時の写真を前にして
アリカさんをお出かけにお誘いする練習中の私の姿が!?
あ、アリカさんっ、こ、今度、ば、バレンタインのお買い物
一緒にだいじょぶ、でしょうか…っ!
も、もしだいじょぶでしたら、一緒にお買いものして
それから、それから…
と練習にも拘らずドキドキしちゃって言いきれてない所が…!
そんな秘密?をお二人に見られちゃって
はわはわとお顔真っ赤にして謝りながら
お二人の、特にアリカさんのお顔を見たら…?
怒ってないといいのですが…
彩波・流江
(アドリブ歓迎です!)
お昼頃、自室で複数の雑誌面と睨めっこ中
そのどれもがファッション誌で、内容を理解しているのか怪しい感じでウンウン唸っていました
「実際に着れば、良さも分かるでしょうか…?」
などと言いつつUCで分霊を作り、その着衣が光となって分解されていきます
素肌が露わになりますが、見られているとは全く思っていないので動揺も無く、光が集まって再構成されると、雑誌に掲載された装いになっていました
神様パワーで編まれた服を普段着にしているから出来る芸当
「着心地とか、どうですか?」
『うーん…』
着てる自分を客観視するなら姿見より便利、とは彼女の談
ちなみに雑誌に書かれてるサイズだとどれも窮屈だったそうです
清里・柚月
リンちゃんのお部屋にお邪魔しているところになるよ。
リンちゃんってば、やっぱりお部屋散らかし放題なんだからー。
しっかり片づけてあげなきゃね(ビン拾ったりゴミ纏めたり)
大事なモノとかあったらちゃんと言ってねー。
よし、片づけ終わり!
じゃあお疲れ様ということで…お酒飲もうか!
(どんっと引っ張り出してくる色んなお酒)
ダークセイヴァー産のワインにサクラミラージュ産のウヰスキー、グリードオーシャン産のラム酒と色々あるけど…
リンちゃんはやっぱり日本酒かな?(カクリヨファンタズム産)
まあともかく、お掃除お疲れ様でした!かんぱーい!
(尚、小一時間ほど後には例によってりんごさんに絡みまくっているようです)
霧沢・仁美
お泊りした翌朝、目が覚めたところのシーン、になるかな。
空いてるお部屋を借りて寝かせて貰ってるんだけど…お泊りする時は毎回そのお部屋だから、実質あたしの部屋かも?
ともあれ。
何故か枕元にあった魔導書に首を傾げつつも(昨夜何があったかは念写不能だとか?)
布団を畳んで、パジャマを脱いで着替えを始める…のだけど。
…持ってきたブラが、なんかきつい。
買ってからまだ半年も経ってないはずだけど、まさか、また胸が大きくなった…?
流石にこれ以上大きくなると、合うブラなんかそうそう無いって言うか今でもほぼオーダーメイドなんだけど…
うぅ、何とかならないかなぁ、この胸…
(両手で寄せたり揉んだり。偶然正面から念写される?)
織笠・アシュリン
舞台:自室
「魔女見習い、キーラ・イェイツのお部屋!」
PCの画面の中には、あたしより少し年上のお姉さんの立ち絵
Live2Dで動かせるアバターで……まぁ、Vtuberだね!
FPSやTRPGとかを中心に、お姉さんキャラを演じて配信してる……
似合わないとか言うなっ!
「じゃぁ、今日はシーズンも変わった例のFPS、やっていこうかしら」
(アシュリンさーん?)
いちごー!?配信時に来るのはタイミング悪いよー!
「ちょっとミュートするわね?」
ど、どうしたのいちご、ビニール袋とか持って?
え、脱衣所に忘れ物……って、わーっ!?
そのままとらぶる!知ってた!
や、やっと配信に戻ってこれたよ……
あーっ、マイク切れてない!?
白銀・ゆのか
(日も昇っていない程の早朝にて…)
寮生さん達が起きる前に、食堂の準備にご飯の支度に…
続けているうちに大分加減も覚えてこれたからか、ここ一年くらいはお皿の被害0の快挙達成してて、ちょっぴり自信もついてたり。
「ん~…でも味付けは和姐さんにまだまだ追いつける自身ないなぁ…」
ふつふつとあったかい味噌汁を小皿に一掬い、味見もするけど…どうしてもちょっぴり違和感で。
「もうちょっとお塩を足す?…あ、でも塩分あんまり強くても…お味噌は…これ以上足すとくどくなっちゃうし…」
後でいちごちゃんや和姐さんが起きて来た時にでも、味の相談をしよう、と思ったゆのかでした。
実は体の微妙な変化のせい、と気づくまであと……?
保戸島・まぐろ
いつもどおり魚の漁を終えて、しっかりと道具を整備し片付けて、ひとっ風呂浴びてから、自室のベッドに横になるまぐろ。
完全に無警戒で、寝姿を披露する。
暑かったのか、ふとんを無意識にのけて。
かわいらしい白地にマグロ柄のパジャマ姿ながらも、足をガニ股のように開いて。
上はお腹が丸見え、手はバンザイの状態で。
部屋の中は清掃も行き届いて、しっかり片付けられ整然としているのに、ベッドの上の寝姿だけが雑然。
そして、寝言を言い始める。
「ん……いちご……好き……」
「私を……もらって……」
寝ぼけているのか、天井に手を伸ばし。
直後、なにかを掴む動きをして、また寝入った。
ユニ・ヴァンデルセン
『こんえるふ~♪今日は久しぶりのガネクラやるよ~♪』
大量の撮影機材と防音設備、ついでにあちこちいちごちゃんの(こっそり撮った)ポスターが張られたお部屋で、お引っ越し後初のゲームのライブ配信中。
限定チョコダイヤブロック10個回収まで終われません、的な配信開始から……現在8時間経過ッ……!
「やっばい、あと1個が此処まで見つからないのん…?
『相変わらずの屑運ですね』…っていわんといてぇ!でもスパチャありがとうっ…
って『草』コメ乱舞まってうちの森に植林すなぁ!…あぁぁあ!?」
後ろにシュー…と迫る爆弾魔物
眠い頭で気付く訳もなく、さらに8時間追加耐久するハメに…
健康に悪いとリアルで寮の皆にも怒られたとさ(
叢雲・黄泉
彩波さくらと
「彩波さくら……話があります……。
寮の裏庭まで来てくれますか……?」
彩波さくらをひとけのない場所まで連れ出しましょう。
これまで彩波いちごだけを標的にしてきましたが、それだけでは済まないようです。
「受けてくださいっ!」
彩波さくらに放った妖刀の一撃。
それを受け止めるは邪神の触手。
「彩波さくら……。
彩波いちごの妹であるあなたも、やはり邪神の力を持っていましたか……。
ならば、あなたも私の敵です……!」
少女を手に掛けるのは心苦しいですが、仕方ありません。
【斬魔剣】で一思いに……
「って、触手がっ!?
にゃあああっ」
剣を触手で防がれ、そのまま触手に全身を這い回られ……
陵辱されてしまうのでした。
彩波・さくら
黄泉さんと
「黄泉さんが私に用事なんて珍しいね?
いちごにセクハラされたとかなら言ってね。
きつーくお説教しとくからね」
黄泉さんに呼び出されたので、寮の裏庭に。
ここも、もっときちんと掃除しなきゃ。
そんなことを考えてると黄泉さんが刀で斬りかかってきて!?
「きゃあっ」
【姫の眷属】が現れて触手でその一撃を防いでくれたけど……
「ちょっと、黄泉さん、いきなり何するの!?
きちんと事情を話してくれないと分からないよ……」
けど、眷属が言うことを聞かなくなって暴走!?
「やっ、ちょっ、どこ触って……!?
