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羅針盤戦争〜敵集団を打ち砕け!(追撃編)

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #続編

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#続編


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 蒼海羅針域の破壊に向け、コンキスタドールの大艦隊が海上を進んでいる。猟兵達により敵の第一陣はほぼ壊滅。これでひと安心、と思っていたのだが…。

「申し訳ない。まだリビングデッドの女生徒達の大艦隊は後詰めの部隊があったようです。一体どのくらいの戦力を保持していたのやら。いや…、召喚され続けているのだろうか…?」
 考え込むようにそう呟いたグリモア猟兵の鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)。

 召喚者が特定出来れば、その召喚を阻止することも出来るのだろうが、今は目の前の脅威を何とか排除するしか方法はないようだ。
 先程の戦いと同じ状況ではあるが、再度確認をするように集まった猟兵達にひりょは説明を始めた。

「今回向かってもらうのは『蒼海羅針域に進軍しようとしている敵の大艦隊を迎撃し、その数を減らしてもらう』という任務になります。こちらも船で戦場へ向かう形になります。戦場では、どうも厄介な事に飛行や転移の類は制限されてしまっているようなので十分気を付けてくださいね。」

 普段飛行や転移を主体として行動している猟兵達にとっては、普段の戦闘方針が使えない可能性がある。十二分に考慮する必要のある情報であった。

「今回、予知した感じでは敵の進んでいる海域は比較的波は静か。嵐の中での戦闘よりはずっとマシかとは思いますが、普段の地上戦より足場は不安定なので気を付けてくださいね。各自その辺りの対策が取れるなら取っておくと良さそうです。
 交戦相手はリビングデッド・・・になるのかな?どうも生前は女学生だった集団みたいです。結構数が多いですね」

 足場の確保をしたり、敵の船に接舷して乗り込んだりするのが良いのだろうか?
 その辺りは各猟兵の創意工夫が求められるかもしれない。
 また敵は戦闘能力はどの程度のものかはわからないが、その数は結構多いらしい、慣れない場所での戦闘という事も含め気を引き締める必要があるだろう。

「それでは、皆さんよろしくお願いします。これで相手の部隊も一旦収まってくれるといいのですが…。」
 集まった猟兵達を現地に送り届ける為、転送準備に入るひりょだった。


黄昏空
 新人MSの黄昏空(たそがれ・そら)です。羅針盤戦争の第3弾をお送りします。
 このシナリオは戦争シナリオ故に1章で完結となります。
 今回は集団戦。
(第2弾が思っていた以上に参加者の方がいらっしゃった為、同様のシナリオの方を準備してみました。残念ながら目標達成の為に不採用となってしまった皆様、そのままのプレイングでもご参加いただけると思います。)

 この戦場でのシナリオ成功ひとつにつき、戦争サバイバルの🏅5000が加算されます。
 海上では飛行や転移といった行動は阻害される為その辺りの対策を取りつつ戦いましょう。
 尚、このシナリオにはプレイングボーナスが設定されています。
 〇プレイングボーナス:海上戦、船上戦を工夫する(海上では飛行や転移が阻害されています)。
 プレイングはOP公開より順次受付。戦争シナリオにより成功数が条件を満たした時点で完了としたいと思います。

 それでは皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『『女学生』のリビングデッド』

POW   :    ナイトメアランページ
自身が戦闘で瀕死になると【『女学生』のリビングデッド】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    断末魔の瞳
【元居た世界への未練の籠った瞳】を向けた対象に、【死亡時の記憶を五感を伴う夢として見せる事】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    「死がふたりを分かつまで」
【生前所属していた武道系部活動の道具】で武装した【恋人と、その後輩たち】の幽霊をレベル×5体乗せた【レベル✕2隻の幽霊船】を召喚する。

イラスト:透人

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ゴロウザエモン・サンモト
ロラン様(f04258)と

準備OKでございます!

【アート】【早業】で黒塗りの坊主頭の巨人を描きUC発動。来やれ海坊主!
海坊主は海に現れ船を破壊すると伝えられる妖怪!
ロラン様のアルターギアと連携して動くのでございます!(空手形使用)

私自身は海坊主に乗って移動。ロラン様の援護を受けつつ敵船に飛び移るのでございます。
武器を手斧に換装し、加重の【呪詛】で幽霊たちの動きを阻害。手斧(大戦斧)を振り回す【重量攻撃】の【範囲攻撃】で船内の敵を蹴散らします。

ロラン様に回収されたら、海坊主をロラン様の攻撃と同時に火筒で放ち敵船に風穴を開けるのでございます。

露払いは致しました!トドメといきましょう!でございます!


ロラン・ヒュッテンブレナー
ローザさん(f27245)と一緒に
※アルターギア:ロランと魔力で接続し電脳空間からのコマンドで動く
脚部が丸々ブースターユニットの鳥型キャバリア

