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銀河帝国攻略戦⑦~Mirror Break

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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「事態は急を要する。手短に説明するぞ」
 そういうと、ロートスは険しい表情で説明を始めた。
「皆も知っての通り、銀河帝国が多数の戦力を率いて攻勢を仕掛けてきた。様々な作戦が展開されているが、今回お前たちに対応してもらうのはカイザー・レイの破壊作戦だ」
 曰く、カイザー・レイは無数の巨大反射鏡で構成された戦略兵器で、エンペラーズマインドから照射されたエネルギーを反射、増幅し撃ちだす戦略兵器だという。
 この巨大反射鏡のもとへワープし、破壊するのがこの作戦の骨子だが、事はそう簡単には進まない。
「当然ながら、防衛戦力がいる。まずはコイツを打破しなければ反射鏡を破壊することはできん。俺が視たのは巨大な機竜、デスモ・ブラキオスだ。なんでもその巨大さから帝国すらも手を焼いた禁断兵器らしい。基本的には本能に従って行動しているようだが、面倒なことに機械的な予測、行動をとりつつ、学習を続ける性質を持っている」
 つまり、いかに有効な行動だったとしても、同じ行動や類似した行動を繰り返せばその有効性は消え、対処されてしまう。故に、戦う際は同様の行動を繰り返さぬよう、工夫を凝らす必要がある。だが、逆にその性質を利用するというのも一つの手だろう。
「デスモ・ブラキオスを打破出来れば、反射鏡の破壊が可能となる。大局から見れば小さな戦果だろうが、戦争においてはその積み重ねこそが肝要だ」
 ロートスが腕を振り猟兵達に告げる。
「いいか、この世界を護れるかは俺たち猟兵次第だ!心してかかれ!」


Chariot
 ※このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 どうも、Chariotです。
 唐突の戦争ですね。

 今回皆さんに戦っていただくのはナハト・ダァト(聖泥・f01760)さんの宿敵となります。
 依頼の成否はデスモ・ブラキオスを倒せたか否かとなります。
 タイミング等によってはリプレイが個別返却となる可能性もありますので、プレイングは基本的に、デスモ・ブラキオス戦についてお書きください。
 それとは別個で反射鏡破壊時にどのユーベルコードを使うか、どんな行動をとるかを書いていただきますと、キャラ名等の明確な描写はできませんが、それを元に幕間のような形で反射鏡破壊の描写を行わせていただきます。

 それでは皆様の熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『デスモ・ブラキオス』

POW   :    CODE:Dino
【恐竜の本能 】に覚醒して【広域殲滅モード】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    CODE:Raptor
【体から生み出した無数の小型恐竜メカ 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    CODE:Venom
【未知のバイオウイルス 】が命中した対象を爆破し、更に互いを【ダメージを共有する状態】で繋ぐ。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

逢坂・宵
学習するということは、ほぼ一撃、一度で仕留められれば問題ないということですね?
そのためには猟兵間での連携が不可欠です
猟兵仲間との連携や連撃も視野に入れて
撃破へ向けて努めましょうか

『属性攻撃』『2回攻撃』『高速詠唱』『全力魔法』を用いて
『天撃アストロフィジックス』で攻撃します
猟兵の仲間とも連携や協力をおこなっていきましょう

ブラキオスが撃破できたら反射鏡ですね
錬成カミヤドリを使って、破壊を狙いましょう
ひとつひとつ、確実に潰していくしかありませんしね


毒島・火煉
ナハトちゃんの宿敵なんだって?これはカレンちゃんも殺るしかないよね!
「ナハトちゃんとは友達だし、手助けする理由なら充分だよね!」
あーゆー大型で硬そうなやつでもどっかに絶対穴があるし、【第六感】でそれを感じたら【鎧砕き】【破壊工作】【騙し討ち】でそこを突く!ついでに上着を脱いで【目潰し】に使うね!素早くなって一石二鳥でしょ?
小型メカ出てきたら他の子達の道を作るために【早業】で攻撃しつつ、【敵を盾にする】で防御にも使わせてもらうね!
「ナハトちゃんの過去にどんな事があったかは知らないけど、過去は過去!過ぎ去った異物なんかに、今は消させない!『誰よりも早く…届けカレンちゃんの愛!』」


大豪傑・麗刃
またこれは厄介そうな相手なのだ!
わたしも日頃から厄介だ厄介だ言われるけど、ここまでではないのだ!