ひゃぁあんっ」
触手に全身を拘束され、敏感なところを責められて……
びくん、と大きく身体を震わせて絶頂させられちゃった……
●視聴開始
>現実時間:いちご&アリカ
「さて、それでは昨日の分の映像確認していきましょうか」
『うんうん。どんなのが映ってるか楽しみなの!』
「……アリカさん、あくまでもこれ、防犯システムの確認で、寮に何か問題起きてないか調べるだけであって、覗き趣味的なものじゃないんですからね……?」
『でも寮の皆の何気ない姿とか映ったりするから、楽しいのよ?』
「だから、楽しみのためにやっているわけでは……」
とある日の夜。管理人室のモニタールームにて、寮の管理人である彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)と、この恋華荘を本体とする地縛霊の湯上・アリカ(こいのか荘のアリカさん・f00440)の2人が、アリカの念写能力によって撮られた防犯カメラの映像チェックをしていた。
アリカの念写は、時間も場所も問わず寮のどこでも撮れる代わりに、アリカ自身にもどこが撮れているのかはわからない。なのでありかは時々こうしていちごの映像チェックの手伝い(と称するデバガメ)に来るのだ。いちごも、寮生のプライベートの事が映ったりするので、基本的にはアリカ以外の同席は許していない。……もっともそれは、アリカ以外にはバレたくないというのもあるだろう。寮生のプライベートを覗き見ることになって一番気まずいのもいちごだからだ。
完全に楽しんでいるアリカとは、そのあたりは違うのだ。
『それじゃ、映していくの。ゴーゴー!』
「……まぁ、深夜帯は、そんなおかしなものが映っていたりはしませんけどね……」
チェックを開始した2人。
まず画面に映るのは、深夜の真っ暗な寮内の様子だった。
この日はどうやら起きて出歩く者もいないようで、静かで暗い廊下や玄関や部屋の扉などが映し出されていく。
やがて……。
●AM4:00~5:00。客室/玄関/管理人室前廊下
>現実時間:いちご&アリカ
映し出されたのは、寮の未使用の部屋……現状ではゲスト用の客室になっている部屋の中だった。
『あ、仁美泊まっていったのね?』
「そういえばそうでした……って、寝姿をじろじろ見てはダメですよ、アリカさん」
すやすやと寝息を立てている少女……霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)は、恋華荘で暮らしているわけではない。
この日はたまたま、泊まっていた仁美の寝姿を念写が捉え、こうして映し出されたという訳だ。
『あ、なんだか仁美、顔が赤いのよ。えっちな夢でも見てるのかしら?』
「だから寝顔見ちゃダメですってば!」
などといちごとアリカが言い合っているうちに、映像は切り替わる。
次に映ったのは玄関だった。
そして、寮の扉を開けて外に出ていく保戸島・まぐろ(無敵艦隊・f03298)の姿も映っていた。
『あ、今度はまぐろなのね。朝早いの』
「漁に出るには日が昇る前から動くそうですからねぇ……」
意気揚々と玄関を出ていくまぐろの後姿を映し出した後、画面はすぐに別の場所へと切り替わる。
「ん、今度は……管理人室の扉ですね。まだ私も寝てる時間ですけど……」
いちごの暮らす管理人室を廊下から見た映像だった。
朝の早いいちごとはいえ、この時間帯だとさすがにまだ起きていない。
だから何事もなく終わるはず……だったのだが。
『いちご、扉が揺れてる気がするんだけど、早起きでもしたのかしら?』
「いえ、そんな覚えは……って、え??」
『誰なの……?』
いちごは寝ているはずの時間帯、なのに扉から人が出てくる。
扉が開いたわけではない。扉の隙間から、何か影のようなものがしゅるりと出てきたのだ。
その影は、扉の前で人の姿をとる。
そしてその人影……宮村・若葉(愛に飢えた脳筋お嬢さん・f27457)は、にこりと、映像を見ているいちごに向けて微笑んだのちに、すたすたと去っていくのだった。
「若葉さん……?」
『今、完全にカメラ目線だったの……』
「アリカさんの念写に気付いてる……いったいどうやって……?」
『そんなのわたしが知りたいのよ! ホラーなの!』
映像チェックの開幕から背筋が寒くなるいちごなのであった。
●AM5:00~6:00。厨房/露天風呂
>現実時間:いちご&アリカ
『き、気を取り直して続きを見るのよ……』
「そうですね……」
初っ端から疲れた気のする2人だが、映像チェックは続く。
そのまましばらく寮内の無人の廊下などの映像がいたが、やがて明かりのついた部屋の中が映る。映った部屋は厨房だった。
『あ、誰かいるのね。そろそろいちごが食事の支度しに行ってる時間かしら?』
「いえ、私が行くのはもう少し後ですけど……和さんでしょうか……あ、いえ、これはゆのかさんですね」
映っていたのは、食事の支度をしているらしい白銀・ゆのか(恋華荘の若女将・f01487)だった。
>AM5:00頃の厨房:ゆのか
「ん~……、やっぱり味付けは和姐さんにまだまだ追いつける自信ないなぁ……」
この日のゆのかは、日が昇るよりも早く、恋華荘の料理番でもあるいちごや八百山・和(恋華荘のおふくろさん・f29479)よりも早く、厨房へとやってきていた。
寮生の数も多くなってきたので、いちごや和だけでは食事の支度も追いつかないという事もあり、ゆのかが手伝う事も増えてきたのだ。
もともと怪力で力加減に不安のあるゆのかだ。かつては手伝おうとしては皿を砕く日々だったのだが、手伝いが増えてきて慣れてきたこともあり、ここ1年くらいは皿の被害もゼロになってきていて、ゆのかもちょっぴりだけ自信をつけてきていたところである。
でも、皿を割らずに済む力加減の自信はついても、料理の自信と言えばまだまだ。
今作っているのはどうやら味噌汁のようだが、小皿に一掬いして味見をしてみても、なんだか違和感がぬぐえない。
「もうちょっとお塩を足す? ……ん~、でも塩分あんまり強くても……。お味噌は……これ以上足すとくどくなっちゃうし……」
味付けに悩むゆのかだが、ひとりで首をひねっても打開策は思い浮かばず。
いちごか和が来たら相談してみようなどと考えていると、噂をすれば影という事なのか、ちょうど和が厨房へとやってくる。
「あら、今日はずいぶんと早いのねぇ、ゆのかちゃん」
「あ、和姐さん。ちょうどよかった……」
いちごの料理の師匠でもある和だ。ゆのかの質問にも笑顔で応え、2人で味付けを調整していくのだった。
>現実時間:いちご&アリカ
いちごとアリカの見ている映像には、作業していたゆのかの所に和が近付いて声をかける姿が映っていた。
「ああ、そういえばこの日は、私が行ったらゆのかさんと和さんが先にいましたっけ」
そんな話をしていると、映像はまた別の所に切り替わる。
ひとつの映像につきせいぜい1分~2分程度。それで次々と色々な場所が映っていく仕組みだ。
そうこうしているうちに日の昇る時間帯になったようだ。映像の中の廊下も明るくなっていった。
『あ、そろそろまた映像が変わる時間なの。次は……お楽しみの露天風呂なのよ』
「楽しみになんかしてませんっ!?」
そしてアリカの言う通り映像が露天風呂に切り替わった。
アリカの念写映像は、次々と色々な場所を映していくのだが、その中にはこうして露天風呂の光景が映ることもある。
『ほらほら、いちご。まぐろの裸なのよ……って、ああ、出ていくところだったの。残念』
「残念とかじゃないです……でもよかった。まぐろさん、ちょうど漁から帰ってきた時間でしたか……」
まぐろの裸は一瞬しか映らなかったのでほっと一安心のいちごだった。
日の昇る前に寮に出かけていたまぐろだったが、日の昇ったこの時間帯に戻ってきてひと風呂浴びたところなのだろう。
そしてまぐろが出ていった後、映像は露天風呂の別の場所に切り替わる。
「あれ、また露天風呂……って、ちょっ!?」
『おおー、今度はバッチリ見えるのよ』
画面に映っていたのは、もちろん裸の、如月・水花(輝き秘めし水宝玉の姫・f03483)だった。
>AM5:30頃の露天風呂:水花
「はふ……」
水花は、湯船に浮かびながらのんびりと惚けていた。
ここ最近の水花は、朝の冷えた空気の中、温かい温泉に浸かり、その温度の差を感じるというのがマイブームらしい。
もっとも、そうでなくても、水花は日常的に朝風呂をしてるのだが。
「気持ちいいですねぇ……」
朝の少々肌寒い空気を、湯船から出ている顔の部分で感じ、湯に浸かっている身体はぬくぬくと温かさを感じ、その心地良さにふにゃりと顔がほころんでしまう水花だった。
そんな水花の湯に浸かっている身体の姿は見えない。
それは湯の透明度が低いからではない。むしろここの湯はかなり澄んでいて、水の中に浸かった身体もよく見えていたりするのだが、水花の場合は話は別だ。
クリスタリアンである水花は、普段は人と同じような肌とはなっているが、ひとたび湯に浸かると本来の宝石の身体……アクアマリンの身体となる。
アクアマリンの身体が澄んだ湯に透けて、まるで等身大の人を型どった宝石のように見えるのだ。
やがて水花は、湯船から上がる。
すると、アクアマリンの身体は再び人と同じような色に戻っていく。
湯から上がった水花の姿は、柔らかそうな豊かな胸と抜群のプロポーションを湛えた、美しい裸身だ。
湯からあがった水花は。人肌に戻っていく己の身体を見降ろしながら呟く。
「……ん-、私にとっては、これが普通なんですけど、みんなにとっては珍しいもの……なのでしょうね?」
>現実時間:いちご&アリカ
『宝石みたいな水花も綺麗だけど、いちごはやっぱり人肌の方が好きなのよね?』
「コメントに困る質問はやめてもらえますか!?」
映像には、湯船から上がった全裸の水花の姿が余すところなく映っていた。
アクアマリンの身体から人肌に戻るさまがじっくりと。
そしてもちろん、人肌に戻ったとの柔らかそうな胸も、その先端の桜色も、股間の秘裂さえも真正面から映っている。
アリカに言われるまま見てしまったいちごも、それをしっかり目に焼き付けてしまっていたのだが……だからといって聞かれても困るのだった。
●AM6:00~7:00。厨房/まぐろの部屋
>現実時間:いちご&アリカ
いちごが困っている間に、再び画面は厨房に変わっていた。
『あ、今度はいちごもいるのね』
「それに雪乃さんも」
画面に映っているのは、いちごと御影・雪乃(ウィンター・ドール・f06012)の2人。ゆのかや和もいるのだろうが、映像に見える範囲には映っていない。
『雪乃も朝食の手伝いに来たの?』
「手伝いもしてくれますけど、雪乃さんは主にお弁当作りですね。自分のと……りんごさんの」
『相変わらず忠犬なのね』
などと話していたら再び映像は変わる。
この時間帯になると、動き出している寮生もそれなりにいる。なので、廊下などが映った場合、そこを通り過ぎる人の影が見えたりもして、少しずつ賑やかな映像になってきていた。
そして、次に画面が切り替わると、そこは……誰かの自室だった。
ベッドから布団が落ち、だらしなく服も乱れている寝姿。
『……まぐろ、寝相はよくないのね』
完全に無警戒で無防備な寝姿のまぐろが晒されていた。
>AM6:40頃のまぐろの部屋:まぐろ
漁から戻ってきて、朝風呂を浴びたまぐろは、そのままベッドに横になっていた。
お風呂で暖まったせいか、それとも暖房をかけすぎたのか、熱くて寝苦しかったまぐろは、無意識のうちに寝相で布団を剥がすとベッドから落とし、何もかけずに横になっている。
まぐろが着ているのは、白地にマグロ柄の割と可愛らしいパジャマだ。
が、着ているものは可愛くても、その寝相はお世辞にも可愛いとは無縁だった。
手はバンザイのように乱雑に上に投げ出していて、脚はガニ股に開いていて、皿に乱れたパジャマはお腹が捲れておへそが丸見えになっている。
部屋の中は、清掃も行き届いてしっかり片付けられて整然としているのに、ベッドの上の寝姿だけが雑然としている。
とても人には……ましてや恋焦がれる相手には見せられないような寝姿だった。
「ん……いちご……好き……」
むにゃむにゃと、そんなまぐろの口から寝言が漏れる。
「私を……もらって……」
いったいどんな夢を見ているのか、寝ぼけたまま手を天井に向けて伸ばし、何かを掴むような動きを見せたまぐろ。
次の瞬間その手はぱたりとベッドに落ち、そしてこれ以上は寝言も漏らさずに寝入ってしまうのだった。
>現実時間:いちご&アリカ
「まぐろさん、なんて寝相を……」
『何か寝言言ってたみたいなの。もう食べられない、とかかしら?』
「そんなべたな……」
アリカの冗談に苦笑するいちご。
当たり前だが、この念写に音声は入っていない。だから2人とも冗談を言えているのだ。まぐろの寝言の言葉がそのまま聞こえていたら、いちごは真っ赤になってアリカにからかわれていたであろう……。
●AM7:00~8:00。食堂/りんごの部屋/客室
>現実時間:いちご&アリカ
「あ、朝食の時間ですね」
『さすがに食堂は賑やかなの』
次に映し出されたのは食堂の様子。
大勢の寮生が暮らす寮だけに、広い大食堂と言っても人で賑わっている。
いちごやゆのかや和といった面々が食事の配膳をしたりと忙しそうに動き回っている姿が映っていた。
そんな映像が1分ほど流れた後、画面は急激に、誰かの部屋の中に変わる。
一升瓶を抱えて眠る黒岩・りんご(禁断の果実・f00537)の姿がそこにあった。
『りんごは相変わらずなのよ……』
「あれ……? 誰か他にもいますね?」
りんごの部屋に、りんごではないもう1人。誰かと思えば、雪乃だった。
>AM7:10頃のりんごの部屋:雪乃
「すぅー……」
りんごは、一升瓶を抱えて爆睡中だった。おそらく夕べも、いつものように飲みまくっていたのだろう。医者のくせに大丈夫なのか?と思うが、これでも目覚めた後はちゃんとしているらしい。
だが、朝早くから目覚めるという事はないようで、この時間は完全に夢の中。だから当然、部屋に誰かが入ってきても気づいていない。
「りんごさん、朝ですよ」
それを毎朝のように起こしに来る忠犬雪乃である。
ゆさゆさとりんごの身体を揺らして起こそうとする雪乃。
例えばいちごに対する雪乃なら、声かけて起きなかったら、フッと冷気を吹いて凍らせて起こすとかしそうものなのだが、ことりんごに関してだけは丁寧に優しく対応する雪乃である。
もっとも、そんな丁寧な対応では、酒の入った翌朝のりんごは起きはしない。
「ん~~……まだ眠ります~~……」
などと寝言をほざきながら、りんごは自分を揺する雪乃の手を掴むと、そのまま布団に引きずり込んで、一升瓶の代わりに抱きしめた。
「ひゃっ……り、りんごさん……」
心なしかポッと頬を染めた雪乃は、そのままりんごに抱きつかれて布団に引きずり込まれる。布団の中で雪乃を抱いたりんごは、寝ぼけたまま雪乃の身体を撫でまわしているような……?
