羅針盤戦争〜フォーミュラすら持て余す大邪神
●
オブリビオンフォーミュラの分身体、『三の王笏』カルロス・グリード。
UDCアースに由来するその能力は邪神召喚。通常の数倍にもなる巨大な邪神を出現させるのだが、どれも地形もろとも戦場全体を制圧してしまうような桁違いの戦闘力を持っているという。
「邪神はとんでもなく強大だけど、それゆえに召喚した本人も完璧にはコントロールしきれていないみたい。そこら辺に付け入る隙が在るかもね」
と、田抜・ユウナ(狸っていうな・f05049)は壁に投影した資料映像を背にして語るが、猟兵たちはむしろ戦慄した。
オブリビオンフォーミュラとはすなわち世界最強の存在である。それが制御に手こずるとは、どんな化け物なのだろうか。
「邪神は全部で3種。猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値・回数の召喚が行われ、絶対的なイニシアチブでもって先制攻撃してくるわ。
対抗手段は、ユーベルコード・技能・装備アイテム・その他諸々、好きなやり方を選らんだらいいけれど、一つだけ忘れないで。
邪神もカルロス自身も別格、世界最強クラスだってこと。能力値も技能レベルも猟兵トップを軽く凌駕するわ。どんな手札を用意したところで、きちんと使い方を考えて適切な作戦を立てなくては呆気なく返り討ちに会うわよ」
よくよく注意して、と厳しい口調で念を押して、ユウナは猟兵たちを戦場へ送り出した。
●三の王笏島
その島を構成するのは、UDCアースにて忌まわしき邪神の蔓延する『邪神山脈』。
狂気の立ち込める岩山の中腹に佇んでいた『三の王笏』カルロス・グリードはふと顔を上げた。
『来たか、猟兵供よ。この短期間で我が本拠地まで至るとは見事である。どうやらこれは、我が手駒のうちでも最強の三柱を揃えねばならぬらしいな』
――ゾンッ!!
激闘の始まりを告げるように、大地が鳴動した。
黒姫小旅
邪神を凌ぎ、召喚者を殴れ! 『やや難』とは言いつつ、結構ハードですね。
どうも、黒姫小旅でございます。
此度は圧倒的な格上が相手となりますので、プレイングや成功度判定の結果によってはヒドイ目に会う可能性が多分にあります。ご注意ください。
敵の使用ユーベルコードや行動パターンについての解釈は、プレイングを最大限に尊重するつもりです。
ただし、敵の過小評価やオープニングとの明確な矛盾があると判断した場合は厳しく判定します。
●特殊ルール
『どれだけ下記の条件に適したプレイングか』によって成功度判定のサイコロ振り直しの回数が増加します。
=============================
プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
=============================
●備考
シナリオをクリアすると、下記の島が解放されます。
名称 :マンゴー島
出身 :UDCアース
主な住民:シャーマンズゴースト
特産品:マンゴー
第1章 ボス戦
『七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード』
|
POW : 邪神「大地を喰らうもの」
【本拠地の島の面積】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【大地を牙の生えた触手】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : 邪神「吼えたけるもの」
【目にした者の正気を奪う、漆黒の巨人型邪神】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ : 邪神「輝き惑わすもの」
【光り輝く宝石のような美しき邪神】の霊を召喚する。これは【命中した対象を宝石に変える光線】や【敵の欲望をかきたて混乱させる輝き】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
決戦?なにそれ美味しそう!
アクセントをつけようね☆
事前に「肉体改造」を施して弾力と増殖スピードを上げて噛み切れないように強化!
触手の噛み付きを防ぎつつUC【飢餓つくと肉肉しい惨劇】にて増殖し続ける肉塊に変身!
触手の食欲を匂いで(匂いは化学物質だから鼻が無くても出来るはず)増幅させて、増殖した肉塊を齧らせる!
体内に入った肉塊はなおも増殖して……どかーん!
勝利の暁には触手「料理」で「宴会」だー!