戦闘領域までキャバリアは鉄甲船に引っ張ってもらって
水着のメガリスと魔力リンクして水上ホバー(航海術・水上歩行・ダッシュ・地形の利用)のプログラミングなの

ローザさん、準備、大丈夫?
それじゃ、行くよ

アルターギアの機動力を活かして雷属性攻撃魔術で援護しながら幽霊船に接近しつつ索敵と情報収集なの
オーラ防御の結界術で防御しつつ
ローザさんの動きもサポートなの

幽霊船に突撃したら、ローザさんを回収してトドメのUC
アルターギアの演算補助を受けて
高速詠唱全力魔法範囲攻撃なの



 戦闘海域までの間、鉄甲船に引っ張ってもらう形で移動中の鳥型キャバリアの中。一人の少年猟兵がパネルとにらめっこをしている。ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は電脳空間より魔力で接続している自身のキャバリア「アルターギア」の動作確認中であり、コマンドを開き一つ一つ状況を確認していっている。戦闘の前に自機の動作チェックをしておくのはキャバリア乗りとしての必須事項のようなもの。戦闘中に何かあれば致命的なミスにつながりかねない。今回は友達のゴロウザエモン・サンモト(『魔王』山本五郎左衛門・f27245)と一緒に行動するのだ。彼女にも迷惑が掛かってしまう。それは避けなければならない。
 動作チェックをしてみた所、飛行能力以外は特に問題はなさそうだ。やはりグリモアの言っていたように飛行は阻害されており、脚部のブースター全開状態でも精々水上を浮遊するくらいがやっとのようだ。間違いなく空中戦は無理である、と結論を出したロラン。今回は水着のメガリスと魔力リンクして水上ホバーによる運用をしようと思っている。現地で飛行可能かどうかの確認を行った事でその予定は確実なものとなった。そしてその為のプログラムを頭の中でイメージし、軽快にパネルを操作しながら組み上げていく。

 プログラムを組み上がった頃には「そろそろ戦闘海域に到着する」という旨の声が掛かる。
「ありがとう、ローザさん」とゴロウザエモンに感謝の言葉を伝えるロラン。二人はお互いを「ローザさん」「ロラン様」と呼び合っているようだ。これまで2人は何度か同じ任務に就き戦ってきている。猟兵の戦いにはかなり過酷なものもあるが、それを乗り越えられるのはこういう一緒に戦ってくれる友達の存在が大きいのだろうな、と常々思うのだ。
 今回も一緒に任務を達成するのだと、2人は改めて誓うのだった。

 さて、海域に到着するという事でローザの方も戦闘準備を整える。素早く黒塗りの坊主頭の巨人を描いたローザはその絵に力を注ぎ込む。
「一夜にして百語られる怪異が一話! 汝の創作者たる我に隷属せよ!来やれ海坊主!」
 彼女の悪魔召喚士としての力を発揮させるUC『悪魔召喚「魔王の一筆」』
 今回召喚するのは海に現れ船を破壊するという言い伝えのある妖怪、海坊主。まさに今回の任務にうってつけの妖怪なのだ。ロランのアルターギアと共に連携し、空手の要領で敵艦をなぎ倒すつもりだ。

 海坊主に飛び乗ったローザの横にロランのアルターギアが到着する。
「ローザさん、準備、大丈夫?」
「準備OKでございます!」
「それじゃ、行くよ」
 さぁ、戦闘開始だ!

 アルターギアがその機動性を活かし水上を移動、敵艦へ雷属性攻撃魔術を仕掛ける。
 その間に海坊主が敵艦隊に接触に成功する。海坊主が放つ正拳突きが敵艦に突き刺さった。敵艦に突き刺さった海坊主のその腕を伝い敵船上へ飛び移ったローザ、大戦斧を手にリビングデッド達に攻撃を開始した。慌ててローザを迎撃する為に薙刀を持った女生徒達が立ち塞がるが、その動きが急に緩慢になった。まるで何かに押しつぶされるかのような感覚にまともに動く事が出来ない女生徒達。
それはローザのよるもの。彼女は加重の呪詛で相手の動きを封じ込めたのだ。そしてその隙を逃さずに大戦斧を振り回す!重量を伴った広範囲攻撃はその場にいる女生徒達をあっという間に吹き飛ばした。
 艦上の敵戦力はその一瞬にして半分近くを喪失する事になった。さらにローザは打ち漏らした相手へ攻撃を仕掛けていく、それに呼応するように海坊主も敵艦より腕を引き抜き、そのまま素手で敵艦へ殴り掛かった。艦上そして艦外部の両方面よりみるみるうちに敵艦の損害は大きくなっていく。

 一方、ロランの方は海坊主が敵艦へ隣接するのを見届けた後はオーラ防御の結界術で敵の攻撃を防ぎながら敵の情報を収集していた。もちろん敵艦上へ飛び降りたローザの動きをサポートする事も忘れていない。彼女を回収するタイミングは開戦前に打ち合わせ済みだ。
 それまでの間に情報収集と分析を進める。相手の戦力的には先ほどのローザの一撃を見た感じ、十分に対応出来そうである。加えて海坊主による攻撃での敵艦の消耗度合い。これを分析するに、この後トドメとして放つ予定のロランの一撃で十二分に敵艦諸共撃破する事は可能であるという結論に至った。

 艦上の敵の大半をローザが薙ぎ払ったのを確認すると素早く彼女を回収に向かうロラン。
 ローザを射ようと襲い掛かる弓矢をアルターギアの装甲で遮り射線を妨害。その間にローザは素早くアルターギアの片手の上に飛び乗った。そしてこれはおまけ、とでもいうように取り出した大砲を構える。するとその大砲に先程まで敵艦に接舷するようにその場にいた海坊主が吸い込まれていく。ローザのこの大砲は特殊仕様で、召喚した妖怪を吸収する事で真価を発揮するのだ。
 そして大砲に海坊主が吸い込まれるのを合図にアルターギアとローザの大砲が同時に火を噴いた。轟音と共にぽっかりと大きな風穴があいた敵艦を尻目に、ローザを載せたアルターギアは敵艦を離れ最後のトドメを放つ準備に入る。