このままりんごに抱かれて二度寝したい……そんな思いがむくむくと湧いてくるのだが……このままではせっかく作ったりんごのための朝食も無駄になる。
少しだけ逡巡し、普段の氷のような無表情を悩みで歪ませながらも、雪乃はりんごの手を解いて布団から出た。微妙に着衣が乱れているのは、無理に布団に引きずり込まれたからだろう。多分きっとそうだ。
「りんごさん、さすがにもう起きてください」
そして、再び表情をいつもの無にした雪乃は、氷を作るとりんごの頬に当てた。
>現実時間:いちご&アリカ
「あ、りんごさん相手にも、最終的にはこれやるんですね……」
『さすがのりんごも跳ね起きたのね』
りんごが起きて驚いた顔をしているところで、画面は再び切り替わる。
次に映し出されたのは、また別の誰かの部屋のようだ。
ちょうど目覚めたらしいたわわな胸が画面いっぱいに映し出されていた。
『この胸は……仁美かしら?』
顔は見切れているが、間違いなくアリカの推測通り仁美である。
昨夜恋華荘に泊まっていった仁美は、深夜の寝姿も念写されていたが、再び今度はちょうど起きたばかりのところが撮影されたらしい。
「そこで判断しないでください……。しかしまぁ、さっき寝姿も出てましたし、なんていうか寝起きドッキリやってる気分ですね……」
>AM7:30頃の客室:仁美
「ん~~。ここで起きるのもすっかり慣れ親しんじゃったなぁ。もうほとんどあたしの部屋だもんね、ここ」
仁美は、普段からここの温泉に入り浸っていることもあって、ほとんど住人同様にこの寮に慣れ親しんでいる。
そして最近は、泊まっていくことも多く、そのたびに同じ客室を用意されているので、実質ここは仁美の部屋と言ってもいい場所だった。
ちなみに管理人のいちごの方でも、仁美が泊まりに来ることを見越して、新しい住人が来た時もこの部屋は開けたままにしているらしい。
布団から体を起こして、思いっきり伸びをする仁美。
豊か過ぎるその胸が、窮屈そうにパジャマに押し込められているのだが、なんとなくパジャマが乱れている様な気もする。まるで別の誰かが脱がして悪戯した後、また着せたような、そんな微妙な乱れ方だ。
「ん、あれ……こんな本、あたし持ち込んでたかな……?」
ふと視界の隅に、見知らぬ書物が見えた。どうやら魔導書らしいものだが、仁美には心当たりはない。なんとなく不気味なオーラが漏れている様な気もするが……やはり仁美には心当たりはないのだった。
ちなみに当然いちごの持ち物でもなければ、恋華荘の備品でもない。
まさかその魔導書が夜な夜な触手のようなものを召喚して仁美に悪戯しているなんてことはないはずだ。昨晩の寝姿でも何も映っていなかったのだしね!
なので、パジャマの乱れは、仁美の寝相のせいに決まっている。きっとそうだ。
「う……持ってきたブラが、なんかきつい」
布団をたたんで着替え始めた仁美。
パジャマを脱いで上半身裸になった後、ブラを突けようとしたところで違和感を感じた。
「このブラ、買ってからまだ半年も経ってないはずだけど、まさか、また胸が大きくなった……?」
それを確かめるかのように、仁美は自らの手でその巨大な乳房を掴み、揉み始める。ずっしりと重い感触は、確かに以前よりも重くなったような気がする。
「流石にこれ以上大きくなると、合うブラなんかそうそう無い……って言うか今でもほぼオーダーメイドなんだけど……うぅ、何とかならないかなぁ、この胸……」
持たざる者が血の涙を流しそうなことを口にしつつも、持つ者は持つ者で大変なのであった。
>現実時間:いちご&アリカ
『おお、さすが仁美、大迫力なのね』
「見てません見てません……」
画面に映っていたのは、仁美の巨大なバストのアップ。そしてそれを自分の手で揉んでいるシーンだ。
さすがにいちごは真っ赤になって目を逸らすのだった。
●AM8:00~9:00。ユニの部屋
>現実時間:いちご&アリカ
仁美の寝起き(というか胸)のあとは、平穏な寮内の様子が映っている。
廊下、食堂、玄関……。
寮生たちがそれぞれの生活をしている姿が流れていった。
いちご達の学生組の登校時間でもある。
行ってらっしゃいと、玄関にて出かけるいちごを見送る若葉の姿も映っていた。点tねのだが、その若葉の姿が急に影となって消える。
『やっぱり若葉はホラーなの……』
「……気にするのはやめましょう、ええ」
そして、再び映像は切り替わり、誰かの部屋の中を映す。
『あれ? いちごの写真が貼ってあるの。誰の部屋かしら……?』
「私のポスター……? あ、いえ、撮影機材とかもあるし、ここは……」
一瞬、いちごをストーキングしている誰かの事思い浮かべるが、他に映ったものから冠あげるとそうではない。最推し男の娘の(隠し撮り)ポスターと撮影機材、そして防音設備。これらを兼ね備えているのは、男の娘VTuverのユニ・ヴァンデルセン(読書系エルフVTuber・f31263)の部屋だった。
『ユニかー。これはいったい何してるの?』
「多分配信の準備をしてるんじゃないですかね?」
ゲーム画面とパソコンを繋いで、そしてヘッドセットを付けているところを見ると、今日の配信の準備をしているらしい。
何の配信か確認しようとしたところで、画面はまた別の所に切り替わるのだった。
●AM9:00~10:00。寮の裏庭
>現実時間:いちご&アリカ
『なかなか面白いのは映ってないの』
「そういうの見るためにやってるんじゃないですから……」
ユニの部屋の後はしばらくまた、人のいない廊下や庭、人はいるけれども特にイベントもない食堂や遊戯室などが映っているだけだった。
『また誰かの部屋でも映らないかなぁ……』
「だから、アリカさん……」
退屈し始めたアリカの期待に応えるかのように、次に映し出されたのは、裏庭で猫と戯れている庭月・まりも(乗っ取られ系家猫・f29106)の姿だった。
『ん、裏庭に誰かいるの……あれは、まりも?』
「相変わらず猫に囲まれてますねぇ……」
>AM9:50頃の裏庭:まりも
「んー、そうなんだ? うんうん。それは大変だったね。ここでは安心していいよ」
人間キャットタワーの異名をとるまりもは、この日も寮の裏庭に集まってくる野良猫たちと戯れていた。
猫たちと会話している……ように見えるが、実際のところは猫の言葉が話せるわけでもなく、話自体は通じているのかいないのか。
それでも猫たちはそんなまりもとの会話が心地いいらしく、まりもに纏わりついている。中にはまりもの身体をよじ登り、頭への登頂を果たす猫も。
「って、頭に乗っていいってことではないんだけど……ま、まぁいいか」
猫を頭に乗せて、まぁいいかとのんびり日向ぼっこを始めていたまりもだったが、その頭の上にいた猫が、頭の上で足を滑らせた。
「ひゃっ!? な、なになに、髪がぐちゃぐちゃになる~~って、猫さんが滑って、お洋服の中にだいぶ!?」
足を滑らせた猫は、そのまままりもの服の中に落ちた。
首の裏側からすっぽりと背中に入ってしまった猫。
そのまま服の背中側で暴れるものだから……ぷちんっとブラのホックが猫の手に引っかかって外れた。
「わわわわっ!? く、くすぐったいー!?」
中で猫がもがくたびにくすぐったさに悶えるまりも。
だが、すぐに猫の動きが鈍ってきて、まりもも悶えるどころではなくなる。
「……って、猫さん、だいじょぶ-、息できてるー!?」
まりもは慌てて服を脱ぎ捨てた。ブラのホックが外れていたため、服を脱いだ勢いでそのままブラも外れ、上半身裸になってしまったが、それを気にしている場合でもない。どうせ猫意外に見ているものはいないのだし。
「よかったー、猫さん無事だねー」
背中から回収した猫をそのまま抱きかかえ、ぬくぬくしている猫の毛並みに頬ずりをして幸せそうにするまりもだった。
「えへへ、ふわふわで気持ちいーね♪ ……なんだかここに来てからのんびりしてばかりな気がするけど、いろいろだいじょぶかなぁ?」
上半身裸のまま猫を抱っこしつつ、そんなことをふと思うまりもだったが、すぐに「ま、いっか」と思い直して、さらに猫と戯れているのだった。
>現実時間:いちご&アリカ
『思わぬところでまりものおっぱい見れてよかったのね、いちご』
「だから、そういうの見たいわけじゃないですからぁ!?」
映像にはしっかりと、上半身裸になっていたまりもの姿が映っていた。
相変わらず赤面中のいちごである。
●AM10:00~11:00。露天風呂
>現実時間:いちご&アリカ
「あ、今度はまたお風呂の場面なのね。また誰か入ってたりして……?』
「だからやめましょうよ、そんな期待……」
画像はしばらく露天風呂の光景を映し出していた。
とはいえ、この時間は入浴するものはほとんどいない。なので、和たちスタッフがお風呂掃除をしている。
『なーんだ、掃除風景なの』
「だから何を期待してたんですか……って、あれ、若葉さんもいる?」
『手伝いは感心なの……って、若葉これ、何してるの?』
スタッフに交じって手伝いをしている風な若葉の姿が映ったが……掃除というよりは、何か別の事をしているような……?
