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羅針盤戦争〜強欲の三・狂邪従えし者

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ

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●邪神従えし強欲の王
「御機嫌よう。開幕から激戦続きの羅針盤戦争だけど、無理はしていないかい?」
 グリモアベースにある作戦会議室、招集に応じた猟兵たちをカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手(ナフティ・フェザー)・f21100)は常通りの一礼で出迎えた。グリードオーシャンで起きている羅針盤戦争、その戦いの一つを予知したのだと彼女は告げた。

「敵は“三の王笏”カルロス・グリード……コンキスタドールの上に君臨する七大海嘯が首魁、この世界のオブリビオン・フォーミュラの分身体だ」
 複数種の分身体それぞれが異なる能力を持つカルロス。今回戦う事になる分身体は呪われた秘宝メガリスを介しUDCアースの邪神を召喚・使役してくるのだが――最大の注意点が一つ、と指を立てるカタリナ。
「カルロスはこっちのユーベルコードに対する先制能力を持っているらしい。これまでに同様の戦争を経験しているヒトが居れば馴染みはあるだろうね」
 通常の戦闘のように自らのユーベルコードで敵のそれに対処する事は出来ない。装備や技能を駆使するか、或いは仲間と連携するか……ユーベルコード以外の手段で先制能力に対処する事が勝利の鍵になると有翼の人狼は説明する。

「戦場になるスクラップ島の地形はUDCアース的なビル街をイメージして貰えば分かり易いと思う。尤も、都市機能は停止した廃墟のような有様だけどね」
 建造物が原形を留めている地点なら足場や遮蔽物としても利用できるだろうが、攻撃を遮る壁として期待するのは難しいというのがカタリナの見立てだ。煩わしければ元より建物の風化した地点を選べば障害の無い平野同然に戦う事も可能らしい。
「分身体とはいえ最序盤からフォーミュラのお出ましだ。容易な戦いではないだろうけれど、キミたちの無事と勝利を祈っているよ」
 そう締め括った言葉を最後に、豪奢な装飾の施されたゲートが開いて。


ふーみー
 当シナリオをご覧くださりありがとうございます、ふーみーです。
 此度の戦争はグリードオーシャン、分身体とはいえフォーミュラといきなり戦える贅沢仕様。
 敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する事が今回のプレイングボーナス条件となります。
 それでは皆様の健闘をお祈りしています。
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    邪神「暴食せしもの」
【無数の大口を持つ邪神による噛みつき】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    邪神「虚空を睨むもの」
【巨大眼球型邪神の視線による感染呪詛】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    邪神「謎を喰らうもの」
【疑問】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【触手塊型邪神】から、高命中力の【謎を喰らう触手】を飛ばす。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

トゥリース・リグル
連携アドリブ歓迎、SPDで判定します。

成程、視線を媒介とした呪詛の類ですか。

立体的に移動できる廃墟部で待ち受けます。
敵の視線の方向を観察し、【ダッシュ】や【ジャンプ】でひたすらに戦場を動き回りつつ【第六感】を研ぎ澄ませ、視界に入らないようにします。
本家UDCアース製の【呪詛耐性】付防弾ベストを着てますので、多少は何とかなるでしょう。

相手の呪詛を凌げましたら【錬成カミヤドリ】で複製ダガーを展開。
【鎧無視攻撃】で四方八方からダガーを飛ばして攻撃します。
それに相手が気を取られている隙に僕自身が、浮遊している複製ダガーの一つを掴み【ダッシュ+2回攻撃】ですれ違いざまに攻撃、成否に関わらず離脱します。


カツミ・イセ(サポート)
「僕の神様は言ったよ。郷に入りては郷に従えと」
「僕に出来ることだからね」

神様に作られたミレナリィドール、勝ち気で大人びた僕娘。イメージは水。
口癖が「僕の神様は言ったよ」
『偽装皮膚』の影響で、球体関節が普通の関節に見えるよ。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用。加護で治るから、大怪我しようと厭わず積極的に行動するよ。
遠距離は『水流燕刃刀』を伸ばすよ。
近接戦では『偽装皮膚』を水のような刃にして、咄嗟の一撃を放つことがあるよ。このときは球体関節が見えるんだ。

他の猟兵に迷惑をかける行為はしないよ。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしないんだ。
あとはおまかせするから、よろしくね!