「露払いは致しました!トドメといきましょう!でございます!」
 ローザの言葉に頷くロラン。
 アルターギアの演算補助を受けて高速詠唱の全力魔法範囲攻撃を放つのだ。
「対消滅術式展開、ターゲットロック、ヒート・コールド、ミキシング。レディ。」
 AI音声のように呟き、照準器型の魔術陣が敵艦を収めるようにロックした事を確認する。攻撃準備が整ったのだ。
「ぼくの魔術、受けてみて!」
 その瞬間にアルターギアを媒介にロランの全力の魔法攻撃がさく裂した。魔法陣から放たれた熱波と冷気から成る破壊消滅の光が敵艦を直撃する。

 
 光が収まったその着弾点には艦の残骸さえ残っていなかった。ロランの一撃が敵艦とそれに乗っていたリビングデッドの女生徒達全てを跡形もなく消滅させたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

天星・雲雀
「集団旅行中の海難事故、未来を絶たれ。その残滓が、躯の海に帰っても苦しみの種で在りつづけると言うのなら。消しましょう。その記憶」

【行動】鉄甲船や岩礁を悪路走破して渡りぬき足場が尽きれば[絶無]を亜空間から簡易召喚し、揺れる敵艦甲板に飛び乗って、敵の配置を[義眼]で確認。即座に地形耐性由来の地の利を活かします。

UC邪悪の願いで真の姿と千里眼を開放。亡者さん達、あなた達の始まりの記憶を消します。

「過去を背負って生きることが正しさなら死者の解放という自分の願いは邪悪でしょうか?終われぬ過去の終焉が、ただ消え去る事でしか訪れないなら」
「来なさい。自分の正義の心が尽きるまで一つでも多くの悲劇に終わりを」



「集団旅行中の海難事故、未来を絶たれ。その残滓が、躯の海に帰っても苦しみの種で在りつづけると言うのなら。消しましょう。その記憶」
 集団の女生徒という事から恐らく旅行中に不幸にも命を落とした者達なのだろう、と今回の敵に関しての予想を立てた天星・雲雀(妖狐のシャーマン・f27361)。彼女達のその苦しみの記憶を消し去る為、雲雀は行動を開始した。

 鉄甲船や岩礁を疾走する一陣の風。風の正体は雲雀だ。彼女は次々と足場となりそうな鉄甲船や岩礁を見つけてはその上を駆け抜けていった。
 次第に足場になりそうなものも少なくなる中、敵の艦隊の元まで残り僅かの所でついに足場が見当たらなくなった。万事休す、かと思われたがその状況も雲雀は想定済みだった。前方に足場になるものが見当たらなくなった時点で自分の前方に自分が普段は搭乗する魔神を簡易召喚したのだ。今回は即席の足場として利用する為の召喚の為、一定の時間しか魔神を顕現出来ないが今回はそれで十分だ。
 
 そして、とうとう雲雀は敵艦へと到達したのだった。

 突然疾風のごとく艦上へと飛来した雲雀に一瞬呆気に取られた女生徒達。だが、すぐに冷静さを取り戻した彼女達は雲雀に牙をむく。弓を構えた女生徒達が次々と雲雀に矢を射掛けるが、それを疾走しながら回避していく雲雀。弓を射ている者達は恐らくかつては弓道を嗜んでいたのだろうが、今彼女達が相手にしているのは動かぬ的ではない。一般人よりも圧倒的に身体能力の高い猟兵達なのだ。動く的にそうそう命中させられる者などいない。
 雲雀の方も、敵艦に着地した段階で揺れる甲板上で敵の配置を義眼で確認していた。そのうえで的確なルートで持って相手の攻撃を回避し続ける。未だ艦は波に揺られ浮き沈みを繰り返しているが、雲雀は持ち前の環境耐性を発揮し波による影響をものともせず艦上をひたすらに移動し続ける。
 
 一通り艦上を駆け抜け敵の人員・布陣は把握した。ここまで彼女は相手に対し防戦一方というか攻撃を一切行う事がなかった。女生徒達は自分達が相対している存在は回避能力は高いもののこちらに対して有効な攻撃手段を持たない、と判断し雲雀を追い詰めようと包囲陣を形成し始めた。これは雲雀にとっては好都合な状況であったのだが、そんな事など敵である彼女達には知る由もなかった。

 自分を包囲しようと距離を詰めて来る女生徒達を横目に見、ついには足を止める雲雀。だが、追い詰められたのは女生徒達の方。足を止めた雲雀はそのままUCを発動する。

「此処には誰もいませんよ?誰も居なかったんです」
 邪悪の願いと呼ばれるUCを発動させた雲雀は真の姿を開放し千里眼が開いた。
「過去を背負って生きることが正しさなら死者の解放という自分の願いは邪悪でしょうか?終われぬ過去の終焉が、ただ消え去る事でしか訪れないなら…来なさい。自分の正義の心が尽きるまで一つでも多くの悲劇に終わりを」
 
 千里眼で捉えられた女生徒達はその存在の始まりの記憶を消去された。つまり存在の喪失だ。次々と消滅していく女生徒達。辺り一帯に沈黙が訪れるのにそう時間は掛からなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神代・セシル
この数で普通に召喚者なしで集まる事は難しいと思いますが。実は召喚者などがいますね。


『バブルワンド』で氷魔法のバブルを生成し、自分を包みます。あとはバブルを乗って水上で移動します。

私の知識が誤りではなければ、リビングデッドの敵に対して炎魔法はよく効きます。戦艦も炎魔法で破壊した方が良いかもしれません。
UCを使って、竜巻と炎魔法を合成し、炎の竜巻を放ちます。私の力で上手く制御するのが難しいかもしれませんので。できるだけ味方から離れ、敵の艦隊に接近していく。多くの敵を殲滅する事を目指します。