>AM10:40頃の露天風呂:若葉
朝、いちごが登校するのを見送った後、影となって姿を消していた若葉だったが、いつの間にか帰宅していて、そして露天風呂の掃除を手伝っていた。
手伝いそのものは真面目にやっているのだが……時折、視線が何か備品に引き寄せられているようで。
「ああ、これがあの人が使っているシャンプーですね……」
露天風呂の洗い場の一角には、寮生が使うシャンプーが各人ごとに種類ごと何本も常備されているのだが、若葉はそのうちの1本を迷わず手に取って、うっとりと眺めていた。
もちろんそれはいちごが使っているもので。
しばらく若葉は愛おしそうにそのシャンプーを手に取っていたが、やがて名残惜しそうに元の場所に戻すと、うふふ……と含み笑いをしながら立ち去っていくのだった。
……なお、こんなことが、いちごの使うもの全てで繰り返されているらしい。
>現実時間:いちご&アリカ
「何をしてるのかはわかりませんでしたが、なんだか背筋がぞわっとしました」
『気にしたら負けなのよ、たぶん』
結局画像に映っている範囲では、若葉が何をしていたのかはわからずじまいだった。
なので2人はこれ以上気にするのはやめた。
●AM11:00~PM0:00。流江の部屋
>現実時間:いちご&アリカ
先程の光景は頭から消して、いちごとアリカは映像チェックに戻る。
その後はまたしばらく平和な光景が映っていたのだが……。
『ん、また誰かの部屋なの。今度は……流江か』
「何かの雑誌を見ているみたいですね……って、流江さんが2人に!?」
次に映し出されのは、彩波・流江(不縛神フルエリュト・f25223)の部屋のようだ。流江は、熱心にファッション雑誌を見ていたのだが、突然何かの術を行使して、自らの分身を作り出したのだ。
『ユーベルコードで分身作ったのかしら。でも何のためなの……?』
>AM11:30頃の流江の部屋:流江
流江は、自室で複数のファッション雑誌を前ににらめっこをしていた。
雑誌に載っているモデルの服装は可愛いなと思いつつも、ファッション用語などはさっぱりわからないので、内容はよく理解できていない。
「うーん……実際に着れば、良さも分かるでしょうか……?」
首をひねっていた流江は、結局考えるのをやめ、雑誌の写真を見ているだけでは埒が明かないと、とりあえず試してみることにする。
どうやって試すのかというと、【偽神の分け御霊】によって、自らの分身を作り出した。
その分身は、流江と寸分たがわぬ姿をしており、そして現れた時にはちゃんと同じ格好をしていたのだが、すぐのその着衣が光の粒子となって消えてしまう。
肉体年齢の割にたわわに育っている双丘も、むっちりとした安産型のお尻も、股間の秘裂さえも、隠すことなく露わになる。
だが、もちろん本人も分身もそれは気にしていない。そもそも自分の裸を見てもなんとも思わないし、ここは自分の部屋の中なので、誰かに見られているわけでもないからだ。
「それでは、順番に試してみましょう」
もともと普段着も、神の力で構築している流江だ。雑誌で見た写真の通りに構築するのはお手の物。
パッと裸の方の流江(分身)が光ったと思えば、その光が収束して、雑誌に載っていた装いに変わっている。
「着心地とか、どうですか?」
『うーん……どうでしょう。悪くはありませんけど、ちょっときついですかね?』
流江(本人)から流江(分身)へ問いかける。
着ている自分を客観視して外から見られるうえに、着た感じも確認できるので、分身を駆使したこの方法は、姿見で見るとかよりもよほど有用なのだ。
ちなみに、雑誌の乗っていた服を色々試したものの、全部胸がきつかったそうな。
>現実時間:いちご&アリカ
『わ……流江の大胆ヌードだったの』
「わ、私は見てませんよ、……ちょっとしか」
念写で撮られた映像は、ちょうど分身の流江が全裸になっていたシーンだった。
なのでもちろん、いちごはその全てを目に焼き付ける事となってしまった。
真っ赤になって目を逸らしても、後の祭り。
しばらくその光景は頭から離れなかったそうな……。
●PM0:00~1:00。脱衣所/露天風呂
>現実時間:いちご&アリカ
『やー、さすが流江は大迫力ボディだったのよ』
「その話はもうやめましょう! ほら、画像切り替わりましたしっ」
流江の部屋から切り替わった画像は、その後しばらく食堂だとか玄関だとかの無難な所を映していたのだが……やがて、露天風呂に連なる脱衣所が映し出された。
『あ、脱衣所に誰かいるの』
「えっ……また着替えとかだったら、私は見ませんよ!?」
『ん-、なんか様子がちょっと違うのよ?』
そういって画面を指さすアリカ。
そこには、ルイザ・シャーロット(冷静な弓箭衛士・f27402)とルア・テミルカーノヴァ(魂の共鳴者・f29992)の2人が話し込んでいる姿が映っていた。……何故か水着姿で。
>PM0:50頃の脱衣所:ルイザ&ルア
昼間の露天風呂は、普段はあまり人がいない。
だからこそ、この時間帯で被るのは珍しい事だった。
しいかも、2人とも何故か水着姿とくれば……いったいどんな確率なのだか。
「あ、こんにちは。ルアさん。ルアさんも、下に水着を着てる……?」
「ルイザさんも、下にパイロットスーツを着ているのですか……と思ったら、あ、水着なんですね」
共に服を脱ぎ、水着姿になったルイザとルアは、そんな言葉を交わしていた。
水着とはいっても、ルイザのは、泳ぐのが好きだからという理由で常に下着代わりに来ている普通の水着で、ルアのは基本的にはパイロットスーツなので一応違うのだが……まぁ、ルアのも水着兼用だそうなので間違ってはいない。
そんな水着姿の2人だが、もちろんこれからお風呂に入るのに、水着のままではいられない。2人はなんとなくそのまま会話しながら水着を脱いでいくのだった。
「そういえば、ルアさんはエルフなんですか?」
ふとルイザは、ルアのとがった耳を見てそう尋ねてみるが、ルアの返答は否だった。では何故かというと……。
「私の耳は、お姉ちゃんに感応して産まれてきたからなのです」
ルアは、とある世界のエルフの聖女に魂が共鳴したレプリカントなので、その影響という事らしい。お姉ちゃんというのがその聖女の事だ。
「なるほど、お姉ちゃんがいるってすごいうらやましいですね。私は、一人っ子だから……」
「何だか、ルイザちゃんには親近感を感じますね。もしよかったら、一緒に入りませんか?」
はい、ルアお姉ちゃん、と微笑んで、ルイザはルアの誘いを受け、裸になった2人はそのまま露天風呂へと消えていった。
>現実時間:いちご&アリカ
「水着だからとちょっと油断してました……」
『そりゃ、これからお風呂に行くんだから、水着は脱ぐのよ?』
水着姿でどんな話をしてるんだろうと、軽い気持ちで眺めていたら、2人ともそろって水着を脱ぎ始めたので、またもや顔を赤くして視線を逸らしていたいちごである。
ともあれ、映像自体は脱衣所の固定なので、そこから風呂場に行ってしまえば、もう2人の姿は見えない。
残された脱衣かごの中に、脱ぎたての2人の水着が映ったままだった。
「そろそろ別の場所に切り替わりませんかね……?」
『そうなのよ。次は2人を追いかけてお風呂場とか……』
「アリカさん、念写する場所狙ってやってるんじゃないでしょうね!?」
『いやいや、偶然なのよ。……ほんとに露天風呂になったけど、偶然なのよ?』
脱衣所から画面が切り替わったが、そこは露天風呂の中で、そしてまだルイザとルアの2人が入浴中なのだった。
>PM0:55頃の露天風呂:ルイザ&ルア
「いいお湯ですね……心が安まります」
ルアはのんびりと湯船に浸かっていた。
ルイザもその隣にいる。
この露天風呂の湯は透明度が高いので、ルアのナイスバディもくっきりとルイザの目からも見えていた。
「何だか、ルアさんっていい体してますよね。私も大人になったらあんな体になれればいいですね……」
「いつか、ルイザさんもナイスバディになりますよ、きっと」
そういってクスッと笑うルア。
まるで本当の姉妹のようだ。
「ルアお姉ちゃん、もしよかったら、背中流しましょうか?」
「あら、それじゃあお願いしましょうか?」
背中を流すというルイザの提案に乗って、ルアはその場で立ち上がる。
湯から出たルアの身体は、ナイスバディの上をお湯のしずくが滴って、ルイザが憧れるほどにとても色っぽかった。
>現実時間:いちご&アリカ
『うんうん、さっきはきちんと見れなかったから、今度はバッチリなの』
「ほんとに念写狙ってやってるんじゃないんでしょうねぇ!?」
今回の念写範囲はちょうど、ルアが立ち上がった時、その身体が全部丸見えになる位置からの映像だった。
なぜかアリカはドヤ顔で頷いているが、いちごはいろいろ気まずくて頭を抱えるのだった。