●1st Round ― 刃の先駆け ―
「我らが侵略、我らが覇道を阻む事は許さん。朽ち果てよ猟兵」
「生憎、それを阻む事が僕たちの目的ですから」
 淡々と言葉を返すトゥリース・リグル(刃を為すモノ・f00464)に向けてカルロス――フォーミュラの分身たるオブリビオンが王笏を振るえば、上空に顕現するのは巨大な球体。 
邪悪な太陽の如き汚濁、邪神「虚空を睨むもの」の視線はそれそのものが超高速侵蝕型の感染呪詛であり……トゥリースが戦場に選んだ廃墟はその視線に晒された端から崩壊していく。
「成程、視線を媒介とした呪詛の類ですか」
 普通であれば数秒の維持とて至難を極めるであろう凶悪な呪詛を、この眼球型邪神は常時発動してみせる。戦場全てを蹂躙せんとする邪神の暴虐は、しかしそれ故に読み易かった。
(攻撃範囲は崩れていく地形が教えてくれます。後は凌ぎ切るまで……あれは?)
 崩れ去っていく戦場を縦横無尽に駆けるトゥリースの視界の端、不意に水晶質の刃が煌めいた。
 水流燕刃刀――清浄なる水の力を秘めた蛇腹刀を巧みに操り、呪詛を受け流したカツミ・イセ(神の子機たる人形・f31368)はトゥリースへと片手を振ってみせる。
「僕の神様は言ったよ。猟兵は助け合いだと」
「応援ですか。助かります」
「そういう事だ。さぁ、決めてしまうといい」
 反撃のユーベルコードが発動するのは殆ど同時。トゥリースの【錬成カミヤドリ】とカツミの【水の権能、二『似姿』】、75のダガーを邪神の呪詛から守るように80の水分身が姿を現す。
「小癪。水の全てに聖別を施したか」
「ご明察。そして――」
「――呪詛で捉えきる前に。その邪神には墜ちて頂きます」
 忌々しく顔を顰めたカルロスに応じれば、跳躍したトゥリースは怒濤の如き呪詛の攻勢に少しずつ数を減らしていくダガーの一つを掴み。
「済みませんね。方便です」
「貴様ッ……この我を謀るか……!」
 此処に至るまでの攻防、その全てが一撃を入れる為の布石。
 ユーベルコードの念動に疾走の技術、持てる手段全てを費やした最速がカルロスを斬り裂き鮮血を噴出させる。
「奇策としては十分な成果でしょう。一度離脱します」
「潮時だね、分かるとも」
 勢いの儘に駆け抜けたトゥリース、合わせて身を翻したカツミが戦場を離脱した一瞬後。
 邪神の呪詛が戦場の一角を消し飛ばし、手傷を負ったカルロスは片膝をついた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

栗花落・澪
先制攻撃は【オーラ防御】で身を護りつつ翼の【空中戦】
ビル群を盾代わりに利用し
【高速詠唱】から放つ雷魔法の【属性攻撃】で触手を弾き飛ばす
多少の怪我は気にしない

こちらも隠れてる間に【指定UC】
分身達をあちこちに潜ませ

僕は囮
奏でるのは敵の冷静な思考を鈍らせるための
【催眠術】を宿した【歌唱】
時折陰から雷攻撃で威嚇し場所を変え
直接退治を避ける素振り
遠距離攻撃は得意でも接近戦はできない
僕の弱点はそこであり、距離を詰められれば負ける
敢えてそう悟らせる事で敵を誘導
迎え撃つのは…分身達を潜ませた場所のど真ん中

僕は一度でも
一人だなんて言った?

姿を見せた分身達と共に
植物魔法の一斉攻撃で花嵐の斬撃を巻き起こし攻撃



●2nd Round ― 聖歌の軍略 ―
「――触手なんかに負けないっ!」
「前振りというものか。余裕な事だ」
 主無きビル群を盾に邪神「謎を喰らうもの」の触手を掻い潜り、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)はオラトリオの翼を羽ばたかせる。
 生理的嫌悪感を誘う紫色にぬらついた触手の一振りはビルなど眼中に無いとばかりに容易く打ち砕くが、それ故に本来の標的へと一撃を届かせるまでに生じる僅かな遅延を解消しようともしない。

「小賢しく立ち回ろうと、この物量を相手にそう長くは続くまい。いつまで逃れられるか見ものだな」
「解説どうも、っと――雷鳴よ!」
(一発でも直撃を貰う訳にはいかないね……っていうか当たりたくない気持ち悪いっ!)
 短い詠唱と共に雷撃が宙を焦がし、形成されつつあった触手の包囲網に活路を開く。身に纏うオーラで汚染に抗い、間一髪で命を繋ぐ姿は防戦一方に見えただろう。
 加えて彼が盾代わりとするビル群も邪神の猛攻の前に破壊され残りは僅か。反撃の雷も無数の触手に阻まれて本命を捉えるには至らず、勝敗は時間の問題と言えた。
 ――カルロスは、そう考えた。
「――――――♪」
「持てる手を尽くすか。健気な事だ」
 澪の響かせる歌唱が宿すのは催眠の魔力。カルロスは煩わしいと眉を顰め、この程度の判断能力低下であれば構わず物理攻撃で圧殺すれば関係無い事だと判断する。
 澪の立ち回りから彼のウィークポイントが接近戦にあると見て取った洞察力、類稀な歌声による精神干渉を受けながら下した正しい判断は分身と言えどもフォーミュラに相応しいものだ。
 一方――澪が切り札たるユーベルコードをまだ見せていない事に気付けなかったのは、フォーミュラと言えども分身の限界だったと言えるかもしれない。