【アレンジ・アドリブ歓迎】



「この数で普通に召喚者なしで集まる事は難しいと思いますが。実は召喚者などがいますね。」
 前方に見えてきた大艦隊を見て冷静にそう分析した神代・セシル(夜を日に継ぐ・f28562)。
 そうは思うもののその召喚者は恐らくかの大艦隊がやって来たその先にいる事だろう。召喚者の拠点が気になる所だが、まずは目の前の大艦隊をなんとかしなければならない。この艦隊を見逃せば蒼海羅針城の破壊に押し寄せ甚大な被害が出る事は間違いないのだから。
 このままではキリがない事を感じながらも目の前の大艦隊を殲滅する為、セシルは気持ちを切り替えるのだった。

 セシルが取り出したのはバブルワンドと呼ばれる短杖。様々な属性を纏った泡を放つ事の出来るセシルのとっておきの装備の一つである。今回はこの杖で氷魔法のバブルを自分の周りを囲うように生成した。セシルの入った泡はふわふわと海面を漂いながら大艦隊へと向かっていく。空中浮遊が出来ればより確実なのだが、その手が封印されている今はこうせざるを得ない。

 他猟兵達に比べれば大艦隊への進行速度はゆっくりではあったが、その分セシルには「大艦隊と交戦状態に入ったら、どのように行動すべきか」という事に関して対策を考える時間的な余裕が出来た。
 転送される前に聞いたグリモアからの話、そしてリビングデッドという存在の成り立ち。セシルは今まで得てきた知識を総動員し作戦を立てていく。
(私の知識が誤りではなければ、リビングデッドの敵に対して炎魔法はよく効きます。戦艦も炎魔法で破壊した方が良いかもしれません。)

 セシルは書物を読み、そこから知識を得る事が大好きだ。いわゆる「本の虫」である。そんな彼女はリビングデッドについても書物から知識を得ていた。リビングデッド、直訳すると「生きている死体」。死んだ人間が何らかの原因で生き返った存在である。
 死者であれば炎魔法はよく効く事は間違いない。
 彼女は知識を得る事を楽しみの一つとしている。そのたびに自分がいかに無知であったかに気が付き、新たな感動を得るからだ。そして彼女は猟兵になってから、本以外のものからも知識を得るようになった。それは仲間、という存在。彼女の周りには沢山の猟兵の先輩たちがいる。その先輩達と共に任務を遂行し色々な知識を得ていった。その経験がこうして一人で任務に向かう際も確実に自分の力となっているのだ。

 適宜進む方向を軌道修正しながら海上を進んできたセシルは、自身の作戦を立て終えた頃になんとか大艦隊の元まで辿り着くのだった。

 無事に敵艦隊の艦上へ降り立ったセシルはUCを発動させる。泡の中で漂う際にこの戦艦の近くには味方がいない事は確認済みだ。ならば遠慮をする事はない。制御を気にすることなく全力で合成魔法を放てる。風魔法の竜巻と火属性の炎魔法、この二つを合成し炎の竜巻を生成したセシル。リビングデッドの少女たちは彼女達が召喚した幽霊や幽霊船諸共、次々と炎の竜巻に巻き込まれ焼かれながら跡形もなく消滅していった。

 炎に巻かれ炎上する戦艦よりまたバブルに乗ってその場を後にするセシルだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳶沢・成美
相手がリビングデッドの類なら【冥門案内ノ法】かなあ
一応〔枯野〕があるから動けなくはないか
”航海術”や”船漕ぎ”の心得も一応ありますからね
近づいて
「はい、ばっしゃーん」
敵の船に冥門案内ノ法の霊符を焼いた灰を溶かした水を撒いて
天に召されてもらいましょう
相手が幽霊船なら船ごといけるかもしれませんね

自分の船にも撒いておけば乗り移られても大丈夫
今回は相性がいい相手でよかったかな

ただし、霊符をたくさん焼いちゃったから収支は赤かなあ……

アドリブ・絡み・可



(相手がリビングデッドの類なら【冥門案内ノ法】かなあ…)
 グリモアから聞いた情報を基に陰陽師である自分の手札の中から有効な手段を導き出した鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)。
 後は海上戦をどう立ち回るか、だが…。
(一応〔枯野〕があるから動けなくはないか)
 手元に取り出した模型を見ながら、この問題に関しても対策は取れそうだという結論に至る。記紀に搭乗する船から名付けられたこの「枯野」という模型、水に浮かべると大きくなり人を乗せる事が出来るのだ。これに乗っていけば敵艦隊に近付く事も出来るだろう。
 航海術や船漕ぎの心得も一応ある、なんとかなるだろう。
「さて、それじゃあ始めましょうかね」

 成美は自分の立てた作戦通り枯野を水に浮かべ、それに乗り込むと懸命に船を漕ぎ大艦隊へと接舷した。
 周囲で発生している戦闘ゆえにピリピリした緊張感に包まれていた敵艦であったが、それに比べ大きさでは戦艦に比べ小さい枯野は相手に察知されにくかったらしい。最新機器が積まれた軍艦ならともかく、そういった類ではなかったのも功を奏したと言えよう。

 さて、上手く近付けた所で攻撃開始、といきたい所だが念には念を入れておく成美。UC【冥門案内ノ法】を内包した霊符を焼き、その灰を自分の船に撒いておくのだ。
 この灰は怨霊の類を召天させる効果がある。これを撒いておけば万一自分の船に敵が乗り移ろうとしたとしても、その途端に灰に触れ召天させる事が出来るだろう。
 ついでに敵を召天させる為、さらに霊符を焼きその灰を水に溶かしていく。それの水をたっぷり準備した成美。相手はかなりの数がいるとの事、量が足りなくてピンチになるという事は絶対避けたい所だ。ここは大判振る舞いするしかあるまい。
 そうこうして下準備を終えた成美、いよいよ敵艦との交戦に入る。