●PM1:00~2:00。管理人室/ヴェールの部屋
その後はまたしばらく平和な映像だった。
人のいない廊下や裏庭などの映像がしばらく流れ、アリカは退屈しだしている。
そんなとき、管理人室の扉をノックする音が聞こえた。
『あ、誰か来たみたいだから行ってくるの』
「ちょっと、アリカさん……」
映像に退屈し始めていたアリカは、来客対応にモニタールームを出ていく。
いちごも、アリカに任せきりにするわけにはいかないと、そのあとを続いて出ていった。
扉をきちんと締めないまま。
そしてこの時、モニターを一時停止にしていなかったことを、あとで色々な意味で後悔することになる。
「あ、あれ、アリカさん、ここにいたんですか……!?」
『あら、ヴェールが管理人室に来るのは珍しいの』
管理人室に尋ねてきたのは、アリカの仲良しカタメカクレ同盟のヴェール・フィエーニクス(「涙を拭う手」のアサシン・f00951)だった。
「ヴェールさん、何か用事ですか?」
管理人室に寮生がくるのはそう珍しい事ではない。寮内設備に問題が起きたとか、電球が切れたとか、そんなこともみんな管理人に言うからだ。
なので、何があったのかと管理人の顔でいちごがヴェールに問いかけるが、ヴェールはなんだか顔を赤くしてもごもごと言いづらそうにしているのだった。
「……?」
『……どうしたの?』
「あ、え、えっと……えっ!?」
そうして赤面していたヴェールだが、意を決して顔を上げた時、その視界……いちごとアリカの向こうに、ヴェールの姿が映った。
「あっ……?」
「えっ……ああっ!?」
『あ、モニタ消し忘れてたの』
ちょうどこのタイミングで、ヴェールの部屋の中の様子が映し出されたのだった。
>PM1:40頃のヴェールの部屋:ヴェール
「あ、アリカさんっ、こ、今度、ば、バレンタインのお買い物、一緒にだいじょぶ、でしょうか……っ!」
台詞だけ聞けば、ヴェールがアリカをデートに誘っているところだろう。
だが、ここはヴェールの自室であり、今ここにいるのはヴェール1人だけだ。
電話をしているわけでもない。
ではいったい何に向かって話しかけているのか。
ヴェールの目の前にあるのは、大切にフォトスタンドに入れて保存してある、ヴェールとアリカのツーショット写真だった。
そう、ヴェールは、アリカ本人を誘うための練習として、写真に向かって語り掛けていたのである。
「も、もしだいじょぶでしたら、一緒にお買いものして、それから、それから……」
練習にもかかわらず、ヴェールの顔は真っ赤だ。
もともと赤面しやすい恥ずかしがり屋ではあるが、そればかりではない。アリカ相手にしていると思うだけで胸のドキドキが止まらなく、写真相手でも言いたいことを言いきれていないという体たらくなのであった。
「……うぅ、も、もう1回。すう……はぁ……」
深呼吸して息をとtのエルも、赤面はまだ治らず。
なので、同じように誘いの言葉を口にするも、やはり途中でどもるのだった。
>現実時間:いちご&アリカ&ヴェール
『……ヴェール、これ、何やってるの?』
「あ、え、えっと……」
流れでそのまま、ヴェールもモニタの前にやってきて、3人で、ヴェールの痴態というか醜態を見ることになっていた。
この映像はアリカの念写なので、音声は聞こえてこないのだが、少なくともアリカの写真を前にあたふたしている様子だけはわかる。
「ご、ごめんなさい、私……」
顔を真っ赤にしてぺこりと頭を下げるヴェール。
隠していた買った秘密……というかこんな醜態を見せて、アリカは怒ってないだろうか、なんて考えてしまっているのだろう。
だが、当然ながらアリカもいちごも怒ったり呆れていたりはしない。
それどころか、先に謝られてしまって、いちごはどうしたものかと頭を悩ませてしまっていた。
「あ、あの、ヴェールさん。むしろこれ、私達が謝らなければいけないことなんですけど……」
『部屋の中勝手に見られて、ヴェール怒ってないの?』
「えっ?」
そんなことは思いもよらなかったというヴェールの表情である。
アリカの防犯システムの事は一応簡単に周知はされているので、具体的にどんな感じで映っているのかは知らなくても、見られているのは当たり前と、ヴェールは考えていたのかもしれない。実際は多くの寮生は、廊下とか食堂とかそういう公共の場所が撮られているくらいの意識しかないのだろうけれども、ヴェールが素直すぎるが故だろうか。
アリカもさすがに体裁が悪いのは自覚しているようで、そのままヴェールに口止めをすることにする。
『まぁ、こうして部屋の中も映っちゃうこともある、ってうのは、できれば内緒にしていてほしいのよ? 2人の約束なの』
「ふ、ふたりの約束……は、はいっ」
ふたりのやくそくという言葉にぷしゅーと真っ赤になるヴェールであった。
この様子なら、約束が破られることはないだろう。多分。
……いいのだろうか?
●PM2:00~3:00。りんごの部屋。
>現実時間:いちご&アリカ
結局、口止めの代わりに買い物の約束も交わし、ヴェールは管理人室を去っていった。
『それじゃ、気を取り直して続きを見るの』
「……なんだか、この後も誰かのプライバシーが出てくるのではと思うと気まずいんですが……」
『気にしちゃだめなのよ』
アリカにはもう少し気にしてほしい、と思わずにはいられないいちごであった。
ともあれそうして映像チェックを続ける2人。
次に映ったのは、お酒の空瓶がゴロゴロしているだらしない部屋……りんごの部屋だった。
「りんごさんの部屋は相変わらず……」
そしてそこを掃除している誰かの姿が見える。
『ん、いちごが掃除しているの?』
「いえ、私が行くこともありますけど、でもこの日は……」
画面に映ったのは、いちごでも雪乃でもなく、清里・柚月(N.D.O・f26171)だった。
>PM2:40頃のりんごの部屋:柚月&りんご
「リンちゃんってば、やっぱりお部屋散らかし放題なんだからー。しっかり片づけてあげなきゃね?」
この日、昼間から柚月はりんごの部屋に来ていた。
りんごも、今日は医者の仕事もないのか、部屋の片づけをしている柚月を見ながら、手酌で日本酒を浴びるように飲んでいる。真昼間から。
「大事なモノとかあったらちゃんと言ってねー」
「大丈夫、お任せしますわよー?」
などと言いながら、柚月はてきぱきと空き瓶を片付け、ゴミを袋に入れている。
勝手知ったる他人の部屋とはよく言ったもので、この部屋に入り浸っている柚月は、一応確認はするけれど、何が大切なもので何がゴミなのかはしっかりと把握している。なのでりんごも口出しせずにすっかり任せっきりになっていた。
「よし、片づけ終わり!」
しばらく働いていた柚月だったが、掃除を終えると、片づけたごみと入れ替えに、どんっと別のケースを取り出した。
その中には、さまざまな種類の酒。酒。酒。
「じゃあお疲れ様ということで……お酒飲もうか!」
「待ってましたー♪」
お疲れ様も何も、働いていたのは柚月だけなのだが、2人にはそんなことは関係ないのだろう。長年の付き合いで、そういう役割分担ができているようだ。
「ダークセイヴァー産のワインにサクラミラージュ産のウヰスキー、グリードオーシャン産のラム酒と色々あるけど……リンちゃんはやっぱり日本酒かな?
「それは……カクリヨファンタズム産の日本酒ですわね?」
「さっすがリンちゃん、よくわかってるぅ!
それじゃ、お掃除お疲れ様でした! かんぱーい!」
「かんぱーい!」
チンっとコップを鳴らし、2人はそのまま酒盛りを始めるのだった。
繰り返し言うが、まだ真昼間である。
>現実時間:いちご&アリカ
「…………」
『…………』
2人が見ていた映像では、片づけを終えた後すぐ酒盛りを始めた2人の姿が映っていた。
思わず真顔になって無言になるいちごとアリカ。
やがて画面が別の場所に切り替わると、2人は、まるでだめなおねえちゃんずのことは、見なかったことにしたのだった。
●PM3:00~4:00。裏庭/ユニの部屋/玄関/理緒の部屋
>現実時間:いちご&アリカ
「えっと……あ、そろそろ学生組の帰宅時間ですね」
切り替わった画面には恋華荘の玄関が映り、そこにはなん恁麼の学生が帰宅してくる様子が映し出されていた。その中には、いちごの双子の妹の彩波・さくら(龍神の聖女・f25299)の姿もある。
『さくらは帰ってきたみたいだけど、いちごは一緒じゃなかったの?』
「この日は買い出しもあって、真っ直ぐは帰ってないんですよね」
『なるほどなの』
「っと、今度は裏庭の映像ですね」
玄関の人の出入りを観察していると、映像は急に裏庭に切り替わった。
そこには先程帰宅したばかりのさくらともう1人、叢雲・黄泉(賞金稼ぎの邪神ハンター・f27086)の姿があった。
しかも、どうやら2人が戦っているような……?