「もう逃げ場も無い。そろそろ幕引きとするか」
「……ねぇ、“三の王笏”。僕は一度でも――君の相手が一人だなんて言った?」
「なに……?」
 澪を追い詰めた果て、謎喰らう触手による包囲網。それを更に取り囲み、一斉に姿を現すは実に495を数える小型澪の分身達!
 澪と小さな軍勢の詠唱が響き、巻き起こるは花弁の嵐。幾重にも合わさった花嵐の斬撃は触手諸共に王笏を呑み込み、斬り刻む――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

高砂・オリフィス
早速お出ましか大ボス級! 悪いけど、そういう相手なら手加減はできないな! 全力でいっくぞー!
って噛みつき攻撃!? ウッヒャー喰われるっ!? いやだーっ! よっと!!

いくつ口があっても、ぼくの鍛え上げた反射神経はそれを上回って反応する! そんなに食べたいならぼくの鉄拳を喰らいな!
ちょっと胃もたれするんじゃない? 重いと思うよ、ぼくの打撃は! 食べ足りないならいくらでもおかわり、あげるけどねっ、あははっ!
反応がある限りひたすらに拳を繰り出し続けるよ! 底なしの食欲に、文字通り食らい付いてやる!



●3rd Round ― 暴食打ち払う拳舞 ―
「早速お出ましか大ボス級! 悪いけど、そういう相手なら手加減はできないな!」
「威勢の良い事だ。精々死力を尽くすがいい」
 高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)の口上に憮然と応じたカルロスの手にしたメガリスが怪しく輝けば、底冷えするように不吉な気配が急速に高まる。
「言われなくても! 全力でいっくぞー! ――って噛みつき攻撃!?」
「“暴食せしもの”……悔いても遅い。骨一つ残りはせん」
 距離を詰めようとしたオリフィスに先んじて形を成すは無数の大口を開けた異形の邪神。名状し難き肉塊は自在に形を変え、瘴毒の涎滴る牙が一斉に襲い掛かる。
「ウッヒャー喰われるっ!? いやだーっ! よっと!!」
「ほう……?」
 賑やかな声を上げながらステップは軽やかに、そして力強く。邪神の噛みつきを躱すオリフィスの独特な動きにカルロスは薄く目を細める。
「舞踏とは酔狂な事だ。では、これならどうだ?」
 メガリスの輝きが色合いを変えるのに合わせ、邪神の動きは猟兵単騎を圧殺するように攻撃回数を重視したものとなる。ぐちゃりと音を立てて膨大に数を増やした大口がオリフィスへと押し寄せ――
「ひゃあっ!! そんなのお断りだから! そんなに食べたいなら、ぼくの鉄拳を喰らいなっ!」
 乾いた音がリズムを刻むように連続する。怒濤の如き邪神の猛攻を押し返したのは精度・速度・威力ともに跳ね上がった連撃――回避と反撃を兼ね備えた攻防一体のユーベルコード【今なお来たる瞬間】!
「ちょっと胃もたれするんじゃない? 重いと思うよ、ぼくの打撃は!」
「チッ……小娘一人に何を手間取っている。邪神の名が泣くぞ」
 攻撃力、命中率、攻撃回数。カルロスがメガリスを振るう度に邪神の攻撃は性質を変えるが、オリフィスの射程30cm内に入った瞬間にその悉くは弾け飛ぶ。
「ま、食べ足りないなら! いくらでもおかわり、あげるけどねっ、あははっ!」
「いいだろう。邪神の暴食にどこまで抗えるか見せてみろ……!」
 無尽蔵の邪神をして寄せ付けない大立ち回りはゴッドハンドに相応しく、激しさを増すオリフィスの舞もまた天井知らず。
 略奪者と奪還者の相剋はどこまでも加速していく!

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
分身体とはいえど王との拝謁、騎士として光栄の至り
この世界の安寧と他世界侵略阻止の為、この島を確保させて頂きます
御覚悟を

センサーでの●情報収集で●地形の利用の為に必要な周囲の環境把握
噛み付きに対し剣を●投擲し牽制しつつ
付近のビルへワイヤーアンカーを射出し脚部スラスターの●推力移動も合わせたワイヤ巻き取り●ロープワークと壁面●踏みつけで上空へ退避

逃げ腰での相対、失礼いたしました
その謝罪として一芸を披露させて頂きましょう

遠隔●操縦でUCをマウントし屋上に待機させていた機械馬呼び寄せ●騎乗

詰まらぬ突撃ではありますが、ご照覧を
馬上よりの無礼は失礼!

