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羅針盤戦争〜なんかこう、立体的に機動する奴ぽいの

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #立体的に機動する奴ぽいの

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#羅針盤戦争
#立体的に機動する奴ぽいの


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「羅針盤戦争も開幕したけど、戦況はまだまだ予断を許さないわね!今回の依頼は蒼海羅針域の破壊を目論むコンキスタドールの撃破よ!」
 そう金の縦巻き髪を左右で結んだ少女、シャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)は自身のグリモアである青いタブレット端末を叩きながらグリードオーシャンのとある島を映す出す。
「今回の戦場となる舞台はアルダワ魔法学園の文化が根付く島よ。そこでは私たち猟兵に協力する現地の海賊たちが蒸気機械を用いてコンキスタドールを共に撃破するべく共同前線を張ったわ」
 精強なる熱き蒸気の如き心を持った海賊たち。その協力を得られることは途轍もない力となるだろう。
「そして、戦場を駆け巡る際に必要な飛行能力を持ったガジェットを貸し出してくれるそうよ」
 グリードオーシャンでは飛行能力が阻害されるが、工夫をすればその軛から逃れることは出来る。どうやらその島では蒸気魔術文化をそう言った方向性に発展させたようだ。
「で、これがそのガジェットの一つなんだけれど……」
 そしてシャルロットはグリモアの転移の術式を応用してその島の飛行ガジェットをとりだしていく。

 なんかこう……立体的に機動する奴ぽいのだった。
 そうあのUDCアースで連載されている絶賛最終決戦中なあの作品に出てくるぽいの。

「……いろいろ言いたいことはあるだろうけど、これは多数の船舶が相まみえる船上戦ではとても有効的なガジェットよ。上手く活用すれば敵手の指揮系統などを搔き乱して一方的に戦況を進められると思うわ」
 実際、有効だったもんねぇ……どの辺かは言わないけれど。
「それとなんかこうワイヤーを使って移動する奴だけじゃなく魔術を利用して起動する奴や装着することで身体能力を増幅させる物など様々な種類があるみたいよ。猟兵には無条件で貸し出してくれるそうだから自分にとって適切な装置を見つけたら有効活用しなさい」
 そう言ってシャルロットは転移の術式を起動させ、アルダワ魔法学園の文化を発展させた島へと送り出した。


黒代朝希
 立体的に機動するあれ、良いですよね。


 プレイングボーナスは
 『海上戦、船上戦を工夫する(海上では飛行や転移が阻害されています)』
 に加えて
 『ガジェット(立体的に機動する奴ぽいの)を有効活用する』
 の二つです。
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第1章 集団戦 『グリードミミック』

POW   :    メガリス・ランページ
【纏ったメガリス全て】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
SPD   :    強欲の罠
【触手や巨大な口から敵を取り込み】【武器や装飾を奪って】【装備すること】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    ホシイ!ヨコセ!
レベル×1tまでの対象の【武器や装飾品】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 追記
 プレイングで『立体的に機動する奴ぽいの』を貰い受けたい=アイテムとしたい場合、自身のWPか星で購入いたしますようお願いします。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
片桐・公明
(ガジェットを眺めながら)
あ~。これ知っているわ。巨人狩りに使うあれよね。

【POW】
ガジェットを一つ借りて、意気揚々と敵船に飛び移る
そのあとはひたすらUCで敵と敵船を攻撃していく
敵船のメインマストにワイヤーをひっかけて、立体起動しながら3次元戦闘を仕掛ける
船上でも常に動き回ることで敵が攻撃しにくする
適当に暴れて敵船が沈みそうになったらその船から離脱して別船で再び戦い始める
移動時には残存の蒸気量を意識して、残り半分くらいになったら補給のために撤退する

「しかしこれ。本当にすごいわね。戦争後に一つぐらいもらえないかしら。」
(絡み、アドリブ歓迎です。)


ビードット・ワイワイ
ガジェットなぞ必要無し!
と言いたい所だが好意は無下にはせん
ではまずメカモササウルスになる
次に蒸気による推進力を得るためブースターガジェットそ付ける付ける付けまくる
最後に海に飛び込み加速
水中機動力×巨体×蒸気推進力=破壊力

船である以上船底壊されればひとたまりもあるまい
更に蒸気の推進力で体を海上に持ち上げ逆噴射
圧倒的な量の海水が押し寄せ荒れ狂い船を襲うであろう
味方に被害及ばぬよう細心の注意を払いつつ行動する

メカモササウルスは絶対無敵!
海も波も敵も突破し荒れ狂う海の捕食者、その頂点である


レモン・セノサキ
あぁアレ!見た見た!
私も「仕掛鋼糸」持ってるけどさ、蒸気なんて更に本格的じゃん?!(目キラキラ)

ウキウキで飛行ガジェットを装着
装備は両手にガンナイフ、「銀塊」を使って刀身をソレっぽく
延長
ワイヤーアクション([ロープワーク])で船から船へ移動し、遊撃手として斬り付けるよ
適応早い?この移動方法は慣れてるからね

捕らわ~れ~た、ナンデンカンデン♪オブリビ~屠る、猟兵ー!

って敵ちっっっさ!!
ズッコケそうになったわ!
(脳内BGMも情けなく尻すぼみ)
銀塊から作った刀身を折り取られれば、すぐさまウニ型に変形させ嫌がらせ

飛び回りながら指揮してる奴を見定め、UCで強襲をかけよう
受けやがれ、この煮え切らない想い!!