マンゴーも食べたいね☆
あ、代償になった島の面積は切り離した肉塊を改造して島の土壌にするよ♪
●
一番槍を担うのは、「種族:ラスボス」のラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)。
「決戦? なにそれ美味しそう! アクセントをつけようね☆」
のっけからハイテンション、ラヴィラヴァは目をキラキラさせて戦場に駆けつけると、即座にユーベルコードを発動する。
「【飢餓つくと肉肉しい惨劇】――たっぷりたらふく満足するまでオイラを召し上がれ♪」
見るからに美味しそうな肉の塊に変身。食欲を増進させる強烈な匂いを放ちながら空を漂うラヴィラヴァを、カルロス・グリードは冷ややかに見つめた。
『自ら餌となりに来たか? 度しがたいな』
――召喚、【邪神「大地を喰らうもの」】。
眠れる獣が目覚めるように、山が震えた。大小の地割れを引き起こしながら島の一部が隆起し、牙の生えた触手へと姿を変えると、目の前のご馳走に武者振りつく。
「うひゃー、がっつくね☆」
勢いの凄まじさに、ラヴィラヴァは舌を巻いた。
触手はぶよぶよとした肉塊に牙を食い込ませ、囓って嚙んで噛みちぎり、咬みくだいて咀嚼し貪り喰らう。
ラヴィラヴァが変身した肉塊は無限に増殖するが、触手の食べ進むスピードはこちらの増殖速度をやすやすと上回っていた。肉質をバリカタに改造しているのに、水を飲むように嚥下していき、ラヴィラヴァはたちまちのうちに欠片も残さず喰いつくされてしまう。
……ゲプ
少しは満足したのか、忙しなく蠢いていた触手は動きを緩めてノロノロととぐろを巻いて――ピシッ
ドォォォォォォォンン!!
唐突に、内側から大爆発を起こした。
ラスボスは喰われた程度で死にはしない。腹の中に収まった後もなお増殖を続け、胃の限界容量を突破してはち切れさせたのだ。
「あっはは、ヤッタ――――ッ☆ 勝利の宴のメインディッシュは触手料理で決まりだブオエッ!?」
『我を無視するとは、詰めが甘い』
有頂天で再浮上しかけた巨大肉塊が、真横から殴られてくの字に折れ曲がった。
そういえば、カルロス本体についてはノーマークだった……と臍を噛んでいる場合ではない。吹っ飛ばされた先には、邪神召喚時に生じた地割れが開いている。
「ちょっとヤバ待って落ちる落ちるキャアアアアァァァァァァァ!!?」
『丁度、召喚の代償で島の大地を失ったところだ。埋め合わせになってもらうぞ』
地獄の底まで続いているような裂け目へと落ちていくラヴィラヴァを、カルロスはやはり冷たい眼差しで見下した。
●
『……よもや「大地を喰らうもの」を内側から破るとは、末恐ろしい奴だ。運よく退けることができたが、賽子の転がり方次第では敗れていたのは我であったやも知れぬ』
額に浮いた汗をぬぐいながらカルロスが立ち去ってから、たっぷり十秒ばかり。
――ボゴッ!
埋め立てられた地面を突き破って、人の手が飛び出した。
「う……げほっ。死んだかと思ったよ★」
失敗
🔴🔴🔴
スピネル・クローバルド
WIZ判定の行動
アドリブや他猟兵との共闘歓迎
■心情
カルロス・グリードですか、強敵が相手であっても
私達猟兵は退く訳にはいきません、いざ行きますよ。
■先制攻撃対策
輝き惑わすものを召喚してきますね。
光線は当たらない様に【盾受け】や【ジャストガード】で防御し
宝石に変えられても【呪詛耐性】で解除を試みる。
混乱させる輝きは、出来るだけ輝きを見ないように【第六感】や【聞き耳】で
敵の位置を把握し、混乱しても【狂気耐性】で耐える。
■戦闘
深緑の嵐(UC)で攻撃。
【高速詠唱】で実質の詠唱時間を増やし、【属性攻撃】で森属性を強化して
嵐を放ってボスを攻撃しますね。
「私達を甘く見ていると、痛い目に遭いますよ」
●
……見ては駄目!
スピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)は即座に目を覆った。
召喚されたのは大邪神「輝き惑わすもの」。外見こそ光り輝く宝石を思わせるが、美しさに見惚れようものなら欲望を掻き立てられて正気を失うこととなる。
『故に自ら視覚を封じる、か。発想は悪くないが……何も見えぬ状態で果たして戦えるかな?』
揶揄するような声で、カルロス・グリードは邪神に攻撃命令を下した。
殺気がこちらを向く。
濃密すぎる破壊の意思を、スピネルは聞き耳と第六感とで感知し、とっさに盾を構えて、
――――!!
直後、冒涜的に煌めく光線が戦場を薙ぎ払った。
左から右へぴったり45°。呪いの光が走り抜けた後には、生物も非生物も関わりなく美しくも無機質な宝石と化して輝くのみ。
「う、くぅ……」
スピネルは苦しげに呻いて、宝石化した盾を押し退けた。透明なダイヤモンドに変じた盾は重すぎるし、何より光を防ぐ効果が半減して、もう使えない。
しかも今ので、盾でカバーしきれなかった両足と右の肘がやられた。もともと彼女は呪詛への抵抗力が高いので、集中すれば回復できるレベルではあるが……いや駄目だ。
『邪神よ、我に従え! 今こそ追撃の時ぞ!』
カルロスが邪神を急かして、二度目の攻撃を放とうとしているのが聞こえる。受けに回れば、今度こそ命はないだろう。
致し方ない。詠唱チャージは物足りないが、ここで撃つ。
「歌い踊りなさい。――【深緑の嵐】!」
掲げた長杖「精霊樹の一枝」の先端に、森の魔力を収束・発射。
それは恵みをもたらす母であり、脅威が蔓延る異界である。優しくも恐ろしい『森』という概念を司りし属性魔力の奔流は、一直線に駆け抜けてオブリビオンフォーミュラを飲み込んだ。
『ぬっ!? その体勢から我に当てるか!』
「猟兵を甘く見てもらっては困ります」
確かな手応えを覚えたスピネルは不敵に笑って、しかしすぐ苦悶に顔を歪めると、長杖を頼りにして立ち上がる。
これ以上の戦闘継続は困難。背を向けるのは不本意だが、呪詛を解くためには一旦退かねばなるまい。
「カルロス・グリードですか。なるほど強敵ですね。なんとか一矢報いることができただけでも、良しとしましょう」
そう言い残して、スピネルは吹き荒ぶ深緑に紛れて撤退した。
苦戦
🔵🔴🔴
ビードット・ワイワイ
我が正気か否か
誰が定義出来ようか
我は破滅を願う者、これが正気と言うのなら。嗚呼、汝のは本当に正気であろうか?
オブリビオンマシンで出撃
生体キャバリアは限りなく生物に近き存在
視覚を切断し武芸百般を周囲に展開
武芸百般による防御に加え
攻撃を加えた音と空気の流れに集中する事で敵邪神の行動を見切り攻撃を受け流すと同時にカウンターで衝撃波による吹き飛ばしを行い体勢を崩しUC発動
一度の目視それで十分
我が機体は尋常ならざる速度に至る
この速度で行けば一瞬の内に誰の被害も出ぬ場所へ行けるであろう
この痛みを忘れるな
醜き邪神を操ろうと汝に勝てる道理無し
我がオブリビオンマシンの糧となれ
●
オブリビオンマシン「エヴォルグ號奪機」のコックピットにて、ビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)は思索する。
己は正気か否か、誰が定義できようか。
己は記憶もなく望みもなく、ただプログラムされた『世界を破滅させよ』との命令に従って動くウォーマシンである。こんなものを正気と呼ぶ者がいたならば、彼こそ自らの正気を疑わねばなるまい。
Alert! Alert!