太陽の後光●目潰しにUCを起動し突撃



●4th Round ― 紛いの騎士は希望を背負い ―
「――分身体とはいえど王との拝謁、騎士として光栄の至り」
「ほう。猟兵にも礼節を弁えた者が居たか」
 傲岸に睥睨するカルロスと正面から相対し、トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)はカメラアイを淡く輝かせる。
「この世界の安寧と他世界侵略阻止の為、この島を確保させて頂きます。御覚悟を」
「我らが更なる侵略、阻むと言うなら容赦はせん。芥と散れ」
 短い会話が浮き彫りにするのは互いに譲れぬレゾンデートル。カルロスが手にした王笏を振るえば、奇怪な呻きと共に顕現した邪神が機械騎士を喰らい尽くさんと襲い掛かる!
(……地の利を活かすには十分な条件が整っているようですね)
 初手は会話の裏で稼働していたセンサーによる地形の把握。邪神「暴食せしもの」の先制攻撃に対し、トリテレイアは手にしていた儀礼用長剣を躊躇なく投げ放った。
「騎士が真っ先に剣を捨てるか!」
「剣のみが兵装という訳ではありませんので」
 知能は低い個体なのだろうか、邪神は投擲された長剣に構わず喰らいつき……警護用に強度を重視して誂えられた刃を微塵に噛み砕く。
 無数の大口に群がられた剣が食い尽くされるまでに数秒、その攻撃をまともに受ければトリテレイアの装甲とて無事で済むかどうか……尤も、その数秒の間にトリテレイアはワイヤーアンカーを操り手近なビルの屋上まで逃れていたのだが。

 合図に応じ馳せ参じるはロシナンテⅡ、機械騎士に従う鋼の白馬。日光を背負い騎乗すれば、搭載された馬上槍を手にトリテレイアは構えを取る。
「逃げ腰での相対、失礼いたしました。その謝罪として一芸を披露させて頂きましょう。――詰まらぬ突撃ではありますが、ご照覧を」
「我を見下ろすその不遜、高くつくぞ木偶の騎士!」
 迎え撃つべく邪神を操るカルロス、対するはユーベルコード【艦船強襲用超大型突撃機械槍】を発動し一条の流星と化したトリテレイアの突撃。
「――馬上よりの無礼は失礼!」
「おのれ……ッ!」
 見上げた逆光による停滞は一瞬。人馬一体から成る高速・超重の破壊はその刹那を貫き、阻む邪神をも打ち払い――果てに座すカルロスを吹き飛ばす!

大成功 🔵​🔵​🔵​

パトリシア・パープル
『マジ☆カミ!フルーツ』齧りながら、【リミッター解除】して待ち構え
最初から全力で行かないとヤバそうな相手ね

視線を合わせると呪われるなら『バリアパラソル』開いて傘を盾に身を隠すわ
まあ、それでどこまで防げるかは未知数だけどね
それに、こっちの本領は敵の攻撃を食らってからなわけだし

邪神の呪詛を受けた場合、傘を捨ててこちらも相手をUCで睨み返す
限界突破した肉体で相手の攻撃に耐えつつ、情け無用の10倍返し!
相手は攻撃を中止できないわけだから、こっちも反撃し放題ね
「後の先を取るってやつ? いくら邪神でも、自分の呪いを10倍にされて返されたら、さすがにキツイっしょ?


ティー・アラベリア(サポート)
家庭用人形ティー・アラベリア。ご用命を受け参上致しました!
あの敵はどんな攻撃をしてくるのかな?どんな弱点があるのかな?
とっても、とーっても楽しみですね!

・基本行動
他の猟兵をサポートするように行動します。
魔導波探信儀(偵察・第六感・地形利用)で敵を分析し、92式魔杖(制圧射撃・砲撃)を用いた火力支援で他の猟兵が攻撃・防御する隙を作り出します。
必要に応じて90式魔杖(貫通攻撃・スナイパー)を使用した対装甲戦闘、95式魔杖(対空戦闘・一斉発射・誘導弾)を使用した対空戦闘も実施します。

・UC使用
火力が必要な場合:砲撃妖精突撃射撃
弱点を探す必要がある場合:斥候型妖精召喚

※アドリブ・連携歓迎です※



●5th Round ― 呪厄連鎖 ―
「分身とは言えフォーミュラ……最初から全力で行かないとヤバそうな相手ね」
「パトリシア様、お飲み物です」
「あら、気が利くじゃない。あなたもフルーツ食べる?」
 マジカル・カミング・フルーツ……服用者に絶大な魔力を与える果実を齧って戦闘に備えるパトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)へと恭しく紅茶を差し出したのはティー・アラベリア(ご家庭用奉仕人形・f30348)。