とりあえず厄介な相手は斬るに限るのだ!
右手に刀、左手に脇差(と呼ぶには少々大きすぎる剣)!
これだけでかい相手なら斬る場所には困らないのだ!
剣刃一閃!二刀流で二閃!2回攻撃で4閃!

さて同じ行動ばかりすると対処されるらしいので、武器を時々一刀流にしたり、斧の両手持ちに切り替えたり。
動きも激しく動いて敵をかく乱する、最小限の動きで敵の攻撃を見切りつつカウンター気味に攻める、力溜めと怪力で捨て身の攻撃で一撃必殺狙い、とか変更する事で学習させないのだ。

鏡?斬るのだ。


ヘルガ・リープフラウ
・ヴォルフ(f05120)と共に
・他参加者との共闘、アドリブ歓迎

初めて戦争……大量の血と悲しみの涙を流さぬために、必ず人々を守りましょう。

ヴォルフや仲間の皆さんが傷ついたら【生まれながらの光】で治療します。
戦局が進めば、敵は回復役であるわたくしを生命線とみなして狙うことでしょう。もしそのような……わたくしに目線を向けたり侮るような素振りを見せたら、【主よ、哀れみたまえ】と祈りを捧げ、一瞬だけでも動きを止めて反撃する隙を作ります。

一人ひとりは小さくとも、力を合わせれば適わぬ敵などありません。
わたくしたち猟兵の「絆の力」を信じ、共に戦いましょう。


ヴォルフガング・エアレーザー
・ヘルガ(f03378)と共に
・他参加者との共闘、アドリブ歓迎

忌まわしき過去からの亡霊よ、貴様らに今を生きる人々の生命、希望、未来を決して奪わせはせん。
俺たちがいる限り、帝国の野望が成就することはないと知れ。

ヘルガや他の仲間が狙われたら身を挺して「かばう」
多少のダメージには怯まず、むしろ傷口から【ブレイズフレイム】の炎を噴出してカウンターを仕掛け、「勇気」を振り絞って立ち向かう
仲間の動きとも連携しタイミングを合わせながら【獄狼の軍団】を召喚、小型恐竜メカ諸共に攻撃を仕掛ける。

反射鏡破壊時は「鎧砕き」の力を込めた鉄塊剣で粉砕


エダ・サルファー
正直急展開にまだちょっと戸惑ってるんだけど、とにかく目の前のことをやろう!
つまり、機械の竜を退治して、鏡を割るってことを!

さてさて、この竜は同じ行動を繰り返すと学習して対処してくるとか。
ならば手を替え品を替え攻めるのみ!
とはいえ私は近寄って戦うことしか出来ないんだけどね。
最初は脚を狙って仕掛けるけど、一発入れたら他の部位を狙っていこう。
脚や尻尾を伝えば上に乗ったりもできるかな?
乗れそうなら首や頭も狙いたい所。
攻撃方法は殴ったり蹴ったりを織り交ぜて。
あんまり打撃が効かなくなってきたら、聖職者式脳天逆落としで投げるのに挑戦するよ!
かなりでかいけど、気合いでなんとか投げれるでしょ!


犬憑・転助
【御代・燕三(f06444)】と参加

敵の奇襲や発見はユーベルコードの超嗅覚で感知し、仲間に知らせる

戦闘時は二刀流

雑魚が増えて一斉に攻めてきた時は<殺気>を解き放って一瞬でも足止めして機を作る
カラクリどもも殺気を理解するか?(にやり)

敵の狙いや弱点を超嗅覚で予知知覚し庇ったりする

戦いが膠着したら、頭脳派な旅団の仲間の指示に従う。またはやろうとしてる作戦をフォローする
(コロ助が傷だらけは望むところです。苦労人ポジションOK)

サムライに斬れないものは、ないんだぜ?

反射鏡は隙を見て突っ込む
俺の体をいくら傷つけてもな!
サムライは心と刀が折れねー限り、止まる事はねーんだよ!