七那原・望
この装置を使えばいいのですね?
取り敢えずオーソドックスなワイヤーのやつを借りましょうか。

【果実変性・ウィッシーズガーディアン】を発動しておき、【第六感】と【野生の勘】を駆使しながら例の装置で複数の船を素早く跳び回りながら【空中戦】。

【咄嗟の一撃】で炎【属性魔法】を【高速詠唱】【クイックドロウ】で放ち、その推進力を利用する事でこの装置の【限界を超えた】機動力を獲得。
敵のユーベルコードに狙われた時などはワイヤーを外して上記の方法で臨機応変に立ち回ります。

攻撃後の隙等を【見切り】素早く敵に接近したらスタッカートによる【早業】で敵を斬り伏せましょう。

こういう飛行もいいですね。風が気持ちいいのです。


ソニア・シルヴァーヌ
<不本意な現状>を変えるのは戦う覚悟、というわけですね。
やってみましょう。

立体機動ガジェット(魔力で噴進するタイプ)を装備し、環境適応・自己進化を発動。下半身を飛行に適した形状に変形させます。
(装甲半減・機動力強化)

敵船へと飛翔しつつ【エネルギー充填】、船上に着地次第、目についた敵に充填したエネルギーを籠めた波動砲での【範囲攻撃】を撃ち込みましょう。
残った敵には暗黒縛鎖・改を射出してのトドメを。
敵が反撃に転じるならば再び飛行して退く…と見せかけ別の船へ。
此方でも同様に波動砲での強襲を仕掛け、全滅するか敵が態勢を立て直した処で別の船へ。
仕留め損ねた敵は後から再度強襲。
これを繰り返していきます。


リーヴァルディ・カーライル
…なる程、腰のワイヤーを射出して巻き取り、
三次元的に機動する事で敵を翻弄する道具なのね

…これなら街中や吸血鬼の館の中でも、効果を発揮するかもしれない

UCを発動して19人の吸血鬼狩人達を召喚
全員に立体機動ガジェットを装備して敵船に切り込む

…折角の好意だもの。ありがたく使わせてもらいましょう

…まさか初見の道具だからと使いこなせない狩人なんて、
私の弟子にはいないでしょう?

…目標は異世界のオブリビオン、
いつもとは勝手が違うけど、いつも通り狩るだけよ

戦闘知識を下に互いに連携して疑似空中戦機動で攻撃を避け、
片方が銃を乱れ撃ち敵の注意を引いている隙に、
もう片方が武器をなぎ払い切断する早業で背後から奇襲する


パトリシア・パープル
立体機動戦闘なら得意だからね!
折角だしアルダワっぽく蒸気を噴出できるのを探して借りるわ

まずは船のマストの上に立ち、そこからヨーヨーを【ロープワーク】で操って、ターザンの如く船から船へ飛び移る
その際に、ガジェットの蒸気噴出を使って軌道を変更
敵の口目掛けてUCで呼び出したメダルを投擲
「そんなに装飾が欲しいなら、くれてあげるわよ!

奪ったメダルを装着したら最後、やることなすこと全部嘘……つまり、行動を強制キャンセルされて、あらゆる行動が失敗になるってわけ
「残念、メダルは呪われていた! ……ってことで、これはオマケよ!

『スカンクガス爆弾』を投げて、最後に火の着いたライターを投擲
引火爆発で吹っ飛ばす!


アトシュ・スカーレット
やりたいやりたい!!!
立体的に機動するやつ使う!!ワイヤーで!

…と、まぁ、失敗しても【空中浮遊】の魔術でサポートできますし?
【指定UC】で攻撃を予測してからワイヤー使えますし?大丈夫だ、うん

取り敢えずブレードあるか?ちょっーと腐敗【属性攻撃/呪詛】をかけて…突撃!!

可能な限り【鎧砕き/鎧無視攻撃】で攻撃していくか
【見切り】と未来視で回避していくぞ
あ、あれやろう!高速回転しながら切るやつ!
出来るか…?いや!やれる!やろうと思えば絶対に!

えーとえーと、あ!
動くんじゃねぇ!綺麗に切断できねぇだろうが!

その他
アドリブ、連携大歓迎
PCは終始楽しそうです。カッコいいですからね


唐草・魅華音
任務、コンキスタドールの殲滅。任務了解だよ。
それで、貸出される装置って……飛ばしたワイヤーを巻き取る形での空中移動……マメットのロープワークも悪くありませんが、これと組み合わせれば空中の動きに大きく幅が広がります…!
刀を携帯しやすく付けて、弾薬を即時リロードできるように装置に仕込んで…あの、これ一つ買わせてもらえませんか?カスタマイズしたいです、これ。

ドローンに、戦場を逐一【情報収集】させてガジェットで飛び移れる位置を把握し【戦闘知識】で最適箇所を判断、船上海上を飛び回って高所からの銃弾の弾幕と低空飛行してからの刀の斬撃を使い分け、空を機動的に飛び回り敵を減らしていきます。


アドリブ・共闘OK


高砂・オリフィス
くーっ! なんてかっちょいいんだ! なんかこう……立体的に機動する奴ぽいの!? 名前ないの……? 装置……ガジェット!

飛べないながらもこう、跳ね回るのは確かに有効そうだよねーっ! いっくぞーっ――イーッヤッホォーウ! うっひょうたのしぃー!

武器がほしいって? あー、ごめんね! ぼくの武器はぼくの肉体なんだ! じゃあこの装置をあげるよ! 受け取って!