グリモアの転移門をくぐるや否や喚きだした警報器によって、意識が現実に呼び戻される。
――前方に巨大な質量体の出現を確認。
事前に視覚を切断していたため真っ暗になっているモニター上で、膨大な情報が踊った。
観測データを見たところ、現れたのはグリモア猟兵の予知通り巨人型邪神「吼えたけるもの」。空気と地表を震わせる足音から、対象の歩幅と近づいてくるスピードを導き出す。
想定衝突時間まで3、2、1……!!
専守防衛モードで周囲に展開していた支援装備「武芸百般」が弾き飛ばされるのと、ビードットが回避コマンドを打ち込んだのはほぼ同時だった。
オ オオ オ ォォォォ
オブリビオンマシンは不気味な呻き声を上げて、機械というよりは生物じみた挙動で上体を逸らした。すれすれ1m弱を隕石みたいな剛拳が掠めていくのを感じながら、グネリと身をよじってカウンターの掌底を叩き込む。
ガャャァンン!!
腕に伝わる感触で、巨人型邪神が吹っ飛んだことが分かった。否、吹っ飛んだのはこちらの方か? 衝撃波の反動が機体を駆け巡ってどちらがダメージを受けたのかも判然としないが……何であれ、邪神と距離を取れたのなら結果としては悪くない。
――視神経回路、再接続。
ほんの一瞬だけ視覚を回復。写真一枚の静止画ほどの情報量であるが、今はそれで充分だった。
――標的カルロス・グリードの、リアルタイムの位置を視認。演算開始。最短最速の殲滅ルートを選定。
遠ざけたとはいえ邪神の体の一部が視界に入り、汚染された電脳がノイズにかき乱されるが、問題はあるまい。今さら狂ったところで、狂気が追いつくころには全て終わっている。
高速戦開始。【実行殲滅機構・爪脚速斬】!
――――――――ザシュッ!
オブリビオンマシンの姿がかき消えて、一陣の風が吹き抜けたかに見えた直後、後方にて邪神の制御に集中していたカルロスの首根が引き裂かれて鮮血を噴いた。
『が……ハッ!?』
「醜き邪神を操ろうと汝に勝てる道理無し。我がオブリビオンマシンの糧となれ」
刹那の交錯を成功裏に果たしたエヴォルグ號奪機は、血濡れの爪ををダランと下げて勝ち誇ったように吼えた。
成功
🔵🔵🔴
ナイ・デス
今から、UDCアースでフォーミュラと戦う日が、恐ろしくなりそうな話、ですね
逆に言えば……これを倒せなくて、いつかくる日、どうする、です!
【覚悟】決めて【勇気】を胸に
【浄化】の光を噴いて全力の【推力移動ジャンプ】
噴いた光で触手を【吹き飛ばし】もする一手で逃れながら
【激痛耐性】逃れきれず牙で抉られても、怯まず止まらず
一人では、勝てないでしょう
それでも
世界は仲間で、満ちています!
『文明守護竜』顕現
大気などの皆に、願う
世界を一緒に、守りましょう
連続発動
竜となった皆が集い、大きくなる
触手も増えるけれど【継戦能力】光が、竜を癒す
【念動力】で弾く
巨竜となって【レーザー射撃】
王笏を【浄化】の光で、飲み込む!
●
なんと大きく、強く、畏ろしい!
一召喚獣という扱いながら、下手をすれば単体でもオブリビオンフォーミュラを超えかねない邪神の迫力に、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は戦慄せずにはいられない。
「だけど……これを倒せなくて、いつかくる日、どうする、です!」
かの神々の本拠地たるUDCアース世界を破滅の危機から救わんとするならば、こんなところで立ちすくんでいる暇はないと、ナイは己を奮い立たせて飛び出していく。
行く手を阻むのは邪神「大地を喰らうもの」。地中より現れ出でたる牙持つ触手は、天にも届く長大な体躯を鞭のようにしならせてナイを襲った。
速い!?
巨体に似合わぬスピード。回避行動など到底間に合わず、ズラリと並んだ牙が白い肌に喰らいついた。
「あ、う……!?」
肉が千切られていく感触を、ナイは持ち前の激痛耐性でもって押し殺し、浄化の光を収束・噴射。全力で放つ光圧から生まれる推力で、強引に触手の噛みつきを振り払った。
……嗚呼、でも駄目だ。敵わない!