 ちょっとした茶会のような様相で自らの能力を高める二人の元へ、カルロス・グリード……コンキスタドールの王たるフォーミュラの分身体が姿を現す。
「観光なら来る場所を間違えているぞ、猟兵」
「ようやくご登場ね。望むところ、わたしはあなたをぶッ倒しに来たのよ!」
「猶の事無謀だな。魂までも腐り果てて悔いるがいい」
 カルロスの手にしたメガリスが怪しい輝きを放つと同時、天を覆わんばかりの巨体を顕現させるは邪神「虚空を睨むもの」。視線による感染呪詛が災禍の如く上空から降り注ぐ!
「来たわね……!」
 対するパトリシアはバリアパラソルを開き、邪神の呪詛に真っ向から相対。魔力増強の影響を受けて猶も拮抗は数秒、侵蝕は遂にパトリシア自身を捉え――

「――十分。こっちもスタンバイ完了よ!」

「なに?」
 血迷ったか、と訝しむカルロスの前でパトリシアは機能停止したパラソルを投げ捨てる。
 リミッターを取り払った肉体の再生力が呪詛に抗い悲鳴を上げる。青い双眸が邪神を睨み返せば、巨大な眼球は末端部分から腐敗して崩壊を始めた!
 【絶対反射魔眼(ミラージュ・イビル・アイズ)】、受けた攻撃に対し10倍のカウンターを放つパトリシアのユーベルコードにして今回の戦術の要である。
「後の先を取るってやつ? いくら邪神でも、自分の呪いを10倍にされて返されたら、さすがにキツイっしょ?」
「少しは考えたらしい。だが……炎を同じ炎で燃やせると思うか?」
「? ユーベルコード次第で普通に出来ない?」
 首を傾げてみせるパトリシアだが、カルロスの意図した内容を察せなかった訳ではない。
(ダメージの通りと耐久を比べると……このままじゃ、良くて痛み分けってところ?)
 10倍に増幅した呪詛で邪神を滅ぼしきるのが先か、自分が倒れるのが先か……もう一手を模索するパトリシアの耳に届いたのは連続する炸裂音だった。
「成程なるほど、とーっても分かり易いご説明でした! ですけど……カルロス様が邪神と同等の耐性をお持ちという訳ではありませんよね?」
「貴様……!」
 パトリシアの背後、心の底から楽しそうに笑みを浮かべるティーの手には魔杖の一つ。放たれた魔力の誘導弾はカルロスに直撃し、邪神の影からその姿を炙り出す。
「つまりパトリシア様! カルロス様の攻略法は!」
「邪神の呪詛を受けたわたしが増幅して本体に返す! 完璧な戦術ねティーッ!!」
「おのれ……!」
 パズルのピースの噛み合うように、盤面は此処に決する。
 呪詛に蝕まれるカルロスの怨嗟の呻きが戦場に響いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

東雲・深耶
オブリビオンフォーミュラか
それがいきなり出てくるとは、これだから戦争というのはそこが知れん
そう暴食せしものを見上げながら悠々と微笑むと同時に【閃空の波紋】を用いて空間知覚と干渉を行い、鍛え上げた肉体による残像が残るほどの体捌きで噛みつきを回避する

では、こちらの番だ
そう言うと同時に私の姿が消えてなくなる
同時に『三の王笏』に不可視の斬撃が迫り、身を切り裂かれていく
対応する『三の王笏』だが、どこにも私はいない。そうやって探し続ける際にも不可視の斬撃は手数を指数関数的に増やしていき傷も増える

ほう、もう遅いが思い至るとは見事だな
今の私は剣術とそれによる斬閃という概念そのもの
決して触れることは出来ない



●6th Round ― 剣牙相打つ ―
「オブリビオンフォーミュラか」
 それは過去の亡霊たるオブリビオンを発生させる元凶、その世界に於いて唯一たる王を示す名。
「……それがいきなり出てくるとは、これだから戦争というのは底が知れん」
 東雲・深耶(時空間切断剣術・空閃人奉流流祖・f23717)の見上げる頭上には邪神「暴食せしもの」。超然と佇むカルロス・グリードの姿を遮るように顕現した醜悪な肉塊には無数の大口が開き、猛毒の瘴気を吐き出している。
「今更嘆こうと無駄と知れ。疾く果てよ」
「嘆いている? そう見えたか。……いや、見えてはいないな?」
 邪神の巨躯を隔てたカルロスまで見透かすような諧謔めいた微笑。直後、無数の顎門が深耶へと喰らいつき――そのまま宙を噛んだ。
「念力か。脆弱な力でよく凌ぐ」
「なんだ、見えているじゃないか」
 ユーベルコードにさえ優越する特性、オブリビオンの先制攻撃を凌いだのは深耶独自の呼吸法によるもの。[閃空の波紋]――襲い掛かる攻撃を知覚・干渉。純然たる質量の暴力を受け流すように作った一瞬の隙を掻い潜り、邪神の身体を足蹴にした彼女は上空より王笏を見下す。
「では、こちらの番だ」
 邪神の巨体は形を変えながら追い縋り、その牙が届く寸前に深耶の姿が掻き消える。奇怪な肉塊に無数の斬線が走り、カルロスをも斬り裂くのはほとんど同時。
「転移、隠密……違うか。これは」
「ほう。気付いたところでもう遅いが、思い至るとは見事だな」
 声の出所にも少女の姿は無い。第六魔剣応用たるユーベルコード、継承の連鎖の果てに在る真なる劔と銘打たれた深耶の絶技。そう――