かーらーの! 空中から強襲! 勢い任せの一撃必殺! じゃらじゃらしてて重そうだから、ちょっぴりスリムにしてあげるね! 粉砕!

この推進力……持ち帰っても使えないかなあ? お土産に……ダメ?


ナイ・デス
こんな島も、あるのですね
落下時に殆ど、失われたでしょうに……頑張ったのですにゃあ
せっかくだから、使わせてもらいましょう

ワイヤーは地縛鎖と交換
蒸気ではなく聖者の光を噴射するよう【武器改造】して
【念動力ロープワーク】で地縛鎖操り
光を噴いて【推力移動ダッシュ】立体的に機動!
両手から【レーザー射撃】光を剣のように【なぎ払い切断】していきます
ガジェットなくてもできるのは、内緒
【覚悟激痛耐性継戦能力】もし負傷しても、私は止まらない。そのうちに、再生する。本体壊れなければ、私は死なない
そうして、上へ

サイキックキャバリア相当の「ダイウルゴス」召喚
彫像達に、世界にお願いして
『文明守護竜』連続発動
【重量攻撃】落下


神代・凶津
ヒャッホオオオオオッ!!
楽しいな、この『立体的に機動する奴ぽいの』ッ!
「・・・調子に乗りすぎないようにね。」
いやいや冷静装ってる相棒だって、この『立体的に機動する奴ぽいの』見た時に目輝かせてたじゃねえかッ!
「・・・知らない。」
ヒャッハッハッ!何はともあれかっ飛ばすぜッ!

船上をワイヤーアクションで縦横無尽に飛び回るぜ。
そして敵の船の上まで来たら
「・・・式、召喚【築き大太郎法師】」
巨人、ダイダラボッチを降らして乱戦に持ち込むぜッ!
そしてその混乱に乗じてワイヤー移動して敵の後ろから妖刀で敵のうなじをバシッと・・・いや、うなじ何処だ!?


【技能・空中戦、式神使い】
【アドリブ歓迎】


アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

ほうほう、巨人の方は履修してないけど夜明けを告げる騒々しき足音ごっこはできそうね。
他者よりもほんの少し早く判断し、ほんの少しだけ速く動き、ほんの少しだけ強いだけの“ただの人”。目を閉じると現れて目を開けるともういない。閉じ目瞼の裏に光が踊る。それを実現する妄想結界術を展開。
武装少女な軽パワードスーツ型のガジェットを借りましょう。表面効果による浮力(空中浮遊)とパルクール(地形の利用/足場習熟)、足場フィールド(結界術)にワイヤーアクションを駆使した立体機動で翻弄してあげるわ。



「行くぜお前ら!奴らに俺たちの心臓(誇り)は渡さねぇ!」
 そう呟くと同時、ワイヤー式を始めとした様々な『立体的に機動する奴ぽいの』を用いて立体的な機動でコンキスタドールに挑む海賊達。
 そんな彼らの姿と装着している『立体的に機動する奴ぽいの』を見て片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)は呟く。
「あ~。これ知っているわ。巨人狩りに使うあれよね。まさかグリードオーシャンでお目にかかるとは思わなかったわ」
 そう言う彼女もガジェットを借り受けて意気揚々と敵船に飛び移る。
 形式は伝統高きワイヤー式。その射出されたワイヤーを敵船のメインマストにひっかけて、立体起動しながら3次元戦闘を仕掛ける。
 彼女はワイヤーによる立体起動を用いて様々な武術に舞踊を組み合わせた独特な体術をコンキスタドールに披露し、舞いながら打撃技を打ち込んでいく。
「へぇ……実際にやってみると風が気持ちいいし、使いこなせれば機動的な移動方法が有効的ね」
 そう一つの船のコンキスタドールを掃討した後、次の船にワイヤーを打ち込んで飛び乗り舞踊武術を披露していく。
「と、残存の蒸気量は……三分の二くらいか。もう少ししたら上記の補給のために撤退しましょうか」
 大砲を舞いながら捌くことで避けながらまたもやコンキスタドールの船へと降り立ち、着地直後に回し蹴りを近くにいたコンキスタドールに叩き込む公明。
「それにしても、私の両親も灼滅者としての戦いでこういうものを使ったことがあるのかしら」
 そう、第四の世界にて灼滅者という能力者として闇と戦っていた両親の事を想う公明。
 彼女の両親、引いてはその仲間達は『全て』を救う事を決意した。その果てに万有が異能を有する世界へと深化させることで完全なる勝利へと至り、彼女の両親は公明を授かった。
「ま、今は猟兵である私達が戦う番。二人にはまだまだ隠居生活を送ってもらわなくちゃね」
 それこそがかつて世界と人類を救い上げた偉大なる勇者である両親、その二人へ捧げられる親孝行だと告げる公明。やがて装置の残り蒸気量が半分を切ったことを確認するし、撤退を始める。
「しかしこれ。本当にすごいわね。戦争後に一つぐらいもらえないかしら」
 今回の戦いにてこの装置は市街地や森林をはじめとする周囲に高さのある物体がある時、高い機動性を猟兵にもたらすだろう。
 後で海賊たちに貰い受ける交渉を持ちかけようと思いながら公明は撤退していった。