今の一合で、ナイは悟ってしまった。
何から何まで、次元が違いすぎる。自分一人の力では、どうしたって勝てる気がしない。
「それでも……世界は仲間で、満ちています!」
ユーベルコード【文明守護竜】顕現!
世界を一緒に守りましょう、という願いに、海が、大気が答えた。
ドラゴン・ロードの光に照らされ、周辺環境が竜化。ナイを中枢として、文明の守護者として生まれ変わった新生ダイウルゴスへと変身する。
……もっと、もっと、皆集まって!
変身は一度では止まらない。邪神山脈を取り巻くすべての事象を取り込んで、新生ダイウルゴスは果てしなく巨大かつ多様な存在へと変わっていく。
『力を溜めて最大火力を放つのが狙いか。「大地を喰らうもの」を前にして、時間のかかる手を選ぶとはいい度胸だ』
カルロス・グリードは目を眇め、手の平で地面に触れた。
『ならば我も、真っ向から付き合ってやろう』
多重召喚、【邪神「大地を喰らうもの」】!
邪神山脈が轟と唸った。大地が次々に異形へと転じ、無数の巨大触手は津波のごとく雪崩落ちる。
新生ダイウルゴスは全速力で巨大化を続けるが、触手の増殖速度はそれをはるかに上回り、あれよあれよと言う間に巨大な触手の球体の内部に姿を消してしまった。
『……終わりか?良いのは威勢だけだったな』
カルロスは失望したように肩を竦めて、邪神たちの召喚を解除しようとして……――――
狙撃!!
触手球の隙間から、浄化の力を宿したレーザービームが放たれて、カルロスの胸を貫いた。
ダメージによって制御が乱れた触手の群れから、ズタボロになったナイが零れ落ちる。
『ガッ!? ……まさか、まだ生きているのか!』
「……わ、わたしは、死ねない……ですから」
癒しの光で己の体を再生しながら、ナイは弱々しく微笑んだ。
成功
🔵🔵🔴
テラ・ウィンディア
共闘
劔(f28419
旅団の人と共闘か!悪くない!
…邪神か
神に挑むは栄誉だな
そしてフォーミュラなら尚の事な!
【属性攻撃】
炎を全身と剣太刀に付与
対POW
【戦闘知識・見切り・第六感・残像・空中戦・盾受け・レーザー射撃・遊撃】
うわ…凄く怖いけど…簡単にはやられないぞ!
飛び回りながら全力での回避を試み
剣と太刀や盾で防御しながら致命だけは避ける
最悪太刀は手放す
更にガンドライドで己と劔に迫る触手に対してレーザーによる迎撃射撃を試
反撃
うん?これでもおれは剣は得意だぞ?
!…上等だ!(大魔剣を掴み
【二回攻撃・重量攻撃・早業】
大魔剣で邪神を切り捨てカルロスに猛攻
斬撃濃度が高まれは
消えざる過去の痛み発動!
斬斬斬斬斬!
空亡・劔
共闘
テラ(f04499
何故か判らないけどあたしの本能が叫んでる
神を討てと
対POW
【天候操作・属性攻撃・見切り】
吹雪を引き起こした上で
氷結地獄から冷凍光線を放って触手に変わった大地を凍らせて動きを鈍らせて
その上で全力で回避に努めるわ
致命だけは絶対に避ける!
反撃
確かあんた団長の妹のテラって言ったわね!
あんた剣は得意!?
上等!それならば…
あんたにこのあたしを使う名誉を与える!
上手くやって見せなさい!(UC発動
【属性攻撃・結界術・二回攻撃・残像】
己の持つ力をテラへと付与して強化!
結界で防御力を強化!
本体である大魔剣に氷属性を付与
テラの残像を残すほどの機動力を強化!
テラのUCに合わせ
神殺しの権能強化!