 手持ちのフック付ワイヤーを敵艦に固定した成美はそれを巻き上げ、艦上への侵入に成功する。突然現れた成美に戦闘態勢を整えたリビングデッドの少女達が襲い掛かる。
 近付いて来る敵へ先程準備した霊符の灰を溶かした水を振りかける成美。
「はい、ばっしゃーん」

 それは他の猟兵達の派手な立ち回りに比べれば地味、ともいえなくもない戦い方だったが、その効果は覿面だ。水が掛かった少女達は途端に苦しみだしたのち天に召されていく。
 同時に敵艦自体にも水を撒いていく。その様はまるで打ち水のよう。
慌てて薙刀で襲い掛かって来る少女達。その攻撃を神様の加護が付与されているというバールのようなものでガードし成美は難を逃れる。そうしながら水を撒く事を繰り返し…。

 増援として呼び出された幽霊や幽霊船も同様の方法で撃退され、今は敵艦の上には成美以外の者は誰もいなかった。全て召天させる事に成功したのだ。この戦艦も幽霊船の一つだったようで、もうじき消滅する事だろう。急いで艦上より撤退しなければならない。

「今回は相性がいい相手でよかったかな」
 と呟いた彼であったが、はたと気が付く。
 今回結構な量の霊符を焼く事になってしまった。収支は大赤字だ、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィロメーラ・アステール
「これは結構な大艦隊だな」
一人で戦うのは大変そうだぞ!
こちらも助っ人を呼んだ方がよさそう!

というわけで【紲星満ちて集いし灯光】を発動!
光精たちを召喚するぜ!
いつもなら飛んでもらう所だけど、今日は【水中戦】モード!

光精を海に沈めて、水中から光【属性攻撃】させる!
なんか【破魔】の聖なる光線とか【浄化】の光の波動とか?
そういう感じのヤツで幽霊や幽霊船を下から攻撃!

敵は幽霊船を出してくるわけだけど、まあ元々が船だし海中への攻撃手段は少ないんじゃない?
部活動もね、水泳部ならともかく武道系ではな!
もちろんあたし自身も光精と同じ光魔法は使えるので味方の船の防衛とか、仲間の行動の援護とかをしてもいいぞ!



「これは結構な大艦隊だな」
 こちらへ向かって進んでくる大艦隊を眺め驚きの声をあげるフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)。
 特にフィロメーラの場合は彼女自身が22cmほどとミニマムサイズである故により大きく多数に感じる事だろう。無論倒せない相手とは思っていないが、あまり時間を掛けてしまっても艦隊が蒼海羅針城へ到達してしまう。ある程度の殲滅力も必要となって来る。

(一人で戦うのは大変そうだぞ!こちらも助っ人を呼んだ方がよさそう!)
 そういう結論に至ったフィロメーラは応援を呼ぶ事にする。
「光輝の縁を知るもの、集まれー!」
 呼びかけに応じ沢山の光精たちが召喚された。フィロメーラの周りには数えきれないほどの光精の群れ。遠くから見たらその場所だけ光り輝く柱があるかのように感じる事だろう。
 集まった光精は様々なタイプのもの達の集団だ。戦闘に特化した者、偵察や探索に特化した者、サポート支援に特化した者、など。
 そういった様々なタイプの光精達を一度に呼び集める事が出来るのが、フィロメーラのUC【紲星満ちて集いし灯光】なのだ!

 さて、普段ならば集まった光精達には飛んでもらう所なのだが、この海域に転送されて来てからフィロメーラも海上ギリギリの所を浮遊するのが精一杯。なるほどグリモアの言う通りだ。
 今回は水中戦モードで行く事にし、その旨のを集まった光精達に説明する。
 フィロメーラの意を汲んだ光精達は次々と海の中へ潜っていく。
 そしてフィロメーラ達は敵に勘付かれる事なく艦隊の近くまで接近する事に成功した。妖精たちの大群、しかも海中もしくは海面ギリギリを移動して来ただけあり、敵の索敵にも引っ掛からなかった。
 
 だが、仮に索敵に引っかかったとしても、果たして自分達に対処できる者達がどの程度いるものか。
「部活動もね、水泳部ならともかく武道系ではな!」
 水泳部なら泳いでくる為、確かにこちらに対処は出来なくはないだろう。戦力として機能するかはともかく。武道系と言っても弓道やアーチェリー、そういった所がまだましな対処が出来る程度だろう。つまり、だ。

「艦上で戦うならともかく、海中への対処を出来る存在はほとんど無に等しい」

というのがフィロメーラの見解だ。実に的を得ている。これが魔導士などのリビングデッドだったなら遠距離から魔法を唱えられたり非常に厄介ではあったのだが。
そういう意味ではある意味フィロメーラにとっての唯一の課題はこちらの殲滅力と言えた。
 だが、ここに集ってくれた光精達によってその課題もクリアされた。後は攻撃あるのみ!