「ガジェットなぞ必要無し!と、言いたい所だが好意は無下にはせん」
 というのは破滅のためにハッピーエンドを実現させることが存在理由たる古代兵器の猟兵、ビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)。
「では変身だ。『実行仮想破滅・七海征する最新にして古代の龍(アクセス・イマジナリールーイン・メカモササウルス)』」
 ユーベルコードを起動させ、海戦における最適な機体(身体)としてメカモササウルスに変身するビードット。その全長は何と300m。巨大な空母と同じ大きさである。
「では、次にブースター式のガジェットを装着願う」
「おお分かった!これは忙しくなりそうだぞ……」
 そう自信に装着している『立体的に機動する奴ぽいの』とは別のそれを持ってビードットのメカモササウルスにブースター式の『立体的に機動する奴ぽいの』を取り付けていく海賊たち。
 彼らにとっても自らの味方の艦船が増えることは単に戦力が増えるだけでなく、安全に立体起動を行える領域が増えることを意味する。
「全部取り付けたぞ!」
「よろしい。では方程式は水中機動力×巨体×蒸気推進力=破壊力、だ」
 速度が爆発的に上がったメカモササウルスの機体は次々とコンキスタドールの船へとぶつかり、海の藻屑と骸の海へと還らせていく。
「更に……」
 と、メカモササウルスに乗り込んだ海賊たちを引き連れながら、大量のコンキスタドール側の船舶が並ぶ海域に到達したビードット。
「立体起動は使うな。巻き込まれる」
「ほう?そりゃ一体どんな案……何だ!?揺れている!?」
「副船長補佐!メカモササウルスが……浮いています!」
 そう部下の言葉を聞いて副船長補佐が海面に目を向けると、取り付けた全てのブースター式の『立体的に起動する奴ぽいの』のブースターを使ってメカモササウルスが上昇していく光景を彼を目の当たりにする。
「解除だ」
 そして一斉に止まる蒸気の逆噴射。それによって重力の軛によって海面へと落ちていくメカモササウルスの巨体。
 その重量は着水した直後、圧倒的な量の海水が押し寄せ荒れ狂いコンキスタドールの船を襲う。
「安心せよ。味方側に被害は出ないよう計算し、この座標で『着水』を行った」
 他の味方への余波を心配する副船長補佐に安心させるよう告げるビードット。
 そして彼は宣言する。
「メカモササウルスは絶対無敵!海も波も敵も突破し荒れ狂う海の捕食者、その頂点である」

「あぁアレ!見た見た!私も「仕掛鋼糸」持ってるけどさ、蒸気なんて更に本格的じゃん?!」
 どうやらUDCアースにて連載されているあの作品のファンらしきレモン・セノサキ(金瞳の"偽"魔弾術士・f29870)は、目をキラキラと光らせながら『立体的に機動する奴ぽいの』を装着する。
 リスペクトとして選んだのはワイヤー式。装備は両手にガンナイフと「銀塊」というレモンの意思によって形状を変化させる銀の塊を用いてカッターの刃のような刀身を持つ双剣を作り出す。
 そして射出したワイヤーをロープワークの応用で操りながら見事三次元的な機動を実現させていく。
 その体験を実感していることに対し、レモンはアニメ版の主題歌の内最も有名な代表作のOPを脳内でヘビロテしながらコンキスタドールの元へとたどり着く。
「さぁ、駆逐してあげるわ!」
 そう銀塊で作り上げた双剣の切っ先をコンキスタドールに突き付けるレモン。
 そんでなんか敵のコンキスタドールは巨人じゃなくてミミックっぽいのだった。しかもちっさい。
「って敵ちっっっさ!!しかも巨人ですらない!!」
 思わずズッコケてマストから落ちそうになるレモン。ワイヤーの一つをマストに突き刺したままにしていなかったらそのまま転落していたであろう勢いのズッコケだった。
 無論の事レモンの脳内でかかっていた曲は情けなく尻すぼみで消えていった。
 しかしそこはレモンも猟兵。即座に意識を切り替えてミミック型のコンキスタドールを『立体的に機動する奴ぽいの』による立体起動を用いて次々と屠っていく。
「見せてあげるよ、銀の雨。その神話の、さらに先を――!」
 それは、第二の銀の雨の降る運命の先を告げる言葉。
 発現するは弾丸を『フル装填したガンナイフ六丁の投擲後、死角からの二刀流ガンブレードの斬撃による「刺さったガンナイフの全弾倉起爆」』を直撃させた対象のユーベルコードを封じる連撃型ユーベルコード。
 それをコンキスタドールに喰らわせながらレモンは指揮官となるミミックを見つけ出そうとしている。
「指揮官を見つけたら受け取らせてやる、この煮え切らない想いを!!」