アドリブ歓迎、他PCと絡み希望


御代・燕三
【犬憑・転助(f06830)】と参加。
反射鏡破壊作戦ですか。戦局を左右するとまではいきませんが排除しておくべき障害ですね。そしてデスモ・ブラキオス、少々頭を使って彼を助ける必要がありそうです。
「UC:算術式:献身の章」と[高速詠唱]を多用。
あなたの素早さと超嗅覚を利用すれば死角を突けるはずです。肉を切らせて骨を切る、そんな無理ある攻撃指示をだしつつ、彼が傷ついた時はUCで治療する。他の猟兵も重傷であれば同時に複数対象を回復。わたし1人の疲労で戦いに勝利できるのなら安いものです!
反射鏡時は1枚1枚を破壊するより、多くが繋がった接合部を切り落とす事が有効かと、と指示。
他猟兵との絡み、アレンジOK


烏丸・都留
「ん〜〜これは後方支援に回ったほうがよさそうね」
自身はリフレクション・ハルを活性化、後方にメンテナンスユニットを召喚。

行動指針
 ・味方が中重症でメンテナンスユニット内で修理治療、前線へ再度投入

 ・アクティブデコイで相手の攻撃を陽動撹乱可能なら迎撃

  アクティブデコイを42機召喚、メンテナンスユニットを12機で変装により偽装、流れ弾はカウンター処理、10機で対象を取るUCを撹乱、射線を自分とメンテナンスユニット味方外に誘導。 20機は状況に合わせ、自身の戦術アサルトユニットからの攻撃やスナイプが当たりやすいように陽動又は迎撃。

 ・相手UCには設定UC
 ・ミラーにはサモンズ・ナチュラルプレデターズ


明智・珠稀
く、ふふ。
まずは目の前の敵を叩き潰すことに尽力いたしましょう。
思う存分暴れさせてくださいね、ふふ…!

■戦闘
妖刀での斬撃をメインに
【2回攻撃】【鎧砕き】を
「あぁ、腕に痺れる硬さも愛おしい…!」
うっとりド変態。
「さぁ、もっと楽しみましょう…!」

敵の攻撃には【第六感】を駆使しつつ【オーラシールド】で防御。
体制崩れても、小型拳銃【闇霞】で
敵の中心の闇に向かって銃撃を
「さぁ、青薔薇に愛されてください…!」
武器達をUC【青薔薇吐息】で花弁に変え、敵の身体の中に入り込み攻撃する

※アドリブ大歓迎
※反射鏡には【行け!たまちゃん人形】で沢山のからくり人形と共に
「行きますよ、沢山の私…!」
愛と共に、嬉々として突撃を


犬曇・猫晴
同行者:枯井戸・マックス(f03382)

わお、恐竜メカだ。良いね、こういうでっかいのと戦うのは血湧き肉躍るってやつさ。

【SPD】
とにかく湧き出る小型メカの殲滅に専念
マスターが撃ち漏らしたり、倒し残った敵のを優先的に攻撃
倒したメカ竜は取り込み易い様にマスター側へ【投擲】しながら、少しずつデスモへ接近

マスターの準備が出来次第、一気に叩き込むよ。
マスターが攻撃する反対側から先制して攻撃、ぼくに気を逸らせてマスターの攻撃が当たりやすい様にする。


枯井戸・マックス
同行者:犬曇・猫晴(f01003)

「愚者は失敗に学び、賢者は歴史に学ぶもの。俺はハイテクには疎いが足手纏いはならないぜ」

初手は猫晴に任せ、マックスは後衛につく。
同系統の敵を事前にリサーチし、猫晴に対して小型恐竜を出してくると予想を立てる。
小型恐竜の射出直後を狙い、武器改造したマグナムによる援護射撃で素早く破壊。
予想外の事態には、経験則による第六感で最も効果的な対抗策を導き出し、最適な12星座武器(オリ武装)を召喚し対応。

「次は俺の番だぜ?機械といえば斜め45度からズドン!この手に限る」

小型恐竜の残骸を集めビルドロボットで巨大に対抗。
怪力、鎧無視攻撃など近接特技全乗せの延髄チョップを叩き込む。



 転移した猟兵の目の前にはカイザー・レイを構成する巨大反射鏡が一つ。そして、それを守護するように、巨大な機竜、デスモ・ブラキオスがいた。
 この場に集った猟兵の数は総勢12名。予め示し合わせて来た者達もいるが、大半は初対面といっていいだろう。だが、『この世界を護る』という想いで集った彼らには、それは些末なことでしかない。
 各々が手にした武器を構え、臨戦態勢に入る。
 そして――。