●
『我が島を贄となし、目覚めよ【邪神「大地を喰らうもの」】』
カルロス・グリードの呼び声に応えて、島の一部を削りながら牙の生えた触手が出現した。
まるで悪夢の世界から出てきたような凶悪な姿を目の当たりにして、空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)は心がざわつくのを感じる。
アレが神だというならば、斬らねばならぬ、討たねばならぬ。そう囁くのは自身にも判らないほど奥底に刻まれた真の姿、殺神魔剣『空亡・紅』が背負いし宿命か。
抗いがたい衝動に押されて駆け出す劔に、旅団を同じくするテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)も続いた。
「神に挑むは栄誉だ。それがフォーミュラなら尚の事な!」
恐怖を押し殺し、戦士としての誇りを胸に、いざ尋常に!
ゴオオォォォォォ!!
意気軒昂に向かってくる少女たちに、邪神は暴威でもって応える。
振り上げた触手による豪快な薙ぎ払い! 余波で海が荒れ狂い、かき乱された大気が小規模な竜巻を発生させ、転がっていた岩々が消し飛んでざっと半径100m以上が更地と化す。
一個師団が跡形もなく砕け散るような天災じみた一撃が、たったの二人を相手に炸裂した。
『……軽い挨拶のつもりだったが、よもや死んだわけではなかろうな?』
カルロスは巻き上がった土煙を手で避けながら、戦場に目を走らせて……見つけた。
やはり、劔もテラも無傷。間合いを見切り射程外に逃れた二人を、オブリビオンフォーミュラは賞賛するように頷いて、
『では、次は本気で行くぞ』
射程が、伸びた。安全圏にいたはずの二人が、瞬く間に取り囲まれる。
触手がのたうち回った。手数も威力も初撃の比ではなく、島そのものを壊しかねない暴れよう。間合いに捕えられた獲物など、フードプロセッサーに放り込まれた野菜と何ら変わらない。
ただし、彼女らは狩られるだけの弱者と侮るなかれ。
「――『二世氷結地獄・極』」
劔が抜き放った氷獄の魔剣が吹雪を呼んで触手の動きを鈍らせると、すかさずテラが重力制御による力場を展開。無重力飛翔によって、二人そろって破壊のルツボから脱出してのけた。
「ガンライト、自律迎撃モード!」
氷結を振り払って追いすがる触手の邪神に向けて、テラは浮遊自走砲台を放つ。レーザー射撃を乱れ撃ち、打撃の勢いを弱めた上で手持ちの武装ありったけをつぎ込み全力防御……――――が、すべて無駄だと言わんばかりに殴り飛ばされた。
「ガッ!? うっ……だ!!」
十数回もバウンドして、ようやく止まった。
全力で逃げ続けたのに、一発貰っただけで半死半生だ。とりあえず命は繋がっているので、許容範囲内としておこうか。
「ちょっと、大丈夫!?」
劔がテラに駆け寄る。同じく頭から血を流しながら、お互いに体が動くことを確認し、劔は決断した。
「ねえ、あんた。確か団長の妹の……テラっていったわね。あんた、剣は得意?」
「うん? これでもおれは剣は得意だぞ?」
「上等! それならば……あんたにこのあたしを使う名誉を与える! 上手くやって見せなさい!」
宣言するや、劔はユーベルコードを発動し、己が真の姿たる【神殺しの大魔剣「空亡」】へと変身した。
凍てつく魔力を纏った対「神」超特効大魔剣を受け取ったテラは、体に流れ込んでくる力に目を見張り、そして会心の笑みを浮かべた。
「これは……なるほど、上等だ!」
重力場再展開。
大魔剣の加護を受けたテラの機動力は、先ほどまでの比ではなかった。残像を曳いて触手の猛追を切り抜け、とうとうカルロスの許までたどり着く。
「捉えたぞ、フォーミュラ!」
『小娘が、舐めるなよ!』
重く、速く、手数も多い。持ち前の技能の数々に、「空亡」から与えられた力を上乗せして斬りかかるが、カルロスとて七大海嘯の王を名乗る者。斬撃をことごとく躱し、魔剣の間合いから逃れんと距離を――――……
斬斬斬斬斬!