「この装置を使えばいいのですね?取り敢えずオーソドックスなワイヤーのやつを借りましょうか」
「そりゃいいけど嬢ちゃん。いくら猟兵と言えど目隠ししたままでそれを使うつもりか……?」
 そう海賊が苦言を漏らしたのは七那原・望(封印されし果実・f04836)。彼女は何者かに封印の目隠しを施されており、視覚以外の五感に頼って行動する猟兵だ。
 しかし『立体的に機動する奴ぽいの』は何よりも即座の空間把握能力が何よりも運用するに当たって前提条件となる装置だ。
 目隠しをしたまま使おうとするのは自殺行為に見えただろう。
「ご心配なく。『果実変性・ウィッシーズガーディアン』」
 ユーベルコードの名を告げると同時に装着した装置からワイヤーを射出して立体起動を行う望。
「……上手い。どういうことだ?」
「聴覚だ」
 そう言うのはビードットと同行したものとは別の副船長補佐。
「視覚が封じられている者の中には蝙蝠の如くエコーロケーション能力を身に着ける者がいる。恐らく彼女はそれを用いて見事な立体起動を行っているのだろう」
 そして、望はユーベルコードを起動させた。超高速戦闘と精密な防御を得意とする姿へと変身することで所持している対の双剣【夢奏・スタッカート】が紅き雷光を纏っている。
 その状態の双剣を振るう事で望は次々とコンキスタドールを葬っているのだ。
 そして、練習したわけでもなく『立体的に機動する奴ぽいの』をも使いこなしている。
 敵のユーベルコードに狙われた際はワイヤーを外して体勢を変えることで回避し、即座にワイヤーを打ち込み直すことで敵に反撃を叩き込む姿は、『立体的に機動する奴ぽいの』の運用練度を高めている海賊たちですらそこに至れるのはほんの一握りだけだ。
「こういう飛行もいいですね。風が気持ちいいのです」
 そんなことも露知らずに望はワイヤー移動による空中移動の際に頬を撫でる風に心地よさを覚えながらまた一人のコンキスタドールを屠っていく。
「コンキスタドールは駆逐、なのですー」

「<不本意な現状>を変えるのは戦う覚悟、というわけですね。やってみましょう」
 そう『立体的に機動する奴ぽいの』を見つめて呟いた後装着したのは上半身は淑女、下半身は異形の姿をした魔女にして聖女、ソニア・シルヴァーヌ(玻璃の白百合ラスボス仕立て・f31357)。
 彼女が装着する『立体的に機動する奴ぽいの』はワイヤー式ではなく魔力で噴進する魔術師用のそれだ。
 更にユーベルコード『環境適応・自己進化(アルティメット・デビル)』を発現させて下半身を『立体的に機動する奴ぽいの』の運用に適応させた形態へと変容させていく。
 それは装甲を半減させる代わりに機動力を強化させる形態。その姿を見て海賊たちは口笛を鳴らす。
「その形態は紛れもなく正解だぜ。下手に短所を埋めるより長所を伸ばしていった方が総合的な戦闘能力は上昇するからな」
「ええ、本来機動戦における防御は受けより避けを主体としているモノですからね。それでは参ります」
 そう会話を交わらせた後、ソニアは魔導型の『立体的に機動する奴ぽいの』を用いてコンキスタドールの船へと乗り込んでいく。
 コンキスタドールの船上に着地した直後、飛翔している際にため込んでいたエネルギーを波動砲として発動。範囲攻撃として逃げ遅れたコンキスタドールを薙ぎ払っていく。
「まだまだこれからですよ。【暗黒縛鎖・改】」
 波動砲を放った直後に魔力を噴出させて後退すると同時に周囲の空間から鎖を打ち出していくソニア。
 その鎖は縛り上げると同時に強い力でコンキスタドールを締め付けていき、その身体を破壊していく。
 しかし全てのコンキスタドールが鎖に囚われたわけではなく、そのコンキスタドールはソニアを打ち取らんと巨大化したメガリスを振るう。
「それを喰らうわけにはいきませんね。ここは退かせてもらいます」
 メガリスがソニアに触れんとしたその刹那に魔力を彼女は噴出。別の船へと飛行して撤退していく。
 と、見せかけていた。
 彼女は別のコンキスタドールの船へと着地し、先程と同じく波動砲を放つ。
 今回は全てのコンキスタドールを薙ぎ払う事に成功。近くで戦っていた海賊たちに船を鹵獲させ、次の船へと移っていく。

「……成程、腰のワイヤーを射出して巻き取り、三次元的に機動する事で敵を翻弄する道具なのね」
 そう『立体的に機動する奴ぽいの』の有効価値を見出していくのはリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)。
 彼女はダークセイヴァーにて吸血鬼狩りとして活動している猟兵。その吸血鬼狩りにおいて『立体的に機動する奴ぽいの』の価値は彼女にとって計り知れなかった。
「……これなら街中や吸血鬼の館の中でも、効果を発揮するかもしれない」
 吸血鬼狩りが攻勢、つまりヴァンパイアを狩る時の戦場はヴァンパイアが世界の支配者として君臨しているため、大規模な市街地や大屋敷等が主体を締める。
 そのような戦場は周囲に高さのある環境である故に『立体的に機動する奴ぽいの』の真価を発揮することが出来る。
「『吸血鬼狩りの業・血盟の型(カーライル)』…………我ら、夜と闇を終わらせる者なり」
 それは猟兵という生命の埒外に在るリーヴァルディだけでなく、彼女に従う吸血鬼狩人にも当てはまることだ。
 グリードオーシャンに召喚された19人のリーヴァルディが鍛えた最初の弟子達。誓いを胸に吸血鬼狩りの業を振るう狩人の集団は、一目見ただけで『立体的に機動する奴ぽいの』の吸血鬼借りにおける有効性を把握する。
「成程、これは素晴らしい」
「恐らくこれを開発したアルダワの者達は災魔に抗う者だったのでしょうな。狩る事についての執念が技術造形から伝わってくる」
 そう口にしながら19人の吸血鬼狩人は『立体的に機動する奴ぽいの』を装着。慣らしとして味方の海賊船の間を移動しながら使い勝手を把握していく。
「……折角の好意だもの、ありがたく使わせてもらいましょう。まさか初見の道具だからと使いこなせない狩人なんて、私の弟子にはいないでしょう?」
「それこそ、まさかですよ」
 そう言うと同時に20人の吸血鬼狩人はワイヤーを射出して敵船に切り込んでいく。
「……目標は異世界のオブリビオン、いつもとは勝手が違うけど、いつも通り狩るだけよ」
 そこから先は強大なるヴァンパイアを相手に知恵と武力を用いて吸血鬼を狩っていく吸血鬼狩人の独壇場であった。
「これを用いる際単騎で敵を仕留められるのは一握りの英雄。通常は一対複数での運用が効率的ですな」
「そして、我々は師とは違い猟兵ではない。故に小賢しく立ち回らせてもらおう」
 そう言いながら片方が敵の注意を引いている隙にもう片方が奇襲して敵を討ち取っていく吸血鬼狩人たち。
 そんな弟子の姿を見ながらリーヴァルディはダークセイヴァーでの運用の慣らしとして単騎でコンキスタドールを狩っていった。