「――今の私は剣術とそれによる斬閃という概念そのもの。決して触れることは出来ない」

 その剣術は時空間をも断つ刃、斬り刻まれた邪神の大口が一斉に叫ぶ。
「……抜かしたな小娘」
「ああ、言ってやったともオブリビオン」
 ギン、と硬質なものが削り合う甲高い音。虚空に火花が散り、カルロスと姿無き深耶は共に獰猛な笑みを刻む。
「我が従えしは暴食の邪神。概念如き、喰らえぬ道理など在りはせん……!」
「言うものだ。ああ、やはり戦争とは底が知れん!」
 昂揚が形を成すように加速する斬撃、刀傷と無限の飢餓に猛る邪神の狂乱。概念領域にすら踏み込んだ両者の激突はどこまでも激しさを増していく……!

成功 🔵​🔵​🔴​

フェルト・ユメノアール
たとえアイツがフォーミュラでも分身体に苦戦しているようじゃ、この先の戦いを勝ち抜くことは不可能
なら、やるしかないよね

戦場はビルの廃墟が多い場所を選択、先制攻撃がさけられないなら
地形を生かした戦闘で少しでも被害を軽減する
『トリックスターを投擲』して牽制、相手の触手は廃墟にフックロープを伸ばし、高台に飛び退く事で回避する

ボクは手札からスペシャルゲストをご招待!
カモン!【SPアクロバット】!

瓦礫を足場に飛び回りながら『動物使い』でアクロバットを操り攻撃
さらに投擲物の中に『ワンダースモーク』を混ぜ、煙幕作り出してカルロスの視界を奪って一気に勝負を決める
手札を全て捨て、加速した一撃をカルロスに叩き込む!



●7th Round ― 邪神VSスマイルパペット! ―
(たとえアイツがフォーミュラでも分身体に苦戦しているようじゃ、この先の戦いを勝ち抜くことは不可能……なら、やるしかないよね)
 決意と共に戦場に降り立ったのはフェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)。用心深くも軽快に一歩を踏み出せば、フォーミュラの分身たる“三の王笏”が出迎える。
「道化師か。精々我を興じさせてみせるがいい」
「言われなくてもっ!」
 カルロスがメガリスを掲げれば天を覆うように顕現するは邪神「虚空を睨むもの」。対するフェルトはトリックスターの名を冠する派手なダガーを投げ放って牽制とする。
 一流のエンターテイナーを志すフェルトの鮮やかなパフォーマンスは邪神の視線すら奪ってみせるか――無差別に戦場を蹂躙するかに思えた感染型の呪詛は、その標的を僅かに逸らす!
「小賢しい真似を」
「まだまだ、此処からが本番だよ! さぁさ、どうぞご笑覧あれ!」
 先制を凌いだフェルトの腕にはソリッドディスク。軽い身のこなしで高台に上がった道化師はデッキから引き抜いたカードを勢いよくセットする。
「ボクは手札からスペシャルゲストをご招待! カモン! 【SPアクロバット】!」
 反撃のユーベルコード発動と共に実体化した色鮮やかな蝙蝠が一声鳴いて存在をアピールする。器用に戦場を跳び回りながら攻め立てるフェルトの投擲、その一つが不意に爆ぜて煙幕を生み出した。
「幾ら小細工を弄したところで、そのような低位ユニットに我が邪神を突破する事など!」
「それはどうかな?」
 色とりどりのスモークが視界を隠す中、指を小さく振ったフェルトの姿も煙に紛れ声だけが響く。
「ボクは手札を全て捨てSPアクロバットの効果を発動! このカードの戦闘力は捨てた手札の数分UPするっ!」
「なにっ……!」
「さぁバトルだ! SPアクロバットで虚空を睨むものを攻撃!」
「おのれ……戦いはまだ始まったばかりだ。我に傷を付けた事、後悔させてやるぞ猟兵……!」
 キィ、と勇ましく応じた蝙蝠は邪神を貫き、戦闘力の超過分だけカルロスにもダメージを与える。晴れた煙幕の向こう側、手傷を負ったカルロスはメガリスを手にフェルトを睨みつけた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ナイ・デス
フォーミュラが、分身体としてあちこちに
人手不足、ですか?……にゃんて

わざと、自分から疑問の感情を抱いて攻撃を誘い
【第六感で見切り】避けようとする

まぁ、避けきれない、ですよね……!

喰らいつかれる。それでも
【覚悟激痛耐性継戦能力】私は、死なない
『いつか壊れるその日まで』
再生しながら、疑問を抱き続ける

分身体では、本拠地でのような邪神は、呼べませんか?
その邪神は、確りと制御、できています?
私はなぜ、死なないか、わかりますか?