 フィロメーラが一斉攻撃の合図を送る。水中より光属性の攻撃が放たれ、艦上に雨あられの様に降り注ぐ。その様子はまさに光の豪雨。破魔の聖なる光線や浄化の光を纏った波動など次々と降り注ぎ、リビングデッド達はそれに貫かれ浄化されていく。
 援軍を呼ぶがその援軍とて幽霊や幽霊船の類、同様の攻撃で次から次に沈黙させられていった。
 光精達と共に光属性魔法を使い敵を攻撃しながら「この調子ならノーサイドゲームで終了しそう」という考えが過るフィロメーラだった。その答えが判明するのはもう間もなくの事だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
女学生肉のアンデッド……熟成されてそう!
これはやるっきゃないね、宴会の邪魔はさせないよ☆

UC【素晴らしく肉肉しい晩餐】にて部下の肉塊を召喚し、肉の防壁と肉の砲台をメインとした砦を事前に形成。
戦闘は砲台で部下の肉塊を飛ばし、リビングデッド達を超重力で圧し潰し粉々に粉砕★
いっぱい増えてもそれだけ圧し潰せば問題ないよね☆
ついでに増殖した肉塊は「料理」の材料にして皆に賄いとして振る舞う!

勝利の暁に「宴会」だ!!
もちろん素材は女学生……カニバリズムになるからちょっとアレかな?



 世界には個性的な猟兵達が沢山いる。今回この任務についた猟兵達の中でも敵艦隊を見たまず第一声がここまで異なる者はいなかった。
「女学生肉のアンデッド……熟成されてそう!これはやるっきゃないね、宴会の邪魔はさせないよ☆」
 既に同様に転送されて来た猟兵達は各個行動を開始している。ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)の周りには他の猟兵はいなかった。もしいたら、ギョッと思わず彼女の事を凝視したかもしれない。
 
 だが、彼女がそういう感想を述べてしまうのも無理からぬ事だった。ラヴィラヴァは「みんながおなかいっぱいになれるせかい」を目指し、時には自分をも食材にして料理を振る舞う宴会を開くほどなのだ。それは他人、というか見るもの見るものが「美味しい食材」に見えてしまっても仕方ないのかもしれない。特に大好物は「肉」、となれば彼女にとっては目の前に迫る大艦隊には大量の熟成肉が乗っているのも同然なのだ。大量の食材が自分から寄ってきてくれる、なんて素敵な光景だろう。ラヴィラヴァはうきうきした気分で戦闘準備を整え始めた。

 ラヴィラヴァは部下の肉塊達を召喚する事にした。
「お腹が空いた?だったら晩餐の時間だよ!お肉をいっぱい食べてね♪」
 みるみるうちに彼女の前には巨大な肉塊(可食・高栄養)の大群が召喚されて来た。その数はどんどん増えている。絶え間なく増殖し続けているのだ。しばらくすると肉塊達はその場に肉の防壁と肉の砲台をメインとした砦を作り始めた。
 監督するラヴィラヴァもご満悦だ。良い食材を手に入れる為には妥協しない、その心意気を感じるほどだ。

 そして出来上がった砦にてラヴィラヴァは部下達に次の指示を出す。
「砲門、構えっ!部下装填!目標は目の前の大艦隊。調理開始!」
 合図と共に肉の砲台に飛び込んだ部下達が次々に打ち出される。打ち出された肉塊達は雨のように大艦隊に降り注いだ。

 その頃、大艦隊では前方に何か砦のようなものが構築された事に気が付き警戒していた。そこへ何かが打ち出される音がし…気が付くと頭上から大量の肉塊が降って来たのだ。
 一瞬唖然とした女生徒達。だが、そんな時間はあっという間に潰える。空より飛来する圧倒的な物量を持った肉塊によって圧殺されたのだ。
 かろうじて直撃を逃れた女生徒達は瀕死の状態で仲間を召喚する。だが、その召喚した仲間達も召喚された直後に同様の運命を辿る事になる。悪夢のような光景を瞼に捕えたまま女生徒達は変わり果てた姿を次々と晒していった。

 完全に沈黙した敵艦隊を見て、うきうきとした表情のラヴィラヴァ。文句なしの大勝利、これは宴会を開かなくては!同戦場で戦った猟兵達を料理で労わなければ!
 増殖し続けている部下の肉塊は料理の食材にして…メインディッシュはもちろん、女生徒達…。
 だが、そこでふと思い至る。

「…流石にカニバリズムになるからちょっとアレかな?」

…そうですね、勘弁してあげてください(平伏し)

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドロレス・コスタクルタ
水面をホバー移動するキャバリアに搭乗して参戦。
「この敵艦隊を抜かなくては召喚者に辿り着けないのですね」
決意を込めて艦隊を睨む。

UCの効果範囲を絞る代わりに効果を上げ敵の攻撃を腐食させ防ぐ盾として活用。付属の地形操作効果で海面を操作しホバー移動を補助する。波のない場所に波を生み出し不意のジャンプをしたり、海面を動かしキャバリアを運ばせて加速する。

幽霊船まで辿り着いたらキャバリアのまま飛び乗って鉄棒を振り回して暴れ回る。
「滅多打ちの時間です!」
UCは効果を維持。幽霊を攻撃させるより幽霊船の船体を腐食させるほうを優先。幽霊に避けられても鉄棒を振るう手は止めず脆くなった船を鉄棒で砕いていく。



「この敵艦隊を抜かなくては召喚者に辿り着けないのですね」
 決意を込めて艦隊を睨むドロレス・コスタクルタ(ルビーレッド・f12180)。
 召喚者を叩ければさらなる増援を防ぐことは出来るのだろうが、まずはこの艦隊をどうにかしなければならない。
 ドロレスは自身の愛機であるキャバリアに乗り込んだ。今回はこの戦いの為に水上ホバー仕様にカスタマイズされていた。