「立体機動戦闘なら得意だからね!折角だしアルダワっぽく蒸気を噴出できるのを探して借りるわね!」
 そう紫色のポニーテールが特徴的なキマイラの少女、パトリシア・パープル(スカンクガール・f03038)は蒸気式の『立体的に機動する奴ぽいの』を装着する。
 そして船のマストの上に立ち、そこからヨーヨーを【ロープワーク】で操ってターザンの如く船から船へ飛び移っていく。
「ワイヤーが無くても、代わりを用意することが出来ればこちらの方が便利ね!」
 ワイヤーが存在しない代わりに蒸気による噴射に特化させた『立体的に機動する奴ぽいの』。
 軌道修正に自らの技量や異能が求められる代わりに、機動力は通常のワイヤー式の装置より倍以上のそれを算出する。
 そしてパトリシアはワイヤーの代わりにヨーヨーを用いてその高速立体起動を制御し実現させていた。
「よっと、右に修正!」
 そう叫ぶとパトリシアはガジェットの蒸気噴出を使って軌道を変更。宝を欲しがるミミックの口へメダルを放り投げる。
「そんなに装飾が欲しいなら、くれてあげるわよ!」
 口に入ったメダルを飲み込むミミック。それでも飢えが収まらないのか次はパトリシアそのものを喰らおうと顎を迫らせていく。
 しかし、パトリシアは『立体的に機動する奴ぽいの』を用いて回避しようとはしない。
 そうする間にも顎がパトリシアを挟み込む――
「残念、メダルは呪われていた!」
 瞬間、顎が紫色のキマイラの少女をすり抜ける様に挟み込むのに失敗する。
「さっきくれてあげたメダルは『あぎょうさん』のメダルでね?張りつけている間はやること成すことすべてが嘘になるのよ!」
 そう宣言すると同時に蒸気を噴出させ、ヨーヨーをマストに絡みつかせて上昇していくパトリシア。
 それと同時に懐から『スカンクガス爆弾』を統合してガスをまき散らし、最後に火をつけたライターを放り投げる。
「これはオマケよ!おつりはいらないわ!」
 瞬間、爆音が鳴り響くと同時にコンキスタドールの船がまた一つ沈んでいった。

「やりたいやりたい!!!立体的に機動するやつ使う!!ワイヤーで!」
 レモンと同じくファンなのか興奮した様子でワイヤー式の『立体的に機動する奴ぽいの』を借り受けて装着するのはアトシュ・スカーレット(狭間を歩く放浪者・f00811)。
 彼はワイヤーを射出させると他の猟兵と同じく見事なワイヤー捌きで立体起動を実現させていく。
 元からの猟兵としての力量もあるが、空中浮遊の魔術によってワイヤー捌きに失敗しても何とかなるという心境が焦りをなくして『立体的に機動する奴ぽいの』を運用することに繋がったのだ。
「しかしまさかグリードオーシャンでこれを実体験できるなんて!世の中本当にわからないものだぜ!」
 そう腐敗属性と呪詛を付与させたブレードを振るってコンキスタドールを腐り落としていくアトシュ。
「よし、『アレ』使うぞ!――『希望への軌跡(シュトラーサ・ホッフヌング)』!!」
 発現するは未来視の魔術。敵の攻撃を回避することが主な運用方法だが、今回はある攻撃を行うためにユーベルコードを使用した。
「行くぞ!回転切り!」
 やがてミミックに接近するとワイヤーを絡ませることなく身体を捻り回転させながら高速機動の軌跡に在るモノ全てを切り刻んでいくアトシュ。
「動くんじゃねぇ!綺麗に切断できねぇだろうが!」
「いや、敵に動くなって言われて本当に動かねぇ馬鹿はいねぇよ」
「あ、いや今のはカッコつけのためのセリフだからな」
 幾ら他なる世界から招来された島で出来た世界、グリードオーシャンだからと言ってここ最近に連載されている作品を詳しく知っている海賊は稀だろう。更に言えば彼らの起源はアルダワ魔法学園だ。
 故に他の海賊から突っ込まれるアトシュはしかし、その海賊から賞賛をもらう。
「しかし回転切りとはな。ユーベルコードを用いてのとはいえ、実現できる奴はそういねぇ。お前さん才能あるよ」
「あ、そうか?」
 同じく回転切りでコンキスタドールを狩っていく海賊と共にアトシュはコンキスタドールを駆逐していった。