王笏が疑問を抱いて、触手のターゲットになるのは、期待はしていない
ただ全身から【生命力吸収】する聖者の光を放つ
過去が今に生られないように、在れないように、骸の海へと還す【浄化】の光



●8th Round ― 聖邪相剋 ―
「フォーミュラが、分身体としてあちこちに。人手不足、ですか? ……にゃんて」
 戦場に降り立ったナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が小首を傾げる先、佇むカルロスの傍らには既に邪神「謎を喰らうもの」が顕現している。
「我の前で疑問を抱くか。愚かな事だ――貪れ」
 王笏の号令より早く邪神は動き出し、無数の触手が獲物を捕らえんと波濤の如く押し寄せる。
 元より自ら誘った攻撃、来る事は織り込み済み。直感的にその動きを見切り、小柄なヤドリガミは持てる技能を活かして回避行動を取る。

「……ふん。敢えて邪神を誘うだけの能力はあったようだが」
 面白くも無さそうな顔で吐き捨てるカルロス。
 結論から言えば数十秒、それが邪神の触手相手にナイの稼げた時間だった。
 一度動きが止まれば逃れる術は無い。彼の姿は瞬く間に触手の中へと沈み、更なる謎を絞り尽くさんとする一方的な猛攻に晒される。
「容易いものだ。後はこのまま――」
「……分身、体では……本拠地でのような……邪神は……呼べま、せんか?」
 締め上げ、貫き、打ち据え。触手の塊に蹂躙されながら、譫言のような声が零れる。
 か細い声。それ以前に最早カルロスは斃した敵への興味など示さない。

「その、邪神……は……確りと……制、御。できて……いま、す……?」

 声が零れる。
 斯くも矮小なヤドリガミ相手を食い尽くすにいつまで時間を掛けているのかと、カルロスの表情が疑念を帯びる。

「……私、は。なぜ、死な……ないか……わかり、ますか?」

「なんだと? 貴様は――」
 触手の只中から聖なる光が零れだす。
 謎を喰らう触手が嫌悪するように身悶えし、奪われた生命力を取り戻そうと捕えたヤドリガミに与える責め苦を一層激しくする。肉の損なわれる音が声を阻み、しかし聖者の証たる光はそのたびに強さを増していく。

「――私は、死なない。私は、死ねない」

「“謎を喰らうもの”、何を手間取っている……! 殺せ。その猟兵を貪り尽くせ……!」
 いつしか溢れ出す程になった輝きはカルロスをも捕える。
 闘争とすら呼び難い、苦痛に彩られた削り合い。
 聖なる輝きの照らし出す戦場に、邪神とオブリビオンの声無き絶叫が響いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

緋翠・華乃音
UDCアースにしか存在しない筈の邪神を使役している。
そして別の個体はダークセイヴァーの紋章を身体に宿していた。

奇妙な符合だ。
どちらも元を辿れば異世界の能力。それをどうやって……?
……いや。今はこの疑問を棚上げしよう。

強大な敵の行使する先制攻撃というのは恐ろしいものだ。
しかし手の内は曝されている。君の興味を持つグリモアによって。
猟兵の有する優位性こそ“先制攻撃の内容”という“情報”だ。

噛みつき攻撃。
それを見切って躱すことは可能か?
――ああ、可能にしてみせよう。

必要なのは優れた観察眼と研ぎ澄まされた合理性。
間一髪でも躱したのならば拳銃で反撃。

三の王笏が遠距離に居るのなら狙撃で攻撃しよう。



●9th Round ― 視通すは瑠璃の瞳 ―
(UDCアースにしか存在しない筈の邪神を使役している。そして別の個体はダークセイヴァーの紋章を身体に宿していた)
 奇妙な符号だ、と緋翠・華乃音(終奏の蝶・f03169)は眉根を寄せる。
「どちらも元を辿れば異世界の能力。それをどうやって……?」
「戦場に於いて考え事か。悠長な事だ」
 互いの距離は既に有効射程内。フォーミュラの分身体たる三の王笏が声を投げかければ、華乃音は沈黙を冠する拳銃を手にその姿を見据える。
「……いや。今はこの疑問を棚上げするとしよう」
「貴様の人生で最期となる命題だ。尤も、答えを出す為の時間をくれてやる理由も無いが」
 メガリスが輝く。限られたオブリビオンのみが持つ先制能力――邪神「暴食せしもの」の備えた無数の大口が、奇怪な絶叫と共に牙を剥いた。

「強大な敵の行使する先制攻撃というのは恐ろしいものだ。しかし手の内は曝されている。君の興味を持つグリモアによって」
 邪神の悍ましい巨躯は自在に形を変え、華奢なダンピールを引き裂かんと迫る。
 ……そこまでが事前に聞かされていた予知の内。故に華乃音は猟兵の有する優位性を十全に活用する。