突然、カルロスの体が斬り刻まれた。
何が起こった!? 間違いなく、剣は回避していたはずなのに……
『これは……振り終えたはずの剣の軌道? ……っ! 過去の「斬撃」を呼び出す技、スペースシップワールドの黒騎士が用いたユーベルコードか!?』
「その通り、おれの【悔恨「消えざる過去の痛み」】だよ」
血みどろになって膝をついたカルロスに、テラは魔剣を突き付ける。その首を落とすまで、あと一息だ。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ニィナ・アンエノン
島の面積が減るレベルで地面を触手に変えちゃうなんてヤバくない?
でも気持ち良く走れる場所を減らされちゃうのはヤだし、ここで止まってもらわなきゃ!
そんな訳でバイクを【操縦】して出陣だ☆
触手はこのテクニックと【悪路走破】で切り抜けて見せる!
頭上からの攻撃には【エネルギー充填】しておいたガジェッティアレーザーを【乱れ撃ち】して【対空戦闘】で対応。
元は地面だし【地形破壊】用のレーザーなら【時間稼ぎ】くらいは出来るはず!
最悪【盾受け】とかで死なない様にはしよう。
もし上手く切り抜けられたら【推力移動】で【ダッシュ】!
バイクで突撃、と見せかけてバイクから更に【ジャンプ】!
ユーベルコードで押し倒しちゃえ!
●
狂気が蔓延る岩山、邪神山脈。
その名の通り邪悪なる太古の神の巣窟になっているのが玉に瑕だが、バイク乗りとしては心惹かれる地形である。
「気持ち良く走れる場所を減らされちゃうのはヤだし、ここで止まってもらわなきゃ!」
愛車「Z17テンプテーション・カスタム」に跨って飛び出したのは、ニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)。
気持ち良いかは定かでないが走り甲斐のありそうな岩場が崩壊していき、生じた穴から現れたる大邪神を前に、ニィナはノンブレーキで立ち向かった。
ちょっとした列車ほどもある巨大な触手がうねりを上げて襲ってくるのを、フルパワーの大型レーザー砲で迎撃。山一つをぶっ壊すくらいの気持ちで乱れ撃ち、砕けた触手の破片が降り注ぐ中、ガッタガタの岩場をものともせずに突き進む。
ドオオオオォォォォォォォォォンン!!!
空が落ちてきたのかと思った。
凄まじい質量を有した触手の振り下ろしが大地を叩き割り、数メートル以上も余裕をもって回避したはずのニィナは瓦礫と一緒に宙へと跳ね上げられた。
視界が回転する。タイヤが空転する。
中空では自由に動けず無防備となるニィナに、牙の生えた触手が喰らいつこうと……
「まっだまだだよ!」
体幹をねじり、バイクで受けた。叩きつけるように両輪を当ててスプリングで衝撃を殺し、そのままアクセル全開。ギャリギャリギャリギャリ!! と牙に削られながら触手の体表を駆け抜ける。
目指すは触手の根元、邪神の核のすぐ傍に立つ召喚主。
「見つけたよ、オブリビオンフォーミュラ!」
『来るか!』
カルロス・グリードは触手を伝って突っ込んでくる猟兵を睨んで、迎撃の構えを取った。
『「大地を喰らうもの」を切り抜けしは見事だが、詰めが甘い。愚直な突撃など我には効かぬぞ!』
フルスピード真正面からの体当たりを、カルロスは完全に見切っていた。衝突ギリギリで身を翻し、紙一重でバイクを躱しながら運転手の顔面に拳を――――いない!?
「残念でしたハズレだよ☆」
頭上から声。
対処されることくらい想定済みだ。激突する寸前、バイクを乗り捨てて上空へと飛び上がっていたニィナは、裏拳を空振りして姿勢を崩したカルロスを強襲。その健康的なふくらはぎで相手の頸を絡めとり、全身の捻りを利用して投げ落とす!
【PINCH☆MOUNT☆HAPPINESS】!!