 各部動作チェックの後、ドロレスはキャバリアを発進させる。大艦隊の方もこちらの動きに気が付いたのだろう。艦隊より飛来物が降り注いできた。どうやら弓矢の類のようで、キャバリアの機動性の前にほとんどのものは命中せず、幸運にも命中した矢もキャバリアの装甲に弾かれてダメージらしきダメージは受けなかった。
 だが、ドロレスは油断しない。彼女達自身はその程度の迎撃能力かもしれないが、彼女達の乗っている戦艦にはどの程度の戦闘力があるのか未知数だからだ。
 砲撃を喰らう可能性を考慮しUCを発動させるドロレス。
「ナノマシンにはこういう使い方もあるのですわ。コード入力『万物は土より生じ、土に還る』」
 コード入力と共にナノマシンが射出される。それは飛来物を腐食しそのままキャバリアを防ぐ盾となった。
 
 また水上を移動するキャバリアの動きをさらに変化の富んだものにする為、地形操作を行う。海域は波のない静かな状況であったが、地形操作によりドロレスの周りは時に波が押し寄せキャバリアはそれによりジャンプし敵の意表を突いた。時には海面を動かし瞬間的に最大速度まで加速させる手助けをさせた。
 
 敵艦隊を良いように翻弄し続けたキャバリアはついに艦隊に接舷する。そこでキャバリアは勢いを止めずそのままなんと艦上へ飛び移った。そして鉄棒を振るい大立ち回りを始めたのだ。
「滅多打ちの時間です!」
 振り回した鉄棒によって迎撃しようと集まって来たリビングデッドの少女達は瞬く間に弾き飛ばされ艦の壁に激突し動きを止めた。その状況に慌てて増援の幽霊や幽霊船を召喚する者達もいたが…。キャバリアから射出されるナノマシンが幽霊船を次々と腐食していく。「幽霊は後回しだ。そちらはどうとでもなる。問題は幽霊船の方だ」とばかりに。
 
 腐食され脆くなった幽霊船はキャバリアの持った鉄棒になぎ倒されボロボロになって消滅していく。そうこうしているうちに増援の幽霊船もその数を減らしていった。キャバリアは絶え間なく鉄棒を振り回し大暴れしており、それに巻き込まれた召喚者たるリビングデッド達も打ち据えていったからだ。
 最後に立っていたのはドロレスのキャバリアのみ。ドロレスとキャバリアの勝利だ。

 思い返してみれば砲撃を警戒したドロレスだったものの、結局砲撃はこなかった。武装がなかったのか、そもそも生前に砲撃訓練など受けた事もなかったであろう女生徒達には宝の持ち腐れであったのか。今となっては確認のしようもないが。

 完全に沈黙した敵艦を後に、次の艦隊へ向けドロレスはキャバリアを向かわせるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神海・こころ
◆白セーラー服VS黒セーラー服仁義無きキャットファイト

船上戦!
両足で踏ん張り
甲板のロープを腰に巻き付けて落下防止対策を行いつつ
迫り来る女子学生のゾンビ軍団に対して
黄金の金属バットを肩に担いで立ち向かいます

戦闘で瀕死になると「おかわり」が召喚されちゃんだよね?
それなら瀕死とか関係なく『一撃必殺!!一振り入魂!!』で
叩き潰す!!

アタシが相手になってあげる
吹っ飛ばされたいなら向かってきなよ!!

気絶攻撃+怪力の全身全霊の「修羅殴殺」
地面を砕くほどのその一撃を持って防御ごと
フルスイングでぶっ叩きます!!



 自分達の乗った船が敵戦艦に接舷する。素早く敵艦に飛び降り、甲板のロープを腰に巻き付けて落下防止対策を行う。この状態で両足で踏ん張ればまず落下しないだろう。そして意気揚々と「船上戦だね!」と交戦する相手を見やった所で神海・こころ(心海に沈む・f31901)は硬直した。

「く、黒セーラー服、だとっ!?」ライバル出現である。もう彼女の中では白黒はっきりさせねばならないなどと考え始めている。恐らく脳内に掲げられたタイトルコールはこんな所だろう。

『白セーラー服VS黒セーラー服仁義無きキャットファイト』

 さぁ、仁義なき戦いの始まりだ!
 …ええ、脳筋仕様の彼女には理屈など通用しない。まさに「考えるな、感じるんだ!」なのである。

 突如勃発した仁義なき戦い。
 何故だろう、この対戦カードに限って言うと「どこかの学園闘争もののドラマ?」とも思えて来るから不思議である。なにぶん白セーラー服(こころ)が手に持つのは愛用の黄金の金属バット、対する黒セーラー服軍団(リビングデッドの少女達)は薙刀や竹刀・木刀、弓等を構えている。リビングデッドの少女達は生前に行っていた部活動の武装を持っているためだ。
 だが、敢えて言おう。確かに戦争ではあるが学園闘争ではない。これは羅針盤戦争の一ページなのだっ。

 さて、そんな天からのツッコミをよそに戦闘は開始されていた。
 金属バットを肩に担ぎ、指をくいくい。かかってこい、というこころの意思表示である。
 その挑発に乗った木刀を持った少女が堂に入った剣道の構えで一気に間合いを詰めてきた。
 こころの頭を打ち据えようと迫る木刀を華麗に躱し金属バットで打ち据える。叩き折られた木刀が宙を舞って少し離れた所へ転がった。その瞬間を逃すこころではない。
(戦闘で瀕死になると「おかわり」が召喚されちゃんだよね?)
 そうグリモアからも聞いている。ならやるべき行動は一つだけ。
「それなら瀕死とか関係なく『一撃必殺!!一振り入魂!!』で叩き潰す!!」
 非常に物騒でございます、はい。
 気絶攻撃と怪力を活かした全身全霊のUC「修羅殴殺」。
 その名の通り恐ろしいまでの圧倒的物理攻撃力を持って渾身の一撃が黒セーラー服の少女を打ち砕いた。そう、ぶっ叩いたのではない、粉砕したのだ。こころの足元には粉砕された元少女が転がっている。
 戦艦の甲板を叩き壊さんがほどの破壊力を受けた黒セーラー服が再び立ち上がる事はなかった。