「物質、非物質、概念であろうと喰い尽くす暴食の邪神だ。凌ぎきる術が貴様にあるか?」
「――ああ、可能にしてみせよう」
 瑠璃の瞳に宿る輝きは淡く、鋭く。Lost blueを宿す身は死の香りを纏い、しかし邪神の牙は不可視のレールに沿うようにすり抜けていく。
「馬鹿な――貴様、何をした……!」
「もう暴いた。それだけだ」
 僅か1ミリの誤差でも破綻していたであろう死線の舞踏。瞠目するオブリビオンへと放たれた弾丸は、初めからそう定められていたようにその急所を貫いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

カイム・クローバー
大口を開けた邪神か。正直、俺からすれば珍しいモンでもねぇな。

口を開けて噛みついて来るってんだろ?銃で口内に【クイックドロウ】と紫雷の【属性攻撃】を叩き込んで、【見切り】で回避するぜ。
おいおい、「待て」も出来ないのか?アンタのは?
軽口交じりに【挑発】。
相手の口は無数にある。ラチが空かねぇのは承知の上。
狙いはあの強欲野郎が俺の速度に慣れる事さ。慣れてくれりゃ、俺もUCを発動する。
戦闘力増強で速度を一気に引き上げて懐に潜り込むぜ。
こっからは魔剣の出番だ。…ああ、後、【盗み】をしておくか。
狙いはどっちでも良い。あの手に持ってるオモチャみてーなの。
グリード(強欲)が奪われるなんざ――ハハッ、面白くねぇ?



●Final Round ― 紫雷の応報 ―
「大口を開けた邪神か。正直、俺からすれば珍しいモンでもねぇな」
「ふん。十把一絡げの猟兵は言う事が違うな」
 憮然と返すカルロスを前に、カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は大仰に肩を竦めてみせる。
「おいおい、こんな伊達男を捕まえてそりゃないぜ。お宝より先に良い眼鏡探した方が良いんじゃねぇの?」
「その減らず口に相応しい末路を与えてやろう。肉片一つ残ると思うな」
 会話を打ち切るように腕を振るえばカルロスの手にしたメガリスが怪しく輝き、顕現するは無数の大口に凶悪な牙をギラつかせる邪神「暴食せしもの」。不気味に蠕動する異形の肉塊は巨躯に見合わぬ速度でカイムへと喰らいつき――
『■■■■■――――ッ!?』
 響く轟音と同時、押し寄せる邪神の猛攻が僅かに硬直。
「おいおい、「待て」も出来ないのか? アンタのは?」
 軽口を叩くカイムの手には紫雷の火花を散らす二丁銃。手痛い反撃を受けて猶も猛る邪神が追撃を掛けようと、霞むような手捌きで繰り出される雷弾の速射が迎え撃つ。
「成程、言うだけの事はあるらしい。だが如何な威力、速度があろうと邪神の力を覆すには足りんな」
「そんな邪神一匹で便利屋Black Jackをどうにか出来るって? この世界のフォーミュラは随分とおめでたい頭をしてるらしい!」
 メガリスの輝きが色合いを変えれば数を増やした大口の攻撃回数は跳ね上がり、煽る間にも変形する肉塊は逃げ場を奪うようにカイムを取り囲んでいく。
「読み通り、ってか?」
「気付いたところで遅い。そのまま――」
「悪いな。こっちの話だ」
 完全な包囲、二丁拳銃では迎撃の追いつかない完璧なタイミングから同時に迫る暴食の牙は迅る紫雷に弾き返された。
「ッ――残弾がまだ、」
「遅ぇな。そんなんじゃついて来れねぇぜ?」
 一貫して人を食ったような軽口は零距離から。ユーベルコード【紫雷を纏う者】による段違いの加速、二丁銃から黒銀の炎纏いし神殺しの魔剣に切り替えての連続攻撃にカルロスの反応は追いつかない。
 否――立て直すまでの僅か数秒、数メートルの距離へ置き去りにされた邪神を引き戻すまでの僅かな時間が遥かに長い。
「あぁそうだ、折角だ」
 コンマ一秒にも満たぬ間に数えきれぬ程の斬撃を叩き込み、軽く跳躍して離れたカイムは片手の“戦利品”を指先に弄ぶ。
「貴様……我がメガリスを、よくも……ッ!」
「グリード(強欲)が奪われるなんざ――ハハッ、面白くねぇ?」
「貴様アアアアアァァァァ……!!」
 憤怒の形相で吠えるカルロスの身体に数秒遅れて斬線が走り、紫雷と黒銀の炎に灼かれ消滅していく。カイムの奪い取った地球儀のようなメガリスもまた、運命を共にするように灰と散るのだった。

―― 七大海嘯『三の王笏』カルロス・グリード、撃破 ――

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月09日


挿絵イラスト