「任務、コンキスタドールの殲滅。任務了解だよ」
 そう転移の術式からグリードオーシャンに現れたのは唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)。
「それで、貸出される装置って……」
 歴戦の戦場傭兵にして武器商社の社長令嬢である彼女は現地において支給されるガジェット、『立体的に機動する奴ぽいの』の戦術価値をリーヴァルディは異なる見地、しかし確かにその真価を同じく見抜いた。
「飛ばしたワイヤーを巻き取る形での空中移動……マメットのロープワークも悪くありませんが、これと組み合わせれば空中の動きに大きく幅が広がります……!」
 そう目を輝かせて『立体的に機動する奴ぽいの』を手に取って装着した魅華音は武器を扱う者として他の装備を組み合わせながら、自らに最適化していく。
「刀を携帯しやすく付けて、弾薬を即時リロードできるように装置に仕込んで……あの、これ一つ買わせてもらえませんか?カスタマイズしたいです、これ」
 そう『立体的に機動する奴ぽいの』に合わせて自らの装備を整えていった魅華音は、海賊たちに向き合って買収を提案する。
 海賊としても費用を払ってもらえれば問題はなく、装置を買い取った魅華音は自らの『立体的に機動する奴ぽいの』をカスタマイズしていく。
「さて、これなら……」
 そう言って周囲にドローンを展開しながらカスタマイズした『立体的に機動する奴ぽいの』を用いて戦場に飛び出していく魅華音。
 既に戦場に展開していたドローンから戦場を逐一情報収集させてガジェットで飛び移れる位置を把握、戦場傭兵としての鍛え上げた技巧を用いて立体起動しながら戦場を駆けていく。
「そこッ!」
 上空からは銃弾の弾幕を張って敵を妨害し味方を支援、低空飛行では剣豪としての巧みな剣術で敵を駆逐していく魅華音。
「そろそろカスタマイズしたこれの機能を使いましょうかね……」
 そう言って追加した機能を発動させる魅華音。それはマメットを用いた立体起動における『足場』をどんな戦場でも創り出す機能。
 つまりは豆の樹を用いてそれを足場にし、立体起動が行える領域を自ら作り出す機能であった。
「行きますよ。これより魅せるは、殺伐した戦場に咲き響く華の唄」
 そう言って回転斬りを行い大量のミミックを一瞬で斬滅する魅華音。創り出されていく立体起動が可能な領域は魅華音だけでなく共闘している海賊たちにも有利を齎していく。
「助かるぜ嬢ちゃん!売ってやった甲斐があったもんだぜ!」
「ええ、このお礼は戦況を収束させてから改めて行いましょう」
 そうして、広がっていく豆の木を中心として魅華音と海賊たちはコンキスタドールを掃討していった。

「くーっ! なんてかっちょいいんだ! なんかこう……立体的に機動する奴ぽいの!? 名前ないの……?」
「さぁ、何故か正式名称を付けることは許されていないんだ」
 そう高砂・オリフィス(南の園のなんのその・f24667)の疑問に答える海賊。彼は風属性を用いて気流を操作して空中移動する『立体的に機動する奴ぽいの』を用いてオリフィスと一緒に立体起動を行っている。
「けど、飛べないながらもこう、跳ね回るのは確かに有効そうだよねーっ!」
「ああ、気持ちいいだろう!」
 そうワイヤーと風属性を操りながら海上を駆けていく猟兵と海賊。
「いっくぞーっ――イーッヤッホォーウ! うっひょうたのしぃー!」
 そう空を駆けながら歓喜の声を迸らせるオリフィス。
 そこにミミックが現れて武器を喰らわんと襲い掛かろうとする。
「武器がほしいって? あー、ごめんね!ぼくの武器はぼくの肉体なんだ!」
 そう言って腕をひらひらと降ると同時にワイヤーを巻き取って移動しながら告げるオリフィス。
「なら代わりに、この装置をあげるよ! 受け取って!」
「なっ!お前!」
 そう空中で『立体的に機動する奴ぽいの』を取り外してミミックの元へ放り投げるオリフィス。
 必然的に落下する彼女の体。
 しかしそれをオリフィスは狙っていた。
「かーらーの! 空中から強襲!」
 落下の勢いを利用した一撃はミミックを打ち砕き、地面に激突する寸前で『立体的に機動する奴ぽいの』を装着し直しワイヤーを射出。そして巻き戻されるワイヤーによってオリフィスは激突の衝撃から逃れる。
「無茶しすぎだ……」
「あはは、ごめんごめん」
 奇襲によって生み出された混乱を利用して一気にコンキスタドールを掃討するオリフィスと海賊たち。
 やがて船に乗っていたコンキスタドールを全滅させるとオリフィスは『立体的に機動する奴ぽいの』を見つめて言う。
「この推進力……持ち帰っても使えないかなあ? お土産に……ダメ?」
「お土産ならお金を払うんだな。流石にタダでくれることは出来ないぜ」