「アタシが相手になってあげる。吹っ飛ばされたいなら向かってきなよ!!」
 目の前で起こった圧倒的な物理破壊力に一瞬恐れをなした黒セーラー軍団。だが、リーダー格の少女が指示を出し複数でこころに襲い掛かる事で劣勢を覆そうとした。
 しかしこころの快進撃はそんなものでは止まらない。
 相手の攻撃を時には回避し、時には金属バットでガードし、その後は一撃粉砕。
 相手のガードごとへし折る勢いで再び「修羅殴殺」が繰り出される。
 黒セーラー服軍団、その数多数。それに対し白セーラー服はこころただ一人の状況ではあるが…。その数的不利は圧倒的なまでの物理的暴力によってあっという間に覆され…。

「WIN白セーラ服」

 勝利宣言がなされるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
オブリビオンは、フォーミュラが召喚する、といいますからね……
同じ過去から何体も現れる。過去は消えない
私達にできるのは、新しく現れないようにすることだけ
その為のフォーミュラ撃破まで、守りましょう

私が、私達がするのは海上戦
海に入って『文明守護竜』連続発動
海水や大気を一時的に竜にして、集合してもらい、群体の、巨大な竜になる
連続発動で数百m、最大で百数十kmまでだって……過剰なのでそこまではしないですが
大きく、強くなって、海面から上半身だして
【念動力オーラ防御】が守り
【激痛耐性継戦能力】聖者の光が再生し
巨体の【重量攻撃】腕や尾を振るい、敵船【なぎ払い】
光を束ねた【レーザー射撃】で、消滅させていきます



「オブリビオンは、フォーミュラが召喚する、といいますからね……。同じ過去から何体も現れる。過去は消えない」
 グリモアが語っていた疑問に対して回答を見つけていたのはナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。過去から召喚するのだから、新たな犠牲は必要ないのだ。ただ、ひたすらに同じ過去より召喚すればよいのだから。

「私達にできるのは、新しく現れないようにすることだけ。その為のフォーミュラ撃破まで、守りましょう」
 召喚者たるフォーミュラを倒せばこの猛攻も収まる。それまでの間はなんとしても蒼海羅針城を守り抜かねばならない。
 ナイは見た目は幼い少年だ。だが、彼の本体はどこか別の世界に存在するようだ。今のこの姿も仮初のもの。百年使われた器物に魂が宿り、それが人型を成した存在、それがヤドリガミたるナイという存在だ。だから、この体自体に本来名前というものはない。そんな状況の中、この仮初の体と自分に名前をくれた人がいる。その人と共に本体が壊れるその時まで世界を救い続けるのだと、ナイは強く誓ったのだ。

「今を守る力を、みんなに。世界を、守りましょう。私達は、文明を守護する竜、ダイウルゴスです……!」
 ナイの呼びかけに応じ海水や大気たちが一時的に竜の形をとりナイの元へはせ参じる。竜の群れは次第にさらなる巨大な竜の形を成していった。
UC「文明守護竜」、それはナイを中核とした新生ダイウルゴス。嘗てA&Wで発生した帝竜戦役、そこで猟兵達の前に立ち塞がった帝竜「ダイウルゴス」がナイを中核に顕現したのだ。ヤドリガミと呼ばれる存在である彼だからこそ出来る能力なのかもしれない。
 あまり過剰に大きくなりすぎて周辺で戦う他の猟兵に影響が出てはまずい。そういった最悪の状況は避けつつ、UCを連続使用し可能な限りの巨体を生成するナイ。
 巨体になればなるだけその力は増していく。
 そしてこの状況でギリギリ許容範囲と思われる巨体になった段階でナイは敵戦艦へ攻撃を開始した。

 海面から上半身を出したダイウルゴス。それに対し艦上より大量の矢が射掛けられた。
 それを念動力を付与したオーラで防御していくダイウルゴス。手傷はほとんど受けていないが、その傷も激痛耐性のおかげで全く痛みを感じない。そしてみるみる内に傷は塞がっていく。聖者の光であっという間に回復したのだ。
 超巨大なダイウルゴスに敵艦隊は大混乱。攻撃を仕掛けるも決定打には乏しく…。
 その間にもダイウルゴスはその巨体を活かし腕や尾を振るい敵戦艦を薙ぎ払う。
 単純な攻撃であるが、その巨体から繰り出される一手一手は既に暴力の類のもの。瞬く間に敵戦艦は破壊されていく。
 トドメの一撃として放たれた収束した光によるレーザー射撃で敵艦隊は跡形もなく消滅した。

 次なる敵は…。ダイウルゴスの内部にてナイは素早く周囲を確認。他猟兵達が撃ち漏らしている戦艦に向けその巨体を移動させるのだった。


〇エピローグ
猟兵達の奮戦の結果、周囲の敵艦隊は全て討ち取られた。
今の所増援らしきものも存在しない。この海域におけるひとまずの平穏がもたらされたのだ。
だが、油断は出来ない。彼女達を召喚した存在が健在なうちは新たな大艦隊が派遣されてくる可能性は十二分にある。
今一度気持ちを引き締めた猟兵達はひとまず戦線を離脱しその場を立ち去るのだった、

(完)

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月07日


挿絵イラスト