「え、これ、なにやってるんですか!? 大変……」
『落ち着くのよいちご。ホントに大きな問題になってたら、その時点でリアルタイムでわたしが気付いているの。あとで映像で見れるという事は、たいしたことはないのよ』
「そ、そうですね……」
思わず腰を浮かせたいちごだったが、アリカの冷静な指摘で再び腰を下ろす。
とはいえ、映像は、たいしたことが無いようにはちょっと見えなかった……。
>PM3:10頃の裏庭:さくら&黄泉
「彩波さくら……話があります……。寮の裏庭まで来てくれますか……?」
「ん? 黄泉さんが私に用事なんて珍しいね?」
帰宅したさくらは、すぐに黄泉に声をかけられて、裏庭まで足を運んだ。
何の用事かはわからないが、どうせ兄の関係だろうと当たりを付けたさくらは、軽い調子で言葉を続ける。
「いちごにセクハラされたとかなら言ってね。きつーくお説教しとくからね」
だが、そんな軽口にも、黄泉は反応しない。
黄泉が何を考えていたのかというと、さくらを如何にして狙うかという事だった。
(「これまで彩波いちごだけを標的にしてきましたが、それだけでは済まないようです……」)
いちごの中に封じられている邪神に恨みを抱く黄泉は。これまで何度も何度もいちごを暗殺しようとして自爆してきているのだが、それで今度はさくらにターゲットを変えたらしい。
なるほど、最近さくらも邪神の力を使えるようになっているから、わからない話ではない。
黄泉は、何の前触れもなく妖刀を抜くと、いきなりさくらに斬りかかる。
「受けてくださいっ!」
「きゃあっ」
全く対応できなかったさくらだが……だが、その一撃は虚空より現れた触手によって防がれた。さくらが無意識のうちに行使した【召喚「『姫』の眷属」】で呼び出されたものだ。
「ちょっと、黄泉さん、いきなり何するの!? きちんと事情を話してくれないと分からないよ……」
戸惑うさくらだが、黄泉は会話をするつもりはない。
ただ、目的自体はきちんと告げた。
「彩波さくら……。彩波いちごの妹であるあなたも、やはり邪神の力を持っていましたか……。ならば、あなたも私の敵です……!」
少女を手に掛けるのは心苦しいけれども仕方ないと、覚悟を決めた黄泉は【斬魔剣】で一思いにさくらを斬り捨てようと妖刀を振りかぶって襲い掛かる。
だが、ここまで数限りない自爆をしてきた黄泉だ。
当然今回も、その刃はターゲットには届かない。
というかそもそも、黄泉の刀は、にゅるにゅるが斬れないという致命的な欠点があるのだ。なのでさくらによって召喚されたにゅるにゅる……触手がある以上、黄泉の攻撃が通用するはずはないのだ。
「って、触手がっ!? にゃあああっ!?」
「へっ? 触手がなんか暴走してる……って、やっ、ちょっ、どこ触って……!?
ひゃぁあんっ!?」
しかも、その触手は、さくらが無意識で呼び出した邪神のモノだ。
そりゃあ、暴走する。
暴走しない理由がない。
というわけで、黄泉もさくらも、その触手にあっという間に絡み取られてしまう。
触手は2人の服の中に入り込み、薄い胸の先端に吸盤を吸い付かせて、そのまま吸盤が口のように2人の胸の桜色をじゅるるるると吸いまくる。下半身に巻き付いた触手は、当然ショーツを引き剥がして、その中心の秘裂に突撃する。
じゅっぽじゅっぽ。
2人の秘裂に突き刺さった触手は、激しく水音をたてながら2人を攻めていくのだった。
>現実時間:いちご&アリカ
『ね、特に問題はなかったでしょ?』
「これはこれで大問題ですよっ!?」
妹が触手で自爆して凌辱されている映像を見たいちごは、頭を抱えていた。
いちごが子の一件を知らなかったという事は、いちごが帰宅する前にはことが棲んでいたという事なのだろうが……それならむしろこんなこと知りたくはなかったというのが兄の本音だろうか。
『ま、黄泉にとっては平常運転だし、気にしたらダメなのよ?』
「それもどうかと思うんですけど……」
いちごがショックから立ち直らないうちに、画像は別の場所に切り替わる。
そこは、いちごのポスターがベタベタと張られている部屋……午前にも一度映ったユニの部屋だった。
>PM3:30頃のユニの部屋:ユニ
『こんえるふ~♪ 今日は久しぶりのガネクラやるよ~♪』
と、ユニはゲーム実況のライブ配信を始めていた。
恋華荘に引っ越してきてからは初めての配信という事で、ずいぶんと張り切っているようだ。
VTuverとしてのユニは、今の自身の姿とほぼ同じ姿の男の娘の3Dモデルだ。
その画面上のユニがガネクラと呼ばれるゲームの解説を行っている。どうやら今はバレンタインイベントの真っ最中のようで、限定チョコダイヤブロックというのを回収するのが目的らしい。
『限定チョコダイヤブロック10個回収まで終われません! それじゃ、いってみよぉ~♪』
>現実時間:いちご&アリカ
『ゲームの画面が映ってないから、何やってるのかよくわからないの』
「でも、実況配信楽しそうですねぇ。今度チャンネル登録して見てみましょうか?」
残念ながら既にユニの部屋から映像は切り替わってしまっているので、どんなゲームなのかはうかがい知れない。まぁ、実況者なら過去の配信はアーカイブしてあるだろうから、それを見てもいいだろう。
画面は再び玄関の映像になっていた。
どうやら今度は、学校帰りの買い出しを終えて帰宅したいちごの姿が映っていた。
「あ、ちょうど私が帰ってきたところですね……ん?」
『何か、影が……?』
いちごが通り過ぎた後、影が人の姿をとった。若葉だ。
若葉はそのままいちごの後をつけるように画面外に消えていった。
「こ、これは……」
『……やっぱり若葉はホラーなの』
その後、また画面は切り替わる。今度は誰かの部屋のようだ。
ユニの部屋同様に、いちごの画像が部屋の中に見える。
「え、また私の?」
『今度はポスターじゃなくて、モニタ画像みたいなのね』
いちごを盗撮した映像という事だろうか。
その画像が映っているパソコンの持ち主は……菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)だった。
>PM3:50頃の理緒の部屋:理緒
「さぁまずはモニターのスイッチをON! いない間になにがあったか、しっかりチェックしないとね!」
部屋に戻ってきた理緒は、さっそくパソコンのモニタの電源を入れる。
デュアルモニターになっていて、大きな液晶モニタが2つついているそのパソコン、不在の間もずっと動いていたらしく、モニタの電源を入れるとすぐに何かの映像が映し出された。
右のモニターにはいちごの姿。
左のモニターには理緒の妹である奏莉の姿。
「うんうん。今日もかっこいいのと可愛いのに挟まれちゃう、よー♪
もー、右を見ても左を見ても天国モードで、どっちを見ようか悩ましいっ♪」
……どうやら、理緒がいちごの住む管理人室と、妹の入院している病院に監視用の機器を設定しているらしい。いちごが気づいていない所を見ると、理緒の電脳魔術によるものだろうか。
モニタの中では、ちょうど帰宅したらしいいちごの姿が映っていたが、やがていちごは服を脱ぎ始める。
「ん? お、おお~……いちごさん、おでかけから帰ってきたところかな?」
上着を脱ぎ、肌も露わになっていくいちごの姿を、モニタに齧りつくように近付いてガン見している理緒である。
「いちごさんの着替えって、何度見ても所作が綺麗だし、以外と、こう……。えへへへへへへへ」
じゅるり。
垂れたよだれを拭う理緒。もはや美少女がしてはいけない顔をしている気がする。
そのままいちごが着替えているさまを食い入るようにじっくりと最後まで見ていた理緒だが。ふと隣のモニタに視線を移すと、そこにいるはずの芋生音の姿が見えなくなっていた。
「って、あ!? いちごさんに見惚れていたら、奏莉ちゃんがいなくなってる!?」
最近、理緒の妹は病院から抜け出すことが多いらしい。
そのたびに怪我も増えている様なので心配なのだが……この時点ではまだ、理緒は妹が何をしているのかは気付いていないのだった。
「最近脱走多いんだよね。また怪我してこなければいいんだけど……。もう少し監視機器の種類増やそうかな……?」
>現実時間:いちご&アリカ
『いちごの盗撮映像を見ている理緒を盗撮しているいちご。なかなかシュールな状況なの』
「……えっと、あの、この管理人室のどこに盗撮カメラが……? というかアリカさん、もしかして理緒さんのこの映像のこと知っていたのでは……?」
さっと視線を逸らすアリカ。
どうやらアリカも共犯の可能性があるようだ。
「アリカさん……?」
『あ、ほらほら、次の映像チェックなのよ!』
アリカは追及から逃れるように次の映像を指し示す。
いちごは不満そうだが、そもそも今時分も盗撮まがいの事をしているため、それ以上追及はできないのだった。
●PM4:00~5:00。露天風呂
>現実時間:いちご&アリカ
アリカが指し示した映像は、またもや露天風呂だった。
「今日お風呂の映像多くないですか……?」
『1日分なのだから、そういう事もあるのよ』
その映像には、誰かが入ってくる姿が映っていた。
それは寮生ではなく……。
「あ、玲子さん!?」
『ああ、いちごのクラスメイトの。そういえば最近よく温泉入りに来てたのね』
温泉目当てで通ってきていた瀬戸・玲子(淫魔にされた少女・f32112)であった。
>PM4:00頃の露天風呂:玲子
「クラスメイトのところに来るのは気が引けてましたけど……温泉には罪はありませんし」
玲子はひとりで広いお風呂を独占するように、大きく伸びをした。