「忌まわしき過去からの亡霊よ、貴様らに今を生きる人々の生命、希望、未来を決して奪わせはせん!俺たちがいる限り、帝国の野望が成就することはないと知れ!」

 そして、戦場に響き渡る大音声でヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)の宣言と共に、戦端が開かれた。

「一人ひとりは小さくとも、力を合わせれば適わぬ敵などありません。わたくしたち猟兵の「絆の力」を信じ、共に戦いましょう」
 この場に集った猟兵達にそう呼びかけるのは、ヴォルフガングと共にこの場へ来た、ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)。
「主よ、哀れみたまえ」
 彼女が祈りを捧げると、その翼から光が放たれ、デスモ・ブラキオスが動きを止める。
 動きが止まったことを確認したヘルガは、祈りを継続しながらも、傷ついた猟兵をすぐさま治療できるように、治療の準備を行う。
 そして動きが止まったその隙に、前衛陣がデスモ・ブラキオスへ肉薄せんと駆けだす。
「ーーーーーーーーーーーーーッ!」
 デスモ・ブラキオスが咆哮と共に、大きく身を振り拘束を解く。前衛陣が辿り着くまでにはまだ幾ばくかの距離がある。
 だが、初動さえ止められればそれで十分だった。
「学習するということは、ほぼ一撃、一度で仕留められれば問題ないということですね?」
 何故なら、初動さえ止まってしまえば、逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)を始めとする後衛陣の詠唱、準備が整うからだ。
 ヴォルフの周囲には地獄の炎を纏った狼犬の群れが現れ、宵の背後には、無数の流星の矢が展開し、猟兵達を照らす。
「さあ、宵の口とまいりましょう」
 放たれる流星と狼犬の群れ。
 デスモ・ブラキオスはその胴に空いた穴より、バイオウイルスを散布し迎え撃つ。
 流星がデスモ・ブラキオスに直撃し、その巨体を傾かせれば、狼犬の群れが纏った炎や、その爪牙で蹂躙する。
 対するバイオウイルスも猟兵達へ迫り、爆炎を生む。だが、ウイルスが猟兵達へ届くことはなかった。
 前進する猟兵達の周囲に展開していたアクティブデコイが、その侵攻を阻み、彼らを護ったからである。
「ん〜〜これは後方支援に回ったほうがよさそうね」
 無数のユニットを操作しつつ、烏丸・都留(ヤドリガミの戦艦傭兵ナース・f12904)は彼我の戦力を分析し、そう結論付ける。
 後方にメンテナンスユニットを召喚し、サポート体制は万全といえるだろう。
 彼女はさらに3種のユニットを操作し、デスモ・ブラキオスへと放つ。放たれたユニットは彼女の的確な操作により、三種全てが命中した。
 デスモ・ブラキオスのコアユニットが本能とは別に自己の損傷状態をサーチする。
『流星ニヨル損傷、外部装甲一部剥離ヲ確認。敵ユニットニヨル損傷、軽微。戦闘行動ニ支障ナシ』
 体は動く。デスモ・ブラキオスは展開されたユニットと接近する猟兵への対処として、自身の体内より小型恐竜メカを展開しようとした。
『エラー。エラー。全コード停止。ユーベルコード展開不能。推測、敵ユニットニヨル妨害』
 コアユニットの推測通り、都留の放ったユニットにより、デスモ・ブラキオスのユーベルコードは全て封じられていた。
 そして、内部エラーによりデスモ・ブラキオスの動きが止まった隙に、前衛たる猟兵達がそれぞれ自己の間合いへと辿り着いた。