ユーベルコードの域にまで達した体術の極みが、オブリビオンフォーミュラを地面に叩きつけた。
……手応えあり。
首の骨をへし折った感触が足に伝わり、召喚術の解かれた触手邪神が虚空に溶けて消えていった。
成功
🔵🔵🔴
リーヴァルディ・カーライル
…あらあら、随分と手酷くやられたみたいね?
…確かに邪神の力は脅威的だけど、
その様で最後まで制御できるのかしら?
…等々、挑発して第六感が敵の闘争心や殺気を見切り易くし、
陽光を"影精霊装"の闇のオーラで防御しつつ"血の翼"を広げ、
今までの戦闘知識から触手の攻撃を空中戦機動の早業で受け流し、
多少の負傷は真の姿の吸血鬼化して強引に治癒しUCを発動
…さあ、これでフィナーレよ
…お前が喚び出した数多の邪神の力、
一つ余さずお前に叩き返してあげるわ
真紅の月光で戦場を覆い全ての敵から魂と生命力を吸収して大鎌に降霊し、
限界突破した血と邪神の魔力を溜めた大鎌をなぎ払い、
邪神ごとカルロスを切断する闇属性攻撃の斬撃を放つ
●
『ぐ……まさか我が敗れるとは……』
「……あらあら、随分と手酷くやられたみたいね?」
ダメージの限界を超えて崩壊が始まったカルロス・グリードに、冷笑が降りかけられた。
空に浮かんだ紅い月を背に、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は紫の瞳に侮蔑を浮かべて、死にゆくフォーミュラを見下す。
「……確かに邪神の力は脅威的だけど……その様で最後まで制御できるのかしら?」
『言ってくれるな、小娘が』
触れれば爛れるような、毒々しい怒気が噴き上がった。
『安い挑発だが、いいだろう買ってやる。貴様が嘲る「三の王笏」が、死に際にあって如何ほどのものか、とくと見るがよい。――来たれ、【邪神「大地を喰らうもの」】!』
最後の力を振り絞った召喚術が発動する。
地割れが四方へ蜘蛛の巣状に広がって、崩れ落ちた大穴から巨大触手が姿を現したかと思うと、全身に生えた牙を剥き出しにしてダンピールの少女に襲いかかった。
螺旋の軌道を描いて大竜巻のごとく食らいつくのを、リーヴァルディは吸血鬼の双翼を広げて回避。直前まで立っていた地面が抉りとられるのを尻目に、時速1万㎞の超高速で空を翔ける。
――――――ァ゛ァ゛!!!
触手は音にならぬ咆哮を上げて、獲物に追いすがった。
暴食の牙は大気すら喰らい空気抵抗をないものとして加速し、現在の猟兵が到達しうる最高速度で飛翔するリーヴァルディをたちどころに捉える。
ジャグッ! と嫌な音がして、少女の白い脚から真紅が噴き出した。
姿勢が崩れてきりもみ回転。激痛が神経を駆け巡り、上下左右も判然としない中で、リーヴァルディは為すすべもなく墜落するのみ――…………
「――【限定解放・血の神祖】!」
食いしばる歯が、血を啜る牙へと変わる。
神祖、異端の大神と交わった新たなる吸血鬼としての真姿を解放したリーヴァルディは、脚に刻まれた裂傷を即癒して、大鎌「過去を刻むもの」を掲げた。
邪神山脈に蔓延るモノ共、太古の神々とその眷属等、紅月の光に誘われた魂たちが、ヴァンパイアの神祖の許へと集まっていく。かがり火に誘われる羽虫のように集まった魂たちを、死せる者の想念を喰らう大鎌・グリムリーパーの刃に乗せて、さあ受けてみろ貴様が弄んだ邪神の力を!
「……さあ、これでフィナーレよ!」
数多の邪なる魂魄を宿した黒き大鎌が、カルロスの真芯を捉えた。
会心の手応えを覚えながら、リーヴァルディが血振りをくれるようにして鎌刃にこびりついた邪神の穢れを振り払うと、命脈を絶たれたカルロスの体が灰となって崩れ落ちた。
――オブリビオンフォーミュラ、カルロス・グリードの分身体が一つ『三の王笏』討伐!
大成功
🔵🔵🔵