洗い場の椅子に腰かけ、丁寧にゆっくりと身体を洗っている。
「まぁ、学校で散々問題を起こしているいちごさんですし、温泉無料くらいの対価で許されるわけではありませんけど」
学校でもいちごは、色々ドジってとらぶるの類は起こしているのだが、その際の被害者になる相手はある程度決まっている。そのうちの1人が玲子だ。
今まで何度転んだいちごに巻き込まれて押し倒されたり胸を揉まれたりしたかはもう数えきれない。
クラスの委員長でもある玲子は、そのとらぶるの後始末に奔走していたりもするので、いちごはますます頭が上がらないのだった。
身体にお湯をかけ、洗い流していく玲子。
綺麗に身体を洗って気分もさっぱり……のはずなのだが、どこか身体が火照って上気しているような、そんな様子も見受けられる。
実を言えば玲子は、淫魔に取り憑かれてしまって以降、身体がいろいろ敏感になってしまっているので、お風呂に入るという行為だけでも身体が反応してしまうのだった。
「淫魔になってしまってからお風呂に入るのも一苦労ですね……その、色々と感度が敏感すぎて……とはいえ、こんなところで自分で慰めるわけにもいきませんし……」
火照ってきた身体は、刺激を求めていて、無意識に玲子の手は胸や股間に伸びそうになってきている。
だが、根は生真面目な玲子だ。身体が淫魔であろうと心はそれを拒絶しているので、ところかまわず自慰行為などできるわけもない。
身体を洗う間もずっと、声を押し殺し、自慰行為を始めようとする身体に抵抗していたのだ。
それがようやく終わり、玲子は湯船に浸かる。
今度こそ、ようやくのんびりとするのだった。
「ふぅ……まぁ、たまの贅沢……ですね」
>現実時間:いちご&アリカ
『クラスメイトの女の子が、身体をどこから洗うのか、見た感想はどうかしら?』
「バレたら殺されそうです……」
映像は、玲子が身体を洗っている様子が正面から映し出されていた。
なので玲子の胸も股も全部見えていたうえに、身体を洗う様子が最初から最後まで……ついでに言うといちごは、その際に玲子の身体が蒸気していた事にも気が付いたのだが、それを口にすることはない。むしろ見たこと自体口が裂けても言えない。
「ごめんなさい、玲子さん……」
もちろんこれらの映像は、順次消されていくのだが……目に焼き付いた光景までは消えることはないのだった。
●PM5:00~6:00。厨房
>現実時間:いちご&アリカ
その後はしばらくまた平和な時間が続いた。
というか本来は、こういう映像がほとんどなのだ。今回のように寮生が映りまくるのは珍しい……はずだ。
「あ、夕食の支度してるところですね」
『映ってるのは……雪乃だけ? いちごやゆのかの姿が見当たらないの』
次に映し出されたのは厨房だった。
ここでは、学生服の上からエプロンを付けた雪乃が調理をしている。
おそらくはりんご用の夕食もしくは晩酌用のおつまみなのだろう。
昼間は柚月にお世話役を譲っているが、自分が寮にいる時間は譲らないぞという忠犬雪乃の決意がうかがえる。
●PM6:00~7:00。姉妹の部屋
>現実時間:いちご&アリカ
忠犬雪乃が去った後、厨房にはいちごや和といった料理スタッフの姿が映り、そのあとは画面が食堂に切り替わって、寮生の食事風景が映し出されていた。
なおその中に雪乃の姿はない。
りんごの部屋に直行しているのだろう。
「このまま平和な光景で最後まで行けばいいんですけど……」
『お、久々に誰かの部屋なの』
いちごの願いもむなしく、また誰かの部屋の中が映し出されたのだった。
その部屋には、双子のような姉妹が揃っていた。
アビーことアビゲイル・ガードナー(ブライトテンペスト・f31470)と、ヘンリことヘンリエッタ・アドミラドール(シャドウライトニング・f31471)の2人部屋だ。
>PM6:40頃の姉妹の部屋:アビー&ヘンリ
「ただいまー、ヘンリっ。ふー、今日もお風呂気持ちよかったー!」
鼻歌を歌いながら、アビーが部屋へと戻ってきたところだ。
バスローブ姿で、ホカホカといまだに湯気の上がるアビーは、本人も言うように、ついさっきまで露天風呂を堪能していたのだろう。
「あ、おかえりなさいアビー。早く着替えないと、湯冷めしますよ?」
それを出迎えたヘンリは、ベッドの上だ。アビーには湯冷めするといっておきながら、本人はベビードール姿という薄着で、肌に乳液を塗っている。
「へへっ。じゃぁ……カルパッチョス、カルパッチョスっと」
ヘンリに言われたことは棚上げして、着替えずにそのままアビーは冷蔵庫を開ける。中から取り出したのは、白い乳酸菌飲料のペットボトルだ。
「んしょ、いっただっきまーす♪ んぷ、はむ……んっ、えへへ、おいし……♥」
「ん、今日もカルパッチョスですか? 最近リピしてますね……ネットリ甘い濃厚練乳味がクセに?」
どうやらこの乳酸菌飲料は、最近のアビーのマイブームのようだ。
ヘンリの呆れたような声も気にせず、アビーはドリンクを飲んでペットボトルを開けていく……のだが、その最中に、何やら不思議なことを始めた。
「って、何してるんですかアビー!?」
「ん、これ? イチゴくん用のイメージトレーニングだよ♪」
何をしているかというと、バスローブの前を開けて、露になった胸の谷間にペットボトルを挟んでいたのだ。
そして挟んだボトルを胸でこすりながら、その先端の飲み口にチロチロと舌を伸ばして舐めるように飲んでいた。
「……え、イチゴさん用……って、まさか、殿方のアレを想定して……? わざわざその銘柄なのは、まさか色ですか!?」
さすがにそこまでやっていれば、ヘンリもアビーが何をしているのかはわかる。
どう見てもパイズリですありがとうございました。
アビーが変に擦ったりするものだから、。跳ねた乳白色のドリンクが、アビーの顔や胸にかかったりしている。お風呂から帰ってきたばかりだというのにまた汚れてしまっているのですが。
「やっぱり悦んでほしいもんっ♥」
「だからって、そんな破廉恥な飲み方はっ……!?」
アビーに比べると真面目なヘンリだ。呆れたように声を荒げるのだった。
だが、そこでへこまされるようなアビーではない。
ここぞとばかりに反撃に出る。
「むっ、そーいうヘンリだって、さー?」
「な、なんですかアビー……?」
「最近お肌の手入れがやたら念入りじゃんっ?
ソレ、何のためにやってるのかなー♪」
意地悪を言うようにクスクスと笑うアビー。
反撃を喰らったヘンリは、一瞬でボッと火が付いたように顔を赤くした。
「うっ!? そ、それは、その……わー、わーっ!」
わかってるよとばかりのアビーの視線に耐えかねて叫ぶヘンリ。
いうまでもない、やはり双子のように思考の似ている2人なのだ。
「ええ、そうですよ! イチゴさんの為ですよっ! 折角あんなに強く優しく愛してくれるなら、お肌の触り心地も良くしたくなって……」
ついつい聞かれてないことまで答えてしまい、かぁっと赤くなるヘンリだった。
しかし、調子に乗ったアビーは、それで逃がしてなどくれない。
「んじゃチェックしてあげるー♥」
「え、チェック? ……きゃーっ!?」
アビーは勢いよくベッドの上の辺理に襲い掛かってがばぁっと押し倒していくのだった……。
>現実時間:いちご&アリカ
『何喋ってるのかはわからないけど、まるで見てきたように状況が浮かぶのよ。いちご愛されているのね?』
「あ、う……」
画面に映し出された、アビーの疑似パイズリシーンの刺激は強かった様子。
アリカの言葉にますます赤面したいちごは、しばらく言葉を失ってしまうのだった。
●PM7:00~8:00。脱衣所
>現実時間:いちご&アリカ
画面はまた変わる。どうやら再び露天風呂の脱衣所のようだ。
しかも、映っていたのはいちごだった。
『いちごは何してるの?』
「え、ああ……脱衣所のアメニティの交換に行ったんですけど……」
そこで口ごもるいちご。それで何かあったのだろうと察したアリカは、画面に注目した。
そして案の定、お風呂から出てきた雪乃とバッタリと出会ってしまったいちご。
裸を見られても特に気にしない雪乃は、平然と通り過ぎようとしていたが、慌ててしまっていたいちごの方が足を滑らせて、雪乃を押し倒していた。
もちろんそのあと雪乃の平手打ちが飛んでいた。
『いちご、何かコメントは?』
「……の、ノーコメントでお願いします」
自分のやらかしを見せられて、恥ずかしそうに縮こまる現実のいちごだった。
なお、このあといちごは、脱衣所の籠のひとつから何かを見つけた様子。
それを手に、脱衣所から出ていくところまで映像に残っていた。
『いちご、下着ドロはよくないと思うのよ?』
「違いますよっ!?」
●PM8:00~9:00。アシュリンの部屋
>現実時間:いちご&アリカ
画面はさらに切り替わる。
今度は、また誰かの部屋のようだ。
『えっと……これは配信中? という事はまたユニなの?』
「いえ、ユニさんじゃないですね。この部屋には私のポスターとかないですし……」
『じゃあ誰……あ、アシュリンだったのね』
今回映った部屋はどうやら織笠・アシュリン(魔女系ネットラジオパーソナリティ・f14609)の部屋のようだ。
そしてアシュリンも、ユニのようにこの日は配信中らしい。
「あ、そうだ、思い出しました。確かあのあと、私……」
『なになに、何かあったの?』
いちごが何か言いかけた時、画面の中のアシュリンは、やたらと慌てた様子で画面外に消えていったのだった。
>PM8:20頃のアシュリンの部屋:アシュリン&???