「それはそうです。落下時に殆ど、失われたでしょうに……頑張ったのですにゃあ」
 アルダワ魔法学園から派生した島の技術の結晶を装着し、見つめながらナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)はそうしみじみと呟く。
「しかし思ったよりも使い勝手が良いですにゃあ」
 そう呟くナイ。彼が用いる『立体的に機動する奴ぽいの』はワイヤーを地縛鎖と交換し、蒸気の代わりに聖者の光を噴射するよう改造された物。
 それは聖者であるナイが用いれば通常のワイヤー式よりも数倍以上の運用性能を発揮するのは間違いないだろう。
 地縛鎖が突き刺さると同時に聖者の光が噴射されてナイは立体起動を行っていく。
 そして彼の両手には鉄の剣の代わりに聖者の光で出来た剣が握られ、立体起動によってコンキスタドールを攪乱しながら斬滅し、浄滅していく。
 負傷しても彼は本体が不明なヤドリガミの猟兵。それはつまり、猟兵の中でも屈指の戦闘継続能力と不滅性を誇ることに他ならない。
「上へとやって来ました……!」
 やがてマストの上部にアンカーを突き刺し、そのワイヤーを巻き戻した勢いを利用して上空へと駆けあがったナイ。
 そして彼は唱える。帝竜戦役で得た己の帝竜の力を。
「『今を守る力を、みんなに。世界を、守りましょう。私達は、文明を守護する竜、ダイウルゴスです……!』――『文明守護竜(フロンティア・ライン)』!!」
 ナイを中枢として召喚されるは文明を『侵略』するのではなく『守護』する理念に目覚めた帝竜ダイウルゴスの姿、『文明守護竜(フロンティア・ライン)』。
 その『文明守護竜(フロンティア・ライン)』はかつての己である『侵略者』を決して許さない。
 やがて連続してダイウルゴスへと変身したナイはその巨体を用いてコンキスタドールの船を沈めていく。
「守りましょうダイウルゴス。このグリードオーシャンの世界を」
 そう『文明守護竜(フロンティア・ライン)』はこの欲望渦巻く大洋の世界を守り抜くべく、その存在理由を迸らせた。

「ヒャッホオオオオオッ!!楽しいな、この『立体的に機動する奴ぽいの』ッ!」
 そう叫んでいるのは一見すると長い黒髪に巫女装束が特徴的な清楚な少女が発しているように見える。
 しかし実際は彼女がかぶっている鬼面から声が発せられているのだ。
 彼はヒーローズマスクに当てはまる猟兵、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)。巫女の少女は幼いころからの兄弟同然の相棒、神代・桜。
 彼らは二人で一つの猟兵として、桜の身体を借りて『立体的に機動する奴ぽいの』を用いて会場戦に挑んでいる。
「ハッハッハァッ!まさかUDCアースのあの作品に出てくるっぽいのをやれるとはなぁ!愉快で楽しいぜッ!」
「・・・調子に乗りすぎないようにね」
 そうハイテンションな凶津を窘める桜。しかし悪戯心を滲ませた口調で鬼面は相棒へ語り掛ける。
「いやいや冷静装ってる相棒だって、この『立体的に機動する奴ぽいの』見た時に目輝かせてたじゃねえかッ!」
「……知らない」
 そう凶津の下に隠された顔を赤くしながら相棒の言葉を否定する桜。その様子を愉快そうに見ながら凶津は桜の身体を借りてコンキスタドールの船へと乗り込んでいく。
「ヒャッハッハッ!何はともあれかっ飛ばすぜッ!」
 船上に乗り込むと同時に優れた見切りと空中戦の技能を用いてワイヤーを操り立体起動で敵を攪乱し、生まれた隙をついて葬っていく二人。
「ヒュウ!こいつは爽快だなぁ!惜しむべくは敵が巨人かそうでなくともデカ物じゃないことだぜ!」
「油断しないでね」
「ああわかっている!っと、あぶねぇあぶねぇ」
 そうミミックの顎を間一髪で避けながら妖刀と薙刀を用いて反撃し、骸の海へと還らせる凶津。
「そろそろ一発デカいのを放つかぁ!――『風神霊装(ストームフォーム)』!!」
 瞬間、二人の力を一つにして顕現する霊装を纏う姿に変身し荒れ狂う暴風を纏った薙刀を用いてコンキスタドールを一瞬で殲滅する二人。
 更に風神の力を借りることによってより鋭敏かつ精密な立体起動を実現させ、瞬く間に複数のコンキスタドールの船を沈めていく凶津と桜。
 その姿は正に、過去の亡霊を狩る猟兵(イェーガー)であった。

「ほうほう、巨人の方は履修してないけど夜明けを告げる騒々しき足音ごっこはできそうね」
 そう愉快そうに呟くのはアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)。猟兵の中でも特にエキセントリックな方に入る彼女は既に戦況が決しつつあるこの戦場にて最後の一押しとなった。
「この軽パワードスーツ型の『立体的に機動する奴ぽいの』を借りるわよ。武装少女っぽいしね。それじゃあご照覧あれ――『私達の知覚を離れた客観的真理などない、故に、あらゆることは真実であり可能である☆ 私は私の欲する事を為すでしょう』」
 アリスは装着すると同時にユーベルコードを起動する。
 アリス・セカンドカラーは猟兵の中でも屈指の結界術を得意手とする猟兵。
 そして今彼女が起動させたのはその結界術を更に強化させて攻撃に用いるユーベルコードだ。
 瞬く間に戦場の『界』を支配したアリスは浮力とパルクール、足場フィールドを用いて文字通り次元違いの立体起動を駆使する。
 それは最早『界』そのものが彼女そのものになったかのような機動。
 極限まで極めた結界術は通常の界に異なる法則の界をぶつけることで、世界に別の理を適用させていく。
「さぁ、アリスと遊びましょ?」

 そして、戦いは集結する。
 『立体的に機動する奴ぽいの』の力を借りた猟兵の力は凄まじく、開発者の海賊や技術者達もまた協力を要請することがあればそれを惜しまないと告げた。
 かくして、蒼海羅針域(コンキスタ・ブルー)を巡る戦いの一つはここに猟兵の勝利で幕を閉じた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月07日


挿絵イラスト