 前衛陣から先行して飛び出したのは、毒島・火煉(アナタも愛しい恋人に・f04177)。
「ナハトちゃんとは友達だし、手助けする理由なら充分だよね!」
 彼女は同じ旅団に属する友の為に戦場を駆け抜ける。その動きは早く、デスモ・ブラキオスのセンサーをもってしても辛うじて捉えられている程度だった。
 そしてもう一人、火煉ほどではないが、激しく動くことでセンサーをかく乱する者がいた。
「またこれは厄介そうな相手なのだ!わたしも日頃から厄介だ厄介だ言われるけど、ここまでではないのだ!」
 ぼやきながらも突き進むのは大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)。
 デスモ・ブラキオスの巨躯から放たれる攻撃を紙一重で見切り、カウンター気味に手にした刀と脇差で渾身の斬撃を放つ。
「これだけでかい相手なら斬る場所には困らないのだ!」
 放たれる斬撃は4つ。彼の怪力も相まって、装甲が大きく引き裂かれて剥離し、その内部機構を晒す。
 そして晒された内部機構目掛けて、火煉が更なる加速をもって疾走する。
「過去は過去!過ぎ去った異物なんかに、今は消させない!『誰よりも早く…届けカレンちゃんの愛!』」
 火煉の素早い一撃が、剥き出しの内部機構を刺し貫く。
『装甲ノ更ナル剥離及ビ、内部機構ノ損傷発生。機動力ノ低下ヲ確認』
 デスモ・ブラキオスの動きが鈍る。それを見逃す猟兵達ではない。


 かく乱を受けていたからか、あるいは小柄すぎてセンサーの死角に入っていたからなのか、デスモ・ブラキオスはエダ・サルファー(格闘聖職者・f05398)の接近を察知することが出来なかった。
 その接近に気づいたのは、自身の脚部に装甲だけでなく、内部フレームすら歪ませる衝撃が走ったからである。
(正直急展開にまだちょっと戸惑ってるんだけど、とにかく目の前のことをやろう!)
 突然の戦争に戸惑いはあるものの、それでも彼女は迷うことなく、その拳を振るう。
『拘束解除完了。全コード使用可能。現時点デノ敵攻撃パターン解析完了。行動最適化。CODE:Dino起動』
 突如、デスモ・ブラキオスが咆哮を上げる。それと同時に、その動きが損傷を受ける以前よりも早く、力強いものとなり、その身を勢いよく回転させ、周囲を薙ぎ払う。
「避けろ!」
 その声に、エダはすぐさまその場から離れる。先ほどまで自分がいた場所をデスモ・ブラキオスの尻尾が勢いよく通り抜けた。
 先ほどの警告がなければ、重傷は免れなかっただろう。エダは声のした方を見やり、短く礼を言う。
 エダの視線の先。そこには犬憑・転助(孤狼の侍・f06830)がいた。
 彼はその超嗅覚によってデスモ・ブラキオスの動きを感知し、警告を発したのだ。
「損傷しているにもかかわらず、動きが速い。近づくのは少々骨ですね」
「どうすりゃいい!?」
 転助は後方で治療用の紙人形を用意しつつ、敵の動きを分析していた御代・燕三(電算術師・f06444)に指示を仰ぐ。頭脳労働は彼の領分なのだろう。
「ふむ、では転助。肉を切らせて骨を断ちなさい」
「応!」
 すぐさま敵目掛けて駆けだす転助。
 端から聞けば無理な指示に聞こえるだろう。そしてその指示を何の迷いもなく受け入れ、行動する様は無謀にも見えるだろう。現に、そのやり取りを見ていたエダが戸惑っている。
 だが、二人からしてみれば、互いの能力を知り、信頼しているからこその判断だ。その指示に間違いなどなく、その指示をこなせるだけの力があると互いを信じているのである。
「敵の攻撃は彼が引き受けます。その間に攻撃をお願いできますか?」
「わかったよ!」
 お嬢さんと呼ばれたことに気をよくしたのか、エダは気合いを入れつつ、子供っぽく聞こえる口調でその指示に応える。
 転助は迫りくる攻撃を見切り、手にした刃で切り返す。エダへ迫る攻撃はその身を盾にして庇い、激痛耐性で耐える。負った傷は、燕三やヘルガ、都留がすぐさま癒すため、彼は倒れることなく、立ち続ける。
「掴んだ!決める!」
 その隙に再接近を果たしたエダが、デスモ・ブラキオスの脚部を掴み、その巨躯を気合いで持ち上げ跳躍。超高速かつ、大威力のバックドロップが炸裂した。
 エダは知る由もない。あの巨躯を持ち上げた瞬間から猟兵達が唖然とした表情で彼女を見ていたことを。