『魔女見習い、キーラ・イェイツのお部屋!』
アシュリンの声とともに、画面上にいるアシュリンよりも少し大人のお姉さんなアバターが、配信の開始を告げていた。
このアバターは、どうやらLive2Dで動かすイラストのようだ。キャラも、普段のアシュリンよりはお姉さんっぽく演じている。
つまり、アシュリンもまた、ユニと同じくVTuverなのである。
画面上には「待ってました」だの「8888888」だのと視聴者からのコメントが踊っている。
こちらアシュリンも、配信内容はどうやらゲーム実況のようで、今回はFPSのプレイ動画らしい。
「じゃぁ、今日はシーズンも変わった例のFPS、やっていこうかしら」
演技をしているお姉さん声で、アシュリンはゲームを起動させる。
そしてしばらくは順調に実況プレイをしていたのだが、そこにハプニングが起きた。
「アシュリンさーん? ちょっといいですかー?」
(「って、いちごー!? 配信時に来るのはタイミング悪いよー!」)
配信中だなんて知らないいちごが、忘れ物を持って部屋を訪れたのだ。
「ちょっとミュートするわね?」
慌ててアシュリンはミュートの操作をする。
ライブ配信なので、半端なところで止めるわけにもいかないのだ。
「ど、どうしたのいちご、ビニール袋とか持って?」
「脱衣所に忘れ物があったので。これ、アシュリンさんのですよね?」
「え、脱衣所に忘れ物……って、わーっ!?」
と、差し出したビニール袋の中にあったのは下着。
先程脱衣所で回収したものだ。
なんで下着だけで持ち主が分かったのかといえば、その前にアシュリンが入浴していたのを見ていた目撃者(雪乃)がいたからなのだが……そうは思わないアシュリンは、いちごに下着を調べられたと早とちりして、慌てていちごから奪い返そうとして、脚を滑らせていちごを押し倒してしまう。
「ひゃあああ!?」
そして押し倒されたいちごが、アシュリンの胸を掴んだという、いつものとらぶるであった。
「や、やっと配信に戻ってこれたよ……って、あーっ、マイク切れてない!?」
いちごを追い返し、何とか配信に戻ってみれば、先程のミュート操作が正しく行われていなかったようで、画面上には視聴者のコメントが踊っていた。
曰く、お姉さんかと思ったのに意外と子供っぽい、とか。
曰く、キーラ姉さんに男がいた、とか。
曰く、さっきの悲鳴についてkwsk、とか。
……隠してアシュリンは、この後のフォローに四苦八苦していたそうな。
>現実時間:いちご&アリカ
「妙に慌てていると思ったら、配信中だったんですね。申し訳ない事をしました」
画面に映っていたのは、アシュリンの配信シーンだけだったのだが、それが中座した時の状況は当事者でもあるいちごの口から語られていた。
『……いちご、またとらぶるやったのね?』
「うぅ……すみません」
さすがにアリカも呆れ顔なのだった。
●PM9:00~10:00。ネウィラの部屋
>現実時間:いちご&アリカ
しばらくは無難な映像が続いた後、次に映ったのは薄暗い部屋だった。
『ん、どこかの空き部屋かしら?』
「いえ、違うと思います……何か、動いているような人影が」
『あ、ホントだ。暗くてよくわからないけど……トンカチ持って、何か叩いてるみたいなの?』
暗い画面の中、確かに、妖しい人影が、木槌とノミを持って何かしているような姿が映し出されていた。
『ホラーなの! ホラーという事は、若葉なの?』
「い、いえ、違うと思いますよ……この人影は……多分、ネウィラさんかと」
ホラーに怯えるアリカを安心させるように、いちごは推測を話す。
そう、映像に映っていたのは、確かにネウィラ・カーレンベート(銀糸の術士・f00275)だったのだ。
>PM9:50頃のネウィラの部屋:ネウィラ
カン……カン……。
薄暗い部屋の中で、木槌を叩く音がする。
確かにそこにいるのはネウィラなのだが、何をしているのかというと、木槌でノミを叩いて、何かを削っているのだ。
しばらくすると、ふうっと息を吐いたネウィラの、状況から考えると妙に明るい声が聞こえてきた。
「ふうっ、こういう作業は目と肩が疲れますね……」
……目が疲れるのは、わざわざ薄暗い中での作業だからではなかろうか。
結局何をしていたのかというと、ウィザードらしく、魔法の実験のために使う触媒の人形を作っていたのだった。
本人に尋ねれば、決して怖い魔法じゃありませんよ?というだろうが……それでもやはり絵面は不気味としか言いようがない。
ともあれ作業を中断し一息ついたネウィラは、ハーブティーを淹れる。
ハーブの良い香りが、ネウィラをリラックスさせ、安らいだひとときとなった。
……今は部屋は薄暗いままだったが。
これはきっと、人形造りの材料に灯りが厳禁なものがあるのだろう。多分。
「はぁ、心が安らぎます……さあ、もうひと頑張りですね」
そう独り言をつぶやくと、ネウィラは再び木槌でカンカンと人形を叩く作業を再開したのだった。
>現実時間:いちご&アリカ
『なんか妙な怖さがあるのよ……本当に、ホラーじゃないの?』
「え、えっと……ヘンな魔法の実験とかではないと思いますけど……ほら、何か問題がある事なら、アリカさんがリアルタイムで検知できてたでしょうし、ね……?
ふるふるとホラーに怯えるアリカにを安心させたくても、自分の言葉にも自信のないいちごだった。
『危険が全部リアルタイムでわかるのなら、こんな防犯映像のちぇくなんて必要ないのよ!』
ごもっともで。
●PM10:00~11:00。露天風呂
>現実時間:いちご&アリカ
映像は再び露天風呂を映し出した。
もうすっかり遅い時間で、さすがにこんな時間に入っている人はそう多くはない。
「もうそろそろ私もお風呂に行く時間ですからね。寮の皆さんは、その時間は避けてくれているはずですし……」
『……狙っている人も多いと思うけどね』
アリカのツッコミはスルーするいちご。
確かに狙ったように混浴になることは少なくはないが、それでも一応、寮内で唯一の男子である自分の入浴時間が近くなると、入ってくる寮生も減るのが普通だ。
なので、この時間まだ残っていたのは、1人……フェリーネ・フォルス(にゃん狐・f26982)だけだった。
なぜかフェリーネは湯の中で顔を赤らめている。
『フェリーネは、いちごがくるのを待っているのか、単にたまたま遅くなったのか、どっちだと思う?』
「それを私に聞かないでくださいっ!?」
>PM10:40頃の露天風呂:フェリーネ
「ん~、にゃ~」
フェリーネはひとり、遅い時間の湯船に浸かっていた。
妙に顔が赤いが、決して湯が熱いという訳ではない。
他に人がいないと、露天風呂というシチュエーションもあって、とある出来事を思い出してしまうのだ。
忘れられない思い出……ほとんど初対面だったいちごとの初めての体験を。
「このままだとのぼせそうだにゃ~……」
顔を赤くしたまま、口のあたりまで湯に潜り、ぶくぶくと泡を吐く。
思い出してしまうと、気恥ずかしくて、誰も見ていないとわかっていても、隠れたくなってしまうのだ。
「うぅ……ほんとにのぼせそうにゃ……もう上がって、適当に身体を預けて夜風に当たるかにゃ……?」
火照った身体をせめて少しでも冷まそうと、フェリーネは湯船から身体を上げ、露天風呂の縁の岩場に腰掛けた。
そして裸のまま、大きく身体を大の字に伸ばす。
足はまだ湯に浸かっているが、身体を広げて夜風に当たると、身体にこもった妙な熱も抜けていきそうで……。
いや、残念ながら、そうはならなかった。
初めての事を思い出してしまっていたので、それが頭の中でリフレインしている間は、身体の火照りも収まりそうにはない。
肌に触れた手の感触や、自分の中に入ってきた感覚、そんなことを思い出してしまい、ついつい手が自らの股間へと伸びる。
「にゃっ、いちごさん……っ、いちごさぁん……」
今までたった1回だけ、いちごのモノだけが入った自分のナカを、フェリーネの指が、拙い動きでかき回していく。思い出の中のいちごは、もっと上手に自分を気持ちよくしてくr他、そう思うと、くちゅくちゅと自らを慰める指の動きもなんだか切なく感じてしまう。
「にゃあ……また、して欲しい、にゃ……」
自分の指では物足りない、そんな思いもあって、ついつい、恥ずかしい願望をぽつり呟いてしまうのだった。
>現実時間:いちご&アリカ
『うわぁ……独りだからって、お風呂で自慰とは大胆なの。いちご、もしかして、この後フェリーネがシテるところにバッタリとか、そういう展開はなかったの?』
「無かったですっ!」
行為を見ないように目を逸らしつつ、顔を真っ赤にしたいちごは叫ぶ。
残念ながら(?)この日いちごが入浴しに行ったときには、もうフェリーネは上がっていたようで、いちごは1人で湯に浸かっていた。
タイミング的にあるいは、もう10分くらい粘っていたら……フェリーネの願いは叶えられていたのかもしれない……?
●PM11:00~AM0:00。ユニの部屋
「そろそろ1日分も終わりですね……なんだかどっと疲れました……」
本当に疲れたような声でいちごは言う。
映像ひとつあたり1分から2分。1時間に数ヶ所程度。なので、見ていた時間を通算しても、2時間くらいしかかかっていないはずなのだが、それでも非常に疲れる映像ばかりだったのだ。
『まぁ、さすがにもうおかしな映像はないと思うのよ』
「そう思いたいですねぇ……」
画面は、通算3回目になるユニの部屋を映し出していた。
「またユニさんの……?」
『今日はまたずいぶん当たってたのね』
画面の中のユニは、まだ配信中のようだった。
>PM11:40頃のユニの部屋:ユニ
「やっばい、あと1個が此処まで見つからないのん……?」
昼間から始めていた配信が、どうやらそのままここまで継続しているらしい。
ざっと8時間は経過しているだろうか。
配信を続けているユニもたいがいだが、ここまでちゃんと見てくれている視聴者もまたすごい気はする。
画面上には様々なコメントが流れていた。
「『相変わらずの屑運ですね』……っていわんといてぇ! でもスパチャありがとうっ……!」
わざわざスパチャ……課金してまで煽りを入れるファンにツッコミを入れつつも、最後の限定アイテムを探しにゲーム内で右往左往しているユニ。
「……って『草』コメ乱舞まってうちの森に植林すなぁ! ……あぁぁあ!?」
コメント欄がだんだんと草だらけになってきたのにツッコミを入れていたら、プレイヤーキャラの背後に爆弾が近付いてきていた。
もちろん、8時間ぶっ続けで疲労した……ついでにそろそろ眠くなってきた頭では、背後から近付いてきた敵に気付くこともできず、一瞬でゲームオーバー。
もう一度最初から始める羽目になり……。
「『もちろん最後までやるんですよね?』って、わかったよ、やってやらぁ!」
コメントの煽りに対し、半ば自棄になって叫ぶユニであった。
>現実時間:いちご&アリカ
「いつまで続ける気ですか、ユニさんは……」
『これは後できっちり叱っておいた方がいいかもなのね』
「ええ、さすがにこれは健康に悪すぎますからね……」
ユニの映像を見て、心配半分呆れ半分にいちごは言う。
なお、後日いちごがユニから聞き出したところ、このまま眠い頭での耐久プレイをさらに継続したユニは、ここからさらに8時間、つまり徹夜で配信を続けたそうな。
……もちろん、それを知ったいちごは、きっちりとユニを叱っておいた。
●AM0:00~~。管理人室
さて、それはともかく、映像もそろそろ終わりに近づいてきていた。
深夜帯、もう寮内のほとんどは寝静まっており……たまにユニのように起きている者もいるが、ほとんどはもう灯りも消して休んでいる。
管理人のいちごですら眠りについた深夜の時間の映像が流れている。
『さすがにこの時間は何もないのね』
「何かあったら困りますよ……って、あれ?」
『あ、寝てるいちごなの』
やがて画像は、管理人室の中で寝ているいちごを映し出した。
そして、その枕元に立っている影も。
「え、あれ、何か……?」
影は、やがて若葉の姿となる。
そして、若葉は、いちごの寝顔を満足そうに眺めた後、念写映像に向かってのカメラ目線でにっこりと笑うと、再び影となって消えていったのだった。
『や、やっぱり若葉はホラーなのよ!?』
「ぞわっとしました、っていうか本気で怖いですよこれーー!?」
最後の最後でホラー映像を見せられ、いちごとアリカは慌ててこの日の映像を全て消去したのだった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