「あぁ、腕に痺れる硬さも愛おしい…!」
 手にした妖刀で倒れたデスモ・ブラキオスを斬りつけ、その感触に恍惚の表情を浮かべる変態、もとい明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)。
 言動やその表情とは裏腹に、その斬撃は鋭く、装甲などあってないかのように切り裂く。
「さぁ、もっと楽しみましょう…!」
 デスモ・ブラキオスが起き上がりつつ、バイオウイルスを放つが、彼は第六感でそれを察知し回避する。
 そして、小型拳銃である闇霞の銃口を胴体部の大穴へ向ける。
「さぁ、青薔薇に愛されてください…!」
 彼の持つ武器が青い薔薇の花弁へと変わり、大穴へと殺到。内部からその巨躯を破壊する。
『攻勢異物ノ侵入ヲ確認。CODE:Raptorニヨル異物ノ除去、及ビ迎撃ヲ開始』
 デスモ・ブラキオスの体内で生成された無数の小型恐竜ロボが、花弁を除去しつつ大穴から現れる。
 だが、その瞬間を狙っていた者がいた。枯井戸・マックス(サモナー・ザ・アーティファクト・f03382)と犬曇・猫晴(亡郷・f01003)である。
「愚者は失敗に学び、賢者は歴史に学ぶもの。俺はハイテクには疎いが足手纏いはならないぜ」
「わお、恐竜メカだ。良いね、こういうでっかいのと戦うのは血湧き肉躍るってやつさ」
 彼らは小型恐竜ロボが大穴から外部へでて広い行動範囲で動けないように、出てくる瞬間を狙っていたのだ。撃ち込まれる無数の銃弾。珠稀の花弁も手伝い、小型恐竜ロボは外部へ出る瞬間にことごとく破壊された。
 猫晴は爆風によって飛んできた小型恐竜ロボの残骸や装甲などをマックスへ投擲しながらデスモ・ブラキオスとの距離を詰める。
 そして、残骸が集まってきたところで、マックスがそれらと合体し、自身の身長の2倍に匹敵する巨大なロボへと変形した。
「次は俺の番だぜ?機械といえば斜め45度からズドン!この手に限る」
 巨大ロボがデスモ・ブラキオスへと接近する。そして、それを援護するように、珠稀の薔薇の花弁や猫晴の斬撃がデスモ・ブラキオスに直撃し、その注意を逸らす。
 巨大ロボがその腕を振り上げる。その怪力と、一切の走行を無視する延髄チョップがデスモ・ブラキオスの首元へと直撃する。
 今まで受けた猟兵達の攻撃により、外部のみならず、内部にまで相当のダメージを負っていたのだろう。特に、珠稀の薔薇の花弁に内部を破壊されていたのが影響し、マックスの手刀は轟音を立てて、フレームごと内部を破壊。遂にはコアユニットにまで達し、デスモ・ブラキオスはその機能を停止した。


 残るは巨大反射鏡の破壊のみ。猟兵達は万全の状態でそれに臨む。
 宵の無数の流星がその表面を焼き、火煉の加速を乗せた一撃が亀裂を生む。
 そして、その亀裂を広げるように、麗刃の一閃が閃き、ヘルガの鈴蘭の花弁とヴォルフガングの鉄塊剣による斬撃が広がった亀裂に叩き込まれ、一部を粉砕しつつ、亀裂を全体へと広げた。
 全体へと人がった亀裂に無数の明智珠稀からくり人形が本体と共に攻撃を行い、都留が次元の記憶より呼び寄せた天敵とマックスの巨大ロボ、そして猫晴の攻撃が亀裂を反射鏡に刻まれた亀裂を深める。
 燕三は反射鏡全体を観察したうえで、その接合部を斬り落とすよう、転助に指示し、転助は渾身の斬撃を放ち、接合部を切断した。
 最早反射鏡はボロボロで、あと一度、強力な衝撃を与えれば完全に破壊できる状態となっていた。
 仕上げを任されたのはエダだった。デスモ・ブラキオスを持ち上げた時点で、彼女を除く猟兵全員の中では決定事項だった。
 再び気合いを入れて、デスモ・ブラキオスを持ち上げたエダは、反射鏡中心部へ向けて、渾身のバックドロップを叩き込んだ。
 その瞬間、深い亀裂が全体に広がった反射鏡は轟音を立てて破砕し、カイザー・レイから脱落した。

 戦争は続く。大局から見れば小さな戦果かもしれないが、この積み重ねが勝利の礎となると信じ、猟兵達は新たな戦場へ向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月04日


挿絵